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▶ 八重樫 豊秋の特許一覧

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  • 特許-トイレットペーパー用カッター 図1
  • 特許-トイレットペーパー用カッター 図2
  • 特許-トイレットペーパー用カッター 図3
  • 特許-トイレットペーパー用カッター 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】トイレットペーパー用カッター
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/36 20060101AFI20230313BHJP
【FI】
A47K10/36 F
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022202759
(22)【出願日】2022-12-20
【審査請求日】2022-12-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521284495
【氏名又は名称】八重樫 豊秋
(74)【代理人】
【識別番号】100095359
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 篤
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 豊秋
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-171067(JP,A)
【文献】特開2014-018577(JP,A)
【文献】特開平10-290766(JP,A)
【文献】実開昭54-070646(JP,U)
【文献】実開昭51-033955(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/36
B65H 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレットペーパーホルダーの上蓋の先端部に設けられるトイレットペーパー用カッターであって、所定の厚みを有し、前記トイレットペーパーホルダーに取り付けられるトイレットペーパーの幅方向の一端から所定の長さにわたって前記上蓋のトイレットペーパー側の面に沿って第1カッター部を有し、前記幅方向の他端から所定の長さにわたって前記上蓋のトイレットペーパー側の反対面に沿って第2カッター部を有し、前記先端部の前記第1カッター部と前記第2カッター部との間に凹部を有し、前記先端部は前記第1カッター部の位置で前記トイレットペーパーに接しており、前記第2カッター部の位置で前記トイレットペーパーから離れていることを、特徴とするトイレットペーパー用カッター。
【請求項2】
前記反対面に前記凹部の第2カッター部側の縁部に沿って凸部を有することを、特徴とする請求項記載のトイレットペーパー用カッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレットペーパーホルダーの上蓋の先端部に設けられるトイレットペーパー用カッターに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパーホルダーに取り付けられたロール状のトイレットペーパーを使用するとき、トイレットペーパーの先端が下層のトイレットペーパーに貼り付いてしばしば引き出しにくいことがある。特に、公共トイレのトイレットペーパーはミシン目がないものが多く、高齢者などの目が見えにくい方にとってトイレットペーパーを引き出すのが難しかった。
その問題を解決しようとする従来のトイレットペーパー用カッターとして、先端を略山形とし、両側に切込片を設けると共に、この切込片の内側に溝部を一体に設けたトイレットペーパー用カッターが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-20045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のトイレットペーパー用カッターは、切込片が突出しているため、ぶつかったときに使用者を傷付けたり切込片が折れたりするおそれがあるという課題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、丈夫で安全に使用でき、トイレットペーパーを引き出しやすいトイレットペーパー用カッターを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るトイレットペーパー用カッターは、トイレットペーパーホルダーの上蓋の先端部に設けられるトイレットペーパー用カッターであって、所定の厚みを有し、前記トイレットペーパーホルダーに取り付けられるトイレットペーパーの幅方向の一端から所定の長さにわたって前記上蓋のトイレットペーパー側の面に沿って第1カッター部を有し、前記幅方向の他端から所定の長さにわたって前記上蓋のトイレットペーパー側の反対面に沿って第2カッター部を有し、前記先端部の前記第1カッター部と前記第2カッター部との間に凹部を有し、前記先端部は前記第1カッター部の位置で前記トイレットペーパーに接しており、前記第2カッター部の位置で前記トイレットペーパーから離れていることを、特徴とする。
【0007】
本発明に係るトイレットペーパー用カッターは、トイレットペーパーを切り取る際、トイレットペーパーの先端をつかんで所定の長さで引き出し、トイレットペーパーの切り取る箇所に第1カッター部を当ててトイレットペーパーの幅方向の一端から第2カッター部の手前までトイレットペーパーを切り取っていく。次に、トイレットペーパーの残りの部分を第2カッター部に当ててトイレットペーパーの幅方向の他端まで切り取る。第1カッター部はトイレットペーパー側の面に沿っており、第2カッター部はトイレットペーパー側の反対面に沿っているので、第2カッター部で切られて残ったトイレットペーパーの先端は、上蓋の厚みの分だけ上側に捲られて長くなっている。このため、次にトイレットペーパーを引き出すとき、捲られて長くなった部分をつかんで引き出しやすい。先端部に突出する部分などを設ける必要がないため、丈夫で安全に使用することができる。
【0008】
本発明に係るトイレットペーパー用カッターは、前記先端部の前記第1カッター部と前記第2カッター部との間に凹部を有する
このため、トイレットペーパーを切り取る際、第1カッター部で一部が切り取られたトイレットペーパーが第2カッター部の手前で凹部に挟まるので、残りの部分が第2カッター部で切り取られたとき上側に不規則な形状で捲られやすくなり、よりつかみやすくなる。
【0009】
本発明に係るトイレットペーパー用カッターにおいて、前記先端部は前記第1カッター部の位置で前記トイレットペーパーに接しており、前記第2カッター部の位置で前記トイレットペーパーから離れている
このため、トイレットペーパーが第2カッター部で切り取られたとき、より上側に捲られやすくなり、よりつかみやすくなる。
【0010】
本発明に係るトイレットペーパー用カッターは、前記反対面に前記凹部の第2カッター部側の縁部に沿って凸部を有することが好ましい。
この場合、トイレットペーパーが第2カッター部の手前で凹部に挟まってから凸部で持ち上げられるため、第2カッター部で切り取られたときさらに上側に捲られやすくなり、よりつかみやすくなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、丈夫で安全に使用でき、トイレットペーパーを引き出しやすいトイレットペーパー用カッターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態のトイレットペーパー用カッターを有するトイレットペーパーホルダーの斜視図である。
図2図1のトイレットペーパー用カッターの(A)拡大左側面端面図、(B)拡大右側面端面図である。
図3図1のトイレットペーパー用カッターの要部拡大底面図である。
図4】(A)図1のトイレットペーパー用カッターの要部拡大正面図、(B)トイレットペーパー用カッターの変形例の要部拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1に、本発明の実施の形態のトイレットペーパー用カッター10を有するトイレットペーパーホルダー1を示す。トイレットペーパーホルダー1は、ロール状のトイレットペーパー2を横にして両端の支持部3,4に回転可能に取り付け、トイレットペーパー2を先端2aから下方に引き出して使用するようになっている。トイレットペーパーホルダー1は、支持部3,4に背面側で回転軸により取り付けられた上蓋5を有している。上蓋5は、手前側が自重で落ちて、支持部3,4に取り付けられたトイレットペーパー2に被さるようになっている。
【0014】
トイレットペーパー用カッター10は、トイレットペーパーホルダー1の上蓋5の先端部に設けられる。トイレットペーパー用カッター10は、所定の厚み、例えば2mm~3mmの厚みを有している。トイレットペーパー用カッター10は、ステンレスなどの金属製でもアクリル樹脂などの合成樹脂製であってもよい。また、トイレットペーパー用カッター10は、上蓋5と一体であっても、上蓋5と別体で上蓋5に粘着シールなどで貼り付けられてもよい。
【0015】
トイレットペーパー用カッター10は、第1カッター部11と第2カッター部12とを有している。図2(A)に示すように、第1カッター部11は、鋭角の刃から成り、トイレットペーパーホルダー1に取り付けられるトイレットペーパー2の幅方向の一端から所定の長さにわたって上蓋5のトイレットペーパー側の面5aに沿って設けられている。第1カッター部11から上蓋5のトイレットペーパー側の反対面5bにかけての部分は、面取りされて緩やかに連続している。図2(B)に示すように、第2カッター部12は、鋭角の刃から成り、トイレットペーパー2の幅方向の他端から所定の長さにわたって上蓋5のトイレットペーパー側の反対面5bに沿って設けられている。第2カッター部12から上蓋5のトイレットペーパー側の面5aにかけての部分は、面取りされて緩やかに連続している。
【0016】
トイレットペーパー用カッター10は、上蓋5の先端部の第1カッター部11と第2カッター部12との間に凹部13を有している。凹部13は、第1カッター部11側の縁部が図3(A)に示すように湾曲していても、図3(B)に示すように直線状であってもよい。図4に示すように、トイレットペーパー用カッター10は、上蓋5のトイレットペーパー側の反対面5bに凹部13の第2カッター部12側の縁部に沿って凸部14を有し、その縁部が厚くなっている。
【0017】
図4に示すように、トイレットペーパー用カッター10は、第1カッター部11と第2カッター部12との間の凹部13の位置でわずかに折れ曲がって、第1カッター部11と第2カッター部12とに段差を有している。このため、上蓋5の先端部は、第1カッター部11の位置でトイレットペーパー2に接しており、第2カッター部12の位置でトイレットペーパー2の表面に対し平行にトイレットペーパー2から離れている。
【0018】
次に作用について説明する。
トイレットペーパー用カッター10は、トイレットペーパー2を切り取る際、トイレットペーパー2の先端2aをつかんで所定の長さで引き出し、上蓋5を上から押さえてトイレットペーパー2の切り取る箇所に第1カッター部11を押し当て、トイレットペーパー2の幅方向の一端から第2カッター部12の手前までトイレットペーパー2を切り取っていく。次に、トイレットペーパー2の残りの部分を第2カッター部12に押し当ててトイレットペーパー2の幅方向の他端まで切り取る。第1カッター部11はトイレットペーパー側の面5aに沿っており、第2カッター部12はトイレットペーパー側の反対面5bに沿っているので、第2カッター部12で切られて残ったトイレットペーパー2の先端2aは、上蓋5の厚みの分だけ上側に捲られて長くなっている。このため、次にトイレットペーパー2を引き出すとき、捲られて長くなった部分2bをつかんで引き出しやすい。
【0019】
また、トイレットペーパー2を切り取る際、第1カッター部11で一部が切り取られたトイレットペーパー2が第2カッター部12の手前で凹部13に挟まるので、残りの部分が第2カッター部12で切り取られたとき上側に不規則な形状で捲られやすくなり、よりつかみやすくなる。
さらに、トイレットペーパー2が第2カッター部12の手前で凹部13に挟まってから凸部14で持ち上げられるため、第2カッター部12で切り取られたときさらに上側に捲られやすくなり、よりつかみやすくなる。
【0020】
また、上蓋5の先端部は第1カッター部11の位置でトイレットペーパー2に接しており、第2カッター部12の位置でトイレットペーパー2から離れているので、トイレットペーパー2は第2カッター部12で切り取られたとき、より上側に捲られやすくなり、よりつかみやすくなる。トイレットペーパー用カッター10を用いれば、高齢者などの目が見えにくい方が公共トイレのトイレットペーパーなどミシン目がないものを使用する場合でも、トイレットペーパー2の捲られて長くなった部分2bをつかんでトイレットペーパーを容易に引き出して使用することができる。
トイレットペーパー用カッター10は、従来のトイレットペーパー用カッターと異なり、先端部に突出する部分などを設ける必要がないため、丈夫で安全に使用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 トイレットペーパーホルダー、2 トイレットペーパー、2a 先端、3,4 支持部、5 上蓋、5a トイレットペーパー側の面、5b トイレットペーパー側の反対面、10 トイレットペーパー用カッター、11 第1カッター部、12 第2カッター部、13 凹部、14 凸部
【要約】
【課題】丈夫で安全に使用でき、トイレットペーパーを引き出しやすいトイレットペーパー用カッターを提供する。
【解決手段】トイレットペーパーホルダー1の上蓋5の先端部に設けられる。所定の厚みを有する。トイレットペーパーホルダー1に取り付けられるトイレットペーパー2の幅方向の一端から所定の長さにわたって上蓋5のトイレットペーパー側の面に沿って第1カッター部11を有する。幅方向の他端から所定の長さにわたって上蓋5のトイレットペーパー側の反対面に沿って第2カッター部12を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4