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特許7242038切換開閉器及び切換開閉器を備える負荷時タップ切換器を含む変圧装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】切換開閉器及び切換開閉器を備える負荷時タップ切換器を含む変圧装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 29/04 20060101AFI20230313BHJP
   H01H 33/42 20060101ALI20230313BHJP
   H01H 33/666 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
H01F29/04 502F
H01F29/04 502A
H01H33/42 N
H01H33/666 M
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019030390
(22)【出願日】2019-02-22
(65)【公開番号】P2020136564
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】592228712
【氏名又は名称】北陸電機製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100083127
【弁理士】
【氏名又は名称】恒田 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100173462
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100202957
【弁理士】
【氏名又は名称】金森 毅
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 悠
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 清亮
【審査官】木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-515137(JP,A)
【文献】特開平03-083310(JP,A)
【文献】実開昭59-096815(JP,U)
【文献】特開平11-329871(JP,A)
【文献】特開昭59-204224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 29/02 -29/04
H01H 33/666
H01H 33/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部を備え、前記可動部の位置に応じて開閉する複数の開閉器と、直動カムと、前記可動部に固定され前記直動カムに当接し、前記複数の開閉器のそれぞれに対応する複数のカムフォロアと、を備える切換開閉器であって、
前記複数の開閉器は、前記直動カムの移動方向に並べて配置され、
前記複数のカムフォロアは、前記直動カムのカム面に付勢された状態で当接し、
前記直動カムのカム面には、当接する前記カムフォロア間の距離に応じたピッチで凹凸部が設けられており、
前記複数の開閉器は、前記直動カムが移動することで、個別に開閉され、
前記複数の開閉器は、開閉する交流電流の相ごとに3個ずつ前記直動カムの移動方向に並べて設けられており、
前記交流電流の相ごとに設けられている3個の前記開閉器のうち、両端の前記開閉器は、限流抵抗器を介して電気的に接続されている、
切換開閉器。
【請求項2】
各前記複数の開閉器は、前記カムフォロアに固定されたカムフォロアブラケットをさらに備え、
前記カムフォロアブラケットは、前記直動カムの上面の少なくとも一部を覆う形状に形成されている、
請求項に記載の切換開閉器。
【請求項3】
前記カムフォロアブラケットの底面と前記直動カムの前記上面とは接している、
請求項に記載の切換開閉器。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の切換開閉器を備える負荷時タップ切換器を含む、
変圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切換開閉器及び切換開閉器を備える負荷時タップ切換器を含む変圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
負荷時タップ切換器を含む変圧装置においては、負荷を繋いだままタップを切り換えるため、切換開閉器を用いてタップ間の配線のつなぎ替えを行う切換開閉器が必要とされる。
負荷時タップ切換器を含む変圧装置の切換開閉器の開閉は、回転体と回転しない固定部材の少なくとも一方に設けられた開閉機構を動作させることにより行われてきた。
【0003】
例えば、特許文献1の切換開閉器は、開閉機構として、回転する駆動軸に固定されたカムと、駆動軸の周囲に設けられた複数の真空バルブと、カムに接して設けられ、カムの回転角度に応じて複数の真空バルブを開閉するローラと、を備える。
特許文献1の切換開閉器においては、交流の相ごとにカム、真空バルブ、ローラ等が駆動軸の方向に複数重ねて配置されており、切換開閉器は、全体として、軸方向である上下方向に伸びた円柱形状を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-118475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたタップ切換器の切換開閉器は、回転する駆動軸、カムとその周囲に設けられた真空バルブ等を含む形状に形成されているため、全体として円柱形状をなしており、駆動軸の方向である上下方向の占有空間が大きいという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、コンパクトな切換開閉器及び切換開閉器を備える負荷時タップ切換器を含む変圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る切換開閉器は、
可動部を備え、前記可動部の位置に応じて開閉する複数の開閉器と、直動カムと、前記可動部に固定され前記直動カムに当接し、前記複数の開閉器のそれぞれに対応する複数のカムフォロアと、を備える切換開閉器であって、
前記複数の開閉器は、前記直動カムの移動方向に並べて配置され、
前記複数のカムフォロアは、前記直動カムのカム面に付勢された状態で当接し、
前記直動カムのカム面には、当接する前記カムフォロア間の距離に応じたピッチで凹凸部が設けられており、
前記複数の開閉器は、前記直動カムが移動することで、個別に開閉され、
前記複数の開閉器は、開閉する交流電流の相ごとに3個ずつ前記直動カムの移動方向に並べて設けられており、
前記交流電流の相ごとに設けられている3個の前記開閉器のうち、両端の前記開閉器は、限流抵抗器を介して電気的に接続されている、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンパクトな負荷時タップ切換器の切換開閉器及び変圧装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係るタップ切換器を備える変圧装置の正面図である。
図2】(A)は図1に示すコイルの正面図、(B)は(A)の平面図、(C)は概念的な鉛直断面図である。
図3図1に示すU、V、W三相のコイルの全体の平面図である。
図4図1に示す変圧装置のコイル側タップ端子と切換器側タップ端子の側面図である。
図5】(A)は図1に示す変圧装置の接触子と切換器側タップ端子との位置関係を示すタップ選択器の概略平面図であり、(B)~(E)は(A)と異なる位置に接触子がある場合の概略平面図である。
図6図1に示す変圧装置の切換開閉器の概略平面図である。
図7】(A)は図1に示す変圧装置のタップ選択器において奇数タップが選択されている状態から偶数タップが選択されている状態への各切換開閉器の開閉を示すタイミングチャートであり、(B)~(E)はそれぞれの状態における直動カムとカムフォロアの位置関係を示す図である。
図8】(A)~(C)は、図6に示す直動カムとカムフォロアの構成の詳細を示す図である。
図9】(A)、(B)は、切換開閉器の配置を変更した場合の、直動カムとカムフォロアの構成例を示す図である。
図10】(A)は図1に示す変圧装置の駆動機構の概略平面図であり、(B)~(E)はその動作説明図である。
図11】(A)は図1に示す変圧装置の駆動機構の第2のカム機構の平面図であり、(B)は図11(A)に示すカムガイドの正面図である。
図12】(A)は図1に示す変圧装置のタップ選択器において2番のタップが選択されている状態における正面図であり、(B)は(A)の状態から4番のタップへ切り換える過程のタップ選択器の正面図である。
図13】(A)~(C)は図1に示す変圧装置におけるタップ切換時の回路図である。
図14】タップを切り換える制御部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態に係る変圧装置1を、図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態に係る変圧装置1は、変圧器であるコイル20U、20V、20Wとコイル20U~20Wのタップを切り換えるタップ切換器30を備える。
【0011】
(変圧装置1の全体構成)
図1に示すように、本実施の形態に係る変圧装置1は、U相、V相及びW相のコイル20U、20V及び20Wと、コイル20U、20V及び20Wのそれぞれについて、負荷状態のままタップ間の電気的接続を切り換えるタップ切換器30と、タップ切換器30を駆動する駆動機構40と、これらの機器を収容するハウジング10と、変圧装置1の入力端子71及び出力端子72と、を備える。
【0012】
ハウジング10は略箱形状を有し、その内部の底面にU相コイル20U、V相コイル20V及びW相コイル20Wが図面左から右へ一直線上に並んで設置されている。また、これらのコイル20U、20V及び20Wの直上に且つ近接してタップ切換器30が配置されている。
タップ切換器30は、切換開閉器31とタップ選択器32を備え、上側に切換開閉器31が、下側にタップ選択器32が配置されている。また、タップ切換器30に隣接して、タップ切換の駆動力を発生する駆動機構40が配置されている。
【0013】
タップ切換器30と駆動機構40とは、ハウジング10内に設けられた、コイル20U~20Wとそれらの鉄心を固定する板状のフレーム上に固定されている。
【0014】
入力端子71と出力端子72は、それぞれ、ハウジング10の天井を貫通し、碍子を介してハウジング10に固定されている。入力端子71と出力端子72は、それぞれ、外部から電力を引き込む導線と外部へ電力を送り出す導線に接続されている。
入力端子71はタップ切換器30の入力端子に、出力端子72は切換器側タップ端子32U5、32V5及び32W5に、それぞれ接続されている。
【0015】
なお、U相コイル20U、V相コイル20V及びW相コイル20Wの配列方向、即ち、図面左から右方向をX方向、鉛直方向上向きをZ方向、X方向とZ方向に直交する方向をY方向とするXYZ直交座標系を設定し、適宜参照する。また、X方向を横方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向と表現することがある。Y方向について、手前又は奥という表現を用いることがある。また、XY平面と平行な平面を水平面と表現することがある。
【0016】
次に、変圧装置1を構成する各部の詳細を説明する。
(U相コイル20U、V相コイル20V、W相コイル20Wの説明)
U相コイル20U、V相コイル20V、W相コイル20Wは、それぞれ、U相用の単相変圧器、V相用の単相変圧器、W相用の単相変圧器として機能する単巻変圧器であり、互いに実質的に同一の構成を有する。そこで、代表して、U相コイル20Uについて説明する。
図2(A)にU相コイル20Uの正面図を、(B)に平面図を示す。
図2(A)、(B)に示すように、U相コイル20Uは、略柱状の外形を有し、上部に9つのコイル側タップ端子21U1~21U9が配置されている。図2(B)に示すように、奇数番目のコイル側タップ端子21U1、21U3、・・・、21U9は、U相コイル20Uの手前側に配置されており、偶数番目のコイル側タップ端子21U2、21U4、・・・、21U8は、U相コイル20Uの奥側に配置されている。図2(A)に示すように、各コイル側タップ端子21U1~21U9には、後述のボルトを挿通してナットで締結することで、これらのコイル側タップ端子21U1~21U9をタップリード板33U1~33U9に固定するためのU相コイル側端子貫通孔21U11~21U92が1つの端子に対して2つずつ形成されている。
【0017】
図2(C)にU相コイル20Uの概念的な鉛直断面図を示す。
図2(C)に示すように、U相コイル20の直列巻線Pと分路巻線Wとは、直列巻線Pを外側、分路巻線Wを内側とするように、鉛直方向の軸を中心にほぼ同心に巻かれている。直列巻線Pは、U相コイル20Uの高さにほぼ等しい幅を有する帯状の薄い銅板を巻いて形成されている。直列巻線Pは、絶縁紙Iとともに巻かれることで、絶縁されている。
【0018】
一方、分路巻線Wは、直列巻線Pに比べて細い径の銅線から形成されている。分路巻線Wの表面には絶縁紙が螺旋状に巻き付けられており、これによって絶縁されている。
【0019】
U相コイル20の上面と下面とは、それぞれ、樹脂等の絶縁性材料等から形成された絶縁層24と25によりコーティングされている。
前述のコイル側タップ端子21U1~21U9は、それぞれ、上面側の絶縁層24の上に2列に配列されて固定されている。
各コイル側タップ端子21U1~21U9は、それぞれ、板状の導体であるタップリード配線26により、直列巻線Pの9つのタップ引き出し位置の何れかに接続されている。タップリード配線26は、帯状の銅板の一面に溶接、ハンダ等により固定及び接続されている。タップ引き出し位置は、直列巻線Pの一端から離間した9箇所に設定されている。コイル側タップ端子21U1~21U9には、前列に配置されたものについては、左方から右方に向けて1、3、5、7、9の番号が、後列に配置されたものについては、右方から左方に向けて2、4、6、8の番号が、それぞれ付されている。
タップリード配線26の全部又は一部は、直列巻線P又はU相コイル側タップ端子21U1~21U9と一体に形成されていてもよい。
なお、コイル側タップ端子21U1~21U9やタップリード配線26が絶縁を保っていればよいため、U相コイル20の上面又は下面は必ずしも絶縁層24又は25によってコーティングされていなくてもよい。
【0020】
なお、コイル側タップ端子21U5は、タップリード配線26に接続されるとともに、出力端子72にも接続されている。
【0021】
図1に示したV相コイル20VとW相コイル20Wは、V相とW相のコイルであり、U相コイル20Uと基本的に同一の構成を有し、9つのコイル側タップ端子21V1~21V9と、21W1~21W9をそれぞれ備える。V相コイル側タップ端子21V1~21V9とW相コイル側タップ端子21W1~21W9も、U相コイル側タップ端子21U1~21U9と同様に、タップリード配線26により、直列巻線Pの一端から離間した9箇所に設定された引き出し位置と接続されている。
なお、U相コイル20U、V相コイル20V及びW相コイル20Wは、スター結線で接続されている。
【0022】
図3は、U相コイル20U、V相コイル20V、W相コイル20Wとそれらのコイル側タップ端子21U1~21W9の位置関係を示す平面図である。図3に示すように、U相コイル20U、V相コイル20V及びW相コイル20Wの奇数番端子21U1~21U9、21V1~21V9、21W1~21W9と、偶数番端子21U2~21U8、21V2~21V8及び21W2~21W8は、それぞれ、直線状に配列されている。
【0023】
(タップ切換器30の説明)
図1に示すように、タップ切換器30は、所望のタップを選択するタップ選択器32と、複数の開閉器によって電気回路の接続を切り換える切換開閉器31と、を含む。
【0024】
(タップ選択器32の説明)
タップ選択器32は、U相切換器側タップ端子32U1~32U9、V相切換器側タップ端子32V1~32V9及びW相切換器側タップ端子32W1~32W9と、U相タップリード板33U1~33U9、V相タップリード板33V1~33V9及びW相タップリード板33W1~33W9と、を備える。
【0025】
まず、U相切換器側タップ端子32U1とU相タップリード板33U1を例に、その構造を説明する。
U相コイル20UのU相コイル側タップ端子21U1には、図4に示すように、鉛直方向に延在するU相タップリード板33U1の下端部が固定されている。U相タップリード板33U1は、例えば、剛性を有する板状部材から構成される。
【0026】
コイル側タップ端子21U1とタップリード板33U1の下端部とは、コイル側端子貫通孔21U11、21U12及びタップリード板側貫通孔33U11、33U12にボルトB1、B2を通してナットN1、N2で締結することにより、固定されている。タップリード板33U1の上端部には、庇状に切換器側タップ端子32U1が形成されている。すなわち、切換器側タップ端子32U1とタップリード板33U1とは一体に形成されている。
【0027】
コイル側タップ端子21U2~21W9についても、それぞれ、タップリード板33U2~33W9の下端部が固定されている。また、タップリード板33U2~33W9の上端部には、庇状に切換器側タップ端子32U2~32W9が形成されている。
【0028】
このような構成であるため、切換器側タップ端子32U1~32W9は、図3に示すコイル側タップ端子21U1~21W9と同様に、U、V、Wの相ごとに、各奇数番目の5端子は手前側に一直線状に順番に配置され、かつ、偶数番目の4端子は奥側に一直線状に順番に配置されている。
【0029】
このように、円筒形状の従来型の一般的なタップ切換器を縦型と呼ぶとすれば、タップ切換器30では、切換器側タップ端子32U1~32W9が左右方向の直線上に配置されていることから、横型ということができる。タップ切換器30を横型とすることで、縦型のタップ切換器を用いる場合に比べて、構成を簡略化できる。また、タップ切換器30とコイル20U等とを近接して配置するため、変圧装置1を全体として小型化することができる。さらに、コイル側タップ端子21U1等と切換器側タップ端子32U1等との接続にリード線を用いる場合に比べて、変圧装置1の内部の配線が複雑に絡み合うことが少なくなるため、変圧装置1全体の点検や配線の引き回し、接続の変更及び取換えが容易になる。
【0030】
タップ選択器32は、U相、V相、W相用に、それぞれ、U相接触子32U12と32U22、V相接触子32V12と32V22、W相接触子32W12と32W22と、を備える。なお、図4は、U相接触子32U12のみを例示したものである。
【0031】
U相接触子32U12はU相開閉器端子31U22と短絡しており、U相接触子32U22はU相開閉器端子31U12と短絡し、かつ、限流抵抗器31U4を介してU相開閉器端子31U32と接続している。V相接触子32V12はV相開閉器端子31V22と短絡しており、V相接触子32V22はV相開閉器端子31V12と短絡し、かつ、限流抵抗器31V4を介してV相開閉器端子31V32と接続している。W相接触子32W12はW相開閉器端子31W22と短絡しており、W相接触子32W22はW相開閉器端子31W12と短絡し、かつ、限流抵抗器31W4を介してW相開閉器端子31W32と接続している。
【0032】
図5(A)~(E)は、U相接触子32U12、32U22とU相切換器側タップ端子32U1~32U9の位置関係を示す平面図である。なお、図5(A)~(E)では、位置関係を示すため、U相接触子32U12、32U22のうち、U相切換器側タップ端子32U1~32U9の陰になる部分も実線で示している。図5(A)~(E)に例示するように、U相接触子32U12は、U相の奇数番目のU相切換器側タップ端子32U1、32U3、・・・、32U9のいずれか1つの下面と接触可能に左右方向及び上下方向に移動する。同様に、U相接触子32U22は、U相の偶数番目のU相切換器側タップ端子32U2、32U4、32U6、32U8のいずれか1つの下面と接触可能に、左右方向及び上下方向に移動する。同様に、V相接触子32V12は、手前側の奇数番目のV相切換器側タップ端子32V1、32V3、・・・、32V9に接触可能に左右方向及び上下方向に移動し、V相接触子32V22は、奥側の偶数番目のV相切換器側タップ端子32V2、32V4、・・・、32V8に接触可能に左右方向及び上下方向に移動する。また、W相接触子32W12は、手前側の奇数番目のW相切換器側タップ端子32W1、32W3、・・・、32W9に接触可能に左右方向及び上下方向に移動し、W相接触子32W22は、偶数番目のW相切換器側タップ端子32W2、32W4、・・・、32W8に接触可能に左右方向及び上下方向に移動する。
U相接触子32U12、32U22、V相接触子32V12、32V22、W相接触子32W12、32W22の動作については後述する。
【0033】
(切換開閉器31の説明)
図6は、切換開閉器31の概略平面図である。切換開閉器31は、タップ切換時に、高圧大電流の回路を、高速に且つ確実に接続及び遮断する装置である。
図6に示すように、切換開閉器31は、3つのU相開閉器31U1、31U2及び31U3と、3つのV相開閉器31V1、31V2及び31V3と、3つのW相開閉器31W1、31W2及び31W3と、これらの開閉器を開閉するための第1のカム機構50と、を備える。
【0034】
U相開閉器31U1は、管状の真空バルブ(高圧交流負荷開閉器)と、真空バルブから奥に向かって伸びるロッドと、ロッドに巻かれた図示しない圧縮コイルばねと、圧縮コイルばねによって奥向きに付勢されているU相開閉器カムフォロア52U1と、を備える。
また、U相開閉器31U1の一端は、U相開閉器端子31U11に電気的に接続されており、他端は、U相開閉器端子31U12に電気的に接続されている。
【0035】
第1のカム機構50によってU相開閉器カムフォロア52U1が手前に移動すると、U相開閉器31U1のロッドも手前に向かって押し込まれ、破線で示す内部接点が接触して、U相開閉器31U1の2つのU相開閉器端子31U11と31U12とは電気的に接続された状態(閉)となる。反対に、U相開閉器カムフォロア52U1が奥に移動すると、U相開閉器31U1のロッドも奥に向かって引き抜かれ、破線で示す内部接点が離間して、2つのU相開閉器端子31U11と31U12とは電気的に切断された状態(開)となる。
【0036】
他のU相開閉器31U2、31U3、V相開閉器31V1~31V3、W相開閉器31W1~31W3についても同様の態様で電気的に開閉される。
これらの開閉器31U1~31W3等は、真空バルブの管及びシャフトの軸が前後方向を向くように、真空バルブが横に倒された状態で、1つの水平な平面上に互いに平行に配置されている。
【0037】
U相開閉器31U3のU相開閉器端子31U32と31U12との間、V相開閉器31V3のV相開閉器端子31V32と31V12との間、及びW相開閉器31W3のW相開閉器端子31W32と31W12との間には、それぞれ、U相限流抵抗器31U4、V相限流抵抗器31V4及びW相限流抵抗器31W4が接続されている。
【0038】
U相開閉器端子31U11、31U21、31U31は、相互に電気的に接続され、U相の入力端に相当し、銅線を介して入力端子71に接続されている。
一方、U相開閉器端子31U12は、偶数タップ端子用のU相接触子32U22に銅線を介して接続されている。さらに、U相開閉器端子31U22は、奇数タップ端子用のU相接触子32U12に銅線を介して接続されている。
【0039】
これにより、例えば、U相開閉器31U1が閉じると、入力端子71とU相接触子32U22が電気的に接続され、U相開閉器31U1が開くと、入力端子71とU相接触子32U22が電気的に切断される。
【0040】
同様に、V相開閉器31V1~31V3は、入力端子71、V相限流抵抗器31V4、V相接触子32V12、32V22に接続されている。また、W相の開閉器31W1~31W3は、入力端子71、W相限流抵抗器31W4、W相接触子32W12、32W22に接続されている。
【0041】
開閉器31U1~31W3を開閉するため、直動カム51は、図6に例示するように、左右方向に1ピッチ分だけ、往復運動する。
タップ切換時における、U相開閉器カムフォロア52U1、52U2、52U3にそれぞれ対応するU相開閉器31U1~31U3の開閉の状態変化を図7(A)に示す。なお、図7(A)~(E)ではU相分だけを例示し、U相開閉器カムフォロア52U1~52U3及びこれらのカムフォロアに対応するU相開閉器31U1~31U3を、それぞれ、(b)、(a)、(r)として説明する。
図7(A)の横軸は時間であり、奇数のタップが選択された状態から偶数のタップが選択された状態に変化する過程における、各開閉器(a)、(r)、(b)の開(OFF)、閉(ON)の状態を示す。
初期状態では、奇数のタップが選択されており、図7(A)及び(B)に示すように、開閉器(a)は閉じ、開閉器(b)、(r)は開いている。続いて、図7(A)及び(C)に示すように、開閉器(a)が閉じたまま、開閉器(r)も閉じ、開閉器(b)のみが開いた中間状態1が生じる。さらに時間が経過すると、図7(A)及び(D)に示すように、開閉器(b)は開いたまま、開閉器(r)は閉じたままで、開閉器(a)が開いた中間状態2が生じる。これらの中間状態1、2を経て、最終的に、図7(A)及び(E)に示すように、開閉器(b)及び(r)が閉じ、(a)が開いている、偶数タップの選択された状態に至る。なお、図7(B)から(E)への変化の過程では、直動カム51は、-X方向に移動している。
なお、偶数タップが選択された状態から奇数タップが選択された状態に至る過程では、直動カム51は+X方向に移動し、各開閉器(b)、(a)、(r)の開閉状態の変化は上述したのと逆となる。
【0042】
以下、第1のカム機構50について詳細に説明する。
第1のカム機構50は、図6に示したように、左右に移動するカムである直動カム51と、直動カム51の手前側に設けられた凹凸部を有する側面に押し当てられる円柱形状のカムフォロアであるU相開閉器カムフォロア52U1、52U2、52U3と、V相開閉器カムフォロア52V1、52V2、52V3と、W相開閉器カムフォロア52W1、52W2、52W3と、を備える。
【0043】
直動カム51は、手前側に突き出す凸部を有する側面を備える。開閉器31U1~31W3がU相、V相、W相の順に規則正しく並んでいることに対応し、直動カム51の側壁の凹凸、即ち、直動カム51の山と谷は、U相、V相、W相間で相対的に等しい位置に等しい形状に形成されている。
【0044】
また、U相開閉器カムフォロア52U1~52U3、V相開閉器カムフォロア52V1~52V3、W相開閉器カムフォロア52W1~52W3は、それぞれ、U相開閉器31U1~31U3、V相開閉器31V1~31V3、W相開閉器31W1~31W3の他方のロッドに連結されている。
カムフォロア52U1~52W3の構成を、U相開閉器カムフォロア52U1を例として、より詳細に説明する。U相開閉器カムフォロア52U1は、図8(A)~(C)に示すように、左右方向から見た断面がL字形に形成されたU相カムフォロアブラケット53U1と、U相カムフォロアブラケット53U1に回転可能に軸支され、直動カム51のカム面上を転動するU相カムフォロア53U2とを備える。また、U相カムフォロアブラケット53U1は、水平板53U11と鉛直板53U12とを備える。
【0045】
図8(C)に示すように、水平板53U11の下面は、直動カム51の上面との間に僅かなクリアランスCLを有している。また、U相カムフォロア53U2は円柱形状を有し、水平板53U11に回転可能に軸支され、直動カム51のカム面に沿って転動可能である。
【0046】
U相カムフォロアブラケット53U1の水平板53U11は、十分な奥行きをもつように奥側に張り出して形成されている。そのため、U相開閉器カムフォロア52U1等が図8(A)に示すように手前の位置にあっても、図8(B)に示すように奥の位置にあっても、図8(C)に示すように、U相カムフォロアブラケット53U1の水平板53U11は、上下方向において、直動カム51の上面と十分な重なり合いOLを保つ。このような構成により、U相開閉器カムフォロア52U1は、直動カム51のカム面に沿って滑らかに移動する。
【0047】
直動カム51が上述のように各相で共通の形状に加工され、各開閉器カムフォロア52U1~52W3が規則的に配置されているため、例えば、U相開閉器カムフォロア52U1とV相開閉器カムフォロア52V1とW相開閉器カムフォロア52W1とは、同期して手前にせり出し、或いは、奥側に引き込む。同様に、U相開閉器カムフォロア52U2とV相開閉器カムフォロア52V2とW相開閉器カムフォロア52W2、U相開閉器カムフォロア52U3とV相開閉器カムフォロア52V3とW相開閉器カムフォロア52W3についても、同期して手前にせり出し、或いは、奥側に引き込む。
【0048】
直動カム51は、左右に伸びる角棒状の部材であり、手前に突出する部分を3つ有する側壁がカム機構としての原動節に対応する。また、U相開閉器カムフォロア52U1、V相開閉器カムフォロア52V1及びW相開閉器カムフォロア52W1がカム機構としての従動節に対応する。
【0049】
なお、図7(B)~(E)に示したのとは異なり、開閉器を、31U1、31U3、31U2、又は31U2、31U3、31U1の順に配列して、限流抵抗器31U4に接続する開閉器31U3を他の2つの開閉器31U1と31U2との間に配置することが考えられる。しかし、このような配置にすると、図9(A)及び(B)に例示するように、図6図7(B)~(E)に示した場合に比べ、直動カム51の長さが長くなる。従って、図6図7(B)~(E)に示した構造の方が、切換開閉器31をコンパクトにすることができる。
【0050】
(駆動機構40の説明)
直動カム51の往復運動は駆動機構40によりなされる。
そこで、次に、駆動機構40について、図10(A)~(E)を参照して説明する。
駆動機構40は、図示しないモータMによる外部からの回転力を受ける駆動シャフト41と、駆動シャフト41の回転運動を直線運動に変換するクランク機構部42と、クランク機構部42に機械的に接続され、水平方向のスライドラック47に沿って移動するスライダー46と、スライダー46に機械的に連結され、切換開閉器31に所定の動作をさせる第1のカム機構50と、を備える。直動カム51はスライダー46と接続されている。
【0051】
変圧装置1は、例えば、図示しない計器用変圧器を介して出力電圧を監視しており、出力電圧と目標の電圧との差が一定値を超えた場合に、出力電圧を目標の電圧に近づけるため、モータMに電流を流して回転させて駆動機構40を動作させ、タップ切換動作を行う。
【0052】
図10(A)は、クランク機構部42の平面図である。クランク機構部42は、駆動シャフト41に一端部が固定され、駆動シャフト41を中心として360°回転可能な第1のリンク43aと、第1のリンク43aの他端部に一端部が連結された第2のリンク43bと、第2のリンク43bの他端部に揺動可能に連結された第1のクランク44aと、を備える。図10(A)においては、第1のリンク43aが+X方向を向いており、第1のリンク43aの長手方向と第2のリンク43bの長手方向は平行である。このときの駆動シャフト41の回転角度を0°とする。また、以後の説明では、駆動シャフト41の回転角度(=又は第1のリンク43aの回転角度)は、時計回りに計測した場合の値を表す。
第1のクランク44aは、その中間部において第2のリンク43bの他端部に揺動可能に連結され、その一端部に後述するコイルばね45の一端部が懸架されている。
【0053】
クランク機構部42は、扇形ギア42aと、扇形ギア42aの歯と噛み合い、左右方向に移動可能なスライドラック47と、をさらに備える。扇形ギア42aは、扇の頂点を回転軸とし、一辺部に第1のクランク44aの他端部が扇形ギア42aの回転軸を中心として回転可能であるように連結されている。扇形ギア42a上には、一端部が扇形ギア42aの中央部に回転可能に連結された第2のクランク44bと、第2のクランク44bを挟むように配置され、第2のクランク44bの移動範囲を規制する2つのストッパ44c、44dと、が配置されている。第1のクランク44aの一端部及び第2のクランク44bの他端部には、それぞれ、ばね係止部が設けられており、これらの2つのばね係止部にコイルばね45の両端が固定されている。これにより、第1のクランク44aの一端部と第2のクランク44bの他端部との間にコイルばね45が張られている。これにより、第1のクランク44aの一端部と第2のクランク44bの他端部とは、コイルばね45の延長軸において互いに引っ張り合う方向の力をそれぞれ受けている。
【0054】
なお、扇形ギア42aは、平歯車のうち一定の角度θ1を切り出した形状に形成されており、例えば、図10(A)の状態においては、扇形ギア42aの複数の歯の左端の一部とスライドラック47の複数の歯の手前左の一部とが噛み合っている。このとき、直動カム51は図7(B)に示す位置にあり、奇数番のタップが選択されている。
【0055】
以下、クランク機構部42の動作の理解に重要な部分を強調して示した図10(B)~(E)を参照して、クランク機構部42の動作を説明する。
【0056】
図10(B)は、奇数番のタップが選択された状態におけるクランク機構部42の説明図であり、駆動シャフト41の回転角度は0°である。このとき、スライドラック47は最も図面右に寄った状態にあり、扇形ギア42aのギアの左端付近がスライドラック47の歯と噛み合っている。また、第2のクランク44bは、ストッパ44dに当接している。
図10(B)の状態で駆動シャフト41が90°時計回りに回転すると、図10(C)に示すように、第1のリンク43aも90°回転する。これに第2のリンク43bが従動して、第1のクランク44aの一端部が手前に移動する。一方、第2のクランク44bはストッパ44dに当接したまま、扇形ギア42aと第2のクランク44bは、大きくは回転しない。ただし、第1のクランク44aの一端部と第2のクランク44bの他端部の距離が大きくなるため、コイルばね45には弾性エネルギーが蓄えられる。
駆動シャフト41がさらに特定の角度θ2まで回転すると、図10(D)に示すように、第1のクランク44aと第2のクランク44bが一直線となり、コイルばね45は、図10(C)に示した状態よりもさらに伸びて、弾性エネルギーをより多く貯えた状態になる。
駆動シャフト41が角度θ2から引き続き時計回りに回転しようとすると、第1のクランク44a及び第2のクランク44bが死点を超え、コイルばね45の弾性力により、第2のクランク44bがストッパ44dに当接した状態から反時計回りの図10(D)の矢印に示した方向に付勢されて瞬時にストッパ44cに当接する状態まで移動する。同時に、ストッパ44cから左向きの力を受けて扇形ギア42aも左向きに反時計方向に回転し、噛み合っているスライドラック47が、勢いよく左方向(-X方向)に移動し、スライダー46が左方向に移動し、直動カム51が図7(E)に示す状態となる。
駆動シャフト41をさらに回転させると、駆動シャフト41の回転角度は180°となる。この位置は、偶数のタップが選択された状態の定常位置である。
駆動シャフト41をさらに回転させると、上述したのと同様の過程で、死点を超えた時点で、扇形ギア42aは時計回りに回転し、第2のクランク44bはストッパ44cから離れ、ストッパ44dまで瞬時に回転して接触する。これにより、スライドラック47は右方に移動し、スライダー46が右方向(+X方向)に移動し、直動カム51は図7(B)に示す状態となる。
駆動シャフト41をさらに回転させると、クランク機構部42は、図10(B)の状態に戻る。
このようにして、駆動シャフト41が180°回転する度に、スライドラック47は、左右に交互に高速で移動する。スライドラック47の高速移動により、直動カム51が高速に移動し、開閉器31U1~31W3の開閉状態が高速に切り換えられる。なお、以上述べたように、第2のクランク44bは、死点を超える前後において、ストッパ44c、44dのいずれか一方に当接しており、死点を超えた瞬間だけ、ストッパ44cと44dとの間で高速に移動する。
【0057】
(第2のカム機構60の構造の説明)
駆動機構40は、図5図11(A)に示すように、接触子32U12と32U22、32V12と32V22、32W12と32W22を駆動するための第2のカム機構60を備える。
第2のカム機構60は、図11(A)に示すように、タップ選択器32の手前側と奥側に、互いに対向する形状を有する第1のカムガイド61a及び第2のカムガイド61bと、第1のラック63a及び第2のラック63bと、を備える。
第1のカムガイド61aは、奥側の接触子32U22、32V22、32W22を横方向に移動させるための構成であり、図11(B)に示すようにカム溝64U、64V、64Wが形成されている。
第1のラック63aは、第1のカムガイド61aに沿って移動する。第1のラック63aには、奥側の接触子32U22、32V22、32W22に取り付けられたカムフォロア62U、62V、62Wが取り付けられている。カムフォロア62U、62V、62Wは、それぞれ、カム溝64U、64V、64Wに挿通されている。このため、第1のラック63aの横方向の移動に伴って、カムフォロア62U、62V、62Wが、それぞれ、カム溝64U、64V、64Wに沿って上下動しながら横方向に移動し、この動きに応じて、奥側の接触子32U22、32V22、32W22も移動する。
第2のカムガイド61bは、手前側の接触子32U12、32V12、32W12を横方向に移動させるための構成であり、各相用のカム溝64U、64V、64Wが形成されている。第2のラック63bは、第2のカムガイド61bに沿って移動する。第2のラック63bには、手前側の接触子32U12、32V12、32W12に取り付けられたカムフォロアが取り付けられている。各カムフォロア62U、62V、62Wは、それぞれ、対応するカム溝に挿通されている。このため、第2のラック63bの横方向の移動に伴って、各カムフォロア62U、62V、62Wがカム溝64U、64V、64Wに沿って上下動しながら横方向に移動し、この動きに応じて、手前側の接触子32U12、32V12、32W12も移動する。
【0058】
また、タップ選択器32は、ギア類として、動力源に近い方から、第1の歯車65aと、第2の歯車65bと、第3の歯車65cと、を備える。これらの歯車は平歯車であり、第1の歯車65aと第2の歯車65b、第2の歯車65bと第3の歯車65cは、互いに噛み合っている。第1の歯車65aは前述の駆動シャフト41により駆動される。
【0059】
第1の歯車65a、第2の歯車65b及び第3の歯車65cは、共通の平面上に配置されている。また、これらの歯車の回転軸は、第1のラック63aの内壁及び第2のラック63bの内壁に平行な平面上にある。
【0060】
第3の歯車65cの右隣には、上から順に、第5の歯車65eと、第4の歯車65dと、第1のゼネバギア66aと、が配置されている。これらの歯車類は共通の回転軸を有し、この回転軸は、第1のラック63aからの距離と第2のラック63bからの距離が等しい平面として定義される中央平面CPと平行な平面上にあるが、第5の歯車65eが第2のラック63bと噛み合うように、中央平面CPよりも手前に位置する平面上に回転軸を有するように配置されている。
【0061】
第4の歯車65d、第1のゼネバギア66a及び第5の歯車65eは、共通の回転軸を有するが、第4の歯車65dは、第5の歯車65e及び第1のゼネバギア66aから独立に回転可能であり、第5の歯車65eと第1のゼネバギア66aは連動して回転するように形成されている。
【0062】
第4の歯車65dの右隣には、上から順に、第6の歯車65fと、欠け円板66cと、が配置されている。第6の歯車65f及び欠け円板66cは共通の回転軸を有し、この回転軸は、中央平面CP上にある。
【0063】
第6の歯車65fは、欠け円板66cと連動して回転するように形成されている。また、第6の歯車65fは、第4の歯車65dと噛み合うように配置されている。
【0064】
第6の歯車65fの右隣には、上から順に、第7の歯車65gと第2のゼネバギア66bが配置されている。第7の歯車65g及び第2のゼネバギア66bは共通の回転軸を有し、この回転軸は、中央平面CPと平行な平面上にあるが、第7の歯車65gが第1のラック63aと噛み合うように、CPよりも奥に位置する平面上に配置されている。
【0065】
第7の歯車65gは、第2のゼネバギア66bと共通の回転軸を有し、互いに連動して回転するように形成されている。
第1のゼネバギア66a及び第2のゼネバギア66bは、同一の形状に加工され、それぞれ6つのスロットを有するが、これらのスロットは等間隔には設けられておらず、円周方向に7等分した径方向の位置に設けられている。
欠け円板66cは、1つのピン66dを備え、第1のゼネバギア66a及び第2のゼネバギア66bに設けられたスロットに滑らかに嵌合することができる形状に形成されている。
【0066】
第1のラック63aと第2のラック63bは、いずれも同一の高さに配置されている。また、第5の歯車65eと第7の歯車65gは、いずれも同一の高さに設けられている。
【0067】
(第2のカム機構60の動作の説明)
上記の第2のカム機構60の構造により、カム溝64Uに嵌合するカムフォロア62Uの左右及び上下方向の位置に応じて、U相接触子32U11、32U12を左右及び上下方向に移動させ、U相切換器側タップ端子32U1~32U9のいずれと接触させるかを変更することができる。以下、U相のタップを変更する場合を例として、タップ選択器32の第1のカムガイド61a、カムフォロア62U、U相接触子32U12、32U22、U相切換器側タップ端子32U1~32U9の位置関係について、図12(A)及び(B)を参照して説明する。
【0068】
タップ選択器32を、タップ選択器32の外部から内部に向かって見た場合の部分拡大図を図12(A)及び(B)に示す。図12(A)に示すように、U相接触子32U22はU相切換器側タップ端子32U2と接触している。U相接触子32U22が右方に移動すると、図12(B)に示すように、カム溝64Uに嵌合しているカムフォロア62Uが下方に移動するため、U相接触子32U22は切換器側タップ端子32U2から離れる。さらにU相接触子32U22が右方に移動すると、U相接触子32U22は上方に移動してU相切換器側タップ端子32U4と接触する。このように、U相切換器側タップ端子32U2は、左右方向の移動に際し、カム溝64Uの溝の形状に従い、上下にも移動するため、隣接する切換器側タップ端子32U2及び32U4に同時に接触することがない。このため、隣接する切換器側タップ端子同士の間隔をU相接触子32U22の幅よりも短くすることができ、上下運動を伴わない場合に比べてタップ選択器32の全体的なサイズを小さくすることができる。
【0069】
なお、手前側に配置されているU相接触子32U12や他の相の接触子32V22等についても、上述したU相接触子32U22と同様の動作を行う。
【0070】
このような接触子の構造から、U相接触子32U12は、手前に配置されている、末尾が奇数のU相切換器側タップ端子32U1、32U3、・・・、32U9のいずれかと、U相接触子32U22は、奥に配置されている、末尾が偶数のU相切換器側タップ端子32U2、32U4、・・・、32U8のいずれかとのみ接続することができる。また、V相及びW相についても同様の制限がある。
【0071】
次に、タップ選択器32における接触子32U12~32W22の位置関係について、図5(A)~(E)を用いて説明する。図5(A)~(E)は、U相接触子32U12、32U22とU相切換器側タップ端子32U1~32U9との位置関係を示す概略平面図である。位置関係の説明のため、接触子の大きさ、形状等ついては簡略化して示す。図である。また、図中の1~9は、それぞれ、U相切換器側タップ端子32U1~32U9を表す。
【0072】
まず、小さい番号のタップから大きい番号のタップへ切り換える場合について説明する。
図5(A)は、1番のタップを選択している状態を示す。U相接触子32U12は、U相切換器側タップ端子32U1の直下に位置しており、かつ、U相切換器側タップ端子32U1と接している。U相接触子32U22は、U相切換器側タップ端子32U2の直下に位置しており、かつ、U相切換器側タップ端子32U2と接している。この状態において、タップを1番から2番に切り換えるときには、U相接触子32U12及び32U22は左右方向及び上下方向のいずれにも移動させない。
【0073】
図5(B)は、タップを2番から3番に切り換える途中の状態を示す。この場合、U相接触子32U12を、U相切換器側タップ端子32U1から32U3に向かって右方に移動させる。このとき、第2のカム機構60により、U相接触子32U12を下方向に移動させ、いずれのU相切換器側タップ端子とも接触させない。U相接触子32U22は、U相切換器側タップ端子32U2の直下に位置し、かつ、U相切換器側タップ端子32U2と接した状態を維持する。
【0074】
図5(C)は、3番のタップを選択している状態を示す。U相接触子32U12は、U相切換器側タップ端子32U3の直下に位置しており、かつ、U相切換器側タップ端子32U3と接している。U相接触子32U22は、U相切換器側タップ端子32U2の直下に位置し、かつ、U相切換器側タップ端子32U2と接している。
【0075】
図5(D)は、タップを3番から4番に切り換える途中の状態を示す。この場合、U相接触子32U22を、U相切換器側タップ端子32U2から32U4に向かって左方に移動させる。このとき、第2のカム機構60により、U相接触子32U22を下方向に移動させ、いずれのU相切換器側タップ端子とも接触させない。U相接触子32U12は、U相切換器側タップ端子32U3の直下に位置し、かつ、U相切換器側タップ端子32U3と接した状態を維持する。
【0076】
図5(E)は、4番のタップが選択されている状態を示す。この場合、U相接触子32U12は、U相切換器側タップ端子32U3の直下に位置し、かつ、U相切換器側タップ端子32U3と接した状態を維持する。U相接触子32U22は、U相切換器側タップ端子32U4の直下に位置しており、かつ、U相切換器側タップ端子32U4と接している。
【0077】
次に、大きい番号のタップから小さい番号のタップへ切り換える場合について説明する。
図5(E)に示したように、U相接触子32U12がU相切換器側タップ端子32U3と接しており、かつ、U相接触子32U22がU相切換器側タップ端子32U4と接している場合において、タップを4番から3番に切り換えるときには、U相接触子32U12及び32U22は左右方向及び上下方向のいずれにも移動しない。
【0078】
図5(D)は、タップを3番から2番に切り換える途中の状態を示す。この場合、U相接触子32U22を、U相切換器側タップ端子32U4から32U2に向かって右方に移動させ、かつ、U相切換器側タップ端子32U4と32U2のいずれとも接触させない。この切換えが完了すると、図5(C)に示した状態となる。
【0079】
図5(B)は、タップを2番から1番に切り換える途中の状態を示す。U相接触子32U12を、切換器側タップ端子32U3から32U1に向かって左方に移動させ、かつ、切換器側タップ端子32U3と32U1のいずれとも接触させない。この切換えが完了すると、図5(A)に示した状態となる。
【0080】
同様の態様で、奇数の番号のタップから偶数の番号のタップへの切換え、及び、偶数の番号のタップから奇数の番号のタップへの切換えが行われる。
【0081】
欠け円板66cと第1のゼネバギア66aの噛み合い、欠け円板66cと第2のゼネバギア66bとの噛み合いにより、可動接触子アセンブリ64の水平方向の移動が制御される。また、上述したように、可動接触子アセンブリ64の上下方向の移動は、カムフォロア62U、62V、62Wのカム溝64U、64V、64Wにおける嵌合の位置によって制御される。したがって、可動接触子アセンブリ64の左右方向の移動と垂直方向の移動とは同時に行われるため、第2のカム機構60を用いない場合に比べて、タップ選択器32のサイズを小さくすることができる。
【0082】
(切換開閉器31とタップ選択器32との連携動作の説明)
切換開閉器31とタップ選択器32は、駆動機構40において、駆動シャフト41を介して機械的に連動して動作する。
駆動シャフト41が回転すると、駆動シャフト41の回転方向及びその時点における切換開閉器31の状態に応じて、切換開閉器31は前述の切換動作を行う。
また、それと同時に、駆動シャフト41が回転すると、駆動シャフト41の回転方向及びその時点におけるタップ選択器32の状態に応じて、タップ選択器32は前述のタップ選択操作を行う。
このように、駆動シャフト41を回転させることで、切換開閉器31とタップ選択器32は、タップ切換器30の動作を行うため、連携して動作するように構築されている。
例えば、タップを1から2に変更する場合、第1の歯車65aは駆動シャフト41から駆動力を受けずに、タップ選択器32の側においては、可動接触子アセンブリ64は電気的接続の変更を行わず、切換開閉器31の側においては、回路の開閉が行われ、所望のタップに切り換えられる。
次に、タップを2から3に変更する場合、第1の歯車65aは駆動シャフト41から駆動力を受けて時計回りに回転し、切換開閉器31の側においては、タップ選択器32における接触子と接触子との電気的接続の変更があるため、円滑な接続の変更を行えるよう、切換開閉器31は、回路の開閉と付け換えを行う。
【0083】
円滑なタップ選択が実現されることを、図13(A)~(C)を参照して電気回路の観点から説明する。
なお、駆動シャフト41は、図14に示すように、負荷状態を検出し、モータの制御信号を出力するコントローラ101、コントローラ101からの制御信号に従って、モータ103を駆動するモータドライバ102により適宜駆動される。
タップ3が選択されている場合の回路図を図13(A)に示した。このとき、直動カム51は、図7(B)の状態にあり、U相開閉器31U2(a)が閉、U相開閉器31U1(b)及び31U3(r)が開の状態にある。また、直動カム51と接続されているスライドラック47は、図7(B)に示す右端にスライドした状態にある。また、このとき、接触子は図5(C)に示す状態にある。
【0084】
コントローラ101は、タップ3をタップ4に切り換えるために、モータドライバを介してモータを制御し、駆動シャフト41を180°回転する。これにより、ギア列を介して、第1のラック63aが-X方向に1ピッチ移動する。この移動により、奥側の接触子32U22は、カム溝64Uの形状に従って図5(D)、図12(B)に示すように、タップ端子32U2から離間して移動する。さらに、切換器側接触子32U22がタップ端子32U4に接触する、図5(E)に示す状態に変化する。
また、駆動シャフト41の回転により、クランク機構部42が動作して、スライドラック47及びこれに接続された直動カム51は、図7(B)の位置から図7(E)の位置に移動する過程で、図7(C)に示す中間状態1が発生する。このため、一瞬、図13(B)に示すように、タップ3とタップ4の両方に接続された状態が生じる。しかし、タップ4には、直列に接続された限流抵抗器31U4を介して接続されるにとどまるから、タップ4の接続に伴う入力電流の変化が緩和され、出力電圧及び出力電流に大きな変化は生じない。
【0085】
続いて、直動カム51が図7(D)に示す中間状態2に変化し、U相開閉器カムフォロア52U2に対応するU相開閉器31U2が開き、手前側の接触子32U12が電気的に絶縁される。これにより、U相開閉器カムフォロア52U3に対応するU相開閉器31U3だけが閉じた状態となり、限流抵抗器31U4を介してタップ4に接続された状態が短時間生じる。限流抵抗器31U4は、図7(D)の中間状態2における電流に耐えられるように、その抵抗値や容量が設定されている。
【0086】
さらに図7(E)に示す状態に変化すると、図13(C)に示すように、タップ4に直接入力電圧が加えられた状態となり、タップの変更が完了する。
【0087】
このように、タップ選択器32によってU、V、Wの各相の所望のタップが選択されるとともに、切換開閉器31は、負荷状態においても、それまで接続されていたタップから新たに選択されたタップに接続を切り換える。
【0088】
変圧装置1においては、切換開閉器31とタップ選択器32は別々に設けられており、それぞれの動作を組み合わせることで、タップ数分の切換開閉器31を用意する必要がない。また、切換開閉器31による切換動作は、駆動機構40により、即時かつ滑らかに行われるから、タップ切換時の電圧及び電流の変動も短時間かつ滑らかなものにとどまる。
【0089】
以上説明したように、本実施の形態に係る変圧装置1は、内側に巻かれた分路巻線Wと分路巻線Wの外側に巻かれた帯状導体から構成される直列巻線Pとを備えるコイル20U~20W、コイル20U~20Wの一面上に直線状に規則的に配列されたコイル側タップ端子21U1~21W9、直列巻線Pを構成する帯状導体の上側部の複数の箇所に接続され、コイル20U~20Wの一面上を延在してコイル側タップ端子21U1~21W9に接続されたタップリード配線26、を備える変圧器と、
コイル側タップ端子21U1~21W9と直線状に規則的に配列された切換器側タップ端子32U1~32W9、コイル側タップ端子21U1~21W9と切換器側タップ端子32U1~32W9との対応するもの同士を接続するタップリード板33U1~33W1、を備えるタップ切換器30と、
を含む。
この構成によれば、コイル側タップ端子21U1~21W9と切換器側タップ端子32U1~32W9とが実質的に対向する位置に配置される。従って、コイル側タップ端子21U1~21W9と切換器側タップ端子32U1~32W9との対応するもの同士を接続するタップリード板33U1~33W1の長さをほぼ最短の距離で結ぶことができ、コイル20U~20Wとタップ切換器30の構成を簡易化できる。また、端子21U1~21W9、32U1~32W9の対応関係が明確であるため、接続作業が容易となる。
【0090】
また、直列巻線Pの上側部とコイル側タップ端子21U1~21W9とをタップリード配線26で接続する。このため、タップリード配線26を鉛直方向に延在する必要がなく、タップリード配線26による抵抗のばらつきを抑えることができる。
【0091】
上記実施の形態においては、コイル側タップ端子21U1~21W9と、切り換え器側タップ端子32U1~32W9を水平に配置して、対向する形態としたが、コイル側タップ端子21U1~21W9の位置と、切換器側タップ端子32U1~32W9の位置とがほぼ対向しており、接触子32U12~32W22が切り換え器側タップ端子32U1~32W9の間をスライドできるならば、その向きは任意である。例えば、切換器側タップ端子32U1~32W9は、鉛直面に水平方向に整列して配列されてもよい。
【0092】
上記実施の形態においては、コイルの直列巻線Pとして、帯状配線を使用したが、通常のワイヤ状の巻線を使用してもよい。また、コイルの分路巻線Wとして、帯状配線を使用してもよい。
【0093】
上記実施の形態においては、直動カム51の側壁の凹凸は、U相、V相、W相間で相対的に等しい位置に等しい形状に形成されている。しかし、駆動機構40の負荷を低減する観点から、直動カム51の側壁の凹凸は、各相間で相対的に異なる位置に形成され、又は異なる形状に形成されていてもよい。
【0094】
以上の説明は、U相、V相、W相からなる交流電圧を変圧する3相交流変圧器を前提としてなされたが、本発明の実施の形態は、これに限られない。本発明は、単相変圧器に適用されてもよい。
なお、本発明の変圧装置又は変圧器は、変成器、変流器等と呼ばれる構成を含む。
さらに、本発明の実施の形態は、コイルと負荷時タップ切換器の組合せを含むすべての電気機器に適用されてもよい。
出力端子72を直列巻線の5番タップに対応する切換器側タップ端子32U5、32V5及び32W5に接続する例を示したが、5番以外のタップに対応する切換器側タップ端子32U1~32U4、32U6~32U9、32V1~32V4、32V6~32V9、32W1~32W4、32W6~32W9に接続してもよい。
【0095】
以上の説明では、好適な実施の形態として、タップを切り換える駆動機構等についても詳細に説明したが、タップを適切に切り換えることができれば、これらの構成は任意である。例えば、クランク機構部42においては、扇形ギア42aの扇の回転軸と第1のクランク44aの回転軸は共通であるが、これらの回転軸が共通とならないように扇形ギア42aと第1のクランク44aを配置してもよい。
【0096】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。即ち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0097】
1 変圧装置
10 ハウジング
20U U相コイル
20V V相コイル
20W W相コイル
21U1、21U2、21U3、21U4、21U5、21U6、21U7、21U8、21U9 U相コイル側タップ端子
21U11、21U12、21U21、21U22、21U31、21U32、21U41、21U42、21U51、21U52、21U61、21U62、21U71、21U72、21U81、21U82、21U91、21U92 U相コイル側端子貫通孔
21V11、21V12、21V21、21V22、21V31、21V32、21V41、21V42、21V51、21V52、21V61、21V62、21V71、21V72、21V81、21V82、21V91、21V92 V相コイル側端子貫通孔
21W11、21W12、21W21、21W22、21W31、21W32、21W41、21W42、21W51、21W52、21W61、21W62、21W71、21W72、21W81、21W82、21W91、21W92 W相コイル側端子貫通孔
21V1、21V2、21V3、21V4、21V5、21V6、21V7、21V8、21V9 V相コイル側タップ端子
21W1、21W2、21W3、21W4、21W5、21W6、21W7、21W8、21W9 W相コイル側タップ端子
24 絶縁層
25 絶縁層
26 タップリード配線
30 タップ切換器
31 切換開閉器
31U1、31U2、31U3 U相開閉器
31V1、31V2、31V3 V相開閉器
31W1、31W2、31W3 W相開閉器
31U4 U相限流抵抗器
31V4 V相限流抵抗器
31W4 W相限流抵抗器
31U11、31U12、31U21、31U22、31U31、31U32 U相開閉器端子
31V11、31V12、31V21、31V22、31V31、31V32 V相開閉器端子
31W11、31W12、31W21、31W22、31W31、31W32 W相開閉器端子
32 タップ選択器
32U1、32U2、32U3、32U4、32U5、32U6、32U7、32U8、32U9 U相切換器側タップ端子
32V1、32V2、32V3、32V4、32V5、32V6、32V7、32V8、32V9 V相切換器側タップ端子
32W1、32W2、32W3、32W4、32W5、32W6、32W7、32W8、32W9 W相切換器側タップ端子
32U12、32U22 U相接触子
32V12、32V22 V相接触子
32W12、32W22 W相接触子
33U1、33U2、33U3、33U4、33U5、33U6、33U7、33U8、33U9 U相タップリード板
33V1、33V2、33V3、33V4、33V5、33V6、33V7、33V8、33V9 V相タップリード板
33W1、33W2、33W3、33W4、33W5、33W6、33W7、33W8、33W9 W相タップリード板
33U11、33U12、33U21、33U22、33U31、33U32、33U41、33U42、33U51、33U52、33U61、33U62、33U71、33U72、33U81、33U82、33U91、33U92 U相タップリード板側貫通孔
33V11、33V12、33V21、33V22、33V31、33V32、33V41、33V42、33V51、33V52、33V61、33V62、33V71、33V72、33V81、33V82、33V91、33V92 V相タップリード板側貫通孔
33W11、33W12、33W21、33W22、33W31、33W32、33W41、33W42、33W51、33W52、33W61、33W62、33W71、33W72、33W81、33W82、33W91、33W92 W相タップリード板側貫通孔
40 駆動機構
41 駆動シャフト
42 クランク機構部
42a 扇形ギア
43a 第1のリンク
43b 第2のリンク
44a 第1のクランク
44b 第2のクランク
44c ストッパ
45 コイルばね
46 スライダー
47 スライドラック
50 第1のカム機構
51 直動カム
52U1、52U2、52U3 U相開閉器カムフォロア
52V1、52V2、52V3 V相開閉器カムフォロア
52W1、52W2、52W3 W相開閉器カムフォロア
53U1 U相カムフォロアブラケット
53U2 U相カムフォロア
53V1 V相カムフォロアブラケット
53V2 V相カムフォロア
53W1 W相カムフォロアブラケット
53W2 W相カムフォロア
53U11 水平板
53U12 鉛直板
60 第2のカム機構
61a 第1のカムガイド
61b 第2のカムガイド
62U、62V、62W カムフォロア
63a 第1のラック
63b 第2のラック
64 可動接触子アセンブリ
64U、64V、64W カム溝
65a 第1の歯車
65b 第2の歯車
65c 第3の歯車
65d 第4の歯車
65e 第5の歯車
65f 第6の歯車
65g 第7の歯車
66a 第1のゼネバギア
66b 第2のゼネバギア
66c 欠け円板
66d ピン
71 入力端子
72 出力端子
101 コントローラ
102 モータドライバ
103 モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14