(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】人工核酸配列が搭載された美術品の制作と取引のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20230313BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2021514535
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(86)【国際出願番号】 KR2019012337
(87)【国際公開番号】W WO2020060357
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-03-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0113689
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521021362
【氏名又は名称】イ,ユン キョン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】イ,ユン キョン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ユ ジン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨン ウ
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-523626(JP,A)
【文献】特開2003-044712(JP,A)
【文献】特開2005-055735(JP,A)
【文献】特開2008-003960(JP,A)
【文献】特開2002-362069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作家端末から材料内情報を受信すると、前記材料内情報を材料内情報データベースに格納する一方、前記材料内情報を人工核酸配列に変換し、変換された人工核酸配列が搭載された美術品材料を製作することを材料製作者端末に要求する材料製作要求ステップと、
前記美術品材料を用いて美術品が制作された後、美術品情報を受信し、受信された美術品情報を美術品情報データベースに登録するステップと、
前記美術品情報データベースに登録された美術品情報を購入者端末に提供し、購入者端末を介して購入者が特定の美術品を選択すると、選択された美術品の取引を処理するステップと、
購入者端末から核酸配列情報が受信されると、前記材料内情報データベースから前記核酸配列情報を検索するステップとを含
み、
前記材料内情報は、複数であり、
前記美術品材料は、前記材料内情報に該当する人工核酸配列をそれぞれ含み、
前記美術品は、互いに異なる材料内情報に該当する人工核酸配列が搭載された美術品材料で形成された複数の領域を含むことを特徴とする、美術品の制作及び取引管理方法。
【請求項2】
前記美術品は、前記複数の領域に内容が区分可能なイラストまたは設計図であることを特徴とする、請求項
1に記載の美術品の制作及び取引管理方法。
【請求項3】
前記人工核酸配列は、
予め設定された核酸配列情報と情報単位との対応関係に基づいて、前記材料内情報を構成する情報単位を核酸配列に変換し、予め設定されたマーカーと核酸との対応関係に基づいて、前記変換された核酸配列を構成する核酸とマーカーとをリンクさせたものであることを特徴とする、請求項1に記載の美術品の制作及び取引管理方法。
【請求項4】
前記マーカーが蛍光物質であることを特徴とする、請求項
3に記載の美術品の制作及び取引管理方法。
【請求項5】
前記蛍光物質の色に応じて、異なる核酸が対応することを特徴とする、請求項
4に記載の美術品の制作及び取引管理方法。
【請求項6】
前記材料内情報は、前記美術品を認証するための情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の美術品の制作及び取引管理方法。
【請求項7】
前記美術品材料が絵具、韓紙またはインクであることを特徴とする、請求項1に記載の美術品の制作及び取引管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美術品の生産と取引のためのシステム及び方法に係り、特に、作家から提供された特定の情報を美術品内に格納するために人工核酸配列が含まれた美術品材料を作製し、このような美術品材料で制作された美術品を取引するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、美術品取引の認証と安定性のためにRFID技術が使用されており、これを実現するためのスキャン可能な各種端末、サーバ及びプログラミングなどが開発されている。
【0003】
これに関連し、韓国登録特許第10-1812638号は、モジュールの生成時に発行された認証書の秘密鍵及び固有IDを格納し、製品購入の際に正規品認証サービスサーバから発行された認証情報を格納するセキュアエレメント(Secure Element)、前記固有IDまたは前記認証情報を前記認証書秘密鍵で暗号化する暗号化部、及び決済端末との接続時に暗号化された固有IDを含む識別情報を生成して決済端末に伝送し、前記正規品認証サービスサーバーから固有ID認証が完了すると、前記決済端末を介して入力された販売情報及び製品情報を含む前記認証情報を受信するプロセッサとを含み、前記プロセッサは、前記暗号化部を介して前記販売情報及び前記製品情報を含む前記認証情報を前記認証書秘密鍵で暗号化するようにし、前記セキュアエレメントは、前記認証書秘密鍵で暗号化された前記認証情報及び前記認証書秘密鍵で暗号化された前記固有IDを格納することを特徴とする、正規品認証モジュールを開示している。
【0004】
しかし、前述した特許は、単に認証方式に限定され、美術品の制作と取引を網羅するシステムに関するものではない。また、前述した特許はセキュアエレメントを利用しており、これは製品、すなわち美術品と分離されているので、標識の可変性が高いため、原作に対する偽造の懸念を根本的に解消することができない。原作者の死後に第3者が認証または管理を行う場合には、美術品に対する検証手順がさらに煩わしくなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、美術品に使用される材料に人工核酸配列認証体を搭載し、この認証体をベースにした取引及び管理プラットフォーム及び運営方法を介して、美術品の制作及び取引を管理するとともに、原作に対する認証体系を強化し、美術品と一体化された認証コードを用いて贋作模写か本物かに対する議論及び感情の煩わしさを一時に解決しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態による美術品の制作及び取引管理方法は、作家端末から材料内情報を受信すると、前記材料内情報を材料内情報データベースに格納する一方、前記材料内情報を人工核酸配列に変換し、変換された人工核酸配列が搭載された美術品材料を製作することを材料製作者端末に要求する材料製作要求ステップと、前記美術品材料を用いて美術品が制作された後、美術品情報を受信し、受信された美術品情報を美術品情報データベースに登録するステップと、前記美術品情報データベースに登録された美術品情報を購入者端末に提供し、購入者端末を介して購入者が特定の美術品を選択すると、選択された美術品の取引を処理するステップと、購入者端末から核酸配列情報が受信されると、前記材料内情報データベースから前記核酸配列情報を検索するステップとを含む。
【0007】
一実施形態において、前記材料内情報は、複数であり、前記美術品材料は、前記材料内情報に該当する人工核酸配列をそれぞれ含み、前記美術品は、異なる材料内情報に該当する人工核酸配列が搭載された美術品材料で形成された複数の領域を含むことができる。
【0008】
一実施形態において、前記美術品は、前記複数の領域に内容が区分可能なイラストまたは設計図であることができる。
【0009】
一実施形態において、前記人工核酸配列は、予め設定された核酸配列情報と情報単位との対応関係に基づいて、前記材料内情報を構成する情報単位を核酸配列に変換し、予め設定されたマーカーと核酸との対応関係に基づいて、前記変換された核酸配列を構成する核酸とマーカーとをリンクさせたものであることができる。
【0010】
一実施形態において、前記マーカーは、蛍光物質であることができる。
【0011】
一実施形態において、前記蛍光物質の色に応じて、異なる核酸が対応することができる。
【0012】
一実施形態において、前記材料内情報は、前記美術品を認証するための情報であることができる。
【0013】
一実施形態において、前記美術品材料は、絵具または韓紙であることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態によれば、美術品材料に含まれている核酸配列及びマーカーを用いて美術品の制作及び取引の管理を行うことができる。また、美術品材料に含まれている核酸配列及びマーカーを用いて認証を行うので、偽造又は変造の危険を大幅に削減することができる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、美術品の領域ごとに異なる情報を含み、これを解析することができるので、認証情報のみならず、美術品の内容に関する説明的情報やストーリーの伝達も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る美術品の制作と取引のためのシステムを概略的に説明するための図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る美術品の制作と取引のためのシステムの構成図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る美術品の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る美術品の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る美術品の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る美術品の制作と取引のための方法を概略的に示すフローチャートである。
【
図7】
図6の美術品制作及び登録ステップの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図8】
図7の核酸配列実物が搭載された美術品材料を製作するステップで使用されるPCR(Polymerase Chain Reaction)技法を示す図である。
【
図9】システムに登録された美術品情報を示す図である。
【
図10】
図6の取引ステップの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図11】
図6の取引ステップの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図12】
図2のマーカー検出装置の使用例を示す図である。
【
図14】マーカー検出装置における材料内情報取得方法を示すフローチャートである。
【
図15】
図6の材料内情報検索ステップの一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について具体的に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施形態に係る美術品の制作と取引のためのシステム1を概略的に説明するための図である。
【0019】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る美術品の制作と取引のためのシステム1は、作家から材料製作要求を受けると、材料製作者に材料製作要求をする。この時、作家は、材料製作要求と共に、材料に含まれる情報をシステムに提供する。システム1は、材料に含まれる情報を内部のデータベースに格納し、これを材料製作者に伝送する。これにより、材料製作者は、材料に含まれる情報に該当する核酸配列実物を生成し、これを美術品材料に搭載することにより、美術品材料を製作する。
図1では、核酸配列実物を生成する者と、核酸配列実物を美術品材料に搭載する者を一つの材料製作者で表現したが、核酸配列実物を生成する者と、核酸配列実物を美術品材料に搭載する者は別々であってもよい。
【0020】
作家は、材料製作者から配送された美術品材料を用いて美術品を制作する。そして、作家は、システム1に美術品に関する情報を登録する。
図1には作家と表示したが、作家から作品の管理を依頼された管理者、または作家から作品を購入した所有者が美術品に関する情報を登録することもできる。
【0021】
購入者は、システム1に登録された美術品に関する情報を照会して、システム1に特定の美術品の購入要求を行うことができる。システム1は、内部に格納された美術品情報に基づいて作家、所有者または管理者に購買要求をし、それに応じて、作家、所有者または管理者は美術品を購入者に伝送する。
【0022】
購入者は、購入した美術品の材料に含まれた核酸配列実物から核酸配列情報を取得してシステム1に核酸配列情報の照会を要求することができる。システム1は、核酸配列情報が内部のデータベースに格納されているかを検索し、その結果を購入者に提供することができる。実施形態によって、核酸配列情報は認証情報であってもよい。
【0023】
図1に示すように、購入者は、美術品だけでなく、美術品材料自体の購入も可能である。本実施形態において、美術品材料には、特定の情報を込める核酸配列実物が搭載される。したがって、美術品材料自体が特色のある商品として機能して消費を創出することができる。例えば、職人が作った韓紙の場合、職人を表象する情報に該当する核酸配列実物を韓紙に搭載することにより、特定の職人が作った韓紙であることが認証され、これにより韓紙に対する需要を発生することができる。購入者は、システム1に登録された美術品材料に関する情報を照会して、システム1に特定の美術品材料の購入要求をすることができる。システム1は、内部に格納された美術品材料に関する情報に基づいて材料製作者に購入要求をし、それに応じて、材料製作者は美術品材料を購入者に伝送する。
【0024】
図2は本発明の実施形態に係る美術品の制作と取引のためのシステム1の構成図である。
【0025】
図2を参照すると、システム1は、作家端末2及び購入者端末3と通信する。システム1は、材料製作部10と取引処理部20を含む。
【0026】
材料製作部10は、作家から材料に含まれる情報と一緒に材料製作要求を受けると、材料製作者に材料製作を要求する。また、材料製作部10は、購入者から核酸配列情報の照会要求を受けると、核酸配列情報を照会してその結果を提供する。
【0027】
材料製作部10は、材料内情報データベース110、材料製作要求部120及び材料内情報検索部130を含む。
【0028】
材料内情報データベース110は、作家から提供された材料に含まれる情報、すなわち材料内情報を格納する。
【0029】
材料製作要求部120は、作家から材料製作要求を受けると、材料製作者に材料製作を要求する。
【0030】
材料内情報検索部130は、購入者端末3またはマーカー検出装置30から核酸配列情報の照会要求を受けると、材料内情報データベース110から核酸配列情報と同じ材料内情報があるかを検索し、検索した結果を購入者に提供する。
【0031】
取引処理部20は、作家、所有者または管理者から提供された美術品情報を登録し、購入者が美術品情報を照会することができるように美術品情報を提供する。また、購入者から購入要求を受けると、購入要求に応じた取引を処理し、取引結果を更新する。
【0032】
取引処理部20は、美術品情報データベース210、美術品情報管理部220及び取引実行部230を含む。
【0033】
美術品情報データベース210は、作家端末2から提供された美術品情報を格納する。ここで、美術品情報は、材料製作要求の際に作家が提供する材料内情報とは区別されるもので、作家、所有者または管理者が作家端末2を介して提供した美術品に関する情報を意味する。材料内情報と美術品情報は、同一であってもよく、異なってもよい。例えば、美術品情報は、作家情報、美術品イメージ、制作年度、所有者情報、管理者情報及び保険会社情報のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0034】
美術品情報管理部220は、美術品情報データベース210から美術品情報を格納、変更または検索する。美術品情報管理部220は、作家、所有者または管理者から提供された美術品情報を美術品情報データベース210に格納する。また、美術品情報管理部220は、購入者から照会要求された美術品情報を提供する。例えば、美術品情報管理部220は、購入者端末3に美術品イメージのリストを提供することができ、購入者が特定の美術品イメージを選択すると、選択された美術品イメージに該当する美術品情報を購入者端末3に提供することができる。また、美術品情報管理部220は、美術品が販売されるか或いは管理者が変更されるなど、美術品に対する情報が変更された場合、美術品情報を更新する。
【0035】
取引処理部230は、購入者端末3から購入要求を受信すると、購入要求された作品の所有者または管理者に購買要求をする。取引が完了したら、取引処理部230は、美術品情報管理部220に所有者情報の更新を要求する。
【0036】
図3は本発明の実施形態に係る美術品の一例を示す図である。
【0037】
美術品は、
図3に示すように絵具で彩色された絵であることができる。
図3の絵において木の葉の部分を彩色するための絵具に含まれる材料内情報は、作家認証コード、表現方法(油絵)、材料(油絵の具)及び内容(どの木の葉なのか、落ち葉が発生する時期や場所など)を含むことができる。
【0038】
前述した方式によって、個々人がそれぞれのゲノムを持っているかのように、作家を認証するための認証コードや作家の事故内容に該当する核酸配列実物を美術品内に格納することができる。
【0039】
図4は本発明の実施形態に係る美術品の一例を示す図である。
【0040】
図4において、天使の部分に該当する白絵具と、悪魔の部分に該当する黒絵具に互いに異なる材料内情報を搭載することができる。作家は、
図4の美術品に使用された白絵具と黒絵具を他の作品にも使用することにより、天使と悪魔という主題が他の作品にも内包されるようにすることができる。すなわち、本発明の実施形態によれば、単にいずれかの作品の真偽を認証することから一歩進んで、一連の作品で作家が持つ思想や価値体系を込める機能を行うことができる。
【0041】
また、システム1の取引処理部20は、美術品だけでなく、演劇、音楽、ミュージカルなどの他のジャンルの芸術作品の取引も行うことができる。つまり、取引処理部20の美術品情報管理部220は、作家、所有者または管理者から提供された芸術作品情報を美術品情報データベース210に登録し、購入者が芸術作品情報を照会することができるように芸術作品情報を提供することができる。また、取引実行部230は、購入者から購入要求を受けると、購入要求に応じた取引を処理し、取引結果を更新することができる。
【0042】
一実施形態において、
図4の美術品に関する美術品情報に天使と悪魔の主題が含まれ、他のジャンル、例えば、音楽に関する芸術作品情報にも天使と悪魔の主題が含まれていることができる。この場合、購入者は、購入者端末3を介して美術品情報データベース210から天使と悪魔の主題を検索することにより、
図4の美術品と音楽の両方を検索して、天使と悪魔を主題とする美術品と音楽を全て購入することもできる。すなわち、本実施形態によれば、複数の美術品だけでなく、互いに異なるジャンルに該当する芸術作品において共通する思想や価値体系を管理し、これを購入者に提供することができる。
【0043】
図5は本発明の実施形態に係る美術品の一例を示す図である。
【0044】
図5を参照すると、美術品は、複数の領域A1~A4を含むことができる。複数の領域A1~A4に対して区分される材料内情報を含むことができる。美術品は、区分される美術品情報を含むことができるイラストや設計図であることができる。
【0045】
図1のマーカー検出装置30は、美術品の各領域A1~A4に対して材料内情報を取得することができる。各領域A1~A4は、美術品が視覚的または物理的に区分される位置を基準に設定されてもよく、或いは視覚的または物理的に区分されず美術品の任意の位置に設定されてもよい。
【0046】
例えば、美術品が、各領域A1~A4に互いに異なる絵が描かれたイラストである場合には、各領域A1~A4に該当する絵から互いに異なる美術品情報を取得することが可能である。これにより、美術品を用いてストーリーを伝達することができる。
【0047】
または、美術品が設計図である場合、説明が必要な部分に領域A1~A4を設定し、各領域A1~A4の説明に該当する核酸配列及びマーカーを各領域A1~A4の材料に含ませることができる。
【0048】
次に、本発明の実施形態に係る美術品の制作と取引のための方法を説明する。
【0049】
図6は本発明の実施形態に係る美術品の制作と取引のための方法を概略的に示すフローチャートである。
【0050】
図6を参照すると、本発明の実施形態に係る美術品の制作と取引のための方法は、美術品制作及び登録ステップ(S100)、取引ステップ(S200)、材料内情報検出ステップ(S300)及び材料内情報検索ステップ(S400)を含む。
【0051】
図7は
図6の美術品制作及び登録ステップ(S100)の一実施形態を示すフローチャートである。
【0052】
図7を参照すると、まず、作家が作家端末を介してログインをする(S110)。
【0053】
次に、作家が美術品の材料内に含まれる情報を作家端末2を介して入力すると、システム1がこれを受信する(S120)。
【0054】
作家から材料内情報の入力を受けると、システム1は、核酸配列実物製作者に材料内情報に該当する核酸配列実物の製作を要求し、これに応じて、核酸配列実物製作者は核酸配列実物を製作する(S130)。
【0055】
美術品材料製作者は、核酸配列実物製作者から核酸配列実物の配送を受け、核酸配列実物が搭載された美術品材料を製作する(S140)。
【0056】
作家は、美術品材料製作者から核酸配列実物が搭載された美術品材料の配送を受け、配送された美術品材料を用いて美術品を制作する(S150)。
【0057】
そして、美術品の制作が完了すると、作家は、美術品に関する情報をシステム1に登録する(S160)。
【0058】
図8は
図7の核酸配列実物が搭載された美術品材料を製作するステップ(S140)で使用されるPCR(Polymerase Chain Reaction)技法を示す図である。
【0059】
本実施形態において、美術品材料に含まれる核酸配列実物の遺失や変形を防止するために、美術品材料には、複数の核酸配列実物が搭載される。このとき、核酸配列実物を増幅するために使用される技術がPCR技法である。
【0060】
図8を参照すると、PCR技法では、PCRプライマーが用いられ、PCRプライマーの間に、本発明の実施形態に係る材料内情報に該当する核酸配列実物が含まれる。
【0061】
図9はシステム1に登録された美術品情報を示す図である。
【0062】
図9を参照すると、美術品情報は、美術品イメージ、管理番号、作家情報、制作年度、所有者情報、管理者情報、保険会社情報を含むことができる。管理番号は、システム1が美術品を識別するために使用される値であり、美術品がシステム1に最初に登録されるときにシステム1によって自動的に付与できる。作家が最初に美術品情報を入力する場合、作家情報と所有者情報が同一であることができる。
【0063】
図10は
図6の取引ステップ(S200)の一実施形態を示すフローチャートである。
【0064】
図10を参照すると、購入者は、購入者端末3を介してシステム1に接続して美術品を照会する(S210)。システム1の美術品情報管理部220は、購入者端末3に美術品リスト、例えば、美術品の代表イメージを伝送することができる。購入者は、購入者端末3の画面に表示された代表イメージの中から特定の一つをクリックすることにより、特定の美術品に関する美術品情報を詳細照会することができる。
【0065】
次に、購入者は、照会された美術品情報に基づいて特定の美術品を選択する(S220)。
【0066】
そして、購入者は、システム1に購入者情報を入力し、決済する(S230)。
【0067】
次に、システム1の取引実行部230は、選択された美術品の美術品情報を美術品情報データベース210で照会して所有者情報又は管理者情報を取得する。そして、所有者または管理者に配送要求をする(S240)。
【0068】
所有者または管理者は、購入者に美術品を配送し、システム1に取引完了を通知する(S250)。
【0069】
システム1の取引実行部230が取引完了通知を受信すると、取引実行部230は、美術品情報管理部220に所有者情報を購入者情報として更新することを要求する。これにより、美術品情報管理部220は、美術品情報データベース210で、販売された美術品に関する美術品情報のうちの所有者情報を購入者情報に更新する(S260)。
【0070】
図11は
図6の取引ステップの一実施形態を示すフローチャートであり、販売収益の精算を具体的に示す図である。
【0071】
図11を参照すると、作品を販売しようとする作家は、端末2を介してシステム1に接続して収益分配プログラムに参加申請をすることができる(S10)。システム1は、参加申請を要求した作家又は作品に対して自体的な審査を介して収益分配プログラムに登録する作家又は作品を選別し、選別された作家に関する作家情報及び作品に対する作品情報などを美術品情報データベース210に登録する(S11)。このとき、作品実物を受領するか、或いは運営会社と作家とが合意した方法で保管することができる。
【0072】
システム1は、個別作品グループに同じ人工核酸配列を含む作品が含まれるように作品をグループ化する(S12)。ここで、グループ化される作品は、完成された芸術品だけでなく、芸術品の材料も含まれる。
【0073】
システム1は、作品展示及び販売を行う(S13)。ここで、作品の取引方式は、実物市場(real market)取引又はインターネットを通じた電子商取引(e-commerce)方式であることができる。例えば、システム1は、インターネット電子商取引システムに作品情報(作家名、作品名、制作年度、本物認証情報など)、供給者の情報(供給者の名前、住所、電話番号、電子メールアドレスなど)、販売又は賃貸価格情報などの販売または賃貸取引に必要な価格情報を更新することができる。以後、購入者Aは、購入者端末3aを介してシステム1に接続して作品または材料の購入を決定し、購入代金を決済する(S14、S15)。このとき、システム1は、決済処理のために金融圏ネットワークと連携することができる。
【0074】
システム1は、決済された販売収益を精算処理する(S16)。具体的には、前記販売収益は、前記販売された作品の作家に支給される作家販売収益R1、前記システム運営者に支給される会社手数料収益RC1、及び前記作家販売収益R1と会社手数料収益RC1を除く作家再分配収益源RRに区分される。ここで、前記作家販売収益R1は、前記購買収益と予め定められた作家販売収益率の積で算出され、前記会社手数料収益RC1は、前記販売収益と予め定められた会社手数料収益率の積で算出され得る。作家再分配収益源RRは、作家の人工核酸配列を含む材料を活用して作られた芸術品に対して、原作家、すなわち人工核酸配列に該当する材料内情報に該当する作家に収益を再分配するためのものである。
【0075】
システム1は、販売収益のうちの作家販売収益R1を販売された作品の作家に支給処理する(S17)。作家再分配収益源RRは、前記販売された作品の属する作品グループの原作家に支給するように精算処理する。一例として、一定の販売期間の間に同じ作品グループ内の販売された作品の作家再分配収益源RRを集めて作家再分配収益財源として造成することができる。他の例として、システム1は、前記作家再分配収益財源を前記同じ作品グループ内の所属作家20Gに一定の時点で均等に配分して作家再分配収益R2として支給することができる(S18)。例えば、作家再分配収益の配分は、運営会社が定めた一定期間のグループ単位作品販売期間が終了すると、特定のグループ内の所属作品のうち、販売された作品で造成された作家再分配収益源RRの総額を作品の販売有無に関係なく所属作家20G全体に均等に分割して配分し、一定の時点で作家に作家再分配収益R2として支給する。
【0076】
一方、システム1は、購入者A端末3aからシステム1の仲介によって販売された作品の再販売依頼申請を受けることができる(S20)。システム1は、依頼された作品に対して再販売を行い(S21)、購入者Bは、自分の購入者B端末3bを介してシステム1に接続して作品の購入を決定し、購入代金を決済する(S22、S23)。
【0077】
次に、システム1は、決済された再販売収益を精算処理する(S24)。具体的には、再販売収益は、前記購入者に支給される作品再販売代金RP、前記システム運営者に支給される会社手数料収益RC2、及び前記作品再販売代金RPと会社手数料収益RCを除く再販売作家手数料収益R3に区分される。ここで、前記再販売作家手数料収益R3は、前記再販売収益と予め定められた再販売作家手数料収益率の積で算出できる。システム1は、再販売収益のうちの作品再販売代金RPを販売された作品の購入者A端末3aに支給処理し、再販売作家手数料収益R3を前記再販売された作品の作家に支給するように精算処理する(S25)。
【0078】
例えば、特定の作品を購入した購入者A3aは、当該作品の再販売を運営会社に要求することができ、運営会社は、一般販売、オークションなどの方法で該当作品を展示、販売する。作品を購入者B3bが購入する場合、作品価額RP、会社手数料収益RC2及び作家手数料収益R3が反映された再販売金額を決済し、運用会社は、作品金額RPを購入者A3aに支給し、会社手数料収益RC2を運営会社自身に支給し、作家手数料収益R3を作家に支給する。ここで、再販売作家手数料収益R3は、作家の人工核酸配列に対する著作権使用などの趣旨で賦課し、購入者A3aの再販売直前の作品購入価格の大きさに関係なく発生することができる。
【0079】
次に、
図12~
図14を参照して、購入者端末3で美術品から材料内情報を検出する方法について詳しく説明する。
【0080】
図12は本発明の実施形態に係るマーカー検出装置30の使用例を示す図である。
【0081】
図12を参照すると、美術品は美術品の材料によって形成される。美術品の材料は、美術品1自体を構成するものであって、美術品が絵画作品である場合には、絵具または紙であることができ、美術品が韓紙工芸である場合には、韓紙であることをことができる。美術品の材料には、前述したように所定の美術品情報が暗号化された人工核酸配列が含まれており、人工核酸配列を構成する核酸のそれぞれには、マーカーが連結されている。本発明の実施形態によれば、美術品情報を含む人工核酸配列及びマーカーが美術品の材料内に含まれるので、美術品情報の偽造又は変造が難しい。
【0082】
マーカー検出装置30は、美術品の材料に含まれているマーカーから情報を取得する。取得された情報は、例えば美術品を認証するための情報であるか、或いは美術品の内容を説明するための情報であることができる。
【0083】
【0084】
図13を参照すると、マーカー検出装置30は、マーカー検出部310、マーカー解析部320、核酸配列解析部330及び出力部340を含む。
【0085】
マーカー検出部310は、美術品の材料に含まれているマーカーを検出する。例えば、美術品の材料に含まれているマーカーは、蛍光物質であり、マーカー検出部310は、蛍光物質を検出することができる公知の機器が利用できる。マーカー検出部310は、マーカーを検出してマーカー解析部320で処理可能な電子的な形式に変換する。
【0086】
マーカー解析部320は、マーカー検出部310で検出されたマーカーに対応する核酸配列情報を取得する。マーカー解析部320は、マーカー-核酸対応テーブル210を含み、マーカー-核酸対応テーブル210を用いて、検出されたマーカーにどの核酸が連結されているかが分かる。マーカー-核酸対応テーブル210は、例えば、下記表の対応関係を持つことができる。マーカー解析部320は、複数のマーカーに対応する核酸情報を連結することにより、核酸配列情報を生成することができる。
【0087】
【0088】
前記表によれば、蛍光物質が赤である場合にはアデニンAが連結され、蛍光物質が黄である場合には美術品の材料にチミンTが連結され、蛍光物質が緑である場合には美術品の材料にグアニンGが連結され、蛍光物質が青である場合には美術品の材料にシトシンCが連結され、蛍光物質が紫である場合には美術品の材料にウラシルUが連結されることが分かる。
【0089】
但し、マーカーと核酸との対応関係は、前述した例に限らない。マーカーの色と核酸は、前記表とは異なる方式で対応することもできる。または、単一色の蛍光物質を、明るさを変えて核酸に対応させることもできる。または、マーカーとして蛍光物質に加えて、他の物質が使用されることも可能である。
【0090】
核酸配列解析部330は、マーカー解析部320から提供された核酸配列情報を解読して材料内情報を取得することができる。核酸配列解析部330は、核酸配列-情報単位対応テーブル310を含み、核酸配列-情報単位対応テーブル310を用いて、核酸配列情報がどの情報単位に該当するかが分かる。核酸配列解析部330は、核酸配列情報に対応する情報単位を連結することにより、材料内情報を取得することができる。
【0091】
核酸配列と情報単位とをマッチングさせて設定する方式は、例えば下記表に示すように、一つまたは二つ以上の塩基(配列単位)の一定の許容回数までこれらの繰り返し連結回数に応じて順次一連の情報単位を設定し、特定の塩基組み合わせを配列組み合わせの結合を表示するマーカーとして設定する方式が使用できる。
【0092】
【0093】
(配列単位は、A、T、C、G)
前記表は、塩基の人為的組み合わせ方式に特定の情報単位を設定する方式と、前記設定方式を用いて価値情報を表現する方法の一実施形態を示す。前記表に示すように、使用された塩基はA、C、T、Gであり、一定の許容回数は3であり、結合表示マーカーとしてはATGが使用された。マーカーATGは、配列解析時の方向性を提供するものであって、塩基分析の方向が正しいかを知らせることができる指標としても使用できるが、例えば、分析内容がGTAの配列組み合わせを含んでいれば、逆に解析しなければならないことを示す。前記表に示すように、住民登録番号の一部である「1480632」の材料内情報を表現するにあたり、それぞれの情報単位「1」、「4」、「8」などを示すために対応する配列組み合わせとして「A」、「C」、「TT」などが使用され、これらの適切な結合形態などを確認するために各配列組み合わせの間に結合マーカー「ATG」が使用された。したがって、配列単位の任意の組み合わせにそれぞれ一連の情報単位を予め設定しておき、特定の情報データ「1480632」を表現するにあたり、これらの核酸配列を構成しておけば、次のとおり、簡単に前記材料内情報を確認することができる。
【0094】
材料内情報を構成する情報単位が数字である場合を例として挙げたが、情報単位は、アルファベットまたはハングルの子音と母音などの文字であってもよい。
【0095】
核酸配列解析部330は、前述した核酸配列-情報単位対応テーブルの代わりに、他の方式で核酸配列を解析することもできる。
【0096】
【0097】
例えば、マーカー解析部320で解析された核酸配列情報は、「AAATTGAACGGTCTC」であることができる。このような核酸配列情報は、作家コード、美術分類、美術品材料、技法、コンテンツ種類のフィールドを順次含むことができる。つまり、核酸配列解析部330は、核酸配列情報を前から順次区分して、「AAA」は作家コード、「TTG」は美術分類、「AAC」は美術品材料、「GGT」は使用された技法、「CTC」はコンテンツ種類を示すものと認識することができる。
【0098】
そして、核酸配列解析部330は、各フィールドに該当する核酸配列情報を解析する。本実施形態において、「AAA」は「0001」と解析され、「TTG」は油絵を示し、「AAC」は油絵の具と解析され、「GGT」は印象派と解析され、「CTC」は人物であると解析され得る。核酸配列情報の各フィールドを解釈するにあたり、核酸配列解析部330は、互いに異なる核酸配列変換テーブルを用いることができる。言い換えれば、作家コードフィールド、美術分類フィールド、美術品材料フィールド、技法フィールド及びコンテンツ種類フィールドに該当する核酸配列を、互いに異なるテーブルを用いて、各フィールドに該当する情報に変換することができる。
【0099】
【0100】
前記表は、美術分類と核酸配列情報との対応関係を示すテーブルである。核酸配列解析部330は、美術分類フィールドを解釈するにあたり、前記表を用いて、「TTG」が分類コード「1010」に該当するので油絵に該当するということを解析することができる。
【0101】
本実施形態において、核酸配列情報に含まれているフィールドの個数や内容は例示に過ぎず、フィールドの個数や内容は多様に変形できる。また、本実施形態において、各フィールドに該当する核酸配列の個数は3個と説明したが、これも例示に過ぎず、核酸配列の個数は異なってもよい。
【0102】
出力部340は、核酸配列解析部330で取得した材料内情報を出力する。出力部340は、例えば、取得した情報を視覚的に出力するディスプレイ装置であるか、音声で出力するオーディオ装置であることができる。
【0103】
図14はマーカー検出装置1における材料内情取得方法を示すフローチャートである。
【0104】
図14を参照すると、まず、マーカー検出部310は、美術品の材料に含まれているマーカーを検出する(S310)。ここで、美術品は核酸配列が含まれている材料で形成され、核酸配列を構成する核酸にはマーカーがリンクされる。
【0105】
次に、マーカー解析部320は、予め設定されたマーカーと核酸との対応関係に基づいて、前記マーカー検出ステップで検出されたマーカーに対応する核酸情報を取得し、取得した核酸情報から核酸配列情報を生成する(S320)。マーカーと核酸との対応関係は、マーカー-核酸対応テーブル321に格納されていることができる。
【0106】
次に、核酸配列解析部330は、予め設定された核酸配列情報と情報単位との対応関係に基づいて、前記核酸配列生成ステップで生成された核酸配列情報に対応する情報単位を取得し、取得した情報単位から材料内情報を生成する(S330)。核酸配列情報と情報単位との対応関係は、核酸配列-情報対応テーブル331に格納されていることができる。
【0107】
最後に、出力部340は、生成された美術品情報を画面にまたは音声で出力する(S340)。
【0108】
一実施形態において、美術品は、複数の領域1A~4Aを含むことができ、前述した各ステップS310~S340は、各領域1A~4Aごとに行われることができる。
【0109】
図15は
図6の材料内情報検索ステップS400の一実施形態を示すフローチャートである。前述したように、購入者は購入した美術品の材料に含まれている核酸配列実物から材料内情報を取得することができる。
【0110】
まず、購入者は、システム1に材料内情報を伝送するとともに材料内情報の検索を要求する(S410)。マーカー検出装置30自体に情報伝送機能が含まれている場合、マーカー検出装置30自体がシステム1に接続して材料内情報を伝送することができる。または、購入者がマーカー検出装置30から取得した材料内情報を、別途の購入者端末3を用いてシステム1に接続して材料内情報の検索を要求することもできる。
【0111】
購入者から材料内情報の検索が要求されると、システム1の材料内情報検索部130は、材料内情報データベース110から材料内情報を検索する(S320)。
【0112】
そして、材料内情報検索部130は、材料内情報の検索結果を購入者(例えば、購入者端末3または購入者のマーカー検出装置30)に伝送する(S330)。材料内情報データベース110に材料内情報と一致する情報が存在しなければ、一致する情報がないことを購入者(購入者端末3または購入者のマーカー検出装置30)に通知する。材料内情報データベース110に材料内情報と一致する情報が存在すれば、一致する情報があることを購入者(購入者端末3または購入者のマーカー検出装置30)に通知する。このとき、材料内情報に該当する作家情報を購入者に通知することができる。
【0113】
本発明の実施形態によれば、美術品材料に核酸配列(人工核酸配列実物)が含まれている美術品を制作し、これを取引するようにすることにより、美術品の流通管理を容易にし、美術品取引時に贋作などの議論や所有権に対する問題を解決するのに活用することができる。
【0114】
本発明の実施形態によれば、核酸配列及びマーカーが含まれている美術品材料に対する付加価値の創出が可能である。有名な作家がサインをするように作家が自分を認証するコード入りの特定化された美術品材料を販売すれば、この美術品材料を活用して生成されたすべての作品は、一つの群を形成することができる。これにより、美術品材料の販売に対する収益が発生することができ、美術品材料を活用した作品に対する2次的な付加価値も生成できる。一例として、国の伝統である韓紙に、韓国を代表する認証コードや各地域生産を代表するコードを含ませた韓紙を作って世界中に配布する場合、単純な韓紙ではなく、職人の息吹を認める保証された韓紙となるのである。この韓紙は、韓国のものであるという認証になり、韓紙工芸を愛する多くの人々に認証マークになることができる。さらに韓紙工芸の工芸家が自分の認証を与えた韓紙を作って、自分の受講生に配布して得る収益は工芸家の価値を向上させる役割を果たす。
【0115】
以上、好適な実施形態によって本発明について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱することなく多様に変更、応用できるのは、当該技術分野における通常の技術者に自明である。よって、本発明の真正な保護範囲は、次の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術的思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。