(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/69 20230101AFI20230313BHJP
H04N 25/77 20230101ALI20230313BHJP
H04N 25/633 20230101ALI20230313BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
H04N25/69
H04N25/77
H04N25/633
H01L27/146 A
(21)【出願番号】P 2019558088
(86)(22)【出願日】2018-11-07
(86)【国際出願番号】 JP2018041307
(87)【国際公開番号】W WO2019111624
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】P 2017234360
(32)【優先日】2017-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 巧
(72)【発明者】
【氏名】河津 直樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敦史
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-118427(JP,A)
【文献】特開2014-017834(JP,A)
【文献】国際公開第2006/120815(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/00-25/79
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、第1の端子と、第2の端子と、第3の端子と、電荷を蓄積可能な蓄積部と、前記第1の端子の電圧に基づいて前記第3の端子を前記蓄積部に接続可能な第1のトランジスタと、前記第2の端子の電圧に基づいて所定の電圧を前記蓄積部に供給可能な第2のトランジスタと、前記蓄積部における電圧に応じた信号を出力可能な出力部とを有し、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路を含む複数の画素回路と、
第1の方向に延伸し、前記第1の画素回路、前記第2の画素回路、および前記第3の画素回路の前記第1の端子に接続された第1の制御線と、
前記第1の方向に延伸し、前記第1の画素回路、前記第2の画素回路、および前記第3の画素回路の前記第2の端子に接続された第2の制御線と、
前記第1の画素回路の前記第3の端子に接続された第1の電圧供給線と、
前記第2の画素回路の前記第3の端子に接続された第2の電圧供給線と、
前記第3の画素回路の前記第3の端子に接続された第1の受光素子と、
前記第1の画素回路の前記出力部から出力された第1の信号、および前記第2の画素回路の前記出力部から出力された第2の信号に基づいて診断処理を行うことが可能な診断部と
を備えた撮像装置。
【請求項2】
アドレス信号を生成可能なアドレス生成部と、
前記アドレス信号に基づいて、前記第1の制御線および前記第2の制御線を駆動可能な駆動部と
さらに備え、
前記診断部は、前記アドレス信号、前記第1の信号、および前記第2の信号に基づいて、前記診断処理を行う
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記診断部は、
前記第1の信号に基づいてAD変換を行うことにより第1のデジタルコードを生成するとともに、前記第2の信号に基づいてAD変換を行うことにより第2のデジタルコードを生成することが可能な変換回路と、
前記アドレス信号、前記第1のデジタルコード、および前記第2のデジタルコードに基づいて前記診断処理を行うことが可能な診断回路と
を有する
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1の制御線、前記第2の制御線、前記第1の電圧供給線、前記第2の電圧供給線、前記複数の画素回路、および前記第1の受光素子は、第1の半導体基板に形成され、
前記アドレス生成部および前記駆動部は、前記第1の半導体基板に貼り合わせられた第2の半導体基板に形成された
請求項2
または請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記複数の画素回路のそれぞれは、複数の画素ラインのいずれかに属し、
前記第1の画素回路、前記第2の画素回路、および前記第3の画素回路は、前記複数の画素ラインのうちの第1の画素ラインに属し、
前記複数の画素ラインのそれぞれには、前記第3の端子が前記第1の電圧供給線または前記第2の電圧供給線に接続された2以上の所定数の画素回路が属し、
前記複数の画素ラインの数は、前記所定数の画素回路における、前記第3の端子と前記第1の電圧供給線または前記第2の電圧供給線との接続の組み合わせで表現可能な数以下である
請求項1
から請求項4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1の画素ラインに属する前記所定数の画素回路における、前記第3の端子と前記第1の電圧供給線または前記第2の電圧供給線との接続の組み合わせが示す第1の情報は、前記第1の画素ラインを識別可能な第2の情報を含む
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1の情報は、前記第1の画素ラインの属性を示す第3の情報をさらに含む
請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第1の方向に延伸する第3の制御線および第4の制御線と、
前記第1の画素回路の前記出力部に接続された信号線と
さらに備え、
前記複数の画素回路は、第4の画素回路を含み、
前記第4の画素回路の前記第1の端子は、前記第3の制御線に接続され、
前記第4の画素回路の前記第2の端子は、前記第4の制御線に接続され、
前記第4の画素回路の前記出力部は、前記信号線に接続され、
前記第4の画素回路の前記第3の端子は、前記第2の電圧供給線に接続された
請求項1
から請求項7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
遮光された第2の受光素子をさらに備え、
前記複数の画素回路は、第5の画素回路を含み、
前記第5の画素回路の前記第1の端子は、前記第1の制御線に接続され、
前記第5の画素回路の前記第2の端子は、前記第2の制御線に接続され、
前記第5の画素回路の前記第3の端子は、前記第2の受光素子に接続された
請求項1
から請求項8のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
第1の電圧および第2の電圧を有する第1の電圧信号を前記第1の電圧供給線に印加可能な電圧供給部をさらに備えた
請求項1
から請求項9のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第1の電圧は、前記所定の電圧であり、
前記第1の電圧信号は、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタの両方がオン状態になる第1の期間において前記第1の電圧を有し、前記第1の期間の期間外における第2の期間において前記第2の電圧を有する
請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
第3の電圧供給線を備え、
前記複数の画素回路は、第6の画素回路を含み、
前記第6の画素回路の前記第1の端子は、前記第1の制御線に接続され、
前記第6の画素回路の前記第2の端子は、前記第2の制御線に接続され、
前記第6の画素回路の前記第3の端子は、前記第3の電圧供給線に接続された
請求項1
から請求項11のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第1の制御線を駆動可能な第1の駆動部をさらに備え、
前記第1の制御線は、前記第1の駆動部が接続された第1の端部と、第2の端部とを有し、
前記第1の画素回路および前記第2の画素回路は、第1の領域に配置され、
前記第3の画素回路は、第2の領域に配置され、
前記第1の領域および前記第2の領域は、前記第2の端部から前記第1の端部に向かう方向に、この順に配置された
請求項1
から請求項12のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記第1の制御線の前記第2の端部に接続され、前記第1の制御線を駆動可能な第2の駆動部をさらに備えた
請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記複数の画素回路は、第7の画素回路および第8の画素回路を含み、
前記第7の画素回路および前記第8の画素回路の前記第1の端子は、前記第1の制御線に接続され、
前記第7の画素回路および前記第8の画素回路の前記第2の端子は、前記第2の制御線に接続され、
前記第7の画素回路の前記第3の端子は、前記第1の電圧供給線に接続され、
前記第8の画素回路の前記第3の端子は、前記第2の電圧供給線に接続され、
前記第7の画素回路および前記第8の画素回路は、第3の領域に配置され、
前記第1の領域、前記第2の領域、および前記第3の領域は、前記第2の端部から前記第1の端部に向かう方向に、この順に配置された
請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
それぞれが、第1の端子と、第2の端子と、第3の端子と、電荷を蓄積可能な蓄積部と、前記第1の端子の電圧に基づいて前記第3の端子を前記蓄積部に接続可能な第1のトランジスタと、前記第2の端子の電圧に基づいて所定の電圧を前記蓄積部に供給可能な第2のトランジスタと、前記蓄積部における電圧に応じた信号を出力可能な出力部とを有し、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路を含む複数の画素回路と、
第1の方向に延伸し、前記第1の画素回路、前記第2の画素回路、および前記第3の画素回路の前記第1の端子に接続された第1の制御線と、
前記第1の方向に延伸し、前記第1の画素回路、前記第2の画素回路、および前記第3の画素回路の前記第2の端子に接続された第2の制御線と、
前記第1の画素回路の前記第3の端子に接続された第1の電圧供給線と、
前記第2の画素回路の前記第3の端子に接続された第2の電圧供給線と、
前記第3の画素回路の前記第3の端子に接続された第1の受光素子と
、
前記第1の画素回路の前記出力部および前記第2の画素回路の前記出力部に接続され、診断処理を行うことが可能な診断部と
を備えた撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像を撮像する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、撮像装置では、フォトダイオードを含む画素がマトリクス状に配置され、各画素が、受光量に応じた電気信号を生成する。そして、例えば、AD変換回路(Analog to Digital Converter)が、各画素において生成された電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。このような撮像装置には、BIST(Built-in self test)機能を有するものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2005/0231620号明細書
【発明の概要】
【0004】
このように、撮像装置では、BIST機能により自己診断を行い、不具合の有無を診断することが望まれている。
【0005】
自己診断を行うことができる撮像装置を提供することが望ましい。
【0006】
本開示の一実施の形態における第1の撮像装置は、複数の画素回路と、第1の制御線と、第2の制御線と、第1の電圧供給線と、第2の電圧供給線と、第1の受光素子と、診断部とを備えている。複数の画素回路は、それぞれが、第1の端子と、第2の端子と、第3の端子と、電荷を蓄積可能な蓄積部と、第1の端子の電圧に基づいて第3の端子を蓄積部に接続可能な第1のトランジスタと、第2の端子の電圧に基づいて所定の電圧を蓄積部に供給可能な第2のトランジスタと、蓄積部における電圧に応じた信号を出力可能な出力部とを有し、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路を含むものである。第1の制御線は、第1の方向に延伸し、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路の第1の端子に接続されたものである。第2の制御線は、第1の方向に延伸し、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路の第2の端子に接続されたものである。第1の電圧供給線は、第1の画素回路の第3の端子に接続されたものである。第2の電圧供給線は、第2の画素回路の第3の端子に接続されたものである。第1の受光素子は、第3の画素回路の第3の端子に接続されたものである。診断部は、第1の画素回路の出力部から出力された第1の信号、および第2の画素回路の出力部から出力された第2の信号に基づいて診断処理を行うことが可能なものである。
【0007】
本開示の一実施の形態における第2の撮像装置は、複数の画素回路と、第1の制御線と、第2の制御線と、第1の電圧供給線と、第2の電圧供給線と、第1の受光素子と、診断部とを備えている。複数の画素回路は、それぞれが、第1の端子と、第2の端子と、第3の端子と、電荷を蓄積可能な蓄積部と、第1の端子の電圧に基づいて第3の端子を蓄積部に接続可能な第1のトランジスタと、第2の端子の電圧に基づいて所定の電圧を蓄積部に供給可能な第2のトランジスタと、蓄積部における電圧に応じた信号を出力可能な出力部とを有し、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路を含むものである。第1の制御線は、第1の方向に延伸し、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路の第1の端子に接続されたものである。第2の制御線は、第1の方向に延伸し、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路の第2の端子に接続されたものである。第1の電圧供給線は、第1の画素回路の第3の端子に接続されたものである。第2の電圧供給線は、第2の画素回路の第3の端子に接続されたものである。第1の受光素子は、第3の画素回路の第3の端子に接続されたものである。診断部は、第1の画素回路の出力部および第2の画素回路の出力部に接続され、診断処理を行うことが可能なものである。
【0008】
本開示の一実施の形態における第3の撮像装置は、第1の画素回路と、第1の信号線と、第1の変換回路と、第1のセレクタと、転送部と、診断部とを備えている。第1の信号線は、第1の画素回路に接続されたものである。第1の変換回路は、第1の信号線における信号に基づいてAD変換を行うことにより、第1のデジタルコードを生成可能なものである。第1のセレクタは、第1のデジタルコードが供給される第1の入力端子と、第1の固定デジタルコードが供給される第2の入力端子とを有し、第1のデジタルコードおよび第1の固定デジタルコードのうちのいずれか一方を選択して出力可能なものである。転送部は、第1のセレクタから出力されたデジタルコードを転送可能なものである。診断部は、転送部により転送された第1の固定デジタルコードに基づいて診断処理を行うことが可能なものである。
【0009】
本開示の一実施の形態における第1の撮像装置では、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路の第1の端子に、第1の制御線が接続され、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路の第2の端子に、第2の制御線が接続される。第1の画素回路の第3の端子には、第1の電圧供給線が接続され、第2の画素回路の第3の端子には、第2の電圧供給線が接続され、第3の画素回路の第3の端子には、第1の受光素子が接続される。第1の画素回路の出力部から出力された第1の信号、および第2の画素回路の出力部から出力された第2の信号に基づいて、診断処理が行われる。
【0010】
本開示の一実施の形態における第2の撮像装置では、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路の第1の端子に、第1の制御線が接続され、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路の第2の端子に、第2の制御線が接続される。第1の画素回路の第3の端子には、第1の電圧供給線が接続され、第2の画素回路の第3の端子には、第2の電圧供給線が接続され、第3の画素回路の第3の端子には、第1の受光素子が接続される。
【0011】
本開示の一実施の形態における第3の撮像装置では、第1の画素回路が接続された第1の信号線における信号に基づいて、AD変換が行われることにより、第1のデジタルコードが生成される。第1のセレクタでは、第1のデジタルコードおよび第1の固定デジタルコードのうちのいずれか一方が選択され出力される。第1のセレクタから出力されたデジタルコードは、診断部に転送される。そして、診断部では、第1の固定デジタルコードに基づいて、診断処理が行われる。
【0012】
本開示の一実施の形態における第1の撮像装置および第2の撮像装置によれば、第1の電圧供給線を第1の画素回路の第3の端子に接続するとともに、第2の電圧供給線を第2の画素回路の第3の端子に接続するようにしたので、自己診断を行うことができる。
【0013】
本開示の一実施の形態における第3の撮像装置によれば、第1のデジタルコードおよび第1の固定デジタルコードのうちのいずれか一方を選択して出力可能な第1のセレクタを設けるようにしたので、自己診断を行うことができる。
【0014】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の第1の実施の形態に係る撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図2】
図1に示した画素の一構成例を表す回路図である。
【
図3A】
図1に示したダミー画素の一構成例を表す回路図である。
【
図3B】
図1に示したダミー画素の一構成例を表す他の回路図である。
【
図4】
図1に示した画素アレイの一構成例を表す回路図である。
【
図5】
図3A,3Bに示したダミー画素の配置例を表す表である。
【
図6】
図1に示した読出部の一構成例を表す回路図である。
【
図7】
図1に示した撮像装置の一実装例を表す説明図である。
【
図8】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す説明図である。
【
図9】
図1に示した撮像装置の一動作例を表すタイミング図である。
【
図10】
図1に示した撮像装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【
図11】
図1に示した撮像装置の一動作例を表す他のタイミング波形図である。
【
図12】
図6に示した読出部の一動作例を表す説明図である。
【
図13】第1の実施の形態に係る診断処理の一動作例を表す模式図である。
【
図14】
図1に示した読出部および診断処理部の一動作例を表す説明図である。
【
図15】第1の実施の形態の変形例に係る撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図16A】第1の実施の形態の他の変形例に係るダミー画素の一構成例を表す回路図である。
【
図16B】第1の実施の形態の他の変形例に係るダミー画素の一構成例を表す他の回路図である。
【
図16C】第1の実施の形態の他の変形例に係るダミー画素の一構成例を表す他の回路図である。
【
図16D】第1の実施の形態の他の変形例に係るダミー画素の一構成例を表す他の回路図である。
【
図18】第1の実施の形態の他の変形例に係る読出部および診断処理部の一動作例を表す説明図である。
【
図19】第1の実施の形態の他の変形例に係るダミー画素の配置例を表す表である。
【
図20】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図21】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図22】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図23】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図24】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図25】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図26】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図27】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図28A】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図28B】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図29】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図30】
図1に示した撮像装置の他の実装例を表す構造図である。
【
図31】第2の実施の形態に係る撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図32】
図31に示した読出部の一構成例を表す回路図である。
【
図33】
図32に示した固定のデジタルコードの一例を表す表である。
【
図34】第2の実施の形態に係る診断処理の一動作例を表す模式図である。
【
図36】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図37】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.撮像装置の使用例
4.移動体への応用例
【0017】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る撮像装置(撮像装置1)の一構成例を表すものである。撮像装置1は、画素アレイ10と、2つの走査部20L,20Rと、読出部30と、コントローラ40とを備えている。
【0018】
画素アレイ10は、マトリックス状に配置された複数の画素P1を有している。画素P1は、フォトダイオードPD(後述)を有し、受光量に応じた画素電圧Vpixを生成するものである。この複数の画素P1は、通常画素領域R1に配置されている。
【0019】
また、画素アレイ10は、複数の画素P1に加え、複数の遮光画素P2と、複数のダミー画素P3(ダミー画素P3A,P3B)とを有している。遮光画素P2は、フォトダイオードPD(後述)を有する遮光された画素であり、後述するように、フォトダイオードPDの暗電流を検出するためのものである。複数の遮光画素P2は、遮光画素領域R21,R22に配置されている。ダミー画素P3は、フォトダイオードPDを有しない画素である。複数のダミー画素P3は、ダミー画素領域R31,R32に配置されている。この例では、画素アレイ10において、水平方向(
図1における横方向)の左から右に向かって、ダミー画素領域R31、遮光画素領域R21、通常画素領域R1、遮光画素領域R22、およびダミー画素領域R32が、この順に設けられている。
【0020】
以下に、画素P1、遮光画素P2、およびダミー画素P3について、詳細に説明する。
【0021】
図2は、通常画素領域R1における画素P1の一構成例を表すものである。画素アレイ10は、通常画素領域R1において、複数の制御線TGLと、複数の制御線RSTLと、複数の制御線SELLと、複数の電源線PLと、複数の信号線SGLとを有している。
【0022】
制御線TGLは、水平方向(
図2における横方向)に延伸するものであり、制御線TGLの一端は走査部20Lに接続され、他端は走査部20Rに接続されている。すなわち、制御線TGLは、ダミー画素領域R31、遮光画素領域R21、通常画素領域R1、遮光画素領域R22、およびダミー画素領域R32を貫くように配置される。制御線TGLには、走査部20L,20Rにより制御信号STGが印加される。
【0023】
制御線RSTLは、水平方向に延伸するものであり、制御線RSTLの一端は走査部20Lに接続され、他端は走査部20Rに接続されている。すなわち、制御線RSTLは、ダミー画素領域R31、遮光画素領域R21、通常画素領域R1、遮光画素領域R22、およびダミー画素領域R32を貫くように配置される。制御線RSTLには、走査部20L,20Rにより制御信号SRSTが印加される。
【0024】
制御線SELLは、水平方向に延伸するものであり、制御線SELLの一端は走査部20Lに接続され、他端は走査部20Rに接続されている。すなわち、制御線SELLは、ダミー画素領域R31、遮光画素領域R21、通常画素領域R1、遮光画素領域R22、およびダミー画素領域R32を貫くように配置される。制御線SELLには、走査部20L,20Rにより制御信号SSELが印加される。
【0025】
電源線PLは、コントローラ40の電圧生成部42(後述)に接続されている。この電源線PLには、電圧生成部42により電源電圧VDDが印加される。
【0026】
信号線SGLは、垂直方向(
図2における縦方向)に延伸するものであり、一端が読出部30に接続されている。
【0027】
画素P1は、フォトダイオードPDと、画素回路CKTとを有している。画素回路CKTは、トランジスタTG,RST,AMP,SELと、フローティングディフュージョンFDとを有している。トランジスタTG,RST,AMP,SELは、この例ではN型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。
【0028】
フォトダイオードPDは、受光量に応じた量の電荷を生成して内部に蓄積する光電変換素子である。フォトダイオードPDのアノードは接地され、カソードはトランジスタTGのソースに接続されている。
【0029】
トランジスタTGのゲートは画素回路CKTの端子T1を介して制御線TGLに接続され、ソースは画素回路CKTの端子T3を介してフォトダイオードPDのカソードに接続され、ドレインはフローティングディフュージョンFDに接続されている。
【0030】
フローティングディフュージョンFDは、フォトダイオードPDから供給された電荷を蓄積するものであり、例えば、半導体基板の表面に形成された拡散層を用いて構成される。
図2では、フローティングディフュージョンFDを、容量素子のシンボルを用いて示している。
【0031】
この構成により、画素P1では、制御信号STGに基づいてトランジスタTGがオン状態になり、画素P1のフォトダイオードPDで発生した電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される(電荷転送動作)ようになっている。
【0032】
トランジスタRSTのゲートは画素回路CKTの端子T2を介して制御線RSTLに接続され、ドレインは電源線PLに接続され、ソースはフローティングディフュージョンFDに接続されている。
【0033】
この構成により、画素P1では、フォトダイオードPDからフローティングディフュージョンFDへの電荷の転送に先立ち、制御信号SRSTに基づいて、トランジスタRSTがオン状態になり、フローティングディフュージョンFDに電源電圧VDDが供給される。これにより、画素P1では、フローティングディフュージョンFDの電圧がリセットされる(リセット動作)ようになっている。
【0034】
トランジスタAMPのゲートはフローティングディフュージョンFDに接続され、ドレインは電源線PLに接続され、ソースはトランジスタSELのドレインに接続されている。
【0035】
トランジスタSELのゲートは制御線SELLに接続され、ドレインはトランジスタAMPのソースに接続され、ソースは信号線SGLに接続されている。
【0036】
この構成により、画素P1では、トランジスタSELがオン状態になることにより、トランジスタAMPが、読出部30の電流源35(後述)に接続される。これにより、トランジスタAMPは、いわゆるソースフォロワとして動作し、フローティングディフュージョンFDの電圧に応じた電圧を、信号SIGとして、トランジスタSELを介して信号線SGLに出力する。具体的には、トランジスタAMPは、フローティングディフュージョンFDの電圧がリセットされた後のP相(Pre-charge相)期間TPにおいて、その時のフローティングディフュージョンFDの電圧に対応するリセット電圧Vresetを信号SIGとして出力する。また、トランジスタAMPは、フォトダイオードPDからフローティングディフュージョンFDへ電荷が転送された後のD相(Data相)期間TDにおいて、その時のフローティングディフュージョンFDの電圧に対応する、受光量に応じた画素電圧Vpixを信号SIGとして出力するようになっている。
【0037】
次に、遮光画素領域R21,R22における遮光画素P2について説明する。画素アレイ10は、遮光画素領域R21,R22において、通常画素領域R1(
図2)と同様に、複数の制御線TGLと、複数の制御線RSTLと、複数の制御線SELLと、複数の電源線PLと、複数の信号線SGLとを有している。
【0038】
遮光画素P2は、画素P1(
図2)と同様に、フォトダイオードPDと、画素回路CKTとを有している。遮光画素P2は、画素P1とは異なり、光がフォトダイオードPDに入射しないようにタングステン等の金属によって遮光されたものである。遮光画素P2は、画素P1の黒レベルを合わせるための参照信号を生成するために用いられる。
【0039】
この構成により、遮光画素P2では、画素P1と同様に、トランジスタSELがオン状態になることにより、トランジスタAMPが、フローティングディフュージョンFDの電圧に応じた信号SIGを、トランジスタSELを介して信号線SGLに出力する。遮光画素P2では、遮光されているため、D相期間TDにおけるフローティングディフュージョンFDの電圧は、フォトダイオードPDの暗電流に応じた電圧になる。よって、トランジスタAMPは、D相期間TDにおいて、暗電流に応じた画素電圧Vpixを信号SIGとして出力するようになっている。
【0040】
図3A,3Bは、ダミー画素領域R31,R32におけるダミー画素P3の一構成例を表すものであり、
図3Aはダミー画素P3Aの一例を示し、
図3Bは、ダミー画素P3Bの一例を示す。画素アレイ10は、ダミー画素領域R31,R32において、複数の制御線TGLと、複数の制御線RSTLと、複数の制御線SELLと、複数の電源線PLと、複数の電圧供給線VL0と、複数の信号線SGLとを有している。電圧供給線VL0は、コントローラ40の電圧生成部42(後述)に接続されている。複数の電圧供給線VL0には、電圧生成部42により、単一の電圧信号SVRが印加される。この電圧信号SVRは、所定の電圧VRおよび電源電圧VDDの間で変化する信号であり、トランジスタTG,RSTが共にオン状態になる期間において電源電圧VDDに設定され、D相期間TDにおいて電圧VRに設定されるものである。
【0041】
ダミー画素P3(ダミー画素P3A,P3B)は、画素回路CKTを有している。ダミー画素P3A,P3Bは、トランジスタTGのソースの接続先が互いに異なるものである。具体的には、ダミー画素P3Aは、
図3Aに示したように、トランジスタTGのソースが電源線PLに接続されたものであり、ダミー画素P3Bは、
図3Bに示したように、トランジスタTGのソースが電圧供給線VL0に接続されたものである。
【0042】
この構成により、ダミー画素P3では、画素P1と同様に、トランジスタSELがオン状態になることにより、トランジスタAMPが、フローティングディフュージョンFDの電圧に応じた信号SIGを、トランジスタSELを介して信号線SGLに出力する。ダミー画素P3Aでは、トランジスタTGのソースが電源線PLに接続されているため、D相期間TDにおけるフローティングディフュージョンFDの電圧は、電源電圧VDDになる。よって、ダミー画素P3AのトランジスタAMPは、D相期間TDにおいて、電源電圧VDDに応じた電圧を信号SIGとして出力する。また、ダミー画素P3Bでは、トランジスタTGのソースが電圧供給線VL0に接続されている。この電圧供給線VL0に印加される電圧信号SVRの電圧は、D相期間TDでは電圧VRに設定されるので、D相期間TDにおけるフローティングディフュージョンFDの電圧は、電圧VRになる。よって、ダミー画素P3BのトランジスタAMPは、D相期間TDにおいて、電圧VRに応じた電圧を信号SIGとして出力するようになっている。
【0043】
図4は、画素アレイ10における画素P1、遮光画素P2、およびダミー画素P3の配列を表すものである。この
図4は、ダミー画素領域R31、遮光画素領域R21、および通常画素領域R1を描いている。1行分の画素P1、遮光画素P2、およびダミー画素P3は、画素ラインLを構成する。ある画素ラインLに属する画素P1、遮光画素P2、およびダミー画素P3は、1本の制御線TGLに接続され、1本の制御線RSTLに接続され、1本の制御線SELLに接続されている。この例では、ダミー画素領域R31において、1つの画素ラインLは、11個のダミー画素P3(ダミー画素P3[10]~P3[0])を含んでいる。これらのダミー画素P3[10]~P3[0]のそれぞれは、ダミー画素P3A(
図3A)またはダミー画素P3B(
図3B)である。
【0044】
図5は、ダミー画素領域R31におけるダミー画素P3A,P3Bの配列を表すものである。この
図5において、“0”はダミー画素P3Aを示し、“1”はダミー画素P3Bを示す。例えば、0番目の画素ラインL[0]では、ダミー画素P3の配列は“00000000000”である。すなわち、11個のダミー画素P3[10]~P3[0]の全てがダミー画素P3Aである。1番目の画素ラインL[1]では、ダミー画素P3の配列は“00000000001”である。すなわち、ダミー画素P3[0]がダミー画素P3Bであり、その他のダミー画素P3[10]~P3[1]はダミー画素P3Aである。2番目の画素ラインL[2]では、ダミー画素P3の配列は“00000000010”である。すなわち、ダミー画素P3[1]がダミー画素P3Bであり、その他のダミー画素P3[10]~P3[2],P3[0]はダミー画素P3Aである。このように、ダミー画素P3の配列は、画素ラインL間で互いに異なるように設定される。特に、この例ではダミー画素P3の配列は、画素ラインLの番目の数を2進数で表したものに対応する配列である。この例では、11個のダミー画素P3を設けたので、2048本の画素ラインLの番目の数をそれぞれ表現することができる。つまり、11個のダミー画素P3の配列は、画素ラインLを識別するライン識別情報INFLとして機能する。
【0045】
なお、
図4,5では、ダミー画素領域R31について説明したが、ダミー画素領域R32についても同様である。すなわち、ダミー画素領域R32において、1つの画素ラインLは、11個のダミー画素P3を含んでいる。これらのダミー画素P3のそれぞれは、ダミー画素P3Aまたはダミー画素P3Bである。ダミー画素領域R32におけるダミー画素P3の配列は、
図5と同様に、画素ラインLの番目の数を2進数で表したものである。つまり、ダミー画素領域R32における11個のダミー画素P3の配列は、ダミー画素領域R31における11個のダミー画素P3の配列と同じである。
【0046】
2つの走査部20L,20R(
図1)は、コントローラ40からの指示に基づいて、画素ラインL単位で、画素アレイ10における画素P1、遮光画素P2、およびダミー画素P3を順次駆動するものである。走査部20Lは、アドレスデコーダ21Lと、ロジック部22Lと、ドライバ部23Lとを有している。走査部20Rは、同様に、アドレスデコーダ21Rと、ロジック部22Rと、ドライバ部23Rとを有している。
【0047】
アドレスデコーダ21Lは、コントローラ40から供給されたアドレス信号ADRに基づいて、画素アレイ10における、アドレス信号ADRが示すアドレスに応じた画素ラインLを選択するものである。ロジック部22Lは、アドレスデコーダ21Lからの指示に基づいて、各画素ラインLに対応する信号STG1,SRST1,SSEL1をそれぞれ生成するものである。ドライバ部23Lは、各画素ラインLに対応する信号STG1,SRST1,SSEL1に基づいて、各画素ラインLに対応する制御信号STG,SRST,SSELをそれぞれ生成するものである。アドレスデコーダ21R、ロジック部22R、およびドライバ部23Rについても同様である。アドレスデコーダ21Rに供給されるアドレス信号ADRは、アドレスデコーダ21Lに供給されるアドレス信号ADRと同じである。よって、アドレスデコーダ21L,21Rは、アドレス信号ADRに基づいて、互いに同じ画素ラインLを選択する。これにより、走査部20L,20Rは、画素アレイ10の左右両側から、画素ラインL単位で、画素アレイ10における画素P1、遮光画素P2、およびダミー画素P3を順次駆動するようになっている。
【0048】
読出部30は、画素アレイ10から信号線SGLを介して供給された信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、画像信号DATA0を生成するものである。
【0049】
図6は、読出部30の一構成例を表すものである。なお、
図6には、読出部30に加え、コントローラ40をも描いている。読出部30は、読出制御部31と、参照信号生成部32と、複数のAD(Analog to Digital)変換部ADC(AD変換部ADC[0],ADC[1],ADC[2],…)と、複数のスイッチ部SW(スイッチ部SW[0],SW[1],SW[2],…)と、バス配線100とを有している。
【0050】
読出制御部31は、コントローラ40からの指示に基づいて、読出部30における読出動作を制御するものである。具体的には、読出制御部31は、参照信号生成部32に制御信号を供給することにより、参照信号生成部32に参照信号REF(後述)を生成させる。また、読出制御部31は、複数のAD変換部ADCに、クロック信号CLKおよび制御信号CCを供給することにより、複数のAD変換部ADCにおけるAD変換動作を制御するようになっている。
【0051】
参照信号生成部32は、参照信号REFを生成するものである。参照信号REFは、P相期間TPおよびD相期間TDにおいて、時間の経過に応じて電圧レベルが徐々に低下する、いわゆるランプ波形を有するものである。そして、参照信号生成部32は、生成した参照信号REFを複数のAD変換部ADCに供給するようになっている。
【0052】
AD変換部ADCは、画素アレイ10から供給された信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、信号SIGの電圧をデジタルコードCODEに変換するものである。複数のAD変換部ADCは、複数の信号線SGLに対応して設けられている。具体的には、0番目のAD変換部ADC[0]は、0番目の信号線SGL[0]に対応して設けられ、1番目のAD変換部ADC[1]は、1番目の信号線SGL[1]に対応して設けられ、2番目のAD変換部ADC[2]は、2番目の信号線SGL[2]に対応して設けられている。
【0053】
AD変換部ADCは、容量素子33,34と、電流源35と、コンパレータ36と、カウンタ37と、ラッチ38とを有している。容量素子33の一端には参照信号REFが供給され、他端はコンパレータ36の正入力端子に接続されている。容量素子34の一端は信号線SGLに接続され、他端はコンパレータ36の負入力端子に接続されている。電流源35は、信号線SGLから接地に所定の電流値の電流を流すものである。コンパレータ36は、正入力端子における入力電圧と負入力端子における入力電圧とを比較して、その比較結果を信号CMPとして出力するものである。コンパレータ36の正入力端子には、容量素子33を介して参照信号REFが供給され、負入力端子には、容量素子34を介して信号SIGが供給されるようになっている。このコンパレータ36は、P相期間TP前の所定の期間において、正入力端子および負入力端子を電気的に接続するゼロ調整を行う機能をも有している。カウンタ37は、コンパレータ36から供給された信号CMP、読出制御部31から供給されたクロック信号CLKおよび制御信号CCに基づいて、カウント動作を行うものである。ラッチ38は、カウンタ37により得られたカウント値CNTを、複数のビットを有するデジタルコードCODEとして保持するものである。
【0054】
スイッチ部SWは、コントローラ40から供給された制御信号SSWに基づいて、AD変換部ADCから出力されたデジタルコードCODEをバス配線100に供給するものである。複数のスイッチ部SWは、複数のAD変換部ADCに対応して設けられている。具体的には、0番目のスイッチ部SW[0]は、0番目のAD変換部ADC[0]に対応して設けられ、1番目のスイッチ部SW[1]は、1番目のAD変換部ADC[1]に対応して設けられ、2番目のスイッチ部SW[2]は、2番目のAD変換部ADC[2]に対応して設けられている。
【0055】
スイッチ部SWは、この例では、デジタルコードCODEのビット数と同じ数のトランジスタを用いて構成されている。これらのトランジスタは、コントローラ40から供給された制御信号SSWの各ビット(制御信号SSW[0],SSW[1],SSW[2],…)に基づいて、オンオフ制御される。具体的には、例えば、0番目のスイッチ部SW[0]は、制御信号SSW[0]に基づいて各トランジスタがオン状態になることにより、0番目のAD変換部ADC[0]から出力されたデジタルコードCODEをバス配線100に供給する。同様に、例えば、1番目のスイッチ部SW[1]は、制御信号SSW[1]に基づいて各トランジスタがオン状態になることにより、1番目のAD変換部ADC[1]から出力されたデジタルコードCODEをバス配線100に供給する。他のスイッチ部SWについても同様である。
【0056】
バス配線100は、複数の配線を有し、AD変換部ADCから出力されたデジタルコードCODEを伝えるものである。読出部30は、このバス配線100を用いて、AD変換部ADCから供給された複数のデジタルコードCODEを、画像信号DATA0として、コントローラ40に順次転送するようになっている(データ転送動作)。
【0057】
コントローラ40(
図1)は、走査部20L,20Rおよび読出部30に制御信号を供給することにより、撮像装置1の動作を制御するものである。コントローラ40は、アドレス生成部41と、電圧生成部42と、カラム走査部43と、画像処理部44と、診断処理部45とを有している。
【0058】
アドレス生成部41は、画素アレイ10における駆動対象となる画素ラインLを決定し、その画素ラインLに対応するアドレスを示すアドレス信号ADRを生成するものである。そして、アドレス生成部41は、生成したアドレス信号ADRを、走査部20Lのアドレスデコーダ21Lおよび走査部20Rのアドレスデコーダ21Rに供給するようになっている。
【0059】
電圧生成部42は、電圧信号SVRおよび電源電圧VDDを生成するものである。電圧信号SVRは、所定の電圧VRおよび電源電圧VDDの間で変化する信号であり、トランジスタTG,RSTが共にオン状態になる期間において電源電圧VDDに設定され、D相期間TDにおいて電圧VRに設定されるものである。そして、電圧生成部42は、生成した電圧信号SVRを、画素アレイ10における複数の電圧供給線VL0に供給するとともに、生成した電源電圧VDDを、画素アレイ10における複数の電源線PLに供給するようになっている。
【0060】
カラム走査部43は、読出部30における、データ転送動作の対象となるAD変換部ADCを決定し、その決定結果に基づいて、制御信号SSWを生成するものである。そして、カラム走査部43は、生成した制御信号SSWを、読出部30の複数のスイッチ部SWに供給するようになっている。
【0061】
画像処理部44は、画像信号DATA0が示す画像に対して、所定の画像処理を行うものである。所定の画像処理は、例えば、画像信号DATA0に含まれるデジタルコードCODEから、フォトダイオードPDの暗電流の寄与分を差し引く暗電流補正処理が挙げられる。具体的には、画像処理部44は、遮光画素P2に係るデジタルコードCODEに基づいて、画素P1に係るデジタルコードCODEを補正することにより、暗電流補正処理を行う。画像処理部44は、このような所定の画像処理を行い、画像処理が施された画像を示す画像信号DATAを出力するようになっている。
【0062】
診断処理部45は、アドレス信号ADRと、画像信号DATA0に基づいて、診断処理を行うものである。具体的には、診断処理部45は、画像信号DATA0に含まれるダミー画素P3に係るデジタルコードCODEに基づいてライン識別情報INFLを求め、アドレス信号ADRが示すアドレスと、このライン識別情報INFLとを比較することにより、撮像装置1が所望の動作を行っているかどうかを診断する。そして、診断処理部45は、その診断処理の結果(診断結果RES)を出力するようになっている。
【0063】
次に、撮像装置1の実装例について、いくつか例を挙げて説明する。
【0064】
図7は、撮像装置1の実装例E1を表すものである。この実装例E1では、撮像装置1は、1つの半導体チップ200に形成されている。画素アレイ10は、半導体チップ200の中央付近に配置される。走査部20Lは、画素アレイ10の左側に配置され、走査部20Rは、画素アレイ10の右側に配置される。読出部30およびコントローラ40のカラム走査部43は、画素アレイ10の下側に配置される。画素アレイ10の上側には、制御部40Aが形成される。この制御部40Aは、コントローラ40のうちのカラム走査部43以外の回路に対応している。
【0065】
この構成において、制御部40A内のアドレス生成部41は、アドレス信号ADRを走査部20L,20Rに供給する。走査部20L,20Rは、制御信号STG,SRST,SSELを画素アレイ10に供給する。制御部40A内の電圧生成部42は、電圧信号SVRおよび電源電圧VDDを画素アレイ10に供給する。画素アレイ10は、信号SIGを読出部30に供給する。読出部30は、画像信号DATA0を制御部40A内の画像処理部44および診断処理部45に供給する。撮像装置1は、診断処理を行うことにより、例えば、各回路の動作の不具合や、半導体チップ200における各種配線のオープンやショートなどの結線の不具合を検出することができるようになっている。
【0066】
図8は、撮像装置1の他の実装例E2を表すものである。この実装例E2では、撮像装置1は、2つの半導体チップ201,202に形成されている。
【0067】
半導体チップ201には、この例では画素アレイ10が形成されている。すなわち、半導体チップ201には、複数の画素P1、複数の遮光画素P2、複数のダミー画素P3、制御線TGL,RSTL,SELL、電源線PL、電圧供給線VL0、および信号線SGLが形成される。また、半導体チップ201には、電極領域201A,201B,201Cが設けられている。電極領域201Aは、半導体チップ201の左辺側に設けられ、電極領域201Bは、半導体チップ201の右辺側に設けられ、電極領域201Cは、半導体チップ201の下辺側に設けられている。電極領域201Aには、複数の電極が形成され、これらの複数の電極は、例えばTCV(Through Chip Via)などのビアを介して画素アレイ10における制御線TGL,RSTL,SELL、電源線PL、および電圧供給線VL0に接続されている。電極領域201Bには、複数の電極が形成され、これらの複数の電極は、例えばTCVなどのビアを介して画素アレイ10における制御線TGL,RSTL,SELL、電源線PL、および電圧供給線VL0に接続されている。電極領域201Bには、複数の電極が形成され、これらの複数の電極は、例えばTCVなどのビアを介して画素アレイ10における複数の信号線SGLに接続されている。
【0068】
半導体チップ202には、この例では、走査部20L,20R、制御部40A、カラム走査部43、および読出部30が形成されている。制御部40A、カラム走査部43、および読出部30は、半導体チップ202の中央付近に配置される。走査部20Lは、制御部40A、カラム走査部43、および読出部30の左に配置され、走査部20Rは、制御部40A、カラム走査部43、および読出部30の右側に配置される。また、半導体チップ202には、電極領域202A,202B,202Cが設けられている。電極領域202Aは、半導体チップ202の左辺側に、走査部20Lに隣り合うように設けられ、電極領域202Bは、半導体チップ202の右辺側に、走査部20Rに隣り合うように設けられ、電極領域202Cは、半導体チップ202の下辺側に、読出部30に隣り合うように設けられている。電極領域202Aには、複数の電極が形成され、これらの複数の電極は、例えばTCVなどのビアを介して、走査部20L、および制御部40A内の電圧生成部42に接続されている。電極領域202Bには、複数の電極が形成され、これらの複数の電極は、例えばTCVなどのビアを介して、走査部20R、および制御部40A内の電圧生成部42に接続されている。電極領域202Cには、複数の電極が形成され、これらの複数の電極は、例えばTCVなどのビアを介して読出部30に接続されている。
【0069】
この実装例E2では、半導体チップ201および半導体チップ202が、互いにはり合わされる。これにより、半導体チップ201の電極領域201Aにおける複数の電極が、半導体チップ202の電極領域202Aにおける複数の電極に電気的に接続され、半導体チップ201の電極領域201Bにおける複数の電極が、半導体チップ202の電極領域202Bにおける複数の電極に電気的に接続され、半導体チップ201の電極領域201Cにおける複数の電極が、半導体チップ202の電極領域202Cにおける複数の電極に電気的に接続される。
【0070】
この構成において、半導体チップ202の制御部40A内のアドレス生成部41は、アドレス信号ADRを走査部20L,20Rに供給する。半導体チップ202の走査部20L,20Rは、電極領域201A,202Aにおける複数の電極、および電極領域201B,202Bにおける複数の電極を介して、制御信号STG,SRST,SSELを、半導体チップ201の画素アレイ10に供給する。半導体チップ202の制御部40A内の電圧生成部42は、電極領域201A,202Aにおける複数の電極、および電極領域201B,202Bにおける複数の電極を介して、電圧信号SVRおよび電源電圧VDDを、半導体チップ201の画素アレイ10に供給する。半導体チップ201の画素アレイ10は、電極領域201C,201Cにおける複数の電極を介して、信号SIGを、半導体チップ202の読出部30に供給する。半導体チップ202において、読出部30は、画像信号DATA0を、制御部40A内の画像処理部44および診断処理部45に供給する。撮像装置1は、診断処理を行うことにより、例えば、各回路の動作の不具合、半導体チップ201,202における各種配線のオープンやショートなどの結線の不具合、半導体チップ201と半導体チップ202との間の結線不良を検出することができるようになっている。
【0071】
また、このように、半導体チップ201に画素アレイ10を主に配置することにより、画素に特化した半導体製造工程を用いて半導体チップ201を製造することができる。つまり、半導体チップ201には、画素アレイ10以外にトランジスタがないので、例えば、1000度でアニールする工程がある場合でも、画素アレイ10以外の回路に影響を与えることがない。よって、半導体チップ201を製造する際、例えば白点対策の高温プロセスを導入することができ、その結果、撮像装置1における特性を改善することができる。
【0072】
ここで、端子T1は、本開示における「第1の端子」の一具体例に対応する。端子T2は、本開示における「第2の端子」の一具体例に対応する。端子T3は、本開示における「第3の端子」の一具体例に対応する。フローティングディフュージョンFDは、本開示における「蓄積部」の一具体例に対応する。トランジスタTGは、本開示における「第1のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタRSTは、本開示における「第2のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタAMP,SELは、本開示における「出力部」の一具体例に対応する。ダミー画素P3Bの画素回路CKTは、本開示における「第1の画素回路」の一具体例に対応する。ダミー画素P3Aの画素回路CKTは、本開示における「第2の画素回路」の一具体例に対応する。画素P1の画素回路CKTは、本開示における「第3の画素回路」の一具体例に対応する。ダミー画素P3Cの画素回路CKTは、本開示における「第4の画素回路」の一具体例に対応する。遮光画素P2の画素回路CKTは、本開示における「第5の画素回路」の一具体例に対応する。ダミー画素P3Eの画素回路CKTは、本開示における「第6の画素回路」の一具体例に対応する。ダミー画素領域R32に存在するダミー画素P3Aおよびダミー画素P3Bの画素回路CKTは、本開示における「第7の画素回路」および「第8の画素回路」の一具体例にそれぞれ対応する。制御線TGLは、本開示における「第1の制御線」および「第3の制御線」の一具体例に対応する。制御線RSTLは、本開示における「第2の制御線」および「第4の制御線」の一具体例に対応する。電圧供給線VL0は、本開示における「第1の電圧供給線」の一具体例に対応する。電源線PLは、本開示における「第2の電圧供給線」の一具体例に対応する。電圧供給線VL2は、本開示における「第3の電圧供給線」の一具体例に対応する。フォトダイオードPDは、本開示における「第1の受光素子」の一具体例に対応する。走査部20L,20Rは、本開示における「駆動部」の一具体例に対応する。走査部20Lは、本開示における「第1の駆動部」の一具体例に対応し、走査部20Rは、本開示における「第2の駆動部」の一具体例に対応する。診断部49は、本開示における「診断部」の一具体例に対応する。複数のAD変換部は、本開示における「変換回路」の一具体例に対応する。診断処理部45は、本開示における「診断回路」の一具体例に対応する。電圧生成部42は、本開示における「電圧供給部」の一具体例に対応する。電圧信号SVRは、本開示における「第1の電圧信号」の一具体例に対応する。ダミー画素領域R31は、本開示における「第1の領域」の一具体例に対応する。通常画素領域R1は、本開示における「第2の領域」の一具体例に対応する。ダミー画素領域R32は、本開示における「第3の領域」の一具体例に対応する。
【0073】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の撮像装置1の動作および作用について説明する。
【0074】
(全体動作概要)
まず、
図1を参照して、撮像装置1の全体動作概要を説明する。コントローラ40のアドレス生成部41は、画素アレイ10における駆動対象となる画素ラインLを決定し、その画素ラインLに対応するアドレスを示すアドレス信号ADRを生成する。2つの走査部20L,20Rは、コントローラ40からの指示に基づいて、画素ラインL単位で、画素アレイ10における画素P1、遮光画素P2、およびダミー画素P3を順次駆動する。コントローラ40の電圧生成部42は、電圧信号SVRおよび電源電圧VDDを生成する。画素アレイ10は、信号SIGを読出部30に供給する。読出部30のAD変換部ADCは、信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、デジタルコードCODEを生成する。コントローラ40のカラム走査部43は、データ転送動作の対象となるAD変換部ADCを決定し、その決定結果に基づいて、制御信号SSWを生成する。読出部30のスイッチ部SWは、この制御信号SSWに基づいて、AD変換部ADCから出力されたデジタルコードCODEをバス配線100に供給する。このようにして、読出部30は、画像信号DATA0を生成する。コントローラ40の画像処理部44は、画像信号DATA0が示す画像に対して、所定の画像処理を行うことにより画像信号DATAを生成する。コントローラ40の診断処理部45は、アドレス信号ADRと、画像信号DATA0に基づいて診断処理を行い、診断結果RESを出力する。
【0075】
(詳細動作)
撮像装置1において、通常画素領域R1における複数の画素P1は、受光量に応じて電荷を蓄積し、受光量に応じた画素電圧Vpixを信号SIGとして出力する。以下に、この動作について詳細に説明する。
【0076】
図9は、通常画素領域R1における画素P1を走査する動作の一例を表すものである。
図10は、撮像装置1の一動作例を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)~(D)は、0番目の画素ラインL[0]に対応する制御線RSTL[0],TGL[0],SELL[0]における制御信号SRST[0],STG[0],SSEL[0]の波形をそれぞれ示し、(E)~(G)は、1番目の画素ラインL[1]に対応する制御線RSTL[1],TGL[1],SELL[1]における制御信号SRST[1],STG[1],SSEL[1]の波形をそれぞれ示し、(H)~(J)は、2番目の画素ラインL[2]に対応する制御線RSTL[2],TGL[2],SELL[2]における制御信号SRST[2],STG[2],SSEL[2]の波形をそれぞれ示し、(K)は電圧信号SVRの波形を示す。
【0077】
撮像装置1は、
図9に示したように、タイミングt0~t1の期間において、通常画素領域R1における画素P1に対して、垂直方向において上から順に蓄積開始駆動D1を行う。
【0078】
具体的には、例えば、
図10に示したように、タイミングt21から開始する水平期間Hにおいて、まず、電圧生成部42は、タイミングt21において電圧信号SVRの電圧を電圧VRから電源電圧VDDに変化させる(
図10(K))。次に、走査部20L,20Rは、タイミングt22において制御信号SRST[0]の電圧を低レベルから高レベルに変化させ(
図10(B))、タイミングt23において制御信号STG[0]の電圧を低レベルから高レベルに変化させる(
図10(C))。これにより、0番目の画素ラインL[0]に属する画素P1では、トランジスタTG,RSTがともにオン状態になり、フローティングディフュージョンFDの電圧およびフォトダイオードPDのカソードの電圧が電源電圧VDDに設定される。そして、走査部20L,20Rは、タイミングt24において制御信号STG[0]の電圧を高レベルから低レベルに変化させる(
図10(C))。これにより、この画素P1では、トランジスタTGがオフ状態になり、フォトダイオードPDは、受光量に応じて電荷を蓄積し始める。このようにして、この画素P1において蓄積期間T10が開始する。次に、電圧生成部42は、タイミングt25において電圧信号SVRの電圧を電源電圧VDDから電圧VRに変化させ(
図10(K))、走査部20L,20Rは、タイミングt26において制御信号SRST[0]の電圧を高レベルから低レベルに変化させる(
図10(B))。これにより、この画素P1では、トランジスタRSTがオフ状態になる。
【0079】
このタイミングt21から開始する水平期間Hでは、0番目の画素ラインL[0]に属する遮光画素P2およびダミー画素P3は、この画素ラインL[0]に属する画素P1と同様に駆動される。すなわち、画素ラインL[0]に属する画素P1、遮光画素P2、およびダミー画素P3は、同じ制御線TGL、同じ制御線RSTL、および同じ制御線SELLに接続されているので、同様に駆動される。
【0080】
この画素ラインL[0]に属する遮光画素P2では、タイミングt23~t24の期間において、トランジスタTG,RSTがともにオン状態になり、フローティングディフュージョンFDの電圧およびフォトダイオードPDのカソードの電圧が電源電圧VDDに設定される。そして、タイミングt24において、トランジスタTGがオフ状態になり、フォトダイオードPDは、電荷を蓄積し始める。この遮光画素P2では、光がフォトダイオードPDに入射しないように遮光されているため、フォトダイオードPDは、暗電流に起因する電荷を蓄積し始める。
【0081】
また、この画素ラインL[0]に属するダミー画素P3は、フォトダイオードPDを有していないため、ダミー画素P3の動作は、画素P1および遮光画素P2の動作とやや異なる。ダミー画素P3Aでは、
図3Aに示したように、トランジスタTGのソースが電源線PLに接続されているので、タイミングt23~t24の期間において、トランジスタTG,RSTがともにオン状態になると、フローティングディフュージョンFDの電圧は、電源電圧VDDに設定される。また、ダミー画素P3Bでは、
図3Bに示したように、トランジスタTGのソースが電圧供給線VL0に接続されているので、トランジスタTG,RSTがともにオン状態になると、フローティングディフュージョンFDの電圧は、電源電圧VDDに設定される。すなわち、
図10(K)に示したように、タイミングt23~t24の期間において、電圧供給線VL0における電圧信号SVRの電圧を電源電圧VDDに設定するようにしたので、電源線PLから電圧供給線VL0に大きな電流が流れるおそれを低減しつつ、フローティングディフュージョンFDの電圧を、電源電圧VDDに設定することができる。
【0082】
同様にして、タイミングt27から開始する水平期間Hにおいて、1番目の画素ラインL[1]に属する画素P1は、受光量に応じて電荷を蓄積し始め、タイミングt28から開始する水平期間Hにおいて、2番目の画素ラインL[2]に属する画素P1は、受光量に応じて電荷を蓄積し始める。
【0083】
このようにして、撮像装置1は、蓄積開始駆動D1を行うことにより、画素P1における電荷の蓄積を順次開始させる。そして、各画素P1では、読出駆動D2が行われるまでの蓄積期間T10において、電荷が蓄積される。
【0084】
そして、撮像装置1は、
図9に示したように、タイミングt10~t11の期間において、通常画素領域R1における画素P1に対して、垂直方向において上から順に読出駆動D2を行う。
【0085】
具体的には、例えば、
図10に示したように、タイミングt31から開始する水平期間Hにおいて、まず、電圧生成部42は、タイミングt31において電圧信号SVRの電圧を電圧VRから電源電圧VDDに変化させる(
図10(K))。次に、走査部20L,20Rは、タイミングt32において制御信号SSEL[0]の電圧を低レベルから高レベルに変化させる(
図10(D))。これにより、0番目の画素ラインL[0]に属する画素P1では、トランジスタSELがオン状態になり、この画素P1が読出部30に電気的に接続される。次に、走査部20L,20Rは、タイミングt33~t34の期間において制御信号SRST[0]の電圧を高レベルに設定する(
図10(B))。これにより、この画素P1では、トランジスタRSTがオン状態になり、フローティングディフュージョンFDに電源電圧VDDが供給され、フローティングディフュージョンFDの電圧がリセットされる(リセット動作)。そして、このタイミングt34の後のP相期間TPにおいて、この画素P1は、その時のフローティングディフュージョンFDの電圧に対応するリセット電圧Vresetを信号SIGとして出力する。また、電圧生成部42は、電圧信号SVRの電圧を電源電圧VDDから電圧VRに変化させる(
図10(K))。次に、走査部20L,20Rは、タイミングt35~t36において制御信号STG[0]の電圧を高レベルに設定する(
図10(C))。これにより、この画素P1では、トランジスタTGがオン状態になり、フォトダイオードPDで発生した電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される(電荷転送動作)。このようにして、この画素P1において蓄積期間T10が終了する。そして、このタイミングt36の後のD相期間TDにおいて、この画素P1は、その時のフローティングディフュージョンFDの電圧に対応する、受光量に応じた画素電圧Vpixを信号SIGとして出力する。そして、その後に、走査部20L,20Rは、制御信号SSEL[0]の電圧を高レベルから低レベルに変化させる(
図10(D))。これにより、この画素P1では、トランジスタSELがオフ状態になり、画素P1が読出部30から電気的に切断される。読出部30は、この信号SIG(リセット電圧Vresetおよび画素電圧Vpix)に基づいてAD変換を行うことによりデジタルコードCODEを生成する。
【0086】
このタイミングt31から開始する水平期間Hでは、0番目の画素ラインL[0]に属する遮光画素P2およびダミー画素P3は、この画素ラインL[0]に属する画素P1と同様に駆動される。
【0087】
この画素ラインL[0]に属する遮光画素P2は、P相期間TPにおいてリセット電圧Vresetを信号SIGとして出力し、D相期間TDにおいて画素電圧Vpixを信号SIGとして出力する。この遮光画素P2では、光がフォトダイオードPDに入射しないように遮光されているため、この画素電圧Vpixは、暗電流に応じた電圧となる。
【0088】
また、この画素ラインL[0]に属するダミー画素P3は、フォトダイオードPDを有していないため、ダミー画素P3の動作は、画素P1および遮光画素P2の動作とやや異なる。ダミー画素P3Aでは、
図3Aに示したように、トランジスタTGのソースは電源線PLに接続されているので、ダミー画素P3Aは、P相期間TPにおいてリセット電圧Vresetを信号SIGとして出力し、D相期間TDにおいて、電源電圧VDDに応じた電圧を信号SIGとして出力する。また、ダミー画素P3Bでは、
図3Bに示したように、トランジスタTGのソースは電圧供給線VL0に接続されているので、ダミー画素P3Bは、P相期間TPにおいてリセット電圧Vresetを信号SIGとして出力し、D相期間TDにおいて、電圧VRに応じた電圧を信号SIGとして出力する。
【0089】
同様にして、タイミングt37から開始する水平期間Hにおいて、1番目の画素ラインL[1]に属する画素P1は、信号SIGを出力し、読出部30は、この信号SIGに基づいてAD変換を行うことによりデジタルコードCODEを生成する。また、タイミングt38から開始する水平期間Hにおいて、2番目の画素ラインL[2]に属する画素P1は、信号SIGを出力し、読出部30は、この信号SIGに基づいてAD変換を行うことによりデジタルコードCODEを生成する。
【0090】
このようにして、撮像装置1は、読出駆動D2を行うことにより、画素P1から出力された信号SIG(リセット電圧Vresetおよび画素電圧Vpix)に基づいて、AD変換を順次行い、デジタルコードCODEを生成する。
【0091】
撮像装置1は、このような蓄積開始駆動D1および読出駆動D2を繰り返す。具体的には、撮像装置1は、
図9に示したように、タイミングt2~t3の期間において蓄積開始駆動D1を行い、タイミングt12~t13の期間において読出駆動D2を行う。また、撮像装置1は、タイミングt4~t5の期間において蓄積開始駆動D1を行い、タイミングt14~t15の期間において読出駆動D2を行う。
【0092】
次に、読出駆動D2について、詳細に説明する。
【0093】
図11は、着目した画素P1における読出駆動D2の一動作例を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SRSTの波形を示し、(C)は制御信号STGの波形を示し、(D)は制御信号SSELの波形を示し、(E)は参照信号REFの波形を示し、(F)は信号SIGの波形を示し、(G)はAD変換部ADCのコンパレータ36から出力される信号CMPの波形を示し、(H)はクロック信号CLKの波形を示し、(I)はAD変換部ADCのカウンタ37におけるカウント値CNTを示す。ここで、
図11(E),(F)では、各信号の波形を同じ電圧軸で示している。
図11(E)の参照信号REFは、コンパレータ36の正入力端子における波形を示し、
図11(F)の信号SIGは、コンパレータ36の負入力端子における波形を示す。
【0094】
撮像装置1では、ある水平期間(H)において、まず、走査部20L,20Rが、画素P1に対してリセット動作を行い、AD変換部ADCが、その後のP相期間TPにおいて、画素P1が出力したリセット電圧Vresetに基づいてAD変換を行う。そして、走査部20L,20Rが、画素P1に対して電荷転送動作を行い、AD変換部ADCが、D相期間TDにおいて、画素P1が出力した画素電圧Vpixに基づいてAD変換を行う。以下にこの動作について詳細に説明する。
【0095】
まず、タイミングt41において、水平期間Hが開始すると、走査部20L,20Rは、タイミングt42において、制御信号SSELの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(
図11(D))。これにより、画素P1では、トランジスタSELがオン状態になり、画素P1が信号線SGLと電気的に接続される。
【0096】
次に、タイミングt43において、走査部20L,20Rは、制御信号SRSTの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(
図11(B))。これにより、画素P1では、トランジスタRSTがオン状態になり、フローティングディフュージョンFDの電圧が電源電圧VDDに設定される(リセット動作)。また、コンパレータ36は、タイミングt43~t45の期間において、正入力端子および負入力端子を電気的に接続するゼロ調整を行う。
【0097】
次に、タイミングt44において、走査部20L,20Rは、制御信号SRSTの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(
図11(B))。これにより、画素P1では、トランジスタRSTがオフ状態になる。そして、画素P1は、このタイミングt44以降において、このときのフローティングディフュージョンFDの電圧に対応する電圧(リセット電圧Vreset)を出力する(
図11(F))。
【0098】
次に、タイミングt45において、コンパレータ36は、ゼロ調整を終了し、正入力端子および負入力端子を電気的に切断する。そして、このタイミングt45において、参照信号生成部32は、参照信号REFの電圧を電圧V1に変化させる(
図11(E))。
【0099】
次に、タイミングt46~t48の期間(P相期間TP)において、読出部30は、リセット電圧Vresetに基づいてAD変換を行う。具体的には、まず、タイミングt46において、読出制御部31は、クロック信号CLKの生成を開始する(
図11(H))。これと同時に、参照信号生成部32は、参照信号REFの電圧を、電圧V1から所定の変化度合いで低下させ始める(
図11(E))。これに応じて、AD変換部ADCのカウンタ37は、カウント動作を開始し、カウント値CNTを順次変化させる(
図11(I))。
【0100】
そして、タイミングt47において、参照信号REFの電圧が信号SIGの電圧(リセットVreset)を下回る(
図11(E),(F))。これに応じて、AD変換部ADCのコンパレータ36は、信号CMPの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(
図11(G))。その結果、カウンタ37は、カウント動作を停止する(
図11(I))。
【0101】
次に、タイミングt48において、読出制御部31は、P相期間TPの終了に伴い、クロック信号CLKの生成を停止する(
図11(H))。これと同時に、参照信号生成部32は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt49において、参照信号REFの電圧を電圧V2に変化させる(
図11(E))。これに伴い、参照信号REFの電圧が信号SIGの電圧(リセット電圧Vreset)を上回るので(
図11(E),(F))、AD変換部ADCのコンパレータ36は、信号CMPの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(
図11(G))。
【0102】
次に、タイミングt50において、AD変換部ADCのカウンタ37は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNTの極性を反転する(
図11(I))。
【0103】
次に、タイミングt51において、走査部20L,20Rは、制御信号STGの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(
図11(C))。これにより、画素P1では、トランジスタTGがオン状態になり、その結果、フォトダイオードPDで発生した電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される(電荷転送動作)。これに応じて、信号SIGの電圧は低下する(
図11(F))。
【0104】
そして、タイミングt52において、走査部20L,20Rは、制御信号STGの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(
図11(C))。これにより、画素P1では、トランジスタTGがオフ状態になる。そして、画素P1は、このタイミングt52以降において、このときのフローティングディフュージョンFDの電圧に対応する電圧(画素電圧Vpix)を出力する(
図11(F))。
【0105】
次に、タイミングt53~t55の期間(D相期間TD)において、読出部30は、画素電圧Vpixに基づいてAD変換を行う。具体的には、まず、タイミングt53において、読出制御部31は、クロック信号CLKの生成を開始する(
図11(H))。これと同時に、参照信号生成部32は、参照信号REFの電圧を、電圧V2から所定の変化度合いで低下させ始める(
図11(E))。これに応じて、AD変換部ADCのカウンタ37は、カウント動作を開始し、カウント値CNTを順次変化させる(
図11(I))。
【0106】
そして、タイミングt54において、参照信号REFの電圧が信号SIGの電圧(画素電圧Vpix)を下回る(
図11(E),(F))。これに応じて、AD変換部ADCのコンパレータ36は、信号CMPの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(
図11(G))。その結果、カウンタ37は、カウント動作を停止する(
図11(I))。このようにして、AD変換部ADCは、画素電圧Vpixとリセット電圧Vresetとの差に応じたカウント値CNTを得る。そして、AD変換部ADCのラッチ38は、このカウント値CNTを、デジタルコードCODEとして保持しつつ出力する。
【0107】
次に、タイミングt55において、読出制御部31は、D相期間TDの終了に伴い、クロック信号CLKの生成を停止する(
図11(H))。これと同時に、参照信号生成部32は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt56において、参照信号REFの電圧を電圧V3に変化させる(
図11E))。これに伴い、参照信号REFの電圧が信号SIGの電圧(画素電圧Vpix)を上回るので(
図11(E),(F))、AD変換部ADCのコンパレータ36は、信号CMPの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(
図11(G))。
【0108】
次に、タイミングt57において、走査部20L,20Rは、制御信号SSELの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(
図11(D))。これにより、画素P1では、トランジスタSELがオフ状態になり、画素P1が信号線SGLから電気的に切り離される。
【0109】
そして、タイミングt58において、AD変換部ADCのカウンタ37は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNTを“0”にリセットする(
図11(I))。
【0110】
このように、撮像装置1では、P相期間TPにおいてリセット電圧Vresetに基づいてカウント動作を行い、カウント値CNTの極性を反転したのちに、D相期間TDにおいて画素電圧Vpixに基づいてカウント動作を行うようにした。これにより、撮像装置1は、画素電圧Vpixとリセット電圧Vresetとの差電圧に応じたデジタルコードCODEを取得することができる。撮像装置1では、このような相関2重サンプリングを行うようにしたので、画素電圧Vpixに含まれるノイズ成分を取り除くことができ、その結果、撮像画像の画質を高めることができる。
【0111】
読出部30は、複数のAD変換部ADCから出力されたデジタルコードCODEを、バス配線100を介して、画像信号DATA0としてコントローラ40の画像処理部44に供給する。次に、このデータ転送動作について詳細に説明する。
【0112】
図12は、読出部30におけるデータ転送動作の一例を模式的に表すものである。
図12において、太線は、複数ビットのバス配線を示す。この
図12において、例えば、AD変換部ADCにおける“0”は、0番目のAD変換部ADC[0]を示し、“1”は、1番目のAD変換部ADC[1]を示す。
【0113】
カラム走査部43は、読出部30における複数のAD変換部ADCが、順次、データ転送動作の対象となるように、制御信号SSWを生成する。制御信号SSWの各ビットは、例えば、制御信号SSW[0]、制御信号SSW[1]、制御信号SSW[2],…の順にアクティブになる。これにより、読出部30では、まず、0番目のAD変換部ADC[0]のデジタルコードCODEがバス配線100に供給され、次に、1番目のAD変換部ADC[1]のデジタルコードCODEがバス配線100に供給され、次に、2番目のAD変換部ADC[2]のデジタルコードCODEがバス配線100に供給される。このようにして、左のAD変換部ADCから順に(転送順序F)、デジタルコードCODEが画像信号DATA0としてコントローラ40に転送される。
【0114】
(診断処理について)
次に、撮像装置1における診断処理について詳細に説明する。
【0115】
図13は、撮像装置1における診断処理の全体動作例を模式的に表すものである。この診断処理は、通常画素領域R1の画素P1を用いた通常の撮像動作と並行して行われる。読出部30および診断処理部45は、診断部49を構成する。
【0116】
まず、コントローラ40のアドレス生成部41は、画素アレイ10における駆動対象となる画素ラインLを決定し、その画素ラインLに対応するアドレスを示すアドレス信号ADRを生成する。そして、アドレス生成部41は、このアドレス信号ADRを走査部20L,20Rに供給する。
【0117】
2つの走査部20L,20Rは、コントローラ40からの指示に基づいて、アドレス信号ADRが示すアドレスに対応する画素ラインLに属する画素P1、遮光画素P2、およびダミー画素P3を駆動する。
【0118】
画素アレイ10における、ダミー画素領域R31における11個のダミー画素P3、およびダミー画素領域R32における11個のダミー画素P3は、それぞれ信号SIGを生成し、生成した信号SIGを読出部30にそれぞれ供給する。読出部30のAD変換部ADCは、これらの信号SIGに基づいて、デジタルコードCODEをそれぞれ生成する。
【0119】
ダミー画素領域R31,R32におけるダミー画素P3のそれぞれは、ダミー画素P3A(
図3A)またはダミー画素P3B(
図3B)である。ダミー画素P3Aでは、
図3Aに示したように、トランジスタTGのソースが電源線PLに接続されている。よって、ダミー画素P3Aは、P相期間TPにおいてリセット電圧Vresetを信号SIGとして出力し、D相期間TDにおいて、電源電圧VDDに応じた電圧を信号SIGとして出力する。また、ダミー画素P3Bでは、
図3Bに示したように、トランジスタTGのソースは電圧供給線VL0に接続されている。よって、ダミー画素P3Bは、P相期間TPにおいてリセット電圧Vresetを信号SIGとして出力し、D相期間TDにおいて、電圧VRに応じた電圧を信号SIGとして出力する。読出部30のAD変換部ADCは、この信号SIGに基づいて、デジタルコードCODEを生成する。
【0120】
図14は、ダミー画素P3A,P3Bにおける信号SIGとデジタルコードCODEとの関係を表すものである。ダミー画素P3Aでは、D相期間TDにおいて、電源電圧VDDに応じた電圧を信号SIGとして出力するので、AD変換部ADCにより変換されたデジタルコードCODEは、ゼロコードに近いコードになる。また、ダミー画素P3Bでは、D相期間TDにおいて、電圧VRに応じた電圧を信号SIGとして出力するので、AD変換部ADCにより変換されたデジタルコードCODEは、この例では、フルコードに近いコードになる。
【0121】
このようにして、読出部30における複数のAD変換部ADCは、デジタルコードCODEをそれぞれ生成する。コントローラ40のカラム走査部43は、読出部30における複数のAD変換部ADCが、順次、データ転送動作の対象となるように、制御信号SSWを生成する。これにより、読出部30は、ダミー画素領域R31における11個のダミー画素P3に係る11個のデジタルコードCODE、およびダミー画素領域R32における11個のダミー画素P3に係る11個のデジタルコードCODEを含む画像信号DATA0を、コントローラ40に供給する。
【0122】
コントローラ40の診断処理部45は、画像信号DATA0に含まれるダミー画素P3に係るデジタルコードCODEに基づいてライン識別情報INFLを求め、アドレス信号ADRが示すアドレスと、このライン識別情報INFLとを比較することにより、撮像装置1が所望の動作を行っているかどうかを診断する。
【0123】
具体的には、診断処理部45は、まず、ダミー画素領域R31における11個のダミー画素P3に係る11個のデジタルコードCODEのそれぞれに対して、ゼロコードとフルコードとの間に設定されたしきい値THを用いて2値化処理を行う。
図14に示したように、ダミー画素P3Aに係るデジタルコードCODEは、ゼロコードに近いコードであるので “0”になり、一方、ダミー画素P3Bに係るデジタルコードCODEは、フルコードに近いコードであるので“1”になる。これにより、診断処理部45は、11ビットの2進数を得る。この11ビットの2進数は、
図5に示したライン識別情報INFLである。そして、診断処理部45は、アドレス信号ADRが示すアドレスと、このライン識別情報INFLとを比較することにより、撮像装置1が所望の動作を行っているかどうかを診断する。
【0124】
ダミー画素領域R32についても同様である。すなわち、診断処理部45は、まず、ダミー画素領域R32における11個のダミー画素P3に係る11個のデジタルコードCODEのそれぞれに対して、2値化処理を行うことによりライン識別情報INFLを求める。そして、診断処理部45は、アドレス信号ADRが示すアドレスと、このライン識別情報INFLとを比較することにより、撮像装置1が所望の動作を行っているかどうかを診断する。アドレス信号ADRが示すアドレスは、例えば、アドレス信号ADRが0番目の画素ラインL[0]を示す場合には“00000000000”であり、アドレス信号ADRが1番目の画素ラインL[1]を示す場合には“00000000001”であり、アドレス信号ADRが2番目の画素ラインL[2]を示す場合には“00000000010”である。
【0125】
例えば、診断処理部45は、ダミー画素領域R31に係るデジタルコードCODEから取得したライン識別情報INFLと、アドレス信号ADRが示すアドレスとが互いに一致するとともに、ダミー画素領域R32に係るデジタルコードCODEから取得したライン識別情報INFLと、アドレス信号ADRが示すアドレスとが互いに一致する場合には、撮像装置1が所望の動作を行っていると判断する。
【0126】
また、例えば、診断処理部45は、ダミー画素領域R31に係るデジタルコードCODEから取得したライン識別情報INFLと、アドレス信号ADRが示すアドレスとが互いに一致しない場合や、ダミー画素領域R32に係るデジタルコードCODEから取得したライン識別情報INFLと、アドレス信号ADRが示すアドレスとが互いに一致しない場合には、撮像装置1に不具合があると判断する。
【0127】
ダミー画素領域R31に係るデジタルコードCODEから取得したライン識別情報INFLと、アドレス信号ADRが示すアドレスとが互いに一致しない場合の原因は、例えば、アドレス生成部41と走査部20Lとの間の結線の不具合、走査部20Lの不具合、走査部20Lとダミー画素領域R31におけるダミー画素P3との間の結線の不具合、ダミー画素領域R31におけるダミー画素P3の不具合、ダミー画素領域R31におけるダミー画素P3とAD変換部ADCとの間の結線の不具合、AD変換部ADCの不具合、などがあり得る。
【0128】
また、ダミー画素領域R32に係るデジタルコードCODEから取得したライン識別情報INFLと、アドレス信号ADRが示すアドレスとが互いに一致しない場合の原因は、例えば、アドレス生成部41と走査部20Rとの間の結線の不具合、走査部20Rの不具合、走査部20Rとダミー画素領域R32におけるダミー画素P3との間の結線の不具合、ダミー画素領域R32におけるダミー画素P3の不具合、ダミー画素領域R32におけるダミー画素P3とAD変換部ADCとの間の結線の不具合、AD変換部ADCの不具合、などがあり得る。
【0129】
診断処理部45は、このようにして診断処理を行う。そして、診断処理部45は、その診断処理の結果を、診断結果RESとして出力する。
【0130】
以上のように、撮像装置1では、ダミー画素領域R31,R32を設け、画素ラインLのそれぞれにおいて、ダミー画素領域R31に複数(この例では11個)のダミー画素P3を設けるとともに、ダミー画素領域R32に複数(この例では11個)のダミー画素P3を設け、これらのダミー画素P3を、互いにトランジスタTGのソースの接続先が異なるダミー画素P3A(
図3A)またはダミー画素P3B(
図3B)を用いて構成した。これにより、撮像装置1では、ダミー画素P3の配置を用いて、各画素ラインLについての情報を、いわゆるマスクROM(Read Only Memory)のように固定設定することができる。この例では、ダミー画素P3の配置を用いて、画素ラインLを識別するためのライン識別情報INFLを設定するようにしたので、自己診断を行うことにより、アドレス制御の故障検出、および画素制御の故障検出を行うことができる。
【0131】
特に、撮像装置1では、
図5に示したように、11個のダミー画素P3の配列を、画素ラインLの番目の数を2進数で表したものに対応する配列にしたので、ライン識別情報INFLと、アドレス信号ADRが示すアドレスとを比較する回路の構成をシンプルにすることができる。
【0132】
また、撮像装置1では、2つのダミー画素領域R31,R32を、通常画素領域R1の左右にそれぞれ設け、通常画素領域R1の画素P1を用いた通常の撮像動作と並行して、診断処理を行うようにしたので、例えば、故障をタイムリーに検出することができる。すなわち、例えば、ブランキング期間T20において診断処理を行う場合には、ブランキング期間T20が短いので、1つのブランキング期間T20で全ての画素ラインLについての診断処理を行うことが難しい。よって、複数のブランキング期間T20を用いて全ての画素ラインLについての診断処理を行うこととなるが、この場合には、故障が生じたときに、その故障をタイムリーに検出できないおそれがある。一方、撮像装置1では、通常の撮像動作を行いながら、全ての画素ラインLについての診断処理を行うようにした。これにより、撮像装置1では、1フレーム期間内に全ての画素ラインLについての診断処理を行うことができる。その結果、撮像装置1では、故障をタイムリーに検出することができる。
【0133】
[効果]
以上のように本実施の形態では、ダミー画素領域を設け、画素ラインLのそれぞれにおいて、ダミー画素領域に複数のダミー画素を設け、この複数のダミー画素を、トランジスタTGのソースの接続先が異なる2種類の画素を用いて構成したので、自己診断を行うことにより、撮像装置の不具合を検出することができる。
【0134】
本実施の形態では、2つのダミー画素領域を、通常画素領域の左右にそれぞれ設け、通常画素領域の画素を用いた通常の撮像動作と並行して診断処理を行うようにしたので、例えば、故障をタイムリーに検出することができる。
【0135】
[変形例1-1]
上記実施の形態では、2つの走査部20L,20Rを設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、
図15に示す撮像装置1Bのように、1つの走査部を設けてもよい。この撮像装置1Bは、1つの走査部20Lと、画素アレイ10Bと、読出部30Bと、コントローラ40Bとを備えている。すなわち、撮像装置1Bは、上記実施の形態に係る撮像装置1(
図1)において、走査部20Rを省くとともに、画素アレイ10、読出部30、およびコントローラ40を、画素アレイ10B、読出部30B、およびコントローラ40Bにそれぞれ置き換えたものである。
【0136】
画素アレイ10Bは、上記実施の形態に係る画素アレイ10(
図1)において、ダミー画素領域R31を省いたものである。読出部30Bは、画素アレイ10Bから信号線SGLを介して供給された信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、画像信号DATA0を生成するものである。コントローラ40Bは、走査部20Lおよび読出部30Bに制御信号を供給することにより、撮像装置1Bの動作を制御するものである。コントローラ40Bは、カラム走査部43Bと、診断処理部45Bとを有している。カラム走査部43Bは、読出部30Bにおける、データ転送動作の対象となるAD変換部ADCを決定し、その決定結果に基づいて、制御信号SSWを生成するものである。診断処理部45Bは、ダミー画素領域R32における11個のダミー画素P3に係る11個のデジタルコードCODEのそれぞれに対して、2値化処理を行うことによりライン識別情報INFLを求め、アドレス信号ADRが示すアドレスと、このライン識別情報INFLとを比較することにより、撮像装置1が所望の動作を行っているかどうかを診断するものである。
【0137】
撮像装置1Bでは、走査部20Lは、コントローラ40Bからの指示に基づいて、アドレス信号ADRが示すアドレスに対応する画素ラインLに属する画素P1、遮光画素P2、およびダミー画素P3を駆動する。そして、画素アレイ10Bにおける、ダミー画素領域R32における11個のダミー画素P3は、それぞれ信号SIGを生成し、生成した信号SIGを読出部30Bにそれぞれ供給する。走査部20Lは、画素アレイ10Bの左に配置され、ダミー画素領域R32は、画素アレイ10Bにおける右端に設けられている。すなわち、撮像装置1Bでは、画素アレイ10Bにおいて、ダミー画素領域R32を、走査部20Lから一番離れた場所に設けたので、診断処理を行うことにより、走査部20Lのドライバ部23Lの駆動能力を診断することができる。また、撮像装置1Bでは、このように、ダミー画素領域R32を、走査部20Lから一番離れた場所に設けることにより、遮光画素領域R21、通常画素領域R1、および遮光画素領域R22における制御線TGL,RSTL,SELLおよび電源線PLの断線をも診断することができる。
【0138】
[変形例1-2]
上記実施の形態では、ダミー画素P3を、2つのダミー画素P3A,P3Bのいずれかを用いて構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば3つ以上のダミー画素のいずれかを用いて構成してもよい。以下に、ダミー画素P3を4つのダミー画素P3C,P3D,P3E,P3Fを用いて構成した撮像装置1Cについて、詳細に説明する。
【0139】
撮像装置1Cは、上記実施の形態に係る撮像装置1と同様に、画素アレイ10Cと、読出部30Cと、コントローラ40Cとを備えている。
【0140】
画素アレイ10Cは、複数のダミー画素P3(ダミー画素P3C,P3D,P3E,P3F)を有している。複数のダミー画素P3は、ダミー画素領域R31,R32に配置されている。
【0141】
図16A~16Dは、ダミー画素領域R31,R32におけるダミー画素P3の一構成例を表すものであり、
図16Aはダミー画素P3Cの一例を示し、
図16Bは、ダミー画素P3Dの一例を示し、
図16Cはダミー画素P3Eの一例を示し、
図16Dは、ダミー画素P3Fの一例を示す。画素アレイ10Cは、ダミー画素領域R31,R32において、複数の電圧供給線VL1~VL3を有している。複数の電圧供給線VL1には、電圧生成部42C(後述)により、単一の電圧信号SVR1が印加される。この電圧信号SVR1は、所定の電圧VR1および電源電圧VDDの間で変化する信号であり、D相期間TDにおいて電圧VR1に設定されるものである。複数の電圧供給線VL2には、電圧生成部42Cにより、単一の電圧信号SVR2が印加される。この電圧信号SVR2は、所定の電圧VR2および電源電圧VDDの間で変化する信号であり、D相期間TDにおいて電圧VR2に設定されるものである。複数の電圧供給線VL3には、電圧生成部42Cにより、単一の電圧信号SVR3が印加される。この電圧信号SVR3は、所定の電圧VR3および電源電圧VDDの間で変化する信号であり、D相期間TDにおいて電圧VR3に設定されるものである。電圧VR1は電源電圧VDDよりも低い電圧であり、電圧VR2は電圧VR1よりも低い電圧であり、電圧VR3は電圧VR2よりも低い電圧である。
【0142】
ダミー画素P3(ダミー画素P3C~P3F)は、画素回路CKTを有している。ダミー画素P3C~P3Eは、トランジスタTGのソースの接続先が互いに異なるものである。具体的には、ダミー画素P3Cは、
図16Aに示したように、トランジスタTGのソースが電源線PLに接続されたものである。ダミー画素P3Dは、
図16Bに示したように、トランジスタTGのソースが電圧供給線VL1に接続されたものである。ダミー画素P3Eは、
図16Cに示したように、トランジスタTGのソースが電圧供給線VL2に接続されたものである。ダミー画素P3Fは、
図16Dに示したように、トランジスタTGのソースが電圧供給線VL3に接続されたものである。
【0143】
ダミー画素P3Cでは、トランジスタTGのソースが電源線PLに接続されているため、D相期間TDにおけるフローティングディフュージョンFDの電圧は、電源電圧VDDになる。よって、ダミー画素P3Cは、D相期間TDにおいて、電源電圧VDDに応じた電圧を信号SIGとして出力する。また、ダミー画素P3Dでは、トランジスタTGのソースが電圧供給線VL1に接続されている。この電圧供給線VL1に印加される電圧信号SVR1の電圧は、D相期間TDでは電圧VR1に設定されるので、D相期間TDにおけるフローティングディフュージョンFDの電圧は、電圧VR1になる。よって、ダミー画素P3Dは、D相期間TDにおいて、電圧VR1に応じた電圧を信号SIGとして出力する。同様に、ダミー画素P3Eでは、トランジスタTGのソースが電圧供給線VL2に接続されているので、ダミー画素P3Eは、D相期間TDにおいて、電圧VR2に応じた電圧を信号SIGとして出力する。また、ダミー画素P3Fでは、トランジスタTGのソースが電圧供給線VL3に接続されているので、ダミー画素P3Fは、D相期間TDにおいて、電圧VR3に応じた電圧を信号SIGとして出力する。
【0144】
この例では、ダミー画素領域R31において、1つの画素ラインLは、6個のダミー画素P3(ダミー画素P3[5]~P3[0])を含んでいる。これらのダミー画素P3[5]~P3[0]のそれぞれは、ダミー画素P3C(
図16A)、ダミー画素P3D(
図16B)、ダミー画素P3E(
図16C)、およびダミー画素P3F(
図16D)のうちのいずれかである。
【0145】
図17は、ダミー画素領域R31におけるダミー画素P3C~P3Fの配列を表すものである。この
図17において、“00”はダミー画素P3Cを示し、“01”はダミー画素P3Dを示し、“10”はダミー画素P3Eを示し、“11”はダミー画素P3Fを示す。例えば、0番目の画素ラインL[0]では、ダミー画素P3の配列は“00”,“00”,“00”,“00”,“00”,“00”である。すなわち、6個のダミー画素P3[5]~P3[0]の全てがダミー画素P3Cである。1番目の画素ラインL[1]では、ダミー画素P3の配列は“00”,“00”,“00”,“00”,“00”,“01”である。すなわち、ダミー画素P3[0]がダミー画素P3Dであり、その他のダミー画素P3[5]~P3[1]はダミー画素P3Cである。2番目の画素ラインL[2]では、ダミー画素P3の配列は“00”,“00”,“00”,“00”,“00”,“10”である。すなわち、ダミー画素P3[0]がダミー画素P3Eであり、その他のダミー画素P3[5]~P3[1]はダミー画素P3Cである。3番目の画素ラインL[3]では、ダミー画素P3の配列は“00”,“00”,“00”,“00”,“00”,“11”である。すなわち、ダミー画素P3[0]がダミー画素P3Fであり、その他のダミー画素P3[5]~P3[1]はダミー画素P3Cである。4番目の画素ラインL[4]では、ダミー画素P3の配列は“00”,“00”,“00”,“00”,“01”,“00”である。すなわち、ダミー画素P3[1]がダミー画素P3Dであり、その他のダミー画素P3[5]~P3[2],P3[0]はダミー画素P3Cである。6個のダミー画素P3の配列は、画素ラインLを識別するライン識別情報INFLとして機能する。ダミー画素領域R32におけるダミー画素P3の配列は、ダミー画素領域R31におけるダミー画素P3の配列(
図17)と同じである。
【0146】
読出部30CのAD変換部ADCは、画素アレイ10Cから供給された信号SIGに基づいて、デジタルコードCODEを生成する。そして、読出部30Cは、ダミー画素領域R31における6個のダミー画素P3に係る6個のデジタルコードCODE、およびダミー画素領域R32における6個のダミー画素P3に係る6個のデジタルコードCODEを、画像信号DATA0としてコントローラ40Cに供給する。
【0147】
コントローラ40Cの診断処理部45Cは、画像信号DATA0に含まれるダミー画素P3に係るデジタルコードCODEに基づいてライン識別情報INFLを求め、アドレス信号ADRが示すアドレスと、このライン識別情報INFLとを比較することにより、撮像装置1Cが所望の動作を行っているかどうかを診断する。
【0148】
図18は、ダミー画素P3C~P3Fにおける信号SIGとデジタルコードCODEとの関係を表すものである。診断処理部45Cは、まず、ダミー画素領域R31における6個のダミー画素P3に係る6個のデジタルコードCODEのそれぞれに基づいて、ゼロコードとフルコードとの間に設定された3つのしきい値TH1~TH3を用いて、4つのコード“00”,“01”,“10”,“11”に変換する。ダミー画素P3Cに係るデジタルコードCODEはコード“00”に変換され、ダミー画素P3Dに係るデジタルコードCODEはコード“01”に変換され、ダミー画素P3Eに係るデジタルコードCODEはコード“10”に変換され、ダミー画素P3Fに係るデジタルコードCODEはコード“11”に変換される。これにより、診断処理部45Cは、
図17に示したライン識別情報INFLを得る。そして、診断処理部45Cは、アドレス信号ADRが示すアドレスと、このライン識別情報INFLとを比較することにより、撮像装置1Cが所望の動作を行っているかどうかを診断する。ダミー画素領域R32についても同様である。
【0149】
[変形例1-3]
上記実施の形態では、ダミー画素P3の配列が示す情報がライン識別情報INFLを含むようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、
図19に示したように、さらに他の情報をも含むようにしてもよい。この例では、ダミー画素P3の配列が示す情報は、ライン識別情報INFLに加え、各画素ラインLについての属性を示す、2ビットのライン属性情報INFPを含んでいる。このライン属性情報INFPは、例えば、その画素ラインLに係るカラーフィルタについての情報であってもよい。また、例えば、画素ラインLによって、画素の大きさが異なる場合には、ライン属性情報INFPは、画素の大きさについての情報であってもよい。また、例えば、画素ラインLによって、蓄積期間T10の長さが異なる場合には、ライン属性情報INFPは、蓄積期間T10の長さについての情報であってもよい。診断処理部45は、デジタルコードCODEに基づいてこのライン属性情報INFPを求め、このライン属性情報INFPを出力してもよい。
【0150】
[変形例1-4]
撮像装置1は、実装例E2(
図8)に示したように、2つの半導体チップ201,202を互いに張り合わせることにより構成することができる。例えば、半導体チップ201の表面に銅(Cu)配線を形成するとともに、半導体チップ202の表面に銅配線を形成し、いわゆるCu-Cu接合によりこれらの銅配線を互いに接合させてもよい。以下に、この構成について詳細に説明する。
【0151】
図20は、本変形例に係る撮像装置431の一構成例を表すものである。撮像装置431は、画素アレイ434が形成された第1の半導体チップ426と、ロジック回路455が形成された第2の半導体チップ428とが貼り合わされた、積層半導体チップ432により構成されている。第1の半導体チップ426は、半導体チップ201に対応し、第2の半導体チップ428は、半導体チップ202に対応している。
【0152】
第1の半導体チップ426では、薄膜化された半導体基板433に半導体ウェル430が形成され、この半導体ウェル430に対応する領域に画素アレイ434が形成される。この画素アレイ434は、フォトダイオードPDと、複数の画素トランジスタTr1、Tr2からなる複数の画素が2次元配列されたものである。フォトダイオードPDは、画素アレイ434における、有効画素アレイ442に対応する領域およびオプティカルブラック領域441に形成される。また、半導体基板433には、画素アレイ434を制御する制御回路(図示せず)を構成する複数のMOSトランジスタが形成される。半導体基板433の表面433a側には、層間絶縁膜453を介して、1層目から4層目のメタル配線層M1~M4による配線435(配線435a~435d)および5層目のメタル配線層M5による接続配線436を含む多層配線層437が形成される。配線435および接続配線436は、デュアルダマシン法により形成された銅(Cu)配線である。半導体基板433の裏面側には、絶縁膜438を介して、オプティカルブラック領域441を含む領域に遮光膜439が形成される。そして、その上に、前領域にわたって平坦化膜443が形成され、この平坦化膜443の上の有効画素アレイ442に対応する領域に、カラーフィルタ444およびレンズアレイ445が形成される。
【0153】
第1の半導体チップ426の多層配線層437では、画素トランジスタおよび配線435が、導電ビア452を介して互いに接続され、同様に、上下方向に隣り合う2つの配線435が、導電ビア452を介して互いに接続される。多層配線層437では、さらに、第2の半導体チップ428との接合面440に、5層目のメタル配線層M5による接続配線436が形成される。接続配線436は、導電ビア452を介して4層目のメタル配線層M4による配線435d1に接続される。
【0154】
第2の半導体チップ428では、第2の半導体基板454に、半導体ウェル450が形成され、この半導体ウェル450に対応する領域に、周辺回路となるロジック回路455が形成される。ロジック回路455は、CMOSトランジスタを含む複数のMOSトランジスタTr11~Tr14を含んでいる。第2の半導体基板454の表面側には、層間絶縁膜456を介して、1層目から3層目のメタル配線層M11~M13による配線457(配線457a~457c)および4層目のメタル配線層M14による接続配線458を含む多層配線層459が形成される。配線457および接続配線458は、デュアルダマシン法により形成された銅(Cu)配線である。
【0155】
第2の半導体チップ428の多層配線層459では、MOSトランジスタTr11~Tr14および配線457が、導電ビア464を介して互いに接続され、上下方向に隣り合う2つの配線457が、導電ビア464を介して互いに接続される。多層配線層459では、さらに、第1の半導体チップ426との接合面440に、4層目のメタル配線層M14による接続配線458が形成される。接続配線458は、導電ビア464を介して3層目のメタル配線層M13による配線457cに接続される。
【0156】
第1の半導体チップ426および第2の半導体チップ428は、互いの多層配線層437および多層配線層459が向かい合うようにして接合される。接続配線436および接続配線458は、接合面440を介して直接接合することにより、電気的に接続される。銅(Cu)配線である接続配線436,458は、熱拡散接合により接合される。また、多層配線層437,多層配線層459の表面に、絶縁性薄膜(図示せず)を成膜して、プラズマ接合等により接合してもよい。この銅(Cu)配線である接続配線436,458の直接接合が、Cu-Cu接合である。
【0157】
[変形例1-5]
撮像装置1は、実装例E2(
図8)に示したように、2つの半導体チップ201,202を互いに張り合わせることにより構成したが、これに限定されるものではなく、3つの半導体チップ(第1の半導体チップ501、第2の半導体チップ502、および第3の半導体チップ503)を積層することにより構成してもよい。
【0158】
例えば、第1の半導体チップ501は、半導体チップ201に対応し、第3の半導体チップ503は、半導体チップ202に対応してもよい。第2の半導体チップ502には、例えば、撮像画像(画像信号DATA)を記憶するDRAM(Dynamic Random Access Memory)を形成してもよい。この場合、第1の半導体チップ501の画素アレイ511から出力される信号SIGは、第3の半導体チップ503のAD変換部に直接供給される。よって、この結線には、例えば、
図21に示すように、例えば、TSV(Through Silicon Via)などの貫通電極512を用いることができる。貫通電極512は、第1の半導体チップ501のコンタクトに接続されるとともに、第3の半導体チップ503のアルミパッドに接続されている。
【0159】
また、例えば、AD変換部を構成するコンパレータを第2の半導体チップ502に形成し、AD変換部を構成するカウンタを第3の半導体チップ503に形成してもよい。この場合、この場合、第1の半導体チップ501の画素アレイ511から出力される信号SIGは、第2の半導体チップ502のコンパレータに供給され、コンパレータの出力信号は、第3の半導体チップ403のカウンタに供給される。よって、
図22に示すように、第1の半導体チップ501と第2の半導体チップ502との結線には、TSVなどの貫通電極512aを用いることができ、同様に、第2の半導体チップ502と第3の半導体チップ503との結線には、TSVなどの貫通電極512cを用いることができる。
【0160】
[変形例1-6]
本実施の形態に係る撮像装置1にWCSP(Waferlevel Chip Size Package)を適用してもよい。以下に本変形例について詳細に説明する。
【0161】
図23は、本変形例に係る撮像装置801の一構成例を概略的に表すものである。撮像装置801は、第1の構造体851と第2の構造体852とが積層された積層構造体853と、複数の外部端子854と、第1の構造体851の上に形成された保護基板858とを備えている。なお、第1の構造体851は、半導体チップ201に対応し、第2の構造体852は、半導体チップ202に対応する。第1の構造体851における光の入射面には、カラーフィルタ855およびオンチップレンズ856が形成されている。そして、オンチップレンズ856の上には、ガラスシール樹脂857を介して、保護基板858が配置されている。外部端子854は、撮像装置801の外部回路と信号のやり取りを行うための入出力端子であり、例えば、はんだボールを用いて構成される。
【0162】
図24は、撮像装置801における回路配置例を表すものである。第1の構造体851には、複数の画素871を含む画素アレイ864が形成されている。
【0163】
撮像装置801における画素周辺回路部のうち、走査部862は、第1の構造体851および第2の構造体852に配置されている。例えば、走査部862のうち、ドライバ部が第1の構造体851に配置され、アドレスデコーダが第2の構造体852に配置されている。第1の構造体851に配置される走査部862は、画素アレイ864の行方向(横方向)における外側に配置され、第2の構造体852に配置される走査部862は、少なくともその一部が第1の構造体851における走査部862の下層側に配置されている。第1の構造体851に配置された走査部862の外側と、第2の構造体852に配置された走査部862の外側には、これら2つの走査部862を互いに接続するための配線接続部869が配置されている。
【0164】
撮像装置801に備わる画素周辺回路部のうち、読出部865は、第1の構造体851および第2の構造体852に配置されている。例えば、読出部865のうち、電流源、コンパレータは第1の構造体851に配置され、カウンタやラッチが第2の構造体852に配置されている。第1の構造体851に配置される読出部865は、画素アレイ864の列方向(縦方向)における外側に配置され、第2の構造体852に配置される読出部865は、少なくともその一部が第1の構造体851における読出部865の下層側に配置されている。第1の構造体851に配置された読出部865の外側と、第2の構造体852に配置された読出部865の外側には、これら2つの読出部865を互いに接続するための配線接続部869が配置されている。
【0165】
第2の構造体852に配置された走査部862と読出部865の内側に、画像信号処理部866が配置されている。
【0166】
第2の構造体852において、複数の入出力回路部889は、第1の構造体851の画素アレイ864の下層側に対応する領域に配置される。複数の入出力回路部889は、複数の外部端子854に対応してそれぞれ設けられる。
【0167】
図25は、撮像装置801の断面構造の一例を表すものである。この
図25は、
図24におけるA-A’線における断面構造を示している。第1の構造体851とその上方とを含めた部分には、画素アレイ864が配置されている。画素アレイ864が形成された領域(画素アレイ領域)には、画素トランジスタ領域1001が設けられる。画素トランジスタ領域1001は、画素内のトランジスタが形成された領域である。第2の構造体852の半導体基板921の下側の表面には、第1の構造体851の画素アレイ864に対応する領域に、複数の外部端子854が配置されている。複数の外部端子854は、貫通ビア928、および導電性パッド1022を介して、入出力回路部889に接続されている。
【0168】
第1の構造体851の多層配線層942に含まれる配線と、第2の構造体852の多層配線層922に含まれる配線とを接続する配線接続構造を上下配線接続構造と称する。この上下配線接続構造は、上下配線接続領域1014に設けられている。上下配線接続領域1014は、画素周辺回路領域1013の外側に設けられている。上下配線接続構造は、第1の構造体851の上側の表面から半導体基板941を貫通し多層配線層942に至るシリコン貫通電極(TSV;Through Silicon Via)である貫通電極949と、第1の構造体851の上側の表面から半導体基板941と多層配線層942を貫通し第2の構造体852の多層配線層922に至る、チップ貫通電極である貫通電極945と、これら2つの貫通電極を接続するための接続配線946とを含んで構成される。このような上下配線接続構造は、ツインコンタクト構造とも称する。
【0169】
図26は、撮像装置801の断面構造の他の例を表すものである。この例は、上下配線接続構造が、
図25に示した上下配線接続構造と異なるものである。この例では、画素周辺回路領域1013において、第1の構造体851の多層配線層942における一部の配線を多層配線層942の最下面に配置している。すなわち、多層配線層942における一部の配線は、第1の構造体851と第2の構造体852との接合面に配置されている。同様に、第2の構造体852の多層配線層922における一部の配線を多層配線層922の最上面に配置している。すなわち、多層配線層922における一部の配線は、第1の構造体851と第2の構造体852との接合面に配置されている。これらの多層配線層942の一部の配線、および多層配線層922の一部の配線は、この接合面におけるほぼ同じ位置に配置されて、これらの配線が互いに電気的に接続されている。
【0170】
図27は、ツインコンタクト構造を有する撮像装置801の一構成例を表すものである。この
図27は、撮像装置801の外周付近の断面構造を示している。
【0171】
第2の構造体852には、半導体基板921の上側(第1の構造体851側)に、多層配線層922が形成されている。多層配線層922は、第1の構造体851に最も近い最上層の配線層923a、中間の配線層923b、および、半導体基板921に最も近い最下層の配線層923cなどを含む複数の配線層923と、各配線層923の間に形成された層間絶縁膜924とを含んで構成される。
【0172】
半導体基板921の所定の位置には、半導体基板921を貫通するシリコン貫通孔925が形成されており、シリコン貫通孔925の内壁に、絶縁膜926を介して接続導体927が埋め込まれることにより、貫通ビア(TSV:Through Silicon Via)928が形成されている。 貫通ビア928の接続導体927は、半導体基板921の下面側に形成された配線930と接続されており、配線930は、外部端子854と接続されている。また、半導体基板921の下面側には、外部端子854が形成されている領域を除いて、配線930と絶縁膜926を覆うように、ソルダマスク(ソルダレジスト)931が形成されている。
【0173】
第1の構造体851には、半導体基板941の下側(第2の構造体852側)に、多層配線層942が形成されている。多層配線層942は、半導体基板941に最も近い最上層の配線層943a、中間の配線層943b、および、第2の構造体852に最も近い最下層の配線層943cなどを含む複数の配線層943と、各配線層943の間に形成された層間絶縁膜944とで構成される。
【0174】
カラーフィルタ855とオンチップレンズ856が形成されていない半導体基板941の所定の領域には、シリコン貫通電極である貫通電極949およびチップ貫通電極である貫通電極945が形成されている。貫通電極949は、第1の構造体851の配線層943と、半導体基板941上面に形成された接続配線946とを接続するものであり、貫通電極945は、第2の構造体852の配線層923と接続配線946とを接続するものである。また、貫通電極949および貫通電極945のそれぞれと半導体基板941との間には、絶縁膜947が形成されている。
【0175】
半導体基板941のフォトダイオード891とカラーフィルタ855の間は平坦化膜948が形成されており、オンチップレンズ856とガラスシール樹脂857の間も、平坦化膜950が形成されている。
【0176】
なお、本変形例は、このような構成に限定されるものではない。例えば、
図28Aに示すように、外部端子854を、貫通ビア928の位置と重なる位置に形成してもよい。これにより、撮像装置801の裏面側に配線930を形成するスペースが不要となるので、
図28Bに示すように、外部端子854の配置密度を高めることができる。
【0177】
また、例えば、
図29に示すように、積層構造体853において、第2の構造体852の配線層943と第1の構造体851の配線層923とを、貫通電極949および貫通電極945の2本の貫通電極により接続するとともに、第1の構造体851の配線層923と外部端子854とを、貫通ビア(TSV:Through Silicon Via)928と配線930により接続してもよい。
【0178】
また、例えば、
図30に示すように、貫通ビア928をソルダマスク(ソルダレジスト)931で埋めて、貫通ビア928の形成箇所をダイシングしてもよい。
【0179】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0180】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る撮像装置2について説明する。本実施の形態は、読出部にAD変換部ADCの識別情報を設定し、この識別情報を用いて診断処理を行うものである。なお、上記第1の実施の形態に係る撮像装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0181】
図31は、本実施の形態に係る撮像装置2の一構成例を表すものである。撮像装置2は、画素アレイ50と、2つの走査部20L,20Rと、読出部60と、コントローラ70とを備えている。
【0182】
画素アレイ50は、複数の画素P1と、複数の遮光画素P2とを有している。複数の画素P1は、通常画素領域R1に配置されており、複数の遮光画素P2は、遮光画素領域R21,R22に配置されている。この例では、画素アレイ50において、水平方向(
図31における横方向)の左から右に向かって、遮光画素領域R21、通常画素領域R1、および遮光画素領域R22が、この順に設けられている。
【0183】
読出部60は、画素アレイ50から信号線SGLを介して供給された信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、画像信号DATA0を生成するものである。
【0184】
図32は、読出部60の一構成例を表すものである。なお、
図32には、読出部60に加え、コントローラ70をも描いている。読出部60は、読出制御部61と、参照信号生成部32と、複数のAD変換部ADC(AD変換部ADC[0],ADC[1],ADC[2],…)と、複数のセレクタSL(セレクタSL[0],SL[1],SL[2],…)と、複数のスイッチ部SW(スイッチ部SW[0],SW[1],SW[2],…)と、バス配線100とを有している。
【0185】
読出制御部61は、コントローラ70からの指示に基づいて、読出部60における読出動作を制御するものである。具体的には、読出制御部61は、参照信号生成部32に制御信号を供給することにより、参照信号生成部32に参照信号REFを生成させる。また、読出制御部61は、複数のAD変換部ADCに、クロック信号CLKおよび制御信号CCを供給することにより、複数のAD変換部ADCにおけるAD変換動作を制御する。また、読出制御部61は、複数のセレクタSLに制御信号CTLを供給することにより、複数のセレクタSLにおける選択動作を制御するようになっている。
【0186】
セレクタSLは、制御信号CTLに基づいて、AD変換部ADCから供給されたデジタルコードCODE、およびそのAD変換部ADCに対応づけられた固定のデジタルコードCODE2のうちの一方を選択して出力するものである。複数のセレクタSLは、複数のAD変換部ADCに対応して設けられている。具体的には、0番目のセレクタSL[0]は、0番目のAD変換部ADC[0]に対応して設けられ、1番目のセレクタSL[1]は、1番目のAD変換部ADC[1]に対応して設けられ、2番目のセレクタSL[2]は、2番目のAD変換部ADC[2]に対応して設けられている。
【0187】
デジタルコードCODE2は、この例では、12ビットのコードである。セレクタSLは、この12ビットのデジタルコードCODE2が供給される入力端子を有している。読出部60は、2つの電圧供給線VHL,VLLを有している。電圧供給線VHLには、電圧生成部72(後述)により高レベル電圧VHが印加され、電圧供給線VLLには、電圧生成部72により低レベル電圧VLが印加されている。セレクタSLの12ビット分の入力端子のそれぞれは、電圧供給線VHLまたは電圧供給線VLLに接続されている。すなわち、デジタルコードCODE2は、結線により固定設定されている。
【0188】
図33は、12ビットのデジタルコードCODE2の一例を表すものである。例えば、0番目のAD変換部ADC[0]に対応するデジタルコードCODE2は、“000000000000”であり、1番目のAD変換部ADC[1]に対応するデジタルコードCODE2は、“000000000001”であり、2番目のAD変換部ADC[2]に対応するデジタルコードCODE2は、“000000000010”である。このように、デジタルコードCODE2は、互いに異なるように設定される。特に、この例では、デジタルコードCODE2は、AD変換部ADCの番目の数を2進数で表したものに対応するコードである。この例では、デジタルコードCODE2は12ビットのコードであるので、4096個のAD変換部ADCの番目の数を表現することができる。つまり、デジタルコードCODE2は、AD変換部ADCを識別する識別情報INFAとして機能する。
【0189】
そして、スイッチ部SWは、コントローラ40から供給された制御信号SSWに基づいて、セレクタSLから出力されたデジタルコードをバス配線100に供給するようになっている。
【0190】
コントローラ70(
図31)は、走査部20L,20Rおよび読出部60に制御信号を供給することにより、撮像装置2の動作を制御するものである。コントローラ70は、アドレス生成部41と、電圧生成部72と、カラム走査部73と、画像処理部44と、診断処理部75とを有している。
【0191】
電圧生成部72は、高レベル電圧VH、低レベル電圧VL、および電源電圧VDDを生成するものである。電圧生成部72は、生成した高レベル電圧VHを、読出部60における電圧供給線VHLに供給し、生成した低レベル電圧VLを、読出部60における電圧供給線VLLに供給し、生成した電源電圧VDDを、画素アレイ50における複数の電源線PLに供給するようになっている。
【0192】
カラム走査部73は、読出部30における、データ転送動作の対象となるセレクタSLを決定し、その決定結果に基づいて、制御信号SSWを生成するものである。そして、カラム走査部43は、生成した制御信号SSWを、読出部60の複数のスイッチ部SWに供給するようになっている。
【0193】
診断処理部75は、カラム走査部43が生成した制御信号SSWと、画像信号DATA0に基づいて、診断処理を行うものである。具体的には、診断処理部75は、制御信号SSWに基づいて、データ転送動作の対象となるセレクタSLを示すコードを生成する。具体的には、診断処理部75は、例えば、0番目のセレクタSL[0]がデータ転送動作の対象である場合には、コード“000000000000”を生成し、1番目のセレクタSL[1]がデータ転送動作の対象である場合には、コード“000000000001”を生成し、2番目のセレクタSL[2]がデータ転送動作の対象である場合には、コード“000000000010”を生成する。そして、診断処理部75は、制御信号SSWに基づいて生成したコードと、画像信号DATA0に含まれるデジタルコードCODE2とを比較することにより、撮像装置2が所望の動作を行っているかどうかを診断するようになっている。
【0194】
ここで、AD変換部ADCは、本開示における「第1の変換回路」および「第2の変換回路」の一具体例に対応する。セレクタSLは、本開示における「第1のセレクタ」および「第2のセレクタ」の一具体例に対応する。スイッチ部SWは、本開示における「転送部」の一具体例に対応する。診断処理部75は、本開示における「診断部」の一具体例に対応する。
【0195】
図34は、撮像装置2における診断処理の全体動作例を模式的に表すものである。
【0196】
まず、読出部60の読出制御部61は、コントローラ70からの指示に基づいて、複数のセレクタSLに制御信号CTLを供給することにより、固定のデジタルコードCODE2を選択して出力するように、複数のセレクタSLの動作を制御する。
【0197】
そして、コントローラ70のカラム走査部43は、セレクタSLが、順次、データ転送動作の対象となるように、制御信号SSWを生成する。これにより、読出部60は、複数のセレクタSLが出力するデジタルコードCODE2を、画像信号DATA0として、コントローラ70に供給する。
【0198】
コントローラ70の診断処理部75は、制御信号SSWに基づいて、データ転送動作の対象となるセレクタSLを示すコードを生成する。そして、診断処理部75は、制御信号SSWに基づいて生成したコードと、画像信号DATA0に含まれるデジタルコードCODE2とを比較することにより、撮像装置2が所望の動作を行っているかどうかを診断する。
【0199】
例えば、診断処理部75は、制御信号SSWに基づいて生成したコードと、画像信号DATA0に含まれるデジタルコードCODE2とが互いに一致した場合には、撮像装置2は所望の動作を行っていると判断する。
【0200】
また、例えば、診断処理部75は、制御信号SSWに基づいて生成したコードと、画像信号DATA0に含まれるデジタルコードCODE2とが互いに一致しない場合には、撮像装置2に不具合があると判断する。生成したコードと、画像信号DATA0に含まれるデジタルコードCODE2とが互いに一致しない場合の原因は、例えば、カラム走査部73の不具合、カラム走査部73と複数のスイッチ部SWとの間の結線の不具合、複数のスイッチ部SWの不具合、読出部60と診断処理部75との間の結線の不具合、などがあり得る。
【0201】
診断処理部75は、このようにして診断処理を行う。そして、診断処理部75は、その診断処理の結果を、診断結果RESとして出力する。
【0202】
以上のように、撮像装置2では、AD変換部ADCとスイッチ部SWとの間にセレクタSLを設け、セレクタSLが、AD変換部ADCから供給されたデジタルコードCODE、およびそのAD変換部ADCに対応づけられた固定のデジタルコードCODE2のうちの一方を選択して出力するようにしたので、自己診断を行うことにより、データ転送制御の故障検出を行うことができる。
【0203】
以上のように本実施の形態では、AD変換部とスイッチとの間にセレクタを設け、セレクタが、そのAD変換部に対応づけられた固定のデジタルコードを出力できるようにしたので、自己診断を行うことにより、撮像装置の不具合を検出することができる。
【0204】
[変形例2-1]
例えば、第1の実施の形態に係る技術と、第2の実施の形態に係る技術とを組み合わせてもよい。
【0205】
[変形例2-2]
上記実施の形態に係る撮像装置2に、上記第1の実施の形態の各変形例を適用してもよい。
【0206】
<3.撮像装置の使用例>
図35は、上記実施の形態に係る撮像装置1,2の使用例を表すものである。上述した撮像装置1,2は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。
【0207】
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、テレビジョンや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置
【0208】
<4.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0209】
図36は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0210】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図36に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0211】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0212】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0213】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0214】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0215】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0216】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0217】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0218】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0219】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図36の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0220】
図37は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0221】
図37では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0222】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0223】
なお、
図37には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0224】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0225】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0226】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0227】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0228】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。これにより、車両制御システム12000では、診断処理を行うことにより、撮像部12031が正常に動作しているかどうかを診断することができる。そして、撮像部12031に不具合が生じた場合には、例えば、その診断結果をマイクロコンピュータ12051に通知することにより、車両制御システム12000は、撮像部12031に不具合が生じたことを把握することができる。これにより、車両制御システム12000では、例えば運転者に注意喚起を促すなどの適切な処理を行うことができるため、信頼性を高めることができる。また、車両制御システム12000では、診断処理の結果に基づいて、車両を制御する機能を制限することができる。車両を制御する機能の具体例としては、車両の衝突回避あるいは衝突緩和機能、車間距離に基づく追従走行機能、車速維持走行機能、車両の衝突警告機能、車両のレーン逸脱警告機能等が挙げられる。診断処理の結果、撮像部12031に不具合が生じたと判定された場合、車両を制御する機能を制限し、あるいは禁止することができる。これにより、車両制御システム12000では、撮像部12031の不具合に基づく誤検知に起因した事故を防止することができる。
【0229】
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびにそれらの具体的な応用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0230】
例えば、第1の実施の形態に係る技術と、第2の実施の形態に係る技術とを組み合わせてもよい。
【0231】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0232】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0233】
(1)それぞれが、第1の端子と、第2の端子と、第3の端子と、電荷を蓄積可能な蓄積部と、前記第1の端子の電圧に基づいて前記第3の端子を前記蓄積部に接続可能な第1のトランジスタと、前記第2の端子の電圧に基づいて所定の電圧を前記蓄積部に供給可能な第2のトランジスタと、前記蓄積部における電圧に応じた信号を出力可能な出力部とを有し、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路を含む複数の画素回路と、
第1の方向に延伸し、前記第1の画素回路、前記第2の画素回路、および前記第3の画素回路の前記第1の端子に接続された第1の制御線と、
前記第1の方向に延伸し、前記第1の画素回路、前記第2の画素回路、および前記第3の画素回路の前記第2の端子に接続された第2の制御線と、
前記第1の画素回路の前記第3の端子に接続された第1の電圧供給線と、
前記第2の画素回路の前記第3の端子に接続された第2の電圧供給線と、
前記第3の画素回路の前記第3の端子に接続された第1の受光素子と、
前記第1の画素回路の前記出力部から出力された第1の信号、および前記第2の画素回路の前記出力部から出力された第2の信号に基づいて診断処理を行うことが可能な診断部と
を備えた撮像装置。
(2)アドレス信号を生成可能なアドレス生成部と、
前記アドレス信号に基づいて、前記第1の制御線および前記第2の制御線を駆動可能な駆動部と
さらに備え、
前記診断部は、前記アドレス信号、前記第1の信号、および前記第2の信号に基づいて、前記診断処理を行う
前記(1)に記載の撮像装置。
(3)前記診断部は、
前記第1の信号に基づいてAD変換を行うことにより第1のデジタルコードを生成するとともに、前記第2の信号に基づいてAD変換を行うことにより第2のデジタルコードを生成することが可能な変換回路と、
前記アドレス信号、前記第1のデジタルコード、および前記第2のデジタルコードに基づいて前記診断処理を行うことが可能な診断回路と
を有する
前記(2)に記載の撮像装置。
(4)前記第1の制御線、前記第2の制御線、前記第1の電圧供給線、前記第2の電圧供給線、前記複数の画素回路、および前記第1の受光素子は、第1の半導体基板に形成され、
前記アドレス生成部および前記駆動部は、前記第1の半導体基板に貼り合わせられた第2の半導体基板に形成された
前記(2)または(3)に記載の撮像装置。
(5)前記複数の画素回路のそれぞれは、複数の画素ラインのいずれかに属し、
前記第1の画素回路、前記第2の画素回路、および前記第3の画素回路は、前記複数の画素ラインのうちの第1の画素ラインに属し、
前記複数の画素ラインのそれぞれには、前記第3の端子が前記第1の電圧供給線または前記第2の電圧供給線に接続された2以上の所定数の画素回路が属し、
前記複数の画素ラインの数は、前記所定数の画素回路における、前記第3の端子と前記第1の電圧供給線または前記第2の電圧供給線との接続の組み合わせで表現可能な数以下である
前記(1)から(4)のいずれかに記載の撮像装置。
(6)前記第1の画素ラインに属する前記所定数の画素回路における、前記第3の端子と前記第1の電圧供給線または前記第2の電圧供給線との接続の組み合わせが示す第1の情報は、前記第1の画素ラインを識別可能な第2の情報を含む
前記(5)に記載の撮像装置。
(7)前記第1の情報は、前記第1の画素ラインの属性を示す第3の情報をさらに含む
前記(6)に記載の撮像装置。
(8)前記第1の方向に延伸する第3の制御線および第4の制御線と、
前記第1の画素回路の前記出力部に接続された信号線と
さらに備え、
前記複数の画素回路は、第4の画素回路を含み、
前記第4の画素回路の前記第1の端子は、前記第3の制御線に接続され、
前記第4の画素回路の前記第2の端子は、前記第4の制御線に接続され、
前記第4の画素回路の前記出力部は、前記信号線に接続され、
前記第4の画素回路の前記第3の端子は、前記第2の電圧供給線に接続された
前記(1)から(7)のいずれかに記載の撮像装置。
(9)遮光された第2の受光素子をさらに備え、
前記複数の画素回路は、第5の画素回路を含み、
前記第5の画素回路の前記第1の端子は、前記第1の制御線に接続され、
前記第5の画素回路の前記第2の端子は、前記第2の制御線に接続され、
前記第5の画素回路の前記第3の端子は、前記第2の受光素子に接続された
前記(1)から(8)のいずれかに記載の撮像装置。
(10)第1の電圧および第2の電圧を有する第1の電圧信号を前記第1の電圧供給線に印加可能な電圧供給部をさらに備えた
前記(1)から(9)のいずれかに記載の撮像装置。
(11)前記第1の電圧は、前記所定の電圧であり、
前記第1の電圧信号は、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタの両方がオン状態になる第1の期間において前記第1の電圧を有し、前記第1の期間の期間外における第2の期間において前記第2の電圧を有する
前記(10)に記載の撮像装置。
(12)第3の電圧供給線を備え、
前記複数の画素回路は、第6の画素回路を含み、
前記第6の画素回路の前記第1の端子は、前記第1の制御線に接続され、
前記第6の画素回路の前記第2の端子は、前記第2の制御線に接続され、
前記第6の画素回路の前記第3の端子は、前記第3の電圧供給線に接続された
前記(1)から(11)のいずれかに記載の撮像装置。
(13)前記第1の制御線を駆動可能な第1の駆動部をさらに備え、
前記第1の制御線は、前記第1の駆動部が接続された第1の端部と、第2の端部とを有し、
前記第1の画素回路および前記第2の画素回路は、第1の領域に配置され、
前記第3の画素回路は、第2の領域に配置され、
前記第1の領域および前記第2の領域は、前記第2の端部から前記第1の端部に向かう方向に、この順に配置された
前記(1)から(12)のいずれかに記載の撮像装置。
(14)前記第1の制御線の前記第2の端部に接続され、前記第1の制御線を駆動可能な第2の駆動部をさらに備えた
前記(13)に記載の撮像装置。
(15)前記複数の画素回路は、第7の画素回路および第8の画素回路を含み、
前記第7の画素回路および前記第8の画素回路の前記第1の端子は、前記第1の制御線に接続され、
前記第7の画素回路および前記第8の画素回路の前記第2の端子は、前記第2の制御線に接続され、
前記第7の画素回路の前記第3の端子は、前記第1の電圧供給線に接続され、
前記第8の画素回路の前記第3の端子は、前記第2の電圧供給線に接続され、
前記第7の画素回路および前記第8の画素回路は、第3の領域に配置され、
前記第1の領域、前記第2の領域、および前記第3の領域は、前記第2の端部から前記第1の端部に向かう方向に、この順に配置された
前記(14)に記載の撮像装置。
(16)それぞれが、第1の端子と、第2の端子と、第3の端子と、電荷を蓄積可能な蓄積部と、前記第1の端子の電圧に基づいて前記第3の端子を前記蓄積部に接続可能な第1のトランジスタと、前記第2の端子の電圧に基づいて所定の電圧を前記蓄積部に供給可能な第2のトランジスタと、前記蓄積部における電圧に応じた信号を出力可能な出力部とを有し、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路を含む複数の画素回路と、
第1の方向に延伸し、前記第1の画素回路、前記第2の画素回路、および前記第3の画素回路の前記第1の端子に接続された第1の制御線と、
前記第1の方向に延伸し、前記第1の画素回路、前記第2の画素回路、および前記第3の画素回路の前記第2の端子に接続された第2の制御線と、
前記第1の画素回路の前記第3の端子に接続された第1の電圧供給線と、
前記第2の画素回路の前記第3の端子に接続された第2の電圧供給線と、
前記第3の画素回路の前記第3の端子に接続された第1の受光素子と
を備えた撮像装置。
(17)第1の画素回路と、
前記第1の画素回路に接続された第1の信号線と、
前記第1の信号線における信号に基づいてAD変換を行うことにより、第1のデジタルコードを生成可能な第1の変換回路と、
前記第1のデジタルコードが供給される第1の入力端子と、第1の固定デジタルコードが供給される第2の入力端子とを有し、前記第1のデジタルコードおよび前記第1の固定デジタルコードのうちのいずれか一方を選択して出力可能な第1のセレクタと、
前記第1のセレクタから出力されたデジタルコードを転送可能な転送部と、
前記転送部により転送された前記第1の固定デジタルコードに基づいて診断処理を行うことが可能な診断部と
を備えた撮像装置。
(18)第2の画素回路と、
前記第2の画素回路に接続された第2の信号線と、
前記第2の信号線における信号に基づいてAD変換を行うことにより、第2のデジタルコードを生成可能な第2の変換回路と、
前記第2のデジタルコードが供給される第1の入力端子と、第2の固定デジタルコードが供給される第2の入力端子とを有し、前記第2のデジタルコードおよび前記第2の固定デジタルコードのうちのいずれか一方を選択して出力可能な第2のセレクタと
をさらに備え、
前記第2の固定デジタルコードは、前記第1の固定デジタルコードと異なるデジタルコードであり、
前記転送部は、前記第2のセレクタから出力されたデジタルコードをさらに転送し、
前記診断部は、前記転送部により転送された前記第1の固定デジタルコードおよび前記第2の固定デジタルコードに基づいて前記診断処理を行う
前記(17)に記載の撮像装置。
(19)前記第1の固定デジタルコードは、前記第1の変換回路を識別可能な情報を含む
前記(17)または(18)に記載の撮像装置。
【0234】
本出願は、日本国特許庁において2017年12月6日に出願された日本特許出願番号2017-234360号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0235】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。