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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】特徴ベース抽象化とメッシュ作成
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20230313BHJP
【FI】
G06F30/10 100
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021514504
(86)(22)【出願日】2018-09-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2018052107
(87)【国際公開番号】W WO2020060560
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】520161964
【氏名又は名称】シーメンス インダストリー ソフトウェア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】マケム,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ムカジー,ニランジャン
(72)【発明者】
【氏名】バス,デバシス
(72)【発明者】
【氏名】ソータ,アビネシュ
(72)【発明者】
【氏名】フォッグ,ハロルド
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08970590(US,B1)
【文献】特開2007-241996(JP,A)
【文献】特開2007-233560(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0061037(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/10
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理システムの作動方法であって、前記データ処理システムが、
製造すべき部品のモデル(600)を受け取るステップ(502)であって、前記モデル(600)は、元の複数の表面(102、104、106、112、114)を含む、ステップ(502)と、
相対的な表面曲率に応じて、少なくとも高曲率分類を含む分類に、前記モデル(600)内の各表面を分類するステップ(510)と、
前記複数の表面のスライバ面(102、104、106、112、114)および狭いブレンド面(402、404、406、408)のいずれかに分類するステップ(514)と、
各分類における連続する面(702)をマージするステップ(516)と、
前記複数の表面の特別面(1002、1012)を検出するステップ(518)と、
前記特別面(1002、1012)を除き、高曲率分類の元の表面復元するステップ(520)と、
復元された元の表面の共有エッジを処理し、マージされた表面(802)を生成するステップ(522)と、
局所的に狭い表面(302)または峡部(202)を形成する任意のマージされた表面を互いにマージするステップ(524)と、
製造すべき部品の修正されたモデルを格納するステップ(526)と、
実行する方法(500)。
【請求項2】
前記復元された元の表面の前記共有エッジ(1102)を処理して、マージされた表面を生成することは、G2不連続である共有エッジ(1102)のマージを含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記復元された元の表面の前記共有エッジ(1102)を処理して、マージされた表面を生成することは、スライバ面(102、104、106、112、114)または峡部面(202)によって共有される共有エッジ(1102)のマージすることを含まない、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記部品を製造させるステップ(526)をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特別面が、4面フィレット、ビード、環、円形面、局所的に狭い表面、狭いブレンド部、およびスライバ面のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
各表面の最大平均曲率およびすべての表面(508)の最大曲率を計算するステップ(506)をさらに含み、各表面の相対的な表面曲率は、その表面の曲率とすべての表面の最大曲率との比である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記分類が、高曲率分類(702)、中曲率分類(704)、および低曲率分類(706)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記モデル(600)内の幾何学的不連続エッジを識別するためのプロセス(1200)を実行するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記モデルに対して特徴抽象化プロセス(1400)を実行するステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記モデル内の一般的なビードに対して特徴識別プロセス(1600)を実行するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
プロセッサ(2802)と、
アクセス可能なメモリ(2808)と、を備え、
請求項1から10のいずれか1項に記載のプロセスを実行するように構成されたデータ処理システム(2800)。
【請求項12】
実行されると、1つ以上のデータ処理システム(2800)に、請求項1から10のいずれか1項に記載のプロセスを実行させる実行可能命令符号化された、非一時的コンピュータ可読媒体(2826)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、コンピュータ支援設計、エンジニアリング、可視化および製造システム(「CADシステム」)、製品ライフサイクル管理(「PLM」)システム、および同様のシステムを対象としており、これらシステムは、製品および他のアイテム(総称して、「製品データ管理」システムまたはPDMシステム)のためのデータを管理する。
【背景技術】
【0002】
CADシステムは、2次元(2D)および3次元(3D)モデルの設計及び可視化、及び、物理的な製品としての製造用の図面の作成に有用である。改善されたシステムが望ましい。
【発明の開示】
【0003】
種々開示された実施形態は、CAD操作のための方法を含み、対応するシステムおよびコンピュータ可読媒体が本明細書に開示される。方法は、製造すべき部品のモデルを受け取るステップを含み、モデルは、複数の元の表面を含む。この方法は、少なくとも高曲率分類を含む分類に従って、相対的な面曲率に従って、モデル内の各表面を分類することを含む。この方法は、複数の表面の任意のスライバ面及び狭いブレンド面を分類することを含む。この方法は、各分類における連続する表面のマージを含む。本方法は、複数の表面のうちの特別な表面を検出するステップを含む。この方法は、特別な表面を除いて、高曲率分類における元の表面の復元を含む。この方法は、マージされた表面を生成するために、復元された元の表面の共有エッジを処理することを含む。この方法は、局所的に狭い表面または峡部を生成する任意のマージされた表面を一緒にマージすることを含む。この方法は、製造すべき部品の修正モデルを保存することを含む。
【0004】
また、開示された種々の実施形態は、プロセッサを含むデータ処理システムを含む。データ処理システムは、アクセス可能なメモリも含む。データ処理システムは、特に、本明細書に記載されるようなプロセスを実行するように構成される。
【0005】
種々開示される実施形態は、実行可能命令で符号化された非一時的コンピュータ可読媒体をさらに含み、実行されると、1つ以上のデータ処理システムに、本明細書に記載されるような処理を実行させる。
【0006】
いくつかの実施形態では、復元された元の表面の共有エッジを処理して、マージ面を生成することは、G2不連続である共有エッジのマージを含まない。いくつかの実施形態では、合流面を生成するために、復元された元の表面の共有エッジを処理することは、スライバ面またはリストマス面によって共有される共有エッジの合流を含まない。いくつかの実施形態は、部品を製造させることを含む。いくつかの実施形態において、特別面は、四面フィレット、ビード(bead)、環(annuli)、円形面、局所的に狭い表面、狭いブレンド面、及びスライバ面のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態は、各表面の最大平均曲率及び全ての表面の最大曲率を計算することを含み、各表面の相対面曲率は、その表面の曲率と全ての表面の最大曲率との比である。いくつかの実施形態において、分類は、高曲率分類、中曲率分類、及び低曲率分類を含む。いくつかの実施形態は、モデル内の幾何学的不連続エッジを識別するためのプロセスを実行することを含む。いくつかの実施形態は、モデル内の幾何学的不連続エッジを識別するためのプロセスを実行することを含む。いくつかの実施形態は、モデルに対して特徴抽象化プロセスを実行することを含む。いくつかの実施形態は、モデル内の一般的なビードについて特徴識別処理を実施することを含む。
【0007】
前述は、当業者が以下の詳細な説明をより良く理解できるように、本開示の特徴および技術的利点をかなり広範囲に概説した。以下に、クレームの主題を形成する開示のさらなる特徴および利点について説明する。当業者は、本開示の同じ目的を実行するために他の構造を修正または設計するための基礎として開示された概念および特定の実施形態を容易に使用することができることを理解するであろう。また、当業者であれば、このような同等の構成は、その最も広範な形態での開示の精神および範囲から逸脱しないことも実現するであろう。
【0008】
以下の詳細な説明を行う前に、本明細書全体にわたって使用される特定の単語または語句について述べることは有益である。用語「含む」および「備える」ならびにその派生語は、限定なしに包含することを意味し、用語「または」は、「および/または」を含む意味であり、用語「関連する」および/または「それに関連する」ならびにその派生語は、包含されること、相互接続されること、包含されること、接続されること、結合されること、結合されること、または結合されること、通信可能であること、インターリーブされること、並置されること、近接されること、束縛されることまたは束縛すること、有すること、特性を有することなどを意味し、用語「コントローラ」は、システムまたはその一部がハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらのうちの少なくとも2つの何らかの組合せで実装されるかどうかにかかわらず、少なくとも1つの動作を制御する任意の装置またはその一部を意味する。特定のコントローラに関連する機能は、ローカルでもリモートでも、集中型でも分散型でもよいことに留意されたい。特定の単語および語句の定義は、本明細書の全体にわたって提供され、当業者であれば、そのようなは、多くの場合、ほとんどではないとしても、また、そのようなされた単語および語句の定義が従前および将来の使用に適用されることを理解するであろう。用語によっては、多種多様な実施形態を含むことがあるが、特許請求の範囲は、これらの用語を特定の実施形態に明示的に限定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示、およびその利点をより完全に理解するために、添付の図面と併せて取り上げた以下の説明を参照する。ここでは、類似の番号は類似のオブジェクトを示す。
図1A】開示された実施形態によるスライバ面の一例を示す図である。
図1B】開示された実施形態によるスライバ面の一例を示す図である。
図2A】開示された実施形態による峡部面の一例を示す図である。
図2B】開示された実施形態による峡部面の一例を示す図である。
図3A】開示された実施形態による局所的に狭い表面の一例を示す図である。
図3B】開示された実施形態による局所的に狭い表面の一例を示す図である。
図4】開示された実施形態による狭いブレンドの例を示す図である。
図5】開示された実施形態によるプロセスを示す図である。
図6】開示された実施形態による複数の表面を含む、製造すべき部品のモデルの一例を示す図である。
図7】開示された実施形態による狭いブレンド面の識別情報及び分類と共に、モデルにおける表面の分類を示す図である。
図8】ゾーン内のマージング面と、開示された実施形態による中央オブジェクト処理を示す図である。
図9A】発生する可能性のあるメッシングエラーを示す図である。
図9B】発生する可能性のあるメッシングエラーを示す図である。
図10A】開示された実施形態によるビードを示す図である。
図10B】開示された実施形態によるビードを示す図である。
図11】開示された実施形態による、G1連続エッジおよびG2連続エッジおよび不連続エッジの例を示す図である。
図12】開示された実施形態による幾何学的不連続エッジ部を識別するための1つのプロセスを示す図である。
図13】開示された実施形態による検出された連続性、不連続性の例を示す図である。
図14】開示された実施形態による特徴抽象化を実行するプロセスのフローチャートを示す図である。
図15】開示された実施形態による一般的なビード特徴上の接線連続性チェックを示す図である。
図16】開示された実施形態による一般的なビードの特徴識別を実施するためのプロセス1600のフローチャートを示す図である。
図17】開示された実施形態による特徴上のドロネーメッシュを示す図である。
図18】開示された実施形態による特徴の中心線又はクレストラインを示す図である。
図19】開示された実施形態による特徴を有する最終メッシュを示す図である。
図20】開示された実施形態によるフィレットメッシュの例を示す図である。
図21】開示された実施形態によるフィレットメッシュの例を示す図である。
図22】開示された実施形態によるフィレットメッシュの例を示す図である。
図23】開示された実施形態によるフィレットメッシュの例を示す図である。
図24A】本明細書で開示される特徴線保存を使用せずに局所窪み領域を示す図である。
図24B】本明細書に開示される特徴線保存を使用する局所窪み領域を示す図である。
図25A】開示された実施形態によるデフォルトメッシュを有するマップメッシング可能フランジを示す図である。
図25B】開示された実施形態によるフランジ定義で生成されたメッシュを示す図である。
図26A】開示された実施形態によるデフォルトのペイビングされていないメッシュを有する、非マップ-メッシュ作成可能フランジを示す図である。
図26B】開示された実施形態によるフランジ定義を有する特別に処理された(ペイビングされた)メッシュを示す図である。
図27A】開示された実施形態による高曲率ゾーンにおける修正抽象化された幾何学的形状を示す図である。
図27B】開示された実施形態によるメッシュを示す図である。
図28】実施形態を実装することができるデータ処理システムのブロック図を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
後述する図1から図28、および本特許文書に本開示の原理を記載するために使用される様々な実施形態は、単に説明のためのものであり、開示の範囲を制限するように解釈されるべきではない。当業者は、本開示の原理を任意の適切に配置された装置で実施することができることを理解するであろう。本出願の多数の革新的教示を、例示的非限定的な実施形態を参照して説明する。
【0011】
CADシステムは、製造のための部品の設計、モデル化、可視化、最終的な製造に使用され、種々の商用CADおよびコンピュータ支援エンジニアリング(CAE)ソフトウェア製品が利用可能である。しかし、異なるシステム間でCADモデルデータを交換することは問題となる可能性がある。例えば、自動車の車体パネルや航空宇宙構造物に使用されるような複雑な部品の場合、CADモデルは、CAD特徴オペレータから生じる小さな表面やエッジ、あるいはあるCADソフトウェア製品で開発されたCAD部品が次いで別のCADソフトウェア製品に持ち込まれたときの翻訳のアーチファクトとして含まれる。これらの小さな幾何学的エッジと表面は、特に幾何学的関連メッシュが頂点、エッジおよび表面にノードを配置する制約を満たさなければならないときに、許容可能な有限要素メッシュ品質を有する表面メッシュを開発する上で重大な問題を引き起こす可能性がある。
【0012】
一般的に、自動車産業および他の産業は、有限要素解析(FEA)手法を用いて特定のソルバに対する一連の厳しいメッシュ品質基準を有している。たとえば、ボディパネルの許容可能な品質のメッシュは、メッシュを作成する前にモデルに対して特定の幾何学的抽象化が実行された場合にのみ幾何学的に関連させることができる。
【0013】
開示される実施形態は、製造すべき製品のための高品質メッシュを生成するために、メッシュプロセスの一部として、豊富な特徴に敏感な抽象化(又は、本明細書で使用される「抽象化」)を組み込む。面曲率評価は、モデル内の重要な特徴を規定するエッジを決定するのに役立つ。開示されたプロセスでは、ユーザ指定のメッシュパラメータを組み込んで表面の境界を分割及びマージすることができ、その結果、幾何学的形状とその上で生成されたメッシュが関連するすべての特徴を捕捉する。
【0014】
また、開示された実施形態には、メッシュ品質チェックに合格する高品質の全体的なメッシュを作成するために、特徴を読み取り、認識するための改善されたメッシュ作成処理が含まれている。
【0015】
いくつかのメッシング手法は、抽象化を実行し、次に特定のメッシングパラメータを使用してユーザ定義のサイズでメッシングを行い、次にメッシュクリーンアップを実行して、規定のメッシュ品質に準拠する、という特定の処理が行われる。
【0016】
一貫性のある引用のために、本明細書で使用される用語のいくつかは、以下のように定義される。「スライバ面(sliver face)」とは、狭い表面または面積と周囲の比率がある閾値を下回る表面を指す。図1Aは、モデル100の部分スライバ面102、104、および106の例を示す。図1Bは、モデル110の部分スライバ面112および114の一例を示す。これらの例では、これらのスライバ面は非常に細いため、太い線以上は表示されない。これらは、領域が無視できる広さの表面である。
【0017】
「峡部面(isthmus face)」とは、ある閾値以下の狭い領域を有する面をいう。図2Aは、モデル200の一部の峡部面202の一例を示す。図2Bは、モデル210の一部の峡部面212の一例を示す。
【0018】
「局所的に狭い表面」とは、スライバ面ほど薄くない表面を指し、顕著な峡部を有しないが、メッシュに過度の制約を課すことができ、メッシュの質が悪くなる可能性のある狭い「テール」を有する。図3Aは、モデル300の部分局所的に狭い表面302の例を示す。図3Bは、モデル310の部分局所的に狭い表面312の例を示す。
【0019】
「狭いブレンド」とは、ユーザによって定義される、最小要素サイズの2倍強のスライバであり、一方向または双方向の曲率を特徴とし、多くの場合平面に連続する狭い表面を指す。図4は、モデル400の狭いブレンド402、404、406、および408の例を示す。
【0020】
図5は、本明細書に開示されるようなデータ処理システムによって、または本明細書に記載されるようなプロセスを実行するように構成された別のシステムによって実行され得る、開示される実施形態によるプロセス500を示す。本明細書では、「システム」と総称する。
【0021】
システムは、製造すべき部品のモデルを受け取る(502)。モデルは、2Dモデルデータまたは3Dソリッドモデルデータで表すことができる。これは、部品のモデル全体を含めることも、モデルの要素のサブセットのみを含めることもできる。本明細書で使用されているように、受信は、記憶装置からのローディング、別の装置またはプロセスからの受信、ユーザとの相互作用を介した受信、またはその他の方法を含むことができる。
【0022】
図6は、複数の表面を含む、製造すべき部品のモデル600の一例を示す。
【0023】
図5のプロセスに戻ると、システムは、モデル内の表面を識別する(504)。これは、モデル内の全ての表面を含むことができ(通常のプロセスにおいてはそうなる)、または、ユーザによって選択されたモデルの一部など、表面のサブセットを含むことができる。
【0024】
システムは、識別された各表面の最大平均曲率を計算する(506)。
【0025】
システムは、識別された各表面の最大平均曲率に基づいて、すべての識別された表面の最大曲率を識別する(508)。
【0026】
このシステムは、識別された各表面の相対的な表面の曲率に従って、識別された各表面を分類する(510)。表面に対する相対的な表面の曲率は、すべての識別された表面の最大曲率に対する表面の比として計算することができる。システムは、例えば、3つの分類または「ゾーン」、すなわち、0~20%の相対的な面曲率値を有する表面に対する低曲率ゾーン、20~40%の相対的な面曲率値を有する表面に対する中曲率ゾーンおよび40%を超える相対的な面曲率値を有する表面に対する高曲率ゾーンのうちの1つを分類することができる。このステップの一部として、システムは、常に高曲率ゾーンに配置される「フィレット」(ブレンド)面または「円筒」面として、複数の表面のうちの1つを指定することができる。フィレット面または円筒面は、ユーザ入力またはユーザ指定のパラメータに基づいて指定できる。
【0027】
システムは、スライバ面と狭いブレンド面を識別する(512)。ユーザ定義の「最小要素サイズ」を使用してスライバ面と狭いブレンド面を識別することができ、このステップの一部として、システムは「最小要素サイズ」を使用して、細いテール領域と峡部領域を持つ面を検出しカットして、親面をスライバ面と非スライバ面に分割することもできる。
【0028】
システムはスライバ面と狭いブレンド面を分類する(514)。特定のゾーンの表面で囲まれたスライバ面は、そのゾーンに分類される。識別された任意の狭いブレンド面は、中央に沿って分割され、結果として生じるハーフ面は、連続する表面にマージされて分類される。このシステムは、中央オブジェクト処理を行うことができる。
【0029】
図7は、狭いブレンド面の識別および分類とともに、モデル700内の面表の分類を示す。この例では、高曲率面702、中曲率面704、低曲率面706、および狭いブレンド708を含む。
【0030】
図5のプロセスに戻ると、システムは、モデルの各連続ゾーン内で表面をマージする(516)。システムは、各ゾーン内の連続する表面を単一の表面にマージすることができる。これは、例えば、2つの中曲率ゾーン面において、元の中曲率ゾーン面の全てが連続していない場合に、生じることがある。
【0031】
図8は、ゾーン内のマージ面(516のような)と、モデル800内の中央オブジェクト処理(514のような)を示る。例えば、図7に示される連続する高曲率面702が、図8内のマージ面802を含むようにマージされていることに留意されたい。
【0032】
この時点で、以下に記載されるような動作も実行されないと、プロセスは不正確な結果を生じる可能性がある。つまり、例えば、506でプロセスを終了すると、特に高曲率ゾーンで特徴エッジがマージされる可能性がある。このような場合、メッシュはモデル内の特徴を実際に表しているわけではない。
【0033】
図9A及び図9Bは、発生する可能性のあるメッシュ作成エラーを示す。図9Aは、過剰マージングの兆候を示す高曲率ゾーン902内の抽象化された幾何学的形状を有するモデル900を示し、図9Bは、例えば904において、モデル内の特徴エッジを越える、同じモデル900の抽象化された幾何学的形状上のメッシュを示す。
【0034】
これらの問題に対処できるいくつかの限定されたアプローチが存在する。ある種のパターン認識または「テンプレート化された」メッシュ生成を使用することができるが、パターン化された幾何学上のテンプレート化メッシングは非常に限定的であり、特定の産業用途における特定のクラスの問題に対してのみ適切に動作するものの、一般的な意味では動作しない。
【0035】
4面フィレット、I字状ビード、環状形状、環、および円形面のような特別なメッシングを使用して、特徴を識別し、メッシュ作成することができる。これらの特徴をメッシュ作成するための戦略の一つは、参照により本書に組み込まれる、米国特許出願公開第2017/0061037号明細書に記載されている。しかしながら、多くの他のタイプの特徴は、与えられたモデルに存在し得る。例えば、全てのフィレットが4面でであるとは限らないため、従ってマップメッシングすることはできず、I字状以外のビードが存在し、以下に説明し且つ図示したように特徴中心線を尊重する構造化メッシュを必要とする場合がある。様々なモデルは、フランジ、局所凹部等を有することができ、それらの全ては、それら上に正確なメッシュパターンを生成するために、メッシング処理によって理解される必要がある特徴である。
【0036】
いくつかのプロセスは、構造化された掃引六面体メッシュを生成するために、複雑なモデル形状から薄いシートと長く細長い特徴を識別して分割することができる。これらのアプローチでは、薄いシート領域を識別し、元の3Dソリッドから分割するために、3D中央オブジェクトを使用することができる。次いで、残留オブジェクト上で、一連の計量テンソルを、表面の厚さ、表面の曲率、および2D中央オブジェクトに基づく局所幾何学的サイズ決定測定を用いて、使用することができる。これらの計量テンソルは、それらのアスペクト比に基づいて分類される楕円体に対応する。次に、一連のブール演算と中央ブレスレット手法でソリッドから自動的に分割された長い細長い特徴を識別するために、異方性楕円体を採用することができる。最後に、楕円体の寸法を使用して、メッシュの掃引方向に沿ってバイアスされたグレーディングを付与することにより、メッシュを効率的にサイズ決めすることができる。
【0037】
開示された実施形態は、図5のプロセスの文脈においてさらに説明される、高曲率領域に関係する表面についての本体パネル上の既存の抽象化結果を強化する戦略を含む。便宜的な参照のために、修正さえた戦略で使用されるいくつかの追加用語は以下の通りである。「ビード」は、単一の複合高曲率面として定義され、その組成は、多数の表面であり、主として、高曲率ゾーンにおける相対的な面曲率値を有する。この合成面には、接線の外側境界がある。
【0038】
図10A及び10Bは、ビードを示す。図10Aは、モデル1000上のビード特徴1002を示し、図10Bは、モデル1010上の一般的なビード1012を示す。
【0039】
本明細書での説明のために、ある幾何学的連続性/不連続性の用語を説明することが有用であり得る。2つの表面によって共有されるエッジの幾何学的連続性は、2つの表面の間の接触の滑らかさに関係する。G0とは「点の連続性」のことで、2つの曲線が互いに接触することを意味する。G1は、接触するだけでなく、接触する点で同じ方向を向く2つの曲線を指す。数学的には、2つの曲線の1次微分は、それらが接触する点で等しい。
【0040】
G2は、曲線が接触したときに同じ方向になるだけでなく、その点で同じ半径を持つという要件を加える。数学的には、その点では方程式の1次微分と2次微分の両方が等しくなる。
【0041】
G3は、平面加速度の要件を追加する。G3連続接触である曲線は、同じ方向に進み、同じ半径を持ち、その半径が特定の点で同じ比率で加速している。数学的には、G3連続曲線は等しい3次微分をもつ。最後に、G4連続曲線はG3曲線とすべて同じ要件をもつが、曲率加速度は3次元で等しい。
【0042】
5つのレベルの連続性は、上述したように、CADシステムで一般的に使用される。G0連続性では、複数の曲線が接触する。G1では、曲線が同じ方向に接触して進む。G2導通では、曲線が接触し、同じ方向に進み、接触点で等しい半径になる。G3連続性では、曲線の半径は等しく、同じ比率で加速し、G4連続性では、加速は3D空間で行われる。
【0043】
連続した弧の長さのパラメトリック微分を持つ表面の場合、共有されるエッジの幾何学的連続性の度合いは、同じである連続する表面の微分の最高次数を示す。これは、1次幾何連続性(G1)に対する共通面法線と2次幾何連続性(G2)に対する共通面法線および主曲率に対応する。
【0044】
幾何学的不連続性は、連続性の逆数であるため、G1不連続エッジは、連続する表面に対して異なる法線を有し、G2不連続エッジは、連続する表面に対して異なるが主曲率である法線を有する。G1とG2の不連続エッジは一般に重要な特徴であり、抽象化して保存することが好ましい。
【0045】
図11は、G1連続エッジおよびG2連続エッジおよび不連続エッジの例を示している。表面1100の例では、共有エッジ1102は、要素1104と要素1106との間で共有されることに留意されたい。
【0046】
CAD/CAEモデルの表面は区分的に滑らかな三角形分割であるが、それらは連続的なパラメトリック微分を持つCAD解析面を表している。したがって、数値近似を使用して、エッジの幾何学的連続性の程度を評価することができる。
【0047】
図12は、開示された実施形態による、幾何学的な不連続エッジ部を識別するための1つのプロセス1200を示す。
【0048】
システムは2つの表面を受け取る(1202)。
【0049】
システムは、2つの表面の間のエッジにG1不連続があるかどうかを識別する(1204)。いくつかの実施形態では、そうするために、システムは、エッジの各ファセット点における法線の対の内積を計算する。最小計算値が閾値(例えば、cos175°)より小さい場合、エッジは少なくともG1連続である。それ以外の場合、エッジはG1不連続であり、プロセスは決定された連続性/不連続性を保存し、終了することができる(1208)。
【0050】
エッジが少なくともG1連続である場合、システムエッジは、エッジにG2不連続があるかどうかを判定する(1206)。いくつかの実施形態において、そうするために、システムは、各ファセット点について、主曲率値及び方向、κ1、κ2、e1及びe2を、両面について近似する。このシステムは、離散表面に対する微分量のパラメータ化ベース計算のAn分析と比較、Computによって記述されるようなファセットポイントとその法線の1リングへの最小二乗最適二次高さ関数(least-squares-best-fit quadratic height function)を解くことにより、ファセットポイントにおける局所推定を行うことができる。「離散表面の微分量のパラメータ化ベースの計算の分析と比較」、コンピュータ支援幾何学、2009年5月26日、曲率テンソル行列「4.タウビン」(An analysis and comparison of parameterization- based computation of differential quantities for discrete surfaces, Comput. Aided Geom. Des. 26 (5) (2009). Curvature tensor matrices [4, Taubin])に記載されているように、Kpは次式で形成される。
【数1】
ここで、nは局所面法線である。次に、2つの連続する表面の曲率テンソル間のフロベニウスノルム差を、エッジの各ファセット点について
【数2】
で計算した。最小計算値が閾値より小さい場合、エッジは少なくともG2連続である。それ以外の場合、エッジはG2不連続になる。この計算の利点は、その結果がモデルの座標系または回転の変化に対して不変であるということである。ただし、結果は1/距離(曲率ごと)単位の次元になる。そのため、モデルごとに適切なしきい値を選択する必要がある。
【0051】
図13は、開示された実施形態に従った、検出された連続性の不連続性の例を示す。この例は、G1不連続エッジ1302、G2連続エッジ1304、およびG2不連続エッジ1306(他のエッジの中でも)を示す。
【0052】
図5のプロセスに戻って、上述した問題を回避するために、システムは追加の動作を行う。
【0053】
システムは、モデルの中でビードのような特別な表面を検出する(518)。これらの表面は良好なメッシュ品質を持ち、修正する必要はない。これらの表面は高曲率群の一部である。
【0054】
システムは、検出された特別な表面以外の、高曲率ゾーンの元の表面を復元する(520)。特別な表面、およびビードのような特徴面は、高曲率を有する表面でもあり、高曲率群の一部である。高曲率群内でマージが実行された後、これらの特別な表面が結果として得られる。これらの特別な表面以外に、これらのグループ内の他の表面は、さらなるG2処理のために「元に戻る」または「分解」される。特別な表面を除外することで、G2処理はこれらの特別な(特徴)面を破壊しない。
【0055】
システムは、復元された元の表面の共有エッジを処理して、マージされた表面を生成する(522)。システムは、復元された元の表面のそれぞれの共有エッジを見つけることができる。システムは、エッジがG2不連続である場合、各共有エッジをG2エッジとしてマークすることができる。システムは、G2不連続エッジとしてマークされているエッジおよびスライバ面または峡部面で共有されているエッジを除き、復元された元の表面の共有エッジをマージすることができる。
【0056】
このシステムは、局所的に狭い表面または峡部を生成したマージされた表面のいずれかを一緒にマージする(524)。そのような場合、メッシュの成功と品質が特徴エッジの保持よりも優先されるため、もとに戻る。
【0057】
システムは、上記で行われた修正に従って、処理されたモデルを保存する(526)。これは、さらに、処理されたモデルに従った部品または製品の製造を含むことができる。
【0058】
図14は、開示された実施形態に従った特徴抽象化を実行するための処理1400のフローチャートを示しており、場合によっては、図5の処理の一部として実行することができる。
【0059】
システムは、以下のように、各高曲率ゾーン内の各表面を処理する(1402)。
【0060】
システムは、与えられた各表面が特別な面を表しているかどうかを判断する(1404)。
【0061】
そうであれば、システムはその表面の処理をスキップできる(1406)。
【0062】
そうでない場合、システムはすべての構成要素面を元に戻し、共有エッジを見つける(1408)。
【0063】
共有エッジごとに、システムは共有エッジがG2不連続かどうかを判断する(1410)。
【0064】
共有エッジがG2不連続でない場合、システムは共有エッジに属する表面をマージする(1412)。
【0065】
共有エッジが1410においてG2不連続である場合、システムは、G2不連続エッジがスライバ面、峡部面、またはメッシングできない表面のいずれかによって共有されるかを決定する(1414)。
【0066】
G2不連続エッジが、1414において、スライバ面、峡部面、またはメッシングできない表面のいずれか1つによって共有される場合、システムは共有エッジに属する表面をマージする(1416)。
【0067】
G2不連続エッジが、1414において、スライバ面、峡部面、またはメッシングできない表面のいずれかによって共有されない場合、システムは、G2不連続エッジ(表面を合流させるのではない)を保存する(1418)。
【0068】
様々な実施形態は、特定の特徴上に特定のメッシュを作成するために、メッシュ作成プロセスに対する強化を含むことができる。
【0069】
このシステムは、一般的なビードに対して特定のプロセスを実行する。一般的なビードの特徴が典型的に示す共通の特徴は、滑らかな境界である。その結果、システムは、それらの周囲の接線の連続性をチェックすることにより、これらの表面を識別することができる。表面の外側ループ上で、エッジ接線tは、各エッジの開始頂点と終了頂点について、以下の式1.2に従って評価することができる。
【数3】
ここで、x(s)は正則曲線の自然な表現である。
【0070】
図15は、エリア1502において実施されるように、本明細書に開示されるようなシステムによって実施され得る、一般的なビード特徴1500上の接線連続性チェックを示す。各頂点に接続された各接線ecurrとenextの接線間の角度を評価することによって、外側境界上の不連続的な収差を識別することができ、これは、式1.3に従って、特徴をビードとして不適格にすることになる。
【数4】
ここで、αはユーザ定義の許容値で、tnextは頂点の内外の辺接線である。
【0071】
図16は、図5のプロセスの一部として、場合によっては実行され得る、開示された実施形態による、一般的ビードのための特徴識別を実行するためのプロセス1600のフローチャートを示す。本明細書で使用される種々の用語は、以下のものを含む。
・iおよびjは、アルゴリズムの各反復の数である整数を指す。
・「ループ」とは、反時計回りの方向でエッジが円形に並んでいることを指す。
・エッジは、表面の境界のセグメントを指す。
・nEdgesは、表面のエッジの総数を指す。
・tcurrは、エッジエンド頂点の接線ベクトルを参照する。
・tnextは、エッジスタート頂点の接線ベクトルを参照する。
・edgecurrは、ループ内の電流エッジを参照する。
・edgenextは、ループ内の次の辺を参照する。
・α:許容誤差を定義する倍精度数を指す。
・「・」:内積演算子である。
【0072】
システムは入力面を受け取る(1602)。
【0073】
システムはi=1を設定する(1604)。
【0074】
システムはiがループ数より少ないかどうかを決定する(1606)。
【0075】
iがループの数より少なくない場合、ビード特徴が見つかってから、プロセスは終了する(1608)。
【0076】
iが1606のループ数より少ない場合、システムはj=0をセットする(1610)。
【0077】
システムはjがnEdgesより小さいかどうかを決定する(1614)。
【0078】
jがnEdgesより小さくない場合、システムはi(i=i+1)をインクリメントし、プロセスは1606に戻る(1612)。
【0079】
jがnEdgesより小さい場合、edgecurr=edgejが設定される(1616)。
【0080】
システムはjがnEdges-1に等しいかどうかを決定する(1618)。
【0081】
jが1618でnEdges-1に等しい場合、edgenext=edge0が設定される(1620)。
【0082】
jが1618でnEdges-1と等しくない場合、edgenext=edgej+1が設定される(1622)。
【0083】
システムはエッジ接線を計算する(1624)。これは、終端頂点におけるcurrタンジェントtcurrを計算することと、始点頂点におけるedgenextタンジェントtnextを計算することとを含むことができる。
【0084】
curr・tnext<αかどうかが決定される(1626)。αは、例えば、0.6であり得る。
【0085】
1626でtcurr・tnext<αの場合、j(j=j+1)をインクリメントし、1614に戻る(1628)。
【0086】
1626でtcurr・tnext≧αのとき、特徴は非ビード特徴であるので処理は終了する(1630)。
【0087】
図16に示されるような処理は、従来のIビード(図10Aのように)および一般的ビード(図10Bのように)を含む任意のビード特徴と共に使用され得る。これらは、デローニーメッシュジェネレータでその2D平坦化ドメインにおいてメッシュ作成され、「空のメッシュ」(内側ノードを持たないメッシュ)を作成することができる。
【0088】
図17は、開示された実施形態による特徴1700上のデラウニーメッシュ1702を示す。
【0089】
次いで、システムは、上に組み込まれた特許公開公報に記載されているような、空のメッシュに基づいて、ビード形状に対する特徴の中心線を表す切り捨て中央オブジェクトを生成することができる。
【0090】
図18は、開示された実施形態による、特徴1800の中心またはクレストライン1802を示す。特徴1800は、特徴1700に対応する。
【0091】
開示される実施形態は、あらゆる既知のプロセスによっては考慮されない、「埋め込まれた2D特徴線」として、表面の直接上の中心軸を使用することができる。この埋め込み2D特徴線は、ノードと事前メッシュ作成/離散化されて、ノードループを形成する。このノードループは、その実際のトポロジー/実トポロジーを表す表面の他のノードループに追加される。ノードループは、当業者に知られているように、ループ結合プロセスを使用して結合される。結合されたノードループは、メッシング領域を表す単一ループになる。最終メッシュは、既知の2Dメッシュ生成プロセスを使用して生成される。
【0092】
図19は、開示された実施形態による特徴1900上の最終メッシュ1902を示す。開示されたプロセスを用いて生成されるメッシュは、特徴中心線のトレース及びホーニングに基づくものを含め、既知技術よりも著しく改善される。これは、分析駆動設計において重要な利点を提供する。
【0093】
このシステムは、一般的および非マップメッシュフィレットを処理できる。フィレットの特徴は、一般的には4面であり、したがってマッピングされたメッシュの理想的な候補であるという違いを持つビードのようなものでもある。しかし、図17に示すように、すべてのフィレットがマップメッシュ可能であるわけではない。
【0094】
このような表面は、4つの固有の頂点を持たないか、または数学的に4面ではない場合がある。フィレット中心線が生成され、2D特徴線として表面に注入されるのは、上述の項目の一般的なビードの場合とまったく同じ方法である。
【0095】
図20は、モデル2000上のそのようなフィレットメッシュ2002の一例を示す。注意すべきことであるが、問題のフィレットは4面ではないが、その上に生成されたメッシュは、準マッピングされたメッシュのポイントに構造化されている。他の場合には、従来の4面フィレットは、図20、21のように、時間のように連続する表面からの制約のためにマップメッシュ作成できない。図20の例では、フィレットメッシュは、厚さを通して2つの要素を得ていない。
【0096】
図21は、モデル2100上のそのようなフィレットメッシュ2102の一例を示す。図21の例では、2つの要素2104および2106が厚さを通過する。要素2104は、強調された表面2108の端部における単一要素数(メッシュ分割)である。要素2106は、2つの要素数又はメッシュ分割を有する。表面2108などの表面の両側は、表面とマップメッシュの要素数が等しくなければならない。つまり、表面2108の場合、表面2108はマップメッシュまたは構造化されたメッシュの「ルックアンドフィール」を持つ必要がある。これは、メッシュ内に、中心軸技術を用いた隆線2110が挿入されたためである。
【0097】
図22は、モデル2200上のそのようなフィレットメッシュ2202の一例を示す。図22の例では、フィレットメッシュは、厚さを通して2つの要素を得ていない。
【0098】
図23は、モデル2300上のそのようなフィレットメッシュ2302の一例を示す。図23の例では、2つの要素2304および2306は、厚さを通る。要素2304は、強調された表面2308の端部における単一要素数(メッシュ分割)である。要素2306は、3つの要素カウントまたはメッシュ分割を有する。表面2308などの表面の両側は、表面が正確にマップメッシュになるように、同じ要素数を持つ必要がある。すなわち、表面2308内の容器上では、しかし、面2108は、マップメッシュまたは構造化されたメッシュの「ルックアンドフィール」を有する。これは、メッシュ内に中心軸技術を用いた隆起線2310が挿入され、メッシュが隆起線2310に適合されたためである。
【0099】
図示されたように、フィレットでは、隆起線を挿入して、支配的に構造化された非構造化メッシュを生成することができる。
【0100】
上述のように特徴中心線を挿入することによって、これらのフィレット上に非構造化メッシュを挿入することによって、準マッピングされたメッシュの外観が得られ、より重要なことは、特徴の必須分析要件である特徴の厚さを通して2つの要素を得ることである(図21および23に示されているように)。
【0101】
このシステムは局所的な窪みを処理することができる。局所的な窪みは、スポットフィールドアプリケーションが特に適切である製品または他の製造物品の領域である。これらの窪みは、その周囲に中から高の曲率面を有する平坦な表面を有する。システムおよびメッシャープロセスは、それらをそれらの上に平坦領域を有するフィレットのクラスターとして識別し、曲線部分上にフィレットメッシュ作成定義および平坦面上にグローバルメッシュ定義を適用する。
【0102】
図24Aは、本明細書に開示されるような特徴線保存を使用せずに、メッシュ化されて製造すべき部品のモデル2400内の局所窪み領域を図す。図24Bは、本明細書に開示されるような特徴線保存を用いてメッシュ作成された製造すべき部品のモデル2410内の局所窪み領域を示す。
【0103】
システムはフランジを処理できる。フランジは、スポットウェルドアプリケーションのためのアイデアサイトである、自由境界近傍の車体パネルの一部でもある。フランジ面は、以下のようにメッシュ内に画定される。
【0104】
表面は平らである必要がある(フィレット、ビード、円筒形、環、円形ではない)。
【0105】
表面は、その外側の表面ループの一部として、何らかの自由エッジを持つ必要がある。
【0106】
面幅を表す表面の流体力学的直径(面積/周囲長)は、グローバル要素サイズの3倍未満である必要がある。
【0107】
システムがメッシュを特定すると、フランジは2つの方法でメッシュ作成される。まず、フランジが4面でマップメッシュ作成可能な場合、長さに沿って要素数を駆動し、短い側面のペアで3個以上の数をカウントするグローバルサイズでマップメッシュ作成される。図25Aは、製造すべき部品のモデル2500におけるデフォルトメッシュを有するマップメッシュ可能なフランジを示す。図25Bは、製造すべき部品のモデル2510において、少なくとも3横列の要素を生成するフランジ定義で生成されるメッシュを示す。
【0108】
非マップメッシュ可能な表面については、表面に「フランジ定義」を適用することができる。これは、フランジ面の自由エッジにペイブメッシュの2つの層を作成するために使用する。各層の厚さは、平均的な厚さtaで与えられる。ペイビングされたメッシュは、2番目の層の後に落とし込まれる。フリーメッシュはフランジの残りの部分を埋める。
【0109】
図26Aは、製造すべき部品のモデル2600内のデフォルトのペイビングされていないメッシュを有する非マップ-メッシュ可能フランジを示す。図26Bは、製造すべき部品のモデル2610内に、少なくとも3列の要素を生成するフランジ定義を備えた特別に処理された(ペイビングされた)メッシュを示す。
【0110】
開示されたプロセスは、曲率抽象化プロセス及びシステムを改良したものであり、その結果得られるメッシュは、業界の規定された品質特性を満たすだけでなく、モデルの適切な特徴をも表す。
【0111】
図27Aは、図9Aの図に対応し、かつ対比する、開示された実施形態に従った適切な特徴を捕捉するモデル2700の高曲率ゾーン内の修正抽象化された幾何学を例証する。図27Bは、図9Bの図に対応し、かつ対比する、開示された実施形態によるモデル2710の図27Aの抽象化された幾何学メッシュを例証する。図から分かるように、応力解析の観点から、図27Bの網目で表される剛性は、図9Bと比較して、製造すべき部品をはるかに代表している。
【0112】
開示されたプロセスは、本明細書に記載される一般的なビード、非マップメッシュ可能なフィレット、局所的窪み及びフランジのような特徴のためのメッシングプロセスを含むがこれに限定されない、正確なメッシュを生成する際のシステムの機能を改善する。開示されたプロセスは、それらの自動認識能力において「インテリジェント」であり、それらのメッシングストラテジーにおいて意味がある。開示された実施形態は、2D制約付きドロネーメッシャ、中央オブジェクト手法、ノードライン生成、表面の2Dメッシュドメイン内のノード-ラインクレストラインの外科的挿入、超限メッシュ作成、制御された部分ループペイビング等を含む、複数のツール及び技術を組み合わせて、そのようなメッシュを作成することができる。
【0113】
開示された技術はテンプレートベースではなく、従って、産業上の用途にかかわらず、多種多様な幾何学的形状及びメッシュサイズに適用することができる。このような幾何学的形状がそれ自体に存在するときはいつでも、発明された開示された抽象化及びメッシングアルゴリズムは、それらの形状、サイズ、トポロジー、曲率及びメッシングサイズに基づいて、同じ方法でそれらを取り扱うであろう。これにより、これらの開示されたプロセスは、用途に依存しない。開示された実施形態は、2Dメッシュ作成ユーザインターフェース及びメッシュコントロールダイアログを通じて、多大なユーザ制御を提供することができる。開示されたプロセスは、他のプロセスよりも改善された、より正確な結果との完全な自動特徴認識、抽象化、およびメッシングを可能にする。
【0114】
様々な実施形態によれば、システムは、抽象化された表面を曲率に基づいて3つのカテゴリーに分類することができる。様々な実施形態では、高曲率群からのビードおよびフィレット特徴が識別される。この群の他のすべての表面について、構成要素表面が再開され、共通エッジがG2不連続性についてチェックされる。これらのエッジは保持され、接続された表面が再保存される。開示される実施形態は、異なる特徴のための異なる戦略を使用して、すべての識別された特徴面上で特徴感知メッシングプロセスを使用することができる。
【0115】
図28は、実施形態が、例えば、ソフトウェアによって特に構成されたCADまたはPDMシステムとして、またはその他の方法で、本明細書に記載されるようなプロセスを実行するように、また、特に、本明細書に記載されるような複数の相互接続および通信システムのそれぞれの1つとして実施され得る、データ処理システムのブロック図を図す。図示されたデータ処理システムは、レベル2のキャッシュ/ブリッジ2804に接続されたプロセッサ2802を含み、これは、順番にローカルシステムバス2806に接続される。ローカルシステムバス2806は、例えば、ペリフェラルコンポーネントインターコネクトアーキテクチャバスとすることができる。図示されている例では、ローカルシステムバスにも接続されているのは、メインメモリ2808およびグラフィックスアダプタ2810である。グラフィックスアダプタ2810は、ディスプレイ2811に接続されてもよい。
【0116】
ローカルエリアネットワーク/ワイドエリアネットワーク/ワイヤレス(例えば、Wi-Fi)アダプタ2812などの他の周辺機器も、ローカルシステムバス2806に接続することができる。拡張バスインタフェース2814は、ローカルシステムバス2806を入出力(I/O)バス2816に接続する。I/Oバス2816は、キーボード/マウスアダプタ2818、ディスク制御装置2820、およびI/Oアダプタ2822に接続される。ディスク制御装置2820は、記憶装置2826に接続可能であり、これは、不揮発性のハード符号化タイプの媒体、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)または消去可能な電気的にプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、磁気テープ記憶装置、およびフロッピーディスク、ハードディスクドライブおよびコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)またはディジタル多用途ディスク(DVD)などのユーザ記録可能タイプの媒体、および他の公知の光学的、電気的、または磁気記憶装置などを含むが、これらに限定されない、任意の適切なマシン使用可能またはマシン可読記憶媒体とすることができる。
【0117】
また、図示の例のI/Oバス2816にはオーディオアダプタ2824が接続されており、スピーカ(図示せず)はサウンドを再生するために接続することができる。キーボード/マウスアダプタ2818は、マウス、トラックボール、トラックポインタ、タッチスクリーンなどのポインティングデバイス(図示せず)のための接続を提供し、入出力バス2816は、ここに開示されたプロセスに従って部品を製造するための直接または入出力アダプタ2822を介して製造装置2828に接続することもできる。
【0118】
当業者であれば、図28に示されるハードウェアは、特定の実装のために変化し得ることを理解するであろう。例えば、光ディスクドライブ等のような他の周辺装置もまた、図示されたハードウェアに加えて、またはその代わりに使用されてもよい。図示の例は、説明のみを目的として提供されるものであり、本開示に関して建築上の制限を意味するものではない。
【0119】
本開示のいくつかの実施形態によるデータ処理システムは、グラフィカルユーザインタフェースを採用するオペレーティングシステムを含む。オペレーティングシステムは、複数のディスプレイウィンドウをグラフィカルユーザインタフェースに同時に提示することを可能にし、各ディスプレイウィンドウは、異なるアプリケーションまたは同じアプリケーションの異なるインスタンスへのインタフェースを提供する。グラフィカルユーザインタフェース内のカーソルは、ポインティングデバイスを介してユーザによって操作されてもよい。カーソルの位置は、変更されてもよく、および/または、マウスボタンをクリックするなどのイベントが生成されて、所望の応答を作動させてもよい。
【0120】
ワシントン州レッドモンドに拠点を有する、マイクロソフトコーポレーションのMicrosoft Windows(登録商標)のバージョンなど、さまざまな商用オペレーティングシステムの1つである。適宜変更すれば採用することができる。オペレーティングシステムは、記載されるように、本開示に従って修正または作成される。
【0121】
LAN/WAN/無線アダプタ2812は、ネットワーク2830(データ処理システム2800の一部ではない)に接続することができ、これは、インターネットを含む当業者に知られているように、任意の公衆または私的データ処理システムネットワークまたはネットワークの組み合わせとすることができる。データ処理システム2800は、ネットワーク2830を介して、データ処理システム2800の一部でもないサーバシステム2840と通信することができるが、例えば、別個のデータ処理システム2800として実装することができる。
【0122】
当業者は勿論、操作のシーケンスによって具体的に示されるか、要求されない限り、上述したプロセスにおける特定のステップは省略されてもよく、同時または逐次的に実行されてもよく、あるいは異なる順序で実行されてもよいことを認識するであろう。
【0123】
当業者は、簡潔さと明瞭さのために、本開示と共に使用するのに適した全てのデータ処理システムの完全な構造と動作は、本明細書には描かれておらず、説明されていないことを認識するであろう。その代わりに、本開示に固有であるか、本開示の理解に必要であるような、あまり多くのデータ処理システムのみが描写され、説明される。データ処理システム2100の構築および動作の残りは、当該技術分野で公知の種々の現行の実装および実践のいずれかに適合し得る。
【0124】
開示は、完全に機能するシステムの文脈における記述を含むが、当業者には、本開示のメカニズムの少なくとも一部は、種々の形態のいずれかにおいて、機械使用可能、コンピュータ使用可能、またはコンピュータ可読媒体内に含まれる命令の形で分配することが可能であり、本開示は、分配を実際に行うために利用される命令または信号伝達媒体または記憶媒体の特定のタイプにかかわらず、等しく適用されることを理解されたい。機械使用可能/可読可能またはコンピュータ使用可能/読み取り媒体の例としては、読み取り読専用メモリ(ROM)または消去可能、電気的にプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)のような不揮発性ハード符号化タイプの媒体、およびフロッピーディスク、ハードディスクドライブおよびコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)またはディジタル汎用ディスク(DVD)のようなユーザ記録可能タイプの媒体がある。
【0125】
種々の出版物は、以下を含む、本明細書に開示されるものに関連する技術を記載し、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0126】
J.マケム及びN.ムクヘルジー、「メッシュ生成システムと方法」、国際公開第2017/040006号明細書、2017年3月9日(J. Makem and N. Mukherjee, ‘Mesh generation system and method’, patent application, W02017040006A1, Mar 09, 2017)
【0127】
J.メイク、C・アームストロング、T・ロビンソン、「複雑な固体の自動分解と効率的な半構造化メッシュ」、コンピュータによるエンジニアリング、345-361頁、Springer、2014年(J. Makem, C. Armstrong and T. Robinson. Automatic decomposition and efficient semi-structured meshing of complex solids. Engineering with Computers. Pp 345-361, Springer, 2014)
【0128】
D.ワン、B.クラーク、X.ジアオ、「離散表面の微分量のパラメータ化ベースの計算の分析と比較」離、Comput.Aided-Geom、12月26日(5)(2009年)、510-527頁、10.1016/j.cagd.2009年2月6日(D. Wang, B. Clark, X. Jiao, An analysis and comparison of parameterization- based computation of differential quantities for discrete surfaces, Comput. Aided Geom. Des. 26 (5) (2009) 510-527. doi: l0. l0l6/j.cagd.2009.02.006)
【0129】
G.タオビン、「多面体近似からの表面の曲率テンソルの推定」、会議:コンピュータビジョン予稿集、1995年、第5回国際会議、10.1109/ICCV.1995年.466840(G. Taubin, Estimating the tensor of curvature of a surface from a polyhedral approximation. Conference: Computer Vision, 1995. Proceedings., Fifth International doi: 10.1109/ICCV.1995.466840)
【0130】
N.ムクヘルジー、「CSALF-Q:異方性クワッドメッシュ生成のためのブリコラージュアルゴリズム」、第20回国際メッシング円卓会議議事録、パリ、フランス、489-510頁、Springer、2011年(N. Mukherjee,‘CSALF-Q: A Bricolage Algorithm for Anisotropic Quad Mesh Generation’, Proc. XXth International Meshing Roundtable, Paris, France, pp. 489-510, Springer, 2011)
【0131】
J.カベッロ、「高品質の表面メッシュに向けて」、第12回国際メッシング円卓会議予稿集、サンタフェ、ニューメキシコ、201-213頁、2003年(J. Cabello,‘Toward Quality Surface Meshing’, Proc. Xllth International Meshing Roundtable, Santa Fe, New Mexico, rr.201-213, (2003))
【0132】
本開示の例示的な実施形態を詳細に説明したが、本明細書に開示される様々な変更、代替、変形、改良は、その最も広範な形態での開示の精神及び範囲から逸脱することなく行われてもよいことを当業者は理解するであろう。
【0133】
本出願における説明のいずれも、いかなる特定の要素、工程又は機能もクレーム範囲に含まれなければならない必須要素であることを意味するものと読み替えるべきではない。特許主題の範囲は、許容されるクレームによってのみ規定される。さらに、これらの請求項のいずれも、正確な語「用語」に部分語が続く場合を除き、米国特許法第112条(f)項が適用されることを意図するものではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図25A
図25B
図26A
図26B
図27A
図27B
図28