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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】断熱容器用真空シール蓋インサート
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/38 20060101AFI20230313BHJP
   A47J 41/02 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
B65D81/38
A47J41/02 104C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020538095
(86)(22)【出願日】2019-01-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-30
(86)【国際出願番号】 US2019013175
(87)【国際公開番号】W WO2019140177
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】62/617,008
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511006166
【氏名又は名称】クリーン カンティーン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アダムス, リチャード ジョン ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】バークル, ジョシュア ジェイムズ
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0119212(US,A1)
【文献】特開2014-210136(JP,A)
【文献】特開昭54-045860(JP,A)
【文献】登録実用新案第3189587(JP,U)
【文献】特開2002-037351(JP,A)
【文献】特開2013-189246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/38
A47J 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体であって、該容器本体の上部で結合され、真空ギャップによって分離された内壁および外壁を含み、該内壁は上部で先細になっているカラーと該カラーよりも直径が広いフレアを形成した容器本体と、
前記容器本体に可逆的に取り付け可能である蓋と、を含み、
前記蓋が真空インサート、及び前記真空インサートを取り囲むスリーブを含み、
前記真空インサートは、狭小領域及びフレア外領域を含む下部及び基部を含み、前記下部は、前記容器本体のフレアと相補的であり、
前記スリーブは前記蓋の前記容器本体への可逆的な取付けを容易にし、
前記スリーブは前記下部が前記フレアと係合した場合に縮む下部シールを含み、
前記蓋が前記容器本体に完全に取り付けられている場合に、前記真空インサートの基部が前記容器本体の中心空洞に露出するように、前記真空インサートと前記容器本体の内壁との間にシールが生成される、断熱容器アセンブリ。
【請求項2】
前記下部シールが、前記真空インサートの形状と相補的である内部シールと、ギャップにより前記内部シールから分離されている外部シールとを含む、請求項1に記載の断熱容器アセンブリ。
【請求項3】
前記スリーブが、前記蓋が前記容器本体に完全に取り付けられている場合に、前記容器本体の上部と接するように構成された上部シールをさらに含む、請求項1に記載の断熱容器アセンブリ。
【請求項4】
前記スリーブが、蓋嵌合相補物をさらに含み、前記内壁が、容器嵌合相補物をさらに含む、請求項1に記載の断熱容器アセンブリ。
【請求項5】
前記蓋嵌合相補物が、複数のシール突起を含み、前記容器嵌合相補物が、嵌合ネジ山を含む、請求項4に記載の断熱容器アセンブリ。
【請求項6】
前記容器嵌合相補物が、複数のシール突起を含み、前記蓋嵌合相補物が、嵌合ネジ山を含む、請求項4に記載の断熱容器アセンブリ。
【請求項7】
前記容器本体および前記真空インサートが、両方ともステンレス鋼である、請求項1に記載の断熱容器アセンブリ。
【請求項8】
前記スリーブが、ポリプロピレン#5から製造されている、請求項1に記載の断熱容器アセンブリ。
【請求項9】
前記蓋が前記容器本体に完全に取り付けられている場合に、前記真空インサートの基部の表面積の少なくとも90%が前記容器本体の中心空洞に露出している、請求項1に記載の断熱容器アセンブリ。
【請求項10】
上部で先細になっているカラーと該カラーよりも直径が広いフレアを形成した内壁を備えた断熱容器用の断熱蓋であって、
狭小領域及びフレア外領域を含む下部及び基部を含み、前記下部は、前記断熱容器の容器本体のフレアと相補的である真空インサートと、
前記真空インサートを取り囲むスリーブと、を備え、
前記スリーブは前記断熱蓋の前記容器本体への取付けを容易にする下部シールを含み、
前記断熱蓋が前記容器本体に完全に取り付けられている場合に、前記下部シールは縮んで、前記真空インサートと前記容器本体の内壁との間にシールを生成して、前記真空インサートの基部が前記容器本体の中心空洞に露出する、断熱容器用の断熱蓋。
【請求項11】
前記下部シールが、前記真空インサートの形状と相補的である内部シールと、ギャップにより前記内部シールから分離されている外部シールとを含む、請求項10に記載の断熱蓋。
【請求項12】
前記スリーブが、前記断熱蓋が前記容器本体に完全に取り付けられている場合に、前記断熱容器の上部と接する上部シールをさらに含む、請求項10に記載の断熱蓋。
【請求項13】
前記断熱蓋が前記容器本体に完全に取り付けられている場合に、前記真空インサートの基部の表面積の少なくとも90%が断熱容器の中心空洞に露出している、請求項10に記載の断熱蓋。
【請求項14】
前記スリーブが、前記断熱容器の内壁上の容器嵌合相補物と相補的である蓋嵌合相補物をさらに含む、請求項10に記載の断熱蓋。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
容器は、液体および種々の他の内容物を保存するために使用することができる。一部の容器は、高温でも低温でも、それらの内容物の温度を維持するように設計されている。真空フラスコが、一般に断熱保存容器として使用される。一般に、2つの同心の容器が首部で接合され、介在するギャップが少なくとも部分的に真空にされる。真空のギャップにより、容器の内容物と環境との間の伝熱が減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
しかし、真空フラスコは、依然としてそれらの蓋またはヒートシンクの機能を果たすシール機構を介して伝熱を生じやすい。加熱空気または加熱液体がフラスコの蓋と接触すると、熱が、伝導および/または対流を介して外部に伝達され、容器の内容物が冷却され得る。あるいは、容器が、容器の内容物の温度よりも高い温度の環境に置かれると、熱が容器に伝達され、内容物が温められ得る。
【課題を解決するための手段】
【0003】
[概要]
この概要は、以下「発明を実施するための形態」でさらに説明される概念の選択を簡略化された形式で紹介するために提供される。この概要は、特許付与請求された主題の主な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許付与請求された主題の範囲を限定するために使用することも意図していない。さらに、特許付与請求された主題は、この開示の任意の部分に記載の一部または全部の欠点を解決する実施に限定されない。
【0004】
断熱容器アセンブリは、容器本体の上部で結合され、真空ギャップにより分離された内壁および外壁を含む容器本体と、容器本体に可逆的に取り付け可能である蓋とを備える。蓋は、真空インサートと真空インサートを取り囲むスリーブを含む。スリーブは、蓋の容器本体への取付けを容易にするように構成されており、蓋が容器本体に完全に取り付けられている場合に、真空インサートの基部が容器本体の中心空洞に露出するように真空インサートと容器本体の内壁との間のシールを生成するよう構成されている。このように、中心空洞全体を真空断熱材により囲むことができ、こうして、断熱容器アセンブリの熱特性を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】スリーブおよび真空インサートを含む断熱蓋の断面図を示す図である。
図1B】断熱容器アセンブリを形成するために図1Aに示した蓋に可逆的に取り付け可能である断熱容器本体の断面図を示す図である。
図2A図1Aに示した蓋の斜視図を示す図である。
図2B図1Aに示した蓋の斜視図を示す図である。
図3A】真空インサートおよびスリーブを含む追加の真空シール蓋の斜視図を示す図である。
図3B】真空インサートおよびスリーブを含む追加の真空シール蓋の斜視図を示す図である。
図4図3Aおよび図3Bに示した真空シール蓋の断面図を示す図である。
【0006】
図1A図1B図2A図2B図3Aおよび図3Bおよび図4は、ほぼ正寸であるが、本開示の範囲から逸脱することなく他の相対寸法を使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
真空フラスコなどの断熱容器は、それらの内容物の温度を長期間、維持するように設計されている。しかし、このような容器は、容器本体と蓋との間の界面を介して熱的妥協を生じやすい。蓋は、ヒートシンクの機能を果たし得、容器の内外の望ましくない伝熱を可能にする。これは、容器の内容物の温度の外部環境の温度との平衡を促進するという結果になり得る。
【0008】
この説明は、蓋がスリーブにより囲まれた真空シールインサートを含む断熱容器アセンブリのいくつかの例を列挙する。所定の位置にある場合に、真空シールインサートは、加熱能力が向上した完全真空断熱容器を提供する。
【0009】
いくつかの例では、真空シールインサートも容器本体も、ステンレス鋼から製造される。しかし、鋼コンポーネントを直接結合するのではなく、スリーブが、蓋と容器本体との嵌合を容易にする。これは、鋼と鋼の界面でよく発生する嵌合コンポーネントの損傷または劣化の心配なく真空シールスチール容器の熱的利点と耐久性の利点を可能にする。
【0010】
スリーブは、蓋と容器本体との気密かつ液密の結合をもたらす1つ以上のシール要素を含むことができる。シールはまた、ユーザに、蓋が完全に着座され、容器本体上に固定されていることを示すフィードバックを提供することができる。このように、ユーザは、断熱容器アセンブリの内部内容物がシールされて環境から断熱されていることを確信することができる。
【0011】
図1A図1B図2Aおよび図2Bは、断熱容器アセンブリ100のコンポーネントの図を示す。断熱容器アセンブリ100は、液体または他の内容物を保存し、アセンブリ内にシールされた内容物と環境との間の温度差を維持するように構成されている。断熱容器アセンブリ100は、容器本体104に可逆的に結合するように構成されている(すなわち、選択的に容器本体104に取り付けられ、容器本体104から取り外されるように構成されている)蓋102を含む。図1は、蓋102および容器本体104の断面図を示す。図2Aおよび図2Bは、蓋102の斜視図を示す。
【0012】
蓋102の中心軸106の周りの蓋102の容器本体104への(またはその逆の)回転は、蓋102が容器本体104に部分的に取り付けられたままであるように、断熱容器アセンブリ100を開閉するか、または部分的に開くことができる。例えば、ユーザは、蓋102を時計回り108aにねじ込んで断熱容器アセンブリ100を閉じ、蓋102を反時計回り108bに回転させて断熱容器アセンブリ100を開くか、または部分的に開くことができる。しかし、他の例では、他の開閉技術が使用されてもよい。
【0013】
図1Aおよび図1Bは、蓋102および容器本体104の1つの可能な構成を示しているが、他の構成も可能である。別の構成が、図3A図3Bおよび図4に関して、本明細書で説明される。容器本体104は、ステンレス鋼または断熱容器アセンブリのための他の任意の適切な材料から作ることができる。容器本体104は、基部110および上部112を含む。上部112は、蓋102を受け入れるように構成することができる開口部115を含む。開口部115は、蓋102が容器本体104に結合していない場合に、中心空洞117へのアクセスを提供し、材料を容器本体104に追加したり、容器本体104から引き抜いたりすることができる。
【0014】
容器本体104は、二重壁容器として示されている。容器本体104は、外壁120および内壁122を含む。外壁120と内壁122は、上部112で結合することができる。真空ギャップ125は、外壁120と内壁122を分離することができる。
【0015】
中心空洞117は、基部110から肩部128に延びている円筒領域126を含む。図1Aに示されるように、真空ギャップ125は、円筒領域126を囲む幅が均一であってもよく、基部110で幅が増加してもよい。この例では、基部キャップ130が真空入口132の外部に取り付けられている。真空を達成するために、真空ギャップ125が真空入口132を介して排気され、真空入口132がシールされ、そして、基部キャップ130が適用されて、容器本体104を平らな表面上に直立静止させることができる滑らかな基部110を提供する。
【0016】
内壁122は、肩部128で先細になってカラー134を形成し、次いで、フレア136で直径が広がり首部137を形成する。この例では、真空ギャップ125は、肩部128とフレア136との間で直径が増加してもよく、次いで、首部137を囲む領域で幅が減少してもよい。
【0017】
首部137で、内壁122は、容器嵌合相補物138を含む。図1に示されるように、容器嵌合相補物138は、ネジ山経路に整列されたシール突起を含むが、嵌合ネジ山などの他の構成も可能である。容器嵌合相補物138は、蓋嵌合相補物139と嵌合するように相補的に(complimentarily)構成されて、蓋102を可逆的に首部137で容器本体104と結合することができる。図示した例では、蓋嵌合相補物139は、嵌合ネジ山を含むが、ネジ山経路シール突起などの他の構成も可能である。容器嵌合相補物138内のシール突起は、内壁122の周りの円周経路(例えば螺旋経路)に配置されて示されている。具体的には、シール突起は、蓋嵌合相補物139内のネジ山経路に対応する内部容器表面の周りの経路を追跡することができる。
【0018】
相補的ネジ山経路は、蓋102が容器本体104に取り付けられている(例えば、ねじ込まれている)場合に、容器本体104と蓋102との間の密接で強固なシールを容易にする。閉じた構成では、容器嵌合相補物138は、蓋嵌合相補物139と嵌合し、蓋嵌合相補物139でシールする。このように、容器アセンブリ100内の液体または他の内容物は、容器本体内にシールされる。
【0019】
容器嵌合相補物138は、容器本体104の中心軸に向けて内部に延びるように隆起している。具体的には、一例では、シール突起は、ネジ山経路にドームの形状(例えば半球状、半半球状)に整列することができる。しかし、種々の突起形状が本開示の範囲から逸脱することなく使用されてもよい。他の構成では、ネジ山経路に整列されたシール突起が蓋嵌合相補物内に含まれてもよいが、容器嵌合相補物は嵌合ネジ山を含む。
【0020】
相補的嵌合相補物は、蓋102が容器本体104に取り付けられている(例えば、ねじ込まれている)場合に、容器本体104と蓋102との間の密接で強固なシールを容易にする。容器アセンブリ100から液体を分配するために、蓋102は、容器本体104に取り付けられたままである間に部分的にネジを外すことができる。シール突起と容器嵌合相補物138との間に(シールネジ山経路と比べて)減少した量の液体を閉じ込めることができるため、完全に再び取り付けられている場合に、蓋102と容器本体104との間のシールを再確立することができる。
【0021】
蓋102は、真空インサート140およびスリーブ142を含む。スリーブ142は、真空インサート140を部分的に取り囲み、蓋102が容器本体104と嵌合し、容器本体104とのシールを形成することを可能にするように機能することができる。真空インサート140は、円筒形として図示されているが、他の形状も考えられる。真空インサート140は、ステンレス鋼から、容器本体104と同じ材料から、および/または他の任意の適切な材料から製造することができる。真空インサート140は、インサート基部144からインサート上部145に延びている真空空洞143を含むことができる。スリーブ142を介してキャニスタ本体104と嵌合すると、真空インサート140は、真空断熱材が中心空洞117の内容物を完全に囲むように真空ギャップ125を機能的に広げる。この例では、真空インサート140は、真空入口148の周りに挿入された(sandwiched)上部146と下部147を含む。
【0022】
スリーブ142は、ハンドル150(図2Aおよび図2Bにも見られる)を含む。図1Aおよび図1Bに示されるように(As show)、ハンドル150は、スリーブ142の直径に渡り、マウント151aおよびマウント151bの周りに回転可能に移動可能であるベールタイプアーチの形態である。示されるように、ハンドル150は、スリーブ142のシェルフ152に静止してしまい込むように構成されている。一方(alternately)、ハンドル150は、直立位置に旋回することができ、ハンドル150とインサート上部145との間に開口部を生成することができる。真空インサート140は、インサート上部145内に窪み153を含むことができる。したがって、窪み153は、ハンドル150が直立位置にある場合に、インサート上部145とハンドル150の底部との間の距離を増大させる。これにより、ユーザが指、カラビナなどをハンドル150と真空インサート140との間に挿入する能力を改善することができ、こうして、断熱容器アセンブリ100をより携帯可能にする。
【0023】
スリーブ142の内面155は、真空インサート140の側壁156を取り囲み、それと接する。スリーブ142の外面157は、蓋嵌合相補物139を含むことができ、そして容器嵌合相補物138を介して内壁122と接することができる。
【0024】
スリーブ142は、上部シール160および下部シール162を含むことができる。この例では、下部シール162は、一次シールとみなすことができる一方、上部シール160は、二次シールとみなすことができる。上部シール160は、Oリングとして図示されている。上部シール160は、主に上部112の中心蓋102に作用することができる。上部シールはまた、いつ蓋102が完全に首部134と係合するかに関してフィードバックを(例えば、回転摩擦を増大させることにより)ユーザに提供することができる。
【0025】
下部シール162は、真空インサート140とフレア136との間のシールを生成するように機能することができる。下部147およびインサート基部145の隣接部分は、狭小領域164およびフレア外領域165を含む、フレア136と相補的であり得る。下部シール162は、外部シール166および内部シール168を含む。外部シール166と内部シール168は、ギャップ170により分離されている。内部シール168は、狭小領域164およびフレア外領域165と同一平面である(flush)ように形作られる。さらに、内部シール168は、インサート基部145の周囲に沿って延びることができ、それにより、スリーブ142内の真空インサート140の移動を防ぐ。
【0026】
蓋102が首部134に嵌合される場合に、フレア136は、外部シール166を内部シール168に押し込み、押し付け、こうして、ギャップ170を閉じる。このように、下部シール162は、最小限のユーザの努力でガスケット圧縮を可能にする。下部シール162の圧縮は、圧力ベースの抵抗フィードバックを提供する。上部シール160の着座および容器嵌合相補物138と蓋嵌合相補物139との嵌合に加えて、下部シール162を圧縮することにより生成された抵抗は、蓋102が所定の位置に適切にあることをユーザが確かめる/感じることを可能にする。
【0027】
蓋102が容器本体104上の所定の位置にある場合に、断熱容器アセンブリ100は、完全に真空断熱されている。中心空洞117内の内容物は、インサート基部145の周囲の周りに延びている内部シール168のどんな小さなバンドも除いてヒートシンクに曝されない。図示されるように、インサート基部145の表面積の約90%が露出しているが、他の構成では、インサート基部145の大きいか小さいパーセントが露出し得る。こうして、真空インサート140も内壁122も同じ材料(ステンレス鋼)から製造される場合に、断熱容器アセンブリ100が組み立てられると、中心空洞117のほぼ全体が同じ材料になる。
【0028】
真空インサート140は、スリーブ142から取り外し可能である。このように、スリーブ142は、他の蓋の用途およびユーザが断熱容器アセンブリ100から液体内容物を飲むように設計されたインサートなどの必ずしも真空断熱を必要としない設計で使用または製造することができる。図1に示されるように、下部シール162は、蓋102の残りと別に製造でき、組立のために真空インサート140を2つの蓋片の間に挟むことができる。他の例では、下部シール162は、外面157の残りと隣接することができる。真空インサート140は、例えば、上から下にスリーブ142に挿入され得る。ハンドル150、シェルフ152を含む、スリーブ142の上部172は、次いで、スリーブ/インサートサブアセンブリの上部に配置されて蓋102を完成させることができる。
【0029】
スリーブ142は、複合材料またはポリマー材料から製造することができる。例えば、スリーブ142は、ポリプロピレン#5などのプラスチックから製造することができる。このような材料は、低コスト、リサイクル可能性、耐熱性、弾力性(resiliency)および柔軟性のため有利である。蓋嵌合相補物139に関して、ポリプロピレン#5は、滑らかな開閉および容器嵌合相補物138への全体的な嵌合を可能にする。上部シール160は、複合材料またはポリマー材料製でもあり得、さらに、天然ゴムまたは合成ゴム、シリコーンまたは他の適切な材料から製造することができる。
【0030】
スリーブ142それ自体は、ステンレス鋼製であり得、真空インサート140と隣接し得るが、鋼と鋼の嵌合相補物は、場合によっては、粗い感触を提供する。さらに、鋼が長期間、凹みおよび変形に影響されやすいため、シールの均一性が低下する可能性があり、こうして、アセンブリの断熱性を損なう。真空インサートとスリーブとを分離することにより、蓋が傷ついた場合には、ユーザは、一方の部分または他方の部分のみ交換することができる。
【0031】
図3A図3Bおよび図4は、追加の真空シール蓋200のコンポーネントの図を示す。図3Aおよび図3Bは、蓋200の斜視図を示す一方、図4は、蓋200の断面図を示す。
【0032】
蓋200は、異なる相対寸法を除いて、蓋102の特徴の多くを含む。例えば、蓋200は、蓋102よりも幅が広いとみなすことができる。こうして、蓋200は、幅が広いため容器本体104と比べて大きな内部空洞を備える容器本体と嵌合するように構成することができる。この例では、蓋200は、中心軸202の周りの回転を介して容器本体と嵌合するように構成されている。しかし、他の例では、他の開閉技術を使用してもよい。
【0033】
蓋200は、真空インサート204およびスリーブ206を含む。スリーブ206は、真空インサート204を部分的に取り囲み、蓋200を容器本体と嵌合できシールを形成できるように機能することができる。真空インサート140とスリーブ142に関して説明したように、真空インサート204は、ステンレス鋼から製造することができ、スリーブ206は、ポリプロピレン#5から製造することができる。真空インサート204は、インサート基部210からインサート上部212に延びている真空空洞208を含むことができる。蓋200がスリーブ206を介して断熱キャニスタ本体と嵌合している場合に、真空インサート204は、真空断熱材がキャニスタアセンブリの中心空洞の内容物を完全に囲うように、断熱キャニスタ本体内の真空ギャップを広げるように機能することができる。
【0034】
真空インサート204は、真空入口218の周りに挿入された(sandwiched)上部214および下部216を含む。真空インサート204は、シリンダのスタックとして示されているが、他の形状も考えられる。いくつかの例では、上部214も下部216も排気される。しかし、他の例では、下部216のみが排気される。真空インサート204は、スリーブ206の中心空洞219と相補的であり得る。スリーブ206は、複数片構造であり得、それにより、隣接する部分品が、真空インサート204の上部と下部の周りに挿入される(sandwiched)。このように、真空インサート204は、スリーブ206により所定の位置にしっかりと保持することができる。
【0035】
スリーブ206は、ハンドル220を含む。図3Aに示されるように(As show)、ハンドル220は、スリーブ206の直径に渡るベールタイプアーチの形態であり、マウント222aおよび222bの周りに回転可能に移動可能である。示されるように、ハンドル220は、スリーブ206のシェルフ224に静止してしまい込むように構成されている。真空インサート204は、インサート上部212内に窪み226を含むことができる。したがって、窪み226は、ハンドル220が直立位置にある場合に、インサート上部212とハンドル220の底部との間の距離を増大させる。
【0036】
スリーブ206の内面228は、真空インサート204の側壁230を取り囲み、それと接する。スリーブ206の外面232は、蓋嵌合相補物234を含むことができ、容器本体の内壁上の容器嵌合相補物と接することができる。この例では、蓋嵌合相補物234は、嵌合ネジ山として示されているが、シール突起などの他の構成も可能である。
【0037】
スリーブ206は、上部シール236および下部シール238を含む。上部シール160は、Oリングとして示されているが、他の構成も可能である。下部シール162について説明したように、下部シール238は、蓋200が容器本体に完全に取り付けられている場合に、真空インサート204と容器本体の内壁の一部との間にシールを生成するように機能することができる。インサート基部210に隣接した真空インサート204の下部領域は、狭小領域240およびフレア外領域242を含む、容器本体の内壁と相補的であり得る。下部シール238は、ギャップ248により分離した外部シール244および内部シール246を含む。内部シール246は、狭小領域240およびフレア外領域242と同一平面であるように形作られる。さらに、内部シール246は、インサート基部210の周囲に沿って延びることができ、それにより、スリーブ206内の真空インサート204の移動を防ぐ。蓋200が容器本体上の所定の位置にあると、得られる断熱容器アセンブリは、完全に真空断熱される。図示されるように、インサート基部210の表面積の約92%が露出しているが、他の構成では、インサート基部210の大きいか小さいパーセントが露出し得る。
【0038】
本明細書で説明した構成および/またはアプローチが本質的に例示的であること、および多数の変形が可能であるため、これらの特定の実施形態または例は限定的な意味で考慮されるべきでないことが理解されよう。本明細書で説明した特定のルーチンまたは方法は、任意の数の処理戦略の1つ以上を表すことができる。こうして、図示および/または説明した種々の動作は、図示および/または説明した順に、他の順に、並行に行うことができるか、または省略することができる。同様に、上記処理の順序を変えることができる。
【0039】
本開示の主題は、本明細書に開示した種々の処理、システム、および構成、および他の特徴、機能、動作および/または特性、並びにその一部および全部の同等物のすべての新規かつ非自明の組合せおよび部分的組合せを含む。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4