(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】通気気流を備えるエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20230313BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20230313BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20230313BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/10
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2019571426
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2018069180
(87)【国際公開番号】W WO2019012151
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-09
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】フロラック ディオニシウス エリザベス アントニウス
(72)【発明者】
【氏名】セイギリ アリ ムラート
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/108721(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0262454(US,A1)
【文献】特表2017-500847(JP,A)
【文献】国際公開第2015/197627(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/032695(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/108983(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
カートリッジ組立品であって、
マウスピース空気出口を有するマウスピースを少なくとも部分的に画定するカートリッジ組立品外側ハウジング、
前記カートリッジ組立品外側ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、上流端および下流端を有する、カートリッジであって、前記カートリッジが、
前記カートリッジの前記上流端に第一の空気吸込み口、および前記カートリッジの前記下流端に第一の空気出口を有する、第一の区画と、
前記カートリッジの前記上流端に第二の空気吸込み口、および前記カートリッジの前記下流端に第二の空気出口を有する、第二の区画と、を含む、カートリッジ、
前記カートリッジの前記下流端と前記マウスピース空気出口との間に延びる混合チャンバー、および、
前記カートリッジ組立品外側ハウジングを通って延び、前記カートリッジの下流に配置される通気空気吸込み口であって、前記通気空気吸込み口が、前記エアロゾル発生システムの外部と前記混合チャンバーとの間の流体連通を提供する、通気空気吸込み口、を含む、カートリッジ組立品と、
エアロゾル発生装置であって、
前記カートリッジの上流端を受けるための装置くぼみを画定する装置内側ハウジング、
前記カートリッジの前記上流端が前記装置くぼみ内に受けられた時に、前記カートリッジを加熱するための電気ヒーター、
電源、
前記電源から前記電気ヒーターへの電力の供給を制御するように構成されたコントローラ、および、
装置外側ハウジング、を含むエアロゾル発生装置と、を備え、
前記カートリッジの前記上流端が前記装置くぼみ内に受けられた時、前記カートリッジ組立品外側ハウジングおよび前記装置外側ハウジングがシステム外側ハウジングを形成するように、前記装置外側ハウジングの下流縁の少なくとも第一部が前記カートリッジ組立品外側ハウジングの上流縁の少なくとも第一部に当接し、
前記エアロゾル発生システムが、前記カートリッジの前記上流端が前記装置くぼみ内に受けられた時、前記装置内側ハウジングの少なくとも一部分が前記カートリッジと前記カートリッジ組立品外側ハウジングとの間に受けられるように構成される、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記カートリッジ組立品がさらにカートリッジホルダーを備え、前記カートリッジの少なくとも一部分が前記カートリッジホルダー内に配置され、前記カートリッジホルダーの少なくとも一部分が前記カートリッジ組立品外側ハウジング内に配置される、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記エアロゾル発生システムが、前記カートリッジの前記上流端が前記装置くぼみ内に受けられた時に、前記装置内側ハウジングの少なくとも一部分が前記カートリッジホルダーと前記カートリッジ組立品外側ハウジングとの間に受けられるように構成される、請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記カートリッジホルダーの下流端が、前記通気空気吸込み口
よりも上流
側に配置される、請求項2または3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記カートリッジホルダーの一部分が、前記通気空気吸込み口を含む前記カートリッジ組立品外側ハウジングの一部分と重なり、前記カートリッジホルダーが、前記通気空気吸込み口の下にあり、前記通気空気吸込み口と前記混合チャンバーとの間の流体連通を提供する、通気空気開口部を含む、請求項2または3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記システム外側ハウジングを通って延びるシステム
空気吸込み口をさらに備え、前記システム
空気吸込み口が、前記エアロゾル発生システムの外部と前記装置くぼみの上流端との間の流体連通を提供し、前記システム
空気吸込み口が前記通気空気吸込み口から分離している、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記装置外側ハウジングの前記下流縁の前記第一部が、前記カートリッジ組立品外側ハウジングの前記上流縁の前記第一部に当接する時、前記装置外側ハウジングの前記下流縁の第二部が前記カートリッジ組立品外側ハウジングの前記上流縁の第二部から間隙を介して、前記装置外側ハウジングの前記下流縁の前記第二部と前記カートリッジ組立品外側ハウジングの前記上流縁の前記第二部との間にシステム
空気吸込み口を画定する、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記装置内側ハウジングを通って延びる装置空気吸込み口をさらに備え、前記装置空気吸込み口が、前記システム
空気吸込み口と前記装置くぼみの上流端との間の流体連通を提供する、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記カートリッジ組立品外側ハウジングの上流部分が、前記装置内側ハウジングから間隙を介して、前記システム
空気吸込み口と前記装置空気吸込み口との間に延びる第一の気流チャネルを形成する、請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記装置内側ハウジングの一部分が、前記カートリッジの表面から間隙を介して、前記装置空気吸込み口と前記装置くぼみの前記上流端との間に延びる第二の気流チャネルを形成する、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記第二の気流チャネルの少なくとも一部分が前記カートリッジと平行に延びるように、前記装置空気吸込み口が前記カートリッジに隣接して配置される、請求項10に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記システム
空気吸込み口が前記装置外側ハウジングを通って延びる、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記第一の区画がニコチン供与源を収容し、前記第二の区画が酸供与源を収容する、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ組立品を備え、カートリッジ組立品内の中への通気気流のために構成される、エアロゾル発生システムに関する。本発明の特に好ましい実施形態は、ニコチン塩粒子を含むエアロゾルを原位置で生成するための、ニコチン供与源および酸供与源を備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチンをユーザーへと送達するための装置を含む、エアロゾルを発生してユーザーへと送達するための装置は公知である。エアロゾルをユーザーへと送達するための公知のシステムは、通気空気を装置の中へと導入するための一つ以上の入口を含みうる。この文脈において、通気空気とは、システムのエアロゾル発生セクションをバイパスするようにシステムを通過する気流である。従って、通気空気は、発生したエアロゾルを含有する主流気流を希釈して、ユーザーに望ましい濃度のエアロゾルを提供する。
【0003】
しかしながら、一般に、公知の装置は、ユーザーに送達されるエアロゾルの質に与える通気空気の効果を考慮することなく、また通気空気吸込み口の配置が装置の性能にどのような影響を与えうるかを考慮することなく、通気空気吸込み口を含んでいる。公知の装置を用いて少なくともこれらの問題に対処するエアロゾル発生システムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明によると、カートリッジ組立品とエアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。カートリッジ組立品は、マウスピース空気出口を有するマウスピースを少なくとも部分的に画定するカートリッジ組立品外側ハウジングを備える。カートリッジ組立品は、カートリッジ組立品外側ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、上流端および下流端を有するカートリッジをさらに備える。カートリッジは、カートリッジの上流端に第一の空気吸込み口、およびカートリッジの下流端に第一の空気出口を有する第一の区画と、カートリッジの上流端に第二の空気吸込み口、およびカートリッジの下流端に第二の空気出口を有する第二の区画とを含む。カートリッジ組立品はまた、カートリッジの下流端とマウスピース空気出口との間に延びる混合チャンバーと、通気空気吸込み口とを備える。通気空気吸込み口は、カートリッジ組立品外側ハウジングを通って延び、カートリッジの下流に配置され、通気空気吸込み口は、エアロゾル発生システムの外部と混合チャンバーとの間の流体連通を提供する。エアロゾル発生装置は、カートリッジの上流端を受けるための装置くぼみを画定する装置内側ハウジングと、カートリッジの上流端が装置くぼみ内に受けられた時にカートリッジを加熱するための電気ヒーターとを備える。エアロゾル発生装置は、電源と、電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御するように構成されたコントローラと、装置外側ハウジングとをさらに備える。カートリッジの上流端が装置くぼみ内に受けられた時、カートリッジ組立品外側ハウジングおよび装置外側ハウジングがシステム外側ハウジングを形成するように、装置外側ハウジングの下流縁の少なくとも第一部はカートリッジ組立品外側ハウジングの上流縁の少なくとも第一部に当接する。
【0005】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生システムの使用中のカートリッジ組立品、またはカートリッジ組立品の構成要素を通る気流の方向を意味する。すなわち、一般的に、気流は上流端から下流端へと流れる。
【0006】
本発明によるエアロゾル発生システムは、カートリッジ組立品内に通気空気吸込み口を備え、通気空気吸込み口はカートリッジの下流に配置される。本発明の発明者らは、この構成が、公知のエアロゾル発生システムと比較して特に有利であることを認識してきた。特に、カートリッジの下流に通気空気吸込み口を配置することは、使用時に加熱される、通気空気とカートリッジとの間の接触を実質的に除去する。有利なことに、これは、通気空気がカートリッジの上流またはカートリッジに隣接してシステムに入り、そして主流空気とさらに下流で混合される前にカートリッジの外表面を横切って流れる公知のシステムと比較して、通気空気の温度を低減する。通気空気の温度を低減することは、ユーザーに送達されるエアロゾルの全体的な温度を低減する場合があり、これはユーザー体験を改善しうる。通気空気の温度を低減することは、カートリッジの加熱温度の上昇を促進する一方、ユーザーに送達されるエアロゾルの全体的な温度を維持すしうる。
【0007】
有利なことに、本発明によるエアロゾル発生システムは、システム外側ハウジングの一部を形成する外側ハウジングを有するカートリッジ組立品を備え、これはユーザーによるカートリッジ組立品の把持を容易にする場合がある。これは、円筒形の物品またはカートリッジが装置のくぼみ内にほぼ完全に受けられる公知のシステムとは対照的である。
【0008】
カートリッジの上流端が装置くぼみ内に受けられた時、装置外側ハウジングの下流縁の少なくとも第一部は、カートリッジ組立品外側ハウジングの上流縁の少なくとも第一部に当接する。有利なことに、これはユーザーによるカートリッジ組立品と装置くぼみとの接続を容易にしうる。装置外側ハウジングの下流縁の第一部がカートリッジ組立品外側ハウジングの上流縁の第一部に当接する時、ユーザーはカートリッジの上流端が装置くぼみの中へと完全に挿入されたことを知る。装置外側ハウジングの下流縁の第一部がカートリッジ組立品外側ハウジングの上流縁の第一部に当接する時、装置くぼみの中へのカートリッジの上流端のさらなる挿入が防止される。
【0009】
エアロゾル発生システムは、カートリッジの上流端が装置くぼみ内に受けられた時、装置内側ハウジングの少なくとも一部分がカートリッジとカートリッジ組立品外側ハウジングとの間に受けられるように構成されうる。
【0010】
有利なことに、これはカートリッジ組立品とエアロゾル発生装置との正確な整列を容易にしうる。
【0011】
有利なことに、これはカートリッジ組立品とエアロゾル発生装置との間の確実な接続を容易にしうる。例えば、エアロゾル発生システムは、装置内側ハウジングの少なくとも一部分が、締まりばめによってカートリッジとカートリッジ組立品外側ハウジングの間に受けられるように構成されうる。
【0012】
カートリッジ組立品は、カートリッジホルダーを備えてもよく、カートリッジの少なくとも一部分はカートリッジホルダー内に配置され、またカートリッジホルダーの少なくとも一部分はカートリッジ組立品外側ハウジング内に配置される。
【0013】
有利なことに、カートリッジホルダーは、エアロゾル発生システムの使用中に、カートリッジからカートリッジ組立品外側ハウジングへの伝導性熱伝達を低減しうる。これは、通気空気吸込み口を通して混合チャンバーに入る通気空気の温度をさらに低減または最小化しうる。
【0014】
カートリッジホルダーは管状の形状を有してもよい。カートリッジの少なくとも下流端は、カートリッジホルダー内に配置されることが好ましい。カートリッジホルダーの少なくとも下流端は、マウスピース内に配置されることが好ましい。管状のカートリッジホルダーは、カートリッジ組立品の製造中にカートリッジがそれを通して管状のカートリッジホルダーの中へと挿入される、開いた上流端を含むことが好ましい。管状のカートリッジホルダーは、カートリッジの第一および第二の空気出口と混合チャンバーとの間の流体連通を提供するための開いた下流端を備えることが好ましい。
【0015】
エアロゾル発生システムは、カートリッジの上流端が装置くぼみ内に受けられた時に、装置内側ハウジングの少なくとも一部分がカートリッジホルダーとカートリッジ組立品外側ハウジングとの間に受けられるように構成されうる。
【0016】
有利なことに、これはカートリッジ組立品とエアロゾル発生装置との正確な整列を容易にしうる。
【0017】
有利なことに、これはカートリッジ組立品とエアロゾル発生装置との間の確実な接続を容易にしうる。例えば、エアロゾル発生システムは、装置内側ハウジングの少なくとも一部分が、締まりばめによってカートリッジホルダーとカートリッジ組立品外側ハウジングとの間に受けられるように構成されうる。
【0018】
カートリッジホルダーの下流端は、通気空気吸込み口の上流に配置されうる。有利なことに、これは、カートリッジホルダー内の一つ以上の開口部の必要性を除去し、通気空気吸込み口と混合チャンバーとの間の流体連通を提供しうる。
【0019】
カートリッジホルダーの一部分は、通気空気吸込み口を含むカートリッジ組立品外側ハウジングの一部分に重なりうるが、ここでカートリッジホルダーは、通気空気吸込み口の下にあり、通気空気吸込み口と混合チャンバーとの間の流体連通を提供する、通気空気開口部を含む。有利なことに、この構成は、カートリッジホルダーとカートリッジ組立品外側ハウジングとの間の重なりを増大または最大化しうるが、これはカートリッジ組立品外側ハウジングとカートリッジホルダーを一緒に固定することを容易にしうる。
【0020】
エアロゾル発生システムは、システム外側ハウジングを通って延びるシステム空気吸込み口をさらに備え、システム空気吸込み口は、エアロゾル発生システムの外部と装置くぼみの上流端との間の流体連通を提供し、システム空気吸込み口は通気空気吸込み口から分離していることが好ましい。システム空気吸込み口は、カートリッジの第一および第二の空気吸込み口に主流気流を提供する。
【0021】
エアロゾル発生システムは、装置外側ハウジングの下流縁の第一部がカートリッジ組立品外側ハウジングの上流縁の第一部に当接する時、装置外側ハウジングの下流縁の第二部がカートリッジ組立品外側ハウジングの上流縁の第二部から間隙を介して、装置外側ハウジングの下流縁の第二部とカートリッジ組立品外側ハウジングの上流縁の第二部との間にシステム空気吸込み口を画定するように構成されてもよい。
【0022】
エアロゾル発生装置は、装置内側ハウジングを通って延びる装置空気吸込み口を備えてもよく、装置空気吸込み口は、システム空気吸込み口と装置くぼみの上流端との間の流体連通を提供する。
【0023】
カートリッジ組立品外側ハウジングの上流部分は、装置内側ハウジングから間隙を介して、システム空気吸込み口と装置空気吸込み口との間に延びる第一の気流チャネルを形成することが好ましい。
【0024】
装置内側ハウジングの一部分は、カートリッジの表面から間隙を介して、装置空気吸込み口と装置くぼみの上流端との間に延びる第二の気流チャネルを形成しうる。
【0025】
装置空気吸込み口は、第二の気流チャネルの少なくとも一部分がカートリッジと平行に延びるように、カートリッジに隣接して配置されることが好ましい。有利なことに、この構成は、気流が第二の気流チャネルを通って移動するにつれ、加熱されるカートリッジの表面にわたって気流を通すことにより、カートリッジに入る空気を予熱することを容易にしうる。
【0026】
システム空気吸込み口は、装置外側ハウジングを通って延びうる。有利なことに、この配置は、カートリッジの中への空気の流れを単純化することによって、エアロゾル発生システムの構造を簡略化しうる。システム空気吸込み口の上流端は、エアロゾル発生システムの外部と直接流体連通することが好ましく、システム空気吸込み口の下流端は、装置くぼみの上流端と直接流体連通する。
【0027】
カートリッジ組立品は、単一の通気空気吸込み口を含みうる。カートリッジ組立品は、複数の通気空気吸込み口を含みうる。当業者は、エアロゾル発生システムの使用中に通気空気の望ましい流れを混合チャンバーの中へと提供するための通気空気吸込み口の数を選択することができる。
【0028】
第一の区画は第一のエアロゾル形成基体を収容し、また第二の区画は第二のエアロゾル形成基体を収容することが好ましい。
【0029】
第一の区画はニコチン供与源を含み、また第二の区画は酸供与源を含むことが好ましい。本明細書に記述されるように、本発明によるエアロゾル発生システムの構成は、混合チャンバーに入る通気空気の温度の低減を容易にする場合がある。本発明の発明者らは、カートリッジがニコチン供与源および酸供与源を含む実施形態ではこれが特に有利であることを認識しており、ニコチンベイパーおよび酸ベイパーは混合チャンバー内で混合されてユーザーへの送達のためにニコチン塩粒子を形成する。特に、本発明の発明者らは、混合チャンバーに入る通気空気の温度を低減することが、混合チャンバーの中で形成されるニコチン塩粒子の平均サイズを減少させることを認識しており、これは有利なことに、ユーザーによって知覚されるエアロゾルの粗さを低減する。具体的には、混合チャンバーに入る通気空気を摂氏50度より低い温度でニコチンベイパーおよび酸ベイパー(両方ともおよそ摂氏80度で混合チャンバーに入る)と混合すると、結果として2マイクロメートルを越える直径を有するニコチン塩粒子の著しい低減をもたらし、これは知覚される粗さの低減を生じる。
【0030】
ニコチン供与源は、約1ミリグラム~約50ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料を含みうる。ニコチン供与源は、約1ミリグラム~約40ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料を含みうる。ニコチン供与源は、約3ミリグラム~約30ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含むことが好ましい。ニコチン供与源は、約6ミリグラム~約20ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含むことがより好ましい。ニコチン供与源は、約8ミリグラム~約18ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含むことが最も好ましい。
【0031】
第一の担体材料は、水性溶媒または非水性溶媒中の液体ニコチンまたはニコチン溶液で含浸されてもよい。
【0032】
第一の担体材料は、天然ニコチンまたは合成ニコチンで含浸されてもよい。
【0033】
酸供与源は有機酸または無機酸を含んでもよい。
【0034】
酸供与源は有機酸を含むことが好ましく、カルボン酸を含むことがより好ましく、アルファ-ケト酸もしくは2-オキソ酸または乳酸を含むことが最も好ましい。
【0035】
有利には、酸供与源は、3-メチル-2-オキソペンタン酸、ピルビン酸、2-オキソペンタン酸、4-メチル-2-オキソペンタン酸、3-メチル-2-オキソブタン酸、2-オキソオクタン酸、乳酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された酸を含む。有利には、酸供与源は、ピルビン酸または乳酸を含む。さらに有利には、酸供与源は乳酸を含む。
【0036】
有利なことには、酸供与源は、酸を浸み込ませた第二の担体材料を含む。
【0037】
第一の担体材料および第二の担体材料は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。
【0038】
有利には、第一の担体材料および第二の担体材料は、約0.1グラム/立法センチメートル~約0.3グラム/立法センチメートルの密度を有する。
【0039】
有利には、第一の担体材料および第二の担体材料は、約15パーセント~約55パーセントの空隙率を有する。
【0040】
第一の担体材料および第二の担体材料は、ガラス、セルロース、セラミック、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタラート)(PCT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびBAREX(登録商標)のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0041】
第一の担体材料は、ニコチン用の貯蔵部としての役目をする。
【0042】
有利なことに、第一の担体材料は、ニコチンに対して化学的に不活性である。
【0043】
第一の担体材料は、任意の適切な形状およびサイズを持ちうる。例えば、第一の担体材料はシートまたはプラグの形態でありうる。
【0044】
有利なことには、第一の担体材料の形状およびサイズは、カートリッジの第一の区画の形状およびサイズと同様である。
【0045】
第一の担体材料の形状、サイズ、密度、および空隙率は、第一の担体材料が望ましい量のニコチンを含浸できるように選択されうる。
【0046】
有利なことには、カートリッジの第一の区画は、さらに風味剤を含みうる。適切な風味剤としては、メントールが挙げられるが、これに限定されない。
【0047】
有利なことには、第一の担体材料は、約3ミリグラム~約12ミリグラムの風味剤で含浸されうる。
【0048】
第二の担体材料は、酸用の貯蔵部としての役目をする。
【0049】
有利なことに、第二の担体材料は、酸に対して化学的に不活性である。
【0050】
第二の担体材料は、任意の適切な形状およびサイズを持ちうる。例えば、第二の担体材料はシートまたはプラグの形態でありうる。
【0051】
有利なことには、第二の担体材料の形状およびサイズは、カートリッジの第二の区画の形状およびサイズと同様である。
【0052】
第二の担体材料の形状、サイズ、密度、および空隙率は、第二の担体材料が望ましい量の酸を含浸できるように選択されうる。
【0053】
有利なことには、酸供与源は、約2ミリグラム~約60ミリグラムの乳酸を浸み込ませた第二の担体材料を含む乳酸供与源である。
【0054】
好ましくは、乳酸供与源は、約5ミリグラム~約50ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料を含む。乳酸供与源は、約8ミリグラム~約40ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含むことがより好ましい。乳酸供与源は、約10ミリグラム~約30ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含むことが最も好ましい。
【0055】
カートリッジの第一の区画の形状および寸法は、望ましい量のニコチンがカートリッジ内に収容可能になるように選択されうる。
【0056】
カートリッジの第二の区画の形状および寸法は、望ましい量の酸がカートリッジ内に収容可能になるように選択されうる。
【0057】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと酸の比は、第一の区画の容積を第二の区画の容積に対して変動させることにより制御されてバランスを取りうる。
【0058】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、それぞれ一つ以上の開口部を含んでもよい。例えば、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、それぞれ一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を含みうる。
【0059】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、同一または異なる数の開口部を含んでもよい。
【0060】
有利なことには、第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口は、それぞれ複数の開口部を含む。例えば、第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口は、それぞれ二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を含んでもよい。
【0061】
複数の開口部を含む第一の空気吸込み口と、複数の開口部を含む第二の空気吸込み口とを提供することは、有利なことに、それぞれ第一の区画および第二の区画の中に、より均一な気流をもたらす場合がある。これにより、使用時に、第一の区画を通して引き出される気流におけるニコチンの混入が改善され、また第二の区画を通して引き出される気流における酸の混入が改善されうる。
【0062】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと酸の比は、第一の区画を通る空気流量を、第二の区画を通る空気流量に対して変動させることにより制御されてバランスを取りうる。第一の区画を通る空気流量の、第二の区画を通る空気流量に対する比は、第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する開口部の数、寸法、および位置のうちの一つ以上を、第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する開口部の数、寸法、および位置に対して変動させることにより制御されうる。
【0063】
酸供与源が乳酸を含む実施形態では、有利なことに、第二の区画の第二の空気吸込み口の流れ面積は、第一の区画の第一の空気吸込み口の流れ面積よりも大きい。
【0064】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「流れ面積」という用語は、使用中に空気がそれを通して流れる空気吸込み口また空気出口の断面積を記述するために使用される。空気吸込み口または空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、空気吸込み口または空気出口の流れ面積は、空気吸込み口または空気出口の全流れ面積となり、空気吸込み口または空気出口を形成する複数の開口部の各々の合計流れ面積と等しい。空気吸込み口または空気出口の断面積が気流の方向で変動する実施形態では、空気吸込み口または空気出口の流れ面積は、気流の方向における最小断面積となる。
【0065】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口とが、それぞれ一つ以上の開口部を含んでもよい。例えば、第一の空気出口および第二の空気出口は、それぞれ一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を含んでもよい。
【0066】
第一の空気出口および第二の空気出口は、同一の数、または異なる数の開口部を含んでもよい。
【0067】
有利なことには、第一の空気出口および第二の空気出口は、それぞれ複数の開口部を含んでもよい。例えば、第一の空気出口および第二の空気出口は、それぞれ二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を含んでもよい。複数の開口部を備える第一の空気出口および複数の開口部を備える第二の空気出口を提供することは、有利なことに、それぞれ第一の区画および第二の区画の中に、より均一な気流をもたらす場合がある。これにより、使用時に、第一の区画を通して引き出される気流におけるニコチンの混入が改善され、また第二の区画を通して引き出される気流における酸の混入が改善されうる。
【0068】
第一の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、有利なことに、第一の空気出口は、二つ~五つの開口部を含む。
【0069】
第二の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、有利なことに、第二の空気出口は、三つ~七つの開口部を含む。
【0070】
有利なことに、第一の空気出口および第二の空気出口はそれぞれ、単一の開口部を含んでもよく、これは有利なことに、カートリッジの製造を単純化しうる。
【0071】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと酸の比は、第一の区画を通る空気流量を、第二の区画を通る空気流量に対して変動させることにより制御されてバランスを取りうる。第一の区画を通る空気流量の、第二の区画を通る空気流量に対する比は、第一の空気出口を形成する開口部の数、寸法、および位置のうちの一つ以上を、第二の空気出口を形成する開口部の数、寸法、および位置に対して変動させることにより制御されうる。
【0072】
第一の空気出口の流れ面積は、第二の空気出口の流れ面積と、同一であっても、または異なってもよい。
【0073】
第二の空気出口の流れ面積は、第一の空気出口の流れ面積より大きくてもよい。
【0074】
第一の空気出口の流れ面積に対して第二の空気出口の流れ面積を増加することは、有利なことに、第一の空気出口を通る気流の体積流量と比較して第二の空気出口を通る気流の体積流量を増加する場合がある。
【0075】
カートリッジ組立品は、マウスピース内に配置される一つ以上のエアロゾル修飾剤を含みうる。例えば、マウスピースは、一つ以上の吸収材、一つ以上の風味剤、一つ以上の化学感覚剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0076】
カートリッジ、カートリッジ組立品外側ハウジング、およびカートリッジホルダーは、任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。適切な材料には、アルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオキシメチレン(POM)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、液晶ポリマー(LCP)、および修飾LCP(黒鉛またはガラス繊維を含むLCPなど)が含まれるがこれらに限定されない。
【0077】
カートリッジ、カートリッジ組立品外側ハウジング、および存在する場合にはカートリッジホルダーは、同一の材料または異なる材料から形成されてもよい。
【0078】
カートリッジは、耐ニコチン性および耐酸性である一つ以上の材料で形成されうる。
【0079】
第一の区画は一つ以上の耐ニコチン性材料で被覆されてもよく、また第二の区画は一つ以上の耐酸性材料で被覆されてもよい。
【0080】
適切な耐ニコチン性材料および耐酸性材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
一つ以上の耐ニコチン性材料を使用することは有利なことに、カートリッジ組立品の貯蔵寿命を延ばす場合がある。
【0082】
一つ以上の耐酸性材料を使用することは有利なことに、カートリッジ組立品の貯蔵寿命を延ばす場合がある。
【0083】
エアロゾル発生システムは、使用中に電気ヒーターが第一の区画および第二の区画を約摂氏60度~約摂氏100度に加熱するように構成されることが好ましく、約摂氏70度~約摂氏90度に加熱するように構成されることがより好ましく、約摂氏80度に加熱するように構成されることが最も好ましい。
【0084】
エアロゾル発生システムは、使用中に、通気空気が、約摂氏50度未満の温度で通気空気吸込み口を通して混合チャンバーに入るように構成されることが好ましい。通気空気は、通気空気吸込み口を通して実質的に周囲温度で混合チャンバーに入ることが好ましい。
【0085】
電気ヒーターは抵抗ヒーターを含みうる。抵抗ヒーターは、装置くぼみの上流端から装置くぼみの中へと延びてもよい。カートリッジは、第一の区画と第二の区画との間に配置された第三の区画を含むことが好ましく、ここで第三の区画は、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみ内に受けられた時に抵抗ヒーターを受けるように構成される。使用中に、コントローラは、電源から抵抗ヒーターへの電力の供給を制御して、第一の区画および第二の区画を加熱する。
【0086】
電気ヒーターは、誘導発熱体を含む場合がある。カートリッジは、第一の区画と第二の区画との間に配置された第三の区画を含むことが好ましく、ここでカートリッジは、第三の区画内に配置されたサセプタ材料を含む。使用中に、コントローラは、サセプタ材料を誘導加熱するための電源から誘導発熱体への電力の供給を制御し、次いでサセプタ材料が第一の区画および第二の区画を加熱する。
【0087】
誘導発熱体は、装置くぼみの少なくとも一部分の周りに延びる少なくとも一つの誘導コイルを備えうる。誘導コイルは装置くぼみの周り完全に延びてもよい。誘導コイルは、複数の巻線で装置くぼみの周りに巻き付けられてもよい。
【0088】
誘導発熱体は少なくとも一つの平面誘導コイルを備えうる。各平面誘導コイルはフラットスパイラル誘導コイルを含むことが好ましい。
【0089】
本明細書で使用される「フラットスパイラル誘導コイル」は、概して平面のコイルであり、コイルの巻線の軸がコイルのある表面に対して垂直であるコイルを意味する。一部の実施形態において、フラットスパイラルコイルは、平らなユークリッド平面内にあるという意味で、平面状であってもよい。しかし、本明細書で使用される「フラットスパイラル誘導コイル」という用語は、曲面または他の三次元表面と一致する形状のコイルも網羅する。例えば、フラットスパイラルコイルは、円筒状ハウジングまたは装置のくぼみと一致する形状にされうる。その時フラットスパイラルコイルは「平面の」と言われることができるが、円筒面と一致し、コイルの巻線の軸はコイルの中心で円筒面に垂直である。フラットスパイラルコイルが円筒面または非ユークリッド平面と一致する場合、フラットスパイラルコイルはフラットスパイラルコイルの直径より大きいフラットスパイラルコイルの領域の曲率の半径を有する平面にあることが好ましい。
【0090】
カートリッジが第三の区画を含む実施形態では、第三の区画は開いた上流端および閉じた下流端を有することが好ましい。
【0091】
電源は再充電可能なリチウムイオン電池などの電池であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。電源は、装置の一回以上の使用に対して十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は従来型の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約6分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な生成を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源が所定の回数の吸煙、または不連続的な起動を可能にする十分な容量を持ってもよい。
【0092】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【
図1】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のエアロゾル発生システムのカートリッジ組立品の断面図である。
【
図3】
図3は、カートリッジ組立品がエアロゾル発生装置と接続されている、
図1のエアロゾル発生システムの断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システム10を示す。エアロゾル発生システム10は、エアロゾル発生装置12およびカートリッジ組立品14を備える。エアロゾル発生装置12は、装置外側ハウジング16および装置内側ハウジング18を含む。複数の装置空気吸込み口22は、装置内側ハウジング18を通って延びる。
【0095】
図2は、カートリッジ組立品14の概略断面図である。カートリッジ組立品14は、その下流端にマウスピース26を画定するカートリッジ組立品外側ハウジング24を備え、マウスピース26はマウスピース空気出口28を含む。カートリッジ組立品外側ハウジング24はまた、複数の通気空気吸込み口30も画定する。
【0096】
カートリッジ組立品14は、カートリッジホルダー32、およびカートリッジ34をさらに備える。カートリッジホルダー32は、管状の形状を有し、締まりばめによってカートリッジ組立品外側ハウジング24内に受けられて、カートリッジホルダー32をカートリッジ組立品外側ハウジング24に固定する、下流部分を含む。カートリッジホルダー32の残りの部分は、カートリッジ組立品外側ハウジング24から間隙を介して、装置内側ハウジング18を受けるためのカートリッジ組立品くぼみ36を形成する。
【0097】
カートリッジ34は、第一のエアロゾル形成基体40を収容する第一の区画38と、第二のエアロゾル形成基体44を収容する第二の区画42とを画定する。第一のエアロゾル形成基体40はニコチン供与源を含み、また第二のエアロゾル形成基体44は酸供与源を含む。第一の区画38は、第一の空気吸込み口46および第一の空気出口48を含む。第二の区画42は、第二の空気吸込み口50および第二の空気出口52を含む。
【0098】
カートリッジ34はまた、第一の区画38と第二の区画42との間に位置付けられる第三の区画54も画定する。カートリッジ34の下流端56は、締まりばめによってカートリッジホルダー32内に受けられている。カートリッジ34の下流端56は、マウスピース空気出口28から間隙を介して、混合チャンバー58を画定する。通気空気吸込み口30は、カートリッジ組立品14の外部と混合チャンバー58との間の流体連通を提供する。
【0099】
図3は、カートリッジ組立品14がエアロゾル発生装置12に接続されている、エアロゾル発生システム10の断面図である。カートリッジ組立品14がエアロゾル発生装置12と接続されている時、カートリッジ34の上流端は、装置内側ハウジング内側ハウジング18によって形成される装置くぼみ60内に受けられ、装置内側ハウジング18はカートリッジ組立品くぼみ36内に受けられる。
【0100】
エアロゾル発生装置12は、電気ヒーター62と、電源64と、電源64から電気ヒーター62への電力の供給を制御するためのコントローラ66とをさらに備える。電気ヒーター62は、装置くぼみ60の上流端で装置くぼみ60の中へと延びる抵抗ヒーターである。電源64は再充電可能電池である。カートリッジ34の上流端が装置くぼみ60内に受けられると、電気ヒーター62が第三の区画54内に受けられる。
【0101】
カートリッジ組立品14がエアロゾル発生装置12と接続されると、複数のシステム空気吸込み口68が、装置外側ハウジング16の下流端とカートリッジ組立品外側ハウジング24の上流端との間に形成される。システム空気吸込み口68は、主流空気がエアロゾル発生システム10に入ることを可能にする。複数の第一のチャネル70は、各システム空気吸込み口68と対応する装置空気吸込み口22との間の流体連通を提供する。複数の第二のチャネル72は、各装置空気吸込み口22と装置くぼみ60の上流端との間の流体連通を提供する。有利なことに、第二のチャネル72を通って流れる主流空気は、電気ヒーター62によって加熱されるカートリッジ12の外表面上を流れるにつれて予熱される。
【0102】
カートリッジ組立品14がエアロゾル発生装置12と接続されると、装置外側ハウジング16およびカートリッジ組立品外側ハウジング24が共に、システム外側ハウジング74を形成する。
【0103】
エアロゾル発生システム10の使用中にコントローラ66は、電気ヒーター62に給電するための電源64から電気ヒーター62への電力の供給を制御する。電気ヒーター62は、第一のエアロゾル形成基体40および第二のエアロゾル形成基体44を加熱する。
【0104】
ユーザーがマウスピース26を吸うと、主流空気がシステム空気吸込み口68および装置空気吸込み口22を介して装置くぼみ60の上流端の中に引き出される。主流空気は、第一の空気吸込み口46および第二の空気吸込み口50を通って第一の区画38および第二の区画42に入る。主流空気が第一の区画38および第二の区画42を通って流れるにつれて、第一のエアロゾル形成基体40および第二のエアロゾル形成基体44からのニコチンベイパーおよび酸ベイパーは、主流空気中に同伴される。ニコチンベイパーおよび酸ベイパーを含有する主流空気はカートリッジ34の下流端で混合チャンバー58の中へと流れ、ここでニコチンベイパーおよび酸ベイパーが反応してニコチン塩粒子を形成する。
【0105】
ユーザーがマウスピース26を吸うと、通気空気もエアロゾル発生システム10に入る。特に、通気空気は、通気空気吸込み口30を介して混合チャンバー58に入る。カートリッジホルダー32は、カートリッジ組立品外側ハウジング24を加熱されたカートリッジ34から断熱し、これにより混合チャンバー58に入る通気空気は、カートリッジ34から混合チャンバー58に入るニコチンベイパーおよび酸ベイパーより著しくより低い温度にある。
【0106】
混合チャンバー58内で、ニコチンベイパーおよび酸ベイパーから形成された通気空気はニコチン塩粒子と混合して、ユーザーへと送達するためのエアロゾルを形成する。エアロゾルは、マウスピース空気出口28を介して混合チャンバー58の外へと流れる。
【0107】
図4は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システム100の概略断面である。エアロゾル発生システム100は、
図1~
図3に示されるエアロゾル発生システム10と類似しており、同様の部分を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0108】
エアロゾル発生システム100は、システム空気吸込み口168の構成がエアロゾル発生システム10とは異なる。具体的には、エアロゾル発生システム100では、システム空気吸込み口168は、装置外側ハウジング16を通って延び、エアロゾル発生システム100の外部と装置くぼみ60の上流端との間の直接流体連通を提供する。したがって、この構成は、エアロゾル発生システム10内に提供される装置空気吸込み口22、および第一のチャネル70および第二のチャネル72の必要性を除去する。有利なことに、この構成は、エアロゾル発生システム100の構造を簡略化しうる。カートリッジ134、カートリッジホルダー132、およびカートリッジ組立品外側ハウジング124の形状は、装置空気吸込み口22、および第一のチャネル70および第二のチャネル72の省略に適応するように適合される。
【0109】
エアロゾル発生システム100の動作は、本明細書に記載される、エアロゾル発生システム10の動作と実質的に同一である。