(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】遠隔管理システム
(51)【国際特許分類】
G06K 17/00 20060101AFI20230314BHJP
G07F 17/20 20060101ALI20230314BHJP
G06Q 20/34 20120101ALI20230314BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
G06K17/00 022
G07F17/20
G06Q20/34
G06K7/10 264
(21)【出願番号】P 2019168136
(22)【出願日】2019-09-17
【審査請求日】2021-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000116987
【氏名又は名称】旭精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩井 忠弘
(72)【発明者】
【氏名】湯川 賢二
(72)【発明者】
【氏名】川久保 諒
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-153195(JP,A)
【文献】特開2013-164718(JP,A)
【文献】特開昭62-243097(JP,A)
【文献】特開2001-147974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 17/00
G07F 17/20
G06Q 20/34
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された貨幣の金額に対応する金銭信号を出力する貨幣識別手段と、前記金銭信号に基づいて所定の動作の実行を制御する第1制御手段を有する自動動作機器と、
前記自動動作機器に通信を介して接続され、前記自動動作機器の管理を行う管理装置と、
前記自動動作機器に接続され、前記自動動作機器と前記管理装置とを前記通信を介して接続する端末装置を有し、前記管理装置によって前記端末装置を介して前記自動動作機器の管理を行う遠隔管理システムにおいて、
前記端末装置は、
ローカルエリアネットワークに接続し前記管理装置と前記通信を行う第1通信手段と、
ICカードの読み書きを行うカードリードライタと、
前記カードリードライタにセットされた前記ICカードの読み書きを行い、前記ICカードに記憶されている金銭データを所定量減らして更新し、前記所定量の前記金銭データに相当する前記金銭信号を生成し、該生成した前記金銭信号を前記第1制御手段に出力する制御を行う第2制御手段と、
前記端末装置の動作状況の履歴データを記憶する履歴データベースと、を有し、
前記管理装置は、
前記ローカルエリアネットワークに接続し前記端末装置と前記通信を行う第2通信手段と、
前記ICカードを発行するカード発行手段と、
入力を行う入力手段と、
前記カード発行手段を制御し、前記ICカードの発行の制御を行う第3制御手段と、
前記ICカードの前記金銭データが前記ICカードの固有番号に関連づけられ記憶される管理装置データベースと、を有し、
前記管理装置は、それぞれの前記端末装置に対し
てポーリングすることで前記履歴データベースに記憶されている前記履歴データを取得し、前記履歴データに基づき前記管理装置データベースに前記ICカードの前記金銭データを前記固有番号に関連づけて記憶し、
前記管理装置データベースには、カード発行パスワードと、前記カード発行パスワードに関連づけされた前記ICカードに書き込む前記金銭データが記憶されており、
前記ICカードを再発行する場合、
前記ICカードに書き込む前記金銭データは、前記管理装置データベースに記憶されている再発行される前記ICカードの前記固有番号に関連づけられた前記金銭データであり、
前記カード発行パスワードに関連づけられた前記ICカードに書き込む前記金銭データは、前記ICカードの再発行の前に最後に行われた前
記ポーリング
とは別に前記管理装置に接続されている前記端末装置に前記履歴データの送信を要求し、該要求に応じて前記端末装置から送信される前記履歴データを取得し、前記端末装置から取得された前記履歴データに基づき更新された前記管理装置データベースに記憶されている再発行される前記ICカードの前記固有番号に関連づけられた前記金銭データであり、
前記第3制御手段は、前記入力手段から入力されたパスワードが、前記管理装置データベースに記憶された前記カード発行パスワードに一致した場合に、前記カード発行手段を制御し、新たな前記ICカードに前記カード発行パスワードに関連づけられて前記管理装置データベースに記憶されている前記ICカードに書き込む前記金銭データの書き込みを行うことを特徴とする遠隔管理システム。
【請求項2】
前記第3制御手段は前記履歴データの解析を行い、前記ICカードから前記金銭データが減額されたが前記自動動作機器が不動作である場合に、減額された前記金銭データを返金額とし、該返金額に相当する前記金銭データを前記カード発行パスワードに関連づけされた前記ICカードに書き込む前記金銭データに加えることを特徴とする請求項1に記載の遠隔管理システム。
【請求項3】
前記第2制御手段は、前記貨幣識別手段から出力された前記金銭信号を入力し、
前記第2制御手段は、入力された前記金銭信号と前記所定量の前記金銭データに相当する前記金銭信号とに基づき加算された前記金銭信号を生成し、該生成した前記金銭信号を前記第1制御手段に出力する制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠隔管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、貨幣を入金する入出金手段を有し、
前記第3制御手段は、前記カード発行手段を制御し、前記入出金手段から入金された入金額に相当する前記金銭データを前記ICカードに記憶されている前記金銭データに加算することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の遠隔管理システム。
【請求項5】
前記自動動作機器と前記端末装置は異なる電源で動作し、前記自動動作機器の電源が入っていない場合であっても前記端末装置は動作することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の遠隔管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔地から機器を管理する遠隔管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、硬貨を投入し、その硬貨の種別を識別し、投入した金額に応じて動作する機器が知られている。例えば、衣類などを洗濯、乾燥などの動作を行うランドリー機器が知られている。また、このような機器は、硬貨以外の入金手段として、貨幣に相当する金銭データを記憶するICカードを利用したものが知られている。ICカードの金銭データを読み書きするカードリードライタを搭載し、ICカードに記録されている金銭データから、使用する機器の動作に応じて設定された金額に相当する金銭データを減算して更新し、貨幣の代わりに入金したと見なして機器を動作させるものである。例えば、特開2005-33415号公報には、複数台のランドリー機器、ランドリー機器を管理する管理装置、ICカードを発行するICカード発行機がネットワークに接続されたランドリーシステムが開示されている。そして、サーバーとICカードの両方に有価価値を記憶するシステムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ICカードが使用できるのは便利であるが、ICカードが破損してしまうと、カードリードライタでは読み書きができなくなってしまう問題がある。ICカードに、機器を使用できる金銭データあるいはポイントなどのデータが残存している場合もあり、破損によってこれら残金があるにもかかわらず、利用ができなくなってしまう問題がある。この問題を解決し、適正なサービスを受けられるようにする装置の要望があった。また、無人の店舗などではすぐに対応できず、ICカードカードを交換するには、例えばサポートセンターに連絡し、新たなICカードを発行してもらい、そのICカードを郵送により受け取る方法や、新たなICカードを購入して破損したICカードについては別途精算するなどの方法が考えられていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
機器を使用するためのICカードが破損した場合に、すぐに適正なサービスが受けられるように、破損したICカードに記憶された情報を含む新たなICカードを、容易に再発行する遠隔管理システムを提供する。特にランドリー機器を管理するランドリーシステムを提供する。
【0006】
本発明の遠隔管理システムは、投入された貨幣の金額に対応する金銭信号を出力する貨幣識別手段と、前記金銭信号に基づいて所定の動作の実行を制御する第1制御手段を有する自動動作機器と、前記自動動作機器に通信を介して接続され、前記自動動作機器の管理を行う管理装置と、前記自動動作機器に接続され、前記自動動作機器と前記管理装置とを前記通信を介して接続する端末装置を有し、前記管理装置によって前記端末装置を介して前記自動動作機器の管理を行う遠隔管理システムにおいて、前記端末装置は、ローカルエリアネットワークに接続し前記管理装置と前記通信を行う第1通信手段と、ICカードの読み書きを行うカードリードライタと、前記カードリードライタにセットされた前記ICカードの読み書きを行い、前記ICカードに記憶されている金銭データを所定量減らして更新し、前記所定量の前記金銭データに相当する前記金銭信号を生成し、該生成した前記金銭信号を前記第1制御手段に出力する制御を行う第2制御手段と、前記端末装置の動作状況の履歴データを記憶する履歴データベースと、を有し、前記管理装置は、前記ローカルエリアネットワークに接続し前記端末装置と前記通信を行う第2通信手段と、前記ICカードを発行するカード発行手段と、入力を行う入力手段と、前記カード発行手段を制御し、前記ICカードの発行の制御を行う第3制御手段と、前記ICカードの前記金銭データが前記ICカードの固有番号に関連づけられ記憶される管理装置データベースと、を有し、前記管理装置は、それぞれの前記端末装置に対してポーリングすることで前記履歴データベースに記憶されている前記履歴データを取得し、前記履歴データに基づき前記管理装置データベースに前記ICカードの前記金銭データを前記固有番号に関連づけて記憶し、前記管理装置データベースには、カード発行パスワードと、前記カード発行パスワードに関連づけされた前記ICカードに書き込む前記金銭データが記憶されており、前記ICカードを再発行する場合、前記ICカードに書き込む前記金銭データは、前記管理装置データベースに記憶されている再発行される前記ICカードの前記固有番号に関連づけられた前記金銭データであり、前記カード発行パスワードに関連づけられた前記ICカードに書き込む前記金銭データは、前記ICカードの再発行の前に最後に行われた前記ポーリングとは別に前記管理装置に接続されている前記端末装置に前記履歴データの送信を要求し、該要求に応じて前記端末装置から送信される前記履歴データを取得し、前記端末装置から取得された前記履歴データに基づき更新された前記管理装置データベースに記憶されている再発行される前記ICカードの前記固有番号に関連づけられた前記金銭データであり、前記第3制御手段は、前記入力手段から入力されたパスワードが、前記管理装置データベースに記憶された前記カード発行パスワードに一致した場合に、前記カード発行手段を制御し、新たな前記ICカードに前記カード発行パスワードに関連づけられて前記管理装置データベースに記憶されている前記ICカードに書き込む前記金銭データの書き込みを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遠隔管理システムで使用するICカードが破損し、機器で使用できない場合であっても、代替するICカードを容易に再発行できる遠隔管理システムを提供できる。特にランドリーシステムでは、無人店舗であっても容易にICカードの再発行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、ランドリーシステムの構成図である。
【
図3】
図3は、端末装置とランドリー機器のブロック図である。
【
図4】
図4は、入出金手段の別の例を説明する図である。
【
図5】
図5は、入出金手段の更に別の例を説明する図である。
【
図6】
図6は、管理装置と端末装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図7】
図7は、ICカードの再発行の管理装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図8】
図8は、ICカードの再発行の動作の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、ランドリーシステムの全体の構成図である。インターネットなどの広域エリアネットワークであるネットワーク2に、管理装置1、管理者装置3が接続されている。管理装置1、管理者装置3は各々1台を図示しているが、複数台あっても良い。自動動作機器としてランドリー機器を例にして説明する。
【0011】
管理者装置3はネットワーク2に接続されているコンピューターである。管理者装置3は例えば、パーソナルコンピューターや、PDAや、スマートフォンなどの通信機能、入力機能、表示機能を備えるコンピューターである。プログラムに従って比較、演算など各種処理を行うことができる。
【0012】
管理者装置3は、ネットワーク2を介して管理装置1に記憶されている各種データの取得、管理者装置3で生成したデータを管理装置1へ送出することができる。例えば、管理しているランドリー機器の動作状況、ICカード毎の金銭データや使用履歴などの各種情報などを管理装置1から取得したり、管理装置1へ各種コマンド、データ、各種処理の結果などを送出したりすることができる。また、管理装置1を介して、管理装置1に接続されている複数の端末装置(第1端末装置4、第2端末装置6、第3端末装置8)から各種情報を取得したり、各種コマンドやデータを送出したりすることができる。
【0013】
管理装置1はネットワーク2に接続されているコンピューターであり、通信装置を備え、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して第1端末装置4、第2端末装置6、第3端末装置8などの複数の端末装置と通信可能に接続している。
【0014】
管理装置1は、第1端末装置4、第2端末装置6、第3端末装置8と無線により接続されている。ここでは、無線により接続されている例を説明するが、有線により接続することもできる。管理装置1は、第1端末装置4などの端末装置からデータの取得や、それに接続されている機器の状態の管理、制御などを行うことができる。詳細は後述する。
【0015】
第1端末装置4には、第1ランドリー機器5が接続される。第1ランドリー機器5は、洗濯機、乾燥機などのランドリー機器である。管理装置1によって、管理、制御される装置が接続されている。
【0016】
第1端末装置4と第1ランドリー機器5が接続されている。第1端末装置4と第1ランドリー機器5は相互に、信号の入出力を行うことができる。第1端末装置4は、例えば後述するICカードに記憶されているデータを読み書き可能なカードリードライタを備える。
【0017】
第1端末装置4、第1ランドリー機器5についての詳細は後述する。また、第1端末装置4に接続された第1ランドリー機器5と、第2端末装置6に接続された第2ランドリー機器7と、第3端末装置8に接続された、第3ランドリー機器9とは、各々同様の機能を備える装置なので、特に限定しない場合は、代表して一つ、例えば第1端末装置4及び、それに接続された第1ランドリー機器5、について説明し、他の装置については説明を省略する。
【0018】
無人店舗などでは、1台の管理装置1によって複数台の被管理機器が通信により接続され、管理されている。例えば、コインランドリーでは、通常複数の洗濯機、乾燥機などのランドリー機器が備わる。各機器は、通信により管理装置1に接続され、動作状況などの各種情報が管理装置1によって集中的に管理されている。また、ネットワーク2に接続された管理者装置3により、管理装置1が管理され、情報の送受信が行われている。また管理者装置3により管理装置1およびその被管理装置、機器に対して遠隔操作などの制御を行うことができる。
【0019】
図2は、管理装置のブロック図である。管理装置1は、管理装置制御手段20、第1通信手段21、メモリー22、データベース23、第2通信手段24、カード発行装置25、入出金手段26、タッチパネル27を有する。管理装置1は、一種のコンピューターである。ICカードの発行ができるカード発行手段であるカード発行装置25は、カード搬送装置28、カードリードライト装置29を備える。
【0020】
管理装置制御手段20はCPUを含み、メモリー22に記憶されているプログラムに従って、装置全体の各種制御を行う。
【0021】
メモリー22はプログラム、初期設定値などを記憶するROM、一時的なデータの保存、ワーキングメモリ、設定値などを記憶するRAMを含む。
【0022】
データベース23は、データを記憶するメモリーを含み、管理対象の装置、機器に関する情報およびICカードに関する情報を、各装置、機器、各ICカードに関連づけて記憶するデータベースである。例えば、ICカードの使用履歴を、そのICカードの固有番号に関連づけて記憶する。また、管理しているランドリー機器についての使用履歴を、各々のランドリー機器に関連づけて記憶する。また、各機器についての現在の動作状況などの情報が格納されている。データベース23は、管理装置制御手段20に接続され、管理装置制御手段20の制御によって動作する。データベース23は、管理装置制御手段20の制御によって、記憶するデータの更新、検索などの処理がされる。データベース23は、管理装置1のICカードの発行、ICカードの金銭データの更新、管理対象装置の動作状況などの情報、動作履歴の情報を、管理対象装置毎に、また個別のICカード毎に関連づけされて、情報が記憶されている。また、ICカードの再発行する場合の、カード発行パスワード、破損等したICカードの固有番号、金銭データ、ポイントデータなど再発行に関連する情報が記憶されている。各種情報が関連づけされて記憶されているので、検索することで必要な情報を管理装置制御手段20が取得できる。
【0023】
第1通信手段21は、インターネットなどの広域エリアネットワークであるネットワーク2と接続し、例えば管理者装置3などの外部機器とデータの送受信を行うことができる。第1通信手段21は、ネットワーク2と接続するインターフェースを含み、管理装置制御手段20に接続され、管理装置制御手段20の制御によって動作をする。管理装置制御手段20は、第1通信手段21を介して、ネットワーク2に接続された管理者装置3とデータの送受信をすることができる。
【0024】
第2通信手段24は、無線LANなどの無線通信手段である。第2通信手段24は、管理装置制御手段20の制御によって動作する。第2通信手段24は、第1端末装置4、第2端末装置6、第3端末装置8の夫々の装置と通信し、データの送受信を行う。一種のローカルエリアネットワーク(LAN)を形成することができる。また、ここでは、無線による通信手段としたが、有線によるLANに置き換えてもよい。
【0025】
例えば、第1端末装置4は、管理対象の装置である第1ランドリー機器5に接続されている。よって、管理者装置3は、ネットワーク2、管理装置1、第1端末装置4などを介して、第1ランドリー機器5についての管理を行うことができる。
【0026】
カード発行装置25は、管理装置制御手段20の制御によって動作する。カード発行装置25は、ICカードへデータの読み込みと書き込みを行うカードリードライト装置29を備える。また、ICカードを格納庫から、あるいは挿入排出口から、カードリードライト装置29へ搬送しセットするカード搬送装置28を備える。また、カード搬送装置28は、読み書き後のICカードを挿入排出口へ搬送することもできる。また、カードリードライト装置29によって読み書き不能なICカードについて、再発行する場合に、カード回収を行い、不図示のカード回収庫へ搬送することもできる。
【0027】
後述するタッチパネル27の入力あるいは管理者装置3からの指示、送信されたデータに従い、管理装置1がICカードの発行、データの変更、記憶などの処理をする。ICカードを発行することで、入金額に相当する金銭データがICカードに書き込まれ、ICカードを硬貨など貨幣と同様にランドリー機器で使用できるようにする。
【0028】
入出金手段26は、管理装置制御手段20の制御によって動作する。入金口から貨幣が投入され、その金種を識別し、入金された金額を管理装置制御手段20へ出力する。また、管理装置制御手段20から指示された金額の貨幣を払い出し口から払い出す。例えば、ICカードへ金銭データを加算する場合に、入出金手段26に投入された貨幣の金額に相当する金銭データを、元々ICカードに記憶されている金銭データに加えて更新する。また、クレジットカードの処理装置を含み、カードによる入金処理もできる。例えば、ICカードに書き込む金銭データに相当する金額を、入出金手段26から入金する。入金がされれば、ICカードに金銭データが加えられて書き込まれる。
【0029】
タッチパネル27は、管理装置制御手段20の制御によって動作する。タッチパネル27は、液晶表示装置と、液晶表示装置上にマトリクス状に配置され、物が接触した場合に検出信号と接触位置とを共に取得できるセンサーが配置された入出力装置である。管理装置制御手段20は、タッチパネル27に所定の表示をし、タッチパネル27からの出力信号を入力する。例えば、管理装置制御手段20は、液晶表示装置の所定位置にボタンの表示をさせ、その位置に指が触れた場合に、そのボタンの表示に対応した処理をさせることができる。
【0030】
管理装置制御手段20には、データ解析手段60が含まれる。データ解析手段60は、第1端末装置4から取得した第1ランドリー機器5及び第1端末装置4の動作の履歴データを解析し、データベース23へ記憶するデータを生成する。例えば、履歴データとして、日時に関連づけられて記憶された各種データを、ICカードの固有番号、あるいはランドリー機器の固有番号に関連づけられたデータとして、データベース23へ記憶するデータへ変換を行う。取得したデータを解析し、並べ直し、演算をすることができる。
【0031】
また、管理装置制御手段20には、カードデータ生成手段61が含まれる。データベース23に格納されているデータに基づいて、新たに発行するICカードに書き込むデータを生成する。また、カードデータ生成手段61は、ICカードを発行するためのカード発行パスワードに関連づけられているカードデータを取得し、カード発行装置25へそのデータを出力する。また、カード発行パスワードを生成する機能を備えることもできる。
【0032】
図3は、端末装置とランドリー機器のブロック図である。第1端末装置4と第1ランドリー機器5が接続されている。
【0033】
第1端末装置4は、端末制御手段30、第3通信手段31、カードリードライタ32、表示パネル33、入力手段34、メモリー35、履歴データベース36を備える。
【0034】
端末制御手段30はCPUを含み、メモリー35に記憶されているプログラムに従って、第1端末装置4の全体の各種制御を行う。
【0035】
メモリー35はプログラム、初期設定値などを記憶するROM、一時的なデータの保存、ワーキングメモリ、設定値などを記憶するRAMを含む。
【0036】
第3通信手段31は、端末制御手段30の制御によって動作し、管理装置1の第2通信手段24と通信を行う無線LANなどの無線通信手段である。第1端末装置4は、第3通信手段31を介して他の装置とデータの送受信が可能となる。
【0037】
カードリードライタ32は、端末制御手段30の制御によって動作し、ICカードの読み書きを行う。
【0038】
表示パネル33は、端末制御手段30の制御によって動作し、文字、図形などを表示する装置である。使用者が目視して分かるように数字や文字などを表示する。例えば、接続されている第1ランドリー機器5を使用するための料金を表示する。入力手段34は、端末制御手段30の制御によって動作し、使用者が投入する金額の変更などの操作や指示をする入力手段である。
【0039】
履歴データベース36は、端末制御手段30の制御によって動作し、第1端末装置4の動作状況の履歴すなわち第1端末装置4の履歴データを記憶する。例えば、ICカードが使用された場合に、日時やICカードの固有番号、ICカードの金銭データ、使用された金銭データの金額、硬貨が使用された場合に、日時や金額、また、第1ランドリー機器5へのデータ送出履歴などのデータである。
【0040】
例えば、機器のレスポンスをよくするため、間欠的に管理装置1と第1端末装置4の通信を行う。履歴データの変更を含む処理毎に管理装置1と通信すると通信エラーや再送などで、処理時間が長くなることがある。処理時間が長くなると使用勝手が悪くなるので、端末で完結できる処理はなるべく完結させる。例えば、履歴データベース36に機器の動作履歴情報としての履歴データを記憶しておき、定期的に、あるいはユーザーが使用していないときに履歴データを管理装置1へ取得させる。管理装置1は第1端末装置4に対して定期的にポーリングを行い、履歴に変更があれば、機器の動作履歴情報としての履歴データを取得する。
【0041】
また、履歴データベース36は、第1端末装置4に備わるRAM、EEPROM、フラッシュメモリーなどの記憶手段に記憶されるが、管理装置1のデータベース23に比べ記憶容量は小さく、それほど多くの情報を記憶することができない。そこで、管理装置1によって、定期的に記憶されたデータを取得するようにして、小さなメモリー容量でも履歴を保存するのに問題なく動作するようにしている。
【0042】
第1ランドリー機器5は、例えば、衣類用の洗濯機、乾燥機などのコインランドリーに備わるランドリー機器である。第1ランドリー機器5は、貨幣受け入れ部44、貨幣識別手段45、ランドリー制御手段40、メモリー41、入出力部42、駆動部43を含む。電源制御対象部として、例えば、貨幣識別手段45、ランドリー制御手段40、メモリー41、入出力部42、駆動部43が含まれる。電源制御対象部は電源制御手段によって、電源のON/OFFがされる対象である。不図示の電源制御手段は、電源制御対象部に対して電力を供給するか否かの選択ができる。電源制御手段は、外部から電力の供給を受け、第1ランドリー機器5の他の機能に電力が供給されない場合も、独自に動作が可能である。電源制御手段は、第1端末装置4からの信号に基づいて電源制御対象部へ電力の供給をするか否か選択をする。
【0043】
ランドリー制御手段40は、CPUを含み、メモリー41に記憶されているプログラムに従って第1ランドリー機器5の全体の各種制御を行う。
【0044】
メモリー41はプログラム、初期設定値などを記憶するROM、一時的なデータの保存、ワーキングメモリ、設定値などを記憶するRAMを含む。
【0045】
入出力部42は、ランドリー制御手段40の制御に従って動作する。入出力部42は、タッチパネル等の入出力装置を備える。ランドリー制御手段40の制御に従って、液晶表示装置などの表示パネルに文字図形を表示し、動作モードの変更などの入力情報をランドリー制御手段40へ出力する。第1ランドリー機器5の動作モードの変更などの操作上の指示の入力ができる。
【0046】
駆動部43は、ランドリー制御手段40の制御に従って動作する。例えば、洗濯漕を回転させるモーター、乾燥機の熱を生成する燃焼機、熱風を送風する送風機などの装置を駆動する駆動部である。
【0047】
貨幣受け入れ部44は、例えば、硬貨を投入する投入口である。第1ランドリー機器5を使用するための料金を投入することができる。
【0048】
貨幣識別手段45は、ランドリー制御手段40の制御に従って動作する。投入された硬貨は、通路を通り、貨幣識別手段45へ移動し、硬貨の金種、真偽を識別し、その結果である硬貨の識別信号を出力する。例えば、100円硬貨、500円硬貨など投入された硬貨に対応した識別信号が出力される。この識別信号は金額が分かる金銭信号であり、識別信号に基づいて、ランドリー制御手段40や端末制御手段30などの制御手段は接続している機器の動作などの各種処理をする。
【0049】
第1端末装置4が第1ランドリー機器5に接続される場合は、貨幣受け入れ部44とカードリードライタ32を併用することができる。貨幣識別手段45からの識別信号と、カードリードライタ32からの金銭データまたはこの金銭データに相当するポイントデータとを加えた値を入金された金額とした金銭データとを端末制御手段30が入力して識別信号を生成して、ランドリー制御手段40へ出力することができる。
【0050】
第1端末装置4が第1ランドリー機器5に接続されている場合に、第1端末装置4は、第1ランドリー機器5とは異なる電源で動作するので、第1ランドリー機器5の電源が落ちたときでも、動作することがでる。例えば、履歴データベース36に第1ランドリー機器5の動作状況の履歴を残すことができる。また、管理装置1と第1端末装置4はデータの送受信が可能である。例えば、貨幣受け入れ部44によって、動作するに至らない金額の入金があった場合に、入金状況は第1端末装置4の履歴データベース36に記憶しておくことができる。その状態で電源制御手段によって電源が遮断されると、第1ランドリー機器5は動作が停止する。しかし、第1端末装置4は、入金が途中であった事と、電源が遮断された事についての情報が、履歴データベース36に記憶が残る。後に返金しなければいけない場合などに、履歴データベース36の内容を確認することが可能となり、状況を正確に取得することができる。例えば、最新の履歴による金銭データが、動作せずに減算されたものであっても、この減額された分の金銭データを把握できるので、仮にこの状態で、ICデータが破損しても、この不動作分の金銭データを、最新の金銭データに付加して、再発行のICカードのカードデータを生成することができる。
【0051】
または、ランドリー制御手段40が、貨幣識別手段45からの識別信号と、第1端末装置4からの金銭データとを、合算する演算を行い、それを入金された金額として処理することもできる。この場合は、信号線46が接続され、貨幣識別手段45からの出力が信号線46だけとなり、すなわちランドリー制御手段40だけへの出力となる。
【0052】
また、ランドリー制御手段40は、動作に必要な金額を第1端末装置4の端末制御手段30へ出力し、第1端末装置4はその金額を表示パネル33に表示し、カードリードライタ32がICカードから所定量、すなわちその金額に相当する金銭データを減額して更新し、入金されたことを端末制御手段30から第1ランドリー機器5のランドリー制御手段40へ識別信号として出力する構成とすることも可能である。
【0053】
ここで、第1端末装置4が第1ランドリー機器5に直接接続されない場合は、貨幣識別手段45の出力は、信号線46がランドリー制御手段40へ接続され、入金された貨幣に応じた識別信号をランドリー制御手段40が入力し、第1ランドリー機器5の動作を制御する。例えば、あらかじめ決められた金額が入金されれば、第1ランドリー機器5を所定時間、所定の動作をさせる。
【0054】
第1端末装置4は、第1ランドリー機器5とは別体の構成にすることもでき、このような第1端末装置4を取り外した場合など、様々な使い方をすることが可能となる。
【0055】
図4は、入金手段の別の例を説明する図である。第1ランドリー機器5に接続する第1端末装置4の表示パネル33に第1二次元コード55を表示し、ユーザーの所有する携帯電話51によって認識させることで、入金できるように構成したものである。
【0056】
携帯電話51は、電子カメラなどの第1画像入力手段52を搭載し、画像を記録できる機能を備える。また携帯電話51は、液晶表示装置53を搭載し、文字、図形などの表示ができる。また、携帯電話51は、基地局を介して、インターネットに接続可能なスマートフォンなどの携帯機器である。
【0057】
第1ランドリー機器5は、第1端末装置4と接続している。衣類投入部50に衣類等を入れ、洗濯、乾燥等をすることができる。第1端末装置4は、画像を記録できる電子カメラなどの第2画像入力手段54が備わる。第2画像入力手段54は、端末制御手段30によって制御され、画像を記録し、画像データを生成できる。
【0058】
また、第1端末装置4の表示パネル33には、第1二次元コード55を表示することができる。この第1二次元コード55を携帯電話51の第1画像入力手段52によって写し、携帯電話51内に画像データとして記憶し、各種処理をすることができる。
【0059】
また、表示パネル33に表示する第1二次元コード55は、ライン状または矩形状の表示要素を、表示あるいは非表示とし、縦横に各要素を配置することで、複数のパターンを選択的に表示可能としている。表示要素を多くすればするほど、多くのパターンが表示可能となる。各パターンは、個別に特定が可能であるので、そのうちの一つのパターンと金額のデータを紐付けることができる。また、この表示された情報と、携帯電話51の使用者を特定することで、決済をすることができる。
【0060】
例えば、表示パネル33に表示された第1二次元コード55と、第1ランドリー機器5を動作させるのに必要な金額を予め紐付けて不図示の決済サーバーに登録しておく。そして、ユーザーの携帯電話51などの予め登録された装置によって、表示された第1二次元コード55を読み取り、決済する決済サーバーに送信する。第1二次元コード55と、金額と、使用するユーザーが特定できるので、ユーザー指定の口座から、入金し決済することができる。
【0061】
図5は、入金手段の更に別の例を説明する図である。
図4では、第1端末装置4に第1二次元コード55を表示させた場合を説明したが、ここでは、携帯電話51に第2二次元コード56を表示させる例を説明する。
【0062】
予めユーザーを特定する情報が不図示の決済サーバーへ登録されており、携帯電話51の液晶表示装置53にユーザー固有の第2二次元コード56を表示できるようにしておく。第1端末装置4の第2画像入力手段54による、撮像範囲57に第2二次元コード56が入るようにして、第1端末装置4に第2二次元コード56を取得させる。これにより、第2二次元コード56を所有のユーザーの特定が可能となる。表示パネル33には、金額が表示され、決済の確認入力が、入力手段34から入力されれば、特定されユーザーの口座から、入金し決済することができる。
【0063】
上述の様な二次元コードを使用した決済が広く使われるようになっている。第1端末装置4に、二次元コードを表示可能な高精細な液晶表示装置を備える表示パネル33、電子カメラなどの第2画像入力手段54と、ユーザーからの入力を行うボタンを備える入力手段34、インターネットに接続される外部装置と通信可能な第3通信手段31を備えることで、二次元コード決済が可能な携帯電話等の通信端末をユーザーが所有していれば、二次元コード決済が可能となる。ユーザーの入力を行うボタンと二次元コード等の表示をさせる表示装置を兼ね備えた、タッチパネルを用いることもできる。また、第1端末装置4の履歴データベース36へこれらの動作の履歴情報を履歴データとして記憶することができる。
【0064】
図6は、管理装置と端末装置の動作を説明するフローチャートである。管理装置1と第1端末装置4の関連する動作を説明する。管理装置1は、定期的に第1端末装置4から履歴データベース36に格納されている新たな履歴情報があれば、取得し、データベース23の情報を更新する。第1端末装置4は、第1端末装置4及び第1ランドリー機器5の使用状況に応じて、その使用履歴を履歴データベース36に格納する。第1端末装置4は、管理装置1から使用状況データの送信要求、すなわち履歴データベース36に格納されている履歴データの送信要求に応じて、使用状況に関するデータを生成して送信する。送信要求があった場合は、更新された履歴データの送信の有無にかかわらず、その時点を履歴データベース36のデータの更新の有無を判断する起点とする。
【0065】
ステップS1では、管理装置1が定期的に第1ランドリー機器5の使用状況データの送信要求を第1端末装置4へ送信する。管理装置1には、複数の端末装置(第1端末装置4、第2端末装置6、第3端末装置8)が接続されているが、各々に個別に要求をする。ここでは、第1端末装置4を例にして説明する。
【0066】
第1ランドリー機器5の使用状況のデータ、すなわち履歴データは、第1端末装置4が記憶している。第1ランドリー機器5に投入された金額、ICカードで支払った場合のICカード固有番号と使用によって減額された金銭データ、残っている金銭データなど、状態が変化したときの日時や変化した情報を履歴データとして履歴データベース36に記憶している。第1端末装置4から履歴データを取得し、データ解析手段60によって、取得したデータを解析し、データベース23へ記憶するためのデータを生成する。また、データベース23には、管理しているランドリー機器それぞれに固有番号を付与し、固有番号毎に、各種情報を関連づけて記憶している。また、管理しているICカードの固有番号毎に、残っている金銭データ、使用毎の日時、金銭データ、使用機器など各種情報を関連づけて記憶している。また、他にも、使用日時に関連づけて使用ランドリー機器、使用金額、残金銭データなどの履歴情報を記憶している。
【0067】
また、第1ランドリー機器5は、動作を開始すると数分~数十分動作を続ける。管理装置1は通常はポーリング処理で、定期的に各端末装置の履歴情報を取得する。第1端末装置4も例外では無く、定期的に、履歴の更新の有無を確認し、更新があれば、あらたな履歴情報を履歴データベース36から取得する。好ましくは1分程度毎の短い間隔が良いが、頻繁に履歴が変わることがないので、1~10数分毎に行うことができる。
【0068】
一方、第1端末装置4の第1ランドリー機器使用履歴を履歴データベース36へ格納する動作について説明する。ステップS5は、利用者が第1ランドリー機器5を使用開始するステップである。第1ランドリー機器5を使用する場合に、貨幣受け入れ部44から貨幣が投入され、貨幣識別手段45で貨幣に応じた識別信号が生成され、端末制御手段30に出力される。端末制御手段30では、この出力された信号から投入された金額を演算し、相当する識別信号を生成する。更に、識別信号を第1ランドリー機器5のランドリー制御手段40へ出力する。ここで、識別信号の代わりにランドリー制御手段40が入金された金額として解釈可能な信号、例えば予め決められた金額に相当するコマンドなど、を生成して出力しても良い。
【0069】
ランドリー制御手段40は入力された信号の金額が、第1ランドリー機器5の所定の動作に応じた金額であれば、動作を開始する。
【0070】
また、ICカードによる支払いの場合は、カードリードライタ32から金銭データの情報が端末制御手段30に出力され、端末制御手段30は、金銭データに基づいて識別情報を生成し、ランドリー制御手段40に出力する。例えば、第1ランドリー機器5の動作内容に応じて、予め決め使用金額が決められている。ICカードによる使用金額の入金があると、所定の動作をすることになる。また、入金は、硬貨、紙幣などの貨幣や、クレジットカード、二次元コード決済システムなどによることができ、これらから金銭データの情報が端末制御手段30に出力され、端末制御手段30は、金銭データに基づいて識別情報を生成し、ランドリー制御手段40に出力する。
【0071】
次にステップS6では、第1端末装置4では、日時、入金方法、入金金額、ICカードの固有番号、ICカードに記憶されている金銭データ、第1ランドリー機器5へ信号を出力したことの情報、接続されている第1ランドリー機器5の固有情報など各種情報を関連づけて履歴データベース36へ記憶する。
【0072】
この様に、第1端末装置4は、第1端末装置4及び第1ランドリー機器5が動作をする毎に、その履歴を履歴データとして履歴データベース36へ格納する。
【0073】
次に、第1端末装置4の履歴データベース36から管理装置1へ履歴データを送信する処理について説明する。
【0074】
第1端末装置4では、管理装置1からの第1ランドリー機器5の使用状況データの送信要求を待っている(ステップS7)。この送信要求が届くとステップS8へ移行する。
【0075】
ステップS8では、使用状況データの生成を行う。前回の送信要求から、今回の送信要求までに、履歴データベース36の更新が有ったか、無かったかをまず判断する。更新があった場合は、送信すべきデータを生成する。無ければ、更新が無かった旨のデータを生成する。
【0076】
例えば、履歴管理情報として、送信要求がされた時点でリセットし、そこから新たな履歴情報が有った場合に変化あるいは付加する情報、例えば、フラグや、履歴データベース36の更新したレコードの番号など、を持つことが考えられる。判断時にリセットされたままの場合は新たな履歴データを無とし、変化あるいは付加された情報があれば新たな履歴データが有ると判断することができる。または、履歴データベース36の内容について、前回の送信要求から今回の送信要求までに加えられた履歴データの有無を検索することで新たな履歴データの有無を判断しても良い。
【0077】
新たな履歴データがあれば、その履歴データを履歴データベース36から抽出し、履歴データの各要素を関連づけ、管理装置1で解析可能な使用状況データとして生成する。
【0078】
次にステップS9では、ステップS8で抽出された履歴データに基づき生成された使用状況データを管理装置1へ送信する。
【0079】
次にステップS10では、管理履歴情報をリセットし、ステップS7へ移行し、第1端末装置4を、送信要求待ちの状態とする。
【0080】
次に管理装置1が、第1ランドリー機器5の使用状況データ、すなわち履歴データに基づいて生成されたデータを受信する(ステップS2)。
【0081】
ステップS3では、履歴データベース36に更新があった否かを判断し、無ければ何もせずにステップS1へ移行し、次の送信要求のタイミングを待つ。有ればステップS4へ移行する。
【0082】
ステップS4では、取得した新たな履歴データをデータ解析手段60によって解析し、データベース23に記憶する形式のデータを生成し、データベース23に記憶する。例えば、ICカード毎に、個別の使用履歴、金銭データなど各種情報を関連づけて格納する。
【0083】
この様に、定期的に管理装置1に接続されている第1端末装置4、第2端末装置6、第3端末装置8に記憶されている履歴データをそれぞれ収集し、データベース23に記憶する。
【0084】
この記憶されているデータには、ICカードの固有番号毎に記憶されている金銭データ、あるいは付加されたポイントデータ、使用した機器等のデータ、利用期限などがある。またポイントデータは、金銭データと同様に扱うことのできるもので、利用者への還元、おまけなどに利用されるものである。
【0085】
次に、ICカードの再発行の動作について説明する。
図7は、ICカードの再発行の管理装置の動作を説明するフローチャートである。管理装置1は、管理装置制御手段20によって各種動作が制御されている。
【0086】
まずステップS20では、管理装置1のタッチパネル27を使い、利用者がICカードの再発行に対応するボタンを操作すると、管理装置制御手段20はその操作に応じた処理を開始する。
【0087】
次にステップS21では、利用者による入力が、ICカードを発行するためのパスワードの入力を希望するものであるか否かの判断を行う。パスワードの入力でなければステップS27へ移行する。パスワードの入力であればステップS22へ移行する。
【0088】
ステップS27では、ICカードを再発行するにはパスワードを取得することが必要である旨の情報の表示を含む処理が行われる。
【0089】
ステップS22では、利用者がタッチパネル27を使い、ICカードを再発行するパスワードの入力を行い、管理装置制御手段20が入力されたパスワードを取得する。
【0090】
次にステップS23では、入力されたパスワードが正しいか否かを判断する。正しければステップS24へ、間違いならばステップS28へ移行する。
【0091】
ICカードの再発行を行うカード発行パスワードは、予め管理装置1が取得し、記憶している。例えばデータベース23に記憶されている。その記憶されている複数のカード発行パスワードの何れかに、入力されたパスワードが一致すれば、正しいと判断し、含まれていなければ間違いであると判断できる。また、カード発行パスワードが所定期間に再発行されなかった場合は、パスワード自体が正しい入力であっても、正しいパスワードと認識せずにステップS28へ移行する。
【0092】
ステップS24では、入力されたパスワードに対応したICカードを再発行するため、データベース23からカード発行パスワードに対応したICカードに記憶されていたと推定されたカードデータを読み出す。ICカードが使用される度に、その履歴データが収集される。本来ICカードに記録されているデータが正しいデータであるが、破損して読み取れなければ、代替するデータが必要となる。推定されたカードデータとは、収集された最新の履歴データに基づいて生成された情報であり、ICカードに記憶されていたと推定されるカードデータである。カードデータ生成手段61によってカード発行パスワードに対応したカードデータとして、このカードデータを取得する。また、第1ランドリー機器5の不動作時に対応した金銭データの減額が有る場合は、この金銭データを最新の履歴の金銭データに付加してカードデータを生成する。すなわち、最新の履歴データに加え、その履歴データの内容が返金すべきものである場合は、その前に取得した履歴のデータにも基づいて、カードデータを生成することになる。この様に履歴を解析し、カードデータ生成することもできる。
【0093】
この推定されたカードデータに基づき、カード発行装置25によって新たなICカードに書き込むことになる。管理装置制御手段20の制御によって、カード搬送装置28がストックされている未使用のICカードをカードリードライト装置29へ搬送する。搬送されたICカードには、固有番号が既に記憶されている。この固有番号は、ICカード固有なので書き換えることはしない。カードリードライト装置29によってICカードに、取得したカードデータを書き込む。少なくとも金銭データを含み、場合によっては金銭データに相当するポイントデータを含む。また、再発行した日時のデータを含むことができる。また、機器の使用履歴、再生されたICカードの固有番号、再生されたことを示す値、店舗の情報など付随データなどもカードデータ生成手段61によって取得し、カード発行装置25によって記録することもできる。これらのデータもデータベース23に記憶されているデータに基づいて生成される。
【0094】
次にステップS25では、再発行するICカードのカード情報をタッチパネル27に表示し、ユーザーに確認させる。またこのとき、再発行の可否を利用者にさせることもできる。確認した結果が可なら発行する。否なら対応の連絡先を表示し処理を終了させることもできる。
【0095】
そして、カードデータを書き込んだ後の再発行するICカードを、カード搬送装置28によってカード排出口から排出する。利用者は再発行されたICカードを取得し、利用することができる。
【0096】
次に、ステップS26では、ICカードが再発行されたことを管理者装置3へ送信する。また、再発行が完了した後、データベース23に新たなICカードを発行したことを記録する。ICカード番号、カードデータ、カード発行パスワード、発行日時、再発行された旨の情報など、再発行の履歴のデータがデータベース23に記録される。
【0097】
一方、ステップS28では、パスワードの入力が不正確であった旨の表示を行う。
【0098】
次に、ステップS29では、パスワードの入力回数すなわち間違えであった回数が、例えば3回など、許容できる所定回数以内か判断し、範囲内であれば、再入力を許可し、ステップS22へ移行する。入力ミスは発生する場合があるので、許容できる範囲を設定し、複数回の入力を試すことができる。
【0099】
ステップS30では、単なる入力ミスでは無く、いたずらか不正と判断し、再発行のエラー処理を行う。タッチパネル27に再発行できない旨の表示を行う。また、不図示の店舗内にある監視カメラを高精細画像、連続撮像、管理装置1方向に向けるなど、通常モードとは異なる異常監視モードにする制御を行うこともできる。特別な処理が無い場合は、監視カメラはメモリーや通信量の節約のため、低解像度、間欠駆動で動作させる通常モードで動作している。
【0100】
次にステップS31では、管理者装置3へ、カードの再発行の失敗をしたことを通知する。管理者装置3では、店舗の管理者が何かしら店舗に異常があることを報知し、監視カメラの画像で確認することができる。また、店舗に添え付けたマイクとスピーカー、あるいは電話機によって会話することができる。
【0101】
例えば、利用者のカード発行パスワードの取得については、店舗に添え付けられている不図示の電話機を利用し、管理者に破損したICカードの番号を連絡する。そして管理者によって、管理者装置3で破損したICカードを再発行するためのカード発行パスワード、及び新たなICカードに書き込むカードデータ情報を生成する。生成されたICカードを再発行するカード発行パスワードを、利用者は管理者から取得することが考えられる。そして、生成されたカード発行パスワード及びカードデータは管理者装置3から管理装置1へ送信される。利用者は取得したカード発行パスワードを用いて、カード発券機を兼用している管理装置1でICカードの再発行が可能となる。また、カード発行パスワードの取得方法として、後述する様々な方法も考えられる。また、カード発行パスワードには、破損したICカードの固有番号をそのまま、あるいは暗号化して含ませることができる。また、パスワード入力は、破損したICカードの固有番号とカード発行パスワードの両方を含むことができる。
【0102】
上述の様に、利用者が入力したパスワードに基づいて、破損したICカードに代わりに新たなICカードを容易に発行することができる。また所定期間にパスワードが入力されなければ、そのカード発行パスワードでのICカードの再発行ができないようにし、この機能の不正防止を行うこともできる。また、店舗内の他の装置と連動して不正を防止することも可能である。
【0103】
次に、ICカードの再発行についての例を
図8に基づいて説明する。
図8は、ICカードの再発行の動作の一例を説明するフローチャートである。管理者装置3、管理装置1、第1端末装置4の関連する動作について図を用いて説明する。
【0104】
ステップS40では、管理装置1にICカードを挿入すると、カード搬送装置28が、ICカードをカードリードライト装置29へ搬送する。そこで、挿入されたICカードのリードライトのテストを行う。
【0105】
次にステップS41では、そのテストの結果、読み込みできない、書き込みできないなどICカードに異常がある否かを判断する。ICカードに異常が無ければ、ICカードの利用は可能なのでICカードの再発行の処理は終了する。ICカードに異常があれば、次のステップS42に移行する。
【0106】
ステップS42では、ICカードに読み書きの不具合があり、ICカードの再発行が必要である旨の表示を行い、ICカードの再発行をするかしないかの入力を利用者に要求する。再発行しない場合であっても、する場合であっても、データベース23のデータを最新のものにしておく。
【0107】
機器の使用履歴の最新の情報を収集する。管理装置1が管理している複数のランドリー機器(第1ランドリー機器5、第2ランドリー機器7、第3ランドリー機器9)の使用状況データすなわち履歴データを取得するため、各端末装置(第1端末装置4、第2端末装置6、第3端末装置8)にデータの送信要求を行う。
【0108】
ステップS43では、各端末装置の動作について第1端末装置4を例として説明する。通常は、定期的にされている各端末装置からの履歴データの取得を、臨時に取得することになる。第1端末装置4では、データの送信要求を受けると、履歴データベース36に記憶されている履歴データに更新があれば、最新の更新された履歴データを管理装置1へ送信する。また、更新が無ければ、その旨に相当する値を送信する。
【0109】
次にステップS44では、管理装置1は、データ解析手段60によって、受信した使用状況データすなわち履歴データを解析し、データベース23に記録されているものより新しいものがあれば、データベース23に新しいデータを付加または変更する更新を行う。
【0110】
次にステップS45では、ICカードを再発行する場合は、ICカードの固有番号の入力を行う。仮に、ICカードが部分的な問題であった場合に、ICカードの固有番号の読み込みが可能であれば、その番号を使用することができる。カード搬送装置28を用いて、ICカードを排出して、ICカードに記載されている番号を入力しても良い。管理装置1に不図示の電子カメラが備えられていれば、そのカメラによって入力しても良い。二次元コードを印刷してあれば入力が容易となる。
【0111】
次にステップS46では、管理装置1は、入力されたICカードの固有番号に基づいて、そのICカードについての再発行を管理者装置3に要求する。このとき、再生するICカードの固有番号に関連する情報をデータベース23から取得し、カードデータ生成手段61によって、最新の履歴データに基づくカードデータを生成する。生成されたカードデータはデータベース23に残されたデータに基づいて生成される推定されたデータでる。このカードデータを合わせて管理者装置3へ送信する。
【0112】
または、管理者装置3からの要求で、管理装置1が、再発行するICカードのカードデータをデータベース23に記憶されている情報に基づいて生成し、管理者装置3へ送信しても良い。また、管理者装置3の要求で、再発行するICカードに関する情報を管理装置1から送信し、管理者装置3で再発行するカードデータを、入力あるいは取得した情報に基づいて生成する。各種方法はあるが、データベース23に最新のデータを収集し、そのデータに基づいて新たなICカードに書き込むカードデータが生成される。
【0113】
次にステップS47では、管理者装置3は、管理装置1からのICカード再発行要求の受信があると、ICカードを再発行するカード発行パスワードを生成する。また、再発行するICカードの再生情報としてカード発行カードデータを上述のように生成あるいは取得する。管理者装置3で、破損したICカードの情報、カード発行パスワード、書き込むカードデータを確認することができる。
【0114】
次にステップS48では、そのカード発行パスワードと、管理装置1のデータベース23に収集された最新のデータに基づいて生成された再発行するICカードのカードデータと、を関連付けて管理装置1へ送信する。送信後の管理装置1の処理はステップS50である。
【0115】
次にステップS49では、生成したカード発行パスワードを利用者に通知する。通知方法は、管理装置1のタッチパネル27へ表示させる方法がある。また、店舗添え付きの電話を介して、カード発行パスワードを連絡することができる。また、予めユーザーのメールアドレスの登録があれば、そのメールアドレスにカード発行パスワードをメール送信することもできる。何れの方法でもよいが、利用者に生成したカード発行パスワードを取得させる。利用者へのカード発行パスワードの通知が終了した場合に、管理者装置3は次の処理を待つことになる。
【0116】
一方、管理装置1であるが、ステップS50では、管理装置1は取得したカード発行パスワードとカードデータを、ICカードを再発行するデータとして、データベース23に関連づけて、記憶する。
【0117】
次にステップS51では、パスワードの入力表示を行い、利用者が取得したカード発行パスワードの入力をさせる。
【0118】
次にステップS52では、入力のあったパスワードとデータベース23に記憶されているカード発行パスワードを比較し、一致するか不一致かを判断する。入力されたパスワードとデータベース23に記憶されているカード発行パスワードを比較し、一致しなければ、所定回数までパスワードの入力を許容する。所定回数を超えて失敗した場合は、終了する。また、一致した場合は、ステップS53へ移行する。
【0119】
次にステップS53では、入力したパスワードに基づくカードデータをデータベース23から取得し、カード発行装置25のカードリードライト装置29により、新たな固有番号を備えるICカードに、データベース23から取得したパスワードに関連づけられているカードデータを書き込み、排出する。又排出する前に、利用者に金銭データ等の書き込み内容を確認するステップを入れることもできる。
【0120】
次にステップS54では、データベース23に再発行されたICカードの履歴や、再発行の履歴を記録する。破損したICカードの固有番号を登録することもできる。この場合に、ICカードの利用の際に登録された固有番号と比較し、一致した場合にその利用を制限することが可能となる。
【0121】
次にステップS55では、管理装置1から管理者装置3へICカードの再発行が完了した旨の連絡を行う。
【0122】
次にステップS56では、管理者装置3は、ICカードの再発行が完了した通知を受け、発行されたICカードのデータを取得し表示し、ICカードの管理データとして記憶する。またこのとき、破損したICカードを再挿入させ、回収することもできる。
また、破損したICカードの再発行する場合は、ステップS45でICカードを排出せずに、保管することもできる。
【0123】
この様に、ICカードの再発行用のパスワードを、管理者装置3が管理装置1を介して通信を行い、発行することができる。また、管理装置1によって、破損しているか否かを確かめる工程を備えることもでき、不正利用を防止することができる。また、ステップS47からステップS52のパスワードの生成と入力を省き新たなICカードに書き込むカードデータをカードデータ生成手段61で生成させるだけにしてもよい。このとき、ICカードが破損していることが判明したら、ICカードを再発行する否かを判断させ、再発行するICカードの番号を入力するだけで、ICカードにカードデータを書き込み、ICカードを再発行させることも可能である。
【0124】
遠隔地にある管理者装置3と管理装置1を通信で接続することで、容易にICカードの再発行が可能となる。本実施形態では、遠隔管理システムとしてランドリーシステムを例にして説明したが、ICカードを使う無人店舗などに使用する機器に用いることができる。
【符号の説明】
【0125】
1 管理装置
2 ネットワーク
3 管理者装置
4 第1端末装置
5 第1ランドリー機器
6 第2端末装置
7 第2ランドリー機器
8 第3端末装置
9 第3ランドリー機器
33 表示パネル
34 入力手段
50 衣類投入部
51 携帯電話
52 第1画像入力手段
53 液晶表示装置
54 第2画像入力手段
55 第1二次元コード
56 第2二次元コード
57 撮像範囲