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特許7242637複数の電極を備えた半導体基板支持体及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】複数の電極を備えた半導体基板支持体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230313BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H02N13/00 D
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020511433
(86)(22)【出願日】2018-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 US2018047823
(87)【国際公開番号】W WO2019040794
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】62/550,559
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514212892
【氏名又は名称】ワトロー エレクトリック マニュファクチャリング カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】パーカー マイケル
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-026312(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0072516(US,A1)
【文献】国際公開第95/24070(WO,A1)
【文献】特開2008-028297(JP,A)
【文献】特開2008-218978(JP,A)
【文献】特開2007-214339(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0343600(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0165043(US,A1)
【文献】国際公開第2008/035395(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電チャックを製造するための方法であって、
金属接合層を用いて第1のセラミックプレートを第2のセラミックプレートに接合するステップと、
前記金属接合層の一部を分離して形成された少なくとも1つの電極部分を提供するために、前記第1のセラミックプレート及び前記金属接合層を通って延びる少なくとも1つの溝を形成するステップと、
前記少なくとも1つの電極部分を電気的に分離するために、少なくとも前記金属接合層において前記少なくとも1つの溝を誘電材料で充填するステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記第1のセラミックプレート及び前記第2のセラミックプレートのうちの少なくとも一方が、アルミナ、酸化アルミニウム、サファイア、ベリリア及びジルコニアからなる群から選択されたセラミックから形成されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のセラミックプレート及び前記第2のセラミックプレートの両方が、アルミナ、酸化アルミニウム、サファイア、ベリリア及びジルコニアからなる群から選択されたセラミックから形成されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属接合層が、89重量%アルミニウムを超えるアルミニウム、92重量%アルミニウムを超えるアルミニウム、99重量%アルミニウムを超えるアルミニウム、99.5重量%アルミニウムを超えるアルミニウム、及び99.99重量%アルミニウムを超えるアルミニウムからなる群から選択されたアルミニウムである、
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記接合するステップは、
アルミニウムの層を前記第1のセラミックプレートの接合面上に堆積するステップと、
プレート組立体を形成するために、前記第1のセラミックプレートの前記接合面上の前記アルミニウムの層を前記第2のセラミックプレートの接合面上に配置するステップと、
前記プレート組立体を770°Cを超える温度に加熱するステップと、
を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記加熱するステップは、1×10E-4Torr未満の圧力にしながら、前記プレート組立体を、770℃を超える温度に加熱するステップを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記充填するステップは、前記少なくとも1つの電極を電気的に分離するために、前記第1のセラミックプレートにおける前記少なくとも1つの溝及び前記金属接合層を誘電材料で充填するステップを含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記充填するステップは、少なくとも前記金属接合層における前記少なくとも1つの溝を高誘電効果エポキシで充填するステップを含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記提供するステップは、前記金属接合層から形成された少なくとも1つの電極部分を提供するために、前記第1のセラミックプレート及び前記金属接合層を通って延びる除外パターンを機械加工するステップを含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記機械加工するステップは、前記第1のセラミックプレート及び前記第2のセラミックプレートの外周近くに円周リングを含む除外パターンを機械加工するステップを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記接合するステップは、プレート組立体を形成するために、前記第1のセラミックプレートを、前記金属接合層を用いて前記第2のセラミックプレートに接合するステップを含み、
前記方法が、前記充填するステップの後、前記金属接合層を覆う前記第2のセラミックプレートの厚さを減少させるステップを更に含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記減少させるステップは、前記金属接合層を覆う前記第2のセラミックプレートを0.381mm(0.015インチ)未満の厚さに機械加工するステップを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記形成するステップは、前記金属接合層から形成された複数の電極部分を提供するために、前記第1セラミックプレート及び前記金属接合層を通って延びる少なくとも1つの溝を形成するステップを含み、前記充填するステップは、前記複数の電極部分を互いに電気的に分離するために、少なくとも前記金属接合層における前記少なくとも1つの溝を誘電材料で充填するステップを含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
金属接合層を用いて第2のセラミック層に接合された第1のセラミック層から形成されたプレート組立体を備えた静電チャックであって、前記プレート組立体は、前記金属接合層の一部を分離して形成された少なくとも1つの電極部分を提供するために前記第1のセラミック層及び前記金属接合層を通って延びる少なくとも1つの溝と、前記少なくとも1つの電極部分を電気的に分離するために、少なくとも前記金属接合層における前記少なくとも1つの溝に配置された誘電材料と、を備える、
ことを特徴とする静電チャック。
【請求項15】
前記第1のセラミック層及び前記第2のセラミック層のうちの少なくとも一方が、アルミナ、酸化アルミニウム、サファイア、ベリリア及びジルコニアからなる群から選択されたセラミックから形成される、
請求項14に記載の静電チャック。
【請求項16】
前記第1のセラミック層及び前記第2のセラミック層の両方が、アルミナ、酸化アルミニウム、サファイア、ベリリア及びジルコニアからなる群から選択されたセラミックから形成される、
請求項14に記載の静電チャック。
【請求項17】
前記金属接合層は、89重量%アルミニウムを超えるアルミニウム、92重量%アルミニウムを超えるアルミニウム、99重量%アルミニウムを超えるアルミニウム、99.5重量%アルミニウムを超えるアルミニウム、更に99.99重量%アルミニウムを超えるアルミニウムからなる群から選択されたアルミニウムである、
請求項14~16のいずれか1項に記載の静電チャック。
【請求項18】
前記第2のセラミック層がチャック面を有し、前記第2のセラミック層が、0.381mm(0.015インチ)未満、0.254~0.3048mm(0.010~0.012インチ)、0.127~0.381mm(0.005~0.015インチ)、0.127~0.254mm(0.005~0.010インチ、更に0.1524mm(0.006インチ)からなる群から選択された厚さを有して前記金属接合層を覆う、
請求項14~17のいずれか1項に記載の静電チャック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年8月25日に出願されたPrdkerに対する米国仮特許出願第62/550,559号に対して優先権を主張するものであり、その内容全体は、引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、半導体基板支持体に関し、より具体的には、電極を備えた半導体基板支持体に関する。
【背景技術】
【0003】
複数のチャック電極を備えた半導体支持構造体は、半導体処理を支援して及び他の産業用途で使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような要素を製造する従来の方法は、コストおよび時間がかかるものであった。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】金属接合層を用いて第2のセラミック層に接合された第1のセラミック層から形成された本発明のプレート組立体の一実施形態の断面図である。
図2】本発明のプレート組立体における本発明の研削パターンの一実施形態の平面図である。
図3図2のプレート組立体における図2の研削パターンの斜視図である。
図4図2のプレート組立体における図2の研削パターンの写真である。
図5図2の充填された研削パターンを備えた、図2のプレート組立体の写真である。
図6】本発明の静電チャックの一実施形態の斜視図である。
図7図6の静電チャックの部分的分解図である。
図8】本発明の静電チャックのプレート組立体の実施形態の分解図である。
図9】本発明の静電チャックの一実施形態のリフトピン孔の断面図である。
図10】本発明の静電チャックの一実施形態における冷却ガス孔の断面図である。
図11】本発明の二電極プレート組立体の裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
半導体基板支持体及び半導体基板支持体を製造するための方法が提供される。半導体基板支持体は、例えば静電チャックなど、どのようなタイプのものでもよい。半導体基板支持体には、金属接合層を用いて第2のセラミック層又はプレートにどのような方法で接合された第1のセラミック層又はプレートも含まれる。接合された第1及び第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的にプレート組立体と呼ぶことができる。第1のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、下部セラミック層又はプレートと呼ぶことができる。第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、上部セラミック層又はプレートと呼ぶことができる。少なくとも1つの溝は、少なくとも1つの電極部分を提供するために、第1のセラミック層又はプレート及び金属接合層を通って延びるように形成又は提供することができる。少なくとも1つの溝は、任意選択的に、金属接合層から形成される複数の別個の電極部分を形成することができる。少なくとも金属接合層における少なくとも1つの溝は、任意選択的に、少なくとも1つの電極部分を電気的に分離するため、好適な誘電材料で充填することができる。好適な誘電材料は、任意選択的に、複数の電極部分を互いに分離(隔絶)することができる。第1のセラミック層又はプレートにおける少なくとも1つの溝は、任意選択的に、何れかの好適な誘電材料で充填することができる。
【0007】
第1のセラミック層又はプレートは、どのような適切な材料でもよい。第1のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、アルミニウムによる拡散の影響を受けにくいことが知られているセラミック製とすることができる。第1のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、アルミナ製とすることができる。第1のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、酸化アルミニウム製とすることができる。第1のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、サファイア製とすることができる。第1のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、ベリリア製とすることができる。第1のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、ジルコニア製とすることができる。第1のセラミックプレートは、任意選択的に、石英製とすることができる。第2のセラミック層又はプレートは、何れかの好適な材料のものとすることができる。第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、アルミニウムによる拡散の影響を受けにくいことが知られているセラミック製とすることができる。第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、アルミナ製とすることができる。第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、酸化アルミニウム製とすることができる。第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、サファイア製とすることができる。第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、ベリリア製とすることができる。第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、ジルコニア製とすることができる。第2のセラミックプレートは、任意選択的に、石英製とすることができる。第1及び第2のセラミック層又はプレートは、同じセラミック材料、又は異なるセラミック材料とすることができ、各層又はプレートは、この段落にリストアップされたセラミック材料の何れかを含む何れかの好適なセラミック材料のものとすることができる。第1のセラミック層又はプレート及び第2のセラミック層又はプレートの各々は、例えば平面図で見たときに、任意選択的に円形となることができる。第1及び第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、同じ又は異なる厚さを有することができる。
【0008】
第1のセラミック層又はプレート及び第2のセラミック層又はプレートの各々は、任意選択的に接合面を有することができ、金属接合層は、第1のセラミック層又はプレートを第2のセラミック層又はプレートに接合するための各セラミック層又はプレートの接合面を任意選択的に係合することができる。
【0009】
例えば、何れかの好適な金属材料は、第1及び第2のセラミック層又はプレートの各々の接合面を係合するため接合層に使用することができる。アルミニウムは、任意選択的に、接合層に使用することができる。接合層のアルミニウムは、何れかの好適な重量のものとすることができる。例えば、アルミニウムの接合層は、任意選択的に、89重量%を超えるアルミニウム製とすることができる。アルミニウムの接合層は、任意選択的に、92%重量を超えるアルミニウム製とすることができる。アルミニウムの接合層は、任意選択的に、98重量%を超えるアルミニウム製とすることができる。アルミニウムの接合層は、任意選択的に、99重量%を超えるアルミニウム製とすることができる。アルミニウムの接合層は、任意選択的に、99.5重量%を超えるアルミニウム製とすることができる。アルミニウムの接合層は、任意選択的に、99.99重量%を超えるアルミニウム製とすることができる。接合層のアルミニウムは、金属アルミニウム又はアルミニウムを含む金属と呼ぶことができる。
【0010】
第1のセラミック層又はプレート及び第2のセラミック層又はプレートの各々は、任意選択的に、例えば、それぞれの接合面上に金属接合材料の層を用いてプリメタライズすることができる。金属は、任意選択的に、上述の高純度アルミニウムの何れかを含む、アルミニウム製とすることができる。例えば、第1及び第2のセラミック層又はプレートの各々は、任意選択的に、10~15ミクロンの範囲の厚さを有するアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。第1及び第2のセラミック層又はプレートの各々は、任意選択的に、10~20ミクロンの範囲の厚さを有するアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。第1及び第2のセラミック層又はプレートの各々は、任意選択的に、12.5~15ミクロンの範囲の厚さを有するアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。第1及び第2のセラミック層又はプレートの各々は、任意選択的に、10ミクロンを超える厚さを有するアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。第1のセラミック層又はプレート及び第2のセラミック層又はプレート上の金属層は、任意選択的に、接合層を形成する金属全体を形成することができる。アルミニウム以外の金属接合層は、任意選択的に、このような同じ厚さの何れかを有することができる。
【0011】
第1のセラミック層又はプレート及び第2のセラミック層又はプレートのうちの一方のみが、金属の層を用いてプリメタライズすることができる。金属は、任意選択的に、上述の高純度アルミニウムの何れかを含むアルミニウムとすることができる。例えば、第1及び第2のセラミック層又はプレートの一方は、任意選択的に、20~30ミクロンの範囲の厚さを有するアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。第1及び第2のセラミック層又はプレートの一方は、任意選択的に、20ミクロンを超える厚さを有するアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。第1及び第2のセラミック層又はプレートの一方は、任意選択的に、20~50ミクロンの範囲の厚さを有するアルミニウムの層でプリメタライズすることができる。第1のセラミック層又はプレート、又は第2のセラミック層又はプレート上の何れかの金属層は、接合層を形成する金属全体を形成することができる。
【0012】
金属接合層の一部は、任意選択的に、第1及び第2のセラミック層又はプレートの一方又は両方にスパッタすることができる。例えば、12.5ミクロン又は他の何れかの好適な厚さのアルミニウムは、任意選択的に、第1のセラミック層又はプレート及び第2のセラミック層又はプレートの各々の上にスパッタすることができる。
【0013】
金属接合層は、任意選択的に、好適なろう付け材料によって形成することができる。ろう付け材料は、任意選択的にシートとすることができる。ろう付け材料は、任意選択的に粉末とすることができる。ろう付け材料は、任意選択的に薄膜とすることができる。ろう付け材料は、本明細書に記載のろう付けプロセスに適した他の何れかの形状因子とすることができる。ろう付け材料がシートである場合、シートは、任意選択的に0.00019から0.011インチ以上の範囲の厚さを有することができる。シートは、任意選択的に、約0.0012インチの厚さを有することができる。シートは、任意選択的に、約0.006インチの厚さを有することができる。
【0014】
プレート組立体は、金属接合層に第1のセラミック層又はプレートと第2のセラミック層又はプレートと接合させるため何れかの好適な温度まで加熱することができる。例えば、プレート組立体は、任意選択的に、少なくとも770℃の接合温度まで加熱することができる。プレート組立体は、任意選択的に、少なくとも800℃の接合温度まで加熱することができる。プレート組立体は、任意選択的に、770℃~1200℃の範囲の接合温度まで加熱することができる。プレート組立体は、任意選択的に、1100°Cの範囲の接合温度まで加熱することができる。プレート組立体は、任意選択的に、800℃~1200℃の範囲の接合温度まで加熱することができる。
【0015】
接合雰囲気、すなわち第1のセラミック層又はプレートを第2のセラミック層又はプレートに金属接合層で接合するための雰囲気は、何れかの好適なタイプのものとすることができる。例えば、接合雰囲気は、任意選択的に、非酸素性とすることができる。接合は、任意選択的に、何れかの好適な真空、例えば、1x10E-4Torr未満の圧力の真空、又は1x10E-5Torr未満の圧力の真空で行うことができる。更なる酸素除去は、任意選択的に、接合雰囲気中にジルコニウム又はチタンを配置することで達成することができる。任意選択的に、真空以外の雰囲気も使用することができる。例えば、アルゴン(Ar)雰囲気を任意選択的に使用することができる。他の希ガスも任意選択的に使用することができる。水素(H2)雰囲気も任意選択的に使用することができる。
【0016】
第1及び第2のセラミック層又はプレートの間にアルミニウムの金属接合を形成するプロセスは、任意選択的に、拡散接合が存在しなくてもよい。アルミニウムの金属接合を形成するプロセスでは、アルミニウムは、第1及び第2のセラミック層又はプレートの各々の接合面を濡れ性することができる。
【0017】
接合後、第1及び第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、これらの間に気密シールで接合するアルミニウム又は他の好適な金属の層を有する。アルミニウムの金属接合は、任意選択的に、ゼロを超える厚さを有することができる。第1及び第2のセラミック層又はプレート間の接合がアルミニウム接合である場合、第1及び第2のセラミック層及びプレートは、任意選択的に、アルミニウム接合材料の拡散が存在しなくてもよい。
【0018】
少なくとも1つの溝は、任意選択的に複数の溝とすることができる。少なくとも1つの溝又は複数の溝は、任意選択的に、除外パターンと呼ぶことができる。各溝は、任意選択的に、凹部又はスロット、例えば、第1のセラミック層又はプレート及び金属接合層における凹部又はスロットと呼ぶことができる。少なくとも1つの溝は、例えば機械加工又は研削による、あらゆる好適な方法で形成することができる。少なくとも1つの溝は、任意選択的に、少なくとも1つの溝において誘電材料により生成された誘電バリアが、例えば1又は2以上の電極部分又は電極における電荷量などの目標用途に十分であるように十分な広さがある。少なくとも1つの溝は、任意選択的に、1又は2以上の電極の外周を正確に定めるための円形溝を含むことができる。
【0019】
誘電材料は、何れかの好適なタイプのものとすることができ、また、任意選択的にフィラーと呼ぶことができる。例えば、誘電材料は、任意選択的に、高誘電効果エポキシとすることができる。誘電材料は、任意選択的に、高誘電強度の高熱伝導性エラストマーとすることができる。誘電材料は、任意選択的に、酸化マグネシウムとすることができ、任意選択的にガラス繊維などの好適なガラスで覆うことができる。各電極部分は、任意選択的に、電極と呼ぶことができる。少なくとも1つの溝は、任意選択的に第1及び第2のセラミック層又はプレートの一方又は両方のセラミックと同じセラミックの固体要素、例えば、薄いストリップで充填することができ、任意選択的に高誘電効果エポキシで結合することができる。
【0020】
好適な電気コネクタ、例えば導電性リード線は、任意選択的に、1又は2以上の電極に延びることができる。例えば、少なくとも1つの電気コネクタは、各電極部分又は電極に延びることができる。好適な電気コネクタは、任意選択的に、第1のセラミック層又はプレートを通って1又は2以上の電極部分又は電極に延びることができる。
【0021】
第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、接合面の反対側にある、半導体基板を支持するための表面を有することができる。充填するステップの後、第2のセラミック層又はプレート、例えば少なくとも1又は2以上の電極を覆う部分は、任意選択的に、何れかの好適な厚さまで減少又は薄肉化することができ、例えば、1又は2以上の電極部分又は電極の静電気引力又はクランプを増大又は強化することができる。1又は2以上の電極部分又は電極のセラミック組立体における配置の高い平面性及び正確さは、このような厚さの減少を可能にすることができる。フィラー材料、例えば好適な誘電材料は、プレート組立体の剛性を高めて、このような厚さの減少を促進することができる。金属接合層又は金属接合層によって形成された1又は2以上の電極を覆う第2のセラミックプレートの厚さは、任意選択的に、0.015インチ未満の厚さまで減少又は薄肉化することができる。金属接合層又は金属接合層によって形成された1又は2以上の電極を覆う第2のセラミックプレートの厚さは、任意選択的に、0.010~0.012インチの範囲の厚さまで減少又は薄肉化することができる。金属接合層又は金属接合層によって形成された1又は2以上の電極を覆う第2のセラミックプレートの厚さは、任意選択的に、0.005~0.015インチの範囲の厚さまで減少又は薄肉化することができる。金属接合層又は金属接合層によって形成された1又は2以上の電極を覆う第2のセラミックプレートの厚さは、任意選択的に、0.005~0.010インチの範囲の厚さまで減少又は薄肉化することができる。金属接合層又は金属接合層によって形成された1又は2以上の電極を覆う第2のセラミックプレートの厚さは、任意選択的に、0.006インチの厚さまで減少又は薄肉化することができる。金属接合層又は金属接合層によって形成された1又は2以上の電極を覆う第2のセラミックプレートの厚さは、任意選択的に、より薄肉の厚さまで減少又は薄肉化することができる。
【0022】
本明細書で記載される本発明の実施形態は、例えば以下は、本発明の実施例であり、場合によっては、本発明の上述の議論よりもよりも拡張又は縮小することができるが、本発明の外延を限定することを意図するものではない。このような実施形態に記載される本発明の何れかの追加の特徴は任意選択である。本明細書に記載の任意の実施形態の特徴は、任意選択的に、本明細書に記載の任意の実施形態の他の何れかの特徴の有無にかかわらず、本発明の他の何れかの実施形態と組み合わせることができる。以下の方法の全ての特性、ステップ、パラメータ、及び特徴は、以下に記載される特定の実施形態又は特定の要素に限定されないが、任意選択的に、本発明の上述の議論及び本発明の全ての実施形態に適用可能とすることができる。広義の用語及び記述子は、開示を特定の用語又は記述子に限定するためではなく、単に議論及び理解を容易にするために、本明細書のより具体的な用語及び記述子に置き換えられることがある。
【0023】
任意選択的に、接合材料として金属アルミニウムを使用してセラミック要素で作られた複数のチャック電極を備えた静電チャックを製造する方法が提供される。アルミニウムは、第1及び第2のセラミック要素の間に配置することができ、セラミック要素及び接合アルミニウムの組立体は、770℃~1200℃の範囲で加熱することができる。接合雰囲気は、非酸化性とすることができる。接合後、電極パターンの除外部分は、プレート層と呼ぶことができるセラミック要素のうちの1つを通じて機械加工することによって機械加工することができる。機械加工された除外スロットは、その後、エポキシ又は他の何れかの好適な材料で充填することができる。静電チャック、半導体基板支持体又は他の構造体は、このような方法に従って製造することができる。
【0024】
任意選択的に、複数のチャック電極を備えた静電チャックの製造方法が提供され、2つのプレートの接合から始まる。2つのプレートは、任意選択的に、円形のプレートであり、任意選択的にセラミック製である。2つのプレートは、任意選択的に、円形のプレートであり、任意選択的にアルミニウムによる拡散を受けにくいことが知られているセラミック製とすることができる。プレートの任意のセラミック材料は、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、酸化ベリリウム又はジルコニアを含む何れかの好適なタイプのものとすることができる。プレートの一方又は両方は、任意選択的に石英製とすることができる。
【0025】
図1は、本発明による任意の組立体101の部分断面図である。セラミック上部層102は、接合層103を用いてセラミック下部層104に接合される。接合層103は、上部層102を下部層104に接合するために任意選択的に使用され、また、1又は2以上のチャック電極としても機能することができる。接合層103は、図1では、セラミック上部層102の縁部の近くに達するように示されているが、任意選択的に、接合層の外周部分の電気的分離部が存在してもよい。セラミック上部層102は、任意選択的に、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、酸化ベリリウム又はジルコニア製とすることができる。セラミック下部層104は、任意選択的に、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、酸化ベリリウム又はジルコニア製とすることができる。接合層は、任意選択的に、アルミニウム製とすることができる。接合層は、89重量%を超えるアルミニウムの金属層とすることができる。接合層は、任意選択的に、99重量%を超えるアルミニウムの金属層とすることができる。接合層は、任意選択的に、99.99重量%を超えるアルミニウムの金属層とすることができる。
【0026】
例えば、二つのセラミックめっきされたディスクは、アルミナとすることができ、任意選択的に各々0.125インチ厚とすることができる。各アルミナディスクは、任意選択的に、12.5ミクロンのアルミニウムでスパッタすることができる。その後、プレートは、任意選択的に、本明細書に記載されたプロセスの何れかに従ってろう付けすることができる。任意選択的に、プレートは、約2psiの接触圧でプレスされ、1x10E-4Torr未満の圧力の真空下で850℃でろう付けすることができる。ろう付けされた組立体は、図1の部分断面で見ることができ、ここでは、例として、第1及び第2のセラミック層又はプレートは、異なる厚さを有するものとして示される。第1及び第2のセラミック層又はプレートは、任意選択的に、同じ厚さを有することができる。
【0027】
セラミック上部層及びセラミック下部層の両方は、任意選択的に、金属層でプリメタライズすることができる。金属は、任意選択的に、高純度アルミニウムとすることができる。各層は、任意選択的に、10~15ミクロンの範囲の厚さのアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。各層は、任意選択的に、10~20ミクロンの範囲の厚さのアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。各層は、任意選択的に、12.5~15ミクロンの範囲の厚さのアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。各層は、任意選択的に、10ミクロンを超える厚さのアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。セラミック上部層及びセラミック下部層上の金属層は、任意選択的に、接合層を形成する金属全体を形成することができる。
【0028】
任意選択的に、セラミック上部層及びセラミック下部層の一方のみが、金属層を用いてプリメタライズすることができる。金属は、任意選択的に、高純度アルミニウムとすることができる。層の一方は、任意選択的に、20~30ミクロンの範囲の厚さを有するアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。層の一方は、任意選択的に、20ミクロンを超える厚さを有するアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。層の一方は、任意選択的に、20~50ミクロンの範囲の厚さを有するアルミニウム層を用いてプリメタライズすることができる。セラミック上部層及びセラミック下部層の何れか上の金属層は、任意選択的に、接合層を形成する金属の全体を形成することができる。
【0029】
ろう付け後、2つの円形プレートは、間に、気密シールを用いてこれらのプレートを接合するアルミニウムの円形ディスクを任意選択的に有する。除外パターンは、任意選択的に、プレートの1つ、例えば最下プレートを通じて、次いでアルミニウム層を通じて機械加工することにより、アルミニウム層に機械加工される。機械加工は、任意選択的に、超音波ミリングを使用して行われ、任意選択的に、他のプレート(例えば上部プレート)に好適な距離(例えば約0.001インチ)で継続される。機械加工は、下部セラミック層又はプレートを通して、次いで同様に接合層を通して行われる。
【0030】
図2図3、及び図4は、除外パターンの任意の実施形態、及びプレート、アルミニウム又は他の接合層を通して行われ、バイポーラ静電チャック用の第2のプレートにも部分的に行われた機械加工を示す。図2及び図3は、セラミック下部層201を通して行われた機械加工を示す。完成した組立体を作成するプロセスのこの段階では、除外パターンは完了しているが、除外部の充填はまだ行われておらず、最終機械加工も行われていない。電極パターン分割溝202は、金属接合層によって形成された電極を、任意選択の実施形態において十字形である内部電極領域203と、外部電極領域204とに分割している。電極パターン分割溝202は、下部セラミックプレート201及び接合層を通してセラミック上部層209に機械加工される。外側溝205は、任意選択的に、外部電極領域204から外周部分206を分離している。さらに、外側溝205もまた、接合層の外側環状リングを接合層の電極部分から電気的に分離する。また、孔208を通るリフトピンのすぐ周りに存在する接合層から電極を電気的に分離することができる任意選択のリフトピン溝207が示されている。図4は、図2及び図3に示されたタイプの実際の組立体の写真である。溝は、任意選択的に、幅0.063インチ幅と同じくらい狭くすることができる。溝の1又は2以上は、任意選択的に、1又は2以上の溝内の誘電材料によって生成された誘電障壁が目標用途には十分であるように十分に広い。この任意選択の実施形態では2電極デバイスとして示されているが、金属接合層から形成される2つ以上の電極部分又は電極が任意選択的に存在する可能性がある。或いは、任意選択的に単一の電極部分又は電極が存在する可能性がある。
【0031】
アルミニウム層における除外パターンは、任意選択的に、機械加工が実行されたプレートにおいて空隙と鏡像にすることができる。さらに、空隙は、任意選択的に、高誘電効果エポキシなどのフィラーで充填することができる。フィラーは、任意選択的に、高誘電強度高熱伝導性エラストマーとすることができる。フィラーは、任意選択的に、酸化マグネシウムとすることができ、さらに、ガラス繊維などのガラスで覆うことができる。空隙は、任意選択的に、高誘電効果エポキシで結合することができる誘電材料の固体要素で充填することができる。空隙は、任意選択的に、高誘電効果エポキシで結合することができるプレート層と同じセラミックの固体要素で充填することができる。
【0032】
図5は、完成の後段階での任意選択のプレート組立体の写真である。電極分割溝202は、高誘電効果エポキシで充填212されている。外側溝205は、高誘電効果エポキシで充填210されている。リフトピン溝207は、高誘電効果エポキシで充填211されている。溝は、高誘電効果エポキシで結合することができる、誘電材料の固体要素で任意選択的に充填することができる。
【0033】
その後、裏面充填プレート、例えば第1のセラミック層又はプレートは、任意選択的に平坦化され、フィラーが配置された表面が平坦にされる。空隙の充填後、上部セラミック層又はプレートになる可能性のあり機械加工が行われなかったプレートは、任意選択的に、より薄い厚さにまで機械加工で薄くされ、セラミックプレート組立体を完成させることができる。例えば、上部プレートは、任意選択的に、0.010~0.012インチの範囲又は他のより薄い厚さにまで機械加工で薄くされてもよい。上部プレートの厚さは、任意選択的に、0.005~0.015インチの範囲とすることができる。上部プレートの厚さは、任意選択的に、0.005~0.010インチの範囲とすることができる。上部プレートは、任意選択的に、0.006インチの厚さまで薄肉化することができる。電極パターンの除外ゾーンにおける上部層の下にフィラー材料を配置することによって、機械加工が上部層を薄肉化するとき上部層に対する支持が存在する。このような支持が存在しない場合、このように薄肉の上部プレートにまでする機械加工が、機械加工中のプレートの撓みに起因して上部プレートに対する亀裂又は他の損傷が生じさせる可能性がある。
【0034】
完成した静電チャックは、任意選択的に、クロストークなしで10,000Vに耐えることができる。
【0035】
図6及び図7はそれぞれ、本発明の静電チャック252の任意選択の実施形態の図及び分解図を示す。セラミック上部層、金属接合層、及びセラミック下部層を含むセラミックプレート組立体250は、任意選択的に、ベース251に取り付けることができる。ベース251は、任意選択的に、金属とすることができ、該金属は、任意選択的にアルミニウムとすることができる。ベース251は、任意選択的に、セラミックプレート組立体250のガス孔254、255にガスを送るガスプレナムを含むことができる。セラミックプレート組立体2250は、任意選択的に、リフトピン孔253を含んでもよい。セラミック上部層は、任意選択的に、金属接合層における拡散パターン及び金属接合層をセラミックプレート組立体の上面を通じて視認することができるほど極めて薄くてもよい。
【0036】
金属接合層を任意選択的に形成するための任意選択のろう付け材料を、任意選択的に、シート、粉末、薄膜の形態、又は本明細書に記載されるろう付けプロセスに好適な他の何れかの成形因子のものとすることができる。例えば、ろう付け層を、任意選択的に、0.00019インチ~0.011インチ以上の範囲の厚さを有するシートとすることができる。ろう付け材料は、任意選択的に、約0.0012インチの厚さを有するシートとすることができる。ろう付け材料を、任意選択的に、約0.006インチの厚さを有するシートとすることができる。ろう付け材料を、任意選択的に、少なくとも99.5%の純度を有するアルミニウム製とすることができる。任意選択的に、純度が92%を超える場合のある市販のアルミホイルを使用することができる。任意選択的に、合金を使用することができる。これらの合金は、任意選択的に、Al-5w%Zr、Al-5w%Ti、市販の合金#7005、#5083又は#7075を含むことができる。これらの合金は、任意選択的に、接合温度1100℃で使用されることができる。これらの合金は、任意選択的に、接合温度800℃~1200℃で使用されることができる。これらの合金は、任意選択的に、より低い温度又はより高い温度で使用されることができる。アルミニウム接合層は、任意選択的に、上述のように、セラミック層又はプレートのうちの1又は2以上の上にある事前に堆積された層から形成することができる。
【0037】
通常は、アルミニウム中の合金組成物(例えば、マグネシウムなど)は、アルミニウムの粒界間の析出物として形成される。これらは、アルミニウム結合層の耐酸化性を低下させる可能性があるが、通常は、これらの析出物は、アルミニウムを通じて隣接した経路を形成しないので、アルミニウム層全体を通じて酸化剤の浸透が可能ではなく、従って、耐食性をもたらすアルミニウムの自己抑制的な酸化膜特性が完全なまま残される。析出物を形成できる成分を包含するアルミニウム合金を用いた任意選択の実施形態、すなわち、冷却プロトコルを含むプロセスパラメータは、任意選択的に、粒界中で析出物を最小限に抑えるように構成されてもよい。
【0038】
本発明によるプロセスの条件下でのアルミニウムとの拡散に対する窒化アルミニウム(AlN)の非感受性は、任意選択的に、プレートとシャフト組立体の製造において、ろう付けステップの後のセラミックの材料特性の保存及び材料同定をもたらすことがある。
【0039】
接合プロセスは、任意選択的に、極めて低い圧力を提供するように適合されたプロセスチャンバ内で実行することができる。本発明の接合プロセスは、任意選択的に、気密シールされた接合を達成するために、無酸素状態を必要とする場合がある。このプロセスを、任意選択的に、1x10E-4Torr未満の圧力で実行することができる。このプロセスを、任意選択的に、1x10E-5Torr未満の圧力で実行することができる。更なる酸素除去を、任意選択的に、プロセスチャンバ内にジルコニウム又はチタンを配置することで達成することができる。例えば、ジルコニウム内部チャンバーを、任意選択的に、接合されることになる要素の周りに配置することができる。
【0040】
任意選択的に、真空以外の雰囲気を用いて、気密シールを実現することができる。任意選択的に、例えば、アルゴン(Ar)雰囲気を用いて、密封接合を実現することができる。任意選択的に、他の希ガスを用いて、密封接合を実現することができる。任意選択的に、水素(H2)雰囲気を用いて、密封接合を実現することができる。
【0041】
ろう付け層の濡れ性及び流動は、様々な要因に敏感になる可能性がある。関心のある要因は、ろう付け材料料の組成、セラミック組成、プロセスチャンバ内の雰囲気の化学組成、特に接合プロセス中のチャンバー内の酸素レベル、温度、温度時間、ろう付け材料の厚さ、接合されることになる材料の表面特性、接合されることになる要素の幾何形状、接合プロセス中に接合にわたって印加される物理的圧力、及び/又は接合プロセス中に維持される接合ギャップを含む。
【0042】
第1及び第2のセラミック体を任意選択的に共に接合するためのろう付け方法の例は、第1及び第2のセラミック体間に配置されたアルミニウム及びアルミニウム合金からなる群から選択されたろう付け層と共に第1及び第2のセラミック体を接合するステップと、ろう付け層を少なくとも800℃の温度に加熱するステップと、ろう付け層をその融点よりも低い温度に冷却し、ろう付け層が硬化して気密シールを生成し、第1の部材を第2の部材に接合するようにするステップと、を含むことができる。本明細書に記載された方法に従って、ろう付け接合部の様々な幾何形状を実施することができる。接合層は、任意選択的に、99重量%アルミニウムを超えるアルミニウム製とすることができ、接合温度は、任意選択的に、少なくとも770℃の温度とすることができる。接合層は、任意選択的に、99重量%アルミニウムを超えるアルミニウム製とすることができ、接合温度は、任意選択的に、770℃~1200℃の範囲の温度とすることができる。
【0043】
図8は、本発明の任意選択の単極静電チャックプレート組立体の分解図を示す。この例示的な図では、チャックの上部層になるものが下部に見られる。セラミック上部層300は、接合層301によってセラミック下部層302から分離される。接合層301は、上部セラミック層と下部セラミック層を接合し、また、製造プロセスが完了した後、電極として又は分割される場合には複数の電極として機能する。セラミック下部層302には、セラミック下部層302を通過して外側溝309が見える。電極301は、電極層301を通じて延びる外側溝308と共に見られる。セラミック上部層300は、セラミック上部層300の浅い深さまで部分的にのみ入る外側溝307と共に見える。他の例示された溝、例えば、冷却ガス孔の周りのリング溝305及びリフトピン孔の周りのリフトピン溝306は、同様に、セラミック下部層、電極層を通って、部分的にはセラミック上部層に延びる。何れかの好適なタイプの誘電材料部分は、フィラーとしての役目を果たし、上述の様々な溝に配置される。例えば、誘電材料部分は、任意選択的に、誘電材料の薄いストリップとすることができ、該ストリップは、任意選択的に、形状が円形とすることができる。外側リング誘電体部分303は、セラミック下部層、電極層、及びセラミック上部層の一部分内の外側リング溝に存在することになる。リング誘電体部分304は、セラミック下部層、電極層、及びセラミック上部層の一部分内のリフトピン及び冷却ガスリング溝に存在する。セラミック下部層は、任意選択的に、アルミナ、窒化アルミニウム、ベリリア、ジルコニア、及びサファイアの群からのセラミックとすることができる。セラミック上部層は、任意選択的に、アルミナ、窒化アルミニウム、ベリリア、ジルコニア、及びサファイアの群からのセラミックとすることができる。接合層は、任意選択的に、例えば本明細書に記載されるように、アルミニウム製とすることができる。
【0044】
図9及び図10は、それぞれ、本発明の任意選択のリフトピン孔及び任意選択の冷却ガス孔の断面図を示す。図8は、任意選択のリフトピン孔の領域の部分断面図を示す。リフトピンリング溝306は、セラミック下部層302及び電極層324を通して、セラミック第2の又は上部の層300に部分的にだけ機械加工される。リフトピン貫通孔320は、セラミック第1又は下部の層、金属接合電極層、及びセラミック第2の又は上部の層を通って延びる。セラミック下部層は、リフトピン貫通孔320の外側でリフトピンリング溝306内に依然として323として残存する。図9は、任意の冷却ガス孔321の領域の部分断面を示す。冷却ガスリング溝305は、セラミック下部層302及び電極層324を通じて、セラミック上部層300に部分的にだけ機械加工される。冷却ガス貫通孔321は、セラミック下部層、金属接合電極層、及びセラミック上部層を通って延びる。セラミック下部層は、任意選択的に、セラミック上部層を含む層を通じて冷却ガス孔321を通じた冷却ガスのアクセスを可能にするような形状322にされる。
【0045】
図11は、本発明の任意選択の2ゾーン静電チャック組立体を示す。この例示的な図は、金属層401の態様を示すが、層は示されていない。第1の電極部分403は、分割領域404によって第2の電極部分402から分割されているのが分かる。外側リング溝407は、外側リング部分408を電極部分402、403から分離する。電極への電気接続は、取り付け領域405、406で行われるのがよい。
【0046】
本発明の接合プロセスは、任意選択的に、以下のステップの一部又は全てを含むことができる。接合用に2又は3以上のセラミック要素が選択される。任意選択的に、同じセットのプロセスステップにおいて複数の接合層を使用して複数の要素を接合することができるが、説明を明確にするために、単一の接合層を用いて接合された2つのセラミック要素について本明細書で説明する。任意選択的に、セラミック要素は、アルミナ製とすることができる。セラミック要素は、任意選択的に、窒化アルミニウム製とすることができる。セラミック要素は、任意選択的に、単結晶又は多結晶の窒化アルミニウム製とすることができる。セラミック要素は、任意選択的に、アルミナ、窒化アルミニウム、ベリリア、ジルコニア又はサファイア製とすることができる。各要素の部分は、他の要素に接合されることになる各要素の領域として識別される。例示的な実施例において、セラミック上部層は、セラミック下部層に接合されることになる。接合材料は、任意選択的に、アルミニウム含有量が99%を超えるアルミニウムを含むろう付け層とすることができる。接合されることになる特定の表面領域は、任意選択的に、プリメタライゼーションステップを受けることができる。このプリメタライゼーションステップは、様々な方法で達成することができる。任意選択的に、プリメタライゼーションを適用するのに、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、電気めっき、プラズマ溶射又は他の方法を使用することができる。
【0047】
接合する前、任意選択的に、2つの要素は、プロセスチャンバ内にある間、何らかの位置制御を維持するために、互いに対して固定されるのがよい。この固定は、また、加温中に、外部から加えられた荷重をかけることを助け、2つの要素の間で接合部にわたって接触圧力を生み出す。任意選択的に、接触圧力が接合部にわたって加えられるように、重りを固定要素の上部に配置することができる。重りは、任意選択的に、ろう付け層の面積に比例しているのがよい。接合部にわたって加えられる接触圧力は、任意選択的に、接合接触領域に対して約2~500psiの範囲とすることができる。接触圧力は、任意選択的に、2~40psiの範囲にすることができる。任意選択的に、最小限の圧力を使用することができる。このステップで使用される接触圧力は、任意選択的に、2000~3000psiの範囲の圧力を使用することができる、従来のプロセスに見られる高温圧縮/焼結を使用した接合するステップで見られるものよりも有意に低くすることができる。プレートは、任意選択的に、約2psiの接触圧力で共に押し付け合い、1x10E-4Torr未満の圧力の真空下で850°Cで接合することができる。プレートは、任意選択的に、770℃を超える温度で接合することができる。プレートは、任意選択的に、770℃~1200℃の範囲の温度で接合することができる。
【0048】
ろう付け後、2つの円形プレートは、任意選択的に、気密シールで接合するように、円形プレート間に配置されるアルミニウム製の円形ディスクを有することができる。除外パターンは、任意選択的に、プレートの1つを通じて、次いでアルミニウム層を通じて機械加工することによって、アルミニウム層に機械加工することができる。機械加工は、任意選択的に、超音波ミリングを使用して行われ、任意選択的に、約0.001インチの他のプレートに継続することができる。機械加工は、任意選択的に、下部セラミック層を通じて行われ、次いで接合層を通じて行うことができる。
【0049】
アルミニウム層の除外パターンは、任意選択的に、機械加工が実行されたプレートにおいて空隙と鏡像にすることができる。その後、空隙は、任意選択的に、高誘電効果エポキシなどのフィラーで充填することができる。フィラーは、任意選択的に、酸化マグネシウムとすることができ、その後、ガラス繊維などのガラスで覆うことができる。空隙は、任意選択的に、誘電材料の固体要素で充填することができ、任意選択的に、高誘電効果エポキシで所定位置に結合することができる。
【0050】
裏面充填プレートは、任意選択的に、平坦化されて、フィラーが配置された表面を平坦にすることができるようになる。空隙の充填後、上部プレートになる可能性がある機械加工が行われなかったプレートは、任意選択的に、より薄い厚さまで機械加工することができる。例えば、上部プレートは、任意選択的に、0.010~0.012インチの範囲又は他のより薄い厚さまで機械加工することができる。上部プレートは、任意選択的に、0.006インチの厚さまで薄肉化することができる。電極パターンの除外ゾーンにおける上部層の下にフィラー材料を配置することによって、機械加工が上部プレートを薄肉化するときに、上部層に対する支持としての役目を果たすことができる。
【0051】
静電チャックを製造するための方法が提供され、金属接合層を用いて第1のセラミックプレートを第2のセラミックプレートに接合するステップと、金属接合層から形成された少なくとも1つの電極部分を提供するために、第1のセラミックプレート及び金属接合層を通って延びる少なくとも1つの溝を形成するステップと、少なくとも1つの電極部分を電気的に分離するために、少なくとも金属接合層において少なくとも1つの溝を誘電材料で充填するステップと、を含むことができる。
【0052】
第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートのうちの少なくとも一方は、任意選択的に、アルミナから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートのうちの少なくとも一方は、任意選択的に、酸化アルミニウムから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートのうちの少なくとも一方は、任意選択的に、サファイアから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートのうちの少なくとも一方は、任意選択的に、ベリリアから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートのうちの少なくとも一方は、任意選択的に、ジルコニアから形成することができる。第1のセラミックプレートと第2のセラミックプレートの両方は、任意選択的に、アルミナから形成することができる。第1のセラミックプレートと第2のセラミックプレートの両方は、任意選択的に、酸化アルミニウムから形成することができる。第1のセラミックプレートと第2のセラミックプレートの両方は、任意選択的に、サファイアから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートの両方は、任意選択的に、ベリリアから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートの両方は、任意選択的に、ジルコニアから形成することができる。金属接合層は、任意選択的に、89重量%を超えるアルミニウム製とすることができる。金属接合層は、任意選択的に、92重量%を超えるアルミニウム製とすることができる。金属接合層は、任意選択的に、99重量%を超えるアルミニウム製とすることができる。金属接合層は、任意選択的に、99.5重量%を超えるアルミニウム製とすることができる。金属接合層は、任意選択的に、99.99重量%を超えるアルミニウムにすることができる。接合するステップは、任意選択的に、アルミニウムの層を第1のセラミックプレートの接合面上に堆積するステップと、プレート組立体を形成するために、第1のセラミックプレートの接合面上のアルミニウム層を第2のセラミックプレートの接合面上に配置するステップと、プレート組立体を770°Cを超える温度に加熱するステップとを含むことができる。加熱するステップは、任意選択的に、1×10E-4Torr未満の圧力にしながら、プレート組立体を770℃を超える温度に加熱するステップを含むことができる。加熱するステップは、任意選択的に、1×105E-5Torr未満の圧力にしながら、プレート組立体を770℃を超える温度に加熱するステップを含むことができる。充填するステップは、任意選択的に、少なくとも1つの電極を電気的に分離するために、第1のセラミックプレートにおける少なくとも1つの溝及び金属接合層を誘電材料で充填するステップを含むことができる。充填するステップは、任意選択的に、少なくとも金属接合層における少なくとも1つの溝を高誘電効果エポキシで充填するステップを含むことができる。提供するステップは、任意選択的に、金属接合層から形成された少なくとも1つの電極部分を提供するために、第1のセラミックプレート及び金属接合層を通って延びる除外パターンを機械加工するステップを含むことができる。機械加工するステップは、任意選択的に、第1のセラミックプレート及び前記第2のセラミックプレートの外周近くに円周リングを含む除外パターンを機械加工するステップを含むことができる。接合するステップは、任意選択的に、プレート組立体を形成するために、金属接合層を用いて第1のセラミックプレートを第2のセラミックプレートに接合するステップを含み、充填するステップの後、金属接合層を覆う第2のセラミックプレートの厚さを減少させるステップを更に含む。減少させるステップは、任意選択的に、金属接合層を覆う第2のセラミックプレートを0.015インチ未満の厚さに機械加工するステップを含むことができる。形成するステップは、金属接合層から形成された複数の電極部分を提供するために、第1のセラミックプレート及び金属接合層を通って延びる少なくとも1つの溝を形成するステップを含むことができ、充填するステップは、任意選択的に、複数の電極部分を互いに電気的に分離するために、少なくとも1つの金属接合層の少なくとも1つの溝を誘電材料で充填するステップを含むことができる。
【0053】
静電チャックが提供され、金属接合層を用いて第2のセラミック層に接合された第1のセラミック層から形成されるプレート組立体を備えることができ、プレート組立体は、金属接合層から形成された少なくとも1つの電極部分を提供するために、第1のセラミック層及び金属接合層を通って延びる少なくとも1つの溝と、少なくとも1つの電極部分を電気的に分離するために、少なくとも金属接合層における少なくとも1つの溝に配置された誘電材料とを備える。
【0054】
第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートのうちの少なくとも一方は、任意選択的に、アルミナから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートのうちの少なくとも一方は、任意選択的に、酸化アルミニウムから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートのうちの少なくとも一方は、任意選択的に、サファイアから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートのうちの少なくとも一方は、任意選択的に、ベリリアから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートのうちの少なくとも一方は、任意選択的に、ジルコニアから形成することができる。第1のセラミックプレートと第2のセラミックプレートの両方は、任意選択的に、アルミナから形成することができる。第1のセラミックプレートと第2のセラミックプレートの両方は、任意選択的に、酸化アルミニウムから形成することができる。第1のセラミックプレートと第2のセラミックプレートの両方は、任意選択的に、サファイアから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートの両方は、任意選択的に、ベリリアから形成することができる。第1のセラミックプレート及び第2のセラミックプレートの両方は、任意選択的に、ジルコニアから形成することができる。金属接合層は、任意選択的に、89重量%アルミニウムを超えるアルミニウムとすることができる。金属接合層は、任意選択的に、92重量%アルミニウムを超えるアルミニウムとすることができる。金属接合層は、任意選択的に、99重量%アルミニウムを超えるアルミニウムとすることができる。金属接合層は、任意選択的に、99.5重量%アルミニウムを超えるアルミニウムとすることができる。金属接合層は、任意選択的に、99.99重量%アルミニウムを超えるアルミニウムとすることができる。第2のセラミック層は、任意選択的に、チャック面を有することができる。金属接合層を覆う第2のセラミック層は、任意選択的に、0.015インチ未満の厚さを有することができる。金属接合層を覆う第2のセラミック層は、任意選択的に、0.010~0.012インチの厚さを有することができる。金属接合層を覆う第2のセラミック層は、任意選択的に、0.005~0.015インチの厚さを有することができる。金属接合層を覆う第2のセラミック層は、任意選択的に、0.005~0.010インチの厚さを有することができる。金属接合層を覆う第2のセラミック層は、任意選択的に、0.006インチの厚さを有することができる。
【0055】
上述の説明から明らかなように、本明細書で与えられる説明から、多種多様な実施形態を構成することができ、更なる利点及び修正は、当業者であれば容易に想起されるであろう。従って、本発明は、より広い態様において、図示され説明された特定の詳細事項及び例示的な実施例に限定されるものではない。その結果、このような詳細事項からの逸脱は、出願人の全体としての発明の思想又は範囲から逸脱することなく行うことができる。
図1
図2
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図9
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図11