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特許7242596画面検証方法、画面検証システム、及び画面検証プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】画面検証方法、画面検証システム、及び画面検証プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/765 20060101AFI20230313BHJP
【FI】
H04N5/765
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020037183
(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2021141422
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-12-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504283220
【氏名又は名称】Qsol株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】小崎 一彦
(72)【発明者】
【氏名】松尾 泰成
(72)【発明者】
【氏名】豊永 泰史
(72)【発明者】
【氏名】平峰 祐一
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-334524(JP,A)
【文献】特開2010-146270(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L51/00-51/58
67/00-67/75
H04N5/76-5/775
5/80-5/956
7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末から受信したリクエストに応じてレスポンスを返信する画面レスポンス返信装置と、前記クライアント端末の画面操作及び前記クライアント端末環境の変更前と変更後の画面検証を行う画面操作比較装置とで行う画面検証方法であって、
前記クライアント端末環境の変更前に、前記画面操作比較装置が前記クライアント端末で画面検証のための画面操作を実行し、前記画面操作に応じた前記サーバからのレスポンス受信時における前記クライアント端末の表示画面を記憶すること、
前記画面レスポンス返信装置が、前記サーバとクライアント端末間の通信メッセージを中継し、前記画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録すること、
前記クライアント端末環境の変更後に、前記画面操作比較装置が前記クライアント端末環境の変更前に実行した画面操作を実行すること、
前記画面レスポンス返信装置が、前記画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストを受信し、前記サーバへ中継せずに、前記記録された紐付け情報を参照して、前記受信したリクエストに応じたレスポンスを前記クライアント端末へ送信すること、
前記画面操作比較装置が前記レスポンス受信時における前記クライアント端末の表示画面を記憶し、前記記憶された前記クライアント端末環境の変更前及び変更後の表示画面を比較し、比較結果を出力すること
を含む画面検証方法。
【請求項2】
前記クライアント端末環境の変更前と変更後の表示画面は前記画面操作比較装置によりハードコピーで記録され、前記表示画面の比較は前記画面操作比較装置により前記ハードコピーで記録されたバイナリデータを比較することを特徴とする請求項1に記載の画面検証方法。
【請求項3】
前記画面操作は、前記画面操作比較装置に前記画面操作の内容及び手順が示されたシナリオを読み込ませて自動で実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の画面検証方法。
【請求項4】
前記画面検証は、前記クライアント端末に表示される業務アプリケーション画面の検証であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画面検証方法。
【請求項5】
ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末環境の変更前と変更後の画面検証を行う画面検証システムであって、
前記画面検証システムは、前記クライアント端末環境の変更前及び変更後に、前記クライアント端末で画面検証のための画面操作を実行する操作部と、
前記画面操作時における前記クライアント端末の表示画面を記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶した前記クライアント端末環境の変更前及び変更後に前記操作部で実行された画面操作時における前記クライアント端末の表示画面を比較し、比較結果を出力する比較部とを含む画面操作比較装置と、
前記クライアント端末と前記サーバ間の通信メッセージを中継する通信部と、
前記クライアント端末環境の変更前に、前記操作部で実行された画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録する記録部と、
前記クライアント端末環境の変更後に、前記操作部で実行された画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストを受信し、前記通信部が前記サーバへ中継せずに、前記記録部が記録した紐付け情報を参照して、前記受信したリクエストに応じたレスポンスを前記クライアント端末へ送信するレスポンス生成部とを含むレスポンス返信装置と、を含む画面検証システム。
【請求項6】
ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末環境の変更前と変更後の画面検証を行う画面検証システムとしてコンピュータを機能させる画面検証プログラムであって、
前記画面検証プログラムは、前記クライアント端末環境の変更前及び変更後に、前記クライアント端末で画面検証のための画面操作を実行する操作部と、
前記画面操作時における前記クライアント端末の表示画面を記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶した前記クライアント端末環境の変更前及び変更後に前記操作部で実行された画面操作時における前記クライアント端末の表示画面を比較し、比較結果を出力する比較部とを含む画面操作比較装置として前記クライアント端末を機能させるための画面比較操作プログラムと、
前記クライアント端末と前記サーバ間の通信メッセージを中継する通信部と、
前記クライアント端末環境の変更前に、前記操作部で実行された画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録する記録部と、
前記クライアント端末環境の変更後に、前記操作部で実行された画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストを受信し、前記通信部が前記サーバへ中継せずに、前記記録部が記録した紐付け情報を参照して、前記受信したリクエストに応じたレスポンスを前記クライアント端末へ送信するレスポンス生成部とを含む画面レスポンス返信装置としてコンピュータを機能させる画面レスポンス返信プログラムと、を含む画面検証プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末環境の変更前と変更後の画面検証を行う画面検証方法、画面検証システム、及び画面検証プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
クライアントサーバシステムにおいては、定期的にシステムの更新、特に、クライアント端末のOS、アプリケーション、及びWEBブラウザ等のアップデートが行われる。そして、アップデート後のクライアント端末で動作するアプリケーションの画面操作や画面レイアウト等がアップデート前のそれと同じであるか(レイアウト崩れや文字化けが発生していないか)、画面検証が必要となる。
【0003】
ここで、画面検証は、クライアント端末のアプリケーション画面を1画面ずつ手作業で操作し、クライアント端末からサーバへリクエスト(要求)が送信され、そのレスポンス(応答)を受信したクライアント端末の画面に問題がないか目視で確認する必要がある。
【0004】
特許文献1には、組み込み端末(携帯電話端末やPDA)のWebブラウザから出力される表示画面データと、Webサーバのコンテンツデータから生成される表示画面データとを比較し、同一であるかどうかを検証する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-190443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の画面検証方法では、検証の都度、検証対象システムのサーバ環境を準備する必要や維持する必要があるため、時間的・経済的にもコストもかかり、よりユーザーの負担を減らすべく効率的な画面検証方法が求められる。
【0007】
そこで、本発明は、サーバ環境が不要で、画面検証におけるユーザーの負担の軽減を図った画面検証方法、画面検証システム、及び画面検証プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため、本発明の画面検証方法は、ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末から受信したリクエストに応じてレスポンスを返信する画面レスポンス返信装置と、前記クライアント端末の画面操作及び前記クライアント端末環境の変更前と変更後の画面検証を行う画面操作比較装置とで行う画面検証方法であって、前記クライアント端末環境の変更前に、前記画面操作比較装置が前記クライアント端末で画面検証のための画面操作を実行し、前記画面操作に応じた前記サーバからのレスポンス受信時における前記クライアント端末の表示画面を記憶すること、前記画面レスポンス返信装置が、前記サーバとクライアント端末間の通信メッセージを中継し、前記画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録すること、前記クライアント端末環境の変更後に、前記画面操作比較装置が前記クライアント端末環境の変更前に実行した画面操作を実行すること、前記画面レスポンス返信装置が、前記画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストを受信し、前記サーバへ中継せずに、前記記録された紐付け情報を参照して、前記受信したリクエストに応じたレスポンスを前記クライアント端末へ送信すること、前記画面操作比較装置が前記レスポンス受信時における前記クライアント端末の表示画面を記憶し、前記記憶された前記クライアント端末環境の変更前及び変更後の表示画面を比較し、比較結果を出力することを含む。これにより、クライアント端末環境の変更後の画面検証においてサーバは不要となり、かつ毎回、一連の画面検証(画面操作)を行うことができる。
【0009】
また、本発明の画面検証方法は、前記クライアント端末環境の変更前と変更後の表示画面は前記画面操作比較装置によりハードコピーで記録され、前記表示画面の比較は前記画面操作比較装置により前記ハードコピーで記録されたバイナリデータを比較することが望ましい。これにより、画面検証(表示画面の比較)をより容易に行うことができる。
【0010】
また、本発明の画面検証方法は、前記画面操作は、前記操作比較装置に前記画面操作の内容及び手順が示されたシナリオを読み込ませて自動で実行することが望ましい。これにより、毎回、正しい内容及び手順で検証を行うことができる。
【0011】
また、本発明の画面検証方法は、前記画面検証は、前記クライアント端末に表示される業務アプリケーション画面の検証であることが望ましい。これにより、クライアント端末のOS、アプリケーション、及びWEBブラウザ等のアップデートが行われた後に、レイアウト崩れや文字化けが発生していないか等の画面検証を行うことができる。
【0012】
本発明の画面検証システムは、ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末環境の変更前と変更後の画面検証を行う画面検証システムであって、前記画面検証システムは、前記クライアント端末環境の変更前及び変更後に、前記クライアント端末で画面検証のための画面操作を実行する操作部と、前記画面操作時における前記クライアント端末の表示画面を記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶した前記クライアント端末環境の変更前及び変更後に前記操作部で実行された画面操作時における前記クライアント端末の表示画面を比較し、比較結果を出力する比較部とを含む画面操作比較装置と、前記クライアント端末と前記サーバ間の通信メッセージを中継する通信部と、前記クライアント端末環境の変更前に、前記操作部で実行された画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録する記録部と、前記クライアント端末環境の変更後に、前記操作部で実行された画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストを受信し、前記通信部が前記サーバへ中継せずに、前記記録部が記録した紐付け情報を参照して、前記受信したリクエストに応じたレスポンスを前記クライアント端末へ送信するレスポンス生成部とを含むレスポンス返信装置と、を含む。
【0013】
本発明の画面検証プログラムは、ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末環境の変更前と変更後の画面検証を行う画面検証システムとしてコンピュータを機能させる画面検証プログラムであって、前記画面検証プログラムは、前記クライアント端末環境の変更前及び変更後に、前記クライアント端末で画面検証のための画面操作を実行する操作部と、前記画面操作時における前記クライアント端末の表示画面を記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶した前記クライアント端末環境の変更前及び変更後に前記操作部で実行された画面操作時における前記クライアント端末の表示画面を比較し、比較結果を出力する比較部とを含む画面操作比較装置として前記クライアント端末を機能させるための画面比較操作プログラムと、前記クライアント端末と前記サーバ間の通信メッセージを中継する通信部と、前記クライアント端末環境の変更前に、前記操作部で実行された画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録する記録部と、前記クライアント端末環境の変更後に、前記操作部で実行された画面操作に応じた前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストを受信し、前記通信部が前記サーバへ中継せずに、前記記録部が記録した紐付け情報を参照して、前記受信したリクエストに応じたレスポンスを前記クライアント端末へ送信するレスポンス生成部とを含む画面レスポンス返信装置としてコンピュータを機能させる画面レスポンス返信プログラムと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る画面検証方法、画面検証システム、及び画面検証プログラムによれば、サーバ環境が不要で、かつ、ハードコピーした表示画面のバイナリデータ比較や画面操作の内容及び手順のシナリオ化等により、ユーザー負担の軽減や画面検証の効率化を図った画面検証方法、画面検証システム、及び画面検証プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に係る画面検証システムと、クライアント端末及びサーバとの通信イメージを示すイメージ図である。(A)はクライアント端末環境の変更前、(B)はクライアント端末環境の変更後の通信イメージである。
図2】本発明の実施の形態に係る画面検証システムを示す機能ブロック構成図である。
図3】画面検証手順を示すフローチャートである。
図4】画面検証処理におけるGUIを示すイメージ図である。
図5】クライアント端末環境の変更前後における画面の比較結果を示すイメージ図である。
図6】クライアント端末環境の変更前後における画面の比較結果一覧を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の実施の形態における画面検証システム1と、クライアント端末C及びサーバSとの通信イメージを示すイメージ図である。
【0017】
クライアント端末Cは、例えば、企業の社員が業務処理を行うために所有しているパソコン等である。ここで、クライアント端末C環境の変更とは、クライアント端末CのOS(例えば、Windows10のSAC(Semi-Annual Channel)、アプリケーション、及びWEBブラウザ(例えば、IE(Internet Explore)10からIE11へのバージョンアップや、IEからGoogle Chromeへのブラウザの変更)等のアップデートであり、クライアント端末C環境の変更前とは該アップデート前、変更後とは該アップデート後のことをいう。
また、サーバSは、例えば、クライアント端末Cからのリクエストに応じて業務処理を行う企業内サーバ(業務サーバ)等である。
【0018】
図1(A)はクライアント端末C環境の変更前の通信イメージであり、環境変更前においては、画面検証システム1の画面レスポンス返信装置11はクライアント端末CとサーバSとの通信メッセージ(例えば、クライアント端末CからサーバSへのリクエストや、サーバSからクライアント端末Cへのレスポンス等)を中継する。
【0019】
一方、図1(B)はクライアント端末C環境の変更後の通信イメージであり、環境変更後の画面検証時においては、画面検証システム1の画面レスポンス返信装置11は受信したクライアント端末CからのリクエストをサーバSへ中継せずに、自身で折り返してクライアント端末Cへレスポンスを返す。
【0020】
図2は、本発明の実施の形態における画面検証システム1を示す機能ブロック構成図である。図2において、本発明の実施の形態における画面検証システム1は、クライアント端末CとサーバS間の通信メッセージを中継する画面レスポンス返信装置11と、クライアント端末C上で動作する画面操作比較装置12とを含む。
【0021】
画面レスポンス返信装置11は、通信部111と、記録部112と、レスポンス生成部113とを備える。
【0022】
通信部111は、クライアント端末CやサーバSとLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワーク通信網を介して通信する。また、受信したクライアント端末CやサーバSからの通信メッセージを解析して、上記各部112~113に通信メッセージを振り分ける。
【0023】
記録部112は、クライアント端末C環境の変更前に、クライアント端末CとサーバS間との通信メッセージを記録する。また、クライアント端末Cからのリクエストと、そのリクエストに対してサーバSから返ってくるレスポンスを紐付け(どのようなリクエストに対し、どのようなレスポンスが返ってきたか)して記録する(以下、「紐付け情報」とも言う)。
【0024】
レスポンス生成部113は、クライアント端末C環境の変更後に、画面操作に応じたクライアント端末Cからのリクエストを受信し、該リクエストに対応するレスポンスを、記録部112で記録した紐付け情報を参照して生成し、クライアント端末Cへ送信する。
【0025】
画面操作比較装置12は、操作部121と、記憶部122と、比較部123とを備える。
【0026】
操作部121は、クライアント端末Cの画面操作を行う。ここで、操作部121に画面操作の内容や手順が示されたシナリオを読み込ませて実行させるRPA(Robotics Process Automation)の機能を持たせてもよいし、その他の方法により画面操作を実現させてもよい。
【0027】
記憶部122は、操作部121が行ったクライアント端末Cの画面操作に伴って表示される画面を記憶(保存)する。画面は操作毎に記憶され、該画面はハードコピーにより取得してもよいし、その他の方法で取得してもよい。
【0028】
比較部123は、記憶部122に記憶されたクライアント端末C環境の変更前における画面操作毎の画面と、変更後における画面操作毎の画面とを比較する。
【0029】
画面レスポンス返信装置11は、上記各部111~113として機能させるためのレスポンス返信プログラムをコンピュータ上で実行することによっても実現することができる。また、画面操作比較装置12は、上記各121~123として機能させるための画面操作比較プログラムをクライアント端末C上で実行することによっても実現することができる。
【0030】
(実施例)
画面検証システム1を用いた画面検証方法を、図2と、図3に示すフローチャートを参照して説明する。画面検証方法は、(1)記録方法(記録モードの実行)と、(2)再現方法(再現モードの実行)からなる。記録方法はクライアント端末C環境の変更前に行い、再現方法はクライアント端末C環境の変更後に行う。
ここで、画面検証システム1は、図2に示すように、画面レスポンス返信装置11と、クライアント端末C上で動作する画面操作比較装置12を用いて説明する。
【0031】
[記録方法]
検証を行う操作者は、クライアント端末Cから画面操作比較装置12へアクセスし、初期画面を表示させる(図4A参照)。初期画面は、画面操作比較装置12の操作部121がクライアント端末Cの画面上にGUIとして表示させてもよいし、それ以外の方法で表示させてもよい。
【0032】
そして、「設定」を選択し、初期設定を行う(S101)。初期設定とは、Proxyサーバ(=画面レスポンス返信装置11)のIPアドレスやポート番号等である(図4B参照)。画面レスポンス返信装置11がProxyサーバとして動作することで、クライアント端末CとサーバS間の通信を中継することができる。また、クライアント端末CやサーバS等のProxy設定も、初期設定の内容に合わせて設定する必要がある(例えば、クライアント端末CのIEのインターネットオプション)。
初期設定後、「保存」又は「キャンセル」を選択し、初期画面へ戻る。
【0033】
その後、「記録」を選択し(S102)、ログ名設定画面(図4C参照)にて操作の内容や順番を保存するログ名を入力する(S201)。「記録開始」が選択されると、画面レスポンス返信装置11が起動する(S202)。これらの操作は、操作者が行ってもよいし、RPAツールにより自動化させてもよい。
【0034】
画面レスポンス返信装置11起動後、操作部121は、画面(例えば、クライアント端末CのWEBブラウザ)に対して検証のための画面操作(ブラウザ操作)を行う(S203)。本実施例において、操作部121は画面操作の内容や手順が示されたシナリオを読み込ませて自動で実行させるRPAツールとする。
【0035】
操作部121による画面操作に起因して、クライアント端末CからサーバSへリクエストが送信される。該リクエストは、Proxyサーバとして動作する画面レスポンス返信装置11の通信部111で受信され、記録部112で記録される(S204,S205)。記録後、該リクエストは通信部111からサーバSに送信される(S206)。
【0036】
リクエストを受信したサーバSは、該リクエストに応じた業務処理等を実行し、レスポンスをクライアント端末Cへ返す(S207)。
【0037】
該レスポンスは、Proxyサーバとして動作する画面レスポンス返信装置11の通信部111で受信され、記録部112で記録される(S208,S209)。また、記録部112は、S205で記録したリクエストと該レスポンスとを紐付けし(どのようなリクエストに対し、どのようなレスポンスが返ってきたか)、その紐付け情報を記録部112に記録する(S210)。記録後、該レスポンスは送信部111からクライアント端末Cに送信される(S211)。
【0038】
そして、画面操作比較装置12の記憶部122は、該レスポンスを受信して画面遷移等が行われたクライアント端末Cの画面をハードコピー等により取得する(S212)。
【0039】
操作部121は、シナリオに示された内容や手順に沿って画面操作を繰り返す(S203~S213)。シナリオを読み終えて画面操作が止まった後、「停止」が選択され(図4D参照)、画面検証システム1の記録モードが終了する(S214)。
【0040】
以上のように、記録部112が記録したリクエストとレスポンスとの紐付け情報が保存されたログは、再現ログとしてテキスト形式等で出力される。出力先は、画面レスポンス返信装置11の任意のフォルダでもよいし、それ以外の場所でもよい。
【0041】
ここで、検証における操作手順は非常に重要であり、操作者の手順誤りにより、誤動作や検証ミス、作業の手戻り等が発生する可能性が高い。そして、検証における画面操作を操作者(人間)自身で行う場合、このような手順誤りは、ダブルチェック等の対策を講じたとしても、発生確率を効果的に抑えられるわけではない。よって、このように、操作部121における画面操作を自動化させることは、画面検証におけるユーザーの負担の軽減に非常に有効である。
【0042】
[クライアント端末C環境の変更]
記録方法の実施後に、クライアント端末C環境の変更を行う。該変更は、クライアント端末Cの所有者が手動で行ってもよく、OSの自動アップデート機能等を利用してもよく、それ以外の方法でもよい。該変更の完了は、クライアント端末Cの所有者が目視確認してもよく、クライアント端末Cから画面レスポンス返信装置11や画面操作比較装置12へ完了通知を送信してもよく、それ以外の方法でもよい。該変更が完了後、画面検証システム1は、処理を記録方法から再現方法へ切り替える。
【0043】
[再現方法]
検証を行う操作者は、環境変更後のクライアント端末Cで、画面検証システム1の再現方法を行う。
【0044】
まず、記録方法と同様に、初期画面を表示させ、初期設定を行う(S101)。そして、「再現」を選択し(S102、図4A参照)、記録方法にて取得したリクエストとレスポンスの紐付け情報が記録された再現ログを選択する(S301、図4E参照)。選択後、「再現開始」が選択されると、画面レスポンス返信装置11が起動する(S302)。
【0045】
画面操作比較装置12の操作部121は、クライアント端末C環境の変更前と同じ画面操作を行う(S303)。クライアント端末Cは、該画面操作に起因したリクエストをProxyサーバとして動作する画面レスポンス返信装置11に送信する。
【0046】
ここで、画面レスポンス返信装置11は、該リクエストを通信部111で受信し、レスポンス生成部113は、該リクエストに対するレスポンスの紐付け情報を記録部112から取得し、通信部111を介してクライアント端末Cへレスポンスを返す(S304~S306)。
【0047】
そして、画面操作比較装置12の操作部121は、該レスポンスを受信して画面遷移等が行われたクライアント端末Cの画面をハードコピー等により取得する(S307)。
【0048】
操作部121は、シナリオに示された内容や手順に沿って画面操作を繰り返し、画面操作が終了したら、画面検証システム1の再現モードが終了する(S309)。その後、画面操作比較装置12の比較部123により、記憶部122に記憶された、同じ画面操作時におけるクライアント端末Cの環境変更前の画面と、環境変更後の画面との比較が行われる(S310)。比較は、例えば、JPEG形式やPNG形式で保存した画面のハードコピー(バイナリデータ)の比較であり、バイナリデータ比較ツール(例えば、WinMerge等)を用いる。これにより、差分の有無を容易に、かつ複数の画面まとめて検出することができる。
【0049】
図5は、比較部123において、クライアント端末C環境の変更前の画面(左)と変更後の画面(右)をバイナリデータ比較ツールで比較したイメージ図である。差分のある時刻の箇所がマークされていることが分かる。また、図6は、各画面操作時におけるクライアント端末C環境の変更前後の画面比較結果のイメージ図である。このように、本発明によれば、画面に差分がある箇所(つまり、レイアウト崩れや文字化けが発生している箇所)が、容易に、かつ一目瞭然に分かる。
【0050】
このような比較結果は、比較部123が比較結果ファイルとして出力させてもよいし、操作者が閲覧できるようにGUI上で表示させてもよい。
【0051】
また、本実施形態における検証はサーバ不要であるため、多数のクライアント端末からの同時アクセスや、過剰なブラウザ操作等によるサーバ負荷や帯域の逼迫等を気にせずに検証を行うこともでき、さらにユーザーの負担の軽減を図ることができる。
【0052】
また、クライアントサーバシステムにおいては、システムの更新、特に、クライアント端末のOS、アプリケーション、及びWEBブラウザ等のアップデートが定期的に行われており、その頻度は決して少なくない。本発明によれば、該アップデートの都度、一度画面検証方法を確立しておけば、繰り返し検証に利用することができるため、ユーザーの負担軽減を図ることができる。
【0053】
なお、本実施例は一例であり、画面検証システム1は、各部111~113、121~123として機能させる画面操作比較プログラム及び画面レスポンス返信プログラムをクライアント端末C上で実行させてもよい。また、一部の機能をツール化やドライバ化してもよく、実施形態に制限はない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の画面検証方法は、クライアント端末環境の変更前後の画面検証を自動で行う方法として有用であり、特に、サーバ不要を求める環境や、クライアント端末数が多い環境における画面検証方法として好適である。
【符号の説明】
【0055】
1 画面検証システム
11 画面レスポンス返信装置
12 画面操作比較装置
111 通信部
112 記録部
113 レスポンス生成部
121 操作部
122 記憶部
123 比較部
C クライアント端末
S サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6