IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローリー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-紙幣処理装置 図1
  • 特許-紙幣処理装置 図2
  • 特許-紙幣処理装置 図3
  • 特許-紙幣処理装置 図4
  • 特許-紙幣処理装置 図5
  • 特許-紙幣処理装置 図6
  • 特許-紙幣処理装置 図7
  • 特許-紙幣処理装置 図8
  • 特許-紙幣処理装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】紙幣処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/20 20190101AFI20230313BHJP
   B65H 15/00 20060101ALI20230313BHJP
   B65H 29/58 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
G07D11/20
B65H15/00 F
B65H29/58 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019090512
(22)【出願日】2019-05-13
(65)【公開番号】P2020187467
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】向田 雅幸
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-190345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00-13/00
B65H 29/54-29/70
B65H 9/00- 9/20
B65H 13/00-15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣を処理する紙幣処理装置であって、
前記紙幣を搬送する搬送部と、
前記紙幣の正損の識別と該紙幣の向きの識別とを含む識別処理を行う識別部と、
前記紙幣の表裏を反転させる反転部と、
所定枚数の前記紙幣を帯封する帯封部と、
前記紙幣処理装置の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記識別部において識別された紙幣が該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御する第1搬送制御と、
前記識別部において識別された紙幣が該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず前記反転部を迂回するように、前記紙幣処理装置の動作を制御する第2搬送制御とを行い、
正券に該当する紙幣と損券に該当する紙幣とが混合された状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる正損混合処理において、前記制御部は、前記識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が前記帯封部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御し、
前記正損混合処理では、前記第1搬送制御と前記第2搬送制御の一方が行われる
ことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1搬送制御では、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣は、該識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送され、前記識別部において損券に該当すると識別された紙幣は、該識別部における該紙幣の向きの識別結果に拘わらず前記反転部を迂回する
ことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記制御部は、前記第2搬送制御が行われる場合に、前記紙幣の向きが揃えられていないことを通知するための情報を出力する
ことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つにおいて、
前記反転部は、前記紙幣に対してひねる力を加えることで該紙幣の表裏を反転させる
ことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つにおいて、
前記紙幣が投入される投入部と、
前記紙幣を集積する集積部と
前記帯封紙に情報を記録する記録部とを備え、
前記制御部は、前記正損混合処理において、前記投入部に投入された紙幣が前記識別部に搬送され、該識別部において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が前記集積部に搬送され、該集積部に集積された所定枚数の紙幣が前記帯封部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御し
前記正損混合処理において前記第1搬送制御が行われる場合、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送された後に、該集積部に搬送され、
前記正損混合処理において前記第2搬送制御が行われる場合、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず前記反転部を迂回した後に、該集積部に搬送され、
前記記録部は、前記正損混合処理が行われる場合に、前記紙幣の向きが揃えられていないことを示す情報を前記帯封紙に記録する
ことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記制御部は、正券に該当する紙幣のみが含まれる状態で所定枚数の紙幣を帯封する正券分類処理において、前記投入部に投入された紙幣が前記識別部に搬送され、該識別部において正券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が前記集積部に搬送され、該集積部に集積された所定枚数の紙幣が前記帯封部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御し、
前記正券分類処理では、前記第1搬送制御が行われ、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送された後に、該集積部に搬送される
ことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記紙幣の搬送方向と直交する搬送幅方向の向きが変わらないように該紙幣の表裏を反転させる第1反転部と、
前記紙幣の搬送幅方向の向きが変わるように該紙幣の表裏を反転させる第2反転部とを備え、
前記反転部は、前記第2反転部であり、
前記正損混合処理において前記第1搬送制御が行われる場合、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記第1反転部に搬送され、且つ、該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に応じて前記第2反転部に搬送された後に、該集積部に搬送され、
前記正損混合処理において前記第2搬送制御が行われる場合、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記第1反転部に搬送され、且つ、該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず前記第2反転部を迂回した後に、該集積部に搬送される
ことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1つにおいて、
前記紙幣が投入される入金部と、
正券に該当する紙幣を収納する収納部と、
正券に該当する紙幣および損券に該当する紙幣の両方を収納可能な一括収納部と、
前記紙幣を集積する整理一時保留部と
前記帯封紙に情報を記録する記録部とを備え、
前記識別部は、
前記紙幣の正損の識別を含む第1識別処理を行う第1識別部と、
前記紙幣の向きの識別を含む第2識別処理を行う第2識別部とを有し、
前記制御部は、前記紙幣を入金する入金処理において、前記入金部に投入された紙幣が前記第1識別部に搬送され、該第1識別部において識別された紙幣が該第1識別部における該紙幣の正損の識別結果に応じて前記収納部または前記一括収納部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御し、
前記制御部は、前記正損混合処理において、前記一括収納部に収納された紙幣が前記第2識別部に搬送され、該第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が前記整理一時保留部に搬送され、該整理一時保留部に集積された所定枚数の紙幣が前記帯封部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御し
前記正損混合処理において前記第1搬送制御が行われる場合、前記第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、前記第1識別部における該紙幣の正損の識別結果および該第2識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送された後に、該整理一時保留部に搬送され、
前記正損混合処理において前記第2搬送制御が行われる場合、前記第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、前記第1識別部における該紙幣の正損の識別結果および該第2識別部における該紙幣の向きの識別結果に拘わらず前記反転部を迂回した後に、該整理一時保留部に搬送され、
前記記録部は、前記正損混合処理が行われる場合に、前記紙幣の向きが揃えられていないことを示す情報を前記帯封紙に記録する
ことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記制御部は、正券に該当する紙幣のみが含まれる状態で所定枚数の紙幣を帯封する正券分類帯封処理において、前記収納部に収納された紙幣が前記第2識別部に搬送され、該第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が前記整理一時保留部に搬送され、該整理一時保留部に集積された所定枚数の紙幣が前記帯封部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御し、
前記正券分類帯封処理では、前記第1搬送制御が行われ、前記第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該第2識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送された後に、前記整理一時保留部に搬送される
ことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項10】
請求項8または9において、
前記紙幣の搬送方向と直交する搬送幅方向の向きが変わらないように該紙幣の表裏を反転させる第1反転部と、
前記紙幣の搬送幅方向の向きが変わるように該紙幣の表裏を反転させる第2反転部とを備え、
前記反転部は、前記第2反転部であり、
前記第1識別処理には、前記紙幣の正損の識別と該紙幣の向きの識別とが含まれ、
前記入金処理において、前記第1識別部において識別された紙幣は、該第1識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記第1反転部に搬送された後に、該第1識別部における該紙幣の正損の識別結果に応じて前記収納部または前記一括収納部に搬送され、
前記正損混合処理において前記第1搬送制御が行われる場合、前記第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、前記第1識別部における該紙幣の正損の識別結果および該第2識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記第2反転部に搬送された後に、該整理一時保留部に搬送され、
前記正損混合処理において前記第2搬送制御が行われる場合、前記第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、前記第1識別部における該紙幣の正損の識別結果および該第2識別部における該紙幣の向きの識別結果に拘わらず前記第2反転部を迂回した後に、該整理一時保留部に搬送される
ことを特徴とする紙幣処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示する技術は、紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、紙幣処理装置が開示されている。この紙幣処理装置では、入金口に投入された紙幣は、繰り出しローラにより繰り出され、搬送路に沿って搬送される。搬送路の途中に設けられた識別部は、紙幣の金種、正損、真偽、表裏を識別する。識別部において正券であると識別されない紙幣は、リジェクト紙幣としてリジェクト紙幣集積部に集積される。識別部において正券で且つ真券であると識別された紙幣は、識別部による表裏判定結果に応じて反転された後に、集積部に集積される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-268340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような紙幣処理装置では、紙幣の正損の識別において正券と損券とを明確に区別することが困難であるので、識別部において損券に該当すると識別されるべき紙幣が正券に該当すると識別される可能性がある。例えば、同一紙幣であっても識別部における紙幣の正損の識別結果が同一にならない場合がある。そのため、損券に該当すると識別されるべき紙幣が反転部に搬送されて反転部において紙詰まり(いわゆるジャム)が発生する可能性がある。
【0005】
そこで、ここに開示する技術は、損券に該当すると識別されるべき紙幣が反転部に搬送されて反転部において紙詰まりが発生するという事態を回避することが可能な紙幣処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示する技術は、紙幣を処理する紙幣処理装置に関する。この紙幣処理装置は、前記紙幣を搬送する搬送部と、前記紙幣の正損の識別と該紙幣の向きの識別とを含む識別処理を行う識別部と、前記紙幣の表裏を反転させる反転部と、前記紙幣処理装置の動作を制御する制御部とを備える。前記制御部は、前記識別部において識別された紙幣が該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御する第1搬送制御と、前記識別部において識別された紙幣が該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず前記反転部を迂回するように、前記紙幣処理装置の動作を制御する第2搬送制御とを行う。
【0007】
前記の構成では、第1搬送制御を行うことにより、紙幣の正損および向きの識別結果に応じて紙幣の向きを一定の向きに揃えることができる。また、第2搬送制御を行うことにより、損券に該当すると識別されるべき紙幣が反転部に搬送されて反転部において紙詰まりが発生するという事態を回避することができる。
【0008】
前記第1搬送制御では、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣は、該識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送されてもよく、前記識別部において損券に該当すると識別された紙幣は、該識別部における該紙幣の向きの識別結果に拘わらず前記反転部を迂回してもよい。
【0009】
前記の構成では、第1搬送制御において、正券に該当すると識別された紙幣が紙幣の向きの識別結果に応じて反転部に搬送されることにより、正券に該当すると識別された紙幣の向きを一定の向きに揃えることができる。また、第1搬送制御において、損券に該当すると識別された紙幣が紙幣の向きの識別結果に拘わらず反転部を迂回することにより、損券に該当すると識別された紙幣が反転部に搬送されて反転部において紙詰まりが発生するという事態を回避することができる。
【0010】
前記制御部は、前記第2搬送制御が行われる場合に、前記紙幣の向きが揃えられていないことを通知するための情報を出力してもよい。
【0011】
前記の構成では、第2搬送制御が行われる場合に紙幣の向きが揃えられていないことを通知するための情報を制御部が出力することにより、紙幣の向きが揃えられていないことを通知することができる。
【0012】
前記反転部は、前記紙幣に対してひねる力を加えることで該紙幣の表裏を反転させてもよい。
【0013】
前記の構成では、第2搬送制御を行うことにより、損券に該当すると識別されるべき紙幣が反転部に搬送されて反転部において紙詰まりが発生するという事態を回避することができる。
【0014】
前記紙幣処理装置は、前記紙幣が投入される投入部と、前記紙幣を集積する集積部と、所定枚数の前記紙幣を帯封紙により帯封する帯封部と、前記帯封紙に情報を記録する記録部とを備えてもよい。前記制御部は、正券に該当する紙幣と損券に該当する紙幣とが混合された状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる正損混合処理において、前記投入部に投入された紙幣が前記識別部に搬送され、該識別部において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が前記集積部に搬送され、該集積部に集積された所定枚数の紙幣が前記帯封部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御してもよい。前記正損混合処理では、前記第1搬送制御と前記第2搬送制御の一方が行われてもよい。前記正損混合処理において前記第1搬送制御が行われる場合、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送された後に、該集積部に搬送されてもよい。前記正損混合処理において前記第2搬送制御が行われる場合、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず前記反転部を迂回した後に、該集積部に搬送されてもよい。前記記録部は、前記正損混合処理が行われる場合に、前記紙幣の向きが揃えられていないことを示す情報を前記帯封紙に記録してもよい。
【0015】
前記の構成では、正損混合処理を行うことにより、正券に該当する紙幣と損券に該当する紙幣とが混合された状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる。また、正損混合処理が行われる場合に紙幣の向きが揃えられていないことを示す情報を記録部が帯封紙に記録することにより、帯封紙により帯封された所定枚数の紙幣(すなわち帯封紙幣)の状態の管理を容易にすることができる。
【0016】
前記制御部は、正券に該当する紙幣のみが含まれる状態で所定枚数の紙幣を帯封する正券分類処理において、前記投入部に投入された紙幣が前記識別部に搬送され、該識別部において正券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が前記集積部に搬送され、該集積部に集積された所定枚数の紙幣が前記帯封部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御してもよい。前記正券分類処理では、前記第1搬送制御が行われ、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送された後に、該集積部に搬送されてもよい。
【0017】
前記の構成では、正券分類処理を行うことにより、正券に該当する紙幣のみが含まれる状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる。
【0018】
前記紙幣処理装置は、前記紙幣の搬送方向と直交する搬送幅方向の向きが変わらないように該紙幣の表裏を反転させる第1反転部と、前記紙幣の搬送幅方向の向きが変わるように該紙幣の表裏を反転させる第2反転部とを備えてもよい。前記反転部は、前記第2反転部であってもよい。前記正損混合処理において前記第1搬送制御が行われる場合、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記第1反転部に搬送され、且つ、該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に応じて前記第2反転部に搬送された後に、該集積部に搬送されてもよい。前記正損混合処理において前記第2搬送制御が行われる場合、前記識別部において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記第1反転部に搬送され、且つ、該識別部における該紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず前記第2反転部を迂回した後に、該集積部に搬送されてもよい。
【0019】
前記の構成では、正損混合処理において、正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部に搬送される。これにより、正損混合処理において紙幣の表裏の向きを一定の向きに揃えることができる。
【0020】
または、紙幣処理装置は、前記紙幣が投入される入金部と、正券に該当する紙幣を収納する収納部と、正券に該当する紙幣および損券に該当する紙幣の両方を収納可能な一括収納部と、前記紙幣を集積する整理一時保留部と、所定枚数の前記紙幣を帯封紙により帯封する帯封部と、前記帯封紙に情報を記録する記録部とを備えてもよい。前記識別部は、前記紙幣の正損の識別を含む第1識別処理を行う第1識別部と、前記紙幣の向きの識別を含む第2識別処理を行う第2識別部とを有してもよい。前記制御部は、前記紙幣を入金する入金処理において、前記入金部に投入された紙幣が前記第1識別部に搬送され、該第1識別部において識別された紙幣が該第1識別部における該紙幣の正損の識別結果に応じて前記収納部または前記一括収納部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御してもよい。前記制御部は、正券に該当する紙幣と損券に該当する紙幣とが混合された状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる正損混合帯封処理において、前記一括収納部に収納された紙幣が前記第2識別部に搬送され、該第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が前記整理一時保留部に搬送され、該整理一時保留部に集積された所定枚数の紙幣が前記帯封部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御してもよい。前記正損混合帯封処理では、前記第1搬送制御と前記第2搬送制御の一方が行われてもよい。前記正損混合帯封処理において前記第1搬送制御が行われる場合、前記第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、前記第1識別部における該紙幣の正損の識別結果および該第2識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送された後に、該整理一時保留部に搬送されてもよい。前記正損混合帯封処理において前記第2搬送制御が行われる場合、前記第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、前記第1識別部における該紙幣の正損の識別結果および該第2識別部における該紙幣の向きの識別結果に拘わらず前記反転部を迂回した後に、該整理一時保留部に搬送されてもよい。前記記録部は、前記正損混合帯封処理が行われる場合に、前記紙幣の向きが揃えられていないことを示す情報を前記帯封紙に記録してもよい。
【0021】
前記の構成では、正損混合帯封処理を行うことにより、正券に該当する紙幣と損券に該当する紙幣とが混合された状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる。また、正損混合帯封処理が行われる場合に紙幣の向きが揃えられていないことを示す情報を記録部が帯封紙に記録することにより、帯封紙により帯封された所定枚数の紙幣(すなわち帯封紙幣)の状態の管理を容易にすることができる。
【0022】
前記制御部は、正券に該当する紙幣のみが含まれる状態で所定枚数の紙幣を帯封する正券分類帯封処理において、前記収納部に収納された紙幣が前記第2識別部に搬送され、該第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が前記整理一時保留部に搬送され、該整理一時保留部に集積された所定枚数の紙幣が前記帯封部に搬送されるように、前記紙幣処理装置の動作を制御してもよい。前記正券分類帯封処理では、前記第1搬送制御が行われ、前記第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、該第2識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記反転部に搬送された後に、前記整理一時保留部に搬送されてもよい。
【0023】
前記の構成では、正券分類帯封処理を行うことにより、正券に該当する紙幣のみが含まれる状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる。
【0024】
前記紙幣処理装置は、前記紙幣の搬送方向と直交する搬送幅方向の向きが変わらないように該紙幣の表裏を反転させる第1反転部と、前記紙幣の搬送幅方向の向きが変わるように該紙幣の表裏を反転させる第2反転部とを備えてもよい。前記反転部は、前記第2反転部であってもよい。前記第1識別処理には、前記紙幣の正損の識別と該紙幣の向きの識別とが含まれてもよい。前記入金処理において、前記第1識別部において識別された紙幣は、該第1識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記第1反転部に搬送された後に、該第1識別部における該紙幣の正損の識別結果に応じて前記収納部または前記一括収納部に搬送されてもよい。前記正損混合帯封処理において前記第1搬送制御が行われる場合、前記第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、前記第1識別部における該紙幣の正損の識別結果および該第2識別部における該紙幣の向きの識別結果に応じて前記第2反転部に搬送された後に、該整理一時保留部に搬送されてもよい。前記正損混合帯封処理において前記第2搬送制御が行われる場合、前記第2識別部において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、前記第1識別部における該紙幣の正損の識別結果および該第2識別部における該紙幣の向きの識別結果に拘わらず前記第2反転部を迂回した後に、該整理一時保留部に搬送されてもよい。
【0025】
前記の構成では、入金処理において、第1識別部において識別された紙幣は、紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部に搬送される。これにより、入金処理において紙幣の表裏の向きを変更することができる。
【発明の効果】
【0026】
ここに開示する技術によれば、損券に該当すると識別されるべき紙幣が反転部に搬送されて反転部において紙詰まりが発生するという事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態1の紙幣処理装置の構成を例示する概略図である。
図2】紙幣の向きについて説明するための図である。
図3】待機画面画像を例示する図である。
図4】選択画面画像を例示する図である。
図5】不揃い通知画像を例示する図である。
図6】実施形態2の紙幣処理装置の外観を例示する斜視図である。
図7】実施形態2の紙幣処理部の構成を例示する概略図である。
図8】実施形態2の帯封紙幣処理部の構成を例示する概略図である。
図9】実施形態2の紙幣処理装置の構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0029】
(実施形態1)
図1は、実施形態1による紙幣処理装置10の構成を例示する。紙幣処理装置10は、筐体100と、投入部101と、リジェクト部102と、複数(この例では5つ)の内部集積部103と、複数(この例では2つ)の外部集積部104と、第1投出部105と、第2投出部106と、帯封部107と、記録部108と、搬送部110と、識別部120と、第1反転部131と、第2反転部132と、操作表示部11と、通信部12と、記憶部13と、制御部14とを備える。
【0030】
〔筐体〕
筐体100は、直方体型の箱状に形成される。筐体100には、紙幣処理装置10の上述の構成部品が収納される。
【0031】
〔投入部〕
投入部101には、紙幣が投入される。投入部101は、投入された紙幣を集積する。また、投入部101には、投入部101に集積された紙幣を1枚ずつ搬送部110に繰り出す繰出機構101aが設けられる。この例では、投入部101は、筐体100の前面部の上部に設けられる。
【0032】
〔リジェクト部〕
リジェクト部102は、リジェクト対象に該当する紙幣を集積する。例えば、斜行や重送などの搬送異常となっている紙幣である搬送異常券や、識別することができない紙幣である識別不能券などがリジェクト対象に該当する。
【0033】
〔内部集積部(集積部)〕
複数の内部集積部103の各々は、紙幣を集積する。この例では、複数の内部集積部103は、筐体100内において上下方向に並んで配置される。例えば、複数の内部集積部103には、それぞれ集積されるべき金種が割り当てられ、複数の内部集積部103の各々は、その内部集積部103に割り当てられた金種の紙幣を集積する。
【0034】
〔外部集積部〕
複数の外部集積部104の各々は、紙幣を集積する。外部集積部104には、外部集積部104に集積された紙幣を取り出すための取出口が設けられる。この例では、複数の外部集積部104は、筐体100の上部に設けられる。
【0035】
〔投出部〕
第1投出部105は、紙幣を投出する。この例では、第1投出部105は、筐体100の上部に設けられている。第2投出部106は、帯封紙幣を投出する。帯封紙幣は、帯封紙により帯封された所定枚数(例えば100枚)の紙幣のことである。この例では、第2投出部106は、筐体100の下部に設けられる。
【0036】
〔帯封部〕
帯封部107は、所定枚数の紙幣を帯封紙により帯封する。これにより、帯封紙幣が生成される。例えば、帯封部107は、所定枚数の紙幣の束に帯封紙を巻き付けることで帯封するように構成されてもよいし、帯封紙により形成された輪の中に所定枚数の紙幣の束を挿入することで帯封するように構成されてもよい。
【0037】
〔記録部〕
記録部108は、帯封紙に情報を記録する。記録部108は、帯封紙に情報を印字する印字部であってもよいし、帯封紙に情報を押印する押印部であってもよい。また、記録部108は、帯封部107において所定枚数の紙幣が帯封紙により帯封された後に帯封紙に情報を記録するように構成されてもよいし、帯封部107において所定枚数の紙幣が帯封紙により帯封される前に帯封紙に情報を記録するように構成されてもよい。なお、帯封紙に記録される情報については、後で詳しく説明する。
【0038】
〔搬送部〕
搬送部110は、紙幣処理装置10内において紙幣を搬送する。この例では、搬送部110は、第1搬送部110aと、第2搬送部110bと、第3搬送部110cを有する。第1搬送部110aは、投入部101とリジェクト部102と複数の内部集積部103と複数の外部集積部104との間において紙幣を搬送する。第2搬送部110bは、複数の内部集積部103と第1投出部105と帯封部107との間において紙幣を搬送する。第3搬送部110cは、帯封部107と第2投出部106との間において帯封紙幣を搬送する。
【0039】
〔識別部〕
識別部120は、識別処理を行う。識別処理には、紙幣の正損の識別と、紙幣の向きの識別とが含まれる。この例では、識別部120は、第1搬送部110aに設けられ、投入部101よりも下流であり且つリジェクト部102と複数の内部集積部103と複数の外部集積部104よりも上流である位置に配置される。そして、識別部120は、第1搬送部110aにより搬送される紙幣に対して識別処理を行う。識別処理では、識別部120は、紙幣の金種、正損、真偽、新旧、向き、搬送状態、紙幣に付された記番号などを識別する。識別部120における紙幣の識別結果は、制御部14に送信される。また、この例では、識別部120は、計数処理を行う。計数処理では、識別部120は、紙幣の種別毎(例えば金種毎)に紙幣を計数する。識別部120における紙幣の計数結果は、制御部14に送信される。
【0040】
〔紙幣の正損〕
紙幣の正損の識別では、紙幣の傷みや汚れなどに応じて変化する紙幣の正損レベルと予め設定された正損判別レベルとを比較することで、紙幣が正券および損券のどちらに該当するのかが識別される。具体的には、紙幣の傷みや汚れが激しくなるに連れて紙幣の正損レベルが次第に低くなっていく。そして、紙幣の正損レベルが正損判別レベルを下回る場合に、紙幣が損券に該当すると識別され、紙幣の正損レベルが正損判別レベルを下回らない場合に、紙幣が正券に該当すると識別される。
【0041】
〔紙幣の向き〕
図2に示すように、紙幣の向きには、紙幣の表裏の向きと、紙幣の天地方向の向きと、紙幣の左右方向の向きとが含まれる。紙幣の天地方向は、紙幣の短手方向であり、紙幣に描かれた肖像画を基準とした上下の方向である。紙幣の左右方向は、紙幣の長手方向であり、紙幣に描かれた肖像画を基準とした左右の方向(天地方向に直交する方向)である。例えば、紙幣の短手方向が搬送方向に沿うように紙幣が搬送される場合、紙幣の天地方向が紙幣の搬送方向となり、紙幣の左右方向が搬送方向に直交する方向である搬送幅方向となる。
【0042】
〔第1反転部〕
第1反転部131は、紙幣の表裏を反転させる。この例では、第1反転部131は、第1搬送部110aに設けられ、識別部120よりも下流であり且つ複数の内部集積部103と複数の外部集積部104よりも上流である位置に配置される。なお、搬送部110(具体的には第1搬送部110a)は、紙幣が第1反転部131に搬送されて紙幣の表裏が反転される状態と、紙幣が第1反転部131を迂回する状態とに切り換え可能である。この例では、第1搬送部110aは、第1反転部131が設けられる第1反転路P1と、第1反転路P1を迂回する第1迂回路P2とを有する。
【0043】
また、この例では、第1反転部131は、スイッチバック式の反転部である。具体的には、第1反転部131は、第1搬送部110aにより搬送される紙幣の搬送幅方向(搬送方向と直交する方向)の向きが変わらないように紙幣の表裏を反転させる。
【0044】
〔第2反転部(反転部)〕
第2反転部132は、紙幣の表裏を反転させる。この例では、第2反転部132は、第1搬送部110aに設けられ、第1反転部131よりも下流であり且つ複数の内部集積部103と複数の外部集積部104よりも上流である位置に配置される。そして、第2反転部132は、紙幣に対してひねる力を加えることで紙幣の表裏を反転させる。なお、搬送部110(具体的には第1搬送部110a)は、紙幣が第2反転部132に搬送されて紙幣の表裏が反転される状態と、紙幣が第2反転部132を迂回する状態とに切り換え可能である。この例では、第1搬送部110aは、第2反転部132が設けられる第2反転路P3と、第2反転路P3を迂回する第2迂回路P4とを有する。
【0045】
また、この例では、第2反転部132は、スパイラル式の反転部である。具体的には、第2反転部132は、第1搬送部110aにより搬送される紙幣の搬送幅方向の向きが変わるように紙幣の表裏を反転させる。
【0046】
〔操作表示部〕
図1に示すように、操作表示部11は、操作部11aと、表示部11bとを有する。例えば、操作表示部11は、タッチパネルにより構成される。操作部11aは、操作者による操作が与えられ、その操作者による操作に応じて情報を入力する。これにより、操作者は、操作部11aを操作して紙幣処理装置10に各種処理を行わせることができる。すなわち、紙幣処理装置10は、操作者による操作に応答して動作する。表示部11bは、情報を表示する。
【0047】
〔通信部と記憶部〕
通信部12は、タブレット端末やスマートフォンや管理コンピュータなどの外部機器(図示を省略)と制御部14との間で有線通信または無線通信を行うために設けられる。記憶部13は、情報を記憶する。例えば、記憶部13には、紙幣処理装置10における紙幣の処理状況に関する処理状況情報や、操作表示部11に表示される操作画面などの画像情報(画像データ)や、紙幣処理装置10の動作を制御するための制御情報などが記憶される。例えば、記憶部13は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの汎用ストレージデバイスにより構成される。
【0048】
〔各種センサ〕
また、紙幣処理装置10の各部には、紙幣の通過を検出する通過センサなどの各種センサ(図示を省略)が設けられる。これらの各種センサの検出結果は、制御部14に送信される。
【0049】
〔制御部〕
制御部14は、紙幣処理装置10の各部と電気的に接続され、紙幣処理装置10の各部との間において信号の伝送を行う。この例では、制御部14は、投入部101、リジェクト部102、複数の内部集積部103、複数の外部集積部104、第1投出部105、第2投出部106、帯封部107、記録部108、搬送部110、識別部120、第1反転部131、第2反転部132、操作表示部11、通信部12、記憶部13と電気的に接続される。また、制御部14は、通信部12を経由して外部機器と通信を行う。そして、制御部14は、紙幣処理装置10の各部(各部に設けられた各種センサを含む)および外部機器からの信号などに基づいて、紙幣処理装置10の各部を制御して紙幣処理装置10の動作を制御する。例えば、制御部14は、プロセッサと、プロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリとにより構成される。
【0050】
〔第1搬送制御〕
また、制御部14は、第1搬送制御を行う。第1搬送制御では、制御部14は、識別部120において識別された紙幣が識別部120における紙幣の正損および向きの識別結果に応じて第2反転部132(反転部の一例)に搬送されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。具体的には、第1搬送制御では、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣は、識別部120における紙幣の向きの識別結果に応じて第2反転部132に搬送される。例えば、第2反転部132において紙幣の表裏を反転する必要がある場合には、紙幣が第2反転部132に搬送され、第2反転部132において紙幣の表裏を反転する必要がない場合には、紙幣が第2反転部132を迂回する。また、識別部120において損券に該当すると識別された紙幣は、識別部120における紙幣の向きの識別結果に拘わらず第2反転部132を迂回する。
【0051】
〔第2搬送制御〕
また、制御部14は、第2搬送制御を行う。第2搬送制御では、制御部14は、識別部120において識別された紙幣が識別部120における紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず第2反転部132(反転部の一例)を迂回するように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
【0052】
また、制御部14は、第2搬送制御が行われる場合に、紙幣の向きが揃えられていないことを通知するための情報である不揃い通知情報を出力する。例えば、制御部14は、不揃い通知情報を操作表示部11に出力することで、紙幣の向きが揃えられていないことを通知するための画像を操作表示部11に表示させる。
【0053】
〔紙幣処理装置の動作〕
次に、実施形態1による紙幣処理装置10の動作について説明する。紙幣処理装置10では、正損混合処理と、正券分類処理とが行われる。
【0054】
〔正損混合処理〕
正損混合処理は、正券に該当する紙幣と損券に該当する紙幣とが混合された状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる処理のことである。正損混合処理において、制御部14は、投入部101に投入された紙幣が識別部120に搬送され、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が内部集積部103(集積部の一例)に搬送され、内部集積部103に集積された所定枚数の紙幣が帯封部107に搬送されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
【0055】
具体的には、正損混合処理では、投入部101に投入された紙幣は、第1搬送部110aにより識別部120に搬送されて識別処理が行われる。識別部120において正券または損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、第1搬送部110aにより内部集積部103に搬送されて集積される。例えば、複数の内部集積部103には、帯封されるべき紙幣の金種がそれぞれ割り当てられる。そして、識別部120において正券または損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、その紙幣の金種と同一の金種が割り当てられた内部集積部103に搬送される。内部集積部103には、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣と識別部120において損券に該当すると識別された紙幣とが混合された状態で、複数枚の紙幣が集積される。内部集積部103に所定枚数の紙幣が集積されると、内部集積部103に集積された所定枚数の紙幣は、第2搬送部110bにより帯封部107に搬送されて帯封部107において帯封される。これにより、帯封紙幣が生成される。帯封部107において生成された帯封紙幣は、第3搬送部110cにより第2投出部106に搬送されて第2投出部106から投出される。
【0056】
なお、正損混合処理では、識別部120においてリジェクト対象に該当すると識別された紙幣は、第1搬送部110aによりリジェクト部102に搬送されてリジェクト部102に集積される。識別部120において識別された紙幣のうち帯封されるべきではない紙幣は、第1搬送部110aにより外部集積部104に搬送されて外部集積部104に集積される。帯封紙幣の生成が完了すると、内部集積部103に残存する所定枚数未満の紙幣は、第2搬送部110bにより第1投出部105に搬送されて第1投出部105から投出される。
【0057】
〈正損混合処理における搬送制御〉
また、正損混合処理では、第1搬送制御と第2搬送制御の一方が行われる。以下では、正損混合処理において第1搬送制御が行われる場合(すなわち第1搬送制御が行われる正損混合処理)を「第1正損混合処理」と記載し、正損混合処理において第2搬送制御が行われる場合(すなわち第2搬送制御が行われる正損混合処理)を「第2正損混合処理」と記載する。
【0058】
〈第1正損混合処理〉
第1正損混合処理では、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、識別部120における紙幣の正損および向きの識別結果に応じて第2反転部132(反転部の一例)に搬送された後に、内部集積部103(集積部の一例)に搬送される。この例では、第1正損混合処理において、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、識別部120における紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部131に搬送され、且つ、識別部120における紙幣の正損および向きの識別結果に応じて第2反転部132に搬送された後に、内部集積部103に搬送される。例えば、第1反転部131(または第2反転部132)において紙幣の表裏を反転する必要がある場合には、紙幣が第1反転部131(または第2反転部132)に搬送される。一方、第1反転部131(または第2反転部132)において紙幣の表裏を反転する必要がない場合には、紙幣が第1反転部131(または第2反転部132)を迂回する。
【0059】
具体的には、第1正損混合処理では、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、識別部120における紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部131に搬送され、且つ、識別部120における紙幣の向きの識別結果に応じて第2反転部132に搬送された後に、内部集積部103に搬送される。一方、識別部120において損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、識別部120における紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部131に搬送され、且つ、識別部120における紙幣の向きの識別結果に拘わらず第2反転部132を迂回した後に、内部集積部103に搬送される。
【0060】
上記の第1正損混合処理では、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、紙幣の表裏の向きと紙幣の天地方向の向きがそれぞれ一定の向きに揃えられる。一方、識別部120において損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、紙幣の表裏の向きが一定の向きに揃えられるが、紙幣の天地方向の向きが一定の向きに揃えられない。
【0061】
〈第2正損混合処理〉
第2正損混合処理では、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、識別部120における紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず第2反転部132(反転部の一例)を迂回した後に、内部集積部103(集積部の一例)に搬送される。この例では、第2正損混合処理において、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、識別部120における紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部131に搬送され、且つ、識別部120における紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず第2反転部132を迂回した後に、内部集積部103に搬送される。
【0062】
具体的には、第2正損混合処理では、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、識別部120において正券に該当すると識別された場合であっても、識別部120において損券に該当すると識別された場合であっても、識別部120における紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部131に搬送され、且つ、第2反転部132を迂回した後に、内部集積部103に搬送される。
【0063】
上記の第2正損混合処理では、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、紙幣の表裏の向きが一定の向きに揃えられるが、紙幣の天地方向の向きが一定の向きに揃えられない。
【0064】
〈記録部の動作〉
また、記録部108は、正損混合処理が行われる場合に、紙幣の向きが揃えられていないことを示す情報である不揃い情報を帯封紙に記録する。不揃い情報は、紙幣の向きが揃えられていないことを直接的に示す情報(例えば紙幣の向きが不揃いであることを示す文章や記号や図形など)であってもよいし、紙幣の向きが揃えられていないことを間接的に示す情報(例えば正損混合処理が行われたことを示す文章や記号や図形など)であってもよい。
【0065】
〈制御部の動作〉
また、制御部14は、第2正損混合処理が行われる場合(すなわち正損混合処理において第2搬送制御が行われる場合)に、紙幣の向きが揃えられていないことを通知するための情報である不揃い通知情報を出力する。なお、この例では、制御部14は、第2正損混合処理が行われる場合だけでなく、第1正損混合処理が行われる場合(すなわち正損混合処理において第1搬送制御が行われる場合)にも、不揃い通知情報を出力する。換言すると、この例では、制御部14は、正損混合処理が行われる場合に、不揃い通知情報を出力する。
【0066】
〔正券分類処理〕
正券分類処理は、正券に該当する紙幣のみが含まれる状態で所定枚数の紙幣を帯封する処理のことである。正券分類処理において、制御部14は、投入部101に投入された紙幣が識別部120に搬送され、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が内部集積部103(集積部の一例)に搬送され、内部集積部103に集積された所定枚数の紙幣が帯封部107に搬送されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
【0067】
具体的には、正券分類処理では、投入部101に投入された紙幣は、第1搬送部110aにより識別部120に搬送されて識別処理が行われる。識別部120において正券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、第1搬送部110aにより内部集積部103に搬送されて集積される。例えば、複数の内部集積部103には、帯封されるべき紙幣の金種がそれぞれ割り当てられる。そして、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、その紙幣の金種と同一の金種が割り当てられた収納部305に搬送される。内部集積部103には、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣のみが含まれる状態で、複数枚の紙幣が集積される。内部集積部103に所定枚数の紙幣が集積されると、内部集積部103に集積された所定枚数の紙幣は、第2搬送部110bにより帯封部107に搬送されて帯封部107において帯封される。これにより、帯封紙幣が生成される。帯封部107において生成された帯封紙幣は、第3搬送部110cにより第2投出部106に搬送されて第2投出部106から投出される。
【0068】
なお、正券分類処理では、識別部120においてリジェクト対象に該当すると識別された紙幣は、第1搬送部110aによりリジェクト部102に搬送されてリジェクト部102に集積される。識別部120において識別された紙幣のうち帯封されるべきではない紙幣(例えば識別部120において損券に該当すると識別された紙幣)は、第1搬送部110aにより外部集積部104に搬送されて外部集積部104に集積される。帯封紙幣の生成が完了すると、内部集積部103に残存する所定枚数未満の紙幣は、第2搬送部110bにより第1投出部105に搬送されて第1投出部105から投出される。
【0069】
〈正券分類処理における搬送制御〉
また、正券分類処理では、第1搬送制御が行われる。正券分類処理では、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、識別部120における紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部131および/または第2反転部132に搬送された後に、内部集積部103(集積部の一例)に搬送される。
【0070】
上記の正券分類処理では、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、紙幣の表裏の向きと紙幣の天地方向の向きがそれぞれ一定の向きに揃えられる。
【0071】
〔処理モードの選択〕
次に、図3図4図5を参照して、紙幣処理装置10において行われる処理を選択する操作について説明する。
【0072】
まず、制御部14は、図3に示した待機画面画像を操作表示部11に表示させる。図3に示した待機画面画像には、選択方法切替ボタンB1が設けられる。選択方法切替ボタンB1は、図4に示した選択画面画像の表示を指示するためのボタンである。選択方法切替ボタンB1を選択するための操作が操作表示部11に与えられると、制御部14は、図4に示した選択画面画像を操作表示部11に表示させる。図4に示すように、選択画面画像には、帯封ボタンB2と、金種指定領域R1と、券種指定領域R2と、刷種指定領域R3と、モード指定領域R4と、確定ボタンB3とが設けられる。
【0073】
帯封ボタンB2は、紙幣の帯封を指示するためのボタンである。帯封ボタンB2を選択するための操作が操作表示部11に与えられると、紙幣の帯封が行われる処理(この例では正損混合処理と正券分類処理)を選択することができるようになる。
【0074】
金種指定領域R1は、処理の対象となる紙幣の金種を指定するための領域である。図4の例では、紙幣の金種の候補として「1万円」と「5千円」と「2千円」と「千円」が準備されており、帯封されるべき紙幣の金種として「1万円」と「5千円」と「千円」が指定されている。
【0075】
券種指定領域R2は、処理の対象となる紙幣の券種(正損)を指定するための領域である。図4の例では、紙幣の券種の候補として「正券」と「損券」と「正損分類」と「正損混合」が準備されており、帯封されるべき紙幣の券種として「正損混合」が指定されている。
【0076】
刷種指定領域R3は、処理の対象となる紙幣の刷種(新旧)を指定するための領域である。図4の例では、紙幣の刷種の候補として「現行券」と「旧券」と「現旧分類」とが準備されており、帯封されるべき紙幣の刷種として「現行券」が指定されている。
【0077】
モード指定領域R4は、正損混合処理と正券分類処理とを含む複数の処理モードの中からいずれか1つの処理モードを指定するための領域である。図4の例では、「正損混合処理」と「正券分類処理」と「現旧分類処理」の3つの処理モードが準備されており、「正損混合処理」が指定されている。モード指定領域R4において「正損混合処理」を指定するための操作が操作表示部11に与えられると、制御部14は、「第1正損混合処理」と「第2正損混合処理」の一方を指定するためのウィンドウ画像(図示を省略)を操作表示部11に表示させる。
【0078】
確定ボタンB3は、選択画面画像における各種の指定(例えばモード指定領域R4における処理モードの指定)を確定するためのボタンである。確定ボタンB3を選択するための操作が操作表示部11に与えられると、制御部14は、選択画面画像における各種の指定に応じた処理が行われるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。
【0079】
また、この例では、モード指定領域R4において「正損混合処理」が指定された状態で確定ボタンB3を選択するための操作が操作表示部11に与えられると、制御部14は、不揃い通知情報を操作表示部11に出力する。これにより、操作表示部11には、図5に示した不揃い通知画像P10が表示される。図5の例では、不揃い通知画像P10には、紙幣の向きが揃えられていないことを示す文章が含まれる。また、不揃い通知画像P10には、正損混合処理の実施を承認するための承認ボタンと、正損混合処理の実施を取り止めるための取止めボタンとが設けられている。
【0080】
〔実施形態1の効果〕
以上のように、第1搬送制御を行うことにより、紙幣の正損および向きの識別結果に応じて紙幣の向きを一定の向きに揃えることができる。また、第2搬送制御を行うことにより、損券に該当すると識別されるべき紙幣が反転部(この例では第2反転部132)に搬送されて反転部において紙詰まりが発生するという事態を回避することができる。
【0081】
また、第1搬送制御において、正券に該当すると識別された紙幣が紙幣の向きの識別結果に応じて反転部(この例では第2反転部132)に搬送されることにより、正券に該当すると識別された紙幣の向きを一定の向きに揃えることができる。また、第1搬送制御において、損券に該当すると識別された紙幣が紙幣の向きの識別結果に拘わらず反転部(この例では第2反転部132)を迂回することにより、損券に該当すると識別された紙幣が反転部に搬送されて反転部において紙詰まりが発生するという事態を回避することができる。
【0082】
また、第2搬送制御が行われる場合に不揃い通知情報(紙幣の向きが揃えられていないことを通知するための情報)を制御部14が出力することにより、紙幣の向きが揃えられていないことを通知することができる。
【0083】
また、正損混合処理を行うことにより、正券に該当する紙幣と損券に該当する紙幣とが混合された状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる。
【0084】
また、正損混合処理が行われる場合に不揃い情報(紙幣の向きが揃えられていないことを示す情報)を記録部108が帯封紙に記録することにより、帯封紙により帯封された所定枚数の紙幣(すなわち帯封紙幣)の状態の管理を容易にすることができる。
【0085】
また、正券分類処理を行うことにより、正券に該当する紙幣のみが含まれる状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる。
【0086】
また、この例では、正損混合処理において、正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部131に搬送される。これにより、正損混合処理において紙幣の表裏の向きを一定の向きに揃えることができる。
【0087】
(実施形態1の変形例)
以上の実施形態1の説明では、正損混合処理において第2搬送制御が行われる場合に、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が識別部120における紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部131に搬送される場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、正損混合処理において第2搬送制御が行われる場合に、識別部120において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、識別部120における紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず第1反転部131を迂回してもよい。すなわち、正損混合処理において第2搬送制御が行われる場合に識別部120における紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず紙幣に迂回される反転部は、第2反転部132であってもよいし、第1反転部131であってもよいし、第1反転部131と第2反転部132の両方であってもよい。
【0088】
また、以上の実施形態1の説明では、第2反転部132が第1搬送部110aにおいて第1反転部131よりも下流に配置される場合を例に挙げたが、第2反転部132は、第1搬送部110aにおいて第1反転部131よりも上流に配置されてもよい。
【0089】
(実施形態2)
図6は、実施形態2による紙幣処理装置20の外観を例示する。紙幣処理装置20は、バラ状態の紙幣を処理する紙幣処理部30と、帯封紙幣を処理する帯封紙幣処理部40とを備える。
【0090】
〔紙幣処理部〕
図7に示すように、紙幣処理部30は、筐体300と、入金部301と、入金リジェクト部302と、複数(この例では4つ)の一時保留部303と、一括一時保留部304と、複数(この例では4つ)の収納部305と、一括収納部306と、出金部307と、出金リジェクト部308と、複数(この例では2つ)の整理一時保留部309と、紙幣搬送部310と、識別部320と、第1反転部331と、第2反転部332とを備える。
【0091】
〈筐体〉
筐体300は、直方体型の箱状に形成される。筐体300には、紙幣処理部30の上述の構成部品が収納される。
【0092】
〈入金部〉
入金部301には、紙幣が投入される。入金部301は、投入された紙幣を集積する。この例では、入金部301は、筐体300の前面部の上部に設けられる。入金部301には、筐体300の前方に開口する入金口301aが設けられ、入金口301aには、シャッタが設けられる。また、入金部301には、入金部301に集積された紙幣を1枚ずつ紙幣搬送部310に繰り出す繰出機構301bが設けられる。
【0093】
〈入金リジェクト部〉
入金リジェクト部302は、リジェクト対象に該当する紙幣を集積する。例えば、入金リジェクト部302は、後述する第1識別部321においてリジェクト対象に該当すると識別された紙幣を集積する。
【0094】
〈一時保留部〉
複数の一時保留部303は、複数の収納部305にそれぞれ対応する。複数の一時保留部303の各々は、紙幣を一時的に保留する。また、複数の一時保留部303は、一時的に保留している紙幣を複数の収納部305にそれぞれ送る。
【0095】
〈一括一時保留部〉
一括一時保留部304は、一括収納部306に対応する。一括一時保留部304は、紙幣を一時的に保留する。また、一括一時保留部304は、一時的に保留している紙幣を一括収納部306に送る。
【0096】
〈収納部〉
複数の収納部305の各々は、紙幣を収納する。具体的には、複数の収納部305の各々は、正券に該当する紙幣を収納する。この例では、複数の収納部305は、複数の一時保留部303から送られた紙幣をそれぞれ収納する。例えば、複数の収納部305には、それぞれ異なる金種が割り当てられ、複数の収納部305の各々は、その収納部305に割り当てられた金種の紙幣を収納する。また、複数の収納部305の各々は、収納している紙幣を紙幣搬送部310(具体的には後述する第2紙幣搬送部310b)に繰り出す。
【0097】
〈一括収納部〉
一括収納部306は、紙幣を収納する。具体的には、一括収納部306は、正券に該当する紙幣と損券に該当する紙幣の両方を収納可能である。この例では、一括収納部306は、一括一時保留部304から送られた紙幣を収納する。また、一括収納部306は、収納している紙幣を紙幣搬送部310(具体的には後述する第2紙幣搬送部310b)に繰り出す。
【0098】
〈出金部〉
出金部307は、払い出されるべき紙幣を集積する。この例では、出金部307は、筐体300の上部に設けられる。出金部307には、筐体300の上方に開口する出金口307aが設けられ、出金口307aには、シャッタが設けられる。
【0099】
〈出金リジェクト部〉
出金リジェクト部308は、リジェクト対象に該当する紙幣を集積する。例えば、出金リジェクト部308は、後述する第2識別部322においてリジェクト対象に該当すると識別された紙幣を集積する。
【0100】
〈整理一時保留部〉
複数の整理一時保留部309の各々は、紙幣を集積する。整理一時保留部309に集積された所定枚数(例えば100枚)の紙幣は、後述するアーム機構401により後述する帯封部402に搬送される。
【0101】
〈紙幣搬送部〉
紙幣搬送部310は、紙幣処理部30内において紙幣を搬送する。この例では、紙幣搬送部310は、第1紙幣搬送部310aと、第2紙幣搬送部310bと、第3紙幣搬送部310cを有する。第1紙幣搬送部310aは、入金部301と入金リジェクト部302と複数の一時保留部303と一括一時保留部304との間において紙幣を搬送する。第2紙幣搬送部310bは、複数の収納部305と一括収納部306と出金部307と出金リジェクト部308と複数の整理一時保留部309との間において紙幣を搬送する。第3紙幣搬送部310cは、第1紙幣搬送部310aと第2紙幣搬送部310bとの間において紙幣を搬送する。
【0102】
〈識別部〉
識別部320は、第1識別部321と、第2識別部322とを有する。
【0103】
第1識別部321は、第1識別処理を行う。第1識別処理には、紙幣の正損の識別が含まれる。この例では、第1識別処理には、紙幣の正損の識別と、紙幣の向きの識別とが含まれる。第1識別部321は、第1紙幣搬送部310aに設けられ、入金部301よりも下流であり且つ入金リジェクト部302と複数の一時保留部303と一括一時保留部304よりも上流である位置に配置される。そして、第1識別部321は、第1紙幣搬送部310aにより搬送される紙幣に対して第1識別処理を行う。第1識別処理では、第1識別部321は、紙幣の金種、正損、真偽、新旧、向き、搬送状態、紙幣に付された記番号などを識別する。第1識別部321における紙幣の識別結果は、後述する制御部24に送信される。また、この例では、第1識別部321は、計数処理を行う。計数処理では、第1識別部321は、紙幣の種別毎(例えば金種毎)に紙幣を計数する。第1識別部321における紙幣の計数結果は、後述する制御部24に送信される。
【0104】
第2識別部322は、第2識別処理を行う。第2識別処理には、紙幣の向きの識別が含まれる。この例では、第2識別部322は、第2紙幣搬送部310bに設けられ、複数の収納部305と一括収納部306よりも下流であり且つ出金部307と出金リジェクト部308と複数の整理一時保留部309よりも上流である位置に配置される。そして、第2識別部322は、第2紙幣搬送部310bにより搬送される紙幣に対して第2識別処理を行う。第2識別処理では、第2識別部322は、紙幣の金種、正損、真偽、新旧、向き、搬送状態、紙幣に付された記番号などを識別する。第2識別部322における紙幣の識別結果は、後述する制御部24に送信される。なお、第2識別部322による第2識別処理において紙幣の正損の識別が省略されてもよい。すなわち、第2識別部322は、第1識別部321よりも簡素な構成であってもよい。また、この例では、第2識別部322は、計数処理を行う。計数処理では、第2識別部322は、紙幣の種別毎(例えば金種毎)に紙幣を計数する。第2識別部322における紙幣の計数結果は、後述する制御部24に送信される。
【0105】
〈第1反転部〉
第1反転部331は、紙幣の表裏を反転させる。この例では、第1反転部331は、第1紙幣搬送部310aに設けられ、第1識別部321よりも下流であり且つ複数の一時保留部303と一括一時保留部304よりも上流である位置に配置される。なお、紙幣搬送部310(具体的には第1紙幣搬送部310a)は、紙幣が第1反転部331に搬送されて紙幣の表裏が反転される状態と、紙幣が第1反転部331を迂回する状態とに切り換え可能である。この例では、第1紙幣搬送部310aは、第1反転部331が設けられる第1反転路P1と、第1反転路P1を迂回する第1迂回路P2とを有する。
【0106】
また、この例では、第1反転部331は、スイッチバック式の反転部である。具体的には、第1反転部331は、第1紙幣搬送部310aにより搬送される紙幣の搬送幅方向(搬送方向と直交する方向)の向きが変わらないように紙幣の表裏を反転させる。
【0107】
〈第2反転部(反転部)〉
第2反転部332は、紙幣の表裏を反転させる。この例では、第2反転部332は、第2紙幣搬送部310bに設けられ、第2識別部322よりも下流であり且つ出金部307と出金リジェクト部308と複数の整理一時保留部309よりも上流である位置に配置される。そして、第2反転部332は、紙幣に対してひねる力を加えることで紙幣の表裏を反転させる。なお、紙幣搬送部310(具体的には第2紙幣搬送部310b)は、紙幣が第2反転部332に搬送されて紙幣の表裏が反転される状態と、紙幣が第2反転部332を迂回する状態とに切り換え可能である。この例では、第2紙幣搬送部310bは、第2反転部132が設けられる第2反転路P3と、第2反転路P3を迂回する第2迂回路P4とを有する。
【0108】
また、この例では、第2反転部332は、スパイラル式の反転部である。具体的には、第2反転部332は、第2紙幣搬送部310bにより搬送される紙幣の搬送幅方向の向きが変わるように紙幣の表裏を反転させる。
【0109】
〔帯封紙幣処理部〕
図8に示すように、帯封紙幣処理部40は、筐体400と、アーム機構401と、帯封部402と、記録部403と、帯封紙幣入出金部404と、帯封紙幣投出部405と、複数(この例では5つ)の帯封紙幣収納部406と、帯封紙幣搬送部410とを備える。
【0110】
〈筐体〉
筐体400は、直方体型の箱状に形成される。筐体400には、帯封紙幣処理部40の上述の構成部品が収納される。
【0111】
〈アーム機構〉
アーム機構401は、紙幣処理部30の整理一時保留部309に集積された所定枚数の紙幣を取り出して帯封部402に搬送する。
【0112】
〈帯封部〉
帯封部402は、所定枚数の紙幣を帯封紙により帯封する。これにより、帯封紙幣が生成される。帯封部402の構成は、図1に示した帯封部107の構成と同様である。
【0113】
〈記録部〉
記録部403は、帯封紙に情報を記録する。なお、記録部403の構成は、図1に示した記録部108の構成と同様である。
【0114】
〈帯封紙幣入出金部〉
帯封紙幣入出金部404には、帯封紙幣が投入される。また、帯封紙幣入出金部404は、帯封紙幣を払い出す。この例では、帯封紙幣入出金部404は、筐体400の前面部の上部に設けられる。帯封紙幣入出金部404には、筐体400の前方に開口する入出金口404aが設けられ、入出金口404aには、シャッタが設けられる。
【0115】
〈帯封紙幣投出部〉
帯封紙幣投出部405は、帯封紙幣を投出する。この例では、帯封紙幣投出部405は、筐体400の前面部の下部に設けられる。帯封紙幣投出部405には、筐体400の前方に開口する投出口405aが設けられる。
【0116】
〈帯封紙幣収納部〉
複数の帯封紙幣収納部406の各々は、帯封紙幣を収納する。また、複数の帯封紙幣収納部406の各々は、収納している帯封紙幣を帯封紙幣搬送部410に送る。例えば、複数の帯封紙幣収納部406には、それぞれ収納されるべき帯封紙幣の金種が割り当てられ、複数の帯封紙幣収納部406の各々は、その帯封紙幣収納部406に割り当てられた金種の帯封紙幣を収納する。
【0117】
〈帯封紙幣搬送部〉
帯封紙幣搬送部410は、帯封紙幣処理部40内において帯封紙幣を搬送する。この例では、帯封紙幣搬送部410は、第1帯封紙幣搬送部410aと、第2帯封紙幣搬送部410bと、昇降機構410cを有する。第1帯封紙幣搬送部410aは、帯封部402と昇降機構410cとの間において帯封紙幣を搬送する。第2帯封紙幣搬送部410bは、複数の帯封紙幣収納部406と昇降機構410cとの間において帯封紙幣を搬送する。昇降機構410cは、第1帯封紙幣搬送部410aと第2帯封紙幣搬送部410bと帯封紙幣入出金部404と帯封紙幣投出部405との間において帯封紙幣を搬送する。
【0118】
〔搬送部〕
実施形態2では、紙幣処理部30の紙幣搬送部310と帯封紙幣処理部40のアーム機構401および帯封紙幣搬送部410とが搬送部200を構成する。搬送部200は、紙幣処理装置20内において紙幣を搬送する。
【0119】
〔操作表示部と通信部と記憶部〕
図9に示すように、紙幣処理装置20は、操作表示部21と、通信部22と、記憶部23とを備える。操作表示部21は、操作部21aと表示部21bとを有する。操作表示部21の構成は、図1に示した操作表示部11の構成と同様である。通信部22の構成は、図1に示した通信部12の構成と同様である。記憶部23の構成は、図1に示した記憶部13の構成と同様である。
【0120】
〔各種センサ〕
また、紙幣処理部30の各部には、紙幣の通過を検出する通過センサなどの各種センサ(図示を省略)が設けられる。これと同様に、帯封紙幣処理部40の各部には、帯封紙幣の通過を検出する通過センサなどの各種センサ(図示を省略)が設けられる。これらの各種センサの検出結果は、後述する制御部24に送信される。
【0121】
〔制御部〕
図9に示すように、紙幣処理装置20は、制御部24を備える。制御部24は、紙幣処理装置20の各部と電気的に接続され、紙幣処理装置20の各部の間において信号の伝送を行う。この例では、制御部24は、紙幣処理部30の構成部品、帯封紙幣処理部40の構成部品、操作表示部21、通信部22、記憶部23と電気的に接続される。また、制御部24は、通信部22を経由して外部機器と通信を行う。そして、制御部24は、紙幣処理装置20の各部(各部に設けられた各種センサを含む)および外部機器からの信号などに基づいて、紙幣処理装置20の各部を制御して紙幣処理装置20の動作を制御する。例えば、制御部24は、プロセッサと、プロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリとにより構成される。
【0122】
〔第1搬送制御〕
また、制御部24は、第1搬送制御を行う。第1搬送制御では、制御部24は、識別部320において識別された紙幣が識別部320における紙幣の正損および向きの識別結果に応じて第2反転部332(反転部の一例)に搬送されるように、紙幣処理装置20の動作を制御する。具体的には、第1搬送制御では、第1識別部321(識別部320)において正券に該当すると識別された紙幣は、第2識別部322(識別部320)における紙幣の向きの識別結果に応じて第2反転部332に搬送される。例えば、第2反転部332において紙幣の表裏を反転する必要がある場合には、紙幣が第2反転部332に搬送され、第2反転部332において紙幣の表裏を反転する必要がない場合には、紙幣が第2反転部332を迂回する。また、第1識別部321において損券に該当すると識別された紙幣は、第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に拘わらず第2反転部332を迂回する。
【0123】
〔第2搬送制御〕
また、制御部24は、第2搬送制御を行う。第2搬送制御では、制御部24は、識別部320において識別された紙幣が識別部320における紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず第2反転部332(反転部の一例)を迂回するように、紙幣処理装置20の動作を制御する。具体的には、第2搬送制御では、制御部24は、第1識別部321および第2識別部322において識別された紙幣が第1識別部321における紙幣の正損の識別結果と第2識別部322における紙幣の向きの識別結果とに拘わらず第2反転部332を迂回するように、紙幣処理装置20の動作を制御する。
【0124】
また、実施形態1と同様に、制御部24は、第2搬送制御が行われる場合に、紙幣の向きが揃えられていないことを通知するための情報である不揃い通知情報を出力する。
【0125】
〔紙幣処理装置の動作〕
次に、実施形態2による紙幣処理装置20の動作について説明する。紙幣処理装置20では、入金処理と、正損混合帯封処理と、正券分類帯封処理と、正損混合出金処理と、正券分類出金処理とが行われる。
【0126】
〔入金処理〕
入金処理は、紙幣を入金する処理のことである。入金処理において、制御部24は、入金部301に投入された紙幣が第1識別部321に搬送され、第1識別部321において識別された紙幣が第1識別部321における紙幣の正損の識別結果に応じて収納部305または一括収納部306に搬送されるように、紙幣処理装置10の動作を制御する。具体的には、第1搬送制御では、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣は、収納部305に搬送される。第1識別部321において損券に該当すると識別された紙幣は、一括収納部306に搬送される。
【0127】
なお、一括収納部306には、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣も収納される。例えば、一括収納部306には、満杯状態の収納部305に搬送することができない正券(いわゆるオーバーフロー券)が収納される。すなわち、収納部305には、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣が収納される。一括収納部306には、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣および損券に該当すると識別された紙幣の両方が収納される。
【0128】
この例では、入金処理において、第1識別部321において識別された紙幣は、第1識別部における紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部331に搬送された後に、第1識別部321における紙幣の正損の識別結果に応じて収納部305または一括収納部306に搬送される。例えば、第1反転部331において紙幣の表裏を反転する必要がある場合には、紙幣が第1反転部331に搬送され、第1反転部331において紙幣の表裏を反転する必要がない場合には、紙幣が第1反転部331を迂回する。
【0129】
具体的には、入金処理では、入金部301に投入された紙幣は、第1紙幣搬送部310aにより第1識別部321に搬送されて第1識別処理が行われる。第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣は、第1紙幣搬送部310aにより一時保留部303に搬送されて一時保留部303に一時的に保留される。例えば、複数の一時保留部303には、一時的に保留すべき紙幣の金種がそれぞれ割り当てられる。そして、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣は、その紙幣の金種と同一の金種が割り当てられた一時保留部303に搬送される。また、第1識別部321において損券に該当すると識別された紙幣は、第1紙幣搬送部310aにより一括一時保留部304に搬送されて一括一時保留部304に一時的に保留される。なお、一括一時保留部304には、第1識別部321において正券に該当すると識別されたが一時保留部303に搬送することができない紙幣(例えばオーバーフロー券)も搬送される。そして、入金処理を承認するための操作が操作表示部21に与えられると、一時保留部303に一時的に保留されている紙幣が収納部305に送られ、一括一時保留部304に一時的に保留されている紙幣が一括収納部306に送られる。これにより、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣が収納部305に収納され、第1識別部321において正券または損券に該当すると識別された紙幣が一括収納部306に収納される。
【0130】
なお、入金処理では、識別部120においてリジェクト対象に該当すると識別された紙幣は、第1紙幣搬送部310aにより入金リジェクト部302に搬送されて入金リジェクト部302に集積される。
【0131】
上記の入金処理では、収納部305に収納される紙幣の表裏の向きを変更することができるが、紙幣の搬送幅方向の向きは変更されない。これと同様に、一括収納部306に収納される紙幣の表裏の向きを変更することができるが、紙幣の搬送幅方向の向きは変更されない。
【0132】
〔正損混合帯封処理〕
正損混合帯封処理は、正券に該当する紙幣と損券に該当する紙幣とが混合された状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる処理のことである。正損混合帯封処理において、制御部24は、一括収納部306に収納された紙幣が第2識別部322に搬送され、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が整理一時保留部309に搬送され、整理一時保留部309に集積された所定枚数の紙幣が帯封部402に搬送されるように、紙幣処理装置20の動作を制御する。なお、一括収納部306に収納された紙幣は、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣または第1識別部321において損券に該当すると識別された紙幣である。
【0133】
具体的には、正損混合帯封処理では、一括収納部306から繰り出された紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより第2識別部322に搬送されて第2識別処理が行われる。第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより整理一時保留部309に搬送されて整理一時保留部309に集積される。整理一時保留部309には、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣と第1識別部321において損券に該当すると識別された紙幣とが混合された状態で、複数枚の紙幣が集積される。整理一時保留部309に所定枚数の紙幣が集積されると、整理一時保留部309に集積された所定枚数の紙幣は、アーム機構401により帯封部402に搬送されて帯封部402において帯封される。これにより、帯封紙幣が生成される。帯封部402において生成された帯封紙幣は、帯封紙幣搬送部410により帯封紙幣入出金部404と帯封紙幣投出部405と帯封紙幣収納部406のいずれかに搬送される。
【0134】
なお、正損混合帯封処理では、第2識別部322においてリジェクト対象に該当すると識別された紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより出金リジェクト部308に搬送されて出金リジェクト部308に集積される。帯封紙幣の生成が完了すると、整理一時保留部309に残存する所定枚数未満の紙幣は、第2紙幣搬送部310bと第3紙幣搬送部310cと第1紙幣搬送部310aにより一括一時保留部304に搬送され、一括一時保留部304から一括収納部306に送られる。
【0135】
〈正損混合帯封処理における搬送制御〉
また、正損混合帯封処理では、第1搬送制御と第2搬送制御の一方が行われる。以下では、正損混合帯封処理において第1搬送制御が行われる場合(すなわち第1搬送制御が行われる正損混合帯封処理)を「第1正損混合帯封処理」と記載し、正損混合帯封処理において第2搬送制御が行われる場合(すなわち第2搬送制御が行われる正損混合帯封処理)を「第2正損混合帯封処理」と記載する。
【0136】
〈第1正損混合帯封処理〉
第1正損混合帯封処理において、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、第1識別部321における紙幣の正損の識別結果および第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に応じて第2反転部332(反転部の一例)に搬送された後に、整理一時保留部309に搬送される。
【0137】
具体的には、第1正損混合帯封処理では、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣であり且つ第1識別部321において正券であると識別された紙幣は、第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に応じて第2反転部332に搬送された後に、整理一時保留部309に搬送される。一方、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣であり且つ第1識別部321において損券であると識別された紙幣は、第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に拘わらず第2反転部332を迂回した後に、整理一時保留部309に搬送される。
【0138】
上記の第1正損混合帯封処理では、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣であり且つ第1識別部321において正券であると識別された紙幣は、紙幣の表裏の向きと紙幣の天地方向の向きがそれぞれ一定の向きに揃えられる。一方、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣であり且つ第1識別部321において損券であると識別された紙幣は、紙幣の表裏の向きが一定の向きに揃えられるが、紙幣の天地方向の向きが一定の向きに揃えられない。
【0139】
〈第2正損混合帯封処理〉
第2正損混合帯封処理において、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、第1識別部321における紙幣の正損の識別結果および第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に拘わらず第2反転部332(反転部の一例)を迂回した後に、整理一時保留部309に搬送される。
【0140】
具体的には、第2正損混合帯封処理では、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、第1識別部321において正券に該当すると識別された場合であっても、第1識別部321において損券に該当すると識別された場合であっても、第2反転部332を迂回した後に、整理一時保留部309に搬送される。
【0141】
上記の第2正損混合帯封処理では、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、紙幣の表裏の向きが一定の向きに揃えられるが、紙幣の天地方向の向きが一定の向きに揃えられない。
【0142】
〈記録部の動作〉
また、記録部403は、正損混合帯封処理が行われる場合に、紙幣の向きが揃えられていないことを示す情報である不揃い情報を帯封紙に記録する。不揃い情報は、紙幣の向きが揃えられていないことを直接的に示す情報(例えば紙幣の向きが不揃いであることを示す文章や記号や図形など)であってもよいし、紙幣の向きが揃えられていないことを間接的に示す情報(例えば正損混合処理が行われたことを示す文章や記号や図形など)であってもよい。
【0143】
〔正券分類帯封処理〕
正券分類帯封処理は、正券に該当する紙幣のみが含まれる状態で所定枚数の紙幣を帯封する処理のことである。正券分類帯封処理において、制御部24は、収納部305に収納された紙幣が第2識別部322に搬送され、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣が整理一時保留部309に搬送され、整理一時保留部309に集積された所定枚数の紙幣が帯封部402に搬送されるように、紙幣処理装置20の動作を制御する。なお、収納部305に収納された紙幣は、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣である。
【0144】
具体的には、正券分類帯封処理では、収納部305から繰り出された紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより第2識別部322に搬送されて第2識別処理が行われる。第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより整理一時保留部309に搬送されて整理一時保留部309に集積される。整理一時保留部309には、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣のみが含まれる状態で、複数枚の紙幣が集積される。整理一時保留部309に所定枚数の紙幣が集積されると、整理一時保留部309に集積された所定枚数の紙幣は、アーム機構401により帯封部402に搬送されて帯封部402において帯封される。これにより、帯封紙幣が生成される。帯封部402において生成された帯封紙幣は、帯封紙幣搬送部410により帯封紙幣入出金部404と帯封紙幣投出部405と帯封紙幣収納部406のいずれかに搬送される。
【0145】
なお、正券分類帯封処理では、第2識別部322においてリジェクト対象に該当すると識別された紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより出金リジェクト部308に搬送されて出金リジェクト部308に集積される。帯封紙幣の生成が完了すると、整理一時保留部309に残存する所定枚数未満の紙幣は、第2紙幣搬送部310bと第3紙幣搬送部310cと第1紙幣搬送部310aにより一時保留部303に搬送され、一時保留部303から収納部305に送られる。
【0146】
〈正券分類帯封処理における搬送制御〉
また、正券分類帯封処理では、第1搬送制御が行われる。正券分類帯封処理では、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に応じて第2反転部332(反転部の一例)に搬送された後に、整理一時保留部309に搬送される。
【0147】
上記の正券分類帯封処理では、第2識別部322において識別された紙幣のうち帯封されるべき紙幣は、紙幣の表裏の向きと紙幣の天地方向の向きがそれぞれ一定の向きに揃えられる。
【0148】
〔正損混合出金処理〕
正損混合出金処理は、正券に該当する紙幣と損券に該当する紙幣とが混合された状態で複数枚の紙幣を出金する処理のことである。正損混合出金処理において、制御部24は、一括収納部306に収納された紙幣が第2識別部322に搬送され、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣が出金部307に搬送されるように、紙幣処理装置20の動作を制御する。なお、一括収納部306に収納された紙幣は、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣または第1識別部321において損券に該当すると識別された紙幣である。
【0149】
具体的には、正損混合出金処理では、一括収納部306から繰り出された紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより第2識別部322に搬送されて第2識別処理が行われる。第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより出金部307に搬送されて出金部307に集積される。出金部307には、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣と第1識別部321において損券に該当すると識別された紙幣とが混合された状態で、複数枚の紙幣が集積される。
【0150】
なお、正損混合出金処理では、第2識別部322においてリジェクト対象に該当すると識別された紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより出金リジェクト部308に搬送されて出金リジェクト部308に集積される。
【0151】
〈正損混合出金処理における搬送制御〉
また、正損混合出金処理では、第1搬送制御と第2搬送制御の一方が行われる。以下では、正損混合出金処理において第1搬送制御が行われる場合(すなわち第1搬送制御が行われる正損混合出金処理)を「第1正損混合出金処理」と記載し、正損混合出金処理において第2搬送制御が行われる場合(すなわち第2搬送制御が行われる正損混合出金処理)を「第2正損混合出金処理」と記載する。
【0152】
〈第1正損混合出金処理〉
第1正損混合出金処理において、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣は、第1識別部321における紙幣の正損の識別結果および第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に応じて第2反転部332(反転部の一例)に搬送された後に、出金部307に搬送される。
【0153】
具体的には、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣であり且つ第1識別部321において正券であると識別された紙幣は、第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に応じて第2反転部332に搬送された後に、出金部307に搬送される。一方、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣であり且つ第1識別部321において損券であると識別された紙幣は、第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に拘わらず第2反転部332を迂回した後に、出金部307に搬送される。
【0154】
上記の第1正損混合出金処理では、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣であり且つ第1識別部321において正券であると識別された紙幣は、紙幣の表裏の向きと紙幣の天地方向の向きがそれぞれ一定の向きに揃えられる。一方、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣であり且つ第1識別部321において損券であると識別された紙幣は、紙幣の表裏の向きが一定の向きに揃えられるが、紙幣の天地方向の向きが一定の向きに揃えられない。
【0155】
〈第2正損混合出金処理〉
第2正損混合出金処理において、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣は、第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に拘わらず第2反転部332(反転部の一例)を迂回した後に、出金部307に搬送される。
【0156】
具体的には、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣は、第1識別部321において正券に該当すると識別された場合であっても、第1識別部321において損券に該当すると識別された場合であっても、第2反転部332を迂回した後に、出金部307に搬送される。
【0157】
上記の第2正損混合出金処理では、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣は、紙幣の表裏の向きが一定の向きに揃えられるが、紙幣の天地方向の向きが一定の向きに揃えられない。
【0158】
〔正券分類出金処理〕
正券分類出金処理は、正券に該当する紙幣のみが含まれる状態で複数枚の紙幣を出金する処理のことである。正券分類出金処理において、制御部24は、収納部305に収納された紙幣が第2識別部322に搬送され、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣が出金部307に搬送されるように、紙幣処理装置20の動作を制御する。なお、収納部305に収納された紙幣は、第1識別部321において正券に該当すると識別された紙幣である。
【0159】
具体的には、正券分類出金処理において、収納部305から繰り出された紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより第2識別部322に搬送されて第2識別処理が行われる。第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより出金部307に搬送されて出金部307に集積される。
【0160】
なお、正券分類出金処理では、第2識別部322においてリジェクト対象に該当すると識別された紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより出金リジェクト部308に搬送されて出金リジェクト部308に集積される。
【0161】
〈正券分類出金処理における搬送制御〉
また、正券分類出金処理では、第1搬送制御が行われる。正券分類出金処理では、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣は、第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に応じて第2反転部332に搬送された後に、出金部307に搬送される。
【0162】
上記の正券分類出金処理では、第2識別部322において識別された紙幣のうち出金されるべき紙幣は、紙幣の表裏の向きと紙幣の天地方向の向きがそれぞれ一定の向きに揃えられる。
【0163】
〔実施形態2の効果〕
以上のように、第1搬送制御を行うことにより、紙幣の正損および向きの識別結果に応じて紙幣の向きを一定の向きに揃えることができる。また、第2搬送制御を行うことにより、損券に該当すると識別されるべき紙幣が反転部(この例では第2反転部332)に搬送されて反転部において紙詰まりが発生するという事態を回避することができる。
【0164】
また、第1搬送制御において、正券に該当すると識別された紙幣が紙幣の向きの識別結果に応じて反転部(この例では第2反転部332)に搬送されることにより、正券に該当すると識別された紙幣の向きを一定の向きに揃えることができる。また、第1搬送制御において、損券に該当すると識別された紙幣が紙幣の向きの識別結果に拘わらず反転部(この例では第2反転部332)を迂回することにより、損券に該当すると識別された紙幣が反転部に搬送されて反転部において紙詰まりが発生するという事態を回避することができる。
【0165】
また、第2搬送制御が行われる場合に不揃い通知情報(紙幣の向きが揃えられていないことを通知するための情報)を制御部24が出力することにより、紙幣の向きが揃えられていないことを通知することができる。
【0166】
また、正損混合帯封処理を行うことにより、正券に該当する紙幣と損券に該当する紙幣とが混合された状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる。
【0167】
また、正損混合帯封処理が行われる場合に不揃い情報(紙幣の向きが揃えられていないことを示す情報)を記録部403が帯封紙に記録することにより、帯封紙により帯封された所定枚数の紙幣(すなわち帯封紙幣)の状態の管理を容易にすることができる。
【0168】
また、正券分類帯封処理を行うことにより、正券に該当する紙幣のみが含まれる状態で所定枚数の紙幣を帯封することができる。
【0169】
また、この例では、入金処理において、第1識別部321において識別された紙幣は、紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部331に搬送される。これにより、入金処理において紙幣の表裏の向きを変更することができる。
【0170】
(実施形態2の変形例1)
なお、以上の実施形態2の説明では、入金処理において、第1識別部321において識別された紙幣が第1識別部321における紙幣の向きの識別結果に応じて第1反転部331に搬送される場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、第1識別部321において識別された紙幣は、第1識別部321における紙幣の正損および向きの識別結果に拘わらず第1反転部331を迂回してもよい。
【0171】
(実施形態2の変形例2)
また、実施形態2による紙幣処理装置20において、循環処理が行われてもよい。循環処理は、収納部305および一括収納部306に収納されている紙幣の向きを揃える処理のことである。循環処理において、制御部24は、収納部305または一括収納部306に収納された紙幣が第2識別部322に搬送され、第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に応じて第2反転部332および第1反転部331の一方または両方に搬送された後に、収納部305または一括収納部306に戻るように、紙幣処理装置20の動作を制御する。
【0172】
具体的には、循環処理では、収納部305(または一括収納部306)から繰り出された紙幣は、第2紙幣搬送部310bにより第2識別部322に搬送されて第2識別処理が行われる。第2識別部322において識別された紙幣は、第2識別部322における紙幣の向きの識別結果に応じて第2反転部332および第1反転部331の一方または両方に搬送された後に、収納部305または一括収納部306に戻る。これにより、収納部305(または一括収納部306)に収納されている紙幣の向きが揃えられる。
【0173】
なお、循環処理は、予め定められたタイミングで開始されてもよい。例えば、循環処理は、タイマ設定により定められたタイミングで開始されてもよいし、紙幣処理装置20の操作者(例えば係員)による操作に応答して開始されてもよいし、精査処理が行われるタイミングで開始されてもよい。
【0174】
また、循環処理に関する設定は、複数の収納部305および一括収納部306の各々に対して個別に行われてもよい。例えば、循環処理が行われるタイミングは、複数の収納部305および一括収納部306の各々に対して個別に設定されてもよい。
【0175】
循環処理は、紙幣処理装置20が設置された店舗が比較的に閑散な時間帯に行われることが好ましい。比較的に閑散な時間帯の例としては、店舗の営業開始前の時間帯や、店舗への来客が比較的に少ない時間帯などが挙げられる。
【0176】
制御部24は、紙幣処理装置20において循環処理が行われている場合に、循環処理が行われていることを通知するための情報を出力してもよい。例えば、制御部24は、循環処理が行われていることを通知するための情報を操作表示部21に出力することで、循環処理が行われていることを通知するための画像を操作表示部21に表示させてもよい。
【0177】
また、制御部24は、紙幣処理装置20の循環処理の実行中に、入金処理や出金処理などの紙幣処理装置20の他の処理を開始するための指示を受けた場合に、循環処理が終了して他の処理が開始されるように、紙幣処理装置20の動作を制御してもよい。例えば、循環処理の実行中に他の処理を開始するため操作が操作表示部21に与えられると、収納部305(または一括収納部306)からの紙幣の繰り出しが停止され、繰り出し済みの紙幣が収納部305(または一括収納部306)に戻される。これにより、紙幣処理装置20において循環処理が終了する。その後、紙幣処理装置20において他の処理が開始される。
【0178】
以上のように、事前に循環処理を行うことにより、出金処理において紙幣に第2反転部332を迂回させることができるので、出金処理に要する時間を短縮することができる。また、出金処理において第2反転部332に紙詰まりが発生するという事態を回避することができる。
【0179】
また、紙幣処理装置20が設置された店舗が比較的に閑散な期間に循環処理を行うことができるので、循環処理において第2反転部332に紙詰まりが発生したとしても、第2反転部332の紙詰まりを解消するために要する時間を十分に確保することができる。
【0180】
(その他の実施形態)
なお、識別部120(または識別部320)における紙幣の正損の識別のために用いられる正損判別レベルは、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。また、正損判別レベルは、ゼロに設定されてもよい。この場合、識別部120(または識別部320)において全ての紙幣が正券に該当すると識別されることになる。
【0181】
以上の実施形態および変形例を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、ここに開示する技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0182】
以上説明したように、ここに開示する技術は、紙幣処理装置として有用である。
【符号の説明】
【0183】
10 紙幣処理装置
11 操作表示部
12 通信部
13 記憶部
14 制御部
100 筐体
101 投入部
102 リジェクト部
103 内部集積部(集積部)
104 外部集積部
105 第1投出部
106 第2投出部
107 帯封部
108 記録部
110 搬送部
120 識別部
131 第1反転部
132 第2反転部(反転部)
20 紙幣処理装置
21 操作表示部
22 通信部
23 記憶部
24 制御部
200 搬送部
30 紙幣処理部
300 筐体
301 入金部
302 入金リジェクト部
303 一時保留部
304 一括一時保留部
305 収納部
306 一括収納部
307 出金部
308 出金リジェクト部
309 整理一時保留部
310 紙幣搬送部
320 識別部
321 第1識別部
322 第2識別部
331 第1反転部
332 第2反転部(反転部)
40 帯封紙幣処理部
400 筐体
401 アーム機構
402 帯封部
403 記録部
404 帯封紙幣入出金部
405 帯封紙幣投出部
410 帯封紙幣搬送部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9