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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】用紙束プレス装置
(51)【国際特許分類】
   B42C 13/00 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
B42C13/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019150574
(22)【出願日】2019-08-20
(65)【公開番号】P2021030499
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000113403
【氏名又は名称】ホリゾン・インターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】神原 完太
(72)【発明者】
【氏名】岡本 光平
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-155960(JP,A)
【文献】特開平10-16437(JP,A)
【文献】特開平5-104884(JP,A)
【文献】特開2014-193585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙束の表面または裏面を支持する平坦なプレス面を有する基部と、
前記プレス面に対向して配置され、前記プレス面に対し近接および離間する向きに運動し得る矩形または正方形状のプレス板と、
前記プレス板を、前記プレス面に垂直な方向に、前記プレス面上に配置された用紙束から離間した待機位置と、前記用紙束を前記プレス面に向けて押圧する押圧位置との間で運動させるプレス板駆動部と、を備え、
前記プレス板における前記プレス面に対向する面が、前記プレス板が前記待機位置をとるとき、前記プレス板の一側から他側にかけて徐々に前記プレス面から遠ざかるように傾斜または湾曲し、前記プレス板が前記待機位置から前記押圧位置に向けて動く間は、前記一側から前記他側にかけて徐々に前記プレス面上の用紙束に圧接し、前記プレス板が前記押圧位置をとるとき、平坦かつ前記プレス面に平行になるように弾性変形可能とされ、さらに、
前記プレス板の前記他側側において前記プレス面に垂直な方向にのび、先端が前記プレス面に対向する押さえバーと、
前記押さえバーを軸方向に、前記先端が前記プレス面上に配置された用紙束から離間した後退位置と、前記先端が前記用紙束に当接する前進位置との間で運動させる押さえバー駆動部と、を備え、
用紙束が前記プレス面上に配置された状態で、前記プレス板が前記待機位置から前記押圧位置まで動いた後、前記押さえバーが前記後退位置から前記前進位置まで動き、その後、前記プレス板が前記押圧位置から前記待機位置まで動いた後、前記押さえバーが前記前進位置から前記後退位置まで動くものであることを特徴とする用紙束プレス装置。
【請求項2】
前記プレス板が、
前記プレス面に対向して配置された矩形または正方形平板状のプレス板本体と、
弾性を有し、前記プレス板本体における前記プレス面に対向する面に取り付けられて前記対向する面を被覆する補助板と、からなり、
前記補助板は、一側において前記プレス板本体に固定されるとともに、前記補助板の前記一側から前記補助板の他側にかけて前記プレス板本体から遠ざかるように傾斜または湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の用紙束プレス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙束をプレスして、用紙束内の空気抜きを行う装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製本工程においては、用紙を集積して用紙束を形成し、用紙束を揃えた後、製本や断裁等の処理を行う場合がある。
【0003】
例えば、無線綴じ製本においては、丁合機や用紙集積装置によって用紙束が形成され、用紙束は揃えられた状態で製本機のクランパに供給される。そして、クランパに把持された用紙束は、クランパによって、無線綴じ製本機の各製本処理ユニット間を搬送され、この搬送の間に、製本される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この場合、用紙束が不揃いの状態でクランパに供給されると、製本の仕上がりが悪くなり、あるいは不良品が発生する。そのため、従来技術においては、用紙束を揃えた後、用紙束を厚さ方向にプレスし、用紙束内の空気抜きがなされ、用紙束の揃えられた状態が容易に崩れないようにしている。
【0005】
用紙束内の空気抜きには、用紙束プレス装置が使用される。
従来の用紙束プレス装置は、用紙束の表面または裏面を支持する平坦なプレス面を有する基部と、基部に配置され、用紙束をプレス面上に位置決めする位置決め機構と、プレス面に対向して配置され、プレス面に対し近接および離間する向きに運動し得るプレス板と、プレス板を、プレス面上に配置された用紙束の上面から離間した待機位置と、用紙束の上面をプレス面に向けて押圧する押圧位置との間で運動させるプレス板駆動部とを備えている。
【0006】
そして、用紙束がプレス面上に配置された状態で、プレス板が待機位置から押圧位置まで動くことによって、用紙束内の空気抜きがなされ、その後、プレス板は押圧位置から待機位置に戻る。
【0007】
しかしながら、この構成によれば、プレス板が押圧位置をとるとき、プレス板の平坦な内側面が用紙束の上面に一様かつ同時的に当接するので、用紙束の空気抜きが不十分となって、用紙束の用紙間に部分的に隙間が残存する。そして、空気抜きの終了後、プレス板が用紙束から離れる際に、用紙束の一部の用紙がプレス板に追従して浮き上がり、それによって、用紙束の揃えられた状態が乱れてしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2010-274501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の課題は、用紙束の揃えられた状態を乱すことなく、確実に用紙束の空気抜きができる用紙束プレス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明によれば、用紙束の表面または裏面を支持する平坦なプレス面を有する基部と、前記プレス面に対向して配置され、前記プレス面に対し近接および離間する向きに運動し得る矩形または正方形状のプレス板と、前記プレス板を、前記プレス面に垂直な方向に、前記プレス面上に配置された用紙束から離間した待機位置と、前記用紙束を前記プレス面に向けて押圧する押圧位置との間で運動させるプレス板駆動部と、を備え、前記プレス板における前記プレス面に対向する面が、前記プレス板が前記待機位置をとるとき、前記プレス板の一側から他側にかけて徐々に前記プレス面から遠ざかるように傾斜または湾曲し、前記プレス板が前記待機位置から前記押圧位置に向けて動く間は、前記一側から前記他側にかけて徐々に前記プレス面上の用紙束に圧接し、前記プレス板が前記押圧位置をとるとき、平坦かつ前記プレス面に平行になるように弾性変形可能とされ、さらに、前記プレス板の前記他側側において前記プレス面に垂直な方向にのび、先端が前記プレス面に対向する押さえバーと、前記押さえバーを軸方向に、前記先端が前記プレス面上に配置された用紙束から離間した後退位置と、前記先端が前記用紙束に当接する前進位置との間で運動させる押さえバー駆動部と、を備え、用紙束が前記プレス面上に配置された状態で、前記プレス板が前記待機位置から前記押圧位置まで動いた後、前記押さえバーが前記後退位置から前記前進位置まで動き、その後、前記プレス板が前記押圧位置から前記待機位置まで動いた後、前記押さえバーが前記前進位置から前記後退位置まで動くものであることを特徴とする用紙束プレス装置が提供される。
【0011】
本発明の別の好ましい実施例によれば、前記プレス板が、前記プレス面に対向して配置された矩形または正方形平板状のプレス板本体と、弾性を有し、前記プレス板本体における前記プレス面に対向する面に取り付けられて前記対向する面を被覆する補助板と、からなり、前記補助板は、一側において前記プレス板本体に固定されるとともに、前記補助板の前記一側から前記補助板の他側にかけて前記プレス板本体から遠ざかるように傾斜または湾曲している。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プレス面上に用紙束が配置された状態で、プレス板が待機位置から押圧位置まで動くとき、用紙束はプレス板によってプレス板の一側から他側に向かう方向に徐々に押圧され、それに伴い、用紙束の用紙間に存在する空気はプレス板の一側から他側に向かう方向に押し出される。それによって、用紙束内の空気抜きが確実になされる。
【0013】
空気抜きの終了後は、押さえバーが後退位置から前進位置まで動き、次いで、プレス板が押圧位置から待機位置まで動く。このとき、用紙束におけるプレス板による押圧が最も早く解除される部分(プレス板の他側側に位置する部分)が、押さえバーの先端によってプレス面に対し押さえられた状態で、プレス板が他側から一側に向けて徐々に用紙束から離間する。そのため、用紙束の用紙がプレス板の運動に追従してずれることがない。
【0014】
その後、押さえバーが前進位置から後退位置まで動く、このとき、押さえバーが前進位置をとるときの押さえバーの先端と用紙束の接触面積は小さいから、用紙束の用紙が押さえバーの運動に追従してずれることはない。
【0015】
こうして、用紙束の揃えられた状態を乱すことなく、用紙束内の空気抜きを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(A)は、本発明の1実施例による用紙束プレス装置の平面図であり、(B)は(A)のX方向に見た側面図である。
図2】(A)は、図1(A)のY方向に見た正面図であり、(B)は、(A)においてプレス板の周辺の構成要素を除いた、プレス板の詳細な構成を示す図である。
図3図1の用紙束プレス装置のプレス板の拡大平面図であり、図中、プレス板は待機位置にある。
図4図1の用紙束プレス装置のプレス板の拡大平面図であり、図中、プレス板は待機位置から押圧位置への運動経路の途中にある。
図5図1の用紙束プレス装置のプレス板の拡大平面図であり、図中、プレス板は押圧位置にある。
図6図1の用紙束プレス装置の動作を説明する図1(A)に類似の図である。
図7図1の用紙束プレス装置の動作を説明する図1(A)に類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の構成を好ましい実施例に基づいて説明する。
図1(A)は、本発明の1実施例による用紙束プレス装置の平面図であり、図1(B)は図1(A)のX方向に見た側面図である。また、図2(A)は、図1(A)のY方向に見た正面図であり、図2(B)は、図1(A)においてプレス板の周辺の構成要素を除いた、プレス板の詳細な構成を示す図である。
なお、図1(A)および図2においては、用紙束プレス装置のフレームが省略されている。
【0018】
また、図3図5は、図1の用紙束プレス装置のプレス板の拡大平面図であり、図3中、プレス板は待機位置にあり、図4中、プレス板は待機位置から押圧位置への運動経路の途中にあり、図5中、プレス板は押圧位置にある。
【0019】
図1および図2に示すように、本発明の用紙束プレス装置は、用紙束Sの表面または裏面を支持する平坦なプレス面2を有する基部1を備えている。
基部1は、この実施例では、フレーム3と、L字状断面を有し、フレーム3に対して、内側面が上向きに開き、垂直壁4aと水平壁4bが共に傾斜する配置で取り付けられた水平なプレート4とから構成され、プレート4の垂直壁4aの内側面の一部がプレス面2を形成する。
【0020】
そして、用紙束Sがプレス面2上に配置されたとき、用紙束Sの表面または裏面がプレス面2によって支持されるとともに、用紙束Sの一側面がプレート4の水平壁4bの内側面によって支持されるようになっている。
【0021】
なお、図1は、用紙束プレス装置をプレート4の傾斜した垂直壁4aの方向に見た平面図として描かれている点に留意されたい。
【0022】
本発明の用紙束プレス装置は、また、プレス面2に対向して配置され、プレス面2に対し近接および離間する向きに運動し得るプレス板5と、プレス板5を、プレス面2に垂直な方向に、プレス面2上に配置された用紙束Sから離間した待機位置と、当該用紙束Sをプレス面2に向けて押圧する押圧位置との間で運動させるプレス板駆動部6を備えている。
【0023】
図2図5に示すように、この実施例では、プレス板5は、矩形平板状をなし、長辺が垂直壁4aの長さ方向にのびる配置でプレス面2に対置されたプレス板本体7と、弾性を有し、プレス板本体7におけるプレス面2に対向する面7aに取り付けられて面7aを被覆する補助板8とから構成されている。
【0024】
プレス板本体7は、図2(B)に示すように、多数の空気抜き用の孔7bを有している。
【0025】
補助板8は矩形平板状を有している。そして、補助板8の一側8aが屈曲して第1屈曲部8bを形成し、さらに、第1屈曲部8bの先端縁部分が内側に屈曲して第2屈曲部8cを形成している。
この場合、第1屈曲部8bと補助板本体8dは鋭角をなす一方、第2屈曲部8cと第1屈曲部8bは直角をなしている。
【0026】
補助板本体8dがプレス板本体7の面7a側に位置し、かつ補助板8の第2屈曲部8cおよび補助板本体8d間の間隙中にプレス板本体7の一側7cが位置する配置で、補助板本体8dの他側8eがネジ9によってプレス板本体7の他側7dに固定されている。
そして、補助板本体8dの外面が、プレス板5におけるプレス面に対向する面を形成している。
【0027】
こうして、図3に示すように、プレス板5が待機位置をとるとき(補助板8に外力が及ぼされないとき)、補助板8の第2屈曲部8cの内側面がプレス板本体7に当接するとともに、補助板8(補助板本体8d)は他側8eから一側8aにかけて徐々にプレス板本体7から遠ざかるように傾斜または湾曲する。
なお、図示はしないが、補助板8も、プレス板本体7と同様に、多数の空気抜き用の孔を有している。
【0028】
プレス板駆動部6は、この実施例では、図1および図2に示すように、プレス板5に関しプレート4の垂直壁4aと反対側に配置された(エアまたは油圧)シリンダ10から構成されている。シリンダ10は、シリンダ10のロッド10aがプレス面2に対し垂直な方向に往復運動する配置で、フレーム3に取り付けられている。
そして、プレス板本体7が、プレス面2から遠ざかる側の面においてシリンダ10のロッド10aの先端に固定されている。
【0029】
こうして、プレス板5は、シリンダ10によって、プレス面2に垂直な方向に、プレス面2上に配置された用紙束Sから離間した待機位置(図3参照)と、プレス面2上に配置された用紙束Sをプレス面2に向けて押圧する押圧位置(図5参照)との間で運動する。
【0030】
補助板8(補助板本体8d)は、図3に示すように、プレス板5が待機位置をとるとき、一側8aから他側8eにかけて徐々にプレス面2から遠ざかるように傾斜または湾曲し、図4に示すように、プレス板5が待機位置から押圧位置に向けて動く間は、一側8aから他側8eにかけて徐々にプレス面2上の用紙束Sに圧接し、図5に示すように、プレス板5が押圧位置をとるとき、平坦かつプレス面2に平行になるように弾性変形し得る。
【0031】
また、プレス板本体7に関しプレス面2と反対側であって、プレス板本体7の他端7d側に、(エアまたは油圧)シリンダ11が配置されている。シリンダ11は、プレス面2に垂直な方向にのび、ロッド11aの先端がプレス板本体7、すなわちプレス面2に対向している。
【0032】
シリンダ11は、フレーム3に固定されてプレス面2に平行にかつプレート4の長さ方向にのびるスライドガイド12にスライド可能に取り付けられている。
【0033】
一方、図2(B)に示すように、プレス板本体7におけるロッド11aの先端に対向する領域に、ロッド11aが貫通し得るスリット7eが形成され、プレス板本体7の他側7dから一側7cに向かう方向に(スライドガイド12に平行に)のびている。
また、図示されないが、補助板8におけるプレス本体7のスリット7eと整合する部分にも、対応するスリットが形成されている。
【0034】
そして、シリンダ11のロッド11aは、ロッド11aの先端がプレス板本体7のスリット7eおよび補助板8のスリットを貫通してプレス面2上の用紙束Sに当接する前進位置と、ロッド11aの先端がプレス面2上の用紙束Sから離間する後退位置との間で運動する押さえバーとして機能する。
【0035】
スライドガイド12に関しプレス板5と反対側に、モータ13が、モータ13の駆動軸がプレス面2に垂直にのびる配置でフレーム3に取り付けられ、モータ13の駆動軸にプーリー14aが固定されている。
また、プーリー14aからスライドガイド12の長さ方向に間隔をあけてプーリー14bが配置され、フレーム3に対し、モータ13の駆動軸に平行な軸のまわりに回転可能に取り付けられている。
【0036】
さらに、プーリー14aおよびプーリー14b間にエンドレスベルト15が掛け渡され、エンドレスベルト15にはシリンダ11が固定されている。
【0037】
そして、シリンダ11、すなわちロッド(押さえバー)11aは、モータ13の駆動によって、プレス板本体7の一側7cから他側7dに向かう方向(プレス板5の一側から他側に向かう方向)に、プレス板本体7のスリット7eの範囲内において平行移動し得る。
【0038】
なお、ロッド11aをプレス板5の一側から他側に向かう方向に平行移動させるための構成は、必要に応じて備えられる。
【0039】
この実施例では、本発明の用紙束プレス装置は、用紙束Sはプレート4に沿って搬送する搬送爪16を備えている。
図示はしないが、プレート4の垂直壁4aに関しプレス板5と反対側において、チェイン駆動機構がフレーム3に取り付けられて、垂直壁4aの長さ方向にのび、また、垂直壁4aには、垂直壁4aの長さ方向にのびるスリットが形成されている。
【0040】
そして、搬送爪16が、チェイン駆動機構に取り付けられるとともに、垂直壁4aのスリットからプレス面2側に、垂直壁4aに対し垂直に突出している。搬送爪16は、チェイン駆動機構によって間欠的に駆動される。
【0041】
こうして、用紙束プレス装置のプレス動作のたびに、用紙束Sは、用紙束Sの表面または裏面がプレート4の垂直壁4aに支持され、かつ用紙束Sの一側面が水平壁4bに支持された状態で、当該一側面に直交する側面が送り爪16によって押されることによってプレス面2まで搬送される。
【0042】
次に、本発明の用紙束プレス装置の動作を説明する。
図6および図7は、図1の用紙束プレス装置の動作を説明する図1(A)に類似の図である。
まず、図6(A)に示すように、用紙束Sが搬送爪16によってプレス面2上に配置されたとき、プレス板5は待機位置にあり、ロッド(押さえバー)11aは後退位置にある。
なお、予め、シリンダ11のロッド(押さえバー)11aの位置が、用紙束Sのサイズ情報に基づいて、プレス面2上に配置された用紙束Sの搬送爪16から遠い方の端に整合するように設定されている。
【0043】
次いで、図6(B)に示すように、プレス板5が押圧位置まで動き、用紙束S内の空気抜きがなされる。
このとき、用紙束Sは、プレス板5によって、搬送爪16に対し近い方の端から遠い方の端に向けて(プレス板5の一側から他側に向かう方向に)徐々に押圧され、それに伴い、用紙束Sの用紙間に存在する空気は、搬送爪16に対し近い方の端から遠い方の端に向けて(プレス板5の一側から他側に向かう方向に)押し出される。それによって、用紙束S内の空気抜きが確実になされる。
【0044】
そして、図6(C)に示すように、ロッド(押さえバー)11aが前進位置まで動いた後、図7(A)に示すように、プレス板5が押圧位置から待機位置に戻る。
このとき、用紙束Sにおけるプレス板5による押圧が最も早く解除される部分(プレス板5の他側側に位置する部分)が、ロッド(押さえバー)11aによってプレス面2に対し押さえられた状態で、プレス板5が他側から一側に向けて徐々に用紙束Sから離間するので、用紙束Sの用紙がプレス板5の運動に追従してずれることがない。
【0045】
その後、図7(B)に示すように、ロッド(押さえバー)11aが前進位置から後退位置まで戻り、プレス(空気抜き)動作が終了する。
このとき、ロッド(押さえバー)11aが前進位置をとるときのロッド(押さえバー)11aの先端と用紙束Sの接触面積は小さいから、用紙束Sの用紙がロッド(押さえバー)11aの運動に追従してずれることはない。
【0046】
こうして、本発明の用紙束プレス装置によれば、用紙束Sの揃えられた状態を乱すことなく、用紙束S内の空気抜きを確実に行うことができる。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明の構成は上記実施例に限定されず、当業者が添付の特許請求の範囲に記載した構成の範囲内で種々の変形例を案出し得ることは言うまでもない。
【0048】
例えば、上記実施例では、プレス板5がプレス板本体7と補助板8から構成されるが、プレス板の構成は上記実施例に限定されない。プレス板5は、プレス板5におけるプレス面2に対向する面が、プレス板5が待機位置をとるとき、プレス板5の一側から他側にかけて徐々にプレス面2から遠ざかるように傾斜または湾曲し、プレス板5が待機位置から押圧位置に向けて動く間は、当該一側から当該他側にかけて徐々にプレス面2上の用紙束Sに圧接し、プレス板5が押圧位置をとるとき、平坦かつプレス面2に平行になるように弾性変形可能であれば、どのような構成を有していてもよい。
【0049】
また、上記実施例では、プレス面2が傾斜しているが、プレス面2は水平であってもよい。
また、上記実施例では、用紙束Sが搬送爪16によってプレス面2上に供給されるが、用紙束Sをプレス面2上に供給するための構成は上記実施例に限定されず、公知の適当な供給機構が適用され得る。
【符号の説明】
【0050】
1 基部
2 プレス面
3 フレーム
4 プレート
4a 垂直壁
4b 水平壁
5 プレス板
6 プレス板駆動部
7 プレス板本体
7a 面
7b 孔
7c 一側
7d 他側
7e スリット
8 補助板
8a 一側
8b 第1屈曲部
8c 第2屈曲部
8d 補助板本体
8e 他側
9 ネジ
10 シリンダ
10a ロッド
11 シリンダ
11a ロッド(押さえバー)
12 スライドガイド
13 モータ
14a プーリー
14b プーリー
15 エンドレスベルト
16 搬送爪
S 用紙束
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7