(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 47/00 20200101AFI20230313BHJP
【FI】
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2019550844
(86)(22)【出願日】2018-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2018055843
(87)【国際公開番号】W WO2018166898
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-03-04
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】リーヴェル トニー
【審査官】八木 敬太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0324212(US,A1)
【文献】中国実用新案第203378558(CN,U)
【文献】実開平03-105299(JP,U)
【文献】特表2015-513970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を備える少なくとも二つの消耗品とを備えるエアロゾル発生システムであって、前記装置が少なくとも二つの受け入れチャンバーを備える装置ハウジングを備え、前記少なくとも二つの消耗品の各々が前記少なくとも二つの受け入れチャンバーのうちの一つの中に収容されていて、
前記システムが少なくとも二つのマウスピースをさらに備え、前記少なくとも二つのマウスピースの各々が、前記少なくとも二つの消耗品のうちの一つと整列されていて、かつ前記少なくとも二つのマウスピースの各々の中への気流、およびその外への気流は、前記少なくとも二つのマウスピースのうちの他方の各々の中への気流、およびその外への気流から分離されたまま保持される、前記システム。
【請求項2】
前記少なくとも二つのマウスピースのうちの少なくとも一つが前記装置内に備えられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも二つのマウスピースがマウスピースユニットを形成する、請求項1または2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも二つのマウスピースのうち少なくとも一つが、前記少なくとも二つの消耗品のうちの一つの中に備えられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも二つの消耗品のうちの一つが、エアロゾル形成液体および前記エアロゾル形成液体を加熱するための発熱体を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも二つの消耗品のうちの一つが固体たばこ材料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記装置が手持ち式装置である、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも二つの受け入れチャンバーの各一つの中に消耗品を受け入れる、および収容するための前記少なくとも二つの受け入れチャンバーを備える装置ハウジングを備えるエアロゾル発生装置であって、前記少なくとも二つの受け入れチャンバーの各受け入れチャンバーが、前記それぞれの受け入れチャンバー内に収容された消耗品を加熱するための発熱体、または前記それぞれの受け入れチャンバー内に収容された前記消耗品を加熱するための消耗品の外部発熱体に接続可能な電気接点、または前記装置内もしくは前記消耗品内に提供されたサセプタ材料を加熱するための誘導コイル、のうちの一つを備える、エアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記装置が、少なくとも二つのマウスピースをさらに備え、前記少なくとも二つのマウスピースの各々が、前記装置ハウジングに取り付けられた時に、前記少なくとも二つの受け入れチャンバーのうちの受け入れチャンバーの受け入れ開口部を覆う、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
各マウスピースが前記装置ハウジングにヒンジ式で接続されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも二つのマウスピースの各々が、入口開口部および出口開口部を備え、かつ前記入口開口部の各々が、前記少なくとも二つの受け入れチャンバーのうちの一つの受け入れ開口部と整列されている、請求項9または10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも二つのマウスピースの各々の中への気流、およびその外への気流が、前記少なくとも二つのマウスピースのうちの他方の各々の中への気流、およびその外への前記気流から分離されたまま保持される、請求項9~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも二つのマウスピースがマウスピースユニットを形成する、請求項9~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記受け入れチャンバーのうちの少なくとも一つが、発熱体を備え、かつ前記発熱体が受け入れチャンバー壁内に配置されている、または前記受け入れチャンバーの中へと延びる、請求項8~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
各受け入れチャンバーが細長く、かつ長軸方向軸を有し、また少なくとも二つの受け入れチャンバーが、その長軸方向軸が平行に配置されて、前記装置ハウジング内で互いに隣接して配置されている、請求項8~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
各受け入れチャンバーが細長く、かつ長軸方向軸を有し、また前記少なくとも二つの受け入れチャンバーが、前記少なくとも二つの受け入れチャンバーの前記長軸方向軸が異なる方向に延びるように、前記装置ハウジング内に配置されている、請求項8~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記装置ハウジングが、三つ以上の消耗品を受け入れる、および収容するための三つ以上の受け入れチャンバーを備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
各受け入れチャンバーが細長く、かつ長軸方向軸を有し、また前記三つ以上の受け入れチャンバーの前記長軸方向軸が異なる方向に延び、かつ隣接する受け入れチャンバーの前記長軸方向軸が整列角にて交差し、すべての前記隣接する受け入れチャンバーの前記長軸方向軸の間の前記整列角が実質的に等しい、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記装置が手持ち式装置である、請求項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生装置に関する。特に、本発明は、二つ以上の消耗品、特に異なるタイプの消耗品とともに使用するのに適したエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生装置、いわゆる電子たばこは、蒸発される液体、または加熱されるたばこ材料を使用することが周知である。一部の装置において、液体の蒸発は、たばこの加熱と組み合わせられる。他の装置では、異なる液体の選択的な並列した蒸発のために、異なる液体を含む二つのカートリッジが提供されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
異なる消耗品の使用におけるより多くの可能性または選択肢をユーザーに提供する、エアロゾル発生装置に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、エアロゾル発生装置が提供されている。装置は、少なくとも二つの受け入れチャンバーの各一つの中に消耗品を受け入れる、および収容するための少なくとも二つの受け入れチャンバーを備える装置ハウジングを備える。
【0005】
一部の実施形態において、少なくとも二つの受け入れチャンバーの各受け入れチャンバーは、それぞれの受け入れチャンバー内に収容された消耗品を加熱するための発熱体、またはそれぞれの受け入れチャンバー内に収容された前記消耗品を加熱するための消耗品の外部発熱体に接続可能な電気接点、または装置内もしくは消耗品内に提供されたサセプタ材料を加熱するための誘導コイル、のうちの一つを備えてもよい。
【0006】
装置は少なくとも二つのマウスピースをさらに備えてもよく、少なくとも二つのマウスピースの各々は、装置ハウジングに取り付けられた時、少なくとも二つの受け入れチャンバーのうちの受け入れチャンバーの受け入れ開口部を覆う。
【0007】
少なくとも二つのマウスピースの各々の中への気流、およびその外への気流は、少なくとも二つのマウスピースのうちの他方の各々の中への気流、およびその外への気流から分離されたまま保持されてもよい。
【0008】
この装置を用いると、各受け入れチャンバーは別個のマウスピースを介してアクセス可能である。それ故に、受け入れチャンバー内に配置された各消耗品は、別個のマウスピースを介してアクセス可能である。少なくとも二つの、好ましくは異なる消耗品は装置内に収容されてもよく、その後は装置をさらに準備することなくユーザーが使用する準備ができた状態になる。例えば、消耗品のうちの一つが使用されるために選択される場合、マウスピースの再配置は必要ない。特に、異なる消耗品(例えば、後続の吸煙)間の切り替えが、容易に利用可能である。加えて、異なる受け入れチャンバーおよびそれぞれのマウスピースは、特定のタイプの消耗品のみに対して個別に使用されうる。一つの受け入れチャンバーへの一つのマウスピースの割り当ては、別の受け入れチャンバー内に収容された消耗品からの物質による受け入れチャンバーおよびそれぞれのマウスピースの汚染を防止する。これは、装置のより長い使用期間にわたり喫煙の体験も高める場合がある。
【0009】
エアロゾル発生装置は、受け入れチャンバー内に収容された消耗品のうちどれを後にまたは交互に使用するか、およびどの程度使用するかの選択肢をユーザーに提供する。受け入れチャンバー内に提供された消耗品のタイプに依存して、望ましい消費者体験が自発的に選択されうる。例えば、風味ベースの体験またはニコチンベースの体験の間で自発的な選択をしうる。
【0010】
少なくとも二つのマウスピースの各々は、入口開口部および出口開口部を備えることが好ましい。入口開口部の各々は、少なくとも二つの受け入れチャンバーのうちの一つの受け入れ開口部と整列される。出口開口部の各々は、ユーザーによって個別にアクセス可能である。それ故に、マウスピースのうちのいずれかでの吸煙がいつでも使用可能である。ユーザーが喫煙しているそれぞれのマウスピースと関連付けられた受け入れチャンバー内に収容された消耗品に依存して、それぞれのユーザー体験が提供されている。
【0011】
マウスピースは別個の独立した装置部品であってもよい。これは、例えば消耗品の取り外しまたは交換のために、各受け入れチャンバーを別個に開閉することができる。
【0012】
マウスピースはマウスピースユニットを形成しうる。それ故に、少なくとも二つのマウスピースは接続されてもよく、例えばマウスピースの組立品へと統合されてもよい。これによって、一つの装置部品のみを製造し、装置ハウジングと組み立てる必要がある。加えて、装置のすべての受け入れチャンバーに同時にアクセスするために、一つの装置部品のみを取り扱う必要がある。
【0013】
装置は、すべてが別個の装置部品であるマウスピースを備えてもよい。装置は、別個の装置部品であるマウスピースおよびマウスピースユニットを備えてもよい。装置は、一つ以上のマウスピースユニットを備えてもよい。例えば、装置は、例えば二つの接続されたマウスピースおよび一つ以上の個別のマウスピースを備えるマウスピースユニットを備えてもよい。装置はまた、例えば二つのマウスピースユニット(例えば、各々が二つの接続されたマウスピースを備える)も備えてもよい。
【0014】
一部の実施形態において、装置の少なくとも二つのマウスピースは、マウスピースユニットを形成してもよい。有利なことに、マウスピースユニットの少なくとも二つのマウスピースの各々の中への気流、およびその外への気流は、少なくとも二つのマウスピースの各々に対して分離されたまま保持されうる。これによって、二つ以上の消耗品からの蒸発した物質の混合は分離されたまま保持されうるが、マウスピースは一つの装置部品内に組み立てられる。
【0015】
消耗品内に含有された基体からの物質は、基体を通過する気流、または消耗品を通過する気流によって、それぞれ輸送されうる。これらの物質は単に、通過する気流によって同伴されてもよい。例えば、たばこ基体を通過する気流には、たばこ風味が同伴されてもよい。吸入される物質はまた、例えば消耗品内に含有された基体を加熱し、吸入可能なエアロゾルを形成することによっても能動的に生成されてもよい。また、エアロゾル発生のためにその他の霧化プロセスが使用されてもよい。
【0016】
装置では、少なくとも二つの消耗品のうちの少なくとも一つは加熱可能であることが好ましい。
【0017】
装置では、すべての消耗品が加熱可能であってもよい。
【0018】
有利なことに、消耗品または消耗品内に含まれる物質のエアロゾル化のために、基体が加熱される。これは、消耗品内の発熱体を介して、または装置内に発熱体を提供することによって、基体を加熱することによってなされうる。発熱体または別の霧化要素が消耗品自体内に備えられる場合、受け入れチャンバーは、消耗品内の霧化要素(例えば、ヒーター)に必要な電力を提供するために、装置内の電源を消耗品に接続するためのそれぞれの電気接点を備えることが好ましい。
【0019】
消耗品の加熱は、抵抗加熱または誘導加熱によって実施されることが好ましい。抵抗加熱可能な発熱体は、装置内または消耗品内に提供されてもよい。誘導加熱では、例えば誘導コイルなどのインダクタが装置内に提供されることが好ましい。インダクタによって加熱されるサセプタ材料は、装置内または消耗品内に提供されてもよい。
【0020】
少なくとも二つの受け入れチャンバーのうちの少なくとも一つの受け入れチャンバーは、それぞれの受け入れチャンバー内に収容された消耗品を加熱するための発熱体を備えること、またはそれぞれの受け入れチャンバー内に収容された前記消耗品を加熱するための消耗品の外部発熱体に接続可能な電気接点を備えることが好ましい。
【0021】
一つの受け入れチャンバーは発熱体を備えてもよく、また別の受け入れチャンバーは電気接点を備えてもよい。
【0022】
少なくとも二つの受け入れチャンバーの両方は、発熱体および電気接点(例えば、外部霧化要素用)の両方を備えてもよい。これは、本発明によるエアロゾル発生装置で使用される異なる消耗品のために数多くの選択肢を提供する。これはまた、受け入れチャンバーが特定の消耗品またはエアロゾル化の選択肢用に適合されているかどうかをチェックする必要がないことによって、装置の使用を容易にする。
【0023】
装置内の発熱体は、受け入れチャンバー壁内に配置されてもよい。例えば、抵抗加熱可能な金属トラックが受け入れチャンバー壁に配置されてもよく、または抵抗加熱可能なワイヤーが受け入れチャンバー壁内に配置されてもよい。誘導コイルの形態のインダクタは、受け入れチャンバー壁内に配置され、受け入れチャンバー内に収容された消耗品を囲んでもよい。
【0024】
装置内の発熱体は、受け入れチャンバーの中へと延びてもよい。例えば、発熱体は抵抗加熱式のヒーターブレードまたは細長いサセプタであってもよい。受け入れチャンバーのうちの少なくとも一つは、受け入れチャンバーの中へと延びる発熱体を備えてもよい。
【0025】
様々なタイプの消耗品が、本発明によるエアロゾル発生装置で使用されてもよく、または本発明によるエアロゾル発生装置で使用可能であると判断されうる。
【0026】
消耗品の実施例は、例えば統合型エアロゾル化要素(カトマイザー(カートリッジとアトマイザーの組み合わせ)など)を含む、または含まない液体含有カートリッジまたはタンクシステム、例えばたばこ含有プラグなどの固体基体含有消耗品、固体基体含有カプセル(固体基体は、たばこ材料、均質化したたばこ材料、または粉末の状態の基体)、ベイパー化可能なワックス、集合または捲縮されたたばこシートなどであるが、これらに限定されない。
【0027】
受け入れチャンバーは、異なるタイプの消耗品、例えば液体含有カートリッジおよび固体基体含有消耗品、好ましくは固体たばこ基体含有消耗品を収容しうる。
【0028】
異なる消耗品は、形状、例えば直径が異なる場合がある。異なる消耗品は、異なるエアロゾル形成基体、例えば異なるたばこ材料、異なる風味、異なるニコチン含有量、異なる物質の組み合わせのうちのいずれか一つまたは組み合わせを含有することが好ましい。異なる消耗品は、異なる加熱方法、または消耗品の物質が霧化される、概して異なる方法を含むことが好ましい。異なる消耗品は、異なるエアロゾル形成基体と、基体を霧化する異なる方法との両方を含みうる。
【0029】
受け入れチャンバーは、同一の種類の消耗品、例えば液体含有カートリッジを備えてもよい。それから、カートリッジは、異なる液体(例えば、異なる風味または異なる物質の組み合わせを有する)を含有することが好ましい。
【0030】
消耗品は、消耗品から吸入可能な物質を放出するための異なる方法を使用してもよい。例えば、一つの受け入れチャンバー内の一つの消耗品が加熱可能な液体を含む時、別の受け入れチャンバー内の別の消耗品は、非加熱式たばこ基体であってもよく、または非加熱式であるが別の方法で霧化される基体を含有してもよい。
【0031】
少なくとも二つの受け入れチャンバーは、装置ハウジング内で互いに平行かつ隣接して配置されていることが好ましい。少なくとも二つの受け入れチャンバーは、互いに隣接して直線状に配置されていることが好ましい。受け入れチャンバーはまた、閉じて包装された方法で配置されてもよい。例えば、三つの受け入れチャンバーを三角形状に配置してもよく、または四つの受け入れチャンバーを平行六面体の形態で配置してもよい。
【0032】
一部の実施形態において、各受け入れチャンバーは細長くてもよく、また長軸方向軸を有してもよい。少なくとも二つの受け入れチャンバーは、装置ハウジング内で互いに隣接して、それらの長軸方向軸が平行になるように配置されてもよい。
【0033】
本明細書において「平行に配置」とは、受け入れチャンバーの長軸方向軸が平行に配置されていることを意味する。長軸方向軸は典型的に、受け入れチャンバーへの消耗品の挿入方向に沿って配置されている。互いに平行かつ隣接して配置された受け入れチャンバーは、受け入れチャンバーが同じ方向(例えば上方向)から充填されていてもよいように、同一の方向を向いたそれらの受け入れ開口部を有する。
【0034】
一部の実施形態において、各々の受け入れチャンバーは細長く、かつ長軸方向軸を有し、また少なくとも二つの受け入れチャンバーは、少なくとも二つの受け入れチャンバーの長軸方向軸が異なる方向に延びるように装置ハウジング内に配置されている。言い換えれば、少なくとも二つの受け入れチャンバーは、それらの長軸方向軸が平行ではないように配置されてもよい。少なくとも二つの受け入れチャンバーは、少なくとも二つの受け入れチャンバーの長軸方向軸が整列角を含むように、装置ハウジング内に配置されてもよい。整列角は0度よりも大きい。
【0035】
整列角は、近隣の受け入れチャンバーの間で同一であってもよく、または異なっていてもよい。それ故に、受け入れチャンバーは、装置ハウジング内に対称的に配置されてもよく、または非対称的に配置されてもよい。
【0036】
整列角は装置内のすべての受け入れチャンバーの間で同一であることが好ましい。
【0037】
整列角は、二つの受け入れチャンバーに対して、30度~180度(例えば、45度~90度)であることが好ましい。二つの受け入れチャンバーでの180度の整列角は、装置ハウジング内の二つの受け入れチャンバーの反対向きの配置(挿入方向が反対)に対応する。
【0038】
一部の実施形態において、装置は三つ以上の消耗品を収容するための三つ以上の受け入れチャンバーを備える。三つの受け入れチャンバーは、30度~150度の整列角を含むように配置されていることが好ましい。三つの受け入れチャンバーは、近隣の受け入れチャンバー間に120度の整列角を含むように配置されていることが好ましい。
【0039】
受け入れチャンバーは同一平面内に配置されてもよい。受け入れチャンバーは、異なる平面内(例えば、相互に平行な平面内)に、または円錐状の様態で配置されてもよい。
【0040】
すべての受け入れチャンバーは一つの平面内にあることが好ましい。
【0041】
装置は、二つまたは三つのマウスピースを備え、また装置ハウジングは、二つまたは三つの消耗品を受け入れる、および収容するための二つまたは三つの受け入れチャンバーを備えることが好ましい。
【0042】
三つ以上の受け入れチャンバーは、装置ハウジング内で星状の様態で配置されていることが好ましい。
【0043】
一部の実施形態において、各受け入れチャンバーは細長く、かつ長軸方向軸を有し、また三つ以上の受け入れチャンバーの長軸方向軸は異なる方向に延びる。隣接または近隣の受け入れチャンバーの長軸方向軸は、整列角で交差してもよく、すべての隣接または近隣の受け入れチャンバーのすべての長軸方向軸の間の整列角は、実質的に同様であるか等しい。
【0044】
少なくとも二つの受け入れチャンバーの近位端または少なくとも二つの受け入れチャンバーの受け入れ開口部は、装置ハウジングの上部または装置ハウジングの外周と同一平面上に配置されていることが好ましい。受け入れチャンバーが一列ですべて互いに隣接して配置されている場合、受け入れチャンバーの受け入れ開口部は、装置ハウジングの上部と同一平面上に配置されていることが好ましい。受け入れチャンバーが近隣の受け入れチャンバーの間に整列角を含んで配置されている場合、受け入れチャンバーの受け入れ開口部は、装置ハウジングの周囲と同一平面上に配置されていることが好ましい。
【0045】
マウスピースは、装置ハウジングに取り外し可能に接続されてもよい。
【0046】
受け入れチャンバーへのアクセスを得るためには、マウスピースは完全に分解されてもよく、またはハウジングから部分的にのみ取り外されてもよい。マウスピースは、例えばヒンジ式で装置ハウジングに接続されてもよい。
【0047】
各マウスピースは、ヒンジ式で装置ハウジングに接続されることが好ましい。これによって、各マウスピースは別個のヒンジによって装置ハウジングに個別に接続される。マウスピースのすべてまたは一部はまた、マウスピースユニットを形成してもよく、このユニットはヒンジ式で装置ハウジングに接続される。マウスピースユニットの構造に依存して、一つ以上のヒンジが提供されてもよい。
【0048】
消耗品は受け入れチャンバーの中へ部分的にまたは完全に挿入されてもよい。部分的な挿入は使用後の消耗品の取り外しを容易にする。これによって、ユーザーは消耗品の延長部分を把持してもよい。
【0049】
受け入れチャンバーからの消耗品の除去はまた、消耗品の把持を可能にする装置ハウジング内の切り欠き部を提供することによって容易になる場合がある。受け入れチャンバー内に二つの、対向して配置された切り欠き部が提供されることが好ましい。
【0050】
装置ハウジングには、受け入れチャンバーの開口部分内に切り欠き部が提供されてもよい。
【0051】
装置内のすべての受け入れチャンバーのすべての開口部分には切り欠き部が提供されてもよい。
【0052】
装置は携帯型装置であってもよい。装置は手持ち式装置であることが好ましい。言い換えれば、装置は、使用中にユーザーの手で保持されるように構成された携帯型装置であってもよい。装置ハウジングは、使用中にユーザーが装置を手で保持することを可能にするサイズにされ、かつ形状にされてもよい。
【0053】
本発明によると、エアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を備える少なくとも二つの消耗品とを備える、エアロゾル発生システムがさらに提供されている。装置は、少なくとも二つの受け入れチャンバーを備える装置ハウジングを備え、少なくとも二つの消耗品の各々は、少なくとも二つの受け入れチャンバーのうちの一つの中に収容されている。システムは、少なくとも二つのマウスピースをさらに備え、少なくとも二つのマウスピースの各々は、少なくとも二つの消耗品のうちの一つと整列される。
【0054】
少なくとも二つのマウスピースの各々の中への気流、およびその外への気流は、少なくとも二つのマウスピースのうちの他方の各々の中への気流、およびその外への気流から分離されたまま保持されてもよい。
【0055】
二つ以上の消耗品が使用するための準備が整っていること、および個別のマウスピースが消耗品の各々に割り当てられていることというシステムの利点は、エアロゾル発生装置に関して説明されており、繰り返さない。
【0056】
少なくとも二つの消耗品は異なる消耗品であることが好ましい。
【0057】
少なくとも二つの消耗品のうちの一つは、エアロゾル形成液体と、エアロゾル形成液体を加熱するための発熱体とを備えることが好ましい。
【0058】
少なくとも二つの消耗品のうちの一つは、固体たばこ材料を備えることが好ましい。
【0059】
システムの少なくとも二つのマウスピースのうちの少なくとも一つは、装置内に含まれてもよい。システムの少なくとも二つのマウスピースは装置内に備えられてもよい。システムの少なくとも二つのマウスピースのうちの少なくとも一つは、少なくとも二つの消耗品のうちの少なくとも一つの中に備えられてもよい。システムの少なくとも二つのマウスピースは、少なくとも二つの消耗品の中に備えられてもよい。
【0060】
消耗品の中に備えられたマウスピースは、消耗品の近位端に配置されている。消耗品の中に備えられたマウスピースは、端部停止部を形成することが好ましい。端部停止部は、消耗品が受け入れチャンバーの中へとさらに挿入されることを防止する。端部停止部はまた、マウスピースが確実に受け入れチャンバーの外側に配置されているようにしうる。
【0061】
消耗品のマウスピースは、出口開口部を含むことが好ましい。出口開口部は、マウスピース内の中央に配置されていることが好ましい。消耗品が装置ハウジングの受け入れチャンバー内に収容されている時、消耗品のマウスピースは、装置ハウジング壁と同一平面上に配置されていることが好ましい。
【0062】
少なくとも二つのマウスピースは装置内に備えられることが好ましい。
【0063】
システムのエアロゾル発生装置は、本発明による、および本明細書に記載のエアロゾル発生装置であることが好ましい。
【0064】
少なくとも二つのマウスピースは、マウスピースユニットを形成してもよく、少なくとも二つのマウスピースの各々の中への気流、およびその外への気流は、マウスピースユニット内の少なくとも二つのマウスピースの各々に対して分離されたまま保持されている。
【0065】
本発明によると、少なくとも二つの受け入れチャンバーの各一つの中に消耗品を受け入れる、および収容するための少なくとも二つの受け入れチャンバーを備える装置ハウジングを備えるエアロゾル発生装置も提供されており、少なくとも二つの受け入れチャンバーは、少なくとも二つの受け入れチャンバーの長軸方向軸が整列角を含むように装置ハウジング内に配置されている。整列角は0度よりも大きい。
【0066】
受け入れチャンバーは、装置ハウジング内に対称的に配置されてもよく、または非対称的に配置されてもよい。整列角は、近隣の受け入れチャンバーの間で同一であってもよく、または三つ以上の受け入れチャンバーが装置ハウジング内に配置されている場合は特に、異なっていてもよい。
【0067】
整列角は装置内のすべての受け入れチャンバーの間で同一であることが好ましい。
【0068】
整列角は、二つの受け入れチャンバーに対して、30度~180度(例えば、45度~90度)であることが好ましい。二つの受け入れチャンバーでの180度の整列角は、装置ハウジング内の二つの受け入れチャンバーの反対向きの配置(挿入方向が反対)に対応する。
【0069】
三つの受け入れチャンバーは、30度~150度の整列角を含むように配置されていることが好ましい。三つの受け入れチャンバーは、近隣の受け入れチャンバー間に120度の整列角を含むように配置されていることが好ましい。
【0070】
受け入れチャンバーは同一平面内に配置されてもよい。受け入れチャンバーは、異なる平面内(例えば、相互に平行な平面内)に、または円錐状の様態で配置されてもよい。
【0071】
すべての受け入れチャンバーは一つの平面内にあることが好ましい。
【0072】
三つ以上の受け入れチャンバーは、装置ハウジング内で星状の様態で配置されていることが好ましい。
【0073】
少なくとも二つの受け入れチャンバーの近位端または少なくとも二つの受け入れチャンバーの受け入れ開口部は、装置ハウジングの上部または装置ハウジングの外周と同一平面上に配置されていることが好ましい。受け入れチャンバーの受け入れ開口部は、装置ハウジングの周囲と同一平面上に配置されていることが好ましい。
【0074】
装置は少なくとも二つのマウスピースをさらに備えてもよく、少なくとも二つのマウスピースの各々は、装置ハウジングに取り付けられた時、少なくとも二つの受け入れチャンバーのうちの受け入れチャンバーの受け入れ開口部を覆う。
【0075】
装置は、二つまたは三つのマウスピースを備え、また装置ハウジングは、二つまたは三つの消耗品を受け入れる、および収容するための二つまたは三つの受け入れチャンバーを備えることが好ましい。
【0076】
少なくとも二つの受け入れチャンバーの各々には、別個の独立したマウスピースが提供されることが好ましい。しかしながら、少なくとも二つの受け入れチャンバーの間の距離に依存して、マウスピースはマウスピースユニット用であってもよい。
【0077】
システムの装置は、携帯型装置であってもよい。装置は手持ち式装置であることが好ましい。言い換えれば、装置は、使用中にユーザーの手で保持されるように構成された携帯型装置であってもよい。装置ハウジングは、使用中にユーザーが装置を手で保持することを可能にするサイズにされ、かつ形状にされてもよい。
【0078】
本発明を実施形態に関してさらに説明し、それらの実施形態を下記の図面によって例示する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図1】
図1は、開状態にあるマウスピースユニットを有する三つの消耗品を備えるエアロゾル発生装置の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、閉状態にあるマウスピースユニットを有する三つの消耗品を備えるエアロゾル発生装置の斜視図を示す。
【
図3】
図3は、装置内の消耗品へのアクセスのための切り欠き部を備えるエアロゾル発生装置の斜視図を示す。
【
図4】
図4は、開状態にあるマウスピースユニットを備える人間工学的形状のエアロゾル発生装置の斜視図を示す。
【
図5】
図5は、閉状態にあるマウスピースユニットを備える人間工学的形状のエアロゾル発生装置の斜視図を示す。
【
図6】
図6は、三つの消耗品を備える統合型マウスピースを有するエアロゾル発生装置の、消耗品の挿入前の斜視図を示す。
【
図7】
図7は、三つの消耗品を備える統合型マウスピースを有するエアロゾル発生装置の、消耗品の挿入後の斜視図を示す。
【
図8】
図8は、人間工学的形状の装置へと挿入された
図7の消耗品を示す。
【
図9】
図9は、装置の断面と、同一の種類の消耗品通る気流とを示す。
【
図10】
図10は、装置の断面と、異なるタイプの消耗品を通る気流とを示す。
【
図11】
図11は、装置の断面と、異なるタイプの消耗品を通る気流とを示す。
【
図12】
図12は、三つの消耗品および個別の透明なマウスピースを備える別の装置を示す。
【
図13】
図13は、三つの消耗品および個別の透明なマウスピースを備える別の装置を示す。
【
図14】
図14は、三つの消耗品および個別の透明なマウスピースを備える別の装置を示す。
【
図16】
図16は、三つの消耗品を備える装置の透明装置ハウジング(例えば、
図12に示す装置の装置ハウジング)を示す。
【
図17】
図17は、装置内の三つの消耗品へのアクセスのための切り欠き部を備える三角形状の装置を示す。
【
図19】
図19は、三角形状の装置の断面と、同一の種類の消耗品を通る気流とを示す。
【
図20】
図20は、三角形状の装置の断面と、異なるタイプの消耗品を通る気流とを示す。
【
図21】
図21は、三角形状の装置の断面と、異なるタイプの消耗品を通る気流とを示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図では、同一の参照番号は、同一の要素または類似の要素に対して使用されている。
【0081】
図1および
図2に示すエアロゾル発生装置は、装置ハウジング1と、開状態および閉状態にあるマウスピースユニット20とを備える。マウスピースユニット20は、ヒンジで装置ハウジングに接続されている。
【0082】
装置ハウジング1は、三つの消耗品31、32、33を収容する三つの管状の受け入れチャンバー10、11、12を備える。消耗品は管状であり、また受け入れチャンバーの中に収容された時、受け入れチャンバー10、11、12の外へわずかに延びる。
【0083】
三つの消耗品は、装置ハウジング1内で互いに隣接して、かつ一列で平行に配置されている。装置ハウジングおよびマウスピースユニット20は、丸み付き縁部を有する長方形の形状を基本的に有する。
【0084】
ハウジング1およびマウスピースユニット20のサイズは、三つの消耗品31、32、33のサイズに合うように選択されるだけでなく、消耗品の各々を個別に吸煙することを可能にするように選択されることが好ましい。
【0085】
マウスピースユニット20は、三つの消耗品31、32、33のすべてまたは三つの受け入れチャンバー入口すべてをそれぞれ覆う。
【0086】
マウスピースユニット20は、三つのマウスピース21、22、23を備える。各マウスピース21、22、23は、入口開口部211、221、231および出口開口部210、220、230を備える。
図2に示す通り、入口開口部は、マウスピースユニットが閉状態にある時に消耗品を覆う。
【0087】
出口開口部210、220、230は、マウスピースユニット20のマウスピース21、22、23の各々の別個の吸煙を可能にする。
【0088】
マウスピースユニット20のマウスピース21、22、23は、一つのマウスピースの出口開口部を吸煙する時に近隣の消耗品の間の気流が混合しないように、消耗品の周囲でしっかりと閉じることが好ましい。
【0089】
図1および
図2のマウスピースユニット20は、装置の中を、また装置内に収容された消耗品を見ることができるように透明な材料で作製されている。マウスピースユニット20はまた、これらの図に示す装置ハウジングとして非透明であってもまたよい。
【0090】
消耗品31、32、33は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品であることが好ましい。消耗品31、32、33は異なるタイプの消耗品であることが好ましい。第一の消耗品31は、例えば加熱可能なエアロゾル形成液体含有カートリッジ、例えば霧化源がカートリッジ内に組み込まれているカトマイザーであってもよい。第二の消耗品32は、例えば加熱可能なたばこ材料を含有する物品であってもよく、また第三の消耗品は、例えば非加熱式の固体たばこ材料を含有する物品であってもよい。
【0091】
図3は、一列で互いに隣接し、かつ相互に平行に配置された三つの受け入れチャンバーを備える装置ハウジング1を示す。それぞれの受け入れチャンバー内に収容された三つの消耗品31、32、33は、消耗品の近位端が装置ハウジング1の上部と同一平面上に配置されるように、チャンバー内に完全に挿入されている。
【0092】
受け入れチャンバーの受け入れチャンバー壁は、各々二つの対向する、かつ長軸方向に配置されたスリット25を備える。消耗品31、32、33は、スリット25を介して消耗品を把持することによって、受け入れチャンバーから取り出されうる。
【0093】
図4および
図5に示すエアロゾル発生装置は、装置ハウジング1と、開状態および閉状態にあるマウスピースユニット20とを備える。マウスピースユニット20は、三つのヒンジで装置ハウジング1に接続されている。
【0094】
装置は、
図1および
図2に示すものと類似している。しかしながら、装置ハウジング1ならびにマウスピースユニット20は、波状の断面を備える。装置ハウジング1は、受け入れチャンバーの間の場所に二つの長軸方向のへこみ15を備える。マウスピースユニット20は、閉状態にある時にマウスピースユニット20の周辺が装置ハウジング1の周辺と同一平面上になるように、近隣のマウスピース21、22、23の間にブリッジ部を備える。装置ハウジング1の形態は、人間工学的形状を提供し、装置の保持を容易にしうる。装置はまた、全体的な体積の低減および特別な外観も有する。
【0095】
図6および
図7はエアロゾル発生装置を示し、装置ハウジング1は、相互に一列で、かつ平行に配置された三つの受け入れチャンバーを備える。装置ハウジング1は、例えば
図1の装置ハウジングと同一であってもよい。
【0096】
図6および
図7の実施例では、マウスピースは消耗品31、32、33の中へと統合されている。各管状の消耗品31、32、33は、ドーム状のマウスピース21、22、23を備える。ドーム状のマウスピースは、消耗品の近位端に配置されている。マウスピースは、端部停止部を形成するように、消耗品の周囲にわたって半径方向に延びる。
図7に示す通り、受け入れチャンバーの中へと挿入された時、消耗品は受け入れチャンバー内に収容されていて、またマウスピース21、22、23は受け入れチャンバーから延びる。各マウスピース21、22、23は出口開口部210、220、230を含み、ユーザーはこれを通してそれぞれの消耗品から物質を吸入しうる。
【0097】
マウスピースの周囲は、装置ハウジング1の縁を越えて横方向には延びない。
【0098】
図8に示す装置ハウジング1は、波状の断面を備える。装置ハウジング1は、例えば受け入れチャンバーの間の場所にある二つの長軸方向のへこみ15を備える、
図5に示すものと同一であってもよい。ドーム状のマウスピースを備える三つの消耗品31、32、33は、受け入れチャンバー内に収容されている。波状の装置ハウジング1とドーム状のマウスピースとの組み合わせは、装置ハウジング1内に組み合わせられた三つの管状の吸入ユニットを基本的に形成する。
【0099】
図9、
図10および
図11は、平行に配置された三つの消耗品を備えるエアロゾル発生装置(例えば、
図1~
図8に示す通りの装置の実施形態)を通る断面を概略的に示す。
【0100】
図9~
図11はまた、三つの消耗品を通過する気流の実施例を示す。
【0101】
装置ハウジング1は、平行で配置された三つの受け入れチャンバー(図示せず)と、受け入れチャンバー内に収容された三つの消耗品31、32、33と、電源16と、電源および装置を制御するためのコントローラー17とを備える。
【0102】
図9では、三つの消耗品は同一のタイプである。三つの消耗品はすべて、加熱される液体含有カートリッジである。エアロゾル形成液体は、中空の管状の貯蔵部内に含有されている。液体は芯材料によってコイルヒーター60に供給され、ここで液体は加熱され、蒸発される。消耗品の中央導管301では、蒸発した液体は第一の受け入れチャンバーの外へと導かれる。
【0103】
三つのカトマイザーは、ニコチン強度、風味、またはベイパー量のうちの少なくとも一つについて異なることが好ましい。
【0104】
受け入れチャンバーは、電源16からの電力を消耗品31、32、33のコイルヒーター60に提供するための電気接点(図示せず)を備える。
【0105】
消耗品30、31は個別に加熱されて、ユーザーが吸煙する一つの消耗品のみがユーザーによって吸入される気流500に物質を提供することが好ましい。
【0106】
気流500は、装置の遠位端(底部壁)にある一つの開口部を通して装置に入り、装置ハウジング1を通過し、受け入れチャンバーの遠位端に入りうる。気流500は、受け入れチャンバーを通り、受け入れチャンバー内に収容された消耗品を通過する。これによって、気流500は蒸発した物質を取り込む。
【0107】
その後、気流500は、それぞれの消耗品および受け入れチャンバーと整列したマウスピース(図示せず)を通過しうる。
【0108】
装置のコントローラー17は、必要な電力をコイルヒーター60に提供するように構成されている。
【0109】
図10は、
図9に記載の通りの同一の気流500管理を有するエアロゾル発生装置の別の実施形態を示す。同一の参照番号が同一または類似した要素に使用されている。
【0110】
図10に概略的に示された装置ハウジング1は、誘導加熱を備える。
【0111】
受け入れチャンバー側壁内には、誘導コイル65が配置されている。各誘導コイル65は、それぞれの受け入れチャンバーを包囲する。
【0112】
第一の受け入れチャンバーおよび第二の受け入れチャンバー内に配置された消耗品31、32は、消耗品内のエアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタ66、例えば鉄材料を備える。
図10の第一の消耗品31は、加熱されたサセプタによって吸い出され、かつ蒸発される液体を含有するものとして描写されている。
図10の第二の消耗品および第三の消耗品は、固体たばこ材料311、例えば細かく切られたたばこまたは均質化したたばこ材料で充填された(好ましくは管状の)シェルとして描写されている。第二の消耗品32のたばこ材料311は、たばこ材料の中に配置されたサセプタ66によって加熱される。第三の消耗品33のたばこ基体311は加熱されない。第三の消耗品33を通過する気流500は、非加熱式たばこ基体からの物質(主に風味)を取り込む。
【0113】
装置内の検出システムは、コントローラー17と統合されても、またはそれに接続されてもよく、また受け入れチャンバー内に収容された消耗品のタイプを認識しうる。例えば、電子認識の次に、消耗品の存在または不在を認識するために、受け入れチャンバー内にタッチセンサーが提供されてもよい。
【0114】
図11の装置では、三つの異なるタイプの消耗品が装置ハウジング1内に配置されている。第一の消耗品31は、消耗品31の貯蔵部分410内にエアロゾル形成液体を備える。貯蔵部分410は開放端を備え、ここにメッシュヒーター64またはその他の流体透過性ヒーターが開放端にわたって配置されている。液体は加熱されたメッシュヒーター64によって加熱される。受け入れチャンバー3の遠位端に入る気流500がメッシュヒーター64を通り、これによって蒸発した物質を取り上げ、貯蔵部分410の外部に沿って通り、そして消耗品31の近位端で装置ハウジング1の外へと出るように、消耗品は受け入れチャンバー3内に位置付けられている。
【0115】
第二の消耗品32は、加熱式液体含有カートリッジである。エアロゾル形成液体は、中空の管状の貯蔵部内に含有されている。液体は芯材料によってコイルヒーター60に供給され、ここで液体は加熱され、蒸発される。消耗品の中央導管301では、蒸発した液体は第一の受け入れチャンバーの外へと導かれる。
【0116】
第一の受け入れチャンバーおよび第二の受け入れチャンバー内の電気接点(図示せず)は、第一の消耗品31内のメッシュヒーター64および/または第二の消耗品のコイルヒーター60に電力を提供するために、第一の消耗品および第二の消耗品31、32の電気接点と接触する。
【0117】
第三の受け入れチャンバーには、発熱体63、例えば抵抗発熱体が提供されている。第三の消耗品33は、固体たばこ材料311、例えば細かく切られたたばこまたは均質化したたばこ材料で充填されたシェルである。第三の消耗品33のたばこ材料311は、発熱体63によって加熱される。
【0118】
図11に示す実施形態において、装置ハウジング1は、ハウジングの底部に三つの気流入口を備える。三つの個別の空気チャネル501は、気流入口から三つの消耗品の遠位端へと導く。このように、装置ハウジングに入る気流500は、一つの消耗品のみに直接案内され、消耗品を通過し、前記消耗品を吸煙するユーザーに直接案内される。各流路、例えば各気流チャネルには、吸煙起動スイッチが提供されてもよい。
【0119】
図12、
図13、および
図14は、三つの消耗品31、32、33および三つのマウスピース21、22、23を有する三角形状の装置ハウジング1を示す。ハウジングは対称であり、消耗品は装置ハウジング1内に星状の様態で規則的に配置されている。
【0120】
マウスピース21、22、23は、三角形の三つの角に配置されていて、装置ハウジング1を形成する。マウスピース21、22、23は、各々ヒンジで装置ハウジング1に接続されていて、かつ透明な材料で作製されている。
【0121】
図12では、マウスピースは開いており、また三つの管状の消耗品は三つの受け入れチャンバー10、11、12の中へと挿入される準備ができた状態である。
図13は、収容された状態にある消耗品を示す。
図14では、閉状態にあるマウスピース21、22、23とともに装置が示されていて、また装置は使用するための準備ができた状態である。マウスピースの透明な材料は、装置ハウジング内に配置された消耗品を見ることを可能にする。マウスピース23が消耗品の近位端を覆い、かつ漏斗内の気流をマウスピース230の出口開口部230に案内することが分かりうる。
【0122】
図14に示す通りの装置は、
図15に示す通り、全体的に非透明材料で作製されてもよい。マウスピースの内側に付着する可能性がある残留物の表示は、マウスピース21、22、23に非透明な材料を使用することによって除外されうる。
【0123】
図16は、透明材料で作製された三角形状の装置ハウジング1を示す。装置ハウジング1は、ハウジング内に配置された消耗品31、32、33の星状の配置の表示を可能にする。消耗品の長軸方向軸は各々120度の角度を含む。
【0124】
図17は、三角形状のハウジング1を示し、受け入れチャンバー12の各々には、二つの対向する、かつ長軸方向に配置されたスリット25が提供されている。三つの受け入れチャンバーならびに消耗品31、32、33は、星の形態で装置ハウジング1内に配置されている。
【0125】
図18に示す装置の装置ハウジング1は、円形状の周囲を有するディスク形状を有する。受け入れチャンバー10、12ならびに消耗品は、星状の様態で装置ハウジング1内に配置されている。消耗品31、32、33の長軸方向軸は各々、120度の角度を含む。
【0126】
図19、
図20、および
図21は、規則的な星状で配置された三つの消耗品31、32、33を備えるエアロゾル発生装置(例えば、
図12~
図17に示す通りの装置の実施形態)を通る断面を概略的に示す。
【0127】
図19~
図21はまた、三つの消耗品を通過する気流の実施例を示す。
【0128】
装置ハウジング1は、受け入れチャンバーの長軸方向軸の各々の間に120度の角度を含む星の形状で配置された三つの受け入れチャンバー(図示せず)を備える。装置ハウジング1はまた、受け入れチャンバー内に収容された三つの消耗品31、32、33と、電源16と、電源および装置を制御するためのコントローラー17とを備える。
【0129】
装置ハウジングには、装置ハウジング1の一つの大きい側面上にある三角形の中心に配置された中央空気吸込み口が提供されている。この中央空気吸込み口を通して装置に入る気流500は、三角形の角の方向へと半径方向に通る。これによって、気流は受け入れチャンバー内に収容された消耗品を通過する。
【0130】
気流500は、それぞれの消耗品および受け入れチャンバー(図示せず)と整列したマウスピースを通過しうる。
【0131】
図19~
図21の実施形態において、電源17およびコントローラー17は基本的に、受け入れチャンバーに平行で、かつ装置ハウジング1の一つの大きい側面に平行な層内に配置されている。
【0132】
図19では、三つの消耗品は同一のタイプである。三つの消耗品はすべて、加熱される液体含有カートリッジである。エアロゾル形成液体は、中空の管状の貯蔵部内に含有されている。液体は芯材料によってコイルヒーター60に供給され、ここで液体は加熱され、蒸発される。消耗品の中央導管301では、蒸発した液体は第一の受け入れチャンバーの外へと導かれる。三つのカトマイザーは、ニコチン強度、風味、またはベイパー量のうちの少なくとも一つについて異なることが好ましい。
【0133】
受け入れチャンバーは、電源16からの電力を消耗品31、32、33のコイルヒーター60に提供するための電気接点(図示せず)を備える。
【0134】
装置のコントローラー17は、必要な電力を消耗品のコイルヒーター60に提供するように構成されている。
【0135】
図20では、装置ハウジング1は誘導加熱を備える。受け入れチャンバー側壁内には、誘導コイル65が配置されている。各誘導コイル65は、それぞれの受け入れチャンバーを包囲することが好ましい。
【0136】
第二の受け入れチャンバーおよび第三の受け入れチャンバー内に配置された消耗品32、33は、消耗品内のエアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタ66、例えば鉄材料を備える。
図20の第二の消耗品32は、加熱されたサセプタによって吸い出され、かつ蒸発される液体を含有するものとして描写されている。
図20の第一の消耗品および第三の消耗品31、33は、固体たばこ材料311、例えば細かく切られたたばこまたは均質化したたばこ材料で充填された(好ましくは管状の)シェルとして描写されている。第三の消耗品33のたばこ材料311は、たばこ材料の中に配置されたサセプタ66によって加熱される。第三の消耗品33のたばこ基体311は加熱されない。
【0137】
図21の装置では、三つの異なるタイプの消耗品31、32、33が装置ハウジング1内に配置されている。第三の消耗品33は、消耗品33の貯蔵部分410内にエアロゾル形成液体を含む。貯蔵部分410は開放端を備え、ここにメッシュヒーター64またはその他の流体透過性ヒーターが開放端にわたって配置されている。液体は加熱されたメッシュヒーター64によって加熱される。空気がメッシュヒーター64を通り、これによって蒸発した物質を取り上げ、貯蔵部分410の外部に沿って通り、そして消耗品33の近位端で装置ハウジング1の外へと出るように、消耗品は受け入れチャンバー内に位置付けられている。
【0138】
第二の消耗品32は、加熱式液体含有カートリッジである。エアロゾル形成液体は、中空の管状の貯蔵部内に含有されている。液体は芯材料によってコイルヒーター60に供給され、ここで液体は加熱され、蒸発される。消耗品の中央導管では、蒸発した液体は受け入れチャンバーの外へと導かれる。
【0139】
第三の受け入れチャンバーおよび第二の受け入れチャンバー内の電気接点(図示せず)は、第三の消耗品33内のメッシュヒーター64および/または第二の消耗品32のコイルヒーター60に電力を提供するために、第三の消耗品および第二の消耗品33、32の電気接点と接触する。
【0140】
第一の受け入れチャンバーには、発熱体63、例えば抵抗発熱体が提供されている。第一の消耗品31は、固体たばこ材料311、例えば細かく切られたたばこまたは均質化したたばこ材料で充填されたシェルである。第一の消耗品33のたばこ材料311は、発熱体63によって加熱される。
【0141】
装置内の検出システムは、コントローラー17と統合されても、またはそれに接続されてもよく、また受け入れチャンバー内に収容された消耗品のタイプを認識しうる。例えば、電子認識の次に、消耗品の存在または不在を認識するために、受け入れチャンバー内にタッチセンサーが提供されてもよい。