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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】ローラ・ジャンプ時計表示機構
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/21 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
G04B19/21 E
【請求項の数】 27
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021164525
(22)【出願日】2021-10-06
(65)【公開番号】P2022085850
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】20210222.4
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507276380
【氏名又は名称】オメガ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン・ファロン
(72)【発明者】
【氏名】マルク-オリヴィエ・パジェス
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム・ゴージェイ
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】スイス国特許出願公開第00705476(CH,A3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/00-19/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ・ジャンプ時計表示の機構(100)であって、
数量の表示について、ローラ(1、1A、1B、2、3、3A、3B、4)および/またはお互いの内部にある少なくとも2つの前記ローラ(1A、1B、3A、3B)を含む複合ローラ(10)を含む少なくとも1つのディスプレイを備え、外部の前記ローラ(1A、3A)は、内部の前記ローラ(1B、3B)の表示または読み取りを可能にするように配置された少なくとも1つのローラ開口部を含み、各々の前記ディスプレイは、第1の弾性戻り手段(311、312、313、314、316)によって静止位置に保持され、少なくとも1つの前記ディスプレイは、前記機構(100)に含まれ、その落下が少なくとも1つのカム(21、22、23、24、244、245、246、247)によって制御または禁止され、時計のムーブメント(500)によって駆動されるように配置されている少なくとも1つのトリガまたは補正レバー(11、12、13、14、15、16)によって制御される回転で移動可能であり、少なくとも1つの前記トリガまたは補正レバー(11、12、13、14、15、16)は、当該少なくとも1つの前記トリガまたは補正レバー(11、12、13、14、15、16)が第2の弾性戻り手段(119、129、139、149、159、169)によってそれに向かって戻される少なくとも2つの前記カム(21、22、23、24、244、245、246、247)と同時に協働するように配置されており、前記機構(100)は、それが構成する上流ローラ(1、2)の回転は、上流トリガ・レバー(11、12)によって制御され、それが並置され、それを構成する下流ローラ(3、4)の回転が下流トリガ・レバー(13、14)によって制御される下流ディスプレイ・アセンブリ(300)と協働するように配置される少なくとも1つの上流ディスプレイ・アセンブリ(200)を含み、前記機構(100)は、前記上流ディスプレイ・アセンブリ(200)のサイクルの終わりに、その適切な位置にある前記下流ディスプレイ・アセンブリ(300)の少なくとも1つのディスプレイの回転を制御するために、前記下流のトリガ・レバー(13、14)の1つと協働するように配置された少なくとも1つの前記補正レバー(15、16)と、前記機構(100)が複数の補正レバーを含む場合に、前記補正レバー(15、16)間でレバーを同期させるための機構(17)と、を含むことを特徴とする、ローラ・ジャンプ時計表示機構(100)。
【請求項2】
少なくとも2つの前記トリガまたは補正レバー(11、12、13、14、15、16)は、当該少なくとも2つの前記トリガまたは補正レバー(11、12、13、14、15、16)が前記第2の弾性戻り手段(119、129、139、149、159、169)によってそれに向けて戻される同じ前記カム(21、22、23、24、244、245、246、247)と同時にベアリングで協働するように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の機構(100)。
【請求項3】
前記機構(100)は、回転制御カム(21、23)の特定の角度位置で前記トリガ・レバー(11、12、13、14)のジャンプを引き起こすように配置された前記回転制御カム(21、23)の輪郭に従うように配置されている第1のフィーラ(2111、2112、2313、2314)を含む少なくとも1つのトリガ・レバー(11、12、13、14)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の機構(100)。
【請求項4】
各々の前記トリガ・レバー(11、12、13、14)は、当該各々の前記トリガレバー(11、12、13、14)が前記第2の弾性戻り手段(119、129、139、149)によってそれに向けて戻される少なくとも2つの前記カム(21、22、23、24、244、245、246、247)と同時に協働するように配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の機構(100)。
【請求項5】
少なくとも1つの前記トリガ・レバー(11、12、13、14)は、補正レバー(15、16)である別のレバーの落下を防止または許容するように配置されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の機構(100)。
【請求項6】
少なくとも1つの補正レバー(15、16)は、前記トリガ・レバー(11、12、13、14)が制御するのと同じローラの回転を制御するように配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の機構(100)。
【請求項7】
少なくとも1つの補正レバー(15、16)は、前記トリガ・レバー(11、12、13、14)と協働しない前記ローラの回転を単独で制御するように配置されていることを特徴とする、請求項5または6に記載の機構(100)。
【請求項8】
前記機構(100)は、前記トリガまたは補正レバー(11、12、13、14、15、16)の落下を防止または許容するように配置された少なくとも1つの禁止カム(22、24、244、245、246、247)を含み、第2のフィーラ(2211、2212、2413、2414、2415、2416)は、前記禁止カム(22、24、244、245、246、247)の角度位置に応じて前記禁止カム(22、24、244、245、246、247)に干渉するか、または干渉しないように配置されていることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項9】
各々の前記トリガまたは補正レバー(11、12、13、14、15、16)は、当該各々の前記トリガまたは補正レバー(11、12、13、14、15、16)が前記第2の弾性戻り手段(119、129、139、149、159、169)によってそれに向けて戻される少なくとも2つの前記カム(21、22、23、24、244、245、246、247)と同時に協働するように配置されていることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項10】
少なくとも1つの前記ローラ(1、1A、1B、2、3、3A、3B、4)または複合ローラ(10)は、別の前記ローラ(1、1A、1B、2、3、3A、3B、3B、4)または複合ローラ(10)によって駆動される駆動機構(50)によって制御される回転で前記トリガまたは補正レバー(11、12、13、14、15、16)とは独立に移動可能であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項11】
前記機構(100)は、同軸で互いに並置された少なくとも2つの基本ディスプレイを含むディスプレイ(90M、90H)のグループ上に少なくとも1つの量の値を表示するように構成されており、各々の前記基本ディスプレイは、前記ローラ(1、1A、1B、2、3、3A、3B、4)または前記複合ローラ(10)によって構成されていることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項12】
少なくとも1つの前記ディスプレイ(90M、90H)のグループは、前記ディスプレイ(90M、90H)のグループに含まれる前記ディスプレイの1つの回転を、それに並置された別のディスプレイのサイクルの終わりにトリガするための前記駆動機構(50)を含むことを特徴とする、請求項10を引用する請求項11に記載の機構(100)。
【請求項13】
前記機構(100)は、少なくとも2つの量の値を表示するように構成され、各々の前記量は、少なくとも1つの前記ディスプレイまたは前記ディスプレイ(90M、90H)のグループに表示され、すべての前記ディスプレイまたはディスプレイ(90M、90H)のグループは同軸であり、ペアで並置されていることを特徴とする、請求項11または12に記載の機構(100)。
【請求項14】
前記機構(100)は、並置された別の前記ディスプレイ(90M、90H)のグループの別の上流ディスプレイのサイクルの終わりに前記ディスプレイ(90M、90H)のグループの前記下流ディスプレイの回転をトリガするためのローラ同期機構を含み、前記ローラ同期機構は、ラグ(528、579)に支持され、前記上流ディスプレイ(2)の前記駆動機構(50)によって担持される、前記下流ディスプレイ(3)の回転制御のために配置された各々の前記下流トリガ・レバー(13、14)の遮断手段(1380、1490)を含み、前記上流ディスプレイ(2)は、いくつかの表示段階中に各前記下流トリガ・レバー(13、14)の回転を遮断し、ディスプレイ(90M、90H)のグループと呼ばれる前記少なくとも2つのグループのジャンプを同期させることを特徴とする、請求項10を引用する請求項1乃至13のいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項15】
少なくとも1つの前記ディスプレイ(90M、90H)のグループは、マルチローラと呼ばれる一方が、サブマルチプル・ローラと呼ばれるもう一方の単位値の整数倍を単位として表示する少なくとも2つの前記ローラ(1、1A、1B、2、3、3A、3B、4)を含み、前記表示機構(100)は、前記ディスプレイ(90M、90H)のグループについて、前記サブマルチプルローラが、マルチプルのステップでのすべての表示シーケンスに対応する1つまたは複数の回転を実行したときに複数の1つの位置のローラを回転させるように配置された少なくとも1つの前記駆動機構(50M、50H)を含むことを特徴とする、請求項10を引用する請求項1乃至14のいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項16】
各々の前記ディスプレイ(90M、90H)のグループは、前記駆動機構(50M、50H)によって運動学的に接続された少なくとも2つのローラ(1、1A、1B、2、3、3A、3B、4)を含み、サブマルチプルローラに固定されたピン(109、319)によって回転するように配置され、マルチプルのローラによって担持されるクローバ(52、54)をそのラグ(151、156)の1つで駆動するように配置されたラグのあるスター(51、56)と一体に回転するマルタ十字(53、55)を含むことを特徴とする、請求項10、又は請求項10を引用する請求項11、又は請求項12、又は請求項14乃至15のうちのいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項17】
前記クローバ(52、54)または前記マルチプルのローラは、前記トリガ・レバー(11、12、13、14)に含まれるレバー制限指(1380)のアバットメント・サポートとして使用されるように配置されたベアリング・ラグ(528)を担持する、請求項16に記載の機構(100)。
【請求項18】
前記上流ディスプレイ(2)の前記駆動機構(50M、50H)のラグ(51、56)を備えた前記スターは、その軸に平行な軸の周りで、レバー・アバットメント・ラグ(579)を担持する駆動クローバ(57)を回転させるように配置される前記トリガ・レバー(11、12、13、14)に含まれるレバー・アバットメント指(1490)のアバットメント・サポートとして使用されるように配置されている、請求項14を引用する請求項16に記載の機構(100)。
【請求項19】
前記クローバ(52、54)または前記複数のローラは、前記駆動機構(50M、50H)を解放するように構成された解放機構(70)に含まれる遊星ホイール(71)を受け入れるための遊星ホイールキャリア・スタッドまたはピボット(72)を担持し、前記ローラ(1、1A、1B、2、3、3A、3B、4)の位置補正を、前記駆動機構(50M、50H)ではなく、補正レバー(15、16)によって可能にすることを特徴とする、請求項16乃至18のいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項20】
前記機構(100)は少なくとも1つの前記複合ローラ(10)を含み、その内側ローラ(1B、3B)が、内側ローラ・トリガ・レバー(11、13)によって回転するように配置され、外側ローラ(1A、3A)は、外側ローラ・トリガ・レバー(12、14)または前記機構(100)に含まれる第1の補正レバー(15)によって駆動されるように構成されていることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項21】
少なくとも1つの前記複合ローラ(10)は、前記サブマルチプル・ローラであることを特徴とする、請求項15又は請求項15を引用する請求項16乃至20のいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項22】
前記内側ローラ(1B、3B)はまた、前記ムーブメント(500)によって駆動される24時間モバイル(24)によって事前に決定され制御されるいくつかの瞬間において、前記内側ローラ・トリガ・レバー(11、13)と並置された前記第1の補正レバー(15)であって、前記24時間モバイル(24)のカムと協働し、内側のローラ・トリガ・レバー(11、13)の座ぐり(135)を支持する横方向の突起(151)を含む、前記第1の補正レバー(15)によって回転するように構成されており、前記突起(151)は、前記内側ローラ・トリガ・レバー(11、13)の座ぐり(135)に支持され、前記突起(151)は、前記内側ローラ・トリガ・レバー(11、13)に含まれるフィーラ(2111、2313)を支持する前記カム(21、23)によって制御されるジャンプの直前に、前記座ぐり(135)に支持され、前記補正レバー(15)は、前記内側ローラ・トリガ・レバー(11、13)の駆動指(1101、1301)の隣に配置され、前記内側ローラ(1B、3B)の同じスター(411、413)と協働するように配置されている駆動指(1501)を含み、その結果、前記内側ローラ・トリガ・レバー(11、13)が、前記カム(21、23)によって制御される瞬間に落下して、前記24時間モバイル(24)によって許可されたジャンプを行うとき、1時間単位の前記第1の補正レバー(15)もまた落下して、前記スター(411、413)を駆動し、したがって、前記内側ローラ(1B、3B)を2回駆動することを特徴とする、請求項20に記載の機構(100)。
【請求項23】
前記補正レバー(15、16)は、対応する外側ローラ(1A、3A)を回転させることなく、2つの位置のジャンプで前記内側ローラ(1B、3B)の直接切り替えを可能にするために、前記内側ローラ(1B、3B)を駆動するためにトリガ・レバー(11、13)によって担持されるフック・アクチュエータ(138)と協働するピボット・フック(154)を担持し、その結果、そのフック・アクチュエータ(138)は、前記トリガ・レバー(11、13)のストロークの終端において、前記内側ローラ(1B、3B)を駆動するために前記フック(154)を解放し、前記ムーブメント(500)によって駆動される24時間モバイル(24)によって解放される前記補正レバー(15、16)の落下を可能にすることを特徴とする、請求項6を引用する請求項20に記載の機構(100)。
【請求項24】
各々の前記ローラ(1、1A、1B、2、3、3A、3B、4)または各々の前記複合ローラ(10)は、最大6つの表示位置を含むことを特徴とする、請求項1乃至23のいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項25】
前記機構(100)は、分単位を表示するためのマルチローラ(10)である第1の分ローラ(1)、および数十分の分を表示するための単一のローラである第2の分ローラ(2)を含む2つの前記ローラ(1、2)を含む分表示グループ(90M)と、時間単位を表示するためのマルチローラ(10)である第1の時間ローラ(3)、および数十時間を表示するための単一のローラである第2の時間ローラ(4)を含む2つの前記ローラ(3、4)を含む時間表示グループ(90H)と、を含み、前記機構(100)は、前記ディスプレイのグループ(90M、90H)ごとに、ユニット・ローラが、10ステップのすべての表示シーケンスに対応する1つまたは複数の回転を実行したときに、前記十個のローラを1つの位置に回転させるように配置された少なくとも1つの駆動機構(50M、50H)を含むことを特徴とする、請求項1乃至24のいずれか一項に記載の機構(100)。
【請求項26】
請求項1乃至25のいずれか一項に記載のローラ・ジャンプ時計表示機構(100)に含まれるカム(21、22、23、24、244、245、246、247)を駆動するように配置された少なくとも1つのムーブメント(500)を備える時計(1000)。
【請求項27】
請求項25に記載の機構(100)を含む請求項26に記載の時計(1000)であって、前記機構(100)は、火星の時間および分の表示専用であり、前記ムーブメント(500)は、ギアトレイン(600)を駆動するように構成されており、前記ギアトレイン(600)は、順に、24地球時間で1回転する地球の大砲ピニオン(610)と、タイマーモバイル(620)と、24.6596地球時間で1回転を実行する火星の大砲ピニオン(630)と、マルチプライヤ/減速ギアトレイン(640)と、分カム(21)、10分カム(22)、時間カム(23)、12時間カム(244、245)、24時間カム(246)、および補正カム(247)を含むカムのセット(650)と、内側分単位ローラ(11)のトリガ・レバー、外側分単位ローラ(12)のトリガ・レバー、内側時間単位ローラ(13)のトリガ・レバー、外側時間単位ローラ(14)のトリガ・レバー、時間単位補正レバー(15)、および数十時間の補正レバー(16)を含む、トリガおよび補正レバーのセット(660)と、分単位ローラ(1)、数十分のローラ(2)、時間単位ローラ(3)、および数十時間のローラ(4)を含む、表示ローラ(670)のセットと、を含むことを特徴とする、時計(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラ・ジャンプ時計表示機構に関する。
【0002】
本発明はまた、時計(time piece)、特に、そのようなローラ・ジャンプ時計表示機構に含まれるカムを駆動するように構成された少なくとも1つのムーブメントを含む時計に関する。
【0003】
本発明は、時計の表示機構の分野に関する。
【背景技術】
【0004】
特に腕時計(watch)のようにサイズが小さい場合、時計に異なるディスプレイを組み合わせるのは難しいことがよくある。
【0005】
また、混乱のリスクなしに、第1のディスプレイと第2のディスプレイとを簡単に区別することが重要である。
【0006】
1つの解決策は、第1のディスプレイにハンドやディスクなどの従来のディスプレイを使用し、第2のディスプレイにローラ・ディスプレイを使用することである。しかし、ローラ腕時計のディスプレイはかなりの量を必要とし、腕時計に取り付けるのは困難である。また、時刻や曜日の変更時の解釈の疑問を回避するために、より複雑な瞬時ジャンプ表示を行うことが望ましい。これらの制約は、この第2のディスプレイが第1のディスプレイのものとは異なる単位の数量に関連する場合にさらに増幅され、これには、腕時計の構造をさらに複雑にする変換機構が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、瞬時ジャンプ腕時計用のローラ・ディスプレイを開発することを提案し、そうすることで、腕時計の体積と互換性があり、合理的なサイズである最良のディスプレイ保証を提供する。
【0008】
本発明は、第1のディスプレイが地球の時刻表に関連し、第2のローラ・ディスプレイが火星の時刻表に関連する、火星への宇宙ミッションのための腕時計の特定の場合について説明されている。
【0009】
この目的のために、本発明は、請求項1に記載のローラ・ジャンプ時計表示機構に関する。
【0010】
本発明はまた、時計、特に、そのようなローラ・ジャンプ時計表示機構に含まれるカムを駆動するように構成された少なくとも1つのムーブメントを含む腕時計に関する。
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、瞬間的なジャンプを伴う4桁の時分機械式デジタル表示の特定の非限定的な場合についての本発明の特定の実施形態が示された添付の図面を参照して、以下の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による、それぞれ分と時間を表示するローラのグループが見える、分と時間の開口部を備えた文字盤であって、これらのローラおよび瞬時ジャンプを伴うジャンプ表示機構の他の構成要素を担持するプレートの上に載る該文字盤を示す概略斜視図である。
図2図1の逆の角度で同じ機構の下側を示す図であり、特に、さまざまなトリガまたは補正レバーと、それらの戻りばねの一部があり、アワー・ローラは、図の中央に向かって下部に表示され、ローラの共通のピボット軸は破線で示され、レバーの共通のピボット軸も別の破線で示されている。
図3】左から右に別々に示されているように、内側ローラ、その開口部を備えた外側ローラ、およびこの外側ローラに取り付けられたこの内側ローラからなるアセンブリを含み、図示されていない時間単位ローラも同様に構成されている複合ローラである、本発明による分単位ローラの概略斜視図である。
図4】マルタ十字と結合したラグを備えたスターに含まれるスター・ラグと協働するように配置された6つの放射状の溝を含む数十分のクローバを横方向に担持し、レバー制限指のアバットメント・サポートとして使用されるように配置された、立方体ブロックの形状のベアリング・ラグを担持する、数十分のローラを示す概略斜視図である。
図5】シャフトに駆動スクエアが含まれ、解放機構用の3つの遊星ホイールキャリア・スタッドまたはピボットを横方向に担持する数十時間のローラを示す概略斜視図である。
図6図3および図4のローラに基づいて、図に示されている機構の特定の非限定的な変形が構築されている分表示のコーディングを示す図である。
図7図3および図5に示されているローラに基づいて、図に示されている機構の特定の非限定的な変形が構築されている時間表示のコーディングを示す図である。
図8】右側に、右から左に、図3の分単位ローラと図4の数十分のローラが含まれている、分表示グループである第1の表示グループを示し、左側に、右から左に、図3と同様の時間単位ローラ、および図5の数十時間のローラを含む、時間表示グループである第2の表示グループを示す概略斜視図であり、これらの4つのローラは同軸で、それぞれがジャンパーによって静止位置に保持されているスターに接続されており、数十時間のローラは、数十分のローラによって担持されるのと同様のクローバを横方向に担持し、このクローバは、解放機構の自己遮断ホイールと一体であり、その歯の中で図5の遊星ホイールキャリア・スタッドまたはピボットにアイドル状態で取り付けられた遊星ホイールを遮断することができ、このホイールを噛み合わせてこの数十時間のローラを回転させ、遊星ホイールを外すと解放される。
図9】複合分単位ローラの内側ローラを制御するための分トリガ・レバーの制御を示す概略側面図であり、レバーは図の左下部分で回転し、この内側ローラに含まれるスターに、レバーに含まれる駆動指を押す傾向があり、ジャンパーの戻りトルクを受けてジャンパーを静止位置に保持する戻りばねの作用を受け、レバーは、ピボットと遠位駆動指との間で、一方では、スロット・タイプのストレート・エッジを持つカムである10分カムとベアリングで協働するように配置された10分フィーラ指を、他方では、分カムの実質的にらせん状のトラック上に乗るように配置され、フィーラ・スピンドルがこの図での位置にあるカムの高点を離れるときのジャンプの瞬間に後方への動きを防ぐデバイスを含む分フィーラ・スピンドルを担持する。
図10】10分カムのレリーフによって10分フィーラ指が停止しない場合、フィーラ・スピンドルのジャンプ直後、レバーの落下が、1つの位置を回転したローラのスターをちょうど駆動した場合の図9の機構による分単位の切り替えを示す図である。
図11図11乃至図14は、図9および図10とは反対側の、枢動可能に取り付けられ、2つのアバットメント間で移動可能な弾性ブレードを含む駆動指とローラのスターとの間の協働シーケンスの詳細を示す側面図である。図9と同様に、レバーが落下する前の静止位置であり、弾性ブレードは、スターの側面にある第1のアバットメントを支えている。
図12】レバーの落下中に、指がスターに接触し、指のブレードが第1のアバットメントを離れ、指が矢印の方向に回転し始めることを示す図である。
図13】指のブレードと第2のアバットメントとの接触、および回転するスターの駆動を示し、レバーは、アバットメントに到達する前に、ステップの約3分の2の間スターに付随し、ジャンパーの上部の通過を保証する。
図14】指のブレードが第1の制限アバットメントに当たるまで、指が自由になっているレバーの上昇を示す図であり、ブレードはスター・ジャンパーよりも弱く、ブレードは曲がってスターの上部を通過するため、指で再び駆動することはできない。
図15】分カムを上および下から示す概略斜視図であり、分カムは2つの部分に分かれており、そのうちの1つには、2つの隣接するレバーを含む2つのフィーラ・スピンドルが同時に通過するのに十分な幅の実質的にらせん状のトラックが含まれ、上部は下部に対して回転運動可能であり、カム部分と一体のピンの協力によって角度移動度が制限され、自由角を制限する長方形の豆形の溝があり、したがって、落下中、レバーのフィーラ・スピンドルがカムの上部を通過するとき、反動効果はなく、レバーの落下はローラ・スターを駆動するために瞬時にジャンプし得る。
図16】分カムを上および下から示す概略斜視図であり、分カムは2つの部分に分かれており、そのうちの1つには、2つの隣接するレバーを含む2つのフィーラ・スピンドルが同時に通過するのに十分な幅の実質的にらせん状のトラックが含まれ、上部は下部に対して回転運動可能であり、カム部分と一体のピンの協力によって角度移動度が制限され、自由角を制限する長方形の豆形の溝があり、したがって、落下中、レバーのフィーラ・スピンドルがカムの上部を通過するとき、反動効果はなく、レバーの落下はローラ・スターを駆動するために瞬時にジャンプし得る。
図17】内側ローラを制御するためのこの分トリガ・レバーを、外側ローラを制御するための分トリガ・レバーと並べて示した概略斜視図であり、このレバーのフィーラ・スピンドルは、カムの同じらせん状のトラックに沿って一緒に移動し、その10分フィーラ指が両方とも同じ10分カムと連動するように配置され、これによってレバーの落下を許可または禁止する。この図は、これら2つのレバーの戻りばねも示しており、図の左側にあるユニット・ローラには、10分駆動機構に含まれるマルタ十字の溝と連動することを目的としたポーンがある。
図18】2つの隣接するレバーのフィーラ・スピンドルを詳細に示した概略斜視図であり、これらのレバーは、分カムのこの同じらせん状のトラックを通って一緒に移動する。
図19図17と同様であり、ジャンプの数秒前に占める位置で、外側ローラがその開口部を示す分単位「4」の表示位置に示されている同じアセンブリを示しており、内側ローラは数字の4を示している図である。機構は表示位置「5」に切り替える準備ができており、外側ローラは数字の5を示し、内側ローラが外側ローラの開口部にその番号0を表示するとき、内側ローラは数字の0を示す位置に戻るため、次の10分への切り替えを予測する準備ができている。これらの2つのレバーはどちらもここでは10分カムによって停止されていない。
図20図19と同様であり、中間ディスプレイ構成でのジャンプ後の同じアセンブリを示している図である。これらの2つのレバーのどちらも、10分カムによって停止されない。このカムは、それを通過するレバーの1つの落下に対抗して、内側ローラまたは外側ローラを回転させるかどうかを決定する。これにより、各レバーがそれぞれのローラを駆動し、同時に、外側ローラと内側ローラが1つの位置で回転した。
図21図20と同様であり、ディスプレイを表示位置「5」から表示位置「6」に切り替えるための次のジャンプ後の同じアセンブリを示している図である。外側ローラだけが回転し、内側ローラは数字の「0」を示す位置に留まる。実際、内側ローラの表示に対応するレバーが10分カムによって停止され、そのフィーラ指が10分カムのスロットに接しているため、内側ローラは回転せず、表示位置に留まっている。したがって、内側ローラは回転せず、外側ローラに関連するレバーのみが落下し、外側ローラを回転させる。
図22】2つの反対側から見た概略斜視図であり、組み合わされた分単位ローラと単一の数十分のローラを含むディスプレイのグループを囲む10分駆動機構を示しており、この機構は、さまざまなローラのシャフトに共通の軸に平行な軸を持つモバイルであり、組み合わされた分単位ローラの側面に、図17に表示され、この複合ユニット・ローラによって担持され、ポーンと協働するように溝が配置されたマルタ十字が含まれている。そして、ラグ・スターは、数十分のローラの側面にあり、このマルタ十字と一体回転し、そのラグが図4の数十分のクローバの溝と協働するように配置されている。
図23】2つの反対側から見た概略斜視図であり、組み合わされた分単位ローラと単一の数十分のローラを含むディスプレイのグループを囲む10分駆動機構を示しており、この機構は、さまざまなローラのシャフトに共通の軸に平行な軸を持つ可動装置であり、組み合わされた分単位ローラの側面に、図17に表示され、この複合ユニット・ローラによって担持され、ポーンと協働するように溝が配置されたマルタ十字が含まれている。そして、ラグ・スターは、数十分のローラの側面にあり、このマルタ十字と一体回転し、そのラグが図4の数十分のクローバの溝と協働するように配置されている。
図24図20と同様の図であり、図22および図23の10分駆動機構で完成し、分単位「9」の表示位置で外側ローラが番号9を示す一方、内側ローラが数字の0を示す、ジャンプの数秒前に占める位置に示されているのと同じアセンブリを示し、機構は表示位置「10」に切り替える準備ができており、それまで表示位置「0」にあった10のローラは、位置「1」に切り替わり、一方、ユニットと組み合わせたローラでは、外側ローラは、内側ローラが続く開口部を示すが、回転せずに、数字の0を表示し、分単位のマルタ十字の溝は、ユニット・ローラのポーンと連動する。
図25図24と同様の図であり、ジャンプ後の同じアセンブリを示し、中間ディスプレイ構成では、これら2つのレバーのどちらも10分カムで停止せず、組み合わされた分単位ローラの外側ローラが回転し、そのポーンによってマルタ十字が回転し、もう一方の端で10分クローバを回転させ、したがって10分ローラを回転させる。
図26図24と同様に、図8のすべての時間と分の表示、および分ローラなどの外側ローラに内側ローラと組み合わせた時間ローラおよび数十時間ローラが含まれる時間機構に固有のトリガ・レバーを示している図である。分の場合のように、10時間の駆動機構がこのディスプレイのグループを囲み、分のものと同様に動作する。内側のアワー・ローラと外側のアワー・ローラ用の2つのトリガ・レバーも並置されており、1時間のカム、および24時間のカムと12時間のカムを含む複合24時間モバイルと連動するように配置されている。時間の経過の動作は、図9乃至図25に示す分の経過と同様であるが、唯一の重要な違いは、12時間のカムが存在することである(動作に関しては10分カムと同様)。
図27】内側ローラのレバーの12時間カム、外側ローラのレバーの12時間カム、および補正カムを含む24時間モバイルを示す概略斜視図であり、表示「4」から表示「0」への変更を保証するための深夜、午前1時の一部の期間の管理用であり、補正カムは、以下に詳述する補正レバーと連動する。
図28】現在の時刻、つまり深夜以外の時刻の分の表示と時間の表示との間の同期を示す概略部分斜視図である。図28は、時間変更の数分前に、内側の時間単位ローラのトリガ・レバーを示している。これは、分に相当するものと同様であり、フィーラ指が時間カムをちょうど離れたところである。このレバーには、数十分のローラのクローバに含まれるラグとベアリングで協働するように配置された第2の指が含まれ、数十分のローラが回転しない限りレバーが落下するのを防ぐ。
図29】現在の時刻、つまり深夜以外の時刻の分の表示と時間の表示との間の同期を示す概略部分斜視図である。図29は、図28と同時に、同じ機構を示している。この機構では、フィーラ指がアワー・カムをちょうど離れたところである、外側の時間単位ローラのトリガ・レバーが見えるようにするために、内側の時間単位ローラのトリガ・レバーは示されていない。このレバーには、分マルタ十字システムに運動学的に接続された駆動クローバに含まれるラグとベアリングで協働するように配置された第2の指が含まれ、同様に、分マルタ十字がその回転を実行されるまでレバーが落下するのを防ぐ。
図30】現在の時刻、つまり深夜以外の時刻の分の表示と時間の表示との間の同期を示す概略部分斜視図である。図30は、数十分ローラが位置「5」と位置「0」との間で回転した直後の、図28図29の2つのレバーを示し、その回転中に2つのラグがレバーの経路を離れることでそれらの落下を可能にし、したがって時間単位ローラの駆動を可能にする。
図31図26と同様に、内側の時間単位ローラのトリガ・レバーと並置された時間単位補正レバーと、外側の時間単位ローラのトリガ・レバーと並置された数十時間補正レバーとを含み、アセンブリは23:59の位置に示されている、時間に関する機構を示す図である。
図32】時間単位補正レバーを示す概略斜視図である。このレバーには、内側の時間単位ローラのトリガ・レバーの座ぐりを支える横方向の突起があり、次のように配置された駆動指が含まれている。その駆動指の隣に配置され、内側の時間単位ローラの同じ駆動スターと連携する。この時間単位補正レバーは、真夜中に切り替えて内側の時間ローラを2回駆動すると下がり、表示「4」を経由せずに表示「3」から表示「0」に切り替えることができる。同じことが午前一時にも当てはまる。
図33】2つのレバーが相互にベアリングすることによる同期協働の詳細を示す図であり、内側の時間単位ローラのトリガ・レバーの座ぐりを支える横方向の突起が透明に示されている。時間単位補正レバーは、トリガ・レバーを離して落下させると、内側の時間単位ローラのトリガ・レバーと一緒に落下する。
図34】時間単位補正レバーと数十時間補正レバーを一緒示す概略斜視図である。これは、以下で説明するように、マルタ十字による数十の駆動機構を操作せずに深夜に表示「2」を表示「0」に切り替えることを可能にするために必要な配置の1つである。この数十時間の補正レバーは真夜中の数分前に落下し、レバーに共通のピボット軸に平行な数十時間の補正レバーによって担持されるシャフトであるシンクロナイザを介して時間単位補正レバーを支え、そのベアリング表面は、時間単位補正レバーのベアリング面と協働する。
図35】内側の時間ローラのトリガ・レバーと時間単位補正レバーを一緒に並べて示す概略斜視図である。これらの組み合わせにより、外側ローラを回転させずに内側時間ローラを位置「3」から位置「0」に直接切り替えることや、数十時間ローラを位置「2」から数十駆動機構のマルタ十字を回転させずに「0」位置に切り替えることなど、特定の表示切り替えが可能になる。外側ローラを回転させることなく、内側時間ローラを位置「3」から位置「4」を介して位置「0」に直接切り替えることができるようにするために、時間単位補正レバーにはピボット・フックが付いており、内側時間ローラのトリガ・レバーにあるフック・アクチュエータと連動する。図33のように、これらの2つのレバーの駆動指が並置されているのを見ることができ、前記駆動指は、内側時間単位ローラの同じ駆動スターと協働するように配置されている。時間単位補正レバーには、複合24時間モバイル、特にその外側のトラックと連携するように配置されたフィーラ指が含まれている。位置「3」から位置「4」への切り替えは、従来、内側時間ローラのトリガ・レバーの駆動指によって制御され、時間単位補正レバーはこのフックによって固定されている。内側時間ローラのトリガ・レバーのストロークの終わりに、そのフック・アクチュエータがフックを解放し、24時間モバイルによって解放された時間単位補正レバーの落下を可能にする。そして、その駆動指は、内側時間ローラのスターの新しい回転を制御して、位置「0」を表示する。
図36図35とは逆の角度で、フック・アクチュエータとフックの協働を示す概略斜視図である。
図37図36に対応するこれら2つのレバーの位置を示す側面図である。時間単位補正レバーは、フック・スタッドまたはピボットを備えたピン・サポート指と、フックの角度ストロークの一部でフックの円筒形トラックと連動するブロッキング・ピンとを備えていることがわかる。これは、フック・アクチュエータの圧力下でフックの角度ストロークの終わりにそれを逃れる。後者はここではフックの斜めのトラックに支えられているが、2つのレバーはどちらも回転していない。
図38】位置「3」から位置「4」に切り替えるための内側時間ローラのトリガ・レバーの落下の開始を示す図であり、フック・アクチュエータはフックの斜めのトラックを押し戻し、フックを回転させる。フックはピンと依然として協働し、時間単位補正レバーを固定する。
図39】位置「3」から位置「4」に切り替えるための内側時間ローラのトリガ・レバーの落下の終わりを示す図である。フック・アクチュエータはフックの斜めのトラックを押し戻し、フックを回転させる。フックはピンから逃げ、時間単位補正レバーを解放する。これも24時間モバイルによって解放され、回転でき、駆動指を使用して、内側時間ローラのトリガ・レバーが落下する動作で、一時的に位置「4」に切り替わった時間単位ローラを位置「0」に駆動することができる。24時間カムは、時間単位補正レバーが1日2回、深夜と午前1時にのみ落下できるように配置されている。
図40図35と同様に、午前1時直前の位置を示している図である。
図41図34にすでに表示されている、レバーを解放するための、数十時間の補正レバーと、24時間モバイルに位置する24時間カムとの協働を示す概略斜視図である。毎日深夜に、数十時間のローラに接続されたスターを駆動し、位置「2」から位置「0」に切り替える。
図42】時間と数十時間のローラと、その数十の駆動機構が深夜にブロック位置にあることを示している概略斜視図である。これには、図43乃至図47で詳細に説明されている特定の変形に従って図41にすでに部分的に表示され、図に示されているリリース機構の設置が必要である。このリリース機構には、自動リバーサーと同様の遊星ホイール付きの自己遮断ホイールが含まれており、数十の駆動機構のマルタ十字に接続された駆動クローバとは無関係に数十時間のローラを回転させることができる。
図43】数十時間のローラのクローバを示す概略斜視図である。このクローバの下では、3つの遊星ホイールと協働するこの自己遮断ホイールを見ることができる。
図44図43とは逆の角度で、これら3つの遊星ホイールが回転する3つのスタッドまたはピボットを含む数十時間のローラを示している図である。
図45】半透明の時間と数十時間のローラ、数十の駆動機構、および解放機構を示している概略斜視図である。外側時間単位ローラが位置「9」から位置「0」に切り替わると、マルタ十字がアクティブになり、クローバが自己遮断ホイールと一体に回転する。遊星ホイールは特定の不可逆形状をしており、自己遮断ホイールの歯でブロックされているため、数十時間のローラが回転する。図に示すように、自己遮断ホイールと数十時間のローラが時計回りに回転し、少なくとも1つの遊星ホイールが自己遮断ホイールの歯で支えられている。
図46図45と同様に、23時間59からゼロ00時間への切り替えを示している図である。この間、数十時間のローラのスターのレバーが落下すると、図の時計回りにも後者が回転する。その後、遊星ホイールは自由に回転できる。
図47図46と同じ構成を端面図で示している図である。死角を減らすために、遊星ホイール間に角度オフセットがある。
図48】本発明によるデジタル表示機構が火星時間の表示に使用される特定の実施形態のブロック図であり、24地球時間で1回転を実行する地球大砲ピニオン、タイマー・モバイル、24.6596地球時間で1回転を実行する火星の大砲ピニオン、乗数/減速ギアトレイン、分カム、10分カム、時間カム、12時間カムを含むカムのセット、24時間カム、および補正カム、トリガおよび補正レバーのセットを含み、これには、内側の分単位ローラのトリガ・レバー、外側の分単位ローラのトリガ・レバー、内側の時間単位ローラのトリガ・レバー、外側の時間単位ローラのトリガ・レバー、時間単位補正レバー、および数十時間補正レバー、分単位ローラ、数十分ローラ、時間単位ローラを含む表示ローラのセット、および数十時間ローラを順番に含むギアトレインを概略的に示している。
図49】タイマー・ピニオンとタイマー・ホイールを含むタイマー・モバイルを介した、図48の地球大砲ピニオンと火星大砲ピニオンとの間の接続を概略的に側面図で示している。
図50図48の乗数/減速ギアトレインを示す概略斜視図である。これには、時間カムが配置されている火星の大砲ピニオンから、24時間モバイルを駆動する第1の減速ギアトレインと、分カムと10分カムを駆動するための第2の減速ギアトレインとが含まれている。この第1の減速ギアトレインには、時間用のタイマー・モバイル、12時間モバイル、および24時間モバイルが含まれている。この第2の乗数ギアトレインには、中間モバイル、乗数モバイル、分カムを搭載した分モバイル、および10分カムを搭載した10分間モバイルが含まれる。
図51】この時計に含まれる、本発明による表示機構のカムを駆動するムーブメントを含む時計、特に腕時計を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、ローラ・ジャンプ時計表示機構100に関する。この機構100は、瞬時ジャンプ機構である。
【0014】
これらの図は、この表示機構100が時計、特に腕時計1000に統合されるように設計され、より具体的には、非限定的な実施形態において、縮小された寸法のモジュールを構成する、特定の非限定的な、特に直径約37mm、高さ約12mmの場合を示している。そして、ここでは、2桁の時間と2桁の分の表示への非限定的なアプリケーションで示されている。
【0015】
高さの制約により、腕時計に適用するためのいくつかの構造の選択が決まる。これについては、以下で詳しく説明する。寸法の制約が少ない振り子の場合、機構は当然単純化できる。
【0016】
これらの図は、表示機構が基本ムーブメントから分離されており、特に独立した追加モジュールを構成できる非限定的な変形を示している。示されていない変形例では、機構は、例えば、後で提示されるレバーの戻りばねの下で、基本ムーブメントの全部または一部を統合することができる。
【0017】
より具体的には、機構100は、量の表示のために、ローラ1、1A、1B、2、3、3A、3B、4、および/または複合ローラ10を含む少なくとも1つのディスプレイを含む。
【0018】
そのような複合ローラ10は、互いに内部にある少なくとも2つのローラ1A、1B、3A、3Bと、少なくとも1つのローラ開口部1C、3Cを含み、内側ローラ1B、3Bの表示または読み取りを可能にするように配置されている外部のローラ1A、3Aとを含む。図示の非限定的な変形例では、ローラまたは複合ローラは、高さ2.8mmの数字などを含み、これは、外径6.60mm、または複合ローラの場合の内側ローラの6.00mmの6位置ローラと互換性がある。この配置により、読みやすさが保証され、必要なスペースが最小限に抑えられる。
【0019】
数字の表示には10の位置が必要であり、例えば、内側ローラの0/1/2/3/4の位置と、外側ローラの5/6/7/8/9の位置、つまりそれぞれのローラに5つの位置が必要である。
【0020】
より具体的には、各ローラ1、1A、1B、2、3、3A、3B、4、または各複合ローラ10は、ユーザにとって良好な読みやすさを保証するために、最大6つの表示位置を含む。
【0021】
したがって、外側ローラは、表示位置の代わりに開口部を含むことができ、内側ローラは、運動学を以下のように単純化することを可能にする、配置0/1/2/3/4/0に従って、ゼロ位置の2倍を有利に含むことができる。外側ローラは、5/6/7/8/9/()の配置を含み得、後者の記号()は、開口開口部に対応する。
【0022】
図6および図7は、図によって示される実施形態に使用される非限定的なコーディング・システムを詳述している。
【0023】
各ディスプレイは、以下に詳述するように、第1の弾性戻り手段311、312、313、314、316によって静止位置に保持される。
【0024】
少なくとも1つのディスプレイは、このレバーのジャンプ中に、機構100に含まれる少なくとも1つのトリガまたは補正レバー11、12、13、14、15、16の動きによって制御される回転に従って移動可能である。このトリガ・レバーの落下は、機構100に含まれ、時計の動きによって駆動されるように配置された少なくとも1つのカム21、22、23、24、244、245、246、247によって制御または禁止される。
【0025】
本発明によれば、少なくとも1つのトリガまたは補正レバー11、12、13、14、15、16は、第2の弾性戻り手段119、129、139、149、159、169によってそれに向かって戻される少なくとも2つのカム21、22、23、24、244、245、246、247と同時に協働するように配置されている。
【0026】
より具体的には、各トリガまたは補正レバー11、12、13、14、15、16は、第2の弾性戻り手段119、129、139、149、159、169によってそれに向けて戻される少なくとも2つのカム21、22、23、24、244、245、246、247と同時に協働するように配置されている。
【0027】
より具体的には、少なくとも2つのトリガ・レバーまたは補正レバー11、12、13、14、15、16は、第2の弾性戻り手段119、129、139、149、159、169によってそれに向けて戻される同じカム21、22、23、24、244、245、246、247と同時にベアリングで協働するように配置されている。
【0028】
機構100は、回転制御カム21、23の特定の角度位置においてトリガ・レバー11、12、13、14のジャンプを引き起こすように配置された回転制御カム21、23、の輪郭に従うように配置された第1のフィーラ211、2112、2313、2314を含む少なくとも1つのトリガ・レバー11、12、13、14を含む。
【0029】
より具体的には、少なくとも1つのトリガ・レバー11、12、13、14は、第2の弾性戻り手段119、129、139、149によってそれに向けて戻される少なくとも2つのカム21、22、23、24、244、245、246、247と同時にベアリングで協働するように配置されている。より具体的には、各トリガ・レバー11、12、13、14は、第2の弾性戻り手段119、129、139、149によってそれに向けて戻される少なくとも2つのカム21、22、23、24、244、245、246、247と同時にベアリングで協働するように配置されている。
【0030】
より具体的には、少なくとも1つのトリガ・レバー11、12、13、14は、補正レバー15、16である別のレバーの落下を防止または許容するように配置されている。より具体的には、少なくとも1つの補正レバー15、16は、トリガ・レバー11、12、13、14が制御するのと同じローラの回転を制御するように配置されている。
【0031】
より具体的には、少なくとも1つの補正レバー15、16は、前記トリガ・レバー11、12、13、14のいずれとも協働しないローラの回転を単独で制御するように配置されている。
【0032】
より具体的には、機構100は、そのようなトリガまたは補正レバー11、12、13、14、15、16の落下を禁止または許可するように配置された少なくとも1つの禁止カム22、24、244、245、246、247と、この禁止カム22、24、244、245、246、247の角度位置に応じて、禁止カム22、24、244、245、246、247に干渉するかしないように配置された第2のフィーラ2211、2212、2413、2414、2415、2416とを含む。
【0033】
あるローラを別のローラで駆動するために、少なくとも1つのローラ1、1A、1B、2、3、3A、3B、4、または複合ローラ10は、別のローラ1、1A、1B、2、3、3A、3B、4、または複合ローラ10によって駆動されるトリガまたは補正レバー11、12、13、14、15、16から独立して、駆動機構50M、50Hによって制御される回転で移動可能である。この駆動機構50M、50Hについては後ほど詳しく説明する。
【0034】
より具体的には、図に示される実施形態に見られるように、機構100は、その構成する上流ローラ1、2の回転が上流トリガ・レバー11、12によって制御され、それに並置され、それを構成する下流ローラ3、4の回転が下流トリガ・レバー13、14によって制御される下流ディスプレイ・アセンブリ300と協働するように配置されている少なくとも1つの上流ディスプレイ・アセンブリ200を含む。この機構100は、この機構100が、上流ディスプレイ・アセンブリ200のサイクルの終わりに適切な位置にある下流ディスプレイ・アセンブリ300の少なくとも1つのディスプレイの回転を制御するためのいくつかの補正レバーを含む場合に、下流トリガ・レバー13、14のうちの1つと協働するように配置された少なくとも1つのそのような補正レバー15、16、および補正レバー15、16の間でレバーを同期させるための機構17を含む。
【0035】
より具体的には、機構100は、同軸で互いに並置され、各ディスプレイが、ローラ1、1A、1B、2、3、3A、3B、4、または複合ローラ10によって構成される少なくとも2つのディスプレイを含むディスプレイ90M、90Hのグループ上に少なくとも1つの量の値を表示するように構成されている。
【0036】
より具体的には、ディスプレイ90M、90Hの少なくとも1つのグループは、それに並置された別のディスプレイのサイクルの終わりに、ディスプレイ90M、90Hのグループに含まれるディスプレイの1つの回転をトリガするための内部ジャンプ制御機構を含む。
【0037】
より具体的には、少なくとも1つのトリガまたは補正レバー11、12、13、14、15、16は、それに並置された別のディスプレイのサイクルの終わりにディスプレイの1つの回転をトリガするためのジャンプ制御機構を構成するため、少なくとも1つのカム21、22、23、24、244、245、246、247と協働するように配置されている。
【0038】
機構100は、より具体的には、同軸で互いに並置された少なくとも2つの基本ディスプレイを含む、ディスプレイ90M、90Hのグループに少なくとも1つの量の値を表示するように設計され、各基本ディスプレイは、そのようなローラ1、1A、1B、2、3、3A、3B、4、または複合ローラ10によって構成される。
【0039】
より具体的には、ディスプレイ90M、90Hの少なくとも1つの前記グループは、ディスプレイのこのグループがそれに並置される別のディスプレイのサイクルの終わりに含むディスプレイの1つの回転をトリガするための駆動機構50を含む。
【0040】
より具体的には、機構100は、少なくとも2つの量の値を表示するように構成され、各量は、少なくとも1つのディスプレイまたはディスプレイ90M、90Hのグループに表示され、すべてのディスプレイまたはディスプレイ90M、90Hのグループは同軸であり、ペアで並置される。
【0041】
より具体的には、少なくとも1つのトリガまたは補正レバー11、12、13、14、15、16は、ディスプレイ90M、90Hのグループのディスプレイの回転をトリガするためのジャンプ制御機構を構成するために、ディスプレイ90M、90Hの別のグループの別のディスプレイのサイクルの終わりに、それに並置される少なくとも1つのカム21、22、23、24、244、245、246、247と協働するように配置されている。
【0042】
有利には、機構100は、それに並置されたディスプレイ90M、90Hの別のグループの別の上流ディスプレイのサイクルの終わりに、ディスプレイ90M、90Hのグループの前記下流ディスプレイの回転をトリガするためのローラ同期機構を含む。このローラ同期機構は、上流ディスプレイ2の駆動機構50、および上流ディスプレイ2自体によって担持され、いくつかの表示段階の間、各下流トリガ・レバー13、14の回転をブロックし、これらの少なくとも2つのディスプレイ90M、90Hのグループのジャンプを同期させるために、ラグ528、579を支持する、下流ディスプレイ3の回転制御のために配置された各下流トリガ・レバー13、14の遮断手段1380、1490を含む。詳細な操作については、追って説明する。
【0043】
より具体的には、機構100は、同軸であり、互いに並置されているディスプレイ90M、90Hの少なくとも2つのグループに少なくとも2つの量の値を表示するように構成されている。より具体的には、ディスプレイ90M、90Hの少なくとも1つのグループは、いくつかの相対的な角度位置において、隣接するディスプレイ90M、90Hのグループのローラ1、1A、1B、2、3、3A、3B、4に含まれるアバットメント528とベアリングで協働し、いくつかのディスプレイ段階中にその回転をブロックし、ディスプレイ90M、90Hの少なくとも2つのグループのジャンプを同期させるため、順番に配置されたアバットメント・サポート指1390を含む少なくとも1つのトリガまたは補正レバー11、12、13、14、15、16を含む。
【0044】
図は、時と分の機械式デジタル表示を示している。
【0045】
分は、数十分ローラ2と並置された分単位ローラ1によって表示され、特に、分開口部5を通して一緒に見ることができる。分単位ローラ1は、そのような複合ローラ10であり、図3に示すように、外側ローラ1Aの開口部1Cを通して見える内側ローラ1Bを含む。これらの2つのローラ1および2は、分表示グループであるディスプレイ90Mの第1のグループを形成する。
【0046】
時間は、数十時間ローラ4と並置された時間単位ローラ3によって表示され、特に、時間開口部6を通して一緒に見ることができる。時間単位ローラ3は、そのような複合ローラ10であり、外側ローラ3Aの開口部3Cを通して見える内側ローラ3Bを含む。これらの2つのローラ3および4は、時間表示グループであるディスプレイ90Hの第2のグループを形成する。
【0047】
図1は、分および時間用の開口部5および6を担持し、ローラおよび機構100の他の構成要素を担持するプレート8の上に載る文字盤7を示している。
【0048】
図2は、左から右に、さまざまなトリガ・レバーと補正レバー、すなわち、
- 内側ローラ11の分単位をトリガするためのレバー、
- 外側ローラ12の分単位をトリガするためのレバー、
- 時間単位を補正するためのレバー15、
- 内側ローラ13の時間単位をトリガするためのレバー、
- 外側ローラ14の時間単位をトリガするためのレバー、
- 数十時間を補正するためのレバー16、を示しており、
その機能の詳細を以下に示す。
【0049】
特定の非限定的な方法で、ローラは共通の軸Rを中心に回転し、特定の非限定的な方法で、レバーは共通の軸Bを中心に回転する。
【0050】
図3は、左から右に別々に示されているように、内側分ローラ1B、その分開口部1C、およびこの外側ローラ1Aに取り付けられたこの内側ローラ1Bからなるアセンブリ1を有する外側分ローラ1Aを含む複合ローラ10である本発明による分単位ローラ1を示している。時間単位ローラ3も同様に構成されており、内側時間ローラ3B、外側時間ローラ3Aとその開口部3Cを備えている。
【0051】
より具体的には、ディスプレイ90M、90Hの少なくとも1つのグループは、少なくとも2つのローラを含み、そのうちの1つは、他のユニット値の整数倍をユニットとして表示する。より具体的には、ディスプレイ90M、90Hの各グループは、少なくとも2つのローラを含み、そのうちの1つは、他のローラの単位値の整数倍を単位として表示する。
【0052】
次に、表示機構100は、ディスプレイ90M、90Hの少なくとも1つのそのようなグループについて、少なくとも1つの駆動機構50、例えば、図示の実施形態では、数十分の駆動機構50M、および数十時間の駆動機構50Hを含む。この駆動機構50の目的は、サブマルチプルのローラが、マルチプルのステップにおけるそのすべての表示シーケンスに対応する1つまたは複数の回転を実行したときに、マルチプル1の位置のローラを回転させることである。したがって、以下に詳述する例外的な状況を除いて、倍数のローラ(本実施形態では10の倍数)は、レバーによってではなく、そのような駆動機構50によって駆動される。
【0053】
この駆動機構50、ここでは数十分の駆動機構50M、または数十時間の駆動機構50Hは、サブマルチプルのローラ、ここではユニット・ローラによって駆動される。
【0054】
したがって、ディスプレイ90M、90Hの各グループは、図に示されている非限定バージョンではピン109、319、によって回転するように配置され、サブマルチプルのローラに固定され、複数のローラによって、放射状の溝529、541によって担持されたラグ511、561、クローバ52、54、の1つによって駆動するように配置されたラグ51、56を備えたスターと一体回転するマルタ十字53、55を含むそのような駆動機構50によって運動学的に接続された少なくとも2つのローラ1、1A、1B、2、3、3A、3B、4を含む。ここで、サブマルチプルのローラ、つまりユニットはマルタ十字を回転させ、ラグ・スターを駆動する。ラグ・スターは、ここでは数十のマルチプルのローラを駆動する。したがって、分1および時間3のユニット・ローラは、それぞれ、分53または時間55のマルタ十字に含まれる放射状の溝531、551と協働するように配置されたピン109、319を担持する。
【0055】
図4は、分マルタ十字53と結合したラグ51を備えたスターに含まれるスター・ラグ511と協働するように配置された6つの放射状の溝529を含む数十分のクローバ52を横方向に担持する数十分のローラ2を示す。この数十分のクローバ52は、以下に説明するように、内側ローラ13の時間トリガ・レバーに含まれるレバー制限指1380のアバットメント・サポートとして使用されるように配置される、ここでは立方体ブロックの形状のベアリング・ラグ528を担持する。
【0056】
より一般的には、クローバ52、54、またはマルチローラは、トリガ・レバー11、12、13、14に含まれるレバー制限指のアバットメント・サポートとして使用されるように配置されたそのようなベアリング・ラグを担持する。
【0057】
上流ディスプレイ2の駆動機構50のラグ51、56を有するスターは、その軸に平行な軸の周りで、トリガ・レバー11、12、13、14に含まれるレバー・アバットメント指1490のアバットメント・サポートとして使用されるように配置されたレバー・アバットメント・ラグ579を担持する駆動クローバ57を回転するように有利に配置されている。
【0058】
図5は、図45に示すクローバ54を同様の方法で担持し、そのシャフトに駆動スクエア4160を含み、以下に説明する解放機構70のために、3つの遊星ホイールキャリア・スタッドまたはピボット72を横方向に担持する数十時間のローラ4を示している。この解放機構70は、駆動機構50を解放する機能を有し、駆動機構50によらず、補正レバー15、16によって直接、ローラ1、1A、1B、2、3、3A、3B、4の位置補正を可能にする。
【0059】
機構100は、有利には、少なくとも1つの複合ローラ10を含み、その内側ローラ1B、3Bは、内側ローラ・トリガ・レバー11、13によって回転されるように配置され、外側ローラ1A、3Aは、外側ローラ・トリガ・レバー12、14、または第1の補正レバー15によって駆動されるように配置される。特に、そのような複合ローラ10は、サブマルチプル・ローラである。
【0060】
内側ローラ1B、3Bはまた、動き500によって駆動される24時間モバイル24によって事前に決定され制御されるいくつかの瞬間に、第1の補正レバー15によって回転するように構成されている。この第1の補正レバー15は、内側ローラ・トリガ・レバー11、13と並置され、24時間モバイル24のカムと協働する。第1の補正レバー15は、内側ローラ・トリガ・レバー113の座ぐり135を支える横方向突起151を含む。この突起151は、カム21、23によって制御されるジャンプの直前に、座ぐり135を支え、カム21、23は、内側ローラ・トリガ・レバー11、13に含まれるフィーラ2111、2313を支える。補正レバー15はさらに、内側ローラ・トリガ・レバー11、13の駆動指1101、1301の隣に位置するように配置され、この内側ローラ1B、3Bの同じスター411、413と協働するように配置された駆動指1501を含む。そのため、内側ローラ・トリガ・レバー11、13は、カム21、23によって制御される瞬間に落下し、24時間モバイル24によって許可されたジャンプのために、最初の1時間の単位補正レバー15もまた落下して、スター411、413を駆動し、したがって、内側ローラ1B、3Bを2回駆動する。
【0061】
一般に、各ローラには、スターを回転させるためにスターを支えることができる、特にスクエアを担持するシャフトが含まれており、ローラ1を駆動するためのスクエア4120、ローラ3の正方形4140、およびローラ4のスクエア4160は、特に図に見ることができる。一部のローラは必ずしもレバーで駆動されるとは限らず、これは、マルタ十字の数十分の駆動機構50Mによって駆動される数十分のローラ2の場合であることに注意されたい。
【0062】
図6は、分表示のコーディングを示している。これによれば、図に示されている機構の特定の非限定的な変形は、図3および図4のローラに基づいて構築される。この特定の場合、分単位1および時間単位3を表示するために使用される複合ローラ10において、内側ローラ1B、それぞれ3Bは、6つの位置:0、1、2、3、4、5、0を含む。外側ローラ1A、それぞれ3Aは、6つの位置:5、6、7、8、9、()を含む。問題のローラに含まれる開口部をコード化するために、二重括弧または角括弧が使用される。この特定の構成により、多くの同一の基本コンポーネントを含む図に見られるように、最小スペース要件で最大数、2つのローラの同じ駆動レバー・ストローク、および同じスタージャンパー・アセンブリを使用できる。
【0063】
図6の分表には、次の6つの列が含まれている。
- 列1:数十のローラ2の値、
- 列2:外側単位ローラ1Aの値、
- 列3:内側単位ローラ1Bの値、
- 列4:列2のローラの回転数、
- 列5:列3のローラの回転数、
- 列6:列1のローラの回転数。
【0064】
1行は1分に相当する。
【0065】
二重括弧または角括弧は、ローラの開口部に対応する。
【0066】
図6の表は、10分の周期性があることがわかるため、分「00」から「30」の表示のみを示している。
【0067】
なお、10分間にわたって、内側ローラ1Bと外側ローラ1Aはそれぞれ6回回転する。
【0068】
より具体的には、各ユニット位置「5」を表示するとき、内側ローラ1Bも回転して自身を値「0」に事前配置し、次の10で表示できるようにする。
【0069】
したがって、分表示には分カム21と10分カム22が必要である。
【0070】
同様に、図7の時間表には、次の7つの列が含まれている。
- 列1:数十のローラ4の値、
- 列2:外側単位ローラ3Aの値、
- 列3:内側単位ローラ3Bの値、
- 列4:列2のローラの回転数、
- 列5:列3のローラの回転数、
- 列6:列1のローラの回転数、
- 列7:特に二重回転による補正の必要性。
【0071】
1行は1時間に相当する。
【0072】
図7の表は、「00」から「24」までの時間の表示を示している。
【0073】
この時間表の列4と列5は12時間の周期性があることに注意されたい。
【0074】
列7は、位置「23」から位置「00」に切り替えるとき、および位置「00」から位置「01」に切り替えるとき、内側ローラ3Bが2回回転しなければならないことを示している。
【0075】
列6は、一般的なフレームワークに適合しない深夜に切り替える場合、ローラは特定の機構によって作動する必要があることを示している。
【0076】
したがって、時間表示には、時間カム23、図7の表の列4に対応する、第1の12時間カム244の形態でここに説明される12時間カム(図7の表の列4および5)、図7の表の列5に対応する第2の12時間カム245、24時間カム246(図7の表の列6)、および、ここでは、ノッチ249を含む補正カム247(図7の表の列7)が必要である。図示の非限定的な実施形態では、図27に示すように、単一の24時間モバイル24は、12時間、24時間、および補正カムを一緒にグループ化する。
【0077】
読者は、以下で説明する特定のディスプレイ変更構成を理解するために、これらの表を参照することができる。
【0078】
図8は、ディスプレイを分離しており、右側には、分ディスプレイグループ90Mである最初のディスプレイのグループがあり、右から左に、図3の分単位ローラ1と図4の数十分のローラ2とが含まれ、および、左側には、時間ディスプレイのグループ90Hであり、右から左に、図5の時間単位ローラ3、および数十時間ローラ4を含む、ディスプレイの第2のグループが含まれる。これらの4つのローラは、ここでは、共通軸Rの同軸であり、回転ガイドシャフト912および934を有し、いくつかは、ジャンパーによって静止位置に保持された駆動スターに接続されている。
- 内側の分ローラ1Bは、ジャンパー311によって保持されるスター411と一体である。
- 外側の分ローラ1Aは、ジャンパー312によって保持されるスター412と一体である。
- 内側の時間ローラ3Bは、ジャンパー313によって保持されるスター413と一体である。この同じスター413は、トリガ・レバー、およびその2倍の幅を説明するいくつかのスイッチング構成のための補正レバーを含む2つのレバーと同時に協働するように配置されていることが後でわかる。
- 外側の時間ローラ3Aは、ジャンパー314によって保持されるスター414と一体である。
- 数十時間のローラ4は、この特定のタイプのディスプレイにおける深夜の切り替えの問題によって必要とされる補正レバーとの協働のために、ジャンパー316によって保持されるスター416と一体である。
【0079】
本出願では、数十分のローラ2はスターに接続されていない。しかしながら、ローラの異なるコーディングがそれを必要とするかもしれず、そのような場合、その場合は、以下に提示される補正レバー16との協働のために、数十時間のローラ4と同様に扱われるべきである。
【0080】
この数十分のローラ2は、マルタ十字を備えた駆動機構50Mによってクローバ52を駆動するために、クローバ52を横方向に担持する。
【0081】
数十時間のローラ4は、数十分のローラ2によって担持されるものと同様のクローバ54を横方向に担持し、放射状の溝541を有する。このクローバ54は、解放機構70の自己遮断ホイール73と一体であり、その歯の中で図5の遊星ホイールキャリア・スタッドまたはピボット72にアイドル状態で取り付けられた遊星ホイール71を遮断することができ、この自己遮断ホイール73を噛み合わせてこの数十時間のローラ4を回転させ、遊星ホイール71を外すと解放される。
【0082】
ユニット・ローラ1、3は、特定の時間への特別な切り替えを除いて、ほとんどの切り替え中に数十のローラ2、4を駆動するために、以下ですべて詳しく説明するように、分マルタ十字53、55と協働するように配置されたピン109、319を運ぶ。
【0083】
図9乃至図30は、分の切り替えを示している。これは、複合分単位ローラ1の内側ローラ1Bを制御するための、レバー軸Bを中心に回転する分トリガ・レバー11の動作を示している。このレバー11は、この内側ローラ1Bに含まれるスター411上で、レバー11に含まれる駆動指1101を押す傾向があり、ジャンパー311の戻りトルクを受けて、それを静止位置に保持する戻りばね119の作用を受ける。レバー11は、そのピボットとその遠位駆動指1101との間で、一方では、スロット・タイプのストレート・エッジ・カムである10分カム22とベアリングで協働するように配置された10分フィーラ指2211を、他方では、図15に示すように、分カム21の実質的にらせん状のトラック上に乗るように配置されている分フィーラ・スピンドル2111を担持する。この実質的にらせん状のトラックにより、このカムに続く各レバーのフィーラを、ジャンプする前に巻き上げることができる。フィーラは、摩擦を低減するために、特にルビー・ローラなどである。
【0084】
この分カム21は、フィーラ・スピンドル2111がカム21の最高点(図9の位置)を離れるときのジャンプの瞬間に後方への動きを回避するためのデバイスを含む。図16は、このデバイスを示している。カム21自体がカム・ベース210上で回転し、カム21と一体のピン212が豆形の溝211内をスライドし、ストロークを制限する。したがって、落下中に、ピン212、したがってカム21は、溝211内に少し遠くに接線方向に排出され、レバー11を落下させ、望ましくない反動の動きが回避される。
【0085】
図10は、10分間のフィーラ指2211が10分間のカム22のレリーフによって止められないとき、そして、フィーラ・スピンドル2111のジャンプ直後、レバー11の落下が、1つの位置を回転したローラ1Bのスター411をちょうど駆動した場合の分単位の切り替えを示している。
【0086】
図11乃至図14は、一方では、ピボット84に枢動可能に取り付けられた可動アセンブリ80を形成し、2つの前部アバットメント82と後部アバットメント83とのの間で移動可能な弾性ブレード81を含む駆動指1101、他方では、ローラ1Bのスター411との間の協働のシーケンスの詳細である。図11の静止位置では、弾性ブレード81は、スター411の側面に位置する第1の前部アバットメント82を支えている。指1101とスター411との接触は、レバー11の落下中に起こり、ブレード81は第1のアバットメント82を離れ、指は回転し始め、そのブレード81は第2の後部アバットメント83に近づく。ブレード81が第2のアバットメント83に接触すると、スター411が回転し、レバー11は、アバットメントに到達する前に、そのステップの約3分の2にわたってスター411に付随し、これにより、ジャンパー311の上部の通過が確実になる。
【0087】
レバー11が上昇すると、ブレード81が第1の制限アバットメント82に再び当たるまで、指1101は自由になる。ブレード81は、スター411のジャンパー311よりも弱く、ブレード81は、曲がってスター411の上部を通過するため、指1101によって再び駆動することはできない。
【0088】
図18は、分カム21が、2つの隣接するレバー11および12に含まれる2つのフィーラ・スピンドル2111および2112によって同時に横断されるのに十分な幅の実質的にらせん状のトラックを含むことを示す。
【0089】
図17は、内側ローラ11を制御するためのこの分トリガ・レバーを、外側ローラ12を制御するための分トリガ・レバーと一緒に並べて示している。したがって、これらのフィーラ・スピンドル2111および2112は、カム21のこの同じらせん状トラックを横断する。そして、その10分フィーラ指2211および2212は両方とも、同じ10分カム22と協働するように配置され、それぞれのレバー11または12の落下を許可または禁止する。
【0090】
図19は、ジャンプの数秒前に占める位置で、分単位の表示「4」で図6の表を参照して、分表示位置「04」で示されている同じアセンブリを示しており、外側ローラ1Aは、その開口部1C(表の列2)を有し、一方、内側ローラ1Bの番号は4(表の列3)である。機構は、ユニット「5」の表示でグローバル表示位置「05」に切り替える準備ができており、外側ローラ1Aは番号5(列2)を示し、一方、内側ローラ1Bは、それが番号0を有する位置(列3)に戻り、したがって、内側ローラ1Bが外側ローラ1Aの開口部1Cにおいてその番号0を有する次の10分間への切り替えを予測する準備ができている。2つの10分フィーラ2211および2212は、10分カム22によって妨げられておらず、2つのレバー11および12は、同期した方法で、2つの内側1Bおよび外側1Aローラの回転に進む時が来たときに落下することができることがわかる。図20は、これらの2つのレバー11および12のいずれも10分カム22によって停止されない、値「05」の表示の構成における、ジャンプ後の状況である。
【0091】
図21は、別の表示位置での値「6」のジャンプ後の同じアセンブリを示しており、内側ローラ1Bの表示に対応するレバー11が10分カム22により停止しているため、内側ローラ1Bが回転せず、その表示位置に留まっており、そのフィーラ指2211は、10分カム22のスロットに隣接しており、したがって、内側ローラ1Bは回転せず、外側ローラ1Aに関連するレバー12のみが落下し、外側ローラ1Aを回転させる。
【0092】
図22および図23は、10分の駆動機構50Mを示しており、その原理は、他の時間ディスプレイグループ90Hにおいて10時間をトリガするためにも使用される。この機構は、複合分単位ローラ1および単一の数十分ローラ2を含むディスプレイ90Mのグループを取り囲む。この機構は、さまざまなローラのシャフトに共通の軸Rに平行な軸を有するモバイルであり、複合分単位ローラ1の側面に、その溝531が配置されている分マルタ十字53を含む。このローラ1によって担持される図17に見られるピン109と協働し、数十分のローラ2の側面で、この分マルタ十字53と回転して一体になり、ラグ51を備えたスターのラグ511は、図4の数十分のクローバ52の溝529と協働するように配置されている。
【0093】
図24および図25は、10の経過を示している。図24は、ジャンプの数秒前に占める位置で、グローバル表示位置「09」で、分単位の表示位置「9」で示されている同じアセンブリを示しており、外側ローラ1Aは番号9(列2)を有し、内側ローラ1Bは番号0(列3)を有し、機構は、グローバル表示位置「10」に切り替える準備ができており、数十のローラは、それまで表示位置「0」で、位置「1」(列1)に切り替わるが、複合ユニット・ローラ1では、外側ローラ1Aは、その開口部1C(列2)を有し、これを通して、内側ローラ1Bは、回転せずに、表示「0」(列3)を示し続ける。分単位の分マルタ十字53の溝531は、ユニット・ローラ1のポーン109と協働する。図25は、2つのレバー11、12のいずれも10分カム22によって停止されないグローバル表示構成「10」における、ジャンプ後の同じアセンブリを示している。複合分単位ローラ1の外側ローラ1Aが回転し、そのポーン109が分マルタ十字53を回転させ、これが他方の端で10分クローバ52を回転させ、したがって10分ローラ2を回転させた。
【0094】
時間の表示と切り替えも同様に行う。時間ディスプレイグループ90Hは、時間単位表示ローラ3と数十時間表示ローラ4とを含む。数十時間の駆動機構50Hは、分の場合のように、このグループのディスプレイ90Hを取り囲み、分の場合と同様に動作する。内側ローラ13の時間をトリガするためのレバーと外側ローラ14の時間をトリガするためのレバーも並置され、単一時間カム23、および複合24時間モバイル24と協働するように配置されている。これには、特に24時間カムと12時間カムとが含まれる。時間切り替えの操作は、上記の分切り替えと同様であるが、唯一の重要な違いは、10分カムの代わりに12時間カムが存在することである。本発明は、一方が他方の倍数を表示するディスプレイの任意の組み合わせ、および任意の表示範囲に使用できることが理解される。もちろん、さまざまなローラのコーディング、およびカムと補正レバーの性質は、それぞれの場合に適合させる必要がある。例えば、ローラは4、6、10、または12の位置を占めることができ、同じグループのディスプレイの2つのローラ間の乗算係数も4、6、10、または12の位置、またはその他、カレンダー、ムーン・フェイズ、潮汐などの他のディスプレイ用の位置を占めることができる。したがって、ローラの構成に応じて、駆動機構50は、係数が10以外、例えば4、6、12などである複数のローラの駆動を生成することもできる。
【0095】
より具体的には、24時間モバイル24は、ここでは、内側時間ローラ13のトリガ・レバーの第1の12時間カム244と、外側時間ローラ14のトリガ・レバーの第2の12時間カム245と、24時間カム246と、ある時間変化を管理するための:深夜、午前1時、特に表示「4」から表示「0」への切り替えを保証するための補正カム247とを含む。この補正カムは、以下に詳述する補正レバー15および16と連動する。
【0096】
本発明は、特に現在の時間、すなわち深夜以外において、分の表示と時間の表示との間の同期機構の存在を必要とする。
【0097】
機械システムは、マルタ十字、ラグ・クローバ、駆動クローバによるそれぞれの数十の駆動機構のおかげで、ユニット・ローラから数十のローラへのジャンプの瞬間を時間と分との両方で伝達する。
【0098】
分ディスプレイ90Mに「59」が表示されている場合は、位置「59」から位置「00」に切り替える際に、時間単位のジャンプを10分に同期させる必要があり、時間単位ローラ3も同期して回転する。
【0099】
2時間単位ローラ3Bおよび3Aを駆動する内側時間単位ローラ13のトリガ・レバーおよび外側時間単位ローラ14のトリガ・レバーは、ラグが待機状態になる数分前に落下する。
【0100】
したがって、図28は、時間変更の数分前に、内側分単位ローラ11のトリガ・レバーに類似している内側時間単位ローラ13のトリガ・レバーと、その時間カム23をちょうど離れたフィーラ指2313を示している。内側の時間単位ローラ13のこのトリガ・レバーは、数十分のローラ2のクローバ52に含まれるラグ528とベアリングで協働するように配置された第2のレバー制限指1380を含み、これは、数十分のローラ2がその回転を実行しない限り、内側時間単位ローラ13のトリガ・レバーが落下するのを防止する。
【0101】
同様に、図29は、図28と同時に、同じ機構を示している。この機構では、そのフィーラ指2314も時間カム23をちょうど離れたところである、外側の時間単位ローラ14のトリガ・レバーを見えるようにするために、内側の時間単位ローラ13のトリガ・レバーは示されていない。外側の時間単位ローラ14のこのトリガ・レバーはまた、第2のレバー・アバットメント指1490を含み、これは、分マルタ十字システムに運動学的に接続された駆動クローバ57に含まれるラグ579とベアリングで協働するように配置され、同様に、マルタ十字53がその回転を実行しない限り、外側の時間単位ローラ14のトリガ・レバーが落下するのを防止する。駆動クローバ57は、図29に見られるように、特に、分マルタ十字53のシャフトに平行なシャフトに回転可能に取り付けられている。
【0102】
数十分のローラ2が回転して表示位置「5」から表示位置「0」に切り替わると、2つのピン528および579は、それぞれのレバー13および14の経路を離れ、その後、落下する可能性がある。図30は、これらの2つのレバー13および14を、その位置「5」とその位置「0」との間で数十分のローラ2が回転した直後に、レバーの落下が時間単位ローラ3の駆動を可能にすることを示している。
【0103】
図31は、内側の時間単位ローラ13のトリガ・レバーと並置された時間単位補正レバー15を組み込んだ、時間に関連する全体の機構と、外側の時間単位ローラ14のトリガ・レバーと並置された数十時間の補正レバー16とを示しており、アセンブリは23:59の位置に示されている。この図は、2つの数十の駆動機構も示している。図7の表は、特に位置「23」から位置「00」への数十時間の切り替えを示しており、「03」から「04」および「13」から「14」への切り替えの従来の図には従わず、それは同じロジックに従うと、朝の最初の1時間の表示では、「24」ではなく「00」を永続的に表示する必要があるときに、表示を「23」から「24」に切り替えるためであり、通常の表示「23」「59」と「00」「00」との間に非常に短い一時的な表示「24」「00」があり、それぞれが約1分間表示されたままの変形を除外するものではない。
【0104】
したがって、表示「23」から表示「00」に切り替えるには、通常、内側の時間単位ローラ3Bを位置「3」から位置「4」、次に位置「0」に切り替えて、外側の時間単位ローラ3Aを回転させないようにすること、および数十時間の駆動機構の時間マルタ十字55を回転させずに、位置「2」から位置「0」に数十時間のローラ4を切り替える必要がある。
【0105】
図32および図33は、内側の時間単位ローラ13のトリガ・レバーの座ぐり135を支える横方向突起151を含む時間単位補正レバー15を示しており、突起151は、ジャンプする数分前に座ぐり135を支え、スタンバイ状態になる。時間単位補正レバー15は、内側の時間単位ローラ13のトリガ・レバーの駆動指1301の隣に位置するように配置され、内側の時間単位ローラ3Bの同じ駆動スター413と協働するように配置された駆動指1501を含む。内側の時間単位ローラ13のトリガ・レバーが深夜に落下すると、この時間単位補正レバー15も真夜中に切り替わると落下する。これにより、内側の時間ローラ3Bを2回駆動し、表示「3」から表示「0」に切り替えることができ、表示「4」を経由せずに図7の表に示されているように、朝の1時に同じである。
【0106】
図34は、時間単位補正レバー15と数十時間補正レバー16とを合わせて示しており、マルタ十字55によって数十駆動機構を操作せずに、深夜に表示「2」から表示「0」に切り替えることを可能にする構成である。この数十時間の補正レバー16は、真夜中の数分前に落下し、レバーに共通のピボット軸Bに平行な数十時間の補正レバー16によって担持されるシャフト17であるシンクロナイザを介して時間単位補正レバー15を支え、そのベアリング表面172は、時間単位補正レバー15のベアリング面152と協働する。この図34は、再び、これらの2つのレバー15および16のフィーラ指2415および2416を示しており、これらは両方とも、これらのレバーの落下を許可または禁止する24時間モバイル24と協働するように配置されている。
【0107】
対応する外側ローラ1A、3Aを回転させずに2位置のジャンプで内側ローラ1B、3Bを直接切り替えることを可能にするために、補正レバー15は、回転フック154を担持し、これは、この内側ローラ1B、3Bを駆動するためのトリガ・レバー11、13によって担持されるフック・アクチュエータ138と協働し、そのためトリガ・レバー13のストロークの終わりに、そのフック・アクチュエータ138がフック154を解放し、補正レバー15の落下を可能にし、これは、内側ローラ1B、3Bを駆動するために、24時間モバイル24によって解放される。
【0108】
時間単位表示の内側ローラ3Bの位置「3」から位置「4」、次に位置「0」に切り替えるには、図35乃至図39に見られるように、特定の配置が必要である。位置「3」から位置「4」への切り替えは、毎時間の切り替えと同様に行われるが、内側時間ローラ13のトリガ・レバーがストローク終了時に、ピボット・フック154を押す。ピボット・フック154は、プレートなどの固定要素と一体のピボット153上に枢動可能に取り付けられ、時間単位補正レバー15を解放して、同じスター413をもう一度作動させ、したがって、位置「4」から位置「0」に切り替える。
【0109】
図35は、内側時間ローラ13のトリガ・レバーと時間単位補正レバー15とを一緒に並べて示しており、これらの組み合わせにより、外側ローラ3Aを回転させずに、内側時間ローラ3Bの位置「3」から位置「0」への直接切り替えと、数十の駆動機構の時間マルタ十字55を回転させずに、数十時間のローラの位置「2」から位置「0」への切り替えとを含む特定の表示切り替えが可能である。外側ローラ3Aを回転させずに、内側時間ローラ3Bを位置「3」から位置「4」を介して位置「0」に直接切り替えることを可能にするために、時間単位補正レバー15は、ピボット・フック154を担持し、ピボット・フック154は内側時間ローラ13のトリガ・レバーによって担持されるフック・アクチュエータ138と協働する。この図は、これらの2つのレバー13および15の駆動指1301および1501が並置されており、これらは、内側時間単位ローラの同じ駆動スター413と協働するように配置されていることを示している。時間単位補正レバー15は、複合24時間モバイル24、特にその外側トラックと協働するように配置されたフィーラ指2415を含む。位置「3」から位置「4」への切り替えは、従来、内側時間ローラ13のトリガ・レバーの駆動指1301によって制御され、時間単位補正レバー15は、このフック154によって固定されている。
【0110】
そして、内側時間ローラ13のトリガ・レバーのストロークの終わりに、そのフック・アクチュエータ138がフック154を解放し、24時間モバイル24によって解放された時間単位補正レバー15を落下させる。その駆動指1501は、位置「0」を表示するために、内側時間ローラ3Bのスター413の新しい回転を制御する。
【0111】
フック・アクチュエータ138は、ピボット・フック154の斜めのトラック158を押すように構成されている。レバー15は、ブロッキング・ピン156を担持し、フック154の角度ストロークの一部の間にフック154の円筒形トラック155と協働し、フック・アクチュエータ138の圧力下でのフックの角度ストロークの終わりにそれを逃れるピン支持指152を担持する。図37では、フック・アクチュエータ138は、フック154の斜めのトラック158を支えており、2つのレバー13および15のいずれも回転していない。図38は、位置「3」から位置「4」に切り替えるための、内側時間ローラ13のトリガ・レバーの落下の開始を示している。フック・アクチュエータ138は、斜めのトラック158を押し戻し、フック154を回転させ、フック154は、同心の円筒形トラック155でピン156と依然として協働し、時間単位補正レバー15を固定する。図39は、位置「3」から位置「4」に切り替えるための内側時間ローラ13のトリガ・レバーの落下の終わりを示している。フック・アクチュエータ138は、フック154の斜めのトラック158を押し戻し、フック154を回転させ、フック154は、そのピン156から脱出し、時間単位補正レバー15を解放し、これもまた、24時間モバイル24によって解放され、内側時間ローラ13のトリガ・レバーが「0」の位置に向かって落下する動作下で、わずかに位置「4」にちょうど切り替わった内側時間単位ローラ・3Bを、その駆動指1501によって回転および駆動することができる。24時間モバイル24は、時間単位補正レバー15が1日2回、深夜と午前1時にのみ落下できるように配置されている。この目的のために、24時間カム247は、この時間範囲に対応するノッチ249を有する。残りの時間、時間単位補正レバー15は、24時間カム247の上部に留まり、それが落下するのを防ぎ、内側の時間単位ローラ3Bのスター413を回転させるのを防ぐ。
【0112】
数十時間のローラ4を位置「2」から位置「0」に切り替えるには、すでに図34に示されている数十時間の補正レバー16の介入が必要である。図41に見られるように、数十時間の補正レバー16は、24時間モバイル24上にある24時間のカム246と協働して、このレバー16を毎日深夜に解放して、数十時間のローラ4に接続されたスター416を駆動し、位置「2」から位置「0」に切り替える。しかし、その場合、時間マルタ十字55を含む数十の駆動機構を短絡する必要がある。これは、深夜に、外側の時間単位ローラ3Aが回転を遮断するためである。これは、機構が図42の状況にあり、解放機構70の設置が必要である深夜の遮断位置にあるためである。
【0113】
この解放機構70の特定の変形は、図41に部分的に見られ、図43乃至図47によって詳細に示されている。この解放機構70は、自動リバーサーのものと同様の遊星ホイール71を備えた自己遮断ホイール73を含み、数十時間の駆動機構の時間マルタ十字55に接続された駆動クローバとは無関係に、数十時間のローラ4の回転を可能にし、駆動機構は、順番にブロックされる。図43は、数十時間ローラ4のクローバ54を示し、そのクローバ54の下で、この自己遮断ホイール73が遊星ホイール71、特に、限定されないが3つの遊星ホイール71と協働するのを見ることができる。これは、3つのスタッドまたは数十時間のローラ4によって担持されるピボット72上で回転する。
【0114】
図45は、従来の数十のスイッチングを示している。外側の時間単位ローラ3Aが位置「9」から位置「0」に切り替わると、それは、自己遮断ホイール73と一体のクローバ54を回転させる時間マルタ十字55を作動させる。遊星ホイール71は、特定の不可逆形状を有し、自己遮断ホイール73の歯で遮断され、これにより、数十時間のローラ4が回転する。図に示すように、自己遮断ホイール73と数十時間のローラ4は時計回りに回転し、少なくとも1つの遊星ホイール71が自己遮断ホイール73の歯で支えられている。
【0115】
位置「23」「59」から位置「00」「00」への切り替えを図46および図47に示す。数十時間のローラ4のスター416のレバーが落下すると、後者も図において時計回りに回転します。次に、遊星ホイール71は、それらの歯の形状のおかげで、自己遮断ホイールの周りを自由に回転することができる。より具体的には、死角を減らすために遊星ホイールの間に角度オフセットが課せられる。
【0116】
当然のことながら、解放機構70は、例えばフリーホイール・タイプの機構を用いて他の建設的な形態をとることができ、一方向への回転を可能にし、このボールが封入されている区画の壁にボールをブロックすることなどによって他の方向にクラッチを課す。
【0117】
したがって、この解放機構70のいくつかの代替案は、2つの入口を含み得る。
【0118】
本発明によるローラ・ジャンプ時計表示機構100は、少量で、メイン・ディスプレイまたはセカンダリ・ディスプレイを単独で、または他のディスプレイと組み合わせてまたは並置して構成することができる元のディスプレイを有することを可能にする。
【0119】
以下に説明する特定の用途は、時計1000、特に腕時計であり、主表示機構および二次表示機構を駆動するための少なくとも1つのムーブメント500を含む。選択された例は、火星への宇宙ミッションに関連している。ディスプレイの1つは、地球、および地球の日と時間の期間に関連するものであり、もう1つのディスプレイは、本発明によるローラ・ジャンプ時計表示機構100を用いて作製されたものであり、火星、および火星の日と時間の期間に関連している。この特定のケースでは、火星の太陽時の期間は24.659790地球時間(約24時間40地球分)である。したがって、地上の日の長さと火星の日の長さとの比率は、24/24.659790=0.973244296089269に等しくなる。
【0120】
腕時計で使用するのに適度な歯数のモバイルを使用する適切なタイマーには、1回転を実行する22歯の地球大砲ピニオンが含まれ、36歯のタイマー・ピニオンは0.6111回転を実行する。27歯の火星大砲ピニオンと協働する43歯のタイマー・ホイールも含まれ、0.973251028806584回転を実行する。このタイマーに関連するエラーは小さく、6.733.10-6前後である。これは4.10-4地球分、または0.02424地球秒、または地球1日あたり0.58171秒に対応する。
【0121】
したがって、1日あたり約0.58秒の前進がある。火星の時刻の表示が23:59から00:00に変わると、火星が実際に自転を完了する0.58秒前に変化が発生する。
【0122】
もちろん、他のギアトレイン比では、より小さなエラーを実現できる。12歯のタイマー・ピニオンが1.583333回転すると、1回転する19歯の地球大砲ピニオンと、67歯のタイマー・ホイールである。これは、109歯の火星の大砲ピニオンと連携し、0.973241590214067回転を実行する。したがって、このタイマーに関連するエラーは、1日あたり約マイナス0.23秒だが、その引き換えとして歯数が多いギアトレインとなり、はるかに多くの体積を必要とする。
【0123】
したがって、1日あたり約0.58秒進むタイマー機構は、腕時計にとって優れたソリューションであり続けます。このエラーは、多くの通常の時計レギュレーターの動作エラーよりもはるかに低いことに注意されたい。
【0124】
図48は、ギアトレイン600を概略的に示しており、以下を順番に含む。
- 24地球時間で1回転を実行する地球大砲ピニオン610;
- タイマー・モバイル620;
- 24.6596地球時間で1回転する火星の大砲ピニオン630;
- 乗数/減速ギアトレイン640;
- カム650のセット。これには、分カム21、10分カム22、時間カム23、12時間カム244および245、24時間カム246、および補正カム247が含まれる。
- トリガ・レバーと補正レバーのセット660。これには、内側の分単位ローラ11のトリガ・レバー、外側の分単位ローラ12のトリガ・レバー、内側の時間単位ローラ13のトリガ・レバー、外側の時間単位ローラ14、時間単位補正レバー15、および数十時間補正レバー16が含まれる。
- 表示ローラ670のセット。ここでは、分単位ローラ1、数十分ローラ2、時間単位ローラ3、および数十時間ローラ4が含まれる。
【0125】
図49は、タイマー・ピニオン621およびタイマー・ホイール622を含むタイマー・モバイル620を介した地球大砲ピニオン610と火星大砲ピニオン630との間の接続を概略的に示している。
【0126】
図50は、乗数/減速ギアトレイン640の斜視図であり、これは、時間カム23が配置されている火星大砲ピニオン630から、24時間モバイル24を駆動するための第1の減速ギアトレイン641、および分カム21および10分カム22を駆動するための第2の乗数ギアトレイン642を含む。この第1の減速ギアトレイン641は、時間643のタイマー・モバイル、12時間モバイル644、および24時間モバイル24を含む。この第2の乗数ギアトレイン642は、中間モバイル645、乗数モバイル646、分カム21を担持する分モバイル647、および10分カム22を担持する10分モバイル648を含む。
【0127】
本発明はまた、一次時間表示、二次表示、第2の時間帯、クロノグラフ、または任意の他の表示にも適用可能である。
【符号の説明】
【0128】
100 ローラ・ジャンプ時計表示機構
10 複合ローラ
1、1A、1B、2、3、3A、3B、4 ローラ
1C、3C 開口部
5、6 開口部
11、12、13、14、15、16 トリガまたは補正レバー
17 機構
50 駆動機構
51、56、511、528、561、579 ラグ
52、54 クローバ
53、55 マルタ十
70 解放機構
72 遊星ホイールキャリア・スタッドまたはピボット
73 自己遮断ホイール
81 弾性ブレード
82 前部アバットメント
83 後部アバットメント
109 ポーン
135 座ぐり
138 フック・アクチュエータ
154 ピボット・フック
21、22、23、24、244、245、246、247 カム
119、129、139、149、159、169 第2の弾性戻り手段
200 上流ディスプレイ・アセンブリ
211、529、531、541、551 溝
311、312、313、314、316 第1の弾性戻り手段
300 下流ディスプレイ・アセンブリ
411、412、413、414、416 スター
500 ムーブメント
1101、1301、1501 駆動指
1380 レバー制限指
2111、2211、2212、2313、2413、2414、2415、2416 フィーラ
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