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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20230314BHJP
   H05B 47/12 20200101ALI20230314BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B47/12
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019016059
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2020123545
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】小松 ▲琢▼充
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-060674(JP,A)
【文献】特開2018-092267(JP,A)
【文献】特開平04-353970(JP,A)
【文献】特開2004-178129(JP,A)
【文献】特開2003-337973(JP,A)
【文献】国際公開第2014/087563(WO,A1)
【文献】特開2009-238548(JP,A)
【文献】特開2002-304673(JP,A)
【文献】特開2017-157404(JP,A)
【文献】特開2016-177583(JP,A)
【文献】特開2013-092845(JP,A)
【文献】特開2015-88135(JP,A)
【文献】特開2012-195762(JP,A)
【文献】特開2012-174421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明器具と、
前記複数の照明器具が設けられた空間での人の動きを検出するセンサユニットと、
人の動線から特定商品の位置が外れている場合に、前記複数の照明器具のうち前記特定商品を照らす照明器具の明るさまたは色度を変化させる制御装置と、
を備え、
前記動線は、前記センサユニットが検出した情報に基づき特定され
前記動線は、前記空間内の人の移動経路のうち人の通る頻度が予め定められた値よりも多い経路であることを特徴とする照明制御システム
【請求項2】
前記動線はクラウドサーバーで特定されることを特徴とする請求項に記載の照明制御システム
【請求項3】
前記特定商品は、前記空間の内部の情報または外部から収集された情報に応じて売れやすいと予測された商品であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記センサユニットは、前記空間の温度または湿度を検出し、
前記特定商品は、前記空間の温度または湿度に応じて売れやすいと予測された商品であることを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記センサユニットは、前記空間に存在する人のにおいを検出し、
前記特定商品は、前記においに応じて売れやすいと予測された商品であることを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、ニュースまたはSNSから出現頻度が規定値よりも高いキーワードを収集し、
前記特定商品は、前記キーワードに基づいて特定されることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記制御装置は気象予測情報を収集し、
前記特定商品は、前記気象予測情報に基づいて売れやすいと予測された商品であることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記制御装置は、POSシステムから商品情報を収集し、
前記特定商品は、前記商品情報に基づいて売れやすいと予測された商品であることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項9】
前記特定商品は、クラウドサーバーで特定されることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、環境内に配置された照明装置を操作する方法が開示されている。この方法では、感知装置を使用して一つの環境に対応する照明データを取得し、プロセッサにより照明データから環境の照明状態を判定する。また、感知装置を使用して環境内の個人の存在データを取得し、プロセッサにより存在データから環境内に存在する個人の数を判定する。さらに、環境の照明状態並びに環境内にいる個人の存在に基づいて、プロセッサにより照明装置で受信可能な起動信号を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-050280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、空間内に在籍する人の情報に基づき照明装置が制御されるが、照明制御により人に購買を促すことは想定されていない。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、商品の購買を促すことができる照明制御システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示に係る照明制御システムは、複数の照明器具と、該複数の照明器具が設けられた空間での人の動きを検出するセンサユニットと、人の動線から特定商品の位置が外れている場合に、該複数の照明器具のうち該特定商品を照らす照明器具の明るさまたは色度を変化させる制御装置と、を備え、該動線は、該センサユニットが検出した情報に基づき特定され、該動線は、該空間内の人の移動経路のうち人の通る頻度が予め定められた値よりも多い経路である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る照明制御システムでは、制御装置が特定商品を照らす照明器具の明るさまたは色度を変化させる。このため、特定商品の購買を促すことができる
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る調光システムを説明する図である。
図2】実施の形態1に係る照明器具を説明する図である。
図3】実施の形態1に係るセンサユニットを説明する図である。
図4】実施の形態1に係る調光システムの動作を示すフローチャートである。
図5】実施の形態1の比較例に係る調光システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態に係る照明制御システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る調光システム100を説明する図である。調光システム100は、照明制御システム1、複数のセンサユニット17および情報収集端末18を備える。照明制御システム1は、複数の照明器具10、通信線6、通信装置2、照明制御通信線4および制御端末3を備える。制御端末3と情報収集端末18は制御装置を構成する。
【0013】
複数の照明器具10は通信線6で通信装置2と接続される。通信装置2は照明制御通信線4により制御端末3と接続される。通信線6と照明制御通信線4は、有線でも無線でもかまわない。無線は例えばWi-Fi(登録商標)である。
【0014】
制御端末3は情報収集端末18にネットワーク5aを介して接続される。情報収集端末18は、センサユニット17とネットワーク5aを介して接続される。情報収集端末18はセンサユニット17からの情報を収集する。また、情報収集端末18はネットワーク5bを介して情報コンテンツ19に接続される。情報コンテンツ19は、例えばニュース、気象予測情報、SNS(Social Networking Service)、POS(Point of sale)システムなどを含む。SNSはFacebook(登録商標)、Twitter(登録商標)等である。情報収集端末18は情報コンテンツ19から情報を収集する。
【0015】
情報収集端末18はネットワーク5cを介してクラウドサーバー20に接続される。情報収集端末18は、自身が収集した情報をクラウドサーバー20に解析させる。クラウドサーバー20は例えばビックデータ解析を行う。また、情報収集端末18は、クラウドサーバー20の解析結果を受信する。
【0016】
複数の照明器具10は空間30に設けられる。複数の照明器具10の各々は、特定の空間30を照らすために光13を放射する。複数の照明器具10は、例えば空間30の天井に設置される。複数の照明器具10の設置箇所はこれに限らない。空間30には、例えば複数の商品棚15、16が設けられる。複数の商品棚15、16には商品が収納、陳列されている。複数の照明器具10は商品を照らす。
【0017】
図2は、実施の形態1に係る照明器具10を説明する図である。照明器具10は、発光部12と制御ユニット9を備える。発光部12は、光源として例えば複数のLED(Light Emitting Diode)を備える。制御ユニット9は制御器7と電源装置8から構成される。電源装置8は発光部12に電力を供給し点灯させる。制御器7は通信線6に接続される。制御器7は通信線6を介して制御端末3が発信した調光指令を受信する。制御器7は、受信した調光指令に従い電源装置8を制御する。これにより、制御器7は発光部12から発光される光13を制御する。
【0018】
図3は、実施の形態1に係るセンサユニット17を説明する図である。複数のセンサユニット17は、複数の照明器具10が設置される空間30と同一空間に設置される。各々のセンサユニット17は、カメラ22、マイク23、温湿度センサ24、においセンサ25および通信装置21を備える。カメラ22およびマイク23は、空間30での人の動きを検出する。カメラ22およびマイク23は、空間30での人の存在を検出しても良い。温湿度センサ24は、空間30の温度または湿度を検出する。においセンサ25は、空間30に存在する人のにおいを検出する。においセンサ25は、体臭に限らず、空間30のにおいを検出しても良い。
【0019】
通信装置21はネットワーク5aを介して情報収集端末18に接続される。センサユニット17が検出した空間30の内部の情報は、通信装置21により情報収集端末18に送信される。情報収集端末18とセンサユニット17の接続は、有線でも無線でも良い。
【0020】
センサユニット17は電力を外部電源から直接給電されても良い。これに限らず、センサユニット17は照明器具10に接続され、電源装置8から給電されても良い。また、センサユニット17は照明器具10に組込まれ、一体の機器として構成されても良い。各々の照明器具10にセンサユニット17が接続されても良い。これにより、空間30全体の状態をセンサユニット17で検出できる。これに限らず、センサユニット17は空間30に1つ以上設けられれば良い。また、センサユニット17は照明制御システム1に含まれても良い。
【0021】
図4は、実施の形態1に係る調光システム100の動作を示すフローチャートである。図4を用いて調光システム100の動作を説明する。センサユニット17は、空間30内の顧客の動きをカメラ22でセンシングする(S101)。また、センサユニット17は、マイク23を用いて、人のざわめき、声、会話または人が行動する際に発する音を拾う。センサユニット17は、マイク23で顧客の動きをセンシングする(S102)。センサユニット17は、マイク23で人がいるエリアをセンシングしても良い。
【0022】
センサユニット17は、温湿度センサ24で空間30内の温湿度をセンシングする(S103)。また、センサユニット17は、においセンサ25で顧客の体臭をセンシングする(S104)。
【0023】
情報収集端末18はネットワーク5bを介して、現在のニュースを収集する。情報収集端末18はニュースにおいて多く発信されているキーワードを収集する(S105)。また、情報収集端末18はネットワーク5bを介して、SNSの投稿情報を収集する。情報収集端末18は、SNSの投稿情報から出現頻度の高いキーワードを収集する(S106)。ここで、情報収集端末18は、ニュースまたはSNSから出現頻度が規定値よりも高いキーワードを収集するものとしても良い。
【0024】
情報収集端末18はネットワーク5bを介して気象予測情報を収集する(S107)。これにより情報収集端末18は、今後の温湿度情報、気候情報を収集する。情報収集端末18は、気象予測情報から気候変動情報を収集しても良い。
【0025】
また、情報収集端末18は、POSシステムから商品売り上げ動向についての情報を抽出する。ここで、POSシステムは、空間30内の商品売り上げ動向を管理するシステムである。情報収集端末18は、ネットワーク5bを介して空間30内のPOSシステムから売り上げが増大傾向にある商品情報を収集する(S108)。なお、POSシステムと情報収集端末18は、ネットワーク5bを介さず直接繋がっていてもよい。また、情報収集端末18は、空間30外の商品売り上げ動向についての情報を抽出しても良い。
【0026】
クラウドサーバー20は、情報収集端末18を介して、センサユニット17が検出した人の動きまたは存在についての情報を受信する。クラウドサーバー20は、受信した情報を解析し、空間30における顧客の動線を洗い出す(S109)。動線はクラウドサーバー20で特定される。ここで、動線は空間30内の人の移動経路のうち、人の通る頻度が予め定められた値よりも多い経路であっても良い。また、動線は空間30内の人の移動経路のうち、人の通る頻度が最も多い経路であっても良い。
【0027】
また、クラウドサーバー20は、情報収集端末18がセンサユニット17から収集した人の動線から、人の動きが少ないエリアを抽出しても良い。また、クラウドサーバー20は、人が閾値よりも少ないエリアを特定しても良い。
【0028】
クラウドサーバー20は、S103、S104においてセンサユニット17が検出した空間30の温度、湿度および人の体臭についての情報を、情報収集端末18を介して受信する。クラウドサーバー20は、受信した情報から、空間30内における人の快適性を洗い出す。クラウドサーバー20は、空間30内の人が不快適であると判別した場合、空間30内に陳列された商品のうち不快適な状態を脱するために顧客が求める商品を抽出する(S110)。このように、クラウドサーバー20は、空間30の温度、湿度、においに応じて、売れやすいと予測された商品を特定商品として特定する。この特定商品は、現在顧客が求める傾向にある商品である。
【0029】
クラウドサーバー20は、空間30内に陳列された商品のうち、S105、S106において情報収集端末18が収集したキーワードに合致する商品を抽出する(S111)。このように、クラウドサーバー20は、情報収集端末18が収集したキーワードに基づいて特定商品を特定する。この特定商品は、現在顧客が求める傾向にある商品である。
【0030】
クラウドサーバー20は、S107において情報収集端末18が収集した気象予測情報から、売上が増大すると予測される商品カテゴリーを抽出する(S112)。このように、クラウドサーバー20は、気象予測情報に基づいて売れやすいと予測された商品を特定商品として特定する。この特定商品は、今後顧客が求めると予測される商品である。例えば、気象予測情報が降雨を予測する情報である場合、特定商品は雨具である。
【0031】
また、クラウドサーバー20は、S108において情報収集端末18が収集した商品情報から、売上が増大すると予測される商品カテゴリーを抽出する(S112)。クラウドサーバー20は、商品情報に基づいて売れやすいと予測された商品を特定商品として特定する。この特定商品は、今後顧客が求めると予測される商品である。
【0032】
クラウドサーバー20は、S109で洗い出された動線から外れたエリアを抽出する。クラウドサーバー20は、S110で抽出された特定商品のうち、動線から外れた位置にある特定商品を抽出する(S113)。同様にクラウドサーバー20は、S111で抽出された特定商品のうち、動線から外れた位置にある特定商品を抽出する(S114)。また、クラウドサーバー20は、S112で抽出された特定商品のうち、動線から外れた位置にある特定商品を抽出する(S115)。
【0033】
クラウドサーバー20は、S113、S114、S115で抽出された動線から外れた特定商品が配置されたエリアを特定する(S116)。クラウドサーバー20はS116で特定されたエリアを情報収集端末18に発信する。ここで、クラウドサーバー20は、動線から外れたエリアとS110、S111、S112で得られた商品を比較し、動線から外れたエリアかつ特定商品があるエリアを絞り込んでも良い。
【0034】
制御端末3は、S116で得られたエリア情報を、情報収集端末18を介してクラウドサーバー20から受信する。制御端末3は、S116で特定されたエリアにある照明器具10を特定する(S117)。ここでは複数の照明器具10うち照明器具11が特定されたとする。照明器具11は、動線から外れた位置にある特定商品15aを照らす。
【0035】
制御端末3は、情報収集端末18からの制御信号に応じて、特定された照明器具11に調光指令を送る(S118)。制御端末3は、照明器具11の明るさまたは色度を変化させる。制御端末3は、照明器具11の調光度を上げても良く、光14の色を変化させても良い。また、制御端末3は、照明器具11を明滅させても良い。
【0036】
照明器具11は、制御端末3からの調光指令に従い動作する。照明器具11の点灯状態は、制御端末3からの調光指令に応じて変化する。この結果、照明器具11の光14は、他の照明器具10の光13と異なる明るさまたは色度となり、光13と比較して強調される。このため、照明器具11で照らされた特定商品15aのエリアが強調される。これにより、照明器具11は、照明器具11が照射するエリアに顧客を誘導する(S119)。従って、特定商品15aの購買を促すことができ、照明制御システム1が設けられた店舗の売上を向上できる。
【0037】
なお、空間30内に図示しないスピーカーまたはデジタルサイネージを設けても良い。動線から外れた位置にある特定商品についての情報を、スピーカーから音声データとして出力することで、顧客に購買を促しても良い。また、動線から外れた位置にある特定商品についての情報を、デジタルサイネージに表示させることで、顧客に購買を促しても良い。
【0038】
図5は、実施の形態1の比較例に係る調光システム200を説明する図である。調光システム200は、照明制御システム201および複数の人感センサ26を備える。調光システム200では、センサユニット17に代えて人感センサ26からの情報により照明制御が行われる。このため、人の在、不在に応じた照明制御のみが可能である。また、照明制御システム201と人感センサ26は、情報収集端末18等の外部装置と接続されない。このため、ネットワークを介して、空間30の外部の情報を取り入れることが出来ない。
【0039】
これに対し、本実施の形態では、複数の照明器具10がある空間30以外からも幅広く情報を集める。また、人の在、不在に限らず、人の動線の情報が照明制御に用いられる。
【0040】
本実施の形態では、空間30の内部の情報と、空間30の外部から収集された情報との解析結果を用いて複数の照明器具10を制御する。空間30の内部の情報は、例えばセンサユニット17が検出する人の行動、人の在、不在、温湿度情報またはにおいである。空間30の外部から収集された情報は、例えばインターネット内の情報であり、現在世間で注目されているキーワード、気象予測情報またはPOSシステムからの商品情報等である。このように、多様な情報を用いることで、顧客に特定商品の購買を促すような調光制御が可能になる。
【0041】
また、調光システム100をクラウドサーバー20に接続することで、人の動線、人が現在注目する商品または人が今後注目する商品を抽出できる。このような解析結果を組み合わせることで、売れやすいと予測される一方で人の動線から外れている特定商品を、照明器具11の光14で強調することができる。これにより、特定商品に人の注目を集めさせ、人の流れを特定商品のエリアに導き、特定商品の購買を促進させることができる。
【0042】
また、本実施の形態の照明制御システム1は、外部からエリア情報を受信し、エリア情報に対応する照明器具11を調光制御すれば良い。特定商品および動線の特定は外部装置で行われるため、照明制御システム1での複雑な解析が不要となる。従って、照明制御システム1の構成を簡易化、標準化できる。
【0043】
本実施の形態において制御端末3は、人の動線から特定商品の位置が外れている場合に、複数の照明器具10のうち特定商品を照らす照明器具11の明るさまたは色度を変化させた。人の動線は、センサユニット17が検出した情報に基づき特定される。これに限らず、制御端末3は、人が閾値よりも少ないエリアに特定商品が配置されている場合に、特定商品を照らす照明器具11の明るさまたは色度を変化させても良い。この場合、センサユニット17は、空間30での人の存在を検出し、人が閾値よりも少ないエリアはセンサユニット17が検出した情報に基づき特定される。
【0044】
また、人の動線から特定商品の位置が外れていない場合に、制御端末3は複数の照明器具10のうち特定商品を照らす照明器具11の明るさまたは色度を変化させても良い。この場合にも、特定商品を強調し、購買を促進させることができる。
【0045】
また、情報収集端末18が収集する情報は、上述したものに限らない。特定商品は、空間30の内部のあらゆる情報または外部から収集されたあらゆる情報に応じて、売れやすいと予測された商品であっても良い。例えば、情報収集端末18はセンサユニット17から空間30の混雑度についての情報を収集し、クラウドサーバー20は空間30の混雑度に応じて特定商品を特定しても良い。
【0046】
また、特定商品は、売れやすいと予測された商品に限らず、調光システム100の使用者が、他の商品よりも強調したい商品または販売数を向上したい商品であっても良い。また、複数の照明器具10で照らされる対象は商品に限らず展示品等でも良い。
【0047】
また、センサユニット17は、図3で示される複数のセンサのうち一部を有しても良い。また、センサユニット17は、図3で示される複数のセンサ以外のセンサを有しても良い。また、調光システム100は、全てのセンサのうち一部を使用して調光制御を行っても良い。
【0048】
また、本実施の形態では、クラウドサーバー20が特定商品および動線の特定を行った。また、情報収集端末18が空間30の内部および外部の情報の収集を行った。これに限らず、制御端末3または情報収集端末18が特定商品および動線の特定を行っても良い。また、制御端末3またはクラウドサーバー20が内部の情報および外部情報の収集を行っても良い。また、制御端末3、情報収集端末18およびクラウドサーバー20は1つの一体化された端末でも良い。制御端末3、情報収集端末18およびクラウドサーバー20の一部が1つの端末として構成されても良い。
【0049】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 照明制御システム、2 通信装置、3 制御端末、4 照明制御通信線
図1
図2
図3
図4
図5