IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナヴァル・エネルジーズの特許一覧

特許7241765再生可能海洋エネルギーファームのための水中ケーブルおよび具体的にはアンビリカルケーブル同士を接続するコネクタ
<>
  • 特許-再生可能海洋エネルギーファームのための水中ケーブルおよび具体的にはアンビリカルケーブル同士を接続するコネクタ 図1
  • 特許-再生可能海洋エネルギーファームのための水中ケーブルおよび具体的にはアンビリカルケーブル同士を接続するコネクタ 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】再生可能海洋エネルギーファームのための水中ケーブルおよび具体的にはアンビリカルケーブル同士を接続するコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/08 20060101AFI20230310BHJP
   H01R 13/523 20060101ALI20230310BHJP
   H02G 9/02 20060101ALI20230310BHJP
   H02G 1/10 20060101ALI20230310BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20230310BHJP
   B63B 35/44 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
H02G15/08
H01R13/523
H02G9/02
H02G1/10
B63B35/00 T
B63B35/44 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020550781
(86)(22)【出願日】2019-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2019056785
(87)【国際公開番号】W WO2019179986
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】1852310
(32)【優先日】2018-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518359683
【氏名又は名称】ナヴァル・エネルジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マチュー・プリセ
(72)【発明者】
【氏名】アルバン・ファン・デン・ブルク
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ・ルデュク
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02869409(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00902505(EP,A2)
【文献】特開2015-208219(JP,A)
【文献】米国特許第06745911(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0036160(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/08
H01R 13/523
H02G 9/02
H02G 1/10
B63B 35/00
B63B 35/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中ケーブルを接続するコネクタ(10)を含むハンドリングシステム(8)であって、
前記コネクタ(10)は、前記水中ケーブルが互いに平行にかつ第1の方向(X)に平行に進入する接続ハウジング(12)を含み
前記コネクタ(10)は、前記第1の方向(X)に対して垂直な軸(R)に沿って蝶番で取り付けられる連結手段(18)により前記接続ハウジング(12)に接続されているハンドリングバー(16)であって、前記ハンドリングバー(16)は、前記接続ハウジング(12)の両側に係合される2つの枝状部(20)を含む、全体的なU形状を有する、ハンドリングバー(16)を含み、
前記ハンドリングバー(16)は、ケーブル固定部材(32)を含み、前記ケーブル固定部材(32)の各々は各枝状部20の延長部にあり、
前記ハンドリングシステム(8)は2つのハンドリングケーブル(30)を含み、前記2つのハンドリングケーブル(30)の各々が、固定部材(32)の1つに接続されている遠位端と他方のハンドリングケーブル(30)に接続されている近位端との間に延在している、ことを特徴とする、ハンドリングシステム(8)
【請求項2】
前記連結手段(18)は前記接続ハウジング(12)の反対側対称突出部(19)を含む、請求項1に記載のハンドリングシステム(8)
【請求項3】
前記ハンドリングバー(16)の前記枝状部(20)は各々、前記連結手段(18)により前記接続ハウジング(12)上に蝶番で取り付けられる接続端部(24)を有する、請求項1または2に記載のハンドリングシステム(8)
【請求項4】
前記連結手段(18)は、前記接続ハウジング(12)の反対側対称突出部(19)と、各接続端部(24)に形成されている接続オリフィス(26)とを含み、各突出部(19)は各接続オリフィス(26)内に係合される、請求項3に記載のハンドリングシステム(8)
【請求項5】
前記接続ハウジング(12)に取外し可能に接続される少なくとも1つのバラスト質量(40)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のハンドリングシステム(8)
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のハンドリングシステムであって、動作中に前記ハンドリングバー上の前記接続ハウジングの前記蝶番で取り付けられる連結手段の軸を中心として枢動することにより、前記ハンドリングケーブルと、水没/回収のために第1の仰臥保存状態位置と第2の直立状態位置との間で前記コネクタを動かすための湾曲斜面とに接続されている前記接続ハウジングを作動させるための手段を含むことを特徴とする、ハンドリングシステム。
【請求項7】
前記湾曲斜面は、前記接続ハウジング用の斜面を形成している第1の部分と、前記接続ハウジングの両側に、前記ハンドリングバー上の前記接続ハウジングの前記蝶番で取り付けられる連結手段の第2の湾曲ガイド部分とを含む、請求項6に記載のハンドリングシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のハンドリングシステムを含むことを特徴とする、海洋プラットホーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生可能海洋エネルギーファームのための水中ケーブル、詳細にはアンビリカルケーブル同士を接続するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術において、水中ケーブルコネクタが既知である。しかし、それらを沈めることは時に実施が難しく、通常、機械的応力、具体的にはケーブル保護設備上の曲げ応力、およびコネクタが海底に着地した時の機械的応力を伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、具体的には、水中ケーブルを接続しかつそれらの水没を容易にするコネクタを提供することにより、これらの欠点を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的のために、本発明は、具体的には、再生可能海洋エネルギーファームのための水中ケーブルおよび具体的にはアンビリカルケーブルを接続するコネクタであって、それは、
- ケーブルが互いに平行にかつ第1の方向に平行に進入する接続ハウジングと、
- 第1の方向に対して垂直な軸に沿って蝶番で取り付けられる連結手段により、接続ハウジングに接続されているハンドリングバーと
を含むことを特徴とする、コネクタに関する。
【0005】
バーはコネクタ構造の一部として設計される。それは、配備された時にこのコネクタに取り付けられたままになり、結合部は合成軸受を備えたスリーブにより保護され、一方、それは、長期の水没後にもバーの自由回転を確実にするために、大きな遊びを与えられている。
【0006】
本発明によるコネクタは、単独でまたは任意の技術的に実現可能な組合せで、下記の特性の1つまたは複数を有し得る。
- 連結手段はハウジングの反対側対称突出部を含む。
- バーは略U形であり、ハウジングの両側に係合されている2つの枝状部を含む。
- バーの枝状部は各々、連結手段によりハウジング上に蝶番で取り付けられる接続端部を有する。
- 連結手段は、ハウジングの反対側対称突出部と、各接続端部に形成されている接続オリフィスとを含み、各突出部は各接続オリフィス内に係合されている。
- ハンドリングバーは少なくとも1つのハンドリングケーブルに接続されている。
- コネクタは、好ましくは取外し可能にハウジングに接続されている少なくとも1つのバラスト質量を含む。
【0007】
また、本発明は、前段で定義されているコネクタを取り扱うシステムに関し、システムは、ハンドリングケーブルと、水没/回収のために第1の仰臥保存状態位置と第2の直立状態位置との間でコネクタを移動させるための湾曲斜面とに接続されているハウジングを作動させるための手段を含み、この作動させるための手段は、その操作中に、バー上のハウジングの蝶番式取付け手段の軸を中心として枢動することを特徴とする。
【0008】
斜面は、接続ハウジング用の斜面を形成している第1の部分と、接続ハウジングの両側に、バー上のハウジングの蝶番式取付け手段の第2の湾曲ガイド部分とを含むことが有利である。
【0009】
また、本発明は、前段で定義されているシステムを含むことを特徴とする、海洋プラットホームに関する。
【0010】
本発明は、専ら例として与えられておりかつ添付の図を参照する後続の説明を読むと、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の例示的実施形態によるコネクタを含むハンドリングシステムの斜視図である。
図2】別の実施形態によるコネクタの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、再生可能海洋エネルギーファームのための水中ケーブル、具体的にはアンビリカルケーブルを接続するコネクタ10を取り扱うシステム8を示す。このハンドリングシステム8は海洋プラットホームを備える。
【0013】
本発明によるコネクタ10は、全体的な参照記号12で指定されている封止されたハウジングを含む。
【0014】
ハウジング12は、互いに略平行に延在しておりかつ長手方向Xに平行な第1の脚部12Aと第2の脚部12Bとを含む全体的なU形状を有する。各脚部12A、12Bは中間部12Cから接続端部まで長手方向Xに延在している。
【0015】
接続されるケーブルの通過用に、それぞれ、第1の脚部12Aの接続端部は第1のオリフィス14Aを有し、第2の脚部12Bは第2のオリフィス14Bを有する。
【0016】
ケーブルは、第1のオリフィス14Aから、第1の脚部12A、中間部12C、および第2の脚部12Bを通過し、第2のオリフィス14Bまで、Uを辿ってハウジング12内に延在している。
【0017】
ケーブルは、それらの端部に、電気コネクタ要素、光コネクタ要素、および/または他のコネクタ要素を有する。
【0018】
コネクタ10は、第1の方向Xに対して垂直な軸Rに沿って蝶番で取り付けられる連結手段18により接続ハウジング12に接続されているハンドリングバー16も含む。
【0019】
連結手段18は、ハウジング12上に、より具体的には中間部12Cに設けられている反対側対称突出部19を含む。各突出部19は、円形部分を有する円筒形状を有することが有利である。
【0020】
バー16は、ハウジング12の両側に係合されておりかつクロスバー22により相互接続されている2つの枝状部20を含む全体的なU形状を有する。
【0021】
バー16の各枝状部20は接続端部24を含む。連結手段18は、各接続端部24に形成されている接続オリフィス26を含む。各突出部19は各接続オリフィス26内に係合する。
【0022】
軸Rに平行な方向の、枝状部20間の距離は突出部19の自由端間の距離より小さく、その結果、これらの突出部19は接続オリフィス26から外れることができないことが留意されるべきである。また、クロスバー22の長さは、突出部19の自由端間のこの距離より小さいことが有利である。
【0023】
他方、各突出部19の長さは対応する接続端部24の厚さより大きく、その結果、各突出部19は所定の長さだけ接続端部24から突出する。
【0024】
ハンドリングバー16はハンドリングシステム8の少なくとも1つのハンドリングケーブル30に接続される。この目的のために、持上げバー16は、例えばクロスバー22により担持されている、ケーブル固定部材32を含み、例えば、各々は各枝状部20の延長部にある。
【0025】
ハンドリングシステム8は2つのハンドリングケーブル30を含み、各々が、固定部材32の1つに接続されている遠位端と他方のハンドリングケーブル30に接続されている近位端との間に延在していることが有利である。
【0026】
ハンドリングシステム8は、ハンドリングケーブル30に接続されている、ハウジング12を操作するための手段を含み、これらのケーブル30を操作することを可能にする。
【0027】
ハンドリングシステム8は、その動作中にバー16上のハウジング12の蝶番で取り付けられる連結手段18の軸Rを中心として枢動することにより、水没/回収のために第1の仰臥保存状態位置と第2の直立状態位置との間でコネクタ10を動かすための湾曲斜面34も含む。
【0028】
斜面34は、接続ハウジング12用の主斜面を形成している第1の部分36と、この主斜面36の両側に、その各々が各1つの第2の部分38に載っている突出部19と相互作用する、ハウジング12の第2の湾曲ガイド部分38とを含む。
【0029】
したがって、コネクタ10が沈められると、それは、ケーブル30の動作により、斜面34によってその垂直状態位置に案内される。この案内はバー16とハウジング12との間の連結手段18により可能にされる。
【0030】
本発明の代替の実施形態によるコネクタ10が図2に部分的に示されている。この図では、前の図のものに類似した要素が同一参照記号で指定されている。
【0031】
この変形形態によるコネクタ10は、ハウジング12に、より具体的には中間部12Cに接続されている少なくとも1つのバラスト質量40を含むという点において、図1のものと異なる。より具体的には、コネクタ10は、2つのバラスト質量40を、各々脚部12A、12bの延長部に含むことが有利である。
【0032】
各バラスト質量40はクロスバー22と中間部12Cとの間の自由空間内に延在している。枝状部20はバラスト質量40がハウジング12に対するバー16の回転を妨げることを回避するのに十分長い。
【0033】
各バラスト質量40は、例えばこのバラスト質量40をハウジング12の補完ハウジング内にねじ込むことにより、ハウジング12に取外し可能に取り付けられることが好ましいことが留意されるべきである。
【0034】
バラスト質量40は、コネクタ10の流体力学的安定性を確実にする機能を有する。バラスト質量40が取外し可能に取り付けられるので、具体的には、例えば海洋において遭遇する流れ条件およびうねり条件に適応する質量を選択することにより、意図されている用途に対応する質量を与えるために、該バラスト質量40を容易に除去するかまたは交換することが可能である。
【0035】
さらに、バラスト質量40は最後の瞬間に組み立てられてもよく、これによりコネクタ10の取扱いが容易になる。
【0036】
本発明は、前述されている実施形態に限定されず、様々な付加的変形形態を有し得ると考えられることが留意されるべきである。
【符号の説明】
【0037】
8 システム、ハンドリングシステム
10 コネクタ
12 ハウジング
12A 第1の脚部
12B 第2の脚部
12C 中間部
14A 第1のオリフィス
14B 第2のオリフィス
16 ハンドリングバー、持上げバー
18 連結手段
19 反対側対称突出部
20 枝状部
22 クロスバー
24 接続端部
26 接続オリフィス
30 ハンドリングケーブル
32 ケーブル固定部材
34 湾曲斜面
36 (斜面の)第1の部分、主斜面
38 (斜面の)第2の部分、第2の湾曲ガイド部分
40 バラスト質量
R (長手方向Xに対して垂直な)軸
X 長手方向、第1の方向
図1
図2