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特許7241766資源分配ネットワークの分配検証及び制御のための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】資源分配ネットワークの分配検証及び制御のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H02J13/00 311R
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020551771
(86)(22)【出願日】2018-12-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018064850
(87)【国際公開番号】W WO2019125816
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】15/845,518
(32)【優先日】2017-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513113895
【氏名又は名称】ランディス・ギア イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR INNOVATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【弁理士】
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】ランディ・エドワーズ
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0247113(US,A1)
【文献】特開2012-105463(JP,A)
【文献】特開2016-086496(JP,A)
【文献】特開2012-182990(JP,A)
【文献】特開平09-053961(JP,A)
【文献】特表2013-520948(JP,A)
【文献】国際公開第2010/083164(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0208364(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
資源分配システムの状態を検出するシステムであって、
前記システムは、
配電ネットワークの分配ラインの第1の位置にて接続された開始認証デバイスと、
前記分配ラインの第2の位置にて接続された応答認証デバイスと
を含み、
前記配電ネットワークのフィーダは、トランスフォーマから電力を受け取り、前記分配ラインに電力を供給し、及び、
前記開始認証デバイスと前記応答認証デバイスの各々は、前記分配ラインに沿って分配される電力に関連する第1のパラメータを測定するように構成されたセンサを含み、無線通信ネットワークの夫々の異なるノードに関連付けられ、前記無線通信ネットワークで通信するように構成され、
並びに、
前記開始認証デバイスは、
資源の第1のパラメータの第1の測定値を閾値範囲の値と比較することと、
前記第1のパラメータの前記第1の測定値が前記閾値範囲外の値であると判定することに応答して、
前記開始認証デバイスにて範囲外の状態が存在すると判定することと
デバイステーブルから、前記応答認証デバイスを識別することと、
前記応答認証デバイスに前記無線通信ネットワークを介して問い合わせを送信することであって前記問い合わせは前記第1のパラメータの第2の測定値に関する情報を要求するものである、送信することと
を行うように構成されており、
前記応答認証デバイスは、前記開始認証デバイスから前記問い合わせを受信することに応答して、
前記第1のパラメータの前記第2の測定値を取得し、
前記第1のパラメータの前記第2の測定値のみに基づいて前記問い合わせに対する応答を決定し、
前記応答を前記無線通信ネットワークを介して前記開始認証デバイスに転送し、
更に、
前記開始認証デバイスは、
前記無線通信ネットワークを介して、前記第1のパラメータの前記第2の測定値に関する情報を含む前記問い合わせに対する応答を受信することと、
前記情報が前記応答認証デバイスから受信されたことを判定することであって、前記情報が、前記応答認証デバイスにおける範囲外の状態を示す前記第2の測定値を含む、判定することと
記情報が受信されたことを判定することに応答して、前記範囲外の状態を認証し、前記範囲外の状態の表示をヘッドエンドデバイスに転送し、前記第1のパラメータを調整するべく資源調節デバイスを制御することと
を行うように構成されている、
システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記開始認証デバイスは、更に、
前記第1のパラメータの前記第2の測定値が範囲外の状態を示さないと判定することに応答して、前記第1のパラメータの第3の測定値を要求する第2の問い合わせを、更なる応答認証デバイスに前記無線通信ネットワークを介して送信することと、
前記第1のパラメータの前記第3の測定値が範囲外のパラメータを示す場合に、前記範囲外の状態を認証して、前記第1のパラメータを調整するべく資源調節デバイスを制御することと
を行うように構成されている、
システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、
前記資源分配システムの前記開始認証デバイスが、ヘッドエンドシステムと通信し
前記開始認証デバイスは、更に、
前記無線通信ネットワークを介して、前記ヘッドエンドシステムに、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを送信すること
を行うように構成されている、
システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記開始認証デバイスが認証デバイステーブルを維持しており、前記認証デバイステーブルは、複数の前記応答認証デバイスの複数のエントリを含み、
前記開始認証デバイスは、更に、
複数の前記応答認証デバイスのうちの一つが、(i)もはやアクティブではない、若しくは、(ii)前記資源の前記第1のパラメータを測定するようにもはや構成されていない、と判定することに応答して、
複数の前記応答認証デバイスのうちの前記一つを前記認証デバイステーブルから除去するように構成されている、
システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記資源分配システムの前記開始認証デバイスが、ヘッドエンドシステムと通信し
前記第1のパラメータが力率であり、前記閾値範囲が力率の範囲に対応し、
前記開始認証デバイスが、更に、前記無線通信ネットワークを介して、力率の調整を引き起こすコマンドを送信するように構成されている、
システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
複数の応答認証デバイスを含み、当該複数の応答認証デバイスの各々は三相配電の夫々の相に関連付けられ、前記第1のパラメータは一相の電圧であり、前記状態が電圧閾値を表し、
前記開始認証デバイスが、更に、
前記デバイステーブルから、選択された一相の、複数の応答認証デバイスを判定することと、
前記無線通信ネットワークを介して、前記選択された一相の、複数の前記応答認証デバイスのうちの少なくとも一つに、前記選択された一相の、複数の前記応答認証デバイスのうちの少なくとも一つによって測定される前記第1のパラメータの第2の測定値を要求する問い合わせを送信することと
を行うように構成されている、
システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第1のパラメータが電力消費量であり、前記状態は、前記第1のパラメータが前記閾値範囲外であることを検出することから判定され、前記閾値範囲は、最大電力消費量を規定し、前記開始認証デバイスは、更に、是正措置を講じるように構成され、前記是正措置は更に、電力を切断することを含む、
システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、
々な施設に関連付けられる複数の応答認証デバイスを含み、前記第1のパラメータが電力消費量であり、前記開始認証デバイスは、様々な施設に関連付けられる複数の前記応答認証デバイスに問い合わせを行うように構成されており
前記第1のパラメータを調整するべく資源調節デバイスを制御することは、複数の前記応答認証デバイスの一つに関連付けられる施設にて電力を切断することを、含む、
システム。
【請求項9】
資源分配ネットワークの状態を検出し検証する方法であって、
配電ネットワークの開始認証デバイスにて、第1の位置において、第1の分配ラインに沿って分配される資源の第1のパラメータの第1の測定値を判定するステップと、
前記開始認証デバイスにて、前記第1のパラメータの前記第1の測定値が第1の閾値範囲外であるかどうかを判定するステップと、
前記開始認証デバイスにて、前記第1のパラメータの前記第1の測定値が前記第1の閾値範囲外であると判定することに応答して
複数の応答認証デバイスを含むデバイステーブルから、応答認証デバイスを識別することと
問い合わせを無線通信ネットワークを介して応答認証デバイスに送信するステップであって、前記問い合わせ前記応答認証デバイスにおける前記第1のパラメータの第2の測定値に関する情報を要求するものであり、前記応答認証デバイスは前記資源分配ネットワークの第2の分配ラインに沿って第2の位置にて配置されている、送信するステップと、
前記応答認証デバイスにて、前記開始認証デバイスから前記問い合わせを受信することに応答して、
前記応答認証デバイスにて、前記第1のパラメータの前記第2の測定値を取得するステップと、
前記応答認証デバイスにて、前記第1のパラメータの前記第2の測定値のみに基づいて前記問い合わせに対する応答を決定するステップと、
前記応答認証デバイスにて、前記応答を前記無線通信ネットワークを介して前記開始認証デバイスに転送するステップと、
前記開始認証デバイスにて、前記応答認証デバイスによって検出された前記第1のパラメータの第2の測定値に関する情報を含む、前記問い合わせに対する応答を、前記無線通信ネットワークを介して受信するステップと
前記開始認証デバイスにて、前記応答認証デバイスによって検出された前記第1のパラメータの前記第2の測定値に関する情報が、前記第1のパラメータが第2の閾値範囲外であることを示すと判定することに応答して、前記第1のパラメータに対して、範囲外の状態を認証するステップと、
前記開始認証デバイスにて、前記第1の分配ラインに沿った前記資源の流れを制御するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記資源は三相電力であり、
第1のパラメータは電圧であり、
第1の分配ラインは、電力の第1相を配電し、
第2の分配ラインは、電力の第2相を配電し、
第1の閾値範囲は、電力の前記第1相に基づくものであり、
第2の閾値範囲は、電力の前記第2相に基づくものである、
方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、
前記第2の分配ラインは、前記第1の分配ラインよりも上流側に位置し、
前記第1の閾値範囲と前記第2の閾値範囲とは、異なり、前記第1の分配ラインと前記第2の分配ラインとの相対的な位置関係に基づいている、
方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法であって、
前記問い合わせに対する応答を受信するステップは、
前記応答認証デバイスが、前記第1のパラメータに対して、範囲外の状態を検出したことを示すことを受信するステップ、若しくは、
前記応答認証デバイスによって検出された前記第1のパラメータの前記第2の測定値を受信するステップ
を含む、方法。
【請求項13】
請求項9に記載の方法であって、
範囲外の状態を認証するステップは、
少なくとも二つの応答認証デバイスが、前記第1のパラメータが前記第2の閾値範囲外であることを検出したことを示す、前記少なくとも二つの応答認証デバイスからの応答を、受信するステップを含む、方法。
【請求項14】
資源分配ネットワークの状態を検出し検証する方法であって、
配電ネットワークの第1の分配ライン上の、第1の位置に配置された開始認証デバイスにて、前記資源分配ネットワークの第1の分配ラインに沿って分配される資源の第1のパラメータの値を判定するステップと、
前記開始認証デバイスにて、前記第1のパラメータの値が閾値範囲外であるかどうかを判定するステップと、
前記開始認証デバイスにて、前記第1のパラメータの値が前記閾値範囲外であると判定することに応答して
複数の応答認証デバイスを識別するステップと
問い合わせを無線通信ネットワークを介して複数の前記応答認証デバイスに送信するステップであって、前記問い合わせは複数の前記応答認証デバイスの各々によって検出された前記第1のパラメータの値に関する情報を要求するものであり、複数の前記応答認証デバイスの各々は前記第1の分配ラインにおける夫々の位置に配置されている、送信するステップと、
複数の前記応答認証デバイスから、前記無線通信ネットワークを介して前記問い合わせに対する複数の応答を受信するステップであって、各応答が、前記応答認証デバイスの夫々の一つによって検出された前記第1のパラメータの値に関する情報を含む、受信するステップと、
複数の前記応答認証デバイスによって検出された前記第1のパラメータの値に関する情報が、前記第1のパラメータが第2の閾値範囲外であることを示すと判定することに応答して
前記第1のパラメータに対して、範囲外の状態を認証するステップと、
前記第1のパラメータを調整するべく、前記資源分配ネットワーク上のデバイスを制御するステップと
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記複数の応答から、範囲外の状態を示す応答のサブセットを判定するステップと、
前記応答のサブセットに基づいて、範囲外の状態によって影響を受ける地理的領域を判定するステップと
を更に含む、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
前記方法は、第1の施設に配置されるメータによって実行され、資源が電力であり、第1のパラメータが温度であり、複数の前記応答認証デバイスが異なる施設に関連付けられて、相互に、及びメータに、近接して配置されており、
前記方法は更に、
複数の前記応答認証デバイスから受信した複数の応答が、第1のパラメータが第2の閾値範囲内にあるということを示す場合に、前記メータにおいてホットソケット状態を認証するステップと、
電気を切断するためにメータを制御するステップと
含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略、資源分配システムに関し、より具体的には、異なるポイントにて、分配される資源のパラメータを測定し、資源分配システム内の状態を検出および認証するように構成された認証デバイスのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
水、電力、ガスなどの資源は、資源分散ネットワークを介して資源の消費者に分配される。資源分配ネットワークは複雑であり、資源の可用性は顧客にとって重要である。従って、消費、バランス、動作状態などの資源分配に関連するパラメータの測定をネットワーク内の複数のポイントで行えば、ネットワークアクティビティの完全な図を作成することができる。このような測定により、例えば、資源の可用性を確保したり、効率を改善したり、コストを削減したりするために、範囲外の状態が発生した場合の、修正が可能になる。
【0003】
資源提供者は、資源分配ネットワークの様々なポイントで範囲外の状態を検出する。範囲外の状態は、最適化を必要とする状態、例えば、効率や分配を改善する状態、異常、若しくは、その他の検出可能な状態、である可能性がある。例えば、資源提供者は、例えば顧客の施設など、資源の配送のポイントで線間電圧を測定し得る。しかし、範囲外の状態が検出された場合、従来のシステムでは、中央システムに対して意思決定、若しくは是正措置を講じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、完全に集中化された状態検出および意思決定は、システムが重要な状態に応答するのを遅くする結果となる場合がある。例えば、配電システムの電圧偏差は、顧客がサービス提供者に通知し、技術者が顧客の施設に到着するまで検出されない場合がある。その後、資源提供者は中央の場所で変更を加えることができ、それらの変更はネットワーク全体に伝播し得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特定の形態および特徴は、資源分配システム内の状態を検出するためのシステム及び方法を含む。一例では、システムは、資源分配システムの第1の分配ラインに沿って分配される資源の第1のパラメータを測定するように構成されるセンサを含むデバイスである。システムはまた、多数の認証デバイスを含み、各認証デバイスは、第1の分配ラインに沿って分配される資源の第1のパラメータを測定するように構成されたセンサを含む。
【0006】
一つの形態において、デバイスと、認証デバイスの各々とは、資源分配システムの第1の分配ラインに沿った様々な点で資源の第1のパラメータを測定する。デバイスと、認証デバイスの各々とは、無線通信ネットワーク上の様々なノードに関連付けることができる。デバイスは、資源の第1のパラメータの第1の測定値を、閾値範囲の値と比較するように構成され得る。第1のパラメータの第1の測定値が閾値範囲外の値である場合、デバイスは、範囲外の状態がデバイスに存在すると判定するように構成される。デバイスは、無線通信ネットワークを介して、認証デバイスの少なくとも一つに、認証デバイスによって測定される第1のパラメータの第2の測定値に関する情報を要求する問い合わせを送信する。前記デバイスは、前記無線通信ネットワークを介して前記問い合わせに対する応答を受信するようにさらに構成される。応答は、第1のパラメータの第2の測定値に関する情報を含む。第2の測定値に関する情報が、認証デバイスでの範囲外の状態を示す場合、デバイスは、範囲外の状態を認証し、第1のパラメータを調整するように資源調節デバイスを制御する。
【0007】
これらの例示の例は、本開示を限定若しくは規定するためではなく、その理解を助けるための例を提示するために、言及されている。更なる例及び更なる説明は、発明の詳細な説明に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示についての、これらの及び他の特徴、態様、及び利点は、添付の図面を参照しつつ以下の発明の詳細な説明を読むと、よりよく理解される。
図1図1は、様々なポイントでの認証デバイスを示す資源分配ネットワークの例示の物理トポロジを示す。
図2図2は、様々なポイントでの認証デバイスを示す配電ネットワークの例示の物理トポロジを示す。
図3図3は、分配検証のための例示のプロセスを示すフローチャートである。
図4図4は、通信ネットワークの例示のトポロジを示す。
図5図5は、例示の認証デバイステーブルを示す。
図6図6は、複数の施設のための例示の認証デバイスを示す。
図7図7は、例示の認証デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の態様は、異なるポイントにて、分配される資源のパラメータを測定し、範囲外の状態を検出及び認証し、是正措置を講じるように構成された認証デバイスのシステムを用いることに関する。認証デバイスは、資源分配ネットワーク全体に配置でき、範囲外の状態の、局所的検出及び是正を提供し得る。認証デバイスは、スマート電気メータやスマート水道メータなど、顧客の施設に配置されるデバイスに含まれている場合や、顧客の施設に関連しない資源分配システムの中間点に配置される場合がある。範囲外の状態を検出した後、認証デバイスは、他の認証デバイスに照会して、アクションを実行する前に範囲外の状態を認証し得る。
【0010】
例えば、顧客の施設における検証デバイスが、低電圧などの範囲外の状態を検出する場合、検証デバイスは、他の認証デバイスを用いてその状態を認証することができる。例えば、検証デバイスは、同じ分配ライン上の他の認証デバイスに問い合わせて、他の認証デバイスが低電圧の状態を検出したことを確認することができる。範囲外の状態を認証することにより、検証デバイスは、よりよく知らされ、従って範囲外の状態に対処する際により良い決定を行うことができる。認証デバイスは、アラームの鳴動、電源の切断、資源調節デバイスの調整、若しくはヘッドエンドシステムへの通知などの、是正措置を講じ得る。
【0011】
資源分配ネットワークの終点または中間点における意思決定に対する利点は、より迅速なネットワーク調整、改善される顧客体験、より高い稼働時間及び信頼性、より高い安定性、並びに、資源分配ネットワークを維持するのに必要な労力の削減等のコスト節約を、含む。
【0012】
例示の資源分配ネットワーク
【0013】
図1は、ネットワーク内の様々なポイントでの認証デバイスを示す、例示の資源分配ネットワークの物理トポロジを示す。資源分配ネットワーク100は、状態を測定して、他の認証デバイスで状態を認証し、必要に応じて是正措置を講じることができる、認証デバイスを含む。
【0014】
資源分配ネットワーク100は、ソース101を含む。ソース101は、任意の分配可能な資源、例えば、電気、水、またはガスの供給源であればよい。ソース101は、資源をフィーダ102に提供する。フィーダ102は、資源の分配を制御する分配デバイスである。フィーダ102は、資源を分割して、複数の分配ライン、変電所、若しくは顧客の施設に、提供することができる。例えば、図1は、資源を3つの分配ライン140~142に分割するフィーダ102を示している。分配ラインは、他のフィーダまたは資源スプリッタに供給することができ、例えば、分配ライン140~142は夫々スプリッタ103~105に供給する。スプリッタ105は、分配ライン142を分配ライン145、146、147に分割する。分配ラインは、顧客の施設で終端し得る。例えば、分配ライン143は施設110で終端し、分配ライン144は施設111で終端し、分配ライン145は施設112で終端し、分配ライン146は施設113で終端し、分配ライン147は施設114で終端する。
【0015】
認証デバイスは、例えば、認証デバイス123~127など、顧客の施設若しくはその近くに、配置され得る。これらのタイプの認証デバイスは、資源の消費を測定するメータに配置または関連付けられ得る。認証デバイスは、例えば、認証デバイス120、121、122など、分配ラインに沿う中間点にて、配置し得る。
【0016】
認証デバイスは、分配ライン上の範囲外の状態を検出し得る。例えば、認証デバイス120は、分配ライン140上の範囲外の状態を検出することができる。認証デバイス120は、他の認証デバイスが範囲外の状態と一致する状態を検出していることを検証するために、当該他の認証デバイスに問い合わせ得る。他の認証デバイスは、同じ分配ライン上の、若しくは異なる分配ライン上の、状態を検出している可能性がある。例えば、認証デバイス120は、異なる分配ライン上に配置される、認証デバイス121及び122に問い合わせること、又は、同じ分配ライン(図示せず)上の別の認証デバイスに問い合わせることが、できる。範囲外の状態を検証するのに用いられる認証デバイスの選択は、状態に、及び、資源配布ネットワークのトポロジに、依存し得る。
【0017】
認証デバイスは、他の認証デバイスに問い合わせて範囲外の状態を検証する、開始認証デバイス若しくは開始デバイスであってもよく、又は、認証デバイスは、開始認証デバイスから受信した問い合わせに応答する、応答認証デバイス若しくは応答デバイスであってもよい。認証デバイスは、開始認証デバイスと応答認証デバイスとの両方であってもよいし、開始認証デバイス若しくは応答認証デバイスのみであってもよい。
【0018】
認証デバイスは範囲外の状態を検証した後、その状態に対処するための措置を取ることができる。措置には、資源の制御、資源分配ネットワークからの切断、負荷の調整、通知の送信、若しくは、アラームの生成が含まれ得る。認証デバイスが範囲外の状態を検証できない場合、その状態に対処するための措置を取ることを控えるか、又は、範囲外の状態を認証しようとするための更なる措置を取ることができる。
【0019】
認証デバイスは、スマートグリッドやメッシュネットワークなど、認証デバイスが接続性を有する一つ以上のネットワークを介して、互いに、他のデバイスと通信し得る。図4に関してさらに説明すると、認証デバイスは、資源分配ネットワークとは異なるトポロジを使用する通信ネットワークに接続してもよい。
【0020】
図2は、様々なポイントでの認証デバイスを示す例示の配電ネットワークを示す。配電システム200は、電源201、トランスフォーマ202、フィーダ203、施設230~235、スプリッタ205、及び、7つの認証デバイス220~226を示す。電源201は、例えば、発電所、太陽電池パネル、若しくは他の何らかの電源であってもよい。トランスフォーマ202は、電源201から出力された電圧を、フィーダ203に適したレベルに変換する。フィーダ203は、分配ライン240~242に給電する。分配ライン242は、スプリッタ205により受電され、3本の分配ライン243、244、245に分割される。
【0021】
認証デバイス2201~226は、分配ライン、分配デバイス、若しくは、顧客の施設に関連付けられ、電力の配電に関連するパラメータ、例えば、負荷、電圧、電流、消費電力、ボルトアンペア無効(VAR)電力、若しくは、温度を検出することができる。例えば、認証デバイス220~226は、標準的な120ボルトまたは240ボルトシステム上の電圧、電流、及び負荷を測定してもよい。
【0022】
開始認証デバイスは、測定されるパラメータまたは検出される状態に応じて、様々な応答認証デバイスに問い合わせすることができる。或る形態では、開始認証デバイスが、一つのセットの応答認証デバイスに、一つのパラメータ、例えば、電圧について問い合わせる一方で、別のセットの応答認証デバイスに、別のパラメータ、例えば、温度について問い合わせることができる。応答認証デバイスのセットは、施設に関連する認証デバイスと、資源分配ネットワーク上の中間位置に関連する認証デバイスとの、両方を含んでもよい。
【0023】
応答認証デバイスのセットは、電源に対するデバイスの位置に基づいてもよい。例えば、開始認証デバイス226は、分配ライン246上の低電圧などの範囲外の状態を検出してもよく、認証デバイスの上流に位置する他の認証デバイス、例えば認証デバイス220に問い合わせてもよい。認証デバイス226はまた、下流にあるデバイス、例えば認証デバイス221、222、若しくは、223に問い合わせてもよい。開始認証デバイスは、応答認証デバイスからの応答が状態と一致している場合、検出される状態を認証してもよい。応答認証デバイスによって測定されるパラメータの値が開始認証デバイスによって測定されるパラメータの値と異なっていても、応答認証デバイスからの応答は、状態と一致し得る。
【0024】
応答認証デバイスのセットはまた、以下のうちの一つ以上を含むがこれらに限定されない、他の要因に基づいてもよい。
・同じ地理的領域内の位置
・共通の資源分配デバイスへの接続(例えば、同じフィーダへの接続)
・共通の通信ネットワークデバイスへの接続(例えば、同じコレクタに関連する全てのノード)
・共通のハードウェア構成(例えば、同じタイプのメータを使用する全てのエンドポイント)
・補完的なネットワークデバイス、若しくは分配ラインへの接続(例えば、三相システムの他の相への接続、同相の別の分配ラインへの接続)
或るシナリオでは、開始認証デバイスの位置は、測定される状態と関係しないものであってもよい。開始認証デバイスは、測定される状態を反映する応答認証デバイスからデータを受信してもよい。
【0025】
応答認証デバイスのセットはまた、データベースの関係に基づいてもよい。例えば、様々なプロトコル若しくは標準を使用する複数のデバイスがある環境では、開始認証デバイスと応答認証デバイスとの間の関係は、応答認証デバイスが開始認証デバイスにより処理され得るデータを持っていることに基づいてもよい。関係はまた、応答認証デバイスが、開始認証デバイスから受信したデータを処理して理解する能力を持っていることに基づいてもよい。
【0026】
認証デバイス224、225、及び220は、夫々、同じフィーダ203に由来する分配ライン240、241、及び242上に配置されている。従って、開始認証デバイス224は、応答認証デバイス220、225に問い合わせることができるが、それは、応答デバイスが、低電圧のような範囲外の状態がフィーダ203に由来する他の分配ライン上で発生しているかどうかについて有用な情報を提供し得るからである。他のラインで低電圧が発生しているということは、問題が認証デバイス224の上流にある可能性があり、電源201若しくはフィーダ203が関与している可能性があることを示し得る。或いは、認証デバイス220及び225が範囲外の状態を検出しない場合には、範囲外の状態は、分配ライン240に限定され得る。
【0027】
或る例では、認証デバイスは、三相配電システムの一つの相のみを分配する分配ラインに関連付けられていてもよい。例えば、3つの分配ライン243~245のセットの各々は、三相発電配電システムの異なる相を表してもよい。例えば、分配ライン243は第1相を分配してもよく、分配ライン244は第2相を分配してもよく、分配ライン245は第3相を分配してもよい。開始分配デバイス221が範囲外の状態を検出する場合、応答分配デバイス222、223が異なる相に関連付けられていても、それらに問い合わせてその状態を認証することができる。
【0028】
認証デバイスは、顧客の施設内に配置されてもよい。例えば、認証デバイスは、スマートメータと統合されてもよい。顧客の施設に配置される認証デバイスは、顧客の施設が通常、資源分配ネットワークの端部にあるため、粒度の高い範囲外の状態の情報を提供することができる。例えば、認証デバイス223が施設234で停電していると判断する場合、認証デバイス223は、認証デバイス221及び222への問い合わせを開始してもよい。認証デバイス221及び222は、電力が夫々施設232及び233で接続されていると応答してもよく、停電が施設234に限定されている可能性があるという洞察を提供してもよい。或いは、認証デバイス221及び222が、施設232及び233で停電していると応答する場合、停電情報は、停電を報告する一つ以上のデバイスに基づいているため、停電の範囲がよりよく定義され得る。
【0029】
認証デバイスが範囲外の状態を検証した後、認証デバイスは措置を講じることができる。措置には、資源分配ネットワーク上のデバイスを制御することが含まれてもよい。或る形態では、認証デバイスは、ボルトアンペア無効(VAR)電力が範囲外であることを検出して検証し、力率を改善するためにコンデンサバンクを追加若しくは削除し得る。
【0030】
或る形態では、開始認証デバイスと応答認証デバイスとは同じフェーズにあり得る。例えば、開始認証デバイスと応答認証デバイスは、同じ分配ライン上でVARを測定するように構成され得る。このような構成では、一つの認証デバイスが開始認証デバイスに対して上流に配置され、別の認証デバイスが下流に配置され得る。
【0031】
複数のフェーズの負荷をモニタすることは重要である。というのは、例えば、ある種の施設機器が複数のフェーズからの電力を使用し、各フェーズのVARが一貫していることを必要とするから、である。従って、開始認証デバイスと応答認証デバイスとは、異なるフェーズ間で負荷が一貫しているかどうかを検出するように構成されていてもよい。開始認証デバイスは、第1相の負荷を検出してもよく、種々の応答認証デバイスは、他の相の負荷を検出するように構成されてもよい。このようにして、開始認証デバイスは、他のフェーズに関する負荷情報を得ることができる。認証デバイスは、サービスのポイント、即ち、施設などの、同様の場所にて、又は、フィーダ若しくは他の分配機器からの同様の距離で、VAR、VAなどの状態を測定するように選択されてもよい。
【0032】
別の形態では、認証デバイスは、範囲外の電圧状態を検出して検証し、電圧を改善するために電圧レギュレータを調整し得る。更に別の形態では、施設に配置される認証デバイスは、範囲外の温度を検出し得る。範囲外の温度を認証した後、認証デバイスは、施設への電力を切断し得る。これに加えて、又はこれに替えて、認証デバイスは、アラームを通信し、通知を提供し、若しくは、検証された状態に関するメッセージを送信してもよい。
【0033】
例示の操作方法
【0034】
図3は、範囲外の状態を検出して検証する検証デバイスによって実行される例示のプロセスを示すフローチャートである。図3は、図1に関して記載されているが、他の構成も可能である。認証デバイス、例えば、認証デバイス123は、資源分配ネットワーク100の第1の分配ライン143などに沿って分配される資源の第1のパラメータを測定するように構成されたセンサを使用する。認証デバイスは、無線メッシュネットワークを介して資源分配ネットワーク上の他のデバイスと通信する。
【0035】
センサによって測定されるパラメータは、分配される資源の種類に基づいて、及び、システム構成によって、変化し得る。例えば、配電システムの場合、パラメータは、資源の可用性(例えば、電気が接続されているかどうか)、電流、電圧、負荷率、力率、温度、消費量、又は、資源分配ネットワークの動作に関連する、若しくはデバイスの状態(例えば、検出される盗難または改ざん)に関連する、他のパラメータを、含み得る。
【0036】
盗難または改ざんを検出するように構成されたシステムにおいて、一連の認証デバイスは、メータの改ざんを検出することができる。例えば、ある集合住宅では、類似したアパートの電力使用量が類似していることが予想される。二つの、1ベッドルームのアパートは、略同じ量の電力を使用することが予想される。例示のシステムは、電力メータのバンクであってもよい。開始認証デバイスが異常に低い電力消費量を検出した場合、開始認証デバイスは、他のアパートの電力消費量を測定するように構成された認証デバイスに問い合わせを行うことができる。応答認証デバイスが他のアパートで同様に低い電力使用量を検出した場合、開始認証デバイスは、電力消費量が異常ではないと判断してもよい。対照的に、応答認証デバイスが著しく高い消費電力を検出した場合、開始認証デバイスは、消費電力が異常であり、改ざんを示していると判断することができる。その判断は、ヘッドエンドシステムに送信し得る。
【0037】
別の形態おいて、盗難システムは、加速度計または他のデバイスを使用して、電力計が物理的に傾いたか、または移動したかどうかを判定するように構成され得る。この場合、開始認証デバイスは、加速度計の動きをモニタし、閾値を超える動きが検出されると、開始認証デバイスはアラームを鳴らしてもよい。例えば、閾値は、120度または180度の回転など、予想される範囲を超える動きであってもよい。また、開始認証デバイスは、加速度計を有し、同じ場所にある他のメータに設置されている応答認証デバイスに問い合わせて、他のメータが傾いているか、又は移動しているかどうかを判断してもよい。
【0038】
更に別の形態では、開始認証デバイスは、負荷と移動を測定し、一方の測定値を使用して他方の測定値を認証することができる。例えば、メータの移動を検出する検始認証デバイスは、移動したメータも異常に低い電力使用を測定しているかどうかを判断するために、同じ集合住宅内の複数の認証デバイスに亘って負荷検証を開始することができる。また、開始認証デバイスは、特定のデバイスが潜在的な改ざん状態を経験していることを識別し、追跡調査のためのメッセージをヘッドエンドシステムに通信してもよい。
【0039】
ガスまたは水の分配システムにおいて、認証デバイス、漏れ、消費、資源の利用可能性、圧力、温度、または流量を測定することができる。例えば、開始認証デバイスは、ガス管のガス圧を測定することができる。開始認証デバイスは、異常に低い量のガス圧を検出する。開始認証デバイスは、応答認証デバイスに問い合わせを送信するが、そのうちのいくつかは下流に位置し、他のいくつかは開始認証デバイスから上流に位置する。ガスライン上の様々な場所で測定される圧力に基づいて、開始認証デバイスは、ガス漏れの凡その位置を判定し、適宜、ヘッドエンドシステムに警告を発することができる。
【0040】
ステップ301において、方法300は、資源の第1のパラメータの第1の測定値を閾値範囲の値と比較することを含む。例えば、開始認証デバイス123は、電圧を検出してもよく、115-125ボルトの範囲など、顧客の施設に関連付けられる電圧の範囲と比較してもよい。ステップ301で用いられる閾値範囲の値は、設置または構成プロセスの間に開始認証デバイスに提供されてもよいし、別のデバイスに問い合わせることによって取得されてもよい。範囲は、静的なものであっても、動的なものであってもよい。範囲は、過去の使用パターンに基づいて変化してもよい。この例では、人々が帰宅するにつれて需要が増加することから、平日の早い夕方の時間帯の住宅地では、範囲が異なっていてもよい。
【0041】
ステップ302において、方法300は、開始デバイスにおける範囲外の状態を判定することを含む。第1のパラメータの第1の測定値が閾値の範囲外である場合、開始デバイスは、範囲外の状態が開始デバイスに存在すると判定し、無線通信ネットワークを介して、応答認証デバイスのうちの少なくとも一つに問い合わせを送信し、少なくとも一つの認証デバイスによって測定される第1のパラメータの第2の測定値に関する情報を要求する。この例では、開始認証デバイスは、分配ライン143に沿って様々な点に位置する認証デバイスに問い合わせを送信してもよい。
【0042】
ある形態において、問い合わせは、第1のパラメータの第2の測定値に対する要求を含む。応答認証デバイスは、応答認証デバイスにおける第1のパラメータの測定値を提供する。開始認証デバイスは、第2の測定値を受信して処理する。開始認証デバイスは、例えば、内部テーブルを参照したり、ヘッドエンドシステムにメッセージを送ったりすることで、第2の測定値の許容値を判定する。
【0043】
別の形態では、問い合わせは、第1のパラメータの第2の測定値の要求と、第2の測定値の許容値とを含む。この構成では、開始認証デバイスは、応答認証デバイスにおける第2の測定値の許容値を知る必要は無い。その代わりに、応答認証デバイスは、開始認証デバイスに許容値を提供する。さらに別の形態では、応答認証デバイスは、「通常」または「警告」の表示を含むメッセージの形式で、開始認証デバイスからの問い合わせに応答する。この場合、開始認証デバイスは、第2の測定値が許容値を超えるかどうかを計算する必要はない。また、開始認証デバイスは、第2の測定値を受信した後に、追加の測定値、履歴データなどの更なる情報を要求することもできる。
【0044】
別の形態では、開始認証デバイスは、開始認証デバイスと応答認証デバイスとの間で情報が共有される頻度に基づいて、異なる情報を要求することができる。例えば、この構成では、開始認証デバイスは、応答認証デバイスから第1のパラメータの第2の測定値に対する許容値を取得し、その後、一定のメッセージ数の後または一定の時間の後に、更新された許容値を受信することができる。メッセージは、異なるベンダのデバイス間の相互運用性を容易にするために、WiSUNのような標準フォーマットであってもよい。
【0045】
ステップ303において、方法300は、第1のパラメータの第2の測定値に関する情報を含む、応答認証デバイスの各々からの無線通信ネットワークを介する、問い合わせに対する応答を、受信することを含む。情報は、第2の測定値自体、又は、第2の測定値が範囲内であるか範囲外であるかの指示を、含み得る。応答認証デバイスは、開始認証デバイスからの問い合わせを受信したことに応答して、第1のパラメータの第2の測定値を検出してもよいし、以前に測定された値を用いてもよい。応答認証デバイスが、値が範囲内であるか範囲外であるかの指示で応答する場合、応答認証デバイスは、応答する前に、測定された値を、値の範囲、若しくは、閾値と、比較する。
【0046】
ステップ304において、方法300は、応答認証デバイスによって提供される情報が、開始認証デバイスによって検出される範囲外の状態と一致する場合に、状態を認証することを含む。
【0047】
応答認証デバイスが第2の測定値を返すと、開始認証デバイスは、第2の測定値が範囲外の状態を示すかどうかを判定する。開始認証デバイスは、第1の測定値と、第1のパラメータの第2の測定値とを比較してもよいし、第2の測定値と、第2の測定値の閾値範囲とを比較してもよい。複数の応答認証デバイスがある場合、様々な比較若しくは判定が、様々なデバイスに対して、用いられてもよい。
【0048】
閾値範囲が、第1の測定値及び第2の測定値に対して同じである場合、開始認証デバイスは、第1の測定値および第2の測定値を比較し、値が所定の許容範囲内にある場合、範囲外の状態を認証してもよい。許容値は、例えばインストールファイルによってデバイスにプログラムされてもよく、又は、時間をかけて調整されてもよく、クラウドソースされてもよく(即ち、他の認証デバイスから決定されてもよく)、又は、履歴データに基づいて決定されてもよい。 第2の測定値の閾値範囲が第1の測定値の範囲と異なる他の実施例では、開始認証デバイスは、第2の測定値を適切な閾値範囲と比較して、第2の測定値が範囲外の状態と一致しているかどうかを判定してもよい。この例では、応答認証デバイスが、許容電圧範囲が認証デバイス123の許容電圧範囲と異なる分配ライン143上の点に位置している場合、第2の測定値の閾値範囲は、第1の測定値の閾値範囲と異なる。120ボルトの配電システムのこの例では、上流の値の範囲は、120~130ボルトであってもよい。
【0049】
ステップ304で範囲外の状態が認証されると、方法はステップ305に進み、ここで、方法300は、第1のパラメータを調整するために資源調節デバイスを制御することを含む。資源調節デバイスは、資源を制御、制限、切断、または接続することができる任意のデバイスである。この例では、資源調節デバイスは、電圧を調整することができる電圧レギュレータ、又は、電源をオフにすることができる電気メータであってもよい。或いは、資源調節デバイスは、負荷分散デバイスであってもよい。資源調節デバイスは、認証デバイスと同位置にあってもよいし、そうでなくてもよい。
【0050】
範囲外の状態を認証することに応答して、他のタイプのアクションが実行されてもよい。範囲外の状態は、ヘッドエンドシステムによって対処されるものもあれば、ヘッドエンドシステムの承認を要求するものもある。その場合、認証デバイスは、認証される状態をヘッドエンドシステムに通知し、ヘッドエンドシステムによって指示された通りに進めることによって、措置を講じることができる。是正措置は、電話や電子メールなどの顧客への通知、顧客サービスウェブサイトへの掲示、アラームを鳴らすこと、又は、範囲外の状態のログを作成すること、等の形を、採ることもできる。例えば、ログをイベントで維持し、イベントの数や深刻度が一定のレベルに達すると、さらなる是正措置を講じることができる。
【0051】
範囲外の状態がステップ304で認証されない場合、方法はステップ306に進み、方法300は更なる認証が必要かどうかを判定することを含む。或る実施形態では、第2の測定値が範囲外の状態を示さない場合、開始認証デバイスは、更なる認証の試みが必要であると結論付けることができる。更なる認証の試みには、異なる応答認証デバイスへ問い合わせること、同じ応答認証デバイスへ別の問い合わせを送信すること、若しくは、異なるパラメータを測定することが、含まれ得る。従って、例えば、開始認証デバイスは、ステップ302に戻り、異なる応答認証デバイスに別の問い合わせを送信してもよい。或いは、開始認証デバイスは、ステップ303に戻り、他の応答認証デバイスからの応答を待ってもよい。
【0052】
或いは、開始認証デバイスは、偽陽性を測定したと結論付けて、方法を終了してもよい。 更なる認証の試みを続行するかどうかの決定は、開始認証デバイス、ヘッドエンドシステム、若しくは、開始認証デバイスとヘッドエンドシステムとの両方の組み合わせ、によって、行われてもよい。
【0053】
範囲外の状態を検証するために、図3で示した方法以外の方法を用いてもよい。開始認証デバイスは、複数の応答認証デバイスに問い合わせることができる。その場合、開始認証デバイスは、応答認証デバイスからの応答の全てが、開始ノードによって検出される範囲外の状態と一致していることを要求するように構成されてもよく、応答の大部分が一致していることを要求するように構成されてもよく、又は、応答の少なくとも最小限の数が一致していることを要求するように構成されてもよい。他の認証の要求も可能である。
【0054】
検証は、範囲外の状態が存在するかどうかを判定するべく、従前に測定された値を考慮してもよい。例えば、ステップ302の第1の測定値に加えて、開始認証デバイスは、第1のパラメータについて一つ以上の従前に測定された値を考慮してもよい。
【0055】
例示の通信ネットワーク
【0056】
或る実施形態では、認証デバイスは、無線ネットワークを介して互いに通信する。図4は、図1の認証デバイスを接続する通信ネットワークの例示の無線ネットワークトポロジを示す。無線ネットワークトポロジ400は、認証デバイス120~127を含み、各認証デバイスは、通信ネットワーク上のノードに関連付けられ得る。認証デバイス120~127は、接続若しくはリンク420~429を介して互いに通信する。例えば、接続422は、認証デバイス120を認証デバイス121に接続する。接続424は、認証デバイス120を認証デバイス122に接続する。従って、認証デバイス120は、認証デバイス121と認証デバイス122との両方と、通信し得る。同様に、接続427は、認証デバイス125を認証デバイス122に接続する。接続428は、認証デバイス125を認証デバイス126に接続する。したがって、認証デバイス125は、認証デバイス126及び認証デバイス122と直接通信することができ、認証デバイス126及び接続429を介して認証デバイス127と通信することができる。通信ネットワークが無線メッシュネットワークである場合、デバイス間の接続は動的である。通信ネットワークは、認証デバイスに関連付けられていないノード(図示せず)を含んでもよい。
【0057】
他の実施形態では、認証デバイスは、PLC通信ネットワーク及びセルラ通信ネットワークを含む、他のタイプの通信ネットワークを用いて相互に通信する。
【0058】
認証デバイステーブル
【0059】
開始認証デバイスは、条件を認証するためにどの応答認証デバイスに問い合わせを行うかを決定するのに、テーブル若しくはリストを用い得る。異なる条件に対して異なるテーブルがあってもよいし、複数の条件に対して応答認証デバイスをリストアップした単一のテーブルがあってもよい。
【0060】
図5は、2つの例示の認証デバイステーブル501、503を示す。テーブル501は、図2の認証デバイス224の認証デバイステーブルを表す。これは、エントリ501a-nを含み、各エントリは認証デバイスに対応する。この場合、エントリ502a-502bのみが入力される。各エントリ502a-502bは、応答認証デバイスに対応する。エントリ502aは認証デバイス225に対応し、エントリ502bは認証デバイス220に対応する。テーブルは、分配ライン241、分配ライン242などの各デバイスの位置、電圧などの各デバイスによって測定されるパラメータ、及び、各デバイスのステータスに関する情報を含む。
【0061】
テーブル503は、図2の認証デバイス221のための認証デバイステーブルを表す。エントリ504a-504cを含む。エントリ504aは、分配ライン244上に配置される認証デバイス222に対応し、エントリ504bは、分配ライン245上に配置される認証デバイス223に対応し、エントリ504cは、分配ライン242上に配置される認証デバイス220に対応する。また、テーブルは、認証デバイス220が認証デバイス221の上流に位置しており、デバイスが電圧を測定していることを示している。
【0062】
テーブルの情報は様々であってよく、図5に図示した情報以外の情報を含んでいてもよい。例えば、異なる条件に対して異なるテーブルが存在する場合、パラメータ情報はテーブルに含まれていなくてもよい。また、情報を表現する他の方法が用いられてもよい。例えば、位置は、GPS座標によって記述されてもよいし、開始認証デバイスに対する相対的な位置であってもよい。
【0063】
認証デバイスは、ヘッドエンドシステムから認証デバイステーブルを受信してもよいし、別のデバイスから認証デバイステーブルを受信してもよいし、認証デバイステーブルを構築してもよいし、又は、これらのアプローチの組み合わせを用いてもよい。認証デバイスは、認証デバイスから、若しくはヘッドエンドシステムから、位置情報を要求することによって別の認証デバイスの位置を判定してもよく、認証デバイスに送信されたメッセージの確認応答を受信するのにかかる時間を測定してもよく、又は、他のアプローチを用いてもよい。認証デバイステーブルは、通信ネットワーク若しくは資源分配ネットワークへのデバイスの加入と退出を反映するため、又は、デバイス、ネットワーク、若しくは測定されるパラメータにおける、他の変化を考慮するために、時間の経過とともに変更されてもよい。
【0064】
認証デバイスが無線メッシュネットワークを用いて通信する場合、デバイスはネイバーテーブルを維持し、ネットワーク上の通信をルーティングするのにそれを使用してもよい。ルーティングに使用されるネイバーテーブルは、認証デバイステーブルとは独立していてもよく、別個のものであってもよい。例えば、認証デバイスは、近隣デバイスと通信してもよいが、条件を検証するために近隣デバイスに問い合わせを成し得ない。或いは、認証デバイスは、検出される状態を確認するために、単独で、若しくは、認証デバイステーブルにリストされたデバイスへの問い合わせに加えて、その近隣デバイステーブルにリストされたデバイスへの問い合わせを行ってもよい。認証デバイスが認証デバイステーブルを構築する場合、認証デバイスは、その近隣テーブル内のデバイスから情報を要求し、その情報を用いてテーブルを構築してもよい。
【0065】
或る態様では、ヘッドエンドシステムは、資源分配ネットワークの認証デバイスの全てをリストアップした認証テーブルを維持してもよい。テーブルは、テーブル内の各認証デバイスのタイプを識別してもよい。認証デバイスの例示のタイプは、ベルウェザメータ、マスタデバイス、及びスレーブデバイスを含む。現下、資源分配ネットワークには、選択されたメータをベルウェザメータとして指定し、これらのメータから受信した情報を資源分配ネットワークの態様を管理するのに用いる。ベルウェザメータが開始認証デバイスでもある場合、ベルウェザメータは、一つ以上の応答認証デバイスに問い合わせを行うことで、ヘッドエンドシステムに情報を送信する前に情報の検証を行うことができる。開始認証デバイスでもあるベルウェザメータは、是正措置を講じることもできる。ベルウェザメータが応答認証デバイスである場合、開始認証デバイスからの問い合わせに応答してもよい。或る例では、開始認証ノードは、ベルウェザメータからの応答を非ベルウェザメータからの応答とは異なるように重み付けしてもよい。
【0066】
認証デバイスがマスタデバイスとして指定された場合、スレーブデバイスからフィードバックまたは他の情報を収集し、そのフィードバックに基づいてアクションを採ってもよい。スレーブデバイスは、単独でアクションを採ることができなくてもよく、特定のタイプのアクションしか採ることができなくてもよく、更に、範囲外の状態を改善するためにアクションを採るようにマスタノードに依存するものであってもよい。分配ラインに沿って複数の認証デバイスが配置されている一例では、認証デバイスの内の一つがマスタであり、他の認証デバイスがスレーブである。
【0067】
ヘッドエンドシステムは、その認証テーブルを用いて個々の認証デバイスのための認証テーブルを生成してもよい。個々の認証デバイスのための認証テーブルは、デバイスがインストールされたときにデバイスに提供されてもよいし、ヘッドエンドシステムからの通信を介してインストール後に提供または更新されてもよい。
【0068】
認証デバイスと温度
【0069】
図6は、多世帯の又はマルチテナントの、ビルにサービスを提供する例示の配電システムの一部を示す。システム600は、6つの施設650~655および6つの認証デバイス610~615を含むが、任意の数が可能である。分配ライン640は、施設650~655に電力を供給する。認証デバイス610は施設650に接続され、認証デバイス611は施設651に接続されている。この例では、認証デバイスは、温度を測定する温度センサを含む電気メータであり、互いに近接している、即ち、建物の同じ壁に沿って配置されているような、同じ領域に配置されている。
【0070】
電気システムでは、接続が不良で電流が流れすぎると、過大な電流が、接続を危険なレベルまで加熱し、ホットソケット状態を引き起こす可能性がある。デバイスは、ホットソケットが検出されたときに電源を切断するように構成されていてもよい。しかしながら、高温を引き起こす他の状態は、電源を切断する必要はない。認証デバイスは、他の認証デバイスに問い合わせることによって、これらのタイプの状態を区別することができ得る。例えば、認証デバイス610が高温を検出した場合、認証デバイスは、高温が、太陽光への長時間の曝露などの環境要因によるものであるかどうかを判定するために、同じ領域に位置する他の認証デバイスに問い合わせてもよい。応答認証デバイスが、それらも高温を検知していることを示している場合、認証デバイス610は、ホットソケット状態が存在するとは判定しないかもしれない。複数のメータがホットソケット状態を経験している可能性は、複数のメータが環境要因により高温を経験している可能性よりも遥かに小さい。
【0071】
例示の認証デバイス
【0072】
図7は、例示の認証デバイスを示す。本明細書に記載する動作を実行するために、任意の適切なコンピューティングシステムを用いることができる。図示する例示の認証デバイス700は、一つ又はそれ以上のメモリデバイス704に通信上結合するプロセッサ702を含む。プロセッサ702は、メモリデバイス704に格納されるコンピュータ実行可能なプログラムコード730を実行するか、メモリデバイス704に格納されるデータ720にアクセスするか、又は、その両方を実行する。プロセッサ702の例は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、又は、任意の他の適切な処理デバイスを含む。プロセッサ702は、単一の処理デバイスを含む任意の数の処理デバイス又はコアを含み得る。認証デバイスの機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、若しくはそれらの組み合わせで実装され得る。
【0073】
認証デバイス700は、資源分配ネットワークの資源に関連するパラメータを測定するように構成された少なくとも一つのセンサ750を含む。例えば、電力分配システムでは、センサ750は、消費電力、電圧、電流などを測定し得る。ガス分配システムでは、センサ750は、ガス漏れをチェックし得る。或る形態では、認証デバイス700は、複数のセンサを含み得る。例えば、認証デバイス700は、電力センサと温度センサの両方を含んでもよい。
【0074】
認証デバイス700は、少なくとも一つの資源調節デバイス711を含んでもよい。資源調節デバイス711は、電力、水、ガスなどの資源を制御するように構成される。資源調節デバイス711は、資源を切断、再接続、低速化、高速化、またはその他の方法で調整してもよい。或る実施形態では、資源調節デバイス711は、認証デバイス700から遠隔に配置されてもよい。
【0075】
メモリデバイス704は、データ、プログラムコード、又はその両方を記憶するための任意の適切な非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令または他のプログラムコードをプロセッサに提供することができる任意の電子的、光学的、磁気的、又は他の記憶装置を含み得る。コンピュータ可読媒体の非限定的な例としては、フラッシュメモリ、ROM、RAM、ASIC、又は、処理デバイスが命令を読み取ることができる任意の他の媒体が挙げられる。命令は、例えば、C、C++、C#、Visual Basic、Java、又はスクリプト言語を含む、任意の適切なコンピュータプログラミング言語で書かれたコードから、コンパイラまたはインタプリタによって生成されたプロセッサ固有の命令を含み得る。
【0076】
認証デバイス700はまた、インプットデバイス又はアウトプットデバイスなどの、多数の外部デバイス又は内部デバイスを含んでもよい。例えば、認証デバイス700は、一つ以上のインプット/アウトプット(I/O)インタフェース708を備えるように示されている。I/Oインタフェース708は、インプットデバイスからインプットを受け取ることや、アウトプットデバイスにアウトプットを提供することが、できる。一つ以上のバス706もまた、認証デバイス700に含まれる。バス706は、認証デバイス700の夫々の、一つ以上のコンポーネントを通信上結合する。
【0077】
認証デバイス700は、診断ポート707を含んでもよい。診断ポート707は、例えば、機器ベンダ又は公共企業によって、認証デバイスが正しく動作しているかどうか判定するのに、若しくは、問題を診断して解決するのに、又は、認証デバイス700のファームウェアのアップグレードを実行するのに、使用され得る。
【0078】
認証デバイス700は、プロセッサ702が本明細書に記載の一つ以上の動作を実行するように構成するプログラムコード730を実行する。例えば、プログラムコード730は、図3に記載する動作をプロセッサに実行させる。
【0079】
認証デバイス700は、また、ネットワークインタフェースデバイス710を含む。ネットワークインタフェースデバイス710は、一つ以上のデータネットワークへの有線又は無線のデータ接続を確立するのに適した任意のデバイス若しくはデバイス群を含む。ネットワークインタフェースデバイス710は、無線デバイスであってもよく、アンテナ714を有してもよい。認証デバイス700は、ネットワークインタフェースデバイス710を用いて、データネットワークを介して、認証デバイス又は他の機能を実装する一つ以上の他のコンピューティングデバイスと通信することができる。
【0080】
認証デバイス700は、表示デバイス712も含み得る。表示デバイス712は、認証デバイス700に関する情報を表示するように動作可能なLCD、LED、タッチスクリーン、又は、他のデバイスであればよい。例えば、情報には、認証デバイスの動作ステータス、ネットワークステータス等が含まれ得る。
【0081】
他の認証デバイスと組み合わせると、認証デバイスは、より強力で有用なものとなる。例えば、他の認証デバイスに問い合わせを行う認証デバイスは、任意の判定または是正措置の根拠となる、より多くの情報を持っている。例えば、同じ分配ライン上の別の認証デバイスに問い合わせできる認証デバイスは、ネットワーク全体が資源にアクセスできないと結論付けるのではなく、資源の利用不能は一つの施設若しくはブロックに限定されていると正しく結論付けることができる。更に、認証デバイスは、偽陽性イベントを検出することができ、例えば、ある認証デバイス上の不良センサは、近くの認証デバイスから測定されるパラメータによって検証することができる。
【0082】
認証デバイスは、従来の資源分配ネットワーク上のパラメータ以外のパラメータを測定し得る。例えば、認証デバイスは、公共資源の利用可能性を測定することができる。例えば、街灯に設置される認証デバイスは、街灯が動作中であるか、又は、例えば、照明素子の故障のために、街灯が動作を停止したか、を測定することができる。また、認証デバイスは、環境汚染物質を測定することができる。例えば、街灯に設置される認証デバイスは、スモッグを測定し、同じくスモッグを測定している他の認証デバイスと通信し、スモッグの範囲を判定できる。同様に、認証デバイスは、家庭内メタンセンサでもあり得る。是正措置は、供給停止の範囲/汚染の領域を判定して、収集されたイベントに基づいて境界線を作成するための、ネットワークへの信号であってもよい。
【0083】
認証デバイスは、任意のタイプの状態を検出して検証するように構成されていてもよい。上述では、範囲外の状態の検出および検証を説明したが、本発明は、許容範囲内の状態を含む、他のタイプの状態の検出および検証も、含む。
【0084】
本開示の主旨をその特定の形態に関して詳細に記載したが、当業者であれば、上述の理解を得た上で、そのような形態に対する代替物、変形物、および均等物を、容易に作り出すことができることが理解されるであろう。したがって、本開示は、限定ではなく例示を目的として提示されるものであり、当技術分野の通常の技術者には容易に明らかであるような、本開示の主旨に対する変更、変形、及び/又は追加を含めることを排除するものではない、ということが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7