(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】アクセス制御読取機システム用の超広帯域装置
(51)【国際特許分類】
H04W 12/06 20210101AFI20230310BHJP
G01S 13/76 20060101ALI20230310BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20230310BHJP
H04W 4/80 20180101ALI20230310BHJP
H04W 12/069 20210101ALI20230310BHJP
H04W 12/63 20210101ALI20230310BHJP
H04B 5/02 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
H04W12/06
G01S13/76
E05B49/00 J
H04W4/80
H04W12/069
H04W12/63
H04B5/02
(21)【出願番号】P 2021557176
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(86)【国際出願番号】 EP2020058201
(87)【国際公開番号】W WO2020193570
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-10-20
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501427157
【氏名又は名称】アッサ アブロイ アーベー
【氏名又は名称原語表記】ASSA ABLOY AB
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ピルヒ、ハンス-ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】アインベルク、フレードリク カール ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ヨンソン、トマス ラーシュ
(72)【発明者】
【氏名】プレヴォ、シルヴァン ジャック
(72)【発明者】
【氏名】シュテッフル、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】フランク、ハンス グンナル
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-206355(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0052314(US,A1)
【文献】特開2008-205548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
H04B 5/02
G01S 13/76
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス制御システムの読取機に接続可能な装置であって、
アンテナと
クレデンシャル装置との超広帯域(UWB)通信を可能にするべく、前記アンテナに接続されたUWBフロントエンド回路と、
前記UWBフロントエンド回路に接続され、前記UWB通信を使用して前記クレデンシャル装置に対する測距を実行するように構成されたコントローラと、
前記読取機とインタフェースするように構成された通信リンクと、
前記アクセス制御システムの前記読取機のハウジングとは別個のハウジングであって、前記アンテナ、前記UWBフロントエンド回路、および前記コントローラを収容する前記別個のハウジングと、を備える装置。
【請求項2】
前記通信リンクは、無線通信リンクである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラは、ブルートゥース低エネルギーを使用して前記無線通信リンクを介して前記読取機と通信するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記別個のハウジング内に収容され、かつ前記コントローラおよび前記UWBフロントエンド回路に電力を供給するように構成されたバッテリをさらに備える、請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記別個のハウジング内に収容され、かつ前記クレデンシャル装置に関するキャッシュされたクレデンシャルを格納するように構成されたセキュア要素をさらに備える、請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、前記読取機の回路基板に接続可能な集積回路を備える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、前記読取機の回路基板にプラグ結合可能な集積回路を備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記別個のハウジング内に収容された第2アンテナをさらに備え、前記UWBフロントエンド回路は、前記UWB通信を可能にすべく、前記第2アンテナにさらに接続される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
アクセス制御システムの読取機の回路基板に接続可能な集積回路であって、
クレデンシャル装置との超広帯域(UWB)通信を可能にするべく、アンテナに接続されたUWBフロントエンド回路と、
前記UWBフロントエンド回路に接続され、前記UWB通信を使用して前記クレデンシャル装置に対する測距を実行するように構成されたコントローラと、
前記読取機とインタフェースするように構成された通信リンクと、
前記アクセス制御システムの前記読取機のハウジングとは別個のハウジングであって、前記アンテナ、前記UWBフロントエンド回路、および前記コントローラを収容する前記別個のハウジングと、を備える集積回路。
【請求項10】
前記通信リンクは、無線通信リンクである、請求項9に記載の集積回路。
【請求項11】
前記コントローラは、ブルートゥース低エネルギーを使用して前記無線通信リンクを介して前記読取機と通信するように構成される、請求項10に記載の集積回路。
【請求項12】
前記別個のハウジング内に収容され、かつ前記コントローラおよび前記UWBフロントエンド回路に電力を供給するように構成されたバッテリをさらに備える、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の集積回路。
【請求項13】
前記別個のハウジング内に収容され、かつ前記クレデンシャル装置に関するキャッシュされたクレデンシャルを格納するように構成されたセキュア要素をさらに備える、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の集積回路。
【請求項14】
前記別個のハウジング内に収容された第2アンテナをさらに備え、前記UWBフロントエンド回路は、前記UWB通信を可能にすべく、前記第2アンテナにさらに接続される、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の集積回路。
【請求項15】
アクセス制御システムの読取機に接続可能な超広帯域(UWB)モジュールであって、
アンテナと
前記読取機とインタフェースするように構成された通信リンクと、
クレデンシャル装置との超広帯域(UWB)通信を可能にすべく、前記アンテナに接続されたUWBフロントエンド回路と、
前記UWBフロントエンド回路に接続され、前記通信リンクを介して前記読取機から前記クレデンシャル装置に関連するデータを受信すると、前記UWB通信を使用して前記クレデンシャル装置に対する測距を実行するように構成されたコントローラと、
前記アクセス制御システムの前記読取機のハウジングとは別個のハウジングであって、前記アンテナ、前記UWBフロントエンド回路、および前記コントローラを収容する前記別個のハウジングと、を備えるUWBモジュール。
【請求項16】
前記通信リンクは、無線通信リンクである、請求項
15に記載のUWBモジュール。
【請求項17】
前記コントローラは、ブルートゥース低エネルギーを使用して前記無線通信リンクを介して前記読取機と通信するように構成される、請求項
16に記載のUWBモジュール。
【請求項18】
前記別個のハウジング内に収容され、かつ前記コントローラおよび前記UWBフロントエンド回路に電力を供給するように構成されたバッテリをさらに備える、請求項
15乃至
17のいずれか1項に記載のUWBモジュール。
【請求項19】
前記別個のハウジング内に収容され、かつ前記クレデンシャル装置に関するキャッシュされたクレデンシャルを格納するように構成されたセキュア要素をさらに備える、請求項
15乃至
18のいずれか1項に記載のUWBモジュール。
【請求項20】
前記別個のハウジング内に収容された第2アンテナをさらに備え、前記UWBフロントエンド回路は、前記UWB通信を可能にすべく、前記第2アンテナにさらに接続される、請求項
15乃至
19のいずれか1項に記載のUWBモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、アクセス制御システムに関し、更に詳しくは、アクセス制御システム用の超広帯域(UWB:Ultra-Wide Band)装置の実施形態に関する。
【背景技術】
【0002】
物理的なアクセス制御は、エリアを保護するべく又はアセットを保護するべく、例えば、人々によるアクセスを制御するために様々なシステム及び方法をカバーしている。物理的なアクセス制御は、保護された状態にあるアセットに対するアクセスを許容する、例えば、物理的又は電子的な/ソフトウェアの制御メカニズムなどの制御メカニズムのエリア又は作動を保護するべく使用される認可されたユーザ及び/又は装置(例えば、車両、ドローン、など)の識別及びゲート、ドア、又はその他のメカニズムの作動を含む。PACSは、認可データを保持する且つ(例えば、カード、フォブ(fob)、又は携帯電話機などの個人的な電子装置内の無線周波数識別(RFID:radio frequency identification)チップなどのクレデンシャル又はクレデンシャル装置からの)クレデンシャルがアクチュエータ(例えば、ドアロック、ドア開閉器、ソフトウェア制御メカニズム、アラームのターンオフ、など)について認可されているかどうかを判定する能力を有しうる読取機(例えば、オンライン又はオフライン読取機)を含みうる。その他の例において、PACSは、読取機及び/又は(例えば、コントローラを介した)アクチュエータが中央集中方式で管理された構成において接続されているホストサーバを含みうる。中央集中方式で管理された構成において、読取機は、クレデンシャル又はクレデンシャル装置からクレデンシャルを取得することが可能であると共に、そのクレデンシャルをPACSホストサーバに伝達することができる。次いで、ホストサーバは、クレデンシャルが、保護されている状態のエリアに対するアクセスを認可しているかどうかを判定することが可能であり、且つ相応して、アクチュエータ又はその他の制御メカニズムに命令することができる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
同一の参照符号が同一の要素との関連において図面に跨って使用されている以下の図面との関連において例として提示されている以下の説明から、更に詳細な理解を得ることができる。
【
図1】少なくとも1つの実施形態よる例示用の読取機システムを含む物理的アクセス制御システム(PACS:Physical Access Control System)が使用されうる例示用の状況を示す図である。
【
図2】少なくとも1つの実施形態による
図1のPACSが動作しうる例示用の通信コンテキストを示す図である。
【
図3A】少なくとも1つの実施形態による
図1の読取機システムの例示用のアーキテクチャを示す図である。
【
図3B】少なくとも1つの実施形態による
図1の読取機システムの例示用のアーキテクチャを示す図である。
【
図4】少なくとも1つの実施形態による
図1の読取機システムの例示用のアーキテクチャを示す図である。
【
図5A】少なくとも1つの実施形態による
図1の読取機システムの超広帯域モジュールの例示用のアーキテクチャを集合的に示す図である。
【
図5B】少なくとも1つの実施形態による
図1の読取機システムの超広帯域モジュールの例示用のアーキテクチャを集合的に示す図である。
【
図5C】少なくとも1つの実施形態による
図1の読取機システムの超広帯域モジュールの例示用のアーキテクチャを集合的に示す図である。
【
図5D】少なくとも1つの実施形態による
図1の読取機システムの超広帯域モジュールの例示用のアーキテクチャを集合的に示す図である。
【
図5E】少なくとも1つの実施形態による
図1の読取機システムの超広帯域モジュールの例示用のアーキテクチャを集合的に示す図である。
【
図5F】少なくとも1つの実施形態による
図1の読取機システムの超広帯域モジュールの例示用のアーキテクチャを集合的に示す図である。
【
図5G】少なくとも1つの実施形態による
図1の読取機システムの超広帯域モジュールの例示用のアーキテクチャを集合的に示す図である。
【
図6】1つ又は複数の実施形態が実装されうる機械の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書において開示されているのは、アクセス制御システム用の超広帯域(UWB)モジュールの実施形態である。UWBモジュールは、本明細書においては物理的アクセス制御システム(PACS)との関係において記載されているが、任意のその他のタイプのアクセス制御システムにおいて利用することができる。UWBは、短い低電力のパルスを広い周波数スペクトルにわたって使用している無線周波数(RF:Radio Frequency)技法である。パルスは、数百万回/秒のレベルで発生しうる。所与のUWB実装形態の周波数スペクトルの幅は、一般に、500メガヘルツ(MHz)と、所与のUWB実装形態の周波数スペクトルの算術的中心周波数の20パーセントとのうちの小さいものを上回っている。
【0005】
UWBは、時間変調(例えば、パルス位置エンコーディング)を介してデータをエンコーディングすることにより、通信のために使用することができる。ここで、シンボルは、利用可能な一組の時間単位からのサブセットの時間単位上においてパルスによって規定されている。UWBエンコーディングのタイプのその他の例は、振幅変調及び極性変調を含む。広帯域送信は、搬送波に基づいた送信技法よりも、マルチパスフェージングに対して安定している傾向を有する。更には、任意の所与の周波数におけるパルスの相対的に小さな電力は、搬送波に基づいた通信技法との間の干渉を低減する傾向をも有する。
【0006】
図1は、少なくとも1つの実施形態によるPACSが使用されうる例示用の状況100を示す。
図1に示されているように、壁102は、ドア104をその内部に配設している。例示用の一状況において、保護されたエリアは、ドア104の背後に位置しており、ドア104は、ロック可能なハンドル106を有し、ロック可能なハンドル106は、ロックされていない状態にある際には、保護されたエリアに対するアクセスを付与し、且つその代わりにロックされた状態にある際には、保護されたエリアに対するアクセスを防止している。
【0007】
読取機システム108が、ドア104のハンドル106の近傍に配置されている。一実施形態においては、ハンドル106は、その既定状態として、ロックされた状態になければならない。読取機システム108は、クレデンシャル装置112内に収容されている認可されたクレデンシャルが提示されることに応答して、ハンドル106をアンロックされた状態に選択的に配置するべく動作可能であり、クレデンシャル装置112は、無線インタフェース110を介して読取機システム108と通信することができる。様々な異なる実施形態において、クレデンシャル装置112は、キーカード、フォブ、モバイル装置(例えば、スマートフォン)、及び/又は本開示の実施形態を実現するべく通信能力及びクレデンシャルを有する任意のその他の適切なクレデンシャル装置であることが可能であり、或いは、これを含みうる。
【0008】
本開示は、多数のタイプのエリア並びに/或いはその他のリソース、アセット、及び/又はこれらに類似したものを保護するべく使用されている多数のタイプのPACSに適用可能であることを理解されたい。
図1の状況100は、純粋に、限定ではなく、例示を目的として提示されるものである。
【0009】
図2は、少なくとも1つの実施形態による
図1のPACS(例えば、読取機システム108を含む)が動作しうる例示用の通信コンテキスト200を示している。
図2に示されているように、読取機システム108は、通信リンク204を介してネットワーク202と通信自在に接続されうる。更には、サーバ
208は、通信リンク
206を介してネットワーク202と通信自在に接続されうる。本開示において、通信リンクは、1つ又は複数の無線通信リンク及び/又は1つ又は複数の有線通信リンクを含むことが可能であり、且つアクセスポイント、ネットワークアクセスサーバ、スイッチ、ルーター、ブリッジ、及び/又はこれらに類したものなどの1つ又は複数の中間装置を含みうる。更には、ネットワーク202は、インターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)ネットワーク及び/又は任意のその他のタイプの1つ又は複数の通信ネットワークなどのデータ通信ネットワークであることが可能であり、或いは、これを含みうる。
【0010】
サーバ208は、認可、認証、及び/又はこれらに類似したものなどの読取機システム108の1つ又は複数の機能を実行しうる。いくつかの実施形態において、読取機システム108は、恐らくは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)を介して1つ又は複数のその他の装置、システム、サーバ、及び/又はこれらに類似したものとの通信を伴うスタンドアロンユニットなどの機能をローカルに実行している。サーバ208は、サーバ208の機能を実行するべくプロセッサによって実行可能である命令を収容する通信インタフェース、プロセッサ、及びデータストレージを含みうる。
【0011】
図3Aは、少なくとも1つの実施形態による読取機システム108の例示用のアーキテクチャ300を示している。
図3Aに示されているように、読取機システム108は、通信リンク306を介して互いに通信自在に接続された読取機302及びUWBモジュール304を含みうる。通信リンク306は、有線又は無線であってよい。一例において、通信リンク306は、BLE通信リンクである。いくつかの実施形態において、読取機302は、クレデンシャル装置との間の通信を実行するべく且つクレデンシャル装置(例えば、クレデンシャル装置112)内に含まれている認可されたクレデンシャルが提示されることに応答してハンドル106をアンロックされた状態に選択的に配置するべく、NFC及び/又はブルートゥース(Bluetooth(登録商標)(例えば、ブルートゥース低エネルギー(Bluetooth Low Energy(登録商標)(BLE)))などの無線通信を使用するように装備及び構成されている。
【0012】
読取機302は、NFC、BLE、及び/又はこれらに類似したものに従って通信するべく無線通信インタフェースを含むことが可能であり、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)接続、Ethernet(登録商標)接続、及び/又はこれらに類似したものに従って通信するべく有線通信インタフェースをも含みうる。また、読取機302は、プロセッサと、読取機302の機能を実行するべくプロセッサによって実行可能である命令を含むデータストレージと、を含みうる。
【0013】
いくつかの実施形態において、読取機302は、UWBがアドオンモジュールとして接続される前に、設置及び使用されている。その他の実施形態においては、読取機302及びUWBモジュール304は、リーダシステム108として(或いは、その少なくとも一部分として)一緒に設置されている。UWBモジュール304は、読取機302の既存のハードウェアポート(或いは、拡張ポート、拡張スロット、又はこれらに類似したもの)に対して通信リンク306を介して接続されうる。いくつかの実施形態において、通信リンク306は、データケーブルであるか、或いは、これを含む。UWBモジュール304の例示用のアーキテクチャに関する更なる詳細は、
図5A~
図5Gとの関連において以下に提供されている。
【0014】
一例において、クレデンシャル装置を携帯するユーザは、読取機システム108に接近することができる。クレデンシャル装置が読取機システム108の閾値範囲内に到来した際に、例えば、Bluetooth Low Energy(BLE)を使用することにより、クレデンシャルを交換することができる。このクレデンシャル交換は、例えば、読取機302を使用して調整することができる。次いで、読取機302は、UWB通信を使用した測距を可能にするべく、クレデンシャル装置との間で、スクランブルされたタイムスタンプ(STS)などの秘密を確立することができる。UWB測距は、例えば、UWBモジュール304を使用して実行することができる。これは、読取機302からのデータの受取りの際に動作しうる。データは、STS、PACS-IDなどのクレデンシャルの識別子及びこれらに類似したものを含みうる。測距を使用することにより、意図トリガを識別するべく、ユーザの意図を導出するために、読取機302又はUWBモジュール304の1つ又複数を使用することができる。意図トリガが識別されたら、読取機302は、ユーザに対してアクセスを許容するべく、クレデンシャルを付与することができる。
【0015】
UWBモジュールは、バッテリ308又はエネルギーハーベスタ、コンデンサ、及びこれらに類似したものを含むその他のタイプのローカル電源を含みうる。バッテリ308は、UWBモジュール304が読取機システム108、ドアロックバッテリ、又は任意のその他の外部電源から電力を受け取ることが不要となるように、UWBモジュール304用の電力を供給するべく使用することができる。このことにより、読取機システム108用の電力を節約することが可能であり、読取機システム108内の任意のその他のバッテリよりも着脱自在のUWBモジュール内のバッテリを交換することが容易でありうることから、有利でありうる。
【0016】
図3Bは、少なくとも1つの実施形態による、読取機システム108の別の例示用のアーキテクチャ350を示している。
図3Bに示されているように、読取機システム108は、それ自体が(例えば、オンボードモジュール、コンポーネント、又はこれらに類似したものとして)バッテリ356を含むUWBモジュール354を含みうる読取機352を含みうる。一実施形態において、UWBモジュール354は、読取機352の基板(例えば、メインマザーボード)内にプラグ結合された(plugged into)集積回路(IC:Integrated Circuit)として実装されている。
【0017】
一般的な事項として、読取機352は、
図3Aの読取機302に類似したものであることが可能であり、従って、ここでは、詳細な説明を省略する。
図3Aとの関連において上述したアーキテクチャ300と同様に、
図4のアーキテクチャ350のケースにおいては、読取機352は、UWBモジュール354が後からアドオンされる状態において、予め設置された読取機であることも可能であり、或いは、読取機352及びUWBモジュール354が、読取機システム108として(或いは、その少なくとも一部分として)共通の同時設置と関連付けられているものも可能であろう。
【0018】
図4は、読取機システム108の別の例示用のアーキテクチャ400を示している。読取機システム108は、通信リンク404上において通信するように構成された読取機400及びUWBモジュール402を含む。通信リンクは、有線又は無線であってよい。例えば、読取機400は、BLEを使用してUWBモジュール402と通信するように構成することができる。読取機400は、コントローラ406、アンテナ408a~408c、セキュア要素410、NFC-IC412、RFID IC414、センサ416、フラッシュメモリ418、キーパッド420、及びインタフェース422及び424を含む。コントローラ406は、BLE-SoCマイクロコントローラ又は任意のその他のタイプの制御回路であってよい。コントローラ406は、NFC-IC412及びアンテナ408aを通じたNFC通信が可能でありうる。コントローラは、アンテナ408bを使用したBLE通信が可能でありうると共に、RFID-IC414及びアンテナ408cを通じたRFID通信も可能でありうる。インタフェース422及び424は、ウィーガンド(Wiegand)インタフェース及びRS485インタフェース又は任意のその他のインタフェースタイプであってよい。セキュア要素410は、STS、PACS-ID、及びこれらに類似したものなどの保護された状態のデータをキャッシングするように構成することができる。読取機400のコンポーネントは、第1ハウジング内において収集することができる。
【0019】
UWBモジュール402は、コントローラ426、アンテナ428a及び428b、バッテリ430、セキュア要素432、及びUWBフロントエンド434を含む。また、コントローラ426は、BLE-SoCマイクロコントローラ、或いは、任意のその他のタイプの制御回路であってもよい。バッテリ430は、UWBモジュールが読取機電源、ロック電源、又は任意のその他の電源によって電力供給される必要がないように、UWBモジュール402用の電力を供給するべく使用することができる。コントローラ426は、UWBフロントエンド434を通じたUWB通信の能力を有していてもよく、UWBフロントエンド434は、アンテナ428a及び428bを通じた送受信のためにUWBメッセージをパッケージ化し且つ受け取るように構成された任意の回路であってよい。セキュア要素432は、STS、PACS-ID、及びこれらに類似したものなどの保護された状態のデータをキャッシングするように構成することができる。UWBモジュール402のコンポーネントについては、以下の
図5A~
図5Gとの関係において更に詳細に後述されうる。UWBモジュール402のコンポーネントは、読取機400とは別個の第2ハウジング内において収集することができる。
【0020】
一例においては、クレデンシャル装置を携帯するユーザが読取機400に接近することができる。クレデンシャル装置が読取機システム108の閾値範囲内に到来した際に、コントローラ406は、アンテナ408bを通じたBLEを利用してクレデンシャル装置との間でクレデンシャルを交換することができる。次いで、コントローラ406は、UWB通信を使用した測距を可能にするべくクレデンシャル装置との間でスクランブルされたタイムスタンプ(STS)などの秘密を確立することができる。UWB測距は、例えば、UWBモジュール402のコントローラ426によって実行することができる。これは、コントローラ406からのデータの受取りの際に動作しうる。データは、STS、PACS-IDなどのクレデンシャルの識別子及びこれらに類似したものを含みうる。測距を使用することにより、コントローラ406及び426の1つ又は複数を使用して、(特定の位置への移動などの)意図トリガを識別するべく、ユーザの意図を導出することができる。意図トリガが識別されたら、コントローラ406は、ユーザに対してアクセスを許容するべくクレデンシャルを付与することができる。
【0021】
図5A~
図5Gは、少なくとも1つの実施形態によるUWBモジュール(例えば、
図3AのUWBモジュール304、
図3BのUWBモジュール354、
図4のUWBモジュール402、及び/又はこれらに類似したもの)の例示用のUWBモジュールアーキテクチャ500を集合的に示している。一実施形態において、UWBモジュールアーキテクチャ500は、記載されているコンポーネントの1つ又は複数が存在している1つ又は複数の回路基板として実装されている。その他の実施形態においては、分散型のアーキテクチャを使用することができる。更には、いくつかの特定のコンポーネント、接続、及びこれらに類似したものは、
図5A~
図5Gとの関連において図示及び記載されているアーキテクチャ500内の特定の構成において提示されていることにも留意されたい。これは、限定ではなく、例示を目的としていることを理解されたい。様々な実施形態において、異なるコンポーネント及び/又は異なる接続を異なる構成において使用することが可能であり、いくつかのコンポーネントは、いくつかの実施形態において省略することもできる。更には、いくつかのコンポーネントは、組み合わせることもできよう。これに加えて、又はこの代わりに、1つ又は複数のコンポーネントの機能は、複数のコンポーネントに跨って分散させることも可能であり、或いは、異なる方式で組み合わせることもできよう。様々な異なる入力電圧、水晶発振器、コネクタ、集積回路、及び/又はこれらに類似したものは、異なる実施形態において使用されうる。デバッギングに関係する様々なコンポーネントは、いくつかの実施形態から省略されうる。
【0022】
図5Aは、少なくとも1つの実施形態による例示用のUWBモジュールアーキテクチャ500の第1部分500Aを示している。第1部分500Aは、電圧V
inext、V
in、V
inreader、及びV
usbを含む電圧構成501を含む。また、電圧レギュレータ構成502も含まれており、これは、第1ステップダウンレギュレータ(4~17Vから3V3への)、低ノイズレギュレータ(3V3から1V8への)、及び第2ステップダウンレギュレータ(4~17Vから1V8への)を含む。第1ステップダウンレギュレータは、V
in及び第1接続において第2ステップダウンレギュレータに接続されており、第2接続において入力電圧3V3に接続されている。低ノイズレギュレータは、入力電圧3V3と1V8
RFとの間に接続されている。第2ステップダウンレギュレータは、V
inと1V8との間に接続されている。第1ステップダウンレギュレータ及び第2ステップダウンレギュレータは、それぞれ、マサチューセッツ州ノーウッド(Norwood, Massachusetts)に本社を有するアナログデバイス(登録商標)(Analog Devices)社によって製造されたLT(登録商標)8607でありうる。低ノイズレギュレータは、アナログデバイス(登録商標)(Analog Devices)社からのLT(登録商標)3045でありうる。
【0023】
また、Vinと5Vwi-fiとの間に接続された第3ステップダウンレギュレータ(6~17Vから5Vへの)も含まれている。第3ステップダウンレギュレータは、不十分な電力に起因してUSB電力供給された際にディスエーブルすることができる。第3ステップダウンレギュレータは、アナログデバイス(登録商標)(Analog Devices)社からのLT(登録商標)8607であることが可能であり、少なくとも1つの実施形態においては、UWBモジュールが外部電源を介して供給されている場合にのみ起動される。
【0024】
一般的な事項として、UWBモジュールは、例として、外部供給電圧又はUWBを通じて電力供給することができる。USBが電源として使用されているいくつかの例においては、オンボードの5Vレギュレーション(即ち、いくつかの実施形態において外部Wi-Fiモジュールのために使用されている第3ステップダウンレギュレータ)は、電流消費が潜在的にUSB規格を超過することになることから、起動停止されている。従って、少なくともいくつかの実施形態において、Wi-Fi拡張モジュール又は任意のその他の5Vが供給されている拡張ボードの使用は、外部電源の使用を正当化することになろう。
【0025】
第1部分500Aは、入力電圧Vusbに接続され、且つ接地に接続され、且つデータリンク505に更に接続されたマイクロUSB要素504を更に含む。一実施形態において、Wi-fi機能は、USBによって電力供給されておらず、USBは、BLE及びUWB回路のみに電力供給している。
【0026】
図5Bは、少なくとも1つの実施形態による例示用のUWBモジュールアーキテクチャ500の第2部分500Bを示している。示されている実施形態において、第2部分500Bは、BLEシステムオンチップ(SoC)506、RevE拡張デバッグピンヘッダ517、RevE拡張コネクタ519、ジェネラルデバッグピンヘッダ520、及びESP32-WROOM拡張コネクタ522を含む。一実施形態において、RevEは、テキサス州オースチン(Austin, Texas)において本社を有するHID(登録商標)クローバルコーポレーション(HID Global Corporation)社によって製造されたiCLASS-SE読取機などの読取機のハードウェアレビジョンを指す。
【0027】
ESP32-WROOM拡張コネクタ522は、Wi-fi接続のために設計されたESP32モジュールに対する接続選択肢を提供することが可能であり、一例として、最大で、5Vにおける500mA電流要件において動作するように構成することができよう。ESP32-WROOM拡張モジュールは、Wi-fi能力をRevE読取機に提供し、これにより、その読取機をWi-fi上において透明な読取機にすることが可能であり、ESP32-WROOMモジュール及びRevE拡張コネクタ(例えば、ヒロセ(Hirose)コネクタ)に対するアダプタボードを含みうる。プログラミングアダプタ(例えば、ヒロセ(Hirose)コネクタに対するFTDIを介したVCOM)は、ファームウェアのローディングを相対的に可能にし得る。Wi-fiモジュールは、このプログラミングアダプタ内にプラグ結合することができよう。
【0028】
BLE-SoC506は、ノルウェイのトロンドハイム(Trondheim, Norway)に本社を有するノルディックセミコンダクタ(登録商標)(Nordic Semiconductor)社によって製造されたNRF52840でありうる。一実施形態において、BLE-SoC506は、少なくとも1つのオンボードアンテナを含む。少なくとも1つの実施形態において、BLE-SoC506は、例示用のアーキテクチャ500を有するUWBモジュール用のコアマイクロコントローラである。いくつかの実施形態において、読取機及びUWBモジュールの両方(プラットフォームとも呼称される)は、その個々のコアマイクロコントローラとしてノルディック(Nordic)社のNRF52840を使用している。本開示のUWBモジュールの実施形態において、ノルディック(Nordic)社のNRF52840は、UWBモジュールのコアコントローラとしてのみならず、保護されたUWB測距セッションをセットアップするべく使用されるBLEインタフェースとしても機能している。少なくとも1つのアライメントにおいてBLE-SoC506として使用されるNRF52840用の例示用のピン/周辺割当は、この詳細な説明の末尾における表1において示されている。
【0029】
BLE-SoC506は、入力電圧3V3及び32MHz水晶発振器の両方に接続されており、データリンク505にのみならず、データリンク507、データリンク508、データリンク509、データリンク510、データリンク511、データリンク512、データリンク513、データリンク514、データリンク515、及びデータリンク516にも接続されている。データリンク507は、任意選択のディスプレイに接続され、且つRevE拡張デバッグピンヘッダ517に接続されており、これが、今度は、データリンク518を介してRevE拡張コントローラ519に接続されている。UWBモジュールは、UWBモジュールが読取機に対するアドオンモジュールとして使用されている実施形態においては、RevE拡張コネクタ519を介して電力供給することができる。いくつかの例において、UWBモジュールは、専用の電力コネクタを介して電力供給されている。データリンク508は、ジェネラルデバッグピンヘッダ520に接続されており、これが、今度は、データリンク521を介してESP32Wroom拡張コネクタ522に接続されている。RevE拡張コネクタ519は、入力電圧Vinreader及び接地の両方に接続されている一方で、ESP32Wroom拡張コネクタ522は、入力電圧5Vwi-fi及び接地の両方に接続されている。
【0030】
図5Cは、少なくとも1つの実施形態による例示用のUWBモジュールアーキテクチャ500の第3部分500Cを示している。示されている実施形態において、第3部分500Cは、モードセレクタ523を含み、これは、低プロファイルのDIPスイッチであることが可能であり、或いは、これを含むことが可能であり、且つ開発者が例示用のUWBモジュールアーキテクチャ500を有するUWBモジュールのいくつか(例えば、4つ)の異なる動作モードを識別及び/又は定義することが可能となるダブルスイッチであることが可能であり、或いは、これを含みうる。異なる動作モードは、例として、RevE拡張モード、スタンドアロンモード、Wi-fiモード、及びデバッグモードを含みうる。モードセレクタ523がデータリンク509に接続されている。モードセレクタ523は、単一ファームウェア画像がこれらの及びその他の複数の動作モードのために開発されることが可能となる。一実施形態において、モードセレクタ523は、カリフォルニア州トランス(Torrance, California)に所在するナイデック(登録商標)コーパルエレクトロニクス(NIDEC Copal Electronics)社によって製造されたCVS-02TBである。
【0031】
また、示されている実施形態において、第3部分500Cは、セキュア要素524、埋め込み型のビデオエンジン526、バックライトドライバ530、及びディスプレイコネクタ528を含む。基板/印刷回路基板(PCB:Printed Circuit Board)の境界525によって示されているように、セキュア要素524は、UWBモジュールアーキテクチャ500のメインボードとは別個であるPCBであることが可能であり、或いは、この上部に存在しうる。データリンク510は、セキュア要素524及び埋め込み型のビデオエンジン526の両方に接続されている。セキュア要素524は、セキュアアクセスモジュール(SAM:Secure Access Module)であることが可能であり、或いは、これを含みうる。一実施形態において、セキュア要素524は、スイスのジュネーブ(Geneva, Switzerland)に本社を有するSTMマイクロエレクトロニクス(登録商標)(STMicroelectronics)社によって製造されたST33-ARM-SC330セキュアマイクロコントローラである。
【0032】
埋め込み型のビデオエンジン526は、英国のスコットランドのグラスゴー(Glasgow, Scotland in the United Kingdom)に本社を有するフューチャテクノロジーデバイスインターナショナル(登録商標)リミテッド(Future Technology Devices International Limited)社によって製造されたFT811埋め込み型ビデオエンジン(EVE:Embedded Video Engine)でありうる。少なくとも1つの実施形態において、ボード上の埋め込み型のビデオエンジン526の存在は、メインマイクロコントローラ(即ち、BLE-SoC506)をアンローディングすることを支援している。埋め込み型のビデオエンジン526は、RGBモードにおいて外部ディスプレイを駆動するべく且つバックライトドライバ530を制御するべく有線接続されうる。埋め込み型のビデオエンジン526は、入力電圧3V3に接続されており、且つデータリンク529によってバックライトドライバ530に且つデータリンク527によってディスプレイコントローラ528にも接続される。バックライトドライバ530は、データリンク531により、ディスプレイコントローラ528に接続されている。示されている実施形態において、バックライトドライバ530は、アリゾナ州フェニックス(Phoenix, Arizona)に本社を有するONセミコンダクタ(登録商標)(ON Semiconductor)の関連会社であるフェアチャイルドセミコンダクタ(登録商標)(Fairchild Semiconductor)社によって製造された専用のLEDコントローラであるFAN5333である。一実施形態において、バックライトドライバ530は、ディスプレイバックライトを制御するべく使用されている。バックライトドライバ530のシャットダウンピンは、一実施形態において、調光を可能にするべく、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)を介して埋め込み型のビデオエンジン526によって制御されている。
【0033】
ディスプレイコネクタ528は、入力電圧3V3に接続されるとともに、データリンク532を介して及びBLE SoC506に更に接続されている。ディスプレイコネクタ528は、ディスプレイテック(登録商標)(Displaytech)社のDT024CTFT及びDT024CTFT-TSディスプレイと互換性を有することが可能であり、この後者は、接触制御をサポートしている。これらは、この開示されているUWBモジュールアーキテクチャがサポートするべく設計されている外部薄膜トランジスタ(TFT:Thin-Film Transistor)ディスプレイの例であるが、その他のディスプレイを代わりに使用することができる。ディスプレイコネクタ528は、専用のフラットフレックスコネクタ(FFC:Flat Flex Connector)でありうる。一実施形態において、サポートされているディスプレイは、320×240のピクセル分解能を有し、サイズが2.4’’である。サポートされているディスプレイは、台湾のILIテクノロジー(登録商標)コーポレーション(ILI Technology Corporation)からのILI9341コントローラを使用しうる。
【0034】
図5Dは、少なくとも1つの実施形態による例示用のUWBモジュールアーキテクチャ500の第4部分500Dを示している。示されている実施形態において、第4部分500Dは、アルドゥイーノ(Arduino)互換拡張ヘッダ535のグループを含み、且つデータリンク516に接続されたJTAG(Joint Test Action Group)コネクタ533と、データリンク515に接続され、且つ入力電圧3V3にも接続されたフラッシュメモリ534とを含む。一実施形態において、フラッシュメモリ534は、台湾に本社を有するマクロニックス(登録商標)インターナショナルカンパニーリミテッド(Macronix International Co., Ltd.)社によって製造されたMX25Lフラッシュメモリモジュールでありうる。一実施形態において、使用されている具体的な部品は、MX25L1606EXCI-12Gである。フラッシュメモリ534は、ファームウェア画像又はその他のデータのストレージのために使用されうる。フラッシュメモリ534の容量は、一例として、2MBでありうる。一実施形態においては、類似のフラッシュメモリモジュールが、本UWBモジュールが動作自在に接続されている読取機内において使用されている。読取機内のフラッシュメモリ534及び/又はフラッシュメモリモジュールは、一般的なセキュア周辺インタフェース(SPI:Secure Pheripheral Interface)インタフェースの使用を依然として維持しつつ、フラッシュアクセスを可能にするべく、キューイングされたシリアル周辺インタフェース(QSPI:Queued Serial Pheripheral Interface)に接続されうる。
【0035】
JTAGコネクタ533は、インディアナ州ニューアルバニー(New Albany, Indiana)に本社を有するサムテック(登録商標)インコーポレーテッド(Samtec, Inc.)によって製造されたFTSH-105-01-F-DV-Kでありうる。JTAGコネクタ533は、シリアルワイヤ(SW:Serial Wire)モードにおいて動作するように構成することが可能であり、このモードは、TCLK及びTMSという2つのピンのみが通信のために使用されるJTAGポート用の動作モードである。第3ピンは、任意選択により、データをトレースするべく使用されうる。JTAGピン及びSWピンは、共有されている。一実施形態において、JTAGコネクタ533のピンとの関係において、TCLKは、SWCLK(シリアルワイヤクロック)であり、TMSは、SWDIO(シリアルワイヤデバッグデータ入出力)であり、TDOは、SWO(シリアルワイヤトレース出力)であり、TDIは、NCである。複数のJTAGコネクタが、本明細書において記載されている例示用のアーキテクチャ500を有するUWBモジュールの基板上において使用されうる。
【0036】
図5Eは、少なくとも1つの実施形態による例示用のUWBモジュールアーキテクチャ500の第5部分500Eを示している。示されている実施形態において、第5部分500Eは、第1レベルシフタ536、第2レベルシフタ539、UWB集積回路チップデバッグピンヘッダ538、セキュア要素(SE:Secure Element)SPIピンヘッダ543、SEデバッグピンヘッダ541、及びSE542を含む。
【0037】
第1レベルシフタ536は、テキサス州ダラス(Dallas, Texas)に本社を有するテキサスインスツルメンツ(登録商標)インコーポレーテッド(Texas Instruments Incorporated)によって製造されたTXB0108という8ビット双方向電圧レベルトランスレータでありうる。TXB0108は、汎用I/O及びSPI通信のために少なくとも1つの実施形態において使用されている。一実施形態において、TXB0108のコアリセット信号は、第1レベルシフタ536の出力イネーブルを制御するべく使用されている。これは、コアリセットラインが、Lowにプルされた場合に、SE542及び後述する
図5FのUWB-IC551の両方が外部回路に接続されることを可能にしており、これは、例として、BLE-SoC-EX06を介して又はピンヘッダを介して実行することができる。第1レベルシフタ536は、データリンク514に且つデータリンク537に接続されており、これが、今度は、デバッグコネクタ538に接続されている。一実施形態において、データリンク537は、保護されていない測距及びUWB-IC構成のために、統合された構成インタフェース(UCI:Unified Configuration Interface)コマンドを使用するSPIバスを含む。
【0038】
第2レベルシフタ539は、こちらも、テキサスインスツルメンツ(登録商標)インコーポレーテッド(Texas Instruments Incorporated)によって製造されたTXB0108という8ビット双方向電圧レベルトランスレータのみならず、PCA9306DCUR双方向電圧レベルトランスレータの両方を含みうる。PCA9306DCURは、専用の2ビット双方向I2Cレベルシフタである。一実施形態において、PCA9306DCURは、SE542に対するI2Cインタフェースのために使用されている。第2レベルシフタ539は、データリンク513に且つデータリンク540にも接続され、これが、今度は、NXP-SEデバッグコネクタ541及びNXPセキュア要素(SE)542の両方に接続されている。一実施形態において、NXP-SEデバッグコネクタ541は、NXPアプレット(例えば、セキュア要素管理サービス(SEMS:Secure Element Management Service)エージェントを更新するべく、外部装置接続のために使用可能である。
【0039】
一実施形態においては、第1レベルシフタ536及び第2レベルシフタ539が使用されており、その理由は、
図5Fの後述するUWB-IC551が、モバイル装置用に設計されており、従って、特に1.8Vについてのみの限られた供給電圧サポートのみを有しているからである。これに起因して、本開示におけるUWB-IC551に対するインタフェースは、電圧レベルのシフトを経験する。一つの代替方式において、1.8Vにおいて動作するホストコントローラを使用することが可能であり、或いは、ホストプロセッサのI/O電圧を1.8Vによって供給することもできよう。示されているアーキテクチャの利点は、外部装置とのインタフェースを可能にするという点にある。又、(nRF52840を使用する実施形態における)BLE-SoC506のクロススイッチ能力は、外部インタフェースの任意のもの上における柔軟な周辺割当をもたらし、これにより、そのピンのためにレベルシフタを使用することの利点を相対的に低減している。
【0040】
SE542は、データリンク544を介してSE-SPIピンヘッダ543に接続されており、また、これ自体が入力電圧IV8に且つ接地に接続されている。また、データリンク544を介してSE-SPIピンヘッダ543に接続され、データリンク540を介して第2レベルシフタ530及びNXP-SEデバッグコネクタ541の両方に接続され、いることに加えて、SE542は、入力電圧3V3、入力電圧1V8、及びデータリンク545にも接続されている。一実施形態において、SE542は、確実な測距をサポートしている。SE542は、NFCフロントエンドを有するJava(登録商標) Card SEでありうる。少なくとも1つの実施形態において、SE542は、SN110Uであり、これは、オランダのアインドホーベン(Eindhoven, Netherlands)に本社を有するNXPセミコンダクターズ(登録商標)N.V.(NXP Semiconductors(登録商標)N.V.)社によって製造された単一チップセキュア要素及びNFCコントローラである。一実施形態において、NFCは、NFCフォーラム、EMVCo、及びETSI/SWPと互換性を有するモバイル装置内における統合のために設計されている。
【0041】
図5Fは、少なくとも1つの実施形態による例示用のUWBモジュールアーキテクチャ500の第6部分500Fを示している。示されている実施形態において、第6部分500Fは、上述のUWB-IC551のみならず、第1整合回路553、レーダーポート555、第1RFスイッチ558、第1弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)帯域通過フィルタ560、第2整合回路562、第1アンテナポート564、第2RFスイッチ567、第2SAW帯域通過フィルタ569、第3整合回路571、第2アンテナポート575、第4整合回路546、第3アンテナポート548、及びBLEアンテナ550を含む。
【0042】
少なくとも1つの実施形態において、UWB551は、SR100Tであることが可能であり、これは、SE542として使用されうるSN110Uのように、NXPセミコンダクターズ(登録商標)N.V.(NXP Semiconductors(登録商標) N.V.)社によって製造されたセキュア高精細測距チップセットである。一実施形態において、SR100Tは、IEEE802.15.4のHRP-UWB-PHYに準拠した完全に統合された単一チップインパルス無線超広帯域(IR-UWB)低エネルギートランシーバICである。これは、モバイル環境における確実な測距用途のために設計されている。これは、世界的な使用のために、6.0GHz~8.5GHzの超高周波(SHF:Super High Frequency)UWB帯域をサポートしている。これは、最大で、12dBmのプログラミング可能なトランスミッタ出力電力のみならず、最大距離及び精度のための完全にコヒーレントなレシーバを有する。これは、すべての関連するRFコンポーネント(例えば、整合ネットワーク、バラン)を統合し、これは、FCC及びETSI-UWBスペクトルマスクに準拠している。これは、1.8V+/-7%の供給電圧を使用している。
【0043】
また、SR100Tは、到来角度(AoA:Angle of Arrival)計測をもサポートし、統合されたI/Q位相及び振幅不一致補償を有する。そのフォームファクタは、0.35mmピッチを有する3.8mm×3.1mmの68ピンウエハレベルチップスケールパッケージ(WLCSP:Wafe Level Chip Scale Package)パッケージである。これは、セキュリティのために、128kBのコードRAM、129kBのデータRAM、64kBのROM、並びに、ARM(登録商標) TrustZon技術及びS-DMAを有するARM(登録商標) Cortex-M33の32ビットプロセッサを含む。SR100Tは、200MHzのクロック、32kBのコードRAM、及び2×16kBのデータRAMを有するBSP32 CoolFlux SubSystemを更に有する。また、SR100Tは、第1受信データリンク566、第2受信データリンク556、及び送信データリンク552、250MHz、500MHz、及び1000MHzの動作周波数、チャネル推定器用の2×4kBのRAM、並びに、RFデータログ用の4×32kBのRAMを有する。
【0044】
図5Fに示されているように、UWB551は、入力電圧1V8
RF、入力電圧1V8、第1水晶発振器(37.768kHz)、第2水晶発振器(38.4MHz)、データリンク537、データリンク545、データリンク547、送信データリンク552、第1受信データリンク566、第2受信データリンク556、データリンク557、及びデータリンク565に接続されている。
【0045】
UWB-IC551は、第1RFパイプライン及び第2RFパイプラインという2つのRFパイプラインに接続されているものと見なすことができる。第1RFパイプラインは、第1RFスイッチ558、第1SAW帯域通過フィルタ560、第2整合回路562、及び第1アンテナポート564を含む。第2RFパイプラインは、第2RFスイッチ567、第3SAW帯域通過フィルタ569、第3整合回路571、及び第2アンテナポート574を含む。
【0046】
示されている実施形態において、UWB-IC551は、送信データリンク552を介して第1整合回路553に接続されており、これが、また、UWB-IC551を第1RFスイッチ558と接続している。そして、第1整合回路553は、データリンク554を介してレーダーポート555に接続されており、これは、様々な実施形態との関連において使用されうるレーダーインタフェースに対応している。UWBは、レーザー動作において使用することができ、これにより、数十センチメートルのスケールにおいて位置測定精度を提供する。パルス内の異なる周波数の恐らくは可変である吸収及び反射に起因して、物体の表面及び遮蔽された(例えば、カバーされた)特徴の両方を検出することができる。いくつかのケースにおいて、位置測定は、距離に加えて、入射の角度を提供している。
【0047】
上述のように、第1RFパイプラインにおいて、UWB-IC551は、送信データライン552を介して第1RFスイッチ558に接続されている。また、UWB-IC551は、第2受信データリンク556及びデータリンク557を介して第1RFスイッチ558にも接続されている。入力電圧1V8RFに更に接続されている第1RFスイッチ558は、XMSSJR6G0BAであることが可能であり、これは、日本の京都に本社を有する株式会社村田製作所によって製造されている。そして、第1RFスイッチ558は、データリンク559を介して第1SAW帯域通過フィルタ560に接続されており、これが、今度は、データリンク561を介して第2整合回路562に接続されている。そして、第2整合回路562は、データリンク563を介して第1アンテナポート564に接続されており、これが、今度は、少なくとも1つの実施形態において、第1外部UWBアンテナに接続されている。
【0048】
第2RFパイプラインにおいて、UWB-IC551は、データリンク565を介して且つ第1受信データリンク566をも介して第2RFスイッチ567に接続されている。また、UWB-IC551は、入力電圧1V8RFに且つ接地に接続されている。また、第2RFスイッチは、XMSSJR6G0BAでありうる。そして、第2RFスイッチ567は、データリンク568を介して第2SAW帯域通過フィルタ569に接続されており、これが、今度は、データリンク570を介して第3整合回路571に接続されている。そして、第3整合回路571は、データリンク572を介して第2アンテナポート574に接続されており、これが、今度は、少なくとも1つの実施形態において、第2外部UWBアンテナに接続されている。
【0049】
任意の適切な数の外部UWBアンテナを様々な実施形態において使用することができる。第3外部UWBアンテナがこの開示されている例示用のアーキテクチャ500との関連において配備されている実施形態においては、第3外部UWBアンテナに接続するべく、第3RFパイプラインが配備されている。更には、異なる通信パケット用のアンテナの間におけるスイッチングを可能にするべく、スイッチを実装することもできる。
【0050】
図5Fに更に示されているのは、データリンク512とデータリンク547との間に接続された第4整合回路546であり、これは、第3アンテナポート548に更に接続されている。第3アンテナポート548は、外部BLEアンテナに対する任意選択の接続を提供している。示されている実施形態において、第3アンテナポート548は、データリンク549を介してBLEアンテナ550と接続されており、これは、2.4GHzのBLEアンテナでありうる。
【0051】
少なくとも1つの実施形態において、そのRFインタフェースについて、本開示のUWBモジュールは、日本の東京に本社を有するヒロセ電機株式会社によって製造されたU.FLコネクタを利用している。これらのRFインタフェースは、レーダーアンテナに接続されうるレーダーポート555、第1外部UWBアンテナに接続されうる第1アンテナポート564、第2外部UWBアンテナに接続されうる第2アンテナポート574、及び(外部)BLEアンテナ550に接続されうる第3アンテナポート548を含む。U.FLコネクタは、空間が制限されている用途において一般に使用される無線周波数信号用のミニチュアRF同軸コネクタである。これらは、ラップトップミニPCIカードのみならず、携帯電話機においてしばしば使用されている。また、ヒロセ電機株式会社によって製造されたケーブルを使用することもできる。いくつかの実施形態において、ヒロセX.FLコネクタが使用されている。その他の相違点に加えて、X.FLコネクタは、U.FLコネクタよりも高い周波数における使用のための定格を有する。
【0052】
図5Gは、少なくとも1つの実施形態による例示用のUWBモジュールアーキテクチャ500の第7部分を示している。示されている実施形態において、第7部分は、チャネルインパルス応答(CIR:Channel Impulse Response)デバッグコネクタ575を含み、これは、データリンク547に接続されている。いくつかの実施形態において、CIRデバッグコネクタ575は、UWB-IC551が取得するCIRデータにアクセスするべく、SPI通信用に使用されている(
図5Fの上述のUWB IC551の)ピンとの関連において使用されている。このCIRデータは、測距用途のアナログデバッギング(例えば、アナログ性能デバッギング、ヌル推定、及び/又はこれらに類似したもの)のために使用することができる。CIRは、実際の第1経路、即ち、2つのUWB装置(例えば、UWBモジュール304とクレデンシャル装置112と)の間の実際の距離を見出すべく使用されている。第1経路と最強経路との間の最大検出可能デルタは、ダイナミックレンジと呼称されていることに更に留意されたい。従って、実際の第1経路は、測距用途との関連において重要なデバッギングパラメータを表している。
【0053】
図6は、本明細書において記載されている技法(例えば、方法)の任意の1つ又は複数が稼働しうる例示用の機械600のブロック図を示している。本明細書において記載されている例は、機械600内のロジック又はいくつかのコンポーネント又はメカニズムを含むことが可能であり、或いは、これらによって動作することができる。回路(例えば、処理回路)は、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、ロジック、など)を含む機械600の有体のエンティティ内において実装された回路の集合体である。回路メンバーシップは、時間に伴って柔軟なものであってよい。回路は、単独又は組合せにおいて動作する際に規定された動作を実行しうるメンバを含む。いくつかの例において、回路のハードウェアは、特定の動作を実行するように不変の方式で設計することができる(例えば、配線接続されうる)。いくつかの例において、回路のハードウェアは、特定の動作の命令(例えば、不変の質量粒子の磁気的に電気的に運動可能な配置、など)をエンコーディングするべく物理的に変更された機械可読媒体を含む変化可能な方式で接続された物理的コンポーネント(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路、など)を含むことができる。物理的コンポーネントを接続する際に、ハードウェア構成要素の基礎をなす電気プロパティは、例えば、絶縁体から導電体に変更され、或いは、逆も又真である。命令は、埋め込み型のハードウェア(例えば、実行ユニット又はローディングメカニズム)が動作の際に特定の動作の一部分を実行するべく可変接続を介してハードウェア内の回路のメンバを生成することを可能にしている。従って、いくつかの例において、機械可読媒体要素は、回路の一部分であり、或いは、装置が動作している際に回路のその他のコンポーネントに通信自在に結合されている。いくつかの例において、物理的コンポーネントの任意のものは、複数の回路の複数のメンバ内において使用することができる。例えば、動作の際に、実行ユニットは、1つの時点において第1回路構成の第1回路内において使用されることが可能であり、異なる時点においては、第1回路構成内の第2回路により、或いは、第2回路内の第3回路により、再使用されることが可能である。機械600との関係におけるこれらのコンポーネントの更なる例が後続している。
【0054】
いくつかの実施形態において、機械600は、スタンドアロン装置として稼働することが可能であり、或いは、その他の機械に接続することもできる(例えば、ネットワーク接続されている)。ネットワーク接続された配備において、機械600は、サーバ機械、クライアント機械の能力内において、或いは、サーバ-クライアントの両方のネットワーク環境内において、動作することができる。いくつかの例において、機械600は、ピアツーピア(P2P)(又は、その他の分散型)ネットワーク環境においてピア機械として機能することができる。機械600は、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)、タブレットPC、セットトップボックス(STB:Set-Top Box)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話機、ウェブアプライアンス、ネットワークルーター、スイッチ又はブリッジ、或いは、その機械によって実行される動作を規定する命令(シーケンシャルな又はその他のもの)を実行することが可能な任意の機械であってよい。更には、単一の機械のみが示されているが、「機械」という用語は、クラウド演算、SaaS(Software as a Service)、その他のコンピュータクラスタ構成などの本明細書において記載されている方法の任意の1つ又は複数を実行するべく、命令の1つ又は複数の組を個々に又は協働的に実行する機械の任意の集合体をも含むものと解釈されたい。
【0055】
機械(例えば、コンピュータシステム)600は、ハードウェアプロセッサ602(例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、グラフィックス処理ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)、ハードウェアプロセッサコア、又はこれらの任意の組合せ)、メインメモリ604、スタティックメモリ(例えば、ファームウェア、マイクロコード、基本入出力(BIOS)、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)、など)606、及びマスストレージ608(例えば、ハードドライブ、テープドライブ、フラッシュストレージ、又はその他のブロック装置)を含むことが可能であり、これらのいくつか又はすべては、インターリンク(例えば、バス)630を介して互いに通信することができる。機械600は、表示ユニット610、英数入力装置612(例えば、キーボード)、及びユーザーインタフェース(UI:User Interface)ナビゲーション装置614(例えば、マウス)を更に含みうる。いくつかの例において、表示ユニット610、入力装置612、及びUIナビゲーション装置614は、タッチスクリーンディスプレイであってよい。機械600は、ストレージ装置(例えば、ドライブユニット)608、信号生成装置618(例えば、スピーカ)、ネットワークインタフェース装置620、並びに、全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、又はその他のセンサなどの1つ又は複数のセンサ616を更に含みうる。機械600は、1つ又は複数の周辺装置(例えば、プリンタ、カード読取機、など)と通信するべく又はこれらを制御するべく、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)、パラレル、又はその他の有線又は無線(例えば、赤外線(IR:InfraRed)、近距離通信(NFC:Near Field Communication)、など)接続などの出力コントローラ628を含みうる。
【0056】
プロセッサ602のレジスタ、メインメモリ604、スタティックメモリ606、又はマスストレージ608は、本明細書において記載されている技法又は機能の任意の1つ又は複数によって実施又は利用されるデータ構造又は命令624(例えば、ソフトウェア)の1つ又は複数の組がその上部に保存されている機械可読媒体622であることが可能であり、或いは、これを含みうる。また、命令624は、機械600によるその実行の際にプロセッサ602のレジスタ、メインメモリ604、スタティックメモリ606、又はマスストレージ608の任意のもの内において全体的に又は少なくとも部分的に存在しうる。いくつかの例において、ハードウェアプロセッサ602、メインメモリ604、スタティックメモリ606、又はマスストレージ608の1つ又は任意の組合せは、機械可読媒体622を構成することができる。機械可読媒体622は、単一の媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つ又は複数の命令624を保存するように構成された単一媒体又は複数媒体(例えば、中央集中化されたデータベース及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含みうる。
【0057】
「機械可読媒体」という用語は、機械600による実行のための命令を保存、エンコーディング、又は担持する能力を有する且つ機械600が本開示の技法の任意の1つ又は複数を実行するようにする又はこのような命令によって使用される又はこれらと関連しているデータ構造を保存、エンコーディング、又は担持する能力を有する任意の媒体を含みうる。非限定的な機械可読媒体の例は、半導体メモリ、光媒体、磁気媒体、及び信号(例えば、無線周波数信号、その他の光子に基づいた信号、音響信号、など)を含みうる。いくつかの例において、一時的ではない機械可読媒体は、不変(例えば、静止状態)の質量を有する複数の粒子を有する機械可読媒体を有し、従って、組成物である。従って、一時的ではない機械可読媒体は、一時的な伝播信号を含まない機械可読媒体である。一時的ではない機械可読媒体の具体的な例は、半導体メモリ装置(例えば、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM:Electrically Programmable Read-Only Memory)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、及びフラッシュメモリ)などの不揮発性メモリ、内部ハードディスク及び着脱自在のディスクなどの磁気ディスク、磁気-光ディスク、及びCD-ROM及びDVD-RAMディスクを含みうる。
【0058】
いくつかの例において、機械可読媒体622上において保存される又はその他の方法で提供される情報は、命令624自体などの命令624又は命令624が導出されうるフォーマットを表し得る。命令624が導出されうるこのフォーマットは、ソースコード、(例えば、圧縮又は暗号化された形態における)エンコーディングされた命令、(例えば、複数のパッケージに分割された)パッケージ化された命令、或いはこれらに類似したものを含みうる。機械可読媒体622内の命令624を表す情報は、処理回路により、本明細書において記載されている動作の任意のものを実装するための命令に処理することができる。例えば、情報から命令624を導出するステップ(例えば、処理回路による処理)は、(例えば、ソースコード、オブジェクトコード、などからの)コンパイル、解釈、読込み、組織化(例えば、動的又は静的なリンク)、エンコーディング、デコーディング、暗号化、暗号解読、パッケージ化、パッケージ化解除、又は命令624への情報のその他の操作を含みうる。
【0059】
いくつかの例において、命令624の導出は、機械可読媒体622によって提供されるなんらかの中間又は処理済みのフォーマットから命令624を生成するための情報の(例えば、処理回路による)組立、コンパイル、又は解釈を含みうる。情報は、複数の部分として提供された際に、命令624を生成するべく、組み合わせることが可能であり、アンパッキングすることが可能であり、且つ変更することができる。例えば、情報は、1つ又は複数のリモートサーバ上の複数の圧縮されたソースコードパッケージ(或いは、オブジェクトコード、又はバイナリー実行可能コード、など)内に存在しうる。ソースコードパッケージは、ネットワーク上を移動中である際には、暗号化することが可能であり、且つ必要に応じて、暗号解読する、圧縮解除する、組み立てる(例えば、リンクする)ことが可能であり、且つローカル機械において、(例えば、ライブラリ、スタンドアロン実行可能ファイル、などとして)コンパイル又は解釈することが可能であり、ローカル機械によって実行することができる。
【0060】
命令624は、いくつかの転送プロトコルの任意のもの(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP:Internet protocol)、送信制御プロトコル(TCP:Transmission Control Protocol)、ユーザーデータグラムプロトコル(UDP:User Datagram Protocol)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP:HyperText Transfer Protocol)、など)を利用するネットワークインタフェース装置620を介して送信媒体を使用して通信ネットワーク626上において更に送信又は受信することができる。例示用の通信ネットワークは、その他のものに加えて、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、ワイドエリアネットワーク(WAN:Wide Area Network)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、POTS(Plain Old Telephone)ネットワーク、及び無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)と呼称されるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11規格ファミリー、WiMax(登録商標)と呼称されるIEEE802.16規格ファミリー)、IEEE802.15.4規格ファミリー、ピアツーピア(P2P)ネットワークを含みうる。いくつかの例においては、ネットワークインタフェース装置620は、通信ネットワーク626に接続するべく、1つ又は複数の物理的ジャック(例えば、Ethernet、同軸、又は電話ジャック)又は1つ又は複数のアンテナを含みうる。いくつかの例において、ネットワークインタフェース装置620は、単一入力複数出力(SIMO:Single-Input Multiple-Output)、複数入力複数の出力(MIMO:Multiple-Input Multiple-Output)、又は複数入力単一出力(MISO(Multiple Input Single Output)技法の少なくとも1つを使用して無線通信するべく、複数のアンテナを含みうる。「送信媒体」という用語は、機械600による実行のための命令を保存、エンコーディング、又は搬送する能力を有する任意の有体ではない媒体を含むものと解釈されるものであり、且つこのようなソフトウェアの通信を可能にするためのデジタル又はアナログ通信信号又はその他の有体ではない媒体を含む。送信媒体は、機械可読媒体である。
【0061】
上述の説明は、添付図面に対する参照を含み、添付図面は、詳細な説明の一部分を形成している。図面は、例示を目的として、本発明が実施されうる特定の実施形態を示している。また、これらの実施形態は、本明細書においては「例」と呼称されている。このような例は、図示及び記載されているものに加えて、要素を含みうる。但し、本発明者らは、図示又は記載されている要素のみが提供される例をも想定している。更には、本発明者らは、特定の例(又は、その1つ又は態様)との関係において又は本明細書において図示又は記載されているその他の例(又は、その1つ又は複数の態様)との関係において図示又は記載されている要素の任意の組合せ又は順列を使用する例(又は、その1つ又は複数の態様)をも想定している。
【0062】
本明細書において、「1つの(a)」又は「1つの(an)」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」の任意のその他の例又は使用法とは独立的に、1つ又は複数を含むものとして使用されている。本明細書においては、「又は」という用語は、そうではない旨が通知されていない限り、非排他的なものを意味するように、或いは、「A又はB」が、「BではなくA」、「AではなくB」、及び「A及びB」を含むように、使用されている。本明細書においては、「含む(including)」及び「この場合に(in which)」という用語は、「備える(comprising)」及び「ここで(wherein)」という個々の用語の平易な英語の同等物として使用されている。また、添付の請求項において、「含む」及び「備える」という用語は、オープンエンド型であり、即ち、請求項においてこれらの用語の後に列挙されているものに加えて要素を含むシステム、装置、物品、組成、処方、又はプロセスが、依然として、その請求項の範囲に含まれるものと考えられている。更には、添付の請求項において、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などの用語は、ラベルとして使用されているものに過ぎず、それらの物体に対して数値的要件を課すことを意図したものではない。
【0063】
以上の説明は、限定ではなく、例示を目的としたものであると解釈されたい。例えば、上述の例(又は、その1つ又は複数に態様)は、相互に組合せにおいて使用することができる。例えば、当業者は、以上の説明を参照した際に、その他の実施形態を使用することができる。要約は、読者が技術的な開示の特性を迅速に特定することを可能にするべく提供されている。これは、請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するべく使用されないものと理解されたい。また、以上の詳細な説明において、様々特徴は、本開示を合理化するべく1つにグループ化することもできる。これは、特許請求されていない開示された特徴が任意の請求項にとって必須であることを意図したものとして解釈してはならない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示されている実施形態のすべての特徴未満において存在しうる。従って、添付の請求項は、これにより、それぞれの請求項が別個の実施形態として自立している状態において、例又は実施形態として詳細な説明に内蔵され、このような実施形態は、様々な組合せ又は順列において相互に組み合わせられうるものと想定されている。本発明の範囲は、請求項に付与される均等物の完全な範囲と共に、添付の請求項を参照して判定することを要する。