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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】液状体吐出装置及び液状体吐出システム
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20230313BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20230313BHJP
   A45D 34/00 20060101ALI20230313BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
B05C11/10
B05C5/00 101
A45D34/00 510B
G06K17/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021515750
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(86)【国際出願番号】 JP2019018137
(87)【国際公開番号】W WO2020217527
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 素樹
(72)【発明者】
【氏名】青木 基治
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋平
(72)【発明者】
【氏名】岡本 祐介
(72)【発明者】
【氏名】岡村 武則
(72)【発明者】
【氏名】穴井 一成
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-171258(JP,A)
【文献】特表2007-507046(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0043253(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0334704(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0315008(US,A1)
【文献】特開2015-076472(JP,A)
【文献】特開2008-036406(JP,A)
【文献】特開2009-195892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00-21/00
G06K 17/00
A45D 34/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手挿入部を備え、人体感知センサが前記手挿入部に挿入された手を検出すると液状体を吐出し、無線タグが付された容器を装着可能な液状体吐出装置であって、
前記液状体吐出装置は、前記容器を収納する複数の容器収納部と、前記容器収納部に収納された前記容器の前記無線タグの情報を読み込む読み込み装置と、装置制御部と、を備え、
前記無線タグには、前記容器に充填される商品の液状体種別が、記憶され、
前記液状体種別は、複数の液状体群に分類され、
前記装置制御部は、前記読み込み装置により前記容器収納部に収納されている前記容器の前記無線タグの前記液状体種別の商品が、前記容器収納部に対応した前記液状体群に対応した商品ではない場合には、対応した商品ではない旨を通知する
ことを特徴とする液状体吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液状体吐出装置と、サーバと、を備える液状体吐出システムであって、
前記無線タグには、前記容器の固有識別子が更に記憶され、
前記サーバは、前記固有識別子の前記容器の残量に関する情報を保持している
ことを特徴とする液状体吐出システム。
【請求項3】
請求項1に記載の液状体吐出装置と、サーバと、を備える液状体吐出システムであって、
前記無線タグには、前記容器の固有識別子が更に記憶され、
前記サーバは、前記液状体吐出装置のユーザが前記読み込み装置で読み取られた前記固有識別子の前記容器を使用しているユーザであると判断する
ことを特徴とする液状体吐出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状体吐出装置及び液状体吐出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯蔵タンクに貯蔵している化粧料等を、自動で吐出して供給するディスペンサが知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2016/029104号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のようなディスペンサにおいて、貯蔵タンクに貯蔵されている化粧料を管理することが求められている。
【0005】
本発明の一実施形態は、液状体が貯蔵されている容器の管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の液状体吐出装置は、手挿入部を備え、人体感知センサが前記手挿入部に挿入された手を検出すると液状体を吐出し、無線タグが付された容器を装着可能な液状体吐出装置であって、前記液状体吐出装置は、前記容器を収容する複数の容器収納部と、前記容器収納部に収納された前記容器の前記無線タグの情報を読み込む読み込み装置と、装置制御部と、を備え、前記無線タグには、前記容器に充填される商品の液状体種別が、記憶され、前記液状体種別は、複数の液状体群に分類され、前記装置制御部は、前記読み込み装置により前記容器収納部に収納されている前記容器の前記無線タグの前記液状体種別の商品が、前記容器収納部に対応した前記液状体群に対応した商品ではない場合には、対応した商品ではない旨を通知する。
【発明の効果】
【0007】
液状体が貯蔵されている容器を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る液状体吐出システムの一例の全体構成図である。
図2】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の全体図である。
図3】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の容器の斜視図である。
図4】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の内部構成を示す斜視図である。
図5】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の内部構成を示す斜視図である。
図6】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の内部構成を示す上面図である。
図7】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の吐出機構の詳細を示す斜視図である。
図8】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の機能ブロック図である。
図9】本実施形態に係る液状体吐出サーバ装置の一例の機能ブロック図である。
図10】本実施形態に係る液状体吐出システムの一例の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
<液状体吐出システム1>
図1は、本実施形態に係る液状体吐出システム1の一例の全体構成図である。
【0011】
本実施形態に係る液状体吐出システム1は、液状体吐出装置100、情報処理端末200、サーバ装置300、を備える。液状体吐出装置100、情報処理端末200、サーバ装置300は、ネットワーク400を介して、接続されている。液状体吐出装置100については後で説明する。情報処理端末200は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ等の携帯端末である。情報処理端末200により、使用者の情報等をサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、サーバとしての処理を行う情報処理装置(コンピュータ)である。サーバ装置300は、液状体吐出装置100の使用者や液状体吐出装置100の状態について管理する。また、サーバ装置300は、情報処理端末200により送られてきた使用者の情報等や一般に公開されている気象情報等に基づいて、液状体吐出装置100をどのように動作させるかを決定する。
【0012】
本実施形態の液状体吐出システム1では、液状体吐出装置100は、サーバ装置300からネットワーク400を介して、液状体吐出装置100の動作についての情報(動作情報)を受信する。そして、液状体吐出装置100は、受信した動作情報に基づいて処理を行う。さらに、液状体吐出装置100は、受信した動作情報に基づいて処理した結果をサーバ装置300に送信する。そして、サーバ装置300は、液状体吐出装置100の状態等について情報を更新する。
【0013】
なお、図1では、それぞれ1台の液状体吐出装置100、情報処理端末200、サーバ装置300がネットワーク400に接続されているが、それぞれの台数については、図1の台数に限らない。例えば、複数台の液状体吐出装置100と情報処理端末200が、一つのサーバ装置300に接続してもよい。また、サーバ装置300の処理を分散して複数のサーバ装置300で処理を行うようにしてもよい。さらにまた、液状体吐出装置100をネットワーク400に接続せずに、液状体吐出装置100単独で動作させるようにしてもよい。
【0014】
<液状体吐出装置100>
次に、液状体吐出装置100について説明する。
【0015】
図2は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の全体図である。図2(A)は、液状体吐出装置100の上面図(平面図)、図2(B)は液状体吐出装置100の正面図、図2(C)は、液状体吐出装置100の側面図である。また、図2(D)は、液状体吐出装置100の斜視図である。
【0016】
液状体吐出装置100は、上面部101、上部筐体102、下部筐体103、底面部104を備える。液状体吐出装置100は、略円筒形の形状である。下部筐体103は、手挿入部105を備える。また、下部筐体103は、手挿入部105の上部に、抽出口106、人体感知センサ107を備える。手挿入部105に使用者が手を挿入すると、人体感知センサ107が手を検知する。人体感知センサ107が手を感知すると、後述する容器500の内部に貯蔵された貯蔵液(液状体)が、抽出口106から吐出される。液状体吐出装置100は、容器用蓋108を備える。容器用蓋108は。上面部101と上部筐体102にまたがって、設けられている。使用者は、容器用蓋108を開けて、容器用蓋108を開けた部分から露出される後述する容器500を交換する。また、液状体吐出装置100は、上面部101に、ボタン(スイッチ)109を備える。使用者がボタン109を押すと、液状体吐出装置100の動作を開始する。
【0017】
<容器500>
次に容器500について説明する。
【0018】
図3は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の容器500の斜視図である。
【0019】
容器500は、例えば、乳液やセラム等の化粧品等の液状体(貯蔵液)を貯蔵する容器である。なお、乳液は、例えば、朝用や夜用にそれぞれ複数の種類の乳液を用いることができる。また、セラムは、例えば、酸化防止用、乾燥防止用、ストレス軽減用等の複数種類のセラムを用いることができる。
【0020】
本実施形態の容器500は、本体510、蓋520、を備える。本体510には、貯蔵液(液状体)が貯蔵されている。蓋520は、本体510に螺合等により取り付けられる。蓋520は、フランジ521、プッシュボタン(押圧部材)522、パイプ524と、を備える。パイプ524のプッシュボタン522の反対側の端部には、貯蔵液(液状体)が吐出される吐出口526を備える。プッシュボタン522が押圧されると、容器500内の液状体(貯蔵液)が吐出される。
【0021】
容器500は、本体510の底面部に、RFIDタグ550を備える。RFIDタグ550は、それぞれの容器500に付された固有識別子や容器500に貯蔵されている液状体(貯蔵液)の液状体種別の情報、液状体の有効期限、残量等を記憶する。容器500がRFIDタグ550を備えることにより、容器500に貯蔵されている液状体(貯蔵液)の使用期限や使用量の管理、容器500の誤挿入の防止、偽造品の流通防止、容器500及び容器500に貯蔵されている液状体(貯蔵液)のトレーサビリティの確保等を行うことができる。
【0022】
なお、RFIDタグ550が、無線タグの一例である。
【0023】
なお、本実施形態の容器500では、RFIDタグ550を用いているが、容器500の情報を記録する手段としては、RFIDタグに限らない。例えば、バーコード等を用いてもよい。
【0024】
本実施形態の容器500は、プッシュボタン522が下になるように、後述する液状体吐出装置100の回転テーブル110の容器収納部120に収納される。具体的には、容器500は、矢印Iの方向に容器収納部120へ挿入されることにより、容器収納部120に収納される。
【0025】
<回転テーブル110>
図4図5は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の内部構成を示す斜視図である。図4図5は、上部筐体102と上部筐体102内部の一部を取り除いて、回転テーブル110を露出した状態の図である。図4は、容器500が、容器収納部120に収納されていない状態の図である。図5は、容器500が、容器収納部120に収納された状態の図である。
【0026】
本実施形態の液状体吐出装置100は、上部筐体102の内部、下部筐体103の上部に、回転テーブル110を備える。回転テーブル110は、回転軸112を中心に、上部筐体102、下部筐体103に対して相対的に矢印Aの方向又は矢印Aとは反対方向に回転する。なお、本実施形態の液状体吐出装置100では、回転テーブル110を用いて、容器500を回転移動させているが、移動方法については回転に限らない。例えば、水平に直線上を容器収納部120が移動する移動テーブルを用いてもよい。このように、回転テーブル110は、上部筐体102、下部筐体103に対して相対的に移動可能となっている。
【0027】
回転テーブル110は、容器500を収納する容器収納部120を備える。容器収納部120は、回転軸112を中心とする円周の円周方向に等間隔に配置される。本実施形態の回転テーブル110は、容器収納部120を合計5カ所に備える。それぞれの容器収納部120を容器収納部121、122、123、124、125と表す。容器収納部121には、容器501が収納される。同様に、容器収納部122、123、124、125には、それぞれ容器502、503、504、505が収納される。なお、上記の説明では、各容器収納部120に対して特定の容器500が収納されているが、各容器収納部120には、どの容器500でも収納可能になっている。また、容器収納部120に収納した容器500のパイプ524は、回転テーブル110の回転軸112に対して容器収納部120より外側になるように収納される。
【0028】
回転テーブル110の容器収納部120は、容器500を固定する固定構造(図省略)を備える。容器500は、容器収納部120に収納している際に、図5の垂直上方向に移動しないように、固定構造により固定されている。
【0029】
それぞれの容器500は、回転テーブル110が回転することにより、上部筐体102、下部筐体103に対して回転する。
【0030】
図6は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の内部構成を示す上面図である。図6は、容器500が容器収納部120に収納された状態の回転テーブル110を上側から見た図である。図6(A)は、容器500(容器501)が抽出口106の上部に位置している状態を表している。なお、図6(A)は、図5の液状体吐出装置100を、上側から見た図である。抽出口106の上部の容器501の位置を吐出位置PosAという。本実施形態の液状体吐出装置100においては、容器500は合計5本容器収納部120に収納されうるので、回転テーブル110が回転軸112回りに72°回転することにより、容器501、502、503、504、505が、順次吐出位置PosAの位置に来ることになる。
【0031】
図6(B)は、図6(A)で示す状態から、回転テーブル110が、矢印Aの方向に36度回転した状態を表している。図6(B)は、容器501と容器502の中間部分が、抽出口106の上部に位置している状態を表している。回転軸112に対して、吐出位置PosAの反対側の位置(図6(B)において容器504の位置)を交換位置PosBという。図6(B)では、図6(A)で示す回転テーブル110が36°回転することにより、容器504(500)も36°回転してPosBの位置となる。なお、容器用蓋108を開けると、交換位置PosBにある容器500が外に露出される。使用者は、交換位置PosBにある容器500を別の容器500と交換することができる。
【0032】
このように、本実施形態の液状体吐出装置100では、回転テーブル110を回転軸112回りに36°ごとに回転する構成とすることにより、各容器501~505を順次吐出位置PosA又は交換位置PosBの位置とすることができる。
【0033】
本実施形態の液状体吐出装置100では、図6のように、吐出位置PosAと交換位置PosBとは、平面視(上面視)において位置が異なる。
【0034】
このようにして、液状体吐出装置100には、容器500が装着可能になっている。
【0035】
<吐出機構130>
図7は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の吐出機構130の詳細を示す斜視図である。
【0036】
液状体吐出装置100は、回転テーブル110の吐出位置PosAに対応する位置に吐出機構130を備える。本実施形態に係る吐出機構130は、吐出用モータ131、減速機132、カム133、摺動部材134、固定部材135を備える。吐出用モータ131の回転軸は、減速機132に接続する。減速機132は、カム133と接続する。減速機132は、吐出用モータ131の回転を減速して、カム133を回転させる。カム133は、略扇状の偏心カムである。カム133は、摺動部材134の減速機132側の面に設けられた凹部1341に挿入される。カム133が回転すると、カム133が凹部1341の内面と接触することにより、摺動部材134を上下に摺動させる。固定部材135は、摺動部材134を上下に摺動させるように保持しながら、摺動部材134を固定する部材である。
【0037】
回転テーブル110は、容器500を吐出位置PosAに移動する。吐出位置PosAにある容器500のプッシュボタン522の位置と摺動部材134の先端部136の位置は、上面視で一致する。摺動部材134が容器500の方向(上方向)に摺動すると、摺動部材134の先端部136は、容器500のプッシュボタン522に接触し、容器500のプッシュボタン522を容器500の本体510方向に押圧する。容器500の本体510と蓋520は、動かないように不図示の固定構造により固定されている。したがって、容器500のプッシュボタン522が押圧されることによって、容器500に貯蔵される貯蔵液(吐出液)が吐出される。なお、液状体吐出装置100は、プッシュボタン522を押圧する回数によって、貯蔵液(吐出液)の量を制御する。
【0038】
<制御装置140>
図8は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の機能ブロック図である。
【0039】
液状体吐出装置100は、制御装置140を備える。制御装置140は、液状体吐出装置100の動作を制御する。制御装置140は、装置制御部141、通信制御部142、回転制御部143、吐出制御部144、位置検出部145、吐出検出部146、入出力部147、RFID制御部148を備える。
【0040】
装置制御部141は、装置全体の制御を行う。
【0041】
通信制御部142は、液状体吐出装置100と、情報処理端末200やサーバ装置300との通信の制御を行う。通信制御部142は、液状体吐出装置100に備えられた通信部180を制御する。通信部180は、通信制御部142の制御に基づいて、ネットワーク400を介して、情報処理端末200やサーバ装置300と通信を行う。なお、通信部180による通信としては、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離通信や無線LAN(Local Area Network)による通信、LTE(Long Term Evolution)等の携帯通信等により行う。
【0042】
回転制御部143は、回転テーブル110の回転を制御する。回転テーブル110は、回転用モータ113に接続される。回転制御部143は、回転用モータ113の回転を制御することにより、回転テーブル110の回転を制御する。
【0043】
吐出制御部144は、液状体(貯蔵液)の吐出の制御を行う。吐出制御部144は、吐出機構130の吐出用モータ131の回転を制御することにより、液状体(貯蔵液)の吐出の制御を行う。
【0044】
位置検出部145は、所定の容器500が、所定の位置、例えば、吐出位置PosA又は交換位置PosB、にあるかどうかを検出する。位置検出部145は、液状体吐出装置100に備えられた位置検出装置150の検出結果より、所定の容器500の位置を検出する。
【0045】
吐出検出部146は、吐出位置PosAにある容器500から、液状体(貯蔵液)が、吐出されたかどうかを検出する。吐出検出部146は、液状体吐出装置100に備えられた吐出検出装置160の検出結果より、液状体(貯蔵液)が、吐出されたかどうかを検出する。
【0046】
入出力部147は、使用者からの入力を受け付けや使用者への情報の出力を行う。入出力部147は、ボタン109の押下を検出して、使用者からの入力を受け付ける。また、入出力部147は、LED駆動部170を制御して、液状体吐出装置100に備えられたLEDの発光を制御して、使用者へ情報の出力を行う。
【0047】
RFID制御部148は、容器500のRFIDタグ550に記録された情報の入力と出力を制御する。RFID制御部148は、液状体吐出装置100に備えられたRFIDリーダライタ190を制御して、容器500のRFIDタグ550からの情報の読み込みやRFIDタグ550への情報の書き込みを行う。
【0048】
なお、制御装置140の各機能は、不図示の記憶装置に読み出し可能に記憶されるプログラムによってCPU(Central Processing Unit)が動作することにより実現される。例えば、これらの各機能は、CPUを含むマイクロコンピュータにおけるハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。また、制御装置140を複数の処理装置に分けてもよいし、制御装置140に別の機能を取り込んでもよい。
【0049】
<液状体吐出装置100の動作>
サーバ装置300は、使用者の年齢、肌の特性、肌の状態等の個人の情報や使用する日の温度、湿度、天候等の環境情報、時刻情報等から、使用者が使用する液状体吐出装置100から吐出する液状体の種類と量を決定する。使用者は、液状体吐出装置100のボタン(スイッチ)109を押下すると、液状体吐出装置100はサーバ装置300にそして、サーバ装置300は、吐出する液状体の種類と量の情報(吐出液情報)を液状体吐出装置100に送信する。なお、手挿入部105に使用者が手を挿入した際に、液状体吐出装置100は、液状体吐出装置100が収納している容器500に対応した1種類又は複数種類の液状体を吐出する。液状体吐出装置100は、吐出液情報の量に基づいて、それぞれの液状体を吐出する。
【0050】
液状体吐出装置100の装置制御部141は、サーバ装置300から受信した吐出液状体情報から、液状体吐出装置100に収納された容器500(501、502、503、504、505)中のどの容器500の液状体を吐出するか特定する。そして、装置制御部141は、特定した吐出する容器500について、液状体をどれくらいの量を吐出するか、すなわち、プッシュボタン522を何回押圧するかを算出する。
【0051】
そして、手挿入部105に使用者が手を挿入すると、装置制御部141は、回転制御部143を制御することによって、液状体を吐出させたい容器500の容器収納部120を吐出位置PosAに回転移動させる。次に、装置制御部141は、吐出制御部144を制御して、容器500のプッシュボタン522を算出した回数押圧して、液状体を吐出する。
【0052】
<サーバ装置300>
図9は、本実施形態のサーバ装置300の構成図を示す。
【0053】
サーバ装置300は、サーバ制御部301、サーバ通信制御部302、サーバ記憶部303、サーバ通信部310を備える。
【0054】
サーバ制御部301は、サーバ装置300の全体を制御する。
【0055】
サーバ通信制御部302は、サーバ通信部310、ネットワーク400を介して、液状体吐出装置100との通信を制御する。
【0056】
サーバ記憶部303は、処理した情報等を記憶する。サーバ記憶部303は、容器データベース3031を備える。本実施形態の容器データベース3031の一例を、表1に示す。容器データベース3031は、「固有識別子」、「液状体種別」、「状態」、「使用機器」、「残量」、「使用期限」のフィールドを備える。
【0057】
【表1】
【0058】
「固有識別子」は、それぞれの容器500に割り当てられた固有の識別情報を表す。例えば、「201900001」等の数字列である。なお、「固有識別子」は、数字列に限らず、文字との組み合わせでもよい。
【0059】
「液状体種別」は、容器500に貯蔵(充填)されている液状体の液状体種別を表す。例えば、液状体が化粧品等である場合は、化粧品等の商品の種別を表す。本実施形態の「液状体種別」の一例を表2に示す。本実施形態の液状体吐出装置100で用いる容器500に貯蔵される液状体は、記号で表現され、容器データベース3031に記憶される。表2に示すように、液状体種別は、5群の液状体群に分類されている。1群は香り成分により気持ちを整える液状体群である。2群は肌の機能を適切に整える液状体群である。3群は肌の油分、水分を調整する液状体群である。4群は美白効果を与える液状体群である。5群は紫外線防御機能を付与する液状体群である。
【0060】
【表2】
【0061】
なお、容器500に備えられたRFIDタグ550には、容器データベース3031に記憶の対応する「固有識別子」と「液状体種別」の値が記録されている。
【0062】
「状態」は、容器500がどのような状態であるかを示す。本実施形態の「状態」の一例を表1に示す。「出荷前」は、容器500が工場出荷前の状態であることを示す。「出荷済」は、容器500が工場から出荷されたが、まだ使用されていない状態を示す。「使用中」は、容器500が現在使用中であることを示す。「残量なし」は、容器500の残量がない状態を示す。「回収」は、容器500を使用者から回収して工場等に回収された状態を示す。
【0063】
「使用機器」は、容器500が使用されている機器を示す。具体的には、使用されている液状体吐出装置100の固有番号等が記憶される。容器500が液状体吐出装置100によって使用されていない場合は、「未使用」等使用されている液状体吐出装置100がないことが分かるようにレコードの「使用機器」に記憶すればよい。
【0064】
「容器収納部」は、RFID550を読み込んだ容器500が、どの「容器収納部」に収納されているかを示す。例えば、容器500が容器収納部121に収納されている場合は「A」、容器収納部122~125に収納されている場合は同様に「B」~「E」と表す。なお、容器収納部を表す記号については、「A」等のアルファベットに限らず、別の記号を用いるようにしてもよい。容器500が液状体吐出装置100によって使用されていない場合は、「未使用」等使用されている液状体吐出装置100がないことが分かるようにレコードの「容器収納部」に記憶すればよい。
【0065】
「残量」は、容器500に残っている液状体の量の推定値を示す。推定値として表1では、満タンの量を100として、それに対する割合で記憶している。なお、推定値としては、量そのものの値でもよい。
【0066】
「使用期限」は、容器500に貯蔵されている液状体の使用期限を表す。なお、容器500に備えられたRFIDタグ550に容器データベース3031に記憶の対応する「使用期限」の値を記録してもよい。
【0067】
<液状体吐出システム1の動作>
【0068】
液状体吐出システム1の動作について説明する。
【0069】
図10は、液状体吐出システム1の動作を説明するフローチャートである。
【0070】
(ステップS100) 液状体吐出装置100のRFIDリーダライタ190は、容器500のRFIDタグ550を検出すると、RFID制御部148に、RFIDタグを検出したことを通知する。RFID制御部148は、装置制御部141に、RFIDタグを検出したことを通知する。
【0071】
(ステップS110) 装置制御部141は、RFID制御部148に、RFID550に記録されている情報の読み込みを指示する。RFID制御部148は、RFID550に記録されている情報を読み込み、読み込んだRFIDタグ550の情報を装置制御部141に送信する。読み込んだRFIDタグ550の情報として、固有識別子、液状体種別、使用期限を含む。
【0072】
(ステップS120) 装置制御部141は、読み込んだRFIDタグ550の情報から、RFID550を読み込んだ容器500に関連する情報である容器関連情報を作成する。具体的には、RFID550から読み込んだ固有識別子、液状体種別と、自装置の装置識別番号、読み込んだRFID550を備える容器500が収納されている容器収納部120の情報を含む情報を容器関連情報として作成する。
【0073】
(ステップS130) 装置制御部141は、通信制御部142を制御して、通信部180を介して、サーバ装置300に、容器関連情報を送信する。
【0074】
(ステップS200) サーバ通信部310は、ネットワーク400から、液状体吐出装置100が送信した容器関連情報を受信する。サーバ通信制御部302は、サーバ通信部310が受信した容器関連情報を、サーバ制御部301に送信する。
【0075】
(ステップS210) サーバ制御部301は、受信した容器関連情報に基づいて、容器データベース3031のレコードを更新する必要がある場合は更新する。
【0076】
例えば、受信した容器関連情報の容器について、対応する容器データベース3031のレコードの「状態」が「出荷済」である場合、容器データベース3031の該当するレコードの「使用機器」、「容器収納部」は、例えば「未使用」になっている。したがって、該当するレコードの「使用機器」を、受信した容器関連情報の装置識別番号に更新する。また、該当するレコードの「容器収納部」を、受信した容器関連情報に含まれる容器500が収納されている容器収納部120の情報に基づいて更新する。さらに、該当するレコードの「状態」を、「使用中」に更新する。このように処理することによって、容器500を出荷時に、どの液状体吐出装置100に用いられるかを管理する必要がなく、後で容器500と液状体吐出装置100との対応付けを行うことができる。また、液状体吐出装置100の使用者(ユーザ)が分かれば、容器500をどの使用者(ユーザ)が使用しているか判断することができる。
【0077】
(ステップS220) サーバ制御部301は、液状体吐出装置100に対して、受信した容器関連情報に基づいて所定の処理を行うように指示する。また、必要に応じて、サーバ制御部301は、情報処理端末200に対して受信した容器関連情報に基づいて所定の処理を行うように指示する。具体的には、サーバ制御部301は、所定の処理について指示内容について規定した動作指示を作成して、サーバ通信部310を介して、液状体吐出装置100又は情報処理端末200に、その動作指示を送信する。
【0078】
サーバ制御部301が作成する動作指示の例について説明する。
【0079】
(例1)容器の交換
受信した容器関連情報の容器について、対応する容器データベース3031のレコードの「状態」が「残量なし」であって、受信した容器関連情報の装置識別番号や容器収納部の情報が、容器データベース3031の対応するレコードの「使用機器」や「容器収納部」と同じである場合、当該容器500を使用した結果、残量がなくなったと判断する。そして、サーバ制御部301は、液状体吐出装置100へ、該当する容器500の交換させる動作指示、情報処理端末200へ、容器の交換を促す表示をさせる動作指示、を作成する。
【0080】
(例2)空容器の誤挿入の警告
受信した容器関連情報の容器について、対応する容器データベース3031のレコードの「状態」が「残量なし」であって、受信した容器関連情報の装置識別番号や容器収納部の情報が、容器データベース3031の対応するレコードの「使用機器」や「容器収納部」と異なる場合、液状体が空になっている当該容器500が誤挿入されたと判断する。そして、サーバ制御部301は、液状体吐出装置100へ、該当する容器500の再交換させる動作指示、情報処理端末200へ、誤挿入の警告をさせるとともに、容器の交換を促す表示をさせる動作指示、を作成する。
【0081】
(例3)使用期限切れによる交換
受信した容器関連情報の容器について、対応する容器データベース3031のレコードの「使用期限」が動作時の日時を過ぎている場合、サーバ制御部301は、液状体吐出装置100へ、該当する容器500の交換させる動作指示、情報処理端末200へ、使用期限経過の警告をさせるとともに、容器の交換を促す表示をさせる動作指示、を作成する。
【0082】
(例4)所定の容器収納部と異なる容器収納部への誤挿入の警告
液状体吐出装置100では、回転テーブル110を用いている。回転テーブル110の容器収納部120に収納される容器は、液状体群によって定まっている。したがって、受信した容器関連情報の「容器収納部」が、受信した容器関連情報の「液状体種別」の液状体群に対応する「容器収納部」と異なる場合は、所定の容器収納部と異なる容器収納部へ誤挿入していると判断する。そして、サーバ制御部301は、液状体吐出装置100へ、該当する容器500の位置を交換させるとともに、対応した商品ではない旨を通知させる動作指示を作成する。また、サーバ制御部301は、情報処理端末200へ、異なる位置への誤挿入の警告をさせるとともに、容器の位置の交換を促す表示をさせる動作指示、を作成する。
【0083】
(ステップS150) 装置制御部141は、通信制御部142を制御して、通信部180を介して、サーバ装置300から、動作指示を受信する。
【0084】
(ステップS160) 装置制御部141は、受信した動作指示に基づいて、液状体吐出装置100を制御する。
【0085】
(ステップS300) 情報処理端末200は、受信した動作指示に基づいて、処理を行う。
【0086】
なお、上記の説明では、液状体吐出装置100は、サーバ装置300から動作指示を受信して、受信した動作指示に基づいて処理を行っていたが、液状体吐出装置100で処理を行うようにしてもよい。
【0087】
例えば、ステップS120でRFIDタグ550の情報を読み込んだ後にその情報に基づいてステップS160において処理を行ってもよい。
【0088】
具体的な処理例について説明する。なお、RFIDタグ550の記録されている情報には、「残量」と「使用期限」が含まれるとする。
【0089】
(例5)容器の交換
RFIDタグ550に記録されている「残量」が「0」の場合、装置制御部141は、該当する容器500の交換を行うように液状体吐出装置100を動作させる。
【0090】
(例6)使用期限切れによる交換
RFIDタグ550に記録されている「使用期限」が動作時の日時を過ぎている場合、装置制御部141は、該当する容器500の交換を行うように液状体吐出装置100を動作させる。
【0091】
(例7)所定の容器収納部と異なる容器収納部への誤挿入の警告
液状体吐出装置100では、回転テーブル110を用いている。回転テーブル110の容器収納部120に収納される容器は、液状体群によって定まっている。したがって、RFIDタグ550を読み込んだ容器500を収納している容器収納部120が、RFIDタグ550の「液状体種別」の液状体群に対応する容器収納部と異なる場合は、所定の容器収納部と異なる容器収納部へ誤挿入していると判断する。そして、装置制御部141は、該当する容器500の位置を交換させるように液状体吐出装置100を動作させるとともに、対応した商品ではない旨を通知させる。
【0092】
<作用・効果>
本実施形態の液状体吐出システム1と液状体吐出装置100により、液状体種別による誤挿入を防止することができる。使用済みの容器を誤挿入することを防止することができる。
【0093】
また、使用者に送っていない容器が使われたことや容器が転売されたことを判別することできる。容器500がRFIDタグ550を備えていることから偽造された容器500の流通を防止することができる。
【0094】
さらに、容器500の残量や使用期限を管理することができる。
【0095】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 液状体吐出システム
120 容器収納部
190 RFIDリーダライタ
300 サーバ装置
500 容器
550 RFIDタグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10