(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/10 20060101AFI20230314BHJP
H02K 5/173 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
H02K5/173 A
(21)【出願番号】P 2019035866
(22)【出願日】2019-02-28
【審査請求日】2022-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】三分一 浩司
(72)【発明者】
【氏名】青野 真郷
(72)【発明者】
【氏名】則兼 佑樹
【審査官】島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】特許第5349711(JP,B1)
【文献】特開2005-168186(JP,A)
【文献】特開2003-153483(JP,A)
【文献】特開2018-126042(JP,A)
【文献】特開2012-102822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/10
H02K 5/173
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に開口部が設けられた円盤部および前記円盤部の外縁から下側に延びる筒状部を有するハウジングと、
前記ハウジングの径方向の内側に設けられたステータと、
前記ステータの径方向内側に設けられ、駆動対象部材に連結されるロータと、
前記ハウジングに支持され前記ロータを前記ロータの中心軸回りに回転自在に支持するベアリングと、
前記開口部を上側から覆うカバーと、を有し、
前記ハウジングは、
前記円盤部の上面から上側に突出し、周方向に沿って環状に延びる外壁部
と、
前記円盤部の上面から上側に突出し、前記開口部の径方向外側かつ前記外壁部の径方向内側において周方向に沿って環状に延びる内壁部と、を有し、
前記カバーは、
上下方向から見て前記開口部を覆う円形の第1平板部と、
前記第1平板部の外縁から下側に延びる内筒部と、
第1平板部の径方向外側に位置し、基端から先端に向かって上側かつ径方向外側に延びる外筒部と、を有し、
前記外筒部の先端は、前記外壁部の径方向内側を向く面に接触し、
前記外筒部の基端と前記外壁部の径方向内側を向く面との間には、隙間が設けられ
、
前記内筒部の径方向内側を向く面は、前記内壁部の径方向外側を向く面と隙間を介して径方向に対向する、
モータ。
【請求項2】
中央に開口部が設けられた円盤部および前記円盤部の外縁から下側に延びる筒状部を有するハウジングと、
前記ハウジングの径方向の内側に設けられたステータと、
前記ステータの径方向内側に設けられ、駆動対象部材に連結されるロータと、
前記ハウジングに支持され前記ロータを前記ロータの中心軸回りに回転自在に支持するベアリングと、
前記開口部を上側から覆うカバーと、を有し、
前記ハウジングは、
前記円盤部の上面から上側に突出し、周方向に沿って環状に延びる外壁部と、
前記円盤部の上面から上側に突出し、前記開口部の径方向外側かつ前記外壁部の径方向内側において周方向に沿って環状に延びる内壁部と、
前記円盤部の下面から下側に突出し前記開口部の径方向外側かつ前記外壁部の径方向内側において周方向に沿って環状に延びる下壁部と、
前記下壁部の下端から径方向内側に延びる下側内板部と、を有し、
前記カバーは、
上下方向から見て前記開口部を覆う円形の第1平板部と、
前記第1平板部の外縁から下側に延びる内筒部と、
前記内筒部の下端から径方向外側に延びる第2平板部と、
第1平板部の径方向外側に位置し、基端が前記第2平板部の外縁に繋がり、基端から先端に向かって上側かつ径方向外側に延びる外筒部と、を有し、
前記外筒部の先端は、前記外壁部の径方向内側を向く面に接触し、
前記外筒部の基端と前記外壁部の径方向内側を向く面との間には、隙間が設けられ、
前記内壁部の径方向内側を向く面には、上側押さえ部材が固定され、
前記ベアリングの外輪は、前記下壁部の径方向内側において前記下側内板部と前記上側押さえ部材とに上下から挟み込まれる、
モータ。
【請求項3】
中央に開口部が設けられた円盤部および前記円盤部の外縁から下側に延びる筒状部を有するハウジングと、
前記ハウジングの径方向の内側に設けられたステータと、
前記ステータの径方向内側に設けられ、駆動対象部材に連結されるロータと、
前記ハウジングに支持され前記ロータを前記ロータの中心軸回りに回転自在に支持するベアリングと、
前記開口部を上側から覆うカバーと、を有し、
前記ハウジングは、前記円盤部の上面から上側に突出し、周方向に沿って環状に延びる外壁部を有し、
前記カバーは、
上下方向から見て前記開口部を覆う円形の第1平板部と、
前記第1平板部の外縁から下側に延びる内筒部と、
前記内筒部の下端から径方向外側に延びる第2平板部と、
第1平板部の径方向外側に位置し、基端が前記第2平板部の外縁に繋がり、基端から先端に向かって上側かつ径方向外側に延びる外筒部と、を有し、
前記外筒部の先端は、前記外壁部の径方向内側を向く面に接触し、
前記外筒部の基端と前記外壁部の径方向内側を向く面との間には、隙間が設けられ、
前記第2平板部の下面は、前記円盤部の上面と隙間を介して上下方向に対向する、
モータ。
【請求項4】
前記カバー
は、前記内筒部の下端から径方向外側に延びる第2平板部を有し、
前記外筒部の基端は、前記第2平板部の外縁に繋がる、
請求項1に記載のモータ。
【請求項5】
前記第1平板部の下面が、前記内壁部の上端に接触する、
請求項
1、2、4のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記内壁部の上端から径方向内側に延びる上側内板部を有し、
前記第1平板部の下面が、前記上側内板部の上面に接触する、
請求項
1、2、4、5のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記円盤部の下面から下側に突出し前記開口部の径方向外側かつ前記外壁部の径方向内側において周方向に沿って環状に延びる下壁部を有し、
前記下壁部の径方向内側を向く面には、下側押さえ部材が固定され、
前記ベアリングの外輪は、前記内壁部の径方向内側において前記上側内板部と前記下側押さえ部材とに上下から挟み込まれる、
請求項
6に記載のモータ。
【請求項8】
前記ベアリングの上下方向位置が、前記外筒部の上下方向位置と重なる、
請求項
6又は
7に記載のモータ。
【請求項9】
前記外筒部の径方向外側を向く面と前記外壁部の径方向内側を向く面との間に接着剤を有し、
前記接着剤の一部は、前記第2平板部の下面と前記円盤部の上面との間に設けられる隙間に溜まる、
請求項
3に記載のモータ。
【請求項10】
前記外筒部の径方向外側を向く面と前記外壁部の径方向内側を向く面との間に接着剤を有する、
請求項1~
8のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項11】
前記カバーは、プレス成型品である、
請求項1~
10の何れか一項に記載のモータ。
【請求項12】
前記外筒部の上端面には、せん断面と破断面とが設けられ、
前記せん断面は、前記破断面に対し径方向外側に位置する、
請求項
11に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、軸方向の一方側の底板の中央に開口が設けられたハウジングを有するモータが知られている。例えば、特許文献1には、ハウジングの開口を覆うシール部材が設けることで防塵機能を持たせたモータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシール部材は、ハウジングに対してねじ固定される。このため、部品点数が増加するのみならず組み立て工程が複雑化するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、容易に組み立て可能なシール構造を有するモータの提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータの一つの態様は、中央に開口部が設けられた円盤部および前記円盤部の外縁から下側に延びる筒状部を有するハウジングと、前記ハウジングの径方向の内側に設けられたステータと、前記ステータの径方向内側に設けられ、駆動対象部材に連結されるロータと、前記ハウジングに支持され前記ロータを前記ロータの中心軸回りに回転自在に支持するベアリングと、前記開口部を上側から覆うカバーと、を有する。前記ハウジングは、前記円盤部の上面から上側に突出し周方向に沿って環状に延びる外壁部と、前記円盤部の上面から上側に突出し、前記開口部の径方向外側かつ前記外壁部の径方向内側において周方向に沿って環状に延びる内壁部と、を有する。前記カバーは、上下方向から見て前記開口部を覆う円形の第1平板部と、前記第1平板部の外縁から下側に延びる内筒部と、第1平板部の径方向外側に位置し、基端から先端に向かって上側に延びる外筒部と、を有する。前記外筒部の先端は、前記外壁部の径方向内側を向く面に接触し、前記外筒部の基端と前記外壁部の径方向内側を向く面との間には、隙間が設けられる。
本発明のモータの別の態様は、中央に開口部が設けられた円盤部および前記円盤部の外縁から下側に延びる筒状部を有するハウジングと、前記ハウジングの径方向の内側に設けられたステータと、前記ステータの径方向内側に設けられ、駆動対象部材に連結されるロータと、前記ハウジングに支持され前記ロータを前記ロータの中心軸回りに回転自在に支持するベアリングと、前記開口部を上側から覆うカバーと、を有する。前記ハウジングは、前記円盤部の上面から上側に突出し、周方向に沿って環状に延びる外壁部と、前記円盤部の上面から上側に突出し、前記開口部の径方向外側かつ前記外壁部の径方向内側において周方向に沿って環状に延びる内壁部と、前記円盤部の下面から下側に突出し前記開口部の径方向外側かつ前記外壁部の径方向内側において周方向に沿って環状に延びる下壁部と、前記下壁部の下端から径方向内側に延びる下側内板部と、を有する。前記カバーは、上下方向から見て前記開口部を覆う円形の第1平板部と、前記第1平板部の外縁から下側に延びる内筒部と、前記内筒部の下端から径方向外側に延びる第2平板部と、第1平板部の径方向外側に位置し、基端が前記第2平板部の外縁に繋がり、基端から先端に向かって上側かつ径方向外側に延びる外筒部と、を有する。前記外筒部の先端は、前記外壁部の径方向内側を向く面に接触し、前記外筒部の基端と前記外壁部の径方向内側を向く面との間には、隙間が設けられる。前記内壁部の径方向内側を向く面には、上側押さえ部材が固定される。記ベアリングの外輪は、前記下壁部の径方向内側において前記下側内板部と前記上側押さえ部材とに上下から挟み込まれる。
本発明のモータの別の態様は、中央に開口部が設けられた円盤部および前記円盤部の外縁から下側に延びる筒状部を有するハウジングと、前記ハウジングの径方向の内側に設けられたステータと、前記ステータの径方向内側に設けられ、駆動対象部材に連結されるロータと、前記ハウジングに支持され前記ロータを前記ロータの中心軸回りに回転自在に支持するベアリングと、前記開口部を上側から覆うカバーと、を有する。前記ハウジングは、前記円盤部の上面から上側に突出し、周方向に沿って環状に延びる外壁部を有し、前記カバーは、上下方向から見て前記開口部を覆う円形の第1平板部と、前記第1平板部の外縁から下側に延びる内筒部と、前記内筒部の下端から径方向外側に延びる第2平板部と、第1平板部の径方向外側に位置し、基端が前記第2平板部の外縁に繋がり、基端から先端に向かって上側かつ径方向外側に延びる外筒部と、を有する。前記外筒部の先端は、前記外壁部の径方向内側を向く面に接触し、前記外筒部の基端と前記外壁部の径方向内側を向く面との間には、隙間が設けられる。前記第2平板部の下面は、前記円盤部の上面と隙間を介して上下方向に対向する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、容易に組み立て可能なシール構造を有するモータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態のモータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。
以下の説明においては、中心軸J(
図1参照)に平行な方向を単に「軸方向」又は「上下方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向、すなわち、中心軸Jの軸周りを単に「周方向」と呼ぶ。また、本明細書では、中心軸Jに沿った軸方向における
図1の上側を単に「上側」と呼び、下側を単に「下側」と呼ぶ。なお、本明細書における上下方向は、単に説明のために用いられる方向であって、モータの使用時および流通時の姿勢を限定するものではない。
【0010】
図1は、一実施形態のモータ1の断面図である。
図2は、
図1の部分拡大図である。
モータ1は、上下方向に沿って延びる中心軸Jを中心として回転するロータ30と、ロータ30を囲むステータ20と、ステータ20を保持するハウジング10と、ハウジング10に支持されるベアリング35と、ベアリング35をハウジング10に固定する押さえ部材(下側押さえ部材)40と、カバー50と、を有する。
【0011】
図1に示す様に、ステータ20は、ハウジング10の径方向内側に設けられる。ステータ20は、ロータ30の中心軸Jを中心とする径方向の外側に位置する。ステータ20は、ステータコア21と、インシュレータ22と、コイル23と、を有する。
【0012】
ステータコア21は、中心軸Jを中心とする筒状のコアバック部21aと、コアバック部21aから径方向内側に延びる複数のティース部21bと、を有する。ティース部21bは、中心軸J周りの周方向に等間隔をあけて複数設けられる。コイル23は、絶縁性のインシュレータ22を介してティース部21bに巻き付けられる。
【0013】
ロータ30は、ステータ20の径方向内側に設けられる。ロータ30は、ロータホルダ31と、複数の永久磁石32と、ロータカバー33と、を有する。
【0014】
ロータホルダ31は、上下方向に延びるホルダ筒部31aと、ホルダ筒部31aの上側端部から径方向内側に延びる端板31bと、端板31bの中央部から上側に突出する円柱状のボス部31cと、を有する。また、ボス部31cには、上下方向に貫通する接続孔31sが設けられる。
【0015】
複数の永久磁石32は、ホルダ筒部31aの外周面に設けられる。複数の永久磁石32は、周方向に沿って並ぶ。周方向において互いに隣り合う永久磁石32同士は、径方向を向く磁極が互いに反転されている。複数の永久磁石32は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。
【0016】
ロータカバー33は、円筒状である。ロータカバー33は、ロータホルダ31のホルダ筒部31aおよび複数の永久磁石32を径方向外側から覆う。
【0017】
ベアリング35は、ロータ30をロータ30の中心軸J回りに回転自在に支持する。ベアリング35は、ロータホルダ31のボス部31cの径方向外側に設けられる。ベアリング35は、円環状の外輪35bと、外輪35bの径方向内側に設けられた円環状の内輪35aと、外輪35bと内輪35aとの間に設けられた複数の転動体35cと、を有する。
【0018】
図2に示すように、ベアリング35の内輪35aの内側には、ロータ30のボス部31cが挿入される。また、ボス部31cの接続孔31sには、駆動対称部材としてのシャフト39の上端部が挿入される。シャフト39の上端部の下側には、段差面39bが設けられる。段差面39bは、ロータホルダ31の端板31bの下面に接触する。シャフト39の上端面には、ねじ穴39aが設けられる。シャフト39のねじ穴39aには、接続板38の中央孔38aに挿入された接続ボルト34が締結される。接続板38の下面は、ベアリング35の内輪35aの上面に接触する。
【0019】
接続ボルト34を締結することで、シャフト39の段差面39bと接続板38の下面とがロータホルダ31および内輪35aを上下から挟み込み、シャフト39、ロータホルダ31および内輪35aを互いに固定する。これにより、ロータ30は、シャフト39に連結される。
【0020】
シャフト39は、例えばボールねじ機構を構成する。この場合、シャフト39は、外周面に螺旋溝(図示略)が設けられたねじ軸として機能する。また、シャフト39は、筒状のスライド部材(図示略)に挿入される。スライド部材の内周面には、シャフト39の外周面の螺旋溝に対向する螺旋溝が設けられる。シャフトとスライド部材の間の螺旋状の空間には、複数のボールが介在する。スライド部材は、シャフト39が回転することでスライド移動する。
【0021】
上述したように、駆動対称部材としてのシャフト39がボールねじ機構のねじ軸として機能する場合、スライド部材の移動に伴い、ベアリング35の内輪35aには、反力が加わる。スライド部材が下側に移動する場合、内輪35aにはシャフト39から上側の反力が加わり、スライド部材が上側に移動する場合、内輪35aにはシャフト39から下側の反力が加わる。
【0022】
図1に示すように、ハウジング10は、円盤部11と、筒状部13と、外壁部15と、内壁部16と、上側内板部17と、下壁部18と、を有する。ハウジング10は、アルミニウム合金からなる。ハウジング10は、例えばダイカスト成型により製造される。
【0023】
円盤部11は、中心軸Jと直交する平面に沿って延びる板状である。円盤部11は、上下方向から見て円形である。円盤部11には、上下方向に貫通する開口部12が設けられる。開口部12は、上下方向から見て、円盤部11の中央に位置する。上下方向から見て、開口部12の内側には、接続板38および接続ボルト34が配置される。開口部12は、組み立て工程において作業者が上側から接続ボルト34を締結するために設けられる。
【0024】
筒状部13は、中心軸Jを中心として上下方向に延びる円筒状である。筒状部13は、円盤部11の外縁から下側に延びる。筒状部13は、ステータ20を径方向外側から囲む。また、筒状部13の内周面には、ステータ20が焼き嵌めなどの手段により固定される。
【0025】
図2に示すように、外壁部15は、円盤部11の上面から上側に突出する。外壁部15は、開口部12の径方向外側において周方向に沿って環状に延びる。外壁部15の上下方向の寸法は、周方向に沿って一様である。
【0026】
内壁部16は、円盤部11の上面から上側に突出する。本実施形態において、内壁部16は、開口部12の内縁から上側に突出する。内壁部16は、開口部12の径方向外側かつ外壁部15の径方向内側において周方向に沿って環状に延びる。すなわち、内壁部16と外壁部15とは、径方向に対向する。内壁部16の上下方向の寸法は、周方向に沿って一様である。本実施形態において、内壁部16の上下方向の寸法は、外壁部15の上下方向の寸法より大きい。したがって、内壁部16の上端部は、外壁部15の上端部より上側に位置する。内壁部16の径方向内側には、ベアリング35が配置される。
【0027】
上側内板部17は、内壁部16の上端から径方向内側に延びる。上側内板部17は、ベアリング35の上側に位置する。上側内板部17の下面は、ベアリング35の外輪35bの上面と接触する。なお本実施形態の上側内板部17は、周方向に沿って連続する円環状であるが、上側内板部17は、周方向の一部に間欠的に設けてもよい。また、上側内板部17は、内壁部16の上端から径方向内側に延びるが、開口部12を塞がない。つまり、開口部12は、上側内板部17を上下方向に貫通する。上側内板部17における開口部12の直径は、円盤部11における開口部12の直径よりも小さい。
【0028】
下壁部18は、円盤部11の下面から下側に突出する。本実施形態において、下壁部18は、開口部12の内縁から下側に突出する。下壁部18は、開口部12の径方向外側かつ外壁部15の径方向内側において周方向に沿って環状に延びる。下壁部18は、上下方向から見て内壁部16と重なる。下壁部18の径方向内側を向く面には、雌ねじ部18aが設けられる。以下、下壁部18の径方向内側を向く面を下壁部18の内周面と呼ぶ。
【0029】
押さえ部材40は、中心軸Jを中心とする円環状の部材である。押さえ部材40は、下壁部18の径方向内側に配置される。押さえ部材40の径方向外側を向く面には、雄ねじ部40aが設けられる。雄ねじ部40aは、下壁部18の雌ねじ部18aに締結される。これにより、押さえ部材40は、下壁部18の内周面に固定される。また、押さえ部材40は、ベアリング35の下側に位置する。押さえ部材40の上面は、ベアリング35の外輪35bの下面と接触する。
【0030】
押さえ部材40をハウジング10の雌ねじ部18aに締結すると、ベアリング35の外輪35bは、内壁部16の径方向内側において上側内板部17と押さえ部材40とに上下から挟み込まれる。これにより、ベアリング35は、ハウジング10に支持される。本実施形態によれば、簡素な構造でベアリング35の外輪35bをハウジング10に固定することができる。
【0031】
なお、ハウジング10の雌ねじ部18aと押さえ部材40の雄ねじ部40aとは、接着剤で固定されていてもよい。モータ1の駆動に伴い駆動対象部材からベアリング35に上下方向の反力が生じる場合、雌ねじ部18aと雄ねじ部40aとの締結にがたつきが生じる虞がある。雌ねじ部18aと雄ねじ部40aとを接着剤で固定することで、締結にがたつきが生じることを抑制できる。
【0032】
カバー50は、ハウジング10に取り付けられる。カバー50は、ハウジング10の開口部12を上側から覆う。カバー50は、開口部12を介してモータ1の内部に水分および埃等が侵入することを抑制する。
【0033】
カバー50は、第1平板部51と、内筒部52と、第2平板部53と、外筒部54と、を有する。カバー50は、鉄系合金からなる。カバー50は、外径および各部の形状をプレス加工により成型するプレス成型品である。このため、カバー50は、低コストで大量生産が可能である。また、カバー50の各部(第1平板部51、内筒部52、第2平板部53および外筒部54)の境界部は、所定の曲率半径で屈曲する。
【0034】
第1平板部51は、上下方向と直交する平面に沿って延びる平板である。第1平板部51は、上下方向から見て中心軸Jを中心とする円形である。第1平板部51は、上下方向から見て開口部12を覆う。第1平板部51の下面は、内壁部16の上端および内壁部16の上端から径方向内側に延びる上側内板部17の上面に接触する。なお、本実施形態において、上側内板部17の上面は、内壁部16の上端と連続する面である。
【0035】
内筒部52は、中心軸Jを中心として上下方向に延びる円筒状である。内筒部52は、第1平板部51の外縁から下側に延びる。内筒部52は、ハウジング10の内壁部16の径方向外側かつ外壁部15の径方向内側に位置する。内筒部52の径方向内側を向く面は、内壁部16の径方向外側を向く面と隙間を介して径方向に対向する。以下、内筒部52の径方向内側を向く面を内筒部52の内周面、内壁部16の径方向外側を向く面を内壁部16の外周面と呼ぶ。
【0036】
第2平板部53は、上下方向と直交する平面に沿って延びる。第2平板部53は、内筒部52の下端から径方向外側に延びる。第2平板部53は、上下方向から見て円環状である。第2平板部53は、ハウジング10の内壁部16の径方向外側かつ外壁部15の径方向内側に位置する。第2平板部53の下面は、円盤部11の上面と隙間を介して上下方向に対向する。
【0037】
外筒部54は、第1平板部51、内筒部52および第2平板部53の径方向外側に位置する。外筒部54は、基端54cと先端54aとを有する。基端54cは、第2平板部53の外縁に繋がる。外筒部54は、基端54cから先端54aに向かって上側かつ径方向外側に延びる。すなわち、外筒部54は、第2平板部53の外縁から上側かつ径方向外側に延びる。外筒部54は、中心軸Jを中心として上下方向に延び上側に向かうに従い直径が大きくなるテーパ状の円筒形状である。外筒部54は、ハウジング10の内壁部16の径方向外側かつ外壁部15の径方向内側に位置する。
【0038】
外筒部54の先端54aは、外壁部15の上端より下側に位置する。外筒部54の先端54aは、外壁部15の径方向内側を向く面に接触する。以下、外壁部15の径方向内側を向く面を外壁部15の内周面と呼ぶ。外筒部54と外壁部15とは、中心軸J周りの一周に亘って連続する接触部9において接触する。また、外筒部54の基端54cと外壁部15の内周面との間には、隙間が設けられる。
【0039】
本実施形態において、カバー50の内筒部52、第2平板部53および外筒部54は、径方向において、ハウジング10の内壁部16と外壁部15との間に挿入される。また、外筒部54の先端54aは、外壁部15の内周面によって径方向内側に押し付けられる。これにより、外筒部54が、基端54cを起点として、径方向内側に弾性変形する。また、内筒部52が上端を起点として径方向内側に弾性変形する。さらに、内筒部52と外筒部54とをつなぐ第2平板部53は、下側および径方向内側に移動する。なお、第2平板部53は、板厚および素材の弾性率によっては、弾性座屈して下側に凸となるように湾曲する。
【0040】
外筒部54は、内筒部52および外筒部54の弾性変形に伴う反力によって、外壁部15に緊密に接触する。これにより、外筒部54と外壁部15とが接触部9において緊密に接触し、水分および埃等の通過を抑制する。結果的に、径方向内側に水分および埃等が侵入することを抑制し、ボルト等を用いることがない簡易な構造でモータ1を防水することができる。これにより、モータ1の低コスト化を図ることができる。
【0041】
本実施形態によれば、外筒部54が、基端54cから先端54aに向かって上側かつ径方向外側に延びる。このため、外筒部54を外壁部15の内側に挿入することで、先端54aのみを外壁部15の内周面に接触させ、基端54cを起点として外筒部54を径方向内側に弾性変形させることができる。これにより、外筒部54の先端54aを確実に外壁部15に接触させて防水性能を安定させることができる。
【0042】
本実施形態によれば、カバー50は、外筒部54および内筒部52を有するため、外筒部54のみならず内筒部52をも弾性変形させて外筒部54の先端54aを外壁部15に押し付けることができる。外筒部54と内筒部52とを弾性変形させることで、外筒部54のみを弾性変形させる場合と比較して、外筒部54の先端54aの変位代を大きく確保できる。結果的に、外筒部54の先端54aを、より大きな力で外壁部15に押し付けることができ、接触部9の防水性能を高めることができる。
【0043】
本実施形態のハウジング10は、軽量化およびダイカスト成型による低コスト化などを目的として、アルミニウム合金で構成される。一方で、本実施形態のカバー50は、防水性能を確保するための十分なバネ性を確保するために、鉄系合金で構成される。すなわち、ハウジング10とカバー50とは、異種材料から構成される。このため、ハウジング10とカバー50とは、熱膨張係数が互いに異なる。本実施形態によれば、カバー50は、外筒部54のみならず内筒部52をも弾性変形させてハウジング10に取り付けられるため、外筒部54の先端54aの変位代を大きく確保できる。これにより、ハウジング10とカバー50の熱膨張係数の差に起因する寸法変化を変位代によって吸収することができる。
【0044】
本実施形態において、ベアリング35の上下方向位置は、外筒部54の上下方向位置と重なる。このため、ベアリング35に対し、外筒部54が上側に大きく突出することが抑制され、モータ1の上下方向の寸法を小型化できる。
【0045】
図2に示すように、モータ1は、外筒部54の外周面と外壁部15の内周面との間に、接着剤Gを有してもよい。言い換えると、外筒部54の外周面と外壁部15の内周面とは、接着剤Gによって接着されていてもよい。外筒部54の外周面とは、外筒部54の径方向外側を向く面である。接着剤Gは、中心軸J周りの一周に亘って連続して設けられる。接着剤Gは、カバー50をハウジング10に組み付ける前に、外筒部54の外周面および外壁部15の内周面のうち少なくとも一方に塗布され、組み付けた後に硬化される。これにより、接着剤Gが外筒部54の外周面と外壁部15の内周面との間の微細な隙間を塞ぎ、カバー50とハウジング10との間の防水の信頼性をより高めることができる。振動が加わった場合であっても、カバー50がハウジング10に対し離脱することを抑制できる。
【0046】
本実施形態によれば、ハウジング10は、内筒部52の径方向内側に位置する内壁部16を有する。内壁部16は、カバー50のハウジング10への組み付け工程において、カバー50を径方向にガイドする。内壁部16の上端は、外壁部15の上端より上側に位置する。したがって、組み付け工程において、内壁部16は、外壁部15の内側に外筒部54が挿入される前に、内筒部52の内側に挿入される。カバー50がハウジング10に対し径方向にずれた状態で、外筒部54が外壁部15の内側に挿入されることを抑制できる。結果的に、組付け工程において、外壁部15の内周面に傷が生じることを抑制することができ、防水の信頼性を高めることができる。
【0047】
本実施形態によれば、ハウジング10が内壁部16および外壁部15を有し、カバー50の内筒部52、第2平板部53および外筒部54が、内壁部16と外壁部15との間に挿入される。このため、ハウジング10とカバー50との接触部9から開口部12までの経路を複雑化させたラビリンス構造とすることができ、開口部12からモータ1の内部に水分および埃等が侵入することを抑制できる。
【0048】
本実施形態によれば、内筒部52の内周面と内壁部16の外周面との間には、隙間が設けられる。このため、内筒部52の弾性変位が、内壁部16との干渉によって阻害されることを抑制できる。なお、内筒部52の内周面と内壁部16の外周面との間の隙間の径方向の寸法は、ラビリンス構造の効果を十分に得るために、内筒部52の板厚より小さいことが好ましい。
【0049】
本実施形態によれば、第1平板部51の下面が、内壁部16の上端および上側内板部17の上面に接触する。これにより、カバー50が上下方向に位置決めされる。また、接触部9からカバー50の内側に、水分および埃等が入った場合であっても、第1平板部51の下面とハウジング10との間で、水分および埃等の侵入経路が塞がれ、開口部12に水分および埃等が侵入することを抑制できる。加えて、外筒部54と外壁部15とを接着剤Gで接着する場合には、硬化前の接着剤Gが開口部12からモータ1の内部に侵入することを抑制できる。
【0050】
本実施形態によれば、第2平板部53の下面と円盤部11の上面との間には、隙間が設けられる。このため、内筒部52および外筒部54の弾性変位に伴う第2平板部53の移動が、円盤部11との干渉によって阻害されることを抑制できる。また、外筒部54の外周面と外壁部15の内周面とが接着剤Gによって接着される場合、接着剤Gの一部は、第2平板部53の下面と円盤部11の上面との間に設けられる隙間に溜まる。外筒部54の外周面又は外壁部15の内周面に接着剤Gを塗布した状態で外壁部15の内側に外筒部54を挿入すると、未硬化の接着剤Gは下側に流動する。第2平板部53の下面と円盤部11の上面との間に隙間を設けることで、未硬化の接着剤Gが当該隙間に溜まり、開口部12からモータ1の内部に侵入することを抑制できる。なお、第2平板部53の下面と円盤部11の上面との間の隙間の上下方向の寸法は、ラビリンス構造の効果を得つつ接着剤溜りとして機能させるために、第2平板部53の板厚の半分より大きく2倍より小さいことが好ましい。
【0051】
図3は、
図2の領域IIIの部分拡大図であり、外筒部54の上端面54bの拡大模式図である。
上述したように、カバー50は、プレス成型品である。一般的に、打ち抜き端面には、プレス打ち抜き加工における打ち抜き方向に沿ってせん断面と破断面とが形成される。また、せん断面側のエッジにはダレが形成され、破断面側のエッジには、バリが形成されやすい。ダレとは、プレス加工時に材料表面が塑性片することで形成される湾曲形状の滑らかな面である。せん断面は、板厚方向に筋状の流れが見える平滑な面である。破断面は、材料をむしり取ったような凹凸の激しい面である。バリは、材料から飛び出す突起である。
本実施形態において、カバー50の外形を構成する外筒部54の上端面54bは、プレス打ち抜き加工により形成される打ち抜き端面である。したがって、外筒部54の上端面54bには、ダレ54h、せん断面54i、破断面54jおよびバリ54kが設けられる。
【0052】
本実施形態において、せん断面54iは、破断面54jに対し径方向外側に位置する。せん断面54iと破断面54jとがこの関係とになるように抜き方向を定めることで、プレス時にバリが径方向外側に突出することを抑制できる。結果的に、外筒部54を外壁部15の内側に挿入する工程で外壁部15の内周面に傷をつけることがなく、防水の信頼性を高めることができる。
なお、
図3では、上述の構成の効果を強調する目的でバリ54kを図示したが、バリ54kはプレス加工後に除去される。バリ54kの除去を行う場合でも、微細なバリ54kが残る場合や除去後の面が凹凸形状になる場合等があり、外壁部15の内周面を傷つける虞がある。このため、バリ54kを除去する場合であっても、せん断面54iと破断面54jとを上述の関係とすることが好ましい。
【0053】
<変形例1>
図4は、変形例1のモータ101の断面図である。以下、
図4を基に、変形例1のモータ101ついて説明する。変形例1のモータ101は、上述の実施形態のモータ1と比較して、ベアリング35の外輪35bを保持する構造が主に異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
上述の実施形態と同様に、モータ101は、ロータ30と、ステータ20と、ハウジング110と、ベアリング35と、押さえ部材(上側押さえ部材)140と、カバー150と、を有する。
【0055】
ハウジング110は、円盤部111と、筒状部113と、外壁部115と、内壁部116と、下壁部118と、下側内板部117と、を有する。
【0056】
円盤部111には、上下方向に貫通する開口部112が設けられる。筒状部113は、円盤部111の外縁から下側に延びる。外壁部115は、円盤部111の上面から上側に突出する。外壁部115は、開口部112の径方向外側において周方向に沿って環状に延びる。
【0057】
内壁部116は、円盤部111の上面から上側に突出する。本変形例において、内壁部116は、開口部112の内縁から上側に突出する。内壁部116は、開口部112の径方向外側かつ外壁部115の径方向内側において周方向に沿って環状に延びる。内壁部116の径方向内側を向く面には、雌ねじ部116aが設けられる。以下、内壁部116の径方向内側を向く面を内壁部116の内周面と呼ぶ。
【0058】
下壁部118は、円盤部111の下面から下側に突出する。本変形例において、下壁部118は、開口部112の内縁から下側に突出する。下壁部118は、開口部112の径方向外側かつ外壁部115の径方向内側において周方向に沿って環状に延びる。
【0059】
下側内板部117は、下壁部118の下端から径方向内側に延びる。下側内板部117は、ベアリング35の下側に位置する。下側内板部117の上面は、ベアリング35の外輪35bの下面と接触する。
【0060】
押さえ部材140は、中心軸Jを中心とする円環状の部材である。押さえ部材140の径方向外側を向く面には、雄ねじ部140aが設けられる。雄ねじ部140aは、内壁部116の雌ねじ部116aに締結される。これにより、押さえ部材140は、内壁部116の径方向内側を向く面に固定される。
【0061】
押さえ部材140は、ベアリング35の上側に位置する。押さえ部材140の下面は、ベアリング35の外輪35bの上面と接触する。押さえ部材140をハウジング110の雌ねじ部116aに締結すると、ベアリング35の外輪35bは、下壁部118の径方向内側において下側内板部117と押さえ部材140とに上下から挟み込まれる。これにより、ベアリング35は、ハウジング110に支持される。本変形例によれば、簡素な構造でベアリング35の外輪35bをハウジング110に固定することができる。
【0062】
上述の実施形態と同様に、カバー150は、第1平板部151と、内筒部152と、第2平板部153と、外筒部154と、を有する。上述の実施形態と同様に内筒部152、第2平板部153および外筒部154は、ハウジング110の内壁部116と外壁部115との間に挿入される。外筒部154は、内筒部152および外筒部154の弾性変形に伴う反力によって、外壁部115に緊密に接触する。これにより、外筒部154と外壁部115との間の防水が実現される。
【0063】
<変形例2>
図5は、変形例2のモータ201の断面図である。以下、
図5を基に、変形例2のモータ201ついて説明する。変形例2のモータ201は、上述の実施形態のモータ1と比較して、ハウジング210に対するカバー250の固定構造の構成が主に異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
図5に示すように、モータ201は、ハウジング210と、ベアリング35と、押さえ部材40と、カバー250と、を有する。また、
図5において図示を省略するが、モータ201は、上述の実施形態と同様に、ロータ30と、ステータ20と、を有する。
【0065】
ハウジング210は、円盤部211と、筒状部213と、外壁部215と、下壁部18と、を有する。円盤部211は、中心軸Jと直交する平面に沿って延びる円形の板状である。円盤部211には、上下方向に貫通する開口部212が設けられる。筒状部213は、円盤部211の外縁から下側に延びる。外壁部215は、円盤部211の上面から上側に突出する。外壁部215は、開口部212の径方向外側において周方向に沿って環状に延びる。
【0066】
カバー250は、第1平板部251と、外筒部254と、を有する。
第1平板部251は、上下方向と直交する平面に沿って延びる円形の平板である。第1平板部251は、上下方向から見て開口部212を覆う。第1平板部251の下面は、円盤部211の上面に接触する。
【0067】
外筒部254は、第1平板部251の径方向外側に位置する。外筒部254は、基端254cと先端254aとを有する。基端254cは、第1平板部251の外縁に繋がる。外筒部254は、基端254cから先端254aに向かって上側かつ径方向外側に延びる。
【0068】
外筒部254の先端254aは、外壁部215の内周面に接触する。また、外筒部254の基端254cと外壁部215の内周面との間には、隙間が設けられる。本変形例によれば、外筒部254を外壁部215の内側に挿入することで、先端254aのみを外壁部215の内周面に接触させ、基端254cを起点として外筒部254を径方向内側に弾性変形させることができる。これにより、外筒部254の先端254aを確実に外壁部215に接触させて防水性能を安定させることができる。本変形例によれば、上述の実施形態と比較して、より簡素な構造でモータ201のシール構造を実現できる。
【0069】
以上に、本発明の一実施形態および変形例を説明したが、実施形態および変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0070】
1,101、201…モータ、10,110、210…ハウジング、11,111、211…円盤部、12,112、212…開口部、13,113、213…筒状部、15,115、215…外壁部、16,116…内壁部、17…上側内板部、18,118…下壁部、20…ステータ、30…ロータ、35…ベアリング、35a…内輪、35b…外輪、39…シャフト(駆動対象部材)、40…押さえ部材(下側押さえ部材)、50,150、250…カバー、51,151、251…第1平板部、52,152…内筒部、53,153…第2平板部、54,154、254…外筒部、54a、254a…先端、54b…上端面、54c、254c…基端、54h…ダレ、54i…せん断面、54j…破断面、54k…バリ、117…下側内板部、140…押さえ部材(上側押さえ部材)、G…接着剤、J…中心軸