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特許7242724制御サーバ装置、移動局装置、情報処理システム、プログラム、及び制御方法
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  • 特許-制御サーバ装置、移動局装置、情報処理システム、プログラム、及び制御方法 図1
  • 特許-制御サーバ装置、移動局装置、情報処理システム、プログラム、及び制御方法 図2
  • 特許-制御サーバ装置、移動局装置、情報処理システム、プログラム、及び制御方法 図3
  • 特許-制御サーバ装置、移動局装置、情報処理システム、プログラム、及び制御方法 図4
  • 特許-制御サーバ装置、移動局装置、情報処理システム、プログラム、及び制御方法 図5
  • 特許-制御サーバ装置、移動局装置、情報処理システム、プログラム、及び制御方法 図6
  • 特許-制御サーバ装置、移動局装置、情報処理システム、プログラム、及び制御方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】制御サーバ装置、移動局装置、情報処理システム、プログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/30 20180101AFI20230313BHJP
   H04W 4/44 20180101ALI20230313BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20230313BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20230313BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20230313BHJP
【FI】
H04W76/30
H04W4/44
H04W84/12
H04W48/18
H04W88/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021014125
(22)【出願日】2021-02-01
(62)【分割の表示】P 2019016204の分割
【原出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2021090202
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(72)【発明者】
【氏名】内藤 万馬
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-085233(JP,A)
【文献】特表2014-508450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される移動局装置と第1の無線通信回線を介して接続し、かつ外部通信回線と通信可能な管理サーバ装置と接続する制御サーバ装置であって、
前記移動局装置及び前記管理サーバ装置と通信可能に接続される第1の通信装置と、
前記移動局装置による前記外部通信回線の利用可能性を示す外部接続情報を格納する記憶装置と、
第2の無線通信回線を介して前記移動局装置と通信可能に接続された端末装置と、前記管理サーバ装置を介した前記外部通信回線との間の通信を制御する第1の制御装置とを備え、
前記第1の制御装置は、前記外部接続情報の送信の要求に基づいて前記外部接続情報を前記第1の通信装置を介して前記管理サーバ装置から受信して前記記憶装置に格納し 、かつ前記外部接続情報の送信を要求する前記管理サーバ装置へのアクセス頻度が所定値又は前記所定値よりも小さく制限され 、
前記第1の制御装置は 、前記移動局装置及び前記管理サーバ装置を介する前記端末装置及び前記外部通信回線の間の通信が確立されている場合にのみ前記第1の通信装置を介して前記外部接続情報の送信を前記管理サーバ装置に要求し、
前記第1の制御装置は、前記外部接続情報が予め決められた第1の条件を満たす場合、前記第2の無線通信回線を介する前記移動局装置と前記端末装置との間の通信を停止する第1の停止信号を前記移動局装置に送信し、さらに、前記移動局装置による前記外部通信回線の利用を停止する第2の停止信号を前記管理サーバ装置に送信する制御サーバ装置。
【請求項2】
前記外部接続情報は、前記移動局装置及び前記管理サーバ装置を介する前記端末装置と前記外部通信回線との間の通信に関連付けられた使用済みデータ量を含み、
前記第1の条件は、前記管理サーバ装置から受信した前記使用済みデータ量が予め決められた第1のしきい値に達した場合、若しくは前記第1のしきい値より大きい場合である請求項1記載の制御サーバ装置。
【請求項3】
前記第1の制御装置は、予め決められた第1の時間間隔で、前記使用済みデータ量を送信する要求を前記管理サーバ装置に対して行う請求項2記載の制御サーバ装置。
【請求項4】
前記第1の制御装置は、前記使用済みデータ量が前記第1のしきい値より小さい第2のしきい値に達した場合、若しくは前記第1のしきい値より小さく且つ前記第2のしきい値より大きい場合、前記使用済みデータ量を送信する要求を前記第1の時間間隔よりも連続的又は離散的に短く前記管理サーバ装置に対して行う請求項3記載の制御サーバ装置。
【請求項5】
移動体に搭載され、管理サーバ装置を介して外部通信回線に接続される移動局装置と、
第1の無線通信回線を介して前記移動局装置に接続される制御サーバ装置と
を備えた情報処理システムであって、
前記制御サーバ装置は、
前記移動局装置及び前記管理サーバ装置と通信可能に接続される第1の通信装置と、
前記移動局装置による前記外部通信回線の利用可能性を示す外部接続情報を格納する記憶装置と、
第2の無線通信回線を介して前記移動局装置と通信可能に接続された端末装置と、前記管理サーバ装置を介した前記外部通信回線との間の通信を制御する第1の制御装置とを備え、
前記第1の制御装置は、前記外部接続情報の送信を要求に基づいて前記外部接続情報を前記第1の通信装置を介して前記管理サーバ装置から受信して前記記憶装置に格納し、かつ前記外部接続情報の送信を要求する前記管理サーバ装置へのアクセス頻度が所定値又は前記所定値よりも小さく制限され、
前記第1の制御装置は、前記移動局装置及び前記管理サーバ装置を介する前記端末装置及び前記外部通信回線の間の通信が確立されている場合にのみ前記第1の通信装置を介して前記外部接続情報の送信を前記管理サーバ装置に要求し、
前記第1の制御装置は、前記外部接続情報が予め決められた第1の条件を満たす場合、前記第2の無線通信回線を介する前記移動局装置と前記端末装置との間の通信を停止する第1の停止信号を前記移動局装置に送信し、さらに、前記移動局装置による前記外部通信回線の利用を停止する第2の停止信号を前記管理サーバ装置に送信する情報処理システム。
【請求項6】
移動体に搭載される移動局装置と第1の無線通信回線を介して接続し、かつ外部通信回線と通信可能な管理サーバ装置と接続する制御サーバ装置のプロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記制御サーバ装置は、
前記移動局装置及び前記管理サーバ装置と通信可能に接続される第1の通信装置と、
前記移動局装置による前記外部通信回線の利用可能性を示す外部接続情報を格納する記憶装置と、
前記プロセッサとを備え、
前記プログラムは、第2の無線通信回線を介して前記移動局装置と通信可能に接続された端末装置と、前記管理サーバ装置を介した前記外部通信回線との間の通信を制御するステップを含み、
前記通信を制御するステップは、前記外部接続情報の送信を要求に基づいて前記外部接続情報を前記管理サーバ装置から受信して前記記憶装置に格納し、かつ前記外部接続情報の送信を要求する前記管理サーバ装置へのアクセス頻度が所定値又は前記所定値よりも小さく制限され、
前記通信を制御するステップは、前記移動局装置及び前記管理サーバ装置を介する前記端末装置及び前記外部通信回線の間の通信が確立されている場合にのみ前記外部接続情報の送信を前記管理サーバ装置に要求し、
前記通信を制御するステップは、前記外部接続情報が予め決められた第1の条件を満たす場合、前記第2の無線通信回線を介する前記移動局装置と前記端末装置との間の通信を停止する第1の停止信号を前記移動局装置に送信し、さらに、前記移動局装置による前記外部通信回線の利用を停止する第2の停止信号を前記管理サーバ装置に送信するステップを含むプログラム。
【請求項7】
移動体に搭載される移動局装置と第1の無線通信回線を介して接続し、かつ外部通信回線と通信可能な管理サーバ装置と接続する制御サーバ装置の制御方法であって、
前記移動局装置及び前記管理サーバ装置と通信するステップと、
前記移動局装置による前記外部通信回線の利用可能性を示す外部接続情報を前記制御サーバ装置の記憶装置に格納するステップと、
第2の無線通信回線を介して前記移動局装置と通信可能に接続された端末装置と、前記管理サーバ装置を介した前記外部通信回線との間の通信を制御するステップを含み、
前記通信を制御するステップは、前記外部接続情報の送信を要求に基づいて前記外部接続情報を前記管理サーバ装置から受信して前記記憶装置に格納し、かつ前記外部接続情報の送信を要求する前記管理サーバ装置へのアクセス頻度が所定値又は前記所定値よりも小さく制限され、
前記通信を制御するステップは、前記移動局装置及び前記管理サーバ装置を介する前記端末装置及び前記外部通信回線の間の通信が確立されている場合にのみ前記外部接続情報の送信を前記管理サーバ装置に要求し、
前記通信を制御するステップは、前記外部接続情報が予め決められた第1の条件を満たす場合、前記第2の無線通信回線を介する前記移動局装置と前記端末装置との間の通信を停止する第1の停止信号を前記移動局装置に送信し、さらに、前記移動局装置による前記外部通信回線の利用を停止する第2の停止信号を前記管理サーバ装置に送信するステップを含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に搭載される移動局装置と、無線通信回線を介して移動局装置に接続
される制御サーバ装置と、無線通信回線を介して移動局装置に接続されかつ外部通信回線
に接続される管理サーバ装置とを備える情報処理システムに関する。本発明はまた、その
ような情報処理システムの制御サーバ装置、プログラム、及び制御方法に関する。本発明
はまた、そのような情報処理システムの移動局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、タブレットコンピュータなどの端末装置の急速な普及と、モバイル通信の高度化
とに伴い、自動車などの移動体を用いて移動している場合であっても、端末装置をインタ
ーネットに接続して様々なサービスの提供を受けることが可能な情報処理システムが求め
られている。
【0003】
この種の情報処理システムとして、例えば、特許文献1の通信システムが知られている
。特許文献1は、車両に搭載された車載装置のほかに、ディスプレイを備えた移動端末を
車両内に持ち込み、車載装置で実行されたナビゲーションや音楽再生等の車載機能を移動
端末でも利用する通信システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-177218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動車などの移動体は、無線通信回線を介して遠隔のサーバ装置に接続された移動局装
置を備えることがある。移動局装置は、無線通信回線を介して、インターネットなどの外
部通信回線に接続されてもよい。従って、そのような移動局装置及び無線通信回線を介し
て、端末装置をインターネットなどの外部通信回線に接続することができれば便利である
【0006】
端末装置が外部通信回線にアクセスする場合、すべての構成要素が常に利用可能である
とは限らない。いずれかの構成要素が利用可能でない場合、他の構成要素の動作は無駄に
なる。従って、情報処理システムのリソースを効率的に管理することが求められる。
【0007】
本発明の目的は、比較的に簡単な構成で、リソースを効率的に管理することができる制
御サーバ装置、移動局装置、情報処理システム、プログラム、及び制御方法を提供するこ
とにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る制御サーバ装置によれば、移動体に搭載される移動局装置と第1
の無線通信回線を介して接続し、かつ外部通信回線と通信可能な管理サーバ装置と接続す
る制御サーバ装置が提供される。制御サーバ装置は、移動局装置及び管理サーバ装置と通
信可能に接続される第1の通信装置と、移動局装置による外部通信回線の利用可能性を示
す外部接続情報を格納する記憶装置と、第2の無線通信回線を介して移動局装置と通信可
能に接続された端末装置と、管理サーバ装置を介した外部通信回線との間の通信を制御す
る第1の制御装置とを備える。第1の制御装置は、外部接続情報が予め決められた第1の
条件を満たす場合、第2の無線通信回線を介する移動局装置と端末装置との間の通信を停
止する第1の停止信号を移動局装置に送信し、さらに、移動局装置による外部通信回線の
利用を停止する第2の停止信号を管理サーバ装置に送信する。
【0009】
本発明の一態様に係る制御サーバ装置によれば、外部接続情報は、移動局装置及び管理
サーバ装置を介する端末装置と外部通信回線との間の通信に関連付けられた使用済みデー
タ量を含む。第1の条件は、管理サーバ装置から受信した使用済みデータ量が予め決めら
れた第1のしきい値に達した場合、若しくは第1のしきい値より大きい場合である。
【0010】
本発明の一態様に係る制御サーバ装置によれば、第1の制御装置は、予め決められた第
1の時間間隔で、使用済みデータ量を送信する要求を管理サーバ装置に対して行う。
【0011】
本発明の一態様に係る制御サーバ装置によれば、第1の制御装置は、使用済みデータ量
が第1のしきい値より小さい第2のしきい値に達した場合、若しくは第1のしきい値より
小さく且つ第2のしきい値より大きい場合、第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で
、使用済みデータ量を送信する要求を管理サーバ装置に対して行う。
【0012】
本発明の一態様に係る移動局装置によれば、移動体に搭載される移動局装置が提供され
る。移動局装置は、第1の無線通信回線を介して制御サーバ装置及び管理サーバ装置と通
信可能に接続され、第1の無線通信回線及び管理サーバ装置を介して外部通信回線に接続
される第2の通信装置と、第2の無線通信回線を介して、端末装置と通信可能に接続され
る第3の通信装置と、管理サーバ装置を介して、端末装置と外部通信回線との間の通信を
制御する第2の制御装置とを備える。第2の制御装置は、制御サーバ装置から第2の通信
装置を介して受信された外部接続情報であって、外部通信回線の利用可能性を示す外部接
続情報が、予め決められた第2の条件を満たす場合、第3の通信装置を有効化し、かつ、
制御サーバ装置から停止信号を受信した場合、第3の通信装置を無効化する。
【0013】
本発明の一態様に係る移動局装置によれば、第2の条件は、外部通信回線の利用を可能
にする有効な外部接続契約が締結され、かつ、外部接続契約により利用可能なデータ量の
上限値から、移動局装置及び管理サーバ装置を介する端末装置と外部通信回線との間の通
信に関連付けられた使用済みデータ量を減算した残りデータ量が正値であり、かつ、外部
通信回線への接続が有効であることを含む。
【0014】
本発明の一態様に係る情報処理システムによれば、移動体に搭載され、管理サーバ装置
を介して外部通信回線に接続される移動局装置と、第1の無線通信回線を介して移動局装
置に接続される制御サーバ装置とを備えた情報処理システムが提供される。制御サーバ装
置は、移動局装置及び管理サーバ装置と通信可能に接続される第1の通信装置と、移動局
装置による外部通信回線の利用可能性を示す外部接続情報を格納する記憶装置と、第2の
無線通信回線を介して移動局装置と通信可能に接続された端末装置と、管理サーバ装置を
介した外部通信回線との間の通信を制御する第1の制御装置とを備える。第1の制御装置
は、外部接続情報が予め決められた第1の条件を満たす場合、第2の無線通信回線を介す
る移動局装置と端末装置との間の通信を停止する第1の停止信号を移動局装置に送信し、
さらに、移動局装置による外部通信回線の利用を停止する第2の停止信号を管理サーバ装
置に送信する。
【0015】
本発明の一態様に係るプログラムによれば、移動体に搭載される移動局装置と第1の無
線通信回線を介して接続し、かつ外部通信回線と通信可能な管理サーバ装置と接続する制
御サーバ装置のプロセッサによって実行されるプログラムが提供される。制御サーバ装置
は、移動局装置及び管理サーバ装置と通信可能に接続される第1の通信装置と、移動局装
置による外部通信回線の利用可能性を示す外部接続情報を格納する記憶装置と、プロセッ
サとを備える。プログラムは、第2の無線通信回線を介して移動局装置と通信可能に接続
された端末装置と、管理サーバ装置を介した外部通信回線との間の通信を制御するステッ
プを含む。制御するステップは、外部接続情報が予め決められた第1の条件を満たす場合
、第2の無線通信回線を介する移動局装置と端末装置との間の通信を停止する第1の停止
信号を移動局装置に送信し、さらに、移動局装置による外部通信回線の利用を停止する第
2の停止信号を管理サーバ装置に送信するステップを含む。
【0016】
本発明の一態様に係る制御方法によれば、移動体に搭載される移動局装置と第1の無線
通信回線を介して接続し、かつ外部通信回線と通信可能な管理サーバ装置と接続する制御
サーバ装置の制御方法が提供される。制御方法は、移動局装置及び管理サーバ装置と通信
するステップと、移動局装置による外部通信回線の利用可能性を示す外部接続情報を制御
サーバ装置の記憶装置に格納するステップと、第2の無線通信回線を介して移動局装置と
通信可能に接続された端末装置と、管理サーバ装置を介した外部通信回線との間の通信を
制御するステップを含む。制御するステップは、外部接続情報が予め決められた第1の条
件を満たす場合、第2の無線通信回線を介する移動局装置と端末装置との間の通信を停止
する第1の停止信号を移動局装置に送信し、さらに、移動局装置による外部通信回線の利
用を停止する第2の停止信号を管理サーバ装置に送信するステップを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、比較的に簡単な構成で、リソースを効率的に管理することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態に係る情報処理システム100の構成を示すブロック図である。
図2図1の情報処理システム100によって実行される外部接続の有効化及び無線LANの有効化を示すシーケンス図である。
図3図1の情報処理システム100によって実行される使用済みデータ量のチェック、外部接続契約のチェック、及び外部接続情報の確認を示すシーケンス図である。
図4図1の情報処理システム100によって実行される無線LANの無効化及び外部接続の無効化を示すシーケンス図である。
図5】第2の実施形態の第1の実施例に係る情報処理システム100による使用済みデータ量及び残りデータ量の変化を示すグラフである。
図6】第2の実施形態の第2の実施例に係る情報処理システム100による使用済みデータ量及び残りデータ量の変化を示すグラフである。
図7】第2の実施形態の第3の実施例に係る情報処理システム100による使用済みデータ量及び残りデータ量の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同じ符
号は同様の構成要素を示す。
【0020】
[第1の実施形態]
[全体構成]
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システム100の構成を示すブロック図である
。情報処理システム100は、少なくとも1つの移動局装置1、制御サーバ装置2、及び
管理サーバ装置3を含む。
【0021】
移動局装置1は、例えば、自動車、二輪車、船舶、又は航空機などの移動体111に搭
載される。移動局装置1は、例えば、自動車のナビゲーション装置などを含む。
【0022】
制御サーバ装置2は、無線通信回線W1を介して移動局装置1と通信可能に接続される
。制御サーバ装置2と移動局装置1との間の通信を、図1に示す破線の両矢印P1により
例示する。制御サーバ装置2は、移動局装置1と通信することにより、移動局装置1の動
作、例えばナビゲーションを支援する。さらに、制御サーバ装置2は、任意の有線又は無
線通信回線を介して、管理サーバ装置3と通信可能に接続される。制御サーバ装置2と管
理サーバ装置3との間の通信を、破線の両矢印P2により例示する。
【0023】
管理サーバ装置3は、無線通信回線W1を介して移動局装置1と通信可能に接続される
。また、管理サーバ装置3は、外部通信回線6と通信可能に接続される。管理サーバ装置
3は、外部通信回線6への外部接続を管理する。外部通信回線6は、例えばインターネッ
トである。
【0024】
無線通信回線W1は複数の基地局装置5を含む。管理サーバ装置3及び基地局装置5は
、無線通信回線W1のサービスを提供するための通信事業者設備112の一部である。
【0025】
さらに、移動局装置1は、無線通信回線W2を介して少なくとも1つの端末装置4と通
信可能に接続される。端末装置4は、例えば、携帯型のパーソナルコンピュータ、タブレ
ットコンピュータ、若しくはスマートフォンである。端末装置4は、例えば、制御装置、
通信装置、入力装置、表示装置、及び記憶装置などを備える。
【0026】
これにより、移動局装置1は、無線LANのアクセスポイントとして機能し、端末装置
4のためにテザリングの機能を提供する。端末装置4は、無線通信回線W2、移動局装置
1、無線通信回線W1、及び管理サーバ装置3を介して、外部通信回線6との通信を確立
することができる。端末装置4と外部通信回線6との間の通信を、図1に示す破線の両矢
印P3により例示する。
【0027】
制御サーバ装置2は、無線通信回線W1のサービスを提供する事業者とは異なる事業者
、例えば自動車会社によって運用されてもよい。移動局装置1による外部通信回線6の利
用を可能にする外部接続契約は、例えば、移動局装置1のユーザと制御サーバ装置2の事
業者との間で締結されてもよい。
【0028】
移動局装置1及び管理サーバ装置3を介して端末装置4及び外部通信回線6の間で通信
する場合、すべての構成要素が常に利用可能であるとは限らない。いずれかの構成要素が
利用可能でない場合、他の構成要素の動作は無駄になる。例えば、無線通信回線W2が有
効化されているが、外部接続が無効化されている場合、端末装置4を外部通信回線6に接
続しようとしても、端末装置4が移動局装置1に接続されるものの、外部通信回線6には
接続できないので、ユーザビリティが低下するおそれがある。また、外部接続が無効化さ
れている場合に移動局装置1が無線通信回線W2の無線信号を発生する場合、移動体11
1の周辺における他の電子機器が不要な無線信号を受信してしまうおそれがある。例えば
、同じ通信方式で動作する移動局装置1、端末装置4、及び/又は他の電子機器をそれぞ
れ備えた複数の移動体111が、例えば、信号待ち又は渋滞に起因して互いに近接して停
車している場合、不要な無線信号により移動局装置1、端末装置4、及び/又は他の電子
機器の間に干渉を生ずるおそれがある。
【0029】
従って、移動局装置1、制御サーバ装置2、及び管理サーバ装置3を含む情報処理シス
テム100のリソースを効率的に管理することが求められる。特に、外部接続が無効化さ
れている場合、不要な無線信号を発生させないことが求められる。
【0030】
第1の実施形態では、比較的に簡単な構成で、リソースを効率的に管理することができ
る情報処理システム100について説明する。
【0031】
以下、図1を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム100について、より
詳細に説明する。
【0032】
[移動局装置1の構成]
移動局装置1は、制御装置11、WAN(Wide Area Network)通信装置12、LAN
(Local Area Network)通信装置13、入力装置14、表示装置15、センサ群16、及
び記憶装置17を備える。
【0033】
制御装置11は、移動局装置1の全体の動作を制御するためのアプリケーションプログ
ラムを実行するプロセッサを備える。制御装置11は、このようなアプリケーションプロ
グラムを実行することにより、特に、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介する端末装
置4及び外部通信回線6の間の通信を制御する。
【0034】
WAN通信装置12は、無線通信回線W1を介して、制御サーバ装置2及び管理サーバ
装置3と通信可能に接続される。WAN通信装置12は、例えば、自動車のためのTCU
(Telematics Communication Unit)であってもよい。WAN通信装置12には、無線通
信回線W1を介して通信するために、例えばSIM(Subscriber Identity Module)カー
ドが挿入されてもよい。SIMカードには、ユーザを特定するユーザ識別番号が格納され
ている。また、WAN通信装置12には、無線通信回線W1に接続された何らかのエンテ
ィティを接続先として指定する複数の、例えば4つのAPN(Access Point Name)が格
納されている。
【0035】
WAN通信装置12は、APNに基づいて、制御サーバ装置2及び管理サーバ装置3と
通信可能に接続されてもよい。あるAPNが選択された場合、WAN通信装置12は制御
サーバ装置2に接続されてもよい。また、他のAPNが選択された場合、WAN通信装置
12は管理サーバ装置3と接続され、管理サーバ装置3を介して外部通信回線6に接続さ
れてもよい。また、制御サーバ装置2が複数のサーバ装置からなる場合、これらのサーバ
装置に別個に接続するために、複数のAPNを用いてもよい。同様に、管理サーバ装置3
が、互いに異なる外部通信回線にそれぞれ接続された複数のサーバ装置からなる場合、こ
れらの外部通信回線に別個に接続するために、複数のAPNを用いてもよい。
【0036】
LAN通信装置13は、無線通信回線W2を介して、少なくとも1つの端末装置4と通
信可能に接続される。
【0037】
無線通信回線W1,W2は、互いに異なる通信方式により動作してもよい。無線通信回
線W1は、無線通信回線W2よりも広い通信エリアを有してもよい。無線通信回線W1は
、例えば、LTE(Long Term Evolution)又はLTE-advancedなど、いわゆ
る第4世代移動通信システムを含む、任意の無線WAN(wide area network)の通信方
式により動作してもよい。無線通信回線W2は、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fid
elity)又はBluetooth(登録商標)など、任意の無線LAN(local area netw
ork)の通信方式により動作してもよい。
【0038】
本明細書では、無線通信回線W1を「第1の無線通信回線」ともいい、無線通信回線W
2を「第2の無線通信回線」ともいう。
【0039】
入力装置14は、スイッチ、キーボード、ポインティングデバイス、及び/又はタッチ
パネルなど、ユーザ入力を受ける任意の装置を含む。
【0040】
表示装置15は、移動局装置1及び/又は移動体111の状態を表示する。例えば、移
動局装置1がナビゲーション装置である場合、表示装置15は地図及び現在位置を表示し
てもよい。また、表示装置15は、端末装置4を外部通信回線6に接続するためのアプリ
ケーションプログラムのユーザインターフェースを表示する。
【0041】
センサ群16は、移動体111の状態を測定する任意のセンサを含む。センサ群16は
、例えば、移動体111が自動車である場合、イグニッション電源がオンされているか否
かを検出するセンサを含んでもよい。ユーザにより移動体111のイグニッション電源が
オンされた場合、移動局装置1に電力が供給される。
【0042】
記憶装置17は、WAN通信装置12を介して制御サーバ装置2から受信された外部接
続情報を格納する。また、記憶装置17は、制御装置11によって実行されるアプリケー
ションプログラムを格納する。また、記憶装置17は、WAN通信装置12に代わって、
APNを格納してもよい。
【0043】
また、制御装置11は、移動局装置1による外部通信回線6の利用可能性を示す外部接
続情報を、WAN通信装置12を介して制御サーバ装置2から受信する。外部接続情報は
、例えば、外部接続契約の有無、外部接続契約の内容、使用済みデータ量、残りデータ量
、データ量の履歴、外部接続状態のうちの少なくとも一部を含んでもよい。ここで、「外
部接続契約の内容」は、例えば、移動局装置1の識別情報、ユーザ情報、支払い情報、契
約により利用可能なデータ量の上限値、契約の開始日及び満了日を含む。また、「外部接
続状態」は、外部接続が有効であるか、それとも無効であるかを示す。本明細書において
、「外部接続が有効である」とは、管理サーバ装置3が、ある移動局装置1について外部
通信回線6への接続を許可していることを示す。本明細書において、「外部接続が無効で
ある」とは、管理サーバ装置3が、ある移動局装置1について外部通信回線6への接続を
禁止していることを示す。また、「使用済みデータ量」は、予め決められた時点から起算
され、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介する端末装置4及び外部通信回線6の間の
通信において送受信されたデータ量を示す。また、「残りデータ量」は、契約により利用
可能なデータ量の上限値から、使用済みデータ量を減算した値を示す。制御装置11は、
外部接続情報を表示装置15に表示してもよく、外部接続情報を記憶装置17に格納して
もよい。
【0044】
また、制御装置11は、移動局装置1のユーザと制御サーバ装置2の事業者との間にお
ける外部接続契約の締結を処理することができるように構成されている。このため、制御
装置11は、外部接続契約を締結するためのメニューを表示装置15に表示し、また、入
力装置14を介して、1つの外部接続契約を選択するユーザ入力を受けてもよい。
【0045】
また、制御装置11は、端末装置4を外部通信回線6に接続することを要求するユーザ
入力を促すメニューを表示装置15に表示し、また、入力装置14を介して、端末装置4
を外部通信回線6に接続することを要求するユーザ入力を受けてもよい。
【0046】
[制御サーバ装置2の構成]
制御サーバ装置2は、制御装置21、通信装置22、及び記憶装置23を備える。
【0047】
制御装置21は、制御サーバ装置2の全体の動作を制御するためのアプリケーションプ
ログラムを実行するプロセッサを備える。制御装置21は、このようなアプリケーション
プログラムを実行することにより、特に、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介する端
末装置4及び外部通信回線6の間の通信を制御する。
【0048】
通信装置22は、移動局装置1及び管理サーバ装置3と通信可能に接続される。図1
例では、通信装置22は、通信事業者設備112の有線又は無線通信回線を介して、管理
サーバ装置3に接続される。さらに、通信装置22は、管理サーバ装置3、基地局装置5
、及び無線通信回線W1を介して、移動局装置1に接続される。
【0049】
記憶装置23は、移動局装置1による外部通信回線6の利用可能性を示す外部接続情報
を格納する。また、記憶装置23は、制御装置21によって実行されるアプリケーション
プログラムを格納する。
【0050】
また、制御装置21は、移動局装置1による外部通信回線6の利用可能性を示す外部接
続情報を管理する。制御装置21は、通信装置22を介して移動局装置1に外部接続情報
を送信させる。また、制御装置21は、外部接続情報を記憶装置23に格納させる。
【0051】
また、制御装置21は、移動局装置1のユーザと制御サーバ装置2の事業者との間にお
ける外部接続契約の締結を処理する。このため、制御装置21は、例えばユーザのクレジ
ットカードの情報などを用いて、ユーザによる料金の支払いを処理する。
【0052】
また、後述するように、管理サーバ装置3は、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介
する端末装置4及び外部通信回線6の間の通信に関連付けられた使用済みデータ量を測定
する。制御装置21は、使用済みデータ量を送信するように、予め決められた時間間隔で
、例えば10分ごとに、通信装置22を介して管理サーバ装置3に要求する。制御装置2
1は、管理サーバ装置3によって送信された使用済みデータ量を、通信装置22を介して
受信する。これにより、制御装置21は、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介する端
末装置4及び外部通信回線6の間の通信に関連付けられた使用済みデータ量をモニタリン
グする。制御装置21は、使用済みデータ量を送信する時間間隔を計時するためのクロッ
ク及びカウンタを備えてもよい。
【0053】
本明細書では、制御サーバ装置2の制御装置21を「第1の制御装置」といい、移動局
装置1の制御装置11を「第2の制御装置」ともいう。また、本明細書では、制御サーバ
装置2の通信装置22を「第1の通信装置」といい、移動局装置1のWAN通信装置12
を「第2の通信装置」といい、移動局装置1のLAN通信装置13を「第3の通信装置」
ともいう。
【0054】
[管理サーバ装置3の構成]
管理サーバ装置3は、制御装置31、通信装置32、通信装置33、ゲートウェイ(G
W)装置34、スイッチ装置35、及び記憶装置36を備える。
【0055】
制御装置31は、管理サーバ装置3の全体の動作を制御するためのアプリケーションプ
ログラムを実行するプロセッサを備える。制御装置31は、このようなアプリケーション
プログラムを実行することにより、特に、移動局装置1について外部接続を有効化又は無
効化する。
【0056】
通信装置32は、基地局装置5及び無線通信回線W1を介して、移動局装置1と通信可
能に接続される。
【0057】
通信装置33は、制御サーバ装置2と通信可能に接続される。
【0058】
ゲートウェイ装置34は、通信事業者設備112の通信プロトコルと、外部通信回線6
の通信プロトコルとを相互に変換する。
【0059】
スイッチ装置35は、制御装置31の制御下で、通信装置32、通信装置33、及びゲ
ートウェイ装置34の間でデータを送受信する。
【0060】
記憶装置36は、移動局装置1について外部接続が有効であるか、それとも無効である
かを示す情報を格納する。また、記憶装置36は、制御装置31によって実行されるアプ
リケーションプログラムを格納する。
【0061】
また、制御装置31は、有効化された外部接続を利用可能な移動局装置1を識別するた
め、移動局装置1から直接に、又は、制御サーバ装置2を介して、移動局装置1の識別情
報を取得して記憶装置36に格納する。移動局装置1の識別情報は、例えば、SIMカー
ドのユーザ識別番号、移動体111の車両識別番号(vehicle identification number:
VIN)、又は、無線WANのIPアドレスを含んでもよい。
【0062】
また、制御装置31は、識別情報を取得した移動局装置1について、常に、移動局装置
1及び管理サーバ装置3を介する端末装置4及び外部通信回線6の間の通信に関連付けら
れた使用済みデータ量を測定する。制御装置31は、制御サーバ装置2からの要求に応答
して、測定された使用済みデータ量を、通信装置32を介して制御サーバ装置2に送信す
る。
【0063】
以下、図2図4を参照して、図1の情報処理システム100の動作について説明する
【0064】
[外部接続の有効化及び無線LANの有効化]
図2は、図1の情報処理システム100によって実行される外部接続の有効化及び無線
LANの有効化を示すシーケンス図である。本明細書において、「外部接続の有効化」と
は、管理サーバ装置3が、ある移動局装置1について外部通信回線6への接続を許可する
ことを示す。また、本明細書において、「無線LANの有効化」とは、LAN通信装置1
3をオンすることを示す。図2の例では、移動体111が自動車である場合について説明
する。
【0065】
ステップS1において、移動体111のイグニッション電源がオンされ、移動局装置1
がオンされた場合、移動局装置1は、当該移動局装置1の認証を要求する信号M1を制御
サーバ装置2に送信する。信号M1は、SIMカードのユーザ識別番号を含んでもよく、
移動体111の車両識別番号を含んでもよい。制御サーバ装置2の制御装置21は、信号
M1に応答して、認証結果を示す信号M2を移動局装置1に送信する。
【0066】
移動体111のイグニッション電源がオンされ、移動局装置1がオンされた後、外部接
続が有効でなければ、ステップS101において外部接続を有効化する。
【0067】
移動局装置1のユーザと制御サーバ装置2の事業者との間で、移動局装置1による外部
通信回線6の利用を可能にする外部接続契約が締結されていない場合、ステップS2にお
いて、移動局装置1は、入力装置14を介して、ユーザから、外部接続契約を要求するユ
ーザ入力を受ける。次いで、移動局装置1は、外部接続契約の料金表を要求する信号M3
を制御サーバ装置2に送信する。制御サーバ装置2の制御装置11は、信号M3に応答し
て、料金表を含む信号M4を移動局装置1に送信する。料金表は、例えば、1つ又は複数
の外部接続契約の名称、契約により利用可能なデータ量の上限値、契約期間、及び料金を
含む。料金表は、例えば、利用可能なデータ量の上限値に応じて予め決められた異なる料
金を設定してもよい。次いで、ステップS3において、移動局装置1は、料金表を表示装
置15に表示する。
【0068】
ステップS4において、入力装置14を介してユーザから、料金表のうちの1つの外部
接続契約を選択するユーザ入力を受ける。以下、第1の実施形態では、支払った料金に応
じて利用可能なデータ量の上限値を有する外部接続契約を締結する場合について説明する
。次いで、移動局装置1は、選択された外部接続契約の締結を要求する信号M5を制御サ
ーバ装置2に送信する。信号M5は、例えばユーザのクレジットカードの情報などを含ん
でもよく、これにより、ユーザは選択された外部接続契約に対応する料金を支払う。次い
で、ステップS5において、制御サーバ装置2は、ユーザによって選択された外部接続契
約を登録する。次いで、制御サーバ装置2は、外部接続の有効化を要求する信号M6を管
理サーバ装置3に送信する。次いで、ステップS6において、管理サーバ装置3は、移動
局装置1が外部通信回線6を利用できるように、外部接続を有効化する。次いで、管理サ
ーバ装置3は、外部接続の有効化の完了を示す信号M7を制御サーバ装置2に送信する。
【0069】
ステップS7において、制御サーバ装置2は、移動局装置1に関する外部接続情報を更
新する。外部接続情報は、例えば、外部接続契約の内容、残りデータ量、及び外部接続状
態を含む。次いで、制御サーバ装置2は、更新された外部接続情報を含む信号M8を移動
局装置1に送信する。次いで、ステップS8において、移動局装置1は、制御サーバ装置
2から受信された外部接続情報を、記憶装置17に格納する。
【0070】
また、移動体111のイグニッション電源がオンされ、移動局装置1がオンされた後、
ユーザの明示的な要求に応じて、ステップS102において無線LANを有効化する。
【0071】
ステップS9において、移動局装置1は、入力装置14を介してユーザから、外部接続
を要求するユーザ入力を受ける。次いで、移動局装置1は、外部接続情報を要求する信号
M9を制御サーバ装置2に送信する。次いで、ステップS10において、制御サーバ装置
2は、移動局装置1に関する外部接続情報、例えば、外部接続契約の内容、残りデータ量
、及び外部接続状態を記憶装置23から読み出す。次いで、制御サーバ装置2は、読み出
された外部接続情報を含む信号M10を移動局装置1に送信する。次いで、ステップS1
1において、移動局装置1は、制御サーバ装置2から受信された外部接続情報を、記憶装
置17に格納する。次いで、ステップS12において、移動局装置1は、制御サーバ装置
2から受信された外部接続情報を確認し、外部接続情報が、端末装置4及び外部通信回線
6の間の通信を確立するための条件を満たすか否かを判断する。この条件は、例えば、有
効な外部接続契約が締結されていることと、残りデータ量がゼロでないことと、外部接続
が有効であることとを含む。外部接続情報がすべて条件を満たす場合、ステップS13に
おいて、移動局装置1は、LAN通信装置13をオンし、無線LANのIPアドレスを端
末装置4に割り当て、これにより、端末装置4は移動局装置1に接続される。
【0072】
図2では、移動体111のイグニッション電源がオンされ、移動局装置1がオンされた
後、ステップS101を実行する場合を示したが、ステップS101をスキップしてもよ
い。ステップS12において、有効な外部接続契約が締結されていないと判断される場合
、ステップS101に進み、外部接続を有効化してもよい。
【0073】
図2では、ステップS5において外部接続契約を登録した後、すぐに、ステップS6に
おいて外部接続を有効化する場合を示したが、外部接続契約を締結しても外部接続を有効
化することなく、ステップS9においてユーザが明示的に外部接続を要求した後に外部接
続を有効化してもよい。この場合、制御サーバ装置2は、信号M9に応答して信号M6を
管理サーバ装置3に送信し、次いで、管理サーバ装置3は、ステップS6を実行し、信号
M7を制御サーバ装置2に送信し、次いで、制御サーバ装置2はステップS10を実行す
る。以後の動作は、上述したステップS102のものと同様である。
【0074】
無線LAN及び外部接続の両方が有効化された場合、ステップS14において、移動局
装置1及び管理サーバ装置3を介して端末装置4及び外部通信回線6の間の接続が確立さ
れる。
【0075】
[使用済みデータ量のチェック、外部接続契約のチェック、及び外部接続情報の確認]
図3は、図1の情報処理システム100によって実行される使用済みデータ量のチェッ
ク、外部接続契約のチェック、及び外部接続情報の確認を示すシーケンス図である。
【0076】
予め決められた時間間隔で実行されるステップS111において、制御サーバ装置2は
、管理サーバ装置3によって測定された使用済みデータ量をチェックする。まず、制御サ
ーバ装置2は、予め決められた時間間隔で、使用済みデータ量を送信するように要求する
信号M21を管理サーバ装置3に送信する。管理サーバ装置3は、信号M21に応答して
、使用済みデータ量を含む信号M22を制御サーバ装置2に送信する。次いで、制御サー
バ装置2は、移動局装置1に関する外部接続情報、例えば、外部接続契約の内容、残りデ
ータ量、及び外部接続状態を更新する。
【0077】
また、予め決められた時間間隔で実行されるステップS112において、制御サーバ装
置2は、有効な外部接続契約が締結されているか否かをチェックする。この場合、ステッ
プS22において、制御サーバ装置2は、記憶装置23に格納された外部接続情報に基づ
いて、外部接続契約が満了したか否かをチェックする。次いで、ステップS23において
、制御サーバ装置2は、移動局装置1に関する外部接続情報を更新する。ステップS23
において更新される外部接続情報は、例えば、外部接続契約の内容、残りデータ量、及び
外部接続状態のうちの少なくとも一部を含む。
【0078】
また、予め決められた時間間隔で実行されるステップS113において、移動局装置1
は、制御サーバ装置2から外部接続情報を取得する。まず、移動局装置1は、外部接続情
報を要求する信号M23を制御サーバ装置2に送信する。次いで、ステップS24におい
て、制御サーバ装置2は、移動局装置1に関する外部接続情報、例えば、外部接続契約の
内容、残りデータ量、及び外部接続状態を記憶装置23から読み出す。次いで、制御サー
バ装置2は、読み出された外部接続情報を含む信号M24を移動局装置1に送信する。次
いで、ステップS25において、移動局装置1は、制御サーバ装置2から受信された外部
接続情報を、記憶装置17に格納する。
【0079】
ステップS111~S113は、図3に示したものとは異なる順序で実行されてもよい
。また、ステップS111~S113は、互いに異なる時間間隔でそれぞれ実行されても
よい。
【0080】
また、ステップS111~S113は、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介する端
末装置4及び外部通信回線6の間の通信が確立されている場合に実行されてもよく、当該
通信が確立されていない場合に実行されてもよい。
【0081】
[無線LANの無効化及び外部接続の無効化]
図4は、図1の情報処理システム100によって実行される無線LANの無効化及び外
部接続の無効化を示すシーケンス図である。本明細書において、「外部接続の無効化」と
は、管理サーバ装置3が、ある移動局装置1について外部通信回線6への接続を禁止する
ことを示す。また、本明細書において、「無線LANの無効化」とは、LAN通信装置1
3をオフすることを示す。
【0082】
ステップS31において、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介して端末装置4及び
外部通信回線6の間の接続が確立されている。制御サーバ装置2は、前述のように、図3
のステップS111及びS112を予め決められた時間間隔で実行し、ステップS32に
おいて、制御サーバ装置2は、図3のステップS111又はS112の結果に基づいて、
残りデータ量の枯渇又は外部接続契約の満了を検出する。第1の実施形態に係る情報処理
システム100では、第1の制御装置21が残りデータ量の枯渇又は外部接続契約の満了
を検出した場合、ステップS121において無線LANを無効化し、ステップS122に
おいて外部接続を無効化する。
【0083】
ステップS121において、まず、制御サーバ装置2は、無線LANの無効化を要求す
る信号M31を移動局装置1に送信する。次いで、ステップS33において、移動局装置
1はLAN通信装置13をオフし、これにより、無線通信回線W2を介する移動局装置1
及び端末装置4の間の通信を停止する。次いで、移動局装置1は、無線LANの無効化の
完了を示す信号M32を制御サーバ装置2に送信する。
【0084】
ステップS122において、まず、制御サーバ装置2は、外部接続の無効化を要求する
信号M34を管理サーバ装置3に送信する。次いで、ステップS34において、管理サー
バ装置3は、移動局装置1による外部通信回線6の利用を停止するように、外部接続を無
効化する。次いで、管理サーバ装置3は、外部接続の無効化の完了を示す信号M35を制
御サーバ装置2に送信する。次いで、ステップS35において、制御サーバ装置2は、移
動局装置1に関する外部接続情報、例えば、外部接続契約の内容、残りデータ量、及び外
部接続状態を更新する。
【0085】
本明細書では、信号M31を「第1の停止信号」ともいい、信号M34を「第2の停止
信号」ともいう。
【0086】
図4では、ステップS121を実行した後にステップS122を実行する場合を示した
が、ステップS122はステップS121よりも前に実行されてもよく、ステップS12
1及び122は並列に実行されてもよい。
【0087】
無線LAN及び外部接続の両方を無効化することにより、移動局装置1及び管理サーバ
装置3を介する端末装置4及び外部通信回線6の間の通信は切断される。
【0088】
また、移動局装置1は、外部接続情報を要求する信号M33を制御サーバ装置2に送信
する。ステップS35の実行後、制御サーバ装置2は、信号M33に応答して、更新され
た外部接続情報を含む信号M36を移動局装置1に送信する。次いで、ステップS36に
おいて、移動局装置1は、制御サーバ装置2から受信された外部接続情報を、記憶装置1
7に格納する。
【0089】
図4の動作によれば、制御サーバ装置2は、外部接続情報が予め決められた条件を満た
す場合、無線LAN及び外部接続の両方を無効化する。特に、制御サーバ装置2は、使用
済みデータ量が予め決められたしきい値以上になった場合、例えば、使用済みデータ量が
契約により利用可能なデータ量の上限値に達した場合、無線LAN及び外部接続の両方を
無効化してもよい。
【0090】
図4の動作によれば、外部接続を無効化するならば無線LANも無効化することにより
、外部接続が利用可能でない場合に、移動局装置1による不要な無線信号の発生を停止し
、リソースを効率的に管理することができる。特に、制御サーバ装置2が移動局装置1に
停止信号を送信するという比較的に簡単な動作及び構成により、移動局装置1による不要
な無線信号の発生を停止することができる。
【0091】
[第1の実施形態のまとめ]
第1の実施形態によれば、外部接続を無効化するならば無線LANも無効化することに
より、外部接続が利用可能でない場合に、移動局装置1による不要な無線信号の発生を停
止し、リソースを効率的に管理することができる。特に、制御サーバ装置2が移動局装置
1に停止信号を送信するという比較的に簡単な動作及び構成により、移動局装置1による
不要な無線信号の発生を停止することができる。
【0092】
移動局装置1の以前の動作時において外部接続を有効化したことにより、移動体111
のイグニッション電源がオンされ、移動局装置1がオンされた時点において、外部接続が
すでに有効化されていることがある。しかしながら、このような場合であっても、移動局
装置1は、無線LANを自動的に有効化することなく、ユーザが明示的に外部接続を要求
するまでは無線LANを有効化しないことが好ましい。第2の実施形態において後述する
ように、制御サーバ装置2から管理サーバ装置3へのアクセスの頻度は所定値、例えば5
回/秒以下に制限されることがある。無線LANを自動的に有効化すると、ユーザが移動
局装置1及び管理サーバ装置3を介する端末装置4及び外部通信回線6の間の通信を必要
としていない場合であっても、当該通信に関連付けられた使用済みデータ量をモニタリン
グするために、制御サーバ装置2から管理サーバ装置3への余分なアクセスが発生する。
このような余分なアクセスに起因して、他の移動局装置1及び管理サーバ装置3を介する
他の端末装置4及び外部通信回線6の間の通信について、当該通信に関連付けられた使用
済みデータ量のモニタリングが遅延することが懸念される。従って、ユーザが明示的に外
部接続を要求するまでは無線LANを有効化しないことにより、使用済みデータ量のモニ
タリングの遅延を生じにくくすることができる。
【0093】
また、図3において、少なくともステップS111及びS113は、移動局装置1及び
管理サーバ装置3を介する端末装置4及び外部通信回線6の間の通信が確立されている場
合のみに実行されてもよい。このため、移動局装置1は、LAN通信装置13をオフして
いる場合、信号M23の送信を停止してもよい。制御サーバ装置2は、ある時間間隔で移
動局装置1から信号M23を受信している場合のみ、信号M21を送信し、予め決められ
た時間長にわたって移動局装置1から信号M23を受信していない場合、信号M21の送
信を停止してもよい。第2の実施形態において後述するように、制御サーバ装置2から管
理サーバ装置3へのアクセスの頻度は所定値、例えば5回/秒以下に制限されることがあ
る。移動局装置1及び管理サーバ装置3を介する端末装置4及び外部通信回線6の間の通
信が確立されているか否かにかかわらず制御サーバ装置2が信号M21を送信すると、使
用済みデータ量をモニタリングする必要がない場合であっても、制御サーバ装置2から管
理サーバ装置3への余分なアクセスが発生する。このような余分なアクセスに起因して、
他の移動局装置1及び管理サーバ装置3を介する他の端末装置4及び外部通信回線6の間
の通信について、当該通信に関連付けられた使用済みデータ量のモニタリングが遅延する
ことが懸念される。従って、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介する端末装置4及び
外部通信回線6の間の通信が確立されている場合のみにステップS111及びS113を
実行することにより、使用済みデータ量のモニタリングの遅延を生じにくくすることがで
きる。
【0094】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介する端末装置4及び外部通
信回線6の間の通信に係る使用済みデータ量の計算に関する。
【0095】
第2の実施形態に係る情報処理システム100は、第1の実施形態のものと同様の構成
を有する。
【0096】
移動局装置1及び管理サーバ装置3を介して端末装置4及び外部通信回線6の間で通信
する場合、管理サーバ装置3により外部接続のデータ量を測定し、測定されたデータ量に
基づいて、制御サーバ装置2により通信を制御する。通信の制御は、例えば、料金の計算
、データ量が上限に達した場合の通信の停止、などを含む。この場合、管理サーバ装置3
によって測定されたデータ量は、制御サーバ装置2により管理サーバ装置3から読み出さ
れる。
【0097】
ただし、管理サーバ装置3から読み出されるデータ量は、その形式及び内容などに関し
て制限されることがある。例えば、データ量の読み出しには、以下の制限が課されること
がある。
【0098】
(1)管理サーバ装置3は、他の装置、例えば制御サーバ装置2などから、1秒間に最大
で5回までのアクセスしか受け付けることができない。1回のアクセスにより、1つの移
動局装置1に関連付けられた使用済みデータ量が読み出される。また、1回のアクセスに
より、1つの移動局装置1に関連付けられた外部接続が有効化又は無効化される。従って
、制御サーバ装置2は、1分間で最大300台、すなわち1時間で最大18000台の移
動局装置1に関連付けられた通信を制御することしかできない
(2)管理サーバ装置3によって測定される使用済みデータ量は、各月の予め決められた
日から起算された値を有し、1ヶ月ごとにリセットされる。従って、外部接続契約の開始
日又は他の任意の時点から起算された使用済みデータ量を管理サーバ装置3から読み出す
ことはできない。
(3)管理サーバ装置3は、最長でも、過去2ヶ月分の使用済みデータ量しか保持するこ
とができない。3ヶ月以前の使用済みデータ量は、管理サーバ装置3から破棄される。
【0099】
例えば、残りデータ量がゼロに達した場合に通信を即時に停止するためには、制御サー
バ装置2が使用済みデータ量を常に正確に把握している必要がある。しかしながら、上述
のように管理サーバ装置3からのデータ量の読み出しが制限されている場合、他の装置に
より使用済みデータ量を常に正確に把握することは困難なことがある。例えば、所定時間
により多くのアクセスを受け付けることができるように、管理サーバ装置3を改修するこ
とが考えられる。また、任意の時点から起算された使用済みデータ量を読み出すことがで
きるように、管理サーバ装置3を改修することが考えられる。さらに、より長期間にわた
る使用済みデータ量を保持することができるように、管理サーバ装置3を改修することが
考えられる。しかしながら、管理サーバ装置3を改修すると、通信事業者設備112の全
体に影響するので、例えば、数十億円を超える多額の費用がかかるおそれがある。従って
、測定されたデータ量の読み出しが制限されている場合であっても、他の装置によりデー
タ量を高精度に計算することが求められる。
【0100】
第2の実施形態では、測定されたデータ量の読み出しが制限されている場合であっても
、比較的に簡単な構成で、データ量を高精度に計算することができる情報処理システム1
00について説明する。
【0101】
制御サーバ装置2は、使用済みデータ量を送信するように、予め決められた第1の時間
間隔、例えば10分ごとに管理サーバ装置3に要求する。管理サーバ装置3によって測定
されて制御サーバ装置2に送信される使用済みデータ量は、所定の時間周期の始め、例え
ば、各月の予め決められた日から起算される。制御サーバ装置2は、管理サーバ装置3か
ら使用済みデータ量を受信する。制御サーバ装置2は、使用済みデータ量に基づいて、移
動局装置1及び管理サーバ装置3を介する端末装置4及び外部通信回線6の間の通信の開
始時から起算されて合計された使用済みデータ量を利用可能なデータ量の上限値から減算
した残りデータ量を計算する。最新の残りデータ量r(n)は、最新の使用済みデータ量
u(n)と前回の使用済みデータ量u(n-1)との差を、前回の残りデータ量r(n-
1)から減算することにより計算される。
【0102】
図5は、第2の実施形態の第1の実施例に係る情報処理システム100による使用済み
データ量及び残りデータ量の変化を示すグラフである。図5は、移動局装置1のユーザと
制御サーバ装置2の事業者との間で、上限値として1GBまでのデータ量を利用可能であ
る外部接続契約Aを締結する場合を示す。図5図7の例において、管理サーバ装置3は
使用済みデータ量を各月の1日から起算する。制御サーバ装置2は、管理サーバ装置3か
ら所定の時間間隔で使用済みデータ量u(n)を取得する。従って、制御サーバ装置2が
使用済みデータ量u(n)を取得するごとに、最新の残りデータ量r(n)は次式により
計算される。
【0103】
最新の残りデータ量r(n)=前回の残りデータ量r(n-1)-(現在の使用済みデー
タ量u(n)-前回の使用済みデータ量u(n-1))
【0104】
例えば、管理サーバ装置3から順に読み出される使用済みデータ量が、0MB、100
MB、200MB、…、900MB、1000MBになる場合、残りデータ量は次式によ
り計算される。
【0105】
1000=1000-(0-0)
900=1000-(100-0)
800=900-(200-100)

0=100-(1000-900)
【0106】
図5図7では、グラフ中の黒丸により、管理サーバ装置3からの使用済みデータ量の
読み出しを模式的に示す。図5図7の例では、数日ごとに使用済みデータ量を読み出す
ように示しているが、より短い時間間隔で使用済みデータ量を読み出してもよい。
【0107】
制御サーバ装置2は、残りデータ量が予め決められた第1のしきい値以下になった場合
、例えば、残りデータ量がゼロに達した場合、又はゼロに近い値に達した場合、外部接続
を無効化する。第1の実施形態において説明したように、制御サーバ装置2は、残りデー
タ量が予め決められた第1のしきい値以下になった場合、例えば、残りデータ量がゼロに
達した場合、又はゼロに近い値に達した場合、無線LAN及び外部接続の両方を無効化し
てもよい。
【0108】
制御サーバ装置2は、残りデータ量が第1のしきい値より大きい第2のしきい値以下に
なった場合、第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で、使用済みデータ量を送信する
ように管理サーバ装置3に要求してもよい。第2のしきい値は、例えば、契約により利用
可能なデータ量の上限値の10%などに設定される。管理サーバ装置3から使用済みデー
タ量を読み出す時間間隔が比較的に長いと、残りデータ量がゼロに達した後においても通
信が継続されるおそれがある。しかしながら、残りデータ量がゼロに近づいた場合、管理
サーバ装置3から使用済みデータ量を読み出す時間間隔を短縮することにより、残りデー
タ量がゼロに達する時点をより正確に検出することができる。第2の時間間隔は、固定値
であってもよく、残りデータ量がゼロに近づくにつれて、連続的又は離散的に短くなって
もよい。
【0109】
図6は、第2の実施形態の第2の実施例に係る情報処理システム100による使用済み
データ量及び残りデータ量の変化を示すグラフである。図6は、移動局装置1のユーザと
制御サーバ装置2の事業者との間で、上限値として1GBまでのデータ量を利用可能であ
る外部接続契約Aを締結し、その後、上限値として2GBまでのデータ量を利用可能であ
る外部接続契約Bをさらに締結する場合を示す。
【0110】
例えば、外部接続契約Bによる通信中において、管理サーバ装置3から順に読み出され
る使用済みデータ量が、1000MB、1100MB、1200MB、…、2900MB
、3000MBになる場合、残りデータ量は次式により計算される。
【0111】
1900=2000-(1100-1000)
1800=1900-(1200-1100)

0=100-(3000-2900)
【0112】
図7は、第2の実施形態の第3の実施例に係る情報処理システム100による使用済み
データ量及び残りデータ量の変化を示すグラフである。図7は、移動局装置1のユーザと
制御サーバ装置2の事業者との間で、上限値として1GBまでのデータ量を利用可能であ
る外部接続契約Aを締結し、外部接続契約Bによる通信が複数の時間周期、すなわち11
月~12月にわたって連続的又は断続的に継続する場合を示す。前述のように、管理サー
バ装置3は使用済みデータ量を各月の1日から起算するので、使用済みデータ量は、図7
の12月1日にリセットされる。このような場合であっても、最新の残りデータ量は、図
5及び図6を参照して説明したように計算される。ただし、制御サーバ装置2は、連続し
た第1及び第2の時間周期にわたって残りデータ量を計算する場合、かつ、第2の時間周
期において最初に残りデータ量r(n2)を計算する場合、前回の使用済みデータ量をゼ
ロに設定する。従って、最新の残りデータ量r(n2)は次式により計算される。
【0113】
最新の残りデータ量r(n2)=前回の残りデータ量r(n1)-(現在の使用済みデー
タ量u(n)-0
【0114】
例えば、管理サーバ装置3から順に読み出される11月分の使用済みデータ量が、0M
B、100MB、200MB、300MB、400MBになり、管理サーバ装置3から順
に読み出される12月分の使用済みデータ量が、100MB、200MB、300MB、
400MB、500MBになる場合、残りデータ量は次式により計算される。
【0115】
1000=1000-(0-0)
900=1000-(100-0)
800=900-(200-100)
700=800-(300-200)
600=700-(400-300)
500=600-(100-0)
400=500-(200-100)
300=400-(300-200)
200=300-(400-300)
100=200-(500-400)
【0116】
図7の例では、12月1日にリセットされる直前の使用済みデータ量は管理サーバ装置
3から読み出されず、制御サーバ装置2は、この時点における正確な使用済みデータ量を
知ることができない。しかしながら、12月において最初に残りデータ量を計算する場合
、前回の使用済みデータ量をゼロに設定することにより、通信開始時から起算されて合計
された残りデータ量を最小の誤差で計算することができる。また、この場合、制御サーバ
装置2は、12月において残りデータ量を計算する場合、過去の使用済みデータ量を読み
出すために管理サーバ装置3へ余分なアクセスを行うことなく、残りデータ量を計算する
ことができる。
【0117】
制御サーバ装置2は、残りデータ量がゼロになった場合、外部接続を無効化してもよい
。また、制御サーバ装置2は、残りデータ量がゼロになった場合、無線LAN及び外部接
続の両方を無効化してもよい。
【0118】
上述の例では、制御サーバ装置2が残りデータ量を計算する場合について説明したが、
制御サーバ装置2は、残りデータ量に代えて、通信開始時から起算されて合計された使用
済みデータ量を計算してもよい。ここで、管理サーバ装置3によって測定されて制御サー
バ装置2に送信される使用済みデータ量を、「第1の使用済みデータ量」ともいう。制御
サーバ装置2は、第1の使用済みデータ量に基づいて、移動局装置1及び管理サーバ装置
3を介する端末装置4及び外部通信回線6の間の通信の開始時から起算されて合計された
使用済みデータ量を示す第2の使用済みデータ量を計算する。第2の使用済みデータ量は
、最新の第1の使用済みデータ量と前回の第1の使用済みデータ量との差を、前回の第2
の使用済みデータ量に加算することにより計算される。制御サーバ装置2は、管理サーバ
装置3から所定の時間間隔で第1の使用済みデータ量を取得する。従って、制御サーバ装
置2が第1の使用済みデータ量を取得するごとに、最新の第2の使用済みデータ量は次式
により計算される。
【0119】
最新の第2の使用済みデータ量=前回の第2の使用済みデータ量+(最新の第1の使用済
みデータ量-前回の第1の使用済みデータ量)
【0120】
制御サーバ装置2は、第2の使用済みデータ量が第1のしきい値より小さい第2のしき
い値、例えば、契約により利用可能なデータ量の上限値の90%など以上になった場合、
第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で、第1の使用済みデータ量を送信するように
管理サーバ装置3に要求してもよい。管理サーバ装置3から第1の使用済みデータ量を読
み出す時間間隔が比較的に長いと、第2の使用済みデータ量が契約により利用可能なデー
タ量の上限値を超過するおそれがある。しかしながら、第2の使用済みデータ量が契約に
より利用可能なデータ量の上限値に近づいた場合、管理サーバ装置3から第1の使用済み
データ量を読み出す時間間隔を短縮することにより、第2の使用済みデータ量が契約によ
り利用可能なデータ量の上限値に達する時点をより正確に検出することができる。第2の
時間間隔は、固定値であってもよく、第2の使用済みデータ量が契約により利用可能なデ
ータ量の上限値に近づくにつれて、連続的又は離散的に短くなってもよい。
【0121】
第2の実施形態は、支払った料金に応じて利用可能なデータ量の上限値を有する外部接
続契約を締結する場合に限らず、データ量に応じて増大する料金を請求する従量制の外部
接続契約を締結する場合にも適用可能である。
【0122】
[他の変形例]
図1の例では、移動局装置1と制御サーバ装置2とが管理サーバ装置3を介して接続さ
れるように示したが、移動局装置1及び制御サーバ装置2は、通信事業者設備112にお
ける、管理サーバ装置3以外の他の装置を介して互いに接続されてもよい。
【0123】
図2のステップS1において、移動局装置1は、イグニッション電源に代わって、例え
ばアクセサリ電源がオンされたか否かを検出してもよい。
【0124】
移動局装置1のWAN通信装置12及びLAN通信装置13の少なくとも一方は、移動
局装置1に内蔵される場合だけに限定されず、移動局装置1の外部に設けられ、移動局装
置1の本体とUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを介して接続されてもよい。
【0125】
外部通信回線6は、上述のようにインターネットであってもよく、他の有線又は無線通
信回線であってもよい。
【0126】
使用済みデータ量は、移動局装置1ごとに計算される。例えば、1つの移動局装置1に
1つの端末装置4が通信可能に接続される場合、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介
するこの1つの端末装置4及び外部通信回線6の間の通信に関連付けられた使用済みデー
タ量が計算される。また、1つの移動局装置1に複数の端末装置4が通信可能に接続され
る場合、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介するこれらの端末装置4及び外部通信回
線6の間の通信に関連付けられた合計の使用済みデータ量が計算される。
【0127】
なお、本実施形態の情報処理システム100において、移動局装置1、制御サーバ装置
2、及び管理サーバ装置3のそれぞれは、所定のアプリケーションプログラムを実行する
1つ又は複数のコンピュータによって実装されてもよい。情報処理システム100の各処
理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、或いは、複数
の装置によって分散処理されてもよい。
【0128】
制御サーバ装置2は、単一のサーバ装置であってもよく、複数のサーバ装置の組み合わ
せであってもよい。制御サーバ装置2は、移動局装置1及び管理サーバ装置3を介するこ
の1つの端末装置4及び外部通信回線6の間の通信を制御するサーバ装置を含んでもよい
。制御サーバ装置2は、ユーザの登録及び/又は支払いなどを管理するサーバ装置を含ん
でもよい。制御サーバ装置2は、移動局装置1又はそのアプリケーションプログラムを認
証するサーバ装置を含んでもよい。複数のサーバ装置は、地理的に分散して配置されても
よい。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、移動局装置及び管理サーバ装置を介して端末装置及び外部通信回線の間で通
信する情報処理システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0130】
1…移動局装置、
2…制御サーバ装置、
3…管理サーバ装置、
4…端末装置、
5…基地局装置、
6…外部通信回線、
11…制御装置、
12…WAN通信装置、
13…LAN通信装置、
14…入力装置、
15…表示装置、
16…センサ群、
17…記憶装置、
21…制御装置、
22…通信装置、
23…記憶装置、
31…制御装置、
32…通信装置、
33…通信装置、
34…ゲートウェイ(GW)装置、
35…スイッチ装置、
36…記憶装置、
100…情報処理システム、
111…移動体、
112…通信事業者設備。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7