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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】内視鏡の副送水口金用コネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/12 20060101AFI20230313BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20230313BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
A61B1/12 520
A61B1/00 716
G02B23/24 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022123353
(22)【出願日】2022-08-02
【審査請求日】2022-11-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521082134
【氏名又は名称】ORTメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 幸司
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-180130(JP,A)
【文献】特開2004-113687(JP,A)
【文献】特開2002-191553(JP,A)
【文献】特開2001-061773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送水装置に設置されたチューブユニットを、自身の外周面にフランジ部を有する、内視鏡の副送水口金に接続する際に用いられる副送水口金用コネクタであって、
合成樹脂からなる筒形状のコネクタ本体を有し、
前記副送水口金は、金属材料からなり、
前記フランジ部は、前記副送水口金の先端部に向けて縮径されたテーパ状であり、
前記コネクタ本体の中心軸線方向における一端側の端面の外径は、前記フランジ部の先端面の外径よりも大きく設定され、
前記コネクタ本体は、前記コネクタ本体の中心軸線方向における一端側で、前記副送水口金に接続されるとともに、前記コネクタ本体を前記副送水口金に接続したとき、前記コネクタ本体の中心軸線方向における一端側端面のうち、前記コネクタ本体の内部空間に連なる周縁部を前記フランジ部の先端面に圧接させた状態で保持される
ことを特徴とする副送水口金用コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の副送水口金用コネクタにおいて、
前記コネクタ本体は、
前記コネクタ本体の中心軸線方向における他端側に設けられて、前記チューブユニットからの液体が流入する第1空間と、
前記コネクタ本体の中心軸線方向における一端側に設けられて、前記第1空間に流入する液体を前記コネクタ本体が接続された前記副送水口金の内部に送り出す第2空間と、
前記第1空間と、第2空間との間に配置され、前記コネクタ本体の中心軸線方向に直交する断面積が前記第1空間及び前記第2空間よりも小さい第3空間と、
を有し、
前記第2空間の内径は、前記副送水口金の前記フランジ部の先端面の外径よりも小さく設定されており、
前記コネクタ本体の外径は、前記副送水口金の前記フランジ部の先端面の外径よりも大きく設定されている
ことを特徴とする副送水口金用コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載の副送水口金用コネクタにおいて、
前記副送水口金は、当該副送水口金の先端部の外周面に雄ねじ部を有し、
前記コネクタ本体は、前記第2空間の内周面に、前記副送水口金に設けた前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有し、
前記コネクタ本体は、前記雄ねじ部と雌ねじ部とを螺合した状態で前記副送水口金に締め付け固定される
ことを特徴とする副送水口金用コネクタ。
【請求項4】
請求項2に記載の副送水口金用コネクタにおいて、
前記コネクタ本体は、当該コネクタ本体の中心軸線方向における両端部のうち、前記副送水口金に接続される一端部とは反対側の他端部に、前記チューブユニットの一端に固定された逆止弁を接続する
ことを特徴とする副送水口金用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に設けた副送水口金に接続される内視鏡の副送水口金用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、内視鏡を用いた検査や手術が普及している。このような内視鏡では、患者の体腔に挿入する挿入部の先端面に、送気口や送水口の他、鉗子チャンネルを用いた処置具の利用と並行して患者の体腔内の対象部位の洗浄を行うための副送水口が設けられている。例えば、副送水口を有する内視鏡では、挿入部の先端に設けたノズルに設けた副送水口と、光源装置に接続される接続部に設けた口金(副送水口金)とを連通するチャンネル(副送水チャンネル)が設けられている(例えば特許文献1参照)。接続部に設けた副送水口金は、ステンレスなどの金属材料からなる部材で、例えば、副送水口金と同一の材質で形成されたコネクタ(以下、金属製のコネクタとも称する場合がある)が接続されて、送水装置に接続された副送水チューブユニットからの生理食塩水が金属製のコネクタを介して副送水チャンネルに送水される。
【0003】
ところで、上述した金属性のコネクタは、中心軸線方向における一端が副送水口金に挿入されるとともに、当該中心軸線方向における他端に副送水チューブユニットが接続される筒状部材と、当該筒状部材が挿通された状態で副送水口金に締付け固定される固定部材とを有している。この金属製のコネクタを副送水口金に接続すると、筒状部材の一端部に設けたテーパ面が、副送水口金の内周面に圧接される。これにより、金属製のコネクタと副送水口金との間の漏水が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-057637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、検査や手術に使用した内視鏡は、感染対策の一環として、洗浄された後、滅菌処理されている。また、金属製のコネクタは、検査や手術の準備の際に、内視鏡の副送水口金に取り付けられ、検査や手術が行われた後、内視鏡の副送水口金から取り外される。金属製のコネクタを内視鏡の副送水口金に着脱する行為を繰り返し行うことで、固定部材や副送水口金が摩耗し、固定部材の副送水口金への締付けが悪くなる。その結果、筒状部材の一端部に設けたテーパ面と、副送水口金の内周面に設けたテーパ面との圧接状態が悪化し、副送水口金とコネクタとの間で漏水が発生する。この場合、金属製のコネクタを修理又は交換する必要があるが、金属製のコネクタは修理や交換にコストがかかる。したがって、副送水口金への接続時に副送水口金との間の漏水の発生を防止することができる、安価なコネクタに対する要望がある。
【0006】
本発明は、上記に記載した課題を解決するために発明されたものであり、副送水口金への接続時に副送水口金との間の漏水の発生を防止する安価なコネクタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に記載した課題を解決するために、本発明の内視鏡の副送水口金用コネクタは、送水装置に設置されたチューブユニットを、自身の外周面にフランジ部を有する、内視鏡の副送水口金に接続する際に用いられる副送水口金用コネクタであって、合成樹脂からなる筒形状のコネクタ本体を有し、前記コネクタ本体は、当該コネクタ本体の中心軸線方向における一端側で、前記内視鏡の副送水口金に接続されるとともに、前記コネクタ本体を前記内視鏡の副送水口金に接続したとき、前記コネクタ本体の中心軸線方向における一端側における端面が、前記フランジ部の端面に圧接された状態で保持されることを特徴とする。
【0008】
また、前記コネクタ本体は、前記コネクタ本体の中心軸線方向における他端側に設けられて、前記チューブユニットからの液体が流入する第1空間と、前記コネクタ本体の中心軸線方向における一端側に設けられて、前記第1空間に流入する液体を前記コネクタ本体が接続された前記副送水口金の内部に送り出す第2空間と、前記第1空間と、第2空間との間に配置され、前記コネクタ本体の中心軸線方向に直交する断面積が前記第1空間及び前記第2空間よりも小さい第3空間と、を有し、前記第2空間の内径は、前記副送水口金のフランジ部の端面の外径よりも小さく設定されており、前記コネクタ本体の外径は、前記副送水口金のフランジ部の端面の外径よりも大きく設定されていることが好ましい。
【0009】
また、前記副送水口金は、当該副送水口金の先端部の外周面に雄ねじ部を有し、前記コネクタ本体は、前記第2空間の内周面に、前記副送水口金に設けた前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有し、前記コネクタ本体は、前記雄ねじ部と雌ねじ部とを螺合した状態で前記副送水口金に締め付け固定されることが好ましい。
【0010】
また、前記コネクタ本体は、コネクタ本体の中心軸線方向における両端部のうち、前記副送水口金に接続される一端部とは反対側の他端部に、前記チューブユニットの一端に固定された逆止弁を接続することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、副送水口金への接続時に副送水口金との間の漏水の発生を防止する安価なコネクタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施の形態における内視鏡システムの一構成を示す図である。
図2図2は、内視鏡挿入部に設けたノズル先端の構成を示す図である。
図3図3は、内視鏡の接続部に設けた副送水口金に、副送水口金用コネクタを取り付ける前の状態を示す図である。
図4図4は、内視鏡の接続部に設けた副送水口金と副送水口金用コネクタとの断面図である。
図5図5は、内視鏡の接続部に設けた副送水口金に接続した副送水口金用コネクタに逆止弁を接続した状態を示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態について図面を用いて説明する。図1に示すように、内視鏡システム10は、内視鏡21、送水装置22、送水タンク23、及びポンプチューブユニット24などを含む。ポンプチューブユニット24は、請求項に記載のチューブユニットに相当する。
【0014】
内視鏡21は、操作ハンドル31、内視鏡挿入部32、ユニバーサルチューブ33及び接続部34を含む。操作ハンドル31は、複数の操作部36、鉗子挿入部37などを備える。複数の操作部36は、例えばアンクルノブ38の他、送気/送水ボタン39、吸引ボタン40、シャッターボタン41などの各種ボタンを含む。アンクルノブ38は、内視鏡挿入部32の先端側に設けた湾曲部32aの湾曲動作を行う際に回転動作される。送気/送水ボタン39は、内視鏡挿入部32のノズル32bの先端に設けた観察口51や照明口52,53を洗浄する際に操作される。吸引ボタン40は、内視鏡挿入部32のノズル32bの先端に設けた鉗子口55を用いて体腔内の汚物(体腔内の対象部位を洗浄した液体を含む)の吸引する際に操作される。シャッターボタン41は、内視鏡挿入部32の先端内部に設けた撮像装置(不図示)を用いて体腔内の対象部位などを撮像する際に操作される。
【0015】
鉗子挿入部37は、鉗子などの処置具が挿入される。鉗子挿入部37には、内視鏡21の未使用時、鉗子栓が取り付けられる。
【0016】
内視鏡挿入部32は、図示を省略した送気チャンネル及び送水チャンネルの他、ライトガイド42、鉗子チャンネル43及び副送水チャンネル44を内部に有する。なお、ライトガイド42及び副送水チャンネル44は、内視鏡挿入部32から、ユニバーサルチューブ33を介して接続部34まで延びている。鉗子チャンネル43は、鉗子などの処置具が挿通される。図示は省略するが、鉗子チャンネル43の上端部には、ユニバーサルチューブ33及び接続部34まで延びる吸引チャンネル(不図示)が接続されている。
【0017】
ライトガイド42は、接続部34が接続された光源装置(不図示)から出射された光を内視鏡挿入部32のノズル32bの先端に設けた照明口52,53に案内する。鉗子チャンネル43は、操作ハンドル31に設けた鉗子挿入部37から挿入された鉗子などの処置具を、内視鏡挿入部32のノズル32bの先端に設けた鉗子口55に案内する。副送水チャンネル44は、後述する副送水口金62に接続されたポンプチューブユニット24からの液体を内視鏡挿入部32のノズル32bの先端に設けた副送水口56へと案内する。
【0018】
ユニバーサルチューブ33は、操作ハンドル31と接続部34とを接続する。ユニバーサルチューブ33は、ライトガイド42、副送水チャンネル44、吸引チャンネル(不図示)などを内部に有する。
【0019】
図2に示すように、内視鏡挿入部32のノズル32bの先端面は、観察口51、照明口52,53、送気/送水ノズル54、鉗子口55、副送水口56などを備える。なお、ノズル32bの構成は一例を示したに過ぎず、ノズル32bに設けられる開口の種類や位置は適宜設定することができる。
【0020】
観察口51は、内視鏡挿入部32の先端内部に設けた撮像装置の対物レンズ57を露呈する。対物レンズ57は、体腔内の対象部位の観察像を撮像装置に取り込む。照明口52,53は、ライトガイド42により導光された光を照明光として、体腔内の対象部位及び対象部位の近傍に向けて出射する。送気/送水ノズル54は、観察口51や照明口52,53に向けて空気又は液体を噴出して、観察口51や照明口52,53及びその近傍を洗浄する。鉗子口55は、鉗子挿入部37から挿入された鉗子などの処置具の先端を出し入れする。副送水口56は、送水装置22の駆動によりポンプチューブユニット24を介して、内視鏡21の副送水チャンネル44に送水される液体を噴出する。
【0021】
図1に戻って説明すると、接続部34は、光源装置(不図示)への接続を可能とする光源接続部61、ポンプチューブユニット24の接続を可能とする副送水口金62や吸引用口金(不図示)などを有する。
【0022】
図3及び図4に示すように、内視鏡21の接続部34に設けた副送水口金62は、副送水口金用コネクタ81を接続する。副送水口金用コネクタ81には、ポンプチューブユニット24の一端部を接続した逆止弁82が接続されている。以下、副送水口金用コネクタ81をコネクタ81と称して説明する。なお、コネクタ81の構成については、後述する。
【0023】
副送水口金62は、挿入部71と、フランジ部72とを有する、例えばステンレスなどの金属材料からなる筒状の部材である。挿入部71は、コネクタ81を副送水口金62に接続したときに、コネクタ81の第2流路91bに挿入される。挿入部71は、外周面に雄ねじ部74を有しており、コネクタ81を副送水口金62に接続したときに、コネクタ81の第2流路91bに面する内周面に設けられた雌ねじ部93に螺合する。
【0024】
フランジ部72は、図示を省略したキャップの取付部を副送水口金62に保持するために設けられる。フランジ部72は、副送水口金62の挿入部71側の端面72aと、当該端面72aに向けて縮径されるテーパ面72bと、を有する。なお、詳細は後述するが、フランジ部72は、コネクタ81を接続したときに、コネクタ81の端面95がフランジ部72の端面72aに圧接できればよいので、上述したテーパ面72bを有していないフランジ部としてもよい。
【0025】
ここで、フランジ部72の挿入部71側の端面72aの外径D1は、雄ねじ部74の外径D2よりも若干大きく設定される。また、端面72aの外径D1は、後述するコネクタ81の第2流路91bの内径の最小値D6よりも大きく、コネクタ81のコネクタ本体90の外径D8よりも小さい。したがって、コネクタ81を副送水口金62に接続すると、コネクタ81の一端面における第2流路91bの周縁部分が、フランジ部72の端面72aに当接された状態で保持される。ここで、雄ねじ部74の外径D2は、例えばD2=3.68mmである。また、フランジ部72の挿入部71側の端面72aの外径D1は、雄ねじ部74の外径D2に対して、例えば0.52mm程度大きく設定されている。
【0026】
また、副送水口金62は、副送水チャンネル44に連通する流路76を有しており、コネクタ81を副送水口金62に接続すると、副送水口金62の流路76と、コネクタ81の流路91とが連通される。なお、副送水口金62の流路76の内径D3は、例えばD3=0.8mmである。ここで、流路76は、請求項に記載の口金側流路に相当する。
【0027】
図1に戻って説明すると、送水装置22は、内蔵されたポンプ(不図示)の駆動により、送水タンク23に貯留される液体を内視鏡21に向けて送水する装置である。なお、送水装置22は、不図示のフットスイッチの押圧操作などにより駆動する。送水装置22が駆動したとき、ポンプチューブユニット24により送水される液体の送水量は、例えば700ml/minに設定される。
【0028】
ポンプチューブユニット24は、ポンプチューブ86と、当該ポンプチューブ86の延在方向における一端側に接続されるフィルタ付き送水チューブ87と、ポンプチューブ86の延在方向における他端側に接続される送水チューブ88と、を有する。フィルタ付き送水チューブ87は、その延在方向において、ポンプチューブ86と接続される一端部とは反対側の他端部を送水タンク23に接続している。また、送水チューブ88は、その延在方向において、ポンプチューブ86と接続される一端部とは反対側の他端部を、逆止弁82に接続している。ポンプチューブ86は、送水装置22に取り付けられており、送水装置22の駆動時に、送水タンク23に貯留される液体を、フィルタ付き送水チューブ87を介して当該ポンプチューブ86の内部に引き込むとともに、当該ポンプチューブ86の内部に引き込んだ液体を送水チューブ88に送り出す。
【0029】
ここで、ポンプチューブユニット24に用いられるポンプチューブ86の内径及び外径は、例えば内径6.6mm、外径9.7mmである。また、フィルタ付き送水チューブ及び送水チューブの内径及び外径は、例えば内径4mm、外径6.0mmである。
【0030】
逆止弁82は、ポンプチューブユニット24から送水される液体を内視鏡21の副送水チャンネル44へと流す一方で、内視鏡21の副送水チャンネル44からの液体の逆流を防止する。逆止弁82は、中心軸線(L)方向における一端部に、ルアー先82aと、ルアーロック部82bとを有している。逆止弁82は、コネクタ81に接続するときに、ルアー先82aがコネクタ81の第1流路91aに挿入されて、コネクタ81の雄ねじ部92がルアーロック部82bの内部に設けた雌ねじ部(図示省略)に螺合する。そして、逆止弁82をコネクタ81に締め付けると、ルアー先82aの外周面が、コネクタ81の第1流路91aに面する内周面98に圧接される(図5参照)。なお、逆止弁82とコネクタ81とを個別の部品としているが、逆止弁82とコネクタ81とを一体化した部品であってもよい。
【0031】
上述したように、副送水口金62には、コネクタ81が接続される。コネクタ81は、例えばポリプロピレン、ナイロン、フッ素樹脂、ABS樹脂或いはポリカーボネートなどの合成樹脂を用いた筒形状のコネクタ本体90を有する単一の部品である。
【0032】
図4に示すように、コネクタ81は、当該コネクタ81の中心軸線(L)方向における一端部を雌ねじ穴として、また、中心軸線(L)方向における他端部が雌型ルアーコネクタ部として、各々機能する。コネクタ81は、中心軸線(L)方向に沿って延びる流路91を備えている。流路91は、コネクタ81の中心軸線(L)方向における両端部のうち、雌型ルアーコネクタ部として機能する第1流路91aと、雌ねじ穴として機能する第2流路91bと、第1流路91a及び第2流路91bを連通する第3流路91cとから構成されている。ここで、第1流路91a、第2流路91b及び第3流路91cは、請求項に記載の第1空間、第2空間及び第3空間に各々相当する。なお、第2流路91bは、底面からコネクタ81の中心軸線(L)方向における一端部(端面95側)に向けて、若干拡径されている。
【0033】
これら流路91a,91b,91cのうち、第1流路91aの内径の最小値D5は、第2流路91bの内径の最小値D6に対して同一の内径、又は若干大きく設定されている。また、第3流路91cの内径D7は、第1流路91aの内径の最小値D5及び第2流路91bの内径の最小値D6よりも小さく設定されている。第1流路91aの内径の最小値D5は、例えば3.75mm、第2流路91bの内径の最小値D6は、例えば3.7mm、第3流路91cの内径D7は、例えば1.8mmである。なお、第3流路91cの内径D7は、第1流路91aの内径の最小値D5及び第2流路91bの内径の最小値D6よりも小さければよいので、第3流路91cの内径D7は、例えば0.8mmから3.3mmの範囲であることが好ましい。
【0034】
コネクタ81は、当該コネクタ81の中心軸線(L)方向において、第1流路91aが設けられる一端部の外周面に、雄ねじ部92を有する。雄ねじ部92は、逆止弁82をコネクタ81に接続するときに、逆止弁82に設けた雌ねじ部(図示省略)に螺合される。
【0035】
また、コネクタ81は、第2流路91bに面する内周面に雌ねじ部93を有している。雌ねじ部93には、副送水口金62にコネクタ81を接続するときに、副送水口金62に設けた雄ねじ部74が螺合される。
【0036】
次に、本実施の形態におけるコネクタ81の作用について説明する。内視鏡21による検査や手術を行うにあたり、コネクタ81は、内視鏡21の接続部34に設けた副送水口金62に締め付け固定される。コネクタ81が副送水口金62に締め付け固定されると、コネクタ81の中心軸線(L)方向における両端部のうち、副送水口金62に接続される端部側の端面95において、第2流路91bに連なる周縁部が、副送水口金62のフランジ部72の端面72aに圧接された状態で保持される。上述したように、フランジ部72の端面72aの外径は、第2流路91bの内径の最小値D6よりも大きく、コネクタ本体90の外径D8よりも小さい。また、副送水口金62は金属材料から、コネクタ本体90は合成樹脂からなるので、コネクタ81が副送水口金62に締め付け固定されると、副送水口金62とコネクタ81との硬度差から、副送水口金62のフランジ部72の端面72aが、コネクタ81の端面95に若干食い込んだ状態となる。なお、副送水口金62の挿入部71の先端面71aは、第2流路91bと第3流路91cとの間の段差面97に当接していてもよいし、若干の隙間を開けて離間していてもよい。
【0037】
コネクタ81は、内視鏡21の接続部34に設けた副送水口金62に締め付け固定された後、コネクタ81の中心軸線(L)方向における他端部に、ポンプチューブユニット24に固定された逆止弁82が締め付け固定される。これにより、ポンプチューブユニット24と、内視鏡21とが接続される。
【0038】
なお、コネクタ81をコネクタ81が副送水口金62に締め付け固定した後で、ポンプチューブユニット24の送水チューブ88の一端部に取り付けた逆止弁82をコネクタ81に締め付け固定しているが、図3に示すように、ポンプチューブユニット24の送水チューブ88の一端部に取り付けた逆止弁82にコネクタ81を締め付け固定した後、コネクタ81を副送水口金62に締め付け固定してもよい。
【0039】
内視鏡21を用いた検査や手術の際に、送水装置22が駆動すると、送水装置22のポンプが駆動して、ポンプチューブユニット24のポンプチューブ86に引き込まれた液体が送水チューブ88へと送り出される。そして、送水タンク23に貯留された液体が、フィルタ付き送水チューブ87を介して、ポンプチューブユニット24のポンプチューブ86に新たに引き込まれる。
【0040】
送水装置22の駆動時には、ポンプチューブ86に引き込まれた液体の送水チューブ88への送り出しと、送水タンク23に貯留された液体のポンプチューブ86への引き込みとが繰り返し実行される。これにより、送水タンク23に貯留された液体がポンプチューブ86から送水チューブ88へと断続的に送り出される。上述したように、送水装置22が駆動したとき、ポンプチューブユニット24における液体の送水量は700mlである。このとき、ポンプチューブ86から送水チューブ88に送り出された液体の圧力は、例えば0.35MPaである。
【0041】
ポンプチューブ86から送水チューブ88へと送り出される液体は、逆止弁82を介してコネクタ81に流れる。コネクタ81へと流れた液体は、コネクタ81に設けた流路91を、第1流路91a、第3流路91c、第2流路91bの順で流れる。このとき、第3流路91cは、その内径D7が第1流路91a及び第2流路91bの内径よりも小さいため、オリフィスとして機能する。すなわち、第3流路91cを介して第2流路91bに流れる液体の圧力は、第1流路91aを流れる液体の圧力以下となる。
【0042】
上述したように、コネクタ81は、副送水口金62に締め付け固定されているので、コネクタ81の第2流路91bへと流れた液体は、副送水口金62の流路76へと流れる。このとき、副送水口金62の流路76の内径D3は、コネクタ81の第2流路91bの内径の最小値D6よりも小さい。したがって、コネクタ81の第2流路91bまで流れた液体の一部は、第2流路91bと、副送水口金62の挿入部71との間の空間に滞留する。このとき、コネクタ81の中心軸線(L)方向における端面95は、副送水口金62のフランジ部72の端面72aに圧接されていることで、これら間から液体が漏れることが防止される。
【0043】
なお、内視鏡21を用いた検査や手術が終了したとき、コネクタ81は、副送水口金62から取り外され、逆止弁82や、当該逆止弁82が接続されたポンプチューブユニット24とともに廃棄される。
【0044】
<効果について>
【0045】
本実施の形態における副送水口金用コネクタ81は、送水装置22に設置されたポンプチューブユニット24を、自身の外周面にフランジ部72を有する内視鏡21の副送水口金62に接続する際に用いられる副送水口金用コネクタ81であって、合成樹脂からなる筒形状のコネクタ本体90を有し、コネクタ本体90は、当該コネクタ本体90の中心軸線(L)方向における一端側で、内視鏡21の副送水口金62に接続されるとともに、コネクタ本体90を内視鏡21の副送水口金62に接続したとき、コネクタ本体の90中心軸線(L)方向における一端側における端面95が、フランジ部72の端面72aに圧接された状態で保持されるものである。
【0046】
これによれば、副送水口金用コネクタ81を内視鏡21の副送水口金62に接続すると、コネクタ本体90の端面95がフランジ部72の端面72aに圧接されるので、副送水口金用コネクタ81と内視鏡21の副送水口金62とが液密に保持されて、送水装置22の駆動による液体の送水時に、副送水口金用コネクタ81と内視鏡21の副送水口金62との間での漏水の発生を防止することができる。また、副送水口金用コネクタ81は、合成樹脂製の単一の部材とすることで、簡易な構造で、しかも安価なコネクタを提供することができる。また、このようなコネクタは、内視鏡を用いた対象部位の検査や手術を行った後、ポンプチューブユニット24などとともに廃棄することができるディスポーザブルな製品となる。
【0047】
また、コネクタ本体90は、コネクタ本体90の中心軸線(L)方向における他端側に設けられて、ポンプチューブユニット24からの液体が流入する第1流路91aと、コネクタ本体90の中心軸線(L)方向における一端側に設けられて、液体をコネクタ本体90が接続された副送水口金62の内部に送り出す第2流路91bと、第1流路91aと第2流路91bとの間に配置され、コネクタ本体90の中心軸線(L)方向に直交する断面積が第1流路91aと第2流路91bよりも小さい第3流路91cと、を有し、第1流路91aの内径は、副送水口金62のフランジ部72の端面72aの外径よりも小さく設定されており、コネクタ本体90の外径は、副送水口金62のフランジ部72の端面72aの外径よりも大きく設定されているものである。
【0048】
これによれば、送水装置22によりポンプチューブユニット24を送水される液体は、コネクタ81の第1流路91a、第3流路91c及び第2流路91bの順で流れる。このとき、第3流路91cは、第1流路91aよりも断面積が小さいことから、オリフィスとして機能して、第3流路91cを介して第2流路91bに流れる液体の圧力を抑える。また、第2流路91bに流れる液体の一部は副送水口金62の流路76へと流れ、残りは、第2流路91bと副送水口金62との間の空間に滞留するが、コネクタ本体90の中心軸線(L)方向における端面95の、第2流路91bの周縁部分が副送水口金62に設けたフランジ部72に圧接され、場合によっては、副送水口金62に設けたフランジ部72の端面72aが、コネクタ本体90の端面95に食い込んだ状態で保持されるので、これら間において、液密状態が確保されて、漏水の発生を防止することができる。
【0049】
また、副送水口金62は、副送水口金62の先端部の外周面に雄ねじ部74を有し、コネクタ本体90は、前記第2流路91bの内周面に、副送水口金62に設けた雄ねじ部74に螺合する雌ねじ部93を有し、コネクタ本体90は、雄ねじ部74と雌ねじ部93とを螺合した状態で副送水口金62に締め付けることで、副送水口金62に接続されるものである。
【0050】
これによれば、コネクタ本体90に副送水口金62に固定するための固定手段を設けることなく、コネクタ本体90を副送水口金62に容易に取り付けることが可能となる。
【0051】
また、コネクタ本体90は、コネクタ本体90の中心軸線(L)方向における両端部のうち、副送水口金62に接続される一端部とは反対側の他端部に、ポンプチューブユニット24の一端に固定された逆止弁82を接続するものである。
ものである。
【0052】
これによれば、逆止弁82とコネクタ81との間で液体の漏れの発生を防止することができる。
【0053】
これによれば、コネクタ81を副送水口金62に接続したときに、コネクタ81の端面95に圧接される副送水口金62側の構成として新たな構成を設けずに、副送水口金62との接続における漏水の発生を防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0054】
21…内視鏡
24…ポンプチューブユニット
44…副送水チャンネル
62…副送水口金
71…挿入部
72…フランジ部
72a…端面
76…流路
81…副送水口金用コネクタ
86…ポンプチューブ
90…コネクタ本体
91…流路
91a…第1流路
91b…第2流路
91c…第3流路
95…端面
【要約】
【課題】 副送水口金との間の漏水の発生を防止する安価なコネクタを提供する。
【解決手段】 本発明の内視鏡の副送水口金用コネクタは、送水装置に設置されたチューブユニットを、自身の外周面にフランジ部を有する、内視鏡の副送水口金に接続する際に用いられる副送水口金用コネクタであって、合成樹脂からなる筒形状のコネクタ本体を有し、前記コネクタ本体は、当該コネクタ本体の中心軸線方向における一端側で、前記内視鏡の副送水口金に接続されるとともに、前記コネクタ本体を前記内視鏡の副送水口金に接続したとき、前記コネクタ本体の中心軸線方向における一端側における端面が、前記フランジ部の端面に圧接された状態で保持されるものである。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5