IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カテーテル プレシジョン インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】心臓マッピングおよびモデル合成の方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/367 20210101AFI20230314BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20230314BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20230314BHJP
   A61N 1/362 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
A61B5/367 ZDM
A61B5/055 380
A61B5/055 390
A61B6/03 377
A61B6/03 360J
A61B6/03 360Q
A61N1/362
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020505256
(86)(22)【出願日】2018-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 US2018044746
(87)【国際公開番号】W WO2019028103
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】62/539,740
(32)【優先日】2017-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/539,787
(32)【優先日】2017-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/539,802
(32)【優先日】2017-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,777
(32)【優先日】2018-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519061712
【氏名又は名称】カテーテル プレシジョン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アドラー,スティーブ
【審査官】外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓マッピングの方法であって、
心電図(ECG)装置の12個の電極を患者の胸部に取り付けることと、
少なくとも3つの基準マーカーを前記患者の身体に適用することであって、前記基準マーカーは、異なる波長の光を反射するか、異なる形状を有するか、または異なる波長の光を反射して異なる形状を有し、画像処理を使用して識別できることと、
前記基準マーカーおよび前記電極を撮像することを含む、前記患者の身体の外部画像データを生成することと、
前記外部画像データを分析して、前記基準マーカーから反射された光、前記基準マーカーの異なる形状、または前記基準マーカーから反射された光と前記基準マーカーの異なる形状の両方を検出することにより、前記基準マーカーに対応する解剖学的位置を特定することと、
特定された前記解剖学的位置を、CTスキャンまたはMRIスキャンから得られた画像における対応する解剖学的位置に登録することにより、前記外部画像データを、2次元(2D)画像を使用して生成された前記患者の胸部の3D解剖学的モデルと合成することで3次元(3D)胸部モデルを生成すること、
前記ECG装置を使用して心電図(ECG)データを記録することと、
前記ECGデータ、前記3次元(3D)胸部モデル、および心臓の記2次元(2D)画像に基づいて、前記患者の心臓の心室期外収縮(PVC)活性化マップを生成することであって、前記PVC活性化マップが、最早活性化領域を含む、ことと、
前記PVC活性化マップにおける前記最早活性化領域と既知の正常な最早活性化領域との比較に基づいて、前記3D胸部モデルに含まれる前記電極の各々の実際の位置と前記電極の各々の理想的な位置とのオフセットを決定することと、
前記決定されたオフセットに基づいて前記PVC活性化マップを調整することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ECGデータは、心臓のPVC中に記録される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準マーカーのうちの2つが、前記患者の肩上に配置され、かつ
前記基準マーカーのうちの1つが、前記患者の胸骨上に配置される、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の伝導系における心臓欠陥は、心臓の非同期収縮(不整脈)を引き起こし、伝導障害と呼ばれることがある。その結果、心臓は十分な血液を送り出せず、最終的に心不全につながる場合がある。伝導障害は、年齢、心臓(筋肉)損傷、薬剤および遺伝的特徴を含むさまざまな原因を有する可能性がある。
【0002】
心室期外収縮(PVC)は、正常な洞性拍動と同様に心臓の上部心房ではなく、心室のどこかで開始する異常または期外の心拍である。PVCは、通常、心室が血液で完全に満たされる前に収縮するので、心拍出量が低下する。PVCはまた、心室性頻拍(VTまたはV-Tach)を引き起こす場合がある。
【0003】
心室性頻拍(VTまたはV-Tach)は、心室内の異常な電気信号によって引き起こされる別の心不整脈障害である。VTでは、異常な電気信号により、心臓は通常よりも速く、通常は1分当たり100回超拍動し、拍動は心室内で開始する。VTは、一般に、根底となる心臓に異常を有する人々において発生する。VTは、時には、構造的に正常な心臓において起こることがあり、そのような患者では、異常な電気信号の原因は、心臓内の複数の位置にある可能性がある。よくある1つの位置は、血流が右心室から肺に流れる経路である右心室流出路(RVOT)である。心臓発作を有したことがある患者では、心臓発作に由来する瘢痕化が、無傷の心筋の環境と患者をVTにかかりやすくする瘢痕とを作り出す可能性がある。
【0004】
他の一般的な伝導障害の原因としては、左心室および/または右心室の急速活性化繊維、ヒス-プルキンエシステム、または瘢痕組織における欠陥が挙げられる。その結果、左右の心室が同期しない場合がある。これは、左脚ブロック(LBBB)または右脚ブロック(RBBB)と呼ばれる。
【0005】
両心室ペーシングまたは多点心室ペーシングとも呼ばれる心臓再同期療法(CRT)は、LBBBまたはRBBBの場合に心機能を改善する公知の方法である。CRTは、ペースメーカーを使用して右心室(RV)および左心室(LV)を同時ペーシングすることを含む。CRTを実施するためには、通常のRV心内膜リード(右心房(RA)リードの有無にかかわらず)に加えて、冠状静脈洞(CS)リードがLVペーシングのために定置される。CRTの基本的な目的は、主にLBBBの結果である拡張型心筋症およびQRS幅拡大を有する患者においてLV同期性を回復させることにより、LVの機械的機能を改善することである。
【0006】
カテーテルアブレーションは、VTおよび/または症候性PVCを有する患者における選択的治療である。焼灼の標的は、PVCが発生している心臓内の位置、またはVTの兆候が発生している位置である。適切な焼灼位置を決定するためには、治療医はまず、提案位置における焼灼が心臓の所望の電気的活性化パターン刺激を提供するか否かを決定するために、電気リードを使用して提案位置を刺激する。
【0007】
現在、最大の心臓同期性または所望の電気的活性化パターンを得るためのリードの適切な位置決めを決定することは、手術医の側でのある程度の推測を含む。
【0008】
しかしながら、現行の方法では、電気リードの最適な位置を患者毎に決定することはできない。さらに、心臓が所定の位置で刺激されたときに所望の活性化パターンが達成されない場合、現行の方法では、リードの位置を調整して改善された活性化パターンを提供するための指示ガイダンスは提供されない。したがって、CRT用電気リードの適切な位置を決定し、焼灼位置を決定する際に改善されたガイダンスの必要性がある。
【発明の概要】
【0009】
いくつかの実施形態において、心臓マッピングおよびモデル合成の方法であって、心臓の心室期外収縮(PVC)活性化マップを、3次元(3D)心臓モデルと心臓のPVC中のPVC心電図(ECG)データ記録とに基づいて生成することと、電気生理学的(EP)処置中に収集された逐点接触データを三角形分割することにより、心臓の3D内部表面モデルを生成することと、3D活性化マップと3D内部表面モデルとを合成して、PVC活性化表面モデルを形成することと、EPカテーテルを使用して、心臓を、PVC活性化表面モデル内で特定された最早活性化領域内に配置された第1のペーシング位置でペーシングすることと、を含む方法を提供する。
【0010】
いくつかの実施形態において、心臓マッピングの方法であって、心電図(ECG)装置の12個の電極を患者の胸部に取り付けることと、ECG装置を使用して心電図(ECG)データを記録することと、ECGデータ、3D胸部モデル、および患者の心臓の2次元(2D)画像に基づいて、心臓の活性化マップを生成することであって、PVC活性化マップが、最早活性化領域を含む、ことと、活性化モデルにおける最早活性化領域と予測最早活性化領域との比較に基づいて、3D胸部モデルに含まれる電極の各々の実際の位置と電極の各々の理想的な位置とのオフセットを決定することと、決定されたオフセットに基づいて活性化マップを調整することと、を含む方法を提供する。いくつかの実施形態は、基準マーカーを患者の身体(例えば、胸部または胴体)に適用して、解剖学的位置を特定することを含み、マーカーは、画像データに含まれる基準マーカーから反射された光を検出することにより、画像データ内で認識されるように構成され、特定された解剖学的位置を、CTまたはMRIスキャンから得られた画像における対応する解剖学的位置と位置合わせすることにより、患者の胸部の画像データを3D解剖学的モデルと合成する患者固有の3次元(3D)解剖学的モデルを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を図示し、かつ先に与えられた概要的説明および以下に与えられる詳細説明とともに、本発明の特徴を説明するのに役立つ。
【0012】
図1】いくつかの実施形態に係る心臓の3Dモデルの一例である。
図2A】いくつかの実施形態に係る心臓の電気的活性化の3Dモデルの平面図である。
図2B】いくつかの実施形態に係る心臓の電気的活性化の3Dモデルの平面図である。
図2C】いくつかの実施形態に係る同期性マップの平面図である。
図2D】いくつかの実施形態に係る同期性マップの平面図である。
図3】いくつかの実施形態に係る心臓撮像システムの概略図である。
図4A】いくつかの実施形態に係る心臓の電気的活性化の3Dモデルの平面図である。
図4B】いくつかの実施形態に係る心臓の電気的活性化の3Dモデルの平面図である。
図4C】いくつかの実施形態に係る同期性マップの平面図である。
図4D】いくつかの実施形態に係る同期性マップの平面図である。
図5】いくつかの実施形態に係る心臓撮像システムの概略図である。
図6】いくつかの実施形態に係る方法を示すフローチャートである。
図7A】いくつかの実施形態に係る心臓の電気的活性化の3DモデルのLAOおよびPA図の概略図である。
図7B】いくつかの実施形態に係る同期性マップのLAOおよびPA図の概略図である。
図8A】いくつかの実施形態に係る心臓の電気的活性化の3DモデルのLAOおよびPA図の概略図である。
図8B】いくつかの実施形態に係る同期性マップのLAOおよびPA図の概略図である。
図9】いくつかの実施形態に係る外科用撮像システムの概略図である。
図10】いくつかの実施形態に係る図9のシステムを使用する方法のフロー図である。
図11A】いくつか実施形態に係る図9のシステムを使用する方法のフロー図である。
図11B図11Aの方法の間に生成された参照心臓画像の一例を図示する。
図11C図11Aの方法の間に生成され得る活性化マップを示す。
図11D図11Aの方法の間に生成され得る活性化マップを示す。
図12】いくつかの実施形態に係る図9のシステムを使用する方法のフロー図である。
図13】いくつかの実施形態に係る心臓撮像システムのシステムブロック図である。
図14A】いくつかの実施形態に係る患者の胴体上の電気リードおよび基準マーカーの3D画像である。
図14B】いくつかの実施形態に係る患者の胴体上の電気リードおよび基準マーカーの3D画像である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月1日に出願された「METHODS OF CARDIAC MAPPING AND DIRECTIONAL GUIDANCE」と題された米国仮特許出願第62/539,740号と、2017年8月1日に出願された「METHODS OF CARDIAC MAPPING AND DIRECTIONAL GUIDANCE」と題された米国仮特許出願第62/539,787号と、2017年8月1日に出願された「METHODS OF CARDIAC MAPPING AND MODEL MERGING」と題された米国仮特許出願第62/539,802号と、2018年7月30日に出願された「CARDIAC MAPPING SYSTEMS,METHODS,AND KITS INCLUDING FIDUCIAL MARKERS」と題された米国仮特許出願第62/711,777号とに対して優先権の利益を主張し、これらの全ての全内容は全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
いくつかの実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。可能な限り、図面全体にわたって同一の参照番号を使用して、同一または同様の部品を参照する。特定の実施例および実施形態に対する言及は、例示の目的のためであり、本発明または特許請求の範囲の範囲を限定することを意図するものではない。
【0015】
本明細書では、心電図(ECG)は、心筋の実際の電気的活動を(好ましくは非侵襲的に)心臓の測定または導出されたもの(電気的活動)に相関させる任意の方法として定義される。古典的な心電図の場合、体表面上の電極間の電位差が、心臓の電気的活動に相関される。また、導出されたECGは、他の方法(例えば、いわゆるICD(植込み型心臓除細動器)による測定)でも得ることができる。このような機能的画像を得るためには、電気的活動の動きの推定が提供されねばならない。
【0016】
心臓同期不全は、心筋酸素消費量を増加させる一方で、左心室(LV)の機械的性能を低下させることによって、心機能に悪影響を及ぼす。さらに、心臓同期不全は、恐らく、LVリモデリングを引き起こす。したがって、心臓同期不全は、慢性うっ血性心不全(CHF)の進行を加速し、患者の生存を低減させる。
【0017】
通常の伝導中、心臓の活性化は、左心室(LV)および右心室(RV)の両方の心内膜で開始する。特に、電気インパルス(すなわち、脱分極波)は、左心室および右心室の両方を通って実質的に同時に進行する。脚ブロック(BBB)は、電気インパルスの経路に沿って遅延または遮断が存在する状態である。遅延または遮断は、電気インパルスを左心室または右心室に送る経路上で発生してもよい。
【0018】
左BBBは、LVへの電気インパルスが減速される状態であり、心臓脱同期の主な原因の1つである。特に、活性化はRV内でのみ開始し、LV心内膜に到達する前に中隔を通って進行する。
【0019】
ペースメーカーは、固有の心臓リズムを感知し、指示されたときに電気刺激を提供する、ほぼ懐中時計サイズの電子装置である。心臓ペーシングは、一時的または恒久的のいずれかである。
【0020】
永久的なペーシングは、最も一般的には、鎖骨下領域の皮下に配置されたペーシング生成器に接続されるリードの心内膜(すなわち、右心房または右心室)または心外膜(すなわち、冠状静脈洞を介したLV表面)への経静脈的配置によって達成される。しかしながら、心臓上または心臓内に直接植込むために、小型化されたペースメーカーが開発されている。
【0021】
心臓再同期療法(CRT)は、両心室ペーシングを提供する特化されたタイプのペースメーカー療法である。CRTは、心室性頻脈(VT)または心室細動(VF)のリスクのある患者における治療および予防に使用される装置である植込み型除細動器(ICD)を使用の有無にかかわらず実施される。
【0022】
本出願において、ペーシング電極、マイクロカテーテルなどによって電気的に刺激される(例えば、ペーシングされる)心臓内の領域は、「ペーシング位置」または「刺激位置」と互換的に称されてもよい。
【0023】
図1は、2つの異なる方向から見た心臓1の3次元(3D)モデルを示す。3Dモデルは、心臓の外側表面、ここでは心筋表面を表すメッシュ6を含む。この例では、モデルはまた、中隔壁も含んでもよい。メッシュ6は、複数のノード8を有する。この例では、メッシュは、心臓の表面が隣接する三角形によって近似される三角メッシュである。
【0024】
図2A図2Dは、さまざまな単一の刺激位置10からの心臓1の初期電気的活性化を示す、心臓の3Dモデル4である。図2A図2Cは、中隔壁2を有する心筋の心室表面を示す。一般に、3Dモデル4は心臓の心室表面、ここでは、図1に示すように中隔壁を有する心室心筋の外側表面を表すメッシュ6を含んでもよい。メッシュ6は、複数のノード8を有する。図示された例では、心臓1は、刺激位置10で電気的に刺激される。刺激位置10での電気刺激を受けると、電気信号は心臓組織を通って伝わる。したがって、心臓の異なる部分が異なる時間に活性化される。心臓上の各位置は、初期刺激に対して特定の遅延を有する。各ノード8は、刺激位置10における心臓1の刺激と、それぞれのノード8における心臓の活性化との間の時間遅延を表す値と関連付けられている。同じ遅延時間を共有する位置は、図2A図2Dにおいては等時線12によって結ばれている。本出願において、等時線は、活性化が同じ時間に起こる、または到着するモデル上の点を結ぶ、3D心臓表面モデル上に描かれた線として定義されている。この例における心臓表面の全域のノードの遅延時間は、レンダリングの濃淡を変えることによっても表示されている。縦棒は、それぞれの色に関連付けられた時間遅延をミリ秒で示す。刺激部位10は、心臓1の内因性活性化の位置であり得る。
【0025】
図3は、心臓組織の電気的活性化の同期性の説明を提供するためのシステム100のシステムブロック図である。システム100は、処理ユニット102と、メモリ104とを含む。
【0026】
3D電気的活性化モデル4は、システム100において、心電図データと医療画像データとを組み合わせることにより取得されてもよい。このデータは、メモリ104内に記憶されてもよい。処理ユニット102は、データを取り出し、対応するデータをメモリ104に記憶するために、心電図システム106と医療用撮像システム108とに接続されてもよい。12誘導ECGからの心臓活性化を決定することができる心電図撮像(ECGI)法が、心臓の電気的活性化の3Dモデル4を決定するために、処理ユニット102によって適用されてもよい。ECGI法では、心臓等時線の位置を計算するために、ECG信号を、心臓、肺、および/または胴体の患者固有の3D解剖学的モデルと組み合わせることができる。患者固有の3D解剖学的モデルは、医療用撮像システム108から受け取られる磁気共鳴画像(MRI)またはコンピュータ断層撮影(CT)画像から取得されてもよい。代替的または追加的に、患者に最も近い適合性を示す3D解剖学的モデルが、複数の3D解剖学的モデルを含むデータベースから、選択され、任意に変更されてもよい。選択され、任意に変更された3D解剖学的モデルは、患者固有の3D解剖学的モデルとして機能してもよい。
【0027】
3Dモデル4は、さらなる情報も含んでもよい。図2Aに示した例では、3Dモデル4は、心筋上の心臓血管14および/または静脈を含んでもよい。この情報は、ノードがそのような血管に関連するものとして示されるという点で、3Dモデル4に追加されてもよい。次いで、血管14が特定され、任意に3Dモデル4に表示してもよい。処理ユニット102は、任意に、患者の心臓の3D解剖学的モデルから、そのような血管の位置を表す情報を自動的に取り出すように構成された第1の認識ユニット110を含んでもよい。処理ユニット102は、次いで、この情報を3Dモデル4に自動的に挿入してもよい。
【0028】
3Dモデル4はまた、瘢痕組織に関する情報を含んでもよい。瘢痕組織の位置は、遅延造影磁気共鳴撮像(MRI)画像から得られ、3Dモデル4に追加されてもよい。瘢痕組織は、そこを通る電気信号の伝播速度を低下させることから、3Dモデル4においてシミュレートすることができる。瘢痕組織は、瘢痕組織が存在する心臓壁内の領域において、1つのノードから別のノードへの移行を非常に遅くまたは非移行にすることによって説明することができる。処理ユニット102は、任意に、患者固有の心臓の3D解剖学的モデルから、そのような瘢痕組織の位置を表す情報を自動的に取り出すように構成および配設された第2の認識ユニット112を含んでもよい。処理ユニット102は、この情報を3Dモデル4に自動的に挿入してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、得られた3Dモデル4は、心臓の電気的活性化に関するさらなる情報を得るために使用されてもよい。例えば、1つのノードから別のノードへの活性化の時間遅延が決定されてもよい。これを使用して、3Dモデル4に基づいて、メッシュ6の他のノードにおける初期刺激から生じる他の図を生成してもよい。これを可能にするために、処理ユニット102は、3Dモデル4を取り込み、特定のノードを刺激位置として規定する挿入ユニット114を含んでもよい。3Dモデル4は、所定のノードにおける刺激を想定し得ることが理解されよう。挿入ユニット114は、その所定のノードにおける刺激を計算のために除外してもよい。
【0030】
図2Bは、別の刺激位置10’における初期刺激から生じる3Dモデル4の一例を示す。メッシュ6の他のノードにおける初期刺激から生じる図が、メッシュ6の各ノードについて生成され得ることが理解されよう。
【0031】
特定のノードにおける刺激から生じる心臓1全体の特定の電気的活性化シーケンスは、単一のパラメータ、すなわち心臓活性化同期性において要約されてもよい。心臓活性化同期性は、心臓全体がどの程度同期して活性化されているかの指標を提供する。一般的な状況では、心臓のより同期的な活性化が有益であると考えられている。この例における心臓活性化同期性の尺度は、心臓の脱分極(dep)時間の標準偏差(std)である。したがって、心臓活性化同期性は、それぞれのノードにおける刺激の結果としての心臓全体の活性化の同期性の指標を提供する。処理ユニット102は、心臓活性化同期性を決定するように構成された同期性決定ユニット116を含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、心臓活性化同期性は、各ノードにおける刺激に対して別個に決定されてもよい。したがって、メッシュの各ノードに対する心臓活性化同期性の尺度を提供することができる。処理ユニット102は、同期性決定ユニット116による、各ノードに対する心臓活性化同期性の計算に基づいて同期性マップを生成するように構成された同期性マップ生成ユニット118を含んでもよい。処理ユニット102は、同期性マップ15および/または代替データをユーザに出力するように構成される出力ユニット120と接続されてもよい。出力ユニットは、表示ユニット、プリンタ、メッセージングユニットなどであってもよい。
【0033】
図2Cは、心臓同期性マップ15の一例を示す。図2Cに図示した例では、マップ15内の各ノードに対して心臓活性化同期性が示されている。この例では、指標は、疑似色および/または等同期線16を提供することによって示すことができる。等同期線16は、同じ心臓活性化同期性を有するノードを結ぶ。心臓同期性マップ15は、心臓がそのような位置で刺激された場合に、心臓上のどの位置が良好な心臓活性化同期性をもたらすか、心臓上のどの位置が劣悪な心臓活性化同期性をもたらすかを示す、単一の3D概観図を提供する。図2Cに図示した例では、元の刺激位置10は、心臓活性化同期性値は、心臓の脱分極時間の標準偏差が約45msであって、特に良好な同期化を提供しないことがわかる。最も好ましくない刺激位置、ここでは最高心臓活性化同期性値を有する位置は、S-で示されている。この例では、最低心臓活性化同期性値が生じる最も好ましい刺激位置は、S+で示されている。場合によっては、図2Dに示すように、同期性マップ15を別の方向から見るときに、最も好ましい刺激位置S+が最もよく見える。
【0034】
心臓活性化同期性の尺度の別の例は、脱分極時間の範囲(最大脱分極時間~最小脱分極時間)である。脱分極時間の範囲は、サイクル長に対して補正してもよい。心臓活性化同期性の尺度の別の例は、左心室(LV)脱分極時間のみの標準偏差である。心臓活性化同期性の尺度の別の例は、刺激と隔壁活性化との間の遅延である。心臓活性化同期性の尺度の別の例は、AV遅延である。心臓活性化同期性の尺度の別の例は、VV遅延である。心臓活性化同期性の尺度は、当面の課題に応じておよび/または患者が経験した特定の症状または異常に応じて選択してもよい。
【0035】
図4Aは、第2の刺激位置18が規定される第2の例を示す。3Dモデル4と、第1の刺激位置10および第2の刺激位置18における同時刺激とを使用して、心臓の電気的活性化が計算される。この例では、挿入ユニット114は、第1の位置8における刺激を計算のために除外しない。図4Aは、計算された結果として生じた心臓1の電気的活性化を示す。図4Aに示した例では、総活性化時間は、第2の刺激位置18の追加により短くなっている。この例では、第1の刺激位置10は、心臓の内因性活性化の位置、または最初に選択された刺激位置、もしくは心臓内に既に存在するペースメーカーリードによって生成された刺激を表す。
【0036】
図4Bは、第1の刺激位置10における刺激と同時に第2の刺激位置18’における初期刺激から生じる心臓の電気的活性化の一例を示す。第1の刺激位置10に関連する第1のノードにおける刺激と同時に、メッシュ6の第2のノードにおける初期刺激から生じる図が、メッシュ6の各ノードに対して生成されてもよい。
【0037】
図4Cおよび図4Dに示した例では、心臓全体の特定の電気的活性化シーケンスが組み合わされ、心臓活性化同期性として示されている。この例では、電気的活性化シーケンスは、第1の刺激位置10における刺激と同時に、第2の刺激位置18における刺激を含む。心臓活性化同期性はまた、心臓全体がどの程度同期的に活性化されているかの指標を提供する。いくつかの実施形態では、心臓活性化同期性は、第1の刺激位置10および第2の刺激位置18における刺激と同時に、各ノードにおける刺激に対して別個に決定されてもよい。これは、メッシュ6の第3の刺激位置として作用する各ノードに対する心臓活性化同期性の尺度を提供する。
【0038】
図4Cは、心臓がそのような位置で第1の刺激位置10および第2の刺激位置18における刺激で同時に刺激された場合に、心臓上のどの位置が良好な心臓活性化同期性をもたらすか、心臓上のどの位置が劣悪な心臓活性化同期性をもたらすかを示す心臓同期性マップの一例を示す。図4Cに図示した例では、第1の刺激位置10と第2の刺激位置18とが同時に刺激されたときに、最も好ましくない第3の刺激部位S-は、約41msの最高心臓活性化同期性値を有した。この例では、第1の刺激部位10および第2の刺激部位18が同時に刺激されたときに、最も好ましい第3の刺激位置S+は、最低心臓活性化同期性値を有した。状況によっては、図4Dに示すように、同期性マップ15を別の方向から見たときに、最も好ましい刺激位置S+は最もよく見ることができる。
【0039】
図5は、同期性マップを提供するシステム100のデータフロー表示である。図6は、一実施形態に係る図3および図5に示したシステム100を使用して心臓同期性を決定する方法を示す図である。図3および図5を参照すると、システム100は、ハードウェアモジュールからデータを受け取る処理ユニット102を含む。処理ユニット102は、任意で、心電図システム106からECGデータを受け取ってもよい。処理ユニットは、医療用撮像システム108から患者固有の解剖学的データを受け取ってもよい。
【0040】
処理ユニット102は、電極を含む患者の胸部の3D画像など、患者の解剖学的構造に対するECGリードの位置に関する情報を位置決めシステム109から受け取ってもよい。3D画像および胴体モデルを位置合わせをしてもよく、モデル内の電極の位置を、3D画像内の電極位置と一致するように調整してもよい。心臓に対するECG電極、特にVl~V6前胸部電極の位置に関する知識は、PVCの開始位置を正確に計算するために特に重要である。
【0041】
いくつかの実施形態では、想定される理想的な位置からの電極のオフセット、特にV1~V6電極のオフセットは、検出された正常心拍のECG信号と理想的な正常心拍のECG信号との比較に基づいて決定されてもよい。例えば、オフセットは、検出されたECG信号が、理想的な電極位置に対する電極位置の変化によってどのように影響を受けるかに基づいて決定されてもよい。特に、記録されたECGデータを使用して、正常拍動の刺激開始位置が決定されてもよい。SAノードにおける通常の開始位置は既知であるため、決定されたオフセット位置をこの既知の開始位置と比較し、電極のオフセットをそれらの間の変動に基づいて推定することができる。そのため、3Dマップを生成することなく、電極オフセットを決定することが可能である。
【0042】
患者固有の解剖学的データから、処理ユニット102は、同期性マップ15を決定してもよい。処理ユニット102は、以下のユニットを含んでもよく、図6に示しかつ後述する方法200の動作を実行して、同期性マップを生成してもよい。方法200では、処理ユニット102は、患者の胸部および胸部内の心臓の大きさ、向き、および位置の患者固有の3D解剖学的モデルを使用してもよい。このようなモデルは、処理ユニット102によるさらなる使用のために、ブロック201で選択されてもよい。プロセッサは、判定ブロック202において、そのようなモデルが既に利用可能であるか否かを判定してもよい。モデルがまだ利用可能でない場合(すなわち、判定ブロック202=N)、判定ブロック204において、検索ユニット103は、この患者に対して好適な解剖学的モデルがデータベース117内に存在するか否かをチェックしてもよい。
【0043】
好適な患者固有の解剖学的モデルがデータベース117において利用可能でない場合(すなわち、判定ブロック202=N)、ブロック208において、検索ユニット103は、受け取った患者固有の解剖学的3D画像データに基づいて、患者固有の解剖学的モデルを生成してもよい。
【0044】
好適な患者固有の解剖学的モデルがデータベース117において利用可能である場合(すなわち、判定ブロック202=Y)、ブロック206において、検索ユニット103は、好適な解剖学的モデルをデータベース117から取り出す。また、ブロック206において、検索ユニット103は、選択された解剖学的モデルを患者固有の(準)3D解剖学的モデルに変換するために、データベースからの解剖学的モデルを患者の3D画像に適合してもよい。患者固有の3Dモデルはまた、任意に、肺および/または他の器官など、患者の他の構造物の大きさ、向きおよび/または位置を含んでもよい。患者固有の3Dモデルは、体積コンダクタモデルであってもよい。
【0045】
患者モデルが利用可能である場合(すなわち、判定ブロック202=Y)、あるいはブロック208で作成された患者モデルまたはブロック206で患者に適合された、記憶されたモデルと、ECGリードの位置と、患者固有のモデルとを使用して、ブロック210において、リードロケータモジュール105は、患者固有の3DモデルにおけるECGリードの対応する位置を決定して、増強された患者固有のモデルを提供してもよい。
【0046】
判定ブロック212において、患者固有の解剖学的モデルおよび/または増強された患者固有のモデルが利用可能である場合、内因性活性化または刺激活性化を表すECGデータが利用可能であるか否かについての判定が行われる。内因性活性化データまたは1つ以上の既に存在するペースメーカーリードからのペーシング刺激が利用可能である場合(すなわち、判定ブロック212=Y)、ブロック214において、活性化ユニット107は、患者固有のモデルとECGデータとに基づいて、患者の心臓の現在の活性化を示す3D電気モデルを生成してもよい。
【0047】
内因性活性化または刺激活性化に関するECGデータが利用可能でない場合(すなわち、判定ブロック212=N)、ブロック216において、仮想刺激ユニット111は、ノード間の以前に決定および/または仮定されたノード間の移行速度に基づいて、初期仮想刺激を心臓の電気モデルに追加してもよい。想定される移行速度は、例えば、0.8msであってもよい。電気モデルは、上述したように動脈、静脈、および/または瘢痕組織を含んでもよい。ブロック218において、患者の心臓の仮想的活性化の3D電気モデルが生成されてもよい。
【0048】
患者の心臓の内因性の、刺激による、または仮想的な活性化の3D電気モデルから、同期性決定ユニット116は、上述したように、ブロック222において、同期性マップ15を生成してもよい。同期性マップに基づいて、処理ユニット102は、判定ブロック230において、人工刺激位置または仮想刺激位置が最適な活性化および同期性をもたらしたか否かを判定してもよい。もしそうであるなら(すなわち、判定ブロック230=Y)、処理ユニットは、ブロック234において、患者の心臓に対する最適刺激位置を計算してもよい。
【0049】
ブロック230において、最適な同期性が達成されていないと判定された場合(すなわち、判定ブロック230=N)、方法200は判定ブロック232に進み、そこで、追加の仮想刺激位置が必要または追加されるべきか否か、あるいは仮想刺激位置がタイミングパラメータに関して移動または変更されるべきであるか否かが判定される。この判定は、臨床医によって、処理ユニットによって、または処理ユニットによってディスプレイ上に提示された情報または推奨に基づいて臨床医によって行われてもよい。
【0050】
追加の仮想リードが必要であると判定された場合(すなわち、判定ブロック232=Y)、ブロック224において、仮想ペーシング位置が、決定された同期性に従って追加されてもよい。追加の仮想リードは不要であり、仮想刺激位置が移動または変更されるべきであると判定された場合(すなわち、判定ブロック232=N)、ブロック225において、人工または仮想の刺激位置がそれに応じて調整されてもよい。
【0051】
ブロック226では、新たな活性化が生成されてもよい。次いで、ブロック222において、同期性が再計算され、判定ブロック230において所望の活性化が達成されると判定されるまで、プロセスが繰り返されてもよい。
【0052】
システム100はまた、現在の人工刺激位置、すなわちペースメーカーリード位置を、現在の刺激パラメータに関して仮想的に適合させて、最適な同期性を達成してもよい。
【0053】
システム100は、複数の刺激を評価するために使用されてもよい。例えば、複数の刺激は、内因性活性化と刺激活性化(ペーシング)との組み合わせであってもよい。例えば、複数の刺激は、複数の刺激活性化(ペーシング)であってもよい。ユーザまたは処理ユニット102は、追加のペースメーカーリードなどの追加的な刺激位置が望ましいか否かを判定する232ことが可能である。
【0054】
追加的な刺激位置が所望される場合、追加的な刺激位置は、挿入ユニット114によって挿入されてもよい。次いで、ブロック226において、元の刺激位置および追加された仮想刺激位置を有する状況に対する活性化が再度決定されてもよく、ブロック222において、同期性が再計算されてもよい。同期性マップに基づいて、処理ユニット102は、判定ブロック230において、追加的な仮想刺激位置が最適な同期性をもたらしたか否かを判定してもよい。最適な同期が達成されていない場合、方法200はブロック232に進み、そこで、追加の仮想刺激位置が追加されるべきか否か、あるいは仮想刺激位置がタイミングパラメータに関して移動または除去されるべきか否かが判定される。そのような場合、プロセスは1回以上繰り返されてもよい。
【0055】
患者固有の心臓活性化モデルに基づいて、心臓同期性モデルが生成されてもよい。同期性モデルは、上述したような等同期線を含む3D心臓表面モデルであってもよく、等同期線は、心臓の活性化同期性を表す。この同期性は、ペースメーカーのリード位置における右心室活性化など、特定の活性化条件に基づいてもよい。
【0056】
一例として、以下のブロックにおいて、同期性モデルが生成されてもよく、内因性LBBBパターンに対する活性化同時線が決定されてもよい。
【0057】
1A)心臓、肺、および胸部の患者固有の解剖学的3Dモデルは、例えば患者のMRIまたはCT画像に基づいて生成されるか、あるいは、例えば3Dカメラを使用して、データベースから取得され、患者の寸法に適合されたモデルから導出されてもよい。解剖学的3Dモデルは、心臓の3D表面モデル、肺の3D表面モデル、および胸部の3D表面モデルを含んでもよい。3D表面モデルは、それらの角で結ばれた三角形などの複数の多角形のメッシュを用いて、心臓の実際の表面を綿密に近似するものであってもよい。相互に結ばれた角は、メッシュのノードを形成する。
【0058】
1B)ECG、例えば12誘導のECGが測定されてもよい。胸部上のECG装置の電極の正確な位置が記録されてもよい。3D解剖学的モデルにおける電極の位置が、心臓組織を通る電気的活動の分布、変動、および/または動きを推定するために使用されてもよい。記録リードまたはECG装置の正確な位置が、胸部の解剖学的3D表示に入力されてもよい。
【0059】
1C)任意で、瘢痕組織が、心臓の解剖学的3D表示に組み込まれてもよい。瘢痕組織の存在および位置が、遅延造影MRI画像から導出されてもよい。
【0060】
1D)ECG装置の記録リード毎の測定値は、心臓および胴体の幾何学的形状に関連してもよい。逆の手順を使用して、内因性活性化が決定されてもよい。心臓組織を通る電気的活動の分布、変動、および/または動きは、心筋距離関数、最速ルートアルゴリズム、最短経路アルゴリズム、および/または高速マーチングアルゴリズムに基づいてもよい。
【0061】
2)内因性LBBBパターンに対する活性化同時線が一旦決定されると、刺激部位が、心臓上の各ノードに対して内因性活性化に追加され、その結果から、心臓の所望の同期性が計算されてもよい。「ノード」は、解剖学的3D心臓モデルが基づいている三角形の交点を指す。
【0062】
上記方法はまた、心臓ペースメーカーの電極の定置に最適な位置を決定するために使用されてもよい。最適なペーシング部位を決定するために、同期性マップが計算されてもよい。内因性活性化マップは、決定された刺激点と組み合わせて、新たな心臓等時線位置決めマップに適用されてもよい。
【0063】
図7Aは、心臓のLBBB活性化パターンの3D同期性マップの例を示す。左側に、図7Aは左前斜位(LOA)図を示す。図7A右側に、後-前(PA)図を示す。図7Bは、図7Aの心臓に対する同期性マップを示す。図7B左側にはLAO図を示し、図7B右側にはPA図を示す。
【0064】
図7Bの同期性マップは、心臓の内因性活性化と1つの追加の刺激位置とを組み合わせた結果としての心臓の脱分極時間の標準偏差を示す。図7Bから、基底左室自由壁20上の追加的な刺激位置を選択することにより、心臓の脱分極時間の標準偏差を最も減少させることが分かる。したがって、この例では、基底左室自由壁上の領域を、ペースメーカー電極の最良の場所として選択することができる。
【0065】
基底左室自由壁上の領域における刺激を同時に伴う内因性活性化を含む、心臓の電気的活性化の更新された3Dモデルが生成されてもよい。次いでこの更新された3Dマップを使用して、新たな同期性マップを生成し、RV内のリードの位置をチェックしてもよい。これを行うことにより、臨床医は、単なるセンシングだけではなく、リードの刺激もさせるべきか否かを判定してもよい。臨床医はまた、リードをシフトすべきか否かを判定してもよい。臨床医はまた、追加の刺激リードを加えるべきか否かを判定してもよい。
【0066】
臨床医はまた、内因性AV伝導が有益であるか否かを判定してもよい。内因性AV伝導は、一般に、右脚に伝導し、その後、LVは、LVを刺激することによって活性化される必要がある。これは、逆にすることもでき、すなわち、RBBBがLV活性化を待ち、RV自由壁を最適な位置で刺激してもよい。左心室および右心室の両方への処置を繰り返すことにより、心臓ペーシングの正確な位置およびタイミングを微調整することができる。
【0067】
内因性活性化信号が心臓の重度の損傷のために使用できない場合、内因性活性化の代わりに、シミュレートされた(ペースメーカー)刺激のみを使用して、全処置が実行されてもよい。その場合、上記のブロック1Bおよび1Dは省略されてもよい。ひいては、全処置は、人工的活性化に基づくことになる。
【0068】
図8Aは、LBBBパターンの左側刺激活性化の一例を示す。図8Aは、左側にLAO図を示し、右側にPA図を示す。図8Bは、図8Aに示した心臓の同期性マップ15の一例を示す。図8Bは、左側にLAO図を、右側にPA図を示す。図8Bの同期性マップは、心臓の左側刺激活性化と組み合わされた1つの追加の刺激位置の結果としての心臓の脱分極時間の標準偏差を示す。図8Bから、基底左室自由壁20上の領域内の追加的な刺激位置を選択することにより、心臓の脱分極時間の標準偏差を最も減少させることが分かる。したがって、この例では、基底左室自由壁上の領域を、ペースメーカー電極の最良の位置として選択することができる。基底左室自由壁上の領域における刺激を同時に伴う内因性活性化を含む、心臓の電気的活性化の更新された3Dモデルが生成されてもよい。
【0069】
上述した全処置を、植込み処置中に実行し、最も最適なペーシング部位を見出してもよい。
【0070】
図9は、いくつかの実施形態に従う心臓撮像システムのブロック図である。図10は、いくつかの実施形態に従う、図9のシステムを使用して電極を植込む方法300を示すフロー図である。図9および図10を参照すると、ブロック301において、患者の心臓の3D活性化マップがシステムの処理ユニット400によって生成されてもよい。特に、患者の胸部および/または心臓の3DモデルがCTまたはMRI装置108によって生成されてもよく、患者のECGデータがECG記録装置106によって記録されてもよく、かつ患者の胴体の3D画像が3Dカメラ109によって生成されてもよい。このデータは、処理ユニット400の活性化マップ生成部320に提供されてもよい。ECGデータは、患者から受け取った外因性および/または内因性の刺激信号を含んでもよい。
【0071】
ブロック302では、1つ以上の最適なペーシング予測位置が特定されてもよい。例えば、心臓同期性を決定するために活性化マップが同期性決定ユニット322に提供されてもよい。次いで、このデータを、仮想刺激点生成部324が使用して、1つ以上のペーシング予測位置を特定してもよい。
【0072】
CRT患者において、ペーシング位置は、心拍非同期が発生する位置に配置されてもよく、それにより、その刺激は、最大量の心臓活性化および/または同期性を生み出すと予測される。ペーシング位置は、例えば、LV活性化時間とRV活性化時間との間の差、LVおよび/またはRVのうちの最早および/または最遅活性化、検出された脱分極波遮断などに基づいてもよい。
【0073】
ブロック304では、1つ以上の仮想ペーシング位置が表示されてもよい。例えば、1つ以上のペーシング位置が、活性化マップに仮想ペーシング位置として追加されてもよい。代替例では、活性化マップと、フルオロスコープ、放射線撮影装置、X線コンピュータ断層撮影(CT)装置などのリアルタイム撮像装置328によって生成された画像とが、画像統合部326に提供されてもよい。画像統合部326は、活性化マップとリアルタイム画像とを比較および/または整列してもよい。比較および/または整列に基づいて、刺激点を含む活性化マップがリアルタイム画像上に重ねられてもよい。他の実施形態では、仮想刺激点がリアルタイム画像に追加されて、レンダリングのためにディスプレイ330に提供され、修正されたリアルタイム画像を生成してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、活性化マップを表示することに加えて、ブロック304は、心臓の内部構造を示す参照画像をディスプレイ330に提供することを含んでもよい。追加の画像は、活性化マップを生成するために使用されるMRI画像またはCT画像のような2D心臓画像のうちの1つに基づいてもよい。このような2D画像は、追加の特徴を示すように修正されてもよい。例えば、2D心臓画像は、活性化マップに含まれる最早活性化および/またはペーシング位置の領域に含まれる構造を特定するように修正されてもよい。したがって、リアルタイム撮像装置328を使用して電極を位置決めする際に、参照画像を参照することができる。参照画像については、図11Bを参照して以下に詳細に説明する。
【0075】
ブロック306では、1つ以上のペーシング電極が、特定された仮想刺激点に位置付けられてもよい。医師は、ディスプレイ330に示された参照画像および/または活性化マップを使用して、ペーシング電極を仮想刺激点と位置合わせしてもよい。次いで、心臓がペーシングされ、結果として生じるECGデータが収集されてもよい。
【0076】
ブロック308では、収集されたECGデータを使用して、更新された活性化マップを生成し、刺激の効果が示されてもよい。いくつかの実施形態では、ECGデータを使用して、ペーシング位置を特定し、それが活性化マップ上に表示されてもよい。ペーシング電極はペーシング位置に配置されているので、ペーシング位置は、ペーシング電極の現在位置を表してもよい。したがって、ペーシング電極位置は、ペーシング位置へとナビゲートしている間、表示されてもよい。したがって、ペーシング電極の位置を決定するために追加のマッピングアプリケーションは必要とされず、それによって、ペーシング処置のコストが実質的に低減されてもよい。
【0077】
判定ブロック310では、ペーシング電極が好適な心臓位置に配置されているか否かが判定されてもよい。例えば、CRT患者では、刺激が十分な量の同期性を有し、かつ/または所望の量の心臓機能を回復したか否かが判定されてもよい。そうである場合(すなわち、判定ブロック310=はい)、ブロック312において、電極は適所に縫合されてもよい。そうでない場合(すなわち、判定ブロック310=いいえ)、ブロック308で生成された更新された活性化マップに基づいて、ブロック302において、新たな心臓刺激点が生成されてもよい。例えば、1つ以上の仮想刺激点が新たな位置に移動され、かつ/または追加の仮想刺激点が追加されてもよい。次いで、ブロック304において、仮想刺激点がリアルタイム心臓画像に追加されてもよい。いくつかの実施形態では、LVおよびRVが刺激されるペーシング間隔もまた調整されてもよい。
【0078】
PVCおよび/またはVT患者に対して、判定ブロック310は、更新された活性化マップを使用して、刺激が患者のPVCを再現するか否かを判定することを含んでもよい。換言すれば、判定ブロック310は、刺激点が好適な焼灼点であるか否かを判定することを含んでもよい。そうである場合(すなわち、判定ブロック310=はい)、ブロック312において、心臓は刺激点で焼灼されてもよい。そうでない場合(すなわち、判定ブロック310=いいえ)、ブロック302において、前回の刺激中に収集されたECGデータに基づいて、新たな刺激点が生成されてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、活性化マップを使用して、CRTが患者に適切であるか否かを判定してもよい。例えば、ペースメーカーまたはペーシングリードを最適に配置した後に患者の心拍出量が許容可能なレベルを達成するとは予測されない場合、CRTは患者にとって適切でないと判定されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、処理ユニット400と、ディスプレイ330と、CT/MRI装置108、3Dカメラ109、ECG記録装置106、および/またはリアルタイム撮像装置328などの他のハードウェアへの有線または無線の接続とを含むワークステーションが使用されてもよい。ワークステーションはまた、カテーテル植込み装置または他のロボット手術装置などの手術装置を制御するためのインターフェースを含んでもよい。
【0081】
図11Aは、いくつかの実施形態に従う、図9のシステムを使用する心臓撮像方法500を示すフロー図である。図11Bおよび図11Cは、図11Aの方法の間に生成される活性化マップを示す。
【0082】
焼灼は、PVCおよび/またはVTに対する効果的な治療である。しかしながら、一部の患者は、一過性のVTおよび/またはPVCを経験することがあり、その場合、病院でのカテーテル挿入処置中に、または電気生理学的設備室での電気生理学的検査中に、患者が検査を受けている間に事象または症状が発生しない可能性がある。一過性のVTおよび/またはPVC症状を示す患者に対して十分なECGデータを確実に得るために、ECGデータはホルター型装置のような可搬式ECG記録装置106を使用して記録されてもよい。
【0083】
図9および図11Aを参照すると、処理ユニット400は、ブロック501において、PVC中の電気的活性化を示すPVC活性化マップを生成してもよい。例えば、PVC活性化マップは、PVC中の最早活性化領域を特定してもよい。PVC活性化マップは、上述したように、患者からのCTおよび/またはMRIデータに加えて、PVC中に収集されたECGデータに基づいてもよい。特に、データは、処理ユニット400の活性化マップ生成部320に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、単一のPVC拍動からのECGデータが、PVC活性化マップを生成するのに十分であってもよい。PVC活性化マップは、PVC心拍中に最早活性化が発生した心臓の領域を特定してもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、方法は、任意で、ブロック502を含んでもよい。ブロック502において、プロセッサ400は、心臓の内部構造を示す参照画像を生成するために使用されてもよい。活性化マップおよび参照画像は、同じディスプレイ上にまたは異なるディスプレイ上に、同時にまたは異なる時間に、表示されてもよい。換言すれば、ブロック501および502は、生成された活性化マップおよび参照画像をディスプレイ330に提供することを含んでもよい。
【0085】
参照画像は、活性化マップを生成するために使用される2D MRIまたはCT画像のうちの1つなどの心臓画像に基づいてもよい。心臓画像に示される内部心臓構造に加えて、参照画像は、追加の特徴を含んでもよい。例えば、参照画像を形成するために、心臓画像は、活性化マップに含まれる最早活性化および/または仮想ペーシング位置の領域に含まれる構造を示すように修正されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、処理ユニット400は、ブロック503で説明されるように、リアルタイム撮像装置328によって提供されている画像を最も綿密に近似する心臓画像を選択するように構成されてもよい。他の実施形態では、参照画像は、手動で選択された心臓画像に基づいてもよい。したがって、リアルタイム撮像装置328を使用して電極を位置決めする際に、参照心臓画像を参照することができる。
【0087】
図11Bは、PVC/VT患者に対する参照画像の一例を示す。図11Bを参照すると、参照画像は、最早活性化領域340を特定してもよい(例えば、最早活性化領域に含まれる2D画像内の心臓構造を特定してもよい。参照画像はまた、ペーシング位置342を含んでもよい。ペーシング位置342は、刺激点生成部324によって生成された仮想ペーシング位置であってもよい。いくつかの実施形態では、ペーシング位置342は、実際のペーシング/カテーテル位置であってもよい。例えば、心臓がペーシングされると、処理ユニット400は、結果として生じるECGデータを分析して、対応するペーシング位置342を特定し、それによって、ペーシングカテーテル、ペーシング電極などの現在位置を特定してもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、ペーシング位置342が、PVCのシミュレーションまたは所望の心臓同期性などの所望の心臓応答を提供しない場合、ガイダンス情報生成部332は、電極が移動されるべき方向を示すベクトル344などのガイダンス情報を提供してもよい。
【0089】
ブロック503において、方法は、カテーテルを心臓内に挿入して電気的活動を分析し、不整脈がどこに位置するかを決定することを含む、電気生理学的(EP)処置を実行することを含む。PVC患者では、EP処置の目的は、患者の症候性PVCを綿密に近似するPVCをもたらす位置で心臓をペーシングすることであってもよい。例えば、EP処置は、最早活性化領域内のある位置で、カテーテルを使用して心臓をペーシングすることを含んでもよい。追加の電極を挿入して、EP処置中にECGデータを内部的に検出してもよい。例えば、ペーシング中にECGデータを記録することにより、ペーシングデータを記録してもよい。
【0090】
EP処置はまた、PVC最早活性化領域内およびその周りの特徴など、患者の心臓の内部特徴をマッピングすることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、EP処置は、心臓の異なる点をカテーテルと接触させることによって、点毎の3D三角形分割化内部表面モデルを生成することを含んでもよい。EP処置を実行するのに好適なシステムは、EnSite PrecisionマッピングシステムおよびCarto3マッピングシステムを含む。このようなシステムは、体内のカテーテルの3D位置を追跡し、カテーテルと心臓組織間の接触が起こる都度、心臓内部表面位置を記録する能力を有する。これらの3D位置の収集は、心拍と同期され、各点が、心臓が他の記録された点と同じ状態(すなわち、収縮とは反対の最大容積)にあるときに収集されることを保証する。モデルを構築することに加えて、相対的ECG活性化時間を記録し、心臓モデル上にマッピングしてもよい。
【0091】
ブロック503はまた、上述したように、リアルタイム撮像装置328を使用して心臓のリアルタイム画像を生成することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ブロック502で、参照画像がリアルタイム画像を近似する心臓画像に基づくように、リアルタイム画像が生成された後に実行されてもよい。
【0092】
EP処置はまた、最早活性化領域内のある位置と接触させてカテーテルを位置付けることを含んでもよい。ブロック504では、次にカテーテルを使用して、電気刺激を介して心臓をペーシングしてもよい。ペーシングの目的は、患者の症候性PVCを綿密に近似するPVCをもたらす位置で心臓をペーシングすることであってもよい。追加の電極も挿入して、EP処置中にECGデータを内部的に検出してもよい。例えば、ペーシング中にECGデータを記録することにより、ペーシングデータを記録してもよい。
【0093】
EP処置およびペーシングは図11Aにおいて別個のブロックとして示されているが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、EP処置およびペーシングは、両方とも、単一の処置中に起こってもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、ブロック504は、収集されたECGデータを使用して、更新された活性化マップを生成し、刺激の効果を示すことを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ECGデータを使用して、ペーシング位置を特定し、それが活性化マップ上に表示されてもよい。ペーシング電極はペーシング位置に配置されているので、ペーシング位置は、ペーシング電極の現在位置を表してもよい。したがって、ペーシング電極位置は、ペーシング位置にナビゲートしている間、表示されてもよい。したがって、ペーシング電極の位置を決定するために追加のマッピングアプリケーションは必要とされず、それによって、ペーシング処置のコストが実質的に低減される。
【0095】
判定ブロック506では、ペーシングデータを分析して、ペーシング電極が、所望の心臓応答を達成するのに好適な心臓位置に配置されているか否かを判定してもよい。例えば、ペーシングデータは、活性化マップを生成するために使用されるECGデータと比較されてもよい。PVCでは、ペーシングを分析して、ペーシンデータが、患者のPVCの呈示中に記録されたPVC ECGデータに十分に合致するか否かを判定してもよい。換言すれば、ペーシングデータを分析して、カテーテルが、患者のPVCおよび/またはVTを緩和するように焼灼される位置を特定したか否かを判定する。CRT患者では、ペーシングデータを分析して、十分な心臓同期性および/または活性化が達成されたか否かを判定してもよい。
【0096】
所望の心臓応答が達成されたと判定された場合(すなわち、判定ブロック506=はい)、ブロック510において、カテーテルを使用して、PVC患者の焼灼位置で心臓を焼灼してもよい。CRT患者では、ブロック510において、ペーシング電極および/または微小ペースメーカーが所定位置に縫合されてもよい。
【0097】
所望の心臓応答が達成されていないと判定された場合(すなわち、判定ブロック506=いいえ)、ブロック508において、患者のPVCをより良くシミュレートするために、処理ユニット400は、ペーシングデータ、PVC ECGデータ、および/またはカテーテル位置データを使用して、カテーテルが移動されるべき方向を特定してもよい。例えば、ペーシングデータおよびカテーテル位置データは、処理ユニット400のガイダンス情報生成部332に提供されてもよい。ガイダンス情報生成部332は、患者のPVCを適切にシミュレートするためにカテーテルが移動されるべき方向および/または距離を決定するために、ペーシングデータおよび/または位置データをPVC ECGデータと比較するように構成されたアルゴリズムを含んでもよい。この情報は、アイコンおよび/またはテキストを使用して提示されてもよい。CRT患者では、ペーシングデータを分析して、所望の心臓応答を達成するために1つ以上のペーシング電極が移動されるべきか否かを判定してもよい。
【0098】
ガイダンス情報生成部332は、ガイダンス情報を活性化マップ生成部320に提供してもよい。活性化マップ生成部320は、図11Bおよび図11Cを参照して後述するように、ガイダンス情報生成部332によって提供されたガイダンス情報に基づいて、活性化マップを更新してもよい。他の実施形態では、ガイダンス情報生成部332は、リアルタイム撮像装置328によって提供される画像との統合のために、ガイダンス情報を画像統合部326に提供してもよい。他の実施形態では、ガイダンス情報は、EPシステムに提供され、それによって生成されたEPマップ上に表示されてもよい。
【0099】
ブロック508においてガイダンス情報が表示された後、方法はブロック504に戻り、再び心臓をペーシングする。しかしながら、いくつかの実施形態では、方法は、EP処置を実行するためにブロック503に戻ってもよい。したがって、PVC/VT患者では、ペーシングが、患者のPVCを正確に再現するPVCをもたらし、対応する焼灼位置が特定されるまで、多数の位置が刺激されてもよい。CRT患者では、所望の心臓応答が達成されるまで、刺激位置が調整されてもよい。さらに、医師は、刺激点を特定するのを助けるためのガイダンス情報を提供されてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、ブロック503は、図9のマッピングシステムを使用して、心臓のペーシング中にECGデータを外部から記録することを含んでもよい。さらに、ブロック504は、マッピングシステムを使用して、記録されたECGデータに基づいて、心臓内のペーシング位置を決定することも含んでもよい。例えば、ペーシング位置は、心臓のペーシング中の最早活性化領域を特定することによって決定されてもよい。さらに、ブロック508は、ペーシング位置をPVC活性化マップに追加することも含んでもよい。このように、ペーシング中、ペーシング電極はペーシング位置に配置されているので、カテーテルの少なくともペーシング電極の位置は、PVC活性化マップ上で特定されてもよい。
【0101】
図11Cを参照すると、更新された活性化マップは、最新のペーシング位置および/またはカテーテル位置に対応するペーシング/刺激位置を示す第1の点700を含んでもよい。更新された活性化マップはまた、焼灼のための標的領域であり、最早活性化領域710も含んでもよい。いくつかの実施形態では、活性化マップは、最早活性化領域710内の新たな刺激位置にカテーテルを移動させるための方向および距離の推奨を示すベクトル712を含んでもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、図11Dに示すように、更新された活性化マップは、以前のペーシング位置を示す1つ以上の第3の点704を含んでもよい。例えば、更新された活性化マップは、第1の刺激位置を表す第1の点700と、第2の刺激位置を表す第2の点702と、第3の(例えば、現在の)刺激位置を表す第3の点704と、示唆された刺激位置を表す第4の点706とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、最早活性化領域710は、各ペーシングからのECGデータに基づいて再計算されてもよい。
【0103】
点700~706は、経時的な情報を提供するために、異なる色、陰影、および/または形状であってもよい。例えば、点700~706は、点が作成された順序を表すために陰影付けされ得、それによって、カテーテルの経路が特定される。例えば、点700~706は、次第に明るくまたは暗くされてもよい。いくつかの実施形態では、第4の点706は、他の点よりも明るくされてもよい。第4の点706によって表される位置で一旦ペーシングが起こると、点700~706は各々暗くされるか、または点が以前のペーシング位置を表すことを示すように別様に修正されてもよい。
【0104】
他の実施形態では、点は、EPプロセス中のカテーテルの経路を表すために、線708によって結ばれてもよい。いくつかの実施形態では、図11Bのベクトル712は、第4の点706に加えてまたはそれに代えて、図11Cの活性化マップに適用されてもよい。
【0105】
図12は、いくつかの実施形態に従う画像統合方法800を示すブロック図である。方法800は、図9のシステムを使用して実行されてもよい。図9および図12を参照すると、ブロック801では、上述したように、プロセッサ400を使用して、患者の心臓のPVC活性化マップが生成されてもよい。
【0106】
ブロック802では、3D三角形分割化を通して、心臓の3D内部表面モデルが点毎に生成されてもよい。特に、心室表面の特徴などの患者の心臓の内部表面特徴が、心臓の内部表面とEPカテーテルとの点接触によって、点毎にマッピングされてもよい。EP処置を実行するのに好適なシステムは、EnSite PrecisionマッピングシステムおよびCarto3マッピングシステムを含む。このようなシステムは、体内のカテーテルの3D位置を追跡し、かつカテーテルと心臓組織との接触が起こる都度、心臓表面位置を記録する能力を有する。この逐点接触データの収集は、心拍と同期され、各点が、心臓が他の記録された接点と同じ状態にある(すなわち、心臓の容積が実質的に同じである)ときに収集されることを保証する。例えば、点接触がなされたとき、心臓は最大容積または最大収縮であってもよい。
【0107】
従来のEPシステムでは、内部表面モデルは、取得されたMRIまたはCTデータセットと合成されて、心臓モデルを形成する。特に、合成は、心臓の真の幾何学的形状をより正確に表し、かつEP処置中にマッピングされなかった追加の心臓特徴を示すように内部表面モデルデータを調整することを含んでもよい。このプロセスは、CTまたはMR内のどの点の大きさが、組織対血液を表すかの計算を含む。次いで、心臓の幾何学的形状をより良く表すために調整を行ってもよい。
【0108】
EP処置はまた、逐点接触中の相対的ECGデータ(例えば、活性化時間)を記録することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、このECGデータは、内部表面モデル上にマッピングされてもよい。これは、心臓/カテーテルの接触が起こするとすぐに、点が迅速に収集されることを可能にするので、正常なECG信号をマッピングすることを含んでもよい。
【0109】
焼灼点を決定するために、PVC活性化マップはPVC中の最早活性化領域を含むので、PVC活性化マップが生成されてもよい。しかしながら、従来のEPシステムを使用してPVC活性化マップを生成する場合、PVC中、カテーテルは心臓と接触していなければならない。PVCは間欠的にしか起こり得ないので、従来の方法を使用してPVC活性化マップを生成することは、非症候性ECGデータを利用する場合と比較して、かなり長い時間を必要としてもよい。これは、患者のストレスおよび外科用リソースの使用を増加させる。
【0110】
したがって、ブロック804において、ブロック802で生成された内部表面モデルを、ブロック801で生成されたPVC活性化マップと合成して、PVC活性化表面モデルを形成してもよい。特に、PCV活性化マップに含まれるPVC活性化データは、内部表面モデルに適用されてもよい。さらに、MRIまたはCTデータを既に含む、PVC活性化マップに含まれる表面特徴は、内部表面モデルに含まれる三角形分割化逐点データと合成されてもよい。したがって、三角形分割化逐点データとMRIまたはCTデータとを合成する従来のプロセスを実行することなく、PVC内部表面モデルを生成してもよく、プロセスをさらに簡略化する。
【0111】
ブロック806では、カテーテルが、EP PVC活性化モデル上に示されたPVC最早活性化領域に位置付けられてもよく、心臓はペーシングされてもよい。ペーシング中に、ペーシングECGデータが記録されてもよい。
【0112】
ブロック808では、ペーシングデータを分析して、焼灼位置が特定されたか否かを判定してもよい。特に、ペーシングデータを分析して、患者のPVCの兆候中に記録されたECGデータにペーシングデータが十分に合致するか否かを判定してもよい。換言すれば、ペーシングデータを分析して、患者のPVCおよび/またはVTを緩和するために焼灼する位置をカテーテルがペーシングしたか否かを判定してもよい。
【0113】
判定ブロック810では、焼灼位置が特定されたか否かの判定が行われる。焼灼位置が特定された場合(すなわち、判定ブロック810=Yes)、ブロック814において、カテーテルを使用して、特定された焼灼位置で心臓を焼灼する。
【0114】
焼灼位置が特定されていない場合(すなわち、判定ブロック810=No)、図11Aの方法に関して上述したように、ブロック812において、ガイダンス情報が提供されてもよい。次いで、方法はブロック806に進んでもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、ブロック812は省略されてもよく、焼灼位置が特定されていない場合(すなわち、判定ブロック810=No)、方法は、判定ブロック810からブロック806に直接進んでもよい。次いで、方法800は、焼灼位置が特定され、ブロック814において焼灼されるまで繰り返されてもよい。
【0115】
いくつかの実施形態で、方法は、PVC活性化マップ上にペーシング位置を表示することを含んでもよい。例えば、PVC活性化表面モデルは、PVC活性化マップと位置合わせされてもよく、ペーシング位置は、PVC活性化マップに追加されてもよい。ペーシング位置はまた、ペーシング中のEPカテーテルの位置も表してもよい。他の実施形態では、プロセッサ400は、ペーシング中に記録されたECGデータを分析して、ペーシングおよび/またはペーシングカテーテル位置を決定し、次いで、それがPVC活性化マップに追加されてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、方法800は、図11A図11Dに関して上述したように、PVC活性化マップとともに参照画像を生成して表示すること、および/またはガイダンス情報を表示することを含んでもよい。
【0117】
いくつかの実施形態は、患者固有のデータを受信するようにソフトウェアで構成された処理ユニットを含むハードウェアシステムを含み、ECG撮像データに基づいて患者の心臓の同期性マップの形態で心臓の電気的活性化の3Dモデルを生成および表示し、基準参照点(本明細書では「基準マーカー」と称する)として機能する身体上の認識可能なマーカーを使用して、3Dモデル/マップを患者の身体と相関させるかまたは位置合わせする。3Dカメラなどの外部撮像システムを使用して、CRT処置のための手順の一部として臨床医によって患者に適用されるマーカーによって示される、主な解剖学的参照点(例えば、鎖骨、肩、肋骨などを伴う、患者の身体(例えば、胴体または胸部)の3D画像データを取得してもよい。患者固有の3D解剖学的モデルは、特定された解剖学的位置を、CTまたはMRIスキャンから得られた撮像における対応する解剖学的位置と位置合わせすることによって、画像データを患者の胸部の3D解剖学的モデルと合成してもよい。
【0118】
図13は、いくつかの実施形態に従う心臓撮像システム1000のシステムブロック図である。図13を参照すると、システム1000は、心電図システム106、内部撮像システム1080、外部撮像システム1090、および出力ユニット1200などのハードウェアモジュールに電気的に接続され得る処理ユニット102を含む。
【0119】
処理ユニット1020は、ハードウェアモジュールから患者固有のデータを受け取る。患者固有の解剖学的データから、処理ユニット1020は、患者の心臓の同期性マップを生成し、それが出力ユニット1200に出力されてもよい。出力ユニット1200は、同期性マップおよび/または代替データをユーザに出力するように構成されてもよい。出力ユニットは、ディスプレイユニット、プリンタ、メッセージングユニットなどであってもよい。
【0120】
例えば、処理ユニット1020は、12リードのECG装置などの心電図システム1060から心電図(ECG)撮像データを受け取ってもよい。ECGデータは、心臓の電気的活性化の3Dモデル4を決定するために、処理ユニット1020によって使用されてもよい。特に、ECG信号は、心臓等時線の位置を計算するために、心臓、肺、および/または胴体の患者固有の3D解剖学的モデルと組み合わされてもよい。
【0121】
患者固有の3D解剖学的モデルは、MRI装置またはCT装置などの内部撮像システム1080から取得してもよい。代替的または追加的に、患者に最も近い適合性を示す3D解剖学的モデルが、複数の3D解剖学的モデルを含むデータベースから選択され、任意選択で変更されてもよい。選択され、任意選択で変更された3D解剖学的モデルは、患者固有の3D解剖学的モデルとして役立ち得る。
【0122】
さらに、処理ユニット1020は、外部撮像システム1090から患者画像データを受け取ってもよい。例えば、外部撮像システム1090は、3Dカメラであり得、処理ユニット1020は、図14Aまたは図14Bに示したように、患者の胸部の表面の3D画像データを受け取ってもよい。
【0123】
図14Aを参照すると、3D画像データは、図14Aに示されたVl~V6前胸部電極などの、患者の解剖学的構造に対するECGリードの位置を含んでもよい。心臓に対するECG電極、特にVl~V6前胸部電極の位置の知識は、PVCの開始位置を正確に計算するために特に重要であり得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、想定された理想的な位置からの電極のオフセット、特にV1~V6電極のオフセットは、検出された正常心拍のECG信号と理想的なECG正常心拍信号との比較に基づいて決定されてもよい。例えば、オフセットは、検出されたECG信号が、理想的な電極位置に対する電極位置の変化によってどのように影響されるかに基づいて決定されてもよい。特に、記録されたECGデータを使用して、正常拍動のための刺激開始位置を決定することができる。SAノードにおける正常開始位置は既知であるので、決定されたオフセット位置をこの既知の開始位置と比較し、電極のオフセットを、それらの間の変化に基づいて推定することができる。したがって、3Dマップを生成することなく、電極オフセットを決定することが可能であってもよい。
【0125】
処理ユニット1020は、外部撮像システム1090によって生成された3D画像データと、内部撮像システム1080によって生成された解剖学的胴体および/または心臓モデルとを整列させ、かつ/または合成するように構成され得、また胴体モデル内の電極の位置は、3D画像データの電極位置と一致するように調整されてもよい。しかしながら、外部撮像システム1090が胴体と適切に整列していない場合には、3D画像データおよび解剖学的モデルを適切に整列させることは困難であり得る。
【0126】
3D画像データと解剖学的胴体モデルとの整列を容易にするために、システム100は、患者の胴体上に事前に配置(例えば、接着)され、外部撮像システム109によって生成された3D画像データに捕捉された基準マーカーを含んでもよい。基準マーカーは、患者の3D画像と解剖学的胴体モデルとの整列を容易にするために、臨床医によって患者の上に、胴体モデル内で特定された、設定された解剖学的位置に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、基準マーカーは、3D画像データを処理するプロセッサによるマーカーの自動的な識別および位置を可能にする、形状、色および/または表面材料(例えば、反射性または逆反射性の材料)を有する、皮膚に接着するように構成された接着性裏材を有するステッカーであってもよい。
【0127】
例えば、第1の基準マーカー900は、各鎖骨の遠位端など、設定された解剖学的位置で患者の肩上に配置されてもよい。第2の基準マーカー902は、患者の胸骨上の設定位置など、第1の基準マーカー902間の設定された解剖学的位置に配置されてもよい。
【0128】
処理ユニット1020は、外部撮像装置によって収集された3D画像データに含まれる1つ以上の特定用特徴に基づいて、基準マーカー900、902、およびそれに対応する解剖学的位置を特定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、処理ユニット1020は、画像データに含まれる対応する解剖学的マーカーの色、形状、および/または反射率に基づいて、基準マーカー900、902に対応する解剖学的位置を特定するように構成されてもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、基準マーカー900、902は、特定の波長の光を反射するように構成されてもよい。例えば、第1の基準マーカー900は第1の色を有し、第2の基準マーカー902は第2の色を有してもよい。いくつかの実施形態では、各マーカー900、902は、異なる色を有してもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、基準マーカー900、902は、反射性コーティングの形態であり反射性材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、反射材料は、1つ以上の特定の波長または波長範囲の光を反射するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、基準マーカー900、902は、可視光、赤外光、紫外光、またはそれらの組み合わせを反射するように構成された材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、外部撮像システム1090は、光源を含み得、反射材料は、光源から出射された光の全てまたは一部を反射するように構成されてもよい。例えば、基準マーカー900、902は、出射光のうちの特定の波長または波長範囲を選択的に反射するように構成されてもよい。処理ユニット1020は、基準マーカー900、902を、それによって反射された光に基づいて特定するように構成されてもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、基準マーカー300、302は、逆反射材料を含んでもよい。特に、逆反射材料は、入射光またはその一部を、入射光の入射角と実質的に等しい角度で反射する(すなわち、入射光の光源に向かって真っ直ぐ戻る)ように構成されてもよい。逆反射材料は、例えば、安全ベストおよび交通標識に使用されるものとして周知である。このような実施形態では、処理ユニット102は、外部撮像システムから受け取った画像データ中の輝度ピークとして、そのような光を検出するように構成されてもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、基準マーカーは、1つ以上の異なる形状を有してもよい。例えば、図14Bに示すように、システム1000は、三角形の基準マーカー904、十字形の基準マーカー906、および/または台形の基準マーカー908を含んでもよい。処理ユニット1020は、基準マーカーに対応する解剖学的位置を、基準マーカーの形状に基づいて特定するように構成されてもよい。
【0133】
しかしながら、基準マーカーが、処理ユニット1020によって特定可能でありかつ外部撮像システム1090によって検出可能である特徴を含む限り、いくつかの実施形態は、いかなる特定の基準マーカーを特定するための特徴にも限定されない。さらに、図14Aおよび図14Bには3つの基準マーカーが示されているが、任意の好適な数の基準マーカーが使用されてもよい。
【0134】
前述の方法の説明およびプロセスフロー図は、単に例示として提供されており、いくつかの実施形態のステップが、提示された順序で実行されなければならないことを要求または示唆することを意図するものではない。当業者には理解されるように、前述の実施形態におけるステップの順序は、任意の順序で実行されてもよい。「その後」、「次いで」、「次の」などの単語は、ステップの順序を限定することを意図するものではなく、これらの単語は、単に、方法の説明を通して読者を案内するために使用される。さらに、例えば、冠詞「a」、「an」または「the」を使用する、単数形の特許請求項の要素に対する言及はいずれも、要素を単数形に限定するものとして解釈されるべきではない。
【0135】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明されたいくつかの例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実施されてもよい。このハードウェアおよびソフトウェアの互換性を明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能性に関して一般的に上述された。そのような機能がハードウェアまたはソフトウェアとして実施されるか否かは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられた設計上の制約に依存する。当業者は、説明された機能を特定のアプリケーション毎に様々な方法で実施することができるが、そのような実施の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0136】
本明細書に開示された態様に関連して説明されたいくつかの例示的なロジック、論理ブロック、モジュール、および回路を実施するために使用されるハードウェアは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、別個のハードウェアコンポーネント、あるいは本明細書に記載された機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせを用いて、実施または実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成としても実施されてもよい。あるいは、いくつかのステップまたは方法は、所与の機能に特有の回路によって実行されてもよい。
【0137】
1つ以上の例示的な態様において、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実施されてもよい。ソフトウェアで実施される場合、機能は、1つ以上の命令またはコードとして、非一時的なコンピュータ読取り可能媒体または非一時的なプロセッサ読取り可能媒体上に格納されてもよい。本明細書に開示された方法またはアルゴリズムのステップは、プロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールおよび/またはプロセッサ実行可能命令において具現化することができ、それらは、非一時的なコンピュータ読取り可能または非一時的なプロセッサ読取り可能な記憶媒体上に存在してもよい。非一時的なサーバ読取り可能、コンピュータ読取り可能またはプロセッサ読取り可能な記憶媒体は、コンピュータまたはプロセッサによってアクセスされる任意の記憶媒体であってもよい。例として、限定的ではないが、そのような非一時的サーバ読取り可能、コンピュータ読取り可能またはプロセッサ読取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD-ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、あるいは命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用され、コンピュータによってアクセスされる任意の他の媒体を含んでもよい。本明細書で使用されるディスク(diskおよびdisc)としては、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、およびBlu-ray(登録商標)ディスクが挙げられ、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、その一方、ディスク(disc)はデータをレーザーで光学的に再生する。上記の組み合わせもまた、非一時的なサーバ読取り可能、コンピュータ読取り可能およびプロセッサ読取り可能な媒体の範囲内に含まれる。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、非一時的なサーバ読取り可能、プロセッサ読取り可能、および/またはコンピュータ読取り可能な媒体上のコードおよび/または命令の1つまたは任意の組み合わせまたはセットとして、存在し得る。
【0138】
開示された実施形態の前述の説明は、任意の当業者が本発明を製造または使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は、特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用されてもよい。したがって、本発明は、本明細書に示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、以下の特許請求の範囲および本明細書に開示された原理および新規な特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13
図14A
図14B