(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】改良型着座クッション
(51)【国際特許分類】
A47C 27/10 20060101AFI20230313BHJP
A47C 27/08 20060101ALI20230313BHJP
A47C 7/34 20060101ALI20230313BHJP
A47C 7/02 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
A47C27/10 Z
A47C27/08 G
A47C7/34 A
A47C7/02 Z
(21)【出願番号】P 2020500928
(86)(22)【出願日】2018-03-26
(86)【国際出願番号】 AU2018000044
(87)【国際公開番号】W WO2018170534
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-24
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519342943
【氏名又は名称】コンフォート コンセプツ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ウォーネル,デビッド
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-094306(JP,A)
【文献】米国特許第05797155(US,A)
【文献】国際公開第00/041598(WO,A1)
【文献】特開2009-082521(JP,A)
【文献】特開平07-079838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/10
A47C 27/08
A47C 7/34
A47C 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッション付きシートボトムで使用するための空気圧調整可能ブラダーシステムであって、
(a)前記シートボトムの着座した占有者の坐骨結節の下に位置するように適合される少なくとも1つの後フォーム充填ブラダーと、
(b)前記着座した占有者の大腿部の下に位置するように適合される一対の前フォーム充填ブラダーと、
(c)1つまたはそれぞれの後フォーム充填ブラダーをそれぞれの前フォーム充填ブラダーに相互接続する一対の空気通路とを備え、
前記ブラダーシステムは
前記ブラダーシステム内にセットされた空気で気密であり、
前記着座した占有者が前記ブラダーシステム内で空気圧を手動で調整できないように、空気入り口/出口通路および手動操作可能外部空気量流弁を省き、
前記1つまたはそれぞれの後フォーム充填ブラダーは、前記着座した占有者の体重の下で圧縮可能であり、前記体重が取り除かれると拡張可能であり、
前記1つまたはそれぞれの後フォーム充填ブラダーの前記圧縮は、前記1つまたはそれぞれの後フォーム充填ブラダー内からの空気を、前記空気通路を通って前記前フォーム充填ブラダーに変位させ、前記前フォーム充填ブラダーは、その後、拡張し、
それにより、前記着座した占有者の坐骨結節の下での前記1つまたはそれぞれの後フォーム充填ブラダーの前記圧縮および前記着座した占有者の大腿部の下での前記前フォーム充填ブラダーの前記拡張は、
前記着座した占有者が前記後フォーム充填ブラダー及び前フォーム充填ブラダー内の空気の相対的な量を調整すること無しに、効果的な姿勢支持および腰部痛の防止のために所望される、前記クッション付きシートボトム内への正しいレベルの沈み込みを、前記着座した占有者に、
自動的に経験させる、ブラダーシステム。
【請求項2】
それぞれのフォーム充填ブラダーは、実質的に水平方向にではなく、垂直方向に圧縮可能であり、拡張可能である、請求項
1に記載のブラダーシステム。
【請求項3】
2つの後フォーム充填ブラダー、2つの前フォーム充填ブラダー、および3つの空気通路が存在し、前記2つの後フォーム充填ブラダーは、1つの空気通路によって相互接続され、それぞれの後フォーム充填ブラダーは、それぞれの空気通路によってそれぞれの前フォーム充填ブラダーに相互接続される、請求項
1に記載のブラダーシステム。
【請求項4】
単一後フォーム充填ブラダー、2つの前フォーム充填ブラダー、および2つの空気通路が存在し、それぞれの空気通路は、前記単一後フォーム充填ブラダーをそれぞれの前フォーム充填ブラダーに相互接続する、請求項
1に記載のブラダーシステム。
【請求項5】
2つの後フォーム充填ブラダー、2つの前フォーム充填ブラダー、および4つの空気通路が存在し、前記2つの後フォーム充填ブラダーは、1つの空気通路によって相互接続され、それぞれの後フォーム充填ブラダーは、それぞれの空気通路によってそれぞれの前フォーム充填ブラダーに相互接続され、前記2つの前フォーム充填ブラダーは、1つの空気通路によって相互接続される、請求項
1に記載のブラダーシステム。
【請求項6】
それぞれのフォーム充填ブラダーは、実質的に水平方向にではなく、垂直方向に圧縮可能であり、拡張可能である、請求項
3から5のいずれかに記載のブラダーシステム。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか1項に記載のブラダーシステムおよび前記ブラダーシステムが位置するクッション付きシートボトムを備える空気圧調整可能着座クッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧調整可能着座クッションに関し、特に、クッション付きシートボトムのための空気圧調整可能ブラダーシステムに関しており、クッション付きシートボトムは、フォーム充填ブラダーと1つまたは複数の拡張チャンバーとの間での、または、複数のフォーム充填ブラダーの間での空気の内部制御式変位に従って自動的に膨張され収縮され得る。空気のそのような内部制御式変位は、シートボトムの着座した占有者がシートボトム上で自分自身を再位置決めするときに生成され、その占有者の体重のシフトは、着座した占有者の効果的なレベルの姿勢支持を自動調整する。
【背景技術】
【0002】
空気圧調整可能ブラダーシステムを組み込むクッション付きシートボトムが、知られているが、骨盤の効果的な回転及び安定化ならびに腰部痛の防止のために所望される、シートボトム内への占有者の正しいレベルの沈み込みを、めったに達成しない。これは、シートボトムの大きい水平エリアを占有するブラダーシステムについて特に当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、ブラダーシステムの1つまたは複数のフォーム充填ブラダーの水平エリアが最小化される種類のクッション付きシートボトムのための空気圧調整可能ブラダーシステムを提供することが本発明の目的であり、そのブラダーシステムは、骨盤の効果的な回転及び安定化ならびに腰部痛の防止のために所望される、シートボトム内への占有者の正しいレベルの沈み込みを依然として達成し得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、クッション付きシートボトムで使用するための空気圧調整可能ブラダーシステムが提供され、システムは、
(a)シートボトムの着座した占有者の坐骨結節の下に位置するように適合されるフォーム充填ブラダーと、
(b)1つまたは複数の拡張チャンバーであって、1つまたはそれぞれの拡張チャンバーは、着座した占有者の大腿部の下に位置するように適合される、1つまたは複数の拡張チャンバーと、
(c)フォーム充填ブラダーを1つまたはそれぞれの拡張チャンバーに相互接続する1つまたは複数の空気通路とを備え、
システムは気密であり、フォーム充填ブラダーは、着座した占有者の体重の下で圧縮可能であり、体重が取り除かれると拡張可能であり、
フォーム充填ブラダーの圧縮は、フォーム充填ブラダー内からの空気を、1つまたは複数の空気通路を通って1つまたはそれぞれの拡張チャンバーに変位させ、1つまたはそれぞれの拡張チャンバーは、その後、拡張し、
それにより、着座した占有者の坐骨結節の下でのフォーム充填ブラダーの圧縮および着座した占有者の大腿部の下での1つまたはそれぞれの拡張チャンバーの拡張は、効果的な姿勢支持および腰部痛の防止のために所望される、クッション付きシートボトム内への正しいレベルの沈み込みを、着座した占有者に経験させる。
【0005】
本発明のこの第1の態様の好ましい形態において、ブラダーシステムは、フォーム充填ブラダーから手動操作可能外部空気流量弁までの空気入口および出口通路を含む。
【0006】
フォーム充填ブラダーが、実質的に水平方向にではなく、垂直方向に圧縮可能であり、拡張可能であることが同様に好ましい。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、クッション付きシートボトムで使用するための空気圧調整可能ブラダーシステムが提供され、システムは、
(a)シートボトムの着座した占有者の坐骨結節の下に位置するように適合される少なくとも1つの後(rear)フォーム充填ブラダーと、
(b)着座した占有者の大腿部の下に位置するように適合される一対の前(front)フォーム充填ブラダーと、
(c)1つまたはそれぞれの後フォーム充填ブラダーをそれぞれの前フォーム充填ブラダーに相互接続する一対の空気通路とを備え、
システムは気密であり、1つまたはそれぞれの後フォーム充填ブラダーは、着座した占有者の体重の下で圧縮可能であり、体重が取り除かれると拡張可能であり、
1つまたはそれぞれの後フォーム充填ブラダーの圧縮は、1つまたはそれぞれの後フォーム充填ブラダー内からの空気を、空気通路を通って前フォーム充填ブラダーに変位させ、前フォーム充填ブラダーは、その後、拡張し、
それにより、着座した占有者の坐骨結節の下での1つまたはそれぞれの後フォーム充填ブラダーの圧縮および着座した占有者の大腿部の下での前フォーム充填ブラダーの拡張は、効果的な姿勢支持および腰部痛の防止のために所望される、クッション付きシートボトム内への正しいレベルの沈み込みを、着座した占有者に経験させる。
【0008】
本発明の第2の態様の好ましい形態において、ブラダーシステムは、1つの後フォーム充填ブラダーから1つの手動操作可能外部空気流量弁までの空気入口および出口通路を含む。
【0009】
それぞれのフォーム充填ブラダーは、実質的に水平方向にではなく、垂直方向に圧縮可能であり、拡張可能である。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、上記で述べたブラダーシステムおよびブラダーシステムが位置するクッション付きシートボトムを備える空気圧調整可能着座クッションが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】クッション付きシートボトムで使用するための、本発明の空気圧調整可能ブラダーシステムの第1の実施形態の斜視図である。
【
図2】シートボトム内に位置する
図1に示すシステムと同様の空気圧調整可能ブラダーシステムの第1の実施形態を示すクッション付きシートボトム(その上側カバーリング表面及びその内部フォームパッディングが共に取り外された状態)の上面図である。
【
図3】本発明の第3の実施形態による、フォーム充填ブラダー、および、空気圧調整可能ブラダーシステムの一対の拡張チャンバーを視野から遮る内部フォームパッディングを示すクッション付きシートボトム(その下側カバーリング表面が取り外された状態)の底面図である。
【
図4】拡張チャンバーおよびフォーム充填ブラダーの一方、および、チャンバーとブラダーとの間の相互接続用空気通路の切断部分を示す、
図3に示すシートボトムのA-Aを通る側面断面図である。
【
図5】フォーム充填ブラダー、および、シートボトムの内部フォームパッディング内に成形された開放キャビティ内に位置する拡張チャンバーの切断部分を示す、
図4に示すシートボトムのB-Bを通る上面断面図である。
【
図6】フォーム充填ブラダー、および、ブラダーから手動操作可能外部空気流量弁までの空気入口/出口通路の切断部分を示す、
図3に示すシートボトムのC-Cを通る側面断面図である。
【
図7】
図4に示す切断されたシートボトムの斜視図である。
【
図8】クッション付きシートボトムで使用するための本発明の空気圧調整可能ブラダーシステムの第4の実施形態の斜視図である。
【
図9】シートボトム内に位置する
図8のブラダーシステムを示すクッション付きシートボトム(その上側カバーリング表面及びその内部フォームパッディングが共に取り外された状態)の上面図である。
【
図10】クッション付きシートボトムで使用するための本発明の空気圧調整可能ブラダーシステムの第5の実施形態の斜視図である。
【
図11】
図10に示す空気圧調整可能ブラダーシステムの側面図である。
【
図12】クッション付きシートボトムで使用するための本発明の空気圧調整可能ブラダーシステムの第6の実施形態の斜視図である。
【
図13】
図12に示す空気圧調整可能ブラダーシステムの側面図である。
【
図14】クッション付きシートボトムで使用するための本発明の空気圧調整可能ブラダーシステムの第7の実施形態の斜視図である。
【
図15】シートボトム内に位置する
図14のブラダーシステムを示すクッション付きシートボトム(その上側カバーリング表面及びその内部フォームパッディングが共に取り外された状態)の上面図である。
【
図17】
図16に示す空気圧調整可能ブラダーシステムの右側面図である。
【
図18】クッション付きシートボトムで使用するための本発明の空気圧調整可能ブラダーシステムの第8の実施形態の斜視図である。
【
図19】シートボトム内に位置する
図16のブラダーシステムを示すクッション付きシートボトム(その上側カバーリング表面及びその内部フォームパッディングが共に取り外された状態)の上面図である。
【
図20】クッション付きシートボトムで使用するための本発明の空気圧調整可能ブラダーシステムの第9の実施形態の斜視図である。
【
図21】シートボトム内に位置する
図20のブラダーシステムを示すクッション付きシートボトム(その上側カバーリング表面及びその内部フォームパッディングが共に取り外された状態)の上面図である。
【
図22】クッション付きシートボトムで使用するための本発明の空気圧調整可能ブラダーシステムの第10の実施形態の斜視図である。
【
図23】
図22に示す空気圧調整可能ブラダーシステムの側面図である。
【
図24】クッション付きシートボトムで使用するための本発明の空気圧調整可能ブラダーシステムの第11の実施形態の斜視図である。
【
図25】クッション付きシートボトムで使用するための本発明の空気圧調整可能ブラダーシステムの第12の実施形態の斜視図である。
【
図26】クッション付きシートボトムで使用するための本発明の空気圧調整可能ブラダーシステムの第13の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示す空気圧調整可能ブラダーシステム10は、クッション付きシートボトムで使用するために構成され、自己膨張ブラダー12(シートボトムの後端でかつ下側領域に位置する)の気密配置構成、一対の拡張チャンバー14、16(シートボトムの前端でかつ中央領域に位置する)、およびブラダー12を拡張チャンバー14、16のそれぞれに相互接続するそれぞれの空気通路18、20を含む。
【0013】
自己膨張ブラダー12は、この実施形態において、圧縮可能かつ拡張可能フォームまたはフォーム様材料を充填される、変形可能塩化ポリビニル(PVC)フィルムまたはより好ましい熱可塑性ウレタン(TPU)フィルムなどの柔軟かつ溶接可能材料の気密エンベロープを有する。
【0014】
圧縮可能かつ拡張可能材料は、この実施形態において、網状ポリウレタンフォームであるが、任意の適した形態の連続気泡ポリウレタンフォームが使用されてもよい。
【0015】
フォーム充填ブラダー12は、実質的に水平または横方向にではなく、垂直方向に圧縮および拡張を受けることができる。
【0016】
フォーム充填ブラダー12は、この実施形態において、本明細書において後でより詳細に述べられる高周波溶接プロセスを使用することによって形成される。
【0017】
空気通路18、20は、この実施形態において、ポリエチレンテレフタレート(PET)から作られる自己閉鎖半硬質巻き付け可能編み組みチューブまたはスリーブを使用することによって形成される、または、塩化ポリビニル(PVC)から作られる半硬質内部チューブを使用することによって形成されてもよい。
【0018】
ブラダーシステム10は、使用時、
図2に示され、同様のブラダーシステム30がその中に位置する、シートボトム24と同様の種類のクッション付きシートボトム内に位置する。クッション付きシートボトム24は、内部フォームパッディング25(
図3~
図7に示すが、
図2に示さない)を同様に含む。ブラダーシステム10との比較を容易にするため、
図2に示すブラダーシステム30の同様の特徴部は、同様の数値で識別される。
【0019】
ブラダーシステム30は、ブラダーシステム10の拡張チャンバー14、16がそうであるよりも、共により密接に離間したその拡張チャンバー14、16(シートボトムの前端かつ中央領域に依然として位置する)を有することによってブラダーシステム10と異なる。
【0020】
シートボトム24の上側室内装飾布カバーリング表面上に人が座ると、その人の体重の大きさおよび方向は、空気を、フォーム充填ブラダー12から空気通路18を通して拡張チャンバー14、16に変位させ、それにより、ブラダー12は、実質的に外方の水平または横移動を全く受けないが、下方垂直移動を受けることによって部分的に圧縮される。
【0021】
変位空気の容積は、拡張チャンバー14、16のサイズによって、また、これらのチャンバーが拡張することを許容される量(すなわち、拡張チャンバーの容積容量)によって調節される。
【0022】
ブラダー12から拡張チャンバー14、16への変位空気のこの容積の移動は、シートボトム24の後端におけるブラダーの制御された圧縮及びシートボトムの前端における拡張チャンバーの付随する制御された拡張をもたらし、シートボトムの占有者に、シートボトム内への、有利なレベルの、したがって、正しいレベルの沈み込みを自動的に経験させる。
【0023】
シートボトム24内への、占有者の正しいレベルの沈み込みを有することは、効果的な姿勢支持および腰部痛の防止のために所望される。そのような沈み込みは、下部脊椎(lower spine)に有害な圧力をかけうる前かがみおよび占有者の脊椎の結果として得られるC形成を防止し、坐骨結節の下の占有者の臀部によって経験されるシート接触圧を最小にし、均等な圧力分布を提供し、脊椎をなだらかなS形状に伸張させ、骨盤を正しく回転させ、安定させる。それらの全ては、そうならない場合、腰部痛を引き起こす、または、それに大幅に寄与することになる。
【0024】
シートボトム内への着座した占有者の有利なレベルの、したがって、正しいレベルの沈み込みが達成されることを可能にする、フォーム充填ブラダー12の制御された圧縮は、ブラダーの(前から後への)長さおよび(側面から側面への)幅寸法に大きく依存する。変位空気の任意の所与の容積について、ブラダーの長さおよび幅(製造時の)が低減される場合で、かつ、ブラダーが、使用時に、水平にまたは横方向に実質的に拡張するのを(その構造によって)防止される場合、ブラダーの制御された下方垂直移動または圧縮の程度および拡張チャンバーの付随する制御された上方垂直移動または拡張の程度が増加し、したがって、シートボトム内への、シートの占有者の沈み込みのレベルの増加をもたらすことになることを本発明者は見出した。したがって、最適な沈み込みは、ブラダーの製造される長さおよび幅寸法における最適レベルの減少または最小化によって、また、ブラダーが、使用時に、実質的に水平または横方向にではなく、垂直方向に圧縮および拡張を受けることを可能にすることによって達成され得る。
【0025】
単に例として、(製造時の)フォーム充填ブラダーが、30cmの幅、25cmの長さ、および5cmの高さを有し、3,750cm3の容積を生成する場合で、かつ、拡張チャンバーが、圧縮されたブラダーから変位した空気の1,000cm3の容積を受け取る(したがって、ブラダー容積を1,000cm3または約27%だけ減少させる)結合容積を、使用時に有するように設計される場合で、かつ、ブラダーの幅および長さが圧縮下で実質的に変化しないならば、着座した占有者の下方垂直移動は約1.3cmであることになる。
【0026】
対照をなす例によって、(製造時の)フォーム充填ブラダーが、17cmの減少した幅、15cmの減少した長さ、および維持された5cmの高さを有し、1,275cm3の容積を生成する場合で、かつ、拡張チャンバーが、圧縮されたブラダーから変位した空気の1,000cm3の容積を受け取る(したがって、ブラダー容積を1,000cm3または約78%だけ減少させる)結合容積を、使用時に有するように設計される場合で、かつ、ブラダーの幅および長さが圧縮下で実質的に変化しないならば、着座した占有者の下方垂直移動は約3.9cmであり、上記第1の例と比べて、シートボトム内への、シートの占有者の沈み込みのより大きいレベルをもたらすことになる。
【0027】
フォーム充填ブラダーの最小幅は、シートボトムの占有者の2つの坐骨結節の間の幅の実用的範囲を収容しなければならない。例えば、狭い範囲の幅は10cm以下であり、中程度の範囲の幅は10cmから13cmの間であり、広い範囲の幅は13cmより大きい。さらに、フォーム充填ブラダーの最小幅は、着座した占有者の坐骨結節の間の最大幅を収容するのにちょうど十分であるべきである。なおさらに、フォーム充填ブラダーの最小長さおよびフォーム充填ブラダーの後縁とシートボトムの後縁(または、シートバックの前側が、シートボトムの上側表面に接合する場所)との間の距離は、坐骨結節の間の幅の実用的範囲を収容するのにちょうど十分であるべきである。なおさらに、フォーム充填ブラダーの最大水平エリアは、坐骨結節の間の最大幅を収容するのにちょうど十分であるエリアを超えるべきでない。
【0028】
拡張チャンバーの下に存在するのと同じほど多くの内部フォームパッディング25が拡張チャンバーの上に存在するような、(シートボトム24の任意の側面から観察するときの)シートボトム24の中央領域内の拡張チャンバー14、16の配置は、シートボトムの下側領域に位置するのと違って、上方垂直移動の制限が少なく、したがって、拡張チャンバーのより大きいレベルの拡張が存在する点で有利である。
【0029】
さらに、シートボトム24の前端における拡張チャンバー14、16の配置は、着座した占有者の体重のほとんどが、シートボトムの後端(または後方領域)上に、通常向けられる点で有利であり、そのことは、拡張チャンバーに加わる下方圧力が小さく、したがって、拡張チャンバーがシートボトムの後端に位置した場合にそうであるのに比べて、拡張チャンバーがその拡張に対して少ない抵抗を経験することを可能にすることを意味する。
【0030】
フォーム充填ブラダー12が、着座した占有者の体重のほとんどが、通常向けられる場所であるシートボトムの後端に位置するため、ブラダーは、最適な圧縮を受けることになるため、ブラダーから拡張チャンバー14、16への変位空気の容積は、シートボトム内への着座した占有者の有利なレベルの沈み込みを達成うるために最適化されることになる。
【0031】
シートボトム24内でブラダー12を拡張チャンバー14、16に相互接続する空気通路18、20は、ブラダーと拡張チャンバーとの間の空気の変位が妨げられるまたは損なわれる程度まで締め付けられないように構築され構成される。空気通路18、20は、方向または角度傾斜の垂直成分および水平成分を共に有する方向に延在する。
【0032】
図3~
図7に示すブラダーシステム40は、ブラダー10と同様であるため、同様の特徴部は、同様の数字によって識別されるが、フォーム充填ブラダー12から手動操作可能外部空気流量弁44までの空気入口/出口通路42を有することによってブラダー10と異なる。
【0033】
弁44は、手動操作されて、シートボトム24内への着座した占有者の沈み込みのレベルを、
図1および
図2の気密ブラダーシステムの自動操作から生じる沈み込みレベルを超えて動的に増加させ得る。
【0034】
弁のボタンに対する指圧による弁44の開放は、着座した占有者が、ブラダーシステム内から大気に空気を変位させることを可能にし、したがって、沈み込みのレベルを増加させることになる。
【0035】
占有者が、シートボトムを空けるために立ち上がると、ブラダーは、変位空気を拡張チャンバーから自動的に回復することになるが、(シートボトムが空きのままである間に)弁44が開放される場合に、その初期容積まで完全に再膨張するだけであることになる。
【0036】
空気入口/出口通路42および手動操作可能外部空気流量弁44は、上述したブラダーシステム40内で、システムの永久的な特徴部であるため、ブラダーシステム内の空気圧の手動調整が必要とされるときはいつでも、シートボトム24の着座した占有者によって使用され得るが、これらの特徴部42、44は、代替的に永久的でなく、一時的であってよい。一時的特徴部として、空気入口/出口通路42および手動操作可能外部空気流量弁44は、シートボトム24の全ての後続のユーザーについての所望される量にブラダーシステム40内の空気圧をセットすることを必要とされる期間中に(シートボトムの着座した占有者が使用する前に、例えば、シートボトムの製造または設置中に)存在するだけであってよい。ブラダーシステム内の空気圧をセットした後、空気入口/出口通路42および手動操作可能外部空気流量弁44は、その後、フォーム充填ブラダー12から密封されて、ブラダー内でセットされた空気圧を維持し得る。これに続いて、シートボトムの着座した占有者による、そのようなブラダーシステムを組み込むシートボトム24の使用の前に、ブラダーシステムからの空気入口/出口通路42および手動操作可能外部空気流量弁44の分離が行われる。
【0037】
図8及び
図9に示すブラダーシステム50は、ブラダーシステム40と同様であるため、同様の特徴部は、同様の数字で識別されるが、ブラダーシステム50のコンポーネントとブラダーシステム40のコンポーネントとの間に異なるように配分された寸法、したがって、相対的サイズの差を有することによってブラダーシステム40と異なる。
【0038】
例えば、
図9に示すように、より大きいサイズのフォーム充填ブラダー12は、
図4に示すフォーム充填ブラダーが占めるのに比べて、シートボトム24のより大きい容積を占めるようなものである。
【0039】
図10および
図11に示すブラダーシステム51において、単一の横に細長い拡張チャンバー52(シートボトムの前端でかつ中央領域に位置する)は、ブラダーシステム10、30の一対の拡張チャンバー14、16を置換した。
【0040】
ブラダーシステム51の空気通路18、20は、この実施形態において、PETから作られる自己閉鎖半硬質巻き付け可能編み組みチューブまたはスリーブを使用することによって形成される、または、PVCから作られる半硬質内部チューブを使用することによって形成されてもよい。その他の点では、ブラダーシステム51は、ブラダーシステム10、30と同様であり、同様の特徴部は、同様の数字で識別される。
【0041】
拡張チャンバー52は、
図11の側面図で膨張しないで示されるが、シートボトムの着座した占有者の体重の下で圧縮を受けると、フォーム充填ブラダー12からの空気の変位によって膨張する。
【0042】
拡張チャンバー52は、完全に膨張すると、円柱の全体的形状をとり、その形状で、拡張チャンバー52は、サイズを垂直に拡張し、サイズを水平に収縮させて、シートボトム内への占有者の正しいレベルの沈み込みを提供する。
【0043】
ブラダーシステム51は、フォーム充填ブラダー12から手動操作可能外部空気流量弁までの空気入口/出口通路を含んでもよい。含まれるとき、弁は、手動操作されて、シートボトム内への着座した占有者の沈み込みのレベルを、
図10および
図11の気密ブラダーシステムの自動操作から生じる沈み込みレベルを超えて増加させ得る。そのような空気入口/出口通路および手動操作可能外部空気流量弁の構造、機能、および操作は、
図10および
図11のブラダーシステムに含まれるとき、
図3~
図9に示すブラダーシステム内に存在するものと同様である。
【0044】
図12および
図13に示すブラダーシステム53において、3つの拡張チャンバー54、55、56(シートボトムの前端でかつ中央領域に依然として位置する)は、ブラダーシステム51の単一拡張チャンバー52およびブラダーシステム10、30の一対の拡張チャンバー14、16を置換した。相応して、3つの空気通路57、58、59が存在し、それぞれは、ブラダー12をそれぞれの拡張チャンバー54、55、56に相互接続する。その他の点では、ブラダーシステム53は、ブラダーシステム51、10、30と同様であり、同様の特徴部は、同様の数字で識別される。
【0045】
拡張チャンバー54、55、56は、
図13の側面図で膨張しないで示されるが、シートボトムの着座した占有者の体重の下で圧縮を受けると、フォーム充填ブラダー12からの空気の変位によって膨張する。
【0046】
拡張チャンバー54、55、56は、完全に膨張すると、シートボトム内への占有者の正しいレベルの沈み込みを提供するように設計される特定の形状をとる。
【0047】
ブラダーシステム53は、フォーム充填ブラダー12から手動操作可能外部空気流量弁までの空気入口/出口通路を含んでもよい。含まれるとき、弁は、手動操作されて、シートボトム内への着座した占有者の沈み込みのレベルを、
図12および
図13の気密ブラダーシステムの自動操作から生じる沈み込みレベルを超えて増加させ得る。そのような空気入口/出口通路および手動操作可能外部空気流量弁の構造、機能、および操作は、
図12および
図13のブラダーシステムに含まれるとき、
図3~
図9に示すブラダーシステム内に存在するものと同様である。
【0048】
ブラダーシステム10、30、40、50、51、53の場合と同様に、効果的な姿勢支持および腰部痛の防止のために所望される、シートボトム内への正しいレベルの沈み込みは、
図14~
図17に示すブラダーシステム60によって同様に達成され得る。さらに、ブラダーシステム60は、着座した占有者の任意の体重シフト移動によって正しいレベルの沈み込みを動的にまたは自動的に達成し得る。
【0049】
ブラダーシステム60において、拡張チャンバーは全く存在せず、なぜならば、拡張チャンバーがフォーム充填ブラダーで置換されたからである。全てのそのようなフォーム充填ブラダーは、ブラダーシステム10、30、40、50、51、53で使用されるフォーム充填ブラダーと同様の特性を有する。
【0050】
ブラダーシステム60は4つのフォーム充填ブラダー62、64、66、68を含む。2つの後ブラダー62、64は空気通路70によって相互接続され、左前フォーム充填ブラダー66は、空気通路72によって左後フォーム充填ブラダー62に接続され、右前フォーム充填ブラダー68は、空気通路74によって右後フォーム充填ブラダー64に接続される。
【0051】
右後フォーム充填ブラダー64から手動操作可能外部空気流量弁78まで空気入口/出口通路76が存在する。代替の実施形態において、空気入口/出口通路は、他のブラダー62、66、68の任意の1つのブラダーに接続される。弁78の操作は、
図3~
図7ならびに
図8および
図9にそれぞれ示すブラダーシステム40、50の弁44の操作と同様である。ブラダーシステム60の代替の実施形態において、空気入口/出口通路76および手動操作可能外部空気流量弁78は、それらが単に一時的特徴部であるとき、例えば、上記で述べたように、シートボトム24の製造または設置中などにおいて、省略されてもよい。
【0052】
左後および右後ブラダー62、64は、(シートボトムの任意の側面から観察するとき)シートボトムの上側領域において内部フォームパッディング25内に形成されるそれぞれの成形キャビティ内に位置し、使用時に、ブラダー62、64がそれぞれ、着座した占有者のそれぞれの坐骨結節のすぐ下にあるように位置決めされる。左前および右前ブラダー66、68は、それぞれの成形キャビティ内に同様に位置するが、使用時に、ブラダー66、68がそれぞれ、着座した占有者のそれぞれの大腿部のすぐ下にあるように位置決めされる。
【0053】
着座した占有者の任意の体重シフト移動に応答して正しいレベルの沈み込みおよび腰部痛の防止を達成するための効果的な姿勢支持の所望の動的なまたは自動的な調整は、
図18および
図19に示すブラダーシステム80によって同様に達成され得る。
【0054】
ブラダーシステム80において、単一の横に細長い後フォーム充填ブラダー82は、ブラダーシステム60の左後および右後フォーム充填ブラダー62、64を置換した。その他の点で、ブラダーシステム80は、ブラダーシステム60と同様であり、同様の特徴部は、同様の数字で識別される。
【0055】
ブラダー82は、使用時に、ブラダー82が、着座した占有者の2つの坐骨結節の両方のすぐ下にあるように位置決めされる。
【0056】
後フォーム充填ブラダー82から手動操作可能外部空気流量弁78まで空気入口/出口通路76が存在する。代替の実施形態において、空気入口/出口通路は、他のブラダー66、68の任意の1つのブラダーに接続される。弁78の操作は、
図3~
図7ならびに
図8および
図9にそれぞれ示すブラダーシステム40、50の弁44の操作と同様である。ブラダーシステム80の代替の実施形態において、空気入口/出口通路76および手動操作可能外部空気流量弁78は、それらが単に一時的特徴部であるとき、例えば、上記で述べたように、シートボトム24の製造または設置中などにおいて、省略されてもよい。
【0057】
着座した占有者の任意の体重シフト移動に応答して正しいレベルの沈み込みおよび腰部痛の防止を達成するための効果的な姿勢支持の所望の動的なまたは自動的な調整は、
図20および
図21に示すブラダーシステム90によって同様に達成されることができ、ブラダーシステム90は、ブラダーシステム60と同様であり、同様の特徴部は、同様の数字で識別される。
【0058】
ブラダーシステム90において、ブラダーシステム60のように、4つのフォーム充填ブラダー62、64、66、68が存在し、2つの後ブラダー62、64は空気通路70によって相互接続され、左前フォーム充填ブラダー66は、空気通路72によって左後フォーム充填ブラダー62に接続され、右前フォーム充填ブラダー68は、空気通路74によって右後フォーム充填ブラダー64に接続される。しかしながら、2つの前ブラダー66、68は空気通路92によって同様に相互接続される。
【0059】
右後フォーム充填ブラダー64から手動操作可能外部空気流量弁78まで空気入口/出口通路76が存在する。代替の実施形態において、空気入口/出口通路は、他のブラダー62、66、68の任意の1つのブラダーに接続される。弁78の操作は、
図3~
図7ならびに
図8および
図9にそれぞれ示すブラダーシステム40、50の弁44の操作と同様である。ブラダーシステム90の代替の実施形態において、空気入口/出口通路76および手動操作可能外部空気流量弁78は、それらが単に一時的特徴部であるとき、例えば、上記で述べたように、シートボトム24の製造または設置中などにおいて、省略されてもよい。
【0060】
左後および右後ブラダー62、64は、(シートボトムの任意の側面から観察するとき)シートボトムの上側領域において内部フォームパッディング25内に形成されるそれぞれの成形キャビティ内に位置し、使用時に、ブラダー62、64がそれぞれ、着座した占有者のそれぞれの坐骨結節のすぐ下にあるように位置決めされる。左前および右前ブラダー66、68は、それぞれの成形キャビティ内に同様に位置するが、使用時に、ブラダー66、68がそれぞれ、着座した占有者のそれぞれの大腿部のすぐ下にあるように位置決めされる。
【0061】
ブラダーシステム60、80、90は、最初に、部分的に圧縮した/部分的に膨張した状態にあり、それにより、それらのフォーム充填ブラダーの任意のブラダーは、システムの相互接続されたフォーム充填ブラダーから変位する空気の制限された量をいつでも受け取る準備ができている。
【0062】
シートボトムが、その後、人によって占有され、着座した占有者の坐骨結節が、ブラダーシステム60またはブラダーシステム90の左後および右後フォーム充填ブラダー62、64のすぐ上に、または、ブラダーシステム80の単一の横に細長い後フォーム充填ブラダー82のすぐ上に位置すると、占有者の体重は、既に部分的に圧縮された後ブラダー62、64、または82をそれぞれ圧縮して、部分的に膨張した左前および右前フォーム充填ブラダー66、68内に制限された量の空気を変位させることになり、ブラダー66、68のすぐ上で、着座した占有者の大腿部が支持される。
【0063】
こうした後ブラダー62、64、または82からの、変位空気による前ブラダー66、68の充填、ならびに、空気変位の方向の反転による、後ブラダー62、64、または82の充填は、着座した占有者の任意の体重シフト移動によって動的にまたは自動的に提供される。
【0064】
ブラダーシステム90において、空気は、1つの前フォーム充填ブラダーから他の前フォーム充填ブラダーにさらに変位され、着座した占有者の任意の体重シフト移動に応答して正しいレベルの沈み込みおよび腰部痛の防止を達成するための効果的な姿勢支持のさらにより迅速な自動調整をもたらし得る。
【0065】
シートボトム内への着座した占有者の有利なレベルの、したがって、正しいレベルの沈み込みが達成されることを可能にする、フォーム充填ブラダー12の制御された圧縮は、ブラダーシステム60、80、90内のブラダーの(前から後への)長さおよび(側面から側面への)幅寸法に大きく依存する。変位空気の任意の所与の容積について、ブラダーの長さおよび幅(製造時の)が低減される場合で、かつ、ブラダーが、使用時に、水平にまたは横方向に実質的に拡張するのを(その構造によって)防止される場合、後ブラダーの制御された下方垂直移動または圧縮の程度および前ブラダーの付随する制御された上方垂直移動または拡張の程度が増加し、したがって、シートボトム内への、シートの占有者の沈み込みのレベルの増加をもたらすことになることを本発明者は見出した。したがって、最適な沈み込みは、ブラダーシステム60、80、90のブラダーの製造される長さおよび幅寸法における最適レベルの減少または最小化によって、また、ブラダーが、使用時に、実質的に水平または横方向にではなく、垂直方向に圧縮および拡張を受けることを可能にすることによって達成され得る。
【0066】
図22及び
図23に示すブラダーシステム96は、ブラダーシステム51と同様であるため、同様の特徴部は、同様の数字で識別されるが、一対の空気通路18、20の代わりに、ブラダー12を拡張チャンバー52に相互接続する単一空気通路98を有することによって、また、特に、シートボトムの前端に向かってさらに延在する拡張チャンバー52の、異なるように配分された寸法を有することによってブラダーシステム51と異なる。
【0067】
空気通路98は、空気通路18、20のそれぞれのように、この実施形態において、PETから作られる自己閉鎖半硬質巻き付け可能編み組みチューブまたはスリーブを使用することによって形成される、または、PVCから作られる半硬質内部チューブを使用することによって形成されてもよい。
【0068】
ブラダーシステム96は、フォーム充填ブラダー12から手動操作可能外部空気流量弁までの空気入口/出口通路を含んでもよい。含まれるとき、弁は、手動操作されて、シートボトム内への着座した占有者の沈み込みのレベルを、
図22および
図23の気密ブラダーシステムの自動操作から生じる沈み込みレベルを超えて増加させ得る。そのような空気入口/出口通路および手動操作可能外部空気流量弁の構造、機能、および操作は、
図22および
図23のブラダーシステムに含まれるとき、
図3~
図9に示すブラダーシステム内に存在するものと同様である。
【0069】
図24、
図25、
図26に示すブラダーシステム100、102、104は、シートボトムの着座した占有者がブラダーシステム100、102、104の任意のブラダーシステム内で空気圧を手動で調整できないように、空気入口/出口通路76および手動操作可能外部空気流量弁78が、省略されたことを除いて、ブラダーシステム60、80、90と、構造、機能、および操作が同一である。
【0070】
本発明のブラダーシステム10、30、40、50、51、53、96で使用されるフォーム充填ブラダーは、以下の高周波溶接プロセスのステップに従って主に形成される:
1.PVCフィルムまたはTPUフィルムなどの柔軟かつ溶接可能材料の第1の気密シートが、適切に設計された溶接ツールを含む高周波溶接機械のベースプレートまたは下側プラテン上に(laid on)載せられる。
2.適切な量の圧縮可能かつ拡張可能フォームまたはフォーム様材料が、約50mmの垂直厚さまで、第1のシート上に正確に位置決めされる。
3.必要とされる数の所定の長さの9mm自己閉鎖半硬質巻き付け可能編み組みPETチューブまたはPVCチューブが、第1のシート上で、空気通路の所望の位置に対応する場所に正確に位置決めされ、チューブのそれぞれは、空気通路を通る最適空気流を維持するのに役立つ。
4.ステップ1で使用された柔軟かつ溶接可能材料の第2の気密シートが、第1のシート、圧縮可能材料、および編み組みチューブの上に載せられる。
5.溶接機械の上側プラテンが下がるため、溶接ツールが、第1および第2のシートを、第1および第2のシートのそれぞれの周縁の周りで接合する硬質溶接部を形成するが、硬質溶接部内に10mmギャップを同様に形成し、硬質溶接部は、フォーム充填ブラダーのそのように形成された外側側壁から(溶接ビードのように)水平方向に外方に突出するため、外側側壁の実質的に水平のまたは横方向の伸張(拡張または圧縮)を防止する。
6.スピルが10mmギャップに挿入され、フォーム充填ブラダーが、完全に垂直に拡張するまで空気で膨張する。
7.10mmギャップが、バー溶接部によって密封されて、圧縮可能材料の周りに気密エンベロープを形成し、それにより、フォーム充填ブラダーを密封する。
【0071】
最初に、部分的に圧縮した/部分的に膨張した状態にある、ブラダーシステム60、80、90、100、102、104内で使用されるフォーム充填ブラダーを形成するため、上記プロセスは、適切かつ十分に理解された調整器具によって実施されて、フォーム充填ブラダーの相互接続された配置構成のみを形成する。特に、溶接機械の下側プラテンと上側プラテンとの間に、完全に拡張したがまだ密封されていないブラダーシステム60、80、90、100、102、104を挿入し、その後、上側プラテンを、所定の位置であって、プラテンが所望の距離だけ離れ、所望の容積の空気が、システムの相互接続されたフォーム充填ブラダーから、プラテンの圧力によって排出された、所定の位置まで上げるさらなるステップが存在する。これは、ブラダーシステム60、80、90、100、102、104の最初の部分的に圧縮した/部分的に膨張した状態を生成する。
【0072】
本発明の範囲またはアンビットから逸脱することなく、上述した空気圧調整可能ブラダーシステムの設計および構造の詳細において種々の修正が行われてもよいことが当業者に容易に明らかになるであろう。