(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】膜分離装置
(51)【国際特許分類】
B01D 61/12 20060101AFI20230314BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20230314BHJP
【FI】
B01D61/12
C02F1/44 A
(21)【出願番号】P 2019049892
(22)【出願日】2019-03-18
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】高島 悠司
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 隼人
(72)【発明者】
【氏名】平尾 匡章
(72)【発明者】
【氏名】中 祥彦
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-221878(JP,A)
【文献】特開2017-221877(JP,A)
【文献】特開2017-221876(JP,A)
【文献】特開2018-202368(JP,A)
【文献】米国特許第06074551(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D61/00-71/82
C02F1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水を含む供給水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールと、
給水を吸入して供給水として前記逆浸透膜モジュールに向けて吐出する加圧ポンプと、
前記加圧ポンプの回転速度を制御するポンプ制御部と、
実質的に無段階で開度を調整することにより、前記加圧ポンプに供給される給水の圧力を調整する給水圧力調整弁と、
実質的に無段階で開度を調整することにより、装置外へ排出する濃縮水の排水流量を調整する排水流量調整弁と、
前記給水圧力調整弁の開度を制御する給水圧力調整弁制御部と、
前記排水流量調整弁の開度を制御する排水流量調整弁制御部と、
前記ポンプ制御部、前記給水圧力調整弁制御部、及び前記排水流量調整弁制御部による制御のタイミングを調整するタイミング調整部と、を備える膜分離装置であって、
前記タイミング調整部は、前記膜分離装置の給水時に、前記ポンプ制御部による前記加圧ポンプの制御開始時と、前記給水圧力調整弁制御部による前記給水圧力調整弁の制御開始時と、前記排水流量調整弁制御部による前記排水流量調整弁の制御開始時との間にタイムラグを設け
、
前記膜分離装置の給水時における前記加圧ポンプの制御が開始された時刻において、前記給水圧力調整弁の開度及び前記排水流量調整弁の開度は一定であり、
前記膜分離装置の給水時における前記給水圧力調整弁の制御が開始された時刻において、前記加圧ポンプの回転速度及び前記排水流量調整弁の開度は一定であり、
前記膜分離装置の給水時における前記排水流量調整弁の制御が開始された時刻において、前記加圧ポンプの回転速度及び前記給水圧力調整弁の開度は一定である、膜分離装置。
【請求項2】
前記タイミング調整部は、前記膜分離装置の給水時に、前記給水圧力調整弁の制御の開始の後に、前記ポンプ制御部に前記加圧ポンプの制御を開始させるか、又は前記排水流量調整弁制御部に前記排水流量調整弁の制御を開始させる、請求項1に記載の膜分離装置。
【請求項3】
前記タイミング調整部は、前記膜分離装置の給水時に、前記給水圧力調整弁の制御の開始の後に、前記ポンプ制御部に前記加圧ポンプの制御を開始させ、前記加圧ポンプの制御の開始の後に、前記排水流量調整弁制御部に前記排水流量調整弁の制御を開始させる、請求項2に記載の膜分離装置。
【請求項4】
給水の圧力値を測定する圧力測定手段を更に備え、
前記給水圧力調整弁制御部は、給水の圧力値をフィードバック値として使用するフィードバック制御を実行する、請求項1~3のいずれか1項に記載の膜分離装置。
【請求項5】
透過水の流量値を測定する第1流量測定手段を更に備え、
前記ポンプ制御部は、透過水の流量値をフィードバック値として使用するフィードバック制御を実行する、請求項1~4のいずれか1項に記載の膜分離装置。
【請求項6】
排水流量の値を測定する第2流量測定手段を更に備え、
前記排水流量調整弁制御部は、排水流量の値をフィードバック値として使用するフィードバック制御を実行する、請求項1~5のいずれか1項に記載の膜分離装置。
【請求項7】
前記膜分離装置の給水時に、前記ポンプ制御部は前記加圧ポンプの回転速度を減少させ、前記給水圧力調整弁制御部は、前記給水圧力調整弁の開度を大きくするか、又は全開状態とし、前記回転速度の減少の結果、前記回転速度が所定値を下回った場合には、前記給水圧力調整弁制御部は、前記給水圧力調整弁の開度を小さくする、請求項1~6のいずれか1項に記載の膜分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体の製造工程、電子部品や医療器具の洗浄等においては、不純物を含まない高純度の純水が使用される。この種の純水は、一般に、地下水や水道水等の原水を、逆浸透膜モジュール(以下、「RO膜モジュール」ともいう)で逆浸透膜分離処理することにより製造される。
【0003】
高分子材料からなる逆浸透膜の水透過係数は、温度により変化する。また、逆浸透膜の水透過係数は、細孔の閉塞(以下、「膜閉塞」ともいう)や、材質の酸化による劣化(以下、「膜劣化」ともいう)によっても変化する。
【0004】
そこで、原水の温度や逆浸透膜の状態にかかわらず、RO膜モジュールにおける透過水の流量を一定に保つため、流量フィードバック水量制御を行う水質改質システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この水質改質システムにおいては、排水流量を調整する排水流量調整弁と、給水圧力を調整する給水圧力調整弁とが用いられると共に、透過水流量を制御するためインバータ制御がされているが、排水流量調整弁や給水圧力調整弁の制御頻度が頻繁になると、排水流量調整弁や給水圧力調整弁の寿命が短くなる。また他のPI制御への追従が頻繁となり、ハンチングする可能性が高くなる。
【0007】
本発明は、開度調整弁を延命し、各種PI制御を安定させることが可能な、膜分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、給水を含む供給水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールと、給水を吸入して供給水として前記逆浸透膜モジュールに向けて吐出する加圧ポンプと、前記加圧ポンプの回転速度を制御するポンプ制御部と、実質的に無段階で開度を調整することにより、前記加圧ポンプに供給される給水の圧力を調整する給水圧力調整弁と、実質的に無段階で開度を調整することにより、装置外へ排出する濃縮水の排水流量を調整する排水流量調整弁と、前記給水圧力調整弁の開度を制御する給水圧力調整弁制御部と、前記排水流量調整弁の開度を制御する排水流量調整弁制御部と、前記ポンプ制御部、前記給水圧力調整弁制御部、及び前記排水流量調整弁制御部による制御のタイミングを調整するタイミング調整部と、を備える膜分離装置であって、前記タイミング調整部は、前記膜分離装置の給水時に、前記ポンプ制御部による前記加圧ポンプの制御開始時と、前記給水圧力調整弁制御部による前記給水圧力調整弁の制御開始時と、前記排水流量調整弁制御部による前記排水流量調整弁の制御開始時との間にタイムラグを設け前記膜分離装置の給水時における前記加圧ポンプの制御が開始された時刻において、前記給水圧力調整弁の開度及び前記排水流量調整弁の開度は一定であり、前記膜分離装置の給水時における前記給水圧力調整弁の制御が開始された時刻において、前記加圧ポンプの回転速度及び前記排水流量調整弁の開度は一定であり、前記膜分離装置の給水時における前記排水流量調整弁の制御が開始された時刻において、前記加圧ポンプの回転速度及び前記給水圧力調整弁の開度は一定である、膜分離装置に関する。
【0009】
また、前記タイミング調整部は、前記膜分離装置の給水時に、前記給水圧力調整弁の制御の開始の後に、前記ポンプ制御部に前記加圧ポンプの制御を開始させるか、又は前記排水流量調整弁制御部に前記排水流量調整弁の制御を開始させることが好ましい。
【0010】
また、前記タイミング調整部は、前記膜分離装置の給水時に、前記給水圧力調整弁の制御の開始の後に、前記ポンプ制御部に前記加圧ポンプの制御を開始させ、前記加圧ポンプの制御の開始の後に、前記排水流量調整弁制御部に前記排水流量調整弁の制御を開始させることが好ましい。
【0011】
また、給水の圧力値を測定する圧力測定手段を更に備え、前記給水圧力調整弁制御部は、供給水の圧力値をフィードバック値として使用するフィードバック制御を実行することが好ましい。
【0012】
また、透過水の流量値を測定する第1流量測定手段を更に備え、前記ポンプ制御部は、透過水の流量値をフィードバック値として使用するフィードバック制御を実行することが好ましい。
【0013】
また、排水流量の値を測定する第2流量測定手段を更に備え、前記排水流量調整弁制御部は、排水流量の値をフィードバック値として使用するフィードバック制御を実行することが好ましい。
【0014】
また、前記膜分離装置の給水時に、前記ポンプ制御部は前記加圧ポンプの回転速度を減少させ、前記給水圧力調整弁制御部は、前記給水圧力調整弁の開度を大きくするか、又は全開状態とし、前記回転速度の減少の結果、前記回転速度が所定値を下回った場合には、前記給水圧力調整弁制御部は、前記給水圧力調整弁の開度を小さくすることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、開度調整弁を延命し、各種PI制御を安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る膜分離装置の全体構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態で用いられる流量調整ユニットに係る圧力と流量の関係を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る膜分離装置の制御部の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る膜分離装置を構成する各構成要素の制御順序の例を示す表である。
【
図5】本発明の実施形態に係る膜分離装置における各構成要素の制御順序の例と、圧力、流量、回収率の変化を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔1 膜分離装置の構成〕
本発明の実施形態に係る膜分離装置1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る膜分離装置1の全体構成図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る膜分離装置1は、給水ポンプ12と、加圧ポンプ2と、加圧側インバータ3と、逆浸透膜モジュールとしてのRO膜モジュール4と、流量調整ユニット5と、逆止弁6と、排水流量調整手段としての排水流量調整弁7と、給水圧力調整弁14と、給水圧力センサPS1と、第1流量センサFM1と、第2流量センサFM2と、制御部30と、を備える。なお、制御部30と被制御対象機器との電気的接続線の図示については、省略している。
【0019】
また、膜分離装置1は、給水ラインL1と、供給水ラインL2と、透過水ラインL3と、濃縮水ラインL4と、循環水ラインL5と、排水ラインL6と、を備える。本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
【0020】
給水ラインL1は、給水W1を、供給水ラインL2との合流部J2まで供給するラインである。給水ラインL1の上流側の端部は、給水W1の供給源(不図示)に接続されている。給水ラインL1には、上流側から下流側に向けて順に、給水ポンプ12、給水圧力調整弁14、給水圧力センサPS1と、合流部J2が設けられている。
【0021】
なお、給水ラインL1を流通する給水W1には、給水W1の供給源(不図示)から直接供給される原水に限らず、例えば、原水を濾過処理装置(除鉄除マンガン装置、活性炭濾過装置等)、硬水軟化装置等の前処理装置により前処理された前処理水も含まれる。
【0022】
給水ポンプ12は、給水ラインL1を流通する給水W1を吸入し、加圧ポンプ2へ向けて圧送(吐出)する装置である。給水ポンプ12は、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
【0023】
給水圧力調整弁14は、給水ラインL1を流通する給水W1の圧力を調整する弁である。給水圧力調整弁14は、制御部30と電気的に接続されている。給水圧力調整弁14の開度は、制御部30により制御される。給水圧力調整弁14は、例えば電磁弁でもよい。
【0024】
給水圧力センサPS1は、給水ラインL1を流通する給水W1の圧力を測定する。給水圧力センサPS1は、制御部30と電気的に接続されている。給水圧力センサPS1で測定された給水の圧力は、検出信号として制御部30に送信される。
【0025】
供給水ラインL2は、給水W1を、供給水W2としてRO膜モジュール4に供給するラインである。供給水ラインL2の上流側の端部は、合流部J2に接続されている。供給水ラインL2の下流側の端部は、RO膜モジュール4の一次側入口ポートに接続されている。供給水ラインL2には、上流側から下流側に向けて順に、合流部J2、加圧ポンプ2、RO膜モジュール4が設けられている。
【0026】
加圧ポンプ2は、供給水ラインL2に設けられる。加圧ポンプ2は、供給水ラインL2において、給水W1を吸入し、供給水W2として、RO膜モジュール4へ向けて圧送(吐出)する装置である。加圧ポンプ2には、加圧側インバータ3から周波数が変換された駆動電力が供給される。加圧ポンプ2は、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
【0027】
加圧側インバータ3は、加圧ポンプ2に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。加圧側インバータ3は、制御部30と電気的に接続されている。加圧側インバータ3には、制御部30から指令信号が入力される。加圧側インバータ3は、制御部30により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ2に出力する。
【0028】
RO膜モジュール4は、加圧ポンプ2から吐出された供給水W2を、溶存塩類が除去された透過水W3と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W4とに膜分離処理する設備である。RO膜モジュール4は、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。RO膜モジュール4は、これらRO膜エレメントにより供給水W2を膜分離処理し、透過水W3及び濃縮水W4を製造する。
【0029】
透過水ラインL3は、RO膜モジュール4で分離された透過水W3を送出するラインである。透過水ラインL3の上流側の端部は、RO膜モジュール4の二次側ポートに接続されている。透過水ラインL3の下流側の端部は、需要箇所の装置等に接続されている。透過水ラインL3には、第1流量センサFM1(以下、「第1流量検出手段」とも呼称する)が設置される。
【0030】
第1流量センサFM1は、透過水ラインL3を流通する透過水W3の流量を第1検出流量値として検出する機器である。第1流量センサFM1は、透過水ラインL3に接続されている。また、第1流量センサFM1は、制御部30と電気的に接続されている。第1流量センサFM1で検出された透過水W3の第1検出流量値は、制御部30へ検出信号として送信される。第1流量センサFM1として、例えば、流路ハウジング内に軸流羽根車又は接線羽根車(不図示)を配置したパルス発信式の流量センサを用いることができる。
【0031】
第1濃縮水ラインL41は、RO膜モジュール4で分離された濃縮水W4を送出するラインである。第1濃縮水ラインL41の上流側の端部は、RO膜モジュール4の一次側出口ポートに接続されている。また、第1濃縮水ラインL41の下流側は、流量調整ユニット5の一次側に接続されている。
【0032】
また、第2濃縮水ラインL42は、流量調整ユニット5で流量が調整された濃縮水W4を送出するラインである。第2濃縮水ラインL42の上流側の端部は、流量調整ユニット5の二次側に接続されている。また、第2濃縮水ラインL42の下流側は、接続部J1において、循環水ラインL5及び排水ラインL6に分岐している。
【0033】
なお、以降では、第1濃縮水ラインL41と第2濃縮水ラインL42とをまとめて、「濃縮水ラインL4」と総称することがある。
【0034】
流量調整ユニット5は、当該流量調整ユニット5における差圧によらず、実質的に定流量の濃縮水を流通させる定流量要素と、当該流量調整ユニット5における差圧に実質的に比例して濃縮水W4の流量が高くなる比例要素とを備える。流量調整ユニット5における差圧は、具体的には、第1濃縮水ラインL41の水圧と第2濃縮水ラインL42の水圧との差圧である。定流量要素は、補助動力や外部操作を必要とせずに一定流量値を保持し、例えば水ガバナの名称で呼ばれるものを用いてもよい。また、比例要素としては、例えばオリフィスの名称で呼ばれるものを用いてもよく、オリフィスから流れる濃縮水W4の流量が、当該流量調整ユニット5における差圧に比例する。
【0035】
図2は、RO膜モジュール4の入口圧力と、流量調整ユニット5を流れる濃縮水の流量との関係の例を示すグラフである。流量調整ユニット5は、定流量要素を備えることから、入口圧力が発生すると、流量調整ユニット5を流れる濃縮水の流量は一気にA点まで上昇する。すなわち近似的には、入口圧力の発生と同時にA点の高さの流量が流量調整ユニット5に流れる。同時に、流量調整ユニット5は比例要素を備えることから、以降、入口圧力が上昇するに従い、流量調整ユニット5を流れる濃縮水の流量は、一次関数的に上昇する。
【0036】
なお、流量調整ユニット5において、定流量要素と比例要素とは一体的に構成されていてもよく、別体として構成されていてもよい。一体的に構成されている場合には、例えば、比例要素の流れ方向が、流量調整ユニット5の長軸方向と一致し、定流量要素の流れ方向が流量調整ユニット5の長軸方向に直交するように構成してもよい。あるいは、比例要素の流れ方向が流量調整ユニット5の長軸方向に直交し、定流量要素の流れ方向が流量調整ユニット5の長軸方向と一致するように構成してもよい。あるいは、定流量要素の流れ方向と比例要素の流れ方向が、共に流量調整ユニット5の長軸方向と一致するように構成してもよい。
【0037】
循環水ラインL5は、濃縮水ラインL4から分岐するラインであって、RO膜モジュール4で分離された濃縮水W4の一部である循環水W41を、合流部J2に返送するラインである。循環水ラインL5の上流側の端部は、接続部J1において、濃縮水ラインL4に接続されている。また、循環水ラインL5の下流側の端部は、合流部J2において、給水ラインL1に接続されている。循環水ラインL5には、逆止弁6が設けられている。
【0038】
排水ラインL6は、接続部J1において濃縮水ラインL4から分岐され、RO膜モジュール4で分離された濃縮水W4の残部である排水W42を装置外(系外)に排出するラインである。排水ラインL6には、上流側から下流側に向かって、第2流量センサFM2(以下、「第2流量検出手段」とも呼称する)、排水流量調整手段としての排水流量調整弁7が設置される。
【0039】
第2流量センサFM2は、排水ラインL6から装置外へ排出される排水W42の排水流量を第2検出流量値として検出する機器である。第2流量センサFM2は、排水ラインL6に接続されている。また、第2流量センサFM2は、制御部30と電気的に接続されている。第2流量センサFM2で検出された排水W42の第2検出流量値は、制御部30へ検出信号として送信される。第2流量センサFM2として、例えば、流路ハウジング内に軸流羽根車又は接線羽根車(不図示)を配置したパルス発信式の流量センサを用いることができる。
【0040】
排水流量調整弁7は、排水ラインL6から装置外へ排出する排水W42の排水流量を調整可能な弁である。排水流量調整弁7は、制御部30と電気的に接続されている。排水流量調整弁7の弁開度は、制御部30から送信される駆動信号により制御される。制御部30から電流値信号(例えば、4~20mA)を排水流量調整弁7に送信して、弁開度を制御することにより、排水W42の排水流量を調整することができる。排水流量調整弁7は、例えば電磁弁でもよい。
【0041】
〔2 制御部の機能ブロック〕
制御部30は、CPU、ROM、RAM、CMOSメモリ等を有し、これらはバスを介して相互に通信可能に構成される、当業者にとって公知のものである。
【0042】
CPUは膜分離装置1を全体的に制御するプロセッサである。該CPUは、ROMに格納された各種プログラムを、バスを介して読み出し、該各種プログラムに従って膜分離装置1全体を制御することで、
図3の機能ブロック図に示すように、制御部30がポンプ制御部31、給水圧力調整弁制御部32、排水流量調整弁制御部33、及びタイミング調整部34の機能を実現するように構成される。RAMには一時的な計算データや表示データ等の各種データが格納される。CMOSメモリは図示しないバッテリでバックアップされ、膜分離装置1の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。
【0043】
ポンプ制御部31は、加圧ポンプ2の回転速度を制御する。より詳細には、ポンプ制御部31は、加圧側インバータ3を介して加圧ポンプ2の周波数を制御することにより、加圧ポンプ2が吐出する供給水の流量を制御する。また、ポンプ制御部31は、第1流量センサFM1によって検出される透過水W3の流量値を使用して、フィードバック制御してもよい。
【0044】
給水圧力調整弁制御部32は、給水圧力調整弁14の開度を制御する。とりわけ、給水圧力調整弁制御部32は、後述のタイミング調整部34によって調整されたタイミングに応じて、給水圧力調整弁14の開度を制御する。また、給水圧力調整弁制御部32は、給水圧力センサPS1によって検出される給水W1の圧力値を使用して、フィードバック制御してもよい。
【0045】
排水流量調整弁制御部33は、排水流量調整弁7の開度を制御する。とりわけ、排水流量調整弁制御部33は、後述のタイミング調整部34によって調整されたタイミングに応じて、排水流量調整弁7の開度を制御する。また、排水流量調整弁制御部33は、第2流量センサFM2によって検出される排水W42の流量値を使用して、フィードバック制御してもよい。
【0046】
タイミング調整部34は、ポンプ制御部31、給水圧力調整弁制御部32、及び排水流量調整弁制御部33による制御のタイミングを調整する。とりわけ、膜分離装置1の給水時に、加圧ポンプ2、給水圧力調整弁14、及び排水流量調整弁7を一度に同時に動かすと、これらが互いに影響を受けあって、例えばハンチングが発生したり、給水圧力調整弁14及び排水流量調整弁7の動作回数が増加したりする。そこで、ハンチングの防止と、給水圧力調整弁14及び排水流量調整弁7の動作回数の減少を目的として、タイミング調整部34は、膜分離装置1の給水時に、ポンプ制御部31による加圧ポンプ2の制御開始時と、給水圧力調整弁制御部32による給水圧力調整弁14の制御開始時と、排水流量調整弁制御部33による排水流量調整弁7の制御開始時との間にタイムラグを設ける。このタイムラグは、給水圧力が安定するまでの時間、加圧ポンプ2の最大周波数、給水圧力調整弁14及び排水流量調整弁7の動作時間等を考慮して設定される。
【0047】
タイミング調整部34が、膜分離装置1の給水時に、加圧ポンプ2の制御開始時と、給水圧力調整弁制御部32による給水圧力調整弁14の制御開始時と、排水流量調整弁制御部33による排水流量調整弁7の制御開始時との間にタイムラグを設ける結果として、加圧ポンプ2、給水圧力調整弁14、排水流量調整弁7の制御には、6通りの制御順があり得ることとなる。更に、膜分離装置1への通水準備段階において、給水圧力調整弁14を閉状態とするか、あるいは、給水圧力調整弁14の前段にあるON-OFF弁によって流路の開閉が実施可能であると共に、給水圧力調整弁14自体は開状態とするかも加味すれば、12通りの制御順があり得る。
【0048】
図4は、これら12通りの制御順を示す表である。
図4の表において、No.1の行に示すように、最初に給水圧力調整弁14を動作させ、次に加圧ポンプ2を動作させ、最後に排水流量調整弁7を動作させる場合には、加圧ポンプ2の動作後、安定した給水圧力状態となってから、排水流量調整弁7の開度調整を行うため、不安定動作となりにくい。
【0049】
No.2の行に示すように、最初に給水圧力調整弁14を動作させ、次に排水流量調整弁7を動作させ、最後に加圧ポンプ2を動作させる場合には、加圧ポンプ2の動作時に給水圧力が低下する。これに伴い、一度調整した排水流量調整弁7の開度をもう一度調整することとなり、給水圧力調整弁14と排水流量調整弁7とが同時に動作し、ハンチングしやすい状態となる。また、排水流量調整弁7の追従性によっては、排水流量が目標排水流量を超過してしまうこととなり、膜分離装置1に対する供給水量が、許容供給水量を超過する可能性がある。
【0050】
No.3~No.6の行の制御順においては、制御開始時に給水圧力調整弁14が動作していないため、供給水が供給されず、動作が不能なモードである。
【0051】
No.7の行に示す制御順においては、給水圧力が目標給水圧力となるように、給水圧力調整弁14の調整を最初に行う。その後は、No.1のモードと同様に、加圧ポンプ2の動作後、安定した給水圧力状態となってから、排水流量調整弁7の開度調整を行うため、不安定動作となりにくい。
【0052】
No.8の行に示す制御順においても、給水圧力が目標給水圧力となるように、給水圧力調整弁14の調整を最初に行う。その後は、No.2のモードと同様、加圧ポンプ2の動作時に給水圧力が低下する。そのため、初期に合わせていた排水流量調整弁7の開度をもう一度調整することとなり、給水圧力調整弁14と排水流量調整弁7とが同時に動作し、ハンチングしやすい状態となる。また、排水流量調整弁7の追従性によっては、排水流量が目標排水流量を超過してしまうこととなり、膜分離装置1への供給水量が、許容供給水量を超過する可能性がある。
【0053】
No.9の行に示す制御順においては、加圧ポンプ2の動作後に、給水圧力が目標給水圧力となるように、給水圧力調整弁14の調整を行うが、加圧ポンプ2の動作により、給水圧力も刻々と変化するため、不安定動作となりやすい。また、この間、遅延時間を設定したために、排水流量調整弁7は動作しないため、許容給水量を超過したり、過濃縮が発生したりする可能性がある。
【0054】
No.10の行に示す制御順においては、排水流量調整弁7の動作が開始した後に、排水流量調整弁7の動作が継続した状態で、給水圧力調整弁14の動作が開始することによって給水圧力の調整が行われる。これにより、全ての制御対象が同時に動作するため、ハンチングの要因となりやすい。
【0055】
No.11の行に示す制御順においては、排水流量調整弁7及び給水圧力調整弁14の開度を調整した後、加圧ポンプ2が動作することにより、排水流量調整弁7及び給水圧力調整弁14の開度を再度調整する必要が発生するため、安定化するまで時間を要する。
【0056】
No.12の行に示す制御順においては、最初に排水流量調整弁7の制御を開始し、排水流量調整弁7の動作が継続した状態で、給水圧力調整弁14の動作が開始することにより、給水圧力調整弁14の動作時に、全ての制御対象が同時動作するため、ハンチングの要因となりやすい。
【0057】
すなわち、本実施形態においては、ハンチングの防止と、給水圧力調整弁14及び排水流量調整弁7の動作回数の減少の観点から、最初に給水圧力調整弁14の制御を開始することが好ましい。更には、最初に給水圧力調整弁14の制御を開始した後、次に、加圧ポンプ2の制御を開始し、最後に排水流量調整弁7の制御を開始することが、より好ましい。
【0058】
また、膜分離装置1の給水時に、ポンプ制御部31は、加圧ポンプ2の回転速度(周波数)を減少させ、給水圧力調整弁制御部32は、給水圧力調整弁14の開度を大きくするか、又は全開状態とし、回転速度が減少した結果、所定値を下回った場合には、給水圧力調整弁制御部32は、給水圧力調整弁14の開度を小さくしてもよい。
【0059】
加圧ポンプ2の周波数がある周波数を下回ると、加圧ポンプ2は冷却不足となるため、加圧ポンプ2には運転時の最低周波数を設定する必要がある。加圧ポンプ2の周波数が運転時の最低周波数を下回った場合には、給水圧力調整弁14の開度を徐々に小さくすることで、加圧ポンプ2の周波数が運転時の最低周波数を、極力下回らないように制御することが可能である。
【0060】
〔3 実施例〕
図5は、本実施形態に係る膜分離装置1の動作の実施例を示す表である。より詳細には、
図5の表は、給水圧力調整弁14の開度、排水流量調整弁7の開度、及び加圧ポンプ2の周波数の制御内容と、これに伴う、給水圧力、膜入口圧力、排水流量、処理水流量(透過水W3の流量)、実回収率の変化を示す。矢印が右上がり、真右、右下がりであることは、それぞれ、増加、一定、減少を示す。なお、ここで「実回収率」は、排水流量と処理水流量(透過水W3の流量)との合計から算出される供給水W2の流量と、処理水流量(透過水W3の流量)の比率のことである。また、
図5の表においては、時間の経過に従って上の行から下の行へと移行する。
【0061】
図5に示すように、本実施例においては、時刻T1において、給水圧力調整弁14の制御を開始した後、時刻T5において、加圧ポンプ2の運転を開始し、最後に時刻T7において、排水流量調整弁7の制御を開始する。
【0062】
時刻T1において、給水圧力調整弁14の制御を開始する。これにより、時刻T1~時刻T2の間において、給水圧力調整弁14の開度が上昇した結果、給水圧力が上昇する一方で、他の属性値には変化がない。とりわけ、膜入口圧力に変化がないが、これは給水圧力が上がりきっていないためである。
【0063】
時刻T2~時刻T3の間においては、給水圧力の上昇に加えて、膜入口圧力が上昇し、排水流量、給水流量が増加する。
【0064】
時刻T3~時刻T4の間において、給水圧力調整弁14の開度を一定とする。これにより、時刻T1~時刻T2とは異なり、給水圧力が一定値となる。
【0065】
時刻T4~時刻T5の間において、時刻T3~時刻T4の間においては増加していた、膜入口圧力、排水流量、給水流量が一定値となる。
【0066】
時刻T5において、加圧ポンプ2の運転を開始する。これにより、時刻T5~時刻T6の間において、加圧ポンプ2のポンプ周波数が上昇した結果、膜入口圧力が上昇し、処理水流量、給水流量が増加し、実回収率が上昇する。
【0067】
時刻T6~時刻T7の間において、加圧ポンプ2のポンプ周波数を一定値とする。これにより、時刻T5~T6の間において上昇していた膜入口圧力は一定値となり、増加していた処理水流量、給水流量も一定値となる結果、実回収率も一定値となる。
【0068】
時刻T7において、排水流量調整弁7の制御を開始する。これにより、時刻T7~時刻T8の間において、排水流量調整弁7の開度が下がった結果、排水流量及び給水流量が減少し、実回収率は上昇する。
【0069】
時刻T8~時刻T9の間において、排水流量調整弁7の開度を一定とする。これにより、時刻T7~時刻T8の間において減少していた排水流量及び給水流量と、実回収率とが一定値となる。
【0070】
〔4 本実施形態の効果〕
上述した実施形態に係る膜分離装置1によれば、例えば、以下のような効果が得られる。
膜分離装置1は、加圧ポンプ2の回転速度を制御するポンプ制御部31と、実質的に無段階で開度を調整することにより、加圧ポンプ2に供給される給水W1の圧力を調整する給水圧力調整弁14と、実質的に無段階で開度を調整することにより、装置外へ排出する濃縮水W4の排水流量を調整する排水流量調整弁7と、給水圧力調整弁14の開度を制御する給水圧力調整弁制御部32と、排水流量調整弁7の開度を制御する排水流量調整弁制御部33と、ポンプ制御部31、給水圧力調整弁制御部32、及び排水流量調整弁制御部33による制御のタイミングを調整するタイミング調整部34と、を備え、タイミング調整部34は、膜分離装置1の給水時に、ポンプ制御部31による加圧ポンプ2の制御開始時と、給水圧力調整弁制御部32による給水圧力調整弁14の制御開始時と、排水流量調整弁制御部33による排水流量調整弁7の制御開始時との間にタイムラグを設ける。
加圧ポンプ2、給水圧力調整弁14、排水流量調整弁7の制御開始時点を互いにずらすことにより、ハンチングの可能性を減少させることが可能となる。更に、各流量が安定するまでの時間を速くすることができる。
【0071】
また、タイミング調整部34は、膜分離装置1の給水時に、給水圧力調整弁14の制御の開始の後に、ポンプ制御部31に加圧ポンプ2の制御を開始させるか、又は排水流量調整弁制御部33に排水流量調整弁7の制御を開始させる。
最初に加圧ポンプ2の制御を開始した場合、給水圧力調整弁14の制御の開始の後に、再度加圧ポンプ2を制御することとなる。給水圧力調整弁14の制御を最初に開始することにより、このような繁雑な制御を避けることが可能となる。
【0072】
また、タイミング調整部34は、膜分離装置1の給水時に、給水圧力調整弁14の制御の開始の後に、ポンプ制御部31に加圧ポンプ2の制御を開始させ、加圧ポンプ2の制御の開始の後に、排水流量調整弁制御部33に排水流量調整弁7の制御を開始させる。
排水流量調整弁7を閉じた後に、給水圧力調整弁14を開くと、回収率が上がる可能性がある。より詳細には、排水流量調整弁7を先に動作させた場合、その後の加圧ポンプ2の動作により給水圧力が変化する。これにより、給水圧力調整弁14と排水流量調整弁7が同時に動作するため、ハンチング及び許容給水量超過の可能性がある。給水圧力調整弁14の制御を開始してから加圧ポンプ2を動作させ、給水圧力を安定させてから排水流量調整弁7を制御することにより、許容回収率を超えない安定動作を図ることが可能となる。
【0073】
また、膜分離装置1は、給水W1の圧力値を測定する給水圧力センサPS1を更に備え、給水圧力調整弁制御部32は、給水W1の圧力値をフィードバック値として使用するフィードバック制御を実行する。
給水圧力を一定に保たない場合、加圧ポンプ2のインバータと排水流量調整弁7が給水圧力変化に応じて頻繁に動作し、ハンチングしやすくなる。また、追従性によっては許容供給水量の超過、高回収率となる可能性がある。給水W1の圧力値をフィードバック値として給水圧力調整弁14を制御することにより、給水W1の圧力を一定値に保つことで、ハンチングの可能性を減少させることが可能となり、更に、許容供給水量の超過、過濃縮となる可能性も減少させることが可能となる。更に、排水流量調整弁7には、連続動作できるタイプとできないタイプとがあり、排水流量調整弁7と頻繁に制御することが必要なケースでは、連続動作できないタイプは使用できないが、給水W1の圧力を一定値に保つことで、連続動作できないタイプの排水流量調整弁7を使用することが可能となる。
【0074】
また、膜分離装置1は、透過水W3の流量値を測定する第1流量センサFM1を更に備え、ポンプ制御部31は、透過水W3の流量値をフィードバック値として使用するフィードバック制御を実行する。
透過水量が目標透過水量となるような制御を行うことにより、水温変動による透過水量の変動が生じず、一定流量を保つことが可能となる。
【0075】
また、膜分離装置1は、排水流量の値を測定する第2流量センサFM2を更に備え、排水流量調整弁制御部33は、排水流量の値をフィードバック値として使用するフィードバック制御を実行する。
排水流量を目標排水流量に調整することにより、設定回収率に極力近い回収率で運転することが可能となる。
【0076】
また、膜分離装置1の給水時に、ポンプ制御部31は加圧ポンプ2の回転速度を減少させ、給水圧力調整弁制御部32は、給水圧力調整弁14の開度を大きくするか、又は全開状態とし、回転速度の減少の結果、回転速度が所定値を下回った場合には、給水圧力調整弁制御部32は、給水圧力調整弁14の開度を小さくする。
加圧ポンプ2の回転速度を減少し、給水圧力調整弁14の開度を大きくするか、又は全開状態とすることにより、原水圧を最大限に利用した省エネ運転が可能となる。
【0077】
〔5 変形例〕
上記の実施形態において、膜分離装置1はRO膜モジュール4を備えるRO膜装置であるが、これには限定されない。例えば、膜分離装置1は、NF(ルーズRO)膜装置であってもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 膜分離装置
2 加圧ポンプ
4 RO膜モジュール
5 流量調整ユニット
7 排水流量調整弁
12 給水ポンプ
14 給水圧力調整弁
30 制御部
31 ポンプ制御部
32 給水圧力調整弁制御部
33 排水流量調整弁制御部
34 タイミング調整部
L1 給水ライン
L2 供給水ライン
L3 透過水ライン
L4 濃縮水ライン
L5 循環水ライン
L6 排水ライン
W1 給水
W2 供給水
W3 透過水
W4 濃縮水
W41 循環水
W42 排水