(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】電子式電力量計の配線接続状態判別コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01R 22/06 20060101AFI20230313BHJP
G01R 31/55 20200101ALI20230313BHJP
G01R 35/04 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
G01R22/06 130A
G01R31/55
G01R35/04 E
(21)【出願番号】P 2019005301
(22)【出願日】2019-01-16
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000205661
【氏名又は名称】大崎電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104204
【氏名又は名称】峯岸 武司
(72)【発明者】
【氏名】須藤 利夫
(72)【発明者】
【氏名】安齊 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】片岡 久明
(72)【発明者】
【氏名】須藤 康子
(72)【発明者】
【氏名】大柳 雅之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 直樹
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 亘
(72)【発明者】
【氏名】金田 安弘
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-36855(JP,A)
【文献】特開2015-169526(JP,A)
【文献】特開2007-292581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 11/00-11/66
G01R 22/00-22/10
G01R 31/50-31/74
G01R 35/00-35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
電子式電力量計によって計測される
模擬負荷の有効電力値および無効電力値を計測値として入力する計測値入力手段と、前記
模擬負荷の
予め分かっている負荷容量を負荷値
として入力する負荷値入力手段と、前記
模擬負荷が電子式電力量計に接続された場合に電子式電力量計によって計測される前記計測値の理論値を前記負荷値入力手段によって入力される
前記負荷値に基づいて演算する演算手段と、電子式電力量計に接続される配線の各接続状態で前記
模擬負荷が電子式電力量計に接続された場合に前記演算手段によって演算される前記理論値の組み合わせと前記配線の各接続状態との関係を規定するテーブルを作成するテーブル作成手段と、前記計測値入力手段によって入力される前記計測値の組み合わせと前記テーブル作成手段によって作成されたテーブルに規定される前記理論値の各前記組み合わせとを比較する比較手段と、前記計測値の組み合わせに見合う各値を持つ前記理論値の組み合わせを前記比較手段の比較結果から判別し、判別した前記理論値の組み合わせに応じた前記配線の接続状態を特定する判別手段と
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子式電力量計に接続される配線の接続状態を判別するコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子式電力量計に接続される配線の接続状態を判別する装置として、例えば、特許文献1に開示された正常計量確認装置がある。この正常計量確認装置は、模擬電力供給装置と電力量計誤差測定器とを組み合わせることで、需要家新設時の負荷がまだ稼働していない状態でも、計器故障や計量装置の誤結線を判定する。模擬電力供給装置は、計器およびVCT間に接続されるテストSW1に嵌合するテストプラグと、降圧型のTrで形成される模擬負荷回路とを備える。正常計量確認装置は、予め記憶された誤差の閾値に基づき、電力量計誤差測定器が算出した誤差が閾値以下の場合に「誤結線無し」及び「計器の故障無し」と判定し、電力量計誤差測定器が算出した誤差が閾値を超過した場合に、「誤結線有り」または「計器の故障有り」と判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の正常計量確認装置では、電力量計における誤結線の有無を判定するのに、模擬電力供給装置と電力量計誤差測定器とを必要とする。このため、電力量計における誤結線の有無を判定するのに、これら装置を用意する必要があると共に、各装置間を結線等したりする煩雑な作業が必要とされて、簡易に誤結線の有無を判定することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
コンピュータを、
電子式電力量計によって計測される模擬負荷の有効電力値および無効電力値を計測値として入力する計測値入力手段と、前記模擬負荷の予め分かっている負荷容量を負荷値として入力する負荷値入力手段と、前記模擬負荷が電子式電力量計に接続された場合に電子式電力量計によって計測される計測値の理論値を負荷値入力手段によって入力される負荷値に基づいて演算する演算手段と、電子式電力量計に接続される配線の各接続状態で前記模擬負荷が電子式電力量計に接続された場合に演算手段によって演算される理論値の組み合わせと配線の各接続状態との関係を規定するテーブルを作成するテーブル作成手段と、計測値入力手段によって入力される計測値の組み合わせとテーブル作成手段によって作成されたテーブルに規定される理論値の各組み合わせとを比較する比較手段と、計測値の組み合わせに見合う各値を持つ理論値の組み合わせを比較手段の比較結果から判別し、判別した理論値の組み合わせに応じた配線の接続状態を特定する判別手段と
して機能させるためのプログラムを構成した。
電子式電力量計を構成した。
【0006】
本構成によれば、負荷値入力手段によって入力される負荷値の模擬負荷が配線の各接続状態で電子式電力量計に接続された場合に電子式電力量計によって計測される模擬負荷の有効電力値および無効電力値の理論値の組み合わせと、配線の各接続状態との関係を規定するテーブルが、テーブル作成手段によって作成される。そして、計測値入力手段によって入力される模擬負荷の有効電力値および無効電力値についての計測値の組み合わせと、テーブル作成手段によって作成されたテーブルに規定される模擬負荷の有効電力値および無効電力値についての理論値の各組み合わせとが、比較手段によって比較される。比較手段の比較結果から、判別手段により、計測値の組み合わせに見合う各値を持つ理論値の組み合わせが判別され、判別された理論値の組み合わせに対してテーブルに規定された配線の接続状態が特定される。
【0007】
したがって、コンピュータを上記各手段として機能させるプログラムをコンピュータに実行させることで、電子式電力量計に接続される配線の接続状態を判別することができるようになる。このため、従来のように特別の装置を用意する必要なく、また、各装置間の結線等を行ったりする煩雑な作業をすることなく、簡易に、電子式電力量計に接続される配線の誤結線の有無を判定することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡易に、電子式電力量計に接続される配線の誤結線の有無を判定できる手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施の形態によるコンピュータプログラムが適用されるパーソナルコンピュータと電子式電力量計との接続図である。
【
図2】
図1に示すパーソナルコンピュータの内部構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施の形態によるコンピュータプログラムによって作成されるテーブルと電子式電力量計から入力される計測値とを対比して示す第1の表図である。
【
図4】一実施の形態によるコンピュータプログラムによって作成されるテーブルと電子式電力量計から入力される計測値とを対比して示す第2の表図である。
【
図5】一実施の形態によるコンピュータプログラムによって作成されるテーブルと電子式電力量計から入力される計測値とを対比して示す第3の表図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明による電子式電力量計の配線接続状態判別コンピュータプログラムを実施するための形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態による電子式電力量計の配線接続状態判別コンピュータプログラムがアプリケーションとして適用されるパーソナルコンピュータ(以下、PCと記す)1と、電子式電力量計2との接続図である。
【0016】
電子式電力量計2は、直方体状をした筐体に電子回路基板等の部品が内蔵されて構成されている。電子式電力量計2は、その正面に計測値を表示する表示部2aを備え、その下方に各配線が接続される端子部2bを備える。本実施形態における電子式電力量計2は三相3線式で、三相電源の1相、2相および3相の電源配線からVT(電圧変換器)を介して、端子部2bのP1端子、P2端子およびP3端子の各電源端子に電源電圧が印加される。P1端子はVTの出力端子1uに接続され、P2端子は接地される出力端子1v,3u、P3端子は出力端子3vに接続される。VTの出力端子1u、1v間には三相電源の1相、2相間の電圧が現れ、出力端子3u、3v間には三相電源の2相、3相間の電圧が現れる。したがって、P1端子、P2端子間には三相電源の1相、2相間の電圧が印加され、P3端子、P2端子間には三相電源の3相、2相間の電圧が印加される。
【0017】
三相電源には模擬負荷3が接続される。模擬負荷3は、電子式電力量計2の設置時におけるその配線接続確認用の負荷であり、予め負荷容量は分かっている。模擬負荷3の接続により三相電源の1相、3相には模擬負荷3の負荷容量に応じた相電流が流れる。三相電源の1相に流れる相電流は、1相の電源配線からCT(電流変換器)の出力端子1K、1Lを介して、端子部2bの1S端子、1L端子間に検出され、3相に流れる相電流は、3相の電源配線からCTの出力端子3K、3Lを介して、端子部2bの3S、3L端子間に検出される。1L端子、3L端子はP2端子と共に接地される。
【0018】
電子式電力量計2は、P1端子、P2端子間に印加される1側電圧V1と1S端子、1L端子間に検出される1側電流とを乗算することで、符号付きの1側有効電力W1および1側無効電力var1を演算する。また、P3端子、P2端子間に印加される3側電圧V3と3S端子、3L端子間に検出される3側電流とを乗算することで、符号付きの3側有効電力W3および3側無効電力var3を演算する。そして、1側有効電力W1および3側有効電力W3の合算有効電力ΣW、並びに、1側無効電力var1および3側無効電力var3の合算無効電力Σvarを演算し、表示部2aに表示する。また、電子式電力量計2は、1側電圧V1と3側電圧V3との間の電圧位相差θp1-p3を演算する。
【0019】
電子式電力量計2は、その正面に図示しない赤外線通信ポートおよび計量パルス出力ポートを持っている。この赤外線通信ポートからは、電子式電力量計2で計測される各種の計測データが電子式電力量計2の外部へ赤外線で出力される。本実施形態では、この計測データとして、有効電力量、無効電力量、有効電力(合算有効電力ΣW)、および無効電力(合算無効電力Σvar)等が出力される。また、赤外線通信ポートからは、電子式電力量計2の計器情報、および、電子式電力量計2に設定される設定情報も出力される。本実施形態では、この計器情報として、電子式電力量計2の製造番号および製造年を識別する計器ID、電子式電力量計2の相線式、定格電圧および定格電流が出力される。また、設定情報として、表示部2aの表示値に対する乗率、VT・CTの変成比定数、計量パルス出力ポートから出力される計量パルスのパルス種類、パルス定数およびパルス幅が出力される。
【0020】
PC1は、赤外線通信ポートから出力される赤外線をセンサ4で検出し、ケーブル5を介して、電子式電力量計2で計測される各種の計測データを、その計器情報および設定情報と共に入力する。なお、本実施形態では、電子式電力量計2およびPC1間の通信を赤外線通信で行っているが、RS485といったシリアル通信方式やカレントループ通信方式、無線通信方式といったその他の通信方式によっても、同様に行うことができる。
【0021】
図2は、PC1内の概略構成を表わすブロック図である。PC1では、ROM(読み出し専用メモリ)11に記憶されたプログラムにしたがい、RAM(読み書き可能メモリ)12を一時記憶作業領域として、CPU(中央演算処理装置)13が種々の演算を行う。ROM11に記憶されたプログラムにしたがうこの演算により、CPU13は、コンピュータであるPC1を、計測値入力手段21、負荷値入力手段22、演算手段23、テーブル作成手段24、比較手段25、判別手段26、情報入力手段27およびデータ出力手段28として、機能させる。
【0022】
計測値入力手段21は、電子式電力量計2からセンサ4およびケーブル5を介して、電子式電力量計2によって計測される模擬負荷3の有効電力値および無効電力値を始めとする各種の計測データを計測値として入力する。負荷値入力手段22は、PC1のキーボード14等から、模擬負荷3の負荷値を入力する。演算手段23は、模擬負荷3が電子式電力量計2に接続された場合に電子式電力量計2によって計測される計測値の理論値を、負荷値入力手段22によって入力される負荷値に基づいて演算する。テーブル作成手段24は、電子式電力量計2に接続される配線の各接続状態で模擬負荷3が電子式電力量計2に接続された場合に演算手段23によって演算される理論値の組み合わせと、配線の各接続状態との関係を規定するテーブルを作成する。比較手段25は、計測値入力手段21によって入力される計測値の組み合わせと、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルに規定される理論値の各組み合わせとを比較する。判別手段26は、計測値入力手段21によって入力される計測値の組み合わせに見合う各値を持つ理論値の組み合わせを、比較手段25の比較結果から判別する。そして、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルを参照して、判別した理論値の組み合わせに応じた配線の接続状態を特定する。
【0023】
本実施形態では、計測値入力手段21は、電子式電力量計2によって三相電源の1相側および3相側について計測される模擬負荷3の、符号付き1側有効電力W1[W]および1側無効電力var1[var]、並びに、符号付き3側有効電力W3[W]および3側無効電力var3[var]と、1側電圧V1および3側電圧V3間の電圧位相差θp1-p3の各値を、第2計測値として入力する。演算手段23は、模擬負荷3が電子式電力量計2に接続された場合に電子式電力量計2によって三相電源の1相側および3相側について計測される第2計測値の理論値を、負荷値入力手段22によって入力される負荷値に基づいて第2理論値として演算する。テーブル作成手段24は、配線の各接続状態で模擬負荷3が電子式電力量計2に接続された場合に演算手段23によって演算される第2理論値の組み合わせと、配線の各接続状態との関係を規定するテーブルを作成する。比較手段25は、計測値入力手段21によって入力される第2計測値の組み合わせと、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルに規定される第2理論値の各組み合わせとを比較する。判別手段26は、第2計測値の組み合わせに見合う各値を持つ第2理論値の組み合わせを比較手段25の比較結果から判別し、判別した第2理論値の組み合わせに対してテーブルに規定された配線の接続状態を特定する。
【0024】
情報入力手段27は、電子式電力量計2からセンサ4およびケーブル5を介して、電子式電力量計2の計器情報、および、電子式電力量計2に設定される設定情報を入力する。データ出力手段28は、判別手段26によって特定される配線の接続状態の情報を、情報入力手段27によって入力される計器情報および設定情報と共にデータとして出力する。このデータ出力は、PC1に設けられたUSBポート15からUSB規格にしたがって行われてPDFデータや表データとして出力されたり、プリンタ16へ行われて紙に出力されたりする。
【0025】
図3~
図5には、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルの一部が表わされている。このテーブルには、電子式電力量計2に接続される配線の各接続状態を表す接続図と、接続図に対応して各端子間の接続関係を表す接続端子対応表が表されている。配線の各接続状態で模擬負荷3が電子式電力量計2に接続された場合に、演算手段23によって演算される第2理論値の組み合わせは同テーブルには図示されていないが、同テーブルは、図示する配線の各接続状態と、演算手段23によって演算される図示しない第2理論値の組み合わせとの関係を規定する。
【0026】
テーブルに規定される第2理論値の組み合わせの各値は、計測値入力手段21によって入力される第2計測値と、比較手段25によって比較される。テーブルに並んで同図に記載される測定結果は、並んでいるテーブルに示される配線の接続状態時に計測値入力手段21によって入力された第2計測値等の値を示す。測定結果に表わされるこれらの各第2計測値は、模擬負荷3が、ドライヤーなどの力率1.0の純抵抗をイメージしたR負荷である場合と、負荷進相コンデンサなどの力率0.0のコンデンサをイメージしたC負荷である場合とについて、それぞれ計測した値である。模擬負荷3は、計算の簡素化のため、2次側の線間電圧が100[V]で負荷電流が5[A]とした。したがって、本実施形態では、負荷値入力手段22には、線間電圧100[V]および負荷電流5[A]が負荷値として入力される。
【0027】
電子式電力量計2に接続される配線の接続状態の特定には、測定結果に表わされる、1側有効電力W1[W]および1側無効電力var1[var]、並びに、3側有効電力W3[W]および3側無効電力var3[var]と、電圧位相差θp1-p3との第2計測値だけが参照される。つまり、合算有効電力ΣW[W]および合算無効電力Σvar[var]と、1側電圧V1[V]および3側電圧V3[V]との計測値は、配線の接続状態の特定に際して参照されない。1側電圧V1および3側電圧V3の値は、三相電源配線が電子式電力量計2に接続されていることを確認する程度に用いられる。
【0028】
図3の最上段に示すテーブルには、電子式電力量計2に接続される配線の正常接続時における接続図および接続端子対応表が示されている。
【0029】
配線の正常接続時におけるテーブルに並ぶ測定結果は、配線の正常接続時に計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された値である。これらの値は、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルで配線の正常接続状態に対して規定される、図示しない第2理論値の組み合わせの各値の所定範囲、たとえば、第2理論値の組み合わせの各値の±10%の範囲内に収まっている。
【0030】
したがって、比較手段25の比較結果、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された第2計測値のうちの、1側有効電力W1および1側無効電力var1、3側有効電力W3および3側無効電力var3、並びに、電圧位相差θp1-p3の全ての各計測値が、配線の正常接続状態に対してテーブルに規定される図示しない第2理論値の組み合わせのうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲内に収まっている場合、判別手段26は、当該第2理論値の組み合わせが、計測値入力手段21によって入力される計測値の組み合わせに見合う各値を持っていると判別する。この場合、判別手段26により、電子式電力量計2に接続される配線の接続状態として、配線の正常接続状態が特定される。
【0031】
また、
図3のテーブルNo.E1には、電圧回路配線のみの誤接続時における接続図および接続端子対応表が示されている。電圧回路配線のみの誤接続時における接続図および接続端子対応表は、図示するテーブルNoE1以外にも、それに続くテーブルも存在するが、それらの図示は省略する。
【0032】
テーブルNo.E1には、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続に誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、P1端子がVTの出力端子1uに接続されるべきところ出力端子1vに誤接続され、P2端子がVTの出力端子1v,3uおよびG(グランド・接地)に接続されるべきところ出力端子1u,3uおよびGに誤接続されている。
【0033】
テーブルNo.E1に並ぶ測定結果は、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続に上記誤接続がある時に計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された値である。これらの値のうちの、同図に斜体の太字で示される、R負荷の1側有効電力W1、1側無効電力var1および電圧位相差θp1-p3の各計測値、並びに、C負荷の1側有効電力W1、1側無効電力var1および電圧位相差θp1-p3の各計測値は、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルで上記誤接続がある接続状態に対して規定される、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある。計測値入力手段21によって入力されたこれら以外の第2計測値の各値は、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲内に収まっている。
【0034】
したがって、比較手段25の比較結果、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された第2計測値のうちの、R負荷の1側有効電力W1、1側無効電力var1および電圧位相差θp1-p3の各計測値だけ、または、C負荷の1側有効電力W1、1側無効電力var1および電圧位相差θp1-p3の各計測値だけが、上記誤接続がある接続状態に対してテーブルに規定される図示しない第2理論値の組み合わせのうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある場合、判別手段26は、当該第2理論値の組み合わせが、計測値入力手段21によって入力される計測値の組み合わせに見合う各値を持っていると判別する。この場合、判別手段26により、電子式電力量計2に接続される配線の接続状態として、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続に上記誤接続がある接続状態が特定される。
【0035】
また、
図4のテーブルNo.A1およびNo.A2には、電流回路配線のみの誤接続時における接続図および接続端子対応表が示されている。電流回路配線のみの誤接続時における接続図および接続端子対応表は、図示するテーブルNo.A1およびNo.A2以外にも、それに続くテーブルも存在するが、それらの図示は省略する。
【0036】
テーブルNo.A1には、1S端子と1L端子との配線接続に誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、1S端子がCTの出力端子1Kに接続されるべきところ出力端子1LおよびGに誤接続され、1L端子がCTの出力端子1LおよびGに接続されるべきところ出力端子1Kに誤接続されている。
【0037】
テーブルNo.A1に並ぶ測定結果は、1S端子と1L端子との配線接続に上記誤接続がある時に計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された値である。これらの値のうちの、同図に斜体の太字で示される、R負荷の1側有効電力W1および1側無効電力var1の各計測値、並びに、C負荷の1側有効電力W1および1側無効電力var1の各計測値は、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルで上記誤接続がある接続状態に対して規定される、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある。計測値入力手段21によって入力されたこれら以外の第2計測値の各値は、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲内に収まっている。
【0038】
したがって、比較手段25の比較結果、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された第2計測値のうちの、R負荷の1側有効電力W1および1側無効電力var1の各計測値だけ、または、C負荷の1側有効電力W1および1側無効電力var1の各計測値だけが、上記誤接続がある接続状態に対してテーブルに規定される図示しない第2理論値の組み合わせのうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある場合、判別手段26は、当該第2理論値の組み合わせが、計測値入力手段21によって入力される計測値の組み合わせに見合う各値を持っていると判別する。この場合、判別手段26により、電子式電力量計2に接続される配線の接続状態として、1S端子と1L端子との配線接続に上記誤接続がある接続状態が特定される。
【0039】
テーブルNo.A2には、3S端子と3L端子との配線接続に誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、3S端子がCTの出力端子3Kに接続されるべきところ出力端子3LおよびGに誤接続され、3L端子がCTの出力端子3LおよびGに接続されるべきところ出力端子3Kに誤接続されている。
【0040】
テーブルNo.A2に並ぶ測定結果は、3S端子と3L端子との配線接続に上記誤接続がある時に計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された値である。これらの値のうちの、同図に斜体の太字で示される、R負荷の3側有効電力W3および3側無効電力var3の各計測値、並びに、C負荷の3側有効電力W3および3側無効電力var3の各計測値は、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルで上記誤接続がある接続状態に対して規定される、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある。計測値入力手段21によって入力されたこれら以外の第2計測値の各値は、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲内に収まっている。
【0041】
したがって、比較手段25の比較結果、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された第2計測値のうちの、R負荷の3側有効電力W3および3側無効電力var3の各計測値だけ、または、C負荷の3側有効電力W3および3側無効電力var3の各計測値だけが、上記誤接続がある接続状態に対してテーブルに規定される図示しない第2理論値の組み合わせのうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある場合、判別手段26は、当該第2理論値の組み合わせが、計測値入力手段21によって入力される計測値の組み合わせに見合う各値を持っていると判別する。この場合、判別手段26により、電子式電力量計2に接続される配線の接続状態として、3S端子と3L端子との配線接続に上記誤接続がある接続状態が特定される。
【0042】
また、
図5のテーブルNo.EA1、No.EA2およびNo.EA3には、電圧回路配線と電流回路配線との組み合わせ誤接続時における接続図および接続端子対応表が示されている。これら誤接続時における接続図および接続端子対応表は、図示するテーブルNo.EA1、No.EA2およびNo.EA3以外にも、それに続くテーブルも存在するが、それらの図示は省略する。
【0043】
テーブルNo.EA1には、1相側と3相側の配線を入れ替えて逆相接続状態になり、1相側のP1端子と3相側のP3端子との配線接続に誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、P1端子がVTの出力端子1uに接続されるべきところ出力端子3vに誤接続され、P3端子がVTの出力端子3vに接続されるべきところ出力端子1uに誤接続されている。この電圧回路配線の誤接続により、1S端子がCTの出力端子1Kに接続されるべきところ出力端子3Kに誤接続され、1L端子がCTの出力端子1LおよびGに接続されるべきところ出力端子3LおよびGに誤接続されている。また、3S端子がCTの出力端子3Kに接続されるべきところ出力端子1Kに誤接続され、3L端子がCTの出力端子3LおよびGに接続されるべきところ出力端子1LおよびGに誤接続されている。
【0044】
テーブルNo.EA1に並ぶ測定結果は、1相側のP1端子と3相側のP3端子との配線接続に上記誤接続がある時に計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された値である。これらの値のうちの、同図に斜体の太字で示される、R負荷の1側無効電力var1および3側無効電力var3の各計測値、並びに、C負荷の1側有効電力W1および3側有効電力W3の各計測値は、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルで上記誤接続がある接続状態に対して規定される、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある。
【0045】
なお、計測値入力手段21によって入力されたR負荷の電圧位相差θp1-p3の計測値、並びに、C負荷の電圧位相差θp1-p3の計測値についても、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある。しかし、電圧位相差θp1-p3の計測値を参照することなく、配線の上記誤接続の接続状態を識別することができるため、電圧位相差θp1-p3の計測値はここでは比較手段25の比較対象に含まれない。計測値入力手段21によって入力されたこれら以外の第2計測値の各値は、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲内に収まっている。
【0046】
したがって、比較手段25の比較結果、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された第2計測値のうちの、R負荷の1側無効電力var1および3側無効電力var3の各計測値だけ、または、C負荷の1側有効電力W1および3側有効電力W3の各計測値だけが、上記誤接続がある接続状態に対してテーブルに規定される図示しない第2理論値の組み合わせのうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある場合、判別手段26は、当該第2理論値の組み合わせが、計測値入力手段21によって入力される計測値の組み合わせに見合う各値を持っていると判別する。この場合、判別手段26により、電子式電力量計2に接続される配線の接続状態として、1相側のP1端子と3相側のP3端子との配線接続に上記誤接続がある接続状態が特定される。
【0047】
テーブルNo.EA2には、テーブルNo.E1に規定されている電圧回路配線についての誤接続と、テーブルNo.A1に規定されている電流回路配線についての誤接続とが組み合わされた誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続が入れ替わり、P1端子がVTの出力端子1uに接続されるべきところ出力端子1vに誤接続され、P2端子がVTの出力端子1v,3uおよびGに接続されるべきところ出力端子1u,3uおよびGに誤接続されている。さらに、1S端子と1L端子との配線接続が入れ替わり、1S端子がCTの出力端子1Kに接続されるべきところ出力端子1LおよびGに誤接続され、1L端子がCTの出力端子1LおよびGに接続されるべきところ出力端子1Kに誤接続されている。
【0048】
テーブルNo.EA2に並ぶ測定結果は、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続、および、1S端子と1L端子との配線接続に上記誤接続がある時に、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された値である。これらの値のうちの、同図に斜体の太字で示される、R負荷の電圧位相差θp1-p3の計測値、並びに、C負荷の電圧位相差θp1-p3の計測値は、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルで上記誤接続がある接続状態に対して規定される、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある。計測値入力手段21によって入力されたこれら以外の第2計測値の各値は、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲内に収まっている。
【0049】
したがって、比較手段25の比較結果、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された第2計測値のうちの、R負荷の電圧位相差θp1-p3の計測値だけ、または、C負荷の電圧位相差θp1-p3の計測値だけが、上記誤接続がある接続状態に対してテーブルに規定される図示しない第2理論値の組み合わせのうちの、計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある場合、判別手段26は、当該第2理論値の組み合わせが、計測値入力手段21によって入力される計測値の組み合わせに見合う各値を持っていると判別する。この場合、判別手段26により、電子式電力量計2に接続される配線の接続状態として、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続、および、1S端子と1L端子との配線接続に上記誤接続がある接続状態が特定される。
【0050】
テーブルNo.EA3には、テーブルNo.E1に規定されている電圧回路配線についての誤接続と、テーブルNo.A2に規定されている電流回路配線についての誤接続とが組み合わされた誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続が入れ替わり、P1端子がVTの出力端子1uに接続されるべきところ出力端子1vに誤接続され、P2端子がVTの出力端子1v,3uおよびGに接続されるべきところ出力端子1u,3uおよびGに誤接続されている。さらに、3S端子と3L端子との配線接続が入れ替わり、3S端子がCTの出力端子3Kに接続されるべきところ出力端子3LおよびGに誤接続され、3L端子がCTの出力端子3LおよびGに接続されるべきところ出力端子3Kに誤接続されている。
【0051】
テーブルNo.EA3に並ぶ測定結果は、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続、および、3S端子と3L端子との配線接続に上記誤接続がある時に、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された値である。これらの値のうちの、同図に斜体の太字で示される、R負荷の1側有効電力W1、1側無効電力var1、3側有効電力W3、3側無効電力var3および電圧位相差θp1-p3の全ての各計測値、並びに、C負荷の1側有効電力W1、1側無効電力var1、3側有効電力W3、3側無効電力var3および電圧位相差θp1-p3の全ての各計測値は、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルで上記誤接続がある接続状態に対して規定される、図示しない第2理論値の組み合わせの各値のうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある。
【0052】
したがって、比較手段25の比較結果、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された第2計測値のうちの、R負荷の全ての計測値、または、C負荷の全ての計測値が、上記誤接続がある接続状態に対してテーブルに規定される図示しない第2理論値の組み合わせのうちの、各計測値に対応する各値の±10%の範囲外にある場合、判別手段26は、当該第2理論値の組み合わせが、計測値入力手段21によって入力される計測値の組み合わせに見合う各値を持っていると判別する。この場合、判別手段26により、電子式電力量計2に接続される配線の接続状態として、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続、および、3S端子と3L端子との配線接続に上記誤接続がある接続状態が特定される。
【0053】
なお、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力される第2計測値の各値の組み合わせは、誤接続状態に1対1に対応せず、2つの誤接続状態に対して同じ計測結果組み合わせになる場合がある。この場合、配線接続状態の判別がつかないため、いずれか一方の誤接続状態に絞って調査し、再度計測して、確認する必要がある。
【0054】
このような本実施形態による電子式電力量計2の配線接続状態判別コンピュータプログラムによれば、上記のように、負荷値入力手段22によって入力される負荷値の負荷が配線の各接続状態で電子式電力量計2に接続された場合に計測される、模擬負荷3の有効電力W1、W3および無効電力var1、var3の各値の理論値の組み合わせと、配線の各接続状態との関係を規定するテーブルが、テーブル作成手段24によって作成される。そして、計測値入力手段21によって入力される計測値の組み合わせと、テーブル作成手段24によって作成されたテーブルに規定される理論値の各組み合わせとが、比較手段25によって比較される。比較手段25の比較結果から、判別手段26により、計測値の組み合わせに見合う各値を持つ理論値の組み合わせが判別され、判別された理論値の組み合わせに対してテーブルに規定された配線の接続状態が特定される。
【0055】
したがって、PC1を
図2に示した各手段として機能させるプログラムをPC1に実行させることで、電子式電力量計2に接続される配線の接続状態を判別することができるようになる。このため、従来のように特別の装置を用意する必要なく、また、各装置間の結線等を行ったりする煩雑な作業をすることなく、簡易に、電子式電力量計2に接続される配線の誤結線の有無を判定することが可能となる。
【0056】
また、本実施形態における計測値入力手段21は、電子式電力量計2によって三相電源の1相側および3相側について計測される模擬負荷3の有効電力W1、W3および無効電力var1、var3の各値に加えて、電圧位相差θp1-p3の値も、第2計測値として入力する。演算手段23は、模擬負荷3が電子式電力量計2に接続された場合に三相電源の1相側および3相側について計測される第2計測値の理論値を、負荷値入力手段22によって入力される負荷値に基づいて第2理論値として演算する。したがって、本実施形態によれば、電子式電力量計2によって計測される計測値の種類およびそれらの理論値が増える。したがって、テーブル作成手段24によって作成されるテーブルにおいて、電子式電力量計2に接続される配線のより多くの接続状態に対して、理論値の組み合わせを規定することができる。このため、判別手段26によって特定することができる配線の接続状態の数を増やすことができ、より詳細に配線の接続状態を特定することが可能になる。
【0057】
また、本実施形態では、PC1を、電子式電力量計2の計器情報、および、電子式電力量計2に設定される設定情報を入力する情報入力手段27と、判別手段26によって特定される配線の接続状態の情報を、情報入力手段27によって入力される計器情報および設定情報と共にデータとして出力するデータ出力手段28としても、機能させる。したがって、電子式電力量計2の設置時において、本実施形態のように、負荷を模擬負荷3として電子式電力量計2に接続し、計測値入力手段21によって入力した模擬負荷3の計測値の組み合わせをテーブルに規定された理論値の各組み合わせと比較することで、電子式電力量計2に実負荷を接続する前に、電子式電力量計2に接続される配線の接続状態と共に電子式電力量計2の計器情報および設定情報をデータとして得ることができる。したがって、電子式電力量計2に実負荷を接続する前に、電子式電力量計2の設置状態を正確に把握することができると共に、その設置状態を電子式電力量計2の検査成績書として、客観的に第三者に正確に伝達することが可能になる。また、電子式電力量計2の設置後においても、同様に、電子式電力量計2の負荷接続状態を正確に把握することができると共に、その負荷接続状態を客観的に第三者に正確に伝達することが可能になる。
【0058】
なお、上記の実施形態では、配線接続状態判別コンピュータプログラムを三相3線式の電子式電力量計2に適用した場合について説明したが、三相4線式の電子式電力量計にも同様に適用することができ、同様な作用効果が奏される。また、単相3線式や単相2線式の電子式電力量計にも同様に適用することができる。この場合、電子式電力量計2から入力される計測値には、三相3線式や三相4線式の電子式電力量計において第2計測値として入力される電圧位相差θp1-p3は無い。また、相数も1相となるため、電子式電力量計から入力される有効電力値および無効電力値は、第2計測値における2相分から1相分に減る。したがって、計測値入力手段21や演算手段23、比較手段25等で扱われる計測値は、1相分の有効電力値および無効電力値の計測値だけとなり、上記実施形態における1側有効電力W1、1側無効電力var1、3側有効電力W3、3側無効電力var3および電圧位相差θp1-p3の第2計測値と比較すると、少なくなる。したがって、電子式電力量計の各配線接続状態に対応させることのできる計測結果組み合わせ数は少なくなり、配線接続状態を詳しく識別することは難しいが、配線接続に誤接続があるか否かは上記実施形態と同様に簡易に判別することができる。
【符号の説明】
【0059】
1…パーソナルコンピュータ(PC)
2…電子式電力量計
2a…表示部
2b…端子部
3…模擬負荷
4…センサ
5…ケーブル
11…ROM
12…RAM
13…CPU