(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】給紙装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/26 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
B65H1/26 312E
B65H1/26 312B
(21)【出願番号】P 2018215686
(22)【出願日】2018-11-16
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】西村 拓哉
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-160938(JP,A)
【文献】米国特許第04004841(US,A)
【文献】特開2013-035643(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02946691(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/090406(WO,A1)
【文献】特開2014-141988(JP,A)
【文献】特開2014-019533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 67/04
A47B 88/00-88/994
B65H 1/00-3/68
F16C 29/00-31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを収容し、画像形成装置の筐体に対して第1方向に抜き差しされる箱状のカセットと、
前記カセットの前記第1方向に延びる一対の壁部の外面に対向するように前記筐体に取り付けられ、前記第1方向に延びる基部と、前記基部の上端部から前記カセット側に屈曲した上側屈曲部と、前記基部の下端部から前記カセット側に屈曲した下側屈曲部と、を備える一対のアウターレールと、
前記アウターレールに対して前記第1方向に移動可能な状態で支持される一対のインナーレールと、
前記インナーレールと前記カセットの前記壁部とを連結する一対の連結部材と、
前記カセットの前記一対の壁部の外面から前記筐体の内面に向かう第2方向に突設され、前記カセットが前記筐体に対して抜き差しされるときに前記アウターレールの前記上側屈曲部の上面に対して接触して移動する一対の上側接触部材と、
を備え、
前記一対の上側接触部材は、前記第2方向に延びる第1円柱部と、前記第2方向において前記アウターレールの前記上側屈曲部を挟み込む一対の第1フランジ部と、を備えることを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記カセットの前記一対の壁部の外面から前記第2方向に突設され、前記カセットが前記筐体に対して抜き差しされるときに前記アウターレールの前記下側屈曲部の下面に対して接触して移動する一対の下側接触部材を備え、
前記下側接触部材は、前記第2方向に延びる第2円柱部と、前記第2方向において前記アウターレールの前記下側屈曲部を挟み込む一対の第2フランジ部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
シートを収容し、画像形成装置の筐体に対して第1方向に抜き差しされる箱状のカセットと、
前記カセットの前記第1方向に延びる一対の壁部の外面に対向するように前記筐体に取り付けられ、前記第1方向に延びる基部と、前記基部の上端部から前記カセット側に屈曲した上側屈曲部と、前記基部の下端部から前記カセット側に屈曲した下側屈曲部と、を備える一対のアウターレールと、
前記アウターレールに対して前記第1方向に移動可能な状態で支持される一対のインナーレールと、
前記インナーレールと前記カセットの前記壁部とを連結する一対の連結部材と、
前記カセットの前記一対の壁部の外面から前記筐体の内面に向かう第2方向に突設され、前記カセットが前記筐体に対して抜き差しされるときに前記アウターレールの前記上側屈曲部の上面に対して接触して前記カセットと一体に移動する一対の上側接触部材と、を備えることを特徴とする給紙装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の給紙装置と、
前記給紙装置から供給されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記カセットを前記筐体に引き込む引き込み装置を備える請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを供給する給紙装置及びこの給紙装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートを収容するカセットをスライドレールで支持する画像形成装置が知られている。スライドレールは、画像形成装置の筐体に取り付けられるアウターレールと、カセットに取り付けられるインナーレールとを有し、アウターレールがインナーレールを摺動可能な状態で支持する。
【0003】
上記構成に関しては、従来、スライドレールに対するカセットの位置決めに関する検討が行われている。例えば、特許文献1には、インナーレールに位置決めピンが設けられ、カセットに係合孔が形成され、係合孔が位置決めピンに係合されることでカセットの位置決めがなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された構成では、シートを含むカセットの荷重が主に位置決めピンにかかるため、インナーレールが内側に倒れ込むように変形する。すると、スライドレールの摺動抵抗が増加するため、カセットを抜き差しするのに大きな力を要してしまう。特に、カセットを筐体に引き込む自動引き込み装置を備えた画像形成装置の場合、摺動抵抗の増加によりカセットの引き込みが円滑に行われなくなるおそれがある。また、インナーレールが変形すると、カセットの位置決め精度が低下し、シートの供給が円滑に行われなくなるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮し、カセットを位置決めピンで支持するインナーレールの変形を抑制することのできる給紙装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る給紙装置は、シートを収容し、画像形成装置の筐体に対して第1方向に抜き差しされる箱状のカセットと、前記カセットの前記第1方向に延びる一対の壁部の外面に対向するように前記筐体に取り付けられ、前記第1方向に延びる基部と、前記基部の上端部から前記カセット側に屈曲した上側屈曲部と、前記基部の下端部から前記カセット側に屈曲した下側屈曲部と、を備える一対のアウターレールと、前記アウターレールに対して前記第1方向に移動可能な状態で支持される一対のインナーレールと、前記インナーレールと前記カセットの前記壁部とを連結する一対の連結部材と、前記カセットの前記一対の壁部の外面から前記筐体の内面に向かう第2方向に突設され、前記カセットが前記筐体に対して抜き差しされるときに前記アウターレールの前記上側屈曲部の上面に対して接触して移動する一対の上側接触部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る給紙装置において、前記上側接触部材は、前記第2方向に延びる第1円柱部と、前記第2方向において前記アウターレールの前記上側屈曲部を挟み込む一対の第1フランジ部と、を備えていてもよい。
【0009】
本発明に係る給紙装置において、前記カセットの前記一対の壁部の外面から前記第2方向に突設され、前記カセットが前記筐体に対して抜き差しされるときに前記アウターレールの前記下側屈曲部の下面に対して接触して移動する一対の下側接触部材を備え、前記下側接触部材は、前記第2方向に延びる第2円柱部と、前記第2方向において前記アウターレールの前記下側屈曲部を挟み込む一対の第2フランジ部と、を備えていてもよい。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記のいずれかの給紙装置と、前記給紙装置から供給されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る画像形成装置は、前記カセットを前記筐体に引き込む引き込み装置を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カセットを位置決めピンで支持するインナーレールの変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係るプリンターの外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るプリンターの内部構成を模式的に示す正面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係るカセットの斜視図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係るスライドレールの斜視図である。
【
図3C】本発明の一実施形態に係る給紙装置の斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態の変形例に係る給紙装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係る画像形成装置及びカール矯正装置について説明する。
【0015】
まず、
図1及び2を参照して、プリンター1(画像形成装置の一例)の全体の構成について説明する。
図1は、プリンター1の外観を示す斜視図である。
図2は、プリンター1の内部構成を模式的に示す正面図である。以下、
図1及び2における紙面手前側をプリンター1の正面側(前側)とし、左右の向きはプリンター1を正面から見た方向を基準として説明する。各図において、U、Lo、L、R、Fr、Rrは、それぞれ上、下、左、右、前、後を示す。
【0016】
プリンター1は、箱形の筐体2を備える。筐体2の下部には、複数の給紙装置3が設けられている。給紙装置3は、シートが収容されるカセット31と、シートを搬送路6に送り出す給紙ローラー32と、を備える。筐体2内の上部には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクを吐出する複数の記録ヘッド8(画像形成部の一例)が設けられている。筐体2の左下部には、複数のインクコンテナ10が装着される。インクコンテナ10と記録ヘッド8との間には、インクの色毎に独立したインク供給路が設けられている。
【0017】
筐体2の左側面の上部に排出口25が設けられ、その下方に排紙トレイ26が設けられている。搬送路6は、給紙装置3から記録ヘッド8を経て排出口25に向かうように形成されている。筐体2の右側面の上部に手差し給紙口27が設けられ、その下方に手差しトレイ28が設けられている。搬送路6を挟んで記録ヘッド8と対向する位置に用紙搬送ユニット7が配置されている。用紙搬送ユニット7は、駆動ローラー、従動ローラー及びテンションローラーに巻き掛けられた無端状の搬送ベルトを備える。
【0018】
次に、プリンター1の画像形成動作について説明する。プリンター1が外部コンピューター等から画像形成ジョブを受信すると、画像形成ジョブで指定されたサイズのシートが、給紙装置3又は手差しトレイ28から搬送路6に送り出される。記録ヘッド8は、それぞれインクコンテナ10からインクの供給を受け、画像形成ジョブに基づいてシートにインクを吐出して画像を形成する。画像が形成されたシートは、排出口25から排紙トレイ26に排出される。
【0019】
次に、
図3A乃至4を参照して、給紙装置3の構成について説明する。
図3Aは、カセット31の斜視図である。
図3Bは、スライドレール4の斜視図である。
図3Cは、給紙装置3の斜視図である。
図4は、
図3CのI-I断面図である。
【0020】
給紙装置3は、筐体2に対して前後方向に抜き差し可能なカセット31と、カセット31の一対の壁部34の外面に対向する一対のスライドレール4と、一対の壁部34の外面に設けられた一対の上側プーリー51(上側接触部材の一例)及び一対の下側プーリー52(下側接触部材の一例)と、を備える。スライドレール4は、一対の壁部34の外面に対向するアウターレール41と、前後方向に摺動可能な状態でアウターレール41に支持されるインナーレール42と、アウターレール41とインナーレール42の間に挿入されるボール43を保持するボールリテーナー44と、インナーレール42とカセット31の壁部34とを連結する位置決めピン45(連結部材の一例)と、を備える。
【0021】
図3Aに示されるように、カセット31は、上部が開口した箱形の形状に形成されている。カセット31の前面には、把持部33が設けられ、ユーザーが把持部33を把持してカセット31を筐体2に対して抜き差しする。カセット31は、前後方向に延びる一対の壁部34を有する。以下、各々の壁部34のうち前端部を含む前側の領域を前側領域34Frと呼び、壁部34のうち後端部を含む後側の領域を後側領域34Rrと呼び、前側領域34Frと後側領域34Rrとの間の領域を中央領域34Cと呼ぶ。壁部34の前側領域34Frの下端部と後側領域34Rrの下端部は、中央領域34Cの下端部よりも上方に形成されている。壁部34の前側領域34Frの下端部と後側領域34Rrの下端部には、下方に開口したU字形の切り欠き部35が形成されている。
【0022】
図3B乃至4に示されるように、アウターレール41は、前後方向を長手方向とする部材である。アウターレール41は、基部41Bと、上側屈曲部41Uと、下側屈曲部41Loとを備える。基部41Bは、第1方向(前後方向)に延びるように形成され、カセット31の第1方向に延びる一対の壁部34の外面に対向するように筐体2に取り付けられている。上側屈曲部41Uは、基部41Bの上端部からカセット31側に屈曲するように形成されている。下側屈曲部41Loは、基部41Bの下端部からカセット31側に屈曲するように形成されている。アウターレール41は、基部41Bと筐体2との間に間隙が形成されるように、スペーサー71を介してボルト72及びナット73により筐体2に固定される。また、アウターレール41は、上側屈曲部41U及び下側屈曲部41Loとカセット31との間に後述する上側プーリー51の第1フランジ部51Fと下側プーリー52の第2フランジ部52Fが挿入される間隙が形成されるように配置される。上側屈曲部41Uの下面と下側屈曲部41Loの上面には、前後方向に延びる凹部41Vが形成されている。凹部41Vは、ボール43の表面に対応する曲率を有する。
【0023】
インナーレール42は、前後方向を長手方向とする部材であり、その前後方向の長さは、アウターレール41と同等である。インナーレール42は、アウターレール41に対して第1方向に移動可能な状態で支持される。インナーレール42は、カセット31の壁部34に対向する平板状の基部42Bと、基部42Bの上端部から筐体2側に屈曲するように形成された上側屈曲部42Uと、基部42Bの下端部から筐体2側に屈曲するように形成された下側屈曲部42Loと、を備える。上側屈曲部42Uの上面と下側屈曲部42Loの下面には、前後方向に延びる凹部42Vが形成されている。凹部42Vは、ボール43の表面に対応する曲率を有する。
【0024】
ボールリテーナー44は、前後方向を長手方向とする部材であり、その前後方向の長さは、アウターレール41及びインナーレール42よりも短い。ボールリテーナー44は、アウターレール41の基部41Bとインナーレール42との間に配置される基部44Bと、基部44Bの上端部からカセット31側に屈曲するように形成され、アウターレール41の上側屈曲部41Uとインナーレール42の上側屈曲部42Uとの間に配置される上側保持部44Uと、基部44Bの下端部からカセット31側に屈曲するように形成され、アウターレール41の下側屈曲部41Loとインナーレール42の下側屈曲部42Loとの間に配置される下側保持部44Loと、を備える。
【0025】
上側保持部44Uと下側保持部44Loには、前後方向に複数のボール孔44Hが形成されている。ボール孔44Hは、ボール43の径よりも小径であり、且つ、ボール43の表面がボール孔44Hの上方と下方に露出するように形成されている。上側保持部44Uに保持されたボール43は、アウターレール41の上側屈曲部41Uとインナーレール42の上側屈曲部42Uとに挟持される。下側保持部44Loに保持されたボール43は、アウターレール41の下側屈曲部41Loとインナーレール42の下側屈曲部42Loとに挟持される。アウターレール41は、ボールリテーナー44に保持されたボール43を介してインナーレール42を前後方向に摺動可能な状態で支持する。
【0026】
位置決めピン45は、軸部45Sと、軸部45Sよりも大径の円柱部45Cと、円柱部45Cよりも大径の頭部45Hと、を備える。位置決めピン45は、インナーレール42の基部42Bの後端部付近に形成されたネジ孔42Hに装着され、インナーレール42のカセット31側の側面から突出するように設けられる。
【0027】
図3A、3Cに示されるように、一対の上側プーリー51は、カセット31の一対の壁部34の外面から筐体2の内面に向かう第2方向に突設され、カセット31が筐体2に対して抜き差しされるときにアウターレール41の上側屈曲部41Uの上面に対して接触して移動する。上側プーリー51は、第2方向に延びる第1円柱部51Cと、第2方向においてアウターレール41の上側屈曲部41Uを挟み込む一対の第1フランジ部51Fと、を備える。一対の下側プーリー52は、カセット31の一対の壁部34の外面から第2方向に突設され、カセット31が筐体2に対して抜き差しされるときにアウターレール41の下側屈曲部41Loの下面に対して接触して移動する。下側プーリー52は、第2方向に延びる第2円柱部52Cと、第2方向においてアウターレール41の下側屈曲部41Loを挟み込む一対の第2フランジ部52Fと、を備える。左右の第1フランジ部51F間の距離は、アウターレール41の上側屈曲部41Uの左右方向の幅よりも若干大きい。左右の第2フランジ部52F間の距離は、アウターレール41の下側屈曲部41Loの左右方向の幅よりも若干大きい。上側プーリー51は、切り欠き部35よりも上方に設けられ、下側プーリー52は、切り欠き部35よりも下方に設けられる。
【0028】
以上説明した本実施形態に係る給紙装置3によれば、カセット31が筐体2に対して抜き差しされるとき、上側プーリー51は、アウターレール41の上側屈曲部41Uの上面に対して転動し、下側プーリー52は、アウターレール41の下側屈曲部41Loの下面に対して転動する。シートを含むカセット31の荷重は、主に上側プーリー51を介してアウターレール41に伝達される。よって、本実施形態に係る給紙装置3によれば、上側プーリー51が備えられていない場合と比べて、位置決めピン45を介してインナーレール42に伝達される荷重が減少するから、インナーレール42の変形を抑制することができる。その結果、インナーレール42の摺動抵抗を抑制することができるとともに、カセット31の位置決め精度を向上させることができる。
【0029】
また、本実施形態に係る給紙装置3によれば、上側プーリー51のフランジ51Fによりカセット31の左右方向の変位が規制されるから、上側プーリー51が備えられていない場合と比べて、カセット31の位置決め精度を向上させることができる。
【0030】
また、本実施形態に係る給紙装置3によれば、下側プーリー52のフランジ52Fによりカセット31の左右方向の変位が規制されるから、下側プーリー52が備えられていない場合と比べて、カセット31の位置決め精度を向上させることができる。
【0031】
上記の実施形態が以下のように変形されてもよい。
【0032】
図5に示されるように、カセット31に下側プーリー52が設けられていなくてもよい。この構成によっても、上側プーリー51が備えられていない場合と比べて、位置決めピン45を介してインナーレール42に伝達される荷重が減少するから、インナーレール42の変形を抑制することができる。
【0033】
カセット31の左右の壁部34にそれぞれ複数の上側プーリー51が前後方向に並べて設けられていてもよい。この構成によれば、上記実施形態と比べて、位置決めピン45を介してインナーレール42に伝達される荷重が減少するから、インナーレール42の変形を抑制することができる。
【0034】
上側プーリー51に代えて、アウターレール41の上側屈曲部41Uの上面に対して摺動する部材(上側接触部材の一例)が設けられていてもよい。例えば、回転軸51Sに上側プーリー51が固着された構成でもよい。
【0035】
下側プーリー52に代えて、アウターレール41の下側屈曲部41Loの下面に対して摺動する部材(下側接触部材の一例)が設けられていてもよい。例えば、回転軸52Sに下側プーリー52が固着された構成でもよい。
【0036】
本発明は、カセット31を筐体2に引き込む自動引き込み装置(例えば、特開2013-35643号公報、特開2006-151687号公報等)が備えられた画像形成装置に適用されてもよい。この場合、上側プーリー51が備えられていない場合と比べて、自動引き込み装置によるカセット31の引き込みを円滑に行うことができる。また、スライドレール4の摺動抵抗が想定値を超えることで自動引き込み装置が不能になることを防ぐことができる。
【0037】
本発明は、スライドレール4にボール43及びボールリテーナー44が備えられていない給紙装置に適用されてもよい。
【0038】
上記実施形態では、
図4に示されるように、アウターレール41の上側屈曲部41Uの上面に下面の凹部41Vと相似形の凸部41Aが形成されている例が示されている。この場合、上側プーリー51の円柱部51Cに、アウターレール41の上側屈曲部41Uの上面の凸部41Aに応じた形状の周方向に延びる凹部が形成されていてもよい。この構成によれば、上側プーリー51の転動を安定させることができる。
【0039】
本発明は、位置決めピン45に代えて、インナーレール42とカセット31の壁部34とがボルトとナット等(連結部材の一例)で連結された給紙装置3に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 プリンター(画像形成装置)
2 筐体
3 給紙装置
8 記録ヘッド(画像形成部)
31 カセット
34 壁部
35 切り欠き部
41 アウターレール
41B 基部
41U 上側屈曲部
41Lo 下側屈曲部
42 インナーレール
45 位置決めピン(連結部材)
51 上側プーリー(上側接触部材)
51C 第1円柱部
51F 第1フランジ部
52 下側プーリー(下側接触部材)
52C 第2円柱部
52F 第2フランジ部