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  • 特許-発電装置 図1
  • 特許-発電装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 35/00 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
H02K35/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019141944
(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公開番号】P2021027633
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114710
【氏名又は名称】ヤマウチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 高良
【審査官】稲葉 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-039824(JP,A)
【文献】特開2018-007876(JP,A)
【文献】特開2006-246691(JP,A)
【文献】特開2020-072635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有し、両端閉鎖型の非磁性体の筒状部材と、
前記筒状部材の外周に配置されたコイルと、
前記筒状部材の内部空間に配置され、前記筒状部材の延在方向に沿って往復移動可能な第1マグネットと、
前記筒状部材の外部に配置され、前記第1マグネットに対して作用する第2マグネットと、
前記第1マグネットおよび前記第2マグネットのうちのいずれか一方のマグネットを、他方のマグネットに対して相対移動させて、反発力を発生させる作動部とを備える、発電装置。
【請求項2】
前記第2マグネットは、前記筒状部材を取り囲むように配置される、請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記第2マグネットは、リング状磁石である、請求項1または2に記載の発電装置。
【請求項4】
前記第1マグネットは、柱状磁石である、請求項1~3のいずれかに記載の発電装置。
【請求項5】
前記筒状部材の外周を覆う筐体をさらに備え、
前記第2マグネットは、前記筐体に固定されており、
前記作動部は、前記筒状部材に固定されるとともに、前記筐体に対して変位可能に支持されている、請求項1~4のいずれかに記載の発電装置。
【請求項6】
前記筒状部材の延在方向一方端部と、その一方端部に対面する前記筐体の端部との間に弾性部材が設けられている、請求項5に記載の発電装置。
【請求項7】
前記筒状部材の外周を覆う筐体をさらに備え、
前記第2マグネットは、前記筐体に固定されており、
前記作動部は、前記筐体に固定されるとともに、前記筒状部材に対して変位可能に支持されている、請求項1~4のいずれかに記載の発電装置。
【請求項8】
前記筒状部材の内部空間の延在方向両端部には、前記第1マグネットに対して反発力を発揮する反発マグネットが配置されている、請求項1~7のいずれかに記載の発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シンプルな構造の発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
操作部の操作によって発生した運動エネルギーを電磁誘導方式によって電気エネルギーに変換して発電する発電装置が知られている。このような発電装置は、たとえば、トイレ室、浴室、キッチンなどの水回り設備において、電子機器を遠隔操作するリモコン装置に組み込まれている。
【0003】
特開2018-74537号公報(特許文献1)に開示されたリモコン装置は、押し操作に応じて機器を操作する操作ボタンと、上記押し操作に応じて押圧されることで電磁誘導を発生させ発電を行う発電部と、上記機器を遠隔操作するための信号を生成する電子部品を有する制御部と、上記操作ボタンの押し操作に応じて移動し上記発電部を押圧する伝達機構とを備える。伝達機構は、押し操作に応じて回転する回転カムと、回転カムの回転動作によって押圧されるリンクとを有し、操作ボタンを押す力が所定の値となるときに、回転カムとリンクとの移動方向が同一となるようにされている。発電部は、操作ボタンの押し操作に伴う操作力がモータの回転軸に伝達されて、回転軸を回転させ、これにより、モータから交流の電力が発生する。
【0004】
特開2012-80702号公報(特許文献2)に開示された発電装置は、発電時に操作されるスイッチレバーと、被駆動部が駆動されることによって誘導起電力を発生させる発電機と、外力が印加されることにより弾性力を蓄積すると共に蓄積された弾性力を出力することにより被駆動部を駆動する発電用ばねと、発電用ばねに蓄積された弾性力の出力を許容するスライド部材およびピンホイールとを備えている。発電機は、被駆動部を回転させることによりコイルの内部で円筒形状の磁石を回転させ、これによりコイルを貫く磁束を変化させて誘導起電力を発生させる構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-74537号公報
【文献】特開2012-80702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特開2018-74537号公報(特許文献1)および特開2012-80702号公報(特許文献2)に開示された発電装置は、いずれも操作部材の操作力をコイル内に配置されたロータの回転運動に変換する機構がやや複雑であり、押し力がやや硬く感じる。
【0007】
また、特開2018-74537号公報(特許文献1)や特開2012-80702号公報(特許文献2)に記載されたような複雑な構成の発電装置では、音の発生が避けられず、たとえばトイレ内に設置される発電装置としてはあまり好ましくない。
【0008】
本発明の目的は、シンプルな構造であって軽い押し力によって発電し、音の発生も少ない発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による発電装置は、内部空間を有し、両端閉鎖型の非磁性体の筒状部材と、筒状部材の外周に配置されたコイルと、筒状部材の内部空間に配置され、筒状部材の延在方向に沿って往復移動可能な第1マグネットと、筒状部材の外部に配置され、第1マグネットに対して作用する第2マグネットと、筒状部材および第2マグネットのうちのいずれか一方を、他方に対して相対移動させる作動部とを備える。
【0010】
好ましくは、第2マグネットは、筒状部材を取り囲むように配置される。
【0011】
好ましくは、第2マグネットは、リング状磁石である。
【0012】
好ましくは、第1マグネットは、柱状磁石である。
【0013】
好ましくは、発電装置は、筒状部材の外周を覆う筐体をさらに備え、第2マグネットは、筐体に固定されており、作動部は、筒状部材に固定されるとともに、筐体に対して変位可能に支持されている。
【0014】
好ましくは、筒状部材の延在方向一方端部と、その一方端部に対面する筐体の端部との間に弾性部材が設けられている。
【0015】
好ましくは、発電装置は、筒状部材の外周を覆う筐体をさらに備え、第2マグネットは、筐体に固定されており、作動部は、筐体に固定されるとともに、筒状部材に対して変位可能に支持されている。
【0016】
好ましくは、筒状部材の内部空間の延在方向両端部には、第1マグネットに対して反発力を発揮する反発マグネットが配置されている。
【発明の効果】
【0017】
上記構成の本発明によれば、シンプルな構造の発電装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1に係る発電装置の動作を示す図である。
図2】本発明の実施の形態2に係る発電装置の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。以下の説明における左右方向は、紙面上の左右方向と一致するものとする。
【0020】
<実施の形態1>
図1(a)を参照して、本発明の一実施形態の発電装置1について説明する。
【0021】
本実施の形態に係る発電装置1は、主要な構成部品を収容する筐体7と、筐体7内に配置された筒状部材2と、筒状部材2の外周に配置されたコイル3と、筒状部材2の内部空間に配置された第1マグネット4と、第1マグネット4に対して作用する第2マグネット5と、筒状部材2および第2マグネット5のうちいずれか一方を、他方に対して相対移動させる作動部6とを備える。
【0022】
筐体7は、主要な構成部品を内部に収容し、具体的には筒状部材2や作動部6の外周を覆うように設けられる。筐体7内部には、第2マグネット5が固定されている。筐体7の延在方向右側端部には、作動部6を外部から操作することができ、作動部6に固定された筒状部材2を延在方向に移動させることのできる開口部が設けられている。
【0023】
筒状部材2は、内部空間を有しており、両端閉鎖型の非磁性体である。筒状部材2の内部空間には、第1マグネット4が収容されている。非磁性体として、たとえば、アルミニウムなどの金属、プラスチックなどの合成樹脂などが挙げられる。本実施の形態では、筒状部材2は合成樹脂である。
【0024】
筒状部材2は、円柱形状であり、筒状部材2の外周にはコイル3が配置されている。このため、筒状部材2は、コイル3のボビンの役割も担う。本実施の形態のコイル3は、筒状部材2の外周の一部に設けられているが、筒状部材2の全周に設けられていてもよく、筒状部材2の外周の分離した領域に設けられていてもよい。コイル3は、たとえばソレノイドコイルである。また、筒状部材2の形状は、円柱形状に限られず、四角柱等の多角形状であってもよい。
【0025】
第1マグネット4は、筒状部材2の内部空間に配置され、筒状部材2の延在方向に沿って往復移動可能に設けられる。筒状部材2の外周にコイル3が配置されているため、第1マグネット4がコイル3の内部を往復運動することにより、コイル3に誘導起電力が発生する。第1マグネット4は、たとえば柱状磁石であり、本実施の形態において、第1マグネット4は円柱磁石である。第1マグネット4のN極およびS極の位置関係は、図1(a)に示した通りである。
【0026】
第2マグネット5は、筒状部材2の外部に配置され、第1マグネット4に対して作用する。より確実に第1マグネット4に対して作用する観点から、第2マグネット5は、好適には筒状部材2を取り囲むように配置される。ここで言う「作用する」とは、具体的には第1,2マグネット4,5が磁力的に吸引または反発するように作用することを示す。本実施の形態において、第2マグネット5は、リング状磁石であるが、筒状部材2を取り囲むように配置されているのであれば、筒状部材2の周囲にリング状に点在して設けられていてもよい。第2マグネット5のN極およびS極の位置関係は、図1(a)に示した通りである。
【0027】
本実施の形態において、第2マグネット5は、筐体7の内周面に固定される。具体的には、第2マグネット5の左側側面とコイル3の右側端部の位置が、略同一となる位置に固定される。また、静止状態において、第2マグネット5の左右方向中央部の位置と、第1マグネット4の左右方向中央部の位置とは、略同一であることが好ましい。この位置関係にあるとき、第1マグネット4と第2マグネット5との間で発生する磁力は、最も安定した平衡状態である。
【0028】
作動部6は、外部から発電装置1を操作するスイッチ61と、スイッチ61および筒状部材2とを固定連結する棒状部材62と、筒状部材2の延在方向左側端部と、その左側端部に対面する筐体7の端部との間に設けられる弾性部材63と、スイッチ61や棒状部材62が必要以上に筐体7から突出することを防ぐストッパ64とを含む。
【0029】
スイッチ61は、典型的には筐体7の延在方向一方端部にスライド可能に設けられた押しボタンである。外部からの押し力によって、第1マグネット4が筒状部材2の延在方向に沿って往復移動することができるのであれば、スイッチ61が設けられる位置については限定されない。具体的には、スイッチ61を筐体7の延在方向途中位置に設け、筒状部材2の延在方向途中位置に固定してもよい。棒状部材62は、筒状部材2に固定されており、スイッチ61の移動に伴って移動する。弾性部材63は、スイッチ61の移動に応じて伸縮するように設けられる。なお、弾性部材63は、典型的にはバネであるが、たとえばゴム製の部材であってもよい。ストッパ64は、作動部6のスイッチ61や棒状部材62が、必要以上に筐体7から突出することを防ぐための形状であればよく、素材や形状については限定されない。
【0030】
以上の構成を備えるため、作動部6は、筒状部材2および第2マグネット5のうちのいずれか一方を、他方に対して相対移動させることができる。本実施の形態では、作動部6は、筒状部材2に固定されるとともに、筐体7に対して変位可能に支持されている。
【0031】
続いて、図1(a)~(d)を参照して、本実施の形態の発電装置1の動作について説明する。
【0032】
図1(a)に示すように、初期状態は、第1マグネット4および第2マグネット5の左右方向中央部の位置が、略同一の位置関係に保たれている。また、第2マグネット5の左側端面とコイル3の右側端部の位置は、略同一の位置関係に保たれている。
【0033】
図1(b)に示すように、スイッチ61を矢印Aの方向に押し込む。すると、スイッチ61に固定された棒状部材62、および棒状部材62に固定された筒状部材2が矢印Aの方向に移動する。この移動に伴い、左側の弾性部材63が矢印Aの方向に縮まる。筒状部材2の内部空間に配置された第1マグネット4は、筒状部材2とともに矢印Aの方向に移動し、その移動途中で第1マグネット4のN極が第2マグネット5のN極を超える。すると、第1マグネット4と第2マグネット5との間に反発磁力が作用し、この反発磁力によって第1マグネット4は、勢いよく筒状部材2の内部空間の左端位置まで移動する。この状態が図1(c)に示されている。
【0034】
次に、図1(d)に示すように、スイッチ61を押す力を解放すると、弾性部材63の弾性力により筒状部材2は右側(矢印Bで示す方向)に移動する。筒状部材2の右方向への移動に伴って、第1マグネット4も右方向へ移動する。ストッパ64が筐体7に当接し、筒状部材2の右方向への移動は停止する。ここで、第1マグネット4は、筒状部材2が初期状態の位置で停止した後も、慣性力により筒状部材2の内部空間内を右方向に移動し、初期状態の位置(図1(a))まで戻る。このように、図1に示した発電装置1では、スイッチ61を押し込めば、第1マグネット4がリング状の第2マグネット5との間に発生する反発磁力によって、勢いよくコイル3の内部空間を通過する。このように、第1マグネット4の勢いよい動きによって、コイル3に電流が流れ、発電する。
【0035】
作動部6の操作により、筒状部材2内部の第1マグネット4が筒状部材2の延在方向に移動すると、コイル3内を第1マグネット4が通過するため、電磁誘導によりコイル3に電流が流れて発電する。図示を省略したが、コイル3には発生した電流を取り出す電流取出し部が接続されている。電流取出し部は、たとえば、電波発信機を含む。
【0036】
本実施の形態の発電装置1は、スイッチ61を軽く押すだけで発電を行うことができる。また、ギア等を使用していないシンプルな構造であるため音の発生も少なく、たとえばトイレ室や浴室など、プライバシー空間に好適に用いることができる。
【0037】
本実施の形態の発電装置1は、作動部6や筒状部材2の移動が少ないにも関わらず、第1マグネット4の移動が大きい。また、磁石の反発力を利用することで、コイル3内部において、第1マグネット4を素早く移動させることができる。これにより、少ない操作で効率よく発電を行うことができる。
【0038】
以下の実施の形態では、発電装置1の他の構成例について説明する。以下に実施の形態1との相違点のみ詳細に説明する。
【0039】
<実施の形態2>
図2(a)を参照して、本発明の実施の形態2の発電装置1Aについて説明する。実施の形態2の発電装置1Aは、基本的には実施の形態1の発電装置1と同様の構成を備えているが、筐体7Aおよび筒状部材2Aの延在方向両端部に反発マグネット8と弾性板材9とを備える点や、作動部6Aについて相違している。
【0040】
作動部6Aは、筐体7Aと一体的に形成されるスイッチ61Aと、筒状部材2Aの延在方向右側端部と、その右側端部に対面する筐体7Aの端部との間に設けられる弾性部材63Aとを含む。本実施の形態では、作動部6Aは、筐体7Aに固定されるとともに、筒状部材2Aに対して変位可能に支持されている。
【0041】
スイッチ61Aは、筐体7Aと一体的に形成されている。ここで「一体的に形成」とは、筐体7Aとスイッチ61Aが固定されていることをいう。つまり、筐体7Aとスイッチ61Aは同一部材であってもよいし、別部材であってもよい。弾性部材63Aは、筐体7Aおよび筒状部材2Aの間に設けられ、筐体7Aを筒状部材2Aの延在方向に沿って移動させることができる。
【0042】
筐体7Aは、筒状部材2Aの外周を覆い、左側に開放部を有する。本実施の形態では、この開放部を閉鎖するように閉鎖部材10が設けられている。また、閉鎖部材10には、筒状部材2Aの左側端部が固定されている。
【0043】
筒状部材2Aの内部空間の延在方向両端部には、第1マグネット4に対して反発力を発揮する反発マグネット8と、弾性板材9とが配置される。反発マグネット8は、第1マグネット4と対向する面に、対面する第1マグネット4の磁極と同じ磁極が配置されるように設けられる。反発マグネット8のN極およびS極の位置関係は、図2(a)に示した通りである。弾性板材9は、たとえばゴム板材である。これにより、第1マグネット4が筒状部材2Aの内部空間の延在方向両端部に当たった場合に生じる衝撃を吸収し、さらに音の発生を抑制することができる。
【0044】
続いて、図2(a)~(d)を参照して、本実施の形態の発電装置1Aの動作について説明する。
【0045】
図2(a)に示すように、初期状態は、第1,2マグネット4,5の左右方向中央部の位置が略同一の位置関係に保たれている。
【0046】
図2(b)に示すように、スイッチ61Aを矢印Aの方向に押し込む。すると、スイッチ61Aに固定された筐体7Aが矢印Aの方向に移動する。この移動に伴い、弾性部材63Aが矢印Aの方向に縮まる。筐体7Aの内面に固定されている第2マグネット5は、筐体7Aとともに矢印Aの方向に移動し、その移動途中で第2マグネット5のS極が第1マグネット4のS極と略同一の位置となる。すると、第2マグネット5および反発マグネット8と、第1マグネット4との間に反発磁力が作用する。この反発磁力によって、第1マグネット4は、勢いよく筒状部材2Aの内部空間の右端位置まで移動する。ここで、筒状部材2Aの内部空間の右端位置では、第1マグネット4のN極と反発マグネット8のN極とが反発するため、第1マグネット4は筒状部材2Aの内部空間の右端位置よりも手前位置まで移動する。この状態が図2(c)に示されている。
【0047】
次に、図2(d)に示すように、スイッチ61Aを押す力を解放すると、弾性部材63Aの弾性力により筐体7Aおよび第2マグネット5は、右側(矢印Bで示す方向)に移動する。ここで、第1マグネット4は、筐体7Aが初期状態の位置で停止した後、第2マグネット5に吸引され、筒状部材2Aの内部空間内を左方向に移動し、初期状態(図2(a))まで戻る。このように、図2に示した発電装置1Aでは、スイッチ61Aを押し込めば、第1マグネット4がリング状の第2マグネット5および反発マグネット8との間に発生する反発磁力によって、勢いよくコイル3の内部空間を通過する。このように、第1マグネット4の勢いよい動きによって、コイル3に電流が流れ、発電する。
【0048】
図2(a)~(d)に示すように、スイッチ61Aを矢印Aの方向に押し込み、矢印Bの方向に戻すことで、第1マグネット4がコイル3内を素早く移動する。これにより、電磁誘導が発生し、コイル3に電流が流れて発電することができる。
【0049】
本実施の形態の発電装置1Aは、筒状部材2Aの内部空間の両端部に反発マグネット8を配置している。これにより、第1マグネット4は、第2マグネット5との反発磁力だけでなく、反発マグネット8との反発磁力の作用も受けるため、第1マグネット4は、より勢いよくコイル3の内部空間を通過する。これにより、発電装置1Aは、高出力の発電を行うことができる。
【0050】
なお、実施の形態1,2では、第1マグネット4として、1つの柱状磁石を設けていたが、柱状磁石は複数個設けられてもよい。
【0051】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1,1A 発電装置、2,2A 筒状部材、3 コイル、4 第1マグネット、5 第2マグネット、6,6A 作動部、7,7A 筐体、8 反発マグネット、9 弾性板材、10 閉鎖部材、61,61A スイッチ、62 棒状部材、63,63A 弾性部材、64 ストッパ。
図1
図2