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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-10
(45)【発行日】2023-03-20
(54)【発明の名称】無線機器検査装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/17 20150101AFI20230313BHJP
   H04B 17/29 20150101ALI20230313BHJP
【FI】
H04B17/17
H04B17/29 200
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021545948
(86)(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 US2019018546
(87)【国際公開番号】W WO2020171800
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】520161964
【氏名又は名称】シーメンス インダストリー ソフトウェア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ヴィエリマー,カリ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラスマ,ハリ
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0215744(US,A1)
【文献】特開2018-198416(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0021048(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0049465(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101543110(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 17/17
H04B 17/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ユニット(RU)の検査のための無線機器検査装置(TA)であって、
前記RUが、システム・オン・チップ(SoC)を含み、
前記SoCの内部ループバックが、検査目的のために使用され、
前記SoCが、前記検査装置(TA)の第1のインターフェース(I1)及び第2のインターフェース(I2)に動作可能に接続され、
フォワードランにおけるデータ送信のため、前記検査装置(TA)の第1のインターフェース(I1)が使用され、リターンパスでのデータ送信には前記検査装置(TA)の第2のインターフェース(2)が使用され、
前記フィードバックのループは、フォワードランにおいて、前記SoCの第1のプロトコルインターフェース(IF1)、DFE、及び第2のプロトコルインターフェース(IF2)を含み、前記SoCの前記第1のプロトコルインターフェース(IF1)に到達した信号は、前記SoCの前記DFE及び前記第2のプロトコルインターフェース(IF2)を介してリターンパスによって返信される、
無線機器検査装置(TA)。
【請求項2】
前記無線ユニットがアンテナユニットに結合されているか、アンテナユニットが前記無線ユニットの一体部分である、
請求項1に記載の無線機器検査装置(TA)。
【請求項3】
前記信号は、前記フォワードランのみで処理されるとともに、前記信号を前記検査装置(TA)に送信し戻すために前記DFEを通してループされる、
請求項1または2に記載の無線機器検査装置(TA)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムの分野に関し、より具体的には、無線機器の検査に関する。
【背景技術】
【0002】
シーメンス社およびその関連会社は、検証および妥当性確認のための革新的な検査システムを開発している。このような検査システムは、携帯電話基地局から自動車産業に至るまで、様々なハイテク分野で利用できる1つまたは複数の検査装置で構成されている可能性がある。例えば、X-STEP製品ラインからの無線機器検査システム又は検査装置は、無線機器制御(REC)及び/又は無線機器(RE)モジュール(それぞれベースバンドユニット(BBU)、及び遠隔無線ヘッド(RRH)としても知られる)のような現代の無線機器における全てのデジタルインターフェースの活性化及びトレーシングを可能にする。このような検査装置によってサポートされているデジタル・インターフェース・プロトコルには、JESD204B、CPRI、OBSAI RP3、または他のイーサネットベースプロトコル、例えば、10G、25G、100または400Gイーサネットが含まれる。検査装置は、レジスタ転送レベル(RTL)シミュレーションおよびハードウェア・エミュレーションをさらに含み、FPGAプロトタイピング、リアルタイム・ポストシリコンボード・デバッグおよび最終製品検査と共に動作してもよい。検査装置は、無線基地局の製品開発サイクルのあらゆるフェーズをカバーすることができる。これは、最初のRTLシミュレーションからポストプロダクションに至るまで、あらゆるフェーズをカバーすることができる。
【0003】
一般に、他の電子機器と同様に、無線周波(RF)通信システムおよびデバイスは、検査を必要とし、場合によっては、較正を必要とする。検査と較正は、複数の送信(Tx)チャネルと受信(Rx)チャネルをサポートするRF通信システムやデバイスの場合、課題を提示する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に、第5世代のセルラ移動通信(5G)は、セルサイズが小さいために、特にビーム形成を可能にするために、多数のアンテナアレイを必要とする。したがって、アンテナとアンテナアレイの検査が課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、単一の無線機器検査装置が提案される。単一の無線機器検査装置であって、複数のアンテナ、例えばアンテナアレイを検査するための制御ユニットを備えることを特徴とする。制御ユニットは、好ましくは検査チャンバ内に配置された、制御ユニットを被検査アンテナに動作可能に結合するための第1のインターフェースをさらに備える。制御ユニットを基準アンテナに動作可能に結合するための第2のインターフェースを備える制御ユニットであって、検査チャンバ内にも配置されることが好ましい。検査装置の制御ユニットは、被検査アンテナ及び基準アンテナを制御及び/又は監視するために機能する。
【0006】
第2の態様によれば、第1の態様の無線機器検査装置と、基準アンテナ及び被検査アンテナが配置され、好ましくはクラウドプラットフォームに接続される検査チャンバとを備える無線機器検査システムが提案される。
【0007】
第3の態様によれば、単一の無線機器検査装置を用いて無線機器を検査する方法が提案される。方法は、無線機器検査装置の制御ユニットの第1のインターフェースを介して、好ましくは検査チャンバ内に配置された、被検査アンテナを制御および/または監視するステップを含む。方法は、無線機器検査装置の制御ユニットの第2のインターフェースを介して、好ましくは検査チャンバ内に同じく配置される基準アンテナを制御および/または監視するステップをさらに含む。
【0008】
したがって、1つまたは複数のデジタルインターフェースを有する無線機器を検査するための検査装置が提案される。これにより、無線機器の検査を簡素化する。加えて、ケーブルの量は、それぞれ、提案されたセットアップと検査装置によって低減される。さらに、提案された検査装置と検査システムは、それぞれ、巨大アンテナのような無線機器、すなわち同時に多数のアンテナの検査を可能にする。しかしながら、提案した態様によれば、限られた数のアンテナのみを検査することも可能である。別の利点は、検査ベクトル、すなわち、検査に使用される無線信号、例えば、無線機器検査装置によって生成される無線信号は、再現可能であること、すなわち、同じ無線機器を異なる時間または異なる無線機器で検査する場合に、同一の検査信号が使用されることが保証されることである。これは、検査信号の送受信時間が単一の無線機器検査装置に知られていること、および/または、検査ベクトルが全く同じであるためである。検査する無線機器を介して1つ以上の検査ベクトルを実行する場合、検査する無線機器(被検査無線機器、特に被検査アンテナ)による送信と、検査ベクトルの受信(基準アンテナによる)のタイミング、またはその逆であることが分かる。これは、例えば、被検査無線機器、特に被検査アンテナの伝送遅延を決定するために活用することができる。更に、受信されたRF信号及び/又は送信された検査ベクトルの記録を行うことができる。これは、同じ記録された検査シーケンスを使用できるため、異なる環境でアンテナをデバッグする場合に特に有利である。検査チャンバが存在したり必要とされたりすることなく、記録を再生および/または分析することができる。例えば、実施形態によって説明されるように、測定プローブは、例えば、IQデータの形態で受信された検査ベクトルおよび/または無線信号を記録するために使用され得る。検査ベクトル及び/又は受信されたRF信号の記録は、後の時点で再生することができる。測定プローブの代わりに以下の説明で明らかなように、受信されたRF信号および/または1つ以上の検査ベクトルを記録するために、他の手段を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ここで、実施形態を、添付された図面に関連して、より詳細に説明する。
図1】モバイル通信ネットワークの例を示す。
図2】無線機器検査システムの例を示す。
図2a】無線機器検査システムの例を示す。
図3】無線機器検査システムの別の例を示す。
図3a】無線機器検査システムの別の例を示す。
図4】無線機器検査システムの別の例を示す。
図5】無線機器検査システムの別の例を示す。
図6】無線機器検査システムの別の例を示す。
図7】無線機器検査システムの別の例を示す。
図8】無線機器検査システムの別の例を示す。
図9】無線機器検査システムの別の例を示す。
図10】無線機器を検査するための例示的な方法ステップを示す。
図11】無線機器を検査するためのさらなる例示的な方法ステップを示す。
図12】無線機器を検査するためのさらなる例示的な方法ステップを示す。
図13】無線機器を検査するためのさらなる例示的な方法ステップを示す。
図14】無線機器を検査するためのさらなる例示的な方法ステップを示す。
図15】無線機器を検査するためのさらなる例示的な方法ステップを示す。
図16】アンテナ故障特性の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
無線基地局検査システムは、無線機器制御(REC)および無線機器(RE)モジュール、別名ベースバンドユニット(BU)および遠隔無線ヘッド(RRH)において、現代の無線基地局のすべての前面におけるデジタルインターフェースの活性化およびトレーシングを可能にする。RECとREの間のデジタル・インターフェース・プロトコルには、CPRI、OBSAI RP3、10Gイーサネットがある。更に、光トランスポートネットワーク上のCPRIのような10GbE及び類似のバリアントをREC‐コアネットワーク境界で使用した。JESD204は、AD/DAコンバータ(アンテナインターフェース)とロジックデバイス(RE/RRH)の間で広く使用されている規格である。
【0011】
図1には、例示的な無線通信システムが図示されている。伝統的なモノリシック基地送受信局(BTS)アーキテクチャは、BTSの機能が2つの物理的に分離したユニット、ベースバンドユニット(BBU)と遠隔無線ヘッド(RRH)に分離された分散BTSアーキテクチャに置き換えられることが増えている。BBUは、1つまたは複数の無線周波数チャネルを介して無線通信するために使用されている特定の空気界面に対してベースバンド処理を実行する。RRHは、BBUから出力されるベースバンドデータを、RRHに結合された1つまたは複数のアンテナから放射するための無線周波数信号に変換するために、および/または1つまたは複数のアンテナを介してRRHで受信される無線周波数信号からBBUのためのベースバンドデータを生成するために、無線周波数処理を実行する。RRHは、典型的には、しばしば塔の頂部にある1つまたは複数のアンテナの近くに設置され、BBUは、典型的には、よりアクセス可能な場所に設置され、しばしば塔の底部に設置される。しかしながら、場合に応じて、RRH及びBBUは、例えば、実験室内でコロケーションされてもよい。BBUとRRHは、通常、1つまたは複数の光ファイバリンクを介して接続される。BBUとRRHの間のインターフェースは、共通公共無線インターフェース(CPRI)ファミリーの仕様、オープンベースステーションアーキテクチャイニシアチブ(OBSAI)ファミリーの仕様、およびオープン無線インターフェース(ORI)ファミリーの仕様などのフロントホール通信リンク規格によって定義される。
【0012】
5Gアーキテクチャでは、新しい周波数領域フロントホール・インターフェースが指定されるであろう。周波数領域フロントホールは、IFFT/FFT(逆高速フーリエ変換/高速フーリエ変換)がBBUからRRHに移動され得る関数分割である。タイムドメインサンプルの代わりに周波数ドメインサンプルがフロントホール経由で送信される。RRHは、複数のUEのための資源割当に関する情報を通信チャネルを通して持つであろう。新しいeCPRIインターフェース仕様「eCPRI Specification V1.0(2017-08-22)」は既に入手可能である。
【0013】
遠隔無線ヘッド、RRH、(時には無線遠隔ユニット、RRU、または単に無線ユニット、RUとも呼ばれる)とベースバンドユニット、BBU、(時には無線機器コントローラ、REC、または現在の分散ユニット、DUとも呼ばれる)が分離されている展開シナリオの場合、1つまたは複数のアンテナから受信した信号は、通常は信号の組合せがBBUで行われるように、RRHとBBUを接続している媒体を介して搬送されなければならない。一般的に、BBUとRRHの接続に使用されるインターフェースはフロントホール(fronthaul)と呼ばれる。フロントホール経由の信号は、レガシー・コモン・パブリック・ラジオ・インターフェース(CPRI)で指定されているような複雑な時間領域サンプルである可能性がある。デジタル化された波形は、1つまたは複数の無線アグリゲーションユニット(RAU)を介して、フロントホール経由でBBUからRRHに、またその逆に伝送されてもよい。1つまたは複数の無線機器を検査するために、デジタル化された波形は、いわゆる検査ベクトルの形式であってもよく、それは今度は、IQデータの形式であってもよい。
【0014】
RAUは、異なる5G規格案によって導入された実体であり、その機能は、複数の無線機をBBUに接続し、RRHのための時間および待ち時間の重要なデータ処理ユニットとしての役割を果たすことである。RAUの機能性は、BBUとRRHの間で選択された機能スプリットによってさらに定義される。
【0015】
ユーザ装置(UE)信号はパワーが制限され、経路損失がUEまでの距離に応じて変化するにつれて、それらの信号がデジタル的に表現されるときに大きなダイナミックレンジに遭遇するので、複素周波数サンプルについては多数のビットが必要となり、MIMO(多入力多出力)/ダイバーシティ層の場合には、必要なフロントホール容量は多数のアンテナで増加するであろうと仮定することができる。さらに、無線システムとその構成要素の機能性を検査するために、そのような無線信号の伝送をモデル化することが望まれる。フロントホールのキャパシティが限られているため、フロントホールの使用を最適化する方法を見つけることが望まれている。
【0016】
BBUは、図1において「コア」と表記されるコアネットワークに接続されてもよく、場合によっては、1つ以上のバックホール接続又はクロスホール接続を介して、それぞれ他のBBU(図示せず)に接続されてもよい。BBUは、C-RANトポロジが導入されるにつれて、商用サーバチップにますます依存するようになった。BBUは、異なるタイプのフロントホールトポロジー、機器、プロトコル、およびラインレートをサポートすることで、進化するフロントホールネットワークを制御できる必要がある。このプロセスの複雑さにより、BBU検査や無線機器検査は、一般的に困難で時間がかかる。アクティブアンテナとして、ラジオとアンテナ部分は、1つのコンパクトで強力なユニットに統合することができる。これらのアンテナはベースバンドユニット(BBU)で制御する必要があり、情報のやり取りには共通メッセージが必要である。メッセージの内容は、BBUとアクティブアンテナの両方のメーカーが同様に理解する必要がある。また、X-STEPなどの無線機器検査装置は、JESD204Bインターフェースなどの異なるプロトコルおよびインターフェースをサポートすることができ、アンテナ製造業者がアンテナインターフェースをデジタル方式で検査できるようにすることができる。このように、インターオペラビリティは、デバイス開発の初期段階で個別に設計し、検査することができる。4G技術が進化を続け、5G技術の発売が近づくにつれて、アクティブアンテナが進歩している。
【0017】
ここで、図2に示すような無線機器検査システムに回すと、典型的な検査セットアップでは、無線機器、すなわち、被検査機器(DUT)(図2の点線の内側)が、1つまたは複数のフロントホールプロトコル(例えば、CPRI、eCPRI、OBSAI、RoEなど)を介して、デジタルデータ、特に検査データまたは検査信号を提供するために役立つ無線機器検査装置に接続される。特に、IQデータの形態、すなわち、分散型ユニット(DU)として役立つ。5G無線ネットワークでは、基地局はgNodeBまたはgNBと表記される。このgNBは、中央ユニットおよび1つまたは複数の分散ユニット(DU)を含んでもよい。この論理ノードには、機能分割オプションに応じて、gNB関数のサブセットが含まれる。その動作は、図示しない中央ユニット(CU)によって制御される。4G/LTEから5G新無線(NR)トランスポートアーキテクチャへと進化し、主な変化は、4G/LTEにおける元のBBU機能が、中央ユニット(CU)、分散ユニット(DU)、無線ユニット(RU)の3つの部分に分割されることである。
【0018】
図示されていない中央ユニットは、ユーザデータの転送、モビリティ制御、無線アクセスネットワーク共有、位置決め、セッション管理等のgNBの機能を含み得る論理ノードである。ただし、それらの機能は、DUのみに割り当てられるものである。中央ユニットは、図示しない1つまたは複数のフロントホールインターフェースにわたる1つまたは複数のDUの動作を制御する。中央ユニットは、BBU/REC/RCC/C-RAN/V-RANとも呼ばれる。以下に主にRUという用語が使用されているとしても、DU及び5Gという用語は、対応する機能、ユニット、モジュール又は装置を、2G、3G及び4Gのような対応する無線技術、又はWi-Fiのような他の無線技術に組み込むことを意味する。
【0019】
今では、DUは、例えば、(アクティブ)アンテナユニットを含むRUに接続されてもよい。したがって、DUを、DUとRUとの間で選択された機能的分割に依存して、1つまたは複数のアンテナ、特に1つまたは複数のアンテナユニット(AU)またはさらには1つまたは複数のアクティブ・アンテナ・ユニット(AAU)のいずれかに接続することが可能である。検査用AUTのアンテナのうちの1つまたは複数のアンテナを検査するために、1つまたは複数のアンテナを備える基準アンテナREAが、アンテナユニットとともに検査チャンバTC内に配置される。上記のように、被検査器は、短くは無線機器検査装置、または検査装置に置き換えてもよいことを理解すべきである。
【0020】
2/3/4Gでは、アンテナの数(例えば、検査中のアンテナユニットのアンテナ、例えば、AUTまたは基準アンテナREAのアンテナ)が制限され、ベクトル信号解析器、VSA、および/またはベクトル信号発生器、VSGを介して、同軸ケーブルCCを使用して直接RF検査装置を実行することが可能であることを理解されたい。VSGは、変調信号に対してベースバンドIQデータベクトルを生成することができる。一方、VSAは変調信号のベースバンドIQデータベクトルを解析する。したがって、図2に示されるように、VSAおよび/またはVSGを使用して、DUTの送信および/または受信性能/機能性をチェックしてもよく、基準アンテナREAは、ベクトル信号解析器VSAに結合されてもよい。対応する装置は、例えばwww.keysight.com/find/spectrumanalyzersなどで市販されている。一方、被検査アンテナAUTは、検査データ、例えばIQデータが、被検査アンテナに送信され、かつ/または、被検査アンテナAUTから受信され得る、無線機器検査装置に結合されてもよい。図2の実施形態では、DUは、フロントホール通信リンクを介して、例えばIQデータを送信および/または受信するための無線機器検査装置として機能する。
【0021】
限られた無線スペクトルにおける高いユーザスループットの要求により、Massive MIMOアクティブ・アンテナ・ユニットは、同じ無線スペクトルを共有することにより異なるユーザへの専用接続を設定するために多数の内蔵アンテナを使用するソリューションである。
【0022】
一般に、アンテナカウントは、特定5Gで、特定ビームフォーミングが使用されているときに増加している。従って、個々のアンテナへの同軸ケーブルCCを介した直接接続を使用することは合理的ではない。さらに、多くの場合、例えばアンテナアレイに組み合わされるアンテナは、同じ機械的容器内にあるか、または無線ユニット(RU)と一緒に囲まれており、そのようなセットアップは、アクティブアンテナとも呼ばれる。今日では、IQデータのような検査信号をDUTに供給するための無線機器検査装置と、VSAのような、DUTによって送信される検査信号を監視/検査/分析するための検査装置は、別個の装置であり、それらの間に中央制御は存在しない。RF検査チャンバTCは、放射線防護、内部及び外部に必要である。RF検査チャンバTCの大きさは、スーツケースの大きさと大きなホールの大きさの間で変わり得る。検査チャンバTCの内部表面は、RF無響検査チャンバTCを規定するために、放射線吸収材料(RAM)で覆われてもよい。
【0023】
次に、図2aを参照すると、DUおよびVSAおよび/またはVSGが組み合わされて、単一の無線機器検査装置TAとなることが分かる。これにより、場合に応じて、1つ以上のデジタルインターフェースI1及び/又はI2を備えた単一の装置TAを無線機器の検査のために使用することができる。勿論、特にVSA及び/又はVGA機能性を提供するためのインターフェースI2は、受信した無線信号からアナログ入力を受信するため、及び/又は基準アンテナREAを介して無線信号を送信するためのアナログインターフェースとすることができ、これにより無線機器の検査を簡素化することができる。例えば、図2aに示すように、被検査デバイス、DUTは、RU、すなわちアクティブアンテナ・ユニット、またはアンテナアレイ(AUT)のみを含んでもよい。さらに、提案したセットアップによりケーブルの量を低減した。さらに、無線機器の検査は、多数のアンテナ、すなわち同時に多数のアンテナを検査することを含み得る。提案した検査装置(TA)は、このような大規模MIMOセットアップの検査を可能にするが、また、限られた数のアンテナのみの検査を可能にする。別の利点は、検査ベクトル、すなわち、検査に使用される無線信号、例えば、無線機器検査装置によって生成される無線信号TSは、再現性がある、すなわち、同じまたは複数の無線機器を検査するときに同一の検査信号が使用されることが保証される、ということである。これは、検査信号の送受信時間が単一の無線機器検査装置(TA)および/または、検査ベクトルが、同じ単一の無線機器検査装置(TA)が使用されるので、検査信号の送受信時間が、単一の無線機器検査装置(TA)および/または、検査ベクトルが(まったく)同じであるためである。更に、受信されたRF信号及び/又は送信された検査ベクトルの記録を行うことができる。これは、異なる環境でアンテナをデバッグする場合に特に有利である。記録は、検査チャンバおよび/またはDUTが存在しない、または必要でない状態で、再生および/または分析されてもよい。例えば、以下の実施形態によって説明されるように、測定プローブは、例えば、IQデータの形態で受信される検査ベクトルおよび/または無線信号を記録するために使用され得る。検査ベクトル及び/又は受信されたRF信号の記録は、後の時点で再生することができる。もちろん、測定プローブの代わりに以下の説明で明らかなように、受信されたRF信号および/または1つ以上の検査ベクトルを記録するために、他の手段を採用してもよい。
【0024】
一般的に、適合性検査、特に3GPP TS 34.114 V12.2.0(2016-09)に記載されているような特定の要求事項、あるいはそれ以前または将来の3GPP規格のいかなるバージョンにさえも記載されているような、ある種の要求事項に従って検査を実施することができる。ユーザ装置(UE)/移動局(MS)の性能測定のためのある特定の検査手順を記述した。例えば、検査される上り回線および下り回線周波数ならびに検査される装置の位置決めが、その中に指定される。
【0025】
図2aに示されるような実施形態および個々の部分は、さもなければ、図2に記載されるような実施形態に対応してもよく、DUおよびVSA/VSGの1つまたは複数の機能および/または機能は、検査装置(TA)の制御ユニットによって実施されてもよい。このような制御ユニットは、機能および/または機能を実行するための1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。単一の無線機器検査装置TAは、単一のハウジング、エンクロージャまたはケーシングを備えることができ、このハウジング内には、1つまたは複数のプロセッサ、および好ましくはメモリなどの記憶ユニットが配置される。このように、単一の無線機器検査装置TAは、被検査装置と基準アンテナREAとに同時に動作可能に接続することができる。被検査デバイスである(DUT)は、全体として無線ユニット(RU)であってもよいし、無線ユニット(RU)の一部のみであってもよく、無線ユニット(RU)のアンテナまたはアンテナアレイのような、無線ユニットRUの一部であってもよい。
【0026】
次に、図3を参照すると、被検査アンテナAUTおよび/またはRUの所望の機能を検査するために、検査チャンバTC内に、基準アンテナREA(1つまたは複数のアンテナを含む)と一緒に配置されてもよい。被検査ンテナは、被検査アンテナAUTおよびRUが、アクティブアンテナ・ユニット(AAU)を形成してもよく、したがって、検査対象の装置(DUT)と表記されてもよい。
【0027】
すでに述べたように、被検査アンテナが発する無線信号を受信するために、検査アンテナとしても付される基準アンテナREAを、検査チャンバTC内に配置してもよい。基準アンテナREAは、被検査アンテナAUTによって放射される無線信号を受信するため、および/または受信した無線信号を増幅するために役立つことができる。基準アンテナREAは、例えば、VSGに接続されているときに、AUTおよび/またはDUTに無線信号を送信するためにも機能することができる。
【0028】
本開示の一態様によれば、VSAおよび/またはVGAの1つ以上の機能は、ここでは、無線機器検査装置TAに含まれる(図2a参照)、及び/又は無線機器検査装置TAが動作可能に接続され得るクラウドプラットフォームCP、特に、VSAによって実行されるデジタル信号処理は、現在では無線機器検査装置TAおよび/またはクラウドプラットフォームCPの一部である。デジタル信号処理は、受信された無線信号のFFT/IFFT、またはより正確には、被検査アンテナによって送信および/または受信された無線信号を表す信号を含んでもよい。特に、デジタル信号処理は、1つ以上の基準アンテナによって受信される無線信号のFFTを含み得る。ここで無線機器検査装置TAの更なる機能は、例えば、無線信号の(サブ)サンプリング、(直交)ミキシング及びベースバンド変調を含む1つ以上の復調アルゴリズムを含むことができる。言及されたばかりの機能は、検査装置の第1のプロセッサP1、例えばFPGAによって実行されることが好ましい。代わりに、別のデジタル信号プロセッサ、DSPを、上述の機能の1つまたは複数を実行するために使用してもよい。これらの機能に加えて、第1のプロセッサP1は、図2に関連して説明したように、AUTおよび/またはDUTを検査するための検査信号または検査データを提供してもよい。
【0029】
被検査アンテナAUTは、アクティブアンテナ、すなわち、トランジスタなどの電子部品を含むアンテナであってもよい。同じことが、アクティブアンテナであってもよい基準アンテナREAにも当てはまる。さて、被検査アンテナAUTは、好ましくは、検査装置TAの第1のインターフェースI1を介して検査装置TAに接続される。被検査アンテナAUTは、図3には示されていない対応するインターフェースを備え、検査装置TAを作動可能に、好ましくは通信可能に結合することができる。したがって、検査装置TAは、第1のインターフェースI1を介して被検査アンテナAUTによって送信または受信されるべき無線信号に関するデータ、例えばI/Qデータを送信および/または受信することができる。例えば、送信及び/又は受信された無線信号に関するデータは、(e)CPRIのようなデジタル通信プロトコルを介して送信することができる。送信される無線信号に関するデータは、被検査アンテナによって無線信号に変換することができる。従って、被検査アンテナAUTによって受信された無線信号は、アナログからデジタルドメインに変換されてもよい。
【0030】
さて、第1のプロセッサP1は、例えばIQデータの形で、無線信号に関するデータを第2のプロセッサP2と交換することができる。このために、制御ユニットCTの第1のプロセッサP1は、制御ユニットCTの第2のプロセッサP2に通信可能に結合されていてもよく、例えば、第1のプロセッサP1から第2のプロセッサP2にIQデータを送信して、第2のプロセッサP2で解析するようにしてもよい。一方、第2のプロセッサP2は、第2のプロセッサP2によって生成されたIQデータを第1のプロセッサに送信してもよい。第1のプロセッサP1は、1つまたは複数のRFチャネルモデルに従って、DUTから受け取ったIQデータおよび/または第2のプロセッサから受け取ったIQデータをさらに処理してもよい。チャネルモデルは、周波数、距離および他の条件の関数として、無線信号伝搬を特徴付けることができる。したがって、無線機器検査装置TAが提案され、ここで、本開示全体を通して記載されるような機能を提供するように作動する制御ユニットは、該検査装置TA内に統合される。
【0031】
無線機器検査装置TAは、次に、第1のプロセッサP1および第2のプロセッサP2を含む制御ユニットCTを備える。さらに、制御ユニットCTは、クラウドプラットフォームCPからのアンテナ故障の判定の結果を受信するように作動することができる。アンテナ故障を決定するステップは、クラウドプラットフォームCPに格納された1つ以上のアンテナ故障特性に基づいてもよい。1つ以上のアンテナ故障特性は、1つ以上の複数の検査装置TAの故障特性から生じ得る。すなわち、同じまたは異なるタイプの1つまたは複数の無線機器検査装置TAは、1つまたは複数のアンテナ故障特性を記録することができ、特性は、クラウドプラットフォームCPに記憶されることができる。従って、クラウドプラットフォームCPに格納されたアンテナ故障特性は、被検査の現在のアンテナについて1つ以上のアンテナ故障、又はその可能性を判定するために使用することができる。この目的のために、1つまたは複数のアンテナ故障特性を表すデータを、クラウドプラットフォームCPから無線機器検査装置TAに、好ましくは検査装置または制御ユニットCTの第3のインターフェースI3を介して、それぞれ検索することができる。あるいは、被検査アンテナAUTによって送信および/または受信される無線信号を表す信号の少なくとも一部を、例えば、クラウドプラットフォームCPにアップロードして送信してもよい。しかしながら、両方の場合において、被検査アンテナAUTによって送信および/または受信される無線信号を表す信号は、1つまたは複数のアンテナ故障特性を表すデータと比較されてもよい。さらに別の実施形態では、特定のアンテナ故障特性は、無線機器検査装置TAの制御ユニットCTによって決定されてもよいが、他のアンテナ故障特性は、遠隔クラウドプラットフォームCPにおいて決定されてもよい。例えば、アンテナ故障についての予備チェックは、検査装置TAによって行うことができ、一方、アンテナ故障についての別のより精巧なまたは資源集約的チェックは、クラウドプラットフォームCP、例えば、クラウドプラットフォームの1つ以上のサービスを介して行うことができる。
【0032】
従って、上述の機能のうちの1つまたは複数を実行するように作動および/または構成された第1および第2のプロセッサP1、P2を備えた無線機器検査装置TAが提案される。検査装置は、例えば、検査中の無線機器へおよび/または無線機器からI/Qデータの形式で検査データを受信および/または送信するためのインターフェースI1をさらに備える。
【0033】
さらに、第1のプロセッサP1は、受信された無線信号に関連するデータ、および/またはアンテナユニット、すなわち、AUT、RUおよびDUTによって送信されるべき無線信号に関連するデータを、受信された無線信号および/または基準アンテナREAによって送信されるべき無線信号に並列に処理してもよい。例えば、複数のパイプライン又はデータパスは、場合に応じて、受信された無線信号に関するデータを処理するために、及び/又はAUT、RU、DUT及び基準アンテナREAによって送信されるように構成することができる。パイプライン又はデータパスは、受信したデータに対してフーリエ変換又は高速フーリエ変換を実行し、変換されたデータのフィルタリングを実行し、それぞれ逆フーリエ変換又は逆FFTを実行するような異なるタスクを含むことができる。さらに、第1のプロセッサP1は、基準アンテナを介して受信または送信される信号が、アナログ形式で、アナログからデジタル領域へ、またはデジタルからアナログ領域への変換を行う場合にもよい。上記タスクの対応する実装ガイドラインは、「ライアン・カストナー、ヤナーベック・マタイおよびシュテファン・ノイエンドルファー(Ryan Kastner、Janarbek Matai、and Stephen Neuendorffer)、2018-05-11によるFPGAの並列プログラミング」に記載されている場合がある。第1のプロセッサP1は、1つまたは複数の(異なる)チャネル・モデルを、受信される無線信号に、または検査対象のアンテナAUTおよび/または基準アンテナREAによって送信されるべき無線信号に適用してもよいことを理解されたい。
【0034】
VSAおよび/またはVSGを検査装置TAに統合する目的のために、VSAおよび/またはVSGの機能は、第2のプロセッサP2によって実装される。すなわち、第1のプロセッサP1によって前処理された無線信号データは、第2のプロセッサP2によって分析されてもよい。例えば、無線機器検査装置は、従って、検査対象のアンテナAUT及び/又は基準アンテナREAによって送信/受信される無線信号のエラーベクトル量、コードドメインパワー、及び/又はスペクトル平坦性を決定するのに適していてもよい。基準アンテナによって受信されるおよび/または送信される検査信号は、制御ユニットCTのインターフェースI2を介して、またはより正確に第1のプロセッサP1のインターフェースI2を介して送信される。
【0035】
図3のインターフェースI1、I2、I3は、それぞれ第1および第2のプロセッサP1、P2とは別個に示されているが、インターフェースは、それぞれ第1のプロセッサP1およびP2のインターフェースであってもよく、直接接続されてもよい、例えば、インターフェースI1、I2は、プロセッサP1のデジタルインターフェースであり、インターフェースI3は、プロセッサP2のデジタルインターフェースであると理解されるべきである。あるいは、インターフェースI2は、プロセッサP1のアナログインターフェースであってもよい。
【0036】
したがって、中央制御ユニットCT、すなわち、制御ユニットCTを有し、これは、結合された検査装置およびVSAおよび/またはVSGの機能性を提供することが提案される。これは、図および対応する説明全体に描かれているようなアーキテクチャによって達成される。本開示の一態様によれば、VSAおよび/またはVGAの1つまたは複数の機能は、ここで、無線機器検査装置TAおよび/または無線機器検査装置TAが動作可能に接続され得るクラウドプラットフォームCPに含まれる。
【0037】
図3aには、検査装置TAの別の例示的な実施形態が図示されている。図3aに示すような構成要素は、共通のハウジング又はエンクロージャ内に配置することができる。インターフェースI1、I2と、好ましくはFPGAである第1のプロセッサP1との間の接続は、並列及び/又は独立である。各インターフェースI1、I2は個々の接続と個々のプロトコルを持つことができ、例えば、第1のインターフェースI1はCPRIプロトコルを実装し、第2のインターフェースI2はJESD204Bプロトコルを実装することができる。第1のプロセッサP1の内部では、両方の接続は、個々のデータ経路DP1、DP2を含むことができる。加えて、図3aに示すように、個々のデータ経路DP1、DP2は、共通のデータ経路部分CPに接続される。共通データパス部CPは、第1のプロセッサP1と第2のプロセッサP2との間のデータ伝送に役立つ。データ経路DP1、DP2は、使用されるプロトコル、例えば、CPRI、eCPRI、JESD等に適合するように構成することができる。共通データパス部分CPは、メモリマップドレジスタ、またはAXI4などのメモリ空間とすることができる。したがって、第2のプロセッサP2への接続は、メモリマップドプロトコル(PCIe)によって実現されてもよい。データ経路DP1および/またはDP2を介して、共通データ経路部分、すなわち、それぞれのメモリにアクセスすることができ、オプションとして、データをメモリから/にストリーミングすることもできる。
【0038】
一般に、FPGAは、典型的には、小さな論理演算を実装する論理セルのアレイから成り、複数の信号規格のためにプログラムすることができる周辺I/Oによって囲まれている。
【0039】
検査装置TAのために提案されたアーキテクチャの一実施形態によれば、データ処理はFPGAによって部分的に実行される。主に、例えばインターフェースI1及び/又はインターフェースI2を介して、受信データのシリアライズ及び/又はデシリアライズ、ライン符号化、及び/又は他の動作のような下位の物理層処理が、FPGAによって実行される。従って、受信した伝送線データの処理はFPGAによって行われ、一方、例えば受信/送信された無線信号を表すデータの内容の分析のような実際のデータ処理は、第2のプロセッサによって、及び/又はクラウドプラットフォームCPの1つ以上のサービスを介して行われる。主に、すべてのペイロードデータ処理は、プロセッサP2によって、および/またはクラウドプラットフォームCPの1つ以上のサービスを介して行われる。
【0040】
例えば、VITA57.4キャリアカードを使用して、インターフェースI1を実装し、第1のプロセッサP1、好ましくはFPGAに接続することができる。さらに、VITA57.1キャリアカードは、インターフェースI2を実装し、第1のプロセッサP1に接続するために使用されてもよい。
【0041】
次に、図4を参照すると、基準アンテナREAの1つ以上のアンテナは、マルチプレクサMUXに結合されてもよい。マルチプレクサは、検査装置TAの内部で外部オンであってもよい。マルチプレクサMUXは、図4に示すように、検査装置TAのインターフェースI2に結合することができる。前ンターフェースI2は、ソフトウェア定義無線、すなわち、1つ以上の増幅器および/またはアナログ・デジタル信号変換器であってもよい。インターフェースI2は、デジタル信号プロセッサ、例えば第1プロセッサP1の一部であってもよく、好ましくはFPGAによって実現される。したがって、検査装置TAは、第1および第2のインターフェースI2に結合された第1のプロセッサP1を備える、制御ユニットCTを含んでもよい。第1のプロセッサP1は、第2のインターフェースI2を介して基準アンテナREAから受信した信号を測定し、フィルタリングし、及び/又は圧縮するようなデジタル信号処理が可能である。さらに、第1のプロセッサP1は、場合に応じて、被検査アンテナおよび/または無線ユニットRUとの第1のインターフェースを介して通信するための1つまたは複数のデジタルプロトコルに従ってデータを処理することができる。
【0042】
図3に示すように、基準アンテナREAは、アンテナアレイ内に配置された複数のアンテナを備えることができる。アンテナアレイの個々のアンテナに動作可能に接続するために、上述のようなマルチプレクサMUXを使用してもよい。複数のアンテナを使用している場合は、マルチプレクサMUXをアンテナ選択に使用することができる。このような場合、第1のプロセッサP1のインターフェースI2は、第1のプロセッサP1を介して実装されるソフトウェア定義無線であってもよい。好ましくはFPGAである。このようなインターフェースI2は、複数のRF接続を処理することができる。すなわち、複数のアンテナのための単一のインターフェースI2を設けて(1つまたは複数の可変周波数発振器、ミキサおよびフィルタのような追加のハードウェアを適用する代わりに)直接受信された無線信号をサンプリングすることができる。
【0043】
このセットアップによる利点は、正確な検査の再現性を得ることである。生成および測定されたすべての信号および取り込まれたすべてのデジタルデータは、1つの検査装置で制御される。さらなる分析に関連するデータは、互いにリンクされ、さらなる分析のためにクラウドプラットフォームCPに保存されてもよい。クラウドプラットフォームは、クラウドプラットフォーム上で実行される1つまたは複数のサービス、つまりクラウドサービスで構成することができる。クラウドプラットフォームCPはまた、受信データを記憶し、記憶したデータを検索するためのデータストアを所有してもよい。例えば、シーメンス社は、MindSphereと呼ばれるデータ処理のための複数のサービスで構成されるクラウドプラットフォームを提供する。MindSphereは、Industrial Internet of Thingsのクラウドベースの開放IoTオペレーティングシステムである。
【0044】
用語「アンテナ」として、1つまたは複数のアンテナと理解することができ、アンテナは1つまたは複数のアンテナアレイ、つまり1つのアンテナとして共に動作する複数の接続されたアンテナを含むことができることを理解する。さらに、アンテナは、被検査アンテナAUTまたは基準アンテナREAであってもよく、特にビーム成形の5G仕様による無線信号のビーム成形に好適である。アクティブアンテナ、パッシブアンテナ、アンテナアレイ、ビームフォーミング、および5Gユースケースに関する詳細は、http://www.rohde-schwarz.com/appnote/1MA286を介して検索可能な白書「ローデ・シュワルツ・アンテナ・アレイ・検査伝導および空中線:5Gへの方法」に記載されている。
【0045】
別の実施形態では、検査装置TAは、基準アンテナREAによって、被検査アンテナAUTを監視することができる。すなわち、基準アンテナREAは、被検査アンテナAUTによって放射される無線信号を受信することができる。被検査アンテナ及び基準アンテナREAの制御及び/又は監視は、制御ユニットCT内に統合される。第1及び第2のプロセッサP1、P2を備える制御ユニットであって、第1のプロセッサP1はFPGAであり、第2のプロセッサはCPU、例えば汎用CPUであることが好ましい。検査装置TAは、特定FPGAおよびCPUによって、検査データ、例えばI/Qデータを生成する役割を果たす。ここで、検査チャンバ内に位置する第2のアンテナは、基準アンテナREAとして示されているが、当該技術分野全体を通して、検査アンテナとしても知られている。
【0046】
図3及び図4の実施形態では、第1のインターフェースは、好ましくは、入力としてデジタルデータを受け取り、第2のインターフェースは、入力としてアナログ信号を受け取る。あるいは、第2のインターフェースP2は、デジタルインターフェースであり、入力としてデジタルデータを受信する。例えば、第2のインターフェースP2は、(e)CPRIのようなデジタル(フロントホール)プロトコルを介してデータを受信及び/又は送信するように作動及び/又は構成される。
【0047】
検査チャンバ内の基準アンテナおよびそのチャンバ内の被検査デバイス(DUT)のアンテナを管理する、特定5G(massive―MIMO)用の新しい単一検査デバイスアーキテクチャを有することが提案される。従って、検査ルーチンを制御するための単一のベースバンドプロセッサ(FPGA)及び単一のプロセッサを使用することができる。以前は、2つの別々の装置が使用されていた。
【0048】
さらに、自動されたエラータイプ識別を提案した。たとえば、大規模なMIMOアンテナユニットを検査する場合、データベースが作成される。データベースには、識別された(既知の)エラータイプとそのシグネチャ/プロファイルが含まれる。ここで、デバイス(DUT)を検査するときに、1つまたは複数のチャネルプロファイルが格納されているプロファイルと一致しているかどうかをチェックする。これにより、エラーの種類を自動的に識別することができる。検査装置は、クラウドプラットフォームへの接続を含んでもよい。すなわち、現在では、検査ルーチンおよびエラー署名は、クラウドプラットフォームを介して記憶および/またはアクセスすることができる。この実施形態では、例として、検査対象の無線機器が、(アクティブ)アンテナ(ユニット)または(アクティブ)アンテナの電子部品、例えば、図6および図8に示すようなSystem-On-a-Chipであってもよいので、この実施形態では、他の任意の実施形態においても同様であることが理解されるべきである。
【0049】
ここで、クラウドプラットフォームCPに移ると、クラウドプラットフォームCPはクラウドプラットフォームに関連付けられたデータストレージを構成することができる。例えば、ユーザは、被検査アンテナのある挙動をクラウドプラットフォームにおけるアンテナ故障特性として格納したい場合がある。ユーザは、検査装置を経由して、ある検査条件を受けるアンテナの挙動を記録し、このデータをクラウドプラットフォームCPにおけるあるアンテナ故障特性として送信することができる。
【0050】
また、ユーザは、1つ以上の追加のアンテナ故障特性を無線機器検査装置自体に記憶したい場合がある。この目的のために、ユーザは、無線機器検査装置に局所的に格納された1つ以上のアンテナ故障特性を更新することができる。これは、例えば、1つ以上のアンテナ故障特性の同期のための要求をクラウドプラットフォームのユーザ勘定に送信することによって行うことができる。クラウドプラットフォームCPへ及び/又はクラウドプラットフォームCPからのアンテナ故障特性の送信及び/又は受信は、第3のインターフェースI3を介して行われ得る。クラウドプラットフォームCPへの接続は、インターネットを通じて確立される可能性がある。
【0051】
次に、図5を見ると、DUTのRUの検査がより詳細に示されている。この実施形態では、RUのデジタル(データ処理)部分のみが検査中である。RUは、システム・オン・チップ(SoC)を備えることができる。また、RRHと表記されるRUの例示的な実施は、「遠隔無線ヘッドおよび4Gネットワークに向かう進展、クリスティアン・F・ランザニー、ゲオルギオス・カルダラス、デエパック・ボッパナ(Lanzani、Georgios Kardaras、Deepak Boppana)」による、http://www.mtimobile.com/wpcontent/uploads/2012/10/radiocomp_altera_MWC_white_paper2.pdfに示されているSoCを使用する。
【0052】
デジタルアップリンクおよび/またはダウンリンク無線信号は、デジタルデータパスに沿って送信され、データパスは、例えば、RUのSoCを含む。すなわち、無線信号を表すデジタル信号は、RUのSoC及び検査装置TAの第1のインターフェースI1を介して受信及び/又は送信される。1つ以上の検査ベクトルとしても表記され得るこれらのデジタル信号は、検査装置の第1および/または第2のプロセッサによって生成される。通常の動作では、デジタル信号はRUのSoCからアンテナユニットの1つまたは複数のアンテナに転送される。ここで、RUの適切な機能を検査する目的で、信号は、特に検査装置TAの第2のインターフェースを介して、検査装置TAに戻される。このために、いくつかのオプションを使用できる。RUのSoCがプリント回路基板(PCB)上に組み立てられるにつれて、PCBの接点パッドは、SoCによって処理されたデジタル信号を検査装置TAに戻すために使用されてもよい。まず、検査中のRUのプリント回路基板(PCB)の連絡パッド、すなわち、DUTに結合するための特定のインターフェース(回路基板上の連絡パッドの幾何学的配置に適合された)を有するプローブを提供することが提案される。すなわち、DUTは、PCBの1つ以上のキャパシタに容量結合、すなわちAC結合の代わりに、接続ケーブルを介して接触パッドに、すなわち物理的接触によって、検査装置を直接結合することが提案される。これにより、容量結合が接触パッドから接続ケーブルに直接生じる。言い換えると、接触パッド間のDC結合(AC結合に反する)と、DUTを検査装置に接続する接続ケーブルを提案した。これにより、ACカップリング・フィルタの影響を回避するため、容量性ノイズが少なくなる。2番目に、PCBの接触パッドへのDC結合に加えて、DUTと検査装置TAの間に光接続リンクを使用することが提案されている。これは、通常のワイヤベースの測定プローブと比較した時、信号歪みがより少なくなる。第3に、光トランシーバは、例えば、スモールフォームファクタ、SPF、トランシーバモジュールによって、PCBの接点パッドへの電気的接続に近づけることができる。この場合も、信号の歪みが少なくなる。上記のすべてを1本の測定プローブにまとめて、被検査物に接続することができる。DUTのPCBの接触パッドでピックアップされたデジタル信号は、検査装置TAに送信することができる。入力されるデジタル信号は、第2のインターフェースI2を介して検査装置によって受信することができる。
【0053】
図6から分かるように、被検査RUは、アンテナユニットを含んでもよく、または、アンテナユニットに結合されてもよい。アンテナユニットは、上述のように、1つまたは複数のアンテナを備えることができる。アンテナユニットを介して受信された無線信号は、アナログフロントエンドAFEに送信され得、そこから、無線信号がRUのSoCにさらに送信される。SoCは、AFEに結合するための第1のプロトコルインターフェースIF1を含んでもよい。AFE又はプロトコルインターフェースのいずれかは、入力信号を処理するための1つ又は複数のアナログ-デジタル-コンバータを備えることができる。続いて、デジタル信号は、デジタルフロントエンド、DFEによって処理され得る。例示的なデジタルフロントエンドの機能の詳細は、http://www.ti.com/lit/ug/spruhx8a/spruhx8a.pdfから検索可能な、「デジタルフロントエンド(DFE)キーストーンIIデバイス用ユーザーガイド、ユーザーズガイド、文献番号:SPRUHX8A 2014年7月-2015年4月改訂版」に記載されている。DFEは、第2のプロトコルインターフェースIF2を介してデータを出力することができる。ここでは、(e)CPRIのような機能分割によるプロトコルを使用することができる。代わりに、JESD204Bのような別のデジタルプロトコルを使用して、第1のインターフェースI1を介してRUを検査装置TAに通信可能に結合してもよい。
【0054】
好ましくは上述のように、プローブは、検査信号を受信または送信するために、例えばPCBの接触パッドを介して、アナログおよびデジタルフロントエンド(AFE/DFE)の間に取り付けられてもよい。典型的には、AFEとDFEとの間のインターフェースにおいて既にJESD204B/Cプロトコルのようなデジタルプロトコルが採用されている。接触パッドとプローブとの間の結合は、AC結合でもDC結合でもよいが、上記のDC結合で提案されているように、ある種の利点がある。
【0055】
図7に示されるような代替実施形態では、SoC内部ループバックが検査目的のために使用されてもよい。その場合、SoCは、検査装置TAの第1のインターフェースI1および第2のインターフェースI2に動作可能に接続されてもよい。この目的のために、フォワードランでの処理データを可能にする、例えば、SoCを介して検査装置TAからの処理データを可能にし、処理されたデータが、SoCの別のまたは同じインターフェースIF2を介して検査装置TAに戻されることを可能にする、SoC内のデータパスが確立される。したがって、アンテナユニットとSoCとの間で処理された信号をピックアップするためのプローブは不要である。そして、処理されたデータは、第2のインターフェースI2を介して検査装置TAによって受信されてもよい。フォワードランでのデータ伝送には、検査装置TAのインターフェースI1を使用し、リターンパスでのデータ伝送には、検査装置のインターフェースI2を使用することができる。
【0056】
図8は、図7に関連して説明したように、SoC内にフィードバックループを含むデータ経路のより詳細な図を示す。このシナリオでは、図5及び図6と同様に、検査中の無線機器、すなわち、DUTは、RU、より詳細には、SoC、又はRUの幾つかの他のデジタルデータ処理構成要素であってもよい。RUは、上述のように、アンテナユニットに結合されてもよく、または、アンテナユニットは、RUの一体部分であってもよい。したがって、アンテナユニットは、同一のエンクロージャ内に配置されてもよい。フィードバックループは、インターフェースIF2、DFE、及びインターフェースIF1(そのようなインターフェースが存在する場合)を順走で備えることができる。SoCのインターフェースIF1に到着した信号は、再びDFEおよびインターフェースIF2を介してリターンパスを介して返信されてもよい。信号は、フォワードランのみで処理され、信号を検査装置に送信し戻すために、DFEを通してループされることが理解されるべきである。さて、インターフェースI2を介して検査装置TAでデータ信号を受信する代わりに、データ信号が、インターフェースI2を介して検査装置TAから送信されてもよい。次いで、これらのデジタル信号は、RUのSoCによって処理され、第1のインターフェースI1を介して再び検査装置TAに送信されてもよい。
【0057】
図9には、無線機器検査システムのさらに別のセットアップが示されている。この場合、基準アンテナREAは、RUおよびアンテナユニットを備える。したがって、基準アンテナREAは、アクティブアンテナであってもよい。したがって、被検査デバイスDUTおよび基準アンテナREAを示す例では、構造が同一であってもよく、同じ検査チャンバ内に配置されてもよい。上述の例で説明したように、DUTは、検査装置TAの第1のプロセッサP1の第1のインターフェースP1に接続され、一方、基準アンテナは、アクティブアンテナであり、検査装置の制御ユニットの第2のインターフェースP2に接続される。より具体的には、DUTは制御ユニットCTの第1のプロセッサP1の第1のインターフェースに接続され、基準アンテナは制御ユニットCTの第2のインターフェースに接続される。
【0058】
従って、全ての後の装置が検査される黄金ユニットとして(検査された)基準アンテナREAを使用することも可能である。ゴールデンユニットまたはゴールデン装置は、後のすべての装置が検査され、判定される装置(測定単位など)の理想的な例である。「黄金色」という用語は、標準仕様に対する装置の精度を表すために使用される。この検査方法は、検査を行うためにアナログRF路が必要な場合に特に有用であり、検査目的に適した検査機器を利用できるものはない。
【0059】
ここで、単一の無線機器検査装置によって無線機器を検査する例示的な方法ステップが示されている図10を参照する。本方法は、図1乃至図9の1つに図示されるように、検査セットアップ、すなわち検査システムによって実行されてもよい。ただし、以下のような方法ステップを実行することにより、他のセットアップも可能である。
【0060】
第1のステップS1では、無線機器検査装置の制御ユニットの第1のインターフェースを介して、検査チャンバ内の被検査アンテナを制御および/または監視することができる。第2のステップS2では、無線機器検査装置の制御ユニットの第2のインターフェースを介して基準アンテナを制御及び/又は監視することができる。
【0061】
ここで制御することは、検査装置による、例えばIQデータの形式の無線信号の受信および/または送信を含むことができるが、これらに限定されない。監視は、例えばIQデータの形式で受信および/または送信された無線信号(またはそのデジタル表現)を検査装置によって保存および/または表示することを含むが、これらに限定されない。監視は、検査装置によって受信および/または送信された無線信号を、例えば無線信号の信号点配置点の1つ以上の閾値と比較することをさらに含むことができる。
【0062】
単一の検査装置として、被検査アンテナの挙動を生成および測定/分析するための中央制御が提供される。従って、例えば複数のベンダーによる複数の装置の使用による不規則性を避けて、均一な検査行程を実行することができる。また、複数の装置が信号処理に付随する場合、及び/又は対応しない可能性のある複数の設定オプションに起因する複数の特性を有する場合がある。
【0063】
次に、図11を参照すると、単一の無線機器検査装置によって無線機器を検査する更なる例示的な方法ステップが示されている。送信アンテナとして検査対象のアンテナを動作させるステップS3が実行されてもよく、制御ユニットの第1のインターフェースは、I/Qデータの送信を可能にする1つまたは複数のデジタルポートを含むことが好ましい。さらに、基準アンテナを受信アンテナとして動作させるステップS4を実行することができ、ここで、制御ユニットの第2のインターフェースは、RF信号を受信することを可能にするRF入出力ポートを含む。
【0064】
第1のインターフェースおよび/または第2のインターフェースは、第1のプロセッサ、好ましくはFPGAの、I/Oブロックとしても知られる1つまたは複数のI/Oセルを含んでもよい。I/Oセルのうちの1つ以上は、第1のプロセッサの内部回路と、被検査アンテナおよび/または基準アンテナの(サンプリングされた)無線信号との間のインターフェースを提供してもよい。1つまたは複数のI/Oセルは、プログラマブルであってもよく、双方向バッファ、フリップフロップまたはマルチプレクサのような論理回路、および配線リソースを含んでもよい。
【0065】
例えば、第1動作モード(検査用)が存在してもよく、その間、制御ユニットは、被検査アンテナを送信アンテナとして動作させるように動作し、制御ユニットの第1インターフェースは、例えば、被検査アンテナおよび/または検査チャンバと一体化されたRUへのI/Qデータの送信を可能にするデジタルポートを含み、その間、制御ユニットは、基準アンテナを受信アンテナとして動作させるように動作し、制御ユニットの第2インターフェースは、RF信号、特に、RF I/Oポートを受信可能にするRF I/Oポートを含み、その間、例えば、ケーブルによって、基準アンテナに動作的に結合することによって、導電性測定を可能にする。
【0066】
第1プロセッサと第2プロセッサとの間のインターフェースは、バスまたはスイッチを介して、例えば、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト・エクスプレス、RapidIO、シリアルペリフェラル・インターフェース(SPI)インターフェースまたはカスタム・ブリッジによって実現することができる。これは、第1または第2のプロセッサにそれぞれデータをアンロードする前処理および/または後処理することによって、性能およびコストを最適化することを可能にする。
【0067】
さらに、単一のFPGAを使用することにより、第1および第2のインターフェースを介して受信したデータを共処理するために、専用のFPGAリソースを作成することができる。また、単一の制御ユニット又は単一の検査装置は、無線機器検査を実施するための検査システムのための低減された設計を可能にする。
【0068】
制御ユニット、特に、第1のプロセッサは、被検査アンテナによって続いて送信されるデジタル検査信号を生成するように構成されてもよく、送信機検査モード、すなわち、第1の動作モードの間、基準アンテナを介して受信するように構成されてもよい。
【0069】
次に、図12を参照すると、単一の無線機器検査装置によって無線機器を検査する更なる例示的な方法ステップが示されている。受信アンテナとして被検査アンテナを動作させるステップS5が実行されてもよく、制御ユニットの第1のインターフェースは、I/Qデータの受信を可能にするデジタルポートを含む。基準アンテナを送信アンテナとして作動させるステップS6において、送信アンテナとして実行することができ、ここで、制御ユニットの第2のインターフェースは、RF信号を送信することを可能にするRF入出力ポートを含む。例えば、FPGAからのIQデータをRF信号に変換するために必要な、基準アンテナを駆動するための、あるいはその周りの他の方法のための、アナログデジタル変換器(ADC)、またはデジタルアナログ変換器(DAC)が存在する。
【0070】
次に、図13を参照して、単一の無線機器検査装置によって無線機器を検査する更なる例示的な方法ステップを説明する。任意に、1つまたは複数のアンテナ故障特性および/または1つまたは複数の無線チャネルモデルを記憶ユニットに記憶するステップS7を実行することができる。記憶ユニットは、検査装置の筐体またはハウジング内にあってもよく、または、記憶ユニットを構成するクラウドプラットフォームに接続されてもよい。第1のインターフェース及び/又は第2のインターフェースを介して受信された無線信号、及び/又は記憶ユニットから受信された1つ以上のアンテナ故障特性に基づいて、被検査アンテナのアンテナ故障を判定するステップS8を実行することができる。例えば、記録された周波数スペクトルは、被検査アンテナの故障特性として機能することができる。例示的な、アンテナ故障特性が、図16に示される。
【0071】
さらに、制御ユニットが、受信アンテナとして被検査アンテナを作動させるように動作する第2の動作モード(検査のための)が存在してもよく、制御ユニットの第1のインターフェースは、例えば、被検査アンテナおよび/または検査チャンバと一体化された遠隔無線ヘッドからのI/Qデータの受信を可能にするデジタルポートを備え、そして、制御ユニットは、基準アンテナを送信アンテナとして動作させるように作動し、制御ユニットの第2のインターフェースは、例えばケーブルを介して、基準アンテナに動作可能に結合することによって、RF信号、特に、RF検査信号の送信を可能にするRF入出力ポートを可能にするRF入出力ポートを備える。
【0072】
特定の実施形態では、制御ユニットは、特に、第1のプロセッサは、受信機検査モード中に、1つまたは複数の基準アンテナを介してRF検査信号を被検査アンテナに送り、すなわち、第2の動作モード中に、制御ユニットによって分析されるデジタル信号を生成するように構成される。
【0073】
FPGA内のデジタル信号処理の主な利点は、システム要件に合わせてインプリメンテーションを調整できることである。つまり、複数チャンネルまたは高速システムでは、FPGA内の並列性を利用してパフォーマンスを最大限に高めることができる。複数のチャネル、すなわち、被検査アンテナおよび基準アンテナへとの間で送受信される可能性が高く、各チャネルで同様の処理が行われる。
【0074】
データや係数の記憶にはメモリが必要である。これは、FPGA内部のRAMとROMが混在している場合がある。RAMはデータサンプルに使用され、サイクリックRAMバッファを使用してインプリメントされる。ワード数はフィルタタップ数と等しく、ビット幅はサンプルサイズで設定する。係数にはROMが必要である。
【0075】
第2のプロセッサは、RF検査信号を送受信するように構成された無線周波数信号発生器および分析器として機能することができる。
【0076】
第1のプロセッサと第2のプロセッサは、チップ間インターフェースを介して通信可能に結合されてもよい。第1のプロセッサは、FPGAであってもよく、第2のプロセッサに対するコプロセッサとみなすことができる。制御ユニットは、第1のプロセッサに通信可能に結合された第2のプロセッサ、好ましくはCPUを備えることができる。
【0077】
次に、図14を参照すると、単一の無線機器検査装置によって無線機器を検査する更なる例示的な方法ステップが示されている。検査装置によって、例えば検査装置の制御ユニットの第1のインターフェースを介して、被検査アンテナによって送信および/または受信される無線信号を表す信号を受信するステップS9が実行される。これは、検査装置の作動中に行われてもよい。続いて、受信された信号の周波数スペクトル又はデジタル表現、例えばI/Qデータを決定するステップS10が実行される。好ましくは、無線信号は、最初にサンプリングされ、IQデータに変換され、1つまたは複数の無線チャネルモデルに従って処理される。周波数、距離および/または他の条件の関数としての電波伝搬を表す1つまたは複数の無線チャネルモデル。サンプリングされた無線信号の処理は、検査装置の制御ユニットの第1のプロセッサによって実行されることが好ましい。処理された無線信号は、続いて、検査装置の制御ユニットの第2のプロセッサに転送されてもよい。続いて、好ましくは記憶ユニットから受信された1つ以上のアンテナ故障特性に基づいて、受信された信号の周波数スペクトル及び/又はデジタル表現の少なくとも一部を、例えばI/Qデータの形式で分析するステップS11を実行することができる。例えば、記録された周波数スペクトルは、被検査アンテナの故障特性として機能することができ、受信された無線信号に基づいて決定された周波数スペクトルと比較することができる。次いで、分析は、分析の結果を受け取るために、2つの周波数スペクトル又は少なくとも1つ以上の部分を互いに比較することを含むことができる。結果として、アンテナ故障の判定の結果を受信するステップS12を実行することができる。例えば、その結果は、被検査アンテナの検査を実施または監督するユーザに提示することができる。提示は、例えば、ディスプレイ上の表示、特に検査装置またはハンドヘルドのような別の制御ユニットによって行うことができる。加えて、または代替的に、結果は、メモリ、例えば、上述の記憶ユニットに記憶されてもよい。
【0078】
図16は、アンテナの例示的なパワースペクトルを示す。無線信号のパワースペクトルは、例えば基準アンテナによって受信される信号の振幅(y軸)、およびそれぞれの帯域幅(x軸)、すなわち周波数の関数として示される。「合格」の場合に見られるように、パワースペクトルは、上限閾値及び下限閾値内に存在する。閾値は、図16に示されるように破線によって表されるのに対して、パワースペクトルは、連続線として示される。1つ以上の上限閾値及び下限閾値は、アンテナの適切な機能を識別するため、及び/又はアンテナ故障を識別するために役立つことができる。「不合格」の場合、被検査アンテナのパワースペクトルは、アンテナの所望の周波数応答の外に存在する。したがって、アンテナ故障が判定され、対応する指示が検査装置によって出力されてもよい。このように、1つ又は複数の閾値は、アンテナ故障特性を識別し、それによって受信した無線信号に基づいて特定のアンテナ故障を識別する役割を果たすことができる。例えば、アンテナアレイのアンテナ素子間の位相誤差を決定するために、1つ以上の閾値を使用することができる。振幅誤差及び/又はタイミング及び/又は周波数誤差のような他のアンテナ故障も同様に決定することができる。アンテナの故障は、例えば、ある許容誤差及び/又は熱又は他の影響に起因する、製造プロセスに起因することがある。
【0079】
前述の説明および添付の図面は、本明細書で教示される方法および装置の非限定的な実施例を表すことが理解されるであろう。そのように、本明細書に教示される装置および技術は、前述の説明および添付図面によって制限されない。

図1
図2
図2a
図3
図3a
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16