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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】光パルス試験器
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/00 20060101AFI20230313BHJP
   H04B 10/071 20130101ALI20230313BHJP
【FI】
G01M11/00 R
H04B10/071
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018240825
(22)【出願日】2018-12-25
(65)【公開番号】P2020101481
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】林 康二
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-85139(JP,A)
【文献】登録実用新案第3169604(JP,U)
【文献】特開2015-88010(JP,A)
【文献】特開2006-318199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 11/00-G01M 11/08
H04B 10/00-H04B 10/90
H04J 14/00-H04J 14/08
G06F 3/01
G06F 3/048-G06F 3/04895
G06F 3/14-G06F 3/153
G09G 5/00-G09G 5/42
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバに光パルスを入射して戻り光のパワーの時間的変化を測定解析し、測定波形
と測定条件および解析情報を表示部の表示画面に表示する光パルス試験器において、
前記表示画面を波形表示領域と波形情報表示領域とメニュー表示領域の3つの領域に分
割した通常画面と
前記表示画面の一部の前記3つの領域以外の所定の領域には、前記メニュー表示領域の表示を選択的にオンオフ制御して前記波形表示領域の水平方向の大きさを縮小拡大しワイド画面とするボタンと、前記波形情報表示領域を選択的に拡大縮小するとともにメニュー表示領域の表示もオンオフ制御して前記波形表示領域の大きさを水平方向および垂直方向に縮小拡大しラージ画面とするボタンを設け
前記ラージ画面から前記通常画面へ戻る場合、前記表示画面の前記所定の領域に縮小するボタンのみを表示し、該ボタンの操作により前記ラージ画面から直前の通常画面または直前のワイド画面を経由して戻るようにしたことを特徴とする光パルス試験器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光パルス試験器に関し、詳しくは、光パルス試験器の動作モード切り換えを行うのにあたり、測定波形を画面に表示させてモニタリングする測定波形画面モードと表示させた測定波形に対して詳細な解析を行う波形解析画面モードとにストレスなく円滑に切り換えることができる光パルス試験器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光信号によりデータ通信等を行う光通信システムでは、光信号を伝送する媒体として光ファイバが用いられている。光ファイバの敷設、支障移転、保守等においては、光ファイバの長さ、接続箇所の損失、反射等を評価する必要があるが、そのための測定器として光パルス試験器(OTDR:Optical Time Domain Reflectometer)が使用される。
【0003】
光パルス試験器は、被測定光ファイバに光パルスを入射して後方散乱光やフレネル反射で入射端に戻ってくる光のパワーを時間領域で測定し、表示・解析等を行う。
【0004】
作業現場における光パルス試験器のユーザーは、持ち運びやすいコンパクトな測定器を求めていることから、必然的に画面表示領域は小さくなる傾向にある。
【0005】
作業現場では、光ファイバの接続作業をしながら継続的な波形測定を行い、光ファイバの接続作業の成否を確認することもある。
【0006】
測定波形画像に断線や接続不良などの異常現象が見つかると異常現象個所周辺を拡大表示し、異常現象発生個所における光ファイバの位置情報や光パルス信号の減衰量などを求めて異常現象の原因を推定し必要な処理を実行する。
【0007】
図8は、従来の光パルス試験器の表示画面の一例を示す構成説明図である。図8において、表示画面100は、波形表示領域110と、波形情報表示領域120と、メニュー表示領域130の3つの矩形領域に分割されている。
【0008】
波形表示領域110は測定波形を表示する領域であり、左辺111が表示画面100の左辺101の近傍に位置し、上辺112が表示画面100の上辺102の近傍に位置し、右辺113がメニュー表示領域130の左辺131の近傍に位置し、下辺114が波形情報表示領域120の上辺122の近傍に位置するように形成されている。
【0009】
波形情報表示領域120は波形表示領域110に表示される測定波形に関連した情報を表示する領域であり、左辺121が表示画面100の左辺101の近傍に位置し、上辺122が波形表示領域110の下辺112の近傍に位置し、右辺123がメニュー表示領域130の左辺131の近傍に位置し、下辺124が表示画面100の下辺104の近傍に位置するように形成されている。
【0010】
波形情報表示領域120は、各種の測定条件を表示する測定条件表示領域125と図示しないマーカーで指定された複数の地点間の差分などの解析情報を表示する解析情報表示領域126に分割されている。
【0011】
メニュー表示領域130は作業者が所望の解析操作を行うためのメニューを表示する領域であり、左辺131が波形表示領域110の右辺113の近傍および波形情報表示領域120の右辺123の近傍に位置し、上辺132が表示画面100の上辺102の近傍に位置し、右辺133が表示画面100の右辺103の近傍に位置し、下辺134が表示画面100の下辺104の近傍に位置するように形成されている。
【0012】
メニュー表示領域130は、上部から下部に向かって、Real Time領域a、測定波長表示領域b、距離範囲表示領域c、パルス幅表示領域d、平均持続時間またはマーカー表示領域e、Next領域fに分割されている。
【0013】
メニュー表示領域130のNext領域fの下部には、メニュー表示領域130の幅とほぼ等しくなるように縮小された縮小波形表示領域127が設けられている。
【0014】
ところで、作業現場によっては実際に作業する場所と光パルス試験器を置いて測定する場所とが離れていることがあり、表示画面100が小さいコンパクトな光パルス試験器では作業しながら測定画面を見ることは困難である。
【0015】
また、作業を行うのにあたり、光パルス試験器の測定条件設定情報、測定波形画像、測定波形の各種パラメータ、測定波形に対する各種の解析情報などが必要であるが、作業者が視覚的に把握しやすいのは測定波形画像であり、波形表示領域110をできるだけ大きくすることが望ましい。
【0016】
そこで、図8に示すように構成された表示画面を有する従来の光パルス試験器では、図9(a)~(c)に示すように複数回の操作手順で波形表示領域110を拡大表示している。
【0017】
図9(a)において、作業者がメニュー表示領域130の最上部に設けられているReal Time領域aにタッチすると、図9(b)に示すようにメニュー表示領域130の表示が消えて波形表示領域110は表示画面100の右辺103の近傍まで水平方向に拡大されるとともに、Real Time領域aが表示されていた位置の右端にはメニュー表示領域130を再び表示させるためのボタンgが表示される。
【0018】
波形情報表示領域120の上辺右端には、垂直方向にドラッグすることにより波形情報表示領域120の高さをドラッグ量に応じた所定の高さに設定するように制御指示するドラッグボタン128が表示される。
【0019】
図9(b)において、波形情報表示領域120の上辺右端に表示されたドラッグボタン128を垂直下方向にドラッグすると、図9(c)に示すように波形情報表示領域120の高さがドラッグ量に応じて低くなるとともに、表示画面100の右辺103の近傍まで水平方向に拡大された波形表示領域110は、ドラッグ量に応じて波形情報表示領域120が垂直方向に縮小された分だけ垂直方向に拡大される。
【0020】
図9(c)に示す波形表示領域110を拡大表示して波形情報表示領域120を垂直方向に縮小した状態から図9(a)に示すように波形表示領域110を縮小表示しメニュー表示領域130を表示させて詳細な解析操作を行うのにあたっては、波形情報表示領域120のドラッグボタン128を垂直上方向にドラッグして図9(b)の画面に遷移させて波形情報表示領域120を垂直方向に拡大表示させ、波形表示領域110を垂直方向に縮小させる。その後、ボタンgを操作してメニュー表示領域130を表示させ、波形表示領域110を水平方向に縮小させる。
【0021】
非特許文献1には、敷設した光ファイバ線路の品質を測定するために欠かせない測定器であるOTDR(光パルス試験器)の小型化設計技術について記載されている。
【0022】
特許文献1には、複数のパルス幅の光パルスで戻り光の測定を行い、得られた波形を合成してイベント検出を行う光パルス試験器において、検出されたイベントの妥当性を検証できるようにした光パルス試験器の技術が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0023】
【文献】「高性能・多機能な小型OTDRの開発」、横河技報、横河電機株式会社、2012年、Vol.55 No.1(2012) p.19~22
【特許文献】
【0024】
【文献】特開2016-53542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
しかし、図8に示す構成の表示画面を有する従来の光パルス試験器によれば、波形情報表示領域120に測定条件や解析情報が表示されているのでこれらの波形情報に基づく解析操作が簡単に行えるものの、波形表示領域110を拡大縮小するための操作手順が煩雑であり、伝送特性を測定確認するための光パルス試験器の操作が作業者に心理的なストレスを与えて作業効率を低下させてしまうおそれがある。
【0026】
非特許文献1および特許文献1のいずれにも、本願発明のように、表示画面を波形表示領域と波形情報表示領域とメニュー表示領域の3つの領域に分割し、メニュー表示領域の表示を選択的にオンオフ制御して波形表示領域を拡張するとともに、波形情報表示領域も選択的に縮小して波形表示領域を拡張する技術は記載されていない。
【0027】
本発明は、このような課題を解決するものであり、その目的は、作業者が光パルス試験器の表示画面上で簡単な画面操作を行うことにより、ストレスを感じることなく光信号を伝送する光ファイバの波形情報表示領域を拡大縮小して表示できる光パルス試験器を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
このような課題を達成するために、本発明の請求項1記載の発明は、
光ファイバに光パルスを入射して戻り光のパワーの時間的変化を測定解析し、測定波形
と測定条件および解析情報を表示部の表示画面に表示する光パルス試験器において、
前記表示画面を波形表示領域と波形情報表示領域とメニュー表示領域の3つの領域に分
割した通常画面と
前記表示画面の一部の前記3つの領域以外の所定の領域には、前記メニュー表示領域の表示を選択的にオンオフ制御して前記波形表示領域の水平方向の大きさを縮小拡大しワイド画面とするボタンと、前記波形情報表示領域を選択的に拡大縮小するとともにメニュー表示領域の表示もオンオフ制御して前記波形表示領域の大きさを水平方向および垂直方向に縮小拡大しラージ画面とするボタンを設け
前記ラージ画面から前記通常画面へ戻る場合、前記表示画面の前記所定の領域に縮小するボタンのみを表示し、該ボタンの操作により前記ラージ画面から直前の通常画面または直前のワイド画面を経由して戻るようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
これらの構成によれば、作業者は、表示画面に常に表示されている波形表示領域の大きさを縮小拡大するボタンとメニュー表示領域の表示を選択的にオンオフ制御して波形表示領域の大きさを縮小拡大するボタンをタップ操作することにより、作業の進行状況に応じて見たい表示形態に編集された測定画面を即座に見ることができる。
【0033】
さらにこれらのボタンは波形表示領域の縮小拡大とメニュー表示領域の表示のオンオフが直感的に把握できるアイコンとして設けられているので、作業者はアイコンを操作する感覚でそれぞれのボタンをタップ操作することができ、光ファイバを用いた光信号伝送回線の作業現場での光パルス試験器による伝送特性測定確認作業などを効率よく行える。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の表示画面の一実施例を示す構成説明図である。
図2図1の画面遷移例図である。
図3図2に示した図1の画面遷移状態を模式化して示した説明図である。
図4図2および図3に示した波形表示領域110の画面遷移説明図である。
図5図1の通常画面からの画面遷移の動作の流れを説明するフローチャートである。
図6図1のラージ画面からの画面遷移の動作の流れを説明するフローチャートである。
図7】本発明に基づく光パルス試験器の一実施例を示す構成説明図である。
図8】従来の光パルス試験器の表示画面の一例を示す構成説明図である。
図9】従来の光パルス試験器の操作手順説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の表示画面の一実施例を示す構成説明図であり、図8と共通する部分には同一の符号を付けている。
【0036】
図1において、表示画面100は、図8と同様に、波形表示領域110と、波形情報表示領域120と、メニュー表示領域130の3つの矩形領域に分割されている。
【0037】
波形表示領域110は測定波形を表示する領域であり、左辺111が表示画面100の左辺101の近傍に位置し、上辺112が表示画面100の上辺102の近傍に位置し、右辺113がメニュー表示領域130の左辺131の近傍に位置し、下辺114が波形情報表示領域120の上辺122の近傍に位置するように形成されている。
【0038】
波形情報表示領域120は波形表示領域110に表示される測定波形に関連した情報を表示する領域であり、左辺121が表示画面100の左辺101の近傍に位置し、上辺122が波形表示領域110の下辺112の近傍に位置し、右辺123がメニュー表示領域130の左辺131の近傍に位置し、下辺124が表示画面100の下辺104の近傍に位置するように形成されている。
【0039】
波形情報表示領域120は、各種の測定条件を表示する測定条件表示領域125と図示しないマーカーで指定された複数の地点間の差分などの解析情報を表示する解析情報表示領域126に分割されている。
【0040】
メニュー表示領域130は作業者が所望の解析操作を行うためのメニューを表示する領域であり、左辺131が波形表示領域110の右辺113の近傍および波形情報表示領域120の右辺123の近傍に位置し、上辺132が表示画面100の上辺102の近傍に位置し、右辺133が表示画面100の右辺103の近傍に位置し、下辺134が表示画面100の下辺104の近傍に位置するように形成されている。
【0041】
メニュー表示領域130は、上部から下部に向かって、マーカー領域h、イベント解析領域i、基準トレース領域j、セクション解析領域k、先進測定領域mの5つの領域に分割されている。
【0042】
そして、メニュー表示領域130の下辺134と縮小波形情報表示領域127との間には、ボタン135とボタン136が設けられている。ボタン135は波形表示領域110を拡大縮小するときにタップ操作され、ボタン136はメニュー表示領域130の表示をオンオフするときにタップ操作される。
【0043】
ボタン135は、そのタップ操作に応じて波形情報表示領域120を拡大縮小するとともにメニュー表示領域130の表示もオンオフ制御し、波形表示領域110を水平方向および垂直方向に縮小拡大する。図1のボタン135には対角線方向に外向きの矢印のアイコンを付けて、このボタン135をタップ操作すると波形表示領域110を矩形の対角線方向に拡大表示できることを表している。
【0044】
ボタン136は、タップ操作に応じてメニュー表示領域130の表示を選択的にオンオフ制御するとともに、波形表示領域110の水平方向の大きさを縮小拡大する。図1のボタン136は左方向に開口した不等号のアイコンであり、メニュー表示領域130をオンにしてメニューを表示している状態を表している。
【0045】
図2は、図1の画面遷移例図である。図2において、(a)は図1に示した通常画面であり、(b)は(a)の通常画面からメニュー表示領域130をオフにして波形表示領域110を水平方向に拡大したワイド画面であり、(c)は(b)のワイド画面から波形情報表示領域120を垂直方向に縮小して波形表示領域110を垂直方向にさらに拡大したラージ画面である。
【0046】
(a)に示す通常画面上でボタン135をタップ操作すると、メニュー表示領域130の表示はオフになり、波形表示領域110は水平方向に拡大されて(b)に示すワイド画面に遷移する。ワイド画面上でメニュー表示領域130の表示をオンオフ制御するボタン136は、(a)では左方向に開口していた不等号アイコンが右方向に開口した不等号アイコンに変化する。このボタン136の不等号アイコンの変化により、ボタン136のタップ操作でメニュー表示領域130の表示をオンオフできることを表している。
【0047】
(a)に示す通常画面上または(b)に示すワイド画面上でボタン135をタップ操作すると、波形表示領域110は(c)に示すラージ画面に遷移する。
【0048】
(c)に示すラージ画面では、波形情報表示領域120はワイド画面よりも垂直方向に縮小されて測定条件表示領域125だけが表示され、波形表示領域110は波形情報表示領域120の縮小に応じてワイド画面よりも垂直方向にさらに拡大される。このラージ画面ではメニュー表示領域130の表示を選択的にオンオフ制御するボタン136の表示はなく、ボタン135には波形情報表示領域120を(a)に示す通常画面または(b)に示すワイド画面に縮小できることを矩形の対角線方向に内向きの矢印のアイコンで示している。
【0049】
図3図2に示した図1の画面遷移状態を模式化して示したものであり、図2と共通する部分には同一の符号を付けている。
【0050】
(a)の通常画面では、波形表示領域110と波形情報表示領域120の水平方向の幅が等しく、波形表示領域110は波形情報表示領域120の上部に表示されている。波形表示領域110と波形情報表示領域120の右側にはメニュー表示領域130が表示されていて、メニュー表示領域130の下部にはタップ操作に応じて波形情報表示領域120を拡大縮小するとともにメニュー表示領域130の表示をオンオフ制御するボタン135と、タップ操作に応じてメニュー表示領域130の表示をオンオフ制御するボタン136が表示されている。
【0051】
(b)のワイド画面ではメニュー表示領域130の表示はオフになり、波形表示領域110はメニュー表示領域130の表示がオフになった幅分に応じて水平方向に拡大して表示される。波形情報表示領域120の大きさは通常画面と変わらず同じである。
【0052】
(c)のラージ画面では、波形情報表示領域120はその上辺の高さがボタン135の上辺とほぼ同じ高さになるように垂直方向に縮小され、波形表示領域110は波形情報表示領域120の縮小に応じてワイド画面よりも垂直方向にさらに拡大して表示される。これにより、測定波形をより大きな画面で観測できる。垂直方向に縮小された波形情報表示領域120には測定条件表示領域125だけが表示されて解析情報表示領域126は表示されない。
【0053】
図4図2および図3に示した画面遷移に伴う波形表示領域110の拡大縮小変化に着目した画面遷移図であり、図5および図6はそれぞれの画面遷移の動作の流れを説明するフローチャートである。
【0054】
図5(a)は、メニュー表示領域130が表示されている通常画面から直接ラージ画面に遷移する動作を説明するフローチャートである。波形表示領域110が通常画面の状態でボタン135をタップ操作すると(ステップSP1)、メニュー表示領域130がなく波形情報表示領域120を垂直方向に縮小して波形表示領域110を水平方向および垂直方向に拡大したラージ画面に遷移する(SP2)。
【0055】
図5(b)は、通常画面からワイド画面に遷移した後ラージ画面に遷移する動作を説明するフローチャートである。波形表示領域110が通常画面の状態でボタン136をタップ操作すると(SP1)、メニュー表示領域130がなく波形情報表示領域120を水平方向に拡大したワイド画面に遷移する(SP2)。ワイド画面の状態でボタン135をタップ操作すると(SP3)、ラージ画面に遷移する(SP4)。
【0056】
図5(c)は、通常画面からワイド画面に遷移した後通常画面に遷移する動作を説明するフローチャートである。波形表示領域110が通常画面の状態でボタン136をタップ操作すると(SP1)、ワイド画面に遷移する(SP2)。ワイド画面の状態でボタン136をタップ操作すると(SP3)、メニュー表示領域130が表示された通常画面に遷移する(SP4)。
【0057】
図6は、ラージ画面から通常画面またはワイド画面に遷移する動作を説明するフローチャートである。波形表示領域110がラージ画面の状態でボタン135をタップ操作すると(SP1)、通常画面からラージ画面に遷移したか否かを判断する(SP2)。通常画面からラージ画面に遷移した場合には通常画面に遷移し(SP3)、通常画面からラージ画面に遷移しなかった場合にはワイド画面に遷移する(SP4)。
【0058】
図7は、本発明に基づく光パルス試験器の一実施例を示す構成説明図である。本発明に基づく光パルス試験器は、表示画面を含む表示部100、タッチパネル200、外部インターフェース300、内器部400などで構成されている。
【0059】
内器部400は、シーケンス制御部410、表示制御部420、タッチパネル制御部430、操作制御部440、記憶部450、OTDR測定部460などで構成されている。
【0060】
内器部400にはコネクタ421を介して表示部100が接続され、コネクタ431を介してタッチパネル200が接続され、コネクタ441を介してハードキーやソフトキーなどの外部インターフェース300が接続される。
【0061】
シーケンス制御部410は、表示制御部420を介して表示部100を制御し、操作制御部440を介して外部インターフェース300を制御するとともにさらにタッチパネル制御部430を介してタッチパネル200を制御する。
【0062】
光ファイバの敷設、支障移転、保守等の作業現場における作業者は、発光/受光ポート461に接続作業の対象である被測定光ファイバを接続して光信号伝送特性を測定し、光ファイバの接続作業の成否を確認する。
【0063】
このように構成される光パルス試験器は、表示画面100が波形表示領域110と波形情報表示領域120とメニュー表示領域130の3つの領域に分割されていて、表示画面100に常に表示されている波形表示領域110の大きさを縮小拡大するボタン135をタップ操作することにより作業の進行状況に応じて測定波形表示領域110の大きさが見たい表示形態に編集された測定画面を即座に見ることができ、表示画面100に表示されているメニュー表示領域130の表示を選択的にオンオフするボタン136をタップ操作することによりメニュー表示領域130の表示を選択的にオンオフして波形表示領域110を縮小拡張できる。
【0064】
これらのボタン135、136のタップ操作はその手順を記憶していなくても表示画面に表示されるボタン135、136を見れば操作の内容を把握でき、従来のように光パルス試験器の煩雑な操作手順が作業者に心理的なストレスを与えることはなく、作業者は必要に応じて作業現場で光信号を伝送する光ファイバの光信号伝送特性を測定確認しながら効率よく一連の作業を行うことができる。
【0065】
以上説明したように、本発明によれば、作業者がストレスを感じることなく光信号を伝送する光ファイバの波形情報表示領域を拡大縮小して表示できる光パルス試験器が実現でき、作業現場での光信号伝送特性を測定する光パルス試験器として好適である。
【符号の説明】
【0066】
100 表示画面
110 波形表示領域
120 波形情報表示領域
130 メニュー表示領域
135 ボタン(メニュー表示領域オンオフ)
136 ボタン(波形情報表示領域拡大縮小)
200 タッチパネル
300 外部インターフェース
400 内器部
410 シーケンス制御部
420 表示制御部
430 タッチパネル制御部
440 操作制御部
450 記憶部
460 OTDR測定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9