(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】ラック、装置、ネットワーク管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/08 20220101AFI20230314BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
H04L41/08
H04L12/28 203
(21)【出願番号】P 2019031276
(22)【出願日】2019-02-25
【審査請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】大谷 寛之
(72)【発明者】
【氏名】沈 晨暉
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-182791(JP,A)
【文献】特開2017-224274(JP,A)
【文献】特表2015-512079(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0134223(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-13/18,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収容部、通信部、ネットワークスイッチ部、および有線ケーブルを含み、
前記収容部は、それぞれ、高速無線通信部を含む電子機器を収容可能であり、
前記通信部は、高速無線通信部、通信制御部、および有線通信部を含み、
前記ネットワークスイッチ部は、ネットワーク管理部およびポート部を含み、
前記ネットワーク管理部は、ラック内のネットワークを管理し、
前記ポート部は、ネットワークへの接続部であり、
前記有線ケーブルは、前記通信部の前記有線通信部と前記ネットワークスイッチ部の前記ポート部とを有線接続し、
前記通信部が、前記収容部に設けられて
おり、
前記ネットワーク管理部は、ルーティング部を含み、
前記ルーティング部は、前記電子機器を収容した前記収容部に設けられた前記通信部に対しルーティング設定を行うことにより、前記電子機器間の通信経路を確立する
ことを特徴とする、ラック。
【請求項2】
前記通信部は、前記収容部に前記電子機器が収容された状態で、前記通信部の前記高速無線通信部と前記電子機器の前記高速無線通信部との距離が、前記高速無線通信を行うことが可能な距離以内になるように、前記収容部に設けられている、請求項1記載のラック。
【請求項3】
前記ネットワーク管理部は、前記通信部の接続状態を監視する、請求項1または2記載のラック。
【請求項4】
前記ネットワーク管理部は、所定期間ごとに、前記通信部の接続状態を確認する、請求項3記載のラック。
【請求項5】
前記ネットワーク管理部は、判断部およびルーティング部を含み、
前記判断部は、前記通信部の接続状態を監視し、新たな前記電子機器が前記通信部に接続されたかを判断し、
前記ルーティング部は、新たな前記電子機器が接続された場合に、オンラインの前記通信部に対しルーティング設定を行うことにより、前記電子機器間の通信経路を確立する、請求項1から4のいずれか一項に記載のラック。
【請求項6】
前記判断部は、所定期間ごとに、前記通信部の接続状態を確認し、前回の確認における前記接続状態と、今回の確認における前記接続状態とを比較することにより、新たな前記電子機器が前記通信部に接続されたかを判断する、請求項5記載のラック。
【請求項7】
前記ルーティング部は、前記新たに接続された前記電子機器が、これまでに、前記通信部のいずれかに接続されたことがあるかを判断し、前記通信部のいずれかに接続されたことがある場合に、接続履歴情報に基づき、前記ルーティング設定を行う、請求項5または6に記載のラック。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のラックと、電子機器とを含み、
前記ラックの前記収容部に、前記電子機器が収容されていることを特徴とする、装置。
【請求項9】
前記電子機器が、通信インターフェイス、高速無線通信部、および通信制御部を含む、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記電子機器が、サーバおよびストレージである、請求項8または9記載の装置。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか一項に記載のラック、または請求項8から10のいずれか一項に記載の装置を用い、
前記ネットワーク管理部が前記ラック内のネットワークを管理する、ネットワーク管理工程を含む、
ネットワーク管理方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法をコンピュータ上で実行可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラック、装置、ネットワーク管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、サーバやストレージ等の電子機器を搭載可能なラックが用いられている(特許文献1)。しかし、前記電子機器をネットワークに接続する際、有線により接続すると、前記電子機器の移設やメンテナンス時に、前記接続のためのケーブルが多いことで、作業が煩雑になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、ネットワーク接続のためのケーブルを減らすことで、例えば、前記電子機器の移設やメンテナンス時における作業を容易にすることが可能なラックの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明のラックは、複数の収容部、通信部、ネットワークスイッチ部、および有線ケーブルを含み、
前記収容部は、それぞれ、高速無線通信部を含む電子機器を収容可能であり、
前記通信部は、高速無線通信部、通信制御部、および有線通信部を含み、
前記ネットワークスイッチ部は、ネットワーク管理部およびポート部を含み、
前記ネットワーク管理部は、ラック内のネットワークを管理し、
前記ポート部は、ネットワークへの接続部であり、
前記有線ケーブルは、前記通信部の前記有線通信部と前記ネットワークスイッチ部の前記ポート部とを有線接続し、
前記通信部が、前記収容部に設けられている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のラックによれば、例えば、前記電子機器の移設やメンテナンス時における作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態1における、収容部に電子機器を収容した状態のラック1の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1のラック1の側面から見た断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1のラック1の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態1のラックにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態1のラックにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態1のラックにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態2のラック1の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。なお、以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0009】
また、本実施形態の具体的な説明において、前記電子機器として、サーバ2およびストレージ3を例にあげて説明を行っているが、例示であって、本発明は、これには制限されない。前記電子機器は、具体的には、前記サーバおよびストレージのほか、例えば、スイッチ等があげられる。
【0010】
[実施形態1]
図1および
図2は、それぞれ、本発明のラック1の斜視図、および側面から見た断面図である。また、
図3は、ラック1の構成の一例を示すブロック図である。
図1~
図3に示すように、ラック1は、収容部11a~11c、通信部12a~12c、ネットワークスイッチ部13、および有線ケーブル14を含む。なお、
図1および
図2において、収容部11aおよび11bに、前記電子機器である、サーバ2およびストレージ3が収容されている状態を示す。
図2において、見やすさのため、断面を示すハッチを省略している。また、見やすさのため、有線ケーブル14a~cを、それぞれ、直線で示し、ラック1の内部においては点線で示している。
図3において、通信部12cおよび有線ケーブル14cについては、図示を省略している。
【0011】
図1において、ラック1は、棚板を有する本体により形成され、前面が開放されているが、ラック1は、収容部11において前記電子機器を収容可能であればよく、その形状等は、特に制限されない。ラック1は、例えば、前扉、後扉、キャスター等を有するものでもよい。また、
図1において、収容部11の底面である前記棚板に、前記電子機器が載置されているが、これには制限されず、ラック1は、例えば、前記棚板等を含まずに、前記電子機器を差し込むことにより保持可能な構造等により、前記電子機器を収容可能でもよい。ラック1の材質は、特に制限されず、例えば、金属、プラスチック、木材等があげられる。
【0012】
収容部11は、それぞれ、前記電子機器を収容可能である。なお、
図1において、収容部11a~11cの、3つの収容部11が示されているが、収容部11の数は、複数であればよく、これには制限されず、例えば、2~10とすることができる。収容部11の大きさは、例えば、前記電子機器に応じて、適宜設定できる。なお、後述するように、ラック1は、さらに、通信部12が設けられていない補助収容部15を含んでもよい。
【0013】
前記電子機器は、例えば、高速無線通信部、通信インターフェイス、および通信制御部を含む。前記高速無線通信部、前記通信インターフェイス、および前記通信制御部は、例えば、前記電子機器の通信部を構成する。前記高速無線通信部は、後述する高速無線通信の規格に基づくデータの送受信モジュールであり、特に制限されず、例えば、アンテナである。前記通信インターフェイスは、前記電子機器内部における通信用のインターフェイスである。前記通信制御部は、前記電子機器内部におけるデータの転送制御を行う。前記通信制御部は、例えば、CPU(Centaral Processing Unit)である。
【0014】
具体的には、
図3に示すように、サーバ2は、高速無線通信部21、通信インターフェイス22、および通信制御部23を含み、ストレージ3は、高速無線通信部31、通信インターフェイス32、および通信制御部33を含む。
【0015】
収容部11には、それぞれ、後述するように、通信部12が設けられている。
【0016】
通信部12は、高速無線通信部121、通信制御部122、および有線通信部123を含み、高速無線通信部121において、高速無線通信を行う。前記高速無線通信の規格は、例えば、IEEE802.15.3eがあげられる。前記高速無線通信の通信速度としては、例えば、10GB/bps以上があげられる。通信部12としては、特に制限されず、公知の通信装置を使用できる。高速無線通信部121は、前記高速無線通信の規格に基づくデータの送受信モジュールであり、特に制限されず、例えば、アンテナであり、内部アンテナでも外部アンテナでもよく、例えば、
図2に示すように、ロッドアンテナとすることができる。これにより、例えば、前記ロッドアンテナの角度等を調整することで、収容部11に収容された前記電子機器の前記高速無線通信部との距離を調整できる。通信制御部122は、データ通信を制御する。通信制御部122は、例えば、CPUである。有線通信部123は、ネットワークスイッチ部13と通信するモジュールである。有線通信部123は、有線接続の形式により、適宜設定でき、特に制限されず、例えば、LANポート等があげられる。
【0017】
通信部12は、例えば、収容部11に前記電子機器が収容された状態で、通信部12の高速無線通信部121と前記電子機器の前記高速無線通信部との距離が、前記高速無線通信を行うことが可能な距離以内になるように、収容部11に設けられている。
【0018】
ここで、高速無線通信部121と前記電子機器の前記高速無線通信部との前記距離としては、具体的には、例えば、
図2に示すように、前記通信部がロッドアンテナである場合、収容部11aに収容されたサーバ2のロッドアンテナ(高速無線通信部21)の先端と、通信部12aのロッドアンテナ(高速無線通信部121a)の先端との距離xa、および、収容部11bに収容されたストレージ3のロッドアンテナ(高速無線通信部31)の先端と、ラック1のロッドアンテナ(高速無線通信部121b)の先端との距離xbがあげられる。
【0019】
前記高速無線通信を行うことが可能な距離は、通信部12等の種類に応じて適宜設定でき、特に制限されず、例えば、13cm以下、10cm以下である。
【0020】
収容部11における通信部12の設置位置は、前記距離を満たせばよく、特に制限されない。例えば、
図2の例では、通信部12a~12cは、それぞれ、収容部11における背面側の底面に載置されているが、これには限定されず、例えば、通信部12は、ラック1の背面パネル、側面パネル等に設けられていてもよく、また、ラック1に一体となって形成されていてもよい。
【0021】
ネットワークスイッチ部13は、
図3に示すように、ネットワーク管理部131およびポート部132を含む。ネットワークスイッチ部13としては、特に制限されず、公知のスイッチ装置を使用できる。
【0022】
図1において、ネットワークスイッチ部13は、ラック1の補助収容部15に収容されている。補助収容部15は、通信部12が設けられていない点を除いては、収容部11と同様である。ただし、これには制限されず、ネットワークスイッチ部13は、ラック1のその他の部分に設けられていてもよく、また、ラック1に一体となって形成されていてもよい。
【0023】
ネットワーク管理部131は、ラック1内のネットワークを管理する。ネットワーク管理部131は、例えば、CPUである。前記ネットワークの管理としては、例えば、スイッチ制御、通信部12の接続状態の監視、各通信部12のルーティング設定、監視センター等への障害通知等があげられる。
【0024】
ネットワーク管理部131は、例えば、ルーティング部を含み、前記ルーティング部が、前記電子機器を収容した収容部11に設けられた通信部12に対しルーティング設定を行うことにより、前記電子機器間の通信経路を確立してもよい。
【0025】
また、ネットワーク管理部131は、例えば、判断部および前記ルーティング部を含み、前記判断部は、通信部12の接続状態を監視し、新たな前記電子機器が通信部12に接続されたかを判断し、前記ルーティング部は、新たな前記電子機器が接続された場合に、オンラインの前記通信部に対しルーティング設定を行うことにより、前記電子機器間の通信経路を確立してもよい。前記電子機器の接続の判断は、例えば、以下のようにして行うことができる。作業者が、ラック1の収容部11に前記電子機器を載置すると、前記電子機器の前記高速無線通信部とラック1の通信部12とが近接する。これにより、前記電子機器の前記高速無線通信部とラック1の高速無線通信部121とを経由して、前記電子機器の前記通信部とラック1の通信部12との高速無線通信経路が確立され、接続状態(オンライン)となる。一方、前記電子機器の電源がオフになる、および前記電子機器がラック1から撤去される等の場合、未接続状態(オフライン)となる。
【0026】
ネットワーク管理部131による前記ネットワークの管理の各工程は、例えば、
図4に示すフローチャートにしたがって行うことができる。すなわち、まず、ネットワーク管理部131は、通信部12の接続状態を監視し、新たな前記電子機器が通信部12のいずれかに接続されたかを判断する(S101)。そして、新たな前記電子機器が通信部12に接続されたと判断されると(YES)、オンラインの通信部12に対し、前記ルーティング設定を行う(S102)。前記(S102)において、例えば、通信部12aおよび12bに前記電子機器が接続されている場合、通信部12aおよび12bのルーティング設定を行う。これにより、各通信部12に接続された前記電子機器間の通信経路を確立する(S103)。
【0027】
ここで、前記(S101)において、
図5に示すように、ネットワーク管理部131は、例えば、所定期間ごとに、通信部12の接続状態を確認し(S101A)、前回の確認における前記接続状態と、今回の確認における前記接続状態とを比較することにより、新たな前記電子機器が前記通信部に接続されたかを判断してもよい(S101B)。そして、前記工程(S101B)において新たな前記電子機器が接続されたと判断されると(YES)、前記工程(S102)に進む。一方、前記工程(S101B)において新たな前記電子機器が接続されたと判断されなかった場合(NO)、前記工程(S101A)に戻る。前記所定期間は、特に制限されず、例えば、作業者が手動で設定することができる。
【0028】
また、
図6に示すように、例えば、ネットワークスイッチ部13のメモリ等の記憶部において、以前に接続したことのある前記電子機器について、ルーティング情報を含む接続履歴情報を記憶してもよい(S104)。そして、前記(S102)において、ネットワーク管理部131は、新たな前記電子機器が接続された場合に、接続履歴情報を参照することにより、前記新たな前記電子機器が、これまでに、通信部12のいずれかに接続されたことがあるかを判断し(S102A)、通信部12のいずれかに接続したことのある前記電子機器である場合に(YES)、前記接続履歴情報を参照し(S102B)、前記接続履歴情報に基づき、前記ルーティング設定を行うことができる(S102C)。これにより、例えば、前記電子機器の移設等により、以前とは異なる収容部11に前記電子機器を収容した場合でも、以前のルーティング情報を参照し、前記ルーティング設定を行うことができ、ネットワーク設定をより容易にすることができる。
【0029】
ポート部132は、ネットワークへの接続部である。ポート部132は、特に制限されず、ネットワークへの接続の形式により、適宜設定でき、例えば、LANポート等があげられる。
【0030】
有線ケーブル14は、通信部12の有線通信部123とネットワークスイッチ部13のポート部132とを有線接続する。具体的には、例えば、
図2、および
図3に示すように、有線ケーブル14は、通信部12a~12cの有線通信部123a~123cと、ネットワークスイッチ部13のポート部132とを、それぞれ、有線接続する。前記有線接続により、例えば、ラック1において、より安定したネットワークを構成できる。
【0031】
有線ケーブル14は、前記有線接続の形式により、適宜設定でき、特に制限されず、例えば、LANケーブル等があげられる。なお、有線ケーブル14は、
図2に示すように、ラック1の内部に設けてもよいし、外部に露出して設けてもよい。
【0032】
ラック1は、例えば、複数のラック1間を有線または無線により接続して使用することができる。この場合、例えば、ネットワークスイッチ部13は、さらに、他のラック1を含むネットワークを管理する。
【0033】
[実施形態2]
本実施形態のラック1は、常用系と待機系との2つのネットワークを含む冗長構成である点を除いては、実施形態1と同様である。
図7に、本実施形態のラック1の構成の一例のブロック図を示す。
図7に示すように、ラック1は、2つのネットワークスイッチ部13および13’を含む。また、収容部11aにおいて、2つの通信部12aおよび12a’を含み、収容部11bにおいて、通信部12bおよび12b’を含む。そして、通信部12a、通信部12b、ネットワークスイッチ部13およびこれらを接続する有線ケーブル14aおよび14bが、常用系のネットワークを構成し、通信部12a’、通信部12b’、ネットワークスイッチ部13’およびこれらを接続する有線ケーブル14a’および14b’が、待機系のネットワークを構成する。
【0034】
本実施形態においても、収容部11aにおいて、2つの通信部12aおよび12a’は、それぞれ、収容部11aに収容されたサーバ2の高速無線通信部21との距離が、前記高速無線通信を行うことが可能な距離以内になるように、設けられている。収容部11bにおいても同様である。
【0035】
前記構成により、
図7において実線および点線で示すように、収容部11aに収容されたサーバ2に対し、通信部12aおよび12a’のいずれによっても、高速無線通信を行うことができ、収容部11bに収容されたストレージ3に対し、通信部12bおよび12b’のいずれによっても、高速無線通信を行うことができる。前記2つのネットワークのうち、いずれのネットワークを使用するかは、例えば、ネットワークスイッチ部13および13’により決定できる。
【0036】
本実施形態によれば、例えば、一方の系が故障等により接続できない場合も、他方の系を使用できる。
【0037】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば、例えば、ラックに収容された電子機器の移設やメンテナンス時における作業を容易にすることができる。
【0039】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載しうるが、以下には限定されない。
(付記1)
複数の収容部、通信部、ネットワークスイッチ部、および有線ケーブルを含み、
前記収容部は、それぞれ、高速無線通信部を含む電子機器を収容可能であり、
前記通信部は、高速無線通信部、通信制御部、および有線通信部を含み、
前記ネットワークスイッチ部は、ネットワーク管理部およびポート部を含み、
前記ネットワーク管理部は、ラック内のネットワークを管理し、
前記ポート部は、ネットワークへの接続部であり、
前記有線ケーブルは、前記通信部の前記有線通信部と前記ネットワークスイッチ部の前記ポート部とを有線接続し、
前記通信部が、前記収容部に設けられている
ことを特徴とする、ラック。
(付記2)
前記通信部は、前記収容部に前記電子機器が収容された状態で、前記通信部の前記高速無線通信部と前記電子機器の前記高速無線通信部との距離が、前記高速無線通信を行うことが可能な距離以内になるように、前記収容部に設けられている、付記1記載のラック。
(付記3)
前記ネットワーク管理部は、前記通信部の接続状態を監視する、付記1または2記載のラック。
(付記4)
前記ネットワーク管理部は、所定期間ごとに、前記通信部の接続状態を確認する、付記3記載のラック。
(付記5)
前記ネットワーク管理部は、ルーティング部を含み、
前記ルーティング部は、前記電子機器を収容した前記収容部に設けられた前記通信部に対しルーティング設定を行うことにより、前記電子機器間の通信経路を確立する、付記1から4のいずれかに記載のラック。
(付記6)
前記ネットワーク管理部は、判断部およびルーティング部を含み、
前記判断部は、前記通信部の接続状態を監視し、新たな前記電子機器が前記通信部に接続されたかを判断し、
前記ルーティング部は、新たな前記電子機器が接続された場合に、オンラインの前記通信部に対しルーティング設定を行うことにより、前記電子機器間の通信経路を確立する、付記1から5のいずれかに記載のラック。
(付記7)
前記判断部は、所定期間ごとに、前記通信部の接続状態を確認し、前回の確認における前記接続状態と、今回の確認における前記接続状態とを比較することにより、新たな前記電子機器が前記通信部に接続されたかを判断する、付記6記載のラック。
(付記8)
前記ルーティング部は、前記新たに接続された前記電子機器が、これまでに、前記通信部のいずれかに接続されたことがあるかを判断し、前記通信部のいずれかに接続されたことがある場合に、接続履歴情報に基づき、前記ルーティング設定を行う、付記5から7のいずれかに記載のラック。
(付記9)
請求項1から8のいずれか一項に記載のラックと、電子機器とを含み、
前記ラックの前記収容部に、前記電子機器が収容されていることを特徴とする、装置。
(付記10)
前記電子機器が、通信インターフェイス、高速無線通信部、および通信制御部を含む、付記9記載の装置。
(付記11)
前記電子機器が、サーバおよびストレージである、付記9または10記載の装置。
(付記12)
請求項1から8のいずれか一項に記載のラック、または付記9から11のいずれかに記載の装置を用い、
前記ネットワーク管理部が前記ラック内のネットワークを管理する、ネットワーク管理工程を含む、
ネットワーク管理方法。
(付記13)
前記ネットワーク管理工程において、前記通信部の接続状態を監視する、付記12記載の方法。
(付記14)
前記ネットワーク管理工程において、所定期間ごとに、前記通信部の接続状態を確認する、付記13記載の方法。
(付記15)
前記ネットワーク管理工程は、ルーティング工程を含み、
前記ルーティング工程において、前記電子機器を収容した前記収容部に設けられた前記通信部に対しルーティング設定を行うことにより、前記電子機器間の通信経路を確立する、付記12から14のいずれかに記載の方法。
(付記16)
前記ネットワーク管理工程が、判断工程およびルーティング工程を含み、
前記判断工程において、前記通信部の接続状態を監視し、新たな前記電子機器が前記通信部に接続されたかを判断し、
前記ルーティング工程において、新たな前記電子機器が接続された場合に、オンラインの前記通信部に対しルーティング設定を行うことにより、前記通信部に接続された前記電子機器間の通信経路を確立する、付記12から15のいずれかに記載の方法。
(付記17)
前記判断工程において、所定期間ごとに、前記通信部の接続状態を確認し、前回の確認における前記接続状態と、今回の確認における前記接続状態とを比較することにより、新たな前記電子機器が前記通信部に接続されたかを判断する、付記16記載の方法。
(付記18)
前記ルーティング工程において、前記新たに接続された前記電子機器が、これまでに、前記通信部のいずれかに接続されたことがあるかを判断し、前記通信部のいずれかに接続されたことがある場合に、接続履歴情報に基づき、前記ルーティング設定を行う、付記15から17のいずれか一項に記載の方法。
(付記19)
付記12から18のいずれかに記載の方法をコンピュータ上で実行可能なプログラム。
(付記20)
付記19記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0040】
1 ラック
11 収容部
12 通信部
121 高速無線通信部
122 通信制御部
123 有線通信部
13 ネットワークスイッチ部
14 有線ケーブル
2 サーバ
3 ストレージ