(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】子供用安全シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20230313BHJP
【FI】
B60N2/28
(21)【出願番号】P 2021149818
(22)【出願日】2021-09-15
【審査請求日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】202010983196.6
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520144059
【氏名又は名称】バンビーノ プレツィオーソ スウィツァーランド アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Bambino Prezioso Switzerland AG
【住所又は居所原語表記】Beim Bahnhof 5, 6312 Steinhausen, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュジャン、リウ
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-122618(JP,A)
【文献】登録実用新案第3218277(JP,U)
【文献】特開2001-272416(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0296254(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、着座空間を提供するために前記ベースと回動可能に接続された本体と、を含む子供用安全シートであって、
前記ベースと前記本体は、回転軸により回動可能に接続され、
電気枢着構造をさらに含み、前記電気枢着構造は、ベース内のベース電気部品と電気的に接続するためのベース枢着部材、及び本体内の本体電気部品と電気的に接続するための本体枢着部材を含み、前記ベース枢着部材は前記ベースに固定接続され、前記ベース枢着部材はベース導電部を有し、前記本体枢着部材は前記本体に固定接続され、前記本体枢着部材は本体導電部を有し、前記ベース導電部と前記本体導電部は、前記回転軸内で回動可能に電気的に接続され、前記ベース電気部品と前記本体電気部品は、前記ベース導電部と前記本体導電部との電気的接続により電気的に導通さ
れ、
前記回転軸は、中空構造を成す回転軸本体を含み、前記回転軸本体の両端のいずれも、外側に延在して肩部を形成する、
ことを特徴とする子供用安全シート。
【請求項2】
前記ベース導電部及び前記本体導電部は、導電性で回動可能な抜き差し構造を成す、
ことを特徴とする請求項1に記載の子供用安全シート。
【請求項3】
前記ベース導電部及び前記本体導電部の一方は、導電性の凹形構造を有し、前記ベース導電部及び前記本体導電部の他方は、前記凹形構造に抜き差しすることができる導電性の突出構造を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の子供用安全シート。
【請求項4】
前記凹形構造は、第1の絶縁シェルで覆われ、前記突出構造は、第2の絶縁シェルの外に突出しており、前記突出構造は前記凹形構造に挿入され、前記第2の絶縁シェルは前記第1の絶縁シェルと突き合わせ接触する、
ことを特徴とする請求項
3に記載の子供用安全シート。
【請求項5】
前記第2の絶縁シェル及び前記第1の絶縁シェルが突き合わせ接触した部分は滑らかな構造を成す、
ことを特徴とする請求項4に記載の子供用安全シート。
【請求項6】
前記凹形構造の底部には凹形台が設けられ、前記突出構造の上部には、前記凹形台と嵌合されるテーパ部が設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載の子供用安全シート。
【請求項7】
前記テーパ部は面取り構造を成す、
ことを特徴とする請求項6に記載の子供用安全シート。
【請求項8】
前記ベース枢着部材は、ケーブルを介して前記ベース電気部品に電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の子供用安全シート。
【請求項9】
前記本体枢着部材は、ケーブルを介して前記本体電気部品に電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の子供用安全シート。
【請求項10】
前記ベース導電部及び前記本体導電部は、前記回転軸の中空構造に収容される、
ことを特徴とする請求項
1に記載の子供用安全シート。
【請求項11】
前記本体と前記ベースとの回動接続部分には、前記回転軸と嵌合される取り付け穴が開口されており、前記回転軸は前記取り付け穴に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項
1に記載の子供用安全シート。
【請求項12】
前記本体枢着部材は、前記本体と接続するための本体接続部をさらに含み、前記本体接続部の平面は、前記本体導電部の平面と直交している、
ことを特徴とする請求項1に記載の子供用安全シート。
【請求項13】
前記ベース枢着部材は、前記ベースと接続するためのベース接続部をさらに含み、前記ベース接続部の平面は、前記ベース導電部の平面と直交している、
ことを特徴とする請求項1に記載の子供用安全シート。
【請求項14】
前記本体電気部品は、前記本体のトップテザーが締め付けられているかどうかを検出するための検出装置であり、前記ベース電気部品は、前記トップテザーの締め付け状態情報を表示するためのインジケーターである、
ことを特徴とする請求項1に記載の子供用安全シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供用品の技術分野に関し、特に子供用安全シートに関する。
【背景技術】
【0002】
子供が自動車に搭乗するときの安全性能を向上するために、一般的に自動車の座席に子供用安全シートを設けており、その中で、360度回転する子供用安全シートは、かっこいい外観と簡単な操作で多くの人に歓迎されている。さらに、子供用安全シートの回転角度の情報を使用者に直接伝達するために、ほとんどの360度回転する子供用安全シートには、この目的を実現するための幾つかの電気部品が設けられている。ただし、ほとんどの電気部品はケーブルで直接電気的に接続されており、これにより、ケーブルが子供用安全シートの回転に伴って回転し、さらに、ケーブルの絡まり現象が発生し、時間の経過とともに電気部品の使用寿命が大幅に短くなり、使用者に不快な体験をもたらす。
【0003】
従来技術の欠点を解決するために、ケーブルの絡まりを回避することができる子供用安全シートが緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、構造が単純で、且つケーブルの絡まりを回避することができる子供用安全シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を実現するために、本発明は、子供用安全シートを提供し、前記子供用安全シートは、ベースと、着座空間を提供するためにベースと回動可能に接続された本体と、を含み、ベースと本体は、一回転軸により回動可能に接続され、前記子供用安全シートは、電気枢着構造をさらに含み、電気枢着構造は、ベース内のベース電気部品と電気的に接続するためのベース枢着部材、及び本体内の本体電気部品と電気的に接続するための本体枢着部材を含み、ベース枢着部材はベースに固定接続され、ベース枢着部材はベース導電部を有し、本体枢着部材は本体に固定接続され、本体枢着部材は本体導電部を有し、ベース導電部と本体導電部は、回転軸内で回動可能に電気的に接続され、ベース電気部品と本体電気部品は、ベース導電部と本体導電部との電気的接続により電気的に導通される。
【0006】
従来技術と比較して、本発明に係る子供用安全シートのベース電気部品と本体電気部品との間は、電気枢着構造を介して電気的に接続され、電気枢着構造は、ベース内のベース電気部品と電気的に接続するためのベース枢着部材、及び本体内の本体電気部品と電気的に接続するための本体枢着部材を含み、本体枢着部材は本体に固定接続され、ベース枢着部材はベースに固定接続され、本体枢着部材は本体導電部を有し、ベース枢着部材はベース導電部を有し、ベース導電部と本体導電部は、回転軸内で回動可能に電気的に接続される。
【0007】
本発明に係る子供用安全シートが回転すると、ベース導電部及び本体導電部は、ベース及び本体の回動と同期して回動し、本体枢着部材が本体に固定接続され、ベース枢着部材がベースに固定接続されているため、本体枢着部材は本体電気部品に対して静止状態にあり、ベース枢着部材もベース電気部品に対して静止状態にある。
【0008】
ベース電気部品と本体電気部品が電気枢着構造により直接接続されている場合、ベース電気部品と本体電気部品との間にケーブルがないため、ケーブルの絡まりが発生せず、これにより、従来技術においてケーブルの使用により引き起こされるケーブルが絡まる技術的問題を完全に解決することができる。
【0009】
一方、本体電気部品と本体枢着部材がケーブルで接続されている場合、ベース電気部品とベース枢着部材もケーブルで接続され、本体枢着部材が本体電気部品に対して静止状態にあり、ベース枢着部材もベース電気部品に対して静止状態にあるため、本体枢着部材と本体電気部品との間に接続されたケーブル、及びベース枢着部材とベース電気部品との間に接続されたケーブルの両方は静止しており、即ち、ケーブルは、子供用安全シートの回転に伴って移動せず、さらに、絡まり現象が発生せず、これにより、同様に、従来技術においてケーブルの使用により引き起こされるケーブルが絡まる技術的問題を完全に解決することができる。
【0010】
したがって、本発明に係る子供用安全シートは、電気部品をケーブルで直接接続する従来の方法を変更し、構造が単純で、且つケーブルの絡まりを回避することができ、幅広い普及及び使用に適した電気部品が電気枢着構造を介して電気的に接続されることを提案した。
【0011】
好ましくは、本発明に係るベース導電部及び本体導電部は、導電性で回動可能な抜き差し構造を成す。
【0012】
好ましくは、本発明に係るベース導電部及び本体導電部の一方は、導電性の凹形構造を有し、ベース導電部及び本体導電部の他方は、凹形構造に抜き差しすることができる導電性の突出構造を有する。
【0013】
好ましくは、本発明に係る凹形構造は、第1の絶縁シェルで覆われ、突出構造は、第2の絶縁シェルの外に突出しており、突出構造は凹形構造に挿入され、第2の絶縁シェルは第1の絶縁シェルと突き合わせ接触する。
【0014】
好ましくは、本発明に係る第2の絶縁シェル及び第1の絶縁シェルは、突き合わせ接触して滑らかな構造を成す。
【0015】
好ましくは、本発明に係る凹形構造の底部には凹形台が設けられ、突出構造の上部には、凹形台と嵌合されるテーパ部が設けられている。
【0016】
好ましくは、本発明に係るテーパ部は面取り構造を成す。この面取り構造は、凹形構造への突出構造の挿入を容易にする一定のガイド作用がある。
【0017】
好ましくは、本発明に係るベース枢着部材は、ケーブルを介してベース電気部品に電気的に接続される。
【0018】
好ましくは、本発明に係る本体枢着部材は、ケーブルを介して本体電気部品に電気的に接続される。
【0019】
好ましくは、本発明に係る回転軸は、中空構造を成す回転軸本体を含み、回転軸本体の両端は、外側に延在して一肩部を形成する。
【0020】
好ましくは、本発明に係るベース導電部及び本体導電部は、回転軸の中空構造に収容される。
【0021】
好ましくは、本発明に係る本体とベースとの間の回動接続部分には、回転軸と嵌合される取り付け穴が開口されており、回転軸は取り付け穴に取り付けられる。
【0022】
好ましくは、本発明に係る本体枢着部材は、本体と接続するための本体接続部をさらに含み、本体接続部の平面は、本体導電部の平面と直交している。
【0023】
好ましくは、本発明に係るベース枢着部材は、ベースと接続するためのベース接続部をさらに含み、ベース接続部の平面は、ベース導電部の平面と直交している。
【0024】
好ましくは、本発明に係る本体電気部品は、本体のトップテザーが締め付けられているかどうかを検出するための検出装置であり、ベース電気部品は、トップテザーの締め付け状態情報を表示するためのインジケーターである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係る子供用安全シートの構造概略図である。
【
図2】本発明に係る子供用安全シートの回転軸部分の断面図である。
【
図4】本発明に係る電気枢着構造の構造概略図である。
【
図5】本発明に係る電気枢着構造の分解構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の技術的内容、構造的特徴、及び実現された技術的効果をより詳細に説明するために、具体的な実施例と併せて添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1から
図2を参照すると、本発明に係る子供用安全シート100は、ベース11と、着座空間を提供するためにベース11と回動可能に接続された本体12と、を含み、ベース11と本体12は、一回転軸13により回動可能に接続される。
【0028】
子供用安全シート100の電気部品間に接続されたケーブルがベース11と本体12の回動に伴って移動するのを防ぐために、本発明に係る子供用安全シート100は、電気枢着構造14をさらに含み、電気枢着構造14は、ベース11内のベース電気部品(
図1から
図2に図示せず)と電気的に接続するためのベース枢着部材141と、本体12内の本体電気部品(
図1から
図2に図示せず)と電気的に接続するための本体枢着部材142と、を含み、ここで、ベース枢着部材141はベース11に固定接続され、本体枢着部材142は本体12に固定接続され、ベース枢着部材141はベース導電部1411を有し、本体枢着部材142は本体導電部1421を有し、ベース導電部1411と本体導電部1421は、回転軸13内で回動可能に電気的に接続され、ベース導電部1411と本体導電部1421との電気的接続により、ベース電気部品と本体電気部品が電気的に導通される。
【0029】
本発明に係る子供用安全シート100が回転すると、ベース導電部1411及び本体導電部1421は、ベース11及び本体12の回動と同期して回動し、本体枢着部材142が本体12に固定接続され、ベース枢着部材141がベース11に固定接続されているため、本体枢着部材142は本体電気部品に対して静止状態にあり、ベース枢着部材141もベース電気部品に対して静止状態にある。
【0030】
ベース電気部品と本体電気部品が電気枢着構造14により直接接続されている場合、ベース電気部品と本体電気部品との間にケーブルがないため、ケーブルの絡まりが発生せず、これにより、従来技術においてケーブルの使用により引き起こされるケーブルが絡まる技術的問題を完全に解決することができる。
【0031】
一方、本体電気部品と本体枢着部材142がケーブルで電気的に接続されている場合、ベース電気部品とベース枢着部材141もケーブルで電気的に接続され、本体枢着部材142が本体電気部品に対して静止状態にあり、ベース枢着部材141もベース電気部品に対して静止状態にあるため、本体枢着部材142と本体電気部品との間に接続されたケーブル、及びベース枢着部材141とベース電気部品と間に接続されたケーブルの両方は静止しており、即ち、ケーブルは、子供用安全シート100の回転に伴って移動せず、さらに、絡まり現象が発生せず、これにより、同様に、従来技術においてケーブルの使用により引き起こされるケーブルが絡まる技術的問題を完全に解決することができる。
【0032】
したがって、本発明に係る子供用安全シート100は、電気部品をケーブルで直接接続する従来の方法を変更し、構造が単純で、且つケーブルの絡まりを回避することができ、幅広い普及及び使用に適した電気部品が電気枢着構造14を介して電気的に接続されることを提案した。
【0033】
図2から
図5を参照すると、本発明に係るベース導電部1411及び本体導電部1421は、導電性で回動可能な抜き差し構造を成す。本体導電部1421は導電性の凹形構造143を有し、ベース導電部1411は、凹形構造143に抜き差しすることができる導電性の突出構造144を有するため、抜き差し構造は、凹形構造143及び突出構造144の2つの部分から構成することができる。
【0034】
導体を保護するために、凹形構造143は、第1の絶縁シェル14111で覆われ、突出構造144の下方のベース枢着部材141は、第2の絶縁シェル14211で覆われ、即ち、突出構造144は、第2の絶縁シェル14211の外に突出している。
【0035】
突出構造144は、凹形構造143に挿入したり、凹形構造143から引き抜くことができ、凹形構造143の底部には凹形台1431が設けられ、突出構造144の上部には、凹形台1431と嵌合されるテーパ部1441が設けられており、このテーパ部1441は面取り構造を成し、この面取り構造は、凹形構造143への突出構造144の挿入を容易にする一定のガイド作用がある。
【0036】
突出構造144が凹形構造143に挿入された後、第2の絶縁シェル14211及び第1の絶縁シェル14111は突き合わせ接触し、突き合わせ接触した部分は滑らかな構造を成す。もちろん、この凹形構造143は、ベース導電部1411に設けられることもでき、凹形構造143に抜き差しすることができる導電性の突出構造144は、本体導電部1421に設けられる。
【0037】
続けて
図3を参照すると、ベース11と本体12との間に接続された回転軸13は、中空構造を成す回転軸本体131を含み、回転軸本体131の両端のいずれもは、外側に延在して一肩部1311を形成し、それとともに、本体12とベース11との間の回動接続部分には、回転軸13と嵌合される取り付け穴15が開口されており、回転軸13は取り付け穴15に取り付けられ、ベース導電部1411及び本体導電部1421は回転軸13の中空構造に収容される。
【0038】
また、本体導電部1421に加えて、本体枢着部材142は、本体12と接続するための本体接続部1422をさらに含み、本体接続部1422の平面は、本体導電部1421の平面と直交している。
【0039】
同様に、ベース導電部1411に加えて、ベース枢着部材141は、ベース11と接続するためのベース接続部1412をさらに含み、ベース接続部1412の平面は、ベース導電部1411の平面と直交しており、直交して設けることにより、ベース導電部1411及び本体導電部1421の滑らかな回動を容易にする。
【0040】
好ましくは、本発明に係る本体電気部品は、本体12のトップテザーが締め付けられているかどうかを検出するための検出装置であり、ベース電気部品は、トップテザーの締め付け状態情報を表示するためのインジケーターである。使用時に、使用者は、インジケーターにより、トップテザーが締め付けられた状態にあるかどうかがはっきりと分かり、トップテザーが締め付けられている場合はインジケーターが緑色に、トップテザーが締め付けられていない状態にある場合は、インジケーターが赤色に表示される。
【0041】
本発明に係る子供用安全シート100のベース11及び本体12の具体的な構造は、当業者に周知であり、ここでは詳細な説明を省略することに留意されたい。
【0042】
上記に開示されているのは、本発明の好ましい実施例にすぎず、もちろん、これによって本発明の特許請求の範囲を制限することはできないので、本発明の特許請求の範囲に従って行われた同等の変更は、依然として本発明の範囲内に含まれる。