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特許7241883抗ANGPTL3/8複合体抗体およびその使用方法
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  • 特許-抗ANGPTL3/8複合体抗体およびその使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】抗ANGPTL3/8複合体抗体およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/22 20060101AFI20230310BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20230310BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230310BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230310BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230310BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20230310BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20230310BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230310BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230310BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20230310BHJP
【FI】
C07K16/22 ZNA
C12P21/08
C12N5/10
A61K39/395 N
A61K39/395 J
A61P3/10
A61P3/04
A61P3/06
A61P1/16
A61P13/12
C12N15/13
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2021535936
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 US2019066261
(87)【国際公開番号】W WO2020131624
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】62/783,260
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/783,265
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】チャイ,チン
(72)【発明者】
【氏名】デイ,ジョナサン ウェズリー
(72)【発明者】
【氏名】コンラッド,ロバート ジョン
(72)【発明者】
【氏名】チアン,ユエウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シュレーダー,オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】シーゲル,ロバート ウィリアム
【審査官】伊達 利奈
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/177181(WO,A1)
【文献】Journal of Lipid Research, 2017, Vol.58,No.6, pp.1166-1173
【文献】Endocrinology, 2017, Vol.158, No.5,pp.1252-1259
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽鎖決定領域LCDR1、LCDR2、およびLCDR3、ならびに重鎖決定領域HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含むヒトANGPTL3/8複合体に結合する抗体であって、LCDR1が、RSSQSLLDSDDGNTYLD(配列番号11)のアミノ酸配列を有し、LCDR2が、YMLSYRAS(配列番号12)のアミノ酸配列を有し、LCDR3が、MQRIEFPLT(配列番号13)のアミノ酸配列を有し、HCDR1が、TFSGFSLSISGVGVG(配列番号14)のアミノ酸配列を有し、HCDR2が、LIYRNDDKRYSPSLKS(配列番号15)のアミノ酸配列を有し、ならびにHCDR3が、ARTYSSGWYGNWFDP(配列番号16)のアミノ酸配列を有する、抗体。
【請求項2】
軽鎖可変領域(LCVR)を含み、前記LCVRが配列番号9のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記HCVRが配列番号10のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
前記LCVRが配列番号9のアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号10のアミノ酸配列を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項5】
前記抗体が、IgG4アイソタイプである、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項6】
軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含むヒトANGPTL3/8複合体に結合する抗体であって、前記LCが配列番号5、21、22、23、24および25からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、前記HCが配列番号6のアミノ酸配列を含む、抗体。
【請求項7】
前記LCが配列番号5のアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号6のアミノ酸配列を有する、請求項6に記載の抗体。
【請求項8】
前記LCが配列番号21のアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号6のアミノ酸配列を有する、請求項6に記載の抗体。
【請求項9】
前記LCが配列番号22のアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号6のアミノ酸配列を有する、請求項6に記載の抗体。
【請求項10】
前記LCが配列番号23のアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号6のアミノ酸配列を有する、請求項6に記載の抗体。
【請求項11】
前記LCが配列番号24のアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号6のアミノ酸配列を有する、請求項6に記載の抗体。
【請求項12】
前記LCが配列番号25のアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号6のアミノ酸配列を有する、請求項6に記載の抗体。
【請求項13】
抗体の作製方法であって、配列番号5および6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするcDNA分子を含む哺乳動物細胞を、前記ポリペプチドが発現するような条件下で培養し、前記抗体を回収することを含む、方法。
【請求項14】
抗体の作製方法であって、配列番号21および6のアミノ酸配列を含む抗体をコードするcDNA分子を含む哺乳動物細胞を、前記抗体が発現するような条件下で培養し、前記抗体を回収することを含む、方法。
【請求項15】
抗体の作製方法であって、配列番号22および6のアミノ酸配列を含む抗体をコードするcDNA分子を含む哺乳動物細胞を、前記抗体が発現するような条件下で培養し、前記抗体を回収することを含む、方法。
【請求項16】
抗体の作製方法であって、配列番号23および6のアミノ酸配列を含む抗体をコードするcDNA分子を含む哺乳動物細胞を、前記抗体が発現するような条件下で培養し、前記抗体を回収することを含む、方法。
【請求項17】
抗体の作製方法であって、配列番号24および6のアミノ酸配列を含む抗体をコードするcDNA分子を含む哺乳動物細胞を、前記抗体が発現するような条件下で培養し、前記抗体を回収することを含む、方法。
【請求項18】
抗体の作製方法であって、配列番号25および6のアミノ酸配列を含む抗体をコードするcDNA分子を含む哺乳動物細胞を、前記抗体が発現する条件下で培養し、前記抗体を回収することを含む、方法。
【請求項19】
抗体の作製方法であって、第1のcDNA分子が、配列番号5、21、22、23、24および25からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む前記抗体の軽鎖をコードし、第2のcDNA分子が、配列番号6のアミノ酸配列を含む前記抗体の重鎖をコードする、少なくとも2つのcDNA分子を含む哺乳動物細胞を、前記抗体が発現するような条件下で培養し、前記抗体を回収することを含む、方法。
【請求項20】
前記抗体が、標準的なリポタンパク質リパーゼ活性アッセイにおいて3.0nM以下のEC50を伴って、ヒトANGPTL3/8複合体に結合し、それを中和する、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項21】
前記抗体が、ELISAアッセイによって測定される場合に、最大100nMまでは、ヒトANGPTL3/8複合体に結合し、ヒトANGPTL3単独またはヒトANGPTL8単独には結合しない、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項22】
前記抗体が、投与後14日の時点で、10mg/kgの用量で、IgG対照と比較して、インビボでトリグリセリドを少なくとも50%低下させる、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項23】
請求項1~12および20~2のいずれか一項に記載の抗体と、許容される担体、希釈剤、または賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項24】
配列番号5および6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む哺乳動物細胞であって、前記細胞が前記ポリペプチドを発現することができる、哺乳動物細胞。
【請求項25】
配列番号21および6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む哺乳動物細胞であって、前記細胞が前記ポリペプチドを発現することができる、哺乳動物細胞。
【請求項26】
配列番号22および6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む哺乳動物細胞であって、前記細胞が前記ポリペプチドを発現することができる、哺乳動物細胞。
【請求項27】
配列番号23および6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む哺乳動物細胞であって、前記細胞が前記ポリペプチドを発現することができる、哺乳動物細胞。
【請求項28】
配列番号24および6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む哺乳動物細胞であって、前記細胞が前記ポリペプチドを発現することができる、哺乳動物細胞。
【請求項29】
配列番号25および6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む哺乳動物細胞であって、前記細胞が前記ポリペプチドを発現することができる、哺乳動物細胞。
【請求項30】
第1のDNA分子および第2のDNA分子を含む哺乳動物細胞であって、前記第1のDNA分子が、配列番号5、21、22、23、24または25からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、前記第2のDNA分子が、配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、前記細胞が、前記ポリペプチドを発現することができる、哺乳動物細胞。
【請求項31】
抗体が発現するような条件下で請求項2~3のいずれか一項に記載の哺乳動物細胞を培養することと、前記発現した抗体を回収することとを含む、前記抗体を作製するための、方法。
【請求項32】
請求項1~12および20~2のいずれか一項に記載の抗体を含む、ASCVD、糖尿病、肥満、NASH、CKD、もしくは高トリグリセリド血症、またはそれらの組み合わせの治療剤であって、前記治療を必要とする患者に、有効量の前記抗体を投与することを特徴とする、治療剤。
【請求項33】
請求項1~12および20~2のいずれか一項に記載の抗体を含む、トリグリセリドを低下させる薬剤であって、トリグリセリドの低下を必要とする患者に、有効量の前記抗体を投与することを特徴とする、薬剤。
【請求項34】
治療における使用のための薬剤の製造における、請求項1~12および20~2のいずれか一項に記載の抗体の使用。
【請求項35】
ASCVD、糖尿病、肥満、NASH、CKD、もしくは高トリグリセリド血症、またはそれらの組み合わせの治療に使用するための薬剤の製造における、請求項1~12および20~2のいずれか一項に記載の抗体の使用。
【請求項36】
ASCVD、糖尿病、肥満、NASH、CKD、もしくは高トリグリセリド血症、またはそれらの組み合わせを治療することに使用するための、有効量の請求項1~12および20~2のいずれか一項に記載の抗体を含む、薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して生物学および医学に関し、より詳細には、ヒトアンジオポエチン様タンパク質(ANGPTL)3/8複合体に結合し、それによってそれを中和する抗体(Ab)に関する。このような抗体は、リポタンパク質リパーゼ(LPL)活性を増加させ、それによって血清トリグリセリド(TG)を低下させ、脂質代謝関連およびグルコース代謝関連の疾患および障害の治療に使用され得る。
【背景技術】
【0002】
ANGPTLは、多くの生理学的および病態生理学的プロセスを調節するタンパク質のファミリーである。本明細書において特に興味深いのは、脂質およびグルコース代謝におけるANGPTL3およびANGPTL8の役割である。
【0003】
エビデンスによって、リポタンパク質代謝の主要な調節因子としてのANGPTL3の役割が支持されており、ANGPTL3は、LPLを阻害し、内皮リパーゼ(EL)を阻害することによってTGクリアランスを調節している可能性がある。Chi et al.(2017)Mol.Metab.6:1137-1149を参照されたい。ANGPTL3の欠乏、不活性化、または損失により、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)、およびTGのレベルが低下する可能性がある。ANGPTL3はまた、インスリン感受性に影響を与える可能性があり、それによって脂質代謝だけでなく、グルコース代謝の調節にも役割を果たす可能性がある。Robciuc et al.(2013)Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.33:1706-1713を参照されたい。ヒトANGPTL3の核酸およびアミノ酸配列は公知である。例えば、NCBI参照配列番号NM_014495(配列番号1)には、1つの核酸配列が見出され、NCBI参照配列番号NP_055310(配列番号2)には、1つのアミノ酸配列が見出される。
【0004】
ANGPTL8は、肝臓および脂肪組織で高度に発現しており、ANGPTL3と複合体を形成し、それによってANGPTL3を活性化することにより、LPLを阻害することが報告されている。前述のChiを参照されたい。ヒトANGPTL8は、摂食によって誘発されるようである。ヒトANGPTL8の核酸およびアミノ酸配列は公知である。例えば、NCBI参照配列番号NM_018687(配列番号3)には、1つの核酸配列が見出され、NCBI参照配列番号NP_061157(配列番号4)には、1つのアミノ酸配列が見出される。
【0005】
1つ以上のANGPTL8に結合された1つ以上のANGPTL3を有するANGPTL3/8複合体が存在する。エビデンスによって、これらの複合体は、ANGPTL3またはANGPTL8単独と比較した場合、LPLの阻害をより効果的に媒介することが示唆されている。さらに、ANGPTL3/8複合体は、哺乳動物発現系においてANGPTL8およびANGPTL3を共発現することにより、インビトロで作製することができる。前述のChiを参照されたい。
【0006】
ANGPTL3またはANGPTL8のいずれかに結合し、脂質代謝関連およびグルコース代謝関連の疾患および障害を治療するために、単独でまたは互いに組み合わせて使用できる抗体が知られている。例えば、国際特許出願公開第WO2012/174178号は、ANGPTL3に結合してその活性を妨害する完全ヒトモノクローナルAbおよびその抗原結合フラグメントを開示している。他の治療用抗ANGPTL3抗体も知られている。例えば、国際特許出願公開第WO2008/073300号および米国特許第7,935,796号を参照されたい。同様に、国際特許出願公開第WO2017/027316号は、ANGPTL8に結合してその活性を妨害する完全ヒトモノクローナルAbまたはその抗原結合フラグメントを開示している。また、国際特許出願公開第WO2017/177181号は、抗ANGPTL3抗体および抗ANGPTL8抗体の併用療法を開示している。
【0007】
残念ながら、ANGPTL3またはANGPTL8のいずれかにのみ結合する既存の抗体は、脂質および/またはグルコース代謝に対するこれらのANGPTLおよび/またはANGPTL3/8複合体の効果を完全に無効にするわけではない。例えば、Dewey et al.(2017)N.Engl.J.Med.377:211-221、およびGusarova et al.(2017)Endocrinology 158:1252-1259を参照されたい。それを考慮すると、脂質代謝関連およびグルコース代謝関連疾患および障害を治療するための追加のAb、特に抗ANGPTL3/8複合体Abが必要であり、このようなAbは、脂質および/またはグルコース代謝を調節するための改善された薬理学的な阻害的および/または制御的特性を有する。
【発明の概要】
【0008】
この必要性に対処するために、改変ANGTPL3/8複合体の核酸およびアミノ酸配列が提供される。したがって、改変ANGPTL3および改変ANGPTL8の1つ以上(すなわち、融合タンパク質)をコードする核酸配列が本明細書に記載される。場合によっては、核酸配列には、配列番号17のアミノ酸配列を有するANGPTL3融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列が含まれる。他の例では、核酸配列には、配列番号18のアミノ酸配列を有するANGPTL8融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列が含まれる。さらに他の例では、核酸配列は、配列番号17および18をコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0009】
さらに、本明細書に記載のANGPTL3融合タンパク質、本明細書に記載のANGPTL8融合タンパク質、またはその両方をコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸構築物が提供され、そのような構築物は発現カセットまたはベクターであり得る。
【0010】
上記を考慮して、本明細書に記載の1つ以上の発現カセットまたはベクターを含む宿主細胞が提供される。場合によっては、宿主細胞は真核細胞である。場合によっては、ANGPTL3およびANGTPL8融合タンパク質のポリヌクレオチド配列は、別々の発現カセットまたはベクター上にあり、他の場合には、それらは同じ発現カセットまたはベクター上にあり得る。
【0011】
また、配列番号17または19のアミノ酸配列、ならびにその活性バリアントまたはフラグメントを含むANGPTL3融合タンパク質が提供される。同様に、配列番号18または20のアミノ酸配列、ならびにその活性バリアントまたはフラグメントを含むANGPTL8融合タンパク質が提供される。
【0012】
さらに、機能的ANGPTL3/8複合体、特にヒトANGPTL3/8複合体が提供され、複合体のANGPTL3部分は天然(完全長または切断型)ANGPTL3または本明細書に記載のANGPTL3融合タンパク質であり、複合体のANGPTL8部分は、本明細書に記載のANGPTL8融合タンパク質である。場合によっては、ANGPTL3融合タンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列を含む。同様に、場合によっては、ANGPTL8融合タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列を含む。さらに、場合によっては、複合体は、ANGPTL3部分対ANGPTL8部分の1:1の比率を有することができる。他の例では、複合体は、1:1以外の比率、例えば、それぞれ1:2、1:3、2:1、または3:1のANGPTL3部分対ANGPTL8部分の比率を有することができる。
【0013】
組換えANGTPL3/8複合体を作製するための方法も提供される。この方法は、本明細書に記載のANGPTL3部分およびANGPTL8部分の1つ以上のポリヌクレオチド配列を、哺乳動物発現系などの宿主細胞で発現させて、そこからANGPTL3/8複合体を得るという少なくとも1つの工程を含むことができる。場合によっては、ANGPTL3およびANGPTL8部分は、別個の発現構築物またはベクター上に提供される。他の例では、ANGPTL3およびANGPTL8が1つの発現構築物またはベクターで提供される。この方法は、結果として生じるANGPTL3/8複合体を精製する工程も含むことができ、これにはANGPTL3/8複合体を濃縮するだけでなく、ANGPTL3部分および/またはANGPTL8部分から1つ以上のタグ、リンカー、ならびに血清アルブミンを除去することも含まれ得る。この方法はまた、精製工程の前および/または後にANGPTL3/8複合体を濃縮する工程を含むことができる。
【0014】
第二に、ANGPTL3/8複合体に対するAbおよびその使用が提供され、これには、ANGPTL3/8複合体に結合し、それによってANGPTL3/8複合体活性を阻害することにより脂質代謝関連およびグルコース代謝関連疾患および障害を治療することが含まれる。
【0015】
本明細書に記載の抗ANGPTL3/8複合体Abまたはその薬学的に許容される塩の有効量は、LPL活性の増加、TGの低下、ならびに脂質代謝および/またはグルコース代謝関連疾患または障害の治療のために、それらを必要とする個体において使用され得る。
【0016】
本明細書に記載の抗ANGPTL3/8複合体Abは、可溶性ANGPTL3/8複合体に結合し、それによってLPL活性を増加させ、血清TGレベルを低下させる。TGレベルが低い個体は、心血管疾患のリスクが低くなる。有利なことに、本明細書に記載の抗ANGPTL3/8複合体Abは、適切な濃度では、ANGPTL3/8複合体のみに結合し、ANGPTL3単独またはANGPTL8単独には結合しない。抗ANGPTL3/8複合体Abは、TGが豊富なリポタンパク質(TRL)の異化作用を増加させ、TGおよび/または非HDL-Cを減少させ、それによって、現在の療法では対処することのできないアテローム性動脈硬化症(ASCVD)の脂質異常症の危険因子を改善すると考えられている。さらに、本明細書に記載の抗ANGPTL3/8複合体Abは、ANGPTL3またはANGPTL8単独には結合しないため、これらのANGPTLの他の作用は阻害されず、ELの抑制解除の減少などの不都合なインビボ効果が少なくなる可能性がある。
【0017】
特に、抗ANGPTL3/8複合体Abは、ヒト抗ANGPTL3/8複合体Abである。場合によっては、抗ANGPTL3/8複合体Abは、ANGPTL3/8複合体のインビボ活性、特にそのLPL阻害活性を抑制、遮断、阻害、干渉、中和、または低下させることができる。場合によっては、抗ANGPTL3/8複合体Abは、完全長であるか、または抗原結合フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)またはscFvフラグメント)のみであり得る。抗ANGPTL3/8複合体Abの望ましい特性には、低用量のAbでのTG低下が含まれ、これは少なくとも21日間持続する。
【0018】
場合によっては、抗ANGPTL3/8複合体は、ヒトANGPTL3/8複合体に結合し、軽鎖決定領域LCDR1、LCDR2、およびLCDR3、ならびに重鎖決定領域HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、LCDR1は、RSSQSLLDSDDGNTYLD(配列番号11)のアミノ酸配列を有し、LCDR2は、YMLSYRAS(配列番号12)のアミノ酸配列を有し、LCDR3は、MQRIEFPLT(配列番号13)のアミノ酸配列を有し、HCDR1は、TFSGFSLSISGVGVG(配列番号14)のアミノ酸配列を有し、HCDR2は、LIYRNDDKRYSPSLKS(配列番号15)のアミノ酸配列を有し、HCDR3は、ARTYSSGWYGNWFDP(配列番号16)のアミノ酸配列を有する。
【0019】
軽鎖可変領域(LCVR)を含むAbがさらに提供され、ここで、LCVRは、配列番号9のアミノ酸配列を有する。あるいは重鎖可変領域(HCVR)を含むAbがさらに提供され、ここで、HCVRは、配列番号10のアミノ酸配列を有する。場合によっては、Abは、配列番号9のアミノ酸配列を有するLCVRおよび配列番号10のアミノ酸配列を有するHCVRを含む。場合によっては、Abは、軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含み、ここで、LCは、配列番号5のアミノ酸配列を有し、HCは、配列番号6のアミノ酸配列を有する。代替的には、Abは、軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含み、ここで、LCは、配列番号5のアミノ酸配列を有し、重鎖(HC)が配列番号6のアミノ酸配列を有する。場合によっては、Abは、IgG4アイソタイプである。
【0020】
場合によっては、抗ANGPTL3/8複合体Abは、配列番号5のアミノ酸配列を有するLCに関しては、上記のAbのバリアント、特にD31S変異(配列番号21)、D33A変異(配列番号22)、D33T変異(配列番号23)、M56T変異(配列番号24)、E99Q変異(配列番号25)またはそれらの組み合わせ(例えば、D33TおよびM56T変異、またはD33AおよびM56T変異)を有するLCバリアントであり得る。
【0021】
さらに、配列番号5および6のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするcDNA分子を含む哺乳動物細胞を、ポリペプチドが発現するような条件下で培養し、抗体を回収することにより作製された抗体が提供される。さらに、配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする第1のcDNAと、配列番号6のアミノ酸を有するポリペプチドをコードする第2のcDNA分子との、2つのcDNAを含む哺乳動物細胞を、ポリペプチドが発現するような条件下で培養し、抗体を回収することにより、作製した抗体が提供される。場合によっては、抗ANGPTL3/8複合体Abは、配列番号5のアミノ酸配列を有するLCに関しては、上記のAbのバリアント、特にD31S変異(配列番号21)、D33A変異(配列番号22)、D33T変異(配列番号23)、M56T変異(配列番号24)、E99Q変異(配列番号25)またはそれらの組み合わせを有するLCバリアントであり得る。
【0022】
さらに、標準のLPL活性アッセイにおいて、0.5nM以下のEC50でヒトANGPTL3/8複合体に結合して中和するAbが提供される。また、1×10-6M以下の解離定数でヒトANGPTL3/8複合体に結合するAbが提供される。さらに、1×10-6Mより大きな解離定数でANGPTL3およびヒトANGPTL8に結合するAbも提供される。さらに、シングルポイントELISAアッセイによって測定される場合に、非結合バックグラウンドシグナルよりも3倍超大きいシグナルを伴ってヒトANGPTL3/8複合体に結合するが、シングルポイントELISAアッセイによって測定される場合に、非結合のバックグラウンドシグナルより3倍超大きいシグナルを伴ってヒトANGPTL3単独またはヒトANGPTL8単独には結合しないAbが提供される。同様に、投与後14日の時点で、10mg/kgの用量で、IgG対照と比較して、インビボでTGを少なくとも50%低下させるAbが提供される。
【0023】
第三に、本明細書のAbまたは本明細書のAbの集団および許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む薬学的組成物が提供される。配列番号5および配列番号6のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む哺乳動物細胞も提供され、ここで細胞は本明細書のAbを発現することができる。第1のDNA分子および第2のDNA分子を含む哺乳動物細胞がさらに提供され、ここで、第1のDNA分子は、配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、第2のDNA分子は、配列番号6のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、細胞は本明細書のAbを発現することができる。場合によっては、抗ANGPTL3/8複合体Abは、配列番号5のアミノ酸配列を有するLCに関しては、上記のAbのバリアント、特にD31S変異(配列番号21)、D33A変異(配列番号22)、D33T変異(配列番号23)、M56T変異(配列番号24)、E99Q変異(配列番号25)またはそれらの組み合わせを有するLCバリアントであり得る。
【0024】
第四に、Abを作製するための方法が提供され、この方法は、配列番号5および配列番号6のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を有するDNA分子を有する哺乳動物細胞を培養することであって、細胞は、Abが発現されるような条件下で本明細書のAbを発現することができる、培養することと、発現されたAbを回収することとを含む。場合によっては、配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、D31S変異、D33A変異、D33T変異、M56T変異、E99Q変異、またはそれらの組み合わせをコードすることができる。ASCVD、慢性腎臓病(CKD)、糖尿病、高トリグリセリド血症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肥満、またはそれらの組み合わせを治療する方法も本明細書に提供され、この方法は、治療を必要とする個体に本明細書の有効量のAbを投与することを含む。本明細書の有効量のAbをTGを低下させる必要のある個体に投与することを含む、TGを低下させる方法がさらに提供される。
【0025】
第五に、療法に使用するためにAbが提供される。特に、Abは、ASCVD、CKD、糖尿病、高トリグリセリド血症、NASH、肥満(obsesity)、またはそれらの組み合わせの治療に使用するためのものである。また、ASCVD、CKD、糖尿病、高トリグリセリド血症、NASH、肥満(obsesity)、またはそれらの組み合わせを治療することに使用するための薬学的組成物も提供され、それは、本明細書のAbを有効量で含む。
【0026】
上記以外の利点、効果、特徴および目的は、以下の詳細な説明を考慮すれば、より容易に明らかになるであろう。そのような詳細な説明は、次の図面(複数可)を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】還元および非還元条件下で実行されたANGPTL3/8複合体を示すSDSページゲルの画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
不定冠詞「a」または「an」による要素への言及は、文脈が1つおよび1つのみの要素があることを明確に要求しない限り、複数の要素が存在する可能性を排除しない。よって、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は、通常「少なくとも1つ」を意味する。
【0029】
定義
本明細書で使用される場合、「約」は、例えば、明記された濃度、長さ、分子量、pH、配列同一性、時間枠、温度、体積などの値(複数の場合がある)の統計学的に意味のある範囲内を意味する。このような値または範囲は、所定の値または範囲の典型的には20%以内、より典型的には10%以内、さらにより典型的には5%以内の大きさの範囲内であり得る。「約」によって包含される許容される変動は、研究での特定の系に依存し、当業者によって容易に理解され得る。
【0030】
本明細書で使用される「親和性」は、ANGPTL3/8複合体上のエピトープへのAbの結合の強さを意味する。
【0031】
本明細書で使用される「アンジオポエチン様タンパク質3」または「ANGPTL3」とは、配列番号2を含むアミノ酸配列を有するタンパク質を意味する。
【0032】
本明細書で使用される「アンジオポエチン様タンパク質8」または「ANGPTL8」とは、配列番号4を含むアミノ酸配列を有するタンパク質を意味する。
【0033】
本明細書で使用される「ANGPTL3/8複合体」は、1つ以上のANGPTL8化合物に結合した1つ以上のANGPTL3化合物のマルチタンパク質複合体を意味する。
【0034】
本明細書で使用される「抗ANGPTL3/8複合体Ab」または「抗ANGPTL3/8複合体Ab」は、特にANGPTL3/8の形態の場合、ANGPTL3およびANGPTL8の両方の領域を同時に認識して結合するAbを意味する。一般に、抗ANGPTL3/8複合体Abは通常、他のANGPTLファミリーメンバー(例えば、ANGPTL1、ANGPTL2、ANGPTL4、ANGPTL5、ANGPTL6、またはANGPTL7)には結合しない。さらに、他の箇所で述べたように、抗ANGPTL3/8複合体Abは、以下のシングルポイントELISAアッセイに記載されているように、指定された濃度ではANGPTL3またはANGPTL8単独に結合しない。
【0035】
本明細書で使用される「結合」または「結合する」は、当技術分野で公知の一般的な方法によって決定されるように、タンパク質が別のタンパク質または分子とある種の化学結合または引力を形成する能力を意味する。結合は、平衡解離定数(K)が約1×10-6M以下であることを特徴とすることができる(すなわち、Kが小さいほど結合が強いことを示す)。2つの分子が結合するかどうかを決定する方法は、当技術分野で周知であり、例えば、平衡透析、表面プラズモン共鳴などが含まれる。ここで、抗ANGPTL3/8複合体Abは、ANGPTL3/8複合体のみに結合し、ANGPTL3単独、またはANGPTL8単独には結合しない。AbがANGPTL3/8複合体のみに結合し、ANGPTL3単独またはANGPTL8単独には結合しないかどうかは、以下に記載するように、シングルポイント形式の標準的ELISAアッセイで決定することができ、結合は、以下に記載するように、Biacoreによって特徴付けることができる。本明細書のAbはヒトであるが、それらは、他の種、例えば、カニクイザルANGPTL3/8複合体、マウスANGPTL3/8複合体、またはラットANGPTL3/8複合体に由来する他のANGPTL3/8複合体に対して交差反応性を示し得る。
【0036】
本明細書で使用される「有効量」は、個体への単回または複数回用量の投与で、研究者、獣医、医師または他の臨床医が求めている組織、系、動物、哺乳動物またはヒトに対して、生物学的または医学的応答または所望の治療効果を誘発する、本発明の化合物または本発明の化合物を含む薬学的組成物の量または用量を意味する。場合によっては、有効量の本明細書の化合物またはそれを含む組成物をそれを必要とする個体に投与すると、LPL活性が増加する。用量は、より高い初期負荷用量、その後でより少ない用量を含むことができる。用量は、1日に複数回、1日1回、1日おき、1週間に3回、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、1か月に1回、2ヶ月に1回など、治療上有効な任意の間隔で投与され得る。有効量を構成する用量は、0.01mg/kg~100mg/kgであり得る。
【0037】
本明細書で使用される「平衡解離定数」または「K」は、特定の抗原相互作用に対するAb親和性の定量的測定、例えば、AbのANGPTL3/8複合体に対する親和性、特に、その構成要素に可逆的に分離するAb/ANGPTL3/8複合体コンジュゲートの傾向の尺度を意味する。同様に、本明細書で使用される「平衡結合定数」または「K」は、Kの逆数を意味する。
【0038】
本明細書で使用される「機能的」とは、ANGPTL3融合タンパク質、ANGPTL8融合タンパク質またはANGPTL3/8複合体が、例えばLPLの阻害することと、Abが作製され指向される抗原として作用することを含む、天然のANGPTL3、天然のANGPTL8または天然のANGPTL3/8複合体のものと同様の生物活性を有することを意味する。
【0039】
本明細書で使用される「グルコース代謝関連疾患または障害」とは、糖尿病等を意味する。
【0040】
本明細書で使用される「脂質代謝関連疾患または障害」は、異常脂質代謝に関連する状態、例えば、異常脂質血症、高脂血症および高リポタンパク血症を意味し、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、カイロミクロン血症、混合脂質異常症(肥満、代謝症候群、糖尿病など)、脂肪異栄養症、および脂肪組織萎縮症を含む。この用語は、アテローム性動脈硬化症および冠動脈疾患、急性膵炎、NASH、肥満などの特定の心血管疾患も包含する。
【0041】
本明細書で使用される「最大半量効果濃度」または「EC50」は、所定の期間後にベースラインと最大値との間の中間で応答を誘導するAbの濃度(通常、モル単位(M)で表される)を意味する。本明細書に記載のEC50は、理想的には3.0nM以下である。
【0042】
本明細書で使用される「核酸構築物」または「発現カセット」は、コード配列に作動可能に連結された少なくとも1つの制御配列を有する核酸分子を意味する。このようにして、プロモーターなどの制御配列は、本明細書に記載のANGPTL3融合タンパク質および/または本明細書に記載のANGPTL8融合タンパク質などの目的の少なくとも1つのポリペプチドをコードする核酸配列と作動可能に相互作用する。そのような核酸構築物は、発現カセットまたは導入カセットの形態であり得る。核酸構築物は、対象の1つ以上のポリペプチドのヌクレオチド配列が組み込まれた、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはそれらの組み合わせから構成されるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含むことができる。
【0043】
本明細書で使用される「作動可能に連結された」とは、核酸構築物の要素がそれらの通常の機能を果たすように構成されることを意味する。したがって、コード配列に作動可能に連結された制御配列(すなわち、プロモーター)は、コード配列の発現に影響を与えることができる。制御配列は、その発現を指示するように機能する(すなわち、適切なリーディングフレームを維持する)限り、コード配列と隣接している必要はない。したがって、例えば、介在する翻訳されていないが転写される配列は、プロモーターとコード配列との間に存在することができ、プロモーター配列は依然としてコード配列に「作動可能に連結されている」と見なすことができる。
【0044】
本明細書で使用される「制御配列」または「制御配列(複数)」は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、転写および翻訳終結配列、上流調節ドメイン、複製起点、内部リボソーム侵入部位(「IRES」)、エンハンサーなどを意味し、これらは、受容宿主細胞におけるコード配列の複製、転写および翻訳を集合的に提供する。選択されたコード配列が適切な宿主細胞で複製、転写、翻訳できる限り、これらの制御配列のすべてが常に存在する必要はない。
【0045】
本明細書で使用される「コード配列」または「コード配列(複数)」は、1つ以上の目的のポリペプチドをコードする核酸配列を意味し、これは、適切な調節配列の制御下に置かれた場合、インビトロまたはインビボでポリペプチドに転写(DNAの場合)および翻訳(RNAの場合)される核酸配列である。コード配列(複数可)の境界は、5’(アミノ)末端の開始コドンおよび3’(カルボキシ)末端の翻訳終止コドンによって決定される。コード配列には、ウイルス核酸配列、原核生物または真核生物のmRNAからのcDNA、原核生物または真核生物のDNAからのゲノムDNA配列、または合成DNA配列さえ含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
制御配列およびコード配列に関して、それらは、宿主細胞または互いに対して内在性/類似であり得る。あるいは、制御配列およびコード配列は、宿主細胞または互いに対して異種であり得る。
【0047】
本明細書で使用される「プロモーター」は、核酸調節配列から構成されるヌクレオチド領域を意味し、ここで、調節配列は、遺伝子に由来するか、合成により作成され、RNAポリメラーゼに結合し、下流(3’方向)のコード配列の転写を開始することができる。1つ以上の目的のポリペプチドの内在性プロモーターを含む、多くのプロモーターを核酸構築物に使用することができる。あるいは、所望の結果に基づいてプロモーターを選択することができる。このようなプロモーターには、誘導性プロモーター、抑制性プロモーターおよび構成的プロモーターが含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書で使用される「バリアント」は、参照核酸もしくはアミノ酸配列と比較した場合に、1つ以上の特定の核酸もしくはアミノ酸残基の付加、欠失、挿入および/または置換などの1つ以上の修飾を有するポリヌクレオチドあるいはポリペプチドを意味する。したがって、バリアントは、参照核酸またはアミノ酸配列と比較した場合、1つ以上の変更を含む。ここで、抗ANGPTL3/8複合体Abは、LCまたはHCのバリエーションを有することができる。特に、Abは、配列番号5のアミノ酸配列を有するLCに関しては、D31S変異(配列番号21)、D33A変異(配列番号22)、D33T変異(配列番号23)、M56T変異(配列番号24)、またはE99Q変異(配列番号25)を有するLCバリアントであり得る。同様に、LCバリアントは、やはり配列番号5のアミノ酸配列を有するLCに関しては、例えば、D31SおよびD33A変異、D31SおよびD33T変異、D31SおよびM56T変異、D31SおよびE99Q変異、D33AおよびM56T変異、D33AおよびE99Q変異、D33TおよびM56T変異、D33TおよびE99Q変異、ならびにM56TおよびE99Qなど、上記の任意の2つの組み合わせであり得る。さらに、LCバリアントは、やはり配列番号5のアミノ酸配列を有するLCに関しては、例えば、D31S、D33AおよびM56T変異、D31S、D33AおよびE99Q変異、D31S、D33TおよびM56T変異、D31S、D33TおよびE99Q変異、D33A、M56TおよびE99Q変異、ならびにD33T、M56TおよびE99Q変異など、上記の任意の3つの組み合わせであり得る。さらに、LCバリアントは、配列番号5のアミノ酸配列を有するLCに関しては、例えば、D31S、D33A、M56TおよびE99Q変異、ならびにD31S、D33T、M56TおよびE99Q変異など、上記の任意の4つの組み合わせであり得る。
【0049】
本明細書で使用される「ベクター」は、プラスミド、ファージまたはコスミドなどのレプリコンを意味し、これに発現カセットなどの別の核酸配列が結合して、結合した配列の複製をもたらすことができる。ベクターは、核酸分子を宿主細胞に導入ことができる。ベクターは通常、1つまたは少数の制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含み、目的のヌクレオチド配列を、ベクターの本質的な生物学的機能を失うことなく決定可能な方法で挿入できるほか、ベクターを用いて形質転換された宿主細胞を識別および選択に使用できる選択マーカーを挿入できる。そのためのベクターは、核酸配列を標的細胞に導入することができる。
【0050】
本明細書で使用される「治療」または「治療すること」は、抗ANGPTL3/8複合体Ab投与が、個体の状態の症状および合併症に有効であるかまたはそれらを緩和する目的で示される状態を有する個体を管理およびケアすることを意味する。治療は、症状または合併症の発症を予防するため、症状もしくは合併症を緩和するため、または疾患、状態もしくは障害を排除するために、本発明の化合物または本発明の化合物を含む組成物を、それを必要とする個体に投与することを含む。治療には、本明細書の化合物または本明細書の化合物を含む組成物を、それを必要とする個体に投与して、LPL活性の増加およびTGの低下をもたらすことが含まれる。治療される個体は動物、特に、ヒトである。
【0051】
本明細書で使用される「患者」、「対象」および「個体」は、本明細書では互換的に使用され、動物、特にヒトを意味する。特定の例では、個体はヒトであり、抗ANGPTL3/8複合体Abの投与から利益を受ける疾患、障害または状態をさらに特徴とする。
【0052】
本明細書で使用される「抗体」または「Ab」などは、鎖間および鎖内ジスルフィド結合を有する2つの重鎖および2つの軽鎖を含む完全長Abを意味する。4つのポリペプチド鎖のそれぞれのアミノ末端部分は、抗原認識に主に関与する可変領域を含む。各HCは、N末端HCVRおよびHC定常領域(HCCR)を含む。各軽鎖は、軽鎖(LC)可変領域(LCVR)、およびLC定常領域(LCCR)を含む。ここで、Abは、免疫グロブリンG(IgG)型Abであり、IgGアイソタイプは、さらにサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4)に分類され得る。HCVRおよびLCVR領域は、さらに、相補性決定領域(CDR)と呼ばれ、より保存性のあるフレームワーク領域(FR)とともに散在している、超可変領域にさらに分類される。各HCVRおよびLCVRは、次の順番、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、FR4で、N末端からC末端に配置されている3つのCDRおよび4つのFRを含む。本明細書中、HCの3つのCDRは、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3と称され、LCの3つのCDRは、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3と称される。CDRには、ANGPTL3/8複合体などの抗原との特異的相互作用を形成する残基のほとんどが含まれている。残基をさまざまなCDRに割り当てることは、例えばChothia、Kabat、またはNorthなどのアルゴリズムによって行うことができる。North CDRの定義は、多数の結晶構造による親和性プロパゲーションクラスタリングに基づく(North et al.(2011)J.Mol.Bio.406:228-256)。ここで、CDRは、Northを含む複数の定義の組み合わせに基づいた、配列表で列挙された配列によって最もよく定義される。
【0053】
HCVR領域をコードする単離DNAは、HCVRをコードするDNAを、重鎖定常領域をコードする別のDNA分子に作動可能に連結することによって、完全長重鎖遺伝子に変換され得る。ヒトおよび他の哺乳動物の重鎖定常領域遺伝子の配列は、当該技術分野において公知である。これらの領域を包含するDNAフラグメントは、例えば、標準的なPCR増幅によって取得され得る。
【0054】
LCVR領域をコードする単離DNAは、LCVRをコードするDNAを、軽鎖定常領域をコードする別のDNA分子に作動可能に連結することによって、完全長軽鎖遺伝子に変換され得る。ヒトおよび他の哺乳動物の軽鎖定常領域遺伝子の配列は、当該技術分野において公知である。これらの領域を包含するDNAフラグメントは、標準的なPCR増幅によって取得され得る。軽鎖定常領域は、カッパまたはラムダ定常領域でよい。
【0055】
本明細書のAbは、IgG4-PAA Fc部分を含み得る。IgG4-PAA Fc部分は、配列番号6の絶対位置によって番号付けされるように、位置231でSerからProへの変異(S231P)、位置237でPheからAlaへの変異(F237A)、および位置238でLeuからAlaへの変異(L238A)を有する。S231P変異は、半抗体形成(IgG4 Ab中の半分子の動的交換現象)を防ぐヒンジ変異である。F237AおよびL238Aの変異は、すでに低いヒトIgG4アイソタイプのエフェクター機能をさらに低下させる。しかしながら、本明細書のAbは代替的に異なるFc部分を含み得ることが意図される。
【0056】
ヒトに投与したときの免疫応答の潜在的な誘導を減少させるために、ある特定のアミノ酸は、Ab生殖細胞系配列と適合させるために逆変異を必要とし得る。
【0057】
本発明の化合物を含む薬学的組成物は、このような治療を必要とする個体に非経口的に投与することができる。このような個体は、ASCVDを有するか、ASCVDの危険性が高い可能性がある。これらの個体は、急性冠症候群、心筋梗塞(MI)の病歴、安定狭心症または不安定狭心症、冠動脈またはその他の動脈血行再建、脳卒中、一過性虚血発作(TIA)、胸部または腹部大動脈瘤、またはアテローム性動脈硬化症の起源と推定される末梢動脈疾患を有し得る。ASCVDの危険性が高い人は、さらに2型糖尿病(T2D)、CKD、または家族性高コレステロール血症(FH)を患っている可能性がある。
【0058】
非経口投与は、シリンジ、任意でペン様シリンジ、または機械駆動式注射器を用いた皮下、筋肉内または静脈内注射によって実施することができる。あるいは、非経口投与は、注入ポンプを用いて行うことができる。場合によっては、個体への投与に適した薬学的組成物は、治療有効量の本明細書の化合物および1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を有する。そのような薬学的組成物は、当該技術分野で周知である医薬品用の従来の賦形剤を使用する様々な技術のいずれかによって調製することができる。例えば、Remington、「The Science and Practice of Pharmacy」(D.B.Troy ed.,21st Ed.,Lippincott,Williams & Wilkins,2006)を参照されたい。
【0059】
本明細書の化合物は、上記に列挙した障害のいずれかを含む、LPL活性の調節、脂質代謝関連疾患もしくは障害の治療、またはグルコース代謝関連疾患または障害の治療のために有用な1つ以上の追加の治療剤と同時、別個、または連続的に組み合わせて使用することができる。本発明の化合物と組み合わせることができる追加の治療剤の非限定的な例には、抗糖尿病薬、例えば、インスリンもしくはインスリン類似体、ビグアナイド、スルホニル尿素、チアゾリジンジオン、ジペプチジルペプチダーゼ-4(「DPP-4」)阻害剤、またはナトリウム依存性グルコーストランスポーター(SGLT2)阻害剤;インクレチン化合物、例えば、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)もしくはGLP-1類似体、胃抑制ポリペプチド(GIP)もしくはGIP類似体、オキシントモジュリン(OXM)もしくはOXM類似体;アスピリン;抗血小板剤;H2受容体遮断薬;プロトンポンプ阻害剤;降圧薬;脂質修飾治療薬、例えば、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、PCSK9阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、フィブラート、ナイアシン、LXRアゴニスト、RXRアゴニスト、RORアゴニスト、またはコレステロール逆輸送モジュレーター;心不全治療薬、例えば、ACE、アンギオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤、ARB、またはBアドレナリン拮抗薬;抗炎症治療薬;高血圧治療薬、心房細動治療薬;神経変性治療薬;癌治療薬;糖尿病性心筋症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、体重減少、創傷治癒のための治療薬;腎症治療薬;PAD治療薬、または前述した薬剤のいずれかの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。抗ANGPTL3/8複合体Abおよび1つ以上の追加の治療剤(複数可)は、単一の丸剤、カプセル、錠剤、もしくは注射可能な製剤などの同じ送達経路および装置を介して一緒に投与するか、または別々の送達装置もしくは経路で同時に投与するか、または逐次的に投与するかのいずれかで別々に投与することができる。
【0060】
ANGPTL3/8複合体の調製および精製
本開示の一態様は、複合体のみに結合し、ANGPTL3単独またはANGPTL8単独には結合しないAbを作製するために使用できるANGPTL3/8複合体である。抗ANGPTL3Abおよび抗ANGPTL8Abは知られているが、抗ANGPTL3/8複合体Abを作製するために、十分な量の機能的ANGPTL3/8複合体、特にヒトANGPTL3/8複合体を合成することには課題がある。さらに、または代替的には、そのようなANGPTL3/8複合体をアッセイに使用して、ANGPTL3、ANGPTL8および/またはANGPTL3/8複合体に対するAbの特性を評価することができる。
【0061】
このように、本開示は、N末端またはC末端血清アルブミン(例えば、ヒト、マウス、またはウサギ)融合タンパク質としてANGPTL8を生成する方法も記載する。機能的ANGPTL3/8複合体は、次に、哺乳動物発現系においてANGPTL8融合タンパク質を天然のANGPTL3またはANGPTL3融合タンパク質と共発現させることにより作製することができる。
【0062】
上記のように、天然のヒトANGPTL3および天然のヒトANGPTL8の核酸およびアミノ酸配列が知られている(例えば、それぞれ配列番号1~2および3~4を参照されたい)。しかしながら、本明細書に記載のANGPTL3またはANGPTL8は、改変(すなわち、組換え/合成)されており、したがって、ANGTPL3およびANGTPL8の生成、分泌ならびに/または複合化を改善するために追加のアミノ酸配列を含むことにより、天然配列とは異なる。
【0063】
例えば、当技術分野で知られているように、ANGPTL3を改変して、1つ以上のリンカーおよびタグを含めることができる。ここで、ヒトANGPTL3(配列番号2)は、ANGPTL3融合タンパク質が配列番号17のアミノ酸配列を有するように、リンカーおよびFLAGタグを含むように改変される。場合によっては、リンカーは約1~約10個のアミノ酸、例えば3個のアミノ酸、特に3個のAla残基であり得る。リンカーおよびFLAGタグは、ANGPTL3配列のN末端またはC末端、特に配列番号17のようなC末端に配置でき、残基1~460はANGPTL3に対応し、残基461~471は3-AlaリンカーおよびFLAGタグに対応する。
【0064】
同様に、血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンの配列に加えて、1つ以上のリンカーおよびタグを含むようにANGPTL8を改変することができる。ここで、ヒトANGPTL8(配列番号4)は、リンカー、IgGカッパシグナルペプチド、ポリヒスチジン(His)タグ、成熟ヒト血清アルブミン、リンカーおよびPreScission(登録商標)切断部位を含むように変更され、その結果、ANGPTL8融合タンパク質は、配列番号18のアミノ酸配列を有する。場合によっては、リンカーは、剛性ポリプロリンリピート、特にAla-Pro(AP)-10リンカーなどの、約1~約10個のアミノ酸であり得る。シグナルペプチド、Hisタグ、成熟HSA、リンカーおよびPreScission(登録商標)切断部位は、ANGPTL8配列のN末端またはC末端、特に配列番号18のようなN末端に配置でき、ここで、残基1~20は、IgGカッパシグナルペプチドに対応し、残基21~27は、His-tagに対応し、残基28~612は、HSAに対応し、残基613~632は、AP-10リンカーに対応し、残基633~643は、PreScission(登録商標)切断部位に対応し、および残基644~820は、ANGPTL8に対応する。
【0065】
本明細書に記載のANGPTL3融合タンパク質および/またはANGPTL8融合タンパク質を発現する核酸構築物を構築する方法は、当技術分野で周知であり、例えば、Balbas & Lorence,”Recombinant Gene Expression:Reviews and Protocols”(2nd Ed.Humana Press 2004)、Davis et al.,”Basic Methods in Molecular Biology”(Elsevier Press 1986)、Sambrook & Russell,”Molecular Cloning:A Laboratory Manual”(3rd Ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press 2001)、Tijssen,”Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology-Hybridization with Nucleic Acid Probes”(Elsevier 1993)、および”Current Protocols in Molecular Biology”(Ausubel et al.eds.,Greene Publishing and Wiley-Interscience 1995)、ならびに米国特許第6,664,387号、同第7,060,491号、同第7,345,216号および同第7,494,805号で見出すことができる。ANGPTL8にはジスルフィド結合が含まれていないため、哺乳動物の発現系を使用できる。ここで、HEK293発現系またはCHO発現系を使用して、特に共発現により、ANGPTL3および/またはANGPTL8融合タンパク質を生成することができる。
【0066】
ANGPTL3融合タンパク質および/またはANGPTL8融合タンパク質の発現に加えて、本方法は、当技術分野で周知の、各融合タンパク質に使用される特定のタグに基づいて、得られた融合タンパク質を精製することも含むことができる。本明細書に記載のANGPTL3およびANGTPL8融合タンパク質に関して、精製は、タグを除去した後に多数の切断をもたらす可能性があり、その結果、ANGPTL3融合タンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列を有し(残基1~444はANGPTL3に対応し、残基445~455は、3-AlaリンカーおよびFLAG-タグに対応する)、ANGPTL8融合タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列を有し(残基1~4は、PreScission(登録商標)切断部位からの切断残基に対応し、残基5~182はANGPTL8のフラグメントに対応する)、これらは互いに容易に会合して機能的ANGPTL3/8複合体を形成する。
【0067】
抗体の調製および精製
抗ANGPTL3/8複合体Abは、CHO GSKO細胞株を使用して、哺乳動物細胞発現系で産生することができる。グルタミンシンテターゼ(GS)遺伝子ノックアウトは、分泌条件下で低生産性または非生産性の細胞の生存を許容し得る内因性GSバックグラウンド活性を排除することによって、厳しい選択厳密性を可能にする。本明細書のAb HCおよびLCをコードする遺伝子は、同時トランスフェクションのために個々のGS含有発現プラスミドにサブクローニングするか、または両方の鎖を単一のGS含有発現プラスミドにサブクローニングすることができる。HCまたはLC鎖をコードするcDNA配列は、マウスカッパリーダー配列であり得るシグナルペプチドのコード配列とインフレームで融合されて、細胞培養培地への所望の産物の分泌を増強する。発現はウイルス性サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターによって駆動される。
【0068】
CHO GSKO細胞は、エレクトロポレーションおよび適切な量の組換えHCおよびLC発現プラスミドを使用して安定してトランスフェクトされ、トランスフェクトされた細胞は、適切な細胞密度で浮遊培養において維持される。トランスフェクトされた細胞の選択は、グルタミンなしの、25μMのメチオニンスルホキシミン(MSX)含有無血清培地での増殖によって達成され、32~37℃および5%~7%COでインキュベートされる。Abは、CHO細胞から培地に分泌される。Abは、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、その後の陰イオン交換、または疎水性相互作用クロマトグラフィー(または他の適切な方法)によって精製することができ、さらに精製するためにサイズ排除クロマトグラフィーを利用することができる。
【0069】
回収した培地からのAbを、MabSelect SuRe Protein A resin(GE Healthcare)に捕捉する。次に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)などのランニングバッファーまたはTrisを含むランニングバッファーで樹脂を簡単に洗浄して、非特異的に結合した物質を除去する。次に、Abを、20mMの酢酸/5mMのクエン酸などの低pH溶液で樹脂から溶出する。ANGPTL3/8Abを含む画分はプールされ、潜在的なウイルスを不活化するために低pHに保持することができる。0.1M Tris pH8.0などの塩基を加えることで、pHを中性化できる。ANGPTL3/8Abは、フェニルHP(GE Healthcare)などの樹脂を使用した疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によってさらに精製できる。抗ANGPTL3/8Abは、20mMのTris、pH8.0中の硫酸ナトリウム勾配を使用して、HICカラムから溶出できる。抗ANGPTL3/8Abは、Superdex 200カラム(GE Healthcare)を使用し、PBS、pH7.4でアイソクラティック溶出することにより、サイズ排除クロマトグラフィーでさらに精製できる。
【0070】
本発明に記載される化合物は、この様式で、または当業者によって容易に決定される同様の方法で、調製される。
【0071】
ヒト可変軽鎖および重鎖ドメインを保有するマウスを上記のANGPTL3/8複合体で免疫し、マーカーとしてANGPTL3/8(陽性)およびANGPTL3(陰性)を使用して、単一の抗原特異的B細胞をFACSによって単離する。重鎖および軽鎖可変領域DNAは、PCRによって単一のB細胞から回収され、IgG発現ベクターにクローニングされる。トランスフェクション後に結合活性についてCHO細胞上清を試験する。
【実施例
【0072】
以下の非限定的な実施例は、限定ではなく例示の目的で提供される。
【0073】
実施例1:ANGPTL3/8複合体の作成
ANGPTL3およびANGPTL8の発現:ヒトANGPTL3のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、リンカーおよびFLAGタグ(配列番号17)を、CMVプロモーターを含む哺乳動物発現ベクターに挿入する。同様に、ヒトANGTPL8、マウスIgGカッパシグナルペプチド、HISタグ、成熟ヒト血清アルブミン(HSA)-PreScission(登録商標)切断部位(配列番号18)のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列は、CMVプロモーターを含有する哺乳動物発現ベクターに挿入される。タンパク質の発現は、無血清培地で培養されたHEK293F細胞における、上記の両方の発現ベクターの一過性の同時トランスフェクションによるものである。トランスフェクションの5日後に培養液を回収し、その後のタンパク質精製のために4℃で保存する。
【0074】
タンパク質精製:タンパク質精製は、4℃で行われ、4Lの培養培地に1MのTris-HCl(pH8.0)および5MのNaClがそれぞれ最終濃度25mMおよび150mMで補充される。次に、培地を150mlのNi-NTA樹脂(Qiagen)とともに一晩インキュベートする。樹脂をカラムに詰め、バッファーA(50mMのTris-HCl、pH8.0、0.3MのNaCl)で洗浄する。タンパク質は、バッファーA中の0~300mMのイミダゾール勾配で溶出される。HIS-HSA-ANGPTL8/ANGPTL3-Flagを含む画分をプールし、濃縮して、HiLoad(登録商標)Superdex(登録商標)200カラム(GE Healthcare Biosciences)にロードし、バッファーAで溶出する。HIS-HSA-ANGPTL8/ANGPTL3-Flagを含む画分を再びプールし、濃縮し、PreScission(登録商標)プロテアーゼ(GE Healthcare Biosciences)で消化して、HIS-HSA-ANGPTL8融合タンパク質からHSAを除去する。PreScission(登録商標)で消化したタンパク質試料を、HiLoad(登録商標)Superdex(登録商標)200カラムにロードし、保存バッファー(20mMのHEPES、pH8.0、150mMのNaCl)で溶出する。ANGPTL3/8複合体を含む画分をプールして濃縮し、ブラッドフォード法を使用してタンパク質濃度を決定する。ANGTPL3/8複合体をアリコートに分け、さらに使用するまで-80℃で保存する。
【0075】
LPL活性アッセイ:EnzCheck(登録商標)LPLアッセイは、製造元(ThermoFisher Scientific)の指示に従って実行される。簡単にいうと、ANGPTL3およびANGPLT3/8複合体を増殖培地で連続希釈し、1時間インキュベートしてLPL細胞培地と交換する。次に、EnzCheck(登録商標)リパーゼ基質(ELS)をLPL発現細胞に加え、30分間インキュベートする。蛍光は482nm/515nm(それぞれ励起/蛍光)で測定される。LPLに対するANGPTL3および3/8の阻害%を計算する。
【0076】
結果:
表1は、精製/濃縮のさまざまな段階でのANGTPL3/8複合体タンパク質の収量を示す。
【0077】
【表1】
【0078】
同様に、図1は、カラムから得られた精製および濃縮されたANGPTL3/8複合体の4~20%のTG TGXクーマシー染色ゲルを示し、複合体が形成/集合することを確証している。精製および濃縮後、ANGTL3は配列番号19のアミノ酸配列を有し、ANGPTL8は配列番号20のアミノ酸配列を有する。
【0079】
LPLアッセイでは、ANGPTL3のEC50は、21.5nMであり、一方、ANGTPL3/8複合体のEC50は、0.54nMであり、複合体が機能的であることが確証している。
【0080】
実施例2:アッセイ
シングルポイントELISA(SPE)アッセイ:ANGPTL3/8複合体、遊離ANGPTL3または遊離ANGPTL8のいずれかに対するAb結合選択性は、シングルポイント形式の標準ELISAアッセイを使用して最初に検証される。簡単に言えば、アッセイプレートを2μg/mlの濃度の抗ヒトFc Abでコーティングし、続いてカゼインでブロックする。CHO細胞での発現後に上清に分泌されたIgGは、次に、アッセイプレートに捕捉される。ビオチン化抗原を25nMの濃度で添加して、Ab/抗原の結合を可能にする。Ab/抗原複合体は、アルカリホスファターゼ結合ニュートラアビジンおよびアルカリホスファターゼ基質を添加し、続いて560nmで光学密度を測定した後に検出される。正の結合は、非結合バックグラウンドシグナルの3倍を超えるシグナルによって決定される。
【0081】
ELISAアッセイ:ANGPTL3/8複合体、遊離ANGPTL3または遊離ANGPTL8のいずれかに対するAb結合選択性は、標準ELISAアッセイを使用して検証される。簡単に言えば、アッセイプレートを2μg/mlの濃度の抗ヒトFc Abでコーティングし、続いてカゼインでブロックする。次に、CHO細胞での発現後のCHO上清からのAbをアッセイプレートに捕捉すると、Ab濃度は2μg/mlとなる。ビオチン化抗原(ANGPTL3、ANGPTL8、またはANGPTL3/8複合体)を段階希釈によりさまざまな濃度で添加し、Ab/抗原の結合を可能にする。Ab/抗原複合体は、アルカリホスファターゼ結合ニュートラアビジンおよびアルカリホスファターゼ基質を添加し、続いて560nmで光学密度を測定した後に検出される。
【0082】
【表2】
【0083】
SPEアッセイにおいて、配列番号5のLCおよび配列番号6のHCを有するAbは、ヒトANGPTL3/8複合体への正の結合を示し、ならびにヒトANGPTL8およびヒトANGPTL3への負の結合を示す。D31S変異(配列番号21)、D33A変異(配列番号22)、D33T変異(配列番号24)、M56T変異(配列番号24)またはE99Q変異(配列番号25)を有するLCバリアントと、配列番号6のHCとを有するAbは、同様に、ヒトANGPTL3/8複合体への結合を示し、ならびにヒトANGPTL8およびヒトANGPTLへの負の結合を示す。
【0084】
【表3】
【0085】
配列番号5のLCおよび配列番号6のHCを有するAbは、このアッセイにおいて100nMの抗原濃度までは、濃度依存的にヒトANGPTL3/8複合体に正の結合を示し、ヒトANGPTL8およびヒトANGPTL3には検出可能な結合を示さない(表3)。
【0086】
配列番号5のLCおよび配列番号6のHCを有する上記の抗ANGPTL3/8複合体Abに加えて、D31S変異(配列番号21)、D33A変異(配列番号22)、またはE99Q変異(配列番号25)を有するLCバリアントと、配列番号6のHCとを有するAbがアッセイされ、同様に、このアッセイにおいて100nMの抗原濃度までは、濃度依存的にヒトANGPTL3/8複合体への正の結合を示し、ヒトANGPTL8およびヒトANGPTL3には検出可能な結合を示さない(表4~6)。
【0087】
【表4】
【0088】
【表5】
【0089】
【表6】
【0090】
実施例3:インビトロ受容体親和性
結合速度論は、Biacore(登録商標)T200装置(GE Healthcare Bio-Sciences Corp.;Piscataway,NJ)を使用して決定することができる。CM4センサーチップ表面は、Human Fab Binder(GE Healthcare Bio-Sciences Corp.)の共有結合により調製することができる。速度論的実験は、HBSEP+、0.01%のBSA、pH7.4のランニングバッファー中、約25℃で行うことができる。抗体を捕捉し、マウス、カニクイザル、またはヒトのANGPTL3/8複合体の一連の濃度を、約50μL/分で約240秒間、約800秒の解離時間で、チップ表面に注入することができる。速度論的パラメーター(例えば、k、k、K)を決定するために、データを二重参照し、Biacore T200評価ソフトウェア(GE Healthcare Bio-Sciences Corp.)を使用して、1:1の結合モデルに当てはめる。以下の表7は、配列番号5のLCおよび配列番号6のHCを有する抗ANGPTL3/8複合体Abの、pH7.4および温度25℃における、異なる種からの様々なANGPTL3/8複合体への結合を示す。
【0091】
【表7】
【0092】
配列番号5のLCおよび配列番号6のHCを有する上記の抗ANGPTL3/8複合体Abに加えて、D31S変異(配列番号21)、D33A変異(配列番号22)、またはE99Q変異(配列番号25)を有するLCバリアントと、配列番号6のHCとを有するAbは、pH7.4および温度25℃で、異なる種からのさまざまなANGPTL3/8複合体への結合についてアッセイされる(表8~10)。
【0093】
【表8】
【0094】
【表9】
【0095】
【表10】
【0096】
実施例4:インビトロ機能的活性LPLアッセイ
細胞に基づくバイオアッセイを使用して、配列番号5のLCおよび配列番号6のHCを有する抗ANGPTL3/8複合体Abが、LPL活性のANGPTL3/8精製タンパク質阻害を抑制解除する能力を評価する。AbのANGPTL3/8阻害活性は、EnzChek(商標)リパーゼ基質(ThermoFisher)を使用して決定される。ヒト、カニクイザル、マウスまたはラットのLPL、および精製されたヒト、カニクイザル、マウスまたはラットのANGPTL3/8タンパク質を発現するHEK293細胞株。HEK293-LPLの生成には、標準的な方法を使用して生成されたヒトLPLを安定して発現するヒト胚細胞株(HEK293-huLPL)が含まれる。簡単に言えば、CMVプロモーターおよびブラスチシジン耐性を持つレンチウイルスプラスミドにヒトLPLをクローニングする。プラスミドは、ViraPower Packaging Mix(Invitrogen)を使用してヒトLPLレンチウイルスを生成するために使用される。HEK293細胞をLPLレンチウイルスとともにインキュベートし、ブラスチシジンに耐性のあるクローンを選択する。EnzChek(商標)基質を利用したqPCRおよびLPL活性により、ヒトLPL mRNAの発現を確認した後、クローンを選択する。この方法は、カニクイザル、マウス、およびラットのLPLに対して繰り返される。
【0097】
方法は、Basu et al.(Basu et al.(2011)J.Lipid Res.52:826-832)に記載されている方法を変更した:(a)HEK293-LPL細胞を、96ウェルのポリ-D-リジンをコーティングしたプレートA(ヒト)、B(カニクイザル)、C(マウス)またはD(ラット)の半分の領域に、25000細胞/ウェルの密度で加え、37℃、5%のCOで一晩インキュベートする。Abを開始ストック濃度から9倍に連続希釈して、10ポイントのCRCを生成し、次いで、96ウェルのプレートE(ヒト)、F(カニクイザル)、G(マウス)またはH(ラット)中の、精製されたANGPTL3/8タンパク質に添加する(IC80濃度は、ヒトで0.42nM、カニクイザルで0.38nM、マウスで0.13nM、またはラットで0.81nMである)。
【0098】
プレートA、B、C、およびD中のHEK293-LPL細胞の培地を、プレートE、F、G、およびHからのANGPTL3/8およびAb混合物とそれぞれ置き換え、37℃、5%のCOで、1時間インキュベートする。10μlのEnzChek(商標)リパーゼ基質(0.05%のZwittergent(3-(N,N-ジメチルオクタデシルアンモニオ)プロパンスルホネート)(Sigma)中5μMの濃度で調製)を、プレートA、B、C、およびD中の細胞、ANGPTL3/8およびAb混合物に加える。プレートリーダーを使用して、495nmカットオフフィルターを使用して、482nmでの励起および515nmでの発光での蛍光を測定する。プレートは、各時点の間、37℃、5%のCOでインキュベートされる。相対蛍光(LPL活性に直接比例)は、31分でのシグナルから1分でのシグナルを差し引くことで計算される。AbがLPL活性を50%回復する有効濃度(EC50)は、エクセルフィットを利用して計算される。EC50濃度を表11に示す。
【0099】
抑制解除率は次のように計算される。
【数1】
[式中、MAX=細胞のみ(LPL)、およびMIN=細胞(LPL)+ANGPTL3/8CM(馴化培地)]
【0100】
Abは、一般に、EC50が低いため、LPLの抑制解除において強力である。Abはまた、LPLの有利な最大抑制解除%を有する。
【0101】
【表11】
【0102】
配列番号5のLCおよび配列番号6のHCを有する上記の抗ANGPTL3/8複合体Abに加えて、D31S変異(配列番号21)、D33A変異(配列番号22)、D33T変異(配列番号23)またはE99Q変異(配列番号25)を有するLCバリアントと、配列番号6のHCとを有するAbは、LPL活性のANGPTL3/8精製タンパク質の抑制解除についてアッセイされる(表12)。
【0103】
【表12】
【0104】
実施例5:インビボトリグリセリド応答
血清TGに対する、配列番号5のLCおよび配列番号6のHCを有する抗ANGPTL3/8複合体Abの効果は、huCETPおよびhuアポリポタンパク質A1について形質転換されたマウスにおいて評価される(a)。マウスから血液を採取し、実験開始前に血清を分離する。Cobas(登録商標)臨床化学分析装置(Roche)を使用して、血清試料中のTGを測定する。動物を20匹からなる5群に割り当てて、同様の血清TG平均値を持つ群を得る。次に、20匹の各群を、同様の血清トリグリセリド平均値を持つ5匹人からなる4群にさらに細分化する。Abは、1mg/kg(n=20)、3mg/kg(n=20)、10mg/kg(n=20)、または30mg/kg(n=20)で、動物の4つの別々の群に、単回皮下注射によりマウスに投与される。対照抗原結合無効アイソタイプ適合mAbを、30mg/kg(n=20)の単回皮下注射により、動物の第5群に投与する。
【0105】
Ab投与後1時間(n=5)、8時間(n=5)、1日(n=5)、2日(n=5)、3日(n=5)、7日(n=5)、14日(n=5)および21日(n=5)に、動物から採血する。亜群Aの動物から、1時間および3日の時点で、血液を採取する。亜群Bの動物から、8時間および7日の時点で、血液を採取する。亜群Cの動物から、1日および14日の時点で、血液を採取する。亜群Dの動物から、2日および21日の時点で、血液を採取する。血清は血液から調製され、血清TGレベルはCobas(登録商標)臨床化学分析装置(Roche)を使用して測定された。時間一致したアイソタイプ対照からのTGのパーセント変化は、各時点でのAbの各用量について計算される。変化パーセントの計算は、[(R×血清トリグリセリド-時間一致したアイソタイプ対照血清トリグリセリド)/(時間一致したアイソタイプ対照血清トリグリセリド)]×100である。データを表13に示す。
【0106】
【表13】
【0107】
配列番号5のLCおよび配列番号6のHCを有するAbのTGを低下させる効力は、1日目から良好に開始し、良好な効果は21日目まで持続する。
【0108】
配列番号5のLCおよび配列番号6のHCを有する上記の抗ANGPTL3/8複合体Abに加えて、D31S変異(配列番号21)、D33A変異を有するLCバリアントを有するAb(配列番号22)またはE99Q変異(配列番号25)および配列番号6のHCをアッセイして、マウスにおけるIgG対照と比較したTGの変化を評価する(表14)。
【0109】
【表14】
【0110】
配列表
以下の核酸配列およびアミノ酸配列は、本開示において前述のように言及され、参照のために以下に提供される。
【0111】
配列番号1
atatatagagttaagaagtctaggtctgcttccagaagaaaacagttccacgttgcttgaaattgaaaatcaagataaaaatgttcacaattaagctccttctttttattgttcctctagttatttcctccagaattgatcaagacaattcatcatttgattctctatctccagagccaaaatcaagatttgctatgttagacgatgtaaaaattttagccaatggcctccttcagttgggacatggtcttaaagactttgtccataagacgaagggccaaattaatgacatatttcaaaaactcaacatatttgatcagtctttttatgatctatcgctgcaaaccagtgaaatcaaagaagaagaaaaggaactgagaagaactacatataaactacaagtcaaaaatgaagaggtaaagaatatgtcacttgaactcaactcaaaacttgaaagcctcctagaagaaaaaattctacttcaacaaaaagtgaaatatttagaagagcaactaactaacttaattcaaaatcaacctgaaactccagaacacccagaagtaacttcacttaaaacttttgtagaaaaacaagataatagcatcaaagaccttctccagaccgtggaagaccaatataaacaattaaaccaacagcatagtcaaataaaagaaatagaaaatcagctcagaaggactagtattcaagaacccacagaaatttctctatcttccaagccaagagcaccaagaactactccctttcttcagttgaatgaaataagaaatgtaaaacatgatggcattcctgctgaatgtaccaccatttataacagaggtgaacatacaagtggcatgtatgccatcagacccagcaactctcaagtttttcatgtctactgtgatgttatatcaggtagtccatggacattaattcaacatcgaatagatggatcacaaaacttcaatgaaacgtgggagaactacaaatatggttttgggaggcttgatggagaattttggttgggcctagagaagatatactccatagtgaagcaatctaattatgttttacgaattgagttggaagactggaaagacaacaaacattatattgaatattctttttacttgggaaatcacgaaaccaactatacgctacatctagttgcgattactggcaatgtccccaatgcaatcccggaaaacaaagatttggtgttttctacttgggatcacaaagcaaaaggacacttcaactgtccagagggttattcaggaggctggtggtggcatgatgagtgtggagaaaacaacctaaatggtaaatataacaaaccaagagcaaaatctaagccagagaggagaagaggattatcttggaagtctcaaaatggaaggttatactctataaaatcaaccaaaatgttgatccatccaacagattcagaaagctttgaatgaactgaggcaaatttaaaaggcaataatttaaacattaacctcattccaagttaatgtggtctaataatctggtattaaatccttaagagaaagcttgagaaatagattttttttatcttaaagtcactgtctatttaagattaaacatacaatcacataaccttaaagaataccgtttacatttctcaatcaaaattcttataatactatttgttttaaattttgtgatgtgggaatcaattttagatggtcacaatctagattataatcaataggtgaacttattaaataacttttctaaataaaaaatttagagacttttattttaaaaggcatcatatgagctaatatcacaactttcccagtttaaaaaactagtactcttgttaaaactctaaacttgactaaatacagaggactggtaattgtacagttcttaaatgttgtagtattaatttcaaaactaaaaatcgtcagcacagagtatgtgtaaaaatctgtaatacaaatttttaaactgatgcttcattttgctacaaaataatttggagtaaatgtttgatatgatttatttatgaaacctaatgaagcagaattaaatactgtattaaaataagttcgctgtctttaaacaaatggagatgactactaagtcacattgactttaacatgaggtatcactataccttatttgttaaaatatatactgtatacattttatatattttaacacttaatactatgaaaacaaataattgtaaaggaatcttgtcagattacagtaagaatgaacatatttgtggcatcgagttaaagtttatatttcccctaaatatgctgtgattctaatacattcgtgtaggttttcaagtagaaataaacctcgtaacaagttactgaacgtttaaacagcctgacaagcatgtatatatgtttaaaattcaataaacaaagacccagtccctaaattatagaaatttaaattattcttgcatgtttatcgacatcacaacagatccctaaatccctaaatccctaaagattagatacaaattttttaccacagtatcacttgtcagaatttatttttaaatatgattttttaaaactgccagtaagaaattttaaattaaacccatttgttaaaggatatagtgcccaagttatatggtgacctacctttgtcaatacttagcattatgtatttcaaattatccaatatacatgtcatatatatttttatatgtcacatatataaaagatatgtatgatctatgtgaatcctaagtaaatattttgttccagaaaagtacaaaataataaaggtaaaaataatctataattttcaggaccacagactaagctgtcgaaattaacgctgatttttttagggccagaataccaaaatggctcctctcttcccccaaaattggacaatttcaaatgcaaaataattcattatttaatatatgagttgcttcctctatt
【0112】
配列番号2
MFTIKLLLFIVPLVISSRIDQDNSSFDSLSPEPKSRFAMLDDVKILANGLLQLGHGLKDFVHKTKGQINDIFQKLNIFDQSFYDLSLQTSEIKEEEKELRRTTYKLQVKNEEVKNMSLELNSKLESLLEEKILLQQKVKYLEEQLTNLIQNQPETPEHPEVTSLKTFVEKQDNSIKDLLQTVEDQYKQLNQQHSQIKEIENQLRRTSIQEPTEISLSSKPRAPRTTPFLQLNEIRNVKHDGIPAECTTIYNRGEHTSGMYAIRPSNSQVFHVYCDVISGSPWTLIQHRIDGSQNFNETWENYKYGFGRLDGEFWLGLEKIYSIVKQSNYVLRIELEDWKDNKHYIEYSFYLGNHETNYTLHLVAITGNVPNAIPENKDLVFSTWDHKAKGHFNCPEGYSGGWWWHDECGENNLNGKYNKPRAKSKPERRRGLSWKSQNGRLYSIKSTKMLIHPTDSESFE
【0113】
配列番号3
ataccttagaccctcagtcatgccagtgcctgctctgtgcctgctctgggccctggcaatggtgacccggcctgcctcagcggcccccatgggcggcccagaactggcacagcatgaggagctgaccctgctcttccatgggaccctgcagctgggccaggccctcaacggtgtgtacaggaccacggagggacggctgacaaaggccaggaacagcctgggtctctatggccgcacaatagaactcctggggcaggaggtcagccggggccgggatgcagcccaggaacttcgggcaagcctgttggagactcagatggaggaggatattctgcagctgcaggcagaggccacagctgaggtgctgggggaggtggcccaggcacagaaggtgctacgggacagcgtgcagcggctagaagtccagctgaggagcgcctggctgggccctgcctaccgagaatttgaggtcttaaaggctcacgctgacaagcagagccacatcctatgggccctcacaggccacgtgcagcggcagaggcgggagatggtggcacagcagcatcggctgcgacagatccaggagagactccacacagcggcgctcccagcctgaatctgcctggatggaactgaggaccaatcatgctgcaaggaacacttccacgccccgtgaggcccctgtgcagggaggagctgcctgttcactgggatcagccagggcgccgggccccacttctgagcacagagcagagacagacgcaggcggggacaaaggcagaggatgtagccccattggggaggggtggaggaaggacatgtaccctttcatgcctacacacccctcattaaagcagagtcgtggcatctcaaaaaaaaaaaaaaaaa
【0114】
配列番号4
MPVPALCLLWALAMVTRPASAAPMGGPELAQHEELTLLFHGTLQLGQALNGVYRTTEGRLTKARNSLGLYGRTIELLGQEVSRGRDAAQELRASLLETQMEEDILQLQAEATAEVLGEVAQAQKVLRDSVQRLEVQLRSAWLGPAYREFEVLKAHADKQSHILWALTGHVQRQRREMVAQQHRLRQIQERLHTAALPA
【0115】
配列番号5
DIVMTQTPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLLDSDDGNTYLDWYLQKPGQSPQLLIYMLSYRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGIYYCMQRIEFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0116】
配列番号6
QVTLKESGPTLVKPTQTLTLTCTFSGFSLSISGVGVGWIRQPPGKALEWLALIYRNDDKRYSPSLKSRLTITKDTSKNQVVLTLTNMDPVDTATYYCARTYSSGWYGNWFDPWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
【0117】
配列番号7
gatattgtgatgacccagacccccctgtctctgcctgtcactccgggggaaccggcctcgatctcatgccggtcgagccagtccctgctggactccgatgacgggaacacttatttggattggtacctccaaaagcctggacagagcccgcagctcctgatctacatgctgtcctaccgggcctccggagtgccagaccgcttctcgggaagcggctccggtaccgacttcacactgaagatctcccgcgtggaagctgaggacgtgggcatctactactgtatgcaaagaatcgagttccccctcaccttcggcggcgggactaaggtcgagattaagagaaccgtggccgcaccatccgtgttcatttttcccccgtccgatgaacagctgaagtccggaaccgcctccgtcgtgtgcctgctcaacaacttctacccgagggaagcgaaagtgcagtggaaagtggacaatgcgctgcagtccggaaactcccaagagtccgtgaccgaacaggactccaaggactcaacctactcgctgagctcaacgctgaccctgagcaaggccgactacgagaagcacaaggtctacgcctgcgaagtgacccatcagggtttgagctcgcccgtgaccaagtccttcaaccggggagagtgc
【0118】
配列番号8
caagtcacattgaaggagagcggtccgaccctggtcaagccgactcagaccctgaccctgacgtgcactttctcgggcttctcattgtccatttctggagtgggcgtgggatggatcagacagcccccggggaaggccctcgagtggctcgcgctgatctaccgcaacgacgacaaacgctactccccctcactgaaatcccggctgaccatcactaaggatacgtccaagaaccaggtcgtgttgaccctcaccaacatggatcccgtggatactgccacctactattgtgcacggacctatagcagcggttggtacggaaactggttcgacccgtggggccagggaactcttgtgacggtgtcctccgcaagcaccaagggtccttctgtgttccccctggcgccgtgctcgcggagcacctcagagtccaccgccgccctcggctgccttgtgaaggactacttcccggagccagtcaccgtgtcctggaacagcggggccctgacttccggcgtgcacaccttccctgcggtgctgcagagctcaggcctctattcgctgtcatccgtcgtgaccgtgccttcctcgtccctgggcactaagacctacacttgcaacgtggaccataagcccagcaacaccaaagtggacaagagagtggaatccaaatacggaccgccatgtccgccctgccccgccccggaagctgccgggggacccagcgtgttcctgttcccacctaagccgaaggacactctgatgatctcaaggactcccgaagtcacttgcgtggtcgtggacgtgtcccaggaggaccccgaagtccagtttaattggtacgtggatggtgtcgaggtccacaacgccaagaccaagcctcgcgaggaacagttcaattccacctaccgggtcgtgtccgtcctgaccgtgctgcatcaggactggctgaacggaaaggagtacaagtgcaaagtgtccaacaagggactcccttcctccatcgaaaagaccatcagcaaggccaagggccagcctcgcgaaccacaagtctacaccctgcccccatcgcaagaggaaatgaccaagaaccaagtgtcgctgacatgcctcgtcaagggattctacccgtcggatattgcggtggaatgggagtccaacggacagcccgagaacaactacaagaccaccccgccggtgttggactccgacggctcctttttcctgtactcccggctcactgtggacaagtcgcggtggcaggaggggaacgtgttctcctgttccgtgatgcacgaagctctgcacaaccactacacccagaagtcgctgagcctctcactggga
【0119】
配列番号9
DIVMTQTPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLLDSDDGNTYLDWYLQKPGQSPQLLIYMLSYRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGIYYCMQRIEFPLTFGGGTKVEIK
【0120】
配列番号10
QVTLKESGPTLVKPTQTLTLTCTFSGFSLSISGVGVGWIRQPPGKALEWLALIYRNDDKRYSPSLKSRLTITKDTSKNQVVLTLTNMDPVDTATYYCARTYSSGWYGNWFDPWGQGTLVTVSS
【0121】
配列番号11
RSSQSLLDSDDGNTYLD
【0122】
配列番号12
YMLSYRAS
【0123】
配列番号13
MQRIEFPLT
【0124】
配列番号14
TFSGFSLSISGVGVG
【0125】
配列番号15
LIYRNDDKRYSPSLKS
【0126】
配列番号16
ARTYSSGWYGNWFDP
【0127】
配列番号17
MFTIKLLLFIVPLVISSRIDQDNSSFDSLSPEPKSRFAMLDDVKILANGLLQLGHGLKDFVHKTKGQINDIFQKLNIFDQSFYDLSLQTSEIKEEEKELRRTTYKLQVKNEEVKNMSLELNSKLESLLEEKILLQQKVKYLEEQLTNLIQNQPETPEHPEVTSLKTFVEKQDNSIKDLLQTVEDQYKQLNQQHSQIKEIENQLRRTSIQEPTEISLSSKPRAPRTTPFLQLNEIRNVKHDGIPAECTTIYNRGEHTSGMYAIRPSNSQVFHVYCDVISGSPWTLIQHRIDGSQNFNETWENYKYGFGRLDGEFWLGLEKIYSIVKQSNYVLRIELEDWKDNKHYIEYSFYLGNHETNYTLHLVAITGNVPNAIPENKDLVFSTWDHKAKGHFNCPEGYSGGWWWHDECGENNLNGKYNKPRAKSKPERRRGLSWKSQNGRLYSIKSTKMLIHPTDSESFEAAADYKDDDDK
【0128】
配列番号18
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDHHHHHHDAHKSEVAHRFKDLGEENFKALVLIAFAQYLQQSPFEDHVKLVNEVTEFAKTCVADESAENCDKSLHTLFGDKLCTVATLRETYGEMADCCAKQEPERNECFLQHKDDNPNLPRLVRPEVDVMCTAFHDNEETFLKKYLYEIARRHPYFYAPELLFFAKRYKAAFTECCQAADKAACLLPKLDELRDEGKASSAKQRLKCASLQKFGERAFKAWAVARLSQRFPKAEFAEVSKLVTDLTKVHTECCHGDLLECADDRADLAKYICENQDSISSKLKECCEKPLLEKSHCIAEVENDEMPADLPSLAADFVESKDVCKNYAEAKDVFLGMFLYEYARRHPDYSVVLLLRLAKTYETTLEKCCAAADPHECYAKVFDEFKPLVEEPQNLIKQNCELFEQLGEYKFQNALLVRYTKKVPQVSTPTLVEVSRNLGKVGSKCCKHPEAKRMPCAEDYLSVVLNQLCVLHEKTPVSDRVTKCCTESLVNRRPCFSALEVDETYVPKEFNAETFTFHADICTLSEKERQIKKQTALVELVKHKPKATKEQLKAVMDDFAAFVEKCCKADDKETCFAEEGKKLVAASQAALGLAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPLEVLFQGPGRAAPMGGPELAQHEELTLLFHGTLQLGQALNGVYRTTEGRLTKARNSLGLYGRTIELLGQEVSRGRDAAQELRASLLETQMEEDILQLQAEATAEVLGEVAQAQKVLRDSVQRLEVQLRSAWLGPAYREFEVLKAHADKQSHILWALTGHVQRQRREMVAQQHRLRQIQERLHTAALPA
【0129】
配列番号19
SRIDQDNSSFDSLSPEPKSRFAMLDDVKILANGLLQLGHGLKDFVHKTKGQINDIFQKLNIFDQSFYDLSLQTSEIKEEEKELRRTTYKLQVKNEEVKNMSLELNSKLESLLEEKILLQQKVKYLEEQLTNLIQNQPETPEHPEVTSLKTFVEKQDNSIKDLLQTVEDQYKQLNQQHSQIKEIENQLRRTSIQEPTEISLSSKPRAPRTTPFLQLNEIRNVKHDGIPAECTTIYNRGEHTSGMYAIRPSNSQVFHVYCDVISGSPWTLIQHRIDGSQNFNETWENYKYGFGRLDGEFWLGLEKIYSIVKQSNYVLRIELEDWKDNKHYIEYSFYLGNHETNYTLHLVAITGNVPNAIPENKDLVFSTWDHKAKGHFNCPEGYSGGWWWHDECGENNLNGKYNKPRAKSKPERRRGLSWKSQNGRLYSIKSTKMLIHPTDSESFEAAADYKDDDDK
【0130】
配列番号20
GPGRAAPMGGPELAQHEELTLLFHGTLQLGQALNGVYRTTEGRLTKARNSLGLYGRTIELLGQEVSRGRDAAQELRASLLETQMEEDILQLQAEATAEVLGEVAQAQKVLRDSVQRLEVQLRSAWLGPAYREFEVLKAHADKQSHILWALTGHVQRQRREMVAQQHRLRQIQERLHTAALPA
【0131】
配列番号21
DIVMTQTPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLLSSDDGNTYLDWYLQKPGQSPQLLIYMLSYRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGIYYCMQRIEFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0132】
配列番号22
DIVMTQTPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLLDSADGNTYLDWYLQKPGQSPQLLIYMLSYRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGIYYCMQRIEFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0133】
配列番号23
DIVMTQTPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLLDSTDGNTYLDWYLQKPGQSPQLLIYMLSYRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGIYYCMQRIEFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0134】
配列番号24
DIVMTQTPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLLDSDDGNTYLDWYLQKPGQSPQLLIYTLSYRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGIYYCMQRIEFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0135】
配列番号25
DIVMTQTPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLLDSDDGNTYLDWYLQKPGQSPQLLIYMLSYRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGIYYCMQRIQFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
図1
【配列表】
0007241883000001.app