(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】実技レベルの達成条件の判定装置、判定方法、プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20230314BHJP
G09B 7/02 20060101ALI20230314BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20230314BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G09B7/02
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2019010473
(22)【出願日】2019-01-24
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】久寿居 大
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-072856(JP,A)
【文献】特開2005-017982(JP,A)
【文献】特開2005-122056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/20
G09B 1/00-9/56、17/00-19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部、相関情報生成部、および判定部を含み、
前記記憶部は、問題記憶部と、作業者情報記憶部とを含み、
前記問題記憶部は、
被学習者が作業を学習するための複数の作業関連問題を記憶し、
前記作業者情報記憶部は、
作業者ごとに、作業者情報として、前記作業者の実技に基づいて評価された実技レベルと、前記複数の作業関連問題についての正誤結果とを、紐付けて記憶し、
前記相関情報生成部は、
同じ実技レベルに属する作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルごとに、前記実技レベルと、前記複数の作業関連問題に対する正解率および正解する作業関連問題との第1相関情報を生成し、
前記判定部は、
前記第1相関情報に基づいて、被学習者が目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する
ことを特徴とする実技レベルの達成条件の判定装置。
【請求項2】
前記相関情報生成部は、
前記作業者の前記実技レベルと前記正誤結果とを、学習データセットとして、機械学習により、前記実技レベルと、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す第1相関推定モデルを生成し、
前記判定部は、
前記第1相関情報として前記第1相関推定モデルを用い、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する、請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
さらに、実技レベル推定部を含み、
前記実技レベル推定部は、
実技レベルが不明である対象者に関する、前記複数の作業関連問題についての正誤結果から、前記第1相関情報に基づいて、前記対象者の実技レベルを推定する、請求項1または2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記作業者情報記憶部は、
さらに、前記作業者情報として、作業者ごとに、前記作業関連問題を用いた作業学習の前と後の実技レベルと、前記作業関連問題についての正誤結果とを、紐付けて記憶し、
前記相関情報生成部は、
前記作業学習の前後で実技レベルが向上した作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルの向上と、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す第2相関情報を生成し、
前記判定部は、
前記第2相関情報に基づいて、目的の実技レベルの向上をクリアするために必要な、正解率と、前記正解すべき問題とを、判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項5】
さらに、出力部を含み、
前記出力部は、
前記判定部における判定結果を出力する、請求項1から4のいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項6】
相関情報生成工程、および判定工程を含み、
データセットを使用し、
前記データセットは、問題データセットと、作業者情報データセットとを含み、
前記問題データセットは、
学習者が作業を学習するための複数の作業関連問題を含み、
前記作業者情報データセットは、
作業者ごとに、作業者情報として、前記作業者の実技に基づいて評価された実技レベルと、前記複数の作業関連問題についての正誤結果とを、紐付けたデータセットであり、
前記相関情報生成工程は、
同じ実技レベルに属する作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルごとに、前記実技レベルと、前記複数の作業関連問題に対する正解率および正解する作業関連問題との第1相関情報を生成し、
前記判定工程は、
前記第1相関情報に基づいて、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定
し、
前記各工程が、コンピュータにより実行されることを特徴とする実技レベルの達成条件の判定方法。
【請求項7】
前記相関情報生成工程は、
前記作業者の前記実技レベルと前記正誤結果とを、学習データセットとして、機械学習により、前記実技レベルと、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す第1相関推定モデルを生成し、
前記判定工程は、
前記第1相関情報として前記第1相関推定モデルを用い、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する、請求項6に記載の判定方法。
【請求項8】
さらに、実技レベル推定工程を含み、
前記実技レベル推定工程は、
実技レベルが不明である対象者に関する、前記複数の作業関連問題についての正誤結果から、前記第1相関情報に基づいて、前記対象者の実技レベルを推定する、請求項6または7に記載の判定方法。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか一項に記載の実技レベルの達成条件の判定方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実技レベルの達成条件の判定装置、判定方法、プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農業従事者の減少、高年齢化から、未経験者の導入、若手の育成が重要視されている。しかし、人手不足の問題から、現場における実践訓練のみで十分な教育を行うことは困難である。このため、前記未経験者等には、現場での実施教育とは別に、農作業に関する様々な問題を解かせる学習によって、作業についての知識を向上させることが試みられている。
【0003】
しかしながら、前記未経験者等の学習者は、問題を繰り返し解くことによって、回答率は上がるものの、実際に現場で作業させた場合、前記学習者の実技レベルが伴っていないとの問題が生じている。このような問題は、農作業にかかわらず、例えば、工場での生産に関わる作業等においても同様に生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、未経験者等の実技レベルの向上に、練習問題を解く学習方法を効果的につなげるための新たなシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の実技レベルの達成条件の判定装置は、
記憶部、相関情報生成部、および判定部を含み、
前記記憶部は、問題記憶部と、作業者情報記憶部とを含み、
前記問題記憶部は、
被学習者が作業を学習するための複数の作業関連問題を記憶し、
前記作業者情報記憶部は、
作業者ごとに、作業者情報として、前記作業者の実技に基づいて評価された実技レベルと、前記複数の作業関連問題についての正誤結果とを、紐付けて記憶し、
前記相関情報生成部は、
同じ実技レベルに属する作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルごとに、前記実技レベルと、前記複数の作業関連問題に対する正解率および正解する作業関連問題との第1相関情報を生成し、
前記判定部は、
前記第1相関情報に基づいて、被学習者が目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定することを特徴とする。
【0006】
本発明の実技レベルの達成条件の判定方法は、
相関情報生成工程、および判定工程を含み、
データセットを使用し、
前記データセットは、問題データセットと、作業者情報データセットとを含み、
前記問題データセットは、
学習者が作業を学習するための複数の作業関連問題を含み、
前記作業者情報データセットは、
作業者ごとに、作業者情報として、前記作業者の実技に基づいて評価された実技レベルと、前記複数の作業関連問題についての正誤結果とを、紐付けたデータセットであり、
前記相関情報生成工程は、
同じ実技レベルに属する作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルごとに、前記実技レベルと、前記複数の作業関連問題に対する正解率および正解する作業関連問題との第1相関情報を生成し、
前記判定工程は、
前記第1相関情報に基づいて、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定することを特徴とする。
【0007】
本発明のプログラムは、本発明の判定方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
本発明の記録媒体は、前記本発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率や、正解すべき作業関連問題を判定できる。このため、例えば、未経験者等の学習者が目的とする実技レベルに応じた前記正解すべき作業関連問題を、前記学習者が学習し、必要な正解率をクリアすることによって、前記学習者を、目的の実技レベルに効果的に到達させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態1の判定装置の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の判定装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の判定方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において、「被学習者」とは、本発明の判定装置および判定方法を用いて、作業の学習を実行する者であり、具体的には、前記作業関連問題を解くことによる学習を実行する者である。
【0012】
本発明において、「実技レベル」とは、例えば、実際の現場における作業(実技)に基づいて、専門家によって評価されたレベルを意味する。前記専門家は、特に制限されず、作業の分野に応じて、適宜決定でき、農作業の場合は、経験値の高い農業従事者、技術指導員等があげられる。また、前記実技レベルの段階は、特に制限されず、2段階以上であり、例えば、2~20段階等に分類できる。また、前記実技レベルを示す表記も、特に制限されず、例えば、「レベル1」「レベル2」等の他、「要学習」、「合格」、「篤農」、「指導可能」等で表してもよい。
【0013】
本発明において、「作業」とは、特に制限されず、様々な分野における作業が対象となる。例えば、農業の分野であれば、農作業全般であり、例えば、工場での生産業であれば、工場での処理工程全般である。以下、農業の分野における農作業を例にして、説明するが、本発明は、これには制限されない。
【0014】
本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。なお、以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0015】
[実施形態1]
本発明の判定装置および判定方法の一例について、図を用いて説明する。
【0016】
図1は、本実施形態の判定装置の一例を示すブロック図である。判定装置1は、記憶部10、相関情報生成部11、判定部12を含み、例えば、さらに、入力部13、出力部14を備えてもよい。判定装置1は、例えば、判定システムともいう。判定装置1は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。
【0017】
前記通信回線網は、特に制限されず、公知の通信回線網を使用でき、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、電話回線、LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)等があげられる。判定装置1は、各部の処理がクラウド上で行われてもよい。
【0018】
記憶部10は、問題記憶部101、および作業者情報記憶部102を含む。問題記憶部101は、複数の作業関連問題が記憶される。前記作業関連問題は、学習者に作業を学習させるための問題である。問題記憶部101は、例えば、前記作業関連問題をデータセットとして記憶してもよく、この場合、前記作業関連問題に紐付けて、それに対する回答が記憶され、さらに、前記回答の解説が紐付けて記憶されてもよい。
【0019】
作業者情報記憶部102は、作業者ごとに、作業者情報が記憶される。前記作業者情報は、前記作業者の実技に基づいて評価された実技レベルと、前記複数の作業関連問題についての正誤結果とが、紐付けられている。前記作業者は、予め実技レベルが評価された作業者であり、例えば、熟練者、経験値の高い従事者、一般的な従事者の他、経験の浅い従事者、未経験者等も含まれる。作業者情報記憶部102に記憶させる前記作業者情報は、後述する相関情報を生成するための情報となるため、例えば、実技レベルごとに、複数の作業者情報が記憶されていることが好ましい。前記正誤結果は、例えば、前記作業関連問題のそれぞれについての正誤(正解・不正解)、および前記複数の作業関連問題の正解率等である。
【0020】
前記各種情報は、例えば、入力部13によって入力されてもよいし、予め記憶部10に記憶されてもよい。入力部13は、例えば、後述するようなキーボード等の入力装置でも、通信デバイスでもよい。判定装置1は、例えば、前記通信デバイスを介して、外部装置と接続可能であり、前記外部装置から前記各種情報が入力されてもよい。前記外部装置は、例えば、前記各種データが記憶されたデータベース、サーバー、端末等があげられ、前記端末は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット、スマートフォン等である。前記通信回線網は、例えば、前述と同様である。
【0021】
相関情報生成部11は、同じ実技レベルに属する作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルごとに、前記実技レベルと、前記複数の作業関連問題に対する正解率および正解する作業関連問題との相関情報(第1相関情報)を生成する。前記第1相関情報は、例えば、前記実技レベルと、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す第1相関推定モデルがあげられる。この場合、相関情報生成部11は、例えば、前記作業者の前記実技レベルと前記正誤結果とを、学習データセットとして、機械学習により、前記実技レベルと、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す第1相関推定モデルを生成する。
【0022】
判定部12は、前記第1相関情報に基づいて、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する。前記第1相関情報として前記第1相関推定モデルを用いる場合、判定部12は、例えば、前記第1相関推定モデルに基づいて、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する。判定装置1が出力部14を有する場合、判定部12による判定結果を出力してもよい。
【0023】
また、判定装置1は、例えば、出力部14により、例えば、前記判定結果に含まれる前記正解すべき問題を出力し、前記問題に対する被学習者の回答を、入力部13から入力してもよい。この場合、判定装置1は、例えば、さらに、正誤判定部を含み、前記正誤判定部において、被学習者の回答と、前記問題に紐付けされた正解回答とを対比して、回答の正誤を判定し、さらに、その正誤判定結果を、出力部14から出力してもよい。このようにして、前記被学習者が目的とする実技レベルをクリアするために必要な問題を、例えば、順次出力することにより、判定装置1により、前記被学習者に実技レベルをクリアするための効率の良い学習を行うこともできる。
【0024】
つぎに、
図2に、判定装置1のハードウエア構成のブロック図を例示する。判定装置1は、例えば、CPU(中央処理装置)111、メモリ112、バス103、入力装置104、ディスプレイ105、通信デバイス106、記憶装置107等を有する。判定装置1の各部は、それぞれのインターフェース(I/F)により、バス103を介して、相互に接続されている。
【0025】
CPU111は、判定装置1の全体の制御を担うプロセッサであり、CPUには限定されず、他のプロセッサでもよい。判定装置1において、CPU111により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的に、判定装置1は、例えば、CPU111が、相関情報生成部11、判定部12等として機能する。
【0026】
判定装置1は、例えば、バス103に接続された通信デバイス106により、通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、外部機器とも接続できる。前記外部機器は、特に制限されず、例えば、前述の通りである。判定装置1と前記外部機器との接続方式は、特に制限されず、例えば、有線による接続でもよいし、無線による接続でもよい。前記有線による接続は、例えば、コードによる接続でもよいし、通信回線網を利用するためのケーブル等による接続でもよい。前記無線による接続は、例えば、通信回線網を利用した接続でもよいし、無線通信を利用した接続でもよい。前記通信回線網は、特に制限されず、例えば、公知の通信回線網を使用でき、前述と同様である。判定装置1と前記外部機器との接続形式は、例えば、USB等であってもよい。
【0027】
メモリ112は、例えば、メインメモリを含み、前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU111が処理を行う際には、例えば、後述する補助記憶装置に記憶されている、本発明のプログラム等の種々の動作プログラム108を、メモリ112が読み込み、CPU111は、メモリ112からデータを受け取って、プログラム108を実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ112は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
【0028】
記憶装置107は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。記憶装置107は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等があげられ、前記ドライブは、特に制限されない。記憶装置107は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)も例示できる。記憶装置107には、例えば、前述のように、動作プログラム108が格納され、前述のように、CPU111を実行させる際、メモリ112が、記憶装置107から動作プログラム108を読み込む。また、記憶装置107は、例えば、前述の作業関連問題データセット109、作業者情報110等を記憶する。
【0029】
判定装置1は、例えば、さらに、入力装置104、ディスプレイ105を有してもよい。入力装置104は、例えば、スキャナー、タッチパネル、キーボード等である。ディスプレイ105は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等があげられる。入力装置104は、例えば、入力部13となり、ディスプレイ105は、例えば、出力部14になる。
【0030】
つぎに、本実施形態の判定方法について説明する。本実施形態の判定方法は、例えば、
図1および
図2に示す判定装置1を用いて実施できる。なお、本実施形態の判定方法は、これらの図面に示す判定装置1の使用には限定されない。
【0031】
本実施形態の判定方法は、相関情報生成工程、および判定工程を含み、データセットを使用する。前記データセットは、問題データセットと、作業者情報データセットとを含む。前記問題データセットは、前述の作業関連問題データセットであり、前記複数の作業関連問題を含む。また、前記作業者情報データセットは、前記作業者情報を含む。前記データセットは、例えば、前記記憶部に記憶されたデータセットを使用できる。
【0032】
前記相関情報生成工程は、同じ実技レベルに属する作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルごとに、前記実技レベルと、前記複数の作業関連問題に対する正解率および正解する作業関連問題との第1相関情報を生成する。前記相関情報生成工程は、例えば、判定装置1の相関情報生成部11により実行できる。前記第1相関情報は、例えば、前述の第1相関推定モデルが好ましい。
【0033】
前記判定工程は、前記第1相関情報に基づいて、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する。前記判定工程は、例えば、判定装置1の判定部12により実行できる。前記第1相関情報が前記第1相関推定モデルの場合、前記判定工程は、例えば、前記第1相関推定モデルを用い、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する。
【0034】
本実施形態の判定方法は、例えば、さらに、出力工程を含み、前記出力工程は、例えば、前記判定工程における判定結果を出力する。前記出力工程は、例えば、判定装置1の出力部14により実行できる。
【0035】
このように判定された情報を、目的の実技レベルをクリアするための達成条件とすれば、例えば、被学習者の学習において、目的の実技レベルとなるために、どの程度の正解率を達成すればよいのか、どのような問題を正解することができればよいのか等を、知ることができる。また、正解すべき問題は、目的の実技レベルをクリアするための良い問題となるため、例えば、被学習者に、正解すべき問題を集中的に学習させれば、より少ない問題数を解くだけで、目的の実技レベルをクリアするために必要な力をつけることができる。
【0036】
本実施形態の判定方法の一例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。なお、以下は、一例であって、本発明は、これらの例には制限されない。
【0037】
本実施形態においては、実技レベルを、レベル1(初心者)からレベル5(熟練者)の5段階とし、前記被学習者の実技レベルがレベル2であり、レベル3への向上を目指していると仮定する。
【0038】
まず、目的の実技レベルXを設定する。本実施形態においては、実技レベル3に設定する(S01)。つぎに、作業者情報記憶部102から、実技レベル3に属する作業者の作業者情報を抽出し(S02)、実技レベル3の作業者情報を学習データセットとして、機械学習により、実技レベル3と、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す相関推定モデルを生成する(S03)。
【0039】
そして、前記相関推定モデルを用いて、実技レベル3をクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する(S04)。この判定結果を出力部14から出力してもよいし、さらに、判定した正解すべき問題を、順次、出力してもよい(S05)。出力した問題に対して、被学習者の回答が入力されると(S06)、入力された回答と、前記出力した問題に紐付けされた正解回答とが一致するかにより、その正誤を判定する(S07)。そして、回答が一致する場合(YES)は、正解との判定結果と、正解の解説とを出力し(S08)、回答が一致しない場合(NO)は、不正解との判定結果と、正解の回答と、正解の解説とを出力する(S09)。そして、前記未回答の問題が残っている場合、または、不正解の回答が残っている場合は、例えば、さらに、前記工程S05~工程S10を繰り返し行ってもよい。
【0040】
[実施形態2]
本発明の判定装置および判定方法のさらにその他の例について、説明する。
【0041】
本実施形態の判定装置は、例えば、前記作業者情報記憶部が、さらに、前記作業者情報として、作業者ごとに、前記作業関連問題を用いた作業学習の前と後の実技レベルと、前記作業関連問題についての正誤結果とを、紐付けて記憶し、前記相関情報生成部が、前記作業学習の前後で実技レベルが向上した作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルの向上と、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す第2相関情報を生成し、前記判定部が、前記第2相関情報に基づいて、目的の実技レベルの向上をクリアするために必要な、正解率と、前記正解すべき問題とを、判定してもよい。
【0042】
また、同様に、本実施形態の判定方法は、例えば、前記作業者情報データセットが、さらに、前記作業者情報として、作業者ごとに、前記作業関連問題を用いた作業学習の前と後の実技レベルと、前記作業関連問題についての正誤結果とを、紐付けたデータセットを含み、前記相関情報生成工程が、前記作業学習の前後で実技レベルが向上した作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルの向上と、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す第2相関情報を生成し、前記判定工程が、前記第2相関情報に基づいて、目的の実技レベルの向上をクリアするために必要な、正解率と、前記正解すべき問題とを、判定してもよい。
【0043】
前記実施形態1によれば、例えば、学習前の実技レベルにかかわらず、目的の実技レベルをクリアするための正解率と、正解すべき問題が判定される。これに対して、本実施形態によれば、さらに、作業関連問題を解く学習の前の実技レベルの情報と、学習後の実技レベルの情報とを用いて、前記第2相関情報が生成される。このため、例えば、学習前の実技レベル(Ln)から学習後の実技レベル(Ln+m)への向上において、どのような正解率が必要であり、どのような問題を正解すべきであるか等についても判定できる。このため、具体例として、例えば、実技レベルが低い被学習者に適した問題、実技レベルが高い被学習者に適した問題も判定できる。つまり、現状の実技レベルを踏まえて、目的の実技レベルへの向上に必要となる達成条件を、より効率良く判定し、被学習者の学習に利用することができる。
【0044】
また、例えば、前記作業者情報として、さらに、学習前の正誤結果、および学習後の正誤結果も使用することにより、例えば、ある正解率からある正解率にまであげるために、適した問題についても判定できる。
【0045】
[実施形態3]
本発明の判定装置および判定方法のさらにその他の例について、説明する。
【0046】
本実施形態の判定装置は、例えば、さらに、実技レベル推定部を含み、前記実技レベル推定部は、実技レベルが不明である対象者に関する、前記複数の作業関連問題についての正誤結果から、前記第1相関情報に基づいて、前記対象者の実技レベルを推定する。
【0047】
同様に、本実施形態の判定方法は、例えば、さらに、実技レベル推定工程を含み、前記実技レベル推定工程は、実技レベルが不明である対象者に関する、前記複数の作業関連問題についての正誤結果から、前記第1相関情報に基づいて、前記対象者の実技レベルを推定する。
【0048】
本発明は、前述のように、実技レベルと、正解率および正解すべき作業関連問題との相関情報を生成するため、例えば、前記被学習者の実技レベルが不明な場合、前記作業関連問題に対する正誤結果から、前記第1相関条件に基づけば、実技レベルを推定することも可能である。
【0049】
[実施形態4]
本実施形態のプログラムは、前記本発明の判定方法を、コンピュータ上で実行可能なプログラムである。または、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、前述のような記憶媒体等があげられる。
【0050】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0051】
<付記>
上記の実施形態および実施例の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
記憶部、相関情報生成部、および判定部を含み、
前記記憶部は、問題記憶部と、作業者情報記憶部とを含み、
前記問題記憶部は、
被学習者が作業を学習するための複数の作業関連問題を記憶し、
前記作業者情報記憶部は、
作業者ごとに、作業者情報として、前記作業者の実技に基づいて評価された実技レベルと、前記複数の作業関連問題についての正誤結果とを、紐付けて記憶し、
前記相関情報生成部は、
同じ実技レベルに属する作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルごとに、前記実技レベルと、前記複数の作業関連問題に対する正解率および正解する作業関連問題との第1相関情報を生成し、
前記判定部は、
前記第1相関情報に基づいて、被学習者が目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する
ことを特徴とする実技レベルの達成条件の判定装置。
(付記2)
前記相関情報生成部は、
前記作業者の前記実技レベルと前記正誤結果とを、学習データセットとして、機械学習により、前記実技レベルと、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す第1相関推定モデルを生成し、
前記判定部は、
前記第1相関情報として前記第1相関推定モデルを用い、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する、付記1に記載の判定装置。
(付記3)
さらに、実技レベル推定部を含み、
前記実技レベル推定部は、
実技レベルが不明である対象者に関する、前記複数の作業関連問題についての正誤結果から、前記第1相関情報に基づいて、前記対象者の実技レベルを推定する、付記1または2に記載の判定装置。
(付記4)
前記作業者情報記憶部は、
さらに、前記作業者情報として、作業者ごとに、前記作業関連問題を用いた作業学習の前と後の実技レベルと、前記作業関連問題についての正誤結果とを、紐付けて記憶し、
前記相関情報生成部は、
前記作業学習の前後で実技レベルが向上した作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルの向上と、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す第2相関情報を生成し、
前記判定部は、
前記第2相関情報に基づいて、目的の実技レベルの向上をクリアするために必要な、正解率と、前記正解すべき問題とを、判定する、
付記1から3のいずれかに記載の判定装置。
(付記5)
さらに、出力部を含み、
前記出力部は、
前記判定部における判定結果を出力する、付記1から4のいずれかに記載の判定装置。
(付記6)
相関情報生成工程、および判定工程を含み、
データセットを使用し、
前記データセットは、問題データセットと、作業者情報データセットとを含み、
前記問題データセットは、
学習者が作業を学習するための複数の作業関連問題を含み、
前記作業者情報データセットは、
作業者ごとに、作業者情報として、前記作業者の実技に基づいて評価された実技レベルと、前記複数の作業関連問題についての正誤結果とを、紐付けたデータセットであり、
前記相関情報生成工程は、
同じ実技レベルに属する作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルごとに、前記実技レベルと、前記複数の作業関連問題に対する正解率および正解する作業関連問題との第1相関情報を生成し、
前記判定工程は、
前記第1相関情報に基づいて、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する
ことを特徴とする実技レベルの達成条件の判定方法。
(付記7)
前記相関情報生成工程は、
前記作業者の前記実技レベルと前記正誤結果とを、学習データセットとして、機械学習により、前記実技レベルと、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す第1相関推定モデルを生成し、
前記判定工程は、
前記第1相関情報として前記第1相関推定モデルを用い、目的の実技レベルをクリアするために必要な、正解率と、前記複数の問題のうち正解すべき問題とを、判定する、付記6に記載の判定方法。
(付記8)
さらに、実技レベル推定工程を含み、
前記実技レベル推定工程は、
実技レベルが不明である対象者に関する、前記複数の作業関連問題についての正誤結果から、前記第1相関情報に基づいて、前記対象者の実技レベルを推定する、付記6または7に記載の判定方法。
(付記9)
前記作業者情報データセットは、
さらに、前記作業者情報として、作業者ごとに、前記作業関連問題を用いた作業学習の前と後の実技レベルと、前記作業関連問題についての正誤結果とを、紐付けたデータセットを含み、
前記相関情報生成工程は、
前記作業学習の前後で実技レベルが向上した作業者の作業者情報に基づいて、前記実技レベルの向上と、前記正解率および前記正解する作業関連問題との相関を示す第2相関情報を生成し、
前記判定工程は、
前記第2相関情報に基づいて、目的の実技レベルの向上をクリアするために必要な、正解率と、前記正解すべき問題とを、判定する、
付記6から8のいずれかに記載の判定方法。
(付記10)
さらに、出力工程を含み、
前記出力工程は、
前記判定工程における判定結果を出力する、付記6から9のいずれかに記載の判定方法。
(付記11)
付記6から10のいずれかに記載の実技レベルの達成条件の判定方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
(付記12)
付記11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0052】
1 判定装置
10 記憶部
11 相関情報生成部
12 判定部
13 入力部
14 出力部