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特許7241964飲料成分カートリッジ及び飲料成分カートリッジ用のキャップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】飲料成分カートリッジ及び飲料成分カートリッジ用のキャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/28 20060101AFI20230310BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20230310BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20230310BHJP
   A47J 31/40 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
B65D51/28 100
B65D81/32 T
A47J31/06 323
A47J31/40 107
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022508877
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 US2020045370
(87)【国際公開番号】W WO2021030180
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-09-14
(31)【優先権主張番号】16/541,011
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(72)【発明者】
【氏名】バット,アドバイト
(72)【発明者】
【氏名】デシュパンデ,ギリシュ ニルカント
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス,マクシミリアノ
(72)【発明者】
【氏名】タンタネラ,ベンジャミン ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】テレスカ,ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】グラブズ,ネイサン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】クレンケ,ライアン アラン
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0354289(US,A1)
【文献】米国特許第06021892(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0267407(US,A1)
【文献】特開2012-050822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/28
B65D 81/32
A47J 31/06
A47J 31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料成分カートリッジであって、
閉鎖下端部及び開放上端部を有する容器であって、第1の飲料成分を貯蔵するように構成されている、容器と、
前記容器の前記開放上端部内に固定されたキャップであって、前記容器の前記開放上端部をシールする、キャップと、を備え、前記キャップが、
基部と前記容器の閉鎖下端部から離れる方向に前記基部から延在している側壁とを備える貯蔵区画であって、第2の飲料成分を貯蔵するように構成されている、貯蔵区画と、
前記容器の前記閉鎖下端部から離れる方向に前記基部から延在しているカラムであって、前記側壁から離隔されている、カラムと、
前記基部の分離可能領域を画定する脆弱線であって、前記カラムが、前記基部の前記分離可能領域から延在している、脆弱線と、
前記側壁の上端部の周縁と前記カラムとに固定されたプラスチックフィルムであって、前記貯蔵区画をシールする、プラスチックフィルムと、を備え、
前記カラムへの力の適用に応じて、前記分離可能領域が、前記基部から分離し、前記プラスチックフィルムが引き裂かれ、その結果、前記貯蔵区画及び前記容器が前記飲料成分カートリッジの外部の環境に開放する、飲料成分カートリッジ。
【請求項2】
前記容器の外面が、前記キャップの外面と連続している、請求項1に記載の飲料成分カートリッジ。
【請求項3】
前記容器、前記キャップ、及び前記プラスチックフィルムが、各々、リサイクル可能なプラスチック材料を含む、請求項1に記載の飲料成分カートリッジ。
【請求項4】
前記キャップが、スナップ嵌めを介して前記容器に固定される、請求項1に記載の飲料成分カートリッジ。
【請求項5】
前記容器が、前記開放上端部に首部を備え、前記キャップの前記側壁が、前記容器の前記開放上端部内で前記容器の前記首部と対向係合する、請求項4に記載の飲料成分カートリッジ。
【請求項6】
前記キャップが、環状構成を有する脱酸素剤を更に備え、前記脱酸素剤は、前記脱酸素剤が前記分離可能領域を取り囲むように前記貯蔵区画の前記基部の下側に配列される、請求項1に記載の飲料成分カートリッジ。
【請求項7】
飲料を作製するためのシステムであって、
請求項1に記載の飲料成分カートリッジを備え、
前記容器内に配置された液体飲料成分と、
前記キャップの前記貯蔵区画内に配置された乾燥飲料成分と、
カートリッジオープナーを有し、液体を含む飲料槽と、を更に備え、前記飲料成分カートリッジが逆さにされて、前記飲料槽のカートリッジオープナーと係合したときに、前記カートリッジオープナーが前記カラムを前記容器に押し込み、それによって、前記プラスチックフィルムを破壊し、前記分離可能領域を前記キャップの前記基部から分離させて、重力下で前記液体飲料成分及び前記乾燥飲料成分を前記飲料成分カートリッジから前記液体の中へ放出する、システム。
【請求項8】
飲料成分カートリッジ用のキャップであって、
基部と前記基部の周囲から延在している側壁とを備える貯蔵区画であって、飲料成分を貯蔵するように構成されている、貯蔵区画と、
前記貯蔵区画の基部から延在し、前記側壁から離隔されているカラムと、
前記基部の分離可能領域を画定する脆弱線であって、前記カラムが、前記基部の前記分離可能領域から延在している、脆弱線と、
前記側壁の上端部の周縁と前記カラムの上端部とに固定されたプラスチックフィルムであって、前記貯蔵区画をシールする、プラスチックフィルムと、を備え、
前記カラムへの力の適用に応じて、前記プラスチックフィルムが引き裂かれるように構成され、前記分離可能領域が前記基部から分離するように構成されている、キャップ。
【請求項9】
前記カラムが、第2の側の反対側の第1の側、前記第1の側の第1の湾曲部品、及び前記第2の側の第2の湾曲部品を有する直線セクションを含む、横断面領域を備え、前記脆弱線が、少なくとも部分的に前記カラムの形状に倣う、請求項8に記載のキャップ。
【請求項10】
前記分離可能領域が基部から分離したときに、前記プラスチックフィルムが、前記カラムには接続されたままであり、前記周縁からは分離する、請求項8に記載のキャップ。
【請求項11】
前記プラスチックフィルムが前記周縁から離脱したときに流路を画定する、前記側壁から内向きに延在しているフィンを更に備える、請求項10に記載のキャップ。
【請求項12】
環状構成を有する脱酸素剤を更に備え、前記脱酸素剤は、前記脱酸素剤が前記分離可能領域を取り囲むように前記貯蔵区画の前記基部の下側に配列される、請求項8に記載のキャップ。
【請求項13】
前記分離可能領域が、複数の分離可能領域のうちの1つであり、前記複数の分離可能領域の各々が、前記カラムを備える、請求項8に記載のキャップ。
【請求項14】
前記脆弱線を破壊するために必要な前記力が、約5~約40重量ポンドである、請求項8に記載のキャップ。
【請求項15】
前記脆弱線が、円形形状を有する前記分離可能領域を画定し、前記カラムが、前記分離可能領域の中央に位置付けられる、請求項8に記載のキャップ。
【請求項16】
前記脆弱線が、前記貯蔵区画の前記基部の下面に形成された溝を備える、請求項8に記載のキャップ。
【請求項17】
飲料成分カートリッジから飲料成分を分配するための方法であって、
飲料成分カートリッジに力を適用することであって、前記飲料成分カートリッジが、
第1の飲料成分を貯蔵するための容器と、
スナップ嵌めによって前記容器の上端部に固定されたキャップであって、
基部と前記基部から延在している側壁とを有する貯蔵区画と、
前記基部の分離可能領域を画定する前記基部の脆弱線と、
前記基部の前記分離可能領域から延在しているカラムと、
前記側壁の上端部の周縁と前記貯蔵区画を囲む前記カラムとに固定されたプラスチックフィルムと、を備える、キャップと、を備える、適用することと、
前記力の適用によって前記キャップの前記基部から前記カラムを係合解除し、その結果、前記プラスチックフィルムを引き裂き、前記分離可能領域を前記キャップの前記基部から分離させることと、
前記飲料成分カートリッジから前記第1の飲料成分及び第2の飲料成分を分配することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記飲料成分カートリッジを、前記キャップの前記カラムに前記力を適用する前に逆さにし、その結果、重力下で前記第1の飲料成分及び前記第2の飲料成分の分配を生じさせることを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記キャップの前記カラムに前記力を適用することが、前記飲料成分カートリッジの縦軸に沿ってカートリッジオープナーを適用することによって行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記カラムが前記キャップの前記基部から係合解除されたときに、前記プラスチックフィルムが、前記周縁からは分離し、前記カラムには取り付けられたままである、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明する実施形態は、概して、飲料成分カートリッジに関する。具体的には、本明細書で説明する実施形態は、キャップへの力の適用に応じて飲料成分をカートリッジから分配することを可能にするキャップを有する、飲料成分カートリッジに関する。
【発明の概要】
【0002】
いくつかの実施形態は、飲料成分カートリッジを対象とし、本飲料成分カートリッジは、閉鎖下端部及び開放上端部を有する容器であって、第1の飲料成分を貯蔵するように構成されている、容器と、容器の開放上端部内で固定されるキャップであって、容器の開放上端部をシールする、キャップと、を含む。飲料成分カートリッジのキャップは、基部、及び容器の閉鎖下端部から離れる方向に基部から延在する側壁を有する貯蔵区画であって、第2の飲料成分を貯蔵するように構成されている、貯蔵区画と、容器の閉鎖下端部から離れる方向に基部から延在しているカラムであって、側壁から離隔されている、カラムと、基部の分離可能領域を画定する脆弱線であって、カラムが基部の分離可能領域から延在している、脆弱線と、側壁の上端部の周縁とカラムとに固定されたプラスチックフィルムであって、貯蔵区画をシールする、プラスチックフィルムと、を含む。カラムへの力の適用に応じて、分離可能領域が基部から分離し、プラスチックフィルムが引き裂かれ、その結果、貯蔵区画及び容器が飲料成分カートリッジの外部の環境に開放する。
【0003】
いくつかの実施形態は、飲料を作製するためのシステムを対象とし、システムは、本明細書で説明される飲料成分カートリッジを含み、また、容器内に配置された液体飲料成分と、キャップの貯蔵区画の中で配置された乾燥飲料成分と、を更に含む。飲料を作製するためのシステムは、カートリッジオープナーを有し、液体を含む飲料槽を更に含み、飲料成分カートリッジが逆さにされて、飲料槽のカートリッジオープナーと係合したときに、カートリッジオープナーがカラムを容器に押し込み、それによって、プラスチックフィルムを破壊し、分離可能領域をキャップの基部から分離させて、重力下で液体及び乾燥飲料成分を飲料成分カートリッジから液体の中へ放出する。
【0004】
いくつかの実施形態は、飲料成分カートリッジ用のキャップを対象とし、キャップは、基部と基部の周囲から延在している側壁とを備える貯蔵区画であって、飲料成分を貯蔵するように構成されている、貯蔵区画と、貯蔵区画の基部から延在し、側壁から離隔されているカラムと、基部の分離可能領域を画定する脆弱線であって、カラムが、基部の分離可能領域から延在している、脆弱線と、側壁の上端部の周縁とカラムの上端部とに固定されたプラスチックフィルムであって、貯蔵区画をシールする、プラスチックフィルムと、を含む。カラムへの力の適用に応じて、プラスチックフィルムは引き裂かれるように構成され、分離可能領域は基部から分離するように構成されている。
【0005】
いくつかの本明細書で説明する実施形態は、飲料成分カートリッジから飲料成分を分配するための方法を対象とし、方法は、飲料成分カートリッジに力を適用することを含み、飲料成分カートリッジは、第1の飲料成分を貯蔵するための容器と、スナップ嵌めによって容器の上端部に固定されるキャップと、を含む。飲料成分カートリッジのキャップは、基部と基部から延在している側壁とを有する貯蔵区画と、基部の分離可能領域を画定する基部の脆弱線と、基部の分離可能領域から延在しているカラムと、側壁の上端部の周縁と貯蔵区画を囲むカラムとに固定されたプラスチックフィルムと、を含む。本方法は、力の適用によってキャップの基部からカラムを係合解除し、その結果、プラスチックフィルムを引き裂き、分離可能領域をキャップの基部から分離させることと、飲料成分カートリッジから第1及び第2の飲料成分を分配することと、を更に含む。
【0006】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、容器の外面は、キャップの外面と実質的に連続し得る。
【0007】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、容器、キャップ、及びプラスチックフィルムは、各々、リサイクル可能なプラスチック材料を含み得る。
【0008】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、キャップは、スナップ嵌めを介して容器に固定され得る。いくつかの実施形態では、容器は、開放上端部に首部を含み得、キャップの側壁は、容器の開放上端部内で容器の首部と対向係合し得る。
【0009】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、キャップは、環状構成を有する脱酸素剤を更に含み得、脱酸素剤は、脱酸素剤が分離可能領域を取り囲むように貯蔵区画の基部の下側に配列され得る。
【0010】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、カラムは、第2の側の反対側の第1の側、第1の側の第1の湾曲部品、及び第2の側の第2の湾曲部品を有する直線セクションを有する、横断面領域を有し得、脆弱線は、カラムの形状に少なくとも部分的に倣い得る。
【0011】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、分離可能領域が基部から分離したときに、プラスチックフィルムは、カラムには接続されたままであり得、周縁からは分離し得る。いくつかの実施形態では、キャップは、プラスチックフィルムが周縁から分離したときに流路を画定する、側壁から内向きに延在しているフィンを更に含み得る。
【0012】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、分離可能領域は、複数の分離可能領域のうちの1つであり得、複数の分離可能領域の各々は、カラムを含む。
【0013】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、脆弱線を破壊するために必要な力は、約5~約40重量ポンドであり得る。
【0014】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、脆弱線は、円形形状を有する分離可能領域を画定し得、カラムは、分離可能領域の中央に位置付けられ得る。
【0015】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、脆弱線は、貯蔵区画の基部の下面に形成された溝を含み得る。
【0016】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、飲料成分カートリッジを、キャップのカラムに力を適用する前に逆さにしてもよく、その結果、重力下で第1及び第2の飲料成分の分配が生じる。
【0017】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、キャップのカラムに力を適用することは、飲料成分カートリッジの縦軸に沿ってカートリッジオープナーを適用することによって行われ得る。
【0018】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれかでは、カラムがキャップの基部から係合解除されたときに、プラスチックフィルムは、周縁からは分離し、カラムには取り付けられたままであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示を例示するものであり、説明と合わせて、本開示の原理を更に説明し、当業者が本開示を作製及び使用することを可能にする役割を果たす。
【0020】
図1】一実施形態による、飲料成分カートリッジの斜視図を示す。
【0021】
図2図1による飲料成分カートリッジのキャップの斜視図を示す。
【0022】
図3図2のキャップの底面図を示す。
【0023】
図4図2のキャップの上面図を示す。
【0024】
図5図4の線5-5に沿った、図2のキャップの縦断面図を示す。
【0025】
図6A】実施形態による、キャップの上面図を示す。
図6B】実施形態による、キャップの上面図を示す。
【0026】
図7】一実施形態による、キャップの縦断面図を示す。
【0027】
図8A】脱酸素剤を有する図2のキャップの底面図を示す。
【0028】
図8B図8Aの脱酸素剤の斜視図を示す。
【0029】
図9図1の線9-9に沿った、図1の飲料成分カートリッジの縦断面図を示す。
【0030】
図10A】飲料成分を槽に分配するために使用されたときの、図1の飲料成分カートリッジの図を示す。
図10B】飲料成分を槽に分配するために使用されたときの、図1の飲料成分カートリッジの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の説明では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、数多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、構造、システム、及び方法を含む実施形態は、これらの具体的な詳細なく実施され得ることが、当業者には明らかであろう。本明細書の説明及び表現は、当業者によって、彼らの研究を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される通常の手段である。他の例では、本開示の態様を不必要に不明瞭にすることを回避するために、周知の方法、手順、構成要素、及び回路は、詳細に説明されない。
【0032】
「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」などの本明細書での言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含まなくてもよいことを示す。更に、このような句は、必ずしも同じ実施形態を言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態と関連して記載される場合、明確に記載されているかどうかに関わりなく、他の実施形態と関連するこのような特徴、構造、又は特性への影響は、当業者の知見内であるものとする。
【0033】
本明細書で使用されるとき、「上部」及び「下部」、並びに「頂部」及び「底部」などの用語は、示される飲料カートリッジの方向に関して添付図面を参照しながら本発明の実施形態の理解を支援することを意図しており、本発明の範囲を限定することも、本発明の範囲を図に表されている実施形態に限定することも意図していない。方向用語は、説明の便宜のために使用されており、飲料成分カートリッジ用のキャップ及びキャップを含む飲料成分カートリッジが、様々な方向のうちのいずれかに位置付けられ得ることが理解される。
【0034】
飲料成分カートリッジは、水又は別のベース液体を加えて飲料を作成するための1種以上の飲料成分を含み得る。消費者は、飲料成分カートリッジの内容物と、ユーザが容易に利用可能であり得る水とを混合することによって、迅速かつ容易に飲料を作製することができる。飲料成分カートリッジは、予め混合された飲料を購入するのではなく、飲料成分を水又は他のベース液体に加えるための、消費者に好都合な方法を提供する。飲料成分カートリッジは、ユーザに、自分自身の飲料を調製及び混合する経験を提供するが、一部の消費者は、単に予めパッケージされた飲料を購入することを好み得る。
【0035】
いくつかの既存の飲料成分カートリッジは、カートリッジの開口部を覆うアルミニウムフォイルシールを含む。アルミニウムフォイルシールは、カートリッジから飲料成分を放出するために穿刺することができる。しかしながら、アルミニウムフォイルシールは、最適に穿刺することが困難であり得る。アルミニウムフォイルを穿刺して、カートリッジから飲料成分を分配することの問題点は、消費者にとってイライラするもの、及び不都合なものであることであり、消費者の経験に悪影響を及ぼし得る。消費者が飲料成分カートリッジを容易に開口して、飲料成分を分配することができない場合、消費者は、将来更に飲料成分カートリッジを購入して使用する可能性が低くなり得る。
【0036】
更に、多くの場合、アルミニウムフォイルシールを有する飲料成分カートリッジをリサイクルするために、アルミニウムフォイルは、カートリッジのプラスチックリサイクル可能な構成要素から分離することが必要であり得る。消費者は、分離した構成要素をリサイクルするためにカートリッジの構成要素を分離することが、時間のかかること、かつ不便であると感じ得る。
【0037】
いくつかの本明細書で説明する実施形態は、キャップへの力の適用に応じて、飲料成分をカートリッジから放出することを可能にするように構成されているキャップを含む、飲料成分を貯蔵するための飲料成分カートリッジに関する。更に、本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、飲料成分カートリッジがカートリッジの構成要素を分離及び分類することなく容易にリサイクル可能であり、リサイクルを促進し、それによって、リサイクル率が高くなるように、リサイクル可能なプラスチック材料からなる飲料成分カートリッジに関する。
【0038】
本明細書で説明するいくつかの実施形態は、第1の飲料成分を貯蔵するための容器120と、容器120をシールするため及び第2の飲料成分を貯蔵するためのキャップ200と、を含む、図1に示されるような飲料成分カートリッジ100に関する。「飲料成分」という用語は、本明細書で使用されるとき、数ある飲料強化物及びそれらの組み合わせの中でも、コーヒー、茶、果汁、又は濃縮物を含む、甘味料、着色料、ビタミン、ミネラル、栄養素、補助剤、又は香料などの、液体形態であるか固体(「乾燥」)形態であるかにかかわない、飲料を作るために(すなわち、その一部として)使用可能な任意の食用物質を指す。液体飲料成分は、任意の粘度を有し得、また、飲料成分が水様であるように低粘性を有し得るか、又は飲料成分がシロップ様であるように高粘度を有し得る。例えば、液体飲料成分は、数ある中でも、果汁、茶、若しくはコーヒー濃縮物などの濃縮物、抽出物、又は蜂蜜若しくはシロップであり得る。固体飲料成分は、粉末状又は顆粒形態であり得、水などの液体と混合したときに溶解するように構成され得る。例えば、固体飲料成分は、糖、蔗糖、デメララ糖、若しくは粗糖、又は他の天然若しくは人工甘味料(例えば、ステビア)であり得るか、又はシナモンなどのスパイス、又は他の香料であり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、容器120が飲料成分を貯蔵し得、かつキャップ200が空であり得るか、キャップ200が飲料成分を貯蔵し得、かつ容器120が空であり得るか、又は容器120及びキャップ200の両方が飲料成分を貯蔵し得る。容器120及びキャップ200の両方が飲料成分を貯蔵する実施形態では、飲料成分は、同じであり得るか、又は異なり得る。例えば、第1の飲料成分は、容器120又はキャップ200のうちの一方において液体の形態であり得、一方で、第2の飲料成分は、容器120又はキャップ200の他方において固体(例えば、粉末又は顆粒)の形態であり得る。更に、カートリッジ100は、水又は炭酸水などのベース液体を混合する場合に、特定の種類の飲料を生成するための飲料成分を貯蔵するために使用され得る。例えば、カートリッジ100は、容器120内に茶又はコーヒー抽出液を貯蔵し、カートリッジ100のキャップ200内に甘味料を貯蔵し得、よって、カートリッジ100の内容物と水とを混合したときに、甘味及び風味をつけた茶又はコーヒー飲料が生成される。
【0040】
本明細書で説明するいくつかの実施形態は、例えば図2図5示されるような飲料成分カートリッジ用のキャップ200に関する。キャップ200は、貯蔵区画215と、貯蔵区画215から延在しているスカート240と、を含み得る。貯蔵区画215は、図2に示されるように、乾燥飲料成分などの飲料成分を貯蔵するための内部容積217を画定する。貯蔵区画215は、基部210の周辺部212からなどの、基部210から延在している側壁230を有する基部210を含む。側壁230は、(キャップ200が容器120に固定された場合)容器120の閉鎖下端部122から離れる方向に、基部210の周辺部212全体の周囲に基部210から上向きに延在し得る。側壁230は、図5に最良に示されるように、側壁230が上端部232に向かって広がって円錐形の断面として形成されるように、基部210から垂直に、又はキャップ200の縦軸に対してわずかな角度θで延在し得る。側壁230は、基部210の周辺部212の周りに一定の高さを有し得る。基部210は、貯蔵区画215が円筒形状又はカップ形状を有し得るように、上面図(図4を参照されたい)において円形形状を有し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、基部210は、数ある中でも、楕円形状、正方形形状、長方形形状、円形状、又は三角形形状などの、様々な形状のうちのいずれかを有し得る。貯蔵区画215は、飲料成分が開放上端部232を通って貯蔵区画215から逃れ得るように、側壁230の上端部232において開放している。
【0041】
図7に示されるように、キャップ200は、プラスチックフィルム280を更に含む。プラスチックフィルム280は、貯蔵区画215の内部容積217をシールするように、カラム250の上端部252に、更には側壁230の上端部232の周縁239に固定され得る。プラスチックフィルム280は、貯蔵区画215の基部210と同様に成形され得る。例えば、プラスチックフィルム280は、円形基部210を有する貯蔵区画215をシールするように、円形形状を有し得る。貯蔵区画215の基部210が楕円形状などの異なる形状を有する実施形態では、プラスチックフィルム280は、貯蔵区画215をシールするように、対応する形状で形成することができる。
【0042】
プラスチックフィルム280は、キャップ200の基部210からカラム250及び分離可能領域216を分離させる力がキャップ200のカラム250に適用されたときに、破壊されるように又は引き裂かれるように構成されている。プラスチックフィルム280は、両方の側壁230(すなわち、側壁230の上端部232の周縁239)に、及びカラム250(すなわち、カラム250の上端部252)に固定され、周縁239に対するカラム250の運動は、破る若しくは引き裂くこと、側壁230の周縁239から分離すること、又はそれらの組み合わせなどによってフィルム280を破壊する力をフィルム280に適用する。いくつかの実施形態では、図10Bを参照してより詳細に説明されるように、プラスチックフィルム280は、カラム250には取り付けられたままであり得、周縁239からは分離し得、その結果、カラム250が容器120の内部容積に押し込まれたときに、プラスチックフィルム280は、カラム250によって基部210の開口部を通して、容器120の中へ引っ張られる。本明細書で説明される任意の様式でプラスチックフィルム280を引き裂いた又は破壊した結果として、貯蔵区画215及び容器120がカートリッジ100の外部の環境に開放され、貯蔵区画215の内部容積217内に貯蔵された飲料成分は、プラスチックフィルム280によってもはや覆われていない貯蔵区画215の開放上端部232を介してキャップ200から逃れ得る。
【0043】
プラスチックフィルム280は、リサイクル可能なプラスチック材料などの様々な種類のプラスチックのうちのいずれかからなり得る。いくつかの実施形態では、プラスチックフィルム280は、数ある材料及びそれらの組み合わせの中でも、ポリエチレンテレフタレート又はポリオレフィンからなり得る。このようにして、キャップ200及びプラスチックフィルム280を含む飲料成分カートリッジ100は、カートリッジ100の部品を分離させる又は分類することなく、またリサイクル不可能な材料(例えば、金属又は紙)を廃棄する必要なく、単一ストリームのリサイクルシステムで容易にリサイクルされ得る。いくつかの実施形態では、プラスチックフィルム280は、多層フィルムであり得る。そのような実施形態では、プラスチックフィルム280は、例えば、キャップ200でシールするためのシール層、材料がプラスチックフィルム280を通過するのを防止するためのバリア層、及び印刷情報、ブランディング、ロゴなどを含む印刷ラベル、のうちの1つ以上を含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、図3に示されるように、キャップ200の基部210は、基部210の分離可能領域216を画定する、脆弱線214を含む。脆弱線214は、分離可能領域216への十分な量の力の適用に応じて、脆弱線214において分離可能領域216が基部210から離脱するように構成されるように減じられた厚さを有する基部210の領域であり得る。いくつかの実施形態では、脆弱線214は、約5~約10ポンドの力の適用に応じて破壊されるように構成され得る。力の量は、脆弱線214が輸送又は運搬中に、又はキャップ200を有するカートリッジ100が落とされた場合、若しくは別様に衝撃を受けた場合に破壊される可能性が低くなり、一方で、飲料成分を分配するために消費者によって限られた力が適用されること必要とするように選択される。
【0045】
脆弱線214は、直線であり得るが、そうである必要はなく、曲線状、湾曲状、又は円弧状であり得、及び様々な形状のうちのいずれかを形成し得ることが理解される。いくつかの実施形態では、脆弱線214は、溝218において減じられた厚さの基部210をもたらす、基部210の下面219の溝218によって形成され得る(図3及び図5を参照されたい)。脆弱線214は、基部210から分離可能領域216の分離を容易にするように、代替的にスコアリング又は一連の穿孔を含み得る。しかしながら、基部210が中実であること、及び分離可能領域216が基部210から分離されるまで材料が基部210又は脆弱線214のいかなる部分も通過し得ないことが理解される。分離可能領域216への力の適用に応じて、分離可能領域216が基部210から分離されたときに、脆弱線214によって画定された分離可能領域216の形状に対応する開口部が基部210内に形成される。
【0046】
脆弱線214は、カラム250を取り囲み、脆弱線214は、カラム250の形状に倣い得る。したがって、脆弱線214は、カラム250の周辺部の少なくとも一部分の周りに配列され得る。図3に示されるように、脆弱線214は、線形領域によって接続された一対の半円形領域を含み、それによって画定された分離可能領域216は、ダンベルと同様に成形される(例えば、直線部分の中央で接続された、対向する方向に面する2つのD字形状を有する)。カラム250及び分離可能領域216が、キャップ200の基部210から分離されて、キャップ200が固定されるカートリッジ100の容器120の内部容積127に進入するとき、基部210から分離した時点でカラム250がダンベル形状の開口部と整列して通過する可能性が低いため、カラム250の横断面形状は、カラム250が容器120の内部容積127から逃げることを防止するのを補助する。いくつかの実施形態では、脆弱線214は、数ある中でも、円形、三角形、楔形状、四角形、半円形である形状を有し得るか、又はC字形状、H字形状、T字形状、S字形状、又はZ字形状であり得る。
【0047】
カラム250は、基部210の分離可能領域216から延在している。力がカラム250の上端部252に適用されると、カラム250は、分離可能領域216に力を伝達するように構成され、これは、分離可能領域216及びそれに取り付けられたカラム250を、脆弱線214においてキャップ200の基部210から分離する。カラム250は、キャップ200が容器120に固定されたとき、キャップ200の縦軸Zに沿って、又は平行に、及び容器120の閉鎖下端部122から離れる方向に、基部210から上向きに延在し得る。いくつかの実施形態では、カラム250は、側壁230(図5を参照されたい)の高さと同じである最大高さhを有し、又はカラム250は、側壁230の高さよりも低い高さを有し得る。カラム250の上端部252はまた、プラスチックフィルム280をカラム250にシールするための表面も提供する。
【0048】
いくつかの実施形態では、図4図5に示されるように、カラム250は、貯蔵区画215の側壁230から離隔され、基部210の中央に位置付けられ得る。カラム250は、上端部でのカラム250の形状が基部210でのカラム250の形状と同じであるように、カラム250の高さに沿って一定である横断面領域を有し得る。これは、カラム250から基部210の分離可能領域216への力の効率的な伝達を確実にするのを補助する。図4では、カラム250は、第2の側255の反対側の第1の側254と、第1の側254の第1の湾曲部品256と、第2の側255の第2の湾曲部品257と、を有する直線領域253を含む、横断面領域を有するように示されている。第1の湾曲部品256は、円の円弧として成形され得、第2の湾曲部品257は、同じ円の円弧として成形され得る。しかしながら、カラム250は、本明細書で論じられるような様々な他の形状及び幾何学形状を有し得る。カラム250が貯蔵区画215内に配列されると、カラム250は、貯蔵区画215の貯蔵容積を画定する。いくつかの実施形態では、貯蔵区画215は、1~20cm、2~16cm、又は4~12cmの容積を有し得る。いくつかの実施形態では、貯蔵区画215は、約0.5~8グラム、1~6グラム、又は2~4グラムの量を有する固体飲料成分、例えば粉末飲料成分を貯蔵するように構成され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、キャップは、例えば図6A及び図6Bに示されるように、その基部に形成された複数の分離可能領域を含み得る。分離可能領域は、X軸又はY軸などの1つ以上の軸に沿って対称的に基部に配列され得、又は分離可能領域は、放射形対称を有し得る。例えば、図6Aの上面図に示されるキャップ300は、図4のキャップ200と同じ様態で構築され、キャップ300は、基部310及び側壁330を有する貯蔵区画315と、側壁330から延在しているスカート340と、を含む。しかしながら、キャップ300は、キャップ300の脆弱線314が、一緒に正方形形状(又は丸み付き正方形形状)を形成する基部310の分離可能領域316を画定している点で、キャップ200とは異なる。個々の分離可能領域316は、楔形状又は三角形形状を有し得る。他の実施形態では、図6Bの上面図に示されるキャップ400は、類似する様態で構築されて、基部410、側壁430、及び側壁430から延在しているスカート440を有する貯蔵区画415を含む。しかしながら、キャップ400は、一緒に略円形形状を形成する分離可能領域416を画定する1つ以上の脆弱線414を含み、各分離可能領域416が、半円形領域などの円形の断面又は四分円を形成する。
【0050】
1つ又は複数の分離可能領域を有するキャップの実施形態では、カラムは、基部の各分離可能領域から延在し得る。各カラムは、分離可能領域から垂直に延在している壁又はプレートとすることができ、壁は、横断面において(又は上面様式で見たときに)直線又は弓形とすることができる。いくつかの実施形態では、図6Aに示されるように、各カラム350は、略矩形である横断面領域を有する。別の実施形態では、図6Bに示されるように、各カラム450は、円形の断面若しくは円弧、又はC字形状を形成する横断面領域を有し得る。いくつかの実施形態では、カラムは、X軸、Y軸に対して基部上で対称的に位置付けられ得るか、又は半径方向に対称であり得る。このようにして、貯蔵された飲料成分を分配するためにキャップに適用される力は、各カラムに均一に分配され、これは、各分離可能領域を基部から分離すること、及び分離可能領域を同時に基部から分離することを確実にするのを補助し得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、各カラム250の側縁部258は、図7に示されるように、キャップ200の縦軸Zに対して傾斜されるか、又は角度付けされる。傾斜した側縁部258は、分離可能領域216が基部210から分離されるときにカラム250が衝突することを防止又は制限するのを補助し得る。カラム250の衝突は、カラム250がキャップ200の基部から210を完全に分離することができない場合に、キャップ200を含むカートリッジ100からの飲料成分の排出を妨げ得る。更に、カラム250の傾斜した側縁部258は、力が各カラム250に均一に適用されるように、カートリッジオープナー650とカラム250との係合、及びカラム250に対するカートリッジオープナー650の適切な位置合わせを容易にし得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、キャップ200は、図4に最良に示されるように、貯蔵区画215の側壁230から延在しているフィン260を含み得る。力がカラム250に適用されて、分離可能領域が基部210から分離するとき、プラスチックフィルム280は、側壁230の周縁239からは離脱又は分離し得るが、カラム250には取り付けられたままであり得る。カラム250が基部210の開口部を通過して、キャップ200が取り付けられる容器の内部容積に入ると、プラスチックフィルム280が、カラム250によってキャップ200の基部210の開口部に向かって引っ張られる。プラスチックフィルム280が周縁239から分離すると、フィン260が、飲料成分が飲料成分カートリッジ100から逃れ得る流路を画定し得る。フィン260は、飲料成分が側壁230に沿って自由に流れてキャップ200から逃れ得るように、プラスチックフィルム280と側壁230との間に空間を提供する役割を果たし得る。複数のフィン260を有する実施形態では、各フィン260は、同じ形状及び寸法を有し得る。フィン260は、側壁230に沿って基部210から側壁230の上端部232に向かって延在し得、いくつかの実施形態では、フィン260は、基部210から側壁230の上端部232まで延在し得る。フィン260は、側壁230から半径方向内向きに延在し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、キャップ200のスカート240は、スカート240が環状構成を有するように、貯蔵区画215の側壁230の上端部232から外向きに延在している。スカート240は、上端部242と、下端部244と、を有し、上端部242は、側壁230の上端部232又は周縁239に接続されている。スカート240は、ドーム形状又は半球形状を有し得る。スカート240は、飲料成分カートリッジ100の容器120に係合して、スカート240の外面248及び容器120の外面118(図1を参照されたい)によって画定された滑らかで実質的に連続した外面を有するカートリッジ100を提供するように構成されている。スカート240は、キャップ200の容器120への接続及び固定を更に容易にし得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、キャップ200は、単一部品として形成されて一体構造を有する。したがって、基部210、側壁230、スカート240、及びフィン260(該当する場合)は、一体的に形成され得る。キャップ200は、例えばポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィンを含む、リサイクル可能なプラスチック材料などの様々な材料のうちのいずれかから形成され得る。キャップ200は、選択的レーザ焼結又は溶融フィルム製作方法によるものを含む、付加製造(すなわち、三次元(3D)印刷)方法などの、数ある製造方法の中でも、射出成形、圧縮形成、又はトランスファ成形によって形成され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、キャップ200は、図8A及び図8Bに示されるキャップ200の底面図に示されるように、カートリッジ100内の酸素の濃度を低下させて、キャップ200を有する飲料成分カートリッジ100の保管寿命を延ばすように構成されている脱酸素剤270を更に含む。脱酸素剤270は、平坦であり得、環状形状を有し得、また、中央開口を有する円板として形成され得る(図8Bを参照されたい)。環状形状を有する脱酸素剤270は、キャップ200とは別々に形成され得、キャップ200の基部210に配列され得る。脱酸素剤270は、基部210の下面219に配列され得る。脱酸素剤270は、飲料成分カートリッジ100から飲料成分を分配する間、基部210からの分離可能領域216の分離を妨げることを防止するために、脱酸素剤270が脆弱線214又は分離可能領域216と重ならないように、分離可能領域216を取り囲むように位置付けられ得る。
【0056】
飲料成分カートリッジ100は、図9に示されるように、本明細書で説明されるようなキャップ200を容器120に固定することによって形成され得る。論じられるように、容器120は、液体飲料成分などの第1の飲料成分を貯蔵するように構成され、キャップ200は、乾燥飲料成分などの第2の飲料成分を貯蔵するように構成されている。飲料成分カートリッジ100は、第1及び第2の飲料成分が間断なくかつ本質的に同時に分配され得るように構成されている。
【0057】
飲料成分カートリッジ100は、図9に示されるように、様々な形状のうちのいずれかを有し得、例えば、カートリッジ100は、略球状又は回転楕円体構成を有し得る。飲料成分カートリッジ100は、略円形である横断面領域を有し得る。カートリッジ100は、カートリッジ100が表面に配置されたときに転がらないように、平坦化された下端部122及び平坦化された上端部を更に有し得、これは、輸送中などに、カートリッジ100を積み重ねて貯蔵することを容易にするのを補助し得る。下端部122はまた、カートリッジ100の内部に向かって延在しているドームも形成し得る。いくつかの実施形態では、飲料成分カートリッジ100は、数ある中でも、立方体、三角柱、半球、卵形状、又は四角柱として成形され得る。
【0058】
飲料成分カートリッジ100の容器120は、内部容積127を画定している本体125と、上端部124において開口部121を画定する、上端部124の反対側の下端部122と、を有する。本体125は、本体125の直径が下端部122から肩部128に向かって増加するように、下端部122から肩部128に向かって広がり得る。肩部128は、第1の容器120が肩部128において上端部124に向かってテーパ状になるように内向きに曲がっている。首部129は、カートリッジ100の縦軸に平行な方向に肩部128から上向きに延在し得る。いくつかの実施形態では、容器120は、容器120の縦軸を横断する方向に首部129から外向きに延在しているリップ126を更に含み得る。
【0059】
キャップ200は、容器120の上端部124において開口部121を覆って、シールするように、容器120に固定され得る。キャップ200は、スナップ嵌め接続を介して、又は締まり嵌め若しくは圧入によって容器120に固定され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、キャップ200は、キャップ200が容器120から容易に取り外されないように、数ある締結方法の中でも、接着、結合、又は溶接などを介して、容器120により恒久的に固定され得る。
【0060】
キャップ200は、貯蔵区画215の側壁230が容器120の首部129の内面と対面係合した状態で、貯蔵区画215が容器120の開口部121内に位置付けられ、かつ基部210がカートリッジ100の縦軸Zを通って横方向に延在するように、容器120に固定され得る。このようにして、キャップ200は、容器120の開口部121を覆って、シールして、容器120内の飲料成分をシールする。
【0061】
いくつかの実施形態では、キャップ200は、図9に最良に示されるように、不正開封防止要素290を含み得る。不正開封防止要素290は、スカート240の中へ組み込んで、ある人がカートリッジ100の最初の組み立て後に飲料成分カートリッジ100の容器120からキャップ200を取り外そうとしたかどうかなどの、キャップ200を有する飲料成分カートリッジ100に不正が行われたかどうかを示し得る。不正開封防止要素290は、スカート240が容器120に接触する位置においてスカート240の下端部244に位置付けられ得る。不正開封防止要素290は、スカートタブ292への力の適用に応じて曲がる又は破壊されるように構成されているスカート240に接続された、1つ以上のタブ292の形態であり得る。したがって、ツールによって容器120からキャップ200をこじ開けるなどによって、キャップ200を容器120から取り外そうとした場合、キャップ200を容器120から係合解除することができる前に1つ以上のタブ292を曲げ又は破壊し、それによって、カートリッジ100の不正の視覚的指示を与える。
【0062】
いくつかの実施形態では、キャップ200は、図9に示されるように、上端部242からスカートの下端部244に向かう方向にスカート240の内面から延在している、突起249を更に含み得る。突起249は、キャップ200の縦軸に略平行に配列され得、スカート240の周囲に円周方向に延在し得る。突起249は、容器120に対してキャップ200を着座させるように、容器120のリップ126に当接する。貯蔵区画215が容器120の開口部に進入するように、キャップ200が容器120に固定されると、突起249がリップ126に接触して、貯蔵区画215の容器120の中への更なる挿入を防止する。
【0063】
いくつかの実施形態では、飲料成分カートリッジ100は、カートリッジ100がそのままの状態でリサイクルされ得るように、リサイクル可能なプラスチック材料から形成される。いくつかの実施形態では、容器120は、数ある中でも、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、又は高密度ポリエチレン(high density polyethylene、HDPE)で形成される。容器120は、透明若しくは半透明である、又は少なくとも部分的に透明若しくは半透明である材料から形成され得る。キャップ200は、容器120との密嵌合又は密着嵌合を提供するために、キャップ200が容器120に固定されるときにキャップ200がわずかに撓曲又は変形し得るように、容器120の材料に対して、より低い剛性及び高められた柔軟性を有する材料で形成され得る。したがって、一実施形態では、例えば、容器120は、PETからなり得、キャップ200は、ポリオレフィンで形成され得る。いくつかの実施形態では、キャップ200及び容器120は、同じ材料から形成され得る。
【0064】
飲料成分カートリッジ100を充填するために、容器120は、容器120の上端部124の開口部121を介して、液体飲料成分などの第1の飲料成分が充填され得る。充填プロセスは、高温充填又は無菌充填プロセスを介し得る。充填されると、キャップ200は、容器120の開口部121内で容器120に固定されて、容器120をシールし得る。キャップ200は、スナップ嵌めなどによって、容器120に固定され得る。キャップ200は、カートリッジ100が直立方向にある状態で、開放上端部を介して、第2の飲料成分が貯蔵区画215の中へ充填され得るように、上端部で開放されている貯蔵区画215を含む。貯蔵区画215が充填されると、プラスチックフィルム280がキャップ200の上端部に固定されて、貯蔵区画215及び第2の飲料成分をシールし得る。プラスチックフィルム280は、数ある締結方法の中でも、結合、超音波溶接などによって、キャップ200の側壁230の上端部において周縁239に、かつキャップ200のカラム250の上端部252に固定され得る。カートリッジ100が直立方向にある状態で、容器120及び貯蔵区画215を連続的に充填する能力は、(例えば、キャップ200の容器120への適用前にその事前充填を必要としないことによって、及び充填のためにいかなる構成要素の反転も必要としないことによって)カートリッジ100の充填を簡略化し、かつカートリッジ100を充填する自動化された方法を容易にする。
【0065】
カートリッジ100は、例えば図10A及び図10Bに示されるように、飲料を調製するための飲料槽600と共に使用するように構成され得る。飲料容槽600は、数ある中でも、水又は炭酸水などのある量の液体700を貯蔵するための内部容積610を画定する本体を含み得る。飲料槽600は、開口部630を画定する上端部620を含み、また、上端部620において飲料槽600内に位置付けられたカートリッジオープナー650も含み得る。飲料槽600は、カートリッジ100内に貯蔵された飲料成分500、800を飲料槽600の中へ分配して、飲料槽600内の液体700と混合するために、開口部630内で飲料成分カートリッジ100を取り外し可能に受容するように構成され得る。
【0066】
カートリッジオープナー650は、カートリッジ100に力を適用して、カートリッジ100からの飲料成分の分配を生じさせるように構成されている。カートリッジオープナー650は、狭い領域に力を集中させるための尖端部を有するロッド又は丸み付き若しくは鈍的であり得るロッドなどの、様々な形態のうちのいずれかを有し得る。カートリッジオープナー650はまた、ピラミッド状又は三角形形状としても形成され得る。飲料槽600のカートリッジオープナー650は、力をカートリッジ100に適用するために使用され得るが、力は、様々な手段のうちのいずれかによって適用され得、また、力をカートリッジ100に適用するために、様々なツール又は器具のうちのいずれかが使用され得る。
【0067】
カートリッジ100内に貯蔵された飲料成分500、800を分配するために、力がカートリッジ100に適用され得る。力は、例えば、カートリッジ100の縦軸Zに沿って(図10Aの矢印によって示されるように)適用され得る。例えば、図10Aに示されるようないくつかの実施形態では、カートリッジ100は、逆さにされて、飲料槽600の上部開口部630の中へ部分的に挿入され得る。カートリッジ100が上部開口部630に挿入されると、カートリッジオープナー650がキャップ200のカラム250と接触して、カラム250に力を適用する。十分な力、(例えば、5~40重量ポンド、10~35重量ポンド、又は15~30重量ポンドの力)が適用されると、分離可能領域216が、脆弱線214において基部210の残部から離脱し、第1の飲料成分500が容器から逃れ得る開口部251を貯蔵区画215の基部210に形成する。カラム250及び分離可能領域216は、容器120の内部容積に指向され、フィルム280(例えば、互いに分離したフィルム280の一部分、又は側壁230の周縁239から分離したフィルム280の縁部)は、周縁239に対するカートリッジオープナー650及びカラム250の運動により引き裂かれる。フィルム280の一部分は、周縁239に固定されたままであり得、一方で、フィルム280の残部は、カラム250に取り付けられたままであり、又はフィルム280は、周縁から239を完全に分離し得、カラム250に取り付けられたままであり得、よって、カラム250によってフィルム280が容器120の中へ引っ張られ、カートリッジ100から逃れない。フィルム280が引き裂された状態で、飲料成分500、800は、キャップ200の上端部を通してカートリッジ100から容易に逃れることができる。動作中に、基部210からの分離可能領域216の分離及びフィルム280の引き裂きは、間断なくかつ本質的に同時に生じ得る。カートリッジ100が、飲料槽600と共に使用するために逆さにされるので、飲料成分500、800は、重力によってカートリッジ100から排出される。飲料成分500、800が、カートリッジ100から逃れると、飲料成分500、800は、飲料槽600内に含まれる液体700と混合して、飲料を生成する。次いで、カートリッジ100を飲料槽600の上部開口部630から取り外すことによって、消費者は、飲料槽600から飲み得る。使用後に、空のカートリッジ100は、そのままの状態でリサイクルされることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、カートリッジ100が直立方向にある間に、力がカートリッジ100に適用され得る。したがって、カートリッジ100の下端部122は、支持表面上に位置付けられ得、その結果、分離可能領域が基部から分離して、プラスチックフィルムが引き裂かれたとき、飲料成分500、800は、カートリッジ100内に残ったままになり、カートリッジ100内で互いに混合することができる。次いで、消費者は、水又は他のベース液体700を含む槽600などの飲料槽にカートリッジ100の内容物を手動で注入して、飲料を生成し得る。
【0069】
説明される実施例は、本開示の例示であるが、限定するものではない。当業者には明らかであろう、当分野に通常遭遇する様々な条件及びパラメータの他の好適な修正及び適応は、本開示の趣旨及び範囲内である。
【0070】
「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。発明の概要及び要約の項は、本発明者(ら)によって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0071】
これまでに、特定機能の実施、及びこれらの関係を例示する機能的ビルディングブロックを使って、本発明について説明してきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0072】
特定実施形態の前述の説明により、本発明の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、本明細書の教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0073】
本発明の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても制限されるべきではなく、特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B