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特許7243119植物の発芽及び成長促進剤、部材、及び装置、並びに養液栽培方法
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  • 特許-植物の発芽及び成長促進剤、部材、及び装置、並びに養液栽培方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】植物の発芽及び成長促進剤、部材、及び装置、並びに養液栽培方法
(51)【国際特許分類】
   C05D 9/02 20060101AFI20230314BHJP
   A01G 24/00 20180101ALI20230314BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20230314BHJP
   A01N 59/16 20060101ALI20230314BHJP
   A01N 59/26 20060101ALI20230314BHJP
   A01N 59/06 20060101ALI20230314BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20230314BHJP
   C05F 11/10 20060101ALN20230314BHJP
【FI】
C05D9/02
A01G24/00
A01P21/00
A01N59/16 Z
A01N59/26
A01N59/06 Z
A01N25/04
C05F11/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018193991
(22)【出願日】2018-10-15
(65)【公開番号】P2020063159
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】若村 正人
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-000026(JP,A)
【文献】特開2006-321721(JP,A)
【文献】特開2005-095066(JP,A)
【文献】特開2006-050992(JP,A)
【文献】特開2004-357501(JP,A)
【文献】特開2008-050348(JP,A)
【文献】特開2007-089425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C05F 11/10
A01G 31/00
A01G 24/00
A01P 21/00
A01N 59/16
A01N 59/26
A01N 59/06
A01N 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分散剤であって、
前記水分散剤が、と、前記に分散されたチタンアパタイトを含有することを特徴とする植物の発芽及び成長促進剤。
【請求項2】
請求項1に記載の植物の発芽及び成長促進剤と、前記発芽及び成長促進剤を含む培地とを有することを特徴とする部材。
【請求項3】
請求項1に記載の植物の発芽及び成長促進剤と、前記発芽及び成長促進剤を含む培地とを有する部材を有することを特徴とする装置。
【請求項4】
養液栽培装置である請求項3に記載の装置。
【請求項5】
請求項1に記載の植物の発芽及び成長促進剤を含む培地で発芽させ、更に前記培地で育苗して得た苗を、前記培地で定植して栽培することを含むことを特徴とする養液栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、植物の発芽及び成長促進剤、部材、装置、並びに養液栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物の栽培は、一般に、播種、発芽、育苗、及び定植という過程を経ることで行われる。
その際、発芽においては、種子の100%が発芽することは珍しく、植物の種類によって発芽率は様々である。
また、育苗段階及び定植段階においては、成長に時間がかかると、栽培期間が長期化し、栽培効率が低下する。
【0003】
また、栽培の全過程を通じて雑菌などにより植物の成長が阻害される場合がある。
そこで、水耕栽培する際に雑菌が培地に付着することがあったとしても、植物を根腐れさせないようにするため、培地に光触媒担体層が形成されると共に、光触媒担体層に紫外線ライトガイドが配され、ライトガイドは、光触媒担体層内で側面から漏光する側面漏光型光ファイバで形成した水耕栽培装置が提案されている(特許文献1参照)。この提案の技術は、植物を根腐れを防ぐことを目的とする一方で、発芽率の向上や、成長の促進を目的とするものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-192629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件は、発芽率の向上、及び成長の促進をさせることができる植物の発芽及び成長促進剤、並びに前記植物の発芽及び成長促進剤を用いた部材、装置、及び養液栽培方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、植物の発芽及び成長促進剤は、チタンアパタイトを含有する。
【0007】
一つの態様では、部材は、チタンアパタイトを含有する植物の発芽及び成長促進剤と、前記発芽及び成長促進剤を含む培地とを有する。
【0008】
一つの態様では、装置は、チタンアパタイトを含有する植物の発芽及び成長促進剤と、前記発芽及び成長促進剤を含む培地とを有する部材を有する。
【0009】
一つの態様では、養液栽培方法は、チタンアパタイトを含有する植物の発芽及び成長促進剤を含む培地で発芽させ、更に前記培地で育苗して得た苗を、前記培地で定植して栽培することを含む。
【発明の効果】
【0010】
一つの側面では、発芽率の向上、及び成長の促進をさせることができる植物の発芽及び成長促進剤を提供できる。
また、一つの側面では、発芽率の向上、及び成長の促進をさせることができる部材を提供できる。
また、一つの側面では、発芽率の向上、及び成長の促進をさせることができる装置を提供できる。
また、一つの側面では、発芽率の向上、及び成長の促進をさせることができる養液栽培方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施例1の養液栽培方法により定植したパクチー、及び比較例1の養液栽培方法により定植したパクチーの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(植物の発芽及び成長促進剤)
本件の植物の発芽及び成長促進剤は、チタンアパタイトを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
【0013】
<チタンアパタイト>
前記チタンアパタイトとは、カルシウムアパタイトの一部をチタンで置換した物質を意味する。前記チタンアパタイトは光触媒性能を有することが知られている。
【0014】
前記チタンアパタイトは、水和物であってもよい。前記チタンアパタイトは、例えば、Ca10(PO(OH)で表されるカルシウムヒドロキシアパタイトにおけるカルシウムの一部がチタンで置き換わったCaTi(PO(OH)で表される。
【0015】
なお、前記チタンアパタイトにおけるカルシウムとチタンとリンとの相互比率は、必ずしも上記組成に完全に合致する必要はない。例えば、X線回折で結晶相を調べた結果、アパタイト構造を示す回折パターンが得られ、XPSにより粉体の表面分析を行った結果、チタンアパタイトの金属成分であるCaとTiとが検出できるものであれば、前記チタンアパタイトとして扱うことができる。また、アパタイトはイオン性の強い結晶であり、金属イオンの置換が容易なため、さまざまな元素を含有させることができる。したがって、Ca,Ti以外の元素が含まれていても、チタンと、アパタイトの結晶構造とを有していれば、前記チタンアパタイトとして扱うことができる。
【0016】
前記植物の発芽及び成長促進剤は、前記チタンアパタイトの光触媒機能により、植物の種子の発芽を促すと考えられる。
即ち、前記チタンアパタイトが紫外線を吸収することで、前記チタンアパタイトが前記チタンアパタイトの周囲の物質を分解し、ラジカルを発生させ、前記ラジカルが植物の種子を刺激することで、発芽が促され、結果、発芽率が向上すると考えられる。
そのため、前記植物の発芽及び成長促進剤が植物の種子の発芽率を向上させるためには、前記植物の発芽及び成長促進剤、特に前記チタンアパタイトに紫外線が照射されることが好ましい。
【0017】
また、前記植物の発芽及び成長促進剤は、前記チタンアパタイトのアパタイトにより、植物の成長を促すと考えられる。
前記アパタイトに含まれるリンやカルシウムは、植物の栄養分であるため、植物が前記アパタイトからリン及びカルシウムを吸収することで植物の成長が促進される。植物がリンを根から吸収する場合、安定なリン酸鉄やリン酸アルミニウムの状態では吸収できない。一方、植物の根が吸収しやすいリン化合物は、リン酸水素イオン(HPO 2-)、リン酸二水素イオン(HPO )であり、これはリン酸石灰が水に溶解することで生成する。そして前記アパタイトもリン酸石灰構造を含むため、その点において、植物の根が前記アパタイトのリン及びカルシウムを吸収しやすいことで、前記植物の発芽及び成長促進剤による植物の成長の促進がなされるものと考えられる。
【0018】
前記植物の発芽及び成長促進剤は、水分散剤として用いられてもよい。
例えば、前記植物の発芽及び成長促進剤は、前記チタンアパタイトを含有する水分散剤であって、培地に散布して用いられる。
前記水分散剤における前記チタンアパタイトの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0019】
前記植物の発芽及び成長促進剤が適用される植物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉菜類、薬草類などが挙げられる。
前記葉菜類としては、例えば、パクチー、ケールなどが挙げられる。
【0020】
前記植物の種子は、暗発芽種子であってもよいし、光発芽種子であってもよいが、前記植物の発芽及び成長促進剤、特に前記チタンアパタイトに紫外線を照射する際に、種子にも紫外線を含む光が照射されるため、光発芽種子であることが好ましい。
【0021】
(部材)
本件の部材は、チタンアパタイトを含有する植物の発芽及び成長促進剤と、培地とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部品を有する。
【0022】
<培地>
前記培地は、前記植物の発芽及び成長促進剤を含む。
前記培地としては、植物の発芽、育苗、又は定植に用いることができる培地であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロックウール粒状綿を含む培地などが挙げられる。
【0023】
前記培地の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する定植パネル板の植え穴内に収まる大きさなどが挙げられる。
【0024】
前記培地に含まれる前記植物の発芽及び成長促進剤の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0025】
(装置)
本件の装置は、本件の前記部材を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記装置は、例えば、養液栽培装置である。
【0026】
<その他の部材>
前記その他の部材としては、例えば、定植パネル板、栽培ベッド槽、温度調整手段、濃度調整手段、養液タンクなどが挙げられる。
【0027】
<<定植パネル板>>
前記定植パネル板は、例えば、上面から下面まで貫通する多数の植え穴を有する板である。
前記装置において、前記定植パネルは、例えば、前記栽培ベッド槽上に載置される。
【0028】
前記定植パネル板の前記植え穴の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、植え穴の水平断面が円形であり、かつ植え穴の水平断面積が定植パネル板の上面側が定植パネル板の底面側より大きい形状などが挙げられる。
例えば、定植パネル板の上面側から底面側に向けて漸次内径が小さくなるような構造としてもよく、定植パネル板の上面側を大きい内径の大径円筒形状とし、それよりも下側に内径が小さい小径円筒部とし、両者の境界部分の植え穴内面に段差部を設け、この段差部を培地の係止部とする構造でもよい。また、これらを組み合わせた形状でもよい。また、定植パネル板の上面側を等径の円筒形状とし、円筒形状部の下側を、テーパー状に内径を小さくする構造でもよい。
【0029】
前記定植パネル板における多数の前記植え穴の数、及び間隔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0030】
前記定植パネル板の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡スチロールなどが挙げられる。
【0031】
前記定植パネル板の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、幅100mm~1,000mm、奥行き500mm~2,000mm、厚み10mm~50mmなどが挙げられる。
【0032】
<<栽培ベッド槽>>
前記栽培ベッド槽は、一例では、定植パネル板の植え穴の真下に当たる箇所に凸部、例えば凸条を有している。また、この場合、栽培ベッド槽の該凸条と凸条の間を養液が流れるように勾配を設けることが好ましい
【0033】
<<温度調整手段>>
前記温度調整手段としては、前記培地に供給する養液を予め設定された温度範囲内に保持可能な手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0034】
前記温度調整手段により、循環する養液の温度を、年間を通して予め設定された範囲内に保持することができる。
【0035】
前記温度調整手段は、例えば、養液タンク内の温度を検出する温度センサと、前記養液タンク内に配置されて養液と熱交換する熱交換器と、前記熱交換器に熱媒体を供給する熱媒体供給ライン(温度調整ライン)と、前記熱媒体供給ラインに介装されて前記温度センサからの検出信号により前記熱媒体の前記熱交換器への供給量を制御する制御弁などから構成することができる。
【0036】
<<濃度調整手段>>
前記濃度調整手段としては、前記培地に供給する養液の濃度を調整可能なかぎり、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0037】
前記濃度調整手段は、互いに種類や濃度の異なる養液を貯留する複数の養液の原液タンクと、各々の前記原液タンク内の養液の原液をポンプによって養液タンクへ送る移送ラインと、前記移送ラインに介装された三方切換弁(開閉弁)等から構成され、循環する養液の濃度を調整することができるものが好ましい。
【0038】
(養液栽培方法)
本件の養液栽培方法は、チタンアパタイトを含有する植物の発芽及び成長促進剤を含む培地で発芽させ、更に前記培地で育苗して得た苗を、前記培地で定植して栽培することを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
【0039】
前記養液栽培方法における前記定植は、例えば、本件の前記装置を用いて行うことができる。
【0040】
前記養液栽培方法における前記育苗及び前記定植において用いられる養液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0041】
前記培地で植物の種子を発芽させる際には、例えば、前記チタンアパタイトが前記チタンアパタイトの周囲の物質を分解し、ラジカルを発生させ、前記ラジカルにより前記植物の前記種子が刺激されるために、前記培地に紫外線を含む光を照射することが好ましい。
【0042】
前記培地で苗を育苗及び定植させる際には、通常、苗に光を照射する。前記光としては、苗が必要な光であれば、紫外線を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【実施例
【0043】
以下、実施例を挙げて開示の技術をより具体的に説明するが、開示の技術は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。
【0044】
(実施例1)
<養液栽培>
<<発芽>>
パクチーの発芽を実施した。パクチーの種は、株式会社中原採種場製のコリアンダーを用いた。
チタンアパタイト水分散液は、チタンアパタイト(TiHAP;太平化学産業株式会社製、PCAP-100)10質量部を水100質量部に分散させることで得た。
育苗トレイ(144穴)にロックウール粒状綿を主成分とする専用培地(三菱ケミカルアグリドリーム(株)製、バイドン)を充填し、プレス板で播種穴をつけた。その際、あらかじめ培地にチタンアパタイト水分散液をかん水し、培地にチタンアパタイトを含まさせておいた。播種板により、1セル当り4~5粒播種した。1トレイ当り300ml~400mlかん水し、発芽室(20℃設定)で発芽させた(3~4日)。その際、蛍光管でおよそ10μワットのUV光が、種を含んだ培地に照射されている。全播種穴数に対する発芽した播種の割合から発芽率を算出した。
そのところ、発芽率は、95%であった。
【0045】
<<育苗>>
発芽した芽を、育苗棚に並べた。1日1回、1トレイ当り300ml~400mlの培養液を自動かん水した。育苗培養液の濃度は1.5dS/mとした。
【0046】
<<定植>>
定植予定の栽培ブロック(栽培ベッド4~6本500Lの培養液タンク、給排水系で1つのブロックを構成。16a当りベッド群を10~16ブロックに分けた)に、新しい培養液をセットした。本葉2枚が3cm前後に伸びた頃を定植適期とした。定植に先立ち、苗抜板を用いて苗を押し上げておいた。定植は、苗をつまみ、定植パネルの植え穴に落とし込むことで行った。根鉢(本実施例においては、培地と根とが固まりなったものを指す。)がベッド底面に支えられ、苗は自立した。なお、根鉢の培地にはチタンアパタイト水分散液をかん水した際のチタンアパタイトが残留している。栽植本数は1パネル(1×0.6m)当り45穴とした。苗根鉢は湿気空間の中に置かれ、直ちに発根を始めた。2週間経過後の苗を引き抜き、発育状況(長さなど)を確認した。
そのところ、根の最上部から葉の最上部までの長さの平均値は、19cmであった。
【0047】
(比較例1)
<養液栽培>
<<発芽>>
実施例1において、培地にチタンアパタイト水分散液をかん水すること、を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、播種及び発芽を行った。
そのところ、発芽率は、65%であった。
【0048】
実施例1及び比較例1より、培地にチタンアパタイトを含ませた場合には発芽率が大きく上昇した。
【0049】
<<育苗及び定植>>
実施例1と同様にして、育苗及び定植を行った。
そして、実施例1と同様にして、定植後、2週間経過後の苗を引き抜き、発育状況(長さなど)を確認した。
そのところ、根の最上部から葉の最上部までの長さの平均値は、10cmであった。
【0050】
ここで、図1に、実施例1の養液栽培方法により定植したパクチー(定植後2週間経過後の苗)(実施例1-1及び実施例1-2)の写真、及び比較例1の養液栽培方法により定植したパクチー(定植後2週間経過後の苗)(比較例1-1及び比較例1-2)の写真を示した。
【0051】
実施例1及び比較例1より、培地にチタンアパタイトが含まれている場合には、定植後の成長が促進されたことが確認できた。
【0052】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) チタンアパタイトを含有することを特徴とする植物の発芽及び成長促進剤。
(付記2) 水分散剤であって、
前記水分散剤が、水と、前記水に分散された前記チタンアパタイトとを含有する付記1に記載の植物の発芽及び成長促進剤。
(付記3) チタンアパタイトを含有する植物の発芽及び成長促進剤と、前記発芽及び成長促進剤を含む培地とを有することを特徴とする部材。
(付記4) チタンアパタイトを含有する植物の発芽及び成長促進剤と、前記発芽及び成長促進剤を含む培地とを有する部材を有することを特徴とする装置。
(付記5) 更に、栽培ベッド槽と、前記栽培ベッド槽上に載置された、上面から下面まで貫通する多数の植え穴を有する定植パネル板とを有する付記4に記載の装置。
(付記6) 更に、前記培地に供給する前記培地に供給する養液を予め設定された温度範囲内に保持可能な温度調整手段を有する付記4から5のいずれかに記載の装置。
(付記7) 更に、前記培地に供給する養液の濃度を調整可能な濃度調整手段を有する付記4から6のいずれかに記載の装置。
(付記8) 養液栽培装置である付記4から7のいずれかに記載の装置。
(付記9) チタンアパタイトを含有する植物の発芽及び成長促進剤を含む培地で発芽させ、更に前記培地で育苗して得た苗を、前記培地で定植して栽培することを含むを特徴とする養液栽培方法。
図1