(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】撮像装置及び撮像システム
(51)【国際特許分類】
H04N 25/10 20230101AFI20230313BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20230313BHJP
H04N 23/54 20230101ALI20230313BHJP
H04N 23/56 20230101ALI20230313BHJP
【FI】
H04N25/10
G02B5/20 101
H04N23/54
H04N23/56
(21)【出願番号】P 2020536419
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(86)【国際出願番号】 JP2019028392
(87)【国際公開番号】W WO2020031655
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】P 2018148195
(32)【優先日】2018-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100094363
【氏名又は名称】山本 孝久
(74)【代理人】
【識別番号】100118290
【氏名又は名称】吉井 正明
(72)【発明者】
【氏名】杉山 寿伸
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-170801(JP,A)
【文献】特開2017-112401(JP,A)
【文献】特開2016-012746(JP,A)
【文献】国際公開第2016/013520(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/10
G02B 5/20
H04N 23/54
H04N 23/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光である第1の色光に対応する波長帯域を透過する第1のカラーフィルタ、及び、赤外光の波長帯域の透過を制限する赤外光遮断フィルタを有する第1の画素、
可視光である第2の色光に対応する波長帯域を透過する第2のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する第2の画素、
可視光である第3の色光に対応する波長帯域を透過する第3のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する第3の画素、
赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する第4の画素、並びに、
第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素、
第1の画素、第2の画素、第3の画素、第4の画素、及び、第5の画素から出力される信号強度に基づいて、少なくとも、赤外光遮断フィルタの赤外光透過率、又は、赤外光の強度に赤外光透過率を乗じた値、のいずれか一方を取得する信号処理部、
を有する撮像装置。
【請求項2】
赤色に対応する波長帯域、緑色に対応する波長帯域、青色に対応する波長帯域、及び、赤色に対応する波長帯域よりも波長の長い帯域である第1の赤外光波長帯域を透過するとともに、赤色に対応する波長帯域と第1の赤外光波長帯域との間の波長帯域である第1の波長帯域、及び、第1の赤外光波長帯域よりも長い波長帯域である第2の波長帯域を遮断するバンドパスフィルタを更に備える、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
赤外光遮断フィルタは、第1の赤外光波長帯域の透過を制限する選択的赤外光遮断フィルタである、
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
第1のカラーフィルタは赤色のカラーフィルタ、
第2のカラーフィルタは緑色のカラーフィルタ、及び、
第3のカラーフィルタは青色のカラーフィルタである、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
第4の画素は、カラーフィルタが形成されていない白色画素、又は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する赤外光画素である、
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
第5の画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていない緑色画素、選択的赤外光遮断フィルタが形成された白色画素、選択的赤外光遮断フィルタが形成された赤外光画素、又は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていない補色画素である、
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
第1のカラーフィルタ、第2のカラーフィルタ、及び、第3のカラーフィルタは、補色フィルタである、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
第1のカラーフィルタはイエローのカラーフィルタ、
第2のカラーフィルタはマゼンタのカラーフィルタ、及び、
第3のカラーフィルタはシアンのカラーフィルタである、
請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
第4の画素は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する赤外光画素である、
請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
第5の画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないイエローのカラーフィルタ、マゼンタのカラーフィルタ、又は、シアンのカラーフィルタである、
請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
第1の画素、第2の画素、第3の画素、第4の画素、及び、第5の画素を含む単位画素配列が、画素がマトリクス状に配置されて成る画素アレイ部上において、離散的に配置されている、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
赤外光を発光する光源、及び、
可視光及び赤外光を取得可能な撮像装置を備え、
撮像装置は、
可視光である第1の色光に対応する波長帯域を透過する第1のカラーフィルタ、及び、赤外光の波長帯域の透過を制限する赤外光遮断フィルタを有する第1の画素、
可視光である第2の色光に対応する波長帯域を透過する第2のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する第2の画素、
可視光である第3の色光に対応する波長帯域を透過する第3のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する第3の画素、
赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する第4の画素、並びに、
第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素、
第1の画素、第2の画素、第3の画素、第4の画素、及び、第5の画素から出力される信号強度に基づいて、少なくとも、赤外光遮断フィルタの赤外光透過率、又は、赤外光の強度に赤外光透過率を乗じた値、のいずれか一方を取得する信号処理部、
を有する、
撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置及び撮像システムに関し、特に、可視光及び赤外光(IR:infrared)を同時に取得可能な撮像装置及び当該撮像装置を用いる撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、可視光及び赤外光(赤外線)を同時に取得可能な撮像装置が注目されている。この種の撮像装置は、パーソナルコンピュータやスマートホンなどに使用される顔認証、虹彩認証などのセキュリティー用途や、車載や監視、ゲームなどに利用される距離計測や暗時の物体認識などの用途において、通常のカラー画像の撮影機能と、赤外光によるこれらのセンシング機能とを同時に実現することができる。
【0003】
可視光及び赤外光を同時に取得可能な撮像装置において、可視光受光用の画素への赤外光の侵入を回避するために、可視光を取得するためのR(赤色),G(緑色),B(青色)フィルタと、赤外光を取得するためのIR(赤外光)フィルタとが繰り返し単位となる単位画素配列毎に設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来技術では、撮像装置の前に、可視光及び特定の赤外光(投光赤外光)の波長帯域に透過性能をもつダブル(デュアル)バンドパスフィルタを備えることを前提としている。そして、R,G,Bフィルタの上には更に、上記の特定の赤外光の波長帯域とほぼ同じ波長領域に吸収特性をもつ選択的赤外光遮断フィルタを形成することにより、可視光画素には可視光の波長帯域のみが透過するようにし、一方、赤外光画素には上記の特定の赤外光の波長帯域の光のみが透過するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載の従来技術において、選択的赤外光遮断フィルタは、一般的に、遮断波長領域の透過率は完全には0%にならず、10%から20%程度の値を持つ。また、一般的に、選択的赤外光遮断フィルタは、遮断特性に不安定性があり、その赤外光透過率が撮像装置の面内でばらついたり、経時的に変化する傾向がある。このため、可視光成分と赤外光成分との分離演算において、可視光-赤外光の分離精度が悪化したり、分離演算の解が発散してしまう等の現象が起こる。その結果、画質が損なわれる。
【0007】
本開示は、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率が不明、もしくは、空間的、時間的に不安定であっても、可視光と赤外光とをより精度よく分離可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本開示の撮像装置は、
可視光である第1の色光に対応する波長帯域を透過する第1のカラーフィルタ、及び、赤外光の波長帯域の透過を制限する赤外光遮断フィルタを有する第1の画素、
可視光である第2の色光に対応する波長帯域を透過する第2のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する第2の画素、
可視光である第3の色光に対応する波長帯域を透過する第3のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する第3の画素、
赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する第4の画素、並びに、
第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素、
を有する。また、上記の目的を達成するための本開示の撮像システムは、上記の構成の撮像装置を用いる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の撮像装置を用いる撮像システム(カメラシステム)の構成の概略を示すブロック図である。
【
図2】
図2Aは、撮像装置の前に配されるデュアルバンドパスフィルタの分光特性の一例を示す図であり、
図2Bは、R,G,B,Wカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図3】
図3Aは、実施例1に係るカラーフィルタの単位画素配列を示す図であり、
図3Bは、選択的赤外光遮断フィルタの分光特性の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、画素アレイ部の各画素のカラーフィルタの構成を示す断面図である。
【
図5】
図5Aは、実施例1の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図5Bは、実施例1の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図6】
図6Aは、実施例1の第3変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図6Bは、実施例1の第4変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図7】
図7Aは、実施例1の第5変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図7Bは、実施例1の第5変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図8】
図8Aは、実施例2に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図8Bは、実施例2の変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図9】
図9は、実施例3に係るカラーフィルタの単位画素配列を示す図である。
【
図10】
図10Aは、実施例3の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図10Bは、実施例3の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図11】
図11は、実施例4に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図12】
図12Aは、実施例4の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図12Bは、実施例4の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図13】
図13Aは、実施例5に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図13Bは、実施例5の変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図14】
図14Aは、実施例6に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図14Bは、実施例6の変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図15】
図15は、実施例7に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図16】
図16Aは、実施例7の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図16Bは、実施例7の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図17】
図17は、実施例8に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図18】
図18Aは、実施例8の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図18Bは、実施例8の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図19】
図19Aは、実施例9に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図19Bは、実施例9の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図20】
図20Aは、実施例9の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図20Bは、実施例9の第3変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図21】
図21Aは、実施例10に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図21Bは、実施例10の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図22】
図22Aは、実施例10の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図22Bは、実施例10の第3変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図23】
図23Aは、実施例10の第4変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図23Bは、実施例10の第5変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図24】
図24Aは、実施例11に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図24Bは、実施例11の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図25】
図25Aは、実施例11の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図25Bは、実施例11の第3変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図26】
図26Aは、実施例11の第4変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図26Bは、実施例11の第5変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図27】
図27Aは、実施例12に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図27Bは、実施例12の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図28】
図28Aは、実施例12の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図28Bは、実施例12の第3変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図29】
図29Aは、実施例12の第4変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図29Bは、実施例12の第5変形例に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図30】
図30は、実施例13に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図31】
図31Aは、透過率kを含む各画素信号を求めることができないカラーフィルタ配列を示す図であり、
図31Bは、当該カラーフィルタ配列の場合の変換式を示す図である。
【
図32】
図32Aは、バリエーション1に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図32Bは、バリエーション2に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図33】
図33Aは、バリエーション3に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図33Bは、バリエーション4に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図34】
図34Aは、バリエーション5に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図34Bは、バリエーション6に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図35】
図35Aは、バリエーション7に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図35Bは、バリエーション8に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図36】
図36Aは、バリエーション9に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図36Bは、バリエーション10に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図37】
図37Aは、バリエーション11に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図37Bは、バリエーション12に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図38】
図38Aは、バリエーション13に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図38Bは、バリエーション14に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図39】
図39Aは、バリエーション15に係るカラーフィルタ配列を示す図であり、
図39Bは、バリエーション16に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【
図40】
図40は、バリエーション17に係るカラーフィルタ配列を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の技術を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本開示の技術は実施形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.本開示の撮像装置及び撮像システム、全般に関する説明
2.本開示の撮像装置を用いる撮像システム(カメラシステム)
2-1.システム構成
2-2.従来例に係るRGBWカラーフィルタ配列
3.本開示の実施形態
3-1.実施例1(R,G,B,Wの画素配列を基本とする例)
3-2.実施例2(R,G,B,Wの画素配列をベースとし、W画素の半分をGI画素に置き換えた例)
3-3.実施例3(R,G,B-IRの画素配列を基本とする例)
3-4.実施例4(R,G,B-IRの画素配列をベースとし、G画素の数を増やした例)
3-5.実施例5(R,G,B-IRの画素配列をベースとし、G画素の半分をWS画素に置き換えた例)
3-6.実施例6(R,G,B-IRの画素配列をベースとし、IR画素の半分をkIR画素に置き換えた例)
3-7.実施例7(R,G,B-IRの画素配列に対し、IR画素の半分をW画素に置き換えた例)
3-8.実施例8(R,G,B,Wの画素配列に対し、G画素の半分をIR画素に置き換えた例)
3-9.実施例9(R,B,W,WS-IRの画素配列を基本とする例)
3-10.実施例10(R,G,B-IRの画素配列をベースとし、R画素の半分をYI画素に置き換えた例)
3-11.実施例11(R,G,B-IRの画素配列をベースとし、R画素の半分をYe画素に置き換えた例)
3-12.実施例12(全てのカラーフィルタを補色フィルタに置き換えた例)
3-13.実施例13(透過率算出用の単位画素配列を離散的に配置する例)
4.実施形態の変形例
5.本開示がとることができる構成
【0011】
<本開示の撮像装置及び撮像システム、全般に関する説明>
本開示の撮像装置及び撮像システムにあっては、赤色に対応する波長帯域、緑色に対応する波長帯域、青色に対応する波長帯域、及び、赤色に対応する波長帯域よりも波長の長い帯域である第1の赤外光波長帯域を透過するバンドパスフィルタを更に備える構成とすることができる。このバンドパスフィルタは、赤色に対応する波長帯域と第1の赤外光波長帯域との間の波長帯域である第1の波長帯域、及び、第1の赤外光波長帯域よりも長い波長帯域である第2の波長帯域を遮断する機能を持っている。そして、バンドパスフィルタとしては、第1の赤外光波長帯域の透過を制限する選択的赤外光遮断フィルタを用いることが好ましい。
【0012】
上述した好ましい構成を含む本開示の撮像装置及び撮像システムにあっては、第1のカラーフィルタについて赤色のカラーフィルタ、第2のカラーフィルタについて緑色のカラーフィルタ、及び、第3のカラーフィルタについて青色のカラーフィルタである構成とすることができる。
【0013】
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の撮像装置及び撮像システムにあっては、第4の画素について、カラーフィルタが形成されていない白色画素、又は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する赤外光画素である構成とすることができる。また、第5の画素について、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていない緑色画素、選択的赤外光遮断フィルタが形成された白色画素、選択的赤外光遮断フィルタが形成された赤外光画素、又は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていない補色画素である構成とすることができる。
【0014】
あるいは又、上述した好ましい構成を含む本開示の撮像装置及び撮像システムにあっては、第1のカラーフィルタ、第2のカラーフィルタ、及び、第3のカラーフィルタについて、補色フィルタである構成とすることができる。そして、第1のカラーフィルタについてはイエローのカラーフィルタ、第2のカラーフィルタについてはマゼンタのカラーフィルタ、及び、第3のカラーフィルタについてはシアンのカラーフィルタである構成とすることができる。
【0015】
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の撮像装置及び撮像システムにあっては、第4の画素について、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する赤外光画素である構成とすることができる。また、第5の画素について、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないイエローのカラーフィルタ、マゼンタのカラーフィルタ、又は、シアンのカラーフィルタである構成とすることができる。
【0016】
また、上述した好ましい構成を含む本開示の撮像装置及び撮像システムにあっては、第1の画素、第2の画素、第3の画素、第4の画素、及び、第5の画素を含む単位画素配列が、画素がマトリクス状に配置されて成る画素アレイ部上において、離散的に配置されている構成とすることができる。
【0017】
<撮像システム>
先ず、本開示の撮像装置を用いる撮像システム(カメラシステム)の構成について説明する。
[システム構成]
本開示の撮像装置を用いるカメラシステムの構成の概略を
図1に示す。
図1に示すように、本例に係るカメラシステム1は、赤外光(IR)を投光する光源部10、画像を撮影する撮像部20、及び、カメラ信号処理部30を有する構成となっている。
【0018】
光源部10は、赤外光(IR)を発光する光源であるIR-LED11、及び、当該IR-LED11を駆動するIR-LEDドライバ12から構成されている。IR-LED11としては、例えば、波長850nmの赤外光を発光する発光ダイオード(LED)が用いられる。
【0019】
撮像部20は、レンズ21、デュアルバンドパスフィルタ22、及び、撮像装置23から構成されている。そして、撮像装置23として、後述する本開示の撮像装置が用いられる。本開示の撮像装置としては、例えば、X-Yアドレス方式の撮像装置の一種であるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを例示することができる。CMOSイメージセンサは、CMOSプロセスを応用して、又は、部分的に使用して作製されたイメージセンサである。
【0020】
デュアルバンドパスフィルタ22は、赤色(R)に対応する波長帯域、緑色(G)に対応する波長帯域、青色(B)に対応する波長帯域、及び、赤色に対応する波長帯域よりも波長の長い帯域である第1の赤外光波長帯域を透過するバンドパスフィルタである。デュアルバンドパスフィルタ22は、赤色に対応する波長帯域と第1の赤外光波長帯域との間の波長帯域である第2の波長帯域、及び、赤外光波長帯域よりも長い波長帯域である第3の波長帯域を遮断する機能を持っている。デュアルバンドパスフィルタ22の分光特性の一例を
図2Aに示す。
図2Aに示すように、ここで例示するデュアルバンドパスフィルタ22は、可視光の帯域、及び、波長850nmの赤外光に対応した第1の赤外光波長帯域に透過特性を持っている。
【0021】
撮像装置23は、可視光及び赤外光を同時に取得可能な撮像装置である。この種の撮像装置では、先述したように、可視光受光用の画素への赤外光の侵入を回避するために、R,G,B,IRの画素配列のカラーフィルタが用いられている。このR,G,B,IRの画素配列のカラーフィルタの他にも、可視光及び赤外光の同時取得を可能にするためのカラーフィルタとして、R,G,B,Wの画素配列のカラーフィルタが知られている。
【0022】
ここで、Wとは、カラーフィルタが形成されていない白色画素を意味する。W画素は、画素上にカラーフィルタを設けないことにより、画素アレイが形成されるシリコン基板自身の感度に対応する可視光、赤外光全ての帯域に感度を持つ画素である。
【0023】
[従来例に係るRGBWカラーフィルタ配列]
ここで、従来例に係るR,G,B,Wカラーフィルタ配列について説明する。従来例に係るR,G,B,Wカラーフィルタ配列を
図2Bに示す。
【0024】
従来例に係るR,G,B,Wカラーフィルタ配列(画素配列)では、赤外光のみを受光する専用画素がないため、それぞれの画素の受光信号に対し、次式(1)に示すような連立方程式をたて、逆演算を行うことにより、各色の信号強度の算出が行われる。
【0025】
【0026】
一般的に、式(1)の連立方程式は解析的に解くことが可能であるが、このフィルタ構成では、可視光画素に強い赤外光が混入したときなどは演算誤差が増大し、色再現、ノイズなどの面で画質劣化を招くこととなる。
【0027】
一方、このようなノイズの発生を回避するために、R,G,B,Wカラーフィルタ配列において、R画素、G画素、B画素のみに選択的赤外光遮断フィルタを形成する手法が考えられる。上記の連立方程式に対し、透過率kの選択的赤外光遮断フィルタを、R画素、G画素、B画素の上方のみに搭載した場合のマトリクス表記した換算式を次式(2)に示す。
【0028】
【0029】
式(2)の演算式に対し、マトリクスの逆行列を求めて逆算すれば、各色フィルタに対応する画素信号を分離することが可能である。このようにすると、R画素、G画素、B画素に含まれる信号のうち、赤外光の信号成分は透過率kを乗算した分だけ低減されるためノイズの抑制効果が得られる。しかしながら、透過率k=1/3(33%)近傍においては、変換式の行列式(1-3k)が0となり、逆演算の解が発散してしまい、正確な信号強度が得られなくなる。
【0030】
先に述べたように、選択的赤外光遮断フィルタの透過率は、空間的、経時的に不安定性を示すため、透過率が33%近傍になることも想定される。よって、このような変化を前提とすると、R,G,B,Wカラーフィルタ配列(画素配列)では、有限の透過率を持つ選択的赤外光遮断フィルタを使用することは難しくなる。
【0031】
<本開示の実施形態>
本開示の実施形態では、以上の問題点に鑑み、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kが不明、もしくは、空間的、時間的に不安定であっても、より高精度にて可視光と赤外光とを分離できるようにする。また、R,G,B,Wカラーフィルタ配列(画素配列)においても、選択的赤外光遮断フィルタの使用を可能にし、同様に、可視光と赤外光とをより精度よく分離できるようにする。
【0032】
可視光と赤外光とをより高精度にて分離できるようにするために、本実施形態では、本開示の撮像装置のカラーフィルタの単位画素配列内に、選択的赤外光遮断フィルタの有無の組み合わせによる新たな画素構成を増やし、単位画素配列毎に選択的赤外光遮断フィルタの透過率も含めて入力信号を算出するようにする。
【0033】
より具体的には、本実施形態に係る撮像装置は、カラーフィルタの単位画素配列内に、次の機能を有する第1の画素、第2の画素、第3の画素、第4の画素、及び、第5の画素の5種類の画素を有することを特徴とする。
【0034】
第1の画素は、可視光である第1の色光に対応する波長帯域を透過する第1のカラーフィルタ、及び、赤外光の波長帯域の透過を制限する赤外光遮断フィルタを有する。第2の画素は、可視光である第2の色光に対応する波長帯域を透過する第2のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する。第3の画素は、可視光である第3の色光に対応する波長帯域を透過する第3のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する。第4の画素は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する。第5の画素は、第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する。
【0035】
赤外光透過率kが空間的、時間的に変動する選択的赤外光遮断フィルタを使用したときに、赤外光透過率kを算出することにより、各信号成分の算出精度を上げることが可能となる。その結果、色再現、S/Nなどの画質指標の向上を図ることができる。また、通常の可視光-赤外光の分離計算では、赤外光透過率kの値により、各色の信号成分を求めるマトリクスが発散するような場合でも、各色の信号成分を求めることが可能となる。
【0036】
また、赤外光透過率kが不安定な選択的赤外光遮断フィルタを使用することが可能であることから、当該選択的赤外光遮断フィルタとして、より低コストな膜を使用することができるため、デバイス自体の低コスト化を図ることができる。
【0037】
以下に、可視光と赤外光とをより高精度にて分離することを目的として、カラーフィルタの単位画素配列内に、選択的赤外光遮断フィルタの有無の組み合わせによる新たな画素構成を有する本実施形態の具体的な実施例について説明する。
【0038】
[実施例1]
実施例1は、R,G,B,Wの画素配列を基本とする例である。実施例1に係るカラーフィルタの単位画素配列を
図3Aに示す。実施例1では、
図3Aに示す4行×4列のカラーフィルタ配列(画素配列)を単位として、各フィルタが画素アレイ部の各画素上に繰り返し展開される。
【0039】
但し、R,G,B,Wの単位画素配列に存在する4個のG画素のうち、2個のG画素には選択的赤外光遮断フィルタを形成し、他の2個のG画素には選択的赤外光遮断フィルタを形成しない構成となっている。選択的赤外光遮断フィルタは、投光赤外光の波長帯域とほぼ同じ波長領域に吸収特性をもつフィルタである。
【0040】
画素がマトリクス状に配置されて成る画素アレイ部の各画素のフィルタの構成を示す
図4に示す。
図4は、
図3AのX-X線に沿ったB画素、G画素、R画素、及び、GI画素の断面図、並びに、W画素の断面図である。
【0041】
ここで、GI画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないG画素である。以下では、この選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないG画素をGI画素と表記する。GI画素は、Gの波長帯域、及び、デュアルバンドパスフィルタ22を透過する赤外光の波長帯域の2つの波長帯域に感度をもつ画素である。
【0042】
選択的赤外光遮断フィルタの分光特性の一例を
図3Bに示す。
図3Bに示す分光特性では、850nm近傍での赤外光の透過率が12%程度になっているが、この透過率は、撮像装置23の面内でばらつく、又は、経時的にばらつく傾向にある。
【0043】
画素アレイ部231におけるB画素、G画素、及び、R画素の上には、赤外光(IR)を遮断する赤外光遮断フィルタ、例えば、光源からの投光赤外光の波長帯域とほぼ同じ波長領域、即ち、第1の赤外光波長帯域に吸収特性をもち、当該第1の波長帯域の透過を制限する選択的赤外光遮断フィルタ232が形成されている。そして、選択的赤外光遮断フィルタ232の上には、各画素に対応したカラーフィルタ233が形成されている。
【0044】
GI画素については、第1の赤外光波長帯域の透過を制限する選択的赤外光遮断フィルタ232が形成されておらず、Gのカラーフィルタのみが形成されている。W画素については、カラーフィルタは形成されておらず、シリコン基板自身の感度に対応する可視光、赤外光全ての帯域に感度を持つ。そして、画素アレイ部231の各画素の最上部には、オンチップレンズ234が画素単位で形成されている。
【0045】
上記の実施例1に係るカラーフィルタ配列において、R,G,Bの各画素は、可視光である第1の色光(赤色光)、第2の色光(緑色光)、第3の色光(青色光)に対応する波長帯域を透過する各フィルタ、及び、選択的赤外光遮断フィルタ232を有する第1、第2、第3の画素である。W画素は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する第4の画素である。GI画素は、第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素である。
【0046】
以上のカラーフィルタ配列(画素配列)を前提とした場合、単位画素配列を形成する各画素に入射する光信号は、カラーフィルタの積層構成に対応して、R,G,B,IR,kIRの5種類に分類される。ここで、kIRとは、選択的赤外光遮断フィルタ232を透過した赤外光を意味し、その強度は赤外光の強度IRに赤外光透過率kを乗じたものである。
【0047】
また、これらの光が受光されたときに、各画素が発する信号強度をRi,Gi,Bi,Wi,GIiとすると、上記の信号種と各色成分の入力信号との関係は、次式(3)に示すようなマトリクス演算(変換マトリクスA)で表現される。
【0048】
【0049】
尚、変換マトリクスAでは、説明を簡素化するために、単純に1と0の並びとなっているが、詳細には、各フィルタの分光特性に基づいて、実数値の成分として記述することも可能である。後述する各実施例においても同様である。
【0050】
ここで、先述した従来例に係るR,G,B,Wカラーフィルタ配列(
図2B参照)と異なる点は、画素の種類としてGI画素が増えており、それに対応して、kIRの強度も未知係数とすることにより、入射信号強度と画素信号との変換マトリクスAが5行×5列となっている点である。これより、変換マトリクスAの逆行列が存在すれば(行列式detA≠0)、逆マトリクス演算を行うことにより、5種の入射信号値から分離されたR,G,B,IR,kIRの信号値を算出することが可能となる。
【0051】
次式(4)は、実際に変換マトリクスAの逆行列を求め、画素信号から、R,G,B,kIR,IRの各入射信号強度を分離する演算式を示したものである。本構成では、変換マトリクスAの逆行列が存在する(行列式detA=2)ため、各信号強度の算出が可能である。これにより、選択的赤外光遮断フィルタ232の赤外光透過率kも単位画素配列毎に求めることが可能となる。
【0052】
【0053】
上述した実施例1によれば、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率k、もしくは、赤外光透過率kが乗算された赤外光成分kIRも単位画素配列毎に求めることができるため、先述した従来例に係るR,G,B,Wカラーフィルタ配列で問題となった、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kの空間的、時間的な変動に影響されることなく、より高い精度で可視光と赤外光成分とを分離算出することが可能となる。また、従来例に係るR,G,B,Wカラーフィルタ配列で問題となった、解の発散の問題も回避することが可能となる。
【0054】
(実施例1の変形例)
実施例1に係るカラーフィルタ配列と同様な効果は、単位画素配列を構成する各色(IR(赤外光)、全光(W)透過画素を含む)の画素において、選択的赤外光遮断フィルタの有り、無しの画素を備え、式(3)に対応する変換マトリクスが逆行列を持てば(行列式det≠0)、他の配列でも得ることが可能である。4行×4列繰り返しのカラーフィルタ配列の変形例を
図5A及び
図5Bに示し、2行×2列繰り返しのカラーフィルタ配列の変形例を
図6A、
図6B、
図7A、及び、
図7Bに示す。
【0055】
・第1変形例
実施例1の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を
図5Aに示す。第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例1に係るカラーフィルタ配列(
図3A参照)において、GI画素をG画素に置き換え、3行3列目のR画素を、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないRI画素に置き換えた構成となっている。RI画素は、Rの波長帯域、及び、デュアルバンドパスフィルタ22を透過する赤外光の波長帯域の2つの波長帯域に感度をもつR画素である。
【0056】
・第2変形例
実施例1の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を
図5Bに示す。第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例1に係るカラーフィルタ配列(
図3A参照)において、GI画素をG画素に置き換え、3行1列目のB画素を、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないBI画素に置き換えた構成となっている。BI画素は、Bの波長帯域、及び、デュアルバンドパスフィルタ22を透過する赤外光の波長帯域の2つの波長帯域に感度をもつB画素である。
【0057】
・第3変形例
実施例1の第3変形例に係るカラーフィルタ配列を
図6Aに示す。第3変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位と、R,W,GI,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。GI画素は、Gの波長帯域、及び、デュアルバンドパスフィルタ22を透過する赤外光の波長帯域の2つの波長帯域に感度をもつ画素である。
【0058】
・第4変形例
実施例1の第4変形例に係るカラーフィルタ配列を
図6Bに示す。第4変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位と、RI,W,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。RI画素は、Rの波長帯域、及び、デュアルバンドパスフィルタ22を透過する赤外光の波長帯域の2つの波長帯域に感度をもつR画素である。
【0059】
・第5変形例
実施例1の第5変形例に係るカラーフィルタ配列を
図7Aに示す。第5変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位と、R,W,G,BIの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。BI画素は、Bの波長帯域、及び、デュアルバンドパスフィルタ22を透過する赤外光の波長帯域の2つの波長帯域に感度をもつB画素である。
【0060】
・第6変形例
実施例1の第6変形例に係るカラーフィルタ配列を
図7Bに示す。第6変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位と、R,WS,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。WS画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されたW画素である。
【0061】
[実施例2]
実施例2は、R,G,B,Wの画素配列をベースとするカラーフィルタ配列において、W画素の半分を、Gの波長帯域、及び、デュアルバンドパスフィルタ22を透過する赤外光の波長帯域の2つの波長帯域に感度をもつGI画素に置き換えた例である。実施例2に係るカラーフィルタ配列を
図8Aに示す。
【0062】
図8Aに示すように、実施例2に係るカラーフィルタ配列では、4行×4列の画素配列において、1行目が、R画素、GI画素、B画素、GI画素から成り、2行目及び4行目が、W画素、G画素、W画素、G画素から成り、3行目がG画素、GI画素、R画素、GI画素から成る構成となっている。ここで、R画素、G画素、B画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されている画素であり、GI画素、W画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていない画素である。実施例2に係るカラーフィルタ配列の変換マトリクス演算式は実施例1の場合と同じである。
【0063】
実施例1では、G画素の半分をGI画素に置き換えている。実施例1の場合、赤外光の強度が強いときにGI画素から算出されるG信号のノイズが増大するため、カラー画像の品質に影響を与える場合がある。これに対し、実施例2に係るカラーフィルタ配列では、R,G,B画素のカラーフィルタ構成については、従来例に係るR,G,B,Wカラーフィルタ配列(
図2B参照)と同様であるため、赤外光の強度が強いときでも、カラー画像の品質はそのまま保持することが可能である。
【0064】
上述した実施例2によれば、実施例1の場合と同様に、選択的赤外光遮断フィルタの透過率kの空間的、時間的な変動に影響されることなく、より高い精度で可視光と赤外光成分とを分離算出することが可能となることに加えて、赤外光の強度が強いときでも、カラー画像の品質はそのまま保持することが可能となる。
【0065】
(実施例2の変形例)
実施例2の変形例に係るカラーフィルタ配列を
図8Bに示す。実施例2の変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,G,B,Wの画素配列をベースとする4行×4列繰り返しのカラーフィルタ配列において、W画素の半分を、W画素に選択的赤外光遮断フィルタ232が形成されたWS画素に置き換えた例である。
【0066】
実施例2の変形例に係るカラーフィルタ配列において、各画素が発する信号強度をRi,Gi,Bi,WSi,Wiとすると、各色成分の強度と各画素の信号強度との関係は、次式(5)に示すようなマトリクス演算で表現される。
【0067】
【0068】
そして、次式(6)に示すように、変換マトリクスの逆行列を求め、逆変換を行うことにより、各画素の信号強度から、R,G,B,kIR,IRの各信号成分を分離算出することが可能になる。
【0069】
【0070】
実施例2に係るカラーフィルタ配列では、W画素の半分をGI画素に置き換えているため、可視光(R,B)の成分に対しては感度が落ちてしまう。これに対し、実施例2の変形例に係るカラーフィルタ配列では、W画素の半分をWS画素に置き換えているため、可視光(R,G,B)の成分に対して感度を維持することが可能となる。
【0071】
[実施例3]
実施例3は、R,G,B-IR(赤外光)の画素配列を基本とする2行×2列繰り返しのカラーフィルタ配列の例である。実施例3に係るカラーフィルタ配列を
図9に示す。
【0072】
実施例3に係るカラーフィルタ配列において、実施例1に係るカラーフィルタ配列との差異は、
図9から明らかなように、W画素が存在しないことである。すなわち、実施例3では、W画素をIR画素に置き換えた画素配列となっており、当該4行×4列の画素配列を単位として、各フィルタが画素アレイ部の各画素上に繰り返し展開される。IR画素は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する画素である。
【0073】
実施例3に係るカラーフィルタ配列では、R,G,Bの各画素の上に選択的赤外光遮断フィルタを形成するとともに、当該カラーフィルタ配列に存在する4つのG画素のうち、2つのG画素には選択的赤外光遮断フィルタを形成し、他の2つのG画素(即ち、GI画素)には選択的赤外光遮断フィルタを形成しない構成となっている。
【0074】
具体的には、
図9に示すように、実施例3では、4行×4列の画素配列において、1行目が、R画素、GI画素、R画素、G画素から成り、2行目及び4行目が、IR画素、B画素、IR画素、B画素から成り、3行目がR画素、G画素、R画素、GI画素から成る構成となっている。ここで、R画素、G画素、B画素、IR画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されている画素であり、GI画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていない画素である。
【0075】
上記の実施例3に係るカラーフィルタ配列において、R,G,Bの各画素は、可視光である第1の色光(赤色光)、第2の色光(緑色光)、第3の色光(青色光)に対応する波長帯域を透過する各フィルタ、及び、選択的赤外光遮断フィルタを有する第1、第2、第3の画素である。IR画素は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する第4の画素である。GI画素は、第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素である。
【0076】
実施例3に係るカラーフィルタ配列において、各画素が発する信号強度をRi,Gi,Bi,GIi,IRiとすると、各色成分の強度と各画素の信号強度との関係は、次式(7)に示すようなマトリクス演算で表現される。実施例1の場合と同様に、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kを赤外光の強度に乗じたkIRも未知数とすることにより、5行×5列の変換式となる。
【0077】
【0078】
そして、次式(8)に示すように、変換マトリクスの逆行列を求め、逆変換を行うことにより、各画素の信号強度から、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kも含め、R,G,B,kIR,IRの各信号成分を分離算出することが可能になる。
【0079】
【0080】
上述したR,G,B-IRの画素配列を基本とする実施例3においても、R,G,B,Wの画素配列を基本とする実施例1の場合と同様の作用、効果を得ることができる。すなわち、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率k、もしくは、赤外光透過率kが乗算された赤外光成分kIRも単位画素配列毎に求めることができるため、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kの空間的、時間的な変動に影響されることなく、より高い精度で可視光と赤外光成分とを分離算出することが可能となる。
【0081】
(実施例3の変形例)
実施例3に係るカラーフィルタ配列と同様な効果は、単位画素配列を構成する各色(IR(赤外光)画素を含む)の画素において、選択的赤外光遮断フィルタの有り、無しの画素を備え、式(7)に対応する変換マトリクスが逆行列を持てば(行列式det≠0)、他の配列でも得ることが可能である。
【0082】
・第1変形例
実施例3の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を
図10Aに示す。第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例3に係るカラーフィルタ配列(
図9参照)において、3行1列目及び1行3列目の各R画素を、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないRI画素、即ち、Rの波長帯域、及び、デュアルバンドパスフィルタ22を透過する赤外光の波長帯域の2つの波長帯域に感度をもつRI画素に置き換えた構成となっている。
【0083】
・第2変形例
実施例3の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を
図10Bに示す。第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例3に係るカラーフィルタ配列(
図9参照)において、4行2列目及び2行4列目の各B画素を、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないBI画素、即ち、Bの波長帯域、及び、デュアルバンドパスフィルタ22を透過する赤外光の波長帯域の2つの波長帯域に感度をもつBI画素に置き換えた構成となっている。
【0084】
[実施例4]
実施例4は、R,G,B-IRの画素配列をベースとする4行×4列繰り返しのカラーフィルタ配列において、解像度に効果が高いG画素の数を増やし、解像度に効果が低いR画素及びB画素の数を減らした例である。実施例4に係るカラーフィルタ配列を
図11に示す。
【0085】
図11に示すように、実施例4では、R,G,B-IRの画素配列において、4行×4列の計16個の画素うち、半分の8個がG画素で、その8個のG画素のうち、4個のG画素には選択的赤外光遮断フィルタを形成し、他の4個のG画素には選択的赤外光遮断フィルタを形成しない構成となっている。そして、実施例3の場合の同様の変換式により、各フィルタの信号値を算出することが可能となる。
【0086】
具体的には、4行×4列の画素配列において、1行目が、R画素、G画素、B画素、G画素から成り、2行目及び4行目が、GI画素、IR画素、GI画素、IR画素から成り、3行目が、B画素、G画素、R画素、G画素から成る構成となっている。ここで、R画素、G画素、B画素、IR画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されている画素であり、GI画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていない画素である。
【0087】
上述した実施例4によれば、R,G,B-IRの画素配列を基本としているため、実施例3の場合と同様の作用、効果を得ることができる。この作用、効果に加えて、実施例4では、解像度に効果が高いG画素の数が、R画素及びB画素の数よりも多いため、高解像度化を図ることができる。
【0088】
(実施例4の変形例)
実施例4に係るカラーフィルタ配列と同様な効果は、単位画素配列を構成する各色(IR(赤外光)画素を含む)の画素において、選択的赤外光遮断フィルタの有り、無しの画素を備え、式(7)に対応する変換マトリクスが逆行列を持てば(行列式det≠0)、他の配列でも得ることが可能である。
【0089】
・第1変形例
実施例4の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を
図12Aに示す。第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例4に係るカラーフィルタ配列(
図11参照)において、GI画素をG画素に置き換えるとともに、3行3列目のR画素を、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないRI画素に置き換えた構成となっている。
【0090】
・第2変形例
実施例4の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を
図12Bに示す。第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例4に係るカラーフィルタ配列(
図11参照)において、GI画素をG画素に置き換えるとともに、3行1列目のB画素を、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないGI画素に置き換えた構成となっている。
【0091】
[実施例5]
実施例5は、R,G,B-IRの画素配列をベースとする4行×4列繰り返しのカラーフィルタ配列において、G画素の半分を、選択的赤外光遮断フィルタが形成されたWS画素に置き換えた例である。実施例5に係るカラーフィルタ配列を
図13Aに示す。
【0092】
図13Aに示すように、実施例5に係るカラーフィルタ配列は、R,G,B-IRの画素配列において、G画素の半分をWS画素に置き換えるとともに、G画素、WS画素、及び、IR画素が4個ずつ配置された構成となっている。具体的には、4行×4列の画素配列において、1行目が、R画素、G画素、B画素、G画素から成り、2行目及び4行目が、WS画素、IR画素、WS画素、IR画素から成り、3行目が、B画素、G画素、R画素、G画素から成る構成となっている。WS画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されたW画素である。
【0093】
上記の実施例5に係るカラーフィルタ配列において、R,G,Bの各画素は、可視光である第1の色光(赤色光)、第2の色光(緑色光)、第3の色光(青色光)に対応する波長帯域を透過する各フィルタ、及び、選択的赤外光遮断フィルタを有する第1、第2、第3の画素である。IR画素は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する第4の画素である。WS画素は、第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素である。
【0094】
実施例5に係るカラーフィルタ配列において、各画素が発する信号強度をRi,Gi,Bi,WSi,IRiとすると、各色成分の強度と各画素の信号強度との関係は、次式(9)に示すようなマトリクス演算で表現される。
【0095】
【0096】
そして、次式(10)に示すように、変換マトリクスの逆行列を求め、逆変換を行うことにより、各画素の信号強度から、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kも含め、R,G,B,kIR,IRの各信号成分を分離算出することが可能になる。
【0097】
【0098】
上述した実施例5においても、R,G,B-IRの画素配列を基本としているため、実施例3の場合と同様の作用、効果を得ることができる。また、実施例5の場合、G画素の半分をWS画素に置き換えているため、実施例4に比べて赤外光の解像度が減少するものの、可視光の感度の向上を図ることができる。
【0099】
(実施例5の変形例)
実施例5の変形例に係るカラーフィルタ配列を
図13Bに示す。
図13Bに示すように、実施例5の変形例では、実施例5の画素配列(
図13A)に対して、2行目、4行目の色配列が異なっている。具体的には、実施例5の画素配列では、2行目及び4行目が共にWS画素、IR画素、WS画素、IR画素の配列となっている。これに対して、実施例5の変形例の画素配列では、2行目がWS画素、B画素、IR画素、B画素の配列となり、4行目がIR画素、B画素、WS画素、B画素の配列となっている。
【0100】
[実施例6]
実施例6は、R,G,B-IRの画素配列をベースとするカラーフィルタ配列において、IR画素の半分を、IR画素に選択的赤外光遮断フィルタが形成されたkIR画素に置き換えた例である。実施例6に係るカラーフィルタ配列を
図14Aに示す。
【0101】
実施例6に係るカラーフィルタ配列は、4行×4列の画素配列において、1行目及び3行目が、R画素、G画素、B画素、G画素から成り、2行目が、kIR画素、B画素、IR画素、B画素から成り、4行目が、IR画素、kIR画素、R画素、B画素から成る構成となっている。
【0102】
上記の実施例6に係るカラーフィルタ配列において、R,G,Bの各画素は、可視光である第1の色光(赤色光)、第2の色光(緑色光)、第3の色光(青色光)に対応する波長帯域を透過する各フィルタ、及び、選択的赤外光遮断フィルタを有する第1、第2、第3の画素である。IR画素は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する第4の画素である。kIR画素は、第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素である。
【0103】
実施例6に係るカラーフィルタ配列において、各画素が発する信号強度をRi,Gi,Bi,kIRi,IRiとすると、各色成分の強度と各画素の信号強度との関係は、次式(11)に示すようなマトリクス演算で表現される。
【0104】
【0105】
そして、次式(12)に示すように、変換マトリクスの逆行列を求め、逆変換を行うことにより、各画素の信号強度から、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kも含め、R,G,B,kIR,IRの各信号成分を分離算出することが可能になる。
【0106】
【0107】
上述した実施例6においても、R,G,B-IRの画素配列を基本としているため、実施例3の場合と同様の作用、効果を得ることができる。また、IR画素の半分をkIR画素に置き換えているため、赤外光の解像度は劣化するものの、IR画素及びkIR画素で選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kを算出することが可能になる。
【0108】
(実施例6の変形例)
実施例6の変形例に係るカラーフィルタ配列を
図14Bに示す。本変形例に係るカラーフィルタ配列では、4行×4列の画素配列において、1行目が、R画素、G画素、B画素、G画素から成り、2行目が、G画素、kIR画素、G画素、IR画素から成り、3行目が、B画素、G画素、IR画素、G画素から成り、4行目が、G画素、IR画素、G画素、kIR画素から成る構成となっている。
【0109】
[実施例7]
実施例7は、R,G,B-W,IRの画素配列を基本とするカラーフィルタ配列の例である。実施例7に係るカラーフィルタ配列を
図15に示す。
【0110】
実施例7に係るカラーフィルタ配列では、実施例4に係るR,G,B-IRの画素配列(
図11参照)に対し、IR画素の半分をW画素に置き換えた構成となっている。具体的には、実施例7に係るカラーフィルタ配列は、R,G,G,IRの2行×2列の画素単位と、B,G,G,Wの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0111】
実施例7に係るカラーフィルタ配列において、各画素が発する信号強度をRi,Gi,Bi,Wi,IRiとすると、各色成分の強度と各画素の信号強度との関係は、次式(13)に示すようなマトリクス演算で表現される。
【0112】
【0113】
そして、次式(14)に示すように、変換マトリクスの逆行列を求め、逆変換を行うことにより、各画素の信号強度から、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kも含め、R,G,B,kIR,IRの各信号成分を分離算出することが可能になる。
【0114】
【0115】
上述したR,G,B-W,IRの画素配列を基本とする実施例7においても、R,G,B,Wの画素配列を基本とする実施例1や、R,G,B-IRの画素配列を基本とする実施例3の場合と同様の作用、効果を得ることができる。すなわち、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率k、もしくは、赤外光透過率kが乗算された赤外光成分kIRも単位画素配列毎に求めることができるため、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kの空間的、時間的な変動に影響されることなく、より高い精度で可視光と赤外光成分とを分離算出することが可能となる。
【0116】
(実施例7の変形例)
実施例7に係るカラーフィルタ配列と同様な効果は、単位画素配列を構成する各色(IR画素、W画素を含む)の画素において、選択的赤外光遮断フィルタの有り、無しの画素を備え、式(13)に対応する変換マトリクスが逆行列を持てば(行列式det≠0)、他の配列でも得ることが可能である。
【0117】
・第1変形例
実施例7の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を
図16Aに示す。第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,IR,G,Bの2行×2列の画素単位と、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0118】
・第2変形例
実施例7の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を
図16Bに示す。第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,kIR,G,Bの2行×2列の画素単位と、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0119】
[実施例8]
実施例8も、実施例7と同様に、R,G,B-W,IRの画素配列を基本とするカラーフィルタ配列の例である。実施例8に係るカラーフィルタ配列を
図17に示す。
【0120】
実施例8に係るカラーフィルタ配列では、R,G,B,Wの画素配列に対し、G画素の半分をIR画素に置き換えた構成となっている。具体的には、R,W,W,IRの2行×2列の画素単位と、B,W,W,Gの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。実施例8に係るカラーフィルタ配列の変換マトリクス演算式は実施例7の場合と同じである。
【0121】
上述したR,G,B-W,IRの画素配列を基本とする実施例8においても、R,G,B,Wの画素配列を基本とする実施例1や、R,G,B-IRの画素配列を基本とする実施例3の場合と同様の作用、効果を得ることができる。すなわち、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率k、もしくは、赤外光透過率kが乗算された赤外光成分kIRも単位画素配列毎に求めることができるため、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kの空間的、時間的な変動に影響されることなく、より高い精度で可視光と赤外光成分とを分離算出することが可能となる。
【0122】
(実施例8の変形例)
実施例8に係るカラーフィルタ配列と同様な効果は、単位画素配列を構成する各色(IR画素、W画素を含む)の画素において、選択的赤外光遮断フィルタの有り、無しの画素を備え、式(13)に対応する変換マトリクスが逆行列を持てば(行列式det≠0)、他の配列でも得ることが可能である。
【0123】
・第1変形例
実施例8の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を
図18Aに示す。第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例8に係るカラーフィルタ配列(
図17参照)において、IR画素をG画素に、W画素の半分をIR画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,W,IR,Gの2行×2列の画素単位と、B,W,IR,Gの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0124】
・第2変形例
実施例7の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を
図18Bに示す。第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例8に係るカラーフィルタ配列(
図17参照)において、IR画素をG画素に、W画素の半分をkIR画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,W,kIR,Gの2行×2列の画素単位と、B,W,kIR,Gの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0125】
[実施例9]
実施例9は、R,B,W,WS-IRの画素配列を基本とするカラーフィルタ配列の例である。実施例9に係るカラーフィルタ配列を
図19Aに示す。
【0126】
実施例9に係るカラーフィルタ配列では、実施例4に係るカラーフィルタ配列(
図11参照)において、G画素をWS画素に、GI画素をW画素にそれぞれ置き換えた構成となっている。具体的には、実施例9に係るカラーフィルタ配列は、R,W,WS,IRの2行×2列の画素単位と、B,W,WS,IRの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。G信号については、他の画素信号から算出することになる。
【0127】
実施例9に係るカラーフィルタ配列において、各画素が発する信号強度をRi,Bi,WSi,Wi,IRiとすると、各色成分の強度と各画素の信号強度との関係は、次式(15)に示すようなマトリクス演算で表現される。
【0128】
【0129】
そして、次式(16)に示すように、変換マトリクスの逆行列を求め、逆変換を行うことにより、各画素の信号強度から、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kも含め、R,G,B,kIR,IRの各信号成分を分離算出することが可能になる。
【0130】
【0131】
上述したR,B,W,WS-IRの画素配列を基本とする実施例9においても、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率k、もしくは、赤外光透過率kが乗算された赤外光成分kIRも単位画素配列毎に求めることができる。従って、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kの空間的、時間的な変動に影響されることなく、より高い精度で可視光と赤外光成分とを分離算出することが可能となる。また、G画素をWS画素に、GI画素をW画素にそれぞれ置き換えたことで、置き換えない場合よりも感度の向上を図ることができる。
【0132】
(実施例9の変形例)
実施例9に係るカラーフィルタ配列と同様な効果は、単位画素配列を構成する各色(IR画素、W画素を含む)の画素において、選択的赤外光遮断フィルタの有り、無しの画素を備え、式(15)に対応する変換マトリクスが逆行列を持てば(行列式det≠0)、他の配列でも得ることが可能である。
【0133】
・第1変形例
実施例9の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を
図19Bに示す。第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,W,WS,Bの2行×2列の画素単位と、R,IR,WS,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0134】
・第2変形例
実施例9の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を
図20Aに示す。第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、第1変形例に係るカラーフィルタ配列(
図19B参照)において、IR画素をkIR画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,W,WS,Bの2行×2列の画素単位と、R,kIR,WS,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0135】
・第3変形例
実施例9の第3変形例に係るカラーフィルタ配列を
図20Bに示す。第3変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例9に係るカラーフィルタ配列(
図19A参照)において、IR画素の半分をkIR画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第3変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,W,WS,IRの2行×2列の画素単位と、B,W,WS,kIRの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0136】
[実施例10]
実施例10は、R,G,Bのカラーフィルタを補色フィルタに置き換えたカラーフィルタ配列の例である。補色フィルタとしては、Ye(イエロー),Mg(マゼンタ),Cy(シアン)を例示することができる。実施例10に係るカラーフィルタ配列を
図21Aに示す。
【0137】
実施例10に係るカラーフィルタ配列は、R,G,B-IRの画素配列をベースとするカラーフィルタ配列において、R,G,Bのうち、R画素の半分をYI画素に置き換えた構成となっている。具体的には、実施例10に係るカラーフィルタ配列は、R,IR,G,Bの2行×2列の画素単位と、YI,IR,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。ここで、YI画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないYe画素である。
【0138】
上記の実施例10に係るカラーフィルタ配列において、R,G,Bの各画素は、可視光である第1の色光(赤色光)、第2の色光(緑色光)、第3の色光(青色光)に対応する波長帯域を透過する各フィルタ、及び、選択的赤外光遮断フィルタ232を有する第1、第2、第3の画素である。IR画素は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する第4の画素である。補色画素であるYI画素は、第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素である。
【0139】
実施例10に係るカラーフィルタ配列において、各画素が発する信号強度をRi,Gi,Bi,YIi,IRiとすると、各色成分の強度と各画素の信号強度との関係は、次式(17)に示すようなマトリクス演算で表現される。
【0140】
【0141】
そして、次式(18)に示すように、変換マトリクスの逆行列を求め、逆変換を行うことにより、各画素の信号強度から、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kも含め、R,G,B,kIR,IRの各信号成分を分離算出することが可能になる。
【0142】
【0143】
上述したR,G,B-IRのカラーフィルタ配列において、R画素の半分をYI画素に置き換えた実施例10においても、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率k、もしくは、赤外光透過率kが乗算された赤外光成分kIRも単位画素配列毎に求めることができる。従って、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kの空間的、時間的な変動に影響されることなく、より高い精度で可視光と赤外光成分とを分離算出することが可能となる。また、補色フィルタを使用する構成を採ることにより、R,G,Bのカラーフィルタを使用する場合に比べて、可視光の感度を上げることが可能になる。
【0144】
(実施例10の変形例)
実施例10に係るカラーフィルタ配列と同様な効果は、単位画素配列を構成する各色(IR画素、YI画素を含む)の画素において、選択的赤外光遮断フィルタの有り、無しの画素を備え、式(17)に対応する変換マトリクスが逆行列を持てば(行列式det≠0)、他の配列でも得ることが可能である。
【0145】
・第1変形例
実施例10の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を
図21Bに示す。第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例10に係るカラーフィルタ配列において(
図21A参照)、YI画素をMI画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,IR,G,Bの2行×2列の画素単位と、MI,IR,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。ここで、補色画素であるMI画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないMg画素であり、第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素である。
【0146】
・第2変形例
実施例10の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を
図22Aに示す。第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例10に係るカラーフィルタ配列において(
図21A参照)、YI画素をCI画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,IR,G,Bの2行×2列の画素単位と、CI,IR,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。ここで、補色画素であるCI画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないCy画素であり、第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素である。
【0147】
・第3変形例
実施例10の第3変形例に係るカラーフィルタ配列を
図22Bに示す。第3変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例4に係るカラーフィルタ配列(
図11参照)において、GI画素をYI画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第3変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,YI,G,IRの2行×2列の画素単位と、B,YI,G,IRの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0148】
・第4変形例
実施例10の第4変形例に係るカラーフィルタ配列を
図23Aに示す。第4変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例4に係るカラーフィルタ配列(
図11参照)において、GI画素をMI画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第4変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,MI,G,IRの2行×2列の画素単位と、B,MI,G,IRの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0149】
・第5変形例
実施例10の第5変形例に係るカラーフィルタ配列を
図23Bに示す。第5変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例4に係るカラーフィルタ配列(
図11参照)において、GI画素をCI画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第5変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,CI,G,IRの2行×2列の画素単位と、B,CI,G,IRの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0150】
[実施例11]
実施例11は、R,G,B-IRの画素配列をベースとするカラーフィルタ配列において、R,G,Bのうち、R画素の半分をYe画素に置き換えた例である。ここで、Ye画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されている画素である。実施例11に係るカラーフィルタ配列を
図24Aに示す。
【0151】
実施例11に係るカラーフィルタ配列は、実施例10に係るカラーフィルタ配列(
図21A参照)において、YI画素をYe画素に置き換えた構成となっている。具体的には、実施例11に係るカラーフィルタ配列は、R,IR,G,Bの2行×2列の画素単位と、Ye,IR,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。Ye画素は選択的赤外光遮断フィルタが形成されている画素である。
【0152】
実施例11に係るカラーフィルタ配列において、各画素が発する信号強度をRi,Gi,Bi,Yei,IRiとすると、各色成分の強度と各画素の信号強度との関係は、次式(19)に示すようなマトリクス演算で表現される。
【0153】
【0154】
そして、次式(20)に示すように、変換マトリクスの逆行列を求め、逆変換を行うことにより、各画素の信号強度から、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kも含め、R,G,B,kIR,IRの各信号成分を分離算出することが可能になる。
【0155】
【0156】
上述した実施例11、即ち、R,G,B-IRのカラーフィルタ配列において、R画素の半分をYe画素に置き換えたカラーフィルタ配列においても、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率k、もしくは、赤外光透過率kが乗算された赤外光成分kIRも単位画素配列毎に求めることができる。従って、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kの空間的、時間的な変動に影響されることなく、より高い精度で可視光と赤外光成分とを分離算出することが可能となる。また、実施例10の場合と同様に、補色フィルタを使用する構成を採ることにより、R,G,Bのカラーフィルタを使用する場合に比べて、可視光の感度を上げることが可能になる。
【0157】
(実施例11の変形例)
実施例11に係るカラーフィルタ配列と同様な効果は、単位画素配列を構成する各色(IR画素、Ye画素を含む)の画素において、選択的赤外光遮断フィルタの有り、無しの画素を備え、式(19)に対応する変換マトリクスが逆行列を持てば(行列式det≠0)、他の配列でも得ることが可能である。
【0158】
・第1変形例
実施例11の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を
図24Bに示す。第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例11に係るカラーフィルタ配列(
図24A参照)において、Ye画素をM画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,IR,G,Bの2行×2列の画素単位と、Mg,IR,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。Mg画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されている画素である。
【0159】
・第2変形例
実施例11の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を
図25Aに示す。第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例11に係るカラーフィルタ配列(
図24A参照)において、Ye画素をCy画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第2変形例に係るカラーフィルタ配g列は、R,IR,G,Bの2行×2列の画素単位と、Cy,IR,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。Cy画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されている画素である。
【0160】
・第3変形例
実施例11の第3変形例に係るカラーフィルタ配列を
図25Bに示す。第3変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例4に係るカラーフィルタ配列(
図11参照)において、GI画素をYe画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第3変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,Ye,G,IRの2行×2列の画素単位と、B,Ye,G,IRの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0161】
・第4変形例
実施例11の第4変形例に係るカラーフィルタ配列を
図26Aに示す。第4変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例4に係るカラーフィルタ配列(
図11参照)において、GI画素をMg画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第4変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,Mg,G,IRの2行×2列の画素単位と、B,Mg,G,IRの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0162】
・第5変形例
実施例10の第5変形例に係るカラーフィルタ配列を
図26Bに示す。第5変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例4に係るカラーフィルタ配列(
図11参照)において、GI画素をCy画素に置き換えた構成となっている。具体的には、第5変形例に係るカラーフィルタ配列は、R,Cy,G,IRの2行×2列の画素単位と、B,Cy,G,IRの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0163】
[実施例12]
実施例12は、全てのカラーフィルタを補色フィルタに置き換えた例である。補色フィルタとしては、実施例10及び実施例11の場合と同様に、Ye(イエロー),Mg(マゼンタ),Cy(シアン)を例示することができる。実施例12に係るカラーフィルタ配列を
図27Aに示す。
【0164】
実施例12に係るカラーフィルタ配列は、実施例10に係るカラーフィルタ配列(
図21A参照)において、R画素をYe画素に、G画素をMg画素に、B画素をCy画素にそれぞれ置き換えた構成となっている。具体的には、実施例12に係るカラーフィルタ配列は、Ye,IR,Mg,Cyの2行×2列の画素単位と、YI,IR,Mg,Cyの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。ここで、Ye画素、Mg画素、及び、Cy画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されている画素であり、YI画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないYe画素である。
【0165】
上記の実施例12に係るカラーフィルタ配列において、Ye,Mg,Cyの各画素は、可視光である第1の色光(イエロー色光)、第2の色光(マゼンタ色光)、第3の色光(シアン色光)に対応する波長帯域を透過する各フィルタ、及び、選択的赤外光遮断フィルタ232を有する第1、第2、第3の画素である。IR画素は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する第4の画素である。YI画素は、第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素である。
【0166】
実施例12に係るカラーフィルタ配列において、各画素が発する信号強度をYei,Mgi,Cyi,YIi,IRiとすると、各色成分の強度と各画素の信号強度との関係は、次式(21)に示すようなマトリクス演算で表現される。
【0167】
【0168】
そして、次式(22)に示すように、変換マトリクスの逆行列を求め、逆変換を行うことにより、各画素の信号強度から、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kも含め、R,G,B,kIR,IRの各信号成分を分離算出することが可能になる。
【0169】
【0170】
上述した実施例12、即ち、全てのカラーフィルタを補色フィルタに置き換えたカラーフィルタ配列においても、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率k、もしくは、赤外光透過率kが乗算された赤外光成分kIRも単位画素配列毎に求めることができる。従って、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kの空間的、時間的な変動に影響されることなく、より高い精度で可視光と赤外光成分とを分離算出することが可能となる。
【0171】
(実施例12の変形例)
実施例12に係るカラーフィルタ配列と同様な効果は、単位画素配列を構成する各色(IR画素、YI画素を含む)の画素において、選択的赤外光遮断フィルタの有り、無しの画素を備え、式(21)に対応する変換マトリクスが逆行列を持てば(行列式det≠0)、他の配列でも得ることが可能である。
【0172】
・第1変形例
実施例12の第1変形例に係るカラーフィルタ配列を
図27Bに示す。第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例12に係るカラーフィルタ配列(
図27A参照)において、YI画素をYe画素に、Mg画素の半分をMI画素にそれぞれ置き換えた構成となっている。具体的には、第1変形例に係るカラーフィルタ配列は、Ye,IR,Mg,Cyの2行×2列の画素単位と、Ye,IR,MI,Cyの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0173】
・第2変形例
実施例12の第2変形例に係るカラーフィルタ配列を
図28Aに示す。第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例12に係るカラーフィルタ配列(
図27A参照)において、YI画素をYe画素に、Cy画素の半分をCI画素にそれぞれ置き換えた構成となっている。具体的には、第2変形例に係るカラーフィルタ配列は、Ye,IR,Mg,Cyの2行×2列の画素単位と、Ye,IR,Mg,CIの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0174】
・第3変形例
実施例12の第3変形例に係るカラーフィルタ配列を
図28Bに示す。第3変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例12に係るカラーフィルタ配列(
図27A参照)において、YI画素をYe画素に、IR画素の半分をW画素にそれぞれ置き換えた構成となっている。具体的には、第3変形例に係るカラーフィルタ配列は、Ye,IR,Mg,Cyの2行×2列の画素単位と、Ye,W,Mg,Cyの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0175】
・第4変形例
実施例12の第4変形例に係るカラーフィルタ配列を
図29Aに示す。第4変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例12に係るカラーフィルタ配列(
図27A参照)において、YI画素をYe画素に、IR画素の半分をWS画素にそれぞれ置き換えた構成となっている。具体的には、第4変形例に係るカラーフィルタ配列は、Ye,IR,Mg,Cyの2行×2列の画素単位と、Ye,WS,Mg,Cyの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0176】
・第5変形例
実施例12の第5変形例に係るカラーフィルタ配列を
図29Bに示す。第5変形例に係るカラーフィルタ配列は、実施例12に係るカラーフィルタ配列(
図27A参照)において、YI画素をYe画素に、IR画素の半分をkIR画素にそれぞれ置き換えた構成となっている。具体的には、第5変形例に係るカラーフィルタ配列は、Ye,IR,Mg,Cyの2行×2列の画素単位と、Ye,kIR,Mg,Cyの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0177】
[実施例13]
以上説明した各実施例では、単位画素配列毎に、選択的赤外光遮断フィルタ232の赤外光透過率kを含めて各色信号成分を算出することとしている。これに対し、実施例3は、透過率算出用の単位画素配列を、画素がマトリクス状に配置されて成る画素アレイ部上において、離散的に配置する例である。実施例3は、選択的赤外光遮断フィルタ232の赤外光透過率kが、画素アレイ部上(撮像装置の撮像面上)で領域毎に粗い精度で求められれば十分である場合に有用なものとなる。
【0178】
実施例13に係るカラーフィルタ配列を
図30に示す。ここでは、例えば、実施例1に係る単位画素配列(
図3A参照)を、当該単位画素配列の5×5単位毎に配列した場合を図示している。ここで、選択的赤外光遮断フィルタ232の赤外光透過率kを求めるための透過率算出用の単位画素配列以外は、通常のR,G,B,Wの単位画素配列が配置される。そして、通常の単位画素配列のマトリクス演算を実行する場合の赤外光透過率kについては、5×5単位のエリアの中心に存在する透過率算出用の単位画素配列より算出された赤外光透過率kの値を用いる。
【0179】
実施例1に係るカラーフィルタ配列では、透過率算出用にG画素の半分に赤外光が入射する構成となっているため、G成分算出において、ノイズが多くなり、画素が劣化するデメリットが発生する。これに対し、実施例13では、透過率算出用の単位画素配列を、撮像装置の撮像面上に離散的に配置し、その数を必要最小限に抑えるようにしているため、G成分算出におけるノイズに起因する画質劣化を抑えることが可能となる。
【0180】
<実施形態の変形例>
以上、本開示の技術について、好ましい実施形態に基づき説明したが、本開示の技術は当該実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態において説明した撮像装置及び撮像システムの構成、構造は例示であり、適宜、変更することができる。
【0181】
例えば、上記の実施形態では、選択的赤外光遮断フィルタが有る画素への赤外光(IR)の混入として、選択的赤外光遮断フィルタの赤外光透過率kによる成分(kIR)のみを考慮したが、これに限られるものではない。すなわち、それ以外にも、選択的赤外光遮断フィルタが無い画素から、選択的赤外光遮断フィルタが有る画素への混色(撮像装置の基板内での赤外光による信号電荷の漏れ込み)が考えられる。よって、上記の実施形態で説明した赤外光透過率kには、この混色成分も含まれているものとして考えてもよい。
【0182】
また、上記の実施形態では、選択的赤外光遮断フィルタとして1種の膜を前提としているが、2種以上の膜を形成し、5×5以上の多元のマトリクス構成により、2種以上の赤外光透過率kを未知数として扱い、各信号帯域の信号成分を求めるようにしてもよい。
【0183】
また、一方で、同色カラーフィルタで、選択的赤外光遮断フィルタの有り、無しの画素の組を備えていたとしても、赤外光透過率kを含む各画素信号を求めることができないカラーフィルタ配列が存在する。そのようなカラーフィルタ配列の例を
図31Aに示す。このような構成のカラーフィルタ配列では、
図31Bに示す変換式において、行列式が0になってしまい逆行列を求めることができない。よって、本開示の技術を実現するためには、選択的赤外光遮断フィルタの配置の組み合わせとして、変換マトリクスの行列式が0でないものを選択する必要がある。
【0184】
また、上記の実施形態において、各実施例について種々に変形例を例示したが、これらの変形例に限られるものではない。例えば、補色フィルタを用いる場合のバリエーションについて以下に説明する。
【0185】
(R,G,B,Wベースの場合)
・バリエーション1
バリエーション1に係るカラーフィルタ配列を
図32Aに示す。バリエーション1に係るカラーフィルタ配列は、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位と、YI,W,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0186】
・バリエーション2
バリエーション2に係るカラーフィルタ配列を
図32Bに示す。バリエーション2に係るカラーフィルタ配列は、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位と、MI,W,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0187】
・バリエーション3
バリエーション3に係るカラーフィルタ配列を
図33Aに示す。バリエーション3に係るカラーフィルタ配列は、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位と、CI,W,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0188】
・バリエーション4
バリエーション4に係るカラーフィルタ配列を
図33Bに示す。バリエーション4に係るカラーフィルタ配列は、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位と、Ye,W,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0189】
・バリエーション5
バリエーション5に係るカラーフィルタ配列を
図34Aに示す。バリエーション5に係るカラーフィルタ配列は、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位と、Mg,W,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0190】
・バリエーション6
バリエーション6に係るカラーフィルタ配列を
図34Bに示す。バリエーション6に係るカラーフィルタ配列は、R,W,G,Bの2行×2列の画素単位と、Cy,W,G,Bの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0191】
・バリエーション7
バリエーション7に係るカラーフィルタ配列を
図35Aに示す。バリエーション7に係るカラーフィルタ配列は、R,W,W,Gの2行×2列の画素単位と、B,W,W,YIの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0192】
・バリエーション8
バリエーション8に係るカラーフィルタ配列を
図35Bに示す。バリエーション8に係るカラーフィルタ配列は、R,W,W,Gの2行×2列の画素単位と、B,W,W,MIの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0193】
・バリエーション9
バリエーション9に係るカラーフィルタ配列を
図36Aに示す。バリエーション9に係るカラーフィルタ配列は、R,W,W,Gの2行×2列の画素単位と、B,W,W,CIの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0194】
・バリエーション10
バリエーション10に係るカラーフィルタ配列を
図36Bに示す。バリエーション10に係るカラーフィルタ配列は、R,W,W,Gの2行×2列の画素単位と、B,W,W,Yeの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0195】
・バリエーション11
バリエーション11に係るカラーフィルタ配列を
図37Aに示す。バリエーション11に係るカラーフィルタ配列は、R,W,W,Gの2行×2列の画素単位と、B,W,W,Mgの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0196】
・バリエーション12
バリエーション12に係るカラーフィルタ配列を
図37Bに示す。バリエーション12に係るカラーフィルタ配列は、R,W,W,Gの2行×2列の画素単位と、B,W,W,Cyの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0197】
(Ye,Mg,Cy,Wベースの場合)
・バリエーション13
バリエーション13に係るカラーフィルタ配列を
図38Aに示す。バリエーション13に係るカラーフィルタ配列は、Ye,W,Mg,Cyの2行×2列の画素単位と、MI,W,Mg,Cyの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0198】
・バリエーション14
バリエーション14に係るカラーフィルタ配列を
図38Bに示す。バリエーション14に係るカラーフィルタ配列は、Ye,W,Mg,Cyの2行×2列の画素単位と、Ye,W,MI,Cyの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0199】
・バリエーション15
バリエーション15に係るカラーフィルタ配列を
図39Aに示す。バリエーション15に係るカラーフィルタ配列は、Ye,W,Mg,Cyの2行×2列の画素単位と、Ye,W,Mg,CIの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0200】
・バリエーション16
バリエーション16に係るカラーフィルタ配列を
図39Bに示す。バリエーション16に係るカラーフィルタ配列は、Ye,W,Mg,Cyの2行×2列の画素単位と、Ye,WS,Mg,Cyの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0201】
・バリエーション17
バリエーション17に係るカラーフィルタ配列を
図40に示す。バリエーション17に係るカラーフィルタ配列は、Ye,W,Mg,Cyの2行×2列の画素単位と、Ye,kIR,Mg,Cyの2行×2列の画素単位とが交互に配置された単位画素配列の構成となっている。
【0202】
<本開示がとることができる構成>
尚、本開示は、以下のような構成をとることもできる。
【0203】
≪A.撮像装置≫
[A-1]可視光である第1の色光に対応する波長帯域を透過する第1のカラーフィルタ、及び、赤外光の波長帯域の透過を制限する赤外光遮断フィルタを有する第1の画素、
可視光である第2の色光に対応する波長帯域を透過する第2のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する第2の画素、
可視光である第3の色光に対応する波長帯域を透過する第3のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する第3の画素、
赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する第4の画素、並びに、
第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素、
を有する撮像装置。
[A-2]赤色に対応する波長帯域、緑色に対応する波長帯域、青色に対応する波長帯域、及び、赤色に対応する波長帯域よりも波長の長い帯域である第1の赤外光波長帯域を透過するとともに、赤色に対応する波長帯域と第1の赤外光波長帯域との間の波長帯域である第1の波長帯域、及び、第1の赤外光波長帯域よりも長い波長帯域である第2の波長帯域を遮断するバンドパスフィルタを更に備える、
上記[A-1]に記載の撮像装置。
[A-3]赤外光遮断フィルタは、第1の赤外光波長帯域の透過を制限する選択的赤外光遮断フィルタである、
上記[A-2]に記載の撮像装置。
[A-4]第1のカラーフィルタは赤色のカラーフィルタ、
第2のカラーフィルタは緑色のカラーフィルタ、及び、
第3のカラーフィルタは青色のカラーフィルタである、
上記[A-1]乃至上記[A-3]のいずれかに記載の撮像装置。
[A-5]第4の画素は、カラーフィルタが形成されていない白色画素、又は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する赤外光画素である、
上記[A-4]に記載の撮像装置。
[A-6]第5の画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていない緑色画素、選択的赤外光遮断フィルタが形成された白色画素、選択的赤外光遮断フィルタが形成された赤外光画素、又は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていない補色画素である、
上記[A-5]に記載の撮像装置。
[A-7]第1のカラーフィルタ、第2のカラーフィルタ、及び、第3のカラーフィルタは、補色フィルタである、
上記[A-1]乃至上記[A-3]のいずれかに記載の撮像装置。
[A-8]第1のカラーフィルタはイエローのカラーフィルタ、
第2のカラーフィルタはマゼンタのカラーフィルタ、及び、
第3のカラーフィルタはシアンのカラーフィルタである、
上記[A-7]に記載の撮像装置。
[A-9]第4の画素は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する赤外光画素である、
上記[A-8]に記載の撮像装置。
[A-10]第5の画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないイエローのカラーフィルタ、マゼンタのカラーフィルタ、又は、シアンのカラーフィルタである、
上記[A-9]に記載の撮像装置。
[A-11]第1の画素、第2の画素、第3の画素、第4の画素、及び、第5の画素を含む単位画素配列が、画素がマトリクス状に配置されて成る画素アレイ部上において、離散的に配置されている、
上記[A-1]乃至上記[A-10]のいずれかに記載の撮像装置。
【0204】
≪B.撮像システム≫
[B-1]赤外光を発光する光源、及び、
可視光及び赤外光を取得可能な撮像装置を備え、
撮像装置は、
可視光である第1の色光に対応する波長帯域を透過する第1のカラーフィルタ、及び、赤外光の波長帯域の透過を制限する赤外光遮断フィルタを有する第1の画素、
可視光である第2の色光に対応する波長帯域を透過する第2のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する第2の画素、
可視光である第3の色光に対応する波長帯域を透過する第3のカラーフィルタ、及び、赤外光遮断フィルタを有する第3の画素、
赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する第4の画素、並びに、
第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び、第4の画素のいずれとも異なる波長透過特性を有する第5の画素、を有する、
撮像システム。
[B-2]赤色に対応する波長帯域、緑色に対応する波長帯域、青色に対応する波長帯域、及び、赤色に対応する波長帯域よりも波長の長い帯域である第1の赤外光波長帯域を透過するとともに、赤色に対応する波長帯域と第1の赤外光波長帯域との間の波長帯域である第1の波長帯域、及び、第1の赤外光波長帯域よりも長い波長帯域である第2の波長帯域を遮断するバンドパスフィルタを更に備える、
上記[B-1]に記載の撮像システム。
[B-3]赤外光遮断フィルタは、第1の赤外光波長帯域の透過を制限する選択的赤外光遮断フィルタである、
上記[B-2]に記載の撮像システム。
[B-4]第1のカラーフィルタは赤色のカラーフィルタ、
第2のカラーフィルタは緑色のカラーフィルタ、及び、
第3のカラーフィルタは青色のカラーフィルタである、
上記[B-1]乃至上記[B-3]のいずれかに記載の撮像システム。
[B-5]第4の画素は、カラーフィルタが形成されていない白色画素、又は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する赤外光画素である、
上記[B-4]に記載の撮像システム。
[B-6]第5の画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていない緑色画素、選択的赤外光遮断フィルタが形成された白色画素、選択的赤外光遮断フィルタが形成された赤外光画素、又は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていない補色画素である、
上記[B-5]に記載の撮像システム。
[B-7]第1のカラーフィルタ、第2のカラーフィルタ、及び、第3のカラーフィルタは、補色フィルタである、
上記[B-1]乃至上記[B-3]のいずれかに記載の撮像システム。
[B-8]第1のカラーフィルタはイエローのカラーフィルタ、
第2のカラーフィルタはマゼンタのカラーフィルタ、及び、
第3のカラーフィルタはシアンのカラーフィルタである、
上記[B-7]に記載の撮像システム。
[B-9]第4の画素は、赤外光の波長帯域を透過する透過特性を有する赤外光画素である、
上記[B-8]に記載の撮像システム。
[B-10]第5の画素は、選択的赤外光遮断フィルタが形成されていないイエローのカラーフィルタ、マゼンタのカラーフィルタ、又は、シアンのカラーフィルタである、
上記[B-9]に記載の撮像システム。
[B-11]第1の画素、第2の画素、第3の画素、第4の画素、及び、第5の画素を含む単位画素配列が、画素がマトリクス状に配置されて成る画素アレイ部上において、離散的に配置されている、
上記[B-1]乃至上記[B-10]のいずれかに記載の撮像システム。
【符号の説明】
【0205】
1・・・カメラシステム、10・・・光源部、11・・・IR-LED、12・・・IR-LEDドライバ、20・・・撮像部、21・・・レンズ、22・・・デュアルバンドパスフィルタ、23・・・撮像装置、30・・・カメラ信号処理部、231・・・画素アレイ部、232・・・選択的赤外光遮断フィルタ、233・・・カラーフィルタ、234・・・オンチップレンズ