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特許7242104少なくとも2つの動作モードを有するディスプレイ用の照明装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】少なくとも2つの動作モードを有するディスプレイ用の照明装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13357 20060101AFI20230313BHJP
   G02B 30/31 20200101ALI20230313BHJP
   G02B 30/33 20200101ALI20230313BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02B30/31
G02B30/33
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022036236
(22)【出願日】2022-03-09
(65)【公開番号】P2022138154
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2022-05-25
(31)【優先権主張番号】10 2021 105 595.4
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516243364
【氏名又は名称】ジオプティカ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】SIOPTICA GMBH
【住所又は居所原語表記】Moritz-von-Rohr-Strasse 1a, 07745 Jena, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ ヘーバー
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/144451(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/121398(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0034697(KR,A)
【文献】独国特許出願公開第102014003298(DE,A1)
【文献】特開2013-205462(JP,A)
【文献】国際公開第2004/027492(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0105767(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0058127(US,A1)
【文献】国際公開第2012/144471(WO,A1)
【文献】特開2008-123925(JP,A)
【文献】特開2008-235245(JP,A)
【文献】特開2007-103062(JP,A)
【文献】特開2004-192828(JP,A)
【文献】特開平10-319242(JP,A)
【文献】特開平10-097199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02B 27/00-30/60
G02F 1/1335,1/13363
G02F 1/133,1/1333,1/1334
G02F 1/1339-1/1341,1/1347
F21S 2/00
F21V 8/00
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置(1a)を有する装置であって、動作モードB1において角度領域W1を照明し、動作モードB2において前記角度領域W1と少なくとも部分的に分離された角度領域2を照明しかつ/又は、動作モードB3において前記角度領域W1及び前記角度領域W2の両方を照明するように動作することができ、
-平面的に広がったバックライト(2)であって、を制限された前記角度領域W2内へ射するバックライト(2)と、
-観察方向から見てバックライト(2)の前に位置する、プレート形状の光ガイド(3)であって、前記光ガイドが大面積の少なくとも1つの上及び/又はその体積の内部にアウトカップリング要素(6)を有し、ックライト(2)から放出される光について、少なくとも70%透過する光ガイド(3)と、
-光ガイド(3)の縁の少なくとも一方に横向きに配置された光源(4)と、
を有し、
-アウトカップリング要素(6)が、面積あたりのその数とその広がりにおいて次のように、すなわち光ガイド(3)がその面積の少なくとも50%上で、その大面積を通る光の最大25%を10度より多く散乱させるように、選択されており、それによって少なくとも動作モードB2においてバックライト(2)から制限された前記角度領域へ放射された光は、光ガイド(3)を通過する際に、前記角度領域へ外部に散乱され、
-さらに、大面積の少なくとも1つ及び/又は光ガイド(3)の体積の内部において、アウトカップリング要素(6)の分配が次のように、すなわち光源(4)から光ガイド(3)内へ入射して、アウトカップリング要素(6)によって光ガイド(3)から分離された光が、制限された前記角度領域W1へ放射されるように、定められており、かつ光ガイド(3)から分離された光量の少なくとも50%が、バックライト(2)から離れる方向に分離され、
-最終的に、
i.動作モードB1おいて、光源(4)がオンにされ、バックライト(2)がオフにされ角度領域R1からイメージ内容Lを観察することを可能とし、
ii.動作モードB2おいて、バックライト(2)がオンにされ光源(4)はオフにされ前記角度領域R1と少なくとも部分的に分離された角度領域R2から前記イメージ内容Lとは異なるイメージ内容Rを観察することを可能とし、
iii.動作モードB3おいて光源(4)もバックライト(2)もオンにされ前記角度領域R1及び前記角度領域R2からそれぞれ前記イメージ内容L及び前記イメージ内容Rを観察することを可能とし、
観察方向から見て前記照明装置(1a)の前に配置されたディスプレイスクリーン(1)を更に有し、前記ディスプレイスクリーン(1)は、前記ディスプレイスクリーン(1)上にイメージ内容を定められたように表示するための電子制御部を含む少なくとも1つの透過性のスクリーンを有し、
前記角度領域W1内に全体として放射される光量の少なくとも半分が、前記角度領域R1内へ放射され、前記角度領域W2内に全体として放射される光量の少なくとも半分が、前記角度領域R2内へ放射される、装置。
【請求項2】
アウトカップリング要素(6)がマイクロレンズ及び/又はマイクロプリズム及び/又は回折構造及び/又はホログラム及び/又は3次元の構造要素及び/又は散乱要素からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
光ガイド(3)の体積の内部に形成されたアウトカップリング要素を有する、請求項1に記載の装置であって、アウトカップリング要素が中空室又は屈折率差として形成されており、それがマイクロレンズ、マイクロプリズム又は回折構造の外側形状を有している、ことを特徴とする装置。
【請求項4】
バックライト(2)が、
-平面的な放射器、
-選択的に、平面的な放射器内に統合され、及び/又はその前に配置された、少なくとも1つの光コリメータ、
からなる、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
動作モードB1のために、あらかじめ定められた限界角度σ、γにしたがって、光ガイド(3)から角度βで出射する、分離された光が、光ガイド(3)の表面に対して垂直に測定して、10°<γ<80°及び10°<σ<80°として、条件80°>β>γ及び/又は-80°<β<-σを満たす角度領域内の光ガイド(3)の表面の各点において、かつ2つの優先方向の少なくとも1つにおいて、光ガイド(3)の表面の点から任意の方向に最大の光密度で出射する光が有する光密度の最大80%を有する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
観察方向から見てディスプレイスクリーン(1)の前又は後ろに配置されている、平面的に広がった、セクション(7a、7b)を備えたコンポーネント(7)が、ローカルな調光によってイメージの黒-白-コントラストを改良するために、配置されており、前記セクションが入射した光をそれぞれ最小値と最大値の間で選択可能な透過度で透過する、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
ディスプレイスクリーン(1)が1つのイメージ内容のみを表示し、平面的に広がったコンポーネント(7)がローカル調光パネルとして利用される、ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の装置を車両内で使用することであって、車両運転者は、彼が角度領域(W1)又は(W2)のいずれかの外部にいる限りにおいて、この制限された角度領域(W1)又は(W2)内に示されるイメージ内容を、そのピーク輝度の最大2パーセントで知覚する、使用。
【請求項9】
照明装置(1a)を有する装置であって、動作モードB1において角度領域W1を照明し、動作モードB2において前記角度領域W1と少なくとも部分的に分離された角度領域W2を照明し、かつ/又は、動作モードB3において前記角度領域W1及び前記角度領域W2の両方を照明するように動作することができ、
-平面的に広がったバックライト(2)であって、光を前記角度領域W2とは異なる制限された角度領域W2a内へ放射するバックライト(2)と、
-観察方向から見てバックライト(2)の前に位置する、プレート形状の光ガイド(3)であって、前記光ガイドが大面積の少なくとも1つの上及び/又はその体積の内部にアウトカップリング要素(6)を有し、バックライト(2)から放出される光について、少なくとも70%透過する光ガイド(3)と、
-光ガイド(3)の縁の少なくとも一方に横向きに配置された光源(4)と、
を有し、
-アウトカップリング要素(6)が、面積あたりのその数とその広がりにおいて次のように、すなわち光ガイド(3)がその面積の少なくとも50%上で、その大面積を通る光の最大25%を10度より多く散乱させるように、選択されており、それによって少なくとも動作モードB2においてバックライト(2)から制限された前記角度領域W2a内へ放射された光は、光ガイド(3)を通過する際に、前記角度領域W2a内へ外部に散乱され、
-さらに、大面積の少なくとも1つ及び/又は光ガイド(3)の体積の内部において、アウトカップリング要素(6)の分配が次のように、すなわち光源(4)から光ガイド(3)内へ入射して、アウトカップリング要素(6)によって光ガイド(3)から分離された光が、前記角度領域W1とは異なる制限された角度領域W1a内へ放射されるように、定められており、かつ光ガイド(3)から分離された光量の少なくとも50%が、バックライト(2)から離れる方向に分離され、
-光ガイド(3)から制限された前記角度領域W1a内へ分離された光が、観察方向から見てプレート形状の光ガイド(3)の前に位置する1つ又は複数の光学的な層(5b)によって、最終的に制限された前記角度領域W1内へ放射されるように、結像され、さらに、前記1つ又は複数の光学的な層(5b)が、バックライト(2)に由来する光を、最終的に制限された前記角度領域W2内へ放射されるように、偏向し、
-最終的に、
i.動作モードB1において、光源(4)がオンにされ、バックライト(2)がオフにされて、角度領域R1からイメージ内容Lを観察することを可能とし、
ii.動作モードB2において、バックライト(2)がオンにされ、光源(4)はオフにされて、前記角度領域R1と少なくとも部分的に分離された角度領域R2から前記イメージ内容Lとは異なるイメージ内容Rを観察することを可能とし、
iii.動作モードB3において、光源(4)もバックライト(2)もオンにされて、前記角度領域R1及び前記角度領域R2からそれぞれ前記イメージ内容L及び前記イメージ内容Rを観察することを可能とし、
観察方向から見て前記照明装置(1a)の前に配置されたディスプレイスクリーン(1)を更に有し、前記ディスプレイスクリーン(1)は、前記ディスプレイスクリーン(1)上にイメージ内容を定められたように表示するための電子制御部を含む少なくとも1つの透過性のスクリーンを有し、
前記角度領域W1内に全体として放射される光量の少なくとも半分が、前記角度領域R1内へ放射され、前記角度領域W2内に全体として放射される光量の少なくとも半分が、前記角度領域R2内へ放射される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
近年、LCDにおいて視野角を広げるための大きな改革がなされている。もちろん、このディスプレイのきわめて大きい視認領域が欠点となり得る状況が、しばしば生じる。銀行データ又は他の個人的情報及びセンシティブなデータのような情報もノートブック及びタブレットPCのようなモバイル機器上で提供可能であることが多くなっている。それに応じて人々は、これらのセンシティブなデータを誰が見ることを許されるのかについてのコントロールを必要とする;それらは、自らのディスプレイ上で情報を、たとえば休暇の写真を見る場合あるいは宣伝目的のためにも、他人と分かち合うために、広い視野角で選択することができなければならない。他方で、イメージ情報を秘密裏に取り扱おうとする場合には、人は小さい視野角を必要とする。
同様な問題設定は、車両建造においても生じる:そこではドライバーは、エンジンがかかっている場合には、たとえばデジタルのエンターテインメントプログラムのようなイメージ内容によって気をそらされてはならず、しかし同乗者は走行の間もそれを楽しみたいと思う。したがってしかるべき表示モードの間で切り替えることができるディスプレイスクリーンが必要とされる。
【背景技術】
【0002】
マイクロ薄板に基づく付加箔がすでに、モバイルディスプレイ用に、その可視的なデータ保護を達成するために使用されている。もちろんこの箔は、切り替え可能ではなく、それらは常にまず手で載置して、その後また除去しなければならない。また、それらは、必要とされない時は、ディスプレイとは別に持ち歩かなければならない。この種の薄板箔を使用することの本質的な欠点は、さらに、光損失と結びついていることである。
【0003】
米国特許第6765550(B2)号明細書は、マイクロ薄板によるこの種の覗き見防止を記述している。ここでは、最大の欠点は、フィルタの機械的な除去もしくは機械的な取りつけと、保護されたモードにおける光損失である。
【0004】
米国特許出願公開第5993940(A)号明細書には、箔の使用が記述されており、その箔は、プライバシーモードを得るために、その表面上に均一に配置された小さいプリズム細片を有している。開発と形成は、きわめて煩雑である。
【0005】
国際公開第2012/033583(A1)号においては、いわゆる「クロモニック」層の間で液晶の駆動を用いて自由な視野と制限された視野の間で切り替えが行われる。その場合に光損失が生じ、かつ手間はきわめて高い。
【0006】
米国特許出願公開第2012/0235891(A1)号明細書は、ディスプレイスクリーン内のきわめて複雑なバックライトを記述している。そこでは、図1と15に示すように、複数の光ガイドが使用されるだけでなく、たとえば、後方の照明からの光を、前方の照明へのルート上で変形させる、マイクロレンズ素子40とプリズム構造50のような、他の複雑な光学素子も使用される。これは、実現が高価かつ複雑であって、同様に光損失とも結びついている。米国特許出願公開第2012/0235891(A1)号明細書の図17に示す変形例によれば、2つの光源4Rと18が、狭い照明角度を有する光を形成し、その場合に光は後方の光源18からまず、より大きい照明角度を有する光へ、複雑に変換される。この複雑な変換は、-ずっと上ですでに記録してあるように-著しく輝度を減少させるものである。
【0007】
特開第2007-155783(A)号公報によれば、計算と形成が複雑な特殊な光学表面19が利用され、その表面が後に光をそれぞれ光入射角度に応じて種々の狭い領域又は広い領域へ偏向させる。この構造は、フレネルレンズに似ている。さらに、光を望まない方向へ偏向させる、障害側面が存在する。したがって、実際に有意義な光分配が達成できるかどうかは、明らかではない。
【0008】
米国特許出願公開第2013/0308185(A1)号明細書には、段付きで形成された特殊な光ガイドが記述されており、それが、大表面上で光を、それがそれぞれどの方向で縁から照明されるか、に応じて種々の方向へ放射する。したがって透過性のイメージ再生装置、たとえばLCディスプレイと協働して、自由な視野モードと制限されたそれとの間で切り替え可能なディスプレイスクリーンを形成することができる。その場合の欠点は、左/右又は上/下のためだけの制限された視認効果は発生させることはできるが、たとえば所定の計数プロセスのために必要とされるような、左/右/上/下のために同時に発生させることができないことである。さらに、制限された視野モードにおいても、ブロックされた覗き方向から常にまだ在留光を見ることができる。
【0009】
本出願人の国際公開第2015/121398(A1)号は、2つの動作モードを有するディスプレイスクリーンを記述しており、それにおいて動作モードを切り替えるために必要な散乱粒子がしかるべき光ガイドの体積内に存在している。しかし、そこで選択されている重合体からなる散乱粒子は、通常、2つの大面積からの光が分離される欠点を有しており、それによってたとえば有用光の半分が誤った方向に、すなわちバックライトへ、放射されて、そこで構造に基づいて充分な範囲においてリサイクルできない。さらに、光ガイドの体積内へ分配された、重合体からなる散乱粒子は、場合によっては、特に濃度が高い場合に、散乱効果をもたらし、それが保護された動作モードにおける視野保護効果を減少させる。
【0010】
上述した方法と配置に共通して、通常、欠点があって、ベースディスプレイスクリーンの輝度を低下させ、かつ/又はモードの切り替えに複雑かつ高価な光学素子を必要とし、かつ/又はデュアル-ビューモードを可能とせず、かつ/又は白黒コントラストに限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許第6765550号明細書
【文献】米国特許出願公開第5993940号明細書
【文献】国際公開第2012/033583号
【文献】米国特許出願公開第2012/0235891号明細書
【文献】特開第2007-155783号公報
【文献】米国特許出願公開第2013/0308185号明細書
【文献】国際公開第2015/121398号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって本発明の課題は、あらかじめ定めることのできる角度領域からのイメージ内容の定められた観察を可能にする、照明装置及びディスプレイスクリーンを有する配置を記述することであって、その場合に選択的にイメージのできる限り高い黒-白コントラストを得ようとしている。他の選択的な目的は、照明すべきでない領域への残留光に関する照明装置に対する要請をできる限り大きい許容誤差をもって形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、本発明によれば、ディスプレイスクリーン用の照明装置によって解決され、その照明装置は、少なくとも部分的に分離された角度領域W1とW2を、それぞれ2つ個別に(B1、B2)又は2つ同時に(B3)照明するために、少なくとも2つの動作モードB1とB2及び/又は少なくとも1つの動作モードB3において動作することができ、
-平面的に広がったバックライトを有し、そのバックライトが第1の選択において、光を上述した制限された角度領域W2内へ、そして第2の選択においては光を制限された角度領域W2a内へ放射し、
-観察方向から見てバックライトの前に位置する、プレート形状の光ガイドを有し、その光ガイドが大面積の少なくとも1つの上及び/又はその体積の内部に、アウトカップリング要素を有しており、その場合に光ガイドが、バックライトから出る光のために、少なくとも70%透過性であり、
-光ガイドの縁の少なくとも一方に横向きに配置された光源を有し(光源は、たとえばLEDであっても、あるいはまた、光を分離するための構造化された光ガイドであってもよく、その光自体も光源、たとえばLEDによって照明される)、
-その場合にアウトカップリング要素が、面積あたりのその数とその広がりにおいて、光ガイドがその面積の少なくとも50%上で、その大面積を通過する光の最大25パーセント、好ましくは最大10パーセントを10°よい多く(好ましくは7°だけ、特に好ましくは5°だけ)散乱させるように、選択されており、それによって、少なくとも動作状態B2において、バックライトから制限された角度領域W2又はW2a内へ放射された光は、光ガイドを通過する際に、最大で上述した角度領域W2又はW2aのわずか外部で散乱され、
-その場合にさらに、光ガイドの大面積の少なくとも1つの上及び/又は体積の内部のアウトカップリング要素の分配は、光源から光ガイド内へ入射して、アウトカップリング要素によって光ガイドから分離された光が制限された角度領域W1a内へ放射されるように、行われ、かつその場合に光ガイドから分離された光量の少なくとも40%(好ましくは50%あるいは50%より多く)がバックライトから離れる方向に分離され、
-その場合に第1の選択において、制限された角度領域W1aは、上述した、制限された角度領域W1に相当し、かつその場合に第2の選択においては、光ガイドから制限された角度領域W1a内へ分離された光は、観察方向から見てプレート形状の光ガイドの前に位置する、1つ又は複数の光学的な層によって、最終的に制限された角度領域W1内へ放射されるように、結像及び/又は偏向され、かつその場合に第2の選択においては、さらに、1つ又は複数の光学的な層が、バックライトに由来する光を、最終的に制限された角度領域W2内へ放射されるように、偏向し、
-その場合に最終的に、
i 動作モードB1(実装されている限り)において、光源はオンにされ、バックライトはオフにされており、
ii 動作モードB2(実装されている限り)において、バックライトがオンにされて、光源はオフにされており、
iii 動作モードB3(実装されている限り)において、光源も、バックライトもオンにされている。
【0014】
角度領域というのは、ここでは一般的に、所定の光密度プロフィールが放射される、定められた空間領域を意味する。
それについてさらに記録しておくが、この発明において「分離された」というのは、2つの角度領域W1とW2のピーク輝度(すなわち最大の光密度)の方向が一致しないことである。選択的に、「分離された」という概念は、付加的に(かつ好ましくは)、一方の角度領域W1又はW2のピーク輝度の最大50%、30%、15%、10%、2%、1%又は0.5%(あるいは他の値も)が第2の角度領域W2もしくはW1内へ放射されないことを、意味することができる。言い換えると、2つの分離された角度領域W1とW2は、部分的にだけ重畳して照明される。さらに、アウトカップリング要素が面積あたりのその数とその広がりにおいて、光ガイドがその面積の少なくとも50%において、その大面積を通る光の最大25パーセント、好ましくは最大10パーセントを10度より多く(好ましくは7°だけ、特に好ましくは5°だけ)散乱させるように、選択されている、という特性は、特に、アウトカップリング要素に基づいて、たとえばプリズム状のアウトカップリング要素に基づいて、光がシステマチックに所定の角度だけ偏向されることを、意味するものではない。というのは、所定角度のこの種の偏向は、通常、プリズムラスター(”Turning Film”)によって再び補償することができるからである。むしろ、上述した定義は、実際に-通常偶然に-アウトカップリング要素によって散乱された光であり、その光は光ガイドを通過する光の半値幅の、大体において少なくとも望ましくない拡幅をもたらす。
【0015】
付加的又は代替的に、アウトカップリング要素は面積あたりのその数とその広がりにおいて、光ガイドがその面積の少なくとも50%上で、ASTMD1003(ヘイズメーターによる方法A)に基づいて測定して、18%未満、好ましくは10%未満の、平均ヘイズ値を有するように、選択することができる。
【0016】
したがって照明装置1aは、それぞれ形態に応じて以下の動作モードを提供することができる:
-選択的にB1とB2のみ、
-B3のみ
-選択的にB1、B2又はB3
【0017】
角度領域W1とW2内へ放射される光プロフィールは、水平の測定方向において、好ましくは10°から40°、特に好ましくは15°から35°の、好ましくは異なる半値幅(”Full width at half maximum”, FWHM)を有する。ここでは水平は、バックライトの下エッジに対して平行となる、参照方向として定められる。
【0018】
光ガイドは、好ましくは透明なポリマーから、好ましくは熱可塑性又は熱弾性のプラスチックから、あるいはガラスからなることができる。
【0019】
好ましくは大面積の少なくとも1つにおける及び/又は光ガイドの体積の内部における、アウトカップリング要素の分配は、分離された光が、9点測定を用いて定められる、少なくとも70%の光密度均質性を有するように定められている。
単位面積あたりの数、その形状と3次元における広がり及び光ガイドの大面積の少なくとも1つ及び/又は体積の内部におけるその分配に関する、アウトカップリング要素について要求される、本発明にとって重要な特性は、たとえばSynopsis社の「Light Tools」のような又は他の提供者の光学シミュレーションソフトウェアによって定めて、その後しかるべく物理的に変換することができる。
【0020】
典型的に、しかし必ずしもそうである必要はないが、アウトカップリング要素は100μm、好ましくは1μmと30μmの間の、最大の寸法を有している。それらは、たとえばマイクロレンズ及び/又はマイクロプリズム及び/又は回折構造及び/又はホログラム及び/又は3次元の構造要素及び/又は散乱要素からなる。
代替的に、アウトカップリング要素は光ガイドの体積内に配置することができ、その場合にアウトカップリング要素は中空室又は屈折率差として形成することができ、それらは、好ましくはマイクロレンズ、マイクロプリズム又は表面における回折構造のように作用する。そのために中空室はガス状、液状あるいは固体の材料によって充填されており、その場合に材料は、光ガイドのために使用される材料の屈折率とは異なる、好ましくはより小さい、屈折率を有している。代替的に中空室は空気なしでも、空気で満たすこともできる。
さらに、中空室がガス状、液状又は固体の材料によって充填されることが、可能であって、その場合に材料は、光ガイドのために使用される材料とは異なる、好ましくはより高い、ヘイズ値を有している。
これに関連して、さらに、光ガイドが境界面において互いに結合された、好ましくは同種の2つの基盤層から形成されており、かつ中空室が境界面の少なくとも1つの材料切り欠きとして、好ましくはマイクロレンズ、マイクロプリズム、3次元の構造又は回折構造の外側形状を有するように、形成されることが、可能である。
【0021】
アウトカップリング要素は、それが光ガイドの大面積の少なくとも1つ又は境界面に取りつけられている場合に、好ましくは機械的、リソグラフ、プリント技術又は材料塗布、材料切削、材料変換又は材料溶解により、構造化されたポリマーもしくは透明な材料-好ましくはプラスチック又はガラス-から、形成することができる。
【0022】
バックライトは、たとえば以下のものからなる:
-平面的な放射器、好ましくは側方又は背側に配置された光源を有する光ガイド(したがってそれは、いわゆる”Direct-lit Backlight Unit”でもある)。
-選択的に、平面的な放射器内に統合された、かつ/又はその前に配置された、少なくとも1つの光コリメータ。
【0023】
たとえば、バックライトは観察方向から見て後ろから前へ向かって以下のものを有する:
-平面的なリフレクター、
-平面的な放射器としての、平面的な光ガイド、
-平面的なディフューザー、
-選択的に、1つ又は2つの交差したプリズムラスター、いわゆるBEF、
-選択的に、プリズムラスター、いわゆる”Turning Film”、
-選択的に、反射するポラリゼータ、たとえば登録商標3M 登録商標DBEF
-選択的に、プライバシーフィルム(たとえば薄板フィルム)、たとえばタイプ 登録商標3M LCF又はShinEtsu VCF
【0024】
選択的にさらに、スタック内の選択可能な箇所にディフューザー(等方性又は異方性)を使用して、光学的欠陥を隠し、かつ/又は光密度分布のFWHMを最適化することができる。
一番後ろの3つの層(リフレクター、光ガイド及びディフューザー)の代わりに、”Direct-lit Backlight Unit”を使用することもできる。
【0025】
さらに、動作モードB1のために、あらかじめ定められた限界角度σ、γにしたがって、光ガイドから角度βで出射する、分離された光が、光ガイド3の表面に対して垂直に測定して、10°<γ<80°及び10°<σ<80°、好ましくはγ=σ=20°として、80°>β>γ及び又は-80度<β<-σの条件を満たす角度領域内の光ガイド3の表面の各点において、かつ2つの優先方向の少なくとも1つにおいて、光ガイド3の表面のこの種の点から最大の光密度で任意の方向に出射する光が有する光密度の最大で80%、特に好ましくは最大で50%を有すると、効果的であり得る。
【0026】
好ましくは、本発明は、本発明に係る、上述したような照明装置と観察方向から見てその前に配置されているディスプレイスクリーンとからなる、第1の形態における配置にさらに形成される。その場合にディスプレイスクリーンは、ディスプレイスクリーン上にイメージ内容を定められたように表示するための電子駆動を含めて、少なくとも1つの透過性のディスプレイスクリーン、好ましくはLCDパネルを有している。
さらに、ピクセル(このピクセル自体、サブピクセルから構成されている)を有するこの種のディスプレイスクリーンを使用する場合に、アウトカップリング要素の高さ、奥行き及び幅における各寸法が、ディスプレイスクリーンのサブピクセルの幅と高さからなる最小よりも小さいと、効果的であり得る。
【0027】
特に好ましくは、少なくともデュアルビューモードで動作することができ、そのモードは、2つの異なる、少なくとも部分的に分離された角度領域R1とR2から、2つの異なるイメージL、Rを同時又は時間的にシーケンシャルに観察することを許す。
【0028】
特別な形成場合について、観察方向から見てディスプレイスクリーンの前に光を分離するための手段を有する他の光ガイドが配置されており、その光ガイドは側方において他の光源から光を供給することができ、その場合に、同様に好ましくはアウトカップリング要素を有する他の光ガイドが形成されている。したがって場合によっては、すでにある残留光を側方へ溢流させることができる。
【0029】
これに関して、第1の形態の配置において、少なくとも部分的に分離された異なる角度領域R1とR2から2つの異なるイメージを同時に観察することを許す、デュアルビューモードは、ディスプレイスクリーンの前又は後ろにプリズムラスター及び/又はレンズラスター及び/又は、周期Pを有する透明-不透明パターンを備えたバリアスクリーンが配置されていることにより、かつさらに、ディスプレイスクリーン上に2つの周期的に入れ子にされたイメージ内容L、Rを表示させる場合に、入れ子にされたイメージ内容L、Rの周期PBがディスプレイスクリーン上に表示する際に、最大3パーセントの許容誤差までで前述した周期Pと一致し、イメージ内容L、Rがそれぞれ主として角度領域R1、R2から知覚でき、その場合に照明装置は動作モードB3において作動し、それぞれ好ましくは角度領域R1とW1もしくはR2とW2が著しく重なり合うことによって、実現される。
たとえば角度領域R1とW1の「著しい重なり」は、全体として角度領域W1内で放射される光量の少なくとも半分が、角度領域R1内へ放射される場合に、存在する。しかし場合によっては、前述した光量の半分より少ない、あるいは半分より多いものによる、他の定義も可能である。
この第1の形態の特別な利点は、バックライトもしくは光ガイドへの要請、すなわちそのそれぞれの角度領域W2もしくはW1の外部に放射する残留光ができるだけ少ないことが、比較的寛容に選択できることにある。それ自体すでに典型的にわずかな、大体において数パーセント、たとえば1%の、「クロストーク」、したがって領域R1とR2の間の光の漏話しかもたない、ディスプレイスクリーンとしての「デュアルビューパネル」との組合せに基づいて、すでに上で説明したように、一方の角度領域W1又はW2のピーク輝度の最大10%が、第2の角度領域W2もしくはW1内へ放射されれば、充分である。これは、たとえばここで1%とされた、ディスプレイスクリーンの「クロストーク」が、さらに(少なくとも)10のファクターだけ低下されることを、意味している。というのは、バックライト内の漏話が、最大で10%だからである。
したがってデュアルモードは「クロストーク」に関して著しく改良することができる。というのは、すでに照明装置の枠内に方向選択的な照明が存在しているからである。それにもかかわらず、本発明に係る照明装置に対する上述した要請の例、すなわち一方の角度領域W1又はW2のピーク輝度の最大10%が第2の角度領域W2又はW1内へ放射されることは、たとえば一方の角度領域のピーク輝度の最大1%以下が、それに対して相補的な角度領域内へ達することを許す、プライバシー適用におけるよりも、技術的にずっと簡単に実行される。
第1の形態の上述した配置は、さらに、第2の形態に展開することができ、それにおいて観察方向から見てディスプレイスクリーンの前又は後ろに配置された、入射する光をそれぞれ最小値と最大値の間で選択可能な透過度によって透過する多数のセクションを備えた、平面的に広がるコンポーネントが、ローカルな調光によって黒-白-コントラストを改良するために、配置されている。
入射する光をそれぞれ最小値と最大値の間で選択可能な透過度で透過させる、平面的に広がったコンポーネントのセクションは、その面積において、ディスプレイスクリーンのピクセルもしくはサブピクセルの面積にほぼ相当することができる。しかし好ましくは、セクションの面積の大きさは、ピクセルのクラスター全体の該当する大きさであるので、セクションは、ディスプレイスクリーンの中心垂線に沿って平行投影した場合に、ディスプレイスクリーンの定められた数のピクセルを覆う。それはたとえば、矩形のセクションであって、そのセクションは、前述の平行投影においてほぼ5x5、10x5、5x10、20x20、30x30、10x20、20x10、50x50、100x50又は50x100のピクセルを覆う。セクションの他の面積大きさ及び/又は面積形状も、可能である。
特に好ましくは、平面的に広がったコンポーネントのそれぞれのセクションの透過度は、それぞれディスプレイスクリーン上に表示されるイメージ内容にしたがって、特に前述したディスプレイスクリーンの電気駆動にしたがって、制御される。したがってセクションを有する、平面的に広がったコンポーネントの目的は、ローカルに調節可能な透過度に基づいて、特に、ローカル調光の考えが使用されることによって、知覚可能な黒-白-コントラストを改良することにある。
すなわち、たとえば、イメージ内容の暗い部分においては、該当するセクションが低い透過度で駆動され、イメージ内容の明るい部分においては、それに応じたセクションは高い透過度で駆動される。ローカル調光の考えについてのこれ以上の詳細は、従来技術において知られており、ここではこれ以上説明する必要はない。
平面的に広がったコンポーネントは、たとえば、定められたローカルな調光、すなわち透過度の調節、を得るために、ポラリゼータを備えた液晶パネルを有している。平面的に広がったコンポーネントのポラリゼータの1つは、たとえばディスプレイスクリーンがLCDパネルである場合に、同時にLCDパネルのポラリゼータを形成することができる。その場合に、平面的に広がったコンポーネントは、ディスプレイスクリーンの後ろに、好ましくはこのディスプレイスクリーンと共に1つのモジュールとして形成することができる。
平面的に広がったコンポーネントの他の形態は、もちろん可能であって、たとえばエレクトロクロミック、エレクトロウェッティング、電気泳動、磁気泳動又は他の技術光学的作用原理を使用する。
それぞれ形態に応じて、セクション内で得られる透過率(表面に対して垂直に白を混合した光によって測定した場合)は、通常<0.001%と50%以上との間である。
【0030】
第2の形態は、第3の形態における配置に展開することができ、それにおいて平面的に広がったコンポーネントは、リアルな選択のセクション上で、周期Pを有するバリアスクリーンの(透明-)不透明パターンを示し、それに対して相補的に選択されたセクション上では、それぞれ選択可能又は最大の透過度を実現し、かつ入れ子になったイメージ内容L、Rの周期PBは、ディスプレイスクリーン上に表示する場合に、最大3パーセントの許容誤差までで上述した周期Pと一致するので、前述のイメージ内容L、Rは、それぞれ主として異なる角度領域R1、R2から知覚することができる。
セクションの「リアルな」選択というのは、すべてのセクションが同時に選択されず、同時に、どのセクションも選択されないことがないことを、意味している。
ここでは原則的に述べておくが、イメージ内容L、Rは異なっているが、同じであってもよい。同じである場合には、異なる角度領域R1とR2内に滞在する異なる観察者が、同一のイメージ内容を見る。
ずっと上で第1の形態について、セクションの大きさについて行った説明は、ここでも意味にしたがって成立する。
バリアスクリーンの、上述した透明-不透明のパターンは、平面的に広がったコンポーネントのセクションの選択が最小の透過度に切り替わり、それに対して相補的なセクションは、選択可能な透過度を有しており、その透過度は、好ましくはすでに挙げたローカル調光機構を介して定められ、あるいは最大可能な輝度のために最大の透過に切り替えられることを、意味している。
【0031】
それぞれ周期Pを有する、プリズムラスター、レンズラスターもしくは透明-不透明パターンを有するバリアスクリーンの光学的設計は、当業者には周知であって、特に所望の角度領域R1とR2、ディスプレイスクリーンのピクセルの寸法(及び位置)、その場合に特にイメージ内容L、Rを入れ子にする場合の周期PB、交互配置される屈折率(たとえばプリズムラスターもしくはレンズラスター、LCDパネルのカバーガラスについて)及び一般的な幾何学的位置条件、を考慮して行われる。
その場合に、プリズムラスター、レンズラスターもしくはバリアスクリーンのそれぞれの周期限界(それぞれ存在しているものに応じて)が、平行投影において、ディスプレイスクリーン上のそれぞれ2つの周期的に入れ子にされたイメージ内容L、Rの周期限界と、最大300μm、好ましくは最大100μmの許容誤差までで一致すると、効果的である。
周期PとPBの間の数学的関係として、当業者に知られたパララックスバリアの条件を利用することができる。
特に重要な平均作用関係は、ここでは、コントラストを高める層、すなわち平面的に広がったコンポーネント7が、同時に光方向選択的作用、すなわち角度領域R1、R2の光学的発生についても、担当することである。
【0032】
第3の形態の配置において、ディスプレイスクリーンは他のモードを有することができ、そのモードにおいてディスプレイスクリーンはイメージ内容Lのみを表示し、その場合に平面的に広がったコンポーネントは「ローカル調光」パネルとして利用され、照明装置は動作モードB3で駆動される。したがってイメージ内容Lは、角度領域R1とR2から完全な解像度で見ることができる。
従来技術に対する第2と第3の形態の利点は、特に、平面的に広がったコンポーネントに基づいて、イメージの黒-白-コントラストの増大を提供できることにある。たとえば、平面的に広がったコンポーネントとしての、プリズムラスターとポラリゼータを備えた液晶パネルによる実現は、コスト的に好ましく実現可能である。
【0033】
さらに、第3の形態の配置において、ディスプレイスクリーンがデュアルビューモードで駆動されることが可能であって、そのモードにおいてイメージ内容Lは動的に自由に選択可能であり、他のイメージ内容Rは、選択可能であるが、静的なイメージ内容、好ましくは黒か白又は一色の面であって、その場合に照明装置は動作モードB1、B2又はB3において駆動される。その場合に角度領域R1もしくはR2内でイメージ内容Lが見えることに応じて、それぞれ他の相補的な角度領域R2もしくはR1内では、イメージ内容Lは何も見えず、あるいはほぼ何も見えない。この見えないことは、イメージ内容Rが静的なイメージ内容であり、それがイメージ内容Rの角度領域内のイメージ内容Lの残留光をできる限り弱めることによって、さらに強化される。
【0034】
さらに、配置の第2の形態は第4の形態に展開することができ、それにおいて、2つの異なる、少なくとも部分的に分離された角度領域R1とR2から時間的にシーケンシャルに2つの異なるイメージL、Rを観察することを許す、デュアルビューモードのために、少なくとも2つのクロック(T1、T2)が時間周期で次々と実行され、その場合に
-各クロックT1、T2内で、2つの互いに周期的に入れ子になったイメージ内容L、Rがディスプレイスクリーン上で再生され、かつイメージ内容L、Rの入れ子がクロックT1、T2の間で交代し、
-ディスプレイスクリーンの前又は後ろに平面的に広がったコンポーネントが、セクションのリアルな選択において、周期Pを有するバリアスクリーンの不透明なパターンを表示し、かつそれに対して相補的に選択されたセクションにおいては、それぞれ選択可能又は最大の透過度を実現し、かつその場合にクロックT1、T2の間で上のように選択されたセクションが交代し、
-入れ子になったイメージ内容L、Rの周期PBは、ディスプレイスクリーン上に表示する場合に、それぞれ前述の周期Pと最大3パーセントの許容誤差までで一致し、かつ照明装置は動作モードB3で作動し、
-それによって上述したイメージ内容L、Rは、それぞれ主として異なる角度領域R1、R2から、かつ時間平均においてディスプレイスクリーンの完全な解像度で知覚することができる。
【0035】
ここでクロックT1、T2が交代する周波数は、少なくとも60Hzであるが、好ましくはそれよりさらに高い。これは、以下で説明される、クロック制御される形態についても当てはまる。
【0036】
そして、本発明の第2の形態は、第5の形態に、特に2つの異なる、少なくとも部分的に分離された角度領域R1とR2から時間的にシーケンシャルに2つの異なるイメージL、Rを観察することを許す、デュアルビューモードのために、少なくとも2つのクロックT1、T2が時間周期で次々と実行されるように、展開することができ、その場合に、
-クロックT1においてイメージ内容Lが、クロックT2においてはイメージ内容Rがディスプレイスクリーン上で再生され(イメージ内容に対するクロックの対応づけは、普遍性を制限することなく成立し、もちろん交代することができる)
-選択的に、観察方向から見てディスプレイスクリーンの前又は後ろに配置されている、セクションを有する平面的に広がったコンポーネントは、ローカルな調光によって黒-白-コントラストを改良するために、配置されており、そのセクションは、入射した光をそれぞれ最小値と最大値の間で選択可能な透過度で透過する;
-クロックT1において照明装置は動作モードB1で、クロックT2においては、照明装置は動作モードB2で駆動される(動作モードに対するクロックのこの対応づけは、普遍性を制限することなしに成立し、もちろん交代することができる)。
-さらに好ましくは、それぞれ角度領域R1とW1もしくはR2とW2は、著しく重なり合う(これについては、著しい重なりについての、ずっと上の定義を参照)
-それによって、上述したイメージ内容L、Rは、それぞれ主として異なる角度領域R1、R2から、ディスプレイスクリーンの完全な解像度で知覚することができる。
【0037】
本発明の上述したすべての形態について、選択的に、角度領域の1つR1又はR2は、-わずか数ミリメートルの許容誤差までで-ディスプレイスクリーン1のイメージ面の面中心点を通って延び、-数度の許容誤差までで-ディスプレイスクリーン1の画像面に対して垂直であり、かつ同時に-数度の許容誤差までで、ディスプレイスクリーン1の画像面の左端縁に対して平行に方向づけされた、半平面を含むことができる。
【0038】
もちろん、すべての形態におけるすべてのイメージ内容L、Rは、静止画像及び/又は移動画像、テキスト又は他の視覚的な内容とすることができる。
【0039】
本発明は、本発明に係る配置又は本発明に係る照明装置1aを車両内で使用することも含み、その場合に車両ドライバーは、彼が角度領域R1又はR2のいずれかの外部にいる場合に、その制限される角度領域R1又はR2内で示されるイメージ内容を、そのピーク輝度の最大2パーセント、好ましくは1パーセント未満で知覚する。
車両として、ここでは一般的に、自動車、船舶、レール車両、飛行機又は宇宙車両が考えられる。
【0040】
さらに、それぞれ異なる角度領域の寸法に応じて、デュアルビューモード(デュアルビュー)を有する上述したすべての形態において、原則的に、イメージ内容L、Rとしてステレオスコープ内容を表示する場合に、眼鏡のいらない空間表示を得ることが、可能である。そのために角度領域R1とR2は、1人又は複数の観察者の両眼がそれぞれ異なるイメージ内容L、Rを見るように、互いに接近していなければならない。
【0041】
原則的に、上述したパラメータが所定の限界内で変化する場合に、本発明の性能は維持される。
なお、上述し、かつ以下でさらに説明する特徴は、記載の組合せにおいてだけでなく、他の組合せにおいて、あるいは単独でも、本発明の枠を逸脱することなしに、使用することができる。
【0042】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明し、それらの図面は発明的に重要な特徴も示している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1a】照明装置の原理を示している。
図1b】照明装置とディスプレイスクリーンとからなる配置の原理を示している。
図1c】照明装置の原理を、動作モードB2において、かつ第1の選択に基づく形態において示している。
図1d】照明装置の原理を、動作モードB1において、かつ第1の選択に基づく形態において、示している。
図1e】照明装置の原理を、動作モードB2において、かつ第2の選択に基づく形態において示している。
図1f】照明装置の原理を、動作モードB1において、かつ第2の選択に基づく形態において示している。
図1g】水平方向に測定された、2つの分離された値領域の光密度分配の原理を示している。
図2】照明装置とディスプレイスクリーンとからなる配置の他の原理を示している。
図2a】照明装置、バリアスクリーン及びディスプレイスクリーンからなる配置の第1の形態の原理を示している。
図2b】水平方向に測定された、著しく重なり合った2つの値領域の光密度分布の原理を示している。
図2c】照明装置、平面的に広がったコンポーネント及びディスプレイスクリーンからなる配置の第2の形態の原理を示している。
図3a】照明装置、平面的に広がったコンポーネント及びディスプレイスクリーンからなる配置の第3の形態の原理を示している。
図3b】動作モードB3における照明装置、平面的に広がったコンポーネント及びディスプレイスクリーンからなる配置の第3の形態の原理を示している。
図4a】照明装置、平面的に広がったコンポーネント及びディスプレイスクリーンからなる配置の第4の形態の原理を、ここではクロックT1において示している。
図4b】照明装置、平面的に広がったコンポーネント及びディスプレイスクリーンからなる配置の第4の形態の原理を、ここではクロックT2において示している。
図5】バリアスクリーンのパターンの原理を示している。
図6】2つのイメージ内容を入れ子にするための原理を示している。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図面は、縮尺に忠実ではなく、単に原理表示を表している。さらに見やすくするために、通常、それぞれ選択されたわずかな光ビームのみが示されているが、実際においては多数が存在している。
【0045】
図1aは、ディスプレイスクリーン1のための照明装置1aの一般的な原理を示しており、その照明装置は少なくとも部分的に分離された角度領域W1とW2を、それぞれ2つ別々に(B1、B2)あるいは2つ同時に(B3)照明するための少なくとも2つの動作モードB1とB2及び/又は少なくとも1つの動作モードB3において動作することができるものであって:
-平面状に広がったバックライト2を有し、そのバックライトが第1の選択において光を上述の制限された角度領域W2内へ、かつ第2の選択においては光を限定された角度領域W2内へ放射し、
-観察方向から見てバックライト2の前に位置する、プレート形状の光ガイド3を有し、その光ガイドが大面積の少なくとも1つ上及び/又はその体積の内部にアウトカップリング要素6を有し、その場合に光ガイド3がバックライト2から出る光について、少なくとも70%透過し、
-光ガイド3の縁の少なくとも1つに配置された光源4を有し(光源は、たとえばLED、あるいはまた光を分離するための構造化された光ガイドとすることができ、それ自体がまた光源、たとえばLEDによって照明される)、
-その場合にアウトカップリング要素6は、面積あたりのその数とその広がりにおいて次のように、すなわちその面積の少なくとも50%において、その大面積を通過する光の最大25パーセント、好ましくは最大10パーセントを、10度より多く(好ましくは7°だけ、特に好ましくは5°だけ)散乱させるように、選択されており、それによってバックライト(2)から少なくとも動作モードB2において制限された角度領域W2又はW2a内へ放射された光が、光ガイド3を通過する際に最大で上述した角度領域W2又はW2aのわずかに外部で散乱され、
-その場合にさらに、大面積の少なくとも1つにおける、及び/又は光ガイド3の体積の内部のアウトカップリング要素6の分配が次のように、すなわち光源4から光ガイド3内へ入射して、アウトカップリング要素6によって光ガイド3から分離された光が制限された角度領域W1a内へ放射され、かつその場合に光ガイド3から分離された光量の少なくとも40%(好ましくは50%)がバックライト2から離れる方向に分離されるように、定められており、
-その場合に第1の選択において、制限された角度領域W1aが上述した制限された角度領域W1に相当し、かつその場合に第2の選択においては、光ガイド3から制限された角度領域W1a内へ分離された光が、観察方向から見てプレート形状の光ガイド3の前に位置する1つ又は複数の光学的な層5bによって、最終的に制限された角度領域W1内へ放射されるように、結像又は偏向され、かつその場合に第2の選択においてはさらに、1つ又は複数の光学的な層5bが、バックライト2に由来する光を、最終的に制限された角度領域W2内へ照射されるように、偏向し、
-その場合に最終的に
i 動作モードB1(実装されている限り)において、光源4がオンにされ、バックライト2はオフにされており、
ii 動作モードB2(実装されている限り)において、バックライト2がオンにされ、光源4はオフにされており、
iii 動作モードB3(実装されている限り)において、光源4もバックライト2もオンにされている。
【0046】
ここでは、「角度領域」というのは一般的に、所定の光密度プロフィールが放射される、定められた空間角度を意味する。その例が、図1gに示されている:そこでは照明装置1aの、水平方向に記入された規格化された光密度プロフィールが、0°におけるピーク輝度と約24°の半値幅(”Full width at half maximum”, FWHM)を有する制限された角度領域W1と45°におけるピーク輝度及び同様に約24°のFWHM角度領域を有する制限された角度領域W2によって示されている。(ここでは水平は、バックライト2の下エッジに対して平行に位置する参照方向として定義される)。
もちろん、角度領域は垂直方向にも広がっている。そこでは角度領域は、FWHMに似た値である。
【0047】
アウトカップリング要素は、図面内で図1aと他の図面では、観察方向から見て光ガイド3の前方の表面に取りつけられている;しかしそれは、光ガイド3の後方の表面(のみ)に、あるいは光ガイドの前方と後方の表面に、及び/又は体積内に、取りつけることもできる。
【0048】
好ましくは、本発明はさらに、上述したような本発明に係る照明装置1aと観察方向から見てその前に配置されているディスプレイスクリーン1からなる、第1の形態の配置で形成される。その場合にディスプレイスクリーン1は、ディスプレイスクリーン上にイメージ内容を定められたように表示するための電子的な駆動を含めて、少なくとも1つの透過性のディスプレイスクリーン、好ましくはLCDパネルを有している。そのために図1bには、照明装置1aとディスプレイスクリーン1からなる、第1の形態の配置についての原理図が示されている。
さらに、ピクセル(これ自体サブピクセルから構成されている)を有するこの種のディスプレイスクリーン1を使用する場合に、アウトカップリング要素6の高さ、奥行き及び幅における各寸法が、ディスプレイスクリーン1のサブピクセルの幅と高さからなるミニマムより小さいと、効果的であり得る。
【0049】
ディスプレイスクリーン1のためのLCDパネルとして、原則的に、たとえばタイプFFS、IPS、VA又はTNのような各種類のあるいは又他の種類のLCDテクノロジーが考えられる。ディスプレイスクリーン1を通過する、方向づけされた光が散乱によってできる限り扇状に広がらず、あるいは広がってもわずかであるようにするために、ディスプレイスクリーン1ができる限り小さい体積散乱を有していると、制限された角度領域及びデュアル視認モードも支援される。「わずか」というのは、たとえば、-わずかなヘイズ散乱値に基づいて-面法線からたとえば水平に40°の相対角度において、バックライトがピーク光密度の方向に(たとえば0°の水平角度で)放射する光密度の最大1%が散乱によって付加されることである。言い換えると:LCDパネルの望ましくない散乱は、少なくとも水平方向において、できる限り小さくなければならない。
LCDパネルのカラーサブピクセル大きさは、典型的に数十マイクロメートルのわずかな領域内にある。しかし本発明は、それとはまったく結びついていない。
【0050】
LCDパネル及びバックライトのための電子的駆動は、従来技術において一般的に知られており、ここではこれ以上説明する必要はない。
【0051】
バックライト2は、たとえば以下のものからなる:
-平面的な放射器、好ましくは側方又は後ろ側に配置された、ここには記入されていない、光源を有する光ガイド3(平面的な放射器は、いわゆるdirect -lit Backlight Unit”であってもよい)、及び
-選択的に、平面的な放射器内に統合されている、かつ/又はその前に配置されている光コリメータ、たとえばプリズムラスター。
【0052】
たとえば、-図1bに示されるように-バックライト1aは、観察方向から見て後ろから前へ向かって以下のものを有する:
-平面的なリフレクター、
-アウトカップリング要素6を有する平面的な光ガイド3と側方に配置された光源4、
-平面的なディフューザー
-選択的に、1つ又は2つの交差するプリズムラスター。いわゆるBEF
-選択的に、プリズムラスター5b、いわゆる”Turning Film”
-選択的に、たとえば登録商標3M 登録商標DBEFの反射するポラリゼータ
-選択的に、プライバシーフィルム、たとえば登録商標3M LCF又はShinEtsuVCF。
選択的に、さらに付加的に、スタック内の選択可能な箇所に、ディフューザー5a(等方性、異方性)を使用して、光学的欠陥を隠し、かつ/又は光密度分布のFWHMを最適化することができる。
後方の光ガイドの代わりに、LEDマトリクスを使用することもできる。ここでは、光学的な層において種々の修正が行われなければならないが、それは当業者に熟知されている。
【0053】
照明装置1aは、それぞれ形態に応じて以下の動作モードを提供することができる:
-選択的にB1とB2のみ、
-B3のみ、
-選択的にB1、B2又はB3
【0054】
光ガイド3は、好ましくは透明なポリマーから、好ましくは熱可塑性又は熱弾性的なプラスチックから、あるいはガラスからなることができる。
【0055】
好ましくは、大面積の少なくとも1つの上、及び/又は光ガイド3の体積の内部のアウトカップリング要素6の分配は、分離された光が光ガイド3の面積の少なくとも70%上で、少なくとも70%の光密度均一性に達するように、定められている。
アウトカップリング要素のための、その単位面積あたりの数、その形状及び3つの次元における広がりと大面積の少なくとも1つ又は光ガイドの体積の内部における分布に関して要請される、本発明にとって重要な特性は、たとえばSynopsis社の「Light Tools」又は他の提供者の光学シミュレーションソフトウェアによって定めて、その後しかるべく物理的に変換することができる。
【0056】
典型的に、しかし必ずしもそうである必要はないが、アウトカップリング要素6は100μm、好ましくは1μmと30μmの間の最大寸法を有している。アウトカップリング要素は、たとえばマイクロレンズ及び/又はマイクロプリズム及び/又は回折構造及び/又はホログラム及び/又は3次元の構造要素及び/又は散乱要素からなる。
【0057】
さらに、動作モードB1のために、あらかじめ定められた限界角度σ、γにしたがって、光ガイド3から角度βで出射する、分離された光が、光ガイド3の表面に対して垂直に測定して、10°<γ<80°及び10°<σ<80°、好ましくはγ=σ=20°として、80°>β>γ及び又は-80度<β<-σの条件を満たす角度領域内の光ガイド3の表面の各点において、かつ2つの優先方向の少なくとも1つにおいて、光ガイド3の表面のこの種の点から最大の光密度で任意の方向に出射する光が有する光密度の最大で80%、特に好ましくは最大で50%を有すると、効果的であり得る。
【0058】
さらに図1cは、動作モードB2における照明装置1aの原理図を、そして図1dは動作モードB1における照明装置1aの原理図を、それぞれ第1の選択に基づく形態において示している。
その場合にそれぞれ:
-第1の選択において光を前述した制限された角度領域W2へ放射する(動作モードB2、図1cを参照)、平面状に広がったバックライト2、
-その場合にさらに大面積の少なくとも1つにおける、及び/又は光ガイド3の体積内の、アウトカップリング要素6の分配が次のように、すなわち光源4から光ガイド3内へ入射し、かつ光ガイド3からアウトカップリング要素6によって分離された光が制限された角度領域W1a内へ放射され(動作モードB1、図1dを参照)、かつその場合に光ガイド3から分離された光量の少なくとも40%(好ましくは50%)がバックライト2から離れる方向に分離されるように、定められており、
-その場合に第1の選択において、制限された角度領域W1aが前述の制限された角度領域W1に相当し、
-その場合に最終的に
i 動作モードB1(図1dを参照)(実装されている限り)において、光源4がオンにされて、バックライト2はオフにされており、
ii 動作モードB2(図1cを参照)(実装されている限り)において、バックライト2がオンにされ、光源4はオフにされており、
iii 動作モードB3(図には示されない)(実装されている限り)において、光源4もバックライト2もオンにされている。
【0059】
いくつかの図面において、角度領域W1a、W1、W2a、W2は、しばしば矢印だけで示されている。これらは、ピーク輝度の広がり方向(図面平面への投影)を示すものである。しかし実際においては、矢印状の角度領域ではなく、むしろ、上でそのFWHMに関して記述したように、制限されて線形に広がった領域である。
【0060】
特に光ガイド3は、光を直接W2aもしくはW2の方向へ分離することができ、たとえばプリズムラスター2aが設けられることはない。
【0061】
それに対して図1eは、動作モードB2における照明装置の原理図を示しており、図1fは動作モードB1における原理図を示し、両者はそれぞれ第2の選択に基づいて形成されている。
【0062】
その場合に、
-平面形状に広がったバックライト2は、第2の選択において光を制限された角度領域W2a(図1eを参照)内へ放射し、
-大面積の少なくとも1つにおける、及び/又は光ガイド3の体積内部のアウトカップリング要素6の分配は次のように、すなわち光源4から光ガイド3内へ入射して、アウトカップリング要素6によって光ガイド3から分離された光が、制限された角度領域W1a内へ放射され、かつその場合に光ガイド3から分離された光量の少なくとも40%(好ましくは50%)が、バックライト2から離れる方向に分離されるように、行われ、
-第2の選択において、光ガイド3から制限された角度領域W1a内へ分離された光は、観察方向から見てプレート形状の光ガイド3の前に位置する1つ又は複数の光学層5b(たとえばプリズムラスター、特に”Turning Film”)によって次のように、すなわち最終的に制限された角度領域W1(図1fを参照)内へ放射され、かつ第2の選択において、さらに、1つ又は複数の光学的層5bが、バックライト2に由来する光を偏向させて、最終的に制限された角度領域(図1eを参照)内へ放射されるように、結像され、及び/又は偏向され、
-その場合に、最終的に
i.動作モードB1(図1fを参照)(実装されている限り)において、光源4がオンにされて、バックライト2はオフにされておおり、
ii.動作モードB2(図1eを参照)(実装されている限り)において、バックライト2がオンにされ、光源4はオフにされており、
iii.動作モードB3(図面には示されない)(実装されている限り)において、光源4もバックライトも、オンにされている。
【0063】
照明装置1a内で使用されるのが、第1の選択か第2の選択かに関係なく、図2は、上述したような、照明装置1aとディスプレイスクリーン1を有する配置を示している。
ここでは付加的に、さらにそれぞれ制限された値領域W1、W2、R1及びR2が記入されている。ここで注意すべきことは、これらの値領域が光ガイド3、バックライト2もしくはディスプレイスクリーン1の表面の各点において類似又は同種と見なされることである。さらに角度形状は、ここでは単に、それぞれの角度領域内で、たとえばピーク輝度の10%におけるカットオフ又はFWHMにおいて、図面平面へ投影された光のメイン広がり領域を示している。
角度領域W1とR1及び角度領域W2とR2の、著しい重なりが見られる。
【0064】
特に好ましくは、上述した配置においてディスプレイスクリーン1は少なくともデュアルビューモードで動作することができ、それが、2つの異なる、少なくとも部分的に分離された角度領域R1とR2から2つの異なるイメージL、Rを同時又は時間的にシーケンシャルに観察することを、許す。これに関して図2aは、照明装置1a、バリアスクリーンB及びディスプレイスクリーン1からなる、第1の形態における配置の原理図を示している。その場合に第1の形態の配置において、少なくとも部分的に分離された異なる角度領域R1とR2から、異なるイメージを同時に観察することを許す、デュアルビューモードは次のことによって、すなわちディスプレイスクリーン1の前又は後ろに、透明-不透明のパターンを有するバリアスクリーンBが周期Pで配置され、かつさらにディスプレイスクリーン1上に2つの互いに周期的に入れ子になったイメージ内容L、Rを表示する場合、その場合にディスプレイスクリーン1上に表示する際に入れ子になったイメージ内容L、Rの周期PBが最大3パーセントの許容誤差までで上述した周期Pと一致し、イメージ内容L、Rがそれぞれ主として角度領域R1、R2から知覚することができ、その場合に照明装置が動作モードB3において作動し、かつそれぞれ好ましくは角度領域R1とW1もしくはR2とW2が著しく重なることによって、実現される。
それについて図5は、バリアスクリーンの形態について(あるいは後述する、平面的なコンポーネント7のための透明-不透明のパターンの形態について)の原理図を示している。周期Pが明らかである。原則的に、ここに示される比1:1とは異なる、たとえば1:2、1:3、1:4、1:5又はそれより高い、不透明対透明のデューティーサイクルも考えられる。
図6は、2つのイメージ内容を入れ子にするための簡単な原理を、上面図で示している。その場合に表示内の各ボックスは、それぞれ形態に応じて、フルカラーピクセル、カラーサブピクセル又は同時に複数のカラーサブピクセル又はフルカラーピクセルに相当する。文字LとRは、それぞれのイメージ情報の起源を示している:イメージ内容L又はRのどちらか。
周期Pを有するバリアスクリーンBの代わりに、プリズムラスター及び/又はレンズラスター及び/又は他の適切な方向選択的光学素子、たとえばホログラムも、考えることができる。
たとえば角度領域R1とW1の「著しい重なり」は、角度領域W1内で全体として放射される光量の少なくとも半分が、角度領域R1内へ放射される場合に、存在する。しかし、場合によっては上述した光量の半分より少ない、又は半分より多いことによる、他の定義も可能である。それについて図2bは、水平方向に測定して、2つの著しく重なり合った角度領域の光密度分布の原理図を示している。ここでは、本発明に係る照明装置1aと組み合わせてデュアル-ビューパネルを使用する利点も見られる。障害のないデュアル-ビュー表示のために重要な、約-20から-30度もしくは+20から+30度の値領域内で、照明装置が改良されたチャネル分離をもたらす。というのは、損失までディスプレイスクリーン1と照明装置1aの透過値が乗算されるからである。
【0065】
配置のこの第1の形態の特別な利点は、バックライト2もしくは光ガイド2に対する要請、すなわちそのそれぞれの値領域W2もしくはW1の外部にできるだけ少ない残留光を放射することを、比較的寛容に選択できることにある:それ自体すでに、典型的にわずかな、大体において数パーセント、たとえば1%のクロストーク、したがって領域R1とR2の間の光の漏話しかもたない、ディスプレイスクリーン1としての「デュアル-ビューパネル」との組合せに基づいて、-ずっと上で説明したように-第1の角度領域W1又はW2のピーク輝度の最大10%が、第2の角度領域W2又はW1内へ放射されれば、充分である。これは、ここでは、たとえば1%にセットされた、ディスプレイスクリーン1の「クロストーク」が、さらに(少なくとも)10ファクターだけ低下されることを、意味する。というのは、照明装置内のクロストークが、最大で10%だからである。
したがってデュアルモードは「クロストーク」に関して、著しく改良することができる。というのはすでに、照明装置の枠内で方向選択的な照明が存在するからである。それにもかかわらず、本発明に係る照明装置1aに対して例として挙げた要請、すなわち値領域W1又はW2のピーク輝度の最大10%が、第2の値量器W2もしくはW1内へ放射されることは、たとえば、値領域のピーク輝度の最大1%あるいはそれ以下が、それに対して相補的な値領域内へ達することが許される、たとえばプライバシー適用よりも、技術的にずっと簡単に実行される。
【0066】
第1の形態の上述した配置は、さらに、図2cに原理図として示されるように、第2の形態に展開され、それにおいて観察方向にディスプレイスクリーン1の前又は後ろに配置されている、平面的に広がった、多数のセクション7aと7bを有するコンポーネント7が、ローカルな調光によって黒-白-コントラストを改良するために、配置されており、それらのコンポーネントはその上へ入射する光を、それぞれ最小値と最大値の間で選択可能な透過度をもって透過する。
入射する光をそれぞれ最小値と最大値の間で選択可能な透過度をもって透過する、平面的に広がったコンポーネントのセクション7a、7bは、その面積において、ディスプレイスクリーン1のピクセルもしくはサブピクセルの面積にほぼ相当することができる。しかし好ましくは、セクションの面積の大きさは、ピクセルのクラスター全体のしかるべき大きさであるので、ディスプレイスクリーン1の中心垂線に沿って平行に投影する場合に、セクションは、ディスプレイスクリーン1の定められた数のピクセルを覆う。たとえば、それは矩形のセクションであって、そのセクションは、上述したように平行投影する場合に、たとえば5x5、10x5、5x10、20x20、30x30、10x20、20x10、50x50、100x50又は50x100ピクセルを覆う。セクションの他の面積大きさ及び/又は面積形状も、可能である。
特に好ましくは、平面的に広がったコンポーネントのそれぞれのセクションの透過度は、それぞれディスプレイスクリーン1上に示されるイメージ内容にしたがって、特にディスプレイスクリーン1の上述した電気的駆動によって、制御される。したがってセクションを有する、平面的に広がったコンポーネントの目的は、ローカルに調節可能な透過度に基づいて、特に、ローカル調光コンセプトが使用されることにより、イメージの選択可能な黒-白-コントラストを改良することにある。
【0067】
すなわち、たとえば、イメージ内容の暗い部分においては、低い透過度を有するしかるべきセクション7a、7bを駆動することができ、イメージ内容の明るい部分においては、高い透過度を有するしかるべきセクションを駆動することができる。ローカルな調光のための適切な考えは、従来技術において多様に記述されており(たとえば文献WO2021/015710A1、TW201503095A又はKR20120063940A)、したがってここではこれ以上詳細については述べない。
【0068】
平面的に広がったコンポーネントは、たとえば定められたローカルな調光、すなわち透過度の調節、を得るために、ポラリゼータを備えた液晶パネルを有することができる。平面的に広がったコンポーネントのポラリゼータの1つは、たとえばLCDパネルがディスプレイスクリーン1である場合に、同時にLCDパネルのポラリゼータを形成する。その場合に平面的に広がったコンポーネントは、ディスプレイスクリーン1の後ろに、好ましくはディスプレイスクリーンと1つのモジュールとして形成することができる。
平面的に広がったコンポーネントの他の形態は、もちろん可能であって、たとえばエレクトロクロミック、エレクトロウェッティング、電気泳動、磁気泳動又は他の技術光学的作用原理を使用する。
それぞれ形態に応じて、セクション内で得られる透過率(表面に対して垂直に白を混合した光によって測定した場合)は、通常<0.001%と50%以上との間である。
【0069】
さらに図3aは、照明装置、平面的に広がったコンポーネント及びディスプレイスクリーンからなる、第3の形態における配置についての原理図を示している。それを得るために、第3の形態内に配置するための第2の形態が示されており、それにおいてリアルに選択されたセクション7b上の平面的に広がったコンポーネント7が周期Pを有するバリアスクリーンの(透明)-不透明のパターンを示し、それに対して相補的に選択されたコンポーネント7a上では、それぞれ選択可能又は最大の透過度が実現され、かつディスプレイスクリーン1上に表示する場合に入れ子になったイメージ内容L、Rの周期PBが最大3パーセントの許容誤差までで上述した周期Pと一致するので、前述したイメージ内容L、Rがそれぞれ主として異なる角度領域R1、R2から知覚できる。
「リアル」に選択されたセクション、というのは、同時にすべてのセクションが選択されず、かつ同時に、選択されないセクションもないことである。
ここではある程度、平面的に広がったコンポーネント7が、先行する形態変形例に基づくバリアスクリーンBの代わりをしている。
ここで原則的に指摘しておくが、イメージ内容LとRは異なっているが、同じでもよい。同じである場合には、異なる角度領域R1とR2内に滞在する異なる観察者が、等しいイメージ内容を見る。
ずっと上で第1の形態について行ったセクションの大きさについての説明は、ここでも意味に基づいて有効である。
【0070】
上述したバリアスクリーンの透明-不透明パターンは、セクション7bの選択が、最小の透過度へ切り替わり、それに対して相補的な、平面的に広がったコンポーネントのセクション7aは、選択可能な透明度を有しており、その透明度は好ましくはすでに挙げたローカル調光機構を介して定められ、あるいは又最大可能な輝度のために最大の透過度へ切り替わることを、意味している。
【0071】
それぞれ周期Pを有する、プリズムラスター、レンズラスター、透明-不透明パターンを有するバリアスクリーンの光学的設計は、当業者には周知のことであって、特に所望の角度領域R1とR2、ディスプレイスクリーンのピクセルの寸法(及び位置)、その場合に特にイメージ内容L、Rを入れ子にする場合の周期PB,周期P、伴う屈折率(たとえばプリズムラスター、レンズラスター、LCDパネルのカバーガラスについて)及び一般的な幾何学的位置条件を考慮して、行われる。
その場合に、プリズムラスター、レンズラスターもしくはバリアスクリーンのそれぞれの周期限界(それぞれ存在しているものに応じて)が、平行投影する場合にディスプレイスクリーン1上のそれぞれ2つの互いに対して周期的に入れ子にされたイメージ内容L、Rの周期限界と、それぞれ最大300μm、好ましくは最大100μmの許容誤差までで、一致すると、効果的である。
周期PとPBの間の数学的関係として、当業者に知られた、パララックスバリアの条件を利用することができる。
特に重要な平均作用関係は、ここでは、コントラストを高める層、すなわち平面的に広がったコンポーネント7が、同時に光方向選択的作用、すなわち角度領域R1、R2の光学的形成についても、担当することである。
【0072】
図3bは、動作モードB3における照明装置、平面的に広がったコンポーネント及びディスプレイスクリーンからなる、第3の形態における配置についての原理図を示している。第3の形態の配置において、ディスプレイスクリーン1は他のモードを有しており、そのモードにおいてディスプレイスクリーンはイメージ内容Lのみを示し、その場合に平面的に広がったコンポーネント7は、「ローカル調光」パネルとして利用され、かつ照明装置1aは動作モードB3において駆動される。したがってイメージ内容Lは、角度領域R1とR2から完全な解像度で見ることができる。従来技術に対する第2と第3の形態の利点は、特に、平面的に広がったコンポーネント7に基づいて、黒-白-コントラストで強化されたイメージ表示を提供できることにある。たとえばプリズムラスターと、平面的に広がったコンポーネントとしての、ポラリゼータを備えた液晶パネルによる実行は、コスト的に好ましく実現可能でる。
【0073】
さらに、第3の形態の配置においては、ディスプレイスクリーンがデュアルビューモードにおいて駆動され、それにおいてイメージ内容Lは動的に自由に選択可能であり、他のイメージ内容Rは、選択可能であるが、静的なイメージ内容、好ましくは黒又は白あるいは一色の面であって、その場合に照明装置1aは動作モードB1、B2又はB3で駆動されることが、可能である。その場合には角度領域R1もしくはR2内でイメージ内容Lが見られることに応じて、それぞれ他の、相補的な値領域R2もしくはR1内では、イメージ内容Lは何も、あるいはほぼ何も、見えない。
【0074】
この見えないということは、イメージ内容Rが静的なイメージ内容であり、それが、イメージ内容Rの角度領域内のイメージ内容Lの残留光をできる限り弱めることによって、さらに強化される。
したがって言い換えると:デュアルビュー表示の場合には、付加的にさらに、本来は同乗者のために示される、車両ドライバーとっても残留光として見えるようにすることができる、イメージ内容Rを、車両ドライバーのための明るいイメージ内容Lによって打ち消すオプションが存在する。明るいイメージ内容Lとして、たとえば明るい静的なイメージ(たとえばグレイまたはブルーの面)が挙げられる。この打ち消しに基づいて、車両ドライバーが実際には、彼のために設けられていないイメージ内容Rを何も知覚しないことを、保証することができる。したがって同乗者用に考えられたイメージ内容Rによりドライバーが視覚的に妨げられることは、各場合において回避される。
【0075】
さらに図4aは、照明装置、平面的に広がったコンポーネント及びディスプレイスクリーンからなる、第4の形態における配置についての原理図を、ここではクロックT1において示し、図4bは第4の形態における同じ配置を、クロックT2において示している。配置の第2の形態を、第4の形態として展開して、それにおいて、2つの異なる、少なくとも部分的に分離された角度領域R1とR2から2つの異なるイメージL、Rを時間的にシーケンシャルに観察することを許す、デュアルビューモードのために、少なくとも2つのクロック(T1、T2)が時間周期で相前後して実現され、
-各クロックT1、T2において、2つの互いに周期的に入れ子にされたイメージ内容L、Rがディスプレイスクリーン1上に再生されて、イメージ内容L、Rの入れ子がクロックT1、T2の間で交代し、
-ディスプレイスクリーン1の前又は後ろで平面的に広がったコンポーネント7が、セクション7aのリアルの選択において、バリアスクリーンの不透明なパターンを周期Pで示し、それに対して相補的に選択されたセクション7aにおいては、それぞれ選択可能又は最大の透過度が実現されて、その場合にクロックT1、T2の間で上述したセクション7a、7bの選択が交代し、
-入れ子になったイメージ内容L、Rの周期PBが、ディスプレイスクリーン1上に表示する場合に、それぞれ最大3パーセントの許容誤差までで上述した周期Pと一致し、かつ照明装置は動作モードB3において作動し、
-それによって上述したがイメージ内容L、Rは、それぞれ主として異なる角度領域R1、R2から、かつ時間平均においてディスプレイスクリーン1の完全な解像度で認識することができる。
【0076】
この第4の形態の利点は、特に、平均して完全解像の表示も、高い白-黒-コントラストも、得られることにある。さらに、上ですでに説明したように、残留光の抑圧に関して照明装置に高すぎる要請が課されることはない。
【0077】
クロックT1とT2が交代する周波数は、少なくとも60Hzであるが、好ましくはさらに高い。これは、以下で説明するクロック制御される形態についても、当てはまる。
【0078】
そして、第2の形態を、図面には示されない第5の形態に、特に、デュアルのビューモードのために、少なくとも2つのクロックT1、T2が時間周期で相前後して実現されるように、さらに形成することができ、その場合に
-クロックT1においてはイメージ内容Lが、そしてクロックT2においてはイメージ内容Rがディスプレイスクリーン1上に表示される(イメージ内容に対するクロックのこの対応づけは、普遍性を制限することなく成立し、かつもちろん交代することもできる。)。
-選択的に、観察方向から見てディスプレイスクリーン1の前又は後ろに配置されている、平面的に広がった、セクション7aを有するコンポーネント7(そのセクションは、入射する光をそれぞれ最大値と最小値の間で選択可能な透過度で透過する)が、ローカルな調光によって白-黒-コントラストを改良するために、配置されている。
-クロックT1においては、照明装置2は動作モードB1において、そしてクロックT2において照明装置2は動作モードB2で駆動される(動作モードに対するクロックのこの対応づけは、普遍性を制限することなしに成立し、もちろん交代することもできる)。
-さらに好ましくは、それぞれ角度領域R1とW1もしくはR2とW2が著しく重なり合っており(これについては、著しい重なりについての、ずっと上の定義を参照)、
-それによって、上述したイメージ内容L、Rは、それぞれ主として異なる角度領域R1、R2から、ディスプレイスクリーン1の完全な解像度で知覚することができる。
【0079】
本発明の上述したすべての形態について、選択的に、角度領域R1又はR2の1つは、-わずか数ミリメートルの許容誤差までで-ディスプレイスクリーン1のイメージ面の面中心点を通って延び、-数度の許容誤差までで-ディスプレイスクリーン1の画像面に対して垂直であり、かつ同時に-数度の許容誤差までで、ディスプレイスクリーン1の画像面の左端縁に対して平行に方向づけされた、半平面を含むことができる。
【0080】
もちろん、すべての形態におけるすべてのイメージ内容L、Rは、静止画像及び/又は移動画像、テキスト又は他の視覚的な内容とすることができる。
【0081】
本発明は、本発明に係る配置又は本発明に係る照明装置1aを車両内で使用することも含み、その場合に車両ドライバーは、彼が角度領域R1又はR2のいずれかの外部にいる場合に、その制限される角度領域R1又はR2内で示されるイメージ内容を、そのピーク輝度の最大2パーセント、好ましくは1パーセント未満で知覚する。
車両として、ここでは一般的に、自動車、船舶、レール車両、飛行機又は宇宙車両が考えられる。
【0082】
すべての形態について、平面的に広がったコンポーネント7は、黒-白-コントラストを高めるために、ローカル調光の考えを実現することを許すもので、バックライトをローカルに調光可能に形成する必要はない。これは、従来技術に対する他の利点である。
【0083】
上述した光学素子が設定された課題を解決する:
あらかじめ定めることのできる角度領域からのイメージ内容の定められた観察を可能にする、照明装置及びディスプレイスクリーンを有する配置が記述されており、その場合に選択的にイメージのできる限り高い黒-白-コントラストが得られる。他の選択的な目的、すなわち照明すべきでない領域内の残留光に関する照明装置への要請を、できる限り大きい許容誤差をもって形成することは、同様に達成されている。
【0084】
上述した発明は、好ましくは、たとえばPIN入力する場合、あるいは金銭自動機又は支払い端末においてデータを表示するため、あるいはパスワード入力のため、あるいはモバイル機器上でEメールや内密の文書を読む場合のような、秘密のデータが表示及び/又は入力されるところではどこでも、適用することができる。本発明は、-上で説明したように-車両、特に自動車内でも、適用することができる。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図2
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6