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特許7242618超音波画像表示システム及びその制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】超音波画像表示システム及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20230313BHJP
【FI】
A61B8/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020174128
(22)【出願日】2020-10-15
(65)【公開番号】P2022065504
(43)【公開日】2022-04-27
【審査請求日】2020-11-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】船矢 晴二
(72)【発明者】
【氏名】橋本 浩
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-198856(JP,A)
【文献】国際公開第2018/047910(WO,A1)
【文献】特開2018-057697(JP,A)
【文献】特開2012-176000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブとメモリとプロセッサとユーザインタフェースとディスプレイとを備え、
前記超音波プローブは、前記プロセッサによって制御されて被検体に対して超音波の送受信を行ない、
前記メモリには、複数の画像取得工程を含むプロトコルが記憶され、
前記プロセッサは、前記メモリから前記プロトコルを読み出して前記複数の画像取得工程の各々を実行するよう構成され、該画像取得工程の各々は、前記超音波プローブによる前記超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて超音波画像のデータを取得することを含んでおり、
前記ユーザインタフェースは、前記複数の画像取得工程の各々において取得された超音波画像のデータを前記メモリに記憶するオペレーターの入力を受け付けるよう構成され、
さらに前記プロセッサは、
前記ユーザインタフェースが前記オペレーターの前記入力を受け付けると、前記複数の画像取得工程のうち、実行中の画像取得工程を示す情報を付加して前記超音波画像のデータを前記メモリに記憶し、
前記メモリに記憶された前記超音波画像のデータに基づいて、前記複数の画像取得工程において記憶された超音波画像を含む画像一覧を前記ディスプレイに表示するよう構成され、
前記画像一覧は、前記複数の画像取得工程に対応する複数の区域を定め、前記複数の画像取得工程の各々について一つの区域を有しており、
前記プロセッサは、前記メモリに前記データが記憶されている前記超音波画像を、前記複数の区域のうち、前記情報に対応する区域に表示する、超音波画像表示システムであって、
前記ユーザインタフェースは、前記プロトコルを中断するオペレーターの入力と、前記プロトコルの中断後に前記超音波プローブで得られたエコー信号に基づく超音波画像のデータの記憶を行なうオペレーターの入力をさらに受け付けるよう構成され、
前記プロセッサは、
前記ユーザインタフェースが、前記プロトコルを中断する入力を受け付けると、前記プロトコルを中断し、
前記ユーザインタフェースが、前記プロトコルの中断後に得られた超音波画像のデータを記憶する入力を受け付けると、前記プロトコルの中断直前の画像取得工程を示す情報を付加して前記超音波画像のデータを前記メモリに記憶し、
前記プロトコルの中断直前の画像取得工程を示す情報に対応する区域に、前記プロトコルの中断後に記憶された前記超音波画像のデータに基づく超音波画像を表示する、超音波画像表示システム。
【請求項2】
記プロトコルの中断直前の画像取得工程を示す情報に対応する区域に前記プロトコルの中断直前に記憶された超音波画像のデータに基づく超音波画像を表示する、請求項1に記載の超音波画像表示システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、さらに、
前記メモリから前記超音波画像のデータを読み出し、
該超音波画像のデータに対して変更を加えて変更後の超音波画像のデータを作成し、
変更前の前記超音波画像のデータに対して付加された画像取得工程を示す情報と同じ画像取得工程を示す情報を付加して前記変更後の超音波画像のデータを前記メモリに記憶し、
変更前の前記超音波画像のデータに対して付加された前記情報に対応する区域に、前記変更後に記憶された超音波画像のデータ又は前記変更前の超音波画像のデータのいずれかに基づく超音波画像を表示する、請求項1又は2に記載の超音波画像表示システム。
【請求項4】
前記ユーザインタフェースは、前記プロトコルの終了後に、前記画像一覧において、前記複数の区域のうちいずれかの区域を選択するオペレーターの入力をさらに受け付け、
前記プロセッサは、さらに、前記ユーザインタフェースにおいて選択された前記区域に対応する画像取得工程を示す情報を付加して、前記プロトコルの終了後に前記超音波プローブで得られたエコー信号に基づく超音波画像のデータを前記メモリに記憶する、請求項1~3のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、同じ画像取得工程を示す情報を有する複数の超音波画像のデータが前記メモリに記憶されている場合、前記画像一覧において、代表の一つの超音波画像を前記区域に表示し、なおかつ同じ画像取得工程を示す情報を有する複数の超音波画像のデータが前記メモリに記憶されていることを示すインジケータを前記区域に表示する、請求項1~4のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム。
【請求項6】
前記区域は枠を有し、
前記インジケータは、同じ画像取得工程を示す情報を有する複数の超音波画像のデータが前記メモリに記憶されていることを示す色で表示された前記枠、及び前記同じ画像取得工程を示す情報を有する超音波画像の数を示すアイコンの少なくとも一方である、請求項1~5のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、同じ画像取得工程を示す情報を有する複数の超音波画像のデータのうち、一つの超音波画像のデータに画像取得工程以外の情報が付加されている場合、該情報と同じ情報を他の超音波画像のデータにも付加する、請求項1~6のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム。
【請求項8】
前記メモリは、不揮発性の記憶媒体である、請求項1~7のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム。
【請求項9】
前記超音波画像表示システムは、超音波画像表示装置で構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム。
【請求項10】
前記超音波画像システムは、ネットワークを介して接続された超音波画像表示装置及びサーバを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム。
【請求項11】
超音波プローブとメモリとプロセッサとユーザインタフェースとディスプレイとを備える超音波画像表示システムの制御プログラムであって、
前記超音波プローブは、前記プロセッサによって制御されて被検体に対して超音波の送受信を行なうよう構成され、
前記メモリには、複数の画像取得工程を含むプロトコルが記憶され、
前記制御プログラムは、前記プロセッサに、前記メモリから前記プロトコルを読み出して前記複数の画像取得工程の各々を実行するよう構成され、該画像取得工程の各々は、前記超音波プローブによる前記超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて超音波画像のデータを取得することを実行させるよう構成され、
前記ユーザインタフェースは、前記複数の画像取得工程の各々において取得された超音波画像のデータを前記メモリに記憶するオペレーターの入力を受け付けるよう構成され、
さらに前記制御プログラムは、前記プロセッサに、
前記ユーザインタフェースが前記オペレーターの前記入力を受け付けると、前記複数の画像取得工程のうち、実行中の画像取得工程を示す情報を付加して前記超音波画像のデータを前記メモリに記憶し、
前記メモリに記憶された前記超音波画像のデータに基づいて、前記複数の画像取得工程において記憶された超音波画像を含む画像一覧を前記ディスプレイに表示するよう構成され、
前記画像一覧は、前記複数の画像取得工程に対応する複数の区域を定め、前記複数の画像取得工程の各々について一つの区域を有しており、
前記プロセッサは、前記メモリに前記データが記憶されている前記超音波画像を、前記複数の区域のうち、前記情報に対応する区域に表示する、ことを実行させ
前記ユーザインタフェースは、前記プロトコルを中断するオペレーターの入力と、前記プロトコルの中断後に前記超音波プローブで得られたエコー信号に基づく超音波画像のデータの記憶を行なうオペレーターの入力をさらに受け付けるよう構成され、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記ユーザインタフェースが、前記プロトコルを中断する入力を受け付けると、前記プロトコルを中断し、
前記ユーザインタフェースが、前記プロトコルの中断後に得られた超音波画像のデータを記憶する入力を受け付けると、前記プロトコルの中断直前の画像取得工程を示す情報を付加して前記超音波画像のデータを前記メモリに記憶し、
前記プロトコルの中断直前の画像取得工程を示す情報に対応する区域に、前記プロトコルの中断後に記憶された前記超音波画像のデータに基づく超音波画像を表示するように構成される、超音波画像表示システムの制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトコルで定められた複数の超音波画像の取得工程に従って超音波画像のデータを取得する超音波画像表示システム及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像表示システムの一例である超音波診断装置を用いた検査において、プロトコルで定められた複数の画像取得工程を経て複数の超音波画像を取得する場合がある(例えば、特許文献1参照)。このようにして取得された超音波画像は、診断や経過観察に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6172733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
診断や経過観察を行なう者にとって、複数の超音波画像の中から見たい画像を容易に見つけられるようになっていることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様の超音波画像表示システムにおいて、ユーザインタフェースが、複数の画像取得工程の各々において取得された超音波画像のデータをメモリに記憶するオペレーターの入力を受け付けると、プロセッサが、前記複数の画像取得工程のうち、実行中の画像取得工程を示す情報を付加して前記超音波画像のデータを前記メモリに記憶し、なおかつ複数の画像取得工程において記憶された超音波画像を含む画像一覧をディスプレイに表示する。前記画像一覧は、前記複数の画像取得工程に対応する複数の区域を定め、前記複数の画像取得工程の各々について一つの区域を有している。プロセッサは、前記情報に基づいて、前記複数の区域のうち、前記メモリに前記データが記憶されている前記超音波画像を、対応する区域に表示する。すなわち、一態様において、超音波画像表示システムは、超音波プローブとメモリとプロセッサとユーザインタフェースとディスプレイとを備える。前記超音波プローブは、前記プロセッサによって制御されて被検体に対して超音波の送受信を行ない、前記メモリには、複数の画像取得工程を含むプロトコルが記憶されている。前記プロセッサは、該メモリから前記プロトコルを読み出して前記複数の画像取得工程の各々を実行するよう構成され、該画像取得工程の各々は、前記超音波プローブによる前記超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて超音波画像のデータを取得することを含んでおり、前記ユーザインタフェースは、前記複数の画像取得工程の各々において取得された超音波画像のデータを前記メモリに記憶するオペレーターの入力を受け付けるよう構成される。さらに前記プロセッサは、前記ユーザインタフェースが前記オペレーターの前記入力を受け付けると、前記複数の画像取得工程のうち、実行中の画像取得工程を示す情報を付加して前記超音波画像のデータを前記メモリに記憶し、前記メモリに記憶された前記超音波画像のデータに基づいて、前記複数の画像取得工程において記憶された超音波画像を含む画像一覧を前記ディスプレイに表示するよう構成され、前記画像一覧は、前記複数の画像取得工程に対応する複数の区域を定め、前記複数の画像取得工程の各々について一つの区域を有しており、前記プロセッサは、前記メモリに前記データが記憶されている前記超音波画像を、前記複数の区域のうち、前記情報に対応する区域に表示する。
【発明の効果】
【0006】
上記態様における超音波画像表示システムによれば、前記画像一覧は、前記複数の画像取得工程に対応する複数の区域を定め、前記複数の画像取得工程の各々について一つの区域を有している。前記プロセッサは、前記複数の区域のうち、メモリにデータが記憶されている前記超音波画像を、対応する区域に表示することにより、複数の画像取得工程の各々で取得され記憶された超音波画像の各々が、画像一覧において、常に同じ位置関係で表示される。従って、複数の超音波画像の中から見たい画像を容易に見つけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態による超音波画像表示システムの一例である超音波画像表示装置を示すブロック図である。
図2】実施形態による処理の一例を示すフローチャートである。
図3】実施形態による画像一覧の一例を示す図である。
図4】画像一覧において、インジケータが表示された区域の拡大図である。
図5】画像一覧において区域が選択された後に、ディスプレイに表示される複数の超音波画像の一例を示す図である。
図6】超音波画像表示システムの他例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、超音波画像表示システムが超音波画像表示装置で構成される場合について説明する。超音波画像表示装置は、例えば超音波診断装置である。
【0009】
図1に示す超音波画像表示装置1は、超音波プローブ2、送信ビームフォーマ3及び送信機4を含む。超音波プローブ2は、被検体に対して超音波スキャンを実行して超音波のエコーを受信する。より具体的には、超音波プローブ2は、パルス超音波を被検体(図示せず)に放射する複数の振動素子2aを有する。複数の振動素子2aは、送信ビームフォーマ3および送信機4によってドライブされパルス超音波を放射する。
【0010】
超音波画像表示装置1は、さらに受信機5及び受信ビームフォーマ6を含む。振動素子2aから放射されたパルス超音波は、被検体内において反射して振動素子2aに戻るエコーを生成する。エコーは、振動素子2aによって電気信号に変換されてエコー信号となり、受信機5に入力される。エコー信号は、受信機5において所要のゲインによる増幅等が行なわれた後に受信ビームフォーマ6に入力され、この受信ビームフォーマ6において受信ビームフォーミングが行われる。受信ビームフォーマ6は、受信ビームフォーミング後の超音波データを出力する。
【0011】
受信ビームフォーマ6は、ハードウェアビームフォーマであってもソフトウェアビームフォーマであってもよい。受信ビームフォーマ6がソフトウェアビームフォーマである場合、受信ビームフォーマ6は、グラフィックス処理ユニット(GPU)、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または論理演算を実行することができる他の種類のプロセッサのうちの任意の1つまたは複数を含む1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。受信ビームフォーマ6を構成するプロセッサは、後述のプロセッサ7とは別のプロセッサで構成されていてもよいし、プロセッサ7で構成されていてもよい。
【0012】
超音波プローブ2は、送信ビームフォーミングおよび/または受信ビームフォーミングの全部または一部を行うための電気回路を含むことができる。例えば、送信ビームフォーマ3、送信機4、受信機5、および受信ビームフォーマ6の全部または一部は、超音波プローブ2内に設けられていてもよい。
【0013】
超音波画像表示装置1は、送信ビームフォーマ3、送信機4、受信機5、および受信ビームフォーマ6を制御するためのプロセッサ7も含む。さらに、超音波画像表示装置1は、ディスプレイ8、メモリ9及びユーザインタフェース10を含む。
【0014】
プロセッサ7は、超音波プローブ2と電子通信している。プロセッサ7は、超音波プローブ2を制御して超音波データを取得することができる。プロセッサ7は、振動素子2aのどれがアクティブであるか、および超音波プローブ2から送信される超音波ビームの形状を制御する。プロセッサ7はまた、ディスプレイ8とも電子通信しており、プロセッサ7は、超音波データを処理してディスプレイ8上に表示するための超音波画像にすることができる。「電子通信」という用語は、有線通信と無線通信の両方を含むように定義することができる。プロセッサ7は、一実施形態によれば中央処理装置(CPU)を含むことができる。他の実施形態によれば、プロセッサ7は、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、または他のタイプのプロセッサなど、処理機能を実行することができる他の電子構成要素を含むことができる。他の実施形態によれば、プロセッサ7は、処理機能を実行することができる複数の電子構成要素を含むことができる。例えばプロセッサ7は、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、およびグラフィックスプロセッシングユニットを含む電子構成要素のリストから選択された2つ以上の電子構成要素を含むことができる。
【0015】
プロセッサ7は、RFデータを復調する複合復調器(図示せず)を含むこともできる。別の実施形態では、処理チェーンの早いうちに復調を実行することができる。
【0016】
プロセッサ7は、複数の選択可能な超音波モダリティに従った1つまたは複数の処理動作をデータに行うように構成されている。エコー信号が受信されるとき、データは走査セッション中にリアルタイムで処理することができる。この開示のために、「リアルタイム」という用語は、いかなる意図的な遅延もなく行われる手順を含むように定義される。
【0017】
また、データは、超音波の走査中に一時的にバッファ(図示せず)に格納し、ライブ操作またはオフライン操作でリアルタイムではなく処理することができる。この開示において、「データ」という用語は、本開示においては、超音波画像表示装置を用いて取得される1つまたは複数のデータセットを指すように使用することができる。
【0018】
超音波データは、プロセッサ7によって他のまたは異なるモード関連モジュール(例えば、Bモード、カラードップラ、Mモード、カラーMモード、スペクトルドップラ、造影モード、エラストグラフィ、TVI、歪み、歪み速度、など)で処理して超音波画像のデータを作ることができる。例えば、1つまたは複数のモジュールが、Bモード、カラードップラ、Mモード、カラーMモード、スペクトルドップラ、造影モード、エラストグラフィ、TVI、歪み、歪み速度、およびそれらの組合せ、などの超音波画像を生成することができる。
【0019】
画像ビームおよび/または画像フレームは保存され、データがメモリに取得された時を示すタイミング情報を記録することができる。前記モジュールは、例えば、画像フレームを座標ビーム空間から表示空間座標に変換するために走査変換演算を実行する走査変換モジュールを含むことができる。被検体に処置が実施されている間にメモリから画像フレームを読み取り、その画像フレームをリアルタイムで表示する映像プロセッサモジュールが設けられてもよい。映像プロセッサモジュールは画像フレームを画像メモリに保存することができ、超音波画像は画像メモリから読み取られディスプレイ8に表示される。
【0020】
なお、走査変換演算前の超音波データをローデータ(raw data)というものとする。また、走査変換演算後のデータを画像データというものとする。
【0021】
プロセッサ7が複数のプロセッサを含む場合、プロセッサ7が担当する上述の処理タスクを、複数のプロセッサが担当してもよい。例えば、第1のプロセッサを使用して、RF信号を復調および間引きすることができ、第2のプロセッサを使用して、データをさらに処理した後、画像を表示することができる。
【0022】
また、例えば受信ビームフォーマ6がソフトウェアビームフォーマである場合、その処理機能は、単一のプロセッサで実行されてもよいし、複数のプロセッサで実行されてもよい。
【0023】
ディスプレイ8は、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。
【0024】
メモリ9は、任意の既知のデータ記憶媒体であり、非一過性の記憶媒体及び一過性の記憶媒体を含む。非一過性の記憶媒体は、例えば、HDD(Hard Disk:ハードディスク)、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性の記憶媒体である。非一過性の記憶媒体は、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)などの可搬性の記憶媒体を含んでいてもよい。非一過性の記憶媒体には、プロセッサ7によって実行されるプログラムが記憶される。また、非一過性の記憶媒体には、後述のプロトコルや超音波画像のデータも記憶される。
【0025】
一過性の記憶媒体は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶媒体である。
【0026】
ユーザインタフェース10は、オペレーターの入力を受け付けることができる。例えば、ユーザインタフェース10は、オペレーターからの指示や情報の入力を受け付ける。ユーザインタフェース10は、キーボード(keyboard)、ハードキー(hard key)、トラックボール(trackball)、ロータリーコントロール(rotary control)及びソフトキー等を含んで構成されている。ユーザインタフェース10は、ソフトキー等を表示するタッチスクリーンを含んでいてもよい。
【0027】
次に、本例の超音波画像表示装置1における作用について説明する。以下、メモリ9に記憶されたプロトコルに従って超音波画像を取得し表示することについて、図2のフローチャートに基づいて説明する。プロトコルは、複数の画像取得工程を含んでおり、図2のフローチャートに従って各画像取得工程が実行され被検体に対する検査が行われる。各画像取得工程において、被検体の表面における超音波プローブの位置及び角度の少なくとも一方が異なっていてもよい。また、各画像取得工程において、超音波の送受信の条件が異なっていてもよく、また超音波画像のデータの作成条件が異なっていてもよい。これら超音波の送受信の条件及び超音波画像のデータの作成条件は、画像取得工程の各々についてメモリ9に記憶され、プロトコルの内容を構成する。
【0028】
複数のプロトコルがメモリ9に記憶されていてもよい。この場合、ユーザインタフェース10が、複数のプロトコルの中からいずれかを選択するオペレーターの入力を受け付けると、図2のフローチャートが開始され、検査が開始される。
【0029】
先ず、ステップS1では、プロセッサ7は、メモリ9からプロトコルを読み出して、画像取得工程を開始する。ここでは、プロトコルで定められた最初の画像取得工程が開始される。プロセッサ7は、超音波プローブ2を制御して超音波を送受信し、得られたエコー信号に基づいて超音波画像のデータを作成する。プロセッサ7は、プロトコルにおいて定められた条件で超音波の送受信と超音波画像のデータの作成を行なう。例えば、条件には、超音波画像の表示深さ(depth)、送信周波数、送信フォーカス及び受信フォーカス、ゲイン、ダイナミックレンジ、フィルタ等が含まれる。
【0030】
ステップS2では、プロセッサ7は、ステップS1で取得された超音波画像のデータをメモリ9に記憶するか否かを判定する。例えば、ユーザインタフェース10が、超音波画像のデータの記憶を指示するオペレーターの入力を受け付けた場合、プロセッサ7は超音波画像のデータをメモリ9に記憶すると判定し(ステップS2において、「YES」)、ステップS3へ処理が移行する。一方、ユーザインタフェース10が、次の画像取得工程への移行を指示するオペレーターの入力を受け付けた場合、プロセッサ7は超音波画像のデータをメモリ9に記憶しないと判定し(ステップS2において、「NO」)、ステップS6へ処理が移行する。
【0031】
ステップS3では、プロセッサ7は、複数の画像取得工程のうち、実行中の画像取得工程を示す情報SIを付加して超音波画像のデータをメモリ9に記憶する。ここでのメモリ9は、一例では不揮発性の記憶媒体である。超音波画像のデータは、一例ではDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)形式で記憶され、情報SIはDICOMヘッダに記憶される。
【0032】
情報SIは、複数の画像取得工程の各々を識別する情報であり、例えば数字であってもよい。情報SIは、超音波画像のデータに対する画像番号であってもよい。この場合、複数の画像取得工程の各々について画像番号の範囲を定めておくことにより、画像番号を複数の画像取得工程の各々を識別する情報として用いることができる。例えば、最初の画像取得工程の画像番号の範囲を、「100」~「199」までとし、2番目の画像取得工程の画像番号の範囲を、「200」~「299」までとするというように、複数の画像取得工程の各々について画像番号の範囲を定める。ただし、ここに挙げた情報SIは一例に過ぎないことは言うまでもない。
【0033】
次に、ステップS4では、プロセッサ7は、プロトコルの実行を中断するか否か判定する。この「中断」とは、一時的な中断、言い換えれば一時停止を意味している。プロセッサ7は、ユーザインタフェース10がプロトコルの実行を中断する入力を受け付けると、プロセッサ7はプロトコルの実行を中断すると判定し(ステップS4において「YES」)、ステップS5へ処理が移行する。一方、ユーザインタフェース10が次の画像取得工程への移行を指示するオペレーターの入力を受け付けると、プロトコルの実行を中断しないと判定し(ステップS4において「NO」)、ステップS6へ処理が移行する。
【0034】
ステップS5では、プロセッサ7は、超音波プローブ2を制御して超音波を送受信し、得られたエコー信号に基づいて超音波画像のデータを作成する。ここでの超音波の送受信及び超音波画像のデータの作成は、プロトコルで定められた画像取得工程に含まれない超音波の送受信及び超音波画像の作成である。例えば、オペレーターが、プロトコルの中断前と比べて、超音波プローブ2の角度を変えて得られたエコー信号に基づく超音波画像のデータが作成されてもよい。また、中断前の超音波画像が静止画である場合、動画の超音波画像のデータが作成されてもよい。さらに、プロトコルの中断前と比べて、超音波の送受信条件や超音波画像のデータの作成条件が異なっていてもよい。
【0035】
また、ステップS5では、プロセッサ7は、ステップS5において取得された超音波画像のデータをメモリ9に記憶する。また、プロセッサ7は、プロトコルの中断直前の画像取得工程を示す情報SIを付加して超音波画像のデータを記憶する。ここでのメモリ9も、一例では不揮発性の記憶媒体である。プロセッサ7は、ユーザインタフェース10が超音波画像のデータの記憶を行なうオペレーターの入力を受け付けると、メモリ9への記憶を実行する。
【0036】
例えば、情報SIが上述のような3桁の画像番号である場合、プロセッサ7は、中断直前に記憶された超音波画像のデータに付加された情報SIの画像番号の10の位を変更した画像番号を情報SIとして付加してもよい。具体的には、中断直前に記憶された超音波画像のデータに付加された画像番号が「100」である場合、中断後に記憶される超音波画像のデータには、画像番号「110」を付加する。
【0037】
次に、ステップS6では、プロセッサ7は、プロトコルにおいて次の画像取得工程があるか否かを判定する。次の画像取得工程があると判定された場合(ステップS6において「YES」)、ステップS1へ処理が戻り、次の画像取得工程が開始される。一方、次の画像取得工程がないと判定された場合(ステップS6において「NO」)、ステップS7へ処理が移行する。
【0038】
ステップS7では、プロセッサ7は、メモリ9にアクセスし、複数の画像取得工程において記憶された超音波画像を含む画像一覧Vを、図3に示すようにディスプレイ8に表示する。ステップS7で画像一覧Vが表示された後、検査は終了する。
【0039】
なお、図3ではディスプレイ8は図示省略され、画像一覧Vのみが図示されている。
【0040】
画像一覧Vにおける超音波画像は、特定の被検体について特定のプロトコルに従って記憶された画像である。同じ被検体が同じプロトコルについて複数の検査を受けている場合、画像一覧Vは、複数の検査で得られた超音波画像を含んでいてもよい。
【0041】
画像一覧Vは、複数の画像取得工程に対応する複数の区域A1~A10を定めており、複数の画像取得工程の各々について一つの区域を有している。画像一覧Vは、ディスプレイ8に表示された時の複数の区域A1~A10の位置関係を定めている。ここでいう位置関係は、画像一覧Vの中における複数の区域A1~A10の位置や並び順である。区域やその位置関係の情報は、メモリ9に記憶される。
【0042】
この実施形態では、画像取得工程の数が10であり、この10個の画像取得工程の各々について区域A1~A10が定められている。例えば、区域A1は最初の画像取得工程についての区域であり、区域A2はその次の画像取得工程の区域であり、区域A10は最後の画像取得工程の区域である。区域A1~A5は左から順番に一列に配置されている。また、このように配置された区域A1~A5の下に、区域A6~A10が左から順番に配置されている。
【0043】
区域A1~A10は、実線又は破線で囲まれた領域である。区域A1~A10には、画像取得工程の順番を示す数字「1」~「10」が表示されている。例えば、区域A1には、最初の画像取得工程の順番を示す「1」が表示されている。
【0044】
プロセッサ7は、情報SIに基づいて、メモリ9にデータが記憶されている超音波画像を、複数の区域A1~A10のうち、情報SIに対応する区域に表示する。例えば、プロセッサ7は、区域A1には、最初の画像取得工程の情報SIが付加された超音波画像のデータに基づく超音波画像UI1を表示する。図3では、区域A2及びA6以外の区域A1、A3~A5、A7~A10に、超音波画像UI1、UI3~UI5、UI7~UI10が表示されている。区域A2及びA6には超音波画像は表示されていないが、これは区域A2及びA6に対応する2番目と6番目の画像取得工程の情報SIが付加された超音波画像のデータがメモリ9に記憶されていないことを意味する。
【0045】
画像一覧Vにおいて、超音波画像UI1、UI3~UI5、UI7~UI10が表示される区域A1、A3~A5、A7~A10は、実線で示された枠F1、F3~F5、F7~F10を有する。この枠F1、F3~F5、F7~F10で囲まれた領域は、区域A1、A3~A5、A7~A10を示す。また、超音波画像が表示されていない区域A2及びA6は、破線で示された枠F2及びF6を有している。枠F2及びF6で囲まれた領域は区域A2及びA6を示す。ただし、枠F2及びF6が表示されなくてもよい。この場合、プロセッサ7は、表示されない枠を仮想的に設定し、この枠で囲まれた領域が区域A2及びA6となる。
【0046】
プロセッサ7は、同じ画像取得工程を示す情報SIを有する複数の超音波画像のデータがメモリ9に記憶されている場合、画像一覧Vにおいて、代表の一つの超音波画像を対応する区域に表示する。例えば、プロトコルを中断した後に超音波画像のデータが取得されてメモリ9に記憶され、なおかつプロトコルを中断する直前の画像取得工程において超音波画像のデータがメモリ9に記憶されている場合、同じ画像取得工程を示す情報SIを有する複数の超音波画像のデータがメモリ9に記憶される。
【0047】
この実施形態では、4番目と7番目の画像取得工程を示す情報SIが付加された複数の超音波画像のデータがメモリ9に記憶されている。区域A4及びA7の各々には、代表の一つの超音波画像UI4及びUI7が表示される。代表の一つの超音波画像UI4及びUI7は、例えばプロトコルを中断する直前の画像取得工程において記憶されたデータに基づく超音波画像であってもよく、また中断後であって次の画像取得工程が開始される前に最後に記憶されたデータに基づく超音波画像であってもよい。表示される代表の超音波画像UI4及びUI7はオペレーターによって変更できるようになっていてもよい。
【0048】
プロセッサ7は、同じ画像取得工程を示す情報SIを有する複数の超音波画像のデータがメモリ9に記憶されていることを示すインジケータを区域A4及びA7に表示する。インジケータは、アイコンIcを含んでいる。アイコンIcは、図4にも示されるように、互いに重なって表示された複数の矩形と、同じ画像取得工程を示す情報SIが付加されてメモリ9に記憶された超音波画像の数を示す数字を含んでいる。なお、図4では、区域A4が示されている。この実施形態では、区域A4及びA7の各々に表示されたアイコンIcにおいて数字「5」及び「4」が表示されている。これは、区域A4に対応する4番目の画像取得工程を示す情報SIが付加された超音波画像が5つあり、区域A7に対応する7番目の画像取得工程を示す情報SIが付加された超音波画像が4つあることを意味する。
【0049】
また、この実施形態では、インジケータは、所要の色を有する枠F4及びF7を含んでいる。所要の色は、枠F1、F3、F5及びF8~F10とは異なる色であり、同じ画像取得工程を示す情報SIが付加された複数の超音波画像のデータがメモリ9に記憶されていることを示す。図3及び図4では、枠F4及びF7は黒で示され、枠F1、F3、F5及びF8~F10はグレーで示されているが、枠F4及びF7は黒やグレー以外の色を有していてもよい。
【0050】
ユーザインタフェース10が、区域A4及びA7を選択するオペレーターの入力を受け受けると、プロセッサ7は、選択された区域に対応する画像取得工程を示す情報SIが付加された複数の超音波画像のデータに基づく超音波画像をディスプレイ8に表示してもよい。図5には、区域A7が選択された場合に、4つの超音波画像UI7が表示された状態を示す。プロセッサ7は、画像番号に従って左から順に超音波画像を表示してもよい。
【0051】
なお、画像一覧Vは、検査終了後に表示されてもよい。すなわち、検査終了後に、プロセッサ7がメモリ9から超音波画像のデータ及び情報SIを読み出して画像一覧Vをディスプレイ8に表示してもよい。
【0052】
画像一覧Vは、画像取得工程に対応する区域A1~A10を定め、区域A1~A10に、対応する画像取得工程を示す情報SIが付加された超音波画像が表示される。上述のように、この実施形態では、2番目と6番目の画像取得工程を示す情報SIが付加された超音波画像のデータがメモリ9に記憶されておらず、画像一覧Vにおいて区域A2及びA6は空欄になる。従って、画像一覧Vは、例えば区域A2に3番目の画像取得工程で得られた超音波画像UI3を左へ詰めて表示するようにはなっていない。一方、4番目と7番目の画像取得工程を示す情報SIを有する複数の超音波画像のデータがメモリ9に記憶されているものの、区域A4及びA7には代表の一つの超音波画像UI4及びUI7のみが表示される。従って、画像一覧Vは、例えば4番目の画像取得工程を示す情報SIを有する超音波画像UI4が、区域A5~A8に表示するようになっていない。よって、複数の画像取得工程の各々において記憶された超音波画像や、プロトコルが中断され再開される前に記憶された超音波画像が、画像一覧Vにおいて、常に同じ位置関係で表示される。これにより、複数の超音波画像の中から見たい画像を容易に見つけることができる。
【0053】
例えば、プロトコルが終了して検査が終了した後において、オペレーターは、図2のフローチャートに従ってメモリ9に記憶された超音波画像のデータに対して、ユーザインタフェース10を用いて変更を加えてもよい。具体的には、プロセッサ7は、先ずメモリ9から超音波画像のデータを読み出す。次に、プロセッサ7は、超音波画像のデータに対してユーザインタフェース10が受け付けた入力に応じて変更を加えて変更後の超音波画像のデータを作成する。そして、プロセッサ7は、変更前の超音波画像のデータに対して付加された画像取得工程と同じ画像取得工程を示す情報SIを付加して変更後の超音波画像のデータをメモリ9に記憶する。超音波画像のデータに対して加える変更は、例えば超音波画像の作成条件の変更、コメントの追加及び計測などである。
【0054】
変更後の超音波画像は、代表画像として画像一覧Vに表示されてもよい。
【0055】
変更後の超音波画像のデータに対しては、変更前の超音波画像のデータに付加された情報SIの画像番号とは異なる画像番号を情報SIとして付加してもよい。例えば3桁の画像番号を付加する場合、変更前の超音波画像のデータの画像番号の1の位に1を加算した画像番号を、変更後の超音波画像のデータに付加してもよい。具体的には、変更前の超音波画像のデータに画像番号として「100」が付加されている場合、変更後の超音波画像のデータに画像番号として「101」を付加する。このように画像番号を付加することにより、画像一覧Vにおいて区域が選択された後に複数の超音波画像を画像番号に従って表示する場合、変更直前の超音波画像と変更後の超音波画像を隣同士で表示することができる。また、プロトコルの中断後に記憶された超音波画像のデータが存在しており、その画像番号が「110」である場合、変更直前の超音波画像、変更後の超音波画像、プロトコルの中断後に記憶された超音波画像の順で表示される。これにより、変更直前の超音波画像と変更後の超音波画像をなるべく近い位置で表示することができる。
【0056】
また、プロトコルが終了して検査が終了した後にディスプレイ8に表示された画像一覧Vにおいて、ユーザインタフェース10は区域A1~A10のうちいずれかの区域を選択するオペレーターの入力をさらに受け付けてもよい。そして、プロセッサ7は、ユーザインタフェース10において選択された区域に対応する画像取得工程を示す情報SIを付加して、プロトコルの終了後に超音波プローブ2で得られたエコー信号に基づく超音波画像のデータをメモリ9に記憶する。この超音波画像も、画像一覧Vにおいて代表画像として表示されてもよい。
【0057】
上述のように、プロトコルの中断後や終了後に、画像取得工程を示す情報SIを付加して記憶された超音波画像のデータは、プロトコルに含まれる画像取得工程と関連付けて記憶されることになる。例えば、オペレーターは、特定の画像取得工程において記憶された超音波画像における注目部位について、プロトコルの中断後や終了後に、超音波プローブの位置や角度を変えた超音波画像や、動画の超音波画像を取得したいことがある。このような場合、プロトコルの中断後や終了後の超音波画像のデータを、特定の画像取得工程と関連付けて記憶することにより、注目部位に関する超音波画像を1つのグループとして記憶することができる。同じ画像取得工程を示す情報SIが付加された複数の超音波画像のデータがメモリ9に記憶されている場合、画像一覧VにおいてアイコンIc等を含むインジケータが表示される。そして、このように画像一覧Vにおいてインジケータが表示され、なおかつ区域A1~A10の位置関係は、プロトコルの中断後や終了後に超音波画像のデータが記憶されても変わらないので、注目部位に関する超音波画像を容易に見つけることができる。
【0058】
本発明についてある特定の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を施してもよく、均等物に置換してもよい。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために、多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、本発明が添付の特許請求の範囲内に属するすべての実施形態を含むことになることを意図している。
【0059】
例えば、プロセッサ7は、同じ画像取得工程を示す情報SIが付加された複数の超音波画像のデータのうち、一つの超音波画像のデータに画像取得工程以外の情報が付されている場合、他の超音波画像のデータにも同じ情報を付してもよい。画像取得工程以外の情報は、一例ではコメントやボディパターンを含む。例えば、4番目の画像取得工程を示す情報SIを有する複数の超音波画像のデータのうち、代表の超音波画像UI4のコメントやボディパターン(図示省略)が、他の超音波画像のデータに付される。
【0060】
また、特定の被検体についてメモリ9に記憶されたすべての超音波画像の中からオペレーターが選択した超音波画像を一つの新たなグループとして記憶してもよい。この場合、新たなグループに含まれる超音波画像のうち、代表の一つを画像一覧Vにおける区域A10の右隣に表示してもよい。選択される超音波画像は、異なるプロトコルに従って取得された超音波画像や、プロトコルを用いずに取得された超音波画像を含んでいてもよい。
【0061】
また、実行中の画像取得工程を示す情報SIは、データベースの一部としてメモリ9に記憶されてもよい。一例では、このデータベースは、情報SI及び画像番号などの超音波画像のデータを特定する情報を関連付けて記憶するものである。データベースは、さらに画像一覧Vが定める複数の区域の位置関係を含んでいてもよい。この場合、プロセッサ7は、ステップS7において、データベースにアクセスし、画像一覧Vを表示させる。
【0062】
また、プロセッサ7は、同じ画像取得工程を示す情報SIが付加された複数の超音波画像のデータに対応する区域のみ、すなわち上記実施形態では区域A4及びA7のみを、ディスプレイ8に表示してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、超音波画像表示システムの一例として超音波画像表示装置を説明したが、図6に示すように、超音波画像表示システム100は、超音波画像表示装置1とサーバ101を含んで構成されていてもよい。
【0064】
超音波画像表示装置1とサーバ101は、ネットワーク102を介して接続されている。超音波画像表示装置1は、図1と同一の構成である。ただし、図6では、超音波画像表示装置1のプロセッサ7、ディスプレイ8、メモリ9及びユーザインタフェース10を、第1のプロセッサ7、第1のディスプレイ8、第1のメモリ9及び第1のユーザインタフェース10として説明する。超音波画像表示装置1の構成要素として、図6では第1のプロセッサ7、第1のディスプレイ8、第1のメモリ9及び第1のユーザインタフェース10のみが図示されているが、超音波画像表示装置1は、他にも超音波プローブ2等の図1に示された構成要素を有している。なお、図6では、各構成をブロックのみで示すものとする。
【0065】
サーバ101は、公知のサーバの構成要素を有し、第2のプロセッサ103、第2のディスプレイ104、第2のメモリ105及び第2のユーザインタフェース106を有している。
【0066】
超音波画像表示システム100においても、図2に示すフローチャートに沿って処理が行なわれる。ただし、処理を行なう主体等が上記実施形態と異なる。以下、上記実施形態とは異なる事項について説明する。
【0067】
ステップS2において、第1のユーザインタフェース10が、超音波画像のデータの記憶を指示するオペレーターの入力を受け付けると、ステップS3では、第1のプロセッサ7は、超音波画像のデータ及び実行中の画像取得工程を示す情報SIを、ネットワーク102を介してサーバ101へ出力する。そして、第2のプロセッサ103は、このようにして超音波画像表示装置1から入力された超音波画像のデータ及び実行中の画像取得工程を示す情報SIを第2のメモリ105に記憶する。ここでの第2のメモリ105も一例では不揮発性の記憶媒体である。情報SIを含む上述のデータベースが、第2のメモリ105に記憶されてもよい。
【0068】
なお、ステップS3において、第2のメモリ105のほか、第1のメモリ9にも、超音波画像のデータ及び実行中の画像取得工程を示す情報SIが記憶されてもよい。
【0069】
ステップS5では、第1のプロセッサ7は、このステップS5において取得された超音波画像のデータ及びプロトコルの中断直前の画像取得工程を示す情報SIを、ネットワーク102を介してサーバ101へ出力する。そして、第2のプロセッサ103は、このようにして超音波画像表示装置1から入力された超音波画像のデータ及び中断直前の画像取得工程を示す情報SIを第2のメモリ105に記憶する。ここでの第2のメモリ105も一例では不揮発性の記憶媒体である。
【0070】
なお、ステップS5において、第2のメモリ105のほか、第1のメモリ9にも、超音波画像のデータ及び中断直前の画像取得工程を示す情報SIが記憶されてもよい。
【0071】
ステップS7では、第1プロセッサ7は、第1のメモリ9にアクセスし、この第1のメモリ9に記憶された超音波画像を含む画像一覧Vを第1のディスプレイ8に表示してもよい。
【0072】
また、特に検査が終了した後に、第2のユーザインタフェース106が受け付けたオペレーターの入力に基づいて、第2のプロセッサ103が第2のメモリ105にアクセスし、この第2のメモリ105に記憶された超音波画像を含む画像一覧Vを第2のディスプレイ104に表示してもよい。
【0073】
また、第1のディスプレイ8に表示される画像一覧Vは、第2のメモリ105から読み出された超音波画像を含んでいてもよい。この場合、第2のメモリ105に記憶された超音波画像のデータ及び画像取得工程を示す情報SIがネットワーク102を介して超音波画像表示装置1へ入力される。特定の被検体について特定のプロトコルで取得された超音波画像のデータ及び特定のプロトコルにおける画像取得工程を示す情報SIのみが、ネットワーク102を介して超音波画像表示装置1へ入力されてもよい。
【0074】
また、上記実施形態は、
超音波プローブとメモリとプロセッサとユーザインタフェースとディスプレイとを備える超音波画像表示システムの制御方法であって、
前記超音波プローブは、前記プロセッサによって制御されて被検体に対して超音波の送受信を行なうよう構成され、
前記メモリには、複数の画像取得工程を含むプロトコルが記憶され、
前記プロセッサは、前記メモリから前記プロトコルを読み出して前記複数の画像取得工程の各々を実行し、該画像取得工程の各々は、前記超音波プローブによる前記超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて超音波画像のデータを取得することを実行させるよう構成され、
前記ユーザインタフェースは、前記複数の画像取得工程の各々において取得された超音波画像のデータを前記メモリに記憶するオペレーターの入力を受け付けるよう構成され、
さらに前記プロセッサは、
前記ユーザインタフェースが前記オペレーターの前記入力を受け付けると、前記複数の画像取得工程のうち、実行中の画像取得工程を示す情報を付加して前記超音波画像のデータを前記メモリに記憶し、
前記メモリに記憶された前記超音波画像のデータに基づいて、前記複数の画像取得工程において記憶された超音波画像を含む画像一覧を前記ディスプレイに表示し、
前記画像一覧は、前記複数の画像取得工程に対応する複数の区域を定め、前記複数の画像取得工程の各々について一つの区域を有しており、
前記プロセッサは、前記メモリに前記データが記憶されている前記超音波画像を、前記複数の区域のうち、前記情報に対応する区域に表示する、超音波画像表示システムの制御方法としてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 超音波画像表示装置
2 超音波プローブ
7 プロセッサ、第1のプロセッサ
8 ディスプレイ、第1のディスプレイ
9 メモリ、第1のメモリ
10 ユーザインタフェース、第1のユーザインタフェース
100 超音波画像表示システム
101 サーバ
103 第2のプロセッサ
104 第2のディスプレイ
105 第2のメモリ
106 第2のユーザインタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6