(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】管状発熱体を備えた電子ベイピング装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20230313BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20230313BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20230313BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/42
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2019571298
(86)(22)【出願日】2018-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2018067674
(87)【国際公開番号】W WO2019002589
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-06-28
(32)【優先日】2017-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】デンディ チャールズ エル
(72)【発明者】
【氏名】ガーサフナー トラヴィス マーティン
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-504652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/46
A24F 40/42
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ベイピング装置のカートリッジであって、
プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部と、
前記プレベイパー製剤を加熱するように構成された発熱体
とを備え、前記発熱体が、
第一の端および第二の端を有する金属管であって、前記金属管がそれを通る開口部を画定し、
前記金属管の一部分に沿って実質的に連続的に延在する少なくとも一つの螺旋チャネルを画定する側壁を含む、金属管を含む、カートリッジ。
【請求項2】
前記螺旋チャネルが、前記金属管の前記第一の端から約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの位置で開始する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記螺旋チャネルが、前記金属管の前記第一の端および前記金属管の前記第二の端のうちのいずれか一つから約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの位置で終端する、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記螺旋チャネルが、前記金属管の周囲に約2~約20の回転を含む、請求項1、2または3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
各回転が、隣接する回転から約0.05ミリメートル~約0.25ミリメートル離間する、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
各回転が、隣接する回転から等間隔に離間する、請求項4または5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
各回転が、隣接する回転から不均等な間隔で離間する、請求項4または5に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記螺旋チャネルが、約0.1ミリメートル~約0.5ミリメートルの範囲の幅を有する、請求項1~7のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記金属管が、約3.0ミリメートル~約6.0ミリメートルの範囲の長さを有する、請求項1~8のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記螺旋チャネルが、前記金属管の長さの約2.0ミリメートル~約3.5ミリメートルに沿って延在し、前記金属管の前記長さの約0.75ミリメートル~約2.0ミリメートルが前記螺旋チャネルを含まず、
好ましくは、前記金属管が、約0.1ミリメートル~約4.0ミリメートルの範囲の内径を有する、請求項1~9のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記金属管が、約0.05ミリメートル~約0.25ミリメートルの範囲の厚さを有する、請求項1~10のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記金属管の前記開口部を貫通する芯をさらに含み、その結果、前記金属管が前記芯の少なくとも一部分を囲む、請求項1~11のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記金属管の少なくとも一部分を少なくとも部分的に囲む芯をさらに含む、請求項1~12のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記発熱体が、約2.5オーム~約4.5オームの範囲の抵抗を有し、
好ましくは、前記金属管が、ステンレス鋼およびニクロムのうちの少なくとも一つから形成される、請求項1~13のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記螺旋チャネルは、前記側壁にレーザーエッチングされ又は切削されたものである、請求項1~14のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項16】
電子ベイピング装置であって、
請求項1~15のいずれかに記載のカートリッジと、
前記カートリッジの前記発熱体に電力を供給するように構成された電源と、を備える、電子ベイピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子ベイピング装置またはeベイピング装置に関する。
eベイピング装置は、プレベイパー製剤を気化して「ベイパー(蒸気)」を生成する発熱体を含む。
【背景技術】
【0002】
eベイピング装置は、装置内に配置された電源(再充電可能電池など)を含む。電池は発熱体に電気的に接続され、これによって発熱体はプレベイパー製剤をベイパーに変えるのに十分な温度まで加熱する。ベイパーは、少なくとも一つの出口を含むマウスピースを通って、eベイピング装置から出る。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置のカートリッジに関する。
【0004】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置のカートリッジは、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部と、プレベイパー製剤を加熱するように構成された発熱体と、を備える。発熱体は、第一の端および第二の端を有する金属管を含む。金属管はそれを通る開口部を画定する。金属管は、金属管の一部分に沿って実質的に連続的に延びる少なくとも一つの螺旋チャネルを画定する側壁を含む。
【0005】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、螺旋チャネルは、金属管の第一の端から約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの位置で開始する。
【0006】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、螺旋チャネルは、金属管の第一の端および第二の端の少なくとも一つから約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの位置で終端する。
【0007】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、螺旋チャネルは金属管の周囲で約2~約20回転する。各回転は、隣接する回転から約0.05ミリメートル~約0.25ミリメートル離間する。各回転は、隣接する回転から等間隔で離間する。いくつかの例示的な実施形態では、各回転は、隣接する回転から不均等な間隔で離間する。
【0008】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、螺旋チャネルは、約0.1ミリメートル~約0.5ミリメートルの範囲の幅を有する。金属管は、約3.0ミリメートル~約6.0ミリメートルの範囲の長さを有する。
【0009】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、螺旋チャネルは、金属管の長さの約2.0ミリメートル~約3.5ミリメートルに沿って延びる。金属管の長さの約0.75ミリメートル~約2.0ミリメートルは、螺旋チャネルを含まない。
【0010】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、金属管は約0.1ミリメートル~約4.0ミリメートルの範囲の内径を有する。金属管は、約0.05ミリメートル~約0.25ミリメートルの範囲の厚さを有する。
【0011】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、カートリッジは、金属管の開口部を貫通する芯をさらに含み、その結果、金属管は芯の少なくとも一部分を囲む。
【0012】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、カートリッジは、金属管の少なくとも一部分を少なくとも部分的に囲む芯をさらに含む。
【0013】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体は約2.5~約4.5オームの範囲の抵抗を有する。
【0014】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、金属管はステンレス鋼およびニクロムのうちの少なくとも一つで形成される。
【0015】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置に関する。
【0016】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置は、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部、プレベイパー製剤を加熱するように構成された発熱体、および発熱体に電力を供給するように構成された電源を備える。発熱体は、第一の端および第二の端を有する金属管を含む。金属管はそれを通る開口部を画定する。金属管は、金属管の一部分に沿って実質的に連続的に延びる少なくとも一つの螺旋チャネルを画定する側壁を含む。
【0017】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、螺旋チャネルは、金属管の第一の端および第二の端の少なくとも一つから約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの位置で開始する。螺旋チャネルは、金属管の第一の端から約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの位置で終端する。
【0018】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、螺旋チャネルは金属管の周りで約2~約20回転する。各回転は、隣接する回転から約0.05ミリメートル~約0.25ミリメートル離間する。各回転は、隣接する回転から等間隔で離間する。
【0019】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、各回転は、隣接する回転から不均等な間隔で離間する。
【0020】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、螺旋チャネルは、約0.1ミリメートル~約0.5ミリメートルの範囲の幅を有する。金属管は、約3.0ミリメートル~約6.0ミリメートルの範囲の長さを有する。
【0021】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、螺旋チャネルは、金属管の長さの約2.0ミリメートル~約3.5ミリメートルに沿って延びる。金属管の長さの約0.75ミリメートル~約2.0ミリメートルは、螺旋チャネルを含まない。
【0022】
金属管は約0.1ミリメートル~約4.0ミリメートルの範囲の内径を有する。金属管は、約0.05ミリメートル~約0.25ミリメートルの範囲の厚さを有する。
【0023】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、電子ベイピング装置はまた、金属管の開口部を貫通する芯を含み、その結果、金属管は芯の少なくとも一部分を囲む。芯の第二の部分は貯蔵部内に延びる。
【0024】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、電子ベイピング装置はまた、金属管の少なくとも一部分を少なくとも部分的に囲む芯を含む。
【0025】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明記されていない限り、実寸に比例して描かれているとは考えられない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置の側面図である。
【
図2】
図2は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、線II-IIに沿った、
図1の電子ベイピング装置の断面図である。
【
図3】
図3は、少なくとも一つの例示的な実施形態による発熱体の斜視図である。
【
図4】
図4は、少なくとも一つの例示的な実施形態による発熱体の前面図である。
【
図5】
図5は、少なくとも一つの例示的な実施形態による発熱体組立品の斜視図である。
【
図6】
図6は、少なくとも一つの例示的な実施形態による発熱体組立品の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型にすぎない。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の例示的な実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0028】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示的な実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるすべての修正、均等物、代替物を網羅するものである。同様の数字は、図の説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0029】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接ある、それに直接的に接続される、それに直接的に連結される、またはそれを直接的に覆う場合があり、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。
【0030】
第一の、第二の、第三のなどの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、構成要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されないことが理解されるべきである。これらの用語は、ある一つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、以下で説明されている第一の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0031】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に描写されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていると理解されるべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、「下方に」という用語は上方および下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0032】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は本明細書で使用される時、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0033】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または公差の結果としてもたらされた図の形状からの変形が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造の結果としてもたらされる形状の逸脱を含むものである。
【0034】
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0035】
図1は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるeベイピング装置の側面図である。
【0036】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図1に示す通り、電子ベイピング装置(eベイピング装置)10は、交換可能なカートリッジ(または第一のセクション)15および再利用可能な電池セクション(または第二のセクション)20を含んでもよく、これらは、ねじ付きコネクター25でまとめて連結されうる。当然のことながら、コネクター25は、滑り嵌め、戻り止め、クランプ、差込みピン、または留め金のうちの少なくとも一つなどの、任意のタイプのコネクターであってもよい。空気吸込み口55は、コネクター25の一部分を通って延在する。
【0037】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、コネクター25は米国出願第15/154,439号(2016年5月13日出願)に記載されているコネクターでもよく、その内容全体を参照することによって本明細書に組み込む。米国出願第15/154,439号に記載の通り、コネクター25は深絞り加工処理によって形成されうる。
【0038】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション15は第一のハウジング30を含んでもよく、また第二のセクション20は第二のハウジング30’を含んでもよい。eベイピング装置10は、第一の端45で口側端インサート35を含む。
【0039】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のハウジング30および第二のハウジング30’は、概して円筒状の断面を有する。その他の例示的な実施形態において、ハウジング30および30’は、第一のセクション15および第二のセクション20のうちの一つ以上に沿う概して三角形の断面を有しうる。その上、ハウジング30および30’は、同一もしくは異なる断面形状、または同一もしくは異なるサイズを有しうる。本明細書で考察した通り、ハウジング30、30’はまた、外側またはメインのハウジングと呼ばれうる。
【0040】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は、eベイピング装置10の第二の端50でエンドキャップ40を含みうる。eベイピング装置10はまた、エンドキャップ40とeベイピング装置10の第一の端45との間にライト60を含む。
【0041】
図2は、
図1のeベイピング装置の線II~IIに沿った断面図である。
【0042】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図2に示す通り、第一のセクション15は、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部95と、プレベイパー製剤を気化しうる気化器80とを含みうる。気化器80は、発熱体85および芯90を含む。芯90は、貯蔵部95からプレベイパー製剤を引き出し得る。eベイピング装置10は、2013年1月31日に出願された米国特許出願公開第2013/0192623号(Tucker他)、および2016年4月22日に出願された米国特許出願第15/135,930号(Holtz他)のうちの少なくとも一つに記載の特徴を含むことができ、そのそれぞれの全内容が参照によって本明細書に組み込まれる。他の例示的な実施形態において、eベイピング装置は、米国特許出願第15/135,923号(2016年4月22日出願)、および米国特許第9,289,014号(2016年3月22日交付)のうちの少なくとも一つに記載の特徴を含むことができ、そのそれぞれの全内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0043】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、プレベイパー製剤は、ベイパーへと変形されうる材料または材料の組み合わせである。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、植物材料(たばこおよび非たばこ植物材料のうちの少なくとも一つなど)、天然または人工香料、たばこ材料、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびにこれらの組み合わせ(ただしこれらに限定されない)を含む、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤のうちの少なくとも一つであってもよい。
【0044】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション15は、長手方向に延在するハウジング30と、ハウジング30の中に同軸に位置付けられた内側管(またはチムニー)70とを含んでもよい。
【0045】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のコネクター部品155は、第一のセクション15と第二のセクション20の間の接続を達成するように、オスねじ付きセクションを含んでもよい。
【0046】
内側管70の上流端部分において、ガスケット(またはシール)240のノーズ部245は、内側管70に嵌合されてもよく、ガスケット240の外周が、ハウジング30の内部表面とのシールを提供しうる。ガスケット240はまた、内側管70と流体連通して、内部通路(中央流路または中央内部通路とも称される)120を画定する、中央の長手方向の空気通路235を含みうる。ガスケット240の背面部分における横断方向チャネル230は、ガスケット240の空気通路235と交差し、かつ連通してもよい。この横断方向チャネル230は、空気通路235と、ガスケット240と第一の接続部品155の間に画定されるスペース250との間の連通を確実にする。
【0047】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、第一の接続部品155は、第一のセクション15と第二のセクション20の間の接続を達成するように、雄型のねじ状のセクションを含みうる。
【0048】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも二つの空気吸込み口55はハウジング30内に含まれうる。別の方法として、単一の空気吸込み口55は、ハウジング30内に含まれうる。こうした配置は、第一のコネクター部品155の存在による塞がりなく、空気吸込み口55をコネクター25の近くに定置することを可能にする。この配置はまた、空気吸込み口55の領域を強化して、空気吸込み口55の精密なドリル加工を容易にしうる。
【0049】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口55は、外側ハウジング30の代わりにコネクター25内に提供されうる。その他の例示的な実施形態において、コネクター25はねじ部分を含まなくてもよい。
【0050】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一つの空気吸込み口55は、成人ベイパー吸引者の指がポートのうちの一つを塞ぐ可能性を最小限にするために、およびベイピング中の引き出し抵抗(RTD)を制御するために、コネクター25に隣接してハウジング30内に形成されうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口55は、それらの直径が製造中に正確に制御されて、一つのeベイピング装置10から次のものへと複製されるように、精密な工具を用いてハウジング30内に機械加工されうる。
【0051】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口55は、eベイピング装置10が約60ミリメートル水柱~約150ミリメートル水柱の範囲内の引き出し抵抗(RTD)を有するようにサイズが決められ、かつ構成されてもよい。
【0052】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、下流ガスケット65のノーズ部分110は、内側管70の第一の端部分105に嵌合されうる。ガスケット65の外周は、ハウジング30の内部表面125との実質的な気密シールを提供しうる。ガスケット65は、内側管70の内部通路120と口側端インサート35の内側との間に配置された中央チャネル115を含んでもよく、これは内部通路120から口側端インサート35にベイパーを移動してもよい。口側端インサート35は少なくとも二つの出口100を含み、これらはeベイピング装置10の長軸方向軸の軸から離れて位置してもよい。出口100は、eベイピング装置10の長軸方向軸に対して、外向きに角度付けられてもよい。出口100は、ベイパーを実質的に均一に分配するように、口側端インサート35の周囲に実質的に均一に分配されてもよい。
【0053】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ガスケット65と、ガスケット240と、ハウジング30と、内側管70との間に画定された空間は、貯蔵部95の閉鎖空間を確立してもよい。貯蔵部95は、プレベイパー製剤を含んでもよく、またプレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵媒体(図示せず)を随意に含んでもよい。貯蔵媒体は、コットンガーゼまたは他の繊維状材料を内側管70を中心として巻いたものを含んでもよい。
【0054】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部95は、内部通路120を少なくとも部分的に囲みうる。発熱体85は、横断方向に内部通路120を横切って貯蔵部95の反対側の部分間を延在していてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、発熱体85は、内部通路120の長手方向軸に平行に延在し得る。
【0055】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10が少なくとも約200秒間のベイピング用に構成されうるように、貯蔵部95は十分なプレベイパー製剤を保持するようにサイズが決められ、かつ構成されてもよい。さらに、eベイピング装置10は、毎回の吸煙が最大約5秒間継続することを可能にするように構成されてもよい。
【0056】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵媒体は綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む繊維質材料であってもよい。繊維は、約6マイクロメートル~約15マイクロメートル(例えば、約8マイクロメートル~約12マイクロメートル、または約9マイクロメートル~約11マイクロメートル)のサイズの範囲である直径を有してもよい。貯蔵媒体は、焼結材料、多孔性材料、または発泡性材料であってもよい。また、繊維は吸入できないようにサイズが決められてもよく、またY字形状、十字形状、クローバー形状、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部95は、いかなる貯蔵媒体も含まず、プレベイパー製剤のみを収容する充填されたタンクを含んでもよい。
【0057】
ベイピングの間、プレベイパー製剤は、芯90の毛細管作用によって、貯蔵部95および貯蔵媒体のうちの少なくとも一つから発熱体85の近位に移動され得る。芯90は、貯蔵部95の対向する側部内に延在し得る、少なくとも第一の端部分および第二の端部分を含みうる。発熱体85が起動された時、芯90の中央部分の中のプレベイパー製剤が発熱体85によって気化されて蒸気を形成し得るように、発熱体85は芯90の中央部分を少なくとも部分的に囲んでもよい。
【0058】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、芯90は、プレベイパー製剤を引き出す能力を有するフィラメント(またはスレッド)を含み得る。例えば、芯90は、ガラス(または、セラミック)フィラメントの束、および巻かれたガラスフィラメントの一群などを含む束などであってもよく、そのすべての配置では、フィラメント間の隙間間隔による毛細管作用を介してプレベイパー製剤を引き出すことが可能でありうる。フィラメントは、eベイピング装置10の長軸方向に対して直角を成す(横断する)方向に概して整列していてもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯90は、一本~八本のフィラメントストランドを含んでもよく、各ストランドは、一緒に捻られた複数のガラスフィラメントを含む。芯90の端部は、可撓性であってもよく、貯蔵部95の境界内に折り畳まれ得る。フィラメントは、概して十字形、クローバー形、Y字形、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。
【0059】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、芯90は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、ガラス、セラミック系材料、または黒鉛系材料でありうるが、これらに限定されない。芯90は密度、粘度、表面張力、および蒸気圧などの異なる物理特性を有するプレベイパー製剤に合うように、任意の適切な毛細管引き出し作用を有してもよい。芯90は、非伝導性であってもよい。
【0060】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、発熱体85は、側壁を含む金属管またはシリンダを含み得る。
【0061】
発熱体85は、芯90の長さに沿って完全にまたは部分的に延在してもよい。一部の例示的な実施形態では、発熱体85は、芯90と接触しても、接触しなくてもよい。
【0062】
内側管70は、一対の対向するスロットを含んでもよく、そのため芯90ならびに第一および第二の電気リード線225および225’または発熱体85の先端は、それぞれの対向するスロットから延出してもよい。内側管70内で対向するスロットの提供により、スロットが影響し合うことなく、内側管70内の位置へと発熱体85および芯90を配置するのを容易にし得る。少なくとも一つの例示的な実施形態では、内側管70は、約4ミリメートルの直径を有してもよく、対向するスロットのそれぞれは、約2ミリメートル~約4ミリメートルの大きい寸法、および小さい寸法を有してもよい。
【0063】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のリード225は、オスねじ付きコネクター部分品155に物理的および電気的に接続されている。図示の通り、オスねじ付き第一のコネクター部分品155は、外部側表面の一部分にオスねじを備えた中空の円筒である。コネクター部分品は導電性であり、また導電性材料で形成または被覆されてもよい。第二のリード線225’は、第一の伝導性のポスト130に物理的かつ電気的に接続される。第一の導電性支柱130は、導電性材料(例えば、ステンレス鋼、銅など)で形成されてもよく、また
図2に示す通りT字形状の断面を有しうる。第一の導電性支柱130は、第一のコネクター部分品155の中空部分内に入れられ、かつ絶縁シェル135によって第一のコネクター部分品155から電気的に絶縁されている。第一の導電性支柱130は図示の通り、中空でもよく、および中空部分は空気通路120と流体連通しうる。従って、第一のコネクター部分品155および第一の導電性支柱130はそれぞれ、発熱体85への外部的な電気的接続を形成する。
【0064】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体85は、熱伝導によって芯90内のプレベイパー製剤を加熱してもよい。あるいは、発熱体85からの熱は、熱伝導要素によってプレベイパー製剤へと伝導されてもよく、または発熱体85は、ベイピングの間にeベイピング装置10を通して引き出される入ってくる周囲空気へと熱を伝達してもよく、その結果プレベイパー製剤を対流によって加熱する。
【0065】
当然のことながら、芯90を使用する代わりに、発熱体85は、迅速に熱を生成する能力を有する高い電気抵抗を有する材料で形成された抵抗発熱体を組み込む多孔性材料を含み得る。
【0066】
図2に示す通り、第二のセクション20は電源145、制御回路185、およびセンサー190を含む。図示の通り、制御回路185およびセンサー190は、ハウジング30’内に配置される。メスねじ付き第二のコネクター部分品160は、第二の端を形成する。図示の通り、第二のコネクター部分品160は、内部側表面上にねじ山を備えた中空の円筒形状を有する。二つのコネクター部分品155、160が互いにねじ込まれてコネクター25を形成しうるように、第二のコネクター部分品160の内径は、第一のコネクター部分品155の外径と一致する。その上、第二のコネクター部分品160、または少なくともその他の側表面は導電性であり、例えば導電性材料で形成されるか、もしくはそれを含む。そのため、電気的および物理的接続は、接続時に第一のコネクター部分品155と第二のコネクター部分品160との間で起こる。
【0067】
図示の通り、第一のリード165は、第二のコネクター部分品160を制御回路185に電気的に接続する。第二のリード170は、制御回路185を電源145の第一の端子180に電気的に接続する。第三のリード175は、電源145の第二の端子140を制御回路185の電力端子に電気的に接続して、制御回路185に電力を供給する。電源145の第二の端子140はまた、第二の導電性支柱150に物理的および電気的に接続されている。第二の導電性支柱150は、導電性材料(例えば、ステンレス鋼、銅など)で形成されてもよく、また
図2に示す通りT字形状の断面を有しうる。第二の導電性支柱150は、第二のコネクター部分品160の中空部分内に入れられ、かつ第二の絶縁シェル215によって、第二のコネクター部分品160から電気的に絶縁されている。第二の導電性支柱150はまた、図示の通り中空でもよい。第一および第二のコネクター部分品155、160が嵌合した時、第二の導電性支柱150は、第一の導電性支柱130に物理的および電気的に接続する。また、第二の導電性支柱150の中空部分は、第一の導電性支柱130の中空部分と流体連通しうる。
【0068】
第一のセクション15は、オスコネクター部分品を有するものとして図示・説明され、および第二のセクション20は、メスコネクター部分品を有するものとして図示・説明されている一方、代替的な実施形態はその反対を有し、第一のセクション15はメスコネクター部分品を有し、および第二のセクション20はオスコネクター部分品を有する。
【0069】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源145はeベイピング装置10内に配置された電池を含む。電源145は、リチウムイオン電池またはその別形のうちの一つ、例えばリチウムイオンポリマー電池であってもよい。別の方法として、電源145は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、または燃料電池であってもよい。eベイピング装置10は、電源145のエネルギーが枯渇されるまで、またはリチウムポリマー電池の場合には、最小の電圧カットオフレベルが達成されるまで、成人ベイパー吸引者によってベイピング可能であってもよい。
【0070】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源145は再充電可能である。第二のセクション20は、外部充電装置による電池の充電を可能にするように構成された回路を含んでもよい。下記に説明されている通り、eベイピング装置10を再充電するために、USB充電器または他の適切な充電器組立品が使用されてもよい。
【0071】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、センサー190は、eベイピング装置10内の気流の大きさおよび方向を示す出力を生成するように構成されている。制御回路185はセンサー190の出力を受信し、(1)口側端インサート8での引き出し(吹き出しに対する)を示すかどうか、および(2)引き出しの大きさが閾値レベルを超えるかどうかを判定する。これらのベイピング条件が満たされる場合、制御回路185は電源145を発熱体85に電気的に接続し、それ故に発熱体85を起動する。すなわち、発熱体85が電源145に電気的に接続されるように、制御回路185は、第一および第二のリード165、170を電気的に接続する(例えば、制御回路185の部品を形成する発熱体電力制御トランジスタを起動することによって)。代替的な実施形態において、センサー190は圧力降下を示すことができ、制御回路185はそれに応答して発熱体85を起動する。
【0072】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、制御回路185はまた、灯60を含んでもよく、この灯は発熱体85が起動された時に、または電池145が再充電された時に、またはその両方の時に、制御回路185によって起動されて光る。灯60は、一つ以上の発光ダイオード(LED)を含んでもよい。LEDは一つ以上の色(例えば、白色、黄色、赤色、緑色、青色など)を含んでもよい。さらに、灯60は、ベイピング中に成人ベイパー吸引者に見えるように配置されてもよく、またeベイピング装置10の第一の端45と第二の端50の間に位置付けられてもよい。加えて、灯60は、eベイピングシステムの診断のために、または再充電が進行中であることを示すために利用されてもよい。灯60はまた、成人ベイパー吸引者がプライバシーのために発熱体起動灯60を点灯する、消灯する、または点灯および消灯できるように構成されてもよい。
【0073】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、制御回路185は時間リミッターを含んでもよい。別の例示的な実施形態において、制御回路185は、成人ベイパー吸引者が加熱を開始するための手動で操作可能なスイッチを含んでもよい。発熱体85への電流供給の時間は、気化させたいプレベイパー製剤の所望の量に応じて設定もしくは予め設定されてもよい。
【0074】
次に、ベイパーを発生するためのeベイピング装置の操作について説明する。例えば、空気は主に、口側端インサート35を吸うことに対応して、少なくとも一つの空気吸込み口55を通して第一のセクション15に引き出される。空気は、空気吸込み口55を通って、空間250に入り、横断流路230を通って空気通路235内へ、内部通路120内へ、さらに口側の端インサート35の出口100を通過する。制御回路185が上述のベイピング条件を検出した場合、制御回路185は発熱体85が芯90の中のプレベイパー製剤を加熱するように、発熱体85への電源供給を開始する。内部通路120を通して流れるベイパーおよび空気は組み合わされて、口側端インサート35の出口100を経由してeベイピング装置10を出る。
【0075】
発熱体85は起動された時、約10秒未満の間、芯90の一部分を加熱してもよい。
【0076】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション15は交換可能であってもよい。言い換えれば、カートリッジのプレベイパー製剤が枯渇したら、第一のセクション15のみを交換しうる。代替的な配置は、貯蔵部95が枯渇したら、eベイピング装置10全体が廃棄されてもよい例示的な実施形態を含んでもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は一体型のeベイピング装置でもよい。
【0077】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は、約80ミリメートル~約110ミリメートルの長さ、および約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径としうる。例えば、一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は、約84ミリメートルの長さ、および約7.8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0078】
図3は、少なくとも一つの例示的な実施形態による発熱体の斜視図である。
【0079】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、
図3に示すように、発熱体85は第一の端300および第二の端305を有する。上述のように、発熱体85は、第一の端300から第二の端305まで管315を貫通する開口部320を有する金属管または中空シリンダ315から形成される。金属管315は側壁325を含む。少なくとも一つのチャネル310が、側壁325にレーザーエッチングまたは切削される。チャネル310は、金属管315を一回以上囲む螺旋チャネルであり得る。
【0080】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体85は、任意の適切な電気抵抗性材料で形成されてもよい。適切な電気抵抗性材料の例には、銅、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族由来の金属が挙げられうるが、これらに限定されない。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム-チタン-ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル系、鉄系、コバルト系、およびステンレス鋼系の超合金が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、発熱体85は、ニッケルアルミナイド、表面上にアルミナの層を有する材料、鉄アルミナイドおよび他の複合材料で形成されてもよく、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて、随意に断熱材料に包埋されて、断熱材料に封入されて、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。発熱体85は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケル-クロム合金、超合金、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つの材料を含んでもよい。一つの例示的な実施形態において、発熱体85はニッケル-クロム合金または鉄-クロム合金で形成されうる。別の例示的な実施形態において、発熱体85は、その外側表面上に、電気抵抗性の層を有するセラミック発熱体であってもよい。
【0081】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、少なくとも一つの螺旋チャネル310が、金属管315の長さの一部分に沿って実質的に連続的に延在する。他の例示的な実施形態では、螺旋チャネル310は、金属管315の全長に沿って連続的に延在しない。例えば、金属管は、金属管315の長さに沿って部分的にのみ延びる複数の螺旋チャネル310(図示せず)を含み得る。
【0082】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、螺旋チャネル310は金属管315の周囲に複数の回転を含む。各回転は、金属管315の周りに360度フルに延在する。他の例示的な実施形態では、螺旋チャネル310は、金属管315を完全に囲まない部分的回転を含み得る。
【0083】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、各回転は、隣接する回転から等間隔で離間する。いくつかの例示的な実施形態では、各回転は、隣接する回転から不均等な間隔で離間する。
【0084】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、発熱体は、約2.5オーム~約4.5オーム(例えば、約3.0オーム~約4.0オーム、または約3.25オーム~約3.75オーム)の範囲の抵抗を有する。
【0085】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、金属管はステンレス鋼およびニクロムのうちの少なくとも一つで形成される。
【0086】
図4は、少なくとも一つの例示的な実施形態による発熱体の前面図である。
【0087】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、螺旋チャネル310は、約0.1ミリメートル~約0.5ミリメートル(例えば、約0.2ミリメートル~約0.4ミリメートル、または約0.25ミリメートル~約0.35ミリメートル)の範囲の幅W1を有する。金属管315は約3.0ミリメートル~約10.0ミリメートル(例えば、約4.0ミリメートル~約9.0ミリメートル、約5.0ミリメートル~約8.0ミリメートル、または約6.0ミリメートル~約7.0ミリメートル)の範囲の長さL1を有する。
【0088】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、螺旋チャネル310は、金属管315の長さL1の約2.0ミリメートル~約3.5ミリメートル(例えば、約2.5m~約3.0ミリメートル、または約2.75ミリメートル)に沿って延在する。金属管315の長さL1の約0.75ミリメートル~約2.0ミリメートル(例えば、約1.0ミリメートル~約1.5ミリメートル)は、螺旋チャネル310を含まない。したがって、金属管315の一部分のみが螺旋チャネル310を含む。
【0089】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、螺旋チャネル310は、金属管315の第一の端300および金属管315の第二の端305のうちの少なくとも一つから約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの位置で開始する。
【0090】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、螺旋チャネル310は、金属管315の第一の端300および金属管315の第二の端305のうちの少なくとも一つから約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの位置で終端する。
【0091】
螺旋チャネル310は、他方の端よりも金属管315の一方の端に近い場合があり、またはスパイラルチャネル310は、金属管315の第一の端300および第二の端305から同じ距離であってもよい。
【0092】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、螺旋チャネル310は、金属管315の周囲に約2~約20(例えば、約4~約18、約6~約16、または約10~約14)回転を含む。各回転は、約0.05ミリメートル~約0.25ミリメートル(例えば、約0.1ミリメートル~約0.2ミリメートル)の幅W2だけ隣接する回転から離間する。換言すれば、螺旋チャネル310の厚さは、約0.05ミリメートル~約0.25ミリメートル(例えば、約0.1ミリメートル~約0.2ミリメートル)の範囲である。
【0093】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、金属管315は長軸方向に延在する軸xを有する。各回転は、軸xに対して約5度~約90度(例えば、約10度~約85度、約15度~約80度、約20度~約75度、約25度~約70度、約30度~約65度、約35度~約60度、約40度~約55度、または約45度~約50度など)傾斜し得る。
【0094】
図5は、少なくとも一つの例示的な実施形態による発熱体組立品の斜視図である。
【0095】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、発熱体85は、芯90が略U字形状であることを除いて、
図2~4と同じである。
【0096】
図6は、少なくとも一つの例示的な実施形態による発熱体組立品の端面図である。
【0097】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、発熱体85は、芯90が発熱体85を囲むことを除いて、
図2~5と同じである。芯90は、ウィッキング材料の管または発熱体85の少なくとも一部分の周りに包まれたウィッキング材料であってもよい。
【0098】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、金属管315は、約0.1ミリメートル~約4.0ミリメートル(例えば、約0.5ミリメートル~約3.5ミリメートル、約1.0ミリメートル~約3.0ミリメートル、または約1.5ミリメートル~2.5ミリメートル)の範囲の内径D1を有する。金属管は、約0.05ミリメートル~約0.25ミリメートル(例えば、約0.1ミリメートル~約0.2ミリメートル)の範囲の厚さT1を有する。
【0099】
図6の加熱組立品は、2016年8月1日に出願された米国特許出願第15/224,866号または2016年4月22日に出願された米国出願第15/135,930号に記載のカートリッジまたは電子ベイピング装置と共に使用され得るが、それぞれ全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0100】
例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、当然のことながら他の変形が可能である場合がある。こうした変形は、本開示の範囲を逸脱するものと見なされず、また当業者にとって明らかであろうすべてのかかる修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。