(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】尿流動態検査装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/20 20060101AFI20230313BHJP
【FI】
A61B5/20
(21)【出願番号】P 2020541711
(86)(22)【出願日】2019-02-12
(86)【国際出願番号】 US2019017621
(87)【国際公開番号】W WO2019164702
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-10-08
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519130834
【氏名又は名称】エスアールエス メディカル システムズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SRS MEDICAL SYSTEMS,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ブロディ、リー
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/087182(WO,A1)
【文献】米国特許第06138984(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0275839(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0010404(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膀胱から尿を受けるための尿流動態検査装置であって、装置は、
a.対向する第1の端部と第2の端部と、ポートとによって特徴付けられる
剛性管状要素、
b.装置のチャンバを区画するように前記
剛性管状要素の前記対向する第1及び第2の端部によって受承するようになされた第1及び第2の継手、並びに、
c.尿の通過を選択するためのスリーブ要素であって、前記スリーブ要素は前記チャンバ内の前記第1及び第2の継手の間に懸架され、前記スリーブ要素は潰れた形態と開いた形態とを有し、前記潰れた形態は尿の流れのない状態を示し、前記開いた形態は尿の流れる状態を示すものであり、前記スリーブ要素の尿流の状態は、前記
剛性管状要素の前記ポートを介して前記チャンバに加えられる圧力の関数であるスリーブ要素、
を具備している尿流動態検査装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、尿排出経路管との作動可能な結合に適合している、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、流量測定装置との作動可能な結合に適合している、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、外部カテーテルとの作動可能な結合に適合している、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、尿道周囲組織と協働して係合するように適合している、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、尿道周囲組織を受承するようになされている、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項7】
前記
剛性管状要素に対する前記第1及び第2の継手の各々の境界面は、漏れ防止シールによって特徴付けられる、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項8】
前記
剛性管状要素に対する前記第1及び第2の継手の各々の境界面は、Oリングによって特徴付けられる、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項9】
前記
剛性管状要素に対する前記第1及び第2の継手の各々の境界面は、機械的締結具によって特徴付けられる、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項10】
前記
剛性管状要素に対する前記第1及び第2の継手の各々の境界面は、スプリングピンによって特徴付けられる、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項11】
前記スリーブ要素は、熱可塑性物質を含む、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項12】
前記スリーブ要素は、
熱収縮チューブを含む、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項13】
前記スリーブ要素は、前記第1及び第2の継手の各々に直接的に固定される、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項14】
前記スリーブ要素は、前記第1及び第2の継手の各々に間接的に固定される、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項15】
前記スリーブ要素は、前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手を貫通して外部に延在する、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項16】
前記スリーブ要素は、前記第1及び第2の継手の各々を貫通して外部に延在する、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【請求項17】
前記スリーブ要素からの尿排出量を測定するための流量測定装置と、尿が通過する間に前記チャンバ内及び前記スリーブ要素に選択的に圧力を印加するための制御可能な圧力印加装置とのいずれか又は両方と作動可能に組み合わされる、請求項1に記載の尿流動態検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、男性被験者の尿流動態検査に関し、より詳しくは、例えば米国特許第6,506,169号明細書(グリフィス(Griffiths))に示され、記載されている非侵襲性尿流動態検査に関連する改善に関するものであり、付随する尿流動態検査デバイス、装置、アセンブリ又はサブアセンブリ、及び/又は方法を場合に応じて含め、上記特許の全体を参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
尿流動態検査に関して、排尿圧検査(VPS)は、身体によって生成される圧力と尿排出流量との関係を決定するための診断の代表的なものである。排尿中に身体によって生成される圧力と、結果として生じる尿の排出(つまり、放出)流量を同時に測定することにより、一般に泌尿器科医である医療提供者は、膀胱頸部及び尿道における排出抵抗量を推定できる。この情報は、組み合わせによって、下部尿路症状の潜在的な原因、及び特定の介入が成功する可能性について知らせることができる。例えば、被験者が低い尿排出量で高い圧力を生成していると判定された場合、その被験者は高い排出抵抗を有すると推定され、排出抵抗を下げるための治療が考慮され得る。
【0003】
従来のVPSでは、3つの生理学的なパラメーター又は信号の同時測定を含む。すなわち、(1)測定カテーテルを膀胱に挿入し、膀胱内の膀胱内圧を継続的に測定する、(2)測定カテーテルを腹腔内に配置し、腹圧を継続的に測定する、(3)尿流量を特定できるように、排出された量の尿が収集され、継続的に重さが量られる。
【0004】
身体は2つの発生源から尿を体外に排出する圧力を生成する。すなわち、(1)主な発生源は膀胱壁(つまり、排尿筋)の協調的な収縮であるべきである、そして、(2)一部の被験者は「圧迫」し、自発的に腹部収縮を引き起こす。膀胱内の測定カテーテルは、排尿筋によって生成された圧力と腹部収縮によって生成された圧力とを区別できない。排尿筋によって生成された圧力を分離する(つまり、特定する)には、膀胱内圧から腹圧を差し引かなければならない。
【0005】
排尿中の例示的な圧力に対する時間の関係が
図1に示されている、すなわち、上(一番上)のグラフは膀胱内の圧力センサの出力(膀胱内圧Pves)であり、中央(中間)のグラフは腹腔内の圧力センサーの出力(腹圧Pabd)であり、下の(一番下)のグラフは計算された差の結果(Pves-Pabd)、すなわち膀胱壁の収縮によって生成される圧力の量(排尿筋圧Pdet)である。
図1に示された関係は、排尿中にかなりの圧力を発生させている被験者を示しているが、発生した圧力のほとんどすべては腹部収縮から生じている。
【0006】
従来のVPSは、米国では膀胱出口閉塞の疑いのある被験者に対する診断として十分に活用されていない。この検査は、陰茎の先端と直腸の両方にカテーテルを挿入する必要がある侵襲的検査であり、膀胱を滅菌水で満たすことを含む。膀胱出口閉塞の治療を受けている患者のうち、従来のVPSを受けているのは1%未満であると推定されている。
【0007】
出願人のエスアールエス・メディカル・システムズ社(SRS Medical Systems, LLC)(米国マサチューセッツ州)は、UroCuff(登録商標)膀胱機能監視/評価装置によって特徴付けられるシステムであるCT3000 Plus Complete Urodynamics Systemを製造している。この装置とシステムは、尿流量と膀胱内圧を同時に測定するUroCuff膀胱機能検査(マイケル・ドリンナン(Michael Drinnan)博士及びクリブ・グリフィス(Clive Griffiths)博士(ニューキャッスル(Newcastle)大学)によって採用されたエスアールエス・メディカル・システムズ社の「ユーロカフテストの原則」P/N 291-045 Rev Aを参照。同文献の全体を参照により本明細書に組み込む。)と呼ばれる非侵襲的排尿圧検査を可能にする。
図2に示されるように、検査/検査システム21は、排尿中に自動圧力供給装置又はシステム25を介して、尿排出監視/回収を用いて、直接的又は指示された容積測定流量測定を目的として、選択圧力印加中に尿回収/流量指示又は測定システム27を介して、制御された調節圧力の空気圧式陰茎カフ23への印加を企図している。
【0008】
心地よく膀胱が満たされるように水分を摂取して膀胱を自然に満たした後、被験者は検査のために位置決めされる。膀胱内圧は、留置カテーテルではなく、空気圧式陰茎カフ(すなわち、血圧カフに類似した物品)を用いて非侵襲的に測定される。
【0009】
検査の原理は血圧測定と類似している。被験者が排尿する準備ができたら、カフを陰茎に装着し、被験者に対して直接または他の方法で、流量測定デバイス、装置又はシステムに排尿するように指示する。排尿が開始されると、適用されたカフ制限の適用によって尿排出流が遮断されるまで、カフは自動圧力供給制御アセンブリ/サブアセンブリを用いて膨張される。排尿が終わるまで、さらなる膨張サイクルが実行される。尿排出流を遮断するために必要なカフ圧は、遮断時の膀胱内圧に等しい。
【0010】
検査が完了すると、圧力-流量データは、特徴的なUroCuff膀胱機能検査レポートの修正ノモグラムとして生成される。3.1ml/sという同一の最大流量を有する2人の異なる被験者からのノモグラムが
図3に示されており、これらの被験者の各々は「低流量」の被験者として示されるが、左のUroCuff膀胱機能検査ノモグラムは、第1の被験者(A)が高い膀胱圧(~1697Pa(173cmH
2O))を有することを明らかにし、右のノモグラムは第2の被験者(B)が低い膀胱圧(~598Pa(61cmH
2O))を有することを明らかにしている。第1の被験者は、閉塞除去処置の結果として排尿症状が改善している可能性がより高い。
【0011】
現在のUroCuffのプロトコルでは、被験者が排尿を始めることを待つ。被験者が排尿すると、カフは毎秒98Pa(10cmH2O)の線形的な割合で膨張する。カフが膨らむと尿流量が常に測定され、プロトコルでは尿の流れを遮断する圧力までカフを膨らませる必要がある。尿の流れが遮断されると、カフは完全に収縮し、第2の膨張サイクルが開始される。第2の膨張サイクルは、尿流が完全に遮断されるまで、再びカフ圧を線形的に増加させる。被験者が膀胱を空にするまでサイクルを繰り返し、排尿を終了して検査を完了させる。
【0012】
時間の関数としてのパラメータ値を表す例示的なグラフが
図4として提供されており、印加圧力、尿排出流量、及び尿排出体積の監視及び記録によって4つの膨張サイクルの実績を示す。上(一番上の)のグラフはカフ圧と一連の4つの線形的な膨張(すなわち、排出が休止/停止するまで圧力が線形的に上昇する)を示し、中央(中間)のグラフは尿流量を示す。図示された関係の比較から、カフ圧が増加するにつれて、尿流量が減少することが分かる。下部(一番下)のグラフは、尿の総排出体積を表す。
【0013】
図4の検査からの4つの膨張の分析を
図5のグラフに示す。各膨張結果又は順序は、流量に対するカフ圧のグラフに変換され、尿流を遮断させるカフによって加えられた圧力を測定するために分析が行われる。これは遮断圧力として知られている。この例では、#2の膨張では最大遮断圧力が1226Pa(125cmH
2O)となり、これは膀胱内圧を表すために利用されたデータポイントである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
現在のUroCuff膀胱機能プロトコルには3つの欠点又は少なくとも課題がある。すなわち、(1)多くの場合、被験者はカフを膨張させて尿流を遮る圧力をかけることで不快感を覚える(すなわち、遮断圧力を加えることは、少なくとも不快であり、言ってしまえば苦痛である)、(2)被験者の排尿量が限られている場合には、プロトコルが1回又は2回の膨張サイクルしか含んでいない可能性があり、データ/測定の精度及び関連する評価を相応に制限する、(3)一部の被験者は、排尿終了時に腹部を押すことによって本能的に腹圧を発生させ、この現象が遮断圧力の測定を困難にする。
【0015】
出願人の本研究は、公知のUroCuff膀胱機能検査に対する3つの別個の改良を企図している。第一に、代替的なカフ膨張/収縮アプローチ、すなわち少ない方がよいデータ取得アプローチによって特徴付けられるアプローチが提供される。第二に、腹部筋電図(EMG)の使用による追加データ取得によって、排尿筋圧Pdetと腹圧Pabdの推定を改善する。第三に、データ取得を促進するためにペニスを空気圧式カフで囲むことは、改良された信頼性の高いデータ取得を提供するために、他の物の間で、尿道の先端に空気圧式カフの代替アセンブリを配置することによって排除される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
膀胱から尿を受けるための尿流動態検査装置が提供される。この装置は、管状要素、第1及び第2の継手、及び前記管状要素内を尿の通過を選択するためのスリーブ要素によって特徴付けられる。前記管状要素は、対向する第1及び第2の端部、並びにポートによって特徴付けられる。前記継手は、管状要素の両端部によって受容されて装置のチャンバを区画するように構成される。前記スリーブ要素は、前記チャンバ内の継手間に懸架され、潰れた形態と開いた形態とを有する。潰れた形態は尿の流れがない状態を示し、開いた形態は尿の流れる状態を示し、前記スリーブ要素の尿流の状態は、前記管状要素の前記ポートを介して前記チャンバに加えられる圧力の関数である。
【0017】
2つの前記継手のうちの1つの継手は、外部カテーテルのドレナージチューブを受承するように構成されてもよく、又は代替的に、尿道周囲組織を受承するか協働して係合するように構成されてもよい。さらに、前記継手の取付部は、限定するものではないが、尿排出経路管又は尿流量測定装置等の下流の検査構成要素と作動可能な結合となるように構成又は適合されてもよい。さらに、前記継手と前記管状要素との、のための、又は、の間の境界面は、漏れ防止シール、又は一実施形態では、Oリング等によって特徴付けられる。
【0018】
前記スリーブ要素は、取付け具に関連して直接又は間接的に懸架されてもよい。アンカー要素が考えられるが、必須ではない。前記スリーブ要素は、例えば限定されるものではないが、好都合には、熱可塑性材料であり、より詳細かつ好都合には、収縮チューブから構成されるコンプライアント要素である。
【0019】
尿流動態検査装置に加えて、改良及び強化された検査プロトコルが考えられる。考えられる改良された尿流動態圧力プロファイリング方法は、管腔を通る尿の流れを止めることなく、膀胱からの尿を排出する管腔に第1の圧力を印加して記録し、印加された第1の圧力に対応する尿流量を測定することを特徴とする。その後、第2の圧力が、膀胱からの尿の排出する管腔を通る尿の流れを止めることなく印加され、選択圧力増加分だけ第1の圧力よりも大きい又は小さい第2の圧力を記録する。印加された第2の圧力に対応する尿流量も同様に測定される。次に、第3の圧力が、好都合には、膀胱からの尿排出を担う管腔を通る尿の流れを止めることなく印加され、選択圧力増加分だけ第2の圧力よりも大きい又は小さい第3の圧力を記録する。印加された第3の圧力に対応する尿流量も同様に測定される。最後に、印加圧力及び対応する流量の評価を介して、無流量尿状態及び最大尿排出流量のいずれか又は両方に対応する印加圧力が確認される。
【0020】
最後に、管腔を通る尿の流れを止めることなく、膀胱からの尿排出を担う管腔に第1の圧力を印加して記録し、印加された第1の圧力に対応する尿流量を測定することを特徴とする、強化された尿流動態検査圧力プロファイリング方法を提供する。同時に、EMG装置/システムの一部分である表面電極が被験者の腹部に位置決めされて適用され、表面電極に選択的に電圧が印加され、印加電圧及び活性腹筋によって生成される検出電圧が記録される。これらの概説した特徴を考慮して得られるより具体的な特徴及び利点は、図面及び「発明の詳細な説明」を参照すれば明白となろう。
【0021】
図面はすべて準備済みであり、かつ企図された実施形態の基本的教示及び同教示の基礎となる概念のうち少なくともいずれか一方についての理解を容易にする/増強するために具備され、また本明細書中に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は、実施形態及び該実施形態に関する状況を例証し、かつ説明に合わせて実施形態の原理について解説する役割を果たす一方、他の実施形態及び開示されたシステム、サブシステム、アセンブリ、サブアセンブリ、装置、デバイス、メカニズムなどの意図された利点のうちの多くは、それらが以降の詳細な説明及び図面の参照により一層十分に理解されるようになるにつれ、容易に認識されるであろう。注意すべきなのは、図面の要素が必ずしも互いに一定の縮尺ではなく、同様の参照数字は対応する類似の部品/構造体を指している、ということである。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】被験者の排尿時間の関数として、例示的な排尿圧力検査の圧力成分値、すなわち膀胱、腹部、及び排尿筋の圧力成分を示す図。
【
図2】既知の排尿圧力検査手順、より詳細には、UroCuff(登録商標)膀胱機能監視/評価手順を概略的に示す図。
【
図3】別々の被験者に対する例示的な比較の印加圧力-尿流ノモグラフを示す図。
【
図4】
図2の手順についての検査/サイクル時間の関数として、例示的な印加圧力(上)、尿排出流量(中間)、及び尿排出体積(下)の値を示し、4つの圧力サイクル印加が示される図。
【
図5】
図4の各圧力サイクル印加結果に対する/における尿排出流量と印加圧力とに対する、及び、との間の関係を示す図。
【
図6】改良された膀胱機能検査手順を介して取得されたデータセットが、改良された手順の予測値を示す上に図示/重ね合わされた
図5の関係を示す図。
【
図7】改良された排尿圧検査手順、より詳細には、UroCuff膀胱機能検査の陰茎カフ特性の代わりに尿流動態検査装置を特徴とする膀胱機能監視/評価手順を概略的に示す図。
【
図8】膀胱から尿を受けるための企図された尿流動態検査装置の側面図。
【
図12】膀胱から尿を受けるための別の企図された尿流動態検査装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
改良された尿流動態圧力プロファイリング方法、及び、膀胱からの尿を受けるための尿流動態検査装置によって特徴付けられる改良された非侵襲的排尿圧力検査手順の詳細に先立って、概要説明は価値があると信じられる。さらに、その後、開示される詳細をより良く知らせるための予備的な所見が続く。
【0025】
機構に関して、説明は、例えば
図6を最初に参照しながら、企図された1つ以上の改善された及び/又は強化された尿流動態圧力プロファイリング方法の特徴である1つ以上の高価値データ収集アプローチの議論に進む。その後、概念的には、企図された改善された好都合な排尿圧検査手順/設定(
図7)、及び企図された非限定的かつ好都合な尿流動態検査装置の実施形態(
図8以下及び
図12以下参照。)が提示される。
【0026】
概念的に、出願人は、周知かつ広く実施されているUroCuff膀胱機能検査を放棄するのではなく、プロトコル(すなわち、方法論)及び検査設定、システム、装置等のいずれか又は両方において、意図的で好都合な強化、適応、代替等を提供することを目的とする。さらに、詳細はUroCuff検査の文脈で示されているが、企図された改善は、開示された方法/装置の実施に容易に適合しているか、最小の適合又は適合していないかにかかわらず、これまでに知られている新しいVPSアプローチ/プロトコルに対して/のために制限される必要はない。
【0027】
既知の膀胱機能検査プロトコルに対する第1の意図された代替アプローチは、圧力プロファイリング、より具体的には、膨張/収縮が生じる方法における好都合な逸脱を意味し、それに向けられる。具体的には、尿排出流の遮断(つまり、停止)に至る一連の膨張(すなわち、圧力の印加)を実行し、それぞれの後に収縮(すなわち、圧力印加の逆)を行うのではなく、1つ又は複数の膨張シーケンスが発生して、印加された圧力が増加及び減少し、しばしばペニスのカフを使用することによって、被験者にとって問題となり得るものであり、同様にデータセットを歪めることが知られている尿排出流の停止をすることなく、圧力と流れとの間の関係を確立することができる。圧力印加を少なくとも遮断圧力によって定められた圧力範囲のサブセットに限定し、遮断圧力及び最大尿流量を反復して測定するのではなく、それを確認するために得られたデータセットを外挿するというアプローチを介して、被験者の体験が改善され、データ取得のための短縮された期間内におそらく「より良い」データ(すなわち、少なくとも得られた良好なデータ)が得られる。
【0028】
例えば、これに限定されないが、印加された圧力(例えばカフ圧)は、98Pa(10cmH2O)/sで線形的に増加し、線形的に減少し得る。被験者は層流を開始することができ、一旦流れが始まると、印加された圧力は最大、例えば588Pa(60cmH2O)まで増加することができる。588Pa(60cmH2O)の印加圧力を記録すると、カフは最小圧力、例えば294Pa(30cmH2O)まで線形的に収縮することができる。この簡略化された膨張/収縮サイクルは、被験者が排尿を完了するまで繰り返すことができる。
【0029】
一般に、これに限定されるものではないが、企図された改良された尿流動態圧力プロファイリング方法は、管腔を通る尿流を止めることなく、膀胱からの尿排出を担う管腔に第1の圧力を印加して記録し、第1の印加された圧力に対応する尿流量を測定することを特徴とする。その後、選択圧力増加分だけ第1の圧力よりも大きい又は小さい第2の圧力が、膀胱からの尿排出を担う管腔を通る尿流を止めることなく印加され、記録される。第2の印加された圧力に対応する尿流量も同様に測定される。次に、必ずしも必要ではないが、選択圧力増分だけ第2の圧力よりも大きいか又は小さい第3の圧力が、膀胱からの尿排出を担う管腔を通る尿流を止めることなく印加され、記録される。第3の印加された圧力に対応する尿流量も同様に求められる。最後に、印加圧力及び対応する流量の評価を介して、無流量尿状態及び最大尿排出流量に対応する印加圧力のいずれか又は両方が確認される。
【0030】
前述のプロトコル/方法の予測値は、
図6を参照すると最もよく理解され、ここで、
図5の膨張解析は、294~588Pa(30~60cmH
2O)間の圧力-流量関係の解析を表す各膨張シーケンス上の線(L)で表される。これらのデータは、直接測定を用いることなく、遮断圧力及び最大流量を確実に予測するために外挿されることは容易に観察できる。
【0031】
既知の膀胱機能検査プロトコルに対する第2の企図された代替的又は補足的なアプローチは、精度の改善又は強化、より具体的には、排尿筋圧Pdet及び腹圧Pabd成分を推定するために腹部筋電図(EMG)データの取得及び評価を用いて従来実施されているUroCuff検査を補足することを意味し、それに向けられる。UroCuff検査は現在、尿の流れを妨げるために陰茎の尿道にカフが印加する圧力である遮断圧力を報告する。さらに、カフ圧と尿流量との間の関係が連続的に監視されており、このようなアプローチは、増加した出口抵抗がどのように流量に影響するかの理解を可能にし、これにより、膀胱内の圧力(すなわち膀胱内圧)の特徴付けを可能にする。
【0032】
被験者の腹部上の表面筋電図を追加的に同時に測定することにより、検査の排尿相中に被験者が腹部に力を入れているかどうかの正確な測定が可能である。改良又は強化されたUroCuff膀胱機能検査プロトコルは、排尿検査中に同時に感知及び記録するために1つ以上の表面EMGセンサーを腹部に配置して作られる。
【0033】
一般に、これに限定されるものではないが、企図された強化尿流動態圧力プロファイリング方法は、管腔を通る尿の流れを止めることなく、膀胱からの尿排出を担う管腔に第1の圧力を印加して記録し、第1の印加された圧力に対応する尿流量を測定することを特徴とする。同時に、EMG装置/システムの一部分である表面電極が被験者の腹部に位置決めされて適用され、表面電極に選択的に電圧が印加され、印加電圧及び活性腹筋によって生成される検出電圧が記録される。これらのステップの組み合わせは、伝統的なUroCuff膀胱機能検査において、又は例えば、先に記載された改善された尿流動態圧力プロファイリング方法において反復され得る。
【0034】
ここで、膀胱機能検査システム自体を参照すると、既知の検査システム及び改造検査システムが、それぞれ
図2及び7に概略的に示されている。概略的な検査システムの検査及び対比は、意図的で重要な出発点、すなわち、出願人が陰茎カフの適用を介して陰茎尿道クランプを放棄することをもたらす。圧力の印加、記録等のための装置/システム、及び尿流量の測定、記録等のための装置/システムは、他のシステム構成要素及び/又は特徴の中で、従来の/最新技術のままであるが、出願人は、公知の膀胱機能検査プロトコルと矛盾しない圧力の印加を介して膀胱からの尿排出流量の操作を実施するための別例、代替、代用、及び/又は代理手段を提供する。
【0035】
図7の別例の検査システム30を引き続き参照すると、概念的には、手段32は、図示された概略手順の一部分として示されるように、尿道の末端又は下流に設けられる。このような検査システムアプローチは、以下の3つの明確な利点を提供する。すなわち、(1)患者の快適性の改善、(2)医療従事者の配置の簡素化、及び(3)陰茎組織に影響を与えることなく尿流を直接的に圧迫すること、である。企図された末端又は下流の流量調節は、様々な方法で達成され得る。
【0036】
例えば、これに限定されるものではないが、公知の又は改造陰茎クランプを、テキサスカテーテル、コンドームカテーテル又は尿シースとしても知られる標準的な外部男性カテーテルと作動可能に組み合わせてもよい。このようなカテーテルは、伝統的に、失禁又は尿漏れ(例えば、ホリスター拡張装着男性外部カテーテル(Hollister Extended Wear Male External Catheter)26-30mm参照)を有する男性患者に利用される。外部男性カテーテルは、ペニスの周囲又は付近に配置されて、陰茎と共に尿密封シールを形成する。カテーテルは、コンドームの末端から延びるチューブを含み、チューブは、通常、尿のドレナージバッグで終端する。患者が尿漏れを起こした場合は、尿はチューブを介してドレナージバッグに入る。
【0037】
このシナリオでは、外部男性カテーテルのドレナージチューブは、空気圧式カフを装着されるか又は装着可能であり、被験者は外部男性カテーテルを通して排尿できる。カフが膨張すると、ドレナージチューブに圧力が加えられ、尿流は、選択的膀胱機能検査プロトコルに従って印加された印加外圧によって制限される。このアプローチの欠点、又は少なくとも限界は、(1)標準的なカテーテルのドレナージチューブの大きな直径(すなわち、約(0.9525cm(0.375inch)の内径))は、流量に影響するようにチューブが物理的に圧縮されることを必要とすること、及び(2)出口管の剛性は、内部の尿のチャネルに加えられる直接的な圧力を制限すること、である。
【0038】
末端又は下流の流れを調節するための企図された、好都合で非限定的なアプローチの1つは、外部男性カテーテルを使用して、ペニスの外部表面との間に流体シールを作り、ドレナージチューブを介して、尿流動態検査装置に作動可能にカテーテルを結合することを含む。陰茎尿道と間接的に結合するための好都合で非限定的な尿流動態検査装置を
図8以下に示す。後に説明するように、企図された装置は、膀胱機能検査データの取得及び膀胱/下部尿路評価を促進するために、圧力調節された尿流を通過させることができる。
【0039】
末端又は下流の流れの調節へのさらなる企図された、好都合で非限定的なアプローチは、被験者の尿道周囲組織と協同的に係合するように改造された尿流動態検査装置のための設備を含む。陰茎尿道と直接結合させるための好都合で非限定的な尿流動態検査装置は、
図12以下に示されている。後に説明するように、企図された装置は、膀胱機能検査データの取得及び膀胱/下部尿路評価を促進するために、圧力調節された尿流を通過させることができる。
【0040】
ここで、一方で
図8及び
図10、他方で
図12及び
図14のそれぞれを皮切りに一般的に参照すると、膀胱から尿を受けるための尿流動態検査装置の別例の実施形態40,40’が立面図及び断面図で示されている。装置40,40’は、尿進入端42,42’で排尿された尿を受け取り、受け取った排尿された尿を尿排出端44,44’に送出する。
【0041】
装置40,40’は、対向する第1の端部48,48’及び第2の端部50,50’と、ポート52,52’とによって特徴付けられる管状要素46,46’を含み、さらに、管状要素46,46’の対向する第1の端部48,48’及び第2の端部50,50’によって受承されるように適合され、装置のチャンバ58,58’を区画する第1の継手54,54’及び第2の継手56,56’を含む。スリーブ要素60,60’は、尿の通過を選択するために、チャンバ58,58’内の第1の継手54,54’と第2の継手56,56’との間に懸架される。この要素は、必須ではないが好都合には、2つの継手のうちの1つの継手を貫通して外部に、又は複数の継手の各々を貫通して外部に延在してもよい。続いて詳細に説明されるように、スリーブ要素は潰れた形態と開いた形態とを有し、潰れた形態は尿流のない状態を示し、開いた形態は尿流のある状態を示し、スリーブ要素の尿流の状態は、管状要素のポートを介してチャンバに加えられる圧力の関数である。
【0042】
例示された装置又はその変形例は、スリーブ要素からの尿排出量を測定するための流量測定装置と、尿が通過する間にチャンバ(すなわち、その中に選択圧力を確立すること)及びスリーブ要素に選択的に圧力を印加するための制御可能な圧力印加装置のいずれか又は両方と動作可能に組み合わせることができる。さらに、企図された装置又はその変形例によって特徴付けられる膀胱機能検査システムは、目標検査パラメーター/非常に望まれるデータ、及び獲得データの処理及び/又は評価するための手段/機構のいずれか又は両方に関して一般的に適合する形の機能を有する、示されたもの又は他の方法で開示されたものに限定されない。
【0043】
管状要素は、必須ではないが、好都合には、断面が円形であり、約1961Pa(200cmH
2O)までの作動検査圧力範囲に対して/その全体にわたって、その形状/チャンバの完全性を維持するのに十分な剛性を有する。マックマスター・カー(McMaster Carr 8532 K 15、公称1.905cm(0.75inch)外径)製のアクリル又はポリカーボネート管は、
図8及び
図12の実施形態の両方に関して好都合であることが知られている。
【0044】
サンプルポートは、
図8に示されるように、要素側壁を貫通するタップ付き嵌合(すなわち、メスルアー等)の形態を容易に取ることができ、あるいは、
図12に示されるように、要素の分岐部分、すなわち、例えば管状要素のY字の延長部の形態を取ってもよい。あらゆる状況において、圧力源から管状要素を介して装置のチャンバに圧力を加えるための従来のインターフェースは適切であると考えられる。
【0045】
ここで
図8~
図11を特に参照すると、装置の取付具は、管状要素の対向する端部及び/又は両端部で密封して受容される。必須ではないが、好都合には、継手と管状要素とに対する/の間の境界面は、漏れ防止シール、例えば不浸透性接着シール材によって特徴付けられる。「スリップ」継手が企図され、示されているが、継手はそのように限定される必要はない。
【0046】
第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、尿排出経路管との作動可能な結合に適合され得るか、又は継手は、流量測定装置との作動可能な結合に適合され得る。このように1つの継手が適合されると、他の継手は、好都合には外部カテーテルとの作動可能な結合に適合される。
【0047】
ここで特に
図12~
図15を参照すると、装置40’の継手54’,56’は、
図8の実施形態のように、管状要素46’の対向する端部48’又は端部50’及び/又は両端部48’,50’で密封して受容される。必須ではないが、好都合には、継手と管状要素とに対する/の間の境界面は、漏れ防止シールによって特徴づけられ、より詳細には図示されているように、境界面は、必須ではないが好都合にはOリング80によって特徴づけられてもよい。さらに、境界面は、機械的締結具によってさらに特徴づけられ、より詳細には図示されているように、境界面は、好都合であるが、必ずしもスロット付きスプリングピン82によって特徴づけられなくてもよい。
【0048】
第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、尿排出経路管との作動可能な結合に適合されてもよく、又は継手は、
図8の実施形態に従う流量測定装置との作動可能な結合に適合されてもよい。このように1つの継手が適合されると、他の継手は、好都合には尿道周囲組織と協働して係合するように好都合に適合され、又は場合に応じてその中に尿道周囲組織を受け入れるように適合される。対照的に、
図8の装置と対比して、この装置は尿道係合装置(UED)を介して陰茎尿道に直接連結されており、必須ではないが好都合には、UEDは、米国特許第9,277,884号明細書を介してクロン(Kron)らによって開示されているもの、及び/又は、その中に起源を有する1つ以上の特許ファミリーメンバーのものであり、その各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
スリーブ要素60’は、一般に、装置40’のチャンバ58’内に継手54’,56’又はその改造物を介して懸架される。より詳細には、スリーブ要素は、カップリング84の形態のアンカー手段によって、それに対する間接的な固着又はアンカー(
図14)を介して各継手の間で延びている。概念的に、スリーブ要素は、尿道の流体延長部である(すなわち、間接的な手段、例えば外部カテーテル(
図8の実施形態)の尿排出ラインとは対照的に、直接的な手段、例えばUED等(
図12)によって、それと流体連通している。)。
【0050】
スリーブ要素の/に対する望ましい好都合な特性はコンプライアンス性であるが、これに限定されるものではない。スリーブ要素(すなわち、固定された端部にまたがる部分)は、「最初の(out-of the box)」状態又は状況(すなわち、静的状態)において、最小の断面積を有し、典型的な排尿時にスリーブ要素を本質的に開放して充填し、尿を通過させ、それによって区切られた尿通過のための「能動的」管腔を有する。装置の管状要素のポートを介してチャンバに圧力を加えると、スリーブ要素の応答、すなわち、そこを通過する尿の尿流量の変化に応じた管腔の潰れが生じる。
【0051】
例えば、これに限定されるものではないが、スリーブ要素(すなわち尿路)は好都合には熱可塑性物質を含み、必須ではないが、より具体的には、スリーブ要素は熱収縮材料を含み、必須ではないが、さらにより具体的には、米国コロラド州のノードソンメディカル(Nordson Medical)の熱収縮材料、すなわち、ノードソン(Nordson Medical)部品番号103-0042を含む。この材料は、約3.556mm(0.140inch)の拡張内径及び6.35μm(0.00025inch)の公称肉厚を有する。スリーブ要素は、好都合には、高度にコンプライアントな壁と、静止/静的な閉じた構成(平坦/ほぼ平坦な状態)と、そこを通る尿流の通過による拡張された直径(例えば、約3.556mm(0.140inch)まで)によって特徴付けられる活性状態とを有する。
【0052】
本尿流動態検査装置の上述の利点を超えて、例えば従来の内径3.175mm(0.125inch)~6.35mm(0.250inch)のチゴン(Tygon)管のような尿路管は、その継手を介して装置の尿排出部分に容易に連結され得ることが再度強調される。これにより、尿流量及び総排出体積をより正確に測定するための2つの選択肢が可能となる。
【0053】
第1に、尿を喪失することなくスケールに送られるように、経路配管の末端を尿スケールに近接して配置することができる。また、経路配管の末端をフロートさせることができ、その結果、経路配管は、スケール上で尿ビーカー内に直接配置され、排尿した尿の上に設置することができる。これは、例えば、経路の末端を尿ビーカー内に設置された小さな発泡スチロール製のフロート等に取り付けることによって達成することができる。
【0054】
第2に、経路配管は、非接触液体流量計、限定するものではないが例えば、ストレインメジャメントデバイス社(Strain Measurement Devices)のUF32210クランプ-オン超音波流量センサに接続することができる。フローセンサは非侵襲的にリアルタイムで尿の流れを測定し、計算の精密化のために尿をスケールに送ることを可能にし、又は直接廃棄のために尿をトイレに直接送ることができる。
【0055】
したがって、改善された膀胱機能検査/検査設定との関連で、本発明の装置は、支持された尿スケール上への尿の自由な流れを介して従来の尿流量を測定することの欠点を克服する。すなわち、(1)尿は、スケール上に着地せず、これにより、流量及び排出体積として計算されない可能性がある、(2)尿がスケールに衝突する力は、尿の重量をスケール上で摂動させ、流量計算で「ノイズ」となる可能性がある、(3)尿がスケールに到達するまでの時間は、圧力と流量の関係に遅れを生じさせる。
【0056】
本明細書中で説明及び描写してきたものは、いくつかの適用事情と併せて、本出願人の主題の好適で非限定的な実施形態である。本明細書中に開示されるシステムの要素、並びに/又は、アセンブリ、サブアセンブリ、及びメカニズムのうち少なくともいずれかの構造体は、その思想又は一般的特徴から逸脱することなく他の特定の形態(それらのうちいくつかについては示してきた)で具体化されうるので、本明細書中に/本明細書を用いて説明及び描写された実施形態は、あらゆる点において例証であって限定的ではないと見なされるべきである。さらに、名目上の操作ステップ又は操作手順及びプロトコールのうち少なくともいずれかについて述べ、かつある程度まではそれに関連する別例の研究の部品及びシステム、アセンブリなどを参照してきたが、企図される手順/プロトコールはそのように限定されるものではない。従って、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲の言葉で定義される通りであり、かつその非現実的ではない等価物は含む。
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
[付記1]
膀胱から尿を受けるための尿流動態検査装置であって、装置は、
a.対向する第1の端部と第2の端部と、ポートとによって特徴付けられる管状要素、
b.装置のチャンバを区画するように前記管状要素の前記対向する第1及び第2の端部によって受承するようになされた第1及び第2の継手、並びに、
c.尿の通過を選択するためのスリーブ要素であって、前記スリーブ要素は前記チャンバ内の前記第1及び第2の継手の間に懸架され、前記スリーブ要素は潰れた形態と開いた形態とを有し、前記潰れた形態は尿の流れのない状態を示し、前記開いた形態は尿の流れる状態を示すものであり、前記スリーブ要素の尿流の状態は、前記管状要素の前記ポートを介して前記チャンバに加えられる圧力の関数であるスリーブ要素、
を具備している尿流動態検査装置。
[付記2]
前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、尿排出経路管との作動可能な結合に適合している、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記3]
前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、流量測定装置との作動可能な結合に適合している、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記4]
前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、外部カテーテルとの作動可能な結合に適合している、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記5]
前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、尿道周囲組織と協働して係合するように適合している、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記6]
前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手は、尿道周囲組織を受承するようになされている、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記7]
前記管状要素に対する前記第1及び第2の継手の各々の境界面は、漏れ防止シールによって特徴付けられる、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記8]
前記管状要素に対する前記第1及び第2の継手の各々の境界面は、Oリングによって特徴付けられる、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記9]
前記管状要素に対する前記第1及び第2の継手の各々の境界面は、機械的締結具によって特徴付けられる、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記10]
前記管状要素に対する前記第1及び第2の継手の各々の境界面は、スプリングピンによって特徴付けられる、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記11]
前記スリーブ要素は、熱可塑性物質を含む、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記12]
前記スリーブ要素は、収縮チューブを含む、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記13]
前記スリーブ要素は、前記第1及び第2の継手の各々に直接的に固定される、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記14]
前記スリーブ要素は、前記第1及び第2の継手の各々に間接的に固定される、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記15]
前記スリーブ要素は、前記第1及び第2の継手のうちの1つの継手を貫通して外部に延在する、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記16]
前記スリーブ要素は、前記第1及び第2の継手の各々を貫通して外部に延在する、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記17]
前記スリーブ要素からの尿排出量を測定するための流量測定装置と、尿が通過する間に前記チャンバ内及び前記スリーブ要素に選択的に圧力を印加するための制御可能な圧力印加装置とのいずれか又は両方と作動可能に組み合わされる、付記1に記載の尿流動態検査装置。
[付記18]
改良された尿流動態圧力プロファイリング方法であって、
a.管腔を通る尿の流れを止めることなく、膀胱からの尿排出を担う前記管腔に第1の圧力を印加して記録すること、
b.印加された前記第1の圧力に対応する尿流量を測定すること、
c.前記管腔を通る尿の流れを止めることなく、膀胱からの尿排出を担う前記管腔に選択圧力増加分だけ前記第1の圧力よりも大きい又は小さい第2の圧力を印加して記録すること、
d.印加された前記第2の圧力に対応する尿流量を測定すること、
e.前記管腔を通る尿の流れを止めることなく、膀胱からの尿排出を担う前記管腔に選択増加分だけ前記第2の圧力よりも大きい又は小さい第3の圧力を加えて記録すること、
f.印加された前記第3の圧力に対応する尿流量を測定すること、並びに、
g.印加圧力及び対応する流量を評価することにより、無流量尿状態及び最大尿排出流量のいずれか又は両方に対応する印加圧力を確認すること
を含む方法。
[付記19]
印加圧力は、選択圧力範囲内にある、付記18に記載の方法。
[付記20]
印加圧力は、約30~60センチメートルの水の圧力範囲内にある、付記18に記載の方法。
[付記21]
選択圧力増分は、10センチメートルの水を含む、付記18に記載の方法。
[付記22]
前記膀胱からの尿排出を担う管腔への圧力印加と同時に、腹部表面筋電図を測定し、記録することをさらに含む、付記18に記載の方法。
[付記23]
強化された尿流動態圧力プロファイリング方法であって、
a.管腔を通る尿の流れを止めることなく、膀胱からの尿排出を担う前記管腔に第1の圧力を印加して記録すること、
b.印加された前記第1の圧力に対応する尿流量を測定すること、並びに、
c.膀胱からの尿排出を担う前記管腔への圧力印加と同時に、腹部表面筋電図を適用し、測定し、記録すること
を含む方法。