(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】薪ストーブ
(51)【国際特許分類】
F24B 1/02 20060101AFI20230313BHJP
F23B 60/00 20060101ALI20230313BHJP
F24B 1/26 20060101ALI20230313BHJP
F24B 1/19 20060101ALI20230313BHJP
F24B 5/02 20060101ALI20230313BHJP
F24B 1/199 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
F24B1/02 C
F23B60/00
F24B1/26 Z
F24B1/19
F24B5/02 F
F24B1/199
(21)【出願番号】P 2022154331
(22)【出願日】2022-09-28
【審査請求日】2022-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522373297
【氏名又は名称】パーネル さとみ
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン パーネル
(72)【発明者】
【氏名】パーネル さとみ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3219419(JP,U)
【文献】特開2005-114239(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0129025(KR,A)
【文献】特開2017-032210(JP,A)
【文献】特開2014-211300(JP,A)
【文献】特開2021-004711(JP,A)
【文献】米国特許第04401098(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24B 1/00-15/10
F23B 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入部から投入された燃焼物を燃焼させて生成された煙を排出部から排出するための内部空間を有する箱状の本体部と、
前記本体部に積層され、前記本体部から伝わる燃焼熱を用いて食品を調理するための内部空間を有する箱状のオーブン部と、
を備え、
前記本体部は、中央部に配置される仕切り壁によって区画された燃焼室と排気室とを有しており、
前記燃焼室は、前記投入部が設けられる
左側面側から取り込まれた1次燃焼用の空気を
右側面側に流すための燃焼室側流路を有し、
前記仕切り壁は、前記燃焼室の
右側面側に形成されて前記燃焼室と前記排気室とを連通させるための連通孔部を有し、
前記排気室は、前記空気の流れとは逆方向の流れとなるように
右側面側に配置される前記連通孔部から取り込まれた煙を前記排出部が設けられる
左側面側に流すための排気室側流路を有
しており、
前記燃焼室と前記排気室は、左側面及び右側面の面積に比べ前記左側面と前記右側面の間に設けられる4つ側面の各側面の面積が大きい略四角柱形状を有し、前記4つの側面のうち1つの側面同士が隣り合うように配置されており、
前記1次燃焼用の空気を取り込むための燃焼室ドアは前記本体部の左側面側に設けられており、
前記排気室内にアクセスするための排気室ドアは前記本体部の左側面側に設けられており、
前記燃焼室は、前記燃焼室側流路の中央部において2次燃焼用の空気を取り込むために開閉可能な開閉扉を有しており、
前記1次燃焼用の空気よりも取り込み量が少なくなるように開口面積が小さく設定された開口部を有し、該開口部から取り込まれた3次燃焼用の空気を前記連通孔部付近で小さい穴から排出させるために前記3次燃焼用の空気を流通させるように延伸する延伸流路部を備え、
前記開口部は前記本体部の左側面側に設けられており、前記連通孔部は前記本体部の右側面側に設けられていることを特徴とする薪ストーブ。
【請求項2】
請求項1に記載の薪ストーブにおいて、
前記本体部と前記オーブン部とは分離可能であることを特徴とする薪ストーブ。
【請求項3】
請求項1に記載の薪ストーブにおいて、
前記投入部に装着され、薪を投入するためのホッパー部を備え
、
前記ホッパー部は、天井面に開口を有する壁部で囲まれた上部と、燃焼室内に挿入され燃焼物を支持可能な網部で構成される下部とを有することを特徴とする薪ストーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薪ストーブに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キャンプブーム等の影響により、薪ストーブが流行している。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、その一端側に燃焼物が投入される投入開口部を有すると共に、その他端側に連結開口部を有する第1の燃焼室と、前記第1の燃焼室を設置面から浮いた状態にて支持する架台と、前記第1の燃焼室の前記連結開口部に対して着脱自在に配設されると共に、前記第1の燃焼室と連通し、前記第1の燃焼室の長手方向に対して垂直方向に配設される第2の燃焼室と、を備え、前記第1の燃焼室の内側には、長手方向に沿って延在し、複数の空気孔が設けられると共に、前記投入開口部側が開口した第1 の開口端部と、前記連結開口部側が閉口した第1の閉口端部と、を有する第1の空気供給管路が配設され、前記第1の燃焼室及び前記第2の燃焼室の内側には、前記第1の燃焼室から前記第2の燃焼室の長手方向に沿って延在し、複数の空気孔が設けられると共に、その下端側が前記第1の燃焼室の底面を介して開口した第2の開口端部と、その上端側が閉口した第2の閉口端部と、を有する第2の空気供給管路が配設されていることを特徴とする組み立て式ストーブが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、炉本体と伸縮式煙突アセンブリとを含み、前記炉本体は薪を燃やすための炉を有し、前記炉本体の上部の一端に貫通穴を有し、該貫通孔は前記炉と接続しており、前記伸縮式煙突アセンブリには、煙突土台と、円錐台形のテーパー形状の伸縮式煙突とが含まれ、前記テーパー形状の伸縮式煙突は前記煙突土台の内壁に固定して接続され、排煙するために前記炉と繋がっている、携帯用屋外薪ストーブが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-27743号公報
【文献】特許2022-52746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2には薪ストーブなどが開示されており、ストーブ内部において燃焼物が燃焼することで暖を取ることができるが、この燃焼熱を利用して食品の調理を行うオーブン機能については特許文献1,2には開示されていない。
【0006】
本発明の目的は、燃焼熱を利用して食品の調理を行うことを可能とする薪ストーブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る薪ストーブは、投入部から投入された燃焼物を燃焼させて生成された煙を排出部から排出するための内部空間を有する箱状の本体部と、前記本体部に積層され、前記本体部から伝わる燃焼熱を用いて食品を調理するための内部空間を有する箱状のオーブン部と、を備え、前記本体部は、中央部に配置される仕切り壁によって区画された燃焼室と排気室とを有しており、前記燃焼室は、前記投入部が設けられる左側面側から取り込まれた1次燃焼用の空気を右側面側に流すための燃焼室側流路を有し、前記仕切り壁は、前記燃焼室の右側面側に形成されて前記燃焼室と前記排気室とを連通させるための連通孔部を有し、前記排気室は、前記空気の流れとは逆方向の流れとなるように右側面側に配置される前記連通孔部から取り込まれた煙を前記排出部が設けられる左側面側に流すための排気室側流路を有しており、前記燃焼室と前記排気室は、左側面及び右側面の面積に比べ前記左側面と前記右側面の間に設けられる4つ側面の各側面の面積が大きい略四角柱形状を有し、前記4つの側面のうち1つの側面同士が隣り合うように配置されており、前記1次燃焼用の空気を取り込むための燃焼室ドアは前記本体部の左側面側に設けられており、前記排気室内にアクセスするための排気室ドアは前記本体部の左側面側に設けられており、前記燃焼室は、前記燃焼室側流路の中央部において2次燃焼用の空気を取り込むために開閉可能な開閉扉を有しており、前記1次燃焼用の空気よりも取り込み量が少なくなるように開口面積が小さく設定された開口部を有し、該開口部から取り込まれた3次燃焼用の空気を前記連通孔部付近で小さい穴から排出させるために前記3次燃焼用の空気を流通させるように延伸する延伸流路部を備え、前記開口部は前記本体部の左側面側に設けられており、前記連通孔部は前記本体部の右側面側に設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る薪ストーブにおいて、前記本体部と前記オーブン部とは分離可能であることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る薪ストーブにおいて、前記投入部に装着され、薪を投入するためのホッパー部を備え、前記ホッパー部は、天井面に開口を有する壁部で囲まれた上部と、燃焼室内に挿入され燃焼物を支持可能な網部で構成される下部とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、薪ストーブの燃焼熱を利用して食品の調理を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る実施形態の薪ストーブを示す図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の薪ストーブにおいて、空気の流れや煙の流れなどを示す図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の薪ストーブにおいて、2次燃焼用の空気を取り込むための開閉扉を開閉している様子を示す図である。
【
図4】本発明に係る実施形態の薪ストーブにおいて、3次燃焼用の空気を取り込んで3次燃焼をさせている様子を示す図である。
【
図5】本発明に係る実施形態の薪ストーブにおいて、投入部に装着可能なホッパー部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0015】
図1は、本発明に係る実施形態の薪ストーブ10を示す図である。
図2は、本発明に係る実施形態の薪ストーブ10において、空気の流れや煙の流れなどを示す図である。
【0016】
図3は、本発明に係る実施形態の薪ストーブ10において、2次燃焼用の空気を取り込むための開閉扉22を開閉している様子を示す図である。
図4は、本発明に係る実施形態の薪ストーブ10において、3次燃焼用の空気を取り込んで3次燃焼をさせている様子を示す図である。
【0017】
図5は、本発明に係る実施形態の薪ストーブ10において、投入部24に装着可能なホッパー部25を示す図である。
【0018】
薪ストーブ10は、箱状の本体部12と、箱状のオーブン部18と、ホッパー部25と、煙突部27と、脚部34とを備える。薪ストーブ10は、燃焼物を燃焼させて暖を取りつつ燃焼熱を利用して食品を調理する機能を有する。ここで、本体部12と、オーブン部18と、脚部34とは、それぞれ分離可能な構造を有している。
【0019】
本体部12は、投入部24から投入された燃焼物を燃焼させて生成された煙を排出部26から排出するための内部空間を有する。本体部12は、天井面、底面、正面、背面、左側面、右側面の六面で構成される箱部材である。
【0020】
投入部24は、天井面に形成された略正方形状の貫通孔であり、ホッパー部25を装着することが出来る。排出部26は、投入部24に隣り合うように天井面に形成された略円形状の貫通孔であり、煙突部27を装着することが出来る。
【0021】
投入部24は、10cm×10cmの略正方形形状を有する貫通孔であるものとして説明するが、サイズや形状は適宜変更可能である。
【0022】
ホッパー部25は、投入部24に嵌合可能な四角柱形状を有している。ホッパー部25は、適度な強度を有する材質、例えば、鉄で構成するものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。
【0023】
ホッパー部25は、
図5に示されるように、上部が天井面に開口を有する壁部で囲まれていて、下部が網目状部材で形成されており、この網目状部材の底面は、燃焼物(薪)を収納可能(支持可能)なように網目で形成されている。なお、
図2,4に示されるように、ホッパー部25の下部の網目状部材は、投入部24に装着した際に燃焼室14内に挿入された状態となる。
【0024】
ホッパー部25は、小量の薪で安定した燃焼を実現させることが可能であり、燃料の消費を抑える効果を有する。ここでは、ホッパー部25は、平面視が10cm×10cmの略正方形であり、側面視の高さが23cmであるものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。なお、従来の薪ストーブは、ホッパー部25がないため、薪を直接維持燃焼室に投入する必要がある為、薪の燃焼が速く薪をたくさん使用してしまう。
【0025】
ホッパー部25は、燃料物を投入した後、燃焼物に火をつける際に、燃焼物が良く燃えるように天井側の開口部に装着される蓋部25bを備えている。また、ホッパー部25は、天井側の開口部に延長ホッパー25aを嵌合させてもよい。
【0026】
また、
図5(b)に示されるように、ホッパー部25を内部に挿入して密閉型の木炭生成箱25cを用いることで炭を生成することも出来る。
【0027】
本体部12は、中央部に配置される仕切り壁15によって区画された燃焼室14と排気室16とを有している。
【0028】
本体部12は、適度な強度を有する材質で構成されることが好ましく、例えば、鉄などを用いて構成することが出来る。燃焼物は、ここでは、薪であるののとして説明するが、木製ペレットや木製チップなども使用することが出来る。
【0029】
本体部12は、例えば、長手方向(横方向)の長さが50cmであり、短手方向(縦方向)の長さが30cmであり、高さが15cmであるものとして説明するが、もちろん、適宜変更することが出来る。
【0030】
燃焼室14は、投入部24が設けられる一方側から取り込まれた1次燃焼用の空気を他方側に流すための燃焼室側流路を有する。
【0031】
1次燃焼用の空気は、本体部12の左側面側(燃焼室14の一方側)において設けられる燃焼室ドア32から取り込まれる。燃焼室ドア32は、蝶番を利用して開閉可能であり、ハンドルを回すことで、より取り込む空気量を調整可能な機構を有している。燃焼室ドア32を開くことで燃焼室14内にアクセスすることができ、燃焼室14内には、例えば、取り外した煙突部27やその他の物を収納することも出来る。また、燃焼室ドア32を直接開いて薪を投入することもでき、この薪を燃焼した際に生じる灰を、燃焼室ドア32を開いて取り出すことが出来る。
【0032】
燃焼室ドア32は、10cm×10cmのサイズを有する扉であるものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。燃焼室ドア32から取り込まれた1次燃焼用の空気は、燃焼物が勢いよくために必要な気体であり、燃焼物の燃焼により形成された煙は他方側に向かって流れる。
【0033】
燃焼室14は、燃焼室側流路の中央部において2次燃焼用の空気を取り込むために開閉可能な開閉扉22を有する。
【0034】
開閉扉22は、
図1に示されるように本体部12の正面側の中央部に設けられており、燃焼室14内の燃焼の様子を見るための透明部(耐熱ガラス)を有している。開閉扉22は、蝶番などを用いて開閉可能であり、開き角度により2次燃焼用の取り込み空気量を調整することが出来る。
【0035】
開閉扉22は、10cm×20cmのサイズを有する扉であるものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。
【0036】
図3に示されるように、開閉扉22には、複数の凹部を有する引掛け部が設けられており、何れかの凹部に引掛けることで開き角度を調整することが出来る。なお、開閉扉22は、4つの貫通孔が設けられており、
図3(c)に示されるように、全閉状態に近づけた状態でも4つの貫通孔のみから2次燃焼用の空気を取り込むようにすることが出来る。
【0037】
開閉扉22を開いて取り込まれた2次燃焼用の空気は、燃焼室14内を流れる煙と混ざり合い、さらに発火させて2次燃焼を起こす。
【0038】
燃焼室14は、例えば、長手方向(横方向)の長さが50cmであり、短手方向(縦方向)の長さが15cmであり、高さが15cmであるものとして説明するが、もちろん、適宜変更することが出来る。
【0039】
仕切り壁15は、
図4に示されるように、本体部を二分割するように中央部に配置される壁部材である。仕切り壁15は、燃焼室14の他方側に形成されて燃焼室14と排気室16とを連通させるための連通孔部15aを有する。
【0040】
連通孔部15aは、燃焼室14内で出た煙を排気室16へスムーズに効率良く導き入れる入口であり、排気室16へ取り込まれた煙は煙突部27まで流れて排出される。なお、連通孔部15aは、ここでは、10cm×10cmの正方形であるものとして説明するが、もちろん、サイズは適宜変更可能であり、形状も円形であってもよい。
【0041】
排気室16は、空気の流れとは逆方向の流れとなるように一方側に配置される連通孔部15aから取り込まれた煙を排出部26が設けられる他方側に流すための排気室側流路を有する。燃焼室14で発生した排気熱が連通孔部15aを通って排気室16に流れこむことによって、オーブン部18の温度を保つ役割を果たす。
【0042】
排気室16は、例えば、長手方向(横方向)の長さが50cmであり、短手方向(縦方向)の長さが15cmであり、高さが15cmであるものとして説明するが、もちろん、適宜変更することが出来る。
【0043】
排出部26は、内径10cmの煙突用差し込み部として機能する貫通孔である。排出部26に煙突部27を差し込んだ後、煙突金具などを用いて固定することが出来る。
【0044】
排気室16の他方側(本体部12の左側面側)には排気室ドア28が設けられている。排気室ドア28は、蝶番を利用して開閉可能である。排気室ドア28を開くことで排気室16内にアクセスすることができ、排気室16内に例えば、取り外した煙突部27やその他の物を収納することも出来る。
【0045】
排気室ドア28は、10cm×10cmのサイズを有する扉であるものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。また、排気室ドア28は、取り外し可能な構造を有している。
【0046】
煙突部27は、排出部26に装着可能な煙突である。煙突部27は、ステンレスで構成されている。煙突部27は、内径10cm×高さが45.5cmの煙突であるものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。
【0047】
オーブン部18は、本体部12に積層され、本体部12から伝わる燃焼熱を用いて食品を調理するための内部空間を有する。オーブン部18は、正面側に設けられる引き出しの取っ手を引くことでスライドして内部空間にアクセスすることが出来る。
【0048】
燃焼室14内から伝わってきた熱がオーブン室内を約230℃まで温めることができるため、ピザやパン、ダッチオーブンを使用した料理などを楽しむことが出来る。
【0049】
オーブンの取っ手は、取り外し可能であり、丈夫で革手袋を着けたままでも握りやすく設定されている。オーブンの取っ手は、様々な材質で構成することができるが、素手で触っても火傷しないようにするために、例えば、ウォールナッツ製にすることも出来る。
【0050】
オーブン部18は、例えば、長手方向(横方向)の長さが50cmであり、短手方向(縦方向)の長さが30cmであり、高さが15cmであるものとして説明するが、もちろん、適宜変更することが出来る。
【0051】
延伸流通路31は、
図4に示されるように、1次燃焼用の空気よりも取り込み量が少なくなるように開口面積が小さく設定された開口部30を有し、開口部30から取り込まれた3次燃焼用の空気を連通孔部15a付近で排出させるために3次燃焼用の空気を流通させるように延伸する筒状の流路である。
【0052】
延伸流通路31は、本体部12の天井面側(上部側)において略中央部に設けられていて、燃焼室14側に配置される略四角柱形状を有している。延伸流通路31は、上流側に位置する開口部30から取り込んだ3次燃焼用の空気を流通し、下流側に設けられる複数の小さな孔を介して連通孔部15aに3次燃焼用の空気を排出するようにしている。
【0053】
開口部30から取り込まれた3次燃焼用の空気は、燃焼室14内の燃焼熱が延伸流通路31に伝わって温められ高熱になりながら下流側に流れる。そして、下流側において小さな孔から温められた空気が排出されるため、流速を早めて勢いよく燃焼室内の煙と混ざり合って3次燃焼を起こさせる。そして、3次燃焼された空気は連通孔部15aを介して排気室16に流れ込む。
【0054】
脚部34は、オーブン部18を支える板状の支持部と、当該支持部から下方に向けて伸び折り畳み可能な4本の脚が設けられている。脚部34は、4本の脚を閉じた際は支持部にフィットし、コンパクトな状態にすることが出来る。
【0055】
続いて、上記構成の薪ストーブ10の作用について説明する。薪ストーブ10において、投入部24にホッパー部25を嵌合し、排出部26に煙突部27を嵌合させる。そして、ホッパー部25内に燃焼物(薪)を投入して、火をつける。
【0056】
そして、燃焼室ドア32から取り込まれた1次燃焼側の空気が下流側に流れて薪が燃焼し、煙が連通孔部15aに向かって流れる。そして、下流側に流れた煙に対して、開閉扉22から取り込まれた2次燃焼用の空気が下流側に流れて煙と混ざり合い、さらに発火させて2次燃焼を起こす。
【0057】
2次燃焼により生じた煙は、さらに下流側の連通孔部16に向かって流れていく。そして、3次燃焼用の空気が開口部30より取り込まれて、延伸流通路31を流通して3つの貫通孔から排出された空気は勢いよく、2次燃焼により生じた煙と混ざり合い3次燃焼を起こす。
【0058】
3次燃焼より生じた煙は、排気室16内を通って燃焼室14の他方側に向かい、排出部26及び煙突部27を介して外に排出される。
【0059】
このように、薪ストーブ10によれば、1次燃焼、2次燃焼だけでなく3次燃焼まで行う構成となっているため、より効率良く燃焼させることができるという顕著な効果を奏する。
【0060】
また、薪ストーブ10によれば、燃焼室14内で燃焼して生じた空気又は煙、そして、排気室16を流れる煙の全体の流れは略U字状となっており、投入部24と排出部26とが隣り合うように配置されているため、コンパクトにすることができるとともに、オーブン部18に効率良く熱を伝えることができるという利点がある。
【0061】
さらに、薪ストーブ10によれば、オーブン部18の引き出し部20を開いて、ビザなどを入れることで調理することができるというメリットがある。
【符号の説明】
【0062】
10 薪ストーブ、12 本体部、14 燃焼室、15 仕切り壁、15a 連通孔部、16 排気室、18 オーブン部、20 引き出し部、22 開閉扉、24 投入部、25 ホッパー部、25a 延長ホッパー、25b 蓋部、25c 木炭生成箱、26 排出部、27 煙突部、28 排気室ドア、30 開口部、31 延伸流通路、32 燃焼室ドア、34 脚部。
【要約】
【課題】燃焼熱を利用して食品の調理を行うことを可能とする薪ストーブを提供することである。
【解決手段】薪ストーブ10は、投入部24から投入された燃焼物を燃焼させて生成された煙を排出部から排出するための内部空間を有する箱状の本体部12と、本体部12に積層され、本体部12から伝わる燃焼熱を用いて食品を調理するための内部空間を有する箱状のオーブン部18と、を備え、本体部12は、中央部に配置される仕切り壁15によって区画された燃焼室14と排気室16とを有しており、仕切り壁15は、燃焼室14の他方側に形成されて燃焼室14と排気室16とを連通させるための連通孔部15aを有することを特徴とする。
【選択図】
図1