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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】木質梁接合構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/26 20060101AFI20230314BHJP
   E04B 1/30 20060101ALI20230314BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
E04B1/26 G
E04B1/30 E
E04B1/58 508L
E04B1/58 508N
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019002329
(22)【出願日】2019-01-10
(65)【公開番号】P2020111930
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】花井 厚周
(72)【発明者】
【氏名】麻生 直木
(72)【発明者】
【氏名】金田 崇興
(72)【発明者】
【氏名】竹内 満
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-123628(JP,A)
【文献】特開2014-109150(JP,A)
【文献】特開2018-138743(JP,A)
【文献】特開平08-270076(JP,A)
【文献】特開平10-140658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/18、1/21、1/24、1/26、1/30
E04B 1/38-1/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨部とコンクリート部とで構成された柱梁仕口部と、
第一梁端部から突出する棒状部材が前記コンクリート部に埋設されて前記鉄骨部に締結され前記柱梁仕口部に接合された第一木質梁と、
前記柱梁仕口部の前記コンクリート部に形成された凸部と、
前記第一梁端部に設けられ、前記凸部が係合する凹部と、
を備えた木質梁接合構造。
【請求項2】
前記鉄骨部は、平面視において、前記第一木質梁と交差する交差方向に突出する突出部を有し、
前記突出部に、前記交差方向に沿って配置された第二木質梁の第二梁端部が接合されている、
請求項1に記載の木質梁接合構造。
【請求項3】
前記突出部は、間隔をあけて設けられた二枚の突出板部を有し、
前記第二梁端部は、二枚の前記突出板部の間に挿入されて接合されている、
請求項2に記載の木質梁接合構造。
【請求項4】
前記柱梁仕口部の上下に接合される木質の上側柱及び下側柱は、前記鉄骨部に接合されている、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の木質梁接合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木質梁接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、柱梁架溝の接合構造に関する技術が開示されている。この先行技術では、木質の柱材と梁材との仕口部にボックス金物を設け、このボックス金物と柱材及び梁材とをボルト締結している。
【0003】
特許文献2には、木質部材接合構造に関する技術が開示されている。この先行技術では、木質梁の端面から突出する棒状部材がコンクリート柱の仕口部に接合されている。仕口部は、鉄骨材又はコンクリートで構成されている。
【0004】
特許文献3には、木質の柱部材と木質の梁部材とを接合した柱梁接合構造に関する技術が開示されている。この先行技術では、コンクリートで構成された仕口部の側端面から梁部材と接続するためのH型鋼等の突出金物が突出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-63587号公報
【文献】特開2018-123628号公報
【文献】特開2015-218463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2では、柱梁仕口部は鉄骨部及びコンクリートのいずれか一方で構成されている。これに対して、特許文献3では、コンクリートで構成された柱梁仕口部にはH型鋼等の突出金物が埋設されているので、柱梁仕口部が高剛性化している。しかし、特許文献3の技術では、柱梁仕口部からH型鋼等の突出金物を突出させる必要があると共に突出金物に木質梁を接続させる必要があり、施工性に改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記事実に鑑み、柱梁仕口部を高剛性化すると共に、柱梁仕口部に木質梁を容易に接合することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一態様は、鉄骨部とコンクリート部とで構成された柱梁仕口部と、第一梁端部から突出する棒状部材が前記柱梁仕口部に接合された第一木質梁と、を備えた木質梁接合構造である。
【0009】
第一態様では、柱梁仕口部を鉄骨部とコンクリート部で構成することで柱梁仕口部が高剛性化される。また、第一梁端部から突出する棒状部材を柱梁仕口部に接合することで、第一木質梁を柱梁仕口部に容易に接合することができる。
【0010】
第二態様は、前記鉄骨部は、平面視において、前記第一木質梁と交差する方向に突出する突出部を有し、前記突出部に、第二木質梁の第二梁端部が接合されている、第一態様の木質梁接合構造である。
【0011】
第二態様では、鉄骨部の突出部に第二木質梁の第二梁端部を接合することで、第一木質梁と交差する方向に第二木質梁を柱梁仕口部に容易に接合することができる。
【0012】
第三態様は、前記柱梁仕口部及び前記第一梁端部の一方に設けられた凸部と、前記柱梁仕口部及び前記第一梁端部の他方に設けられ、前記凸部が係合する凹部と、を備えた第一態様又は第二態様の木質梁接合構造である。
【0013】
第三態様では、凸部及び凹部で第一梁端部と柱梁仕口部との間でせん断力を伝達するので、棒状部材でせん断力を伝達する場合よりも、大きなせん断力を伝達することができる。
【0014】
第四態様は、前記柱梁仕口部の上下に接合される上側柱及び下側柱は、前記鉄骨部に接合されている、第一態様~第三態様のいずれかの木質梁接合構造である。
【0015】
第四態様では、鉄骨部とコンクリート部とで構成された柱梁仕口部の上下に接合される上側柱及び下側柱を、鉄骨部に接合することで、上側柱と下側柱との間の軸力伝達力及び曲げ応力伝達力の両方が向上する。
【0016】
第五態様は、前記棒状部材は、前記柱梁仕口部を構成する前記鉄骨部に締結されている、又は、前記柱梁仕口部を構成する前記コンクリート部に定着されている、第一態様~第四態様のいずれかの木質梁接合構造である。
【0017】
第五態様では、棒状部材が柱梁仕口部を構成する鉄骨部に締結されている場合は、棒状部材に作用する引張力を柱梁仕口部に効果的に伝達することができる。また、棒状部材が柱梁仕口部を構成するコンクリート部に定着されている場合は、第一梁端部のレベル調整等の位置調整が容易である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、柱梁仕口部を高剛性化すると共に、柱梁仕口部に木質梁を容易に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第一実施形態の木質梁接合構造のX方向に沿った縦断面図である。
図2】第一実施形態の木質梁接合構造の鉄骨部、下側柱及び第一木質梁の斜視図である。
図3図1の3-3線に沿った水平断面図である。
図4】第一変形例の図3に対応する水平断面図である。
図5】第二変形例の図3に対応する水平断面図である。
図6】第三変形例の図3に対応する水平断面図である。
図7】第四変形例の図3に対応する水平断面図である。
図8】第二実施形態の木質梁接合構造の鉄骨部、下側柱、第一木質梁及び第二木質梁の図2に対応する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態の木質梁接合構造について説明する。なお、水平方向の直交する2方向をX方向及びY方向とし、それぞれ矢印X及び矢印Yで示す。また、X方向及びY方向と直交する鉛直方向をZ方向とし、矢印Zで示す。
【0021】
[構造]
先ず、本実施形態の構造について説明する。
【0022】
図1図2及び図3に示すように、本実施形態の木質梁接合構造10が適用されてX方向に沿った第一木質梁30が柱梁仕口部100に接合されている。なお、図2では、後述する鉄骨部110の構成を判りやすくするため、後述するコンクリート部190及び上側柱24の図示を省略し、第一木質梁30は接合前の状態で図示している。
【0023】
柱梁仕口部100は、鉄骨部110と、鉄骨部110の周囲に形成されたコンクリート部190(図1及び図3参照)と、で構成されている。
【0024】
鉄骨部110は、H形鋼で構成された支持部120と、支持部120の上下に接合された接合板部112、114(図1及び図2参照)と、で構成されている。本実施形態のコンクリート部190(図1及び図3参照)は、柱梁仕口部100の鉄骨部110の周囲に、上下の接合板部112、114(図1及び図2参照)の上下の板面112A、114A(図1及び図2参照)が露出するように、型枠を設けコンクリートを打設して形成されている。
【0025】
柱梁仕口部100のX方向の側部100A(図1及び図3参照)に第一木質梁30が接合され、柱梁仕口部100の上部及び下部に木質柱20(図1及び図2参照)を構成する下側柱22(図1及び図2参照)と上側柱24(図1参照)とが接合されている。
【0026】
第一木質梁30の第一梁端部32から棒状部材の一例としての全ねじボルト50が突出し、突出した全ねじボルト50は鉄骨部110におけるH形鋼で構成された支持部120のフランジ部122にナット53を用いて締結されている。また、下側柱22の柱端部23及び上側柱24の柱端部25からも棒状部材の一例としての全ねじボルト50が突出し、突出した全ねじボルト50は鉄骨部110における上下の接合板部112、114にナット53を用いて締結されている。
【0027】
本実施形態では、全ねじボルト50は、下側柱22の柱端部23(図1参照)、上側柱24の柱端部25(図1参照)及び第一木質梁30の第一梁端部32のそれぞれに形成された挿入穴52に挿入されている。
【0028】
そして、挿入穴52に接着剤等の充填材G(図1及び図3参照)が充填され硬化することで、下側柱22の柱端部23(図1参照)、上側柱24の柱端部25(図1参照)及び第一木質梁30の第一梁端部32と、全ねじボルト50と、が接合されている。また、本実施形態の挿入穴52には、拡径部54が形成され、拡径部54にも充填材G(図1及び図3参照)が充填されている。
【0029】
また、図1及び図3に示すように、本実施形態では、柱梁仕口部100のコンクリート部190には凸部192が形成され、第一梁端部32には凸部192が係合する凹部34が形成されている。
【0030】
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0031】
柱梁仕口部100を鉄骨部110とコンクリート部190とで構成することで、柱梁仕口部100を高剛性化することができる。また、第一木質梁30の第一梁端部32から突出する全ねじボルト50を柱梁仕口部100に接合することで、第一木質梁30を柱梁仕口部100に容易に接合することができる。
【0032】
また、第一梁端部32から突出する全ねじボルト50は、柱梁仕口部100を構成する鉄骨部110のH形鋼で構成された支持部120のフランジ部122に締結されているので、全ねじボルト50に作用する引張力を柱梁仕口部100に効果的に伝達することができる。
【0033】
なお、第一梁端部32から突出する全ねじボルト50を、柱梁仕口部100を構成するコンクリート部190に埋設させて接合してもよい。この場合、第一梁端部32のレベル調整等の位置調整が容易である。
【0034】
また、柱梁仕口部100のコンクリート部190に設けられ凸部192が第一梁端部32に設けられた凹部34に係合することで、第一梁端部32と柱梁仕口部100との間でせん断力が効果的に伝達される。よって、凸部192及び凹部34が無く、全ねじボルト50でせん断力を伝達する比較例の場合よりも、大きなせん断力を効果的に伝達することができる。
【0035】
また、鉄骨部110とコンクリート部190とで構成された柱梁仕口部100の上下に接合する上側柱24及び下側柱22を、鉄骨部110の接合板部112、114に接合することで、上側柱24と下側柱22との間の軸力伝達力及び曲げ応力伝達力の両方が向上する。
【0036】
また、本実施形態では、全ねじボルト50が挿入されている挿入穴52には、拡径部54が形成されている。よって、拡径部54に充填された充填材Gは、挿入穴52から全ねじボルト50が引き抜かれる引抜き力に抵抗する引抜き抵抗部として機能する。これにより、下側柱22の柱端部23、上側柱24の柱端部25及び第一木質梁30の第一梁端部32と、全ねじボルト50との接合強度が高められる。そして、この結果、下側柱22の柱端部23、上側柱24の柱端部25及び第一木質梁30の第一梁端部32と、柱梁仕口部100との接合強度が高められる。
【0037】
<変形例>
次に、柱梁仕口部の変形例について説明する。
【0038】
[第一変形例]
図4に示す第一変形例の柱梁仕口部101は、鉄骨部130と、鉄骨部130の周囲に形成されたコンクリート部190と、で構成されている。鉄骨部130は、板面がY方向に沿った第一板材134に板面がX方向に沿った第二板材136が平面視で十字状になるように接合された支持部132と、この支持部132の上下に接合された接合板部112、114(図1及び図2参照)と、で構成されている。第一木質梁30の第一梁端部32から突出する全ねじボルト50は、鉄骨部130の支持部132を構成する第一板材134に締結されている。
【0039】
[第二変形例]
図5に示す第二変形例の柱梁仕口部102は、鉄骨部140と、鉄骨部140の周囲に形成されたコンクリート部190と、で構成されている。鉄骨部140は、円筒状の支持部142と、この支持部142の上下に接合された接合板部112、114(図1及び図2参照)と、で構成されている。第一木質梁30の第一梁端部32から突出する全ねじボルト50は、端部に定着部材55が設けられ、柱梁仕口部102のコンクリート部190に定着されている。
【0040】
[第三変形例]
図6に示す第三変形例の柱梁仕口部103は、鉄骨部150とコンクリート部194とで構成されている。鉄骨部150は、支持部152と鋼管部154と接合板部112、114(図1及び図2参照)とで構成されている。
【0041】
支持部152は、面がY方向に沿った第一板材134に板面がX方向に沿った二枚の第二板材136が平面視でY方向に間隔をあけて平行に並んで配置されて接合されて構成されている。鋼管部154は、矩形管状とされ、柱梁仕口部103の外周部を構成している。そして、接合板部112、114(図1及び図2参照)は、鋼管部154及び支持部152の上下に接合されている。
【0042】
コンクリート部194は、鋼管部154内にコンクリートを充填しコンクリートが固化することで形成されている。支持部152は鋼管部154内に配置され、コンクリート部194に埋設されている。また、鋼管部154には、挿通孔155が形成されている。
【0043】
そして、第一木質梁30の第一梁端部32から突出する全ねじボルト50は、鋼管部154の挿通孔155を挿通し、支持部152を構成する第一板材134に締結されている。
【0044】
また、鋼管部154には、凸部156が設けられ、第一梁端部32に設けられた凹部34に係合することで、第一梁端部32と柱梁仕口部103との間でせん断力を伝達している。
【0045】
[第四変形例]
図7に示す第四変形例の柱梁仕口部104は、鉄骨部160とコンクリート部194とで構成されている。鉄骨部160は、支持部162と鋼管部154と接合板部112、114(図1及び図2参照)とで構成されている。支持部162は、複数(本例では四本)の支持材164(本例では鋼管)で構成されている。接合板部112、114(図1及び図2参照)は、鋼管部154及び支持部162(支持材164)の上下に接合されている。
【0046】
そして、第一木質梁30の第一梁端部32から突出する全ねじボルト50は、鋼管部154の挿通孔155を挿通し、端部に定着部材55が設けられ、コンクリート部194に埋設され定着されている。
【0047】
なお、支持部162の支持材164は、本例では鋼管で構成されていたが、鋼管以外、例えば、C形鋼で構成されていてもよい。
【0048】
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態の木質梁接合構造について説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0049】
[構造]
先ず、本実施形態の構造について説明する。
【0050】
図8に示すように、本実施形態の木質梁接合構造12が適用されてX方向に沿った第一木質梁30及びY方向に沿った第二木質梁230が、柱梁仕口部200に接合されている。
【0051】
柱梁仕口部200は、鉄骨部210と、鉄骨部210の周囲に形成された図示されていないコンクリート部(図1及び図3を参照)と、で構成されている。
【0052】
鉄骨部210は、H形鋼で構成された支持部120と、支持部120の上下に接合された接合板部112、114と、を有している。更に、本実施形態では、鉄骨部210における支持部120のフランジ部122に、Y方向に延びる突出部の一例としての二枚の突出板部222が接合されている。なお、本実施形態の突出板部222は、コンクリート部(図1及び図3参照)からY方向に突出している。
【0053】
柱梁仕口部200のX方向の側部100A(図1及び図3参照)に第一木質梁30が接合され、柱梁仕口部200の上部及び下部に木質柱20(図1及び図2参照)を構成する下側柱22(図1及び図2参照)と上側柱24(図1参照)とが接合されている。
【0054】
更に、本実施形態では、Y方向に沿った第二木質梁230の第二梁端部232が二枚の突出板部222の間に挿入され、ドリフトピン56によって接合されている。
【0055】
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0056】
本実施形態は、第一実施形態と同様の作用及び効果を有する。
【0057】
更に、本実施形態では、鉄骨部210の突出板部222にY方向に沿った第二木質梁230の第二梁端部232を接合することで、X方向に沿った第一木質梁30と直交する方向に第二木質梁230を柱梁仕口部200に容易に接合することができる。
【0058】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されない。
【0059】
上記第二実施形態では、第二木質梁230は柱梁仕口部200のY方向の一方側にのみ接合されていたが、これに限定されない。Y方向の他方側にも突出板部222を設けて、柱梁仕口部200のY方向の一方側と他方側の両方に第二木質梁230が接合されていてもよい。
【0060】
また、上記第二実施形態では、突出部は二枚の突出板部222で構成されたが、これに限定されない。一枚の突出板部でもよいし、筒状や棒状の突出部であってもよい。また、第一実施形態の第一変形例~第四変形においても、Y方向に突出する突出部を設けて第二木質梁230を接合してもよい。
【0061】
また、例えば、上記実施形態及び変形例では、第一梁端部32は柱梁仕口部100、101、102、103、104、200のX方向の一方側にのみ接合されていたが、これに限定されない。第一梁端部32は、柱梁仕口部100、101、102、103、104、200のX方向の一方側と他方側の両方に接合されていてもよい。
【0062】
また、例えば、上記実施形態及び変形例では、柱梁仕口部100、101、102、103、104、200に凸部156、192を設け、第一木質梁30の第一梁端部32に凹部34を設けたが、これに限定されない。柱梁仕口部側に凹部を設け第一梁端部側に凸部を設けてもよい。或いは、別のせん断力伝達機構でせん断力を伝達してもよい。更に、凸部及び凹部等のせん断力伝達機構が設けられていなくてもよい。
【0063】
また、例えば、上記実施形態及び変形例では、全ねじボルト50が挿入されている挿入穴52には、拡径部54が二つ形成されていたが、これに限定されない。拡径部54は、一又は三以上形成されていてもよい。或いは、全ねじボルト50の定着長が長い等の場合は、拡径部54が形成されていなくてもよい。
【0064】
また、例えば、上記実施形態及び変形例では、第一梁端部32から突出する棒状部材は、全ねじボルト50であったが、これに限定されない。アンカーボルト等の他の棒状部材が突出していてもよい。
【0065】
また、例えば、上記実施形態及び変形例では、上側柱24及び下側柱22は、接合板部112、114に接合されていたが、これに限定されない。例えば、接合板部112、114以外の鉄骨部に接合されていてもよいし、コンクリート部に接合されていてもよい。
【0066】
また、例えば、上記実施形態及び変形例では、柱梁仕口部100、101、102、103、104、200の上下に木質柱20の上側柱24及び下側柱22であったが、これに限定されない。木質柱20以外の柱、例えば、鉄骨柱や鉄筋コンクリート柱であってもよい。
【0067】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。複数の実施形態及び変形例等は、適宜、組み合わされて実施可能である。
【符号の説明】
【0068】
10 木質梁接合構造
12 木質梁接合構造
20 木質柱
22 下側柱
24 上側柱
30 第一木質梁
32 第一梁端部
34 凹部
50 全ねじボルト(棒状部材の一例)
100 柱梁仕口部
101 柱梁仕口部
102 柱梁仕口部
103 柱梁仕口部
104 柱梁仕口部
110 鉄骨部
130 鉄骨部
140 鉄骨部
150 鉄骨部
156 凸部
160 鉄骨部
190 コンクリート部
192 凸部
194 コンクリート部
200 柱梁仕口部
210 鉄骨部
222 突出板部(突出部の一例)
230 第二木質梁
232 第二梁端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8