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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】前掛け眼鏡および装着部材
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/08 20060101AFI20230313BHJP
   G02C 9/04 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
G02C7/08
G02C9/04
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021511066
(86)(22)【出願日】2019-04-05
(86)【国際出願番号】 JP2019015193
(87)【国際公開番号】W WO2020202566
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】504449273
【氏名又は名称】株式会社サンレーコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】宗像 芳一
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第01/084220(WO,A1)
【文献】英国特許出願公告第00726650(GB,A)
【文献】米国特許第05017001(US,A)
【文献】特開2005-156644(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0242212(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0130675(US,A1)
【文献】特開2017-021265(JP,A)
【文献】特開昭61-203422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 7/08
G02C 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の主光透過部と、前記一対の主光透過部を繋ぐブリッジとを有する眼鏡に対して、着脱自在である前掛け眼鏡であって、
各々が、光を透過する光透過部材を有する一対の副光透過部と、
前記眼鏡の前記ブリッジに係合する第1係合部と、
前記眼鏡の前記一対の主光透過部に、それぞれ、係合する一対の第2係合部と、
前記一対の副光透過部に、それぞれ、連結される一対の連結部と、
前記第1係合部と前記一対の第2係合部とを結合する一対の結合部と
を備え、
前記一対の結合部のうちの一方の結合部は、前記第1係合部の両端部のうちの一方の端部と、前記一対の第2係合部のうちの一方の第2係合部における先端部の反対側とを結合し、
前記一対の連結部のうちの一方の連結部は、前記一方の第2係合部における前記先端部の前記反対側から、前記一対の副光透過部のうちの一方の副光透過部に延びており、
前記一対の結合部のうちの他方の結合部は、前記第1係合部の前記両端部のうちの他方の端部と、前記一対の第2係合部のうちの他方の第2係合部における先端部の反対側とを結合し、
前記一対の連結部のうちの他方の連結部は、前記他方の第2係合部における前記先端部の前記反対側から、前記一対の副光透過部のうちの他方の副光透過部に延びている、前掛け眼鏡。
【請求項2】
前記一対の結合部は、弾性を有する、請求項1に記載の前掛け眼鏡。
【請求項3】
前記第1係合部と、前記一対の第2係合部と、前記一対の連結部と、前記一対の結合部とは、単一の部材である装着部材を構成する、請求項1または請求項2に記載の前掛け眼鏡。
【請求項4】
前記装着部材は、線状部材によって構成されている、請求項3に記載の前掛け眼鏡。
【請求項5】
前記第1係合部は、前記一対の副光透過部の間において、前記一対の副光透過部の裏面側に位置し、
前記第1係合部は、前記一対の副光透過部の間の空間に向かって突出する凸部を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の前掛け眼鏡。
【請求項6】
前記第1係合部は、前記一対の第2係合部に対して反対側に向かって凸状に曲がっている鉤部を有し、
前記鉤部は、前記一対の第2係合部の側に向かって開放されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の前掛け眼鏡。
【請求項7】
前記一対の第2係合部は、それぞれ、前記一対の副光透過部の側に曲がっている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の前掛け眼鏡。
【請求項8】
前記一対の副光透過部にそれぞれ固定される一対の連結体をさらに備え、
前記一対の連結体は、前記一対の連結部をそれぞれ着脱自在に前記一対の副光透過部に連結する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の前掛け眼鏡。
【請求項9】
眼鏡に対して着脱自在である前掛け眼鏡であって、
各々が、光を透過する光透過部材を有する一対の光透過部と、
前記一対の光透過部の間に位置している鉤状の第1鉤体と、
前記一対の光透過部に対応して配置される鉤状の一対の第2鉤体と、
前記一対の光透過部に、それぞれ、連結される一対の連結部と、
前記第1鉤体と前記一対の第2鉤体とを結合する一対の結合部と
を備え、
前記一対の結合部のうちの一方の結合部は、前記第1鉤体の両端部のうちの一方の端部と、前記一対の第2鉤体のうちの一方の第2鉤体における先端部の反対側とを結合し、
前記一対の連結部のうちの一方の連結部は、前記一方の第2鉤体における前記先端部の前記反対側から、前記一対の光透過部のうちの一方の光透過部に延びており、
前記一対の結合部のうちの他方の結合部は、前記第1鉤体の前記両端部のうちの他方の端部と、前記一対の第2鉤体のうちの他方の第2鉤体における先端部の反対側とを結合し、
前記一対の連結部のうちの他方の連結部は、前記他方の第2鉤体における前記先端部の前記反対側から、前記一対の光透過部の他方の光透過部に延びている、前掛け眼鏡。
【請求項10】
眼鏡に対して前掛け眼鏡を着脱自在に装着する装着部材であって、
前記前掛け眼鏡の一対の光透過部の間に位置している鉤状の第1鉤体と、
前記一対の光透過部に対応して配置される鉤状の一対の第2鉤体と、
前記一対の光透過部に、それぞれ、連結される一対の連結部と、
前記第1鉤体と前記一対の第2鉤体とを結合する一対の結合部と
を備え、
前記一対の結合部のうちの一方の結合部は、前記第1鉤体の両端部のうちの一方の端部と、前記一対の第2鉤体のうちの一方の第2鉤体における先端部の反対側とを結合し、
前記一対の連結部のうちの一方の連結部は、前記一方の第2鉤体における前記先端部の前記反対側から、前記一対の光透過部のうちの一方の光透過部に延び、
前記一対の結合部のうちの他方の結合部は、前記第1鉤体の前記両端部のうちの他方の端部と、前記一対の第2鉤体のうちの他方の第2鉤体における先端部の反対側とを結合し、
前記一対の連結部のうちの他方の連結部は、前記他方の第2鉤体における前記先端部の前記反対側から、前記一対の光透過部の他方の光透過部に延びる、装着部材。
【請求項11】
前記一対の連結体のうちの一方の連結体は、前記一方の連結部の先端部を収容して前記先端部を保持し、
前記一対の連結体のうちの他方の連結体は、前記他方の連結部の先端部を収容して前記先端部を保持する、請求項8に記載の前掛け眼鏡。
【請求項12】
前記一対の連結体の各々は、筒状である、請求項11に記載の前掛け眼鏡。
【請求項13】
前記一対の第2係合部の各々は、曲げられた線状部材によって構成され、
前記一対の第2係合部の各々の前記反対側は、曲げられた前記線状部材の両端を含み、
前記一方の第2係合部を構成する前記線状部材の前記両端のうちの一方端は、前記一方の結合部と繋がり、
前記一方の第2係合部を構成する前記線状部材の前記両端のうちの他方端は、前記一方の連結部と繋がり、
前記他方の第2係合部を構成する前記線状部材の前記両端のうちの一方端は、前記他方の結合部と繋がり、
前記他方の第2係合部を構成する前記線状部材の前記両端のうちの他方端は、前記他方の連結部と繋がる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の前掛け眼鏡。
【請求項14】
前記一方の連結部の両端のうちの一方端が、前記一方の第2係合部を構成する前記線状部材の前記他方端と繋がり、
前記一方の連結部の前記両端のうちの他方端を含む端部が、前記一方の副光透過部に連結され、
前記他方の連結部の両端のうちの一方端が、前記他方の第2係合部を構成する前記線状部材の前記他方端と繋がり、
前記他方の連結部の前記両端のうちの他方端を含む端部が、前記他方の副光透過部に連結される、請求項13に記載の前掛け眼鏡。
【請求項15】
前記一方の連結部は、前記一方の結合部に対して間隔をあけて配置されており、
前記他方の連結部は、前記他方の結合部に対して間隔をあけて配置されている、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の前掛け眼鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡に対して着脱自在である前掛け眼鏡および装着部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された着脱式補助グラス(前掛け眼鏡)は、眼鏡の前面に装着される。着脱式補助グラスは、ガラス製の一対のグラス(以下、「グラスGL」と記載する。)と、樹脂製のブリッジ(以下、「ブリッジBR」と記載する。)と、一対の羽根と、一対の金属片と、突片と、金属製の一対の係止バネと、ヒンジとを備える。一対のグラスGLはブリッジBRによって連結される。一対の羽根は、ブリッジBRの両端から左右上方に円弧状に延びる。一対の羽根には、それぞれ、一対の金属片が取り付けられる。一対の金属片は、それぞれ、一対のグラスGLにビス止めされる。
【0003】
突片は、ブリッジBRから下方に延びる。突片は、眼鏡のブリッジに係止する。一対の係止バネは、ブリッジBRから下方に向けて末広がりになっている。一対の係止バネのフックは、それぞれ、眼鏡の一対のレンズに引っ掛けられる。一対の係止バネは、ブリッジBRに設けたヒンジによって支持され、一対のグラスGLに向けてバネによって付勢されている。
【0004】
特許文献1に記載された着脱式補助グラスでは、突片および一対の係止バネを設け、加えて、一対の係止バネを一対のグラスGLに向けてバネによって付勢することで、眼鏡を安定して保持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-156644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された着脱式補助グラスでは、一対の係止バネを一対のグラスGLに向けて付勢するために、ヒンジおよびバネが必要である。その結果、着脱式補助グラスの構成が複雑になる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡素な構成によって、眼鏡を安定して保持できる前掛け眼鏡および装着部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面によれば、前掛け眼鏡は、一対の主光透過部と、前記一対の主光透過部を繋ぐブリッジとを有する眼鏡に対して、着脱自在である。前掛け眼鏡は、一対の副光透過部と、第1係合部と、一対の第2係合部と、一対の連結部とを備える。一対の副光透過部の各々は、光を透過する光透過部材を有する。第1係合部は、前記眼鏡の前記ブリッジに係合する。一対の第2係合部は、それぞれ、前記眼鏡の前記一対の主光透過部に係合する。一対の連結部は、それぞれ、前記一対の副光透過部に連結される。前記一対の連結部は、それぞれ、前記一対の第2係合部と繋がっている。
【0009】
本発明の前掛け眼鏡は、一対の結合部をさらに備えることが好ましい。一対の結合部は、前記第1係合部と前記一対の第2係合部とを結合することが好ましい。前記一対の結合部のうちの一方の結合部は、前記第1係合部の両端部のうちの一方の端部と、前記一対の第2係合部のうちの一方の第2係合部とを結合することが好ましい。前記一対の結合部のうちの他方の結合部は、前記第1係合部の他方の端部と、前記一対の第2係合部のうちの他方の第2係合部とを結合することが好ましい。前記一対の結合部は、弾性を有することが好ましい。
【0010】
本発明の前掛け眼鏡において、前記第1係合部と、前記一対の第2係合部と、前記一対の連結部と、前記一対の結合部とは、単一の部材である装着部材を構成することが好ましい。
【0011】
本発明の前掛け眼鏡において、前記装着部材は、線状部材によって構成されていることが好ましい。
【0012】
本発明の前掛け眼鏡において、前記第1係合部は、前記一対の副光透過部の間において、前記一対の副光透過部の裏面側に位置することが好ましい。前記第1係合部は、前記一対の副光透過部の間の空間に向かって突出する凸部を有することが好ましい。
【0013】
本発明の前掛け眼鏡において、前記第1係合部は、前記一対の第2係合部に対して反対側に向かって凸状に曲がっている鉤部を有することが好ましい。
【0014】
本発明の前掛け眼鏡において、前記一対の第2係合部は、それぞれ、前記一対の副光透過部の側に曲がっていることが好ましい。
【0015】
本発明の前掛け眼鏡において、前記一対の副光透過部にそれぞれ固定される一対の連結体をさらに備えることが好ましい。前記一対の連結体は、前記一対の連結部をそれぞれ着脱自在に前記一対の副光透過部に連結することが好ましい。
【0016】
本発明の他の局面によれば、前掛け眼鏡は、眼鏡に対して着脱自在である。前掛け眼鏡は、一対の光透過部と、鉤状の第1鉤体と、鉤状の一対の第2鉤体と、一対の連結部とを備える。一対の光透過部の各々は、光を透過する光透過部材を有する。第1鉤体は、前記一対の光透過部の間に位置している。一対の第2鉤体は、前記一対の光透過部に対応して配置される。一対の連結部は、それぞれ、前記一対の光透過部に連結される。前記一対の連結部は、それぞれ、前記一対の第2鉤体と繋がっている。
【0017】
本発明のさらに他の局面によれば、装着部材は、眼鏡に対して前掛け眼鏡を着脱自在に装着する。装着部材は、鉤状の第1鉤体と、鉤状の一対の第2鉤体と、一対の連結部とを備える。第1鉤体は、前記前掛け眼鏡の一対の光透過部の間に位置している。一対の第2鉤体は、前記一対の光透過部に対応して配置される。一対の連結部は、それぞれ、前記一対の光透過部に連結される。前記一対の連結部は、それぞれ、前記一対の第2鉤体と繋がっている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、簡素な構成によって、眼鏡を安定して保持できる前掛け眼鏡および装着部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る眼鏡装置を示す斜視図である。
図2】本実施形態に係る前掛け眼鏡が眼鏡に装着されている状態を眼鏡の裏面側から見たときの前掛け眼鏡の一部および眼鏡の一部を示す裏面図である。
図3】本実施形態に係る前掛け眼鏡の一部を前掛け眼鏡の裏面側から見た状態を示す斜視図である。
図4】本実施形態に係る前掛け眼鏡の一部を前掛け眼鏡の裏面側から見た状態を示す裏面図である。
図5】本実施形態に係る前掛け眼鏡の一部を前掛け眼鏡の表(おもて)面側から見た状態を示す表面図である。
図6】本実施形態に係る前掛け眼鏡の一部を前掛け眼鏡の上方側から見た状態を示す上面図である。
図7】本実施形態に係る前掛け眼鏡の一部を前掛け眼鏡の側方側から見た状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0021】
図1図7を参照して、本発明の実施形態に係る眼鏡装置300を説明する。まず、図1を参照して眼鏡装置300を説明する。図1は、本実施形態に係る眼鏡装置300を示す斜視図である。図1に示すように、眼鏡装置300は、前掛け眼鏡100と、眼鏡200とを備える。図1では、前掛け眼鏡100の裏面側から前掛け眼鏡100を見ており、眼鏡200の裏面側から眼鏡200を見ている。前掛け眼鏡100は、眼鏡200に対して着脱自在である。
【0022】
眼鏡200は、一対の主光透過部201と、ブリッジ203と、一対のノーズパッド205と、一対のテンプル207とを備える。
【0023】
一対の主光透過部201の各々は光を透過する。具体的には、一対の主光透過部201の各々は、光透過部材202を備える。光透過部材202は光を透過する。光透過部材202は、例えば、ガラス製または合成樹脂製である。光透過部材202は、例えば、透明である。本明細書において、「透明」は、例えば、無色透明、有色透明、または半透明である。光透過部材202は、例えば、眼鏡レンズである。眼鏡レンズは、例えば、近視用レンズ、遠視用レンズ、サングラスレンズ、または偏光レンズである。眼鏡レンズは、レンズ機能を有していてもよいし、レンズ機能を有していなくてもよい。本明細書において、レンズ機能とは、光を屈折させて、光を発散または収束させる機能のことである。
【0024】
一対の主光透過部201の各々はリム204を備えていてもよい。リム204は光透過部材202を保持する。リム204は、例えば、合成樹脂製または金属製である。
【0025】
ブリッジ203は、一対の主光透過部201を繋ぐ。ブリッジ203は、例えば、合成樹脂製または金属製である。
【0026】
一対のテンプル207は、それぞれ、装着者の頭部を挟み込む。一対のテンプル207は、それぞれ、一対の主光透過部201に回動自在に連結される。
【0027】
前掛け眼鏡100は、一対の副光透過部1と、装着部材MTとを備える。一対の副光透過部1は、「一対の光透過部」の一例に相当する。
【0028】
一対の副光透過部1の各々は光を透過する。具体的には、一対の副光透過部1の各々は、光透過部材10を備える。光透過部材10は光を透過する。光透過部材10は、例えば、ガラス製または合成樹脂製である。光透過部材10は、例えば、透明である。光透過部材202は、例えば、眼鏡レンズである。眼鏡レンズは、例えば、サングラスレンズ、偏光レンズ、カバーレンズ、遠視用レンズ、または近視用レンズである。カバーレンズは、眼鏡200の主光透過部201の一部または全部を覆う部材である。眼鏡レンズは、レンズ機能を有していてもよいし、レンズ機能を有していなくてもよい。なお、一対の副光透過部1の各々は、光透過部材10を保持するリムを備えていてもよい。
【0029】
装着部材MTは一対の副光透過部1を繋ぐ。装着部材MTは、眼鏡200に対して前掛け眼鏡100を着脱自在に装着する。装着部材MTは、例えば、金属製、合成樹脂製、または、金属製部材と合成樹脂製部材との複合部材である。装着部材MTは、第1係合部3と、一対の第2係合部5とを備える。第1係合部3は、眼鏡200のブリッジ203に係合する。一対の第2係合部5は、一対の副光透過部1に対応して配置される。一対の第2係合部5は、それぞれ、眼鏡200の一対の主光透過部201に係合する。第1係合部3は、「第1鉤体」の一例に相当する。一対の第2係合部5は、「一対の第2鉤体」の一例に相当する。
【0030】
例えば、前掛け眼鏡100は、次の手順で眼鏡200に装着される。
【0031】
まず、手順S1において、使用者は、装着部材MTの一対の第2係合部5を、眼鏡200の一対の主光透過部201に係合させる。
【0032】
次に、手順S2において、使用者は、装着部材MTの第1係合部3を眼鏡200のブリッジ203に係合させる。その結果、前掛け眼鏡100が眼鏡200に装着される。
【0033】
装着部材MTは、一対の結合部7をさらに備えることが好ましい。一対の結合部7は、第1係合部3と一対の第2係合部5とを結合する。一対の結合部7は弾性を有する。従って、一対の結合部7は、一対の第2係合部5が互いから離れる方向に変形できるし、一対の第2係合部5が互い近づく方向に変形できる。
【0034】
この好ましい例では、例えば、前掛け眼鏡100は、次の手順で眼鏡200に装着される。
【0035】
まず、手順S1において、使用者は、装着部材MTの第1係合部3を摘まんで、一対の第2係合部5を、眼鏡200の一対の主光透過部201の内側下縁部に引っ掛ける。
【0036】
次に、手順S2において、使用者は、第1係合部3を摘まんで引き上げて、眼鏡200のブリッジ203の上方から第1係合部3をブリッジ203に引っ掛ける。
【0037】
具体的には、手順S2において、使用者が第1係合部3を摘まんで引き上げると、一対の主光透過部201にそれぞれ引掛けられた一対の第2係合部5は、互いに近づくように一対の主光透過部201の内側縁部に沿って上方に移動する。そして、使用者がブリッジ203の位置で第1係合部3を離すと、一対の第2係合部5の弾性によって、第1係合部3がブリッジ203に向かって下方に移動する。従って、一対の第2係合部5がそれぞれ一対の主光透過部201の内側縁部に引っ掛けられたまま、第1係合部3がブリッジ203に引っ掛けられる。その結果、前掛け眼鏡100が眼鏡200に装着される。
【0038】
次に、図2を参照して、前掛け眼鏡100が眼鏡200に装着された状態を説明する。図2は、前掛け眼鏡100の一部および眼鏡200の一部を示す裏面図である。図2では、前掛け眼鏡100が眼鏡200に装着されている状態を眼鏡200の裏面側から見ている。なお、図2では、図面の簡略化のため、前掛け眼鏡100の一対の副光透過部1を二点鎖線で示している。
【0039】
図2に示すように、装着部材MTの第1係合部3が、眼鏡200のブリッジ203の両端部203aで、ブリッジ203に係合している。つまり、第1係合部3が、ブリッジ203の両端部203aで、ブリッジ203に引っ掛けられている。また、装着部材MTの一対の第2係合部5が、それぞれ、眼鏡200の一対のノーズパッド205の下側において、眼鏡200の一対の主光透過部201の内側下縁部に係合している。つまり、一対の第2係合部5が、それぞれ、一対のノーズパッド205の下側において、一対の主光透過部201の内側下縁部に引っ掛けられている。
【0040】
そして、一対の結合部7の弾性によって、第1係合部3がブリッジ203を押し下げるように保持し、一対の第2係合部5が一対の主光透過部201を押し上げるように保持している。その結果、本実施形態によれば、前掛け眼鏡100が眼鏡200に安定した姿勢で装着される。つまり、前掛け眼鏡100が眼鏡200に対してずれることを抑制できる。
【0041】
例えば、前掛け眼鏡100は、次の手順で眼鏡200から外される。
【0042】
まず、手順S11において、使用者は、装着部材MTの第1係合部3を摘まんで引き上げて、眼鏡200のブリッジ203から第1係合部3を外す。使用者が第1係合部3を摘まんで引き上げるときには、一対の主光透過部201にそれぞれ引っ掛けられた一対の第2係合部5は、互いに近づくように一対の主光透過部201の内側縁部に沿って上方に移動する。
【0043】
次に、手順S12において、使用者は、装着部材MTの一対の第2係合部5を、眼鏡200の一対の主光透過部201の内側縁部から外す。その結果、前掛け眼鏡100が眼鏡200から外れる。
【0044】
次に、図3図7を参照して、前掛け眼鏡100の装着部材MTの詳細を説明する。図3は、前掛け眼鏡100の一部を前掛け眼鏡100の裏面側から見た状態を示す斜視図である。図4は、前掛け眼鏡100の一部を前掛け眼鏡100の裏面側から見た状態を示す裏面図である。図5は、前掛け眼鏡100の一部を前掛け眼鏡100の表(おもて)面側から見た状態を示す表面図である。図6は、前掛け眼鏡100の一部を前掛け眼鏡100の上方側から見た状態を示す上面図である。図7は、前掛け眼鏡100の一部を前掛け眼鏡100の側方側から見た状態を示す側面図である。なお、図4図6、および図7では、図面の簡略化のため、副光透過部1を二点鎖線で示している。
【0045】
図3に示すように、説明の便宜のために、第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3、第4方向D4、第5方向D5、および第6方向D6を定義する。
【0046】
第1方向D1は、装着部材MTの一対の第2係合部5から第1係合部3に向かう方向を示す。例えば、第1方向D1は鉛直上方向を示す。
【0047】
第2方向D2は、第1係合部3から一対の第2係合部5に向かう方向を示す。例えば、第2方向D2は鉛直下方向を示す。
【0048】
第3方向D3は、副光透過部1の裏面1bから表(おもて)面1aに向かう方向を示す。例えば、第3方向D3は、前掛け眼鏡100を装着した眼鏡200の使用者の前方向を示す。
【0049】
第4方向D4は、副光透過部1の表面1aから裏面1bに向かう方向を示す。例えば、第4方向D4は、前掛け眼鏡100を装着した眼鏡200の使用者の後方向を示す。
【0050】
第5方向D5は、一対の副光透過部1のうちの一方の副光透過部1から他方の副光透過部1に向かう方向を示す。例えば、第5方向D5は、前掛け眼鏡100を装着した眼鏡200の使用者の右方向を示す。
【0051】
第6方向D6は、一対の副光透過部1のうちの他方の副光透過部1から一方の副光透過部1に向かう方向を示す。例えば、第6方向D6は、前掛け眼鏡100を装着した眼鏡200の使用者の左方向を示す。
【0052】
図3図5に示すように、装着部材MTは、一対の副光透過部1の間に位置する。そして、装着部材MTは、一対の副光透過部1の表面1a側と裏面1b側とのうちの裏面側1bに位置する。
【0053】
装着部材MTは、一対の連結部9をさらに備える。本実施形態では、一対の連結部9の各々は線状部材によって構成される。連結部9は、第2係合部5から副光透過部1まで延びている。具体的には、連結部9は、第2係合部5から副光透過部1の裏面1bの内側縁部まで延びている。
【0054】
一対の連結部9は、それぞれ、一対の第2係合部5と繋がっている。そして、一対の連結部9は、それぞれ、一対の副光透過部1に連結される。従って、第2係合部5は連結部9を介して副光透過部1によって支持される。その結果、前掛け眼鏡100を眼鏡200(図2)に装着したときに、一対の第2係合部5によって、それぞれ、眼鏡200の一対の主光透過部201を安定して保持できる。加えて、一対の第2係合部5を一対の副光透過部1に向けて付勢する構成(例えば、ヒンジおよびバネ)が不要である。その結果、前掛け眼鏡100の構成を簡素にできる。
【0055】
すなわち、本実施形態によれば、前掛け眼鏡100は、簡素な構成によって、眼鏡200を安定して保持できる。
【0056】
特に、本実施形態では、連結部9は、第1係合部3よりも第2方向D2の側の位置、かつ、第2係合部5よりも第1方向D1の側に位置において、副光透過部1に連結される。
【0057】
また、前掛け眼鏡100は、一対の連結体11と、複数のビス13とをさらに備えることが好ましい。一対の連結体11は、それぞれ、一対の副光透過部1に固定される。具体的には、連結体11は、副光透過部1の裏面1b側の内側縁部にビス13によって固定される。図5に示すように、ビス13は、副光透過部1の表面1a側から連結体11を固定する。連結体11は、副光透過部1の内側縁部に沿って延びている。
【0058】
一対の連結体11は、一対の連結部9をそれぞれ着脱自在に一対の副光透過部1に連結する。従って、一対の連結部9を備える装着部材MTは一対の副光透過部1に対して着脱自在である。換言すれば、一対の副光透過部1は、装着部材MTに対して着脱自在である。従って、使用者は、副光透過部1を容易に交換できる。例えば、使用者は、一対の副光透過部1のうちの一方だけを交換することもできるし、双方を交換することもできる。また、使用者は、副光透過部1を、機能、サイズ、および/または、デザインの異なる副光透過部1に交換することもできる。さらに、使用者は、一対の副光透過部1を装着部材MTから取り外すことにより、一対の副光透過部1と装着部材MTとをコンパクトにして容易に収納することができる。
【0059】
具体的には、一対の連結体11は、それぞれ、一対の連結部9を着脱自在に保持する。その結果、連結部9が副光透過部1に着脱自在に連結される。特に、本実施形態では、連結体11は、略扁平な略有底筒状または略扁平な略筒状である。従って、連結部9を連結体11に挿入することによって、連結部9を連結体11に容易に保持させることができる。また、連結体11は、第1係合部3よりも第2方向D2の側の位置、かつ、第2係合部5よりも第1方向D1の側に位置において、連結部9を保持している。
【0060】
なお、一対の連結部9は、それぞれ、一対の副光透過部1に着脱不能に固定されていてもよい。例えば、連結部9は、固定具によって副光透過部1に固定されていてもよい。
【0061】
引き続き図3および図4を参照し、さらに図6および図7を参照して、装着部材MTの第1係合部3、第2係合部5、および結合部7を説明する。なお、図4図6、および図7では、図面の簡略化のため、副光透過部1を二点鎖線で示している。また、同様の理由により、図4では、連結体11を二点鎖線で示している。さらに、同様の理由により、図6および図7では、連結体11を省略している。
【0062】
図3および図4に示すように、第1係合部3は、一対の副光透過部1の間において、一対の副光透過部1の裏面1b側に位置する。本実施形態では、第1係合部3は線状部材によって構成されている。第1係合部3は略鉤状である。具体的には、第1係合部3は、ブリッジ部3aと、一対の鉤部3bとを有する。
【0063】
ブリッジ部3aは、一対の鉤部3bのうちの一方の鉤部3bと他方の鉤部3bとを結合する。本実施形態では、ブリッジ部3aは、線状部材によって構成される。
【0064】
図6に示すように、ブリッジ部3aは凸部3cを有する。凸部3cは、凸部3cの一対の端31に対して、略V字状に第3方向D3に突出している。つまり、凸部3cは、一対の副光透過部1の間の空間に向かって突出している。従って、使用者は、ブリッジ部3aに指を引っ掛け易くなる。その結果、本実施形態によれば、使用者は、前掛け眼鏡100を眼鏡200に装着するときに、ブリッジ部3aを引き上げ易くなって、ブリッジ部3aを有する第1係合部3を眼鏡200のブリッジ203(図2)に容易に係合させることができる。なお、上面視において、第1係合部3は、第4方向D4に向かって突出している。
【0065】
図3および図7に示すように、鉤部3bは略鉤状である。鉤部3bは、線状部材によって構成される。鉤部3bは、略湾曲形状または略曲折形状を有する。ここで、鉤部3bの一対の端のうち、一方の端を「端33」と記載し、他方の端を「端35」と記載する。ブリッジ部3aの一対の端の各々を「端31」と記載する。一対の鉤部3bのうちの一方の鉤部3bの端33が、ブリッジ部3aの一方の端31に繋がる。また、他方の鉤部3bの端33が、ブリッジ部3aの他方の端31に繋がる。一対の鉤部3bは、第5方向D5または第6方向D6に互いに対向する。
【0066】
鉤部3bは、副光透過部1に対して第4方向D4に向かって張り出すように曲がっている。また、鉤部3bは、第2方向D2に向かって開放されている。つまり、鉤部3bは、第2係合部5の側に向かって開放されている。さらに、鉤部3bは、第1方向D1に向かって凸状に湾曲している。つまり、鉤部3bは、一対の第2係合部5に対して反対側に向かって凸状に曲がっている。従って、本実施形態によれば、使用者は、前掛け眼鏡100を眼鏡200に装着するときに、鉤部3bを有する第1係合部3を眼鏡200のブリッジ203(図2)に容易に係合させることができる。また、眼鏡200への前掛け眼鏡100の装着時に、第1係合部3は、ブリッジ203を押し下げるようにブリッジ203を保持し易くなる。
【0067】
図3および図4に示すように、結合部7は、線状部材によって構成される。結合部7は、副光透過部1の内側縁部に沿って延びている。一対の結合部7は、第1係合部3に対して末広がりになっている。前掛け眼鏡100が眼鏡200(図2)に装着されている時は、一対の結合部7のうちの一方の結合部7は、眼鏡200の一対の主光透過部201のうちの一方の主光透過部201を第5方向D5に付勢し、他方の結合部7は、他方の主光透過部201を第6方向D6に付勢する。
【0068】
一対の結合部7は、第5方向D5または第6方向D6に互いに対向する。一対の結合部7のうちの一方の結合部7は、第1係合部3の両端部のうちの一方の端部と、一対の第2係合部5のうちの一方の第2係合部5とを結合する。一対の結合部7のうちの他方の結合部7は、第1係合部3の両端部のうちの他方の端部と、一対の第2係合部5のうちの他方の第2係合部5とを結合する。
【0069】
図3図4、および図6に示すように、第2係合部5は略鉤状である。本実施形態では、第2係合部5は略L字形状を有する。第2係合部5は、線状部材5aによって構成される。特に、本実施形態の第2係合部5では、曲げられた線状部材5aの全体で鉤形状を構成している。
【0070】
一対の第2係合部5は、第5方向D5または第6方向D6に互いに対向する。一対の第2係合部5のうち、一方の第2係合部5は、第5方向D5に曲がっており、他方の第2係合部5は、第6方向D6に曲がっている。つまり、一対の第2係合部5は、それぞれ、一対の副光透過部1の側に曲がっている。従って、本実施形態によれば、簡素な構成によって、一対の第2係合部5を、それぞれ、眼鏡200の一対の主光透過部201(図2)に容易に係合させることができる。
【0071】
また、図6に示すように、第2係合部5の先端部5xと副光透過部1とは間隔をあけて配置されている。つまり、第2係合部5の先端部5xは、副光透過部1の裏面1bに対して間隔をあけて配置されている。その結果、第2係合部5は、眼鏡200の主光透過部201の内側下縁部に容易に係合できる。
【0072】
以上、図3から図7を参照して説明したように、本実施形態によれば、第1係合部3と、一対の結合部7と、一対の第2係合部5と、一対の連結部9とは、単一の部材である装着部材MTを構成する。従って、前掛け眼鏡100の部品点数を低減できる。その結果、前掛け眼鏡100の製造コストを低減できる。
【0073】
特に、本実施形態では、装着部材MTは、線状部材によって構成されている。従って、線状部材の曲げ加工によって容易に装着部材MTを製造できる。その結果、前掛け眼鏡100の製造コストをさらに低減できる。
【0074】
ここで、図3に示すように、結合部7の両端のうち、第1方向D1の端を「端71」と記載し、第2方向D2の端を「端73」と記載する。第2係合部5の線状部材5aの両端のうち、一方の端を「端51」と記載し、他方の端を「端53」と記載する。連結部9の両端のうち、一方の端を「端91」と記載し、他方の端を「端93」と記載する。
【0075】
結合部7の端71は、第1係合部3の鉤部3bの端35と繋がっている。結合部7の端73は、第2係合部5の線状部材5aの端51と繋がっている。第2係合部5の線状部材5aの端53は、連結部9の端91と繋がっている。連結部9の端93を含む端部92は、連結体11に収容され、連結体11に保持される。その結果、連結体11を介して連結部9が副光透過部1に連結される。
【0076】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0077】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、前掛け眼鏡および装着部材を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0079】
1 副光透過部(光透過部)
3 第1係合部(第1鉤体)
3a ブリッジ部
3b 鉤部
3c 凸部
5 第2係合部(第2鉤体)
7 結合部
9 連結部
11 連結体
100 前掛け眼鏡
200 眼鏡
201 主光透過部
203 ブリッジ
MT 装着部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7