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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】集合住宅インターホンシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20230313BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
H04M9/00 H
H04M11/00 302
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019067332
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020167558
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】宇野 亮二
(72)【発明者】
【氏名】上濱 晃
(72)【発明者】
【氏名】下村 祐太
(72)【発明者】
【氏名】厚東 裕貴
【審査官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-124139(JP,A)
【文献】特開2002-354133(JP,A)
【文献】特開2010-178072(JP,A)
【文献】特開2003-134268(JP,A)
【文献】特表2016-537927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00-11/10
H04Q 9/00- 9/16
H03J 9/00- 9/06
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者が居住者を呼び出すために集合住宅のエントランスに設置された集合玄関機と、個々の住戸に設置されて来訪者からの呼び出しに応答するための居室親機と、住戸玄関から居住者を呼び出すための玄関子機と、居住者と通話するために管理人室に設置された管理室親機とを有し、これらインターホン機器は互いにIPプロトコルにより通信を実施する集合住宅インターホンシステムであって、
ゲートウェイの機能を備えると共に、住戸番号に関連付けられた携帯端末及び固定電話のうち少なくとも固定電話からなる外部端末の情報を記憶する外部端末情報記憶部と、電話番号を具備するSIMカードと、外部ネットワークに接続する外部通信部とを備えたゲートウェイアダプタを有し、
前記インターホン機器から他のインターホン機器を呼び出す呼出信号は、呼出先住戸情報に加えて前記ゲートウェイアダプタのIPアドレスを具備し、
前記インターホン機器から前記他のインターホン機器に前記呼出信号が送信されると、前記呼出信号が前記ゲートウェイアダプタに転送され、
前記呼出信号を受信した前記ゲートウェイアダプタは、呼出先住戸に関連付けられた外部端末が前記外部端末情報記憶部に登録されていたら、当該外部端末に前記外部ネットワークを介して電話回線による呼び出しを実施し、
呼出先の前記外部端末から応答操作を受けたら、当該外部端末と呼出信号送信元の前記インターホン機器との間で通話路を形成することを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【請求項2】
前記ゲートウェイアダプタは、前記外部端末を呼び出す際に呼出信号送信元の前記インターホン機器の情報を記憶する呼出信号情報記憶部を有すると共に、前記外部端末からの着信履歴を元にしたリダイヤル操作を制御するリダイヤル操作制御部とを有し、
前記リダイヤル操作制御部は、前記外部端末からリダイヤル操作が成されたら、前記呼出信号情報記憶部を参照して、呼出信号送信元の前記インターホン機器に呼出信号を送信して呼び出しを実施することを特徴とする請求項1記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項3】
前記リダイヤル操作制御部は、前記外部端末から特定の前記インターホン機器に対して前記リダイヤル操作による呼び出しがなされても、少なくとも一部のインターホン機器に対する呼び出しについては、特定のインターホン機器に呼び出しを転送操作すること特徴とする請求項2記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項4】
前記呼出信号情報記憶部に記憶された呼出信号送信元への呼び出しは有効時間が設定されており、
前記リダイヤル操作制御部は、前記有効時間が経過してから成された前記外部端末からのリダイヤル操作による呼び出しを、一律特定の前記インターホン機器に転送操作することを特徴とする請求項2記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項5】
前記ゲートウェイアダプタは、前記外部端末からのリダイヤル操作を制御するリダイヤル操作制御部を有し、
前記リダイヤル操作制御部は、前記外部端末から着信履歴を元にしたリダイヤル操作が成されたら、呼出信号送信元のインターホン機器に依らず特定のインターホン機器に呼出信号を転送することを特徴とする請求項1記載の集合住宅インターホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集合住宅インターホンシステムに関し、特に外部の通信端末に対しても呼び出しを通知して通話が可能な集合住宅インターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、居住者が外出中であっても玄関子機から呼び出しが成されたら外部から応答可能なインターホンシステムがあった。
例えば、特許文献1のインターホンシステムでは、IP変換アダプタ、ゲートウェイを備えて、インターホン子機は、IP変換アダプタ、ゲートウェイ、公衆IP通信網、携帯電話網を介して居住者が携行する携帯端末と通信を行い通話を可能とした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-94728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外部の通信端末と通話が可能な上記従来のインターホンシステムでは、スマートフォン等の携帯端末への転送はインターネット網或いは携帯電話網を使用して3G等のデータ通信により実施できた。しかしながら、電話回線を使用する固定電話に対しては呼び出しの転送はできなかった。これは、呼出信号送信元が電話番号を持たないことに起因した。
そのため、携帯端末を持たない世帯にとっては、留守にした場合の転送設定ができず使い勝手の悪いものであった。
加えて、集合玄関機や居室親機等のインターホン機器は電話番号を持っていないため、携帯端末或いは固定電話に対して呼び出しを転送可能としても、現状の構成ではこれら外部端末からリダイヤル操作ができず、再呼び出しを待つしか無かった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、集合住宅インターホンシステムを構成するインターホン機器から、携帯端末或いは固定電話に呼出信号を送信でき、更に呼び出しを受けた携帯端末或いは固定電話からリダイヤル操作するとインターホン機器との間で通話が可能となる集合住宅インターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、来訪者が居住者を呼び出すために集合住宅のエントランスに設置された集合玄関機と、個々の住戸に設置されて来訪者からの呼び出しに応答するための居室親機と、住戸玄関から居住者を呼び出すための玄関子機と、居住者と通話するために管理人室に設置された管理室親機とを有し、これらインターホン機器は互いにIPプロトコルにより通信を実施する集合住宅インターホンシステムであって、ゲートウェイの機能を備えると共に、住戸番号に関連付けられた携帯端末及び固定電話のうち少なくとも固定電話からなる外部端末の情報を記憶する外部端末情報記憶部と、電話番号を具備するSIMカードと、外部ネットワークに接続する外部通信部とを備えたゲートウェイアダプタを有し、インターホン機器から他のインターホン機器を呼び出す呼出信号は、呼出先住戸情報に加えてゲートウェイアダプタのIPアドレスを具備し、インターホン機器から他のインターホン機器に呼出信号が送信されると、呼出信号がゲートウェイアダプタに転送され、呼出信号を受信したゲートウェイアダプタは、呼出先住戸に関連付けられた外部端末が外部端末情報記憶部に登録されていたら、当該外部端末に外部ネットワークを介して電話回線による呼び出しを実施し、呼出先の外部端末から応答操作を受けたら、当該外部端末と呼出信号送信元のインターホン機器との間で通話路を形成することを特徴とする。
この構成によれば、インターホン機器から携帯端末或いは固定電話に呼出信号を送信でき、これらの機器との間で通話路を形成できるため、呼出先の住戸が留守であっても、他の場所から呼び出しに対して応答でき利便性が良い。特に、固定電話からでも呼び出しを受けて応答できるため、居住者が携帯端末を持たなくても或いは携帯端末が通信可能状態に無くても外部から応答でき汎用性がある。
更に、ゲートウェイアダプタがSIMカードを内蔵することで、ゲートウェイアダプタを電話端末の如く作用させることができ、外部端末からリダイヤル操作してインターホン機器との間で通話路を形成でき、使い勝手が良い。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、ゲートウェイアダプタは、外部端末を呼び出す際に呼出信号送信元のインターホン機器の情報を記憶する呼出信号情報記憶部を有すると共に、外部端末からの着信履歴を元にしたリダイヤル操作を制御するリダイヤル操作制御部とを有し、リダイヤル操作制御部は、外部端末からリダイヤル操作が成されたら、呼出信号情報記憶部を参照して、呼出信号送信元のインターホン機器に呼出信号を送信して呼び出しを実施することを特徴とする。
この構成によれば、呼出信号送信元のインターホン機器の情報をゲートウェイアダプタが記憶していることで、呼出信号を送信して呼び出した外部端末がリダイヤル操作されると、呼出信号送信元のインターホン機器に呼出信号を送信でき、呼び出すことができる。
よって、携帯端末或いは固定電話からリダイヤル操作でインターホン機器を呼び出すことができ、利便性が良い。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の構成において、リダイヤル操作制御部は、外部端末から特定のインターホン機器に対してリダイヤル操作による呼び出しがなされても、少なくとも一部のインターホン機器に対する呼び出しについては、特定のインターホン機器に呼び出しを転送操作すること特徴とする。
この構成によれば、一部のインターホン機器、例えば集合玄関機へのリダイヤル操作による呼び出しは、例えば管理室親機に呼出信号が転送されるよう操作される。そのため、応答者が期待できない機器からの呼び出しを受けた場合、リダイヤル操作による呼び出しは応答可能な機器に転送されるため、利便性が良い。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2に記載の構成において、呼出信号情報記憶部に記憶された呼出信号送信元への呼び出しは有効時間が設定されており、リダイヤル操作制御部は、有効時間が経過してから成された外部端末からのリダイヤル操作による呼び出しを、一律特定のインターホン機器に転送操作することを特徴とする。
この構成によれば、呼び出しを受けてから例えば5分以内等に呼び出しを受けた直後であれば、例えば集合玄関機からの呼び出しであっても外部端末の操作で通話路を形成することができる。よって、来訪者からの呼び出しが終了しても、直後なら外部端末から応答でき、利便性が良い。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1に記載の構成において、ゲートウェイアダプタは、外部端末からのリダイヤル操作を制御するリダイヤル操作制御部を有し、リダイヤル操作制御部は、外部端末から着信履歴を元にしたリダイヤル操作が成されたら、呼出信号送信元のインターホン機器に依らず特定のインターホン機器に呼出信号を転送することを特徴とする。
この構成によれば、外部端末を呼び出したインターホン機器が何であっても、外部端末からリダイヤル操作された場合は、管理室親機等の特定のインターホン機器に呼出信号が送信される。そのため、呼出信号を送信した外部端末からリダイヤル操作が可能であっても、リダイヤル先が固定されるため、セキュリティを維持できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、インターホン機器から携帯端末或いは固定電話に呼出信号を送信でき、これらの機器との間で通話路を形成でき、呼出先の住戸が留守であっても、他の場所から呼び出しに対して応答でき利便性が良い。特に、固定電話からでも呼び出しを受けて応答できるため、居住者が携帯端末を持たなくても或いは携帯端末が通信可能状態に無くても外部から応答でき汎用性がある。
更に、ゲートウェイアダプタがSIMカードを内蔵することで、ゲートウェイアダプタを電話端末の如く作用させることができ、外部端末からのリダイヤル操作してインターホン機器との間で通話路を形成でき、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示す構成図である。
図2】集合玄関機のブロック図である。
図3】ゲートウェイアダプタのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示す構成図であり、1は集合住宅のエントランスに備えられて来訪者が住戸を選択して居住者を呼び出すための集合玄関機、2は各住戸に設置されて集合玄関機1からの呼び出しに応答するための居室親機、3は管理人が居住者と通話するために管理人室に設置された管理室親機、4は個々の住戸玄関に設置されて居住者を呼び出すための玄関子機である。また、5は居住者が携行して居室親機2への呼び出しが転送される外部端末7としての例えばスマートフォンから成る携帯端末、6は集合住宅の内外を問わず異なる住戸に設置されて同様に呼び出しが転送される外部端末7としての固定電話を示している。
【0014】
集合玄関機1、居室親機2、管理室親機3、玄関子機4はHUB8を介して連結されてIPプロトコルにより通信が行われる。そして、一部のHUB8にはゲートウェイアダプタ(以下、単に「GWアダプタ」と称する。)9が接続され、GWアダプタ9から外部ネットワークNを介して携帯端末5或いは固定電話6等の外部端末7と通信を可能としている。
尚、外部ネットワークNは、主に固定電話6との通信で使用される通信ネットワークN1と、主に携帯端末5との通信で使用されるインターネット網N2とを有して構成されている。
【0015】
集合玄関機1、居室親機2、管理室親機3、玄関子機4等のインターホン機器は、各機器が呼出先情報を所持しており、呼出操作を受けて呼出先に直接呼出信号が送信される。そのため、従来備えていた制御機を備えていない。例えば集合玄関機1であれば、集合住宅内全住戸の居室親機2、管理室親機3等の呼出先情報を所持している。
【0016】
図2はインターホン機器の一例として集合玄関機1のブロック図を示している。集合玄関機1は、カメラ11、操作部12、通話部13、呼出先情報記憶部14、集合玄関機CPU15、集合玄関機通信IF16等を備えている。呼出先情報記憶部14は、住戸番号と居室親機2のIPアドレスとを関連付けたテーブルを記憶し、操作部12から住戸番号が入力されて呼び出しが成されたら、その住戸の居室親機2のIPアドレスが呼出先情報記憶部14から読み取られて呼出信号が送信される。
そして、管理室親機3も集合玄関機1と同様に、住戸番号と居室親機のIPアドレスを関連付けたチャートを記憶した呼出情報登録部を備えているし、玄関子機4は住戸内の居室親機2のIPアドレス情報を所持し、居室親機2は呼出可能な管理室親機3のIPアドレス情報を所持している。
【0017】
図3はGWアダプタ9のブロック図を示している。GWアダプタ9は、外部端末情報記憶部91、呼出信号情報記憶部92、外部端末7と通信するための外部通信部93、SIMカード94、GWアダプタ9を制御するGWアダプタCPU95、インターホン機器と通信するGWアダプタ通信IF96等を備えている。外部通信部93は、外部ネットワークNに無線接続する3G/LTE通信モジュールから成る無線通信部93aを備えている。GWアダプタCPU95は、通信を中継するゲートウェイの機能を備えて、インターホン機器との通信を制御する。
尚、無線通信部93aは3G/LTEにより構成されているが、4G、VoLTE、更には5G等の通信方式を使用しても良い。何れも公知の通信方式である。
【0018】
インターホン制御機4は、無線通信部93aにより外部ネットワークNに無線接続され、外部ネットワークNを介して外部端末7と通信を実施する。そして、SIMカード94により呼出信号に電話番号が添付され、携帯端末5或いは固定電話6からのリダイヤル操作が可能となる。
尚、SIMカード94は、携帯電話番号を識別するための番号であるIMSI(International Mobile Subscriber Identity)番号を格納したカードである。
【0019】
外部端末情報記憶部91には、外部端末7の情報、即ち携帯端末5の番号情報、IPアドレス情報、固定電話6の番号情報等が住戸番号毎に住戸に関連付けられて登録されている。
呼出信号情報記憶部92は、インターホン機器から外部端末7に呼出信号が送信される際に、呼出信号送信元のインターホン機器のIPアドレス等の情報と、呼出先の外部端末7の情報が読み取られて記憶される。
【0020】
上記の如く構成された集合住宅インターホンシステムの動作は以下の様である。まず、基本動作を簡単に説明する。来訪者が集合玄関機1を操作して訪問先の住戸番号を入力して呼出操作がなされると、集合玄関機CPU15は呼出先情報記憶部14を参照して、入力された住戸番号の居室親機2のIPアドレスを呼出先情報記憶部14から読み取り、選択された居室親機2に呼出信号を送信する。
【0021】
こうして呼出信号を受信した居室親機2では、呼出音が報音され、呼び出しに気づいた居住者が応答操作すると通話路が形成される。また、呼び出しに連動してカメラ11が起動してその撮像映像が呼出先の居室親機2に送信され表示される。
この呼出動作、通話路の形成動作は、玄関子機4と居室親機2の間、居室親機2と管理室親機3の間も同様であり、玄関子機4が呼出操作されると居室親機2が呼び出され、応答操作を受けて通話路が形成される。また、管理室親機3から住戸が選択されて呼出操作されると、対応する居室親機2が呼び出される。
【0022】
次に、居室親機2が留守設定状態にあり、呼出信号が外部に転送される場合を説明する。居室親機2が操作されて留守モードに移行すると、予め登録されている外部端末7に呼び出しが転送される。ここでは、外部端末7として携帯端末5及び固定電話6が登録されており、留守設定を受けてこれらの外部端末7に転送される。
尚、転送先は住戸毎に設定されており、GWアダプタ9が記憶している。
【0023】
集合玄関機1から居室親機2に呼出信号が送信されると、留守設定を受けて呼出信号がGWアダプタ9に転送される。呼出信号を受信したGWアダプタ9は、呼出信号に含まれる呼出先の住戸番号情報を基に、関連付けられている外部端末情報を外部端末情報記憶部91から読み出して呼出信号を転送する。ここでは携帯端末5と固定電話6が登録されているため、SIMカード94を使用して携帯端末5及び固定電話6に呼出信号が送信される。
呼出信号は、外部通信部93の無線通信部93aからインターネット網N2を介して携帯端末5に送信され、通信ネットワークN1を介して電話回線により固定電話6に送信される。
【0024】
こうして呼び出しを受けた居室親機2、及び携帯端末5及び固定電話6のうち、早く応答操作した方と通話路が形成され、集合玄関機1との間で通話が実施される。このとき、通信は例えばパケット通信により実施される。
【0025】
尚、このとき応答した外部端末7が携帯端末5であれば、集合玄関機1のカメラ11の撮像映像が同一の経路で送信され、携帯端末5に表示される。また、留守設定にしても居室親機2では引き続き呼び出しが行われ、外部端末7と居室親機2とで早く応答した側と通話できる作用は従来と同様である。
【0026】
次に、居室親機2及び外部端末7の何れからも応答が無く呼出動作が終了した後、呼び出しのあったことに気づいた携帯端末5の携行者が、或いは固定電話6が設置されている住戸の居住者がリダイヤル操作した場合を説明する。
GWアダプタ9は、呼出信号情報記憶部92に呼出信号から読み取った呼出信号送信元の情報を記憶している。例えば、管理室親機3からの呼び出しであれば、それを呼出信号情報記憶部92が記憶し、呼び出しを受けた携帯端末5からリダイヤル操作されると、記憶している着信履歴を基に、管理室親機3に呼出信号が送信される。
【0027】
但し、呼出信号送信元が集合玄関機1、或いは玄関子機4の場合、呼出信号送信元の情報は同様に呼出信号情報記憶部92に記憶されるが、これらのインターホン機器にリダイヤル操作されたら、GWアダプタ9はリダイヤル操作による呼出先が一律管理室親機3に転送されるよう設定されている。
集合玄関機1や玄関子機4は、呼出可能としてもリダイヤル操作時には応答者がいないと考えられるし、集合玄関機1などの公共場所に設置された機器に着信させることはセキュリティの面から好ましくない場合もあるので、その端末を除外する設定となっている。
【0028】
一方、管理室親機3が複数あり、その中の1台から居室親機2を呼び出し、その呼出信号が外部端末7に送信された際に、外部端末7からリダイヤル操作された場合は、呼出信号送信元のインターホン機器に呼出信号が送信される。ここでは呼出操作した管理室親機3に呼出信号が送信されて呼び出しが行われる。
こうして一部のインターホン機器へのリダイヤル操作による呼び出しは管理室親機3に呼出信号が送信されるため、応答者のいない機器からの呼び出しを受けたリダイヤル操作であっても、応答可能な機器が呼び出されるため、利便性が良い。
【0029】
更に、呼出先が管理室親機3になるよう設定されていても、呼び出しを受けてから一定時間以内であれば、外部端末7から集合玄関機1或いは玄関子機4をリダイヤル操作で呼出可能としても良い。例えば5分以内であればリダイヤル操作を可能とし、集合玄関機1等と通話路を形成しても良く、呼び出しを受けた直後であれば、また立ち去っていない訪問者と通話を実施でき、利便性が良い。
【0030】
このように、インターホン機器から携帯端末5或いは固定電話6に呼出信号を送信でき、これらの機器との間で通話路を形成できる。よって、呼出先の住戸が留守であっても、他の場所から呼び出しに対して応答でき利便性が良い。特に、固定電話6でも応答できるため、居住者が携帯端末5を持たなくても或いは携帯端末5が通信可能状態に無くても外部から応答でき汎用性がある。
また、パケット通信と電話番号の双方を使用して外部端末7と通信することで、インターホン機器と携帯端末5及び固定電話6の双方と通信を実施できるし、GWアダプタ9がSIMカード94を内蔵することで外部端末7からのリダイヤル操作も可能となり、利便性が良い。
更に、呼び出しを受けた携帯端末5或いは固定電話6からリダイヤル操作されたら、リダイヤル先をGWアダプタ9が記憶しているため、呼出信号送信元のインターホン機器に呼出信号を送信して呼び出すことができる。よって、リダイヤル先がインターホン機器であっても外部端末7からリダイヤル操作で呼び出すことができ、利便性が良い。
【0031】
尚、上記実施形態は呼出信号情報記憶部92を有して、外部端末7からのリダイヤル操作を受けて、外部端末7を呼び出したインターホン機器に呼出信号を送信可能としているが、GWアダプタ9に呼出信号情報記憶部92を設けず、呼出信号送信元のインターホン機器に依らず管理室親機3等の特定のインターホン機器に呼出信号を送しても良い。このように制御することで、外部端末7を呼び出したインターホン機器が何であっても、特定のインターホン機器に呼出信号を送信することで、外部端末7からリダイヤル操作を可能としつつ、セキュリティを維持できる。
また、集合玄関機1からの呼出操作に関して説明したが、他のインターホン機器からの呼び出しに関しても同様であり、例えば玄関子機4から呼び出しが成された時に居室親機2が留守設定されていたら、同様に外部端末7に転送される。
更に、居室親機2が留守設定状態にある場合に外部端末7に呼び出しを転送する構成としているが、留守設定の有無に関わらず常時外部端末7にも呼出信号を送信しても良い。
【符号の説明】
【0032】
1・・集合玄関機(インターホン機器)、2・・居室親機(インターホン機器)、3・・管理室親機(インターホン機器)、4・・玄関子機(インターホン機器)、5・・携帯端末(外部端末)、6・・固定電話(外部端末)、7・・外部端末、9・・ゲートウェイアダプタ、14・・呼出先情報記憶部、91・・外部端末情報記憶部、92・・呼出信号情報記憶部、93・・外部通信部、94・・SIMカード、95・・ゲートウェイアダプタCPU(リダイヤル操作制御部)、N・・外部ネットワーク、N1・・通信ネットワーク、N2・・インターネット網。
図1
図2
図3