(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】空気清浄機及び喫煙ボックス
(51)【国際特許分類】
F24F 8/97 20210101AFI20230314BHJP
B01D 46/00 20220101ALI20230314BHJP
E04H 1/12 20060101ALI20230314BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20230314BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20230314BHJP
【FI】
F24F8/97
B01D46/00 F
E04H1/12 306Z
F24F8/108 110
F24F8/80 212
F24F8/80 238
F24F8/80 250
(21)【出願番号】P 2019066274
(22)【出願日】2019-03-29
【審査請求日】2022-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】506179697
【氏名又は名称】株式会社エルゴジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】安田 光守
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】特許第3062693(JP,B1)
【文献】特開2001-032417(JP,A)
【文献】実開昭50-138685(JP,U)
【文献】特開2015-206586(JP,A)
【文献】特開平11-276839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 8/00-8/99
F24F 7/003
B01D 46/00
E04H 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄機であって、
筐体と、
前記筐体に装着され、外部からの空気を吸い込む吸込み口が設けられた蓋体と、
前記吸込み口に対応する位置に設けられたフィルタ層と、
前記フィルタ層の風路の先に設けられ、内部に空気を吸排出するためのファンと、
前記フィルタ層の背面に位置する枠体であって、前記フィルタ層の少なくとも一部が接触するよう設けられ、前記フィルタ層を通った空気を前記ファンに導くための空間を形成する枠体と、
前記枠体によって形成された空間から前記ファンに空気を導く空気導入口と、
前記フィルタ層の横側に設けられ、前記ファンから排出された空気を外部へ導く排出経路と、
を備え
、
前記フィルタ層は、
エアフィルタと、
前記エアフィルタの前記蓋体側に設けられた第1フィルタと、
前記エアフィルタの前記枠体側に設けられる第2フィルタと、
を含み、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、活性炭を含むフィルタであり、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、
前記フィルタの外枠を構成する外フレームと、
活性炭が内部に収容された小部屋を水平及び垂直方向にそれぞれ複数個形成する内フレームと、
前記小部屋に収容された活性炭を閉じ込めるとともに、前記活性炭が外部に出ないよう微細な孔が多数形成されるシート部材と、を備え、
前記内フレームは、
前記水平方向に形成された小部屋をそれぞれ仕切る第1フレーム部と、
前記垂直方向に形成された小部屋をそれぞれ仕切らない第2フレーム部と、
を有し、
前記垂直方向に形成された小部屋に収納された活性炭は、他の垂直方向に形成された小部屋に移動可能であり、
前記外フレームは、前記垂直方向の一番上の小部屋を構成するフレーム部分に設けられ、前記垂直方向の一番上の小部屋に収納された活性炭の一部を前記フレーム部分内に収め
ることができる第1凹部が形成されている、空気清浄機。
【請求項2】
空気清浄機であって、
筐体と、
前記筐体に装着され、外部からの空気を吸い込む吸込み口が設けられた蓋体と、
前記吸込み口に対応する位置に設けられたフィルタ層と、
前記フィルタ層の風路の先に設けられ、内部に空気を吸排出するためのファンと、
前記フィルタ層の背面に位置する枠体であって、前記フィルタ層の少なくとも一部が接触するよう設けられ、前記フィルタ層を通った空気を前記ファンに導くための空間を形成する枠体と、
前記枠体によって形成された空間から前記ファンに空気を導く空気導入口と、
前記フィルタ層の横側に設けられ、前記ファンから排出された空気を外部へ導く排出経路と、
を備え
、
前記フィルタ層は、
エアフィルタと、
前記エアフィルタの前記蓋体側に設けられた第1フィルタと、
前記エアフィルタの前記枠体側に設けられる第2フィルタと、
を含み、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、活性炭を含むフィルタであり、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、
前記フィルタの外枠を構成する外フレームと、
活性炭が内部に収容された小部屋を水平及び垂直方向にそれぞれ複数個形成する内フレームと、
前記小部屋に収容された活性炭を閉じ込めるとともに、前記活性炭が外部に出ないよう微細な孔が多数形成されるシート部材と、を備え、
前記内フレームは、
前記水平方向に形成された小部屋をそれぞれ仕切る第1フレーム部と、
前記垂直方向に形成された小部屋をそれぞれ仕切らない第2フレーム部と、
を有し、
前記垂直方向に形成された小部屋に収納された活性炭は、他の垂直方向に形成された小部屋に移動可能であり、
前記第1フレーム部は、それぞれの小部屋に収納された活性炭の一部を前記第1フレーム部内に収めることができる第2凹部が形成されている、空気清浄機。
【請求項3】
空気清浄機であって、
筐体と、
前記筐体に装着され、外部からの空気を吸い込む吸込み口が設けられた蓋体と、
前記吸込み口に対応する位置に設けられたフィルタ層と、
前記フィルタ層の風路の先に設けられ、内部に空気を吸排出するためのファンと、
前記フィルタ層の背面に位置する枠体であって、前記フィルタ層の少なくとも一部が接触するよう設けられ、前記フィルタ層を通った空気を前記ファンに導くための空間を形成する枠体と、
前記枠体によって形成された空間から前記ファンに空気を導く空気導入口と、
前記フィルタ層の横側に設けられ、前記ファンから排出された空気を外部へ導く排出経路と、
を備え
、
前記フィルタ層は、活性炭を含むフィルタを有しており、
前記フィルタの外枠を構成する外フレームと、
活性炭が内部に収容された小部屋を水平及び垂直方向にそれぞれ複数個形成する内フレームと、
前記小部屋に収容された活性炭を閉じ込めるとともに、前記活性炭が外部に出ないよう微細な孔が多数形成されるシート部材と、を備え、
前記内フレームは、
前記水平方向に形成された小部屋をそれぞれ仕切る第1フレーム部と、
前記垂直方向に形成された小部屋をそれぞれ仕切らない第2フレーム部と、
を有し、
前記垂直方向に形成された小部屋に収納された活性炭は、他の垂直方向に形成された小部屋に移動可能であり、
前記外フレームは、前記垂直方向の一番上の小部屋を構成するフレーム部分に設けられ、前記垂直方向の一番上の小部屋に収納された活性炭の一部を前記フレーム部分内に収め
ることができる第1凹部が形成されている、空気清浄機。
【請求項4】
空気清浄機であって、
筐体と、
前記筐体に装着され、外部からの空気を吸い込む吸込み口が設けられた蓋体と、
前記吸込み口に対応する位置に設けられたフィルタ層と、
前記フィルタ層の風路の先に設けられ、内部に空気を吸排出するためのファンと、
前記フィルタ層の背面に位置する枠体であって、前記フィルタ層の少なくとも一部が接触するよう設けられ、前記フィルタ層を通った空気を前記ファンに導くための空間を形成する枠体と、
前記枠体によって形成された空間から前記ファンに空気を導く空気導入口と、
前記フィルタ層の横側に設けられ、前記ファンから排出された空気を外部へ導く排出経路と、
を備え
、
前記フィルタ層は、活性炭を含むフィルタを有しており、
前記フィルタの外枠を構成する外フレームと、
活性炭が内部に収容された小部屋を水平及び垂直方向にそれぞれ複数個形成する内フレームと、
前記小部屋に収容された活性炭を閉じ込めるとともに、前記活性炭が外部に出ないよう微細な孔が多数形成されるシート部材と、を備え、
前記内フレームは、
前記水平方向に形成された小部屋をそれぞれ仕切る第1フレーム部と、
前記垂直方向に形成された小部屋をそれぞれ仕切らない第2フレーム部と、
を有し、
前記垂直方向に形成された小部屋に収納された活性炭は、他の垂直方向に形成された小部屋に移動可能であり、
前記第1フレーム部は、それぞれの小部屋に収納された活性炭の一部を前記第1フレーム部内に収めることができる第2凹部が形成されている、空気清浄機。
【請求項5】
前記フィルタ層は、複数のフィルタを含み、
前記複数のフィルタを束ねて前記枠体に固定する固定部材を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記エアフィルタは、JIS Z 8122 によって規定され、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を持つエアフィルタである、請求項1又は請求項2に記載の空気清浄機。
【請求項7】
前記第1フィルタのさらに蓋体側に設けられる第3フィルタを有する、請求項1又は請求項2に記載の空気清浄機。
【請求項8】
喫煙ボックスであって、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の空気清浄機を有する喫煙ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機及び喫煙ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非喫煙者への配慮から喫煙者が利用する喫煙ボックスが提案されている(特許文献1~5)。
特許文献1の喫煙ボックスは、ガイドレールとフィルタを有し、上部に吸気装置を設けてなる集煙部を設け、ガイドレールに沿って開閉可能なる仕切幕を吊持することにより、外部と隔離された喫煙空間の区画形成を可能としたものである。
【0003】
特許文献2の喫煙ボックスは、一面に開閉扉を備えたボックス本体を有し、そのボックス本体の上部に吸気ファンを設け、床板の下方に排気ファンと、含水フィルタを設け、その含水フィルタを通過したボックス内の空気を外部へ排出する排気口を備えるというものである。
【0004】
特許文献3の喫煙ボックスは、部屋内の一端に吸込口を設け他端の天井部下に吸込口に向かう気流を形成する吹出口を設け、且つ天井部上に排気筒を設けて、更に吸込口と吹出口及び排気筒との間の気密空間内に空気清浄機及びファンを設けるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-157008号公報
【文献】特開2007-182723号公報
【文献】特開2006- 3058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の喫煙ボックスでは、喫煙空間内を清浄しているものの、喫煙空間内の空気を十分に清浄できているとは言えず、喫煙空間以外にタバコの匂い等が漏れてしまうという問題があった。
また、空気の清浄効果を高めると喫煙ボックス自体が大型化してしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コンパクトで、空気の浄化能力が高い空気清浄機及び喫煙ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、(1)本発明の空気清浄機は、筐体と、前記筐体に装着され、外部からの空気を吸い込む吸込み口が設けられた蓋体と、前記吸込み口に対応する位置に設けられたフィルタ層と、前記フィルタ層の風路の先に設けられ、内部に空気を吸排出するためのファンと、前記フィルタ層の背面に位置する枠体であって、前記フィルタ層の少なくとも一部が接触するよう設けられ、前記フィルタ層を通った空気を前記ファンに導くための空間を形成する枠体と、前記枠体によって形成された空間から前記ファンに空気を導く空気導入口と、前記フィルタ層の横側に設けられ、前記ファンから排出された空気を外部へ導く排出経路と、を備える。
【0009】
(2)(1)の構成において、前記フィルタ層は、複数のフィルタを含み、前記複数のフィルタを束ねて前記枠体に固定する固定部材を有する。
【0010】
(3)(1)又は(2)の構成において、前記フィルタ層は、エアフィルタと、前記エアフィルタの前記蓋体側に設けられた第1フィルタと、前記エアフィルタの前記枠体側に設けられる第2フィルタと、を含む。
【0011】
(4)(3)の構成において、前記エアフィルタは、JIS Z 8122によって規定され、定格風量で粒径が0.3 μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を持つエアフィルタである。
【0012】
(5)(3)又は(4)の構成において、前記第1フィルタのさらに蓋体側に設けられる第3フィルタを有する。
【0013】
(6)(3)から(5)のいずれか1項の構成において、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、活性炭を含むフィルタである。
【0014】
(7)(6)の構成において、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、前記フィルタの外枠を構成する外フレームと、活性炭が内部に収容された小部屋を水平及び垂直方向にそれぞれ複数個形成する内フレームと、前記小部屋に収容された活性炭を閉じ込めるとともに、前記活性炭が外部に出ないよう微細な孔が多数形成されるシート部材と、を備え、 前記内フレームは、前記水平方向に形成された小部屋をそれぞれ仕切る第1フレーム部と、 前記垂直方向に形成された小部屋をそれぞれ仕切らない第2フレーム部と、を有し、前記垂直方向に形成された小部屋に収納された活性炭は、他の垂直方向に形成された小部屋に移動可能である。
【0015】
(8)(7)の構成において、前記外フレームは、前記垂直方向の一番上の小部屋を構成するフレーム部分に設けられ、前記垂直方向の一番上の小部屋に収納された活性炭の一部を前記フレーム部分内に収めることができる第1凹部が形成されている。
【0016】
(9)(7)又は(8)の構成において、前記第1フレーム部は、それぞれの小部屋に収納された活性炭の一部を前記第1フレーム部内に収めることができる第2凹部が形成されている。
【0017】
(10)本発明の喫煙ボックスは、(1)から(9)のいずれかに記載の空気清浄機を有する喫煙ボックスである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、従来よりも浄化能力が高い空気清浄機用フィルタ及び空気清浄機用フィルタ構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る喫煙ボックスの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る喫煙ボックスの正面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る喫煙ボックスの右側面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る喫煙ボックスの左側面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る喫煙ボックスの平面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る空気清浄機の斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る空気清浄機の正面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る空気清浄機の左側面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る空気清浄機の右側面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る空気清浄機の蓋体を外した状態の斜視図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る空気清浄機の蓋体を外した状態の正面図である。
【
図16】本発明の実施形態に係る空気清浄機の筐体の蓋体と前面パネルとフィルタ層を外した状態の下方から見た斜視図である。
【
図17】本発明の実施形態に係る空気清浄機の筐体の蓋体と前面パネルとフィルタ層を外した状態の上方から見た斜視図である。
【
図18】本発明の実施形態に係る空気清浄機の筐体の蓋体と前面パネルとフィルタ層を外した状態の正面図である。
【
図19】本発明の実施形態に係る空気清浄機の筐体の蓋体と前面パネルとフィルタ層を外した状態を上方から見た斜視図であって、
図17とは反対側からみた斜視図である。
【
図20】本発明の実施形態に係る空気清浄機で用いられるフィルタ層の分解図である。
【
図21】本発明の実施形態に係る空気清浄機で用いられるフィルタ層のうちエアフィルタの(a)正面図、(b)斜視図である。
【
図22】本発明の実施形態に係る空気清浄機で用いられるフィルタ層のうち第3フィルタの(a)正面図、(b)斜視図である。
【
図23】本発明の実施形態に係る空気清浄機用の第1フィルタ1の正面図である。
【
図24】本発明の実施形態に係る空気清浄機用の第1フィルタ1の右側面図である。
【
図25】本発明の実施形態に係る空気清浄機用のフィルタ10の正面図である。
【
図26】本発明の実施形態に係る空気清浄機用のフィルタ10の背面図である。
【
図27】本発明の実施形態に係る空気清浄機用のフィルタ10の平面図である。
【
図28】本発明の実施形態に係る空気清浄機用のフィルタ10の底面図である。
【
図29】本発明の実施形態に係る空気清浄機用のフィルタ10の右側面図である。
【
図32】
図30に示すフィルタ10に活性炭を入れた状態を示す図である。
【
図35】
図33に示すフィルタ10に活性炭を入れた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたものであり、これらにより本発明を限定するものではない。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る喫煙ボックスの斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る喫煙ボックスの正面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る喫煙ボックスの右側面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る喫煙ボックスの左側面図である。
図5は、本発明の実施形態に係る喫煙ボックスの平面図である。
図6は、
図2のB-B断面図である。
【0022】
図1~
図6に示すように、本実施形態の喫煙ボックス50は、喫煙空間を形成するボックス50aと、ボックス50aによって形成される喫煙空間内の空気を清浄する空気清浄機60と、を有する。この喫煙ボックス50は、例えば遊技場等の屋内に設置することもできるし、屋外に設置することもできる。
【0023】
ボックス50aは、天井パネル51と、上段フレーム52、フレーム53a~53eと、強化ガラス54と、下段パネル55と、を有する。
【0024】
図2に示すように、空気清浄機60には、吸込み口61aが設けられている蓋体61が設けられている。この蓋体61の吸込み口61aから吸いこまれた空気が内部のフィルタで浄化されて、
図1、
図5及び
図6に示す排出口92が喫煙ボックス50外に排出される。
【0025】
図6に示すように、喫煙ボックス50の天井パネル51には、人感センサ55と、LED照明56とが設けられており、喫煙ボックス50内の喫煙空間内に人が入ってくると、人感センサ55によって検出され、LED照明56が点灯するとともに、空気清浄機60が待機状態から動作状態に移行し、喫煙空間内の空気が清浄される。また、人感センサ55が喫煙ボックス50内の喫煙空間内に人がいないことを検出すると、LED照明56が消灯し、所定の時間が経過後、空気清浄機60の動作が停止する。この制御は、喫煙ボックス50の制御部及び空気清浄機60の制御部によって制御されている。
【0026】
詳細は後述するが、
図6に示すように、蓋体61の裏側にはフィルタ層70が設けられており、このフィルタ層70の更に背面側には所定の空間83を形成する枠体80が設けられている。吸込み口61aから吸入された空気は、フィルタ層70を通って枠体80によって形成された空間83から枠体80の下に設けられているファン90に吸入されて、排出口92から外部へ排出される。
【0027】
次に、本発明の実施形態に係る空気清浄機について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の斜視図である。
図8は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の正面図である。
図9は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の左側面図である。
図10は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の右側面図である。
図11は、
図8のC-C断面図である。
図12は、
図8のB-B断面図である。
図13は、
図8のA-A断面図である。
【0028】
図7~
図13に示すように、本実施形態の空気清浄機60は、筐体と、蓋体61と、フィルタ層70と、ファン90と、枠体80と、空気導入口85と、後述する排出経路91と、を備える。
筐体は、前面パネル62、左パネル63、右パネル64及び背面パネル62から構成されている。
蓋体61には、外部からの空気を吸入する吸込み口61aが複数設けられている。
【0029】
フィルタ層70は、蓋体61の吸込み口61aに対応する位置に設けられている。蓋体61の吸込み口61aから吸い込まれた空気はフィルタ層70に導かれる。
ファン90は、フィルタ層70の風路の先(ここでは下部)に位置するよう設けられ、内部に空気を吸排出するためのものである。
【0030】
枠体80は、フィルタ層70の背面の蓋体61とは反対側に位置し、フィルタ層70の少なくとも一部(ここでは第2フィルタ1a)が接触するよう設けられ、フィルタ層70を通った空気をファン90に導くための空間83を形成するものである。
空気導入口85は、枠体80によって形成された空間83からファン90に空気を導くものである。
排出経路91は、ファン90の上部であって、フィルタ層70の横側に設けられ、ファン90から排出された空気を排出口92から外部へ導くものである(
図14等参照)。
【0031】
図11に示すように、蓋体61の裏側にはフィルタ層70が設けられており、このフィルタ層70の更に背面側には所定の空間83を有する枠体80が設けられている。
吸込み口61aから吸入された空気は、フィルタ層70を通って枠体80によって形成された空間83から枠体80の下に設けられているファン90に吸入されて、排出口92から外部へ排出される。
図13に示すように、空気清浄機60のファン90の下の空間には、制御部や配線が収納されている。
【0032】
次に、蓋体61を外した状態の空気清浄機60について説明する。
図14は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の蓋体を外した状態の斜視図である。
図15は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の蓋体を外した状態の正面図である。
【0033】
図14及び
図15に示すように、空気清浄機60のフィルタ層70は、吸込み口61aを有する蓋体61の背面側に位置するように配置されている。フィルタ層70の下側には上述したようにファン90が設けられており、フィルタ層70の右側にはファン90から排出された空気を排出口92に導く排出経路91が設けられている。
【0034】
フィルタ層70は、複数のフィルタ(エアフィルタ71、第1フィルタ1、第2フィルタ1a、第3フィルタ72)を含んで構成されており、複数のフィルタから構成されるフィルタ層70を束ねて枠体80に固定する固定プレート81a~81c、プレート留め具82a~82cを有する。
この固定プレート81a~81cと、プレート留め具82a~82cが固定部材を構成する。
【0035】
フィルタ層70を枠体80に固定する際には、枠体80側からみて第2フィルタ1a、エアフィルタ71、第1フィルタ1、第3フィルタ72の順に並べ、第2フィルタ1aを枠体80に接触させて、固定プレート81a~81cをプレート留め具82a~82cで留めることで、フィルタ層70の枠体80への固定が完了する。
なお、ここでは固定部材の例としてプレート状のものを例にとって説明しているが、固定部材はプレート状のものに限る必要はなく、フィルタ層70を固定することができるものであれば、ゴムやベルト等によって構成することができる。
【0036】
次に、筐体の蓋体61と前面パネル62とフィルタ層70を外した状態の空気清浄機60について説明する。
図16は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の筐体の蓋体と前面パネルとフィルタ層を外した状態の下方から見た斜視図である。
図17は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の筐体の蓋体と前面パネルとフィルタ層を外した状態の上方から見た斜視図である。
図18は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の筐体の蓋体と前面パネルとフィルタ層を外した状態の正面図である。
図19は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の筐体の蓋体と前面パネルとフィルタ層を外した状態を上方から見た斜視図であって、
図17とは反対側からみた斜視図である。
【0037】
図16~
図19に示すように、フィルタ層70の背面側には、箱体80が設けられている。この箱体80は、壁部80a、壁部80b、壁部80c及び底部80dによって構成されている。壁部80a、壁部80b、壁部80c及び底部80dによって、フィルタ層70を通った空気をファン90に導くための空間83が形成されている。
【0038】
箱体80のファン90側の位置には、壁部が設けられておらず、その位置には空気導入口85が設けられており、この空気導入口85により枠体80によって形成された空間83からファン90に空気が導かれる。
【0039】
フィルタ層70の後ろの枠体80によって形成される空間83をフィルタ層70の大きさと同じ程度の大きさにすることができため、大容量のフィルタ層70を通すことができる。これによって浄化能力を高めることができる。また、ファン90をフィルタ層70の下側に配置することができるため、空気清浄機60を薄型にすることができる。
【0040】
次に、フィルタ層70について説明する。
図20は、本発明の実施形態に係る空気清浄機で用いられるフィルタ層の分解図である。
図21は、本発明の実施形態に係る空気清浄機で用いられるフィルタ層のうちエアフィルタの(a)正面図、(b)斜視図である。
図22は、本発明の実施形態に係る空気清浄機で用いられるフィルタ層のうち第3フィルタの(a)正面図、(b)斜視図である。
【0041】
図20~
図21に示すように、フィルタ層70は、エアフィルタ71と、エアフィルタ71の蓋体61側に設けられた第1フィルタ1と、エアフィルタ71の枠体80側に設けられる第2フィルタ1aと、第1フィルタ1のさらに蓋体61側に設けられる第3フィルタ72と、を有する。第1フィルタ1、エアフィルタ71、第2フィルタ1a及び第3フィルタ72は外形的に略同じ大きさにすることが好ましい。
【0042】
エアフィルタ71は、タバコの煙成分を除去するものであり、JIS Z 8122によって規定され、定格風量で粒径が0.3 μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を持つエアフィルタである。エアフィルタ71は、高性能微粒子除去フィルタ(HEPA: High Efficiency Particulate Air Filter)などで構成されており、ガラス繊維によるさえぎり、慣性によるガラス繊維への接触、重力による沈降、ブラウン運動及び静電気力によって煙草の煙を構成する微粒子を除去することができる。
【0043】
第1フィルタ1及び第2フィルタ1aは、煙草の匂い成分を除去するものである。
エアフィルタ71の前面に第1フィルタ1と、エアフィルタ71の背面に第2フィルタ1aを配置することで、煙草の匂い成分を除去することができる。第1フィルタ1及び第2フィルタ1aについては、詳細は後述するが、同じフィルタによって構成することもできるが、別のフィルタによって構成することもできる。
第3フィルタ72は、空気中に含まれる径の荒い粒子を除去するフィルタである。
なお、本実施形態のフィルタ層70は、4つのフィルタを有する例について説明しているが、フィルタの数が種類は適宜変更が可能である。
【0044】
図23は、本発明の実施形態に係る空気清浄機用の第1フィルタ1の正面図である。
図24は、本発明の実施形態に係る空気清浄機用の第1フィルタ1の右側面図である。
なお、以下の図において、
図32及び
図35はフィルタ内に活性炭を入れた状態を示しているが、その他の図のフィルタは、内部の活性炭を図示せずに説明する。実際には、フィルタ内の小部屋にはフィルタが充填されている。
【0045】
図23及び
図24に示すように、本発明の実施形態に係る空気清浄機用の第1フィルタ1は、フィルタ10と、フィルタ10に接続されるフィルタ20とによって構成されている。第2フィルタ1aも第1フィルタ1と同じ構成である。
【0046】
図24に示すように、フィルタ10及びフィルタ20は、それぞれ、垂直方向に位置する一方の端部に設けられる凹部10a、20aと、垂直方向に位置する他方の端部に設けられる凸部10b、20bを備えている。
フィルタ10の凹部10aと、フィルタ20の凸部20bを係合させてフィルタ10とフィルタ20を接続することができる。
【0047】
フィルタ10及びフィルタ20は、相手方のフィルタと接触する箇所に設けられる緩衝部材10c、20cを有し、緩衝部材10c、20cは、相手方フィルタと接触する基部10d、20d部分より相手方フィルタ側に1mm~3mm程度突出して設けられている。
緩衝部材10c、20cは、ゴムやスポンジなどの弾性変形する材料で構成されている。
【0048】
図25は、本発明の実施形態に係る空気清浄機用のフィルタ10の正面図である。
図26は、本発明の実施形態に係る空気清浄機用のフィルタ10の背面図である。
図27は、本発明の実施形態に係る空気清浄機用のフィルタ10の平面図である。
図28は、本発明の実施形態に係る空気清浄機用のフィルタ10の底面図である。
図29は、本発明の実施形態に係る空気清浄機用のフィルタ10の右側面図である。
【0049】
図25~
図29に示すように、フィルタ10は、外フレーム11と、内フレーム12、13と、シート部材14、18と、によって構成されている。
外フレーム11は、フィルタ10の外枠を構成するものであり、上フレーム11a、右フレーム11b、下フレーム11c及び左フレーム11dによって構成されている。上フレーム11a、右フレーム11b、下フレーム11c及び左フレーム11dは、一体成形されている。
【0050】
内フレーム(12、13)は、活性炭が内部に収容された小部屋16a~16pを水平及び垂直方向にそれぞれ複数個形成するものである。
内フレームは、表側内フレーム12と、裏側内フレーム13とから構成されており、本実施形態では、裏側内フレーム13は、外フレーム11と一体成形されている。裏側内フレーム13は、外フレーム11と別体であってもよいし、表側内フレーム12が外フレーム11と一体成形されていてもよい。
【0051】
表側内フレーム12は、
図25に示すように、縦方向に延びる第1フレーム部12f~12jと、横方向に延びる第2フレーム部12a~12eと、を有する。
裏側内フレーム13は、
図26に示すように、縦方向に延びる第1フレーム部13f~13jと、横方向に延びる第2フレーム部13a~13eとを有する。
【0052】
裏側内フレーム13は、縦方向に延びる第1フレーム部13f~13jのうち第1フレーム部13g~13iから、表側内フレームの第1フレーム部12g、12h、12iに向かって伸び、隣り合う小部屋を仕切るための壁部13g1、13h1、13i1が形成されている(後述の
図33で詳述する)。
一方、裏側内フレーム13は、横方向に延びる第2フレーム部13b~13dからは、表側内フレームの第2フレーム部12b、12c、12dに向かって延びる壁部は設けられていない(後述の
図30で詳述する)。これによって、縦方向に連続する4つの小部屋16a~16d、16e~16h、16i~16l、16m~16pは、連通しており、活性炭が縦方向に連続する小部屋16a~16dと、16e~16hと、16i~16l、16m~16pを移動することができるよう構成されている。
表側内フレーム12及び裏側内フレーム13は、接着剤や複数のネジ等によって固定されている。
【0053】
シート部材14、18は、小部屋に収容された活性炭を閉じ込めるとともに、活性炭が外部に出ないよう微細な孔が多数形成されている。
シート部材14は、表側内フレーム12の第1フレーム12f~12j及び第2フレーム12a~12eに、それぞれに接着又は溶着されている。また、シート部材18は、裏側内フレーム13の第1フレーム13f~13j及び第2フレーム13a~13eのそれぞれに接着又は溶着されている。
図25及び
図26に示す例では、シート部材14、18を接着剤により表側内フレーム12及び裏側内フレーム13に接着している例を示している。
【0054】
図24及び
図29に示すように、フィルタ10は、それぞれ、垂直方向に位置する一方の端部に設けられる凹部10aと、垂直方向に位置する他方の端部に設けられる凸部10bとを備えている。
フィルタ10の凹部10aと、フィルタ20の凸部20bを係合させてフィルタ10とフィルタ20を接続することができる。
【0055】
フィルタ10及びフィルタ20は、相手方のフィルタと接触する箇所に緩衝部材10c、20cが設けられており、この緩衝部材10c、20cは、外フレームのうち相手方フィルタと接触する部分より相手側フィルタ側に例えば0.5mm~5mm程度突出して設けられている。
これにより、緩衝部材10c、20cを介してフィルタ10とフィルタ20が接続された場合に、ガタつくことなく、安定して接続状態を維持することができる。
【0056】
図30は、
図25のA-A断面図である。
図31は、
図30のC-C部分の拡大図である。
図32は、
図30に示すフィルタに活性炭を入れた状態を示す図である。
図30に示すように、裏側内フレーム13は、横方向に延びる第2フレーム部13b~13dから、表側内フレーム12に向かって伸びる壁部は設けられていない。
このため、
図32に示すように、縦方向に連続する小部屋16a~16d、16e~16h、16i~16l、16m~16pは、連通しており、活性炭が縦方向に連続する小部屋16a~16d、16e~16h、16i~16l、16m~16pを移動することができるよう構成されている。
【0057】
また、
図32に示すように、外フレーム11の上フレーム11aは、垂直方向の一番上の小部屋16a、16e、16i、16mを構成するフレーム部分には、垂直方向の一番上の小部屋16a、16e、16i、16mに収納された活性炭の一部をフレーム部分内に収めることができる第1凹部17aが形成されている。
この第1凹部17aの位置に活性炭を十分に充填しておくことで、活性炭を各小部屋16a~16pに詰めた後に、フィルタ10を立てた状態にして、一部の活性炭が下の小部屋に移動しても、第1凹部17aの収められた活性炭が下に移動することはあっても、活性炭を通らずに通過する空気を無くすことができる。
【0058】
この第1凹部17aが無いと仮定すると、フィルタを立てた状態にしたときに、活性炭が下の小部屋に下がってしまうため、最上流の小部屋の一番上は、活性炭が無い領域ができてしまう。そうすると、活性炭を通らない空気がフィルタを通過してしまうこととなり、十分な空気清浄ができないこととなる。
【0059】
図33は、
図25のB-B断面図である。
図34は、
図33のD-D部分の拡大図である。
図35は、
図33に示すフィルタ10に活性炭を入れた状態を示す図である。
図33に示すように、裏側内フレーム13は、縦方向に延びる第1フレーム部13g、13h、13iから、この第1フレーム13g、13h、13iに沿って隣り合う小部屋を仕切るための壁部13g1、13h1、13i1が形成されている。
このため、
図35に示すように、横方向に連続する小部屋間16b、16f、16i、16nは、仕切られており、横方向で隣り合う小部屋16b、16f、16i間で活性炭が移動することはない。
【0060】
図34に示すように、第1フレーム部13f、13g、13h、13i、13jは、それぞれの小部屋16に収納された活性炭の一部を第1フレーム部13f、13g、13h、13i、13j内に収めることができる第2凹部19a、19b、19c等が形成されている。
図34では、3つの第2凹部19a、19b、19cについて示しているが、すべての小部屋に第2凹部が設けられている。
【0061】
この第2凹部19a、19b、19cの位置に活性炭を十分に充填しておくことで、活性炭を各小部屋16a~16pに詰めた後に、フィルタを立てた状態にして、一部の活性炭が下の小部屋に移動したときに、各小部屋内の活性炭が移動しても、活性炭を通らずに通過する空気を無くすことができる。
この第2凹部19a、19b、19cが無いと仮定した場合、フィルタを立てた状態にしたときに、活性炭が移動したときに、活性炭が無い領域ができてしまうため、活性炭を通らない空気がフィルタを通過してしまうこととなり、十分な空気清浄ができない。
本発明の実施形態によれば、従来よりも浄化能力が高い空気清浄機用フィルタを提供することができる。
【0062】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0063】
50 喫煙ボックス
60 空気清浄機
70 フィルタ層
71 エアフィルタ
72 第2フィルタ
80 枠体
90 ファン
91 排出経路
1 第1フィルタ
1a 第2フィルタ
10 フィルタ
20 フィルタ
11 外フレーム
12、13 内フレーム
12f~12j、13f~13j 第1フレーム部
12a~12e、13a~13e 第2フレーム部
14、18 シート部材
16a~16p 小部屋
17a 第1凹部
19a、19b、19c 第2凹部
10a、20a 凹部
10b、20b 凸部
10c、20c 緩衝部材