(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】生体信号を変換して伝送する生体信号測定装置、及び生体信号測定方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20230313BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20230313BHJP
H04B 17/24 20150101ALI20230313BHJP
【FI】
A61B5/00 C
A61B5/33 300
H04B17/24
(21)【出願番号】P 2021069562
(22)【出願日】2021-04-16
【審査請求日】2021-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】520320745
【氏名又は名称】株式会社エイティセンス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭鍾旭
(72)【発明者】
【氏名】李昌浩
(72)【発明者】
【氏名】林秀芽
【審査官】鷲崎 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/024495(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01972268(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第111067509(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 -5/01
A61B 5/318-5/367
H04B 17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの心電図データをセンシングするセンシング部と、
データ受信装置との無線チャネルを設立する通信部と、
前記無線チャネルの通信品質情報を基に、現在の伝送特性を判断し、前記伝送特性と対応するデータ解像度を決定し、前記データ解像度により、前記心電図データを変換し、
前記データ受信装置から通信制御信号を受信し、前記通信制御信号と対応して、心臓拍動数が非正常的である区間、または非正常的なP波が検出される区間が含まれる非正常的な生体信号がセンシングされた区間の心電図データを
それぞれの区間別ビットスケールで変換し、
変換されたデータを前記データ受信装置に伝送する処理部と、を含む、生体信号を変換して伝送する生体信号測定装置。
【請求項2】
前記処理部は、
前記無線チャネルの通信品質情報を基に、無線帯域幅またはRF通信品質を含む現在の伝送特性を判断する、請求項1に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定装置。
【請求項3】
前記処理部は、
前記データ受信装置との無線チャネルに対する伝送特性を考慮し、伝送データサイズを含むデータ解像度を決定し、決定された伝送データサイズに合わせ、心電図データをk回ウェーブレット変換する、請求項1に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定装置。
【請求項4】
前記処理部は、
前記データ受信装置から受信されたフィードバック信号を利用し、現在の伝送特性において、伝送ディレイが生じると検出された場合、前記伝送ディレイの大きさを考慮し、前記心電図データに適用するデータ解像度を決定し、
前記データ解像度により、前記心電図データを変換する、請求項1に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定装置。
【請求項5】
前記伝送ディレイは、
前記処理部によって生成された前記心電図データの伝送時間と、前記データ受信装置から受信した伝送完了時間とを比較して計算される、請求項4に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定装置。
【請求項6】
前記処理部は、
前記心電図データの1つの区間を再び圧縮して前記データ受信装置に伝送する、請求項1に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定装置。
【請求項7】
前記処理部は、
センシングされた心電図データを、変換なしに、内部に具備されたメモリに保存する、請求項1に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定装置。
【請求項8】
心電図データをセンシングするセンシング部と、
データ受信装置との無線チャネルを設立する通信部と、
前記無線チャネルを介し、前記データ受信装置から通信制御信号を受信する場合には、前記通信制御信号と対応して、心臓拍動数が非正常的である区間、または非正常的なP波が検出される区間が含まれる非正常的な生体信号がセンシングされた区間の心電図データを
それぞれの区間別にビットスケールで変換し、変換され
たデータを伝送する処理部と、を含む、生体信号を変換して伝送する生体信号測定装置。
【請求項9】
前記通信制御信号がユーザ入力による出力スケールをさらに含む場合、
前記処理部は、前記通信制御信号に含まれた出力スケールを考慮し、前記通信制御信号によって指定された区間の心電図データを変換する、請求項8に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定装置。
【請求項10】
生体信号測定装置がユーザの心電図データをセンシングする段階と、
前記生体信号測定装置がデータ受信装置との無線チャネルを設立する段階と、
前記生体信号測定装置が前記無線チャネルの通信品質情報を基に、現在の伝送特性を判断し、前記伝送特性と対応するデータ解像度を決定し、前記データ解像度により、前記心電図データを変換し、
前記データ受信装置から通信制御信号を受信し、前記通信制御信号と対応して、心臓拍動数が非正常的である区間、または非正常的なP波が検出される区間が含まれる非正常的な生体信号がセンシングされた区間の心電図データを
それぞれの区間別ビットスケールで変換する段階と、
前記生体信号測定装置が
変換したデータを前記データ受信装置に伝送する段階と、を含む、生体信号を変換して伝送する生体信号測定方法。
【請求項11】
前記心電図データを変換する段階は、
前記無線チャネルの通信品質情報を基に、無線帯域幅またはRF通信品質を含む現在の伝送特性を判断する、請求項10に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定方法。
【請求項12】
前記心電図データを変換する段階は、
前記データ受信装置との無線チャネルに対する伝送特性を考慮し、伝送データサイズを含むデータ解像度を決定し、決定された伝送データサイズに合わせ、心電図データをk回ウェーブレット変換する、請求項10に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定方法。
【請求項13】
前記心電図データを変換する段階は、
前記データ受信装置から受信されたフィードバック信号を利用し、現在の伝送特性において、伝送ディレイが生じると検出された場合、前記伝送ディレイの大きさを考慮し、前記心電図データに適用するデータ解像度を決定し、
前記データ解像度により、前記心電図データを変換する、請求項10に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定方法。
【請求項14】
前記伝送ディレイは、
生成された前記心電図データの伝送時間と、前記データ受信装置から受信した伝送完了時間とを比較して計算される、請求項13に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定方法。
【請求項15】
前記心電図データを変換する段階は、
前記心電図データの1つの区間をさらに圧縮して前記データ受信装置に伝送する、請求項10に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定方法。
【請求項16】
前記心電図データを変換する段階は、
センシングされた心電図データを内部に具備されたメモリに保存する、請求項10に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定方法。
【請求項17】
生体信号測定装置がユーザの心電図データをセンシングする段階と、
前記生体信号測定装置がデータ受信装置との無線チャネルを設立する段階と、
前記生体信号測定装置が前記無線チャネルを介し、前記データ受信装置から通信制御信号を受信する場合には、前記通信制御信号と対応して、心臓拍動数が非正常的である区間、または非正常的なP波が検出される区間が含まれる非正常的な生体信号がセンシングされた区間の心電図データを
それぞれの区間別ビットスケールで変換する段階と、
前記生体信号測定装置が
変換したデータを伝送する段階と、を含む、生体信号を変換して伝送する生体信号測定方法。
【請求項18】
前記変換する段階は、
前記通信制御信号がユーザ入力による出力スケールを含む場合、
前記通信制御信号に含まれた出力スケールを考慮し、前記通信制御信号によって区間の心電図データを変換する、請求項17に記載の生体信号を変換して伝送する生体信号測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体信号を、無線チャネルの伝送特性を考慮したデータ解像度に変換して伝送する、生体信号測定装置及び生体信号測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の生命を維持するためには、心臓の拍動によって放出された血液を動脈に沿い、身体のあらゆるところによどみなく送り流し、静脈を介し、再び心臓に血液を送り戻される過程が必要である。それにより、酸素と栄養分とを身体の各組織に供給し、代謝を介して消費された老廃物を除去することができる。
【0003】
しかし、心臓の状態が良好ではなく、身体の特定部位に血液が正しく伝達されなかったり、血液内に血栓や塞栓が生じたりし、血液が濁ってしまえば、身体の特定組織の毛細管を塞ぎ、組織の懐死を誘発するというように、生命が危険にもさらされる。従って、心臓の異常有無を検査するために、臨床的診察と共に、映像検査などが利用されており、早期診断の方法で心電図を測定し、測定された心電図信号をグラフ状に表示し、患者の心臓における異常有無を判断する方法も汎用されている。
【0004】
すなわち、心電図とは、心臓筋肉が収縮したり拡張したりするというような心臓拍動の機械的活動によって体表面に示される電位変化をグラフに記録するものを意味するものであり、心電図は、測定が簡単であり、再現性があり、容易に反復して記録することができ、検査コストが高くない非観血検査であり、不整脈と冠状動脈疾患(心臓動脈疾患)との診断、心臓患者の経過観察に有用に活用されている。
【0005】
一般的に、心電図は、胸部の上部左右及び下部左右に、心電図測定用センサを付着させ、センサの位置によって感知される電位差を利用して測定することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本実施形態が解決しようとする技術的課題は、前述の必要性によるものであり、通信環境、伝送特性と対応するデータ解像度によって心電図データを変換処理する、生体信号測定装置、測定方法及びコンピュータプログラムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態による生体信号測定装置は、ユーザの心電図データをセンシングするセンシング部と、データ受信装置との無線チャネルを設立する通信部と、前記無線チャネルの通信品質情報を基に現在の伝送特性を判断し、前記伝送特性と対応するデータ解像度(data resolution)を決定し、前記データ解像度により、前記心電図データを変換し、前記変換された心電図データを前記データ受信装置に伝送する処理部と、を含む、生体信号を変換して伝送することができる装置である。
【0008】
前記処理部は、前記無線チャネルの通信品質情報を基に、無線帯域幅またはRF(radio frequency)通信品質を含む現在の伝送特性を判断することができる。
【0009】
前記処理部は、前記データ受信装置との伝送特性を考慮し、伝送データサイズを含むデータ解像度を決定し、決定された伝送データサイズに合わせ、心電図データをk回ウェーブレット変換して、生体信号を変換することができる装置である。
【0010】
前記処理部は、前記データ受信装置からのフィードバック信号を利用し、現在の伝送特性において、伝送ディレイが生じると検出された場合、前記伝送ディレイの大きさを考慮し、前記心電図データに適用するデータ解像度を決定し、前記データ解像度により、前記心電図データを変換することができる。
【0011】
前記伝送ディレイは、前記処理部によって生成された前記心電図データの伝送時間と、前記データ受信装置から受信した伝送完了時間とを比較しても計算される。
【0012】
前記処理部は、変換された前記心電図データの1つの区間データをさらに圧縮し、圧縮された前記区間データを前記受信装置に伝送することができる。
【0013】
前記処理部は、センシングされた心電図データを、変換なしに、内部に具備されたメモリに保存することができる。
【0014】
本発明の実施形態による生体信号測定装置は、心電図データをセンシングするセンシング部と、データ受信装置との無線チャネルを設立する通信部と、前記無線チャネルを介し、前記データ受信装置から通信制御信号を受信する場合には、前記通信制御信号と対応する設定値に、前記通信制御信号によって指定されたデータ区間を変換し、変換された前記データ区間を伝送する処理部と、を含む、生体信号を変換して伝送することができる装置である。
【0015】
前記処理部は、前記通信制御信号は、ユーザ入力による出力スケールをさらに含む場合、前記通信制御信号に含まれた出力スケールを考慮し、前記通信制御信号によって指定されたデータ区間を変換することができる。
【0016】
前記処理部は、前記通信制御信号に含まれた生体関連パラメータを抽出し、前記生体関連パラメータを利用し、データ区間を指定し、前記指定されたデータ区間を、前記通信制御信号に含まれた設定値に変換することができる。
【0017】
本発明の実施形態による生体信号測定方法は、生体信号測定装置がユーザの心電図データをセンシングする段階と、前記生体信号測定装置がデータ受信装置との無線チャネルを設立する段階と、前記生体信号測定装置が前記無線チャネルの通信品質情報を基に現在の伝送特性を判断し、前記伝送特性と対応するデータ解像度を決定し、前記データ解像度により、前記心電図データを変換する段階と、前記生体信号測定装置が前記変換された心電図データを前記データ受信装置に伝送する段階と、を含む、生体信号を変換して伝送することができる方法である。
【0018】
前記心電図データを変換する段階は、前記無線チャネルの通信品質情報を基に、無線帯域幅またはRF通信品質を含む現在の伝送特性を判断することができる。
【0019】
前記心電図データを変換する段階は、前記データ受信装置との伝送特性を考慮し、伝送データサイズを含むデータ解像度を決定し、決定された伝送データサイズに合わせ、心電図データをk回ウェーブレット変換することができる。
【0020】
前記心電図データを変換する段階は、前記データ受信装置からのフィードバック信号を利用し、現在の伝送特性において、伝送ディレイが生じると検出された場合、前記伝送ディレイの大きさを考慮し、前記心電図データに適用するデータ解像度を決定し、前記データ解像度により、前記心電図データを変換することができる。
【0021】
前記伝送ディレイは、前記処理部によって生成された前記心電図データの伝送時間と、前記データ受信装置から受信した伝送完了時間とを比較しても計算される。
【0022】
前記心電図データを変換する段階は、変換された前記心電図データの一部区間データをさらに圧縮することができる。
【0023】
前記心電図データを変換する段階は、センシングされた心電図データを内部に具備されたメモリに保存することができる。
【0024】
本発明の実施形態による生体信号測定方法は、生体信号測定装置がユーザの心電図データをセンシングする段階と、前記生体信号測定装置がデータ受信装置との無線チャネルを設立する段階と、前記生体信号測定装置が前記無線チャネルを介し、前記データ受信装置から通信制御信号を受信する場合には、前記通信制御信号と対応する設定値に、前記通信制御信号によって指定されたデータ区間を変換する段階と、前記生体信号測定装置が変換された前記データ区間を伝送する段階と、を含んでもよい。
【0025】
前記変換する段階は、前記通信制御信号がユーザ入力による出力スケールを含む場合、前記通信制御信号に含まれた出力スケールを考慮し、前記通信制御信号によって指定されたデータ区間を変換することができる。
【0026】
前記変換する段階は、前記通信制御信号に含まれた生体関連パラメータを抽出し、前記生体関連パラメータを利用し、データ区間を指定し、前記指定されたデータ区間を、前記通信制御信号に含まれた設定値に変換することができる。
【0027】
本発明の実施形態によるコンピュータプログラムは、コンピュータを利用し、本発明の実施形態による方法のうちいずれか1つの方法を実行させるために、媒体にも保存される。
【0028】
それ以外にも、本発明を具現するための他の方法、他のシステム、及び前記方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録するコンピュータで読み取り可能な記録媒体がさらに提供される。
【0029】
前述のところ以外の他の側面、特徴、利点は、以下の図面、特許請求の範囲、及び発明の詳細な説明から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0030】
本実施形態によれば、通信環境、伝送特性と対応するデータ解像度により、心電図データを変換処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の実施形態による生体信号測定装置のブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態による処理部のブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態による生体信号測定方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態による生体信号測定方法のフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態による生体信号測定方法のフローチャートである。
【
図6】データ受信装置から受信される通信制御信号に対する処理過程を表現する図面である。
【
図7】本発明の実施形態による生体信号測定装置と受信装置とのネットワーク環境について説明するための図面である。
【
図8】本発明の実施形態による生体信号測定装置と受信装置とのネットワーク環境について説明するための図面である。
【
図9】心電図データのウェーブレット変換過程について説明する図面である。
【
図10】心電図データが保存される位置による心電図データの処理過程について説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示(disclosure)の多様な実施形態においても使用される「含む」または「含んでもよい」というような表現は、開示された当該の機能、動作または構成要素などの存在を示すが、さらなる1以上の機能、動作または構成要素などを制限するものではない。また、本開示の多様な実施形態において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれら組み合わせが存在するということを指定するものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれら組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。
【0033】
本開示の多様な実施形態において、「または」というような表現は、共に羅列された単語のいかなるもの、そして全ての組み合わせを含む。例えば、「AまたはB」は、Aを含んでもよく、Bを含んでもよく、あるいはAとBとをいずれも含んでもよい。
【0034】
本開示の多様な実施形態で使用された「第1」、「第2」、「最初」または「2番目」というような表現は、多様な実施形態の多様な構成要素を修飾することができるが、当該成要素を限定するものではない。例えば、前記表現は、当該構成要素の順序及び/または重要度などを限定するものではない。前記表現は、1構成要素を他の構成要素と区分するために使用されうる。例えば、第1ユーザ機器と第2ユーザ機器は、いずれもユーザ機器であり、互いに異なるユーザ機器を示す。例えば、本開示の多様な実施形態の権利範囲を外れずに、第1構成要素は、第2構成要素とも命名され、類似して、第2構成要素も、第1構成要素とも命名される。
【0035】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」されていたり、「接続」されていたりすると言及されたときには、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接連結されていたり接続されていたりしてもよいが、前記ある構成要素と、前記他の構成要素との間に新たな他の構成要素が存在しうると理解されなければならない。一方、ある構成要素が他の構成要素に、「直接連結」されていたり「直接接続」されていたりすると言及されたときには、前記ある構成要素と、前記他の構成要素との間に、新たな他の構成要素が存在しないと理解されなければならない。
【0036】
本開示の実施形態において、「モジュール」、「ユニット」、「部(part)」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を遂行する構成要素を指称するための用語であり、そのような構成要素は、ハードウェアまたはソフトウェアによっても具現され、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。また、複数の「モジュール」、「ユニット」、「部」などは、それぞれが個別的な特定のハードウェアに具現される必要がある場合を除いては、少なくとも1つのモジュールやチップに一体化され、少なくとも1つのプロセッサにも具現される。
【0037】
本開示の多様な実施形態で使用された用語は、単に特定実施形態についての説明に使用されたものであり、本開示の多様な実施形態を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。
【0038】
取り立てての定義がない限り、技術的であったり科学的であったりする用語を含み、ここで使用される全ての用語は、本開示の多様な実施形態が属する技術分野において、当業者によって一般的に理解されるところと同一の意味を有している。
【0039】
一般的に使用される事前に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本開示の多様な実施形態において、明白に定義されない限り、理想的であったり、過度に形式的であったりする意味に解釈されるものではない。
【0040】
以下において、添付図面を利用し、本発明の多様な実施形態について具体的に説明する。
【0041】
本明細書において、生体信号は、体温、脈拍、心電図(electrocardiogram)、脳波、呼吸数、歩数、ストレス、ホルモン、運動量、消耗されたカロリー、体脂肪、体内水分量、血糖値、血圧などのデータを含む信号を言う。
【0042】
図1は、本発明の実施形態による生体信号測定装置100のブロック図である。
【0043】
生体信号測定装置100は、処理モード及び/または受信装置を基に決定された処理方法で心電図データを処理するために、プロセッサ110、センシング部120、通信部130、メモリ140を含んでもよい。
【0044】
生体信号測定装置100は、人、動物などの生体信号を測定する装置でもある。生体信号測定装置100は、対象体(object)に非侵襲的または侵襲的に装着され、対象体の心臓拍動による心電図を測定することができる。生体信号測定装置100は、対象体の皮膚または身体に付着される形態にも具現されるが、それに限定されるものではなく、多様な方式によっても具現される。ここで、該対象体は、人や動物、またはその胸部のように、人や動物の身体一部にもなるが、それらに限定されるのではなく、心電図を感知したり測定したりすることができるものであるならば、いずれも対象体になるとする。また、心電図は、心筋の収縮/拡張のように、心臓拍動の機械的活動によって体表面で示される電位変化をグラフで記録するものであり、「心電図を感知する」という意味は、対象体の心臓拍動によって体表面に発生する「電位を感知する」という意味と同一であるとする。
【0045】
プロセッサ110は、センシング部120、通信部130、メモリ140と電気的に連結され、対象体の生体信号を処理することができる。プロセッサ110は、センシング部120によってセンシングされた心電図データを、外部の電子装置に伝送することができる。プロセッサ110は、生体信号測定装置100の電源容量を考慮し、消耗電力が低減するように、心電図データを変換することができる。プロセッサ110は、伝送特性を考慮し、伝送データサイズを調節するように、心電図データを変換することができる。プロセッサ110は、変換処理された心電図データを外部の受信装置に伝送することができる。プロセッサ110は、
図2に図示されているような細部的な構成要素と連動して動作されうるが、それに限定されるものではない。
【0046】
センシング部120は、対象体の身体に侵襲または非侵襲的に付着され、対象体の心電図データをセンシングすることができる。センシング部120は、多数の電極により、1チャネル以上の心電図データを測定することができる。センシング部120は、電気的に連結された電極によって測定された1チャネル以上の心電図データを入力されうる。
【0047】
通信部130は、通信網を介し、サーバ、他の電子装置などの装置と、データを送受信するための装置である。通信部130は、無線網または有線網などを介し、データを送受信するための装置である。通信部130は、プロセッサ110の制御信号によってデータを処理し、送受信することができる。通信部130は、データ受信装置200(
図7)との無線チャネルを設立することができる。
【0048】
メモリ140は、センシング部120によってセンシングされた心電図データなどを含む生体信号を保存することができる。メモリ140は、プロセッサ110の処理及び制御のためのプログラムを保存することができる。メモリ140は、通信部130を介して伝送されるデータ、及び通信部130を介して受信されるデータを保存することができる。メモリ140は、プロセッサ110によって生成された心電図データ、対象体の心臓状態情報などを保存することができる。メモリ140は、測定された心電図データのような生体信号を、変換なしにそのまま保存することができる。
【0049】
電源部150は、プロセッサ110、センシング部120、通信部130、メモリ140に電源を供給することができる。電源部150は、充電方式によって具現され、脱着が可能な形態にも具現される。電源部150は、定められた電源容量位の電源を、プロセッサ110、センシング部120、通信部130、メモリ140に供給することができる。外部の電源供給装置から、電源容量ほどの電源が電源部150に充電されうる。
【0050】
本開示の実施形態によれば、
図1のプロセッサ110は、処理部210に置き換えられても具現される。その場合、生体信号測定装置100の内部に、処理部210及びセンシング部120が1つの装置内にも具備される。
【0051】
他の実施形態において、処理部210は、生体信号測定装置100と別個の装置内部にも具現される。処理部210及びセンシング部120は、別途の装置内に具備されても具現される。そのような場合、処理部210及び生体信号測定装置100は、電気的にも連結されたり、通信網にも連結されたりする。
【0052】
図2は、本発明の実施形態による処理部210のブロック図である。
【0053】
処理部210は、生体信号測定装置100、外部のデータ受信装置200、またはそれ以外の電子装置によっても具現される。処理部210は、生体信号測定装置100、外部のデータ受信装置200にそれぞれ含まれてもよい。
【0054】
処理部210は、プロセッサ211、データ受信部212、データ変換部213、伝送制御部214を含んでもよい。
【0055】
プロセッサ211は、処理部210を全般的に制御するための構成であり、1以上のプロセッサを含んでもよい。具体的には、プロセッサ211は、処理部210、または追加して含まれるメモリに保存された各種機能と、プログラムとを実行させ、データ受信装置200の全般的な動作を制御する。
【0056】
例えば、プロセッサ211は、中央処理装置(CPU:central processing unit)、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、システムバスを含んでもよい。ここで、該ROMは、システム起動のための命令語セットが保存される構成であり、該CPUは、ROMに保存された命令語により、データ受信装置200に保存されたオペレーションシステム(OS)をRAMにコピーし、該オペレーションシステムを実行させてシステムを起動させる。起動が完了すれば、該CPUは、保存された各種アプリケーションをRAMにコピーして実行させ、各種動作を遂行することができる。以上においては、処理部210が1つのCPUのみを含むと説明されたが、具現時には、複数のCPU(または、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、別途の機能ブロックなど)にも具現される。
【0057】
プロセッサ211は、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロプロセッサ(microprocessor)、TCON(time controller)によっても具現される。ただし、それらに限定されるものではなく、CPU、MCU(micro controller unit)、MPU(micro processing unit)、コントローラ、アプリケーションプロセッサ(AP:application processor)またはコミュニケーションプロセッサ(CP:communication processor)、ARMプロセッサのうち一つ、またはそれ以上を含むか、あるいは当該用語によっても定義される。また、プロセッサ211は、プロセッシングアルゴリズムが内蔵されたSoC(system on chip)、LSI(large scale integration)にも具現され、FPGA(field programmable gate array)形態にも具現される。
【0058】
データ受信部212は、電気線またはネットワークに連結されたセンシング部120(
図1)でセンシングされたデータを受信することができる。データ受信部212は、心電図データを電気回線に受信することができる。データ受信部212は、無線または有線の通信方式で、心電図データを受信することができる。
【0059】
データ変換部213は、センシング部120から受信された心電図データを変換(wavelet transform)することができる。データ変換部213は、データ受信装置との無線チャネルの通信品質情報を基に、現在の伝送特性を判断し、伝送特性と対応するデータ解像度(data resolution)を決定することができる。データ変換部213は、伝送特性と対応するデータ解像度により、生体信号、例えば、心電図データを変換することができる。通信品質を決定する代表的な例として、物理的階層の特性である。一般的には、通信品質情報には、RF信号強度が含まれる。また、該通信品質情報には、随時に変わる時変(time-variant)及び帯域制限特性、周波数選択性、帯域幅を広くするものの、電力は少なく消耗する変調方式、ディレイ分散情報、ドップラー分散情報などを含んでもよい。
【0060】
データ変換部213は、伝送特性と対応するデータ解像度を介し、第1補正サイズ(scale)または第1移動補正程度(translation)を指定し、第1補正サイズまたは第1移動補正程度でもって、心電図データのような生体信号をウェーブレット変換することができる。このとき、心電図データのような生体信号を、複数の周波数成分に分解することができる。また、データ変換部213は、心電図データのような生体信号を、複数のデータ区間に分解することができ、複数のデータ区間を、ビットスケール(bit scale)でそれぞれ変換することができる。該ビットスケールは、当該区間のパターンにも決定されることができる。
【0061】
データ変換部213は、伝送特性と対応するデータ解像度を介し、第1帯域幅を指定し、心電図データのような生体信号の成分のうち、指定された第1帯域幅の解像度を高くし、第1帯域幅を除外した残り第2帯域幅の解像度を低くするように、心電図データのような生体信号を変換することができる。このとき、変換方式として、ウェーブレット変換を利用することができるが、それに限定されるものではなく、多様な方法で変換することができる。このとき、心電図データのような生体信号を、帯域幅を基準に、複数の周波数成分に分解することができる。また、データ変換部213は、心電図データのような生体信号を、複数のデータ区間に分解することができ、複数のデータ区間を、ビットスケールでそれぞれ変換することができる。該ビットスケールは、当該区間のパターンにも決定される。
【0062】
データ変換部213は、データ解像度を適用して変換する前、心電図データのような生体信号を、周波数成分、データサイズ、時間間隔などを基準に、複数のデータ区間に分解することができる。
【0063】
データ変換部213は、無線チャネルの通信品質情報を介し、心電図データの伝送時に、伝送ディレイが生じるか否かということ、及び無線チャネルの性能(quality)のような伝送特性(使用可能な無線帯域幅、RF通信品質など)を測定することができる。データ変換部213は、無線チャネルの伝送特性において、データ損失なしに、生体信号を伝送することができるデータ解像度を決定することができる。このとき、伝送ディレイの発生いかんは、生体信号測定装置100、データ受信装置200(
図7)のフィードバック信号によっても決定される。このとき、該フィードバック信号は、生体信号測定装置100とデータ受信装置200とによっても獲得される。該フィードバック信号は測定装置100及びデータ受信装置200との無線チャネルによっても獲得される。該フィードバック信号は、送受信されたデータの受信時間、伝送時間、受信率、伝送率などを含んでもよい。
【0064】
データ変換部213は、そのような変換を介して無線チャネルに伝送される心電図データの伝送データサイズ、または容量などを小さくすることができる。該伝送データサイズが小さくなることにより、伝送ディレイが生じる環境においても、時間的遅滞なしに、心電図データが外部の電子装置にも伝送される。他の実施形態において、データ変換部213は、外部の電子装置、例えば、生体信号測定装置100またはデータ受信装置200からの通信制御信号により、心電図データのような生体信号を変換することができる。データ変換部213は、データ受信装置の出力スケール(イメージ解像度など)を含む通信制御信号と対応する設定値を算出し、該通信制御信号と対応する設定値を適用し、心電図データのような生体信号を変換することができる。このとき、該通信制御信号は、心電図データの通信設定と係わる情報を含んでもよく、該心電図データと係わり、所定区間別に異なる通信設定を適用する情報を含んでもよい。該通信制御信号と対応する設定値を適用する区間は、該通信制御信号によって指定された心電図データのような生体信号の一部でもある。該通信制御信号は、データ受信装置や外部の電子装置で入力されたユーザ入力による出力スケール値(イメージ解像度値)またはユーザ入力によって指定された区間を含んでもよい。ここで、該設定値は、心電図データのような生体信号のデータ解像度を含んでもよい。該データ解像度は、データの正確度、敏感度と係わるものであり、高解像度データは、正確度、敏感度が高く、容量が大きいデータであり、低解像度データは、正確度、敏感度が低く、容量が小さいデータでもある。該データ解像度は、心電図データの区間別に個別的にも決定される。さらに高い敏感度を必要とする区間と、さらに低い敏感度を必要とする区間とにつき、異なるデータ解像度が適用されうる。
【0065】
他の実施形態において、該通信制御信号は、生体関連パラメータを含んでもよい。データ変換部213は、該生体関連パラメータを利用し、データ区間を指定し、指定されたデータ区間を、通信制御信号に含まれた設定値を適用して変換することができる。このとき、該生体関連パラメータを基に指定されたデータ区間は、非正常的な生体信号がセンシングされた区間、心臓拍動数が非正常的である区間、非正常的なP波が検出される区間などでもある。
【0066】
さらに他の実施形態において、データ変換部213は、生体信号測定装置100及び/またはデータ受信装置200の電源部150の状態情報、生体信号測定装置100及び/またはデータ受信装置200の状態情報などを考慮し、心電図データを変換することができる。データ変換部213は、生体信号測定装置100の電源部150の残余容量が、既設定の最小容量値以下である場合、心電図データのような生体信号を、さらに小さい伝送データサイズに変換することができる。該伝送データサイズが低減することになれば、心電図データの伝送単位を基準に、1つの伝送単位の1回伝送に必要な電力は、減ることになる。例えば、データ変換部213は、生体信号測定装置100とデータ受信装置200との伝送特性、すなわち、伝送されるとき、通信プロトコル、通信プロトコルのバージョン、通信網の種類、伝送特性、伝送速度、及び生体信号測定装置100及び/またはデータ受信装置200の仕様または性能などによる時間ディレイ、ディレイが生じる環境において、心電図データの伝送データサイズを低減させたり増大させたりすることができる。
【0067】
データ変換部213は、伝送特性、電源部150の状態情報、及びデータ受信装置200の状態情報などを考慮し、心電図データを変換することができる。
【0068】
データ変換部213は、心電図データを変換せず、そのままローカルメモリに保存することができる。データ変換部213は、ローカルメモリに保存した後、遠隔装置に伝送するための変換過程を遂行することができる。
【0069】
データ変換部213は、生体信号測定装置100またはデータ受信装置200のフィードバック信号を考慮し、心電図データの伝送時間、心電図データの伝送完了時間を獲得し、心電図データの伝送時間、心電図データの伝送完了時間を比較し、伝送ディレイ情報を生成し、伝送ディレイ情報を考慮し、データ伝送によるディレイが生じるか否かということを検出することができる。該伝送時間は、生体信号測定装置100から心電図データが伝送された時点に係わる情報を含んでもよい。該伝送完了時間は、データ受信装置200で測定された心電図データが受信完了された時間に係わる情報を含んでもよい。
【0070】
該心電図データは、伝送データサイズに変換され、1以上の伝送データにも変換される。そのように、該伝送データは、1つの無線チャネルによっても伝送され、複数の無線チャネルにより、並列または直列にも伝送される。
【0071】
伝送効率を高めるために、生体信号測定装置100は、処理部210によって心電図データを変換することができ、圧縮させることができる。
【0072】
伝送制御部214は、指定された電子装置に、変換された心電図データの伝送データを伝送することができる。伝送制御部214は、データ変換部213によって処理された心電図データの伝送データのうちから選択された1以上の伝送データを伝送することができる。
【0073】
図3ないし
図5は、本発明の実施形態による生体信号測定方法のフローチャートである。
【0074】
生体信号測定装置100は、センシングされた心電図データを、外部受信装置に、所定の時間間隔で伝送することができる。
【0075】
生体信号測定装置100に処理部210が具備された場合には、生体信号測定装置100は、外部の装置との通信特性を考慮し、心電図データを変換することができる。生体信号測定装置の外部に処理部210が備えられた場合には、処理部210は、心電図データの変換方式に係わる通信制御信号を生成し、生体信号測定装置100に伝送することができる。
【0076】
S110においては、生体信号測定装置100は、心電図データをセンシングする。
【0077】
S120においては、生体信号測定装置100は、外部の電子装置との無線チャネルを設立することができる。
【0078】
S130においては、生体信号測定装置100は、外部の電子装置との無線チャネルの通信品質情報を基に、現在の伝送特性を判断することができる。生体信号測定装置100、無線チャネルの通信品質情報を介し、心電図データの伝送時、伝送ディレイが生じるか否かということ、無線チャネルの性能などの伝送特性(使用可能な無線帯域幅、RF通信品質など)を測定することができる。
【0079】
S140においては、生体信号測定装置100は、心電図データに適用される伝送特性と対応するデータ解像度を決定する。
【0080】
S150においては、生体信号測定装置100は、データ解像度により、心電図データを変換することができる。
【0081】
さらに具体的には、生体信号測定装置100は、伝送特性と対応するデータ解像度を介し、第1補正サイズまたは第1移動補正程度を指定し、第1補正サイズまたは第1移動補正程度でもって、心電図データのような生体信号をウェーブレット変換することができる。このとき、該心電図データのような生体信号は、複数の周波数成分に分解されうる。また、生体信号測定装置100は、心電図データのような生体信号を、複数のデータ区間に分解することができ、複数のデータ区間をビットスケールでそれぞれ変換することができる。該ビットスケールは、当該区間のパターンにも決定される。
【0082】
生体信号測定装置100は、伝送特性と対応するデータ解像度を介し、第1帯域幅を指定し、心電図データのような生体信号の成分のうち、指定された第1帯域幅の解像度を高くし、第1帯域幅を除外した残り第2帯域幅の解像度を低くするように、心電図データのような生体信号を変換することができる。このとき、変換方式として、ウェーブレット変換を利用することができるが、それに限定されるものではなく、多様な方法でもって変換することができる。このとき、心電図データのような生体信号は、帯域幅を基準に、複数の周波数成分に分解されうる。また、生体信号測定装置100は、心電図データのような生体信号を、複数のデータ区間に分解することができ、複数のデータ区間をビットスケールでそれぞれ変換することができる。該ビットスケールは、当該区間のパターンにも決定される。
【0083】
生体信号測定装置100は、データ解像度を適用して変換する前、心電図データのような生体信号を、周波数成分、データサイズ、時間間隔などを基準に、複数のデータ区間に分解することができる。
【0084】
図4に図示されているように、S210において、生体信号測定装置100は、心電図データのような生体信号をセンシングする。
【0085】
S220においては、生体信号測定装置100は、外部の電子装置との無線チャネルを設立することができる。
【0086】
S230においては、生体信号測定装置100は、外部の電子装置との無線チャネルを介して通信制御信号を受信することができる。
【0087】
S240においては、生体信号測定装置100は、外部の電子装置からの通信制御信号により、心電図データのような生体信号を変換することができる。
【0088】
生体信号測定装置100は、データ受信装置の出力スケール(イメージ解像度など)を含む通信制御信号と対応する設定値を算出し、通信制御信号と対応する設定値を適用し、心電図データのような生体信号を変換することができる。このとき、該通信制御信号と対応する設定値を適用する区間は、通信制御信号によって指定された心電図データのような生体信号の一部でもある。該通信制御信号は、外部の電子装置で入力されたユーザ入力による出力スケール値(イメージ解像度値)またはユーザ入力によって指定された区間を含んでもよい。
【0089】
他の実施形態において、該通信制御信号は、生体関連パラメータを含んでもよい。生体信号測定装置100は、該生体関連パラメータを利用し、データ区間を指定し、指定されたデータ区間を、通信制御信号に含まれた設定値を適用し、変換することができる。このとき、該生体関連パラメータを基に指定されたデータ区間は、非正常的な生体信号がセンシングされた区間、心臓拍動数が非正常的である区間、非正常的なP波が検出される区間などでもある。
【0090】
図5に図示されているように、S310においては、生体信号測定装置100は、心電図データのような生体信号をセンシングする。
【0091】
S315においては、生体信号測定装置100は、外部の電子装置との無線チャネルを設立し、心電図データを伝送する。
【0092】
S320においては、生体信号測定装置100は、外部の電子装置から、通信関連情報を含むフィードバック信号を受信することができる。該フィードバック信号は、通信速度、通信品質のような通信関連情報を含んでもよい。
【0093】
S330においては、生体信号測定装置100は、伝送ディレイが検出される場合であるか否かということを検出する。S340においては、生体信号測定装置100は、伝送ディレイに対応するデータ解像度を決定し、心電図データをデータ解像度によって変換することができる。生体信号測定装置100は、心電図データが変換されて生成された複数の伝送データを、外部の電子装置に伝送することができる(S350)。
【0094】
伝送ディレイが検出されていない場合、生体信号測定装置100は、心電図データを外部の電子装置に、無線チャネルを介して伝送することができる(S355)。
【0095】
図6は、外部の電子装置から受信される通信制御信号に対する処理過程を表現する図面である。
【0096】
外部の電子装置においては、生体信号測定装置100から受信された生体信号が、S1のように出力される。S1に対し、TI区間を拡大するユーザ入力(S61)が入力されうる。ユーザ入力(S61)が入力されれば、ユーザ入力と対応する通信制御信号(S62)が生体信号測定装置100に伝達される。ここで、該通信制御信号を生じさせるユーザ入力は、心電図データのような生体信号の出力スケール(サイズ変更)を変更させるか、あるいは心電図データのような生体信号の全部または一部の移動補正を遂行することができる。
【0097】
生体信号測定装置100は、通信制御信号(S62)と対応し、TIに対応する区間のデータ解像度を高くし(data2)、残り区間のデータ解像度を低くし(data1、data3)、データを生成し、データ受信装置200に伝送することができる。
【0098】
図7及び
図8は、本発明の実施形態による生体信号測定装置100と受信装置200とのデータ送受信動作について説明するための図面である。
【0099】
生体信号測定装置100は、人体に付着され、多数の電極により、1チャネル以上の心電図データを測定することができる。生体信号測定装置100は、外部電極によって測定された1チャネル以上の心電図測定データを入力され、心電図測定チャネル数の拡張が可能である。生体信号測定装置100は、既設定周期に合わせて測定された心電図を、既設定のn個単位(伝送データ)で、受信装置200に伝達することができる。データ受信装置200は、生体信号測定装置100に、心電図データの測定、伝送などと係わる制御信号を伝送することもできるということは、言うまでもない。
【0100】
生体信号測定装置100は、通信環境のデータ解像度を基に、心電図データのような生体信号を変換し、データ受信装置200に伝送することができる。
【0101】
生体信号測定装置100は、電源部の状態情報、データ受信装置の状態情報などを考慮し、データ解像度を決定することができ、決定されたデータ解像度を適用し、心電図データを変換することができる。データ受信装置200は、生体信号測定装置100から、心電図データを受信する。データ受信装置200は、出力スケールの変更、移動補正のようなユーザ入力が入力されれば、ユーザ入力に対応する通信制御信号を生成し、生体信号測定装置100に伝送することができる。
【0102】
データ受信装置200は、受信された心電図データを復元するモジュールを含んでもよい。データ受信装置200は、生体信号測定装置100との通信距離の延長、データ受信装置200の仕様、及び通信性能低下、生体信号測定装置100の通信性能低下などにより、心電図データの一部を受信され、受信された一部の心電図データから、心電図データを復元することができる。データ受信装置200は、心電図データの伝送データが受信された(受信完了した)時間情報を含む1以上のパケットを、生体信号測定装置100に伝送することができる。受信された時間情報は、データ受信装置200のタイマによっても測定される。生体信号測定装置100は、データ受信装置200から受信された時間情報を基に、伝送ディレイ位を判断することができる。
【0103】
データ受信装置200は、携帯電話(mobile phone)、スマートフォン、ノート型パソコン(laptop computer)、デジタル放送用端末機、PDA(personal digital assistant)、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーション、MP3プレーや、電動歯ブラシ、電子タグ、照明装置、リモートコントローラ、浮き、ウェアラブル装置などの小型電子機器などにも使用されるが、それらに限られるものはなく、1以上のプロセッサを有するコンピュータ装置、分散コンピュータ装置、サーバ装置なども含まれる。データ受信装置200は、ディスプレイを含む電子装置として図示されているが、出力装置を含まないコンピュータ装置でもある。
【0104】
データ受信装置200は、複数の生体信号測定装置100から、心電図データを受信されるようにも具現される。データ受信装置200は、1以上のプロセッサ及びメモリのみを含むようにも具現される。データ受信装置200の動作は、具備されたメモリに保存されたプログラムを実行させることによっても実行される。
【0105】
図8に図示されているように、データ受信装置200は、生体信号測定装置100から受信された心電図データを復元し、復元された心電図データを、心電図管理サーバ300に伝送することができる。以上においては、説明の便宜上、心電図データの復元過程を、データ受信装置200で処理するようにされているが、心電図管理サーバ300で処理することができる。また、生体信号測定装置100から、心電図データを、心電図管理サーバ300に即座に送信し、心電図管理サーバ300で処理することができるということは、言うまでもない。
【0106】
心電図管理サーバ300は、データ受信装置200からの心電図データを、対象体と連繋させて管理することができる。心電図管理サーバ300は、各対象体の心電図データを、各対象体のアカウントと係わって保存することができる。
【0107】
他の実施形態において、生体信号測定装置100は、中継器(図示せず)を経て、データ受信装置200と通信することができる。
【0108】
図9は、心電図データの変換過程について説明する図面である。
【0109】
生体信号測定装置100は、心電図データ(A0)を、1024Hzを基準に、a1及びd1に変換することができる。生体信号測定装置100は、所望伝送データサイズになるまで変換されたデータ単位に、ウェーブレット変換を行うことができる。そのような過程を介し、心電図データの一部分であるa1はa2、d2に変換され、a2は、a3及びd3にも変換されることになる。
【0110】
そのような変換過程を経ることになれば、心電図データは、さらに小さいデータにも分節される。
【0111】
図10は、心電図データが保存される位置による心電図データの処理過程について説明する図面である。
【0112】
生体信号測定装置100は、心電図データをウェーブレット変換処理する。生体信号測定装置100は、内部メモリには、変換されていない心電図データの生体信号を保存し(a1及びd1)、a1及びd1、a2及びd2、a3及びd3のうち一つを、外部の受信装置に伝送することができる。
【0113】
以上で説明された装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、並びに/またはハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組み合わせによっても具現される。例えば、本実施形態で説明された装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令(instruction)を実行して応答することができる他のあらゆる装置のように、1以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用しても具現される。処理部は、オペレーションシステム、及び前記オペレーションシステム上で遂行される1以上のソフトウェアアプリケーションを遂行することができる。また、該処理部は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスしたり、データを保存・操作・処理及び生成したりすることもできる。理解の便宜のために、該処理部は、一つが使用されるようにも説明されているが、当該技術分野の当業者であるならば、該処理部が、複数個の処理要素(processing element)、及び/または複数類型の処理要素を含んでもよいということを知ることができるであろう。例えば、該処理部は、複数個のプロセッサ、または1つのプロセッサ、及び1つのコントローラを含んでもよい。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような他の処理構成(processing configuration)も可能である。
【0114】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはそれらのうち1以上の組み合わせを含んでもよく、所望のままに動作するように処理部を構成したり、独立的または結合的に(collectively)処理部に命令を与えたりすることができる。ソフトウェア及び/またはデータは、処理部によって解釈されるか、あるいは処理部に命令またはデータを提供するために、ある類型の機械、構成要素(component)、物理的装置、仮想装置(virtual equipment)、コンピュータ記録媒体または装置、あるいは伝送される信号波(signal wave)に、永久または一時的に具体化(embody)されもする。該ソフトウェアは、ネットワークに連結されたコンピュータシステム上に分散され、分散された方法によって保存されたり実行されたりもする。該ソフトウェア及び該データは、1以上のコンピュータで読み取り可能記録媒体にも保存される。
【0115】
本実施形態による方法は、多様なコンピュータ手段を介して遂行されうるプログラム命令形態に具現され、コンピュータで読み取り可能媒体にも記録される。前記コンピュータで読み取り可能媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを、単独または組み合わせて含んでもよい。前記媒体に記録されるプログラム命令は、本実施形態のために特別に設計されて構成されたものでもあり、コンピュータソフトウェア当業者に公知されて使用可能なものでもある。コンピュータで読み取り可能記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピィーディスク及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media);CD-ROM(compact disc read only memory)、DVD(digital versatile disc)のような光記録媒体(optical media);フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気・光媒体(magneto-optical media);及びROM、RAM、フラッシュメモリのようなプログラム命令を保存して遂行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。該プログラム命令の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけではなく、インタープリタなどを使用し、コンピュータによって実行されうる高級言語コードを含む。前述のハードウェア装置は、本実施形態の動作を遂行するために、1以上のソフトウェアモジュールとして作動するようにも構成されるが、その逆も同様である。
【0116】
以上のように、本実施形態は、たとえ限定された実施形態と図面とによって説明されたにしても、当該技術分野の当業者であるならば、前述の記載から、多様な修正及び変形が可能であろう。例えば、説明された技術が、説明された方法と異なる順序に遂行され、かつ/または説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法と異なる形態に結合されたり組み合わせされたりするか、あるいは他の構成要素または均等物によって代置されたり置き換えられたりしても、適切な結果が達成される。
【0117】
従って、他の具現、他の実施形態、及び特許請求の範囲と均等なところも、特許請求の範囲の範囲に属する。
【符号の説明】
【0118】
100 生体信号測定装置
110,211 プロセッサ
120 センシング部
130 通信部
140 メモリ
150 電源部
200 データ受信装置
210 処理部
212 データ受信部
213 データ変換部
214 伝送制御部