(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】半導体デバイスを転写するための多軸移動
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20230310BHJP
H01L 21/50 20060101ALI20230310BHJP
H01L 33/48 20100101ALN20230310BHJP
【FI】
H01L21/52 F
H01L21/50 C
H01L33/48
(21)【出願番号】P 2021552710
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(86)【国際出願番号】 US2020020347
(87)【国際公開番号】W WO2020180666
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-09-03
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515347212
【氏名又は名称】ロヒンニ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コディ ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ハスカ
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-513554(JP,A)
【文献】特表2005-535149(JP,A)
【文献】特開平06-077317(JP,A)
【文献】特開2001-135995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H01L 21/50
H01L 21/60
H05K 13/04
H01L 33/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
転写ヘッドに配設された1つ以上のインパクトワイヤ、第1の基材上の1つ以上の半導体デバイスダイ、及び第2の基材上の1つ以上の転写場所の位置を決定することと、
少なくとも1つのインパクトワイヤ、少なくとも1つの半導体デバイスダイ、及び少なくとも1つの転写場所が閾値許容範囲内で整列される前記第2の基材上の少なくとも2つの位置があるかどうかを決定することと、
少なくとも1つのインパクトワイヤ、少なくとも1つの半導体デバイスダイ、及び少なくとも1つの転写場所が前記閾値許容範囲内で整列される少なくとも2つの位置があるという決定に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも2つのインパクトワイヤによって、ウェハテープから製品基材上の少なくとも2つの転写場所に少なくとも2つの半導体デバイスダイを転写することと、
前記少なくとも2つのインパクトワイヤ、前記少なくとも2つの半導体デバイスダイ、及び前記少なくとも2つの転写場所が、前記閾値許容範囲を下回って整列されるという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上のインパクトワイヤ、前記1つ以上の半導体デバイスダイ、又は前記1つ以上の回路トレースのうちの少なくとも1つの前記位置を調整することと、
前記調整が、所定の距離閾値を上回る又は下回る調整距離を含むかどうかを決定することと、
前記調整距離が所定の距離閾値を下回るという決定に少なくとも部分的に基づいて、第1の移動軸上で前記調整を完了することと、
前記調整距離が所定の距離閾値を上回るという決定に少なくとも部分的に基づいて、第2の移動軸上で前記調整を完了することと、
を含み、
前記第1の移動軸が、第1の移動速度で前記調整を完了し、前記第2の移動軸が、第2の移動速度で前記調整を完了し、前記第2の移動速度が、前記第1の移動速度よりも大きい、
方法。
【請求項2】
前記転写ヘッドは、ドットマトリクス転写ヘッドである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の基材は、ウェハテープである、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の基材は、その上に1つ以上の回路トレースを有する回路基材であり、
前記1つ以上の転写場所の前記位置を決定することは、前記回路基材上に配設された前記1つ以上の回路トレースに沿った前記1つ以上の転写場所の前記位置を決定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上のインパクトワイヤ、前記1つ以上の半導体デバイスダイ、及び前記1つ以上の転写場所の前記位置を決定することは、前記1つ以上のインパクトワイヤ、前記1つ以上の半導体デバイスダイ、及び前記1つ以上の転写場所の互いに対する位置を決定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも2つの半導体デバイスダイを前記第1の基材から前記少なくとも2つの転写場所に転写することは、前記少なくとも2つの半導体デバイスダイが前記第1の基材から外れ、前記第2の基材上の前記少なくとも2つの転写場所に取り付けられるように、前記半導体デバイスダイ上に押し下げるように、前記少なくとも2つのインパクトワイヤを作動させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも2つの半導体デバイスダイを前記第1の基材から前記少なくとも2つの転写場所に転写することは、前記閾値許容範囲内のそれぞれの半導体デバイスダイ及び転写場所と整列される前記1つ以上のインパクトワイヤの全てを作動させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
半導体デバイスダイを第1の基材から第2の基材上の転写場所に直接転写することを実行するための装置であって、
1つ以上のプロセッサと、
命令を記憶している1つ以上のコンピュータ可読媒体と、
を備え、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
複数のインパクトワイヤ、複数の半導体デバイスダイ、及び複数の転写場所の位置を決定することと、
前記複数のインパクトワイヤ、前記複数の半導体デバイスダイ、及び前記複数の転写場所の各々のうちの2つ以上が、閾値許容範囲内で整列されているかどうかを決定することと、
2つ以上のインパクトワイヤ、2つ以上の半導体デバイスダイ、及び2つ以上の転写場所が前記閾値許容範囲を下回って整列されるという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のインパクトワイヤ、前記複数の半導体デバイスダイ、又は前記複数の転写場所のうちの少なくとも1つの前記位置を調整することと、
前記複数のインパクトワイヤ、前記複数の半導体デバイスダイ、又は前記複数の
転写場所の前記位置を調整することの完了に少なくとも部分的に基づいて、前記2つ以上の半導体デバイスダイが前記第1の基材から外れ、前記第2の基材上の前記2つ以上の転写場所に取り付けられるように、前記2つ以上のインパクトワイヤが、前記2つ以上の半導体デバイスダイを転写するように、前記2つ以上のインパクトワイヤを作動させることと、
を含む、動作を実行させ
、
前記複数のインパクトワイヤ、前記複数の半導体デバイスダイ、又は前記複数の転写場所のうちの少なくとも1つの前記位置を調整することは、前記2つ以上のインパクトワイヤ、前記2つ以上の半導体デバイスダイ、及び前記2つ以上の転写場所を十分に整列させるために最小量の調整を必要とする場所を決定することを含む、
装置。
【請求項9】
前記動作は、前記複数のインパクトワイヤを、前記複数の転写場所の複数のそれぞれの転写場所と整列させることをさらに含む、
請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のインパクトワイヤ、前記複数の半導体デバイスダイ、又は前記複数の転写場所のうちの少なくとも1つの前記位置を調整することは、前記複数のインパクトワイヤ及び前記複数の転写場所に対して前記複数の半導体デバイスダイを調整することを含む、
請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記動作は、前記調整を完了するために必要な最短距離又は最短時間に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の基材から前記第2の基材上の前記複数の転写場所への前記複数の半導体デバイスダイの転写を完了するために必要な調整を決定することをさらに含む、
請求項
8に記載の装置。
【請求項12】
前記2つ以上のインパクトワイヤを作動させることは、前記閾値許容範囲内のそれぞれの半導体デバイスダイ及び転写場所と整列される前記複数のインパクトワイヤの各インパクトワイヤを作動させることを含む、
請求項
8に記載の装置。
【請求項13】
前記複数のインパクトワイヤ、前記複数の半導体デバイスダイ、又は前記複数の転写場所のうちの少なくとも1つの前記位置を調整することは、
前記調整が所定の距離閾値を上回る又は下回る調整距離を含むかどうかを決定することと、
前記調整距離が所定の距離閾値を下回るという決定に少なくとも部分的に基づいて、第1の移動軸上で前記調整を完了することと、
前記調整距離が所定の距離閾値を上回るという決定に少なくとも部分的に基づいて、第2の移動軸上で前記調整を完了することと、
を含み、前記第1の移動軸が、第1の移動速度で前記調整を完了し、前記第2の移動軸が、第2の移動速度で前記調整を完了し、前記第2の移動速度が、前記第1の移動速度よりも大きい、
請求項
8に記載の装置。
【請求項14】
半導体デバイスダイを第1の基材から第2の基材上の転写場所に転写するための方法であって、
転写ヘッドと、前記転写ヘッド上に配設された複数のインパクトワイヤと、複数の半導体デバイスダイと、複数の転写場所との第1の場所を決定することと、
前記複数のインパクトワイヤのうちの少なくとも1つのインパクトワイヤ、前記複数の半導体デバイスダイのうちの少なくとも1つの半導体デバイスダイ、及び前記複数の転写場所のうちの少なくとも1つの転写場所が、閾値許容範囲内で整列されているかどうかを決定することと、
前記少なくとも1つのインパクトワイヤ、前記少なくとも1つの半導体デバイスダイ、及び前記少なくとも1つの転写場所が前記閾値許容範囲内で整列されるように、前記少なくとも1つのインパクトワイヤ、前記少なくとも1つの半導体デバイスダイ、又は前記少なくとも1つの転写場所のうちの1つ以上を調整することと、
前記少なくとも1つの半導体デバイスダイが前記第1の基材から外れ、前記第2の基材上の前記少なくとも1つの転写場所に取り付けられるように、前記少なくとも1つのインパクトワイヤを介して、前記少なくとも1つの半導体デバイスダイを転写することと、
前記転写ヘッドの前記第1の場所で転写される追加の半導体デバイスダイがあるかどうかを決定することと、
前記転写ヘッドの前記第1の場所で転写される追加の半導体デバイスダイがないという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記転写ヘッドを第2の場所に搬送することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのインパクトワイヤ、前記少なくとも1つの半導体デバイスダイ、又は前記少なくとも1つの転写場所のうちの1つ以上を調整することは、第1の移動速度を有する第1の移動軸上で行われる、
請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記転写ヘッドを前記第2の場所に搬送することは、第2の移動速度を有する第2の移動軸上で行われ、前記第2の移動速度が、前記第1の移動速度よりも大きい、
請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの半導体デバイスダイを転写することは、前記複数のインパクトワイヤのそれぞれのもの及び前記複数の転写場所のそれぞれのものと、前記閾値許容範囲内に整列される全ての半導体デバイスダイを転写することを含む、
請求項
14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT国際特許出願は、2019年3月6日に出願された米国特許出願第16/294,756号、発明の名称「Multi-Axis Movement for Transfer of Semiconductor Devices」に対する優先権の利益を主張する。本出願は、現在米国特許第9,633,883号として発行されている、2015年11月12日に出願された米国特許出願第14/939,896号、発明の名称「Apparatus for Transfer of Semiconductor Devices」、及び2018年5月12日に出願された米国特許出願第15/978,094号、発明の名称「Method and Apparatus for Multiple Direct Transfers of Semiconductor Devices」を、参照によりこれら全体において組み込む。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素などの半導体材料を利用する電気コンポーネントである。半導体デバイスは通常、単一の個別のデバイス又は集積回路(IC)として製造される。単一の個別のデバイスの例には、発光ダイオード(LED)、ダイオード、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、ヒューズなどの電気的に作動可能な要素が含まれる。
【0003】
半導体デバイスの製造には、典型的に、無数のステップを伴う複雑な製造プロセスが含まれる。製造の最終製品は「パッケージ化された」半導体デバイスである。「パッケージ化された」という修飾語は、最終製品に組み込まれる筐体及び保護機能、ならびにパッケージ内のデバイスを最終的な回路に組み込むことを可能にするインターフェースを指す。
【0004】
半導体デバイスの従来の製造プロセスは、半導体ウェハの取り扱いから始まる。ウェハは、多数の「パッケージ化されていない」半導体デバイスにダイシングされる。「パッケージ化されていない」という修飾語は、保護機能のない密閉されていない半導体デバイスを指す。本明細書では、パッケージ化されていない半導体デバイスは、半導体デバイスダイ、又は簡単にするために単に「ダイ」と呼ばれることがある。1枚の半導体ウェハをダイシングして様々なサイズのダイを作製し、半導体ウェハから(半導体の開始サイズにもよって)10万個を超える、又は100万個を超えるダイを形成することができ、各ダイは特定の品質を有する。次に、パッケージ化されていないダイは、以下で簡単に考察される従来の製造プロセスを介して「パッケージ化」される。ウェハの取り扱いとパッケージングの間の動作は、「ダイの準備」と呼ぶことができる。
【0005】
場合によっては、ダイ調製には、「ピックアンドプレースプロセス」によるダイの分類が含まれる場合があり、これにより、ダイシングされたダイが個々にピックアップされ、ビンに分類される。分類は、ダイの順方向電圧容量、ダイの平均電力、及び/又はダイの波長に基づくことができる。
【0006】
典型的に、パッケージ化には、ダイをプラスチック又はセラミックのパッケージ(例えば、金型又は筐体)に取り付けることを伴う。パッケージ化には、ダイ接点をピン/ワイヤに接続して、究極の回路とのインターフェース/相互接続することも含まれる。半導体デバイスのパッケージ化は、通常、ダイを密閉して環境(ほこりなど)から保護することによって完了する。
【発明の概要】
【0007】
次に、製品メーカは、パッケージ化された半導体デバイスを製品回路に装着する。パッケージ化により、デバイスは製造中の製品の回路アセンブリに「プラグイン」する準備ができている。さらに、デバイスのパッケージ化は、デバイスを劣化又は破壊する可能性のある要素からデバイスを保護するが、パッケージ化されたデバイスはパッケージ内に見出されるダイより本質的に大きくなる(例えば、場合によっては、厚さが約10倍、面積が約10倍で、結果として体積が100倍になる)。従って、結果として得られる回路アセンブリは、半導体デバイスのパッケージより薄くすることはできない。
【0008】
前述のように、1枚の半導体ウェハをダイシングして、10万個を超える、又は100万個を超えるダイを半導体ウェハから作製してもよい。従って、半導体ダイを転写する際に使用されるこれらの機械は、極めて高い精度を必要とする。従って、転写機構は、多くの場合、特定の設計目的を念頭に置いて構築され、精度及び正確さを確実にするために厳しい制約を有して構築される。しかしながら、これらの転写機構は、多くの場合、異なる用途又は製造目的への可変性及び適合性を欠いている。例えば、転写機構は、特定の製品用のダイを転写するために使用され、次いで、別の製品用のダイを転写するように再構成又は調整されてもよい。再構成は、時間がかかり、非効率的である場合があり、時には、機械上のコンポーネントの裂傷及び再構築を必要とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
発明を実施するための形態は、添付の図を参照して記述される。図では、参照番号の左端の数字は、参照番号が最初に表示される図を示す。異なる図で同じ参照番号を使用している場合は、類似又は同一の項目を示す。さらに、図面は、個々の図内の個々の構成要素の相対的なサイズのおおよその描写を提供すると見なすことができる。しかし、図面は原寸に比例しておらず、個々の図内及び異なる図間の両方の個々のコンポーネントの相対的なサイズは、描かれているものとは異なる場合がある。具体的には、一部の図は、コンポーネントを特定のサイズ又は形状として示している場合があるが、他の図は、わかりやすくするために、同じコンポーネントをより大きなスケールで示し、又は異なる形状で示す場合がある。
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態による、事前転写位置にある直接転写装置の概略図を表す。
【
図2】本開示の一実施形態による、回路トレース及び半導体デバイスダイとともに、マルチピッチ構成の直接転写装置のトップダウン概略図を示す。
【
図3】本開示の一実施形態による、回路トレース及び半導体デバイスダイとともに、整合ピッチ転写装置のトップダウン概略図を示す。
【
図4】本開示の一実施形態による、直接転写装置の複数のインパクトワイヤの構成を決定するための方法を示す。
【
図5】本開示の一実施形態による、マルチピッチ構成で配置された複数のインパクトワイヤのトップダウン概略図、及び転写装置が半導体デバイスダイを転写するために行うことができる例示的な移動を示す。
【
図6】本開示の一実施形態による、整合ピッチ構成で配置された複数のインパクトワイヤのトップダウン概略図、及び転写装置が半導体デバイスダイを転写するために行うことができる例示的な移動を示す。
【
図7】本開示の一実施形態による、半導体デバイスダイを転写するための転写装置によって行われる調整を決定するための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概要
本開示は、一般に、ダイ基材(例えば、ブルーテープ、テープ上の半導体ウェハなど)、回路基材(例えば、プリント回路基板、可撓性又は剛性、金属又はプラスチックの回路の表面)、別のダイ(即ち、ダイ上に積み重ねられたダイ、積み重ねられるダイは、転写されたダイを受容するための「基材」として作用する)など、1つの基材(本明細書において第1の基材と称されることが多い)から別の基材(本明細書において第2の基材と称されることが多い)に半導体デバイスダイを直接転写する転写機構、及びそれを達成するための一般のプロセスに関する。一実施形態では、転写機構は、パッケージ化されていないダイを「ウェハテープ」などの基材から回路基材などの製品基材に直接転写するように機能することができる。パッケージ化されていないダイの直接転写は、従来の手段によって製造された同様の製品と比較して、最終製品の厚さ、ならびに製品基材を製造するための時間及び/又はコストを大幅に削減することができる。
【0012】
この説明の目的上、「基材」という用語は、それの上に、又はそれに対して、プロセス又は動作が発生する任意の物質を指す。さらに、「製品」という用語は、完了の状態に関係なく、プロセス又は作用からの望ましい出力を指す。従って、製品基材とは、所望の出力のために、それの上に、又はそれに対して、プロセス又は作用が発生する任意の物質を指すことができる。ウェハテープは、本明細書では、半導体デバイスダイ基材、又は単にダイ基材と称されることもある。
【0013】
一実施形態では、転写機構は、ダイを「パッケージ化」することなく、半導体デバイスダイをウェハテープから製品基材に直接転写することができる。この転写機構は、ウェハテープの垂直上方に配設することができ、インパクトワイヤを作動させ、その結果、ウェハテープを介して製品基材に向かってダイ上に押し下げることができる。ダイ上に押し下げるこのプロセスにより、ダイが製品基材に取り付けられるウェハテープから分離するまでに、ダイの側面で開始してウェハテープからダイが剥離することがある。即ち、ダイとウェハテープとの間の接着力を低下させ、かつダイと製品基材との間の接着力を高めることによって、ダイを転写することができる。
【0014】
転写機械は、例えば、ウェハテープから転写された、LEDなどの「パッケージ化されていない」ダイを受容するための製品基材を固定し得る。ダイを使用して製品の寸法を縮小するために、ダイは非常に小さくて薄く、例えば、ダイは、高さが約12ミクロン~50ミクロンであってもよく、横方向の寸法が約100ミクロン~400ミクロン、又は大体この範囲であってもよい。しかしながら、本明細書で論じる転写機械の実施形態は、前述の寸法よりも大きいサイズであるダイの転写に適応することができる。それにもかかわらず、本明細書で論じる転写機械の実施形態は、前述のようなサイズ範囲のマイクロLEDの転写に特にかなり好適であり得る。ダイの比較的小さいサイズのため、転写機械は、ダイを移送するウェハテープと製品基材との両方を正確に整列させて、正確な装着を確実にする、かつ/又は製品材料の無駄を回避するように機能するコンポーネントを含む。一実施形態では、製品基材、及びウェハテープ上のダイを整列させるコンポーネントは、一組のフレームを含むことができ、これらのフレーム内で、ウェハテープ及び製品基材がそれぞれ固定され、整列位置に個々に搬送され、その結果、ウェハテープ上の特定のダイが、製品基材上の特定の箇所に転写される。
【0015】
製品基材を搬送するフレームは、様々な位置合わせ軸の面内水平方向、垂直方向、及び/又は回転方向、又は曲面への移動を可能にする面外方向を含む、様々な方向に移動することができる。ウェハテープを搬送するフレームは、様々な方向にも移動することができる。ギア、トラック、モータ及び/又は他の要素のシステムを使用して、製品基材及びウェハテープをそれぞれ運搬するフレームを固定及び搬送し、製品基材をウェハテープに整列させ、その結果、製品基材の正確な位置にダイを装着することができる。各フレームシステムはまた、取り出し位置に移動して、転写プロセスの完了時にウェハテープ及び製品基材の取り出しを容易にすることもできる。特定の実施形態に基づくコンポーネントの最も効率的な位置合わせを容易にするために、第1の基材、第2の基材、及び転写機構のいずれか又は全てが互いに対して移動可能であり得ることも理解されたい。
【0016】
一実施形態では、転写機構は、ドットマトリクスプリンタ内で使用されるプリントヘッドと同様に、マルチニードル転写ヘッドを含んでもよく、従って、このマルチニードル転写ヘッドは、以下「ドットマトリクス転写ヘッド」とも称され得る。ドットマトリクス転写ヘッドは、同時に又は逐次的に個々に作動することができる複数のインパクトワイヤ(本明細書では「ニードル」又は「ピン」とも称される)を含んでもよい。複数のインパクトワイヤは、ウェハテープなどの第1の基材から製品基材などの第2の基材に複数の半導体デバイスダイを直接転写するように実装することができる。ドットマトリクス転写ヘッドは、ハウジングをさらに含んでもよく、ハウジングは、複数のインパクトワイヤの作動を制御するように構成された作動アセンブリを含んでもよい。ドットマトリクス転写ヘッドはまた、スプレー要素を含んでもよい。スプレー要素は、互いに指定された距離で複数のインパクトワイヤを広げるように構成されてもよい。一実施形態では、スプレー要素は、ハウジングの一体化部分として含まれてもよい。しかしながら、別の実施形態では、スプレー要素は、ハウジングに着脱可能に取り付けられてもよい。ドットマトリクス転写ヘッドはまた、スプレー要素及び/又はハウジングの側面に取り付けることができるガイド(又はガイドヘッドと称される)を含んでもよい。ガイドは、転写プロセス中に複数のインパクトワイヤの横方向位置を維持するように構成されてもよい。一実施形態では、ガイドは、転写操作の前にウェハテープの表面に接触していてもよい。しかしながら、他の実施形態では、ガイドは、転写操作の前に、任意の断続的な直接接触もなく、又はある程度の断続的な直接接触のみで、ウェハテープの表面に近接して配設されてもよい。
【0017】
一実施形態では、複数のインパクトワイヤは、マルチピッチのドットマトリクス構成(本明細書では「マルチピッチ」と称される)で構成されてもよい。本明細書で使用されるとき、「ピッチ」という用語は、対象物又は地点間の間隔を指す。しかしながら、複数のインパクトワイヤの配置に関して使用されるとき、「ピッチ」という用語は、インパクトワイヤの間隔、従って、複数のインパクトワイヤが、1つ以上の他のコンポーネント、例えば、転写されるべきダイ、転写のための場所などとどのように整列することができるか、又は整列することができないかを指す。例えば、一実施形態では、マルチピッチ構成は、複数のインパクトワイヤが、ウェハテープ上の特定の回路トレースパターン又は半導体デバイスダイの配置と整列するために間隔を空けるのではなく、均等に間隔を置かれるように、互いに一定の距離に複数のインパクトワイヤを配置することができる。「マルチピッチ」という用語は、ウェハテープ上の半導体デバイスダイ又は製品基材上の回路トレースが不均等に間隔を空けている(即ち、ダイ又はトレース間に多数の異なるピッチを有する)とき、複数のインパクトワイヤのマルチピッチ構成が有用であり得るため、使用される。即ち、互いに均等に間隔を空けた複数のインパクトワイヤを有することにより、複数のインパクトワイヤのうちの少なくとも1つのインパクトワイヤが半導体デバイスダイ又は回路トレースのうちの少なくとも1つと整列し得る可能性を高めることができる。マルチピッチ構成は、ガイドヘッドをマルチピッチ構成の複数のインパクトワイヤの配置に取り付けることによって達成することができる。
【0018】
追加的に及び/又は代替的に、一実施形態では、複数のインパクトワイヤは、整合ピッチ構成で配置されてもよい。そのような実施形態では、複数のインパクトワイヤは、製品基材上の回路トレースの所定のピッチ、回路トレースに取り付けることなく転写のための転写場所のうちの1つと整列するように配置されてもよく、又はダイがそこから転写されるべきウェハテープ上に配置されるような半導体デバイスダイの位置に従って、配置されてもよい。特定の整列は、回路トレース又は半導体デバイスダイのうちのどれがより一定のインターバルで間隔を空けるかによって決定することができる。例えば、ダイがそこから転写されるべき基材上のダイ位置よりもダイが転写されるべき回路トレースがより均等に間隔を空ける場合、複数のインパクトワイヤは、整合ピッチ構成で配置されたときに回路トレース転写場所の間隔と整列するように配置されてもよい。
【0019】
図1は、パッケージ化されていない半導体デバイスダイをウェハテープ102から製品基材104に直接転写するために、又は同じように、他の電気的コンポーネントをキャリア基材、即ち1つ以上の電気的コンポーネントを移送する基材から製品基材に転写するために使用することができる装置100(又は「直接転写装置」)の実施形態を示す。ウェハテープ104は、本明細書では、半導体デバイスダイ基材、又は単にダイ基材、又は時には第1の基材と称されることもある。装置100は、製品基材搬送機構106及びウェハテープ搬送機構108を含んでもよい。製品基材搬送機構106は、製品基材フレーム110を含んでもよく、ウェハテープ搬送機構は、ウェハテープフレーム112を含んでもよい。一実施形態では、製品基材フレーム110は、例えば、第2の基材が基材支持体の上にある場合(図示せず、但し104は基材支持体を表し、第2の基材は、例えば、現在米国特許第10,062,588号として発行されている米国出願第15/409,409号などにあるような、第2の基材上の回路トレースの有無にかかわらず、その表面に固定される)に、描写されるように直接的に、又は間接的に、製品基材を固定することができる。装置100は、ドットマトリクス転写ヘッド(本明細書では114として言及される)などの転写機構114をさらに含んでもよく、これは、示すように、ウェハテープ102の垂直上方に配設されてもよい。一実施形態では、ドットマトリクス転写ヘッド114は、ウェハ基材102に接触又はほぼ接触するように位置することができる。さらに、1つ以上の微調整機構は、製品基材搬送機構、ウェハテープ搬送機構、又は転写機構のうちの1つ以上とともに配設され、転写操作の前に、それぞれの機構の転写位置に微調整を行うことができる(米国出願第16/147,456号を参照)。
【0020】
ドットマトリクス転写ヘッド114は、ガイドヘッド116をさらに含んでもよく、それによって、複数のインパクトワイヤ(118(1)、118(2)、...118(N)、これらは本明細書では集合的に118と称される)の単一のインパクトワイヤ118(1)は、転写操作中に複数のインパクトワイヤ118の各々の位置を維持するために、ガイドヘッドの複数の穴120の単一の穴に挿入される。例えば、ガイドヘッド116は、m×nマトリクス構成で複数のインパクトワイヤ118を構成することができる。そのような例では、複数のインパクトワイヤ118は、ガイドヘッド116内の多数の穴120に挿入され、それによって、複数のインパクトワイヤ118を案内して、m×nマトリクス構成(例えば、12×2マトリクス構成、横列に12個の穴及び縦列に2個の穴がある)で作動することができる。さらに、ガイドヘッド116は、多数の穴の同じ構成(例えば、ダメージによって引き起こされる交換の場合)又は異なる構成を有する別のガイドヘッドと容易に交換されるように構成されてもよい。例えば、第1のガイドヘッドは、第1の回路設計上で使用するための12×2マトリクス構成を有するドットマトリクス転写ヘッド114に取り付けられてもよい。第1の回路設計とは違う第2の回路設計で転写を実行するように切り替えると、8×3マトリクス又は他の構成を有する第2のガイドヘッドがドットマトリクス転写ヘッド100に取り付けられ、それによって第1のガイドヘッドを交換することができる。一実施形態では、ガイドヘッド106は、基部側及び基部側とは反対のアタッチメント側を含み、ガイドヘッド116は、アタッチメント側を介してドットマトリクス転写ヘッド114に潜在的に着脱可能に取り付けられる。
【0021】
複数のインパクトワイヤ118は、アクチュエータ122に接続されてもよい。アクチュエータ122は、複数のインパクトワイヤ118に接続されたモータ(図示せず)を含んで、所定の及び/又は計算されてプログラムされた時間に複数のインパクトワイヤ118をウェハテープ102に向かって駆動することができる。そのような実施形態では、アクチュエータ122及び/又は装置100は、アクチュエータ122及び/又は本明細書に記載する他の特徴を作動/制御するように構成されたコントローラ(図示せず)に通信可能に結合されてもよい。一実施形態では、半導体デバイスダイ124のうちの少なくとも1つが少なくとも1つの回路トレース126に接触及び結合するように、複数のインパクトワイヤ118を使用して、パッケージ化されていない半導体デバイスダイ124をウェハテープ102から製品基材104に直接転写することができる。同様に、転写が回路トレースを伴わない一実施形態(例えば、ダイスタッキング、ウェハテープからウェハテープへの転写など)では、転写プロセスは、ダイ124が第2の基材に接触して取り付けられ、第1の基材から取り外されるときに成功したと見なされ得る。
【0022】
ドットマトリクス転写ヘッド114は、複数のインパクトワイヤ118を含むため、ドットマトリクス転写ヘッド114は多数の半導体デバイスダイ124を同時に転写するように構成及び制御されてもよい。追加的に及び/又は代替的に、ドットマトリクス転写ヘッド114は、複数のインパクトワイヤ118を実装して、多数の半導体デバイスダイ124を逐次的に転写してもよい。
図1に3つのインパクトワイヤ118を示すが、一実施形態では、ドットマトリクス転写ヘッド114は、2つ以上のインパクトワイヤ118を含んでもよい。例えば、複数のインパクトワイヤ118は、2個、3個、6個、12個、24個など、及びそれらの間のいずれでも又は例示的な数よりも多い数で含むことができる。
【0023】
数に関わらず、複数のインパクトワイヤの個々のインパクトワイヤは、独立して作動可能であり、複数のインパクトワイヤ118の個々のインパクトワイヤは、単独で及び/又は1つ以上の群で作動することを可能にすることができる。即ち、例えば、ドットマトリクス転写ヘッド114は、一度に単一のインパクトワイヤ118(1)、一度に2つ以上のインパクトワイヤ(例えば、118(1)及び118(n))、及び/又は複数のインパクトワイヤ118の全てを作動させることができる。そのような実施形態では、複数のインパクトワイヤ118のヘッド又はクラスタの実装により、転写機構が単一のインパクトワイヤを実装する機構よりも効率的であり得る様式でダイを転写することを可能にする。例えば、ドットマトリクス転写ヘッド114が製品基材にわたって移動するとき、複数のインパクトワイヤ118を実装する転写機構は、一度に2つ以上のダイを転写してもよい。複数のインパクトワイヤ118又は複数のニードル118のクラスタを収容するヘッドを介して多数のダイを転写することにより、総転写時間が大幅に短縮されるだけでなく、転写機構が他の方法で移動する必要があろう走行距離を減少させることができる。
【0024】
図2は、半導体デバイスダイ204及び回路トレース206とともに、マルチピッチ構成で配置された複数のインパクトワイヤ202を有する直接転写装置100の一実施形態のトップダウン概略図を示す。
図2に示すように、マルチピッチ構成では、一列に並んだ複数のインパクトワイヤ202の各々は、互いに均等に位置付けられてもよい。しかしながら、代替的な実施形態では、複数のインパクトワイヤ202は、不均等なインターバルで相対的に位置付けられてもよい。マルチピッチ構成では、複数のインパクトワイヤ202は、互いに近接して間隔を空けてもよい。そのような実施形態では、複数のインパクトワイヤ202は、互いに直に隣接して間隔を空けてもよい。例えば、複数のインパクトワイヤ202は、互いに衝突を防止するためにのみ間隔を空けてもよい。このマルチピッチ構成は、各インパクトワイヤがドットマトリクス転写ヘッド内に配設され、転写操作中のインパクトワイヤのサイクルが、少なくとも1つの他のインパクトワイヤに直に隣接する個々のインパクトワイヤを配置するように、複数のインパクトワイヤ202を配置する。前述したように、マルチピッチ構成は、複数の異なるピッチ(又は「間隔」)で配設された半導体デバイスダイ及び/又は回路トレースに適応するための能力がある。本質的に、横列に沿って連続的に1つのインパクトワイヤが別のインパクトワイヤの隣に配設されるため、マルチピッチ構成は、例えば、半導体デバイスダイ又は回路トレースが、それらのそれぞれのフレーム内に保持されるときに、均一な間隔に満たない転写プロセスで使用されるときに実装することができる。前述したように、マルチピッチ構成は、複数のインパクトワイヤ202を
図2に示す構成の中に強制する多数の穴を有するガイドヘッドを取り付けることによって達成することができる。
【0025】
追加的に及び/又は代替的に、一実施形態では、複数のインパクトワイヤ202がマルチピッチ構成で配置されるように、複数のインパクトワイヤ202を転写機構に取り付けることができる。個々のインパクトワイヤ間の間隔は、転写されるダイのサイズによっても変化することに留意されたい。即ち、比較的大きなサイズのダイ(例えば、約400ミクロン以上のベース寸法を有する)については、ダイのより大きなフットプリントに適応するために、インパクトワイヤ間の間隔は、より大きくてもよい。しかしながら、転写されるダイがより小さいサイズを有する(例えば、約400ミクロン未満のベース寸法を有する)マルチピッチ構成の一実施形態では、間隔は、より小さくてもよい。例えば、複数のインパクトワイヤ202は、0.1mm~2mm、0.25mm~1mm、0.35mm~0.75mm、0.4mm~0.6mmなどの間隔を空けてもよい。
【0026】
一実施形態では、場所Aに示されるように、ダイ204は、インパクトワイヤ202、ダイ204、及び回路トレース206が全て整列する場所に転写することができる。整列すると、インパクトワイヤ202は、ダイ204に向かって作動してもよく、その結果、インパクトワイヤ202は、ダイ204を押し付けるため、回路トレース206に接触して、それに結合する。追加的に及び/又は代替的に、一実施形態では、3つのコンポーネント(インパクトワイヤ、ダイ、及び回路トレース/転写場所)は、転写を実施するために完璧に整列する必要はない。例えば、一実施形態では、コンポーネントが閾値許容範囲内で整列する場合、ダイ204を転写することができる。場所B及びCは、3つのコンポーネントが中心軸線を通って整列されていない可能な場所を示しているが、依然として半導体デバイスダイ204を転写することが可能であり得る。そのような許容範囲は、得られる製品の品質の制約に基づいて事前に決定されてもよい。
【0027】
図3は、半導体デバイスダイ304及び回路トレース306とともに、整合ピッチ構成で配置された複数のインパクトワイヤ302を有する直接転写装置100の一実施形態のトップダウン概略図を示す。
図3に示すように、整合ピッチ構成では、複数のインパクトワイヤ302の各々は、1つの他のタイプのコンポーネントと整列するように配置される。
図3が示す特定の実施形態では、複数のインパクトワイヤ302は、整合ピッチ構成の回路トレース306と整列するように配置される。追加的に及び/又は代替的に、一実施形態では、複数のインパクトワイヤ302は、半導体デバイスダイ304と整列するように配置されてもよい。一実施形態では、複数のインパクトワイヤ302は、より一貫して間隔を空けるコンポーネントのいずれかに整列されてもよい。例えば、回路トレース306が回路トレース306の各々の間により確実に正確な固定間隔を有する場合、複数のインパクトワイヤ302は、整合ピッチ構成の回路トレース306と整列するように配置されてもよい。しかしながら、半導体デバイスダイ304がより一貫した間隔を有する場合、次いで、複数のインパクトワイヤ302は、整合ピッチ構成の半導体デバイスダイ304と整列するように配置されてもよい。整合ピッチ構成により、コンポーネントのうちの2つが転写動作間で正しく静止したままであることを可能にする一方で、第3のコンポーネントは、必要に応じて調整されてもよい。例えば、複数のインパクトワイヤ302が整合ピッチ構成の回路トレース306と整列している場合、次いで、半導体デバイスダイ302は、転写を発生させることができるように調整する必要がある場合がある唯一のコンポーネントであり得る。従って、転写機構、ウェハテープ、及び製品基材を移動して3つのコンポーネントを整列させる必要があるというよりは、1つのコンポーネント(例えば、その上に配設された半導体デバイスダイを有するウェハテープ)のみが、3つ全てのコンポーネントが十分に整列されることを確実にするために、転写間で調整する必要がある場合がある。
【0028】
前述したように、整合ピッチ構成は、複数のインパクトワイヤ302を
図3に示す整合ピッチ構成の中に強制する多数の穴を有するガイドヘッドを取り付けることによって達成することができる。追加的に及び/又は代替的に、一実施形態では、ガイドヘッドを交換する必要なく、整合ピッチ構成とマルチピッチ構成との間で調整することができるガイドヘッドを使用してもよい。またさらに、一実施形態では、複数のインパクトワイヤ302は、複数のインパクトワイヤ302が整合ピッチ構成で配置されるように、転写機構に取り付けられてもよい。前述したように、整合ピッチ構成は、複数のインパクトワイヤ302の個々のインパクトワイヤの転写操作位置の間、複数のインパクトワイヤ302を整合ピッチ構成で配置する。
【0029】
一実施形態では、製品基材上の回路トレースのピッチ及び/又はウェハテープ上の半導体デバイスダイのピッチに少なくとも部分的に基づいて、マルチピッチ又は整合ピッチ構成が選択されてもよい。追加的に及び/又は代替的に、一実施形態では、複数のインパクトワイヤの第1の部分がマルチピッチ構成で配置され、複数のインパクトワイヤの第2の部分が整合ピッチ構成で配置されるように、複数のインパクトワイヤをグループ化してもよい。一実施形態では、直接転写装置は、ガイドヘッドを自動的に切り替えて、マルチ又は整合ピッチ構成で複数のインパクトワイヤを構成することができる。追加的に及び/又は代替的に、人間のオペレータは、ドットマトリクス転写ヘッド上のガイドヘッドを変更して、所望の構成でニードルを配置してもよい。
【0030】
上記のプロセスを
図4に示す。説明を容易にするために、プロセス400は、少なくとも部分的に、直接転写装置100によって実行されるものとして記載する。しかしながら、一実施形態では、プロセス400は、別の装置及び/又は外部コントローラ、コンピューティングリソース、又は人間のオペレータによって実行されてもよい。注目すべきことに、任意の1つ及び/又は全てのステップは、人間のオペレータによって実行されてもよいが、製品コンポーネントのサイズ及び所望の作業速度とともにアプリケーションの性質により、これらのステップは、電子デバイスの処理能力に委ねるのが最良である。追加的に及び/又は代替的に、一実施形態では、これらのステップの任意の1つ及び/又は全ては、完全に自動化され、直接転写装置100によって実施されてもよい。
【0031】
ステップ402では、半導体デバイスダイ及び/又は回路トレースなど、対象のコンポーネントのピッチが決定される。即ち、回路トレース又は基材に沿った位置など、半導体デバイスダイ及び/又は転写場所の個々のものの間における間隔又は距離(例えば、0mm以上)が決定される。
【0032】
ステップ404では、半導体デバイスダイ及び/又は転写場所の決定されたピッチに少なくとも部分的に基づいて、複数のインパクトワイヤを構成する方法の決定が行われる。そのような実施形態では、整合ピッチ構成又はマルチピッチ構成で複数のインパクトワイヤを構成するかどうかが決定されてもよい。この決定は、ダイを第1の基材(例えば、半導体デバイスダイのウェハテープ)から第2の基材(例えば、製品基材)に転写する際に、どの構成がより効率的であり得るかについて少なくとも部分的に基づくことができる。
【0033】
ステップ406では、複数のインパクトワイヤは、整合ピッチ構成又はマルチピッチ構成のいずれかで構成される。代替的な実施形態では、インパクトワイヤは、全く異なる構成(例えば、円形タイプのパターン、混合パターンなど)で構成されてもよい。従って、複数のインパクトワイヤは、複数のインパクトワイヤを特定の構成で配置するガイドヘッドを取り付けることを介して特定の構成で配置されてもよい。
【0034】
図5は、一実施形態による、マルチピッチ構成で配置された複数のインパクトワイヤ502のトップダウン概略図、及び直接転写装置100が半導体デバイスダイ504を転写するために行い得る例示的な移動を示す。
図5は、単一のインパクトワイヤ転写機構又は固着されたインパクトワイヤを有する多数のインパクトワイヤ機構を使用することにわたって、マルチピッチドットマトリクス転写ヘッドを使用する可能な利点を示す。例えば、
図5は、マルチピッチ構成で配置された複数のインパクトワイヤ502が、半導体デバイスダイ504及び回路トレース506が不均等に間隔を空けることができる状況にどのように利益をもたらすかを示す。一方が他方の直後に続くように、複数のインパクトワイヤ502の間隔を空けることにより、インパクトワイヤが少なくとも1つの他のコンポーネントと整列することができ、場合によっては、転写動作を発生させることができるように、他のコンポーネントの両方と整列することができる可能性が高まる。例えば、位置A及びBは、コンポーネントのいずれかの任意の調整なしに転写動作を発生させることができる場所を表す。一実施形態では、転写機構は、多数の半導体デバイスダイ504を同時に転写してもよい。位置Cは、転写ヘッド及び/又は別のコンポーネントの調整が必要であり得る場所を表してもよい。この例では、転写機構は、位置Cで転写動作を実行することができるように、ドットマトリクス転写ヘッド及びウェハテープにわずかな調整を行う必要がある場合がある。一実施形態では、転写機構は、他の転写を発生させるための大きい調整を行う前に、小さい調整のみを必要とする転写を優先してもよい。例えば、一実施形態では、転写機構は、次の横列により大きい調整(又は「ジャンプ」)を行い、コンポーネントを調整して位置Dで転写を完了する前に、場所A、B、及びCで半導体デバイスダイ504を転写してもよい。このプロセスは、本明細書において
図7に関して以下にさらに記載する。
【0035】
図6は、一実施形態による、整合ピッチ構成で配置された複数のインパクトワイヤ602のトップダウン概略図、及び転写装置100が半導体デバイスダイ604を転写するために行い得る例示的な移動を示す。
図6は、整合ピッチ構成で配置された複数のインパクトワイヤ602が、半導体デバイスダイ604又は回路トレース606のいずれかが実質的に均等に間隔を空けることができる状況にどのように利益をもたらすことができるかを示す。
図6に示す具体例では、回路トレース606は、比較的均等に間隔を空けているように示しており、複数のインパクトワイヤ602は、回路トレースに整列するように配置される。しかしながら、一実施形態では、複数のインパクトワイヤ602は、半導体デバイスダイ604と整列するように配置されてもよい。
図6に示すように、複数のインパクトワイヤ602を回路トレース606と整列させることにより、半導体デバイスダイ604の転写を完了するために行われる必要がある調整の量を低減することができる。例えば、
図6の位置A及びCは、任意の調整なしで即座に転写を完了することができる場所を示す。位置Bは、半導体デバイスダイ604のうちの1つのわずかな調整が半導体デバイスダイ604の転写を完了するために必要な唯一の調整であり得る場所を示す。前述のように、転写機構は、他の転写を発生させるための大きい調整を行う前に、小さい調整のみを必要とする転写を優先してもよい。一実施形態では、転写機構は、ゆっくりとした移動軸線上で小さい調整を行う一方で、例えば、位置Dに転写を行う前に位置Dに「ジャンプ」するなど、速い移動軸線上で大きい調整を行ってもよい。
【0036】
図7は、本出願の一実施形態による、半導体デバイスダイを転写するための直接転写装置100によって行われる調整を決定するための方法700を示す。説明を容易にするために、プロセス700は、少なくとも部分的に、直接転写装置100によって実行されるものとして記載する。しかしながら、一実施形態では、プロセス700は、他の装置及び/又は外部コントローラ、又はコンピューティングリソースによって実行されてもよい。注目すべきことに、任意の1つ及び/又は全てのステップは、人間のオペレータによって実行されてもよいが、製品コンポーネントのサイズ及び所望の作業速度とともにアプリケーションの性質により、これらのステップは、電子デバイスの処理能力に委ねるのが最良である。追加的に及び/又は代替的に、一実施形態では、これらのステップの任意の1つ及び/又は全ては、完全に自動化され、直接転写装置100によって実施されてもよい。
【0037】
方法700(及び本明細書に記載の各プロセス)は、論理フローグラフとして示され、この各動作は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせによって実施され得る一連の動作を表す。ソフトウェアの文脈では、動作は、1つ以上のコンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ実行可能な命令を表し、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、列挙された動作を実行する。一般に、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実行するか、又は特定の抽象データタイプを実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。
【0038】
コンピュータ可読媒体は、ハードドライブ、フロッピディスク、光ディスク、CD-ROM、DVD、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROMS、EEPROMS、フラッシュメモリ、磁気カード又は光カード、ソリッドステートメモリデバイス、又は電子命令の記憶に好適な他のタイプの記憶媒体を含み得る、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は、一時的なコンピュータ可読信号(圧縮又は非圧縮形式)を含むことができる。キャリアを使用して変調されるかどうかにかかわらず、コンピュータ可読信号の例には、インターネット又は他のネットワークを介してダウンロードされる信号を含む、コンピュータプログラムをホスト又は実行するコンピュータシステムがアクセスするように構成され得る信号が含まれるが、これらに限定されない。最後に、特に断りのない限り、動作が記載される順序は制限として解釈されることを意図せず、記載された動作の任意の数を任意の順序で及び/又は並行して組み合わせてプロセスを実施することができる。
【0039】
702では、装置は、1つ以上のコンポーネントの位置を決定することができる。一実施形態では、装置は、コンポーネントの各々の場所を決定することができる。以前に使用されたように、コンポーネントという用語には、限定されなくてもよいが、転写ヘッド(例えば、ドットマトリクス転写ヘッド)、その上に配設されたウェハテープ及び個々の半導体デバイスダイ、ならびにその上の製品基材及び個々の回路トレース又は所望の転写場所が含まれる。従って、ステップ702では、装置は、これらのコンポーネントの各々の場所を決定することができる。より具体的には、ステップ702では、
図2~5に示すように、装置は、転写ヘッドが真上にある場所に焦点を合わせることができる。装置は、複数のインパクトワイヤの各々の場所を決定することができ、多数の転写場所及び半導体デバイスダイが相対的に配向される場所を決定することができる。ステップ702は、転写装置が転写場所及び半導体デバイスダイの各々の場所を位置特定してマッピングするように、任意の転写が完了する前に実現され得る。そのような実施形態では、装置は、転写場所及び半導体デバイスダイの各々の場所を知っており、他のコンポーネントの知られている位置に対する転写ヘッドの場所を決定する必要があるだけである。しかしながら、別の実施形態では、装置は、コンポーネントの場所をリアルタイムで決定することができる。即ち、転写ヘッドが基材上に沿って移動するとき、1つ以上のセンサは、転写プロセスが完了しているときに「前方を見る」及びコンポーネントの場所を決定することができる。
【0040】
ステップ704では、装置は、任意の調整なしに転写が可能である任意の位置があるかどうかを決定することができる。即ち、転写ヘッドが特定の場所に移動すると、インパクトワイヤ、半導体デバイスダイ、及び転写位置(本明細書の例示的な転写場所として使用される回路トレースなど)が半導体デバイスダイの転写を完了するのに十分に整列されている任意の位置があるかどうかを決定することができる。前述のように、インパクトワイヤ、半導体デバイスダイ、及び転写場所は、中心軸線の周りで完璧に整列される必要はない。しかしながら、一実施形態では、装置は、それらが特定の許容範囲閾値内で整列されているかどうかを決定することができる。そのような閾値許容範囲は、得られた製品の品質の制約に基づいて事前に決定されて得る。装置が、3つのコンポーネントが閾値内で十分に整列していると決定した場合、プロセスはステップ706に続く。
【0041】
ステップ706では、装置は、半導体デバイスダイ及び転写場所と十分に整列されたインパクトワイヤのうちの少なくとも1つ及び/又は全てを作動させることができる。例えば、装置が、第1、第3、及び第4のインパクトワイヤが他のコンポーネントと十分に整列していると決定する場合、転写ヘッドは、第1、第3、及び第4のインパクトワイヤを同時に又は逐次的に作動させることができる。
【0042】
装置が、調整なしで転写することができる可能な半導体デバイスダイの全てを転写すると、ステップ708では、現在の場所から移動の微調整によって転写することができるより多くの半導体デバイスダイがあるかどうかを決定することができる。比較的微調整によって転写することができる半導体デバイスダイがこれ以上ない場合、転写ヘッドは次の場所に移動することができるか、又は転写がこれ以上行われない場合、プロセスはステップ710で終了する。しかしながら、転写される必要があるより多くの半導体デバイスダイがある場合、このプロセスは、ステップ710からステップ702までの任意選択の矢印によって示すように、ステップ702で再び開始することができる。代替的に、装置は、コンポーネントの場所を決定し、調整なしで可能な半導体デバイスダイを既に転写しているため、装置は、ステップ702及び704を飛ばすことができ、何らかの調整を伴わずに利用可能である可能な転写場所がこれ以上ない場合があるため、ステップ704に応答して「いいえ」の進路に従うことができる。そのような実施形態では、
図7に示すように、ステップ708からの任意の「はい」の進路は、ステップ712に従うことができる。
【0043】
ステップ704に戻り、3つのコンポーネントが閾値内で十分に整列している転送の可能性がないと装置が決定した場合、プロセスはステップ712に続く。ステップ712では、装置は、最小の調整量を必要とする半導体デバイスを転写するための場所を決定することができる。従って、装置は、必要な(1つ以上の構成要素の)最小の移動量を伴う最小の時間量で完了することができる次の転写を決定するであろう。しかしながら、一実施形態では、ステップ712では、装置は、所与の場所(即ち、ウェハテープの区域)における転写の残りを完了するために必要な調整を最適化する一連の移動を決定することができる。
【0044】
ステップ714では、装置は、3つのコンポーネントが転写を完了するのに十分に整列されるように、1つ以上のコンポーネントを調整することができる。上記のマルチピッチ構成では、装置は、最大で3つ全てのコンポーネントを調整することができる。装置は、3つ全てのコンポーネントをマルチピッチ構成で同時に調整して、3つのコンポーネントを整列させるために任意の1つのコンポーネントが移動しなければならない距離を限定し、従って、転写間の時間を短縮することができる。しかしながら、装置は、
図4に記載する例と同様に、1つ以上のコンポーネントを静止したままにし、1つ以上の他のコンポーネントを第1のコンポーネントに対して移動させることができる。上記の整合ピッチ構成では、装置は、
図5に記載する例と同様に、1つの他のコンポーネントのみを調整しつつ、小さい調整を行う間、コンポーネントのうちの2つを静止させたままにすることができる。
【0045】
ステップ716では、少なくとも1つの半導体デバイスダイを転写するための調整が完了すると、装置は、調整を行った後に転写することができる他の可能な半導体デバイスダイがあるかどうかを決定することができる。
【0046】
ステップ718では、装置は、半導体デバイスダイ及び転写場所と十分に整列されたインパクトワイヤのうちの少なくとも1つ及び/又は全てを作動させることができる。
【0047】
次いで、プロセスは、ステップ708に戻り、転写ヘッドに近い場所に転写されるより多くの半導体デバイスダイがあるかどうかを決定することができる。
【0048】
前述のように、一実施形態では、装置は、異なる移動軸線上の大きい及び小さい調整を優先することができる。例えば、ステップ714で行われた小さい調整(又は所定の距離閾値を下回る調整距離を必要とする調整)は、装置のゆっくりとした移動軸線上で行うことができ、より大きい調整(又は所定の距離閾値を上回る調整距離を必要とする調整(例えば、横列の切り替え又はステップ710の次の場所への転写ヘッドの移動)は、速い移動軸線上で行うことができる。これにより、装置の能力が最適化され、転写間の時間が短縮される。しかしながら、一実施形態では、プロセスは反対に完了されてよく、小さい移動が速い移動軸線上で行われ、大きい移動がゆっくりとした移動軸線上で行われる。これは、小さい調整を行うのに必要な合計時間が1つの大きい調整を行う時間よりも大きくなるように、小さい調整が大量に行われるときに有益であり得る。本出願の具体例では、「小さい」及び「大きい」移動は、ミクロンのオーダーで行われてよく、「速い」及び「遅い」移動は、ミリ秒のオーダーで行われ得ることに留意されたい。例えば、小さい調整は0.45mm+/-50ミクロン前後であってもよく、大きい調整はおよそ2mmであってもよい。さらに、「速い」移動は0.1~10ミリ秒であってもよく、一方で、遅い移動は10~30ミリ秒であってもよい。所与の量は単なる例であり、記載される特徴又は作用を必ずしも限定するものではない。
【0049】
例示的な条項
A:方法であって、転写ヘッドに配設された1つ以上のインパクトワイヤ、第1の基材上の1つ以上の半導体デバイスダイ、及び第2の基材上の1つ以上の転写場所の位置を決定することと、少なくとも1つのインパクトワイヤ、少なくとも1つの半導体デバイスダイ、及び少なくとも1つの転写場所が閾値許容範囲内で整列されている第2の基材上の少なくとも2つの位置が存在するかどうかを決定することと、少なくとも1つのインパクトワイヤ、少なくとも1つの半導体デバイスダイ、及び少なくとも1つの転写場所が閾値許容範囲内で整列されている少なくとも2つの位置が存在するという決定に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも2つのインパクトワイヤによって、少なくとも2つの半導体デバイスダイをウェハテープから製品基材上の少なくとも2つの転写場所に転写することと、を含む、方法。
B:転写ヘッドが、ドットマトリクス転写ヘッドである、段落Aに記載の方法。
C:第1の基材が、ウェハテープである、段落A又はBのいずれか1つに記載の方法。
D:第2の基材が、その上に1つ以上の回路トレースを有する回路基材であり、1つ以上の転写場所の位置を決定することが、回路基材上に配設された1つ以上の回路トレースに沿った1つ以上の転写場所の位置を決定することを含む、段落A~Cのいずれか1つに記載の方法。
E:1つ以上のインパクトワイヤ、1つ以上の半導体デバイスダイ、及び1つ以上の転写場所の位置を決定することが、1つ以上のインパクトワイヤ、1つ以上の半導体デバイスダイ、及び1つ以上の転写場所の互いに対する位置を決定することを含む、段落A~Dのいずれか1つに記載の方法。
F:方法は、少なくとも2つのインパクトワイヤ、少なくとも2つの半導体デバイスダイ、及び少なくとも2つの転写場所が、閾値許容範囲を下回って整列されているという決定に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のインパクトワイヤ、1つ以上の半導体デバイスダイ、又は1つ以上の回路トレースのうちの少なくとも1つの位置を調整することをさらに含む、段落A~Eのいずれか1つに記載の方法。
G:方法は、調整することが、所定の距離閾値を上回る又は下回る調整距離を含むかを決定することと、調整距離が所定の距離閾値を下回るという決定に少なくとも部分的に基づいて、第1の移動軸上で調整を完了することと、調整距離が所定の距離閾値を上回るという決定に少なくとも部分的に基づいて、第2の移動軸上で調整を完了することと、をさらに含み、第1の移動軸が、第1の移動速度で調整を完了し、第2の移動軸が、第2の移動速度で調整を完了し、第2の移動速度が、第1の移動速度よりも大きい、段落A~Fのいずれか1つに記載の方法。
H:少なくとも2つの半導体デバイスダイを第1の基材から少なくとも2つの転写場所に転写することが、少なくとも2つの半導体デバイスダイが第1の基材から外れ、第2の基材上の少なくとも2つの転写場所に取り付けられるように、半導体デバイスダイ上に押し下げるように、少なくとも2つのインパクトワイヤを作動させることを含む、段落A~Gのいずれか1つに記載の方法。
I:少なくとも2つの半導体デバイスダイを第1の基材から少なくとも2つの転写場所に転写することが、閾値許容範囲内のそれぞれの半導体デバイスダイ及び転写場所と整列される1つ以上のインパクトワイヤの全てを作動させることを含む、段落A~Hのいずれか1つに記載の方法。
J:半導体デバイスダイの第1の基材から第2の基材上の転写場所への直接転写を実行するための装置であって、装置が、1つ以上のプロセッサと、命令を記憶する1つ以上のコンピュータ可読媒体と、を備え、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、複数のインパクトワイヤ、複数の半導体デバイスダイ、及び複数の転写場所の位置を決定することと、複数のインパクトワイヤ、複数の半導体デバイスダイ、及び複数の転写場所のうちのそれぞれの2つ以上が、閾値許容範囲内で整列されるかを決定することと、2つ以上のインパクトワイヤ、2つ以上の半導体デバイスダイ、及び2つ以上の転写場所が、閾値許容範囲を下回って整列されているという決定に少なくとも部分的に基づいて、複数のインパクトワイヤ、複数の半導体デバイスダイ、又は複数の転写場所のうちの少なくとも1つの位置を調整することと、複数のインパクトワイヤ、複数の半導体デバイスダイ、又は複数の回路トレースの位置を調整することの完了に少なくとも部分的に基づいて、2つ以上の半導体デバイスダイが、第1の基材から外れ、第2の基材上の2つ以上の転写場所に取り付けられるように、2つ以上のインパクトワイヤが、2つ以上の半導体デバイスダイを転写するように、2つ以上のインパクトワイヤを作動させることと、を含む動作を実行させる、装置。
K:動作が、複数のインパクトワイヤを複数の転写場所のそれぞれの複数の転写場所と整列させることをさらに含む、段落Jに記載の装置。
L:複数のインパクトワイヤ、複数の半導体デバイスダイ、又は複数の転写場所のうちの少なくとも1つの位置を調整することが、複数のインパクトワイヤ及び複数の転写場所に対して複数の半導体デバイスダイを調整することを含む、段落J又はKのいずれか1つに記載の装置。
M:複数のインパクトワイヤ、複数の半導体デバイスダイ、又は複数の回路トレースのうちの少なくとも1つの位置を調整することが、2つ以上のインパクトワイヤ、2つ以上の半導体デバイスダイ、及び2つ以上の転写場所を十分に整列させるために最小量の調整を必要とする場所を決定することを含む、段落J~Lのいずれか1つに記載の装置。
N:動作が、調整を完了するために必要な最短距離又は最短時間に少なくとも部分的に基づいて、第1の基材から第2の基材上の複数の転写場所への複数の半導体デバイスダイの転写を完了するために必要な調整を決定することをさらに含む、段落J~Mのいずれか1つに記載の装置。
O:2つ以上のインパクトワイヤを作動させることが、閾値許容範囲内のそれぞれの半導体デバイスダイ及び転写場所と整列される複数のインパクトワイヤの各インパクトワイヤを作動させることを含む、段落J~Nのいずれか1つに記載の装置。
P:複数のインパクトワイヤ、複数の半導体デバイスダイ、又は複数の転写場所のうちの少なくとも1つの位置を調整することは、調整が所定の距離閾値を上回る又は下回る調整距離を含むかどうかを決定することと、調整距離が所定の距離閾値を下回るという決定に少なくとも部分的に基づいて、第1の移動軸上の調整を完了することと、調整距離が所定の距離閾値を上回るという決定に少なくとも部分的に基づいて、第2の移動軸上の調整を完了することと、を含み、第1の移動軸が、第1の移動速度で調整を完了し、第2の移動軸が、第2の移動速度で調整を完了し、第2の移動速度が、第1の移動速度よりも大きい、段落J~Oのいずれか1つに記載の装置。
Q:第1の基材から第2の基材上の転写場所に半導体デバイスダイを転写するための方法であって、転写ヘッド及び転写ヘッド上に配設された複数のインパクトワイヤと、複数の半導体デバイスダイと、複数の転写場所との第1の場所を決定することと、複数のインパクトワイヤのうちの少なくとも1つのインパクトワイヤ、複数の半導体デバイスダイのうちの少なくとも1つの半導体デバイスダイ、及び複数の転写場所のうちの少なくとも1つの転写場所が、閾値許容範囲内で整列されているかどうかを決定することと、少なくとも1つのインパクトワイヤ、少なくとも1つの半導体デバイスダイ、及び少なくとも1つの転写場所が、閾値許容範囲内で整列されるように、少なくとも1つのインパクトワイヤ、少なくとも1つの半導体デバイスダイ、又は少なくとも1つの転写場所のうちの1つ以上を調整することと、少なくとも1つの半導体デバイスダイが、第1の基材から外れ、第2の基材上の少なくとも1つの転写場所に取り付けられるように、少なくとも1つのインパクトワイヤを介して、少なくとも1つの半導体デバイスダイを転写することと、転写ヘッドの第1の場所で転写される追加の半導体デバイスダイが存在するかどうかを決定することと、転写ヘッドの第1の場所で転写される追加の半導体デバイスダイがないという決定に少なくとも部分的に基づいて、転写ヘッドを第2の場所に搬送することと、を含む、方法。
R:少なくとも1つのインパクトワイヤ、少なくとも1つの半導体デバイスダイ、又は少なくとも1つの転写場所のうちの1つ以上を調整することが、第1の移動速度を有する第1の移動軸上で行われる、段落Qに記載の方法。
S:転写ヘッドを第2の場所に搬送することが、第2の移動速度を有する第2の移動軸上で行われ、第2の移動速度が、第1の移動速度よりも大きい、段落Q又はRのいずれか1つに記載の方法。
T:少なくとも1つの半導体デバイスダイを転写することが、複数のインパクトワイヤのそれぞれのもの及び複数の転写場所のそれぞれのものと、閾値許容範囲内で整列された全ての半導体デバイスダイを転写することを含む、段落Q~Sのいずれか1つに記載の方法。
【0050】
結論
いくつかの実施形態は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に固有の言語で説明されてきたが、特許請求の範囲は、説明された特定の特徴又は行為に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴及び行為は、特許請求された主題を実施する例示的な形態として開示されている。さらに、本明細書における「可能性がある」という用語の使用は、1つ以上の様々な実施形態で使用される特定の特徴の可能性を示すために使用されるが、必ずしも全ての実施形態で使用されるとは限らない。