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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】水素充填装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/02 20060101AFI20230313BHJP
   F17C 5/06 20060101ALI20230313BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20230313BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20230313BHJP
【FI】
F17C13/02 301A
F17C5/06
H01M8/04 J
H01M8/0606
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021043099
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2021196051
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】P 2020100726
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雄一
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-120605(JP,A)
【文献】特開2013-001239(JP,A)
【文献】特開2005-114041(JP,A)
【文献】特開2013-040651(JP,A)
【文献】特表2008-546971(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0023180(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/00-90/66
F17C 1/00-13/12
H01M 8/04-8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の充填系統と、
該充填系統の各々に設けられた複数の充填制御装置と、
前記充填系統の各々と後方施設の各々を連通させる複数の充填配管と、
前記充填配管の各々に介装されると共に、前記充填制御装置の各々に接続される複数の充填部材と、
前記充填配管の各々に接続され、先端に充填ノズルを各々有する複数の充填ホースとを備え、
複数の充填制御装置の何れか一つは、当該充填制御装置を備える充填系統のみを制御する第1の制御モードと、複数の充填系統の制御装置として共用される第2の制御モードを選択的に発揮する機能を有しており、該第2の制御モードでは複数の充填系統で各々計測された圧力の中から、最も高い何れかの圧力が充填終了圧力に到達した場合に複数の充填系統における充填を終了し、
前記何れか一つの充填制御装置における第1の制御モードと第2の制御モードを切り替える切替手段が設けられることを特徴とする水素充填装置。
【請求項2】
第1の制御モードと第2の制御モードを選択的に発揮する機能を有する前記充填制御装置は、中継装置を介してその他の充填制御装置と接続されており、第2の制御モードでは中継装置を介して他の充填制御装置を備えた充填系統における充填部材を調節する機能を有している請求項1の水素充填装置。
【請求項3】
前記充填部材は、第2の制御モードでは複数の充填系統の各々における充填量を合算して表示する機能を有している請求項1、2の何れかの水素充填装置。
【請求項4】
複数の充填系統と、
該複数の充填系統を制御する一つの充填制御装置と、
前記充填系統の各々と後方施設の各々を連通させる複数の充填配管と、
前記充填配管の各々に介装されると共に、前記充填制御装置に接続される複数の充填部材と、
前記充填配管の各々に接続され、先端に充填ノズルを各々有する複数の充填ホースとを備え、
前記充填制御装置は、前記複数の充填系統を個別に制御する第1の制御モードと、複数の充填系統を包括的に制御する第2の制御モードを選択的に発揮する機能を有し、該第2の制御モードでは複数の充填系統で各々計測された圧力の中から、最も高い何れかの圧力が充填終了圧力に到達した場合に複数の充填系統における充填を終了することを特徴とする水素充填装置。
【請求項5】
前記充填部材は、第2の制御モードでは複数の充填系統の各々における充填量を合算して表示する機能を有している請求項の水素充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば燃料電池自動車の燃料タンクに燃料である水素ガスを充填する水素充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境問題に対する意識の高まりに関連して、水素ガスを燃料とした車輌(燃料電池自動車)が普及している。その様な車輌として、乗用車のみならず、物流に用いられる大型トラックやバスも開発されている。出願人は、その様な車輌に対して安定して効率良く水素ガスを充填する装置を先に提案している(特許文献1参照)。ここで、大型トラックやバスでは、長距離を走行することを考慮して大容量の燃料タンクを複数個搭載している。
【0003】
しかし、大容量の燃料タンクを複数個搭載している大型トラックに水素を供給する場合、単一の充填ノズルを用いて充填すると、水素充填装置内の充填配管の径寸法、後方設備の水素量、圧縮機の能力によって、充填時間が非常に長くなってしまう場合が存在する。一方、大型トラックやバスに水素ガスを充填する場合においても、充填プロトコルの遵守が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-169869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、充填プロトコルを遵守しつつ、大容量の燃料タンクを複数個搭載している車輌(例えば、大型トラック、バス)に対して迅速に水素ガスを充填することが出来る水素充填装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水素充填装置(100)は、複数の充填系統(101、102、・・・)と、充填系統の各々に設けられた複数の充填制御装置(10、20、・・・)を備え、充填系統の各々では、充填配管(1、11、・・・)が後方施設(30、40、・・・)に連通しており、充填配管(1、11、・・・)には充填部材(例えば流量調節弁2、12、・・・、流量計3、13、・・・)が介装されており、充填部材は充填制御装置(10、20、・・・)に接続されており、先端に充填ノズル(6、16、・・・)を有する充填ホース(7、17、・・・)が充填配管(1、11、・・・)に接続しており、複数の充填制御装置(10、20、・・・)の何れか一つは第1の制御モード(第1の制御モードを選択した充填制御装置10を符号10-1で示す)と第2の制御モード(第2の制御モードを選択した充填制御装置10を符号10-2で示す)を選択的に発揮する機能を有しており、第1の制御モードでは当該充填制御装置を備える充填系統のみを制御し、第2の制御モードでは複数の充填系統の制御装置として共用使用され、該第2の制御モードでは複数の充填系統で各々計測された圧力の中から、最も高い何れかの圧力が充填終了圧力に到達した場合に複数の充填系統における充填を終了し、前記何れか一つの充填制御装置における第1の制御モードと第2の制御モードを切り替える切替手段(8)を備えることを特徴としている。
【0007】
本発明において、第1の制御モードと第2の制御モードを選択的に発揮する機能を有する前記充填制御装置(10)は、第2の制御モード(符号10-2で示す状態)では中継装置(9:例えばリレー・プログラマブル・ロジック・コントローラ:Relay Programmable Logic Controller:PLC)を介して他の充填制御装置(20、・・・)を備えた充填系統(102、・・・)における充填部材(例えば流量調節弁12、・・・、流量計13、・・・)を調節する機能を有しているのが好ましい。
【0008】
また本発明において、前記充填部材は、第2の制御モード(符号10-2で示す状態)では複数の充填系統(101、102、・・・)の各々における充填量を合算して表示する機能を有しているのが好ましい。
【0010】
また、本発明の水素充填装置(101)は、複数の充填系統(101、102、・・・)と、これらを制御する一つの充填制御装置(80)と、充填系統の各々と後方施設(30、40、・・・)の各々を連通させる複数の充填配管(1、11、・・・)と、充填配管の各々に介装されると共に、充填制御装置(80)に接続される複数の充填部材(例えば流量調節弁2、12、・・・、流量計3、13、・・・)と、充填配管の各々に接続され、先端に充填ノズル(6、16、・・・)を各々有する複数の充填ホース(7、17、・・・)とを備え、充填制御装置(80)は、複数の充填系統(101、102、・・・)を個別に制御する第1の制御モードと、複数の充填系統(101、102、・・・)を包括的に制御する第2の制御モードを選択的に発揮する機能を有し、該第2の制御モードでは複数の充填系統で各々計測された圧力の中から、最も高い何れかの圧力が充填終了圧力に到達した場合に複数の充填系統における充填を終了することを特徴とする。
【0011】
この水素充填装置(101)においても、前記充填部材は、第2の制御モードでは複数の充填系統(101、102、・・・)の各々における充填量を合算して表示する機能を有しているのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
大容量の燃料タンク(60)を複数個搭載している車輌(大型トラック、バス)では、水素充填用のレセプタクル(61)を複数個(例えば2個)設けている。上述の構成を具備する本発明によれば、複数(例えば2系統)の充填系統(101、102、・・・)における充填ノズル(6、16、・・・)を大型トラックやバスの複数のレセプタクル(61)に各々装着して充填することにより、複数のレセプタクル(61)の一つずつに充填ノズル(6、16、・・・)を装着して水素充填する場合に比較して、遥かに短時間で水素を充填することが可能である。
【0014】
ここで、燃料タンク(60)を複数個搭載している車輌では、複数の燃料タンク(60)が相互に独立している車種(燃料タンク同士が連通しておらず、分離している場合)と、複数の燃料タンク(60)同士が車輌内で連通している車種とが存在する。複数の燃料タンク(60)が相互に独立している場合には、一方のレセプタクル(61)から燃料タンク(60)に至る経路は、他の経路と分離(独立)しているので、複数のレセプタクル(61)の一つずつに充填ノズル(6、16、・・・)を装着して水素充填する際に、各充填制御装置(10、20、・・・)は、各レセプタクル(61)に装着された充填ノズル(6、16、・・・)が接続されている充填系統(101、102、・・・)毎についてのみ、遵守するべき充填プロトコルに従って充填制御を行えば良い。一方、複数の燃料タンク(60)同士が車輌内で連通している場合は、各充填制御装置(10、20、・・・)が、各レセプタクル(61)に装着された充填ノズル(6、16、・・・)が接続されている充填系統(101、102、・・・)毎についてのみ制御しても、他のレセプタクル(61)に連通している燃料タンク(60)側の圧力等が影響するため、水素充填量及び充填プロトコルを遵守しているか否かを正確に把握することが難しい。
【0015】
それに対して本発明では、複数の充填制御装置(10、20、・・・)の何れか一つは第1の制御モード(第1の制御モードを選択した充填制御装置10を符号10-1で示す)と第2の制御モード(第2の制御モードを選択した充填制御装置10を符号10-2で示す)を選択的に発揮する機能を有しているので、複数の燃料タンク(60)同士が車輌内で連通している場合には、充填制御装置(10)は第2の制御モードを選択して(10-2)複数(例えば2つ)の充填系統(101、102、・・・)の制御装置として共用使用する。そして、第2の制御モード(10-2)が選択された態様では、中継装置(9:例えばリレー・プログラマブル・ロジック・コントローラ:Relay Programmable Logic Controller)を介してその他の充填制御装置(20、・・・)を備えた充填系統(102、・・・)における充填部材(例えば流量調節弁12、・・・、流量計13、・・・)を制御して、その他の充填制御装置(20、・・・)が設けられている充填系統(102、・・・)に連通している燃料タンク(60)のデータを取得し、当該データに基づいて、遵守するべき充填プロトコルに従った水素充填を行うことが出来る。換言すれば、本発明によれば、複数の燃料タンク(60)が相互に独立している場合も、車輌内で連通している場合も、遵守するべき充填プロトコルに従って、迅速に水素充填を行うことが出来る。
【0016】
また、本発明では、一台の充填制御装置80で複数(例えば2つ)の充填系統(101、102、・・・)を制御し、複数の燃料タンク(60)が相互に独立している場合も、車輌内で連通している場合も、遵守するべき充填プロトコルに従って、迅速に水素充填を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】燃料タンクを複数個搭載している車輌であって、燃料タンクと水素充填用レセプタクルを連通する複数の経路が相互に独立している車輌の燃料タンクと水素充填用レセプタクルの配置を示す説明図である。
図2】燃料タンクを複数個搭載している車輌であって、燃料タンクと水素充填用レセプタクルを連通する複数の経路が車輌内で連通している車輌の燃料タンクと水素充填用レセプタクルの配置を示す説明図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る水素充填装置のブロック図である。
図4】第1の実施形態における制御を示すフローチャートである。
図5】本発明の第2の実施形態に係る水素充填装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態を理解するために、図1及び図2を参照して、大容量の燃料タンク60を複数個搭載している車輌(例えば大型トラック、バス)について説明する。図1で示す車輌は、燃料タンク60を複数個(図1図2では4個)搭載している車輌であって、複数(図1図2では2口)の水素充填用レセプタクル61-1、61-2を備え、水素充填用レセプタクル61-1と燃料タンク60-1、60-2を連通する経路62と、水素充填用レセプタクル61-2と燃料タンク60-3、60-4を連通する経路64とを有し、経路62と経路64は独立しており、連通していない。換言すれば、経路62の燃料タンク60-1、60-2は、経路64の燃料タンク60-3、60-4とは連通しておらず、相互に分離している。
【0019】
図1で示す車輌の水素充填に際しては、2個のレセプタクル61-1及び61-2の各々に、図示しない充填装置における2つの充填ノズルを装着して水素充填する。ここで、水素充填装置(図1図2では図示せず)は、充填ノズルが接続されている充填系統が2系統設けられているので(図3における第1の充填系統101及び第2の充填系統102)、2個の充填ノズルを2個のレセプタクル61-1、61-2に各々装着することが出来る。そして、図1の車輌では経路62と経路64とが独立しているので、水素充填装置の各々の充填系統に設けられている制御装置は、その制御装置が設けられている充填系統について、遵守するべき充填プロトコルに従って充填制御を行えば良い。
【0020】
一方、図2で示す車輌においても、複数(図1図2では4個)の燃料タンク60-5~60-8が設けられているが、水素充填用レセプタクル61-3と燃料タンク60-5、60-6を連通する経路66と、水素充填用レセプタクル61-4と燃料タンク60-7、60-8を連通する経路68は、経路70を介して車輌内で連通している。従って、4個の燃料タンク60-5~60-8も車輌内で連通している。図2の車輌において、レセプタクル61-3、61-4に水素充填装置の2つの充填ノズルを各々装着して水素充填した際に、経路66と経路68が連通しているため、水素充填装置において、例えば経路66に接続された充填系統を制御しても、燃料タンク60-5、60-6の圧力等は、経路68における燃料タンク60-7、60-8内の圧力等の影響を受けてしまう。そのため、図2の車輌では、水素充填装置において、レセプタクルに連通する充填系統だけを制御しても、充填プロトコルに従った水素充填制御を実行できているか否かを確認することが困難である。
【0021】
それに対して、図示の実施形態では、複数(二口)のレセプタクルを有し、経路66と経路68が連通している図2の車輌においても、2口のレセプタクルの各々に充填ノズルを装着して水素充填を行った場合に、何れか一方の充填系統における充填制御装置が中継装置(例えばRLC)を介して他方の充填系統における充填部材(例えば流量調節弁、流量計)を制御することにより、2系統の水素充填系統において遵守するべき充填プロトコルに従った迅速な水素充填を実行することが出来る。
その詳細について、図3図4を参照して説明する。
【0022】
図3において、図示の実施形態に係る水素充填装置は全体を符号100で示されており、第1の充填系統101及び第2の充填系統102の2系統の充填系統を有し、第1及び第2の充填系統101、102は各々充填制御装置10、20(制御装置)を備えている。第1の充填系統101は充填配管1を備え、充填配管1の上流側(図3では左側)は後方施設30(水素ガス供給源及びその付帯設備)に連通し、充填配管1の下流側(図3では右側)は充填ホース7を介して充填ノズル6に連通している。充填配管1には流量調整弁2、流量計3、遮断弁4が介装されており、流量調整弁2、流量計3、遮断弁4は各々信号ラインSL2、SL3、SL4を介して充填制御装置10に接続されている。ここで、流量調整弁2、流量計3、遮断弁4は、充填に必要な充填部材である。また、充填配管1には圧力計5が介装され、圧力計5は信号ラインSL5により制御装置10に接続されている。
【0023】
後方施設30(水素ガス供給源)に貯蔵されている水素ガスは、充填配管1により、流量調整弁2、遮断弁4、流量計3を経由して充填ホース7を流過し、充填ノズル6を介して図示しないタンク60(図1図2)に供給される。充填制御装置10は、信号ラインSL3を介して流量計3の計測結果を取得し、信号ラインSL2を介して流量調整弁2に流量制御信号を送信する。また、充填制御装置10は、充填を終了或いは中止する際に、流量調整弁2、遮断弁4に対して、各々信号ラインSL2、SL4を介して制御信号を送信して(流量調整弁2、遮断弁4を)閉鎖する。そして充填配管1における充填圧力は圧力計5により計測され、圧力計5の計測結果は信号ラインSL5を介して制御装置10に入力される。充填制御装置10は、第1の充填系統101流量調整弁2、流量計3、遮断弁4、圧力計5と情報、制御信号を授受し、車輌側タンクのデータ(タンク内圧力、温度、充填量等)を取得した上で、車輌側タンク内との圧力差に対応して、適正な圧力範囲で水素ガスを車輌側タンクに供給し、以て、遵守すべき充填プロトコルに従って水素充填を実行する機能を有している。
【0024】
一方、第2の充填系統102は充填配管11を備えており、充填配管11の上流側は後方施設40に連通し、充填配管11の下流側は充填ホース17を介して充填ノズル16に接続されている。充填配管11には流量調整弁12、流量計13、遮断弁14が介装されており、各々信号ラインSL12、SL13、SL14を介して充填制御装置20に接続されている。また、充填配管11には圧力計15が介装され、信号ラインSL15を介して制御装置20に接続されている。
【0025】
第2の充填系統102における充填制御装置20は、後述する第2の制御モード(充填制御装置10が第2の制御モードを選択した状態を符号10-2で示す)が選択されず、第2の制御モード10-2を実行しない場合(充填する複数の燃料タンク同士が車輌内で連通していない場合)には、充填制御装置10が第1の充填系統101の充填制御において実行するのと同様な機能を、第2の充填系統102の充填制御において実行する。一方、後述する第2の制御モード(第2の制御モードを選択した状態を符号10-2で示す)が選択された場合(充填する複数の燃料タンク同士が車輌内で連通している場合)には、後述する様に、第2の充填系統102における充填制御において、充填制御装置20は第1の充填系統101の充填制御装置10に従属する。
【0026】
図3において、第1の充填系統101の充填制御装置10は、第1の制御モードが選択される場合と第2の制御モードが選択される場合とがある。上述した様に、図示においては、充填制御装置10が第1のモードを選択した場合は符号「10-1」で示し、第2の制御モードを選択した場合は符号「10-2」で示されている。第1の制御モードを選択した場合の充填制御装置10-1は、第1の充填系統101のみを充填制御する機能を有している。すなわち、第1の制御モードを選択した場合の充填制御装置10-1は、図1で示す車輌の様に、充填する複数の燃料タンク同士が車輌内で連通していない場合(車両内の経路62、64が独立している場合)に、第1の充填系統101のみを充填制御する。一方、第2の制御モードを選択した場合の充填制御装置10-2は、第1の充填系統101を制御することに加えて、第2の充填系統102の充填装置としても機能する。すなわち第2の制御モードを選択した場合の充填制御装置10-2は、第1及び第2の充填系統101、102の制御装置として共用使用される機能を有しており、図2で示す車輌の様に充填する複数の燃料タンク同士が車輌内で連通している場合(車両内の経路66、68が連通している場合)に、第1の充填系統101及び第2の充填系統102の双方における充填制御を、後述する様に実行する。充填制御装置10において第1の制御モードを選択して作動する(符号10-1)か、或いは第2の制御モードを選択して作動する(符号10-2)かについて、充填制御装置10、20及び制御盤50に設けられたセレクタスイッチ8(手動スイッチ)により選択する(切り替える)ことが出来る。充填制御装置10、20にセレクタスイッチ8を設けることで操作者の利便性が向上する。
【0027】
第2の充填系統102の充填制御装置20は、第2の充填系統102を充填制御する機能を有しているが、第1の充填系統101の制御装置10において第2の制御モードが選択された場合(符号10-2)は、第2の充填系統102の充填制御は制御装置20のみでは実行しない。充填制御装置10において第2の制御モードが選択された場合(符号10-2)は、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2が第1の充填系統101及び第2の充填系統102の充填制御装置として機能し、制御装置20は制御装置10の制御に従い、第2の充填系統102の流量調整弁12、遮断弁14等に制御信号を送信する。すなわち、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2がマスター(親機)として機能し、制御装置20がスレーブ(子機)として機能する。
【0028】
図3において、第1の充填系統101側の充填制御装置10は、中継装置9(例えばRLC)を介して第2の充填系統102側の充填制御装置20と接続されている。充填制御装置10において第2の制御モードが選択された態様(符号10-2)では、充填制御装置10-2は信号ラインSL9、中継装置9、充填制御装置20を介して、第2の充填系統102側の充填部材(流量調整弁12、流量計13等)と計測信号、制御信号の授受を行ない、第2の充填系統102の充填制御を実行する。ここで、第2の制御モードが選択された態様の充填制御装置10-2は、第2の充填系統102の充填制御を実行すると共に、第1の充填系統101の充填制御を実行する。
【0029】
第2の制御モードが選択された態様の充填制御装置10-2による第2の充填系統102の充填制御について、さらに説明する。第2の制御モードが選択された態様の充填制御装置10-2は、第2の充填系統102の充填部材である流量計13からの計測信号を信号ラインSL13、制御装置20、中継装置9を介して取得し、圧力計15からの計測信号を信号ラインSL15、制御装置20、中継装置9を介して取得し、さらに、充填制御装置10-2は、第2の充填系統102に連通する車輌側タンク(図3では図示せず)のデータ(タンク内圧力、温度、充填量等)を取得する。そして、第2の制御モードが選択された態様の充填制御装置10-2は、第2の充填系統102の流量調整弁12に対して、中継装置9、制御装置20、信号ラインSL12を介して制御信号を送信する。また、水素充填を終了、或いは中止する際に、第2の制御モードが選択された態様の充填制御装置10-2は、流量調整弁12、遮断弁14に対して、中継装置9、制御装置20、信号ラインSL12、SL14を介して制御信号を送信し、流量調整弁12、遮断弁14を閉鎖する。
【0030】
また、図3の実施形態では、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2は、第1の充填系統101及び第2の充填系統102の充填制御を実行する際に、第1及び第2 の充填系統101、102の各々における充填量を合算し、当該合算の充填量を充填部材、例えば図示しない表示器に表示する機能を有している。
【0031】
さらに、図3の実施形態では、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2は、第1及び第2の充填系統101、102の各々で計測された吐出圧において、高い方の吐出圧が充填終了圧力に到達した場合に、充填系統101、102における充填を終了する機能を有している。複数の充填系統のうち最も高い方の圧力で制御した場合であっても、トラックやバス等の大型車輌における充填プロトコルでは吐出圧の下限値は非常に低圧であり、実機における水素充填に際して吐出圧が充填プロトコルの下限値以下になる可能性は極めて低い。
【0032】
次に、図4を参照して、実施形態における制御について説明する。図4のフローチャートでは、レセプタクルが2口ある車輌に対し、図3に示す2つの充填系統(第1の充填系統101、第2の充填系統102)を有する水素充填装置100で充填を行う場合を説明している。図4のステップS1では、レセプタクルが2口ある車輌に対して、第1の充填系統101及び第2の充填系統102を有する水素充填装置100による充填を開始する。次のステップS2では、水素充填装置100の2つのノズル6、16(図3)を充填すべき車輌の2つのレセプタクル61(図1図2)に各々装着し、第1の充填系統101及び第2の充填系統102で同時に水素充填を実行するか否か(2ノズルで充填するか否か)を判断する。当該判断は、水素充填作業者が判断し、当該作業者の判断により、制御盤50(図3)のセレクタスイッチ8(図3)を操作する。ステップS2において、2ノズルで充填する場合(ステップS2が「Yes」)はステップS3に進み、2ノズルで充填しない場合(ステップS2が「No」)はステップS4に進む。
【0033】
ステップS3(2ノズルで充填する場合)においては、ステップS2でセレクタスイッチ8を操作したことにより、第1の充填系統101、第2の充填系統102の各々の充填制御装置10、20は2ノズル充填を行うことを認識する。そしてステップS5に進む。一方、ステップS4(2ノズルで充填しない場合)は、ステップS2で2ノズル充填を行わないと判断したことにより、水素充填装置100は何れか一方の充填系統のみで充填を行うと判断する。そして充填作業員はノズル6、16の何れかを、図示しない水素充填すべき車輌のレセプタクル(図示せず)に装着する。そして、ノズルがレセプタクルに装着された側の水素充填系統において、充填プロトコルを遵守して水素充填を実行する。ステップS4の後、充填制御を終了する。
【0034】
図4のステップS5(2ノズルで充填する場合において、充填制御装置10、20が2ノズル充填を行うことを認識した後のステップ)では、充填する全ての燃料タンク同士が車輌内で連通しているか否かを判断する。すなわち、図2で示す様に、2口のレセプタクルから充填する全ての燃料タンクが車輌内で連通しているか、或いは図1に示す様に、一方のレセプタクルから充填する燃料タンクと、他方のレセプタクルから充填する燃料タンクが相互に独立して、車輌内で連通していないかを判断する。ステップS5の判断は、水素を充填するべき車輌の燃料タンク内の圧力や温度の情報と共に、当該車輌の車種に関する情報が通信充填用の情報ラインにより水素充填装置100に送信され、係る車種に関する情報から、図1で示す様に一方のレセプタクルから充填する燃料タンクと他方のレセプタクルから充填する燃料タンクが相互に独立しているか、或いは、図2で示す様に全ての燃料タンクが車輌内で連通しているかを判断することが可能である。ただし、ステップS2で水素充填作業者によりステップS5の判断を行うことも可能である。ステップS5で、充填する全ての燃料タンク同士が車輌内で連通している場合(ステップS5が「Yes」)はステップS6に進み、充填する全ての燃料タンク同士が車輌内で連通していない場合(ステップS5が「No」)はステップS7に進む。
【0035】
ステップS6(全ての燃料タンク同士が車輌内で連通している場合)では、第1の充填系統101の充填制御装置10は第2の制御モードを選択する(符号10-2)。そして、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2がマスター(親機)、充填制御装置20がスレーブ(子機)として認識される。そして、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2は、第1の充填系統101及び第2の充填系統102の水素充填制御を実行する。一方、ステップS7(全ての燃料タンク同士が車輌内で連通していない場合)では、充填制御装置10は第1の制御モードを選択し(符号10-1)、第1の充填系統101の充填制御を実行する。そして充填制御装置20が第2の充填系統102の充填制御を実行する。この場合、2つの充填制御装置10、20の間にマスター、スレーブの関係は無く、第1の充填系統101と第2の充填系統102では、各々既存の水素充填制御が実行される。そして、第1の充填系統101と第2の充填系統102の各々で実行された既存の水素充填制御が終了すると(ステップS7の後)、充填制御は終了する。
【0036】
図4において、全ての燃料タンク同士が車輌内で連通している場合であって、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2がマスター(親機)、充填制御装置20がスレーブ(子機)として認識された後、ステップS8では、例えば図示しない充填開始スイッチが押下げられたことを検出して充填が開始される。そしてステップS9に進む。ステップS9では、図3を参照して説明した態様で、第2の制御モード(を選択した充填制御装置10-2)が作動する。すなわち第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2(マスター)が第1の充填系統101の及び第2の充填系統102の充填圧力の挙動を監視し、充填プロトコルを逸脱しない様に、充填系統101、102の流量調整弁2、12、遮断弁4、14、その他を制御する。上述した様に、第2の充填系統102の充填制御については、マスターである第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2は、中継装置9(PLC)、スレーブである充填制御装置20を介して、第2の充填系統102の流量計13、圧力計15その他から計測信号を取得し、第2の充填系統102に連通している燃料タンク60のデータを取得し、遵守するべき充填プロトコルに従った水素充填を行うことが出来る。
【0037】
ステップS9の充填制御において、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2は第1及び第2の充填系統101、102の各々における充填量を合算する。そして、当該合算値を水素充填量として、例えば図示しない表示器に表示する。
そしてステップS9の充填制御においては、第1及び第2の充填系統101、102の各々において充填圧力を計測している。ステップS9に続くステップS10では、充填系統101、102の各々で計測された充填圧力における高圧側の充填圧力が充填終了圧力に到達した場合に、水素充填中の大型車輌に対する水素充填(充填系統101、102による水素充填)を終了する。
【0038】
図示の実施形態によれば、複数(例えば2系統)の充填系統101、102における充填ノズル6、16を大型トラックやバスの複数(例えば2個)のレセプタクル61に装着して充填することにより、レセプタクル61の一つずつに充填ノズル6、16の何れか一方を装着して水素充填する場合に比較して、遥かに短時間で水素を充填することが出来る。
【0039】
また、図示の実施形態によれば、第1の充填系統101の充填制御装置10は、第1の制御モードを選択した場合には充填制御装置10-1として図示され、第2の制御モードを選択した場合には充填制御装置ブロック10-2として図示されており、第1の制御モードを選択した充填制御装置10-1は第1の充填系統101のみを制御する機能を有し、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2は第1及び第2の充填系統101、102の双方の制御装置として共用使用される機能を有している。そして、充填する燃料タンク60同士が車輌内で連通している場合には、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2として複数(例えば2つ)の充填系統101、102の制御装置として共用使用することにより、第1及び第2の充填系統101、102における前記車輌内で連通している複数の燃料タンクに迅速に充填を行うことが出来る。
【0040】
そして、前記第2の制御モードが作動する態様において、中継装置9(例えばPLC)を介して他方の充填制御装置20を備えた第2の充填系統102における流量調節弁12、流量計13、遮断弁14その他を制御するので、他方の充填制御装置20が設けられている第2の充填系統102に連通している燃料タンク60のデータをも取得して、第2の充填系統102に連通している燃料タンク60のデータに基づいて、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2により、遵守するべき充填プロトコルに従った水素充填を行うことが出来る。なお、充填する燃料タンク60同士が車輌内で連通していない場合には、第1の制御モードを選択した充填制御装置10-1が第1の充填系統101の充填制御を実行し、充填制御装置20が第2の充填系統102の充填制御を実行する。すなわち、図示の実施形態によれば、複数の燃料タンク60が相互に独立している場合も、車輌内で連通している場合も、遵守するべき充填プロトコルに従って、迅速に水素充填を行うことが出来る。
【0041】
さらに、図示の実施形態によれば、充填制御装置10の第2の制御モードが作動する場合、第2の制御モードを選択した充填制御装置10-2は、第1及び第2の充填系統101、102の各々における充填量を合算し、当該合算値を水素充填量として図示しない表示器に表示させる機能を有しているので、作業者が実質的な充填量を把握することが出来る。加えて、第2の制御モードが作動する場合、第1及び第2の充填系統101、102の各々で計測された高圧側の充填圧力が充填終了圧力に到達した場合に、水素充填中の大型車輌の水素充填を終了する機能を有しているので、安全な充填を実行出来る。
【0042】
次に、本発明に係る水素充填装置の第2の実施形態について図5を参照しながら説明する。
【0043】
図5において、水素充填装置は全体を符号101で示され、一台の充填制御装置80で2系統の充填系統101、102を制御する。その他の構成要素は、図3の水素充填装置100と同じである。
【0044】
図1に示すような、水素充填用レセプタクル61-1、61-2を備え、水素充填用レセプタクル61-1と燃料タンク60-1、60-2を連通する経路62と、水素充填用レセプタクル61-2と燃料タンク60-3、60-4を連通する経路64とを有し、経路62と経路64が独立している場合、図5に示す充填ノズル6を水素充填用レセプタクル61-1に接続し、充填ノズル16を水素充填用レセプタクル61-2に接続し、充填制御装置80は、複数の充填系統101、102を遵守すべき充填プロトコルに従って個別に制御する(第1の制御モード)。
【0045】
より具体的には、図5において後方施設30に貯蔵されている水素ガスは、充填配管1により、流量調整弁2、遮断弁4、流量計3を経由して充填ホース7を流過し、充填ノズル6を介して燃料タンク60-1、60-2(図1)に供給される。充填制御装置80は、信号ラインSL3を介して流量計3の計測結果を取得し、信号ラインSL2を介して流量調整弁2に流量制御信号を送信する。また、充填制御装置80は、充填を終了或いは中止する際に、流量調整弁2、遮断弁4に対して、各々信号ラインSL2、SL4を介して制御信号を送信して流量調整弁2、遮断弁4を閉鎖する。そして、充填配管1における充填圧力は圧力計5により計測され、圧力計5の計測結果は信号ラインSL5を介して充填制御装置80に入力される。充填制御装置80は、第1の充填系統101の流量調整弁2、流量計3、遮断弁4、圧力計5と情報、制御信号を授受し、車輌側タンクのデータ(タンク内圧力、温度、充填量等)を取得した上で、車輌側タンク内との圧力差に対応して、適正な圧力範囲で水素ガスを車輌側タンクに供給し、以て、遵守すべき充填プロトコルに従って水素充填を実行する。
【0046】
また、上記動作とは独立して、後方施設40に貯蔵されている水素ガスは、充填配管11により、流量調整弁12、遮断弁14、流量計13を経由して充填ホース17を流過し、充填ノズル16を介して燃料タンク60-3、60-4(図1)に供給される。充填制御装置80は、信号ラインSL13を介して流量計13の計測結果を取得し、信号ラインSL12を介して流量調整弁12に流量制御信号を送信する。また、充填制御装置80は、充填を終了或いは中止する際に、流量調整弁12、遮断弁14に対して、各々信号ラインSL12、SL14を介して制御信号を送信して流量調整弁12、遮断弁14を閉鎖する。そして、充填配管11における充填圧力は圧力計15により計測され、圧力計15の計測結果は信号ラインSL15を介して充填制御装置80に入力される。充填制御装置80は、第2の充填系統102の流量調整弁12、流量計13、遮断弁14、圧力計15と情報、制御信号を授受し、車輌側タンクのデータ(タンク内圧力、温度、充填量等)を取得した上で、車輌側タンク内との圧力差に対応して、適正な圧力範囲で水素ガスを車輌側タンクに供給し、以て、遵守すべき充填プロトコルに従って水素充填を実行する。
【0047】
一方、図2に示すような、水素充填用レセプタクル61-3と燃料タンク60-5、60-6を連通する経路66と、水素充填用レセプタクル61-4と燃料タンク60-7、60-8を連通する経路68が経路70を介して車輌内で連通している場合には、図5に示す充填ノズル6を水素充填用レセプタクル61-3に接続し、充填ノズル16を水素充填用レセプタクル61-4に接続し、充填制御装置80は、複数の充填系統101、102を遵守すべき充填プロトコルに従って包括的に制御する(第2の制御モード)。
【0048】
より具体的には、図2の全ての燃料タンク60-5~60-8同士が車輌内で連通している場合には、充填制御装置80は、第1の充填系統101の及び第2の充填系統102の充填圧力の挙動を監視し、充填プロトコルを逸脱しない様に、充填系統101、102の流量調整弁2、12、遮断弁4、14、その他を制御し、流量計3、13、圧力計5、15その他から計測信号を取得し、充填系統101、102で各々計測された最も高い圧力が充填終了圧力に到達した場合に充填を終了する。
【0049】
充填制御装置80における第1の制御モード又は第2の制御モードの切り替えは、充填制御装置80及び制御盤50に設けられたセレクタスイッチ8(手動スイッチ)により選択する(切り替える)ことが出来る。充填制御装置80にセレクタスイッチ8を設けることで操作者の利便性が向上する。
【0050】
以上のように、この第2の実施形態においても複数の燃料タンク(60)が相互に独立している場合も、車輌内で連通している場合も、遵守するべき充填プロトコルに従って、迅速に水素充填を行うことが出来る。
【0051】
また、この水素充填装置101においても、充填制御装置80は、第1の充填系統101及び第2の充填系統102の充填制御を実行する際に、第1及び第2の充填系統101、102の各々における充填量を合算し、当該合算の充填量を充填部材、例えば図示しない表示器に表示する機能を有している。
【0052】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【符号の説明】
【0053】
1、11・・・充填配管
2、12・・・流量調節弁
3、13・・・流量計
4、14・・・遮断弁
5、15・・・圧力計
6、16・・・充填ノズル
7、17・・・充填ホース
8・・・切替手段
9・・・中継装置(例えばリレー・プログラマブル・ロジック・コントローラ)
10-1・・・第1の制御モードを選択した充填制御装置
10-2・・・第2の制御モードを選択した充填制御装置
30、40・・・後方施設
50・・・制御盤
80・・・充填制御装置
100、101・・・水素充填装置
101、102・・・充填系統
図1
図2
図3
図4
図5