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特許7242610車両検知範囲の測定方法、装置、機器及び媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】車両検知範囲の測定方法、装置、機器及び媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20230313BHJP
【FI】
G08G1/09 F
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020117635
(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公開番号】P2021057015
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2020-07-08
(31)【優先権主張番号】201910944409.1
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】ゴン, グーハオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ジュンピン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャオ, ティェンクン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, ドンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ゼーリン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, チェンファ
(72)【発明者】
【氏名】スン, ヨンイー
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-191098(JP,A)
【文献】特開2018-182661(JP,A)
【文献】特開2018-180735(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0222652(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側機器の識別子に基づいて、測定される対象路側機器を決定するステップと、
車両が前記対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信したことが検出された場合、前記車両が前記路側メッセージを受信した時の車両位置情報を決定するステップと、
前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップと、
を含む車両検知範囲の測定方法。
【請求項2】
前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップが、
前記車両位置情報に基づいて、前記車両が走行する対象車道と、前記車両が前記対象車道で走行する時に、前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するステップと、
前記最初の受信位置と前記最後の受信位置とに基づいて、前記車両の前記対象車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップと、
を含む請求項1に記載の車両検知範囲の測定方法。
【請求項3】
前記車両位置情報に基づいて、前記車両が前記対象車道で走行する時に、前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するステップが、
前記車両位置情報と前記対象路側機器の位置情報とに基づいて、前記対象車道で前記車両と前記対象路側機器との間のリアルタイム距離を決定するステップと、
前記リアルタイム距離の変化と前記対象車道での走行方向とに基づいて、前記対象車道で、前記車両の前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するステップと、
を含む請求項2に記載の車両検知範囲の測定方法。
【請求項4】
前記車両位置情報に基づいて、前記車両が前記対象車道で走行する時に、前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するステップが、
前記車両が前記対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信した受信時間に基づいて、前記車両が前記対象車道で走行する時に、前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するステップを含む請求項2に記載の車両検知範囲の測定方法。
【請求項5】
前記最初の受信位置と前記最後の受信位置とに基づいて、前記車両の前記対象車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップが、
前記対象車道で前記対象路側機器を境界点として、前記対象車道を二つのサブ道路セグメントに分割するステップと、
前記最初の受信位置と前記対象路側機器の位置情報とに基づいて、前記車両の前記最初の受信位置が位置するサブ道路セグメントで前記対象路側機器に対する検知距離を決定するステップと、
前記最後の受信位置と前記対象路側機器の位置情報とに基づいて、前記車両の前記最後の受信位置が位置するサブ道路セグメントで前記対象路側機器に対する検知距離を決定するステップと、
を含む請求項2から4のいずれか一項に記載の車両検知範囲の測定方法。
【請求項6】
前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップが、
道路ネットワークトポロジー構造に基づいて対象車道に少なくとも一つの交差点が存在することが検出された場合、前記少なくとも一つの交差点を境界点とし、前記対象車道を少なくとも二つのサブ道路セグメントに分割するステップと、
前記車両位置情報に基づいて、前記車両の前記対象車道の各サブ道路セグメントで前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップと、
を含む請求項1に記載の車両検知範囲の測定方法。
【請求項7】
前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定した後、
前記車両の対象車道で前記対象路側機器に対する検知範囲が変化されていると検出された場合、警告提示を行うステップを含む請求項1に記載の車両検知範囲の測定方法。
【請求項8】
路側機器の識別子に基づいて、測定される対象路側機器を決定するための路側機器決定モジュールと、
車両が前記対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信したことが検出された場合、前記車両が前記路側メッセージを受信した時の車両位置情報を決定するための車両位置決めモジュールと、
前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するための検知範囲測定モジュールと、
を備える車両検知範囲の測定装置。
【請求項9】
少なくとも一つのプロセッサと、
前記少なくとも一つのプロセッサと通信可能に接続されるメモリと、
を備え、
前記メモリには、前記少なくとも一つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記命令が前記少なくとも一つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも一つのプロセッサが請求項1から7のいずれか一項に記載の車両検知範囲の測定方法を実行する電子機器。
【請求項10】
コンピュータ命令が記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令は、前記コンピュータに請求項1から7のいずれか一項に記載の車両検知範囲の測定方法を実行させる非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータに請求項1から7のいずれか一項に記載の車両検知範囲の測定方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、コンピュータ技術の分野に関し、特に、自動運転技術の分野に関し、具体的には、車両検知範囲の測定方法、装置、機器及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インテリジェントネットワーク技術の急速な発展に伴い、車両端末とインフラとの間の無線情報インタラクションを実現するために、自動運転車両にV2I(Vehicle to Infrustructure、車とインフラの接続)通信技術が徐々に統合される。
【0003】
RSU(Road Side Unit、路側機器)通信は、取り付け位置及び取り付け環境の影響を受けるため、通信距離は、例えば周辺のデバイス干渉の増加、ソフトウェア更新の反復などなどのシーンの変化に応じて変化が発生する。したがって、従来技術で予め設定された固定の通信範囲に基づいて車両の運転を支援することは、RSUの作用範囲をリアルタイムに検知することが難しく、車両とRSUの間の通信効率及び精度を低下させ、自動運転の安全走行に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、特定のRSU機器に対する検知範囲をリアルタイムに検知及び記録して、車両の運転の安全性を向上させることができる車両検知範囲の測定方法、装置、機器及び媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本願の実施例は、車両検知範囲の測定方法を提供し、路側機器の識別子に基づいて、測定される対象路側機器を決定するステップと、車両が前記対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信したことが検出された場合、前記車両が前記路側メッセージを受信した時の車両位置情報を決定するステップと、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップと、を含む。
【0006】
上記の出願の一つの実施例は、従来の自動運転車両が受動的に路側メッセージを受信する方式を、路側機器の作用範囲をアクティブに検知することに変換することを実現することによって、瞬間的に変化できる検知範囲に対して無視することを回避し、特定の道路セグメントで自動運転車両が信頼的に運行するために根拠を提供することによって、自動運転車両の安全性を向上させる利点又は有益な効果を有する。
【0007】
選択可能に、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップが、前記車両位置情報に基づいて、前記車両が走行する対象車道と、前記車両が前記対象車道で走行する時に、前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するステップと、前記最初の受信位置と前記最後の受信位置とに基づいて、前記車両の前記対象車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップと、を含む。
【0008】
上記の出願の一つの実施例は、車両の対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置を検出することによって、車両の対象路側機器の検知範囲に対する境界を決定することができ、車両の各車道における検知範囲を決定することが容易になる利点又は有益な効果を有する。
【0009】
選択可能に、前記車両位置情報に基づいて、前記車両が前記対象車道で走行する時に、前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するステップが、前記車両位置情報と前記対象路側機器の位置情報とに基づいて、前記対象車道で前記車両と前記対象路側機器との間のリアルタイム距離を決定するステップと、前記リアルタイム距離の変化と前記対象車道での走行方向とに基づいて、前記対象車道で、前記車両の前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するステップと、を含む。
【0010】
上記の出願の一つの実施例は、車両が路側メッセージを受信する時に対象路側機器との間のリアルタイム距離と、車道の走行方向とに基づいて、車両の対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定することができる利点又は有益な効果を有する。
【0011】
選択可能に、前記車両位置情報に基づいて、前記車両が前記対象車道で走行する時に、前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するステップが、前記車両が前記対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信した受信時間に基づいて、前記車両が前記対象車道で走行する時に、前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するステップを含む。
【0012】
上記の出願の一つの実施例は、車両が同一の路側機器によって送信された路側メッセージを受信する受信時間に基づいて、車両の対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定することができる利点又は有益な効果を有する。
【0013】
選択可能に、前記最初の受信位置と前記最後の受信位置とに基づいて、前記車両の前記対象車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップが、前記対象車道で前記対象路側機器を境界点として、前記対象車道を二つのサブ道路セグメントに分割するステップと、前記最初の受信位置と前記対象路側機器の位置情報とに基づいて、前記車両の前記最初の受信位置が位置するサブ道路セグメントで受前記対象路側機器の作用距離を決定するステップと、前記最後の受信位置と前記対象路側機器の位置情報とに基づいて、前記車両の前記最後の受信位置が位置するサブ道路セグメントで前記対象路側機器に対する検知距離を決定するステップと、を含む。
【0014】
上記の出願の一つの実施例は、対象路側機器を境界線とすることによって、車両の対象車道の各道路セグメントで対象路側機器に対する検知範囲を決定し、検知範囲決定の精度を向上させることができる利点又は有益な効果を有する。
【0015】
選択可能に、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップが、道路ネットワークトポロジー構造に基づいて前記対象車道に少なくとも一つの交差点が存在することが検出された場合、前記少なくとも一つの交差点を境界点とし、前記対象車道を少なくとも二つのサブ道路セグメントに分割するステップと、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の前記対象車道の各サブ道路セグメントで前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するステップと、を含む。
【0016】
上記の出願の一つの実施例は、交差点を境界線とすることによって、車両の対象車道の各道路セグメントで対象路側機器に対する検知範囲を決定し、検知範囲決定の精度を向上させることができる利点又は有益な効果を有する。
【0017】
選択可能に、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定した後、前記車両の前記対象車道で前記対象路側機器に対する検知範囲が変化されていると検出された場合、警告提示を行うステップをさらに含む。
【0018】
上記の出願の一つの実施例は、測定された検知範囲に基づいて、車両の対象車道で対象路側機器に対する検知範囲が変化されていると検出された場合、特定の道路セグメントで自動運転車両が信頼的に運行するのに警告を提供し、車両の運転の安全性を向上させる利点又は有益な効果を有する。
【0019】
第2の態様では、本願の実施例は、車両検知範囲の測定装置を提供し、路側機器の識別子に基づいて、測定される対象路側機器を決定するための路側機器決定モジュールと、車両が前記対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信したことが検出された場合、前記車両が前記路側メッセージを受信した時の車両位置情報を決定するための車両位置決めモジュールと、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するための検知範囲測定モジュールと、を備える。
【0020】
第3の態様では、本願の実施例は、電子機器を提供し、少なくとも一つのプロセッサと、前記少なくとも一つのプロセッサと通信可能に接続されるメモリと、を備え、前記メモリには、前記少なくとも一つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記命令は前記少なくとも一つのプロセッサによって実行されて、前記少なくとも一つのプロセッサが本願の任意の実施例に記載の車両検知範囲の測定方法を実行可能である。
【0021】
第4の態様では、本願の実施例は、コンピュータ命令が記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータ命令は、前記コンピュータに本願の任意の実施例に記載の車両検知範囲の測定方法を実行させる。
【発明の効果】
【0022】
上記の出願の一つの実施例は、V2Iシーンにおいて、受信された路側メッセージについて、路側機器の識別子に基づいて各路側メッセージが属する路側機器を区分し、車両が路側メッセージを受信した時の車両位置情報をリアルタイムに記録することによって、車両位置情報に基づいて車両の特定の路側機器に対する検知範囲を決定する。従来の自動運転車両が受動的に路側メッセージを受信する方式を、路側機器の作用範囲をアクティブに検知することに変換することを実現することによって、瞬間的に変化できる検知範囲に対して無視することを回避し、特定の道路セグメントで自動運転車両が信頼的に運行するために根拠を提供することによって、自動運転車両の安全性を向上させる利点又は有益な効果を有する。
【0023】
上記の選択可能な方式が有する他の効果については、以下、具体的な実施例を組み合わせて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図面は、本技術案をよりよく理解するために使用されており、本願の限定を構成するものではない。
図1】本願の第1の実施例に係る車両検知範囲の測定方法のフローチャートである。
図2】本願の第2の実施例に係る車両検知範囲の測定方法のフローチャートである。
図3】本願の第2の実施例に係る検知範囲決定の概略図である。
図4】本願の第2の実施例に係る検知範囲決定のもう一つの概略図である。
図5】本願の第3の実施例に係る車両検知範囲の測定装置の概略構成図である。
図6】本願の実施例の車両検知範囲の測定方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を組み合わせて本願の例示的な実施例を説明し、理解を容易にするために、その中には本願の実施例の様々な詳細を含んでおり、それらは単なる例示的なものと見なされるべきである。したがって、当業者は、本願の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができることを認識されたい。同様に、明確及び簡潔するために、以下の説明では、周知の機能及び構造の説明を省略する。
【0026】
第1の実施例
図1は、本願の第1の実施例に係る車両検知範囲の測定方法のフローチャートである。本実施例は、車両が路側機器に対する検知範囲を測定する場合に適用されることができ、当該方法は、車両検知範囲の測定装置によって実行されることができ、当該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアの方式を採用して実現し、好ましくは、配置される電子機器に配置する。図1に示すように、当該方法は、具体的には、以下のようなステップを含む。
S110:路側機器の識別子に基づいて、測定される対象路側機器を決定する。
【0027】
本願の具体的な実施例では、路側機器は、路側に取り付けられ、自動運転車両の車載ユニット(On Board Unit、OBU)と通信し、路側機器によって収集された環境などの情報を自動運転車両に伝送して、自動運転車両を支援して安全に走行することを実現する。これに対応して、道路に複数の路側機器が予め取り付けられており、各路側機器は、グローバルに唯一に各路側機器を識別するための路側機器の識別子を有する。
【0028】
本実施例では、路側機器によって送信されたメッセージは、路側メッセージであり、路側メッセージには、路側機器によって感知された環境情報などの伝送されたデータコンテンツを含むことができ、路側メッセージの送信者を識別するための路側機器の識別子も含むことができる。
【0029】
本実施例では、対象路側機器は、車両検知範囲で測定される対象オブジェクトを指す。当該対象路側機器は、予め決定されたある具体的な路側機器であってもよく、測定中に、受信された路側メッセージによって決定された同じ路側機器によって識別される路側メッセージが属する路側機器であってもよい。
【0030】
例示的には、路側機器の識別子がAである路側機器を対象路側機器として予め決定することができる。現在の車両は、現在、路側機器の識別子がA、B及びCである路側機器によって送信された路側メッセージを受信することができると仮定すると、受信された路側メッセージ内の路側機器の識別子に基づいて、路側機器の識別子がA、B及びCである路側機器のすべてを対象路側機器と決定することができる。
【0031】
S120:車両が対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信したことが検出された場合、車両が路側メッセージを受信した時の車両位置情報を決定する。
【0032】
本願の具体的な実施例では、路側機器は、ブロードキャスト、ポイントツーポイントなどの伝送方式で路側メッセージの伝送を行うことができる。これに対応して、車両は、受信したメッセージをリアルタイムに検出し、受信したメッセージが路側メッセージであることが検出され、また路側メッセージ内の路側機器の識別子に基づいて当該路側メッセージが対象路側機器に属することが決定された場合、自動運転車両内の位置決めモジュールに基づいて、車両が路側メッセージを受信した時の車両位置情報を決定する。
【0033】
例示的には、対象路側機器は、5sを周期として1回の路側メッセージをブロードキャストし、車両が対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信したごとに、すべて1回の車両位置決めを行い、車両が路側メッセージを受信したごとの車両位置情報を決定する。
【0034】
S130:車両位置情報に基づいて、車両の走行する車道で対象路側機器に対する検知範囲を決定する。
【0035】
本願の具体的な実施例では、車両は、異なる車道で、同一の路側機器に対する検知範囲において差異が存在する可能性があるため、本実施例では、検知範囲を具体的な車道に限定して、検知範囲測定の精度を向上させる。具体的には、車両が同一の車道で走行して通過する場合、車両が対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する受信能力は、開始及び終了があるため、これに対応して、本実施例では、車両が対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信した時の車両位置情報に基づいて、車両の走行する車道における対象路側機器に対する検知範囲を決定する。
【0036】
例示的には、車両が対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信した時の位置決めと、対象路側機器との間距離の変化と、車道の走行方向とに基づいて、又は車両が対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信した時の受信時間に基づいて、車両の対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定し、当該最初の受信位置と最後の受信位置とは、車両が対象路側機器によって送信された路側メッセージの受信能力の開始及び終了であり、当該最初の受信位置と最後の受信位置とを境界として、車両の対象車道で対象路側機器に対する検知範囲を決定する。
【0037】
本実施例では、対象路側機器に対する車両の検知範囲を測定した後、リアルタイムに検知された対象路側機器の車両に対する作用範囲を、過去に検知された作用範囲と比較して、当該検知範囲に検知範囲が縮小されるなどの変化が発生していることが検出された場合、車両に対する対象路側機器の支援能力が低下したことを示し、車両警告提示を速やかに行い、車両が自身への対象路側機器の作用範囲の変化を知るようにして、自動運転測定を修正し、自動運転車両の安全性を向上させることができる。
【0038】
本実施例の技術案では、V2Iシーンにおいて、受信された路側メッセージについて、路側機器の識別子に基づいて各路側メッセージが属する路側機器を区分し、車両が路側メッセージを受信した時の車両位置情報をリアルタイムに記録することによって、車両位置情報に基づいて車両の特定の路側機器に対する検知範囲を決定する。従来の自動運転車両が受動的に路側メッセージを受信する方式を、路側機器の作用範囲をアクティブに検知することに変換することを実現することによって、瞬間的に変化できる検知範囲に対する無視を回避し、特定の道路セグメントで自動運転車両が信頼的に運行するために根拠を提供することによって、自動運転車両の安全性を向上させる。
【0039】
第2の実施例
図2は、本願の第2の実施例に係る車両検知範囲の測定方法のフローチャートである。本実施例は、上記の第1の実施例に基づいて、検知範囲の測定をさらに説明し、車両の対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とに基づいて、対象路側機器に対する車両の検知範囲を決定することができる。図2に示すように、当該方法は、具体的には、以下のようなステップを含む。
S210:路側機器の識別子に基づいて、測定される対象路側機器を決定する。
【0040】
S220:車両が対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信したことが検出された場合、車両が路側メッセージを受信した時の車両位置情報を決定する。
【0041】
S230:車両位置情報に基づいて、車両が走行する対象車道と、車両が対象車道で走行する時に、対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定する。
【0042】
本願の具体的な実施例では、各車道は、地図に予め計画されて統計されているため、車両位置情報と、地図における各車道の位置とに基づいて、車両が現在走行している対象車道を決定することができる。さらに、車両の対象車道における位置決め情報に基づいて、車両の対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定することができる。なお、最初の受信位置は、車両が対象車道で、対象路側機器によって送信された路側メッセージを最初に受信した時の位置情報を指し、最後の受信位置は、車両が対象車道で、対象路側機器によって送信された路側メッセージを最後に受信した時の位置情報を指す。対象車道での最初の受信位置と最後の受信位置とは、現在の対象路側機器に対する車両の検知範囲を限定する。
【0043】
選択可能に、車両位置情報と対象路側機器の位置情報とに基づいて、対象車道で車両と対象路側機器との間のリアルタイム距離を決定し、リアルタイム距離の変化と対象車道での走行方向とに基づいて、対象車道で、車両の対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定する。
【0044】
本実施例では、路側機器の道路での取り付け位置は固定されており、路側機器の位置情報を予め決定することができる。これに対応して、路側メッセージには、路側機器の位置情報をさらに含むことができ、又は、路側機器の識別子と路側機器の位置情報との間の関連関係を予め構築することができ、当該関連関係を車両側又はクラウド側に予め記憶して、車両が検知範囲を測定する時に路側機器の識別子に基づいて取得して使用する。
【0045】
本実施例では、対象路側機器を基準点として、車両が対象路側機器の路側メッセージを受信する時の位置情報に基づいて、車両が路側メッセージを受信したごとに対象路側機器との間のリアルタイム距離を決定することができる。車両が対象道路で走行状態にあり、また車両が定期的に対象路側機器の路側メッセージを受信するため、車両が路側メッセージを受信したごとに、対象路側機器との間のリアルタイム距離には、変化が発生する。さらに、リアルタイム距離の変化と対象車道での走行方向とに基づいて、対象車道で、車両の対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定することができる。
【0046】
例示的には、車両が対象車道での走行方向に沿って走行する時に、リアルタイム距離が小さくなっている場合、車両が対象路側機器に近づいていることを示し、車両が対象車道で対象路側機器の路側メッセージを初めて受信した時の車両位置情報は、最初の受信位置である。リアルタイム距離が多くなっている場合、車両が対象路側機器から離れて走行することを示し、車両が走行中に最後の受信位置を通過し、さらに車両が対象車道で対象路側機器の路側メッセージを最後に受信した時の車両位置情報を最後の受信位置として決定する。
【0047】
選択可能に、車両が対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信した受信時間に基づいて、車両が対象車道で走行する時に、対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定する。
【0048】
本実施例では、路側メッセージを受信した時に、路側メッセージの受信時間を記録することもできる。車両が対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信した受信時間を順番に羅列することによって、今回の対象車道で走行中に、対象路側機器の路側メッセージを初めて受信した時の車両位置情報決定を最初の受信位置として決定し、対象路側機器の路側メッセージを最後に受信した時の車両位置情報を最後の受信位置として決定する。
【0049】
S240:最初の受信位置と最後の受信位置とに基づいて、車両の対象車道で対象路側機器に対する検知範囲を決定する。
【0050】
本願の具体的な実施例では、車両が対象車道で走行する時に、対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを、それぞれ、車両の対象車道で対象路側機器に対する検知範囲の始末境界として決定し、最初の受信位置と最後の受信位置とを境界とし、車両の対象車道で対象路側機器に対する検知範囲を決定する。その中、検知範囲は、座標などの位置情報で表すことができる。例えば、対象車道において、位置座標Aから位置座標Bまでの間の範囲は検知範囲であり、距離情報で表すこともでき、例えば、対象車道が対象路側機器から離れて走行する道路セグメントにおいて、対象路側機器から100メートルの範囲は検知範囲である。
【0051】
選択可能に、対象車道で対象路側機器を境界点として、対象車道を二つのサブ道路セグメントに分割し、最初の受信位置と対象路側機器の位置情報とに基づいて、車両の最初の受信位置が位置するサブ道路セグメントで対象路側機器に対する検知距離を決定し、最後の受信位置と対象路側機器の位置情報とに基づいて、車両の最後の受信位置が位置するサブ道路セグメントで対象路側機器に対する検知距離を決定する。
【0052】
本実施例では、検知範囲の測定精度を向上させるために、対象路側機器に基づいて、通常、自身を中心として外部に路側メッセージを伝送するため、車両の対象車道で対象路側機器に対する検知範囲を測定する場合、対象路側機器を境界点とし、対象車道を二つのサブ道路セグメントに分割することができ、すなわち一つのサブ道路セグメントは、対象路側機器に近づく第1の道路セグメントであり、もう一つのサブ道路セグメントは、対象路側機器から離れて走行する第2の道路セグメントである。これに対応して、最初の受信位置は、必ず第1の道路セグメントに位置し、最後の受信位置、必ず第2の道路セグメントに位置する。これにより、最初の受信位置と対象路側機器の位置情報との間の範囲を、車両の第1の道路セグメントで対象路側機器に対する検知範囲と決定するか、又は、最初の受信位置から対象車道に沿って対象路側機器の位置までの距離を、車両の第1の道路セグメントで対象路側機器に対する検知距離と決定し、最後の受信位置と対象路側機器の位置情報との間の範囲を、車両の第2の道路セグメントで対象路側機器に対する検知範囲と決定するか、又は、対象路側機器の位置から対象車道に沿って最後の受信位置までの距離を、車両の第2の道路セグメントで対象路側機器に対する検知距離と決定する。
【0053】
例示的には、図3は、検知範囲決定の概略図である。図3に示すように、車両位置情報に基づいて、車道Aを対象車道と決定する。対象車道において、車両が対象RSUの路側メッセージを初めて受信した時の最初の受信位置はS1であり、車両が対象RSUの路側メッセージを最後に受信した時の最後の受信位置はS2であると仮定すると、車両の対象車道における対象RSUに対する検知範囲は、位置S1~位置S2であると決定することができる。その中、対象RSUの位置はS0であり、対象RSUを境界点として対象車道を第1の道路セグメントと第2の道路セグメントとに分割すると仮定する。車両の第1の道路セグメントで対象RSUに対する検知範囲は、位置S0~位置S1であり、第2の道路セグメントで対象RSUに対する検知範囲は、位置S0~位置S2であると決定することができる。又は、車両の第1の道路セグメントで対象RSUに対する検知距離は|S1-S0|であり、及び第2の道路セグメントで対象RSUに対する検知距離は|S2-S0|である。
【0054】
選択可能に、道路ネットワークトポロジー構造に基づいて対象車道に少なくとも一つの交差点が存在することが検出された場合、少なくとも一つの交差点を境界点とし、対象車道を少なくとも二つのサブ道路セグメントに分割し、車両位置情報に基づいて、車両の対象車道の各サブ道路セグメントで対象路側機器に対する検知範囲を決定する。
【0055】
本実施例では、検知範囲の測定精度を向上させるために、対象車道に少なくとも一つの交差点が存在する場合、交差点を境界点とする各サブ道路セグメントにおいて、対象路側機器に対する車両の検知範囲を決定することもできる。
【0056】
例示的には、図4は、検知範囲決定のもう一つの概略図である。図4に示すように、車両位置情報に基づいて、車道Aを対象車道と決定する。対象車道において、車両が対象RSUの路側メッセージを初めて受信した時の最初の受信位置はS1であり、車両が対象RSUの路側メッセージを最後に受信した時の最後の受信位置はS2であると仮定する。車両の対象車道における対象RSUに対する検知範囲は、位置S1~位置S2であると決定することができる。その中、対象車道上に交差点が存在し、また交差点位置をS0であると仮定する場合、交差点を境界点として対象車道を第1の道路セグメントと第2の道路セグメントとに分割する。車両の第1の道路セグメントで対象RSUに対する検知範囲は、位置S0~位置S1であり、第2の道路セグメントで対象RSUに対する検知範囲は、位置S0~位置S2であると決定することができる。
【0057】
S250:車両の対象車道で対象路側機器に対する検知範囲が変化されていると検出された場合、警告提示を行う。
【0058】
本願の具体的な実施例では、対象路側機器に対する車両の検知範囲を測定した後、リアルタイムに検知された対象路側機器の車両に対する作用範囲を、過去に検知された作用範囲と比較して、当該検知範囲に検知範囲が縮小されるなどの変化が発生していることが検出された場合、車両に対する対象路側機器の支援能力が低下したことを示し、車両警告提示を速やかに行うことができ、車両が自身への対象路側機器の作用範囲の変化を知るようにして、自動運転測定を修正し、自動運転車両の安全性を向上させることができる。
【0059】
本実施例の技術案では、V2Iシーンにおいて、受信された路側メッセージについて、路側機器の識別子に基づいて各路側メッセージが属する路側機器を区分し、車両が路側メッセージを受信した時の車両位置情報をリアルタイムに記録し、車両が走行する対象車道と、車両が対象車道で走行する時に、対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定することによって、最初の受信位置と最後の受信位置とに基づいて車両の特定の路側機器に対する検知範囲を決定する。従来の自動運転車両が受動的に路側メッセージを受信する方式を、路側機器の作用範囲をアクティブに検知することに変換することを実現することによって、瞬間的に変化できる検知範囲に対する無視を回避し、特定の道路セグメントで自動運転車両が信頼的に運行するために根拠を提供することによって、自動運転車両の安全性を向上させる。
【0060】
第3の実施例
図5は、本願の第3の実施例に係る車両検知範囲の測定装置の概略構成図である。本実施例は、車両が路側機器に対する検知範囲を測定する場合に適用されることができ、当該装置は、本願の任意の実施例に記載の車両検知範囲の測定方法を実現することができる。当該装置500は、具体的には、路側機器の識別子に基づいて、測定される対象路側機器を決定するために用いられる路側機器決定モジュール510と、車両が前記対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信したことが検出された場合、前記車両が前記路側メッセージを受信した時の車両位置情報を決定するために用いられる車両位置決めモジュール520と、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するために用いられる検知範囲測定モジュール530と、を備える。
【0061】
選択可能に、前記検知範囲測定モジュール530は、具体的には、前記車両位置情報に基づいて、前記車両が走行する対象車道と、前記車両が前記対象車道で走行する時に、前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定し、前記最初の受信位置と前記最後の受信位置とに基づいて、前記車両の前記対象車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するために用いられる。
【0062】
選択可能に、前記検知範囲測定モジュール530は、具体的には、前記車両位置情報と前記対象路側機器の位置情報とに基づいて、前記対象車道で前記車両と前記対象路側機器との間のリアルタイム距離を決定し、前記リアルタイム距離の変化と前記対象車道での走行方向とに基づいて、前記対象車道で、前記車両の前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するために用いられる。
【0063】
選択可能に、前記検知範囲測定モジュール530は、具体的には、前記車両が前記対象路側機器によって送信された路側メッセージを受信した受信時間に基づいて、前記車両が前記対象車道で走行する時に、前記対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定するために用いられる。
【0064】
選択可能に、前記検知範囲測定モジュール530は、具体的には、前記対象車道で前記対象路側機器を境界点として、前記対象車道を二つのサブ道路セグメントに分割し、前記最初の受信位置と前記対象路側機器の位置情報とに基づいて、前記車両の前記最初の受信位置が位置するサブ道路セグメントで前記対象路側機器に対する検知距離を決定し、前記最後の受信位置と前記対象路側機器の位置情報とに基づいて、前記車両の前記最後の受信位置が位置するサブ道路セグメントで前記対象路側機器に対する検知距離を決定するために用いられる。
【0065】
選択可能に、前記検知範囲測定モジュール530は、具体的には、道路ネットワークトポロジー構造に基づいて前記対象車道に少なくとも一つの交差点が存在することが検出された場合、前記少なくとも一つの交差点を境界点とし、前記対象車道を少なくとも二つのサブ道路セグメントに分割し、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の前記対象車道の各サブ道路セグメントで前記対象路側機器に対する検知範囲を決定するために用いられる。
【0066】
さらに、前記装置は、警告モジュール540をさらに備え、具体的に、警告モジュール540は、前記車両位置情報に基づいて、前記車両の走行する車道で前記対象路側機器に対する検知範囲を決定した後、前記車両の前記対象車道で前記対象路側機器に対する検知範囲が変化されていると検出された場合、警告提示を行うために用いられる。
【0067】
本実施例の技術案では、各機能モジュール間の相互の配合によって、対象路側機器の決定、路側メッセージの受信、路側機器の識別子の識別、車両の位置決め、検知範囲の決定及び警告などの機能を実現する。従来の自動運転車両が受動的に路側メッセージを受信する方式を、路側機器の作用範囲をアクティブに検知することに変換することを実現することによって、瞬間的に変化できる検知範囲に対する無視を回避し、特定の道路セグメントで自動運転車両が信頼的に運行するために根拠を提供することによって、自動運転車両の安全性を向上させる。
【0068】
第4の実施例
本願の実施例に基づいて、本願は、電子機器及び読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0069】
図6に示すように、それは本願の実施例に係る車両検知範囲の測定方法の電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、大型コンピュータ、及び他の適切なコンピュータなどの様々な形式のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。電子機器は、パーソナルデジタル処理、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、他の同様のコンピューティングデバイスなどの様々な形式のモバイルデバイスを表すこともできる。本明細書で示されるコンポーネント、それらの接続と関係、及びそれらの機能は単なる例であり、本明細書の説明及び/又は要求される本願の実現を制限することを意図したものではない。
【0070】
図6に示すように、当該電子機器は、一つ又は複数のプロセッサ601と、メモリ602と、高速インターフェースと低速インターフェースを含む各コンポーネントを接続するためのインターフェースと、を備える。各コンポーネントは、異なるバスで相互に接続され、共通のマザーボードに取り付けられるか、又は必要に応じて他の方式で取り付けることができる。プロセッサは、外部入力/出力装置(インターフェースに結合されたディスプレイデバイスなど)にグラフィカルユーザインタフェース(Graphical User Interface、GUI)の図形情報をディスプレイするためにメモリに記憶されている命令を含む、電子機器内に実行される命令を処理することができる。他の実施方式では、必要であれば、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを、複数のメモリとともに使用することができる。同様に、複数の電子機器を接続することができ、各機器は、例えば、サーバアレイ、ブレードサーバ、又はマルチプロセッサシステムなどの部分的な必要な操作を提供することができる。図6では、一つのプロセッサ601を例とする。
【0071】
メモリ602は、本願により提供される非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。その中、前記メモリには、少なくとも一つのプロセッサによって実行される命令を記憶して、前記少なくとも一つのプロセッサが本願により提供される車両検知範囲の測定方法を実行することができるようにする。本願の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータが本願により提供される車両検知範囲の測定方法を実行するためのコンピュータ命令を記憶する。
【0072】
メモリ602は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、本願の実施例における車両検知範囲の測定方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、図5に示す路側機器決定モジュール510、車両位置決めモジュール520、検知範囲測定モジュール530、及び警告モジュール540)ように、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを記憶するために用いられる。プロセッサ601は、メモリ602に記憶されている非一時的なソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することによって、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち上記の方法の実施例における車両検知範囲の測定方法を実現する。
【0073】
メモリ602は、ストレージプログラム領域とストレージデータ領域とを含むことができる。ストレージプログラム領域は、オペレーティングシステム、少なくとも一つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、ストレージデータ領域は、車両検知範囲の測定方法の電子機器の使用によって作成されたデータなどを記憶することができる。また、メモリ402は、高速ランダム存取メモリを含むことができ、非一時的なメモリをさらに含むことができ、例えば、少なくとも一つのディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的なソリッドステートストレージデバイスである。いくつかの実施例では、メモリ602は、プロセッサ601に対して遠隔に設置されたメモリを含むことができ、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介して車両検知範囲の測定方法の電子機器に接続されることができる。上記のネットワークの例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びその組み合わせを含むが、これらに限定しない。
【0074】
車両検知範囲の測定方法の電子機器は、入力装置603と出力装置604とをさらに備えることができる。プロセッサ601と、メモリ602と、入力装置603と、出力装置604とは、バス又は他の方式を介して接続することができ、図6では、バスを介して接続することを例とする。
【0075】
入力装置603は、入力された数字又は文字情報を受信することができ、及び車両検知範囲の測定方法の電子機器のユーザ設置及び機能制御に関するキー信号入力を生成することができる。例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、指示杆、一つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置604は、ディスプレイデバイス、補助照明デバイス、及び触覚フィードバックデバイスなどを含むことができ、補助照明デバイスは、発光ダイオード(Liquid Cr7stal Displa7、LED)などであり、触覚フィードバックデバイスは、振動モータなどである。当該ディスプレイデバイスは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、LEDディスプレイ、及びプラズマディスプレイを含むことができるが、これらに限定しない。いくつかの実施方式では、ディスプレイデバイスは、タッチスクリーンであってもよい。
【0076】
本明細書で説明されるシステムと技術の様々な実施方式は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施方式は、一つ又は複数のコンピュータプログラムで実施されることを含むことができ、当該一つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも一つのプログラマブルプロセッサを含むプログラム可能なシステムで実行及び/又は解釈されることができ、当該プログラマブルプロセッサは、特定用途向け又は汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、ストレージシステム、少なくとも一つの入力装置、及び少なくとも一つの出力装置からデータ及び命令を受信し、データ及び命令を当該ストレージシステム、当該少なくとも一つの入力装置、及び当該少なくとも一つの出力装置に伝送することができる。
【0077】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとも呼ばれるこれらのコンピューティングプログラムは、プログラマブルプロセッサの機械命令、高レベルのプロセス及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語でこれらのコンピューティングプログラムを実施することを含む。本明細書に使用されるように、用語「機械読み取り可能な媒体」及び「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置、例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device、PLD)を指し、機械読み取り可能な信号である機械命令を受信する機械読み取り可能な媒体を含む。用語「機械読み取り可能な信号」は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を指す。
【0078】
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータ上でここで説明されているシステム及び技術を実施することができ、当該コンピュータは、陰極線管(Cathode Ray Tube、CRT)又はLCDモニタなどのユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置と、マウス又はトラックボールなどのキーボード及びポインティングデバイスとを有し、ユーザは、当該キーボード及び当該ポインティングデバイスによって入力をコンピュータに提供することができる。他の種類の装置は、ユーザとのインタラクションを提供するために用いられることもでき、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックなどの任意の形式のセンシングフィードバックであってもよく、音響入力と、音声入力と、触覚入力とを含む任意の形式でユーザからの入力を受信することができる。
【0079】
ここで説明されるシステム及び技術は、データサーバとするなどのバックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステムで実施することができ、又はアプリケーションサーバーなどのミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステムで実施することができ、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステムで実施することができ、例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、当該グラフィカルユーザインタフェース又は当該ウェブブラウザによってここで説明されるシステム及び技術の実施方式とインタラクションし、又はこのようなバックエンドコンポーネントと、ミドルウェアコンポーネントと、フロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実施することができる。通信ネットワークなどの任意の形式又は媒体のデジタルデータ通信によってシステムのコンポーネントを相互に接続されることができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)と、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network、WAN)と、インターネットとを含む。
【0080】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含むことができる。クライアントとサーバは、一般に、互いに離れており、通常に通信ネットワークを介してインタラクションする。対応するコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによってクライアントとサーバとの関係が生成される。
【0081】
本願の実施例の技術案によれば、従来の自動運転車両が受動的に路側メッセージを受信する方式を、路側機器の作用範囲をアクティブに検知することに変換することを実現することによって、瞬間的に変化できる検知範囲に対する無視を回避し、特定の道路セグメントで自動運転車両が信頼的に運行するために根拠を提供することによって、自動運転車両の安全性を向上させる。
【0082】
また、上記の出願の一つの実施例は、車両の対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを検出することによって、車両の対象路側機器の検知範囲に対する境界を決定することができ、車両の各車道における検知範囲を決定することが容易になる利点又は有益な効果を有する。
【0083】
また、上記の出願の一つの実施例は、車両が路側メッセージを受信する時に対象路側機器との間のリアルタイム距離と、車道の走行方向とに基づいて、車両の対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定することができる利点又は有益な効果を有する。
【0084】
また、上記の出願の一つの実施例は、車両が同一の路側機器によって送信された路側メッセージを受信する受信時間に基づいて、車両の対象路側機器によって送信された路側メッセージに対する最初の受信位置と最後の受信位置とを決定することができる利点又は有益な効果を有する。
【0085】
また、上記の出願の一つの実施例は、対象路側機器を境界線とすることによって、車両の対象車道の各道路セグメントで対象路側機器に対する検知範囲を決定し、検知範囲決定の精度を向上させることができる利点又は有益な効果を有する。
【0086】
また、上記の出願の一つの実施例は、交差点を境界線とすることによって、車両の対象車道の各道路セグメントで対象路側機器に対する検知範囲を決定し、検知範囲決定の精度を向上させることができる利点又は有益な効果を有する。
【0087】
また、上記の出願の一つの実施例は、測定された検知範囲に基づいて、車両の対象車道で対象路側機器に対する検知範囲が変化されていると検出された場合、特定の道路セグメントで自動運転車両が信頼的に運行するのに警告を提供し、車両の運転の安全性を向上させる利点又は有益な効果を有する。
【0088】
上記に示される様々な形式のフローを使用して、ステップを並べ替え、追加、又は削除することができることを理解されたい。例えば、本願に記載されている各ステップは、並列に実行されてもよいし、順次的に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよいが、本願で開示されている技術案が所望の結果を実現することができれば、本明細書では限定されない。
【0089】
上記の具体的な実施方式は、本願に対する保護範囲の制限を構成するものではない。当業者は、設計要求と他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、サブコンビネーション、及び代替を行うことができる。任意の本願の精神と原則内で行われる修正、同等の置換、及び改善などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6